従来、この種の包装用容器として、たとえば特許文献1及び特許文献2のような特許出願がなされている。
この特許文献1及び特許文献2に記載された包装用容器は、容器本体と、該容器本体の開口部を閉じる蓋体(上蓋)と、該容器本体内に収容される一の収容物と区画された状態で他の収容物を収容すべく、前記蓋体の裏面側に取り付けられた区画収容体(落し込み中蓋)とを具備するものである。
特許文献1及び特許文献2の包装用容器は、区画収容体にフランジ部が形成され、該区画収容体のフランジ部の上面に蓋体がシールされているとともに、該フランジ部の下面に容器本体のフランジ部がシールされている。
そして、区画収容体のフランジ部に蓋体がシールされた状態のまま、区画収容体のフランジ部が容器本体のフランジ部から剥離されることによって容器本体が開封され、容器本体の開封後に、相互にシールされた状態のままの区画収容体と蓋体とを押圧し、区画収容体(落と込み中蓋)のフランジ部に形成された液体流通路及び透孔を経て(特許文献1の包装用容器の場合)、或いは液体流通溝及び折損剥離溝を経て(特許文献2の包装用容器の場合)区画収容体内の他の収容物を一の収容物側に流入させる等によって一の収容物に他の収容物が添加されることとなる。
しかし、上記特許文献1及び特許文献2の包装用容器では、区画収容体のフランジ部に蓋体がシールされた状態のまま、区画収容体が容器本体から剥離されて容器本体が開封され、その容器本体の開封後に、相互にシールされた状態の区画収容体と蓋体とを押圧して区画収容体内の他の収容物を一の収容物に添加されるので、容器本体の開封操作と、一の収容物に他の収容物を添加する操作とを別々に行う必要があり、その分、作業に手間がかかることになっていた。
一方、このような容器本体の開封操作と、一の収容物に他の収容物を添加する操作とを別々に行う必要がなく、1回の操作で行うことができる包装用容器に関するものとして、特許文献3乃至5のような特許出願がなされている。
特許文献3に記載された包装用容器は、上記特許文献1及び特許文献2の包装用容器と同様に、区画収容体(落し込み中蓋)のフランジ部の上面に蓋体がシールされているとともに、該フランジ部の下面に容器本体のフランジ部がシールされた構成からなるものである。この特許文献3の包装用容器においては、区画収容体(落し込み中蓋)のコーナー部が浅底に形成されて、その浅底部分にスリット孔が形成されたものである(特許文献3の実用新案登録請求の範囲等)。この特許文献3の包装用容器では、相互にシールされた状態の蓋体及び区画収容体を、深底側から浅底側に向かって剥離する際に、区画収容体(落し込み中蓋)の深底に位置する収容物が浅底側に移動し、その浅底部分に形成されたスリット孔から区画収容体内の他の収容物が一の収容物側に添加されるので、容器本体の開封操作と、一の収容物に他の収容物を添加する操作とを1回の操作で行うことができるのである。
しかし、この特許文献3においては、たとえば運搬中に包装用容器が不用意に動くと、容器本体の開封時でないにもかかわらず区画収容体の深底に位置する他の収容物が浅底側に移動し、当該他の収容物がスリット孔から一の収容物に不用意に添加されるおそれがあった。
また特許文献4に記載された包装用容器は、区画収容体(小容器)が蓋体の裏面側に設けられ、特許文献1乃至3の包装用容器と同様に、該区画収容体によって、一の収容物と他の収容物とを区画した状態で収容しうるものである。この特許文献4の包装用容器においては、区画収容体の底部に、肉薄線等の開封時の破断部が設けられ、蓋体が容器本体から剥離されて容器本体が開封される際に、蓋体とともに区画収容体の一部が持ち上げられ、それによって該区画収容体の底部に設けられた破断部が破断されて、該区画収容体内の他の収容物が一の収容物に添加されるものである。
しかし、この特許文献4の包装用容器では、上記のような肉薄線等の破断部が区画収容体の底部に設けられているので、上記特許文献3の包装用容器と同様に、運搬などによって包装用容器が不用意に動くと、容器本体の開封時でないにもかかわらず、破断線が破断されて区画収容体が開口し、一の収容物に他の収容物が不用意に添加されるおそれがあった。
さらに特許文献5に記載された包装用容器にも、容器本体(外容器)、蓋体(ふた用フィルム)、区画収容体(内容器)が具備され、区画収容体によって一の収容物と他の収容物とが区画された状態で収容されるように構成されている。この特許文献5に記載された包装用容器では、蓋体と区画収容体とのシール部分に、引き裂き可能な破断線の開封起点が形成され、蓋体を容器本体から剥離して容器本体を開封するとともに、当該開封起点から区画収容体を引き裂くことによって区画収容体を開口させ、その開口部分から区画収容体内の他の収容物を一の収容物に添加させるものである。
しかし、この特許文献5の包装用容器では、当該特許文献5の第3図等に示すように、蓋体を容器本体から剥離する際に、開封起点から引き裂かれるのは、区画収容体の底部の部分であり、蓋体と区画収容体の底部との間には一定の距離があるので、容器本体からの蓋体の剥離力が、破断線を起点として区画収容体の底部を引き裂くための引き裂き力として有効に作用するとは限らず、区画収容体の開封を行うことができないおそれがあった。
このような問題を解消すべく、蓋体の剥離力を区画収容体の底部の引き裂き力に有効に作用させるために、たとえば区画収容体の底部にスリットを形成することが考えられるが、その場合には、上記特許文献3及び特許文献4の包装用容器と同様に、運搬等によって包装用容器が不用意に動くと、スリットの位置で区画収容体の底部が不用意に破断されるおそれがあり、結局、上記特許文献3及び特許文献4の包装用容器と同様に、一の収容物に他の収容物が不用意に添加されるおそれがあるという問題点が生じることになる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態の包装用容器は、容器本体1と、該容器本体1に離脱可能に取り付けられた蓋体2とを備え、該蓋体2は、前記容器本体1内に収容される一の収容物と区画された状態で他の収容物を収容する区画収容部3を裏面側に備える包装用容器において、前記蓋体2の一部が前記容器本体1から離脱して、該蓋体2の容器本体1から離脱した部分と、容器本体1から離脱していない部分との間で前記蓋体2が折り曲げられた際に、前記容器本体1から離脱していない蓋体2の部分の裏面側から前記区画収容部3の一部が離脱し、該区画収容部3が前記蓋体2から離脱した部分において、該区画収容部3に排出口15が形成されて該区画収容部3の排出口15から該区画収容部3内の前記他の収容物が前記一の収容物側に排出されるように構成されているものである。
容器本体1は、上面に開口部4を有する有底筒状に形成されている。容器本体1の平面形状は、たとえば円形状、正方形状、長方形状、楕円形状等の任意の形状に形成することができる。容器本体1のより具体的な形状としては、図3乃至図5に示すように、側面が上向きに幅広な台形状、平面が円形状で、全体が円錐台形状に形成されたものが例示される。図4及び図6に容器本体1の上面の開口部4が示されている。
容器本体1の材質としては、主として合成樹脂が用いられ、合成樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン等の汎用の合成樹脂を用いることができる。
蓋体2は、容器本体1の上面の開口部4を閉じるもので、容器本体1に離脱可能に取り付けられている。具体的には、蓋体2は、容器本体1の開口部4外側の上端周縁部に離脱可能に取り付けられる。より具体的には、図3乃至図5に示すように、容器本体1の開口部4の外側の上端周縁部にフランジ部8が形成され、たとえば熱シールによって蓋体2が容器本体1の上端周縁部のフランジ部8に剥離可能に貼着される。
また、このように熱シールによって蓋体2が容器本体1のフランジ部8等の上端周縁部に剥離可能に貼着される以外に、たとえば、蓋体2が容器本体1の上端周縁部に嵌合されることで、蓋体2が離脱可能に容器本体1の上端周縁部に取り付けられていてもよい。
蓋体2の平面形状も、容器本体1の平面形状に合わせて、たとえば円形状、正方形状、長方形状、楕円形状等の任意の形状に形成することができる。図1、図4、図6においては、平面略円形状の蓋体2が示されている。
蓋体2の材質としては、主として合成樹脂が用いられる。合成樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン等の汎用の合成樹脂を用いることができる。
蓋体2は、たとえば2枚の合成樹脂製シート2a、2bで構成されうる。具体的には、たとえば一方の合成樹脂製シート2aが他方の合成樹脂製シート2bに比べて柔軟で且つ剛性が低いという、物性の異なる2枚の合成樹脂製シートで構成されうる。より具体的には、一方の合成樹脂製シート2aはアルミ蒸着シートで構成され、そのようなアルミ蒸着シートよりも剛性が高い合成樹脂シートで他方の合成樹脂シート2bが構成される。ただし、蓋体2は、2枚のシートで構成される必要は必ずしもなく、後述のように1枚のシートのみで蓋体2が構成されていてもよい。また3枚の以上の複数枚のシートで蓋体2が構成されていてもよい。
蓋体2には、該蓋体の折り曲げを容易にするための折曲部が形成されることが望ましい。そのような折曲部が形成されることで、蓋体が折曲部の位置で容易に折り曲げられることとなる。たとえば蓋体2が上記のように2枚の合成樹脂製シート2a、2bで構成される場合には、剛性が高い方の他方の合成樹脂製シート2b側にスリット7が形成され、そのスリット7が形成された部分が折曲部9とされる。図1乃至図5の包装用容器の場合には、表面側の一方の合成樹脂製シート2aは、裏面側の他方の合成樹脂製シート2bに比べて柔軟で剛性が低く、裏面側の他方の合成樹脂製シート2bにのみスリット7が形成されることで、表面側の一方の合成樹脂製シート2aにスリット7が形成されていなくても、その位置で一方の合成樹脂製シート2aも折り曲げられることとなる。
この折曲部9は、蓋体2の略中央に形成される必要は必ずしもなく、これ以外の位置に形成することも可能である。
また、このような折曲部9が形成される必要は必ずしもない。要は、蓋体2の一部が容器本体1から離脱して、蓋体2の容器本体1から離脱した部分と、容器本体1から離脱していない部分との間で蓋体2が折り曲げられた際に、容器本体1から離脱していない蓋体2の部分の裏面側から、後述する区画収容部の一部が離脱し、区画収容部が離脱した部分において、区画収容部の排出口が形成されるように蓋体2が折り曲げられればよく、折曲部9を形成することは、本発明に必須の条件ではない。
さらに、蓋体2には、好ましくは摘み部5が形成される。より具体的には、たとえば図1乃至図5に示すように、蓋体2の一端側に摘み部5が外向きに突設されるようにして形成される。
蓋体2は、容器本体1内に収容される一の収容物と区画された状態で他の収容物を収容する区画収容部3を裏面側に備えている。区画収容部3は、容器本体内1に収容される一の収容物と区画された状態で他の収容物を収容すべく、蓋体2の裏面側に備えられたものである。そして、前記蓋体2の一部が前記容器本体1から離脱して、該蓋体2の容器本体1から離脱した部分と、容器本体1から離脱していない部分との間で前記蓋体2が折り曲げられた際に、前記容器本体1から離脱していない蓋体2の部分の裏面側から、前記区画収容部3の一部が離脱し、該区画収容部が離脱した部分に該区画収容部3の排出口15が形成されて該区画収容部3の排出口15から該区画収容部3内の前記他の収容物が前記一の収容物側に排出されるように構成される。
かかる排出口15は、区画収容部3の一部が蓋体2の裏面側から離脱することによって形成される、他の収容物を排出するための開口部分であるが、図1乃至図5に示す包装用容器の場合には、上部に開口部11を有する凹部6が蓋体2の構成部材に形成されることで、蓋体2が、凹部6を有する区画収容部3を裏面側に備えている。
より具体的には、図1乃至図5に示す包装用容器の場合には、表面側の一方の合成樹脂製シート2aには凹部が形成されておらず、裏面側の他方の合成樹脂製シート2bにのみ凹部6が形成されて、その凹部6を有する他方の合成樹脂製シート2bに区画収容部3が形成されている。図1乃至図5に示す包装用容器の場合には、たとえば熱シールによって、他方の合成樹脂製シート2bの区画収容部3を形成する凹部6の外側の部分に、一方の合成樹脂製シート2aが貼着されている。
尚、区画収容部3は、上記図1乃至図5に示す包装用容器のように、蓋体2の構成部材の一部によって形成されていてもよく、また後述の図12及び図13の包装用容器のように、蓋体2の構成部材、すなわち蓋本体部とは別の構成部材によって形成されていてもよい。
区画収容部3で区画されて容器本体1内に収容される一の収容物及び区画収容部3内に収容される他の収容物としては、食品、化粧品、医薬品等が例示される。それらの収容物の性状は、液体、粉粒体、固体等、問うものではない。たとえば食品が包装用容器に収容される場合としては、一の収容物として飲料が収容され、他の収容物としてシロップ等の調味液やフレッシュミルク等が収容されうる。この場合には、一の収容物と他の収容物とは、ともに液体である。また、一の収容物としてプリンやゼリーが収容され、他の収容物としてカラメルソースや調味液が収容される場合には、他の収容物は液体であるが、一の収容物は固体である。一の収容物が固体であり、他の収容物が液体である場合には、他の収容物が一の収容物に添加された後に、混合されるわけではないが、一の収容物と他の収容物とがともに液体である場合には、他の収容物が一の収容物に添加された後に、両収容物は混合されることとなる。すなわち、本発明において、「他の収容物が一の収容物に添加される」とは、他の収容物が一の収容物に添加された後に、両収容物が混合される場合や混合されない場合の双方を含むものである。
尚、区画収容部3の数は1個に限らず、複数個設けられていてもよい。
上記のように、蓋体2には該蓋体2の折り曲げを容易にするための折曲部が形成されることが望ましく、そのような折曲部として、図1乃至図5の包装用容器の場合には、蓋体2の構成部材の一部にスリット7が形成されることによって折曲部9が形成されている。より具体的には、蓋体2を構成する2枚の合成樹脂製シート2a、2bのうち、剛性が高い方の他方の合成樹脂製シート2b側にスリット7が形成され、そのスリット7の部分が折曲部9として形成されている。
尚、かかるスリット7によって折曲部9が形成される場合には、該折曲部9を形成するスリット7に連続して、前記区画収容部3の一部が前記蓋体2から離脱する離脱起点部10となるスリット7aが形成されていてもよい。
図1乃至図5の包装用容器の場合には、図2及び図6に示すように、連続するスリット7、7aによって、区画収容部3の略中央横方向の両外側が折曲部9、9として形成され、該折曲部9、9から連続するように該折曲部9、9より内側に略くの字状の離脱起点部10が形成されている。このように折曲部9、9の部分と離脱起点部10の部分が連続するスリット7、7aによって形成されることで、蓋体2が折曲部9の位置で容易に折り曲げられるとともに、離脱起点部10によって区画収容部3が蓋体2の裏面側から容易に離脱することとなる。
ただし、このようなスリット7、7aが蓋体2に形成される必要は必ずしもない。要は、蓋体2の一部が容器本体1から離脱して、蓋体2の容器本体1から離脱した部分と、容器本体1から離脱していない部分との間で蓋体2が折り曲げられた際に、容器本体1から離脱していない蓋体2の部分の裏面側から、区画収容部3の一部が離脱し、区画収容部3に排出口15が形成されるように蓋体2が折り曲げられればよく、スリット7、7aを蓋体2に形成することは、本発明に必須の条件ではない。
区画収容部3のより具体的な形状等は、図2、図5、図6等に示されている。すなわち、一例としての区画収容部3は、図2に示すように、平面が略五角形状に形成されているとともに、断面形状は、図5及び図6に示すように上面に開口部11を有する凹部6を有して形成されている。
この場合、区画収容部3の略五角形状の5箇所のコーナー部3a、3b、3c、3d、3eのうち、4箇所の第1コーナー部3a、第2コーナー部3b、第3コーナー部3c、第4コーナー部3dは、スリット7の折曲部9を隔てて摘み部5が形成されている蓋体2の一方側に位置し、他の1箇所の第5コーナー部3eは、スリット7の折曲部9を隔てて摘み部5が形成されている一方側とは反対側の蓋体2の他方側に位置するように、区画収容部3が形成されている。
そして、前記第1コーナー部3a及び第2コーナー部3b間は、図2に示すように円弧状に形成されている。一方、第1コーナー部3aと該第1コーナー部3aに隣接する第3コーナー部3c間、第2コーナー部3bと該第2コーナー部3bに隣接する第4コーナー部3d間は、図2に示すように直線状に形成されている。さらに、前記第4コーナー部3dと該第4コーナー部3dに隣接する第5コーナー部3e間、及び該第5コーナー部3eと該第5コーナー部3eに隣接する前記第3コーナー部3c間は直線状に形成されている。
尚、図5には、構成を説明するための便宜上、包装用容器内に収容物が収容されていない状態のものが示されているが、実際には、図7に示すように区画収容部3で区画されて、一の収容物13が容器本体1内に収容され、他の収容物14が区画収容部3内に収容されている。
そして、このように一の収容物13及び他の収容物14が収容された包装用容器を開封する場合には、蓋体2の摘み部5を把持して蓋体2を捲り上げることによって、図8及び図9に示すように蓋体2が容器本体1のフランジ部8から剥離され、容器本体1の開口部4が開口することとなる。
この場合において、蓋体2にはスリット7を有する折曲部9が形成されているので、図8及び図9に示すように該折曲部9の位置で蓋体2を折り曲げることができ、折曲部9を隔てて摘み部5が形成された蓋体2の一方側のみが容器本体1のフランジ部8から剥離される一方で、折曲部9を隔てて摘み部5とは反対側に位置する蓋体2の他方側は、容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされる。
さらに、この場合において、蓋体2を構成する2枚の合成樹脂製シート2a、2bのうち、剛性が高い方の裏面側の他方の合成樹脂製シート2bのみにスリット7が形成されて、そのスリット7の位置が折曲部9とされているので、一方の合成樹脂製シート2aにスリットが形成されていないにもかかわらず、蓋体2は折曲部9の位置で容易に折り曲げられることとなる。
一方、両側の折曲部9、9の部分と該折曲部9、9より内側に形成された略くの字状の離脱起点部10の部分は連続するスリット7、7aによって形成されているので、蓋体2の裏面側の合成樹脂製シート2bは、折曲部9の位置で折り曲げられる際に、図9に示すように、折曲部9から連続して内側に形成された略くの字状の離脱起点部10に沿って分断されることとなる。
この結果、スリット7、7aの位置を隔てて摘み部5が形成された蓋体2の一方側のみが容器本体1のフランジ部8から剥離される一方で、スリット7、7aの位置を隔てて摘み部5とは反対側に位置する蓋体2の他方側は、容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされる。
この場合において、区画収容部3の5箇所のコーナー部3a、3b、3c、3d、3eのうち、4箇所の第1コーナー部3a、第2コーナー部3b、第3コーナー部3c、第4コーナー部3dは、折曲部9を隔てて摘み部5が形成されている蓋体2の一方側に位置しているので、容器本体1の開口部4の開口時に持ち上げられて回動する蓋体2に伴って、4箇所の第1コーナー部3a、第2コーナー部3b、第3コーナー部3c、第4コーナー部3dがある区画収容部3の部分は、蓋体2に取り付けられた状態のまま持ち上げられることになる。
しかし、区画収容部3の他の1箇所の第5コーナー部3eを含む先端部分は、折曲部9を隔てて、摘み部5が形成されている蓋体2の一方側とは反対側の蓋体2の他方側に位置しているので、蓋体2が折曲部9の位置で折り曲げられつつ持ち上げられる際に、区画収容部の第5コーナー部3eを含む先端部分がある区画収容部3の部分は、図8及び図9に示すように、容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされている蓋体2の他方側の裏面側の部分から強制的に剥離されることとなる。
このように、折曲部9を隔てて蓋体2の他方側に位置する区画収容部3の部分が、容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされている蓋体2の他方側の部分から強制的に剥離されることで、区画収容部3に排出口15が形成されることとなり、また排出口15が形成された区画収容部3が、摘み部5を把持して持ち上げられる蓋体2の一方側に追随して持ち上げられることになるので、その排出口15から区画収容部3内の他の収容物14が排出されて一の収容物13に添加されることとなる。
ここで、上記区画収容部3の排出口15から他の収容物14を確実に排出して一の収容物13に添加するためには、容器本体1の開封時において区画収容部3の排出口15が形成された際に該排出口15を下側に向かせることが望ましい。該排出口15を下側に向かせるためには、折曲部9を介して折り曲げられる蓋体2と、容器本体1の開口部4とのなす角度を90度以上にさせることが必要である。
上記のように、本実施形態では、折曲部9を介して蓋体2を持ち上げて容器本体1を開封する際に、折曲部9を隔てて蓋体2の両側に跨って貼着されている区画収容部3の部分のうち、折曲部9を隔てて、摘み部5が形成されている蓋体2の一方側とは反対側の蓋体2の他方側の区画収容部3の部分は、蓋体2の裏面側から強制的に剥離され、その結果、区画収容部3に排出口15が形成されるとともに排出口15が形成された区画収容部3が蓋体2の一方側に追随して持ち上げられることになり、その排出口15から他の収容物14が排出されて一の収容物13に添加されることになるので、容器本体1の開封作業と、一の収容物13に他の収容物14を添加する作業とを1回の操作で行うことができるのである。
しかも、蓋体2を容器本体1のフランジ部8から剥離し、折曲部9を介して蓋体2を折り曲げ、区画収容部3の一部が蓋体2から剥離することによって排出口15が区画収容部3に形成されるので、区画収容部3内の他の収容物14が不用意に排出されて一の収容物13に添加されるおそれも従来に比べて少なくなるのである。
尚、上記実施形態では、折曲部9を隔てて摘み部5が蓋体2の一方側のみに形成されていたが、折曲部9を隔てて蓋体2の一方側と他方側の双方に摘み部を形成することも可能である。図10及び図11の包装用容器は、折曲部9を隔てて蓋体2の一方側と他方側の双方に摘み部5a、5bが形成されている。双方に摘み部5a、5bが形成されている点を除けば、図10及び図11の包装用容器は上記図1乃至図5の包装用容器と同じ構成からなる。
この図10及び図11の包装用容器においては、一方の摘み部5aを把持して蓋体2を捲り上げたとき、上記図1乃至図5に示す包装用容器と同様に、スリット7を有する折曲部9の位置で蓋体2が折り曲げられ、摘み部5aが形成された蓋体2の一方側のみが容器本体1のフランジ部8から剥離される一方で、他方の摘み部5bが形成された蓋体2の他方側は容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされ、スリット7aを有する離脱起点部10に沿って蓋体2の合成樹脂製シート2bが分断されて区画収容部3の部分が蓋体2の他方側の裏面側の部分から強制的に剥離されるとともに区画収容部3に排出口15が形成され、摘み部5aを把持して持ち上げられる蓋体2の一方側に追随して区画収容部3も持ち上げられることで、区画収容部3に形成された排出口15が下側を向くこととなり、その排出口15から区画収容部3内の他の収容物14が排出されて一の収容物13に添加されることとなる。
その一方で、他方の摘み部5bを把持して蓋体2を捲り上げたときは、図12に示すように、スリット7を有する折曲部9の位置で蓋体2が折り曲げられ、その他方の摘み部5bが形成された蓋体2の他方側のみが容器本体1のフランジ部8から剥離される一方で、一方の摘み部5aが形成された蓋体2の他方側は容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされる。
この場合において、スリット7aを有する離脱起点部10は、折曲部9よりも他方の摘み部5b側に位置しているので、他方の摘み部5bが形成された蓋体2の他方側のみが容器本体1のフランジ部8から剥離される場合には、離脱起点部10の位置で蓋体2の合成樹脂製シート2bが分断されたとしても、容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態の蓋体2の一方側の裏面側の部分から、区画収容部3の部分が強制的に剥離されるようなことがない。
従って、図12に示すように、合成樹脂製シート2bが分断されて区画収容部3に排出口15が形成されはするが、蓋体2の一方側の部分から強制的に剥離されることがない区画収容部3は、摘み部5bを把持して他方側の蓋体2を捲り上げたとしても、それに追随して持ち上げることがないので、一方の摘み部5aを把持して蓋体2を捲り上げたときのように、区画収容部3の排出口15が下側を向くことがない。
このため、他方の摘み部5bを把持して蓋体2を捲り上げたときは、区画収容部3の排出口15が下側を向くことがないので、区画収容部3内の他の収容物14が排出されて一の収容物13に添加されることがない。
このように、図10及び図11の包装用容器においては、一方の摘み部5aを把持して蓋体2を捲り上げたときには区画収容部3に形成される排出口15が下側を向き、区画収容部3内の他の収容物14が排出されて一の収容物13に添加されるが、他方の摘み部5bを把持して蓋体2を捲り上げたときには、区画収容部3に形成される排出口15が下側を向くことがなく、区画収容部3内の他の収容物14が排出されて一の収容物13に添加されないので、1つの包装用容器を、他の収容物14を一の収容物13に添加する場合と添加しない場合とで選択的に用いることができる。
たとえば、一の収容物13がプリンで他の収容物14がカラメルソースの場合や、一の収容物13がコーヒーゼリーで他の収容物14が添加用ミルクの場合に、使用者の嗜好に応じて他の収容物14を一の収容物13に添加する場合と添加しない場合とを選択して使用することができるという利点がある。
また、上記実施形態では、蓋体2が2枚の合成樹脂製シート2a、2bで構成され、一方の合成樹脂製シート2aよりも剛性が高い他方の合成樹脂シート2bの一部を凹状に形成することによって区画収容部3が蓋体2の構成部材によって形成されていたが、これに限らず、蓋体2の構成部材とは別の部材で区画収容部3が形成されていてもよい。たとえば図13に示す包装用容器の場合には、2枚の合成樹脂製シート2a、2bからなる蓋体2の蓋本体部2cとは別の構成部材である、凹部6を有する区画収容部形成体16が準備され、その凹部6を有する区画収容部形成体16が蓋本体部2cの裏面側の合成樹脂製シート2bに貼着されて区画収容部3が形成されている。より具体的には、その別の構成部材である区画収容部形成体16の上面の開口部11の外側にフランジ部12が形成され、そのフランジ部12が裏面側の合成樹脂製シート2bに貼着されることによって区画収容部3が形成されている。この区画収容部形成体16は、蓋本体部2cを構成する一方の合成樹脂製シート2aよりも剛性が高く、他方の合成樹脂製シート2bと同程度の剛性を有して形成されている。
この図13の包装用容器の場合においても、上記図1乃至図5の包装用容器の場合と同様に、スリット7を有する折曲部9が形成されているが、上記図1乃至図5の包装用容器の離脱起点部10のようなものは図13の包装用容器には形成されていない。
図13の包装用容器の場合には、蓋体2の裏面側の合成樹脂製シート2bに貼着された区画収容部形成体16のフランジ部12のうち、折曲部9を隔てて摘み部5側に位置する蓋体2の一方側の裏面側に貼着されたフランジ部12の部分12aは、容器本体1のフランジ部8から剥離されて持ち上げられる蓋体2の一方側に貼着されたままの状態で、蓋体2の一方側に追随して持ち上げられることとなるが、折曲部9を隔てて摘み部5とは反対側に位置するフランジ部12の部分12bは、容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされた蓋体2の他方側から強制的に剥離されることとなる。
このように、図13の包装用容器の場合には、蓋本体部2cとは別の構成部材である区画収容部形成体16のフランジ部12の他方の部分12bが蓋体2の他方側から強制的に剥離されることで、区画収容部3に排出口15が形成されることとなる。
尚、上記図13の包装用容器の場合には、蓋体2の蓋本体部2cが2枚の合成樹脂製シート2a、2bで構成されていたが、図14に示すように、1枚の合成樹脂製シートのみで蓋本体部2cが構成されていてもよい。
この図14の包装用容器の場合には、蓋体2の蓋本体部2cは、たとえば上記図1乃至図5の包装用容器の蓋体2の一方の合成樹脂製シート2aと同素材のアルミ蒸着シートで形成されており、区画収容部3は、該蓋本体部2cを形成しているアルミ蒸着シートとは別部材の、凹部6を有する区画収容部形成体16で形成されている。そして、別部材の区画収容部形成体16は、アルミ蒸着シートよりも剛性の高い合成樹脂製シートで構成されている。
図14の包装用容器においても、上記図12の包装用容器と同様に区画収容部形成体16にフランジ部12が形成され、そのフランジ部12が蓋本体部2cの裏面側に貼着されることによって区画収容部3が形成されている。この図14の包装用容器においては、折曲部9を隔てて摘み部5側に位置する蓋本体部2cの一方側の裏面側に貼着されたフランジ部12の部分12aに比べて、折曲部9を隔てて摘み部5とは反対側に位置する蓋本体部2cの他方側の裏面側に貼着されたフランジ部12の部分12bが、弱いシール強度で貼着されている。
このように、蓋本体部2cの他方側の裏面側に貼着されたフランジ部12の部分12bが、蓋本体部2cの一方側の裏面側に貼着されたフランジ部12の部分12aよりも弱いシール強度で貼着されているので、容器本体1のフランジ部8に貼着されたままの状態とされた蓋本体部2cの他方側の裏面側に貼着されたフランジ部12の部分12bは、摘み部5を把持して蓋体2を持ち上げた際に蓋本体部2cの裏面側から強制的に剥離されることとなり、それによって区画収容部3に排出口15が形成されることとなる。
尚、本発明に係る包装用容器は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
本発明は、このような課題を解決するために、容器本体と、該容器本体に離脱可能に取り付けられた蓋体とを備え、該蓋体は、前記容器本体内に収容される一の収容物と区画された状態で他の収容物を収容する区画収容部を裏面側に備える包装用容器において、前記蓋体の一部が前記容器本体から離脱して、該蓋体の容器本体から離脱した部分と、容器本体から離脱していない部分との間で前記蓋体が折り曲げられた際に、前記容器本体から離脱していない蓋体の部分の裏面側から前記区画収容部の一部が離脱し、該区画収容部が前記蓋体から離脱した部分において、該区画収容部に排出口が形成されて該区画収容部の排出口から該区画収容部内の前記他の収容物が前記一の収容物側に排出されるように構成され、前記蓋体には、該蓋体の折り曲げを容易にするための折曲部が形成され、前記蓋体が複数枚のシートを貼り合わせることによって形成され、該複数枚のシートのうち少なくとも1枚のシートにスリットが形成されることによって前記折曲部が形成され、前記折曲部を形成するスリットに連続して、前記区画収容部の一部が前記蓋体から離脱する離脱起点部となるスリットが形成されている、ことを特徴とする包装用容器を提供するものである。
このような折曲部は、たとえば前記蓋体が複数枚のシートを貼り合わせることによって形成され、該複数枚のシートのうちの少なくとも1枚のシートにスリットが形成されることによって形成される。かかるスリットによって折曲部が形成される場合には、該折曲部を形成するスリットに連続して、前記区画収容部の一部が前記蓋体から離脱する離脱起点部となるスリットが形成される。