JP2017189841A - 表面処理装置および表面処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理材の所望の範囲を粗面化する場合、バキュームブラストヘッドの移動量を減らし、粗面化の処理にかかる時間を低減することのできる表面処理装置を提供する。【解決手段】被処理材Bの表面B1にブラスト処理用の研磨剤Pを噴射するとともに、噴射された研磨剤を吸引するバキュームブラストヘッド10と、噴射された研磨剤を囲むように配置されるブラシ155と、被処理材を粗面化するブラシを移動させるアクチュエータ20と、を有する表面処理装置1である。【選択図】図4
Description
本発明は、表面処理装置および表面処理方法に関する。
近年、軽量化の観点から、車両の車体構造において、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使用されている。CFRPにより車体構造を製造する際には、部材同士を接着剤により接合する。この場合、接着の前処理として、部材としての被処理材の表面に、例えば、バキュームブラスト処理によって、ブラスト処理が行われる。
バキュームブラスト処理では、バキュームブラストヘッドによって、被処理材に研磨剤を噴射して、被処理材の表面を粗面化することによって、接着面積を増大させ、接着強度を向上させる。また、バキュームブラストヘッドによって、被処理材に噴射された研磨剤および研磨剤を被処理材に噴射することによって生じた粉塵等を吸引し、研磨剤と粉塵等を分類して、研磨剤を回収することによって、研磨剤を再度利用する。
このようなバキュームブラスト処理が行われる表面処理装置において、噴射された研磨剤が外部に漏れないように、リングブラシによって噴射された研磨剤を囲んでいる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の研掃システムでは、リングブラシによって覆われる被処理材の表面は、研磨剤が噴射されないため、当該表面を粗面化することができない。したがって、被処理材の所望の範囲を粗面化する場合、リングブラシによって覆われる被処理材の表面を粗面化することができない分、バキュームブラストヘッドを移動する量が大きくなり、粗面化処理に時間がかかる可能性がある。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、被処理材の所望の範囲を粗面化する場合、バキュームブラストヘッドの移動量を減らし、粗面化の処理にかかる時間を低減することのできる表面処理装置および表面処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る表面処理装置は、被処理材の表面にブラスト処理用の研磨剤を噴射するとともに、噴射された前記研磨剤を吸引するバキュームブラストヘッドを有する。また、表面処理装置は、前記噴射された研磨剤を囲むように配置されるブラシと、前記被処理材を粗面化する前記ブラシを移動させるアクチュエータと、を有する。
また、上記目的を達成する本発明に係る表面処理方法は、被処理材の表面にブラスト処理用の研磨剤を噴射するとともに、噴射された前記研磨剤を吸引する表面処理方法である。前記噴射された研磨剤を囲むように配置されるブラシを移動させることで前記被処理材の粗面化を行う。
上述した表面処理装置および表面処理方法によれば、研磨剤による粗面化に加えて、ブラシによって覆われる被処理材の表面を、ブラシにより粗面化することができる。このため、面積の観点からより効率よく被処理材の表面を粗面化することができる。したがって、被処理材の所望の範囲を粗面化する場合、バキュームブラストヘッドの移動量を減らし、粗面化の処理にかかる時間を低減することができる。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
本実施形態に係る表面処理装置1は、バキュームブラスト装置である。表面処理装置1は、被処理材Bの表面を粗面化する。これによって、接着面積が増大し、接着剤を介して接着強度が向上する。また、表面処理装置1は、被処理材Bに噴射された研磨剤Pおよび研磨剤Pを被処理材Bに噴射することによって生じた粉塵等を回収し、研磨剤Pと粉塵等を分類する。そして、再利用可能な研磨剤Pのみを回収して再利用する。
被処理材Bとしては、例えばCFRP製の自動車部品が挙げられるが、特に限定されない。
また、研磨剤Pとしては、アルミナ(Al2O3)、カーボランダム、川砂、珪砂、エメリー等を用いることができるが、経済的でブラスト処理が高いという観点からアルミナが好ましい。
図1は、本実施形態に係る表面処理装置1を示す図である。図2は、表面処理装置1のバキュームブラストヘッド10およびアクチュエータ20を示す概略斜視図である。図3は、アクチュエータ20によって回転部15が回転する様子を示す図である。図4は、研磨剤Pおよびブラシ155によって被処理材Bを粗面化する様子を示す概略断面図である。
表面処理装置1は、図1に示すように、研磨剤およびブラシ155によって、被処理材Bの表面を粗面化するバキュームブラストヘッド10を有する。また、表面処理装置1は、バキュームブラストヘッド10の回転部15を回転させるアクチュエータ20を有する。また、表面処理装置1は、研磨剤Pが貯蔵される研磨剤タンク30と、バキュームブラストヘッド10の噴射ノズルに圧縮空気を供給するコンプレッサ40と、を有する。また、表面処理装置1は、被処理材Bに噴射された研磨剤を回収する回収タンク50と、研磨剤を被処理材Bに噴射することによって生じる粉塵等を捕集するダストコレクタ60と、を有する。また、表面処理装置1は、回収タンク50およびダストコレクタ60内を負圧にする排風機70を有する。
バキュームブラストヘッド10は、被処理材Bの表面に研磨剤Pを噴射することによって、被処理材Bの表面を粗面化する。また、バキュームブラストヘッド10は、被処理材Bの表面にブラシ155を押し付けた状態で、ブラシ155が回転することによって、被処理材Bの表面を粗面化する。バキュームブラストヘッド10の詳細な構成については、後述する。
アクチュエータ20は、バキュームブラストヘッド10の回転部15を回転させて、ブラシ155によって被処理材Bの表面を粗面化させる。アクチュエータ20は、図2に示すように、モータ21と、モータ21の回転運動に連動する歯車22と、歯車22の回転運動を回転部15に伝達するベルト23と、を有する。
モータ21は、図2に示すように、連結棒Sによって、バキュームブラストヘッド10の本体部11に固定される。
歯車22は、図3に示すように、凸部22aおよび凹部22bを有する。歯車22の凸部22aは、ベルト23の凹部23bに、歯車22の凹部22bは、ベルト23の凸部23aに、それぞれ嵌合する。
また、ベルト23の凸部23aは、回転部15の凹部15bに、ベルト23の凹部23bは、回転部15の凸部15aに、それぞれ嵌合する。
このように構成されたアクチュエータ20によれば、モータ21を回転することによって、歯車22が回転する。そして、歯車22が回転することによって、ベルト23が回転し、回転部15が回転する。この結果、回転部15のブラシ155によって、被処理材Bの表面B2が粗面化される。
なお、アクチュエータ20の構成は、回転部15を回転させることのできる限りにおいて、特に限定されない。
研磨剤タンク30は、研磨剤Pを貯蔵する。研磨剤タンク30の上方には、図1に示すように、回収タンク50が配置され、ダンプバルブ32を介して連結されている。ダンプバルブ32は、電磁弁(不図示)によって開閉が行われる。
回収タンク50は、図1に示すように、被処理材Bに噴射された研磨剤Pおよび研磨剤Pを被処理材Bに噴射することによって生じた粉塵等を回収する。回収タンク50は、研磨剤Pと粉塵等を分離するサイクロンによって構成される。上述したように、回収タンク50は、ダンプバルブ32を介して、研磨剤タンク30に連結される。回収タンク50において分離された研磨剤Pおよび粉塵等のうち、再使用可能な研磨剤Pは、回収タンク50へ滞留し、ダンプバルブ32が開いたとき、研磨剤タンク30に移動する。
ダストコレクタ60は、図1に示すように、管61を介して、回収タンク50において分離された粉塵等を捕集する。ダストコレクタ60の底部には粉塵等を集積するダストボックス62が設けられる。ダストボックス62は、粉塵等を廃棄するために取出し可能に設けられている。
排風機70は、図1に示すように、ダストコレクタ60の上部に配置される。排風機70は、不図示のモータにより回転し、ダストコレクタ60、回収タンク50、バキュームホース51内を負圧にする。このため、ブラスト空間内から順に、バキュームホース51、回収タンク50、ダストコレクタ60へ気流が生じる。したがって、被処理材Bに噴射された研磨剤Pおよび粉塵等を吸引することができる。
以下、バキュームブラストヘッド10の詳細な構成について、図4を参照して説明する。
バキュームブラストヘッド10は、図4に示すように、被処理材Bの表面B1に研磨剤Pを噴射することによって、被処理材Bの表面B1を粗面化する。また、バキュームブラストヘッド10は、被処理材Bの表面B2にブラシ155を押し付けた状態で、ブラシ155が回転して、被処理材Bの表面B2を粗面化する。ブラシ155の回転は、アクチュエータ20によって行う。
バキュームブラストヘッド10は、図4に示すように、湾曲形状の本体部11と、研磨剤Pを噴射する噴射ノズル12と、被処理材Bに噴射された研磨剤Pを吸引する吸引孔13と、を有する。また、バキュームブラストヘッド10は、噴射ノズル12の上方に設けられる接続部14と、アクチュエータ20によって回転する回転部15と、回転部15の回転が本体部11に伝達することを防止するベアリング16と、を有する。
本体部11は、図4に示すように、その内部において、研磨剤Pが噴射されるとともに、吸引エアVAによって、噴射された研磨剤Pが吸引される。
噴射ノズル12は、図1および図4に示すように、接続部14および研磨剤ホース31を介して、研磨剤タンク30に連結される。また、噴射ノズル12は、接続部14およびエアホース41を介してコンプレッサ40に連結される。研磨剤ホース31およびエアホース41は、可撓性を備えるゴム製のチューブである。
このように構成された噴射ノズル12において、コンプレッサ40から、エアホース41を介して、接続部14に圧縮空気を供給する。これによって、接続部14内が負圧になり、研磨剤ホース31を介して研磨剤タンク30内の研磨剤Pが接続部14内に吸引される。そして、噴射ノズル12から被処理材Bに向けて、研磨剤Pが噴射される。この結果、被処理材Bの表面B1がブラスト処理され、被処理材Bの表面B1が粗面化される。
吸引孔13は、図1および図4に示すように、バキュームホース51を介して、回収タンク50に連結される。噴射ノズル12から噴射された研磨剤Pは、吸引エアVAによって、バキュームホース51を介して、回収タンク50に吸引される。バキュームホース51は、可撓性を備えるゴム製のチューブである。
接続部14は、図4に示すように、本体部11および研磨剤ホース31、ならびに本体部11およびエアホース41をそれぞれ接続する。
回転部15は、アクチュエータ20によって回転して、被処理材Bの表面B2を粗面化する。回転部15の回転方向は、一方向または双方向のどちらであってもよい。
回転部15は、図4に示すように、被処理材Bの表面形状に倣うようにブラシ155を上下方向に沿って進退移動させる移動機構15Aと、被処理材Bの表面B2を粗面化するブラシ155と、を有する。
移動機構15Aは、図4に示すように、内部に空間を備えるケース151と、ケース151の上部に設けられるボルト152と、ボルト152の下側であってケース151の内部に設けられる板材153と、を有する。また、移動機構15Aは、板材153の下側であってケース151の内部に設けられる弾性部材154を有する。
ケース151の上面には、ボルト152の雄ネジ部に対応するように、雌ネジ部151Aが形成される。
板材153は、例えば鉄製であるが、特に限定されない。弾性部材154は、例えばゴム製であるが、弾性変形可能である限り、特に限定されない。
ブラシ155は、被処理材B側において、尖った形状を備える。ブラシ155は、例えば鉄製であるが、被処理材Bを粗面化することのできる強度を有する限り、特に限定されない。
このように構成された回転部15において、バキュームブラストヘッド10を被処理材Bに押し当てたとき、反力によって、ブラシ155は弾性部材154を上側に押圧する。一方、ボルト152を締め付けることによって、ボルト152は、板材153を下側に押圧し、弾性部材154を下側に押圧する。このため、バキュームブラストヘッド10を被処理材Bに押し付けた際、弾性部材154の弾発力によって、ブラシ155は被処理材Bに押し付けられる。すなわち、移動機構15Aは、被処理材Bの表面形状に倣うようにブラシ155を上下方向に沿って進退移動させる。したがって、被処理材Bが平らではない構成であっても、バキュームブラストヘッド10を被処理材Bに押し付けることによって、各々のブラシ155は被処理材Bに押し付けられる。この状態で、アクチュエータ20によって、ブラシ155を回転することによって、被処理材Bの表面B2を粗面化することができる。
以上、本実施形態に係る表面処理装置1の構成について説明した。
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る表面処理装置1を用いた表面処理方法について説明する。
まず、バキュームブラストヘッド10を、被処理材Bの表面の上方のうち所定の位置に配置する(S01)。具体的には、不図示のロボットハンドを用いて、バキュームブラストヘッド10を所定の位置に配置する。なお、手動で行ってもよい。
次に、研磨剤Pを噴射する(S02)。具体的には、コンプレッサ40から、エアホース41を介して、接続部14内に圧縮空気を供給する。この圧縮空気により、接続部14内および研磨剤ホース31が負圧になる。そして、研磨剤タンク30内の研磨剤Pが吸引されて噴射ノズル12から被処理材Bに向けて噴射される。この結果、被処理材Bの表面B1がブラスト処理され、被処理材Bの表面B1が粗面化される。このとき、研磨剤タンク30の上方に配置されるダンプバルブ32は閉じており、回収タンク50と研磨剤タンク30との連通は遮断されている。
次に、研磨剤Pを噴射した状態で、バキュームブラストヘッド10のブラシ155を回転させる(S03)。具体的には、アクチュエータ20によって、回転部15を回転させて、ブラシ155を回転させる。この結果、ブラシ155によって覆われる被処理材Bの表面B2が粗面化する。
このように、研磨剤Pによる被処理材Bの粗面化に加えて、ブラシ155による被処理材Bの粗面化を行うことによって、面積の観点からより効率よく被処理材Bの表面B1、B2を粗面化することができる。
次に、被処理材Bの表面B1に噴射された研磨剤Pおよび粉塵等を回収する(S04)。具体的には、排風機70を回転することによって吸引エアVAを発生させ、ダストコレクタ60、管61、回収タンク50、およびバキュームホース51内を負圧にする。これによって、被処理材Bに噴射された研磨剤Pおよび粉塵等を、バキュームホース51を介して回収タンク50へ回収する。
次に、回収タンク50において、研磨剤Pおよび粉塵等を分離する(S05)。回収タンク50において分離された粉塵等は、管61を介してダストコレクタ60へ運ばれる。そして、粉塵等は、ダストボックス62に集積され、清浄な空気が排風機70から大気中へ排出される。一方、回収タンク50において分離された再使用可能な研磨剤Pは、回収タンク50の下部に滞留する。
次に、被処理材Bの所定の範囲が粗面化したかを判断する(S06)。被処理材Bの所定の範囲が粗面化していないと判断された場合(S06:NO)、バキュームブラストヘッド10を所定距離移動する(S07)。被処理材Bの所定の範囲が粗面化したかの判断は、例えば、不図示のカメラによって行うが、特に限定されない。なお、バキュームブラストヘッド10を移動することなく、被処理材Bを所定距離移動してもよい。そして、バキュームブラストヘッド10を所定距離移動した後、S02の工程に戻る。
一方、被処理材Bの所定の範囲が粗面化したと判断された場合(S06:YES)、コンプレッサ40からの圧縮空気の供給を停止する。また、ダンプバルブ32を開くことによって、研磨剤タンク30内の負圧を解除する。これによって、研磨剤Pの噴射は停止し、表面処理工程を終了する。このとき、回収タンク50の底部に滞留している研磨剤Pは、研磨剤タンク30内に落下する。このように、研磨剤Pを再利用することができる。
以上の工程によって、表面処理装置1によって、被処理材Bの所定の範囲が粗面化される。なお、被処理材Bの表面B1は、研磨剤Pによって粗面化された後に、S07の工程を経て、ブラシ155によって粗面化される。また、被処理材Bの表面B2は、ブラシ155によって粗面化された後に、S07の工程を経て、研磨剤Pによって粗面化される。以下、図6を参照して、粗面化された後における、被処理材Bの表面B1および表面B2の表面形状について説明する。
図6(A)は、研磨剤Pによって粗面化した後に、ブラシ155によって粗面化した様子(表面B1に相当)を示す図であって、図6(B)は、ブラシ155によって粗面化した後に、研磨剤Pによって粗面化した様子(表面B2に相当)を示す図である。
図6(A)の上図は、研磨剤Pによって粗面化した後の被処理材Bの状態を示す図である。また、図6(A)の下図は、研磨剤Pによって粗面化された被処理材Bの表面B1に対して、ブラシ155によって粗面化した後の被処理材Bの状態を示す図である。
図6(B)の上図は、ブラシ155によって粗面化した後の被処理材Bの状態を示す図である。また、図6(B)の下図は、ブラシ155によって粗面化された被処理材Bの表面B2に対して、研磨剤Pによって粗面化した後の被処理材Bの状態を示す図である。
以上説明したように、本実施形態に係る表面処理装置1は、被処理材Bの表面B1にブラスト処理用の研磨剤Pを噴射するとともに、噴射された研磨剤Pを吸引するバキュームブラストヘッド10を有する。表面処理装置1は、噴射された研磨剤Pを囲むように配置されるブラシ155と、被処理材Bを粗面化するブラシ155を移動させるアクチュエータ20と、を有する。このように構成された表面処理装置1によれば、研磨剤Pによる粗面化に加えて、ブラシ155によって覆われる被処理材Bの表面B2を、ブラシ155により粗面化することができる。このため、面積の観点からより効率よく被処理材Bの表面B1、B2を粗面化することができる。したがって、被処理材Bの所望の範囲を粗面化する場合、バキュームブラストヘッド10の移動量を減らし、粗面化の処理にかかる時間を低減することができる。
また、アクチュエータ20は、ブラシ155を回転させることによって、被処理材Bを粗面化する。よって、ブラシ155が被処理材Bに接触した状態で粗面化するため、効率よく、被処理材Bの表面B1、B2を粗面化することができる。
また、表面処理装置1は、被処理材Bの表面形状に倣うように、ブラシ155をブラシ155が伸びている方向に沿って進退移動させる移動機構15Aを有する。このため、被処理材Bが平らではない構成であっても、ブラシ155を回転することによって、被処理材Bの表面B2を粗面化することができる。
また、以上説明したように本実施形態に係る表面処理方法は、被処理材Bの表面B1にブラスト処理用の研磨剤Pを噴射するとともに、噴射された研磨剤Pを吸引する表面処理方法である。噴射された研磨剤Pを囲むように配置されるブラシ155を移動させることで被処理材Bの粗面化を行う。この表面処理方法によれば、研磨剤Pによる粗面化に加えて、ブラシ155によって覆われる被処理材Bの表面B2を、ブラシ155により粗面化することができる。このため、面積の観点からより効率よく被処理材Bの表面B1、B2を粗面化することができる。したがって、被処理材Bの所望の範囲を粗面化する場合、バキュームブラストヘッド10の移動量を減らし、粗面化の処理にかかる時間を低減することができる。
また、ブラシ155の移動による被処理材Bの粗面化を、研磨剤Pによる被処理材Bの粗面化と同時に行う。このため、研磨剤Pによる粗面化に加えて、ブラシ155によって覆われる被処理材Bの表面B2を、ブラシ155により粗面化することができる。
また、ブラシ155を回転することによって、被処理材Bを粗面化する。よって、ブラシ155が被処理材Bに接触した状態で粗面化するため、効率よく、被処理材Bの表面B1、B2を粗面化することができる。
また、被処理材Bの表面形状に倣って、ブラシ155をブラシ155が伸びている方向に沿って進退移動させる。このため、被処理材Bが平らではない構成であっても、ブラシ155を回転することによって、被処理材Bの表面B2を粗面化することができる。
以下、上述した実施形態の改変例について説明する。
<改変例1>
図7は、改変例1に係る回転部215を示す図である。改変例1に係る回転部215は、図7に示すように、被処理材Bの表面形状に倣うようにブラシ155を上下方向に沿って進退移動させる移動機構215Aを有する。
図7は、改変例1に係る回転部215を示す図である。改変例1に係る回転部215は、図7に示すように、被処理材Bの表面形状に倣うようにブラシ155を上下方向に沿って進退移動させる移動機構215Aを有する。
移動機構215Aは、内部に空間を備えるケース251と、ケース251の上部に固定され上下方向に伸びる棒材252と、を有する。また、移動機構215Aは、棒材252の周囲に配置されるバネ253と、棒材252に対して図7の上下方向にスライド可能に構成されバネ253を支持する支持部254と、を有する。
このように構成された回転部215において、バキュームブラストヘッドを被処理材Bに押し当てたとき、反力によって、ブラシ155は、支持部254を上側に押圧する。一方、支持部254は、バネ253によって下側に付勢力が加えられている。このため、バキュームブラストヘッドを被処理材Bに押し付けた際、バネ253の弾発力によって、ブラシ155は、被処理材Bに押し付けられる。すなわち、移動機構215Aは、被処理材Bの表面形状に倣うように、ブラシ155を上下方向に沿って進退移動させることができる。
<改変例2>
図8は、改変例2に係る回転部315を示す図である。改変例2に係る回転部315は、図8に示すように、被処理材Bの表面形状に倣うようにブラシ155を上下方向に沿って進退移動させる移動機構315Aを有する。
図8は、改変例2に係る回転部315を示す図である。改変例2に係る回転部315は、図8に示すように、被処理材Bの表面形状に倣うようにブラシ155を上下方向に沿って進退移動させる移動機構315Aを有する。
移動機構315Aは、内部に空間を備えるケース351と、ケース351の内部に上下方向に移動可能に配置された移動部材352と、を有する。また、移動機構315Aは、移動部材352の溝部352Aに収納されるOリング353と、移動部材352の上面にエアAを供給するエア供給部354と、を有する。
このように構成された回転部315において、バキュームブラストヘッドを被処理材Bに押し当てたとき、反力によって、ブラシ155は、移動部材352を上側に押圧する。一方、移動部材352は、エア供給部354から供給されるエアAによって下側に力が加えられる。このため、バキュームブラストヘッドを被処理材Bに押し付けた際、エアAの圧力によって、ブラシ155は、被処理材Bに押し付けられる。すなわち、移動機構315Aは、被処理材Bの表面形状に倣うように、ブラシ155を上下方向に沿って進退移動させることができる。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々改変することができる。
例えば、上述した実施形態では、ブラシ155は、バキュームブラストヘッド10に設けられた。しかしながら、バキュームブラストヘッド10に対して別体として構成されてもよい。
また、上述した実施形態では、被処理材Bによる粗面化およびブラシ155による粗面化を同時に行った。しかしながら、被処理材Bによる粗面化およびブラシ155による粗面化はそれぞれ異なるタイミングで行われてもよい。
また、上述した実施形態では、ブラシ155の先端は、図4に示すように、1本の尖った形状を備えた。しかしながら、ブラシ255の先端は、図9に示すように、複数本の尖った形状を備えてもよい。
また、上述した実施形態では、アクチュエータ20は、ブラシ155を回転させることによって、被処理材Bを粗面化した。しかしながら、アクチュエータがブラシを被処理材Bに向かう方向に進退運動させることによって、被処理材Bを粗面化してもよい。
また、上述した実施形態では、ブラシ155の移動による被処理材Bの粗面化を、研磨剤Pによる被処理材Bの粗面化と同時に行った。しかしながら、ブラシ155の移動による被処理材Bの粗面化のみを行ってもよい。
1 表面処理装置、
10 バキュームブラストヘッド、
20 アクチュエータ、
15A、215A、315A 移動機構、
155、255 ブラシ、
B 被処理材、
B1、B2 被処理材の表面、
P 研磨剤。
10 バキュームブラストヘッド、
20 アクチュエータ、
15A、215A、315A 移動機構、
155、255 ブラシ、
B 被処理材、
B1、B2 被処理材の表面、
P 研磨剤。
Claims (7)
- 被処理材の表面にブラスト処理用の研磨剤を噴射するとともに、噴射された前記研磨剤を吸引するバキュームブラストヘッドと、
前記噴射された研磨剤を囲むように配置されるブラシと、
前記被処理材を粗面化する前記ブラシを移動させるアクチュエータと、を有する表面処理装置。 - 前記アクチュエータは、前記ブラシを回転させることによって前記被処理材を粗面化する請求項1に記載の表面処理装置。
- 前記被処理材の表面形状に倣うように、前記ブラシを当該ブラシが伸びている方向に沿って進退移動させる移動機構を有する請求項1または2に記載の表面処理装置。
- 被処理材の表面にブラスト処理用の研磨剤を噴射するとともに、噴射された前記研磨剤を吸引する表面処理方法であって、
前記噴射された研磨剤を囲むように配置されるブラシを移動させることで前記被処理材の粗面化を行う表面処理方法。 - 前記ブラシの移動による前記被処理材の粗面化を、前記研磨剤による前記被処理材の粗面化と同時にまたは別々のタイミングで行う請求項4に記載の表面処理方法。
- 前記ブラシを回転させることによって、前記被処理材を粗面化する請求項4または5に記載の表面処理方法。
- 前記被処理材の表面形状に倣うように、前記ブラシを当該ブラシが伸びている方向に沿って進退移動させる請求項4〜6のいずれか1項に記載の表面処理方法。
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---|---|---|---|
JP2016080616A JP2017189841A (ja) | 2016-04-13 | 2016-04-13 | 表面処理装置および表面処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022185734A1 (ja) * | 2021-03-02 | 2022-09-09 | 住友重機械マリンエンジニアリング株式会社 | ブラスト装置、及び船舶 |
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JP2009525403A (ja) * | 2006-02-02 | 2009-07-09 | ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト | 溶射層用の表面調整方法 |
-
2016
- 2016-04-13 JP JP2016080616A patent/JP2017189841A/ja active Pending
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