JP2017189922A - 道路部材用塗装金属素形材および道路部材用複合材 - Google Patents

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森川 茂保
Shigeyasu Morikawa
茂保 森川
藤井 孝浩
Takahiro Fujii
孝浩 藤井
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Abstract

【課題】軽量化と強度と耐食性に優れた道路部材用材料と道路部材を提供する。
【解決手段】金属素形材と前記金属素形材の上に配置された有機樹脂層を含む道路部材用塗装金属素形材であり、前記塗装金属素形材と前記塗装金属素形材の表面に接合された、熱可塑性樹脂組成物の成形体とを有する道路部材用複合体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、道路部材として使用される塗装金属素形材と、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体とが接合された複合体に関する。
従来より、道路部材として遮音壁、防音壁、吸音壁、防風壁、防雪壁、ガードレール、
各種壁材、トンネル状屋根材、高欄、防護柵、標識板などには、普通鋼、高張力鋼に連続式溶融めっき設備で溶融Znあるいは溶融Zn−5重量%Alめっきを施しためっき鋼板、めっき鋼板に塗装を施した塗装溶融亜鉛めっき鋼板、各種鋼板に直接塗装処理した塗装鋼板等が使用され各種部材に成形加工されている。
特許文献1には、耐食性に優れた溶融Zn−Al−Mgめっき鋼板が提案されている。 この発明は、Al:4.0〜10.0重量%,Mg:1.0〜4.0重量%,Ti:0.002〜0.1重量%,B:0.001〜0.045重量%,残部がZnおよび不可避的不純物からなる溶融めっき層を鋼板表面に形成した溶融Zn基めっき鋼板であって,当該めっき層が,〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕の素地中に〔初晶Al相〕が混在した金属組織を有する耐食性の良好な溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板である。
この鋼板で高耐食性を発揮する要因は、めっき層の組織を,〔Al/Zn/Zn2Mgの三元共晶組織〕の素地中に〔初晶Al相〕が混在した金属組織とした点,または該素地中に〔初晶Al相〕および〔Zn単相〕が混在した金属組織とした点である。
特許3149129号公報
近年の道路部材としては、強度や耐食性を必要としている反面、施工時の効率を上げて施工コストを下げるために、より軽量な部材が求められている。しかし、特許文献1の溶融Zn−Al−Mg系めっき鋼板は、高張力鋼板や普通鋼板などの様々な裸鋼板の表面にめっき層を形成しているため耐食性は非常に高いが、道路部材の軽量化を素材自体で図ることはできない。軽量化を図るためには、道路部材の構造や形状などを工夫する必要があり、設計の自由度としては非常に狭いものである。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、道路部材用の素材として有機樹脂層を形成した塗装金属素形材とし、道路部材としてその金属素形材の表面に熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合させた複合体を提供することを目的とする。
本発明の道路部材としては、遮音壁、防音壁、吸音壁、防風壁、防雪壁、ガードレール、各種壁材、トンネル状屋根材、高欄、防護柵、標識板などがある。
前記の建築部材に使用する塗装金属素形材と複合体は、以下の通りである。
塗装金属素形材としては、金属素形材と、前記金属素形材の上に配置された、有機樹脂層を含むことを特徴としている。
また、複合体は、上記の塗装金属素形材と、前記塗装金属素形材の表面に接合された、熱可塑性樹脂組成物の成形体とを有することを特徴とする。
本発明によれば、塗装金属素形材の表面に熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合した複合体を建築部材として用いることにより、前記塗装金属素形材によって道路部材の強度と耐食性を確保し、熱可塑性樹脂組成物の成形体を接合することによって軽量化を図った道路部材が提供される。
本発明の複合体の一例に係る断面図である。
本発明に係る塗装金属素形材と複合体は、図1に示す構成である。塗装金属素形材2は金属素形材4と、金属素形材の表面に配置された有機樹脂層5とを有する。また、複合体1は、塗装金属素形材2の表面に熱可塑性樹脂組成物の成形体3を接合した構成である。以下、塗装金属素形材の各構成要素について説明する。
(1)金属素形材
塗装基材となる金属素形材の種類は、特に限定されない。金属素形材の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板(オーステナイト系、マルテンサイト系、フェライト系、フェライト・マルテンサイト二相系を含む)、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板などの金属板や、そのプレス加工品、あるいは、アルミダイカスト、亜鉛ダイカストなどの鋳造・鍛造物や、切削加工、粉末冶金などにより成形された各種金属部材などが含まれる。
(2)有機樹脂層
有機樹脂層は、金属素形材の表面に配置されている。
有機樹脂層としては、酸変性プロピレン層であり、酸変性ポリプロピレンを40質量%以上含む層である。酸変性ポリプロピレン層は、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性を向上させる。酸変性ポリプロピレン層は、融点および結晶化度が所定の範囲内の酸変性ポリプロピレンを含む塗料を金属素形材の表面に塗布し、加熱乾燥により、溶媒(水)を蒸発させることで形成される。
前記酸変性ポリプロピレンを40質量%以上含む酸変性ポリプロピレンの溶融粘度は、酸変性ポリプロピレン層が流動などから1000〜10000mPa・sの範囲内である。また、酸変性ポリプロピレン層の膜厚は、酸変性ポリプロピレン層の均一性などから0.2μm以上である。一方、酸変性ポリプロピレン層の膜厚の上限値は特に制限されないが、膜厚は3μm以下であることが好ましい。
前記の酸変性プロピレン層の他に、ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂を含む有機樹脂層にすることもできる。
ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂は、分子鎖中にポリカーボネートユニットを有する。「ポリカーボネートユニット」とは、ポリウレタン樹脂の分子鎖中において下記に示す構造をいう。ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂と後述の熱可塑性樹脂組成物の成形体に含まれる熱可塑性樹脂とは、類似した骨格(ベンゼン環など)および官能基をそれぞれ有する。よって、塗装金属素形材に対して熱可塑性樹脂組成物をインサート成形する場合、ポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂が、熱可塑性樹脂組成物と相溶し、強固に結合する。したがって、塗膜にポリカーボネートユニット含有ポリウレタン樹脂を含ませておくことで、塗膜に対する熱可塑性樹脂組成物の成形体の密着性を向上させることができる。
樹脂合計質量に対するポリカーボネートユニットの質量の割合は、熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性などから15〜80質量%である。
さらに有機樹脂層の膜厚は、0.5μm以上であれば特に限定されない。塗膜の膜厚の上限値は、特に限定されないが、20μm程度である。
本発明の複合体は、熱可塑性樹脂組成物の成形体を前記塗装金属素形材の表面に接合した構造である。以下に、熱可塑性樹脂組成物の成形体について記す。
(3)熱可塑性樹脂組成物の成形体
熱可塑性樹脂組成物の成形体は、塗装金属素形材の表面に接合されている。熱可塑性樹脂組成物の成形体を構成する熱可塑性樹脂の種類は、特に限定されない。熱可塑性樹脂の例には、PVC(ポリ塩化ビニル)系樹脂組成物、PMMA(メタアクリル酸)系樹脂組成物などの非結晶性樹脂組成物、またはPE(ポリエチレン)系樹脂組成物、PP(ポリプロピレン)系樹脂組成物、POM(ポリアセタール)系樹脂組成物などの結晶性樹脂組成物、またはこれらの組み合わせがある。
さらにアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリアミド(PA)系樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)系樹脂またはこれらの組み合わせが含まれる。
熱可塑性樹脂組成物の成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択されうる。
[実施例1]
(1)金属素形材
塗装金属素形材の塗装基材として、板状のステンレス鋼板、溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、溶融Alめっき鋼板および溶融Al含有Znめっき鋼板を準備した。
A.ステンレス鋼板
ステンレス鋼板として、板厚が0.8mmのSUS304およびSUS430(いずれも2D仕上げ)を準備した。
B.溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板
溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板として、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板を準備した。基材鋼板は、板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)を使用した。
C.溶融Alめっき鋼板
溶融Alめっき鋼板として、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Al−9質量%Si合金めっき鋼板を準備した。基材鋼板は、板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)を使用した。
D.溶融Al含有Znめっき鋼板
溶融Al含有Znめっき鋼板として、片面あたりのめっき付着量がそれぞれ45g/mの、溶融Zn−0.18質量%Al合金めっき鋼板と、溶融Zn−55質量%Al合金めっき鋼板を準備した。基材鋼板は、いずれも板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)を使用した。
(2)塗料の調製
樹脂合計質量に対するポリカーボネート(PC)ユニットの質量の割合が表1に示す所定の割合となるように、ポリカーボネートユニット含有樹脂、ポリカーボネートユニット非含有樹脂および各種添加剤を水に添加して、不揮発成分が20%の塗料を調製した(表1参照)。表1におけるポリカーボネートユニット含有樹脂およびポリカーボネートユニット非含有樹脂の含有量は、塗料中の含有量(質量%)である。塗料には、エッチング剤としてフッ化アンモニウム(森田化学株式会社)を0.5質量%、無機系化合物としてコロダイルシリカ(日産化学株式会社)を2質量%およびリン酸(キシダ化学株式会社)を0.5質量%それぞれ配合した。
表1に示される各ポリカーボネートユニット含有樹脂について、ポリカーボネートユニットを90質量%含有するポリウレタン樹脂は、樹脂メーカーが調製した試験品(乾燥固形分30質量%)を使用した。また、以下の方法により、ポリカーボネートユニットが100質量%の樹脂組成物を調製した。板厚2.0mmのポリカーボネート板(タキロン株式会社)を約5mm四方に細断して、ポリカーボネート片を得た。塩化メチレン200gに細断したポリカーボネート片30gを加え、液温が40℃となるように加熱しながら3時間攪拌して、ポリカーボネート片を塩化メチレンに溶解させた。この工程により、ポリカーボネートユニットが100質量%の樹脂組成物を調製した。
表1に示される各ポリカーボネートユニット非含有樹脂について、ポリカーボネートユニット非含有ポリウレタン樹脂は、HUX−232(乾燥固形分30質量%、株式会社ADEKA)を使用した。エポキシ系樹脂は、アデカレジンEM−0434AN(乾燥固形分30質量%、株式会社ADEKA)を使用した。ポリオレフィン系樹脂は、ハードレンNZ−1005(乾燥固形分30質量%、東洋紡株式会社)を使用した。フェノール系樹脂は、タマノルE−100(乾燥固形分52質量%、荒川化学工業株式会社)を使用した。
(3)塗膜の形成
塗装基材を液温60℃のアルカリ脱脂水溶液(pH=12)に1分間浸漬して、表面を脱脂した。次いで、脱脂した塗装基材の表面に、塗料をロールコータ−で塗布し、到達板温が150℃となるように、熱風乾燥機で乾燥させて、表1に示す膜厚の塗膜を形成した。
Figure 2017189922
・PCユニット含有ポリウレタン樹脂
A:PCユニット90質量%含有ポリウレタン樹脂
B:PCユニット100質量%樹脂組成物
・PCユニット非含有樹脂
a:PCユニット非含有ポリウレタン樹脂(HUX−232)
b:エポキシ系樹脂(アデカレジンEM−0434AN)
c:ポリオレフィン系樹脂(ハードレンNZ−1005)
d:フェノール系樹脂(タマノルE−100)
・塗装基材
1:SUS304
2:SUS430
3:溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板
4:溶融Al−9質量%Si合金めっき鋼板
5:溶融Zn−0.18質量%Al合金めっき鋼板
6:溶融Zn−55質量%Al合金めっき鋼板
(4)熱可塑性樹脂組成物
表2に示される熱可塑性樹脂組成物を準備した。表2に示される各熱可塑性樹脂組成物について、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)系樹脂組成物は、エクセロイCK10G20(明確な融点は認められず;テクノポリマー株式会社)を使用した。ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂組成物は、樹脂メーカー試供品(融点230℃)を使用した。ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂組成物は、ノバデュラン5710F40(融点230℃;三菱エンジニアプラスチックス株式会社)を使用した。ポリカーボネート(PC)系樹脂組成物は、ユーロピンGS−2030MR2(融点250℃;三菱エンジニアプラスチックス株式会社)を使用した。ポリアミド(PA)系樹脂組成物は、アミランCM3511G50(融点216℃;東レ株式会社)を使用した。ポリフェニレンサルファイド(PPS)系樹脂組成物は、1130MF1(融点280℃;ポリプラスチックス株式会社)を使用した。各熱可塑性樹脂組成物は、表2に示す各種フィラーを含有している。
Figure 2017189922
(5)密着性評価用の複合体の作製と評価方法
射出成形金型に塗装金属素形材を挿入し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を射出成形金型内に射出した。射出成形金型内の熱可塑性樹脂組成物を流入させる部分の容積は、幅30mm×長さ100mm×厚さ4mmであり、幅30mm×長さ30mmの領域で塗膜と熱可塑性樹脂組成物とが接触している。熱可塑性樹脂組成物を射出成形金型内に射出した後、熱可塑性樹脂組成物を固化させて、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂の成形体との複合体を得た。
密着性評価用の複合体において、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体とを同一平面方向に100mm/分の速度で引っ張り、破断したときの強さ(剥離強度)を測定した。剥離強度が1.0kN未満の場合を「×」、1.0kN以上で1.5kN未満の場合を「△」、1.5kN以上であって2.0kN未満の場合を「○」、2.0kN以上の場合を「◎」と評価した。密着性は、「○」または「◎」の場合に合格とした。
(6)評価結果
各複合体についての密着性の評価結果を表3および表4に示す。
Figure 2017189922
Figure 2017189922
比較例1〜4の複合体では、塗膜の膜厚や、塗膜中の樹脂合計質量に対するポリカーボネートユニットの質量の割合が所定の範囲外であったため、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性が悪かった。
一方、実施例1〜16の複合体では、塗膜の膜厚が所定の範囲内であり、塗膜中の樹脂合計質量に対するポリカーボネートユニットの質量の割合が所定の範囲内であるため、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性が優れていた。
[実施例2]
(1)塗装基材
A.ステンレス鋼板
板厚が0.8mmで表面をNo.4仕上げしたSUS430を準備した。
B.溶融Zn−Al−Mg合金めっき鋼板
板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)に、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板を準備した。
C.溶融Alめっき鋼板
板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)に、片面あたりのめっき付着量が45g/mの溶融Al−9質量%Si合金めっき鋼板を準備した。
D.合金化溶融Znめっき鋼板
板厚が0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC)に、片面あたりのめっき付着量が45g/mの合金化溶融Znめっき鋼板を準備した。
(2)塗料の調製
樹脂合計質量に対する酸変性ポリプロピレンの割合が表5に示す割合になるように、酸変性ポリプロピレン樹脂(A)、ポリウレタン系樹脂(B)、ポリエチレンワックス(C)、エポキシ系架橋剤(D)を水に添加して、不揮発成分が20%の塗料を調製した。また、塗料には、防錆剤としてモリブデン酸アンモニウム(キシダ化学株式会社):0.5質量%、炭酸ジルコニウムアンモニウム(ジルコゾール;第一稀元素化学工業株式会社):0.5質量%、シリコーン系消泡剤(KM−73;信越化学工業株式会社):0.05質量%をそれぞれ配合した。
A.酸変性ポリプロピレン樹脂
樹脂メーカーより、マレイン酸変性され、酸価が5mg・KOH/g、結晶化度が3%および50%の酸変性ポリプロピレン樹脂を入手した。結晶化度が3%および50%の酸変性ポリプロピレン樹脂をそれぞれ所定の割合で配合して、結晶化度が3%、5%、15%、20%、30%および50%の酸変性ポリプロピレン樹脂を調製した。
B.ポリウレタン系樹脂
樹脂合計質量に対する酸変性ポリプロピレンの割合を調整するためのポリウレタン系樹脂として、ポリウレタン樹脂エマルジョン(HUX−232;株式会社ADEKA)を使用した。
C.ポリエチレンワックス
ポリエチレンワックス(E−9015;東邦化学工業株式会社)を樹脂合計質量に対して、5質量%添加した。
D.エポキシ系架橋剤
エポキシ樹脂(EM−0461N;株式会社ADEKA)を樹脂合計質量に対して、5質量%添加した。
(3)塗膜の形成
塗装基材を液温40℃のアルカリ脱脂水溶液(SD−270;日本ペイント株式会社、pH=12)に1分間浸漬して、表面を脱脂した。次いで、脱脂した塗装基材の表面に、塗料をロールコータ−で塗布し、到達板温が150℃となるように、熱風乾燥機で乾燥させて、表5に示す膜厚の酸変性ポリプロピレン層を形成した。
Figure 2017189922
1:SUS430
2:溶融Zn−6質量%Al−3質量%Mg合金めっき鋼板
3:溶融Al−9質量%Si合金めっき鋼板
4:合金化溶融Znめっき鋼板
(4)熱可塑性樹脂組成物
ポリエチレン(PE)系樹脂組成物として、ニポロンハード1000(融点134℃;東ソー株式会社)を使用した。ポリプロピレン(PP)系樹脂組成物として、プライムポリプロR−350G(融点150℃;株式会社プライムポリマー)を使用した。ポリ塩化ビニル(PVC)系樹脂組成物として、カネビニールS−400(融点159℃;株式会社カネカ)を使用した。PMMA(メタアクリル酸)系樹脂組成物として、パラペットGF(融点110℃;株式会社クラレ)を使用した。POM(ポリアセタール)系樹脂組成物として、ジュラコンTF−30(融点165℃;ポリプラスチックス株式会社)を使用した。
(5)密着性評価用の複合体の作製と評価方法
射出成形金型に塗装金属素形材を挿入し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物を射出成形金型内に射出した。射出成形金型内の熱可塑性樹脂組成物を流入させる部分の容積は、幅30mm×長さ100mm×厚さ4mmであり、幅30mm×長さ30mmの領域で塗膜と熱可塑性樹脂組成物とが接触している。熱可塑性樹脂組成物を射出成形金型内に射出した後、熱可塑性樹脂組成物を固化させて、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂の成形体との複合体を得た。
密着性評価用の複合体において、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体とを同一平面方向に100mm/分の速度で引っ張り、破断したときの強さ(剥離強度)を測定した。剥離強度が1.0kN未満の場合を「×」、1.0kN以上で1.5kN未満の場合を「△」、1.5kN以上であって2.0kN未満の場合を「○」、2.0kN以上の場合を「◎」と評価した。密着性は、「○」または「◎」の場合に合格とした。
(6)評価結果
各複合体についての密着性の評価結果を表6に示す。
Figure 2017189922
No.1〜14の複合体は、酸変性ポリプロピレン層の酸変性ポリプロピレン量が40質量%以上で、酸変性ポリプロピレンの溶融粘度が1000〜10000mPa・sの範囲内であり、かつ、膜厚が0.2μm以上あったため、塗装金属素形材と樹脂組成物の密着性が優れていた。
一方、No.17の複合体は、酸変性ポリプロピレン層の膜厚が0.2μm未満であり、また、No.18の複合体は、酸変性ポリプロピレン層の酸変性ポリプロピレン量が40質量%未満であったため、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性が劣っていた。No.19の複合体およびNo.22の複合体は、酸変性ポリプロピレンの溶融粘度が所定の範囲内になかったため、塗装金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との接合力が劣っていた。
本発明の塗装金属素形材および複合体は、金属素形材と熱可塑性樹脂組成物の成形体との密着性が高いために、強度および耐食性に優れ、軽量化を図ることができる道路部材として適用することが可能である。
1 複合体
2 塗装金属素形材
3 熱可塑性樹脂組成物製成形体
4 金属素形材
5 有機樹脂層

Claims (2)

  1. 金属素形材と、前記金属素形材の上に配置された、有機樹脂層を含む道路部材用塗装金属素形材。
  2. 請求項1に記載の塗装金属素形材と、前記塗装金属素形材の表面に接合された、熱可塑性樹脂組成物の成形体と、を有する、道路部材用複合体。
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