1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機1について図面を用いて説明する。
なお、以下の説明において、パチンコ遊技機1の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右方向のことである。また、パチンコ遊技機1の各部の前方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機1に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、本発明の遊技機の第1実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2と、遊技機枠50をヒンジ52を介して回転自在に支持する外枠53と、を備えている。遊技機枠50の前面側には所定の鍵穴を備えるロック装置54が設けられており、このロック装置54によって、遊技機枠50が外枠53に対して回動できないように、すなわち、遊技機枠50を開放できないように施錠されている。このロック装置54による施錠は、遊技店の店員が所持する所定の鍵を鍵穴に差し込むことにより行うことができる。遊技機枠50が開放されると、遊技機枠50および遊技盤2の背面側が前方側を向きくことになる。
遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、及び、音を出力するスピーカ67が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63および特殊操作部64が設けられている。なお、特殊操作部64は、遊技者による後方への押し込み操作が可能なものである。
また、図2に示すように、打球供給皿61の上側であって演出ボタン63の右方には、セレクトボタン(十字キー)65が設けられている。セレクトボタン65は、上ボタン65U、下ボタン65D、左ボタン65L、及び右ボタン65Rの4つのボタンからなっている。
また、図3に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図8参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示手段)7が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図7参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは特別図柄抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、後述する大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、遊技(後述する特別図柄の変動表示や大当たり遊技)が行われていないときに行われる客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図5参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、略矩形枠上センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化せずに一定の、すなわち不変の第1始動口(第1入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち特別図柄乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える第2始動入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後に進退可能な開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図7参照)により駆動される。開閉部材23が開状態(前方に進出した状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態(後方に退避した状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、進退式ではない開閉部材を有するものでもよく、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図7参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター装飾体10の右下部には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(羽根部材、第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図7参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、図4(A),(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図4(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図4(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過した後に特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図4(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図4(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過した後に非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお、パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、高確率状態を発生させるための高確率状態発生口と位置づけることができる。これに対して非特定領域70は、高確率状態を発生させないので高確率状態不発生口と位置づけることができる。第1大入賞装置31には、高確率状態を発生させるための高確率状態発生口は設けられていない。すなわち高確率状態不発生口しか設けられていないことになる。
図3に戻り、センター装飾体10の右方であって第2大入賞装置36の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、がある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。パチンコ遊技機1において、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。よって、遊技者は左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。よって、遊技者は右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を変動表示したあと停止表示(可変表示)することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定の特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定の特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した特別図柄乱数等の各種乱数(数値情報)は、特図保留記憶部85(図7参照)に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口20への遊技球の入賞(入球)により取得された特別図柄乱数等の各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口21への遊技球の入賞(入球)により取得された特別図柄乱数等の各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。そして、第1始動口20への入賞であれば特図1関係乱数が第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図7参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば特図2関係乱数が第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図7参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、第1実施形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する特別図柄の可変表示(あるいは、特別図柄抽選の権利)を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数は、普図保留記憶部86(図7参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、第1実施形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そして、このような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
次に、図5を用いてパチンコ遊技機1の背面の構成について説明する。パチンコ遊技機1の背面側には、遊技や演出などを制御するための複数の制御基板が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板80、サブ制御基板90、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107(図5では図示省略)、払出制御基板110、電源基板200等がある。これらの制御基板は、ボックスに収納或いは覆われた状態で配置されている。主制御基板80とサブ制御基板90と画像制御基板100と音声制御基板106とランプ制御基板107は、画像表示装置7の背面側で遊技盤2の背面に取付けられている。払出制御基板110と電源基板150は、前述した内枠の下側に取付けられている。
ここで、画像制御基板100には、ロータリースイッチからなる回転つまみ105が設けられている。この回転つまみ105は、画像制御基板100から後方側に突出している。遊技機枠50が開放した状態においては、回転つまみ105が露出することにより回転操作可能となる。従って、遊技店の店員等は、遊技機枠50を開放させることにより回転つまみ105を回転操作することができる。しかしながら遊技者は、遊技機枠50を開放させることができないため、実質的に回転つまみ105を操作することができないようになっている。
回転つまみ105を時計回りに回転操作すれば音量レベルを増加させることが可能である。一方、回転つまみ105を反時計回りに回転操作すれば音量レベルを減少させることが可能である。ただし、前述したように遊技者は遊技機枠50を開放させることができないため、回転つまみ105の回転操作に基づく音量レベルの変更を行うことができない。以下では、回転つまみ105の回転操作によって設定される音量レベルを「マスターボリューム」と称する。
2.遊技機の電気的構成
次に、図7および図8に基づいて、パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図7および図8に示すようにパチンコ遊技機1は、特別図柄抽選、特別図柄の可変表示、大当たり遊技及び後述する遊技状態の設定などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う主制御基板(遊技制御基板)80、主制御基板(遊技制御基板)80による遊技の進行に伴って実行する遊技演出や客待ち演出、および後述するRTC99が計測する計測情報に基づくRTC演出に関する制御を行うサブ制御基板(サブ制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけ、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともに、演出の制御を行う演出制御部を構成する。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、後述する装飾可動体15等)を用いた遊技演出、客待ち演出およびRTC演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
図7に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。RAM84には、前述した特図保留記憶部85と普図保留記憶部86とが設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
また、主制御基板80には、RAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。主制御基板80を含めて本パチンコ遊技機1が備えている各種の基板は、パチンコ遊技機1の背面側に配されている。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技店の店員等でなければ、RAMクリアスイッチ89を操作することはできない。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板80には各種センサ類から信号が入力され、各種ソレノイド類には主制御基板80から信号が出力される。
各種センサ類には、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および一般入賞口センサ27aで構成されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出する。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられ、特定領域39を通過した遊技球を検出する。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられ、非特定領域70を通過した遊技球を検出する。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内に設けられ、一般入賞口27に入賞した遊技球を検出する。
また、各種ソレノイド類は、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73で構成されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動する。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動する。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動する。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお、パチンコ遊技機1においては、役0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
RAM94には、後述するRTC演出に関する情報を記憶するための記憶領域として、RTC演出設定記憶部94A、RTC演出セットアップ記憶部94B、有効時間終了時刻記憶部94CおよびRTC演出開始時刻記憶部94Dが設けられている。RTC演出設定記憶部94Aは、後述するRTC演出に関する設定情報を記憶する記憶領域である。RTC演出セットアップ記憶部94Bは、後述するように、電源投入後にRTC演出設定記憶部94Aに記憶されているRTC演出に関する設定情報をセットするための記憶領域である。また、有効時間終了時刻記憶部94Cは、後述するRTC演出の有効時間が終了する時刻である有効時間終了時刻を記憶する記憶領域である。また、RTC演出開始時刻記憶部94Dは、後述するRTC演出が開始する時刻であるRTC演出開始時刻を記憶する記憶領域である。前述したようにRAM94には、パチンコ遊技機1の電断時であってもバックアップ電源回路151によって電力が供給される。よって、RTC演出設定記憶部94A、RTC演出セットアップ記憶部94B、有効時間終了時刻記憶部94CおよびRTC演出開始時刻記憶部94Dに記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。
また、サブ制御基板90には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC99は、パチンコ遊技機1に島電源供給装置160(図8参照)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置160から電力が供給されていないときには、電源基板150が備えるバックアップ電源回路151から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した制御用ROM103、ワークメモリとして使用される制御用RAM104、及び、制御用ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7に表示される画像のデータを記憶したCGROM142、CGROM142に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM143、及び、VDP(Video Display Processor)141を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM142には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
VDP141は、演出制御用マイコン91からの指令に基づきCPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM142から画像データを読み出してVRAM143内の展開領域に展開する。そして、展開した画像を適宜合成してVRAM143内のフレームバッファに描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面7aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。ディスプレイリストの作成については後述する。
また、画像制御基板100には、回転つまみ105が回転操作されたことを検出する回転つまみ検出SW(スイッチ)105aが接続されている。回転つまみ検出SW105aは、回転つまみ105が回転操作されると、回転つまみ105の回転操作位置に応じた信号を画像制御基板100に出力する。画像制御基板100が回転つまみ105の回転操作位置に応じた信号を入力すると、サブ制御基板90にマスターボリューム変更コマンドを送信する。サブ制御基板90は、受信したマスターボリューム変更コマンドを音声制御基板106に送信する。これにより音声制御基板106は、受信したマスターボリューム変更コマンドに基づいてマスターボリューム(音量レベル)を変更するようになっている。音声制御基板106は、後述する音声による変動演出や音声によるRTC演出を行う際には、マスターボリュームに応じた音量で音声による変動演出や音声によるRTC演出を行う。
なお、第1実施形態では、画像制御基板100がサブ制御基板90を介して音声制御基板106にマスターボリューム変更コマンドを送信することによりマスターボリュームが変更されているが、マスターボリュームを変更するために、サブ制御基板90を介さないで音声制御基板106にマスターボリューム変更コマンドを送信するようにしても良い。また、回転つまみ105及び回転つまみ検出SW105aをサブ制御基板90に設け、サブ制御基板90が音声制御基板106にマスターボリューム変更コマンドを送信するようにすることも可能である。また、回転つまみ105及び回転つまみ検出SW105aを音声制御基板106側に設けて、回転つまみ105の回転操作位置に応じた信号が音声制御基板106に出力されることにより、マスターボリュームを変更するようにしても良い。なお、マスターボリュームを変更するための操作手段は、回転つまみに限られるものではなく、スライドスイッチやボタン等の他の機構からなるものであっても良い。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。音声制御基板106は、設定されているマスターボリュームに応じた音量で、音声、楽曲、効果音等を出力する。後述する音声による変動演出や音声によるRTC演出は、マスターボリュームに応じた音量で行われる。なお、第1実施形態では、マスターボリュームは、最少の「0」から最大の「9」までの10段階で設定されている。すなわち、マスターボリュームの最少は消音(無音)を表す「0」であり、最大は「9」である。また、マスターボリューム「0」が設定されている場合は、音声による演出そのものは実行されるが、消音であるので、出力されないようにすることも、音声による演出そのものが実行されないようにすることもできる。
スピーカ67から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の制御用ROM103に音声データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を作動させる。なお装飾可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a、特殊操作部検出スイッチ64a、及びセレクトボタン検出スイッチ65aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図2参照)が押下操作されたことを検出するものである。特殊操作部検出スイッチ64aは、特殊操作部64(図2参照)が押込操作されたことを検出するものである。セレクトボタン検出スイッチ65aは、セレクトボタン65(図2参照)が押下操作されたことを検出するものである。なお詳細には、セレクトボタン検出スイッチ65aは、上ボタン65Uの押下操作を検出する上ボタン検出スイッチと、下ボタン65Dの押下操作を検出する下ボタン検出スイッチと、左ボタン65Lの押下操作を検出する左ボタン検出スイッチと、右ボタン65Rの押下操作を検出する右ボタン検出スイッチとを含んでいる。各ボタン(演出ボタン63、特殊操作部64、セレクトボタン65)が押されると、各スイッチ(演出ボタン検出SW63a、特殊操作部検出SW64a、セレクトボタン検出SW65a)からサブ制御基板90に対して信号が出力される。
図9は、複数台(図9において、10台)のパチンコ遊技機1で構成される遊技機システムYSの模式図である。図9に示すように、遊技機システムYSは、5台のパチンコ遊技機1が並設されてなる1つの遊技機グループ170(以下、「第1遊技機グループ170」という)と、第1遊技機グループ170を構成する5台のパチンコ遊技機1に対面して配置された5台のパチンコ遊技機1からなる1つの遊技機グループ171(以下、「第2遊技機グループ171」という)とで構成される
同じ遊技機システムYSに属する10台のパチンコ遊技機1は、共通の島電源供給装置160に電気的に接続されている。このため、遊技機システムYSを構成する各パチンコ遊技機1の個別の電源スイッチ155を「ON」にした状態で、島電源供給装置160の電源を入れると、遊技島内の全てのパチンコ遊技機1を一斉に起動させることができる。従って、同じ遊技機システムYSを構成する全てのパチンコ遊技機1において一斉に、後述するRTC演出を開始させることができる。
3.大当たり等の説明
パチンコ遊技機1では、特別図柄抽選の結果として、「大当たり」と、ハズレであることを示す「ハズレ」がある。特別図柄抽選の結果が「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41にハズレ図柄が停止表示される。一方、特別図柄抽選の結果が「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に大当たり図柄が停止表示される。
「大当たり」に当選すると、大当たり図柄の停止表示が行われた後に大当たり遊技が行われる。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、大あり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖(インターバル)は、その閉鎖前の開放が属するラウンド遊技に含まれる。なお、以下において、所定回数目のラウンド遊技について、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
大当たりには複数の種別が設けられている(第1実施形態においては、2つ)。第1実施形態では、大当たりの種別として、「通常大当たり」と「特定大当たり」とが設けられている。「特定大当たり」は、その大当たりに基づく大当たり遊技中に、特定領域39への遊技球の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。一方、「通常大当たり」は、その大当たりに基づく大当たり遊技中に、特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。なお、大当たりに基づく大当たり遊技における開閉部材32及び開閉部材37の開放パターンにちなんで、特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。
特別図柄抽選で「大当たり」に当選すると、さらに「大当たり図柄」の種別も抽選される。第1始動口20への入賞に基づく特別図柄抽選(以下、「特図1の抽選」という)では、大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別の抽選で、大当たり図柄Aか大当たり図柄Bの何れかに決定される。一方、第2始動口21への入賞に基づく特別図柄抽選(以下、「特図2の抽選」という)では、大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別の抽選で、大当たり図柄Cに決定される。
大当たり図柄の種別は大当たりの種別に対応付けられている。「大当たり図柄A」は特定大当たりに対応付けられ、「大当たり図柄B」は通常大当たりに対応付けられ、「大当たり図柄」は特定大当たりに対応付けられている。よって、大当たり図柄の種別の抽選は、大当たり種別の抽選であるということもできる。
また、第1実施形態では停止表示された大当たり図柄の種別(当選した大当たりの種別)に応じて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターン(大当たり遊技の具体的態様)が異なる。
特図1の抽選で「Vロング大当たり」に当選した場合(大当たり図柄Aの停止表示が行われた場合)の大当たり遊技では、1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大29.5秒にわたって第1大入賞口30を開放し、9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大0.1秒にわたって第1大入賞口30を開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大29.5秒にわたって第2大入賞口35を開放する。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は9回である。実質的なラウンド遊技の回数とは、実質的に1回のラウンド遊技当たりの入賞上限個数(第1実施形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド遊技の回数のことである。このVロング大当たりでは9Rから15Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、大入賞口への入賞が見込めないラウンドとなっている。なお、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易である。
これに対して、非特定大当たり(Vショート大当たり)に当選した場合(大当たり図柄Bの停止表示が行われた場合)の大当たり遊技では、1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大29.5秒にわたって第1大入賞口30を開放し、9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大0.1秒にわたって第1大入賞口30を開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大0.1秒にわたって第2大入賞口35を開放する。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は8回である。
このVショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能(困難)となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図4(B)参照)から第1状態(図4(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
一方、特図2の抽選で「Vロング大当たり」に当選した場合(大当たり図柄Cの停止表示が行われた場合)の大当たり遊技では、1Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大29.5秒にわたって第1大入賞口30を開放し、16R(最終ラウンド)では1回のラウンド遊技当たり最大29.5秒にわたって第2大入賞口35を開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も16回である。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易である。
このように、特定大当たり(Vロング大当たり)は特図1および特図2の抽選にて当選可能であるが、特図1の抽選で特定大当たりに当選した場合の大当たり遊技と、特図2の抽選で特定大当たりに当選した場合の大当たり遊技とで、開閉部材32及び開閉部材37の具体的な開閉態様が異なる。
パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過することで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過することができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態に制御される。なお、この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお、図10に示すように、特図1の抽選における大当たりの種別の振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特図2の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たり(特定大当たり)となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このようにパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる特図1の抽選よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利に設定されている。
パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの判定(大当たり判定)は「特別図柄乱数」に基づいて行われ、大当たりに当選した場合の大当たりの種別の判定(大当たり種別)は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図11(A)に示すように、特別図柄乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。
また、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、特別図柄乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。
これらの特別図柄乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数は、前述の特図1関係乱数または特図2関係乱数を構成し、第1始動口20または第2始動口21への入賞に基づいて取得される。これに対して、ゲート28への通過に基づいても乱数が取得され得る。この乱数は、普通図柄乱数であり、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否か(当たりか否か)の抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる(図11(B))。
4.遊技状態の説明
次に、第1実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが設けられている。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たりの当選確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、高確率状態では、大当たりと判定される特別図柄乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定が行われる(図12(A)参照)。よって、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、時短状態では、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、特別図柄の変動パターンの判定が行われる(図13参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、時短状態では、当たりと判定される普通図柄乱数の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)が行われる(図12(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。第1実施形態では、非時短状態における普通図柄の変動時間は10秒に設定され、時短状態における普通図柄の変動時間は1秒に設定されている。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長く設定されている。すなわち、時短状態では、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、時短状態では、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(第1実施形態では180回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(第1実施形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。また、大当たり遊技状態や高ベース状態といった右打ちにて遊技を行う遊技状態中は、所定の開始時間になっても後述する特別演出は実行されない。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.始動入賞コマンドについて
第1実施形態のパチンコ遊技機1は、後述するように所謂「先読み演出」を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された数値情報(特別図柄乱数等)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する大当たり期待度を示唆する演出である。図14に示すように、始動入賞コマンドには、大当たりか否かに関する当否情報が含まれている。また、始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報と、通常確率状態と高確率状態とのどちらの遊技状態で入賞したのかの遊技状態情報が含まれている。始動入賞コマンドは、少なくとも当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
6.RTC演出(特別演出)
第1実施形態のパチンコ遊技機1は、RTC99が計測する日時に関する情報(日時情報)に基づいてRTC演出を実行可能ある。RTC演出は、主制御基板80による遊技の進行に関する制御に応じて行われる変動演出、大当たり演出などの遊技演出および客待ち演出とは異なる。また、RTC演出は、遊技機システムYSを構成する複数台の遊技機1が全体で一体的に且つ相互に応答関係を持って実行可能である。なお、変動演出、大当たり演出などの遊技演出および客待ち演出は、RTC演出のように複数台の遊技機1が全体で一体的に且つ相互に応答関係を持って実行されるものではなく、パチンコ遊技機1毎に独立して個別に実行される。
RTC演出は、パチンコ遊技機1毎に、実行の有無、実行条件および演出内容などの所定項目について、セレクトボタン65と演出ボタン63の操作によって設定可能に構成されている。すなわち、RTC演出をカスタマイズすることが可能である。具体的には、パチンコ遊技機1毎に、RTC演出の有無(有効/無効)、実行可能な時間(有効時間)、発生頻度、音声の有無、演出の種別(第1実施形態では「キャラクタ」)、および、RTC演出全体におけるパート(後述する台番号)について任意に設定することができる。よって、様々な態様のRTC演出が実行可能である。
ここで、RTC演出の設定について説明する。最初に、RTC演出の設定の前段階に行われる機能設定について説明する。第1実施形態においては、後述するように、RAMクリアされてから所定時間(30秒)が経過するまでの間に、所定操作を行うことによって機能設定を行うことができる。所定操作は適宜に設定することが可能であるが、第1実施形態では、「演出ボタン63を5回押下操作すること」に設定されている。なお、以下において、RAMクリアされてから所定時間(30秒)が経過するまでの期間を「機能設定受付期間」と称する。また、「機能設定受付期間」の所定時間は、30秒に限られず、適宜に設定可能である。
機能設定受付期間において演出ボタン63が5回押下操作されると、図15(A)に示す機能設定を行うための機能設定画面が表示画面7aに表示される。機能設定画面が表示されているときに、セレクトボタン65および演出ボタン63の操作を行うことにより、遊技店を示す識別情報である遊技店コードの設定と、RTC演出の設定(以下、「RTC演出設定」)を行うことができる。機能設定画面には、遊技店コードの設定を行うための遊技店コード設定部201と、RTC演出設定を行うためのRTC演出設定部202と、機能設定を選択するための機能設定終了部203と、が設けられている。
遊技店コード設定部201には、遊技店コードを特定(選択)することが可能な画面を表示するための遊技店設定アイコン201Aと、遊技店コードが設定されていない状態にする(遊技店コードを初期化するための)遊技店初期化アイコン201Bと、が設けられている。
RTC演出設定部202には、RTC演出設定を行うことが可能な画面を表示するためのRTC演出設定アイコン202Aが設けられている。機能設定終了部203には、機能設定を終了し、機能設定画面を閉じる(非表示にする)ための機能設定終了アイコン203Aが設けられている。
また、機能設定画面には、機能設定に関する操作方法を表示した機能設定操作方法表示部204が、さらに設けられている。第1実施形態においては、セレクトボタン65の操作によって、遊技店設定アイコン201A、遊技店初期化アイコン201B、RTC演出設定アイコン202A、および機能設定終了アイコン203Aの間で、選択中であることを表す選択中画像205を移動させることによって、何れかのアイコンを選択することができる。遊技店設定アイコン201A、遊技店初期化アイコン201B、RTC演出設定アイコン202A、および機能設定終了アイコン203Aの通常(非選択状態で)の背景色は白色であり、そのアイコンが選択されると、背景色が灰色になる。すなわち、選択中画像205は、アイコンの灰色の背景で構成されている。
第1実施形態では、機能設定画面が表示されたときには、遊技店設定アイコン201Aが選択されている(図15(A))。この状態から、例えば、下ボタン65Dが操作されると、図15(B)に示すように、その背景色が灰色に切り替わり、RTC演出設定アイコン202Aが選択されている状態になる。また、RTC演出設定アイコン202Aが選択されている状態から、下ボタン65Dが操作されると、図15(C)に示すように、その背景色が灰色に切り替わり、機能設定終了アイコン203Aが選択されている状態になる。また、機能設定終了アイコン203Aが選択されている状態から、上ボタン65Uが操作されると、図15(B)に示すように、その背景色が灰色に切り替わり、RTC演出設定アイコン202Aが選択されている状態になる。
そして、演出ボタン63が押下操作されると、そのときに選択中画像205で選択されていた(背景色が灰色になっていた)アイコンに決定され、そのアイコンに応じた指示がパチンコ遊技機1に与えられる。例えば、RTC演出設定アイコン202Aが選択されているときに演出ボタン63が押下操作されると、パチンコ遊技機1は、機能設定画面から、RTC演出設定を行うための画面(以下、「RTC演出設定画面」という)に切り替える。また、機能設定終了アイコン203Aが選択されているときに演出ボタン63が押下操作されると、パチンコ遊技機1は、機能設定画面から、客待ち演出に切り替える。
次に、図16〜図18を用いてRTC演出設定について説明する。表示画面7aにRTC演出設定画面が表示されると、例えば、図16(A)に示すようになり、RTC演出の設定可能な項目について設定することができる。設定可能な項目として、RTC演出の有無(有効/無効)、RTC演出に関連付けられたキャラクタ(ピッチャー(A太郎)、バッター(B介))、RTC演出を構成する部分(パート)に対応付けられた台番号、音声の有無、RTC演出を発生(開始または新たに実行)させることが可能な時間である有効時間、および、RTC演出の発生頻度が設けられている。そして、RTC演出設定画面には、図23(A)に示すように、RTC演出の有無を設定するためのRTC演出有無設定部212、キャラクタを設定するためのキャラ設定部213、台番号を設定するための台番号設定部214、音声の有無を設定するための音声有無設定部215、有効時間を設定するための有効時間設定部216、および、発生頻度を設定するための発生頻度設定部217が表示画面7a上で上下方向に並んで設けられている。なお、図16〜図18において、RTC演出有無設定部212、キャラ設定部213、台番号設定部214、音声有無設定部215、有効時間設定部216および発生頻度設定部217について表示されている破線は、各設定部212〜217の領域を説明するためのものであり、実際には表示されていない。
さらに、RTC演出設定画面には、設定する項目を指し示す項目選択カーソル211、RTC演出設定の操作方法を表示するRTC演出設定方法表示部218と、選択されている項目に応じた説明・留意事項などを表示する説明表示部219と、がさらに設けられている。
第1実施形態では、項目選択カーソル211は、各設定部212〜216の左横側間を移動することが可能であり、上ボタン65U又は下ボタン65Dの操作に応じて移動する。すなわち、上ボタン65U又は下ボタン65Dの操作によって設定する項目を選択することができる。下ボタン65Dを操作すると項目選択カーソル211が1項目分、下に移動する。例えば、図16(A)に示すように、項目選択カーソル211がRTC演出有無設定部212の左横に位置し、RTC演出の有無の設定が選択されている状態から、下ボタン65Dを押下操作する度に、項目選択カーソル211がキャラ設定部213の左横(図17(A))→台番号設定部214の左横(図17(B))→音声有無設定部215の左横(図17(C))→有効時間設定部216の左横(図18(A))→発生頻度設定部217の左横(図18(B))と順に移動する。すなわち、下ボタン65Dを押下操作する度に、キャラクタの設定、台番号の設定、音声の有無の設定、有効時間の設定、発生頻度の設定が順に選択される。そして、各項目の内容は、その項目が選択されているときに変更することが可能である。
次に、RTC演出について設定可能な項目の項目内容について項目ごとに説明する。最初に、RTC演出の有無の設定について説明する。RTC演出の有無は、項目選択カーソル211がRTC演出有無設定部212の左横に位置している(RTC演出の有無の設定が選択されている)ときに設定することが可能である。RTC演出有無設定部212には、RTC演出が有効(実行可能)であることを示す有効アイコン212Aと、RTC演出が無効(実行不可能)であることを示す無効アイコン212Bと、有効アイコン212Aか無効アイコン212Bかを選択し、選択中画像205と同様に灰色の背景で構成されるRTC演出有無選択ポインター212Cと、が表示されている。左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作に応じて、RTC演出有無選択ポインター212Cを左右に移動させ、有効アイコン212Aまたは無効アイコン212Bを選択することができる。すなわち、左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作によって、RTC演出を有効にするか無効にするかを選択することができる。図16(A)は有効アイコン212Aが選択されている状態で、図16(B)は無効アイコン212Bが選択されている状態である。なお、無効アイコン212Bが選択されているときは、RTC演出が実行されないことから、後述する各項目の選択ポインター213C、214F、215C、216F、217Dが消去され、キャラクタの設定、台番号の設定、音声の有無の設定、有効時間の設定、および発生頻度の設定がなされていない状態になっている。また、RTC演出の有無が選択されているときには、説明表示部219において、RTC演出の有無の設定内容についての説明が表示されている。
次に、キャラクタの設定について説明する。後述するようにRTC演出は、野球のピッチャー(キャラクタA:A太郎)とバッター(キャラクタB:B介)との対決を題材にした演出であり、RTC演出の種類として、主にピッチャー(キャラクタA)に関連付けられた演出内容である第1RTC演出と、主にバッター(キャラクタB)に関連付けられた演出内容である第2RTC演出と、が設けられている。キャラクタを設定するということは、RTC演出の演出の種類を設定することになる。キャラクタ(RTC演出の種類)は、図17(A)に示すように、項目選択カーソル211がキャラ設定部213の左横に位置している(キャラクタの設定が選択されている)ときに設定することが可能である。キャラ設定部213には、第1RTC演出を実行することを示すキャラAアイコン213Aと、第2RTC演出を実行することを示すキャラBアイコン213Bと、キャラAアイコン213AかキャラBアイコン213Bかを選択し、選択中画像205と同様に灰色の背景で構成されるキャラ選択ポインター213Cと、が表示されている。左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作に応じて、キャラ選択ポインター213Cを左右に移動させ、キャラAアイコン213AかキャラBアイコン213Bかを選択することができる。すなわち、左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作によって、第1RTC演出を実行するか第2RTC演出を実行するかを選択することができる。なお、キャラクタの設定が選択されているときには、説明表示部219において、キャラクタの設定内容についての説明が表示されている。
次に、台番号の設定について説明する。最初に台番号について説明する。台番号は、RTC演出を構成する部分を表す識別情報である。台番号は、全部で1〜5の範囲で設けられており、付与された台番号に応じて異なるRTC演出を実行する。前述したように、設定されたキャラクタに応じたRTC演出(第1RTC演出および第2RTC演出)が実行されるが、各RTC演出について、台番号によって異なるRTC演出が実行される。すなわち、第1RTC演出には、台番号「1」に応じた第1RTC演出(第1RTC演出1)、台番号「2」に応じた第1RTC演出(第1RTC演出2)、台番号「3」に応じた第1RTC演出(第1RTC演出3)、台番号「4」に応じた第1RTC演出(第1RTC演出4)、および、台番号「5」に応じた第1RTC演出(第1RTC演出5)がある。同様に、第2RTC演出には、台番号「1」に応じた第2RTC演出(第2RTC演出1)、台番号「2」に応じた第2RTC演出(第2RTC演出2)、台番号「3」に応じた第2RTC演出(第2RTC演出3)、台番号「4」に応じた第2RTC演出(第2RTC演出4)、および、台番号「5」に応じた第2RTC演出(第2RTC演出5)がある。後述するようにRTC演出は、表示画面7aにおいて行われるが、同一のキャラクタが設定されている台番号「1」〜台番号「5」の5台のパチンコ遊技機1でRTC演出が実行されているとき、各表示画面7aに表示されている画像を組み合わせると1つの画像を形成することがある。すなわち、複数台のパチンコ遊技機1の表示画面7aではそれぞれ異なる画像が表示されているが、表示されている画像を横に並べると1つの画像を形成することがある。なお、第1RTC演出または第2RTC演出が実行される場合、当該RTC演出の全時間帯において、台番号「1」〜台番号「5」の5台のパチンコ遊技機1で1つの画像を形成するのではなく、ある時間帝において1つの画像を形成する。
台番号(各RTC演出(第1RTC演出および第2RTC演出)のパート)は、図17(B)に示すように、項目選択カーソル211が台番号設定部214の左横に位置している(台番号の設定が選択されている)ときに設定することが可能である。台番号設定部214には、台番号「1」を示す台番号「1」アイコン214Aと、台番号「2」を示す台番号「2」アイコン214Bと、台番号「3」を示す台番号「3」アイコン214Cと、台番号「4」を示す台番号「4」アイコン214Dと、台番号「5」を示す台番号「5」アイコン214Eと、台番号「1」アイコン214A〜台番号「5」アイコン214Eの何れかを選択し、選択中画像205と同様に灰色の背景で構成される台番号選択ポインター214Fと、が表示されている。左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作に応じて、台番号選択ポインター214Fを左右に移動させ、台番号「1」アイコン214A〜台番号「5」アイコン214Eの何れか1つを選択することができる。すなわち、左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作によって、台番号「1」〜「5」の何れか1つを選択することができる。なお、台番号の設定が選択されているときには、説明表示部219において、台番号の設定内容についての説明が表示されている。
音声の有無の設定について説明する。後述するようにRTC演出は、スピーカ67を用いて実行可能である。すなわち、表示画面7aにおける画像によるRTC演出(RTC画像演出)とともに、音声によるRTC演出(RTC音声演出)も実行することが可能である。そして、音声の有無の設定によって、RTC音声演出の有無(RTC画像演出とともにRTC音声演出を実行するか否か)を設定することができる。音声の有無は、図17(C)に示すように、項目選択カーソル211が音声有無設定部215の左横に位置している(音声の有無の設定が選択されている)ときに設定することが可能である。音声有無設定部215には、音声有り(RTC音声演出を実行可能)であることを示す音声「ON」アイコン215Aと、音声無し(RTC音声演出を実行不可能)であることを示す音声「OFF」アイコン215Bと、音声「ON」アイコン215Aか音声「OFF」アイコン215Bかを選択し、選択中画像205と同様に灰色の背景で構成される音声「ON/OFF」選択ポインター215Cと、が表示されている。左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作に応じて、音声「ON/OFF」選択ポインター215Cを左右に移動させ、音声「ON」アイコン215Aまたは音声「OFF」アイコン215Bかを選択することができる。すなわち、左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作によって、RTC音声演出を実行するか否かを選択することができる。なお、音声の有無の設定が選択されているときには、説明表示部219において、音声の有無の設定内容についての説明が表示されている。
次に、有効時間の設定について説明する。有効時間とは、RTC演出を発生(開始)させることが可能な時間のことである。第1実施形態では、電源投入されてから有効時間が経過するまでの期間において、RTC演出を発生させることが可能である。有効時間は、30分、60分、120分、240分、および360分の5種類設定されている。有効時間は、図18(A)に示すように、項目選択カーソル211が有効時間設定部216の左横に位置している(有効時間の設定が選択されている)ときに設定することが可能である。有効時間設定部216には、有効時間が「30分」であることを示す有効時間「30分」アイコン216Aと、有効時間が「60分」であることを示す有効時間「60分」アイコン216Bと、有効時間が「120分」であることを示す有効時間「120分」アイコン216Cと、有効時間が「240分」であることを示す有効時間「240分」アイコン216Dと、有効時間が「360分」であることを示す有効時間「360分」アイコン216Eと、有効時間「30分」アイコン216A〜有効時間「360分」アイコン216Eの何れか1つを選択し、選択中画像205と同様に灰色の背景で構成される有効時間選択ポインター216Fと、が表示されている。左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作に応じて、有効時間選択ポインター216Fを左右に移動させ、有効時間「30分」アイコン216A〜有効時間「360分」アイコン216Eの何れか1つを選択することができる。すなわち、左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作によって、有効時間を5種類の中から1つ選択することができる。なお、有効時間の設定が選択されているときには、説明表示部219において、有効時間の設定内容についての説明が表示されている。
次に、発生頻度の設定について説明する。発生頻度とは、RTC演出を発生(開始)させる頻度のことである。第1実施形態では、発生頻度は、RTC演出を発生させる時間間隔に対応付けられている。発生頻度は、1分おきにRTC演出を発生させる「多い」、5分おきにRTC演出を発生させる「普通」と、10分おきにRTC演出を発生させる「少ない」の3種類が設定されている。発生頻度は、図18(B)に示すように、項目選択カーソル211が発生頻度設定部217の左横に位置している(発生頻度の設定が選択されている)ときに設定することが可能である。発生頻度設定部217には、発生頻度が「多い」であることを示す発生頻度「多い」アイコン217Aと、発生頻度が「普通」であることを示す発生頻度「普通」アイコン217Bと、発生頻度が「少ない」であることを示す発生頻度「少ない」アイコン217Cと、発生頻度「多い」アイコン217A〜発生頻度「少ない」アイコン217Cの何れか1つを選択し、選択中画像205と同様に灰色の背景で構成される発生頻度選択ポインター217Dと、が表示されている。左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作に応じて、発生頻度選択ポインター217Dを左右に移動させ、発生頻度「多い」アイコン217A〜発生頻度「少ない」アイコン217Cの何れか1つを選択することができる。すなわち、左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作によって、発生頻度を3種類の中から1つ選択することができる。なお、発生頻度の設定が選択されているときには、説明表示部219において、発生頻度の設定内容についての説明が表示されている。
このように、上ボタン65Uおよび下ボタン65Dの操作によってRTC演出の所定項目を選択し、左ボタン65Lおよび右ボタン65Rの操作によって各所定項目の内容を選択(変更)することが可能である。そして、選択されているRTC演出の各所定項目の内容(RTC演出設定内容)は、演出ボタン63を押下操作することによって決定される。演出ボタン63が操作されると、図18(C)に示すRTC演出設定確定画面が表示される。RTC演出設定確定画面では、現在設定されているRTC演出設定内容に確定し、そのデータが保存されたことを示すRTC演出設定内容保存画像220が他の画像に重畳的に表示される。このとき、項目選択カーソル211、RTC演出有無設定部212、キャラ設定部213、台番号設定部214、音声有無設定部215、有効時間設定部216、発生頻度設定部217、および、RTC演出設定方法表示部218を構成する文字や線が薄くなるとともに、説明表示部219が消去される。なお、後述するように、RTC演出設定画面が表示されるときに演出ボタン63が押下操作されると、そのとき選択されているRTC演出設定内容がRTC演出設定記憶部94Aに記憶される。
なお、「RTC演出有無」の初期設定は「有」、「キャラ」の初期設定は「キャラクタA」、「台番号」の初期設定は台番号「1」、「音声の有無」の初期設定は音声「有り」、「有効時間」の初期設定は「30分」、および「発生頻度」の初期設定は「多い」に設定されている。すなわち、これらの初期設定の設定内容がデフォルトとして設定されており、ROM93に格納されている。遊技店に設置されて最初に電源投入された場合やRAMクリアされた場合などにRTC演出設定が行われる際には、図16(A)に示すRTC演出設定画面が最初に表示される。ただし、各設定項目の初期設定は適宜に設定することができる。
RTC演出について、設定可能な項目と、各項目内容との関係を図19(A)に示す。前述したとおり、設定可能な設定項目として、「RTC演出有無」、「キャラ」、「台番号」、「音声の有無」、「有効時間」、および「発生頻度」が設けられている。ここで、「有効時間」および「発生頻度」はRTC演出の実行条件に関する項目であり、「キャラ」、「台番号」、および「音声の有無」はRTC演出の演出内容に関する項目であると位置付けることができる。
次に、RTC演出の演出内容について説明する。前述したように、設定項目「キャラ」と設定項目「台番号」と設定項目「音声の有無」で設定された設定内容によってRTC演出の演出内容が異なる。RTC演出は、まずはキャラクタAが設定されたときに行われる第1RTC演出と、キャラクタBが設定されたときに行われる第2RTC演出とで大別される。次に、各RTC演出は台番号によって分けられる。具体的には、第1RTC演出は、台番号「1」〜台番号「5」によって第1RTC演出1〜第1RTC演出5に分けられ、第2RTC演出は、台番号「1」〜台番号「5」によって第2RTC演出1〜第2RTC演出5に分けられる。このように、設定項目「キャラ」と設定項目「台番号」との設定内容の組み合わせによって、10種類のRTC演出が設けられている。さらに、これらの10種類のRTC演出について、音声の有無で分けると、計20種類のRTC演出の演出内容が設けられていることになる。パチンコ遊技機1では、20種類のRTC演出の演出内容が、設定項目「キャラ」と設定項目「台番号」と設定項目「音声の有無」の設定内容の組み合わせに対応付けられたRTC演出パターンとして、ROM93に格納されている。
図19(B)は、設定項目「キャラ」と設定項目「台番号」と設定項目「音声の有無」の設定内容の組み合わせに対応付けられたRTC演出パターンとRTC演出の演出内容との関係を表した表である。ここで、設定項目「キャラ」と設定項目「台番号」との設定内容の組み合わせは、音声の有無が関係なく、RTC演出における画像部分のRTC画像演出の演出内容に対応付けられる。そこで、設定項目「キャラ」と設定項目「台番号」との設定内容の組み合わせに対応付けられるRTC画像演出の演出内容は、RTC画像演出パターンとして表される。よって、キャラクタAで台番号「1」〜台番号「5」の設定内容に対応付けられたRTC画像演出パターンをRTC画像演出パターンA1〜RTC画像演出パターンA5とする。そして、これらのRTC画像演出パターンで音声有りのRTC演出パターンをRTC画像演出パターンA1−1〜RTC画像演出パターンA5−1とし、音声無しのRTC演出パターンをRTC画像演出パターンA1−2〜RTC画像演出パターンA5−2とする。一方、キャラクタBで台番号「1」〜台番号「5」の設定内容に対応付けられたRTC画像演出パターンをRTC画像演出パターンB1〜RTC画像演出パターンB5とする。そして、これらのRTC画像演出パターンで音声有りのRTC演出パターンをRTC画像演出パターンB1−1〜RTC画像演出パターンB5−1とし、音声無しのRTC演出パターンをRTC画像演出パターンB1−2〜RTC画像演出パターンB5−2とする。この20種類のRTC演出パターンは、RTC演出の設定内容に対応付けられてROM93に格納されている。そして、演出制御用マイコン91は、RTC演出を実行する場合、設定された(RAM94のRTC演出セットアップ記憶部94Bにセットされている)設定内容に対応付けられたRTC演出パターンを示すRTC演出開始コマンドを画像制御基板100に送信する。画像制御基板100は、RTC演出開始コマンドを受信すると、そのコマンドが示す演出内容のRTC画像演出を表示画面7aにて行う。また、演出制御用マイコン91は、設定内容に対応付けられたRTC演出パターンが「音声有り」の演出内容を示していれば、音声制御基板106を介して、RTC音声演出をスピーカ67から出力させる。
次に、図20〜図26を用いてRTC演出の演出内容について説明する。ここで、前提として、図9に示す第1遊技機グループ170を構成する5台のパチンコ遊技機1についてはキャラクタA且つ音声有りが設定され、右端から左端に向かって順に、台番号=1、2、3、4、5と設定されているとする。すなわち、これらの5台のパチンコ遊技機1は、右端から左端に向かって、RTC演出パターンA1−1、A2−1、A3−1、A4−1、A5−1のRTC演出を実行する。一方、図9に示す第2遊技機グループ171を構成する5台のパチンコ遊技機1についてはキャラクタB且つ音声有りが設定され、右端から左端に向かって順に、台番号=1、2、3、4、5と設定されているとする。すなわち、これらの5台のパチンコ遊技機1は、右端から左端に向かって、RTC演出パターンB1−1、B2−1、B3−1、B4−1、B5−1のRTC演出を実行する。また、図21(A)に記載されている符号「1−A1」〜「1−A5」および「1−B1」〜「1−B5」は、RTC画像演出パターン「A1」〜「A5」および「B1」〜「B5」のRTC画像演出を実行するパチンコ遊技機1の表示画面7aを表している。すなわち、図9に示す配置関係に応じた10台のパチンコ遊技機1の表示画面7aを表している。そして、図21(B)〜図26(C)においては便宜上、この表示画面7aを表す符号「A1」〜「A5」および「B1」〜「B5」の表記を省力している。また、図21(A)に記載されている符号「67」は、各パチンコ遊技機1に設けられたスピーカ67を模式的に表したものであるが、図21(B)〜図26(C)においては便宜上、符号「67」の表記を省力している。
RTC演出は、野球のピッチャー(キャラクタA:A太郎)とバッター(キャラクタB:B介)との対決を題材にした演出である。第1RTC演出は、キャラクタAに関連付けられた演出内容である。これに対して、第2RTC演出は、主にキャラクタB(B介)に関連付けられた演出内容である。
図20に示すように、第1RTC演出および第2RTC演出の演出時間は60秒である。第1RTC演出および第2RTC演出は、それぞれ同じ9つのチャプターで構成されている。具体的には、第1RTC演出および第2RTC演出では、共に、グランド(チャプター1)→球場(チャプター2)→スポンサー紹介(チャプター3)→対決直前(チャプター4)→対決前半(チャプター5)→ボール移動(チャプター6)→ライバルアップ(チャプター7)→対決後半(チャプター8)→機種名紹介(チャプター9)という順序でチャプターが展開していく。そして、第1RTC演出と第2RTC演出の対応する9つの各チャプターの時間(開始時間および終了時間)は一致している。すなわち、第1RTC演出の9つの各チャプターと第2RTC演出の9つの各チャプターとは、同じタイミングで(同一の時間帯に)実行される。
また、第1RTC演出の画像部分である第1RTC画像演出および第2RTC演出の画像部分である第2RTC画像演出は、チャプター毎に、5台(台番号1〜5)のパチンコ遊技機1がそれぞれ異なる演出を実行するが全体で1つの演出を構成する場合と、5台(台番号1〜5)のパチンコ遊技機1がそれぞれ同一の演出を実行する場合とがある。ここで、全体で1つの演出を構成する場合のRTC画像演出を「全体画像演出(図20において「全体」)」と称し、同一の演出を実行する場合のRTC画像演出を「個別画像演出(図20において「個別」)」と称する。すなわち、全体画像演出が行われるチャプターと個別画像演出が行われるチャプターとがある。
また、第1RTC演出および第2RTC演出は、チャプター毎に、設定されているキャラクタおよび台番号に関係なく全台共通の演出内容が実行される場合(図20において「全台共通」)と、設定されているキャラクタで相違するが、同一キャラクタにおいては全台共通の演出内容が実行される場合(図20において「キャラで相違」)と、設定されている台番号で相違するが、同一の台番号で共通する演出内容が実行される場合(図20において「台番号で相違」)と、設定されているキャラクタと台番号で相違する演出内容が実行される場合(図20において「キャラと台番号で相違」)と、がある。
次に、第1RTC演出および第2RTC演出の演出内容についてチャプター毎に説明する。最初に、チャプター1「グラウンド」について説明する。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター1「グラウンド」の演出時間は15秒であり、各チャプター1ではRTC画像演出のみが実行される。第1RTC画像演出のチャプター1では、キャラクタAであるピッチャーを見るバッター目線でグランドを1周見渡す動画が15秒間表示される。第1RTC画像演出のチャプター1は全体画像演出であり、キャラクタAで台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1の全台の表示画面7aに渡って、ピッチャーマウンドから見たグランドの所定範囲からなる1つのグランド画像が表示される。よって、「1−A1」〜「1―A5」には、それぞれの配置に応じて、1つのグランド画像を分割した1部分が表示される。ここで、例えば、台番号3「1―A3」は、「1−A1」〜「1―A5」の真ん中に配置されているので、最初は、ピッチャーマウンドからセンター方向を向いたグランドが表示されており、そこからライト方向→ファースト方向→ホーム方向→サード方向→レフト方向→センター方向に移り、グランドを右回りに1周(360度)画像ような動画が表示される(図21(A)〜図21(C)参照)。一方、台番号1「1―A1」は、「1−A1」〜「1―A5」の右端に配置されているので、最初は、ピッチャーマウンドからセカンド方向を向いたグランドが表示されており、そこからファースト方向→ホーム方向→サード方向→レフト方向→センター方向→セカンド方向に移り、グランドを右回りに1周(360度)見渡すような動画が表示される(図21(A)〜図21(C)参照)。
同様に、第2RTC画像演出のチャプター1「グラウンド」では、キャラクタBであるバッターを見るピッチャー目線でグランドを1周見渡す動画が15秒間表示される。第2RTC見渡す演出のチャプター1は全体画像演出であり、キャラクタBで台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1の全台の表示画面7aに渡って、ピッチャーマウンドから見たグランドの所定範囲からなる1つのグランド画像が表示される。よって、「1−B1」〜「1―B5」には、それぞれの配置に応じて、1つのグランド画像を分割した1部分が表示される。ここで、例えば、台番号3「1―B3」は、「1−B1」〜「1―B5」の真ん中に配置されているので、最初は、ピッチャーマウンドからホーム(バッター)方向を向いたグランドが表示されており、そこからサード方向→レフト方向→センター方向→ライト方向→ファースト方向→ホーム方向に移り、グランドを右回りに1周(360度)見渡すような動画が表示される(図21(A)〜図21(C)参照)。一方、台番号5「1―A1」は、「1−A1」〜「1―A5」の左端に配置されているので、最初は、ピッチャーマウンドからレフト方向を向いたグランドが表示されており、そこからセンター方向→セカンド方向→ファースト方向→ホーム方向→サード方向→レフト方向に移り、グランドを右回りに1周(360度)見渡すような動画が表示される(図21(A)〜図21(C)参照)。
このように、第1RTC演出は主にキャラクタA(ピッチャー)に関連付けられた演出であり、第2RTC演出は主にキャラクタB(バッター)目線の演出であることから、第1RTC演出のチャプター1「グランド」と第2RTC演出のチャプター2「グランド」とでは、グラウンドを1周見渡す動画が半周ずれた状態で行われている。すなわち、設定されたキャラクタに応じて異なる全体画像演出が実行される。また、第1RTC演出のチャプター1および第2RTC演出のチャプター1では、それぞれ台番号1〜5の5台のパチンコ遊技機1に亘って1つの全体的なグラウンド画像が表示されるが、各台番号に係るパチンコ遊技機1では相互に異なる部分的なグランド画像が表示される。
次に、チャプター2「球場」について説明する。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター2「球場」の演出時間は2秒であり、各チャプター2では、RTC画像演出のみが実行される。第1RTC演出のチャプター2および第2RTC演出のチャプター2は、個別画像演出である。そして、設定されたキャラクタおよび台番号に関わらず同一の画像が表示される。具体的に、図22(A)に示すように、「1−A1」〜「1―A5」および「1−B1」〜「1―B5」では、球場の斜め後方の上空から見た球場の同一の静止画(球場画像)が2秒間表示される。
次に、チャプター3「スポンサー紹介」について説明する。チャプター3「スポンサー紹介」は、架空のスポンサーを紹介するという演出内容である。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター3「スポンサー紹介」の演出時間は3秒であり、各チャプター3では、RTC画像演出およびRTC音声演出が実行される。第1RTC画像演出のチャプター3および第2RTC画像演出のチャプター3は、個別画像演出である。そして、設定されたキャラクタおよび台番号に関わらず同一の画像が表示される。具体的に、図22(B)に示すように、「1−A1」〜「1―A5」および「1−B1」〜「1―B5」では、架空のスポンサーを紹介する同一の静止画(スポンサー紹介画像)が3秒間表示される。ここでは、スポンサー紹介画像として、「○×ホール」と表示されているが、この「○×ホール」には、機能設定において設定された遊技店コードに対応付けられた遊技店名が表示される。なお、スポンサー紹介画像における遊技店の名称部分に、当該パチンコ遊技機1の製造メーカなど予め設定された名称を表示することもできる。また、第1実施形態では、遊技店コードが設定されていない場合は、当該パチンコ遊技機1の製造メーカ名が表示されるようになっている。
また、第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター3では、設定されたキャラクタおよび台番号に関係なく同一の音声が同一タイミングでスピーカ67から出力(同一のRTC音声演出が同一タイミングで実行)される。具体的に、チャプター3の開始時にスポンサーを紹介する音声(スポンサー紹介音声)が3秒間出力される。スポンサー紹介音声として、「本日の試合は御覧のスポンサーの提供でお送りします」という音声が出力される。このように、第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター3では、各パチンコ遊技機1において、設定されたキャラクタおよび台番号に関わらず同一のRTC演出が実行される。
次に、チャプター4「対決直前(対峙)」について説明する。チャプター4「対決直前(対峙)」は、キャラクタA(ピッチャー)とキャラクタB(バッター)が対峙し、これから対決が開始されるという演出内容である。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター4「対決直前(対峙)」の演出時間は7秒であり、各チャプター4では、RTC画像演出およびRTC音声演出が実行される。第1RTC画像演出のチャプター4および第2RTC画像演出のチャプター4は、個別画像演出である。そして、設定されたキャラクタおよび台番号に関わらず同一の画像が表示される。具体的に、図22(C)に示すように、「1−A1」〜「1―A5」および「1−B1」〜「1―B5」では、キャラクタA(ピッチャー)とキャラクタB(バッター)とが対峙している同一の静止画(対峙画像)が7秒間表示される。
また、第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター4では、設定されたキャラクタおよび台番号に関係なく、同一の音声が同一タイミングでスピーカ67から出力(同一のRTC音声演出が同一タイミングで実行)される。具体的に、チャプター4が開始してから1秒経過した時に、キャラクタA(ピッチャー)とキャラクタB(バッター)との対決を実況する音声(実況音声)が5秒間出力される。実況音声として、「さあ、長きにおよぶ宿命の戦いの火ぶたが切って落とされました」という音声が出力される。このように、第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター4では、各パチンコ遊技機1において、設定されたキャラクタおよび台番号に関わらず同一のRTC演出が実行される。
次に、チャプター5「対決前半」について説明する。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター5「対決前半」の演出時間は10秒であり、各チャプター5ではRTC画像演出およびRTC音声演出が実行される。第1RTC演出のチャプター5「対決前半」は、キャラクタA(ピッチャー)がボールを投げるという演出内容である。第1RTC画像演出のチャプター5は個別画像演出であり、キャラクタAで台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1の全台の表示画面7aで、キャラクタA(ピッチャー)がボールを投げる同一の動画が表示される。また、第1RTC音声演出のチャプター5では、5台のパチンコ遊技機1の全台のスピーカ67からキャラクタA(ピッチャー)がキャラクタB(バッター)に語り掛ける音声が2回一斉に出力される。具体的には、「1−A1」〜「1―A5」のそれぞれで、チャプター5が開始してから1秒が経過した時(時間t1)に、図23(A)に示すように、キャラクタA(ピッチャー)のアップの画像が表示され、キャラクタB(バッター)に宣戦布告して語り掛ける音声(語り掛け音声1)「いくぞ、B介!」がスピーカ67から出力される。次に、チャプター5が開始してから3秒が経過した時(時間t2)に、「1−A1」〜「1―A5」のそれぞれで、図23(B)に示すように、キャラクタA(ピッチャー)が構える画像が表示される。そして、チャプター5が開始してから5秒が経過した時(時間t3)に、「1−A1」〜「1―A5」のそれぞれで、図24(A)に示すように、キャラクタA(ピッチャー)がボールを投げようとする画像が表示され、キャラクタB(バッター)に語り掛ける音声(語り掛け音声2)「オレのミラクルボールだ!」がスピーカ67から出力される。そして、チャプター5が開始してから7秒が経過した時(時間t4)に、「1−A1」〜「1―A5」のそれぞれでは、図24(B)に示すように、キャラクタB(バッター)がボールを投げる画像が表示される。
一方、第2RTC演出のチャプター5「対決前半」は、キャラクタB(バッター)が構えてキャラクタA(ピッチャー)を迎え打とうとする演出内容である。第2RTC画像演出のチャプター5も個別画像演出であり、キャラクタB(バッター)で台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1の全台の表示画面7aで、キャラクタB(バッター)が打つ体勢に入るために構える同一の動画が表示される。また、第2RTC音声演出のチャプター5では、5台のパチンコ遊技機1の全台のスピーカ67から、キャラクタB(バッター)のキャラクタA(ピッチャー)の語り掛けに応答する音声が2回一斉に出力される。具体的には、「1−B1」〜「1―B5」のそれぞれで、チャプター5が開始してから1秒が経過した時(時間t1)に、図23(A)に示すように、キャラクタB(バッター)が一度構えに入る画像が表示される。次に、チャプター5が開始してから3秒が経過した時(時間t2)に、「1−B1」〜「1―B5」のそれぞれで、図23(B)に示すように、キャラクタA(ピッチャー)にバットを向けて、キャラクタA(ピッチャー)の宣戦布告(語り掛け)に答える画像が表示され、語り掛け音声1に応答する音声(応答音声1)「こい、A太郎!」がスピーカ67から出力される。そして、チャプター5が開始してから5秒が経過した時(時間t3)に、「1−B1」〜「1―B5」のそれぞれで、図24(A)に示すように、キャラクタB(バッター)が再び構えの状態に戻ろうとする画像が表示される。そして、図24(B)に示すように、チャプター5が開始してから7秒が経過した時(時間t4)に、「1−B1」〜「1―B5」のそれぞれで、キャラクタB(バッター)が構え直す画像が表示され、語り掛け音声2に応答する音声(応答音声2)「スタンドにたたき込んでやるぜ」が出力される。
このように、キャラクタBが設定されたパチンコ遊技機1の表示画面7aでは、キャラクタAが設定されたパチンコ遊技機1の表示画面7aで行われたRTC画像演出に対して応答するRTC画像演出が行われる。また、キャラクタBが設定されたパチンコ遊技機1のスピーカ67からは、キャラクタAが設定されたパチンコ遊技機1のスピーカ67から行われたRTC音声演出に対して応答するRTC音声演出が行われる。すなわち、第2RTC演出のチャプター5「対決前半」は、部分的に第1RTC演出のチャプター5「対決前半」に応答し、キャラクタAとキャラクタBとで掛け合いが行われている。よって、第1RTC演出のチャプター5と第2RTC演出のチャプター5とは応答関係にあるといえる。具体的には、図23(A)のキャラクタA(第1遊技機グループ170側)に係る場面(画像および音声による場面)に対して、図23(B)のキャラクタB(第1遊技機グループ170側)に係る場面(画像および音声による場面)が応答している。また、図24(A)のキャラクタA(第1遊技機グループ170側)に係る場面(画像および音声による場面)に対して、図24(B)のキャラクタB(第2遊技機グループ171側)に係る場面(画像および音声による場面)が応答している。
次に、チャプター6「ボール移動」について説明する。チャプター6「ボール移動」は、キャラクタA(ピッチャー)が投げたボールがキャラクタB(バッター)に向かって移動するという演出内容である。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター6「ボール移動」の演出時間は6秒であり、各チャプター6ではRTC画像演出のみが実行される。第1RTC画像演出のチャプター6と第2RTC画像演出のチャプター6は、ともに全体画像演出であり、設定されたキャラクタの種類に関わらず、炎に包まれたボールが移動する同一の動画が6秒間表示される。第1RTC画像演出および第2RTC画像演出では、RTC画像演出毎に台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1の表示画面7aを全体で一つの表示画面に見立てて、左端(「1−A5」および「1−B5」の左端)から右端(「1−A1」および「1−B1」の右端)に向かって、火に包まれたボールが移動する画像(炎ボール移動画像)が表示される。よって、「1−A1」〜「1―A5」および「1−B1」〜「1―B5」には、それぞれの配置に応じて、1つの炎ボール移動画像を分割した1部分が表示される。ここで、例えば、台番号5「1―A5」および「1−B5」は、「1−A1」〜「1―A5」および「1−A5」〜「1―B5」の左端に配置されているので、最初は、左端から炎に包まれたボールが右端に向かって移動し、その後、炎の中間部分が右方向に移動→炎の後半部分が右方向に移動→黒背景→黒背景→黒背景→黒背景→黒背景が表示される(図25(A)〜図25(B)参照)。一方、台番号1「1―A1」および「1−B1」は、「1−A1」〜「1―A5」および「1−A5」〜「1―B5」の右端に配置されているので、最初は、炎に包まれたボールが移動して来ていないので、黒背景が表示され、その後、黒背景→黒背景→黒背景→黒背景→炎に包まれたボールが左端から右端に移動→炎の中間部分が右方向に移動→炎の後半部分が右方向に移動→黒背景が表示される(図25(A)〜図25(B)参照)。
このように、第1RTC演出のチャプター6および第2RTC演出のチャプター6では、それぞれ台番号1〜5の5台のパチンコ遊技機1に亘って1つの全体的な炎ボール移動画像が表示されるが、各台番号に係るパチンコ遊技機1では相互に異なる部分的な炎ボール移動画像が表示される。
次に、チャプター7「ライバルアップ」について説明する。チャプター7「ライバルアップ」は、各RTC演出に関連付けられたキャラクタのアップがカットインされるという演出内容である。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター7「ライバルアップ」の演出時間は2秒であり、各チャプター7ではRTC画像演出のみが実行される。第1RTC演出のチャプター7および第2RTC画像演出のチャプター7は個別画像演出である。図25(C)に示すように、キャラクタAで台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1のそれぞれの表示画面7aでは、キャラクタA(ピッチャー)のアップの同一の静止画が2秒間、表示(カットイン)される。一方、図25(C)に示すように、キャラクタBで台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1のそれぞれの表示画面7aでは、キャラクタB(バッター)のアップの同一の静止画が2秒間、表示(カットイン)される。
次に、チャプター8「対決後半」について説明する。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター8「対決後半」の演出時間は10秒であり、各チャプター8ではRTC画像演出およびRTC音声演出が実行される。第1RTC演出のチャプター8「対決後半」は、キャラクタA(ピッチャー)の目線でキャラクタB(バッター)がボールを打とうとする演出内容である。第1RTC画像演出のチャプター8は個別画像演出であり、キャラクタAで台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1の全台の表示画面7aで、キャラクタB(バッター)がスイングして、バットにボールが当たろうか否かの様子を表す同一の動画が表示される。また、第1RTC音声演出のチャプター8では、キャラクタA(ピッチャー)が投げたボールに祈りを込める祈り音声が第1遊技機グループ170に係る5台のパチンコ遊技機1の全台のスピーカ67から1回一斉に出力される。具体的には、「1−A1」〜「1―A5」のそれぞれで、チャプター8が開始してから2秒が経過した時に、図26(A)に示すように、キャラクタA(ピッチャー)の目線でキャラクタB(バッター)がスイングする画像が表示され、スピーカ67から祈り音声「いけ〜っ」が出力される。次に、チャプター8が開始してから4秒が経過した時に、「1−A1」〜「1―A5」のそれぞれで、図26(B)に示すように、キャラクタA(ピッチャー)の目線でボールとバットが近づく(勝敗がつこうとする)画像が表示される。
一方、第2RTC演出のチャプター8「対決後半」は、キャラクタB(バッター)の目線でキャラクタA(ピッチャー)が投げて近づいてくるボールを打とうとする演出内容演出内容である。第2RTC画像演出のチャプター8も個別画像演出であり、キャラクタBで台番号1〜5に設定された5台のパチンコ遊技機1の全台の表示画面7aで、キャラクタB(バッター)の目線でボールが近づいてくる動画が表示される。具体的には、「1−B1」〜「1―B5」のそれぞれで、チャプター8が開始してから2秒が経過した時に、図26(A)に示すように、ボールがキャラクタB(バッター)に近づいてくる画像が表示される。次に、チャプター8が開始してから4秒が経過した時に、「1−B1」〜「1―B5」のそれぞれで、図26(B)に示すように、キャラクタB(バッター)の目線でボールとバットが近づく(勝敗がつこうとする)画像が表示され、第2遊技機グループ171に係る5台のパチンコ遊技機1の全台のスピーカ67から、祈り音声に呼応するように、キャラクタB(バッター)が気合いを入れる音声(気合い音声)が1回一斉に出力される。
このように、キャラクタBが設定されたパチンコ遊技機1の表示画面7aでは、キャラクタAが設定されたパチンコ遊技機1の表示画面7aで行われたRTC画像演出に対して応答するRTC画像演出が行われる。また、キャラクタBが設定されたパチンコ遊技機1のスピーカ67からは、キャラクタAが設定されたパチンコ遊技機1のスピーカ67から行われたRTC音声演出に対して応答するRTC音声演出が行われる。すなわち、第2RTC演出のチャプター8「対決後半」は、部分的に第1RTC演出のチャプター8「対決後半」に応答し、キャラクタAとキャラクタBとで掛け合いが行われている。よって、第1RTC演出のチャプター8と第2RTC演出のチャプター8とは応答関係にあるといえる。具体的には、図26(A)のキャラクタA(第1遊技機グループ170側)に係る場面(画像および音声による場面)に対して、図26(B)のキャラクタB(第2遊技機グループ171側)に係る場面(画像および音声による場面)が応答している。
次に、チャプター9「機種紹介」について説明する。第1RTC演出および第2RTC演出のチャプター9「機種紹介」の演出時間は5秒であり、各チャプター9では、RTC画像演出およびRTC音声演出が実行される。第1RTC演出のチャプター9および第2RTC演出のチャプター9では、設定されたキャラクタおよび台番号に関わらず同一の画像および音声が出力される。具体的に、図26(C)に示すように、「1−A1」〜「1―A5」および「1−B1」〜「1―B5」では、パチンコ遊技機1の機種名を紹介する同一の静止画(機種名画像:「ぱちんこ○○」)が5秒間表示され、チャプター9が開始してから2秒が経過した時に、パチンコ遊技機1の題材(モチーフ)に関連した決め台詞の音声(決め台詞音声)「球の道を究めるぜ」がスピーカ67から2秒間出力される。
次に、客待ち演出について説明する。客待ち演出は、有効時間でないときにも実行可能であり、主制御基板80による遊技の進行に関する制御に応じて、特図保留数が「0」であり、変動演出が終了してから所定時間が経過したときに実行可能である。また、客待ち演出は、設定されたRTC演出設定内容に関係なく、各パチンコ遊技機1で個別に独立して異なるタイミング実行され得る。第1実施形態では、客待ち演出の種類は1種類である。また、客待ち演出の演出時間は30秒に設定されている。
第1実施形態では、客待ち演出は、表示画面7aでのみ実行される。客待ち演出が開始されると、最初に、図27(A)に示すように、パチンコ遊技機1の題材にちなんだ説明が表示され、次に、図27(B)に示すように、第1RTC画像演出のチャプター5のキャラクタA(ピッチャー)がボールを投げる画像が表示され、次に、図27(C)に示すように、第1RTC画像演出または第2RTC画像演出のチャプター6のボール移動の動画1の一部分(「画面の左端から右端へ炎に包まれたボール移動」〜「炎の後半部分が右方向に移動」)が表示され、図27(D)に示すように、第2RTC画像演出のチャプター7のキャラクタB(バッター)の静止画が表示され、最後に、図27(E)に示すように、第2RTC画像演出のチャプター7のキャラクタB(バッター)の静止画が表示され、第1RTC画像演出または第2RTC画像演出のチャプター9に係る機種名画像が表示される。
次に、図28−1〜図28−4のタイムチャートを用いてRTC演出の有効時間と発生頻度について説明する。最初に、機能設定受付期間に機能設定操作が行われ、さらにRTC演出設定が行われた場合について説明する。なお、ここでは、RTC演出設定で、RTC演出「有効」且つ有効時間「30分」に設定されたとする。また、10時00分00秒に電源投入され、電源投入時から2分20秒が経過した10時2分20秒に、最終的に後述のRTC演出セットアップ処理(図49)でRTC演出の設定内容のセットが行われた(RTC演出のセットアップが完了した)。なお、RTC演出のセットアップ完了は、電源投入が行われたその日においてRTC演出を行うための準備が整ったことを意味する。
図28−1に示すように、RAMクリア後の機能設定受付期間においては、RAMクリアに応じた所定の専用の画像が表示される。この専用の画像は、所定の機能設定操作が行われるまで表示される。そして、機能設定操作が行われた後は、後述するRTC演出のセットアップが完了するまで、機能設定画面またはRTC演出設定画面が表示される(図28−1において「設定画面」)。なお、機能設定受付期間において機能設定操作が行われない場合は、機能設定受付期間が経過した直後にRTC演出のセットアップが完了する。すなわち、機能設定受付期間において機能設定操作が行われない場合は、実質的に、機能設定受付期間の経過時をRTC演出のセットアップの完了時とみなすことができる。
ここで、有効時間「30分」に設定されているので、RTC演出の有効時間が終了する時刻(有効時間終了時刻)は、電源投入時刻の10時00分00秒から30分後の10時30分00秒までとなる。
ここで、発生頻度が「多い」、すなわち、「1分間隔でRTC演出を発生」に設定されていると、RTC演出のセットアップが完了した時点から1分後にRTC演出が開始される。RTC演出が開始されるまでの間は客待ち演出が実行される。第1実施形態では、客待ち演出の演出時間が30秒であるため、RTC演出が開始されるまでに2回の客待ち演出が実行される。そして、発生頻度が「多い」に設定されているので、RTC演出のセットアップが完了して1分が経過した後は1分おきにRTC演出が発生(開始)される。ここで、第1実施形態では、RTC演出の演出時間も1分に設定されているので、RTC演出は間髪入れずに連続して実行されることになる。そして、有効時間を過ぎた後にRTC演出は開始されない。なお、図28−1に示す例では、有効時間の終了時点(有効時間終了時刻)でRTC演出が実行されているが、そのRTC演出は有効時間終了時刻で終了することはなく、最後まで実行される。そして、有効時間において発生したRTC演出の中で最後に実行されたRTC演出が終了すると、客待ち演出が実行される。
また、発生頻度が「普通」、すなわち、「5分間隔でRTC演出を発生」に設定されていると、RTC演出のセットアップが完了した時点から5分後にRTC演出が実行される。発生頻度「多い」の場合と同様に、RTC演出が開始されるまでの間は客待ち演出が実行されるが、RTC演出が最初に開始されるまでに5分掛かるため、RTC演出が開始されるまでに10回の客待ち演出が実行される。また、RTC演出のセットアップが完了してから5分が経過した後は5分おきにRTC演出が発生(開始)されるが、RTC演出の演出時間は1分であるので、発生頻度「多い」のようにRTC演出が連続で実行されない。第1実施形態では、RTC演出が連続で実行されない場合は、RTC演出が終了した後、次回のRTC演出が実行されるまで客待ち演出が繰り返し連続で実行される。よって、RTC演出の演出時間が30秒であるので、発生頻度「普通」に設定されている場合は、RTC演出が終了してから次回のRTC演出が実行されるまで、8回の客待ち演出が繰り返し連続して実行される。
また、発生頻度が「少ない」、すなわち、「10分間隔でRTC演出を発生」に設定されていると、RTC演出のセットアップが完了した時点から10分後にRTC演出が実行される。発生頻度「多い」などの場合と同様に、RTC演出が実行されるまでの間は客待ち演出が実行されるが、RTC演出が最初に開始されるまで10分掛かるため、RTC演出が開始されるまでに20回の客待ち演出が実行される。そして、発生頻度「普通」の場合と同様に、RTC演出が終了した後、次回のRTC演出が実行されるまでは、18回の客待ち演出が繰り返し連続で実行される。
このように、RTC演出のセットアップが完了した後の有効時間において、発生頻度「多い」、「普通」、「少ない」に対応付けられた時間間隔を1周期としてRTC演出が繰り返して実行される。第1実施形態では、RTC演出のセットアップが完了した時刻から1周期分経過した時刻がRTC演出の最初の開始時刻となり、その後、有効時間終了時刻までの間で、最初の開始時刻に、発生頻度「多い」、「普通」、「少ない」に対応付けられた周期(時間間隔)を加算していったそれぞれの時刻が、それ以降のRTC演出の開始時刻(RTC演出開始時刻)となる。この有効時間におけるRTC演出開始時刻の到来はRTC演出を開始させるためのRTC演出の開始条件となる。
次に、機能設定受付期間に所定の機能設定操作が行われなかった場合のRTC演出の有効時間および発生頻度について説明する。なお、ここでは、RTC演出設定記憶部94Aに、RTC演出「有効」且つ有効時間「30分」という設定内容が記憶されていたとする。また、10時00分00秒に電源投入されたとする。
図28−2に示すように、RAMクリア後の機能設定受付期間においては、RAMクリアに応じた所定の専用の画像が表示される。この専用の画像は、RTC演出のセットアップが完了するまで表示される。ここで、有効時間「30分」が設定されているので、有効時間終了時刻は、電源投入時刻の10時00分00秒から30分後の10時30分00秒となる。
図28−2に示す例では、機能設定操作が行われていないので、機能設定受付期間が経過した直後に(RTC演出のセットアップが完了したときに)、RAMクリアに応じた専用の画像の表示から客待ち演出に切り変わる。ここで、発生頻度が「多い(1分間隔でRTC演出を発生)」に設定されていると、機能設定受付期間が経過した直後の(RTC演出のセットアップが完了した)およそ10時00分30秒から1分後にRTC演出が開始され、その後、1分周期でRTC演出が開始される。また、発生頻度が「普通(5分間隔でRTC演出を発生)」に設定されていると、機能設定受付期間が経過した直後の(RTC演出のセットアップが完了した)およそ10時00分30秒から5分後にRTC演出が開始され、その後、5分周期でRTC演出が開始される。また、発生頻度が「少ない(10分間隔でRTC演出を発生)」に設定されていると、機能設定受付期間が経過した直後の(RTC演出のセットアップが完了した)およそ10時00分30秒から10分後にRTC演出が開始され、その後、10分周期でRTC演出が開始される。図28−1の場合と同様に、発生頻度が「多い(1分間隔でRTC演出を発生)」に設定されていると、RTC演出が開始されるまでの間は客待ち演出が2回続けて実行され、発生頻度が「普通(5分間隔でRTC演出を発生)」に設定されていると、RTC演出が開始されるまでの間は客待ち演出が10回続けて実行され、発生頻度が「少ない(10分間隔でRTC演出を発生)」に設定されていると、RTC演出が開始されるまでの間は客待ち演出が20回続けて実行される。
このように、RTC演出設定が行われない場合でも、RTC演出のセットアップが完了した後の有効時間において、発生頻度「多い」、「普通」、「少ない」に対応付けられた時間間隔を1周期としてRTC演出が繰り返して実行される。
次に、図28−1の場合と同様に、機能設定受付期間に機能設定操作が行われ、さらにRTC演出設定が行われたが、RTC演出のセットアップが完了してから10分40秒後に、言い換えれば、有効時間中に第1始動口20に入賞し、30秒の変動演出が開始された場合の一例について説明する。なお、ここでも、RTC演出設定で、RTC演出「有効」且つ有効時間「30分」と設定されたとする。また、10時00分00秒に電源投入され、電源投入から2分20秒が経過した10時2分20秒にRTC演出のセットアップが完了したとする。
図28−3に示すように、図28−1の場合と同様に、RAMクリア後の機能設定受付期間においては、RAMクリアに応じた所定の専用の画像が表示される。電源投入してから所定の機能設定操作が行われるまでRAMクリアに応じた所定の専用の画像が表示され、その後、RTC演出のセットアップが完了するまでの間、機能設定画面またはRTC演出設定画面が表示される。
ここで、有効時間「30分」に設定されているので、有効時間終了時刻は、電源投入時刻の10時00分00秒から30分後の10時30分00秒となるが、セットアップが完了してから10分40秒後(電源投入してから13分後:10時13分00秒)の有効時間中に、電源投入してから初めて第1始動口20に入賞して変動演出が実行されたので、その入賞時点(図柄変動演出の開始時)で当該有効時間が終了する。よって、この30秒の変動演出が終了した時点は、電源投入してから13分30秒後、すなわち、10時13分30秒であるので、変動演出が実行されていなければ、有効時間中であったが、電源投入後の最初の第1始動口20への入賞(変動演出の開始)によって有効時間が終了したので、その変動演出が終了した後は、変動演出が実行されておらず、且つ、特図保留がなくても、RTC演出開始時刻が到来せず、RTC演出が発生することはなく、客待ち演出がされる。また、RTC演出が実行されているときに第1始動口20に入賞して変動演出が実行されたので、その入賞時点(変動演出の開始時)で実行中のRTC演出が終了し、変動演出が開始される。
次に、図28−3の場合と同様に、機能設定受付期間に機能設定操作が行われ、さらにRTC演出設定が行われ、セットアップが完了してから10分40秒後に、有効時間中に第1始動口20に入賞したが、5秒の変動演出が開始された場合について説明する。なお、ここでも、RTC演出設定で、RTC演出「有効」且つ有効時間「30分」と設定されたとする。また、10時00分00秒に電源投入され、電源投入から2分20秒が経過した10時2分20秒にRTC演出のセットアップが完了したとする。
図28−4に示すように、図28−3の場合と同様に、電源投入してから所定の機能設定操作が行われるまでRAMクリアに応じた所定の専用の画像が表示され、その後、RTC演出のセットアップが完了するまでの間は、機能設定画面またはRTC演出設定画面が表示される。そして、セットアップが完了してから10分40秒後(電源投入してから13分後:10時13分00秒)の有効時間中に、電源投入してから初めて第1始動口20に入賞して変動演出が実行されたので、その入賞時点(変動演出の開始時)で有効時間が終了するとともに、実行中のRTC演出が終了し、変動演出が開始される。ここで、開始された変動演出の演出時間は5秒であるので、変動演出が実行されていなければ、この変動演出の終了時点(10時13分05秒)でRTC演出は実行中のはずであったが、その変動演出が終了した後は、変動演出が実行されておらず、且つ、特図保留がなくても、その残りのRTC演出の残りの部分が実行されるわけではなく、客待ち演出がされる。
なお、第1実施形態では、発生頻度「多い」に設定されている場合は、結果として客待ち演出が実行されずに、RTC演出が繰り返し連続的に実行されるが、必ず客待ち演出が実行されるようにしてもよい。また、RTC演出の演出時間と客待ち演出の演出時間と発生頻度に係る時間との関係から、RTC演出を開始させる時刻に客待ち演出が実行されている途中である場合は、その客待ち演出を終了させてRTC演出を開始させることができる。
以上のように、遊技演出と異なるRTC演出について、RTC99によって計測される日時に基づいて設定される有効時間において、RTC演出開始時刻になる(開始条件が成立する)可能性があり、開始時刻になると(開始条件が成立することにより)、RTC演出が開始され、RTC演出開始時刻にならないと(開始条件が成立しない限り)、RTC演出が開始されず、設定された有効時間を経過した場合や有効時間が途中で終了した場合など有効時間でないときにはRTC演出開始時刻になることはなく(開始条件が成立することはなく)、RTC演出が開始されることはない。この構成によって、RTC演出は、有効時間が設定された必要なときにだけ発生可能であるので、RTC演出の演出効果の低下を抑え、遊技興趣を向上させることができる。
ここで、有効時間が終了する時刻は、電源投入された時刻から所定時間(30分、60分、120分、240分、または、360分)が経過した時刻に設定されているので、特に、遊技店が開店する際(所謂、「朝一」)に入店する遊技者に向けて、効果的に遊技演出と異なるRTC演出の演出効果を向上させることができる。
また、有効時間が複数(30分、60分、120分、240分、および、360分)設けられており、遊技店の店員がセレクトボタン65および演出ボタン63の操作によって任意に設定(複数の中から1つ選択)可能であるので、パチンコ遊技機1の機種の稼働状況や人気などに応じて、有効時間、換言すれば、RTC演出の発生可能期間を調整することができる。よって、不必要なRTC演出の発生を防止してRTC演出の演出効果の低下を抑え、遊技興趣を向上させることができる。
さらに、RTC演出の有効時間を設定できるのは、RAMクリア後の所定時間が経過するまでの間(機能設定操作受付期間)に機能設定操作を行った後、RTC演出設定操作を行った場合に限られる。すなわち、遊技者がRTC演出の有効時間の設定を行うことが制限され、RTC演出の有効時間の設定を遊技者が行うことが困難である一方、遊技店がRTC演出の有効時間の設定を行うことが制限されておらず、RTC演出の有効時間の設定を遊技店の店員が行うことが容易である。よって、遊技店側が意図していない期間にRTC演出が発生し、RTC演出の演出効果が低下することを抑えることができる。
また、有効時間として、30分、60分、120分、240分および360分の5種類が予め設定されているが、この時間および有効時間の種類の数はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、第1実施形態では、有効時間は予め複数設定されており、RTC演出設定において、その複数の中から1つに選択されるが、有効時間を直接入力することによって設定するようにしてもよい。
また、有効時間はRTC演出設定において変更されない限り、最初の初期設定(30分)で固定されているが、例えば、RTC99が計測する日時に基づいて、パチンコ遊技機1が設置されてから最初の1週間は30分に設定され、設置されてから1週間が経過した後の1週間は60分に切り替わり、設置されてから2週間が経過した後の1週間は120分に切り替わるというように、RTC99が計測する日付および時刻に基づいて自動的に変更されるようにすることもできる。さらに、その上で、第1実施形態のように、RTC演出設定によって変更できるようにすることもできる。
また、第1実施形態では、有効時間は、電源投入された時刻(タイミング)を基準として、その時点からの所定時間が経過するまでの間の期間であるが、電源投入された時刻とは関係ない予め設定された定刻(例えば、10時30分、11時、11時30分、12時、・・・など)までの期間にすることもできる。また、有効時間を、セットアップが完了された時刻(タイミング)など、電源投入された時刻(タイミング)以外の所定の時刻(タイミング)を基準として、その時点からの所定時間が経過するまでの間の期間としてもよい。
また、第1実施形態では、有効時間は、電源投入された時刻から所定時間が経過した時刻までの間の1回だけ設定される。すなわち、基本的には、有効時間は1日1回発生される。しかしながら、有効時間は、1日に複数回発生するようにすることもできる。例えば、第1実施形態で設けられている有効時間の他に、または、この有効時間に代えて、遊技店が閉店する予定時刻およびその時刻までの残り時間(tn)を設定可能にしておき、遊技店が閉店する予定時刻の所定の残り時間(tn)前から遊技店が閉店する予定時刻までの期間を有効時間にすることができる。この場合、閉店の予定時刻および所定の残り時間は予め複数設けられており、第1実施形態の有効時間と同様に、RTC演出設定においてセレクトボタン65および演出ボタン63の操作によって複数の中から1つを選択可能にすることができる。さらに、電源投入時刻や閉店の予定時刻とは関係のない昼や夕方の所定時刻(例えば、12時や17時)から所定時間が経過する時刻までの間が有効時間としてセット可能にすることもできる。また、有効時間は、1日に複数回発生可能であり、第1実施形態の有効時間と同様に、RTC演出設定においてセレクトボタン65および演出ボタン63の操作によって複数の中から1又は2以上を選択可能にすることもできる。
また、遊技演出と異なるRTC演出について、電源投入されてから所定時間が経過するまでの有効時間において、発生頻度(多い、普通、少ない)を任意に設定することができる。よって、パチンコ遊技機1が設置された直後のRTC演出に対する認知度が低い時期には、RTC演出の発生頻度を多く設定することで、所謂「朝一」の遊技者に対してRTC演出をアピールし、演出効果を高めることができる。そして、設置されてから日数がある程度経過すると、遊技者の間でRTC演出が浸透し、RTC演出の認知度が高まっている可能性が高いので、RTC演出の発生頻度を低く設定することで、RTC演出の演出効果が低下することを防ぐことができる。また、パチンコ遊技機1の設置直後などの段階ではRTC演出の発生頻度を低く設定し、設置されてから日数が経過するにつれて、発生頻度を段々と高めることでRTC演出に対する飽きを防止することができる。すなわち、RTC演出の演出効果の低下を防ぎ、遊技興趣の向上を図ることができる。
ここで、RTC演出は、複数台のパチンコ遊技機1で同時に実行され、しかもキャラクタAが設定されたパチンコ遊技機1とキャラクタBが設定されたパチンコ遊技機1とが応答関係を持って実行(キャラクタAとキャラクタBとの掛け合いが実行)されるので、より遊技者にインパクトを与えることができる。
さらに、セレクトボタン65および演出ボタン63を操作することによって、発生頻度の他に、有効時間についても設定可能である。よって、有効時間と発生頻度の組み合わせによって、さらに効果的にRTC演出の演出効果を向上させることができる。
第1実施形態では、発生頻度として、多い、普通、および、少ない、言い換えれば、1分おきに発生、5分おきに発生、および、10分おきに発生の3種類が予め設定されているが、この発生頻度を示す時間および発生頻度の種類の数はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、第1実施形態では、発生頻度は予め複数設定されており、RTC演出設定において、その複数の中から1つに選択されるが、発生頻度を示す具体的な時間を直接入力することによって設定することもできる。
また、発生頻度はRTC演出設定において変更されない限り、最初の初期設定(多い)で固定されているが、例えば、RTC99が計測する日時に基づいて、パチンコ遊技機1が設置されてから最初の1カ月は「多い」に設定され、設置されてから1カ月が経過した後の1カ月は「普通」に切り替わり、設置されてから2カ月が経過した以降は「少ない」に切り替わるというように、RTC99が計測する日付および時刻に基づいて自動的に変更されるようにすることもできる。さらに、その上で、第1実施形態のように、RTC演出設定によって変更できるようにすることもできる。
また、第1実施形態では、発生頻度として、セットアップが完了した時刻を基準とした時間間隔(周期)が設けられているが、予め設定された定刻にすることができる。この場合、例えば、発生頻度「多い」を、10時1分、10時2分、10時3分、・・・と10時00分00秒を基準とした1分間隔の時刻にし、発生頻度「普通」を、10時5分、10時5分、10時10分、・・・と10時00分00秒を基準とした5分間隔の時刻にし、発生頻度「少ない」を、10時10分、10時20分、10時30分、・・・と10時00分00秒を基準とした10分間隔の時刻にすることもできる。さらに、このように一定時間間隔でRTC演出の開始時刻が到来する(RTC演出の開始条件が成立する)のではなく、例えば、10時から12時までは、1分間隔でRTC演出の開始時刻が到来し、12時から15時までは5分間隔でRTC演出の開始時刻が到来し、15時以降は10分間隔でRTC演出の開始時刻が到来するように、RTC演出が発生する時間間隔が段々と長くなるなど、途中で変化するようにすることもできる。
また、発生頻度は、セットアップが完了した時刻を基準として、その時刻からの時間間隔で設定されているが、RTC演出が終了した時点から次のRTC演出が開始されるまでの経過時間で設定されてもよい。例えば、発生頻度「多い」であれば、初回のRTC演出が終了してから1分経過した時に、2回目のRTC演出が発生し、当該RTC演出が終了時点から1分経過した時に3回目のRTC演出が開始する。一方、発生頻度「普通」であれば、初回のRTC演出が終了してから5分経過した時に、2回目のRTC演出が発生し、当該RTC演出が終了時点から5分経過した時に3回目のRTC演出が開始する。また、発生頻度「少ない」であれば、初回のRTC演出が終了してから10分経過した時に、2回目のRTC演出が発生し、当該RTC演出が終了時点から10分経過した時に3回目のRTC演出が開始する。また、発生頻度を、電源投入された時刻(タイミング)など、セットアップが完了した時刻(タイミング)以外の所定の時刻(タイミング)を基準とした時間間隔(周期)としてもよい。
また、パチンコ遊技機1では、特図1保留球数が4未満のときに第1始動口20に遊技球が入賞し、または、特図2保留球数が4未満のときに第2始動口21遊技球が入賞することにより(予め定められた所定条件の成立により)、大当たり遊技を実行するか否かの大当たり判定が行われ、当該判定の結果を報知又は判定の結果を示唆する変動演出が実行される。そして、有効時間中に初めて所定条件が成立すると(変動演出が開始されるとすると)、有効時間が終了して、当該所定条件の成立以降(変動演出の開始以降)は、RTC演出の発生が規制、具体的には禁止される。このように、大当たり判定の結果を報知又は示唆するため遊技者が注目する変動演出が行われた後に、大当たり判定の結果を報知又は示唆しないRTC演出の実行を禁止することで、RTC演出の演出効果の低下を抑えることができる。さらに、変動演出が行われた後のRTC演出の発生を禁止することで、RTC演出を鑑賞できる時期が制限されることから、RTC演出の価値が高まり、RTC演出の演出効果を高めることができる。
また、有効時間は電源投入された時刻から所定時間が経過した時刻に終了するので、RTC演出を鑑賞できる遊技者は、所謂「朝一」にそのパチンコ遊技機1を選択した、あるいは、その日に最初にそのパチンコ遊技機1で遊技を行った遊技者に限られるので、さらに、RTC演出の演出効果を高めることができる。
第1実施形態では、電源投入した後に最初に所定条件が成立すると(変動演出が開始されると)、有効時間が終了し、RTC演出の発生が禁止されるので、電源投入の際にセットされた有効時間内であっても、RTC演出開始時刻となり(RTC演出の開始条件が成立し)、RTC演出が発生することはない。しかしながら、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)した場合は、有効時間そのものが終了するのではなく、その有効期間における変動演出開始時以降においてRTC演出の発生頻度を、当該変動演出開始時前より低下させ、RTC演出の実行を規制ようにすることもできる。この場合、例えば、発生頻度が「多い」に設定されていれば、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)することにより発生頻度を「普通」に変更して発生頻度を低下させることもできる。また、発生頻度が「普通」に設定されていれば、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)することにより発生頻度を「少ない」に変更して発生頻度を低下させることもできる。このように、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)することにより発生頻度の段階を1段階低下させる方法がある。なお、この場合、発生頻度が「少ない」に設定されていれば、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)することにより発生頻度を「少ない」を維持することができる。また、この場合に限って、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)することによりそれ以降のRTC演出の発生を禁止させることもできる。また、予め、各発生頻度「多い」、「普通」および「少ない」について、通常の時間間隔と、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)した場合の特別の時間間隔を用意しておき、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)しない限りは、セットされている発生頻度に応じた通常の時間間隔でRTC演出が発生し、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)した後は、セットされている発生頻度に応じた特別の時間間隔でRTC演出が発生するようにすることができる。この場合、各発生頻度での通常の時間間隔と特別の時間間隔とでは、特別の時間間隔の方が長く設定されている。
さらに、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)した場合は、そのときにセットされている発生頻度に応じた時間より所定時間(例えば、15分)長い時間を新たな発生頻度に応じた時間とすることもできる。また、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)した場合は、発生頻度「少ない」に応じた所定時間(第1実施形態では「10分」)より予め設定された時間(例えば、5分)長い時間(例えば、「15分」)を一律に発生頻度に応じた時間として設定することもできる。また、有効時間において所定条件が成立(変動演出が開始)した場合のそれ以降のRTC演出の発生間隔の時間を、第1実施形態の有効時間と同様に、RTC演出設定においてセレクトボタン65および演出ボタン63の操作によって複数の中から1又は2以上を選択可能にすることができるようにすることもできる。
また、パチンコ遊技機1では、特図1保留球数が4未満のときに第1始動口20に遊技球が入賞し、または、特図2保留球数が4未満のときに第2始動口21遊技球が入賞することにより(予め定められた所定条件の成立により)、大当たり遊技を実行するか否かの大当たり判定が行われ、当該判定の結果を報知又は判定の結果を示唆する変動演出が実行される。そして、RTC演出が実行されているときに所定条件が成立すると(変動演出が開始されるとすると)、その実行中のRTC演出を終了させて、変動演出を開始させる。このように、RTC演出の終了させることにより、RTC演出と変動演出とが同時に実行され、RTC演出と変動演出の演出効果が低下し、遊技興趣が低下することを抑えることができる。
さらに、RTC演出が実行されているときに所定条件が成立(変動演出が開始)したことにより開始された変動演出が終了すると、その終了時点で特図1保留球数が0であり、且つ、特図2保留球数が0であることを条件に、当該変動演出が終了してから所定時間経過した後に、遊技演出およびRTC演出とは異なるデモ演出が実行される。一度、遊技者が遊技を始めて、遊技球を発射させているにも関わらず、所定条件が成立せずに遊技者が苛立っている状態で、RTC演出を実行して、かえってRTC演出の演出効果が低下することを抑えることができる。
ここで、RTC演出の途中から開始した変動演出が終了した終了時点が、当該RTC演出が継続されていたとしたら実行中である場合(当該RTC演出に関連するRTC演出が他のパチンコ遊技機1で実行中である場合)でも、当該RTC演出がその終了時点から途中から実行されことはなく、デモ演出が実行される。ここで、前述したように、RTC演出はRTC99が計測する時刻に基づいて、当該パチンコ遊技機1とともに一斉に電源投入された他のパチンコ遊技機1と同時に一体的に且つ対応関係を持って実行される。よって、変動演出が終了した後に、当該RTC演出が変動演出で分断されて途中から再開されることを禁止することで、RTC演出の演出効果が低下することを抑えることができる。
また、パチンコ遊技機1では、RTC99により計測される時刻に基づいて制御されるRTC演出には、画像によるRTC画像演出と、音声によるRTC音声演出とがあり、RTC演出設定において、セレクトボタン65の操作および演出ボタン63の操作によって、RTC演出を実行させるときにRTC音声演出の有無(音声の有無)を設定することができる。ここで、音声「有」が設定されていると、有効時間においてRTC演出開始時刻となることで、RTC演出としてRTC画像演出およびRTC音声演出が実行される。一方、音声「無」が設定されていると、有効時間においてRTC演出開始時刻となることで、RTC演出としてRTC画像演出が実行されるが、RTC音声演出は実行されない。このように、RTC音声演出の有無を設定することができるので、例えば、隣や後方などの近くに他の機種の遊技機が設置されており、音声が聞き取り難い状況であるなど、RTC音声演出を実行することが不適切な状況において、音声「無」に設定し、RTC音声演出を実行させないことで、RTC音声演出の演出効果の低下を防ぐことができる。一方、複数台のパチンコ遊技機1のみから島であるなど、RTC音声演出を実行することが適切な状況において、音声「有」に設定し、RTC画像演出とともにRTC音声演出を実行させることで、RTC音声演出の演出効果を高め、遊技興趣の向上を図ることができる。
また、パチンコ遊技機1には、回転つまみ105が設けられており、回転つまみ105に対する回転操作に応じた音量で、音声による変動演出などの遊技演出が実行される。また、前述のとおり、RTC演出には、キャラクタAに関連付けられた第1RTC演出とキャラクタBに関連付けられた第2RTC演出という2種類のRTC演出が設けられている。
また、第1RTC演出における音声部分である第1RTC音声演出と、第2RTC演出における音声部分である第2RTC音声演出と、で、応答関係にある演出(掛け合い)が行われる。具体的には、第1RTC音声演出におけるチャプター5の語り掛け音声1に応答するように、第2RTC音声演出におけるチャプター5の応答音声1が出力される。また、第1RTC音声演出におけるチャプター5の語り掛け音声2に応答するように、第2RTC音声演出におけるチャプター5の応答音声2が出力される。さらに、第1RTC音声演出におけるチャプター8の祈り音声に応答するように、第2RTC音声演出におけるチャプター8の気合い音声が出力される。すなわち、第1RTC音声演出の一部分を構成する要素と、第2RTC音声演出の一部分を構成する要素と、が対応関係にある。このような応答関係にある第1RTC音声演出と第2RTC音声演出とがパチンコ遊技機1では実行可能であるが、例えば、パチンコ遊技機1が1台のみ設置されているなど、パチンコ遊技機1が設置されている台数が少なく、第1RTC音声演出と第2RTC音声演出とによる掛け合いができないもしくは困難または期待できる演出効果が低い場合に、音声「無」を設定することで、第1RTC音声演出と第2RTC音声演出とによる掛け合いの演出効果の低下を抑えることができる。
また、パチンコ遊技機1では、前述のとおり、第1RTC画像演出におけるチャプター5で表示される画像に応答するように、第2RTC画像演出におけるチャプター5で画像が行われる(図23〜図24参照)。さらに、第1RTC画像演出におけるチャプター8で表示される画面に応答するように、第2RTC画像演出におけるチャプター8で画像が表示される(図26(A)〜図26(B))。すなわち、第1RTC画像演出の一部分を構成する要素と、第2RTC画像演出の一部分を構成する要素と、が対応関係にある。このようにパチンコ遊技機1において、少なくとも、第1RTC画像演出と第1RTC音声演出からなる第1RTC演出、または、第2RTC画像演出と第2RTC音声演出からなる第2RTC演出とからなる第2RTC演出とを実行可能であるので、複数台のパチンコ遊技機1を用いて、一体的で且つ応答関係にある演出を行い、遊技者にインパクトを与え、RTC演出の演出効果を高めることができる。
また、第1実施形態では、第1RTC音声演出と第2RTC音声演出とで構成させる掛け合い(応答関係)の音声は開始時間が一致しないようになっている。すなわち、掛け合いにかかる一方の音声が出力された後に他方の音声が出力される。例えば、掛け合い音声1と応答音声1、掛け合い音声2と応答音声2、および、祈り音声と気合い音声がそれぞれ応答関係にあるが、掛け合い音声1の出力が開始した後に応答音声1の出力が開始され、掛け合い音声2の出力が開始した後に応答音声2の出力が開始され、祈り音声の出力が開始した後に気合い音声の出力が開始される。このように、掛け合いにかかる音声の開始が一致しないことで、掛け合いの臨場感を高めRTC音声演出の演出効果を高めることができる。
また、第1実施形態では、一部、第1RTC音声演出と第2RTC音声演出とで構成させる掛け合い(応答関係)の音声が重複されないようになっている。例えば、掛け合い音声1と応答音声1、および、掛け合い音声2と応答音声2はそれぞれ応答関係にあるが、掛け合い音声1の出力が終了した後に応答音声1の出力が開始され、掛け合い音声2の出力が終了した後に応答音声2の出力が開始される。このように、掛け合いにかかる音声が重複しないことで、掛け合いにかかる音声が聞き取り難くなることを防止することができる。一方、応答関係にある一対の祈り音声と気合い音声については、掛け合いにかかる一方の音声(祈り音声)が出力された後、当該一方の音声が出力されている途中で他方の音声(気合い音声)が出力している。すなわち、掛け合いにかかる一方の音声と他方の音声とが部分的に重複して出力されている。このように、掛け合いのタイミングのバリエーションを増やすことで、掛け合いによるRTC音声演出の演出効果を高めることができる。また、掛け合いの他に、第1RTC音声演出に係る所定の音声が出力されるタイミングで、第2RTC音声演出に係る所定の音声が出力され、当該所定の音声同士が対応関係にあれば良い。このように、音声タイミングのバリエーションを増やすことで、第1RTC音声演出と第2RTC音声演出とで複合的且つ一体的に行われるRTC音声演出の演出効果を高めることができる。また、1回のRTC演出の中で、キャラクタAに係る場面に対して、キャラクタBに係る場面で応答しているが、キャラクタBに係る場面に対して、キャラクタAに係る場面で応答していてもよい。1回のRTC演出の中で、一方のキャラクタのみが語り掛ける方に設定されていてもよく、また、双方が語り掛けられるようにすることもできる。すなわち、あるタイミングではキャラクタAがキャラクタBに語り掛けて、キャラクタBがキャラクタAの語り掛けに応答し、別のタイミングではキャラクタBがキャラクタAに語り掛けて、キャラクタAがキャラクタBの語り掛けに応答するようにしてもよい。
また、第1実施形態では、RTC演出設定において、セレクトボタン65および演出ボタン63の操作によってキャラクタAまたはキャラクタBを、言い換えれば、RTC演出の演出種別を任意に設定することが可能である。しかしながら、ここで、例えば、キャラクタの種別(RTC演出の演出種別)を任意に設定することはできないが、キャラクタAまたはキャラクタB(RTC演出の種別)が予め設定されており、遊技機システムYSに組み込まれた結果、掛け合いを実行できるようにすることができる。例えば、図9に示す第1遊技機グループ170の方に予めキャラクタA(第1RTC演出)が設定されたパチンコ遊技機1を設置し、図9に示す第2遊技機グループ171の方に予めキャラクタB(第2RTC演出)が設定されたパチンコ遊技機1を設置して、第1RTC演出と第2RTC演出とを同時に実行させてRTC画像演出およびRTC音声演出において掛け合いをさせることができる。
また、RTC演出の設定内容(設定項目および項目内容)については第1実施形態に限られず、適宜に設定することができる。例えば、第1実施形態において、設定項目「キャラクタ」は2種類設けられているが、3種類以上のキャラクタを設定可能にすることができる。例えば、キャラクタA〜キャラクタDの4種類が設定可能であり、4種類の中の2つからなる組み合わせ(例えば、AとB、AとC)毎に実行されるRTC演出の演出内容が異なっており、この組み合わせパターンとその組み合わせの中の1つのキャラクタ(例えば、組み合わせパターン「AとC」のキャラクタC)をRTC演出設定で設定可能にし、当該設定内容に応じてRTC演出を実行できるようにすることができる。この場合、組み合わせに基づくRTC演出ごとに掛け合いが設けられていることが望ましい。
また、RTC演出に係る題材も「野球のピッチャー(キャラクタA:A太郎)とバッター(キャラクタB:B介)との対決」に限られず、「サッカーのフォワードとディフェンダーとの対決」、「サッカーのフォワードとキーパーとの対決」、「コンサートでの歌手と観客」、「漫才でのボケ役とツッコミ役」、「卒業式での在校生と卒業生」、「合唱でのソプラノパートとバスパート」、「オーケストラでの指揮者とバイオリン」など適宜に設定することができる。また、この題材が予め複数設定され、題材毎にキャラクタも設けられており、RTC演出設定において、題材とキャラクタとを設定することができるようにすることもできる。
また、RTC演出設定において設定可能な台番号の範囲は1〜5に限られず、1〜3や1〜9など適宜に設定することができる。この場合、全体画像演出は、設定された台番号の範囲に基づいて適宜に構成され、台番号ごとに表示画面7aに表示される画面が適宜に割り振られる。また、台番号は、設定可能ではなく、そのパチンコ遊技機1に個別に設定されているようにすることもできる。
また、第1実施形態では、RTC演出は、9つのチャプターで構成されているが、チャプターの数、展開の内容、展開の順序などは適宜に設定することができる。さらに、RTC演出はチャプターで構成されていなくてもよい。また、RTC画像演出では、全体画像演出と個別画像演出とが実行されるが、何れか一方のみが実行されるようにRTC画像演出が実行されるように構成することもできる。さらに、RTC画像演出は、動画と静止画とで構成されるが、何れか一方のみで構成されるようにすることもできる。
さらに、第1実施形態では、RTC演出には、表示画面7aに表示される画像によるRTC画像演出と、スピーカ67から出力される音声によるRTC音声演出とがあるが、これらの他に、または、これらの何れか一方もしくは双方に代えて、枠ランプ66および盤ランプ5から照射される発光によるRTC演出(RTC発光演出)、ならびに装飾可動体15で作動される動作によるRTC演出(RTC動作演出)があるようにすることもできる。この場合、例えば、前述したような掛け合いが、RTC音声演出とRTC動作演出とで構成される、あるいは、RTC画像演出とRTC動作演出とで構成されるように、異なる演出装置間で掛け合いが行われるようにすることもできる。
また、第1実施形態では、RTC演出の演出時間は「60秒(=1分)」に設定されているが、これに限られず適宜に設定することができる。また、RTC演出の演出時間を複数設けておき、RTC演出設定にあいて演出時間を選択可能にすることもできる。すなわち、演出時間の長いRTC演出と、演出時間の短いRTC演出とが設けられており、何れか一方をRTC演出設定において選択可能にすることができる。この場合、長い演出時間のRTC演出の演出内容は、短い演出時間のRTC演出の演出内容を全て含むようにすることも、短い演出時間のRTC演出の演出内容を一部含むようにすることも、短い演出時間のRTC演出の演出内容と全く異ならせることも可能である。
第1実施形態では、RTC演出設定において、RTC演出の有無、キャラクタ、台番号、音声の有無、有効時間、および発生頻度は、セレクトボタン65(上ボタン65Uまたは下ボタン65D)の操作によってカーソル211を移動させて設定項目を選択し、選択中の設定項目の選択ポインターをセレクトボタン65(左ボタン65Lまたは右ボタン65R)の操作によって移動させて、項目内容を選択し、最終的に演出ボタン63を押下操作することで項目内容を決定(確定)しているが、項目内容の選択方法および決定方法これに限られず、適宜に設定することができる。
また、第1実施形態では、有効時間が終了する時間である有効時間終了時刻およびRTC演出が開始される時間であるRTC演出開始時刻は、RTC99が計測する時刻に基づいてセットされるが、時刻を計測するRTC99ではなく、例えば、電源投入時から経過する時間を計測するタイマや、所定時間(例えば、4ms)を計測するタイマをサブ制御基板90に実装させておき、これらのタイマに基づいて、セットされるようにすることもできる。また、第1実施形態では、RTC99はサブ制御基板90に実装されているが、画像制御基板100などの他の制御基板に実装されており、他の制御基板からサブ制御基板90に日付および時刻に関する情報を送信するようにすることもできる。
7.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図29〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン81の動作において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、ROM83から図29に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。
電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図11に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図30に示すように、電源投入時処理(S001)では、まずRAM84へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ89の操作が有った否かを判定する(S012)。RAMクリアスイッチ89の操作が有れば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、操作がなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図36参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図36のステップS2902参照)と比較し、チェックサムの値が一致しているか否かを判定する(S015)。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、RAM84の記憶内容が正常ではないと判断し、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、RAM84の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、RAM84の作業領域の復電時の設定処理を行う。この設定処理では、ROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をRAM84の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
また、ステップS018では、RAM84に記憶されている全ての遊技に関する情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン81は、RAM84の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定では、ROM83から読み出された初期設定情報がRAM84の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン81は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドをサブ制御基板90に対して出力する(S020)。そして、ステップS021に進む。ステップS021ではその他の初期設定として、例えば、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行う。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図31に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等(図7参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図29の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図11に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブル(図12(D)参照)を用いて当たり判定を行う。当たり判定が行われると、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。当たり判定の結果、当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)を行い、続いて特定領域センサ検出処理(S107)を行う。特別動作処理(S106)については、後述する。また、特定領域センサ検出処理(S107)では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し、それが所定のV有効期間におけるものであれば、VフラグをONにする。V有効期間は、後述する特別電動役物処理(図35参照)におけるステップS2206で設定される期間である。また、この特別電動役物処理における遊技状態設定処理(ステップS2219)では、VフラグがONであれば、確変フラグをONにする。これにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に制御される。
次に、遊技制御用マイコン81は、後述する電源断監視処理(S108)を行い、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。また、その他の処理(S109)として、RAM84に設けられているタイマの更新が行われる。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図29参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検出処理]図32に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。遊技球がゲート28を通過していれば(S201でYES)、ゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。ゲート通過処理(S202)では、そのときに記憶されている普通図柄乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図11(B)参照)を取得し、普図保留記憶部86に格納する。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進み、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)以下であるか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」以下である場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」以下でない(未満である)場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いてS206では、特別図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関係乱数を取得する。(つまり図11(A)に示す乱数値群を取得する)。
続いて、第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で取得した特図2関係乱数に基づき、図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。第2始動入賞コマンドの特定においては、現在の遊技状態が高確率状態であり、特別図柄乱数が「1」であれば、図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口且つ高確率状態の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H21H」というコマンドを特定する。なお、第2始動入賞コマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば21H))からなっている。
図14に示すテーブルにおける特別図柄乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図12(A)参照)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、大当たりの当否を示す当否情報が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS206で取得した特図2関係乱数を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する(S208)。
続いて、始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には、始動口センサ検出処理を終え、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)以下であるか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」以下である場合(S210でYES)には、始動口センサ検出処理を終え、特図1保留球数が「4」以下でない(未満である)場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて、ステップS212では、ステップS206と同様に、特別図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T)、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関係乱数を取得する(つまり図11(A)に示す乱数値群を取得する)。
続いて、第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で取得した特図1関係乱数に基づき、図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。第1始動入賞コマンドの特定においては、現在の遊技状態が通常確率状態であり、特別図柄乱数が「1」であれば、図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ通常確率状態の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H11H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否を示す当否情報が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS202で取得した特図1関係乱数を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納し(S214)、始動口センサ検出処理を終える。
なお、第1実施形態の始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドおよび第2始動入賞指定コマンド)では、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、遊技状態(通常確率状態か高確率状態か)を指定する遊技状態情報である。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否を示す当否情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
[特別動作処理]図33に示すように、特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つのステータス(段階)に分け、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、最初に、「特別動作ステータス」が「1」であるか否かを判定する(S1301)。「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「1」でない場合には(S1301でNO)、「特別動作ステータス」が「2」であるか否かを判定する(S1303)。「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「2」でない場合には(S1303でNO)、「特別動作ステータス」が「3」であるか否かを判定する(S1305)。「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「3」でない場合には(S1305でNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1302)では、始動口センサ検出処理(図32参照)にて取得した特別図柄乱数等の乱数値を所定の判定テーブル(図11(A),(B),(C),図12参照)を用いて判定する。そして、特別図柄抽選の結果を報知するための特別図柄の変動表示を開始して、特別動作ステータスを「2」にセットする。特別図柄待機処理(S1302)については後に詳述する。
特別図柄変動中処理(S1304)では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過したら特別図柄を停止表示するとともに、変動停止コマンドを出力バッファにセットして、特別動作ステータスを「3」にセットする。
特別図柄確定処理(S1306)では、停止した特別図柄が大当たり図柄か否かを判定して、大当たり図柄であれば、大当たり遊技を開始させ、特別電動役物処理を実行するために特別動作ステータスを「4」にセットし、大当たりのオープニングコマンドを出力バッファにセットする。一方、大当たり図柄でなければ、再び特別図柄待機処理を実行するために特別動作ステータスを「1」にセットする。なお、特別図柄確定処理(S1306)では、高確率状態の制御期間を管理するために、確変フラグがONであれば確変カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば確変フラグをOFFする。すなわち、高確率状態を終了させる。また、時短状態(つまりは高ベース状態)の制御期間を管理するために、時短フラグがONであれば時短カウンタの値を1ディクリメントして「0」になれば時短フラグをOFFする。すなわち、時短状態を終了させる。また、特別動作ステータスを「4」にする際に(大当たり遊技を開始させる際に)、確変フラグや時短フラグがONであればOFFに戻す。つまり、大当たり遊技中は低確低ベース状態に制御される。
特別電動役物処理(S1307)では、当選した大当たりの種類に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図10参照)に従って第1大入賞口30及び第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。特別電動役物処理(S1307)については後に詳述する。
[特別図柄待機処理]図34に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、特図2保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、特図1保留球数が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば特別図柄待機処理を終え、ONでなければ、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにする(S1417)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン判定処理(S1403)を行う。
特図2大当たり判定処理(S1402)では、第2特図保留記憶部85bに記憶されている特別図柄乱数値の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブル(図12(A)参照)に基づいて、大当たりの当否の判定(大当たり判定)を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり種別乱数値を読み出して、大当たり図柄種別判定テーブル(図12(B)参照)に基づいて大当たりの種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり種別に応じた特図停止図柄データをRAM84に設けた特図バッファにセットする。大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データを特図バッファにセットする。
特図2変動パターン判定処理(S1403)では、第2特図保留記憶部85bに記憶されている変動パターン乱数値の中で最も先に記憶されたものを読み出して、特図変動パターン判定テーブル(図13参照)に基づいて、変動パターンの判定(変動パターン判定)を行う。なお、この処理では、前述した大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合には、リーチ乱数値を読み出してリーチ判定テーブル(図12(C)参照)に基づいて、リーチ有りハズレの変動パターンにするのか、リーチ無しハズレの変動パターンにするのかを決定するリーチ判定を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)で行われた大当たり判定の結果および大当たり図柄種別判定の結果に関する情報や特図2変動パターン判定処理(S1403)で行われた変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特別図柄の変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン判定処理(S1409)を行う。特図1大当たり判定処理(S1408)は、特図2大当たり判定処理(S1402)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図1変動パターン判定処理(S1409)は、特図2変動パターン判定処理(S1403)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種乱数値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)で行われた大当たり判定の結果および大当たり図柄種別判定の結果に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1409)で行われた変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特別図柄の変動時間の情報を含む情報)が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1413)、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければステップS1414を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
上記のように第1実施形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図10参照)。
[特別電動役物処理]図35に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、全ラウンド終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。全ラウンド終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放(ラウンド遊技)が全て終了したことを示すフラグである。
全ラウンド終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間(大入賞口開放時間)であるか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
大入賞口開放時間でなければ(ステップS2203でNO)、特別電動役物処理を終える。一方、大入賞口開放時間でなければ(ステップS2203でYES)、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりによるものか否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければ(S2204でNO)、ステップS2207に進み、Vロング大当たりであれば(S2204でYES)、第2大入賞口35を開放させる16ラウンドを開始するか否かを判定する(S2205)。16ラウンドの開始でなければ(S2205でNO)、ステップS2207に進む。これに対して、16ラウンドの開始であれば(S2205でYES)、ステップS2206に進む。
次に、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間を設定する(S2206)。V有効期間は、Vロング大当たりの16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間からなる。なお、第1実施形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONすることである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないことである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉鎖直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち第1実施形態では、V有効期間中の特定領域39への遊技球の通過(以下、「V通過」ともいう)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に制御されることのないようにしている。
次に、大当たりの種類に応じた開放パターン(図10参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる(S2207)。なお、振分部材71は、16ラウンドの開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続いて、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う(S2208)。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、初めての開放あれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお、第1実施形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(図35)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。第1実施形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(第1実施形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図10参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、特別電動役物処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立していれば(S2209でYES)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了するか否かを判定する(S2211)。1回のラウンド遊技が終了しなければ(S2211でNO)、特別電動役物処理を終了する一方、1回のラウンド遊技が終了すれば(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま特別電動役物処理を終える。なお、ラウンドカウンタは、ラウンド遊技の実行回数をカウントするためのカウンタであり、大当たり遊技の実行開始時(例えば、大当たりのオープニングコマンドがセットされる際)に「16」にセットされるものとする。
一方、ステップS2213でラウンドカウンタの値が「0」であれば(S2213でYES)、全ラウンド終了フラグをONし(S2214)、エンディングを開始させる処理として、実行中の大当たり遊技に対応したエンディング時間を大当たり用タイマにセットし(S2215)、実行中の大当たり遊技に対応したエンディングコマンドをセットし(S2216)、特別電動役物処理を終える。なお、大当たり用タイマは、ステップS109において適宜に更新される。
また、ステップS2201において全ラウンド終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了し、全てのラウンド遊技が終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定する(S2217)。エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)、特別電動役物処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、全ラウンド終了フラグをOFFし(S2218)、遊技状態設定処理(S2219)を行い、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2220)、特別電動役物処理を終える。特別動作ステータスを「1」にセットすることにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。
遊技状態設定処理(S2219)では、VフラグがONされているか否かを判定する。ONされていれば、VフラグをOFFするとともに、確変フラグ及び時短フラグをONすし、確変カウンタ及び時短カウンタに「180」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になる。一方、VフラグがONされていなければ、時短フラグをONし、時短カウンタに「100」をセットする。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、低確高ベース状態になる。
[電源断監視処理]図36に示すように、電源断監視処理(S108)ではまず、電源断信号が入力したか否かを判定する(S2901)。電源断信号は、電断により電源電圧が低下し始めたときに遊技制御用マイコン81に入力される信号である。入力していなければ(S2901でNO)、電源断監視処理を終了する。電源断信号が入力していれば(S2901でYES)、チェックサムを算出するとともにRAM84の所定の記憶領域に格納し(S2902)、電源断フラグをONし(S2903)、RAM84へのアクセスの禁止設定を行う(S2904)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(図31)に戻ることなくループ処理が行われる。
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図37〜図50に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン91の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、サブ側電源断フラグをONして、図37に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、サブ側電源断フラグがONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4001)。そしてこの判定結果がNOであれば、つまり、サブ側電源断フラグがONでない場合、又は、RAM94内容が正常でない場合には、RAM94の初期化をして(S4002)、ステップS4005に進む。
一方、S4001の判定結果がYESであれば、つまり、電断によりサブ側電源断フラグがONであり、且つ、RAM94内容が正常に保たれている場合には、続いて、RAMクリア通知コマンドを受信しているか否かを判定する(S4003)。RAMクリア通知コマンドを受信していれば(S4003でYES)、主制御基板80のRAM84はクリアされている。そのため、RAMクリアフラグをONし(S4004)、サブ制御基板90のRAM94をクリアして(S4002)、ステップS4005に進む。これに対して、RAMクリア通知コマンドを受信していなければ(S4003でNO)、ステップS4005に進む。
ステップS4005では、その他の初期設定を行う。その他の初期設定では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。また、サブ側電源断フラグがONされていればOFFにする。さらに、演出制御用マイコン91は、電源投入された時刻として、現在時刻を電源投入時刻としてRAM94の所定領域に記憶する。また、演出制御用マイコン91は、RTC演出設定の初期設定内容(図16(A)において各選択ポインターで選択されている設定内容)をRTC演出設定記憶部94Aに記憶する。
次に、割り込みを禁止し(S4006)、乱数シード更新処理を実行する(S4007)。乱数シード更新処理(S4007)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。演出決定用乱数の更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4007)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4008)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、RTC演出開始コマンド)を、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、画像表示装置7の表示画面7aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、装飾可動体15を作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、後述する変動演出や、大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、RTC演出、客待ち演出等がある。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4009)。以降、ステップS4006〜S4009をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、10msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4010)では、図38に示すように、STB信号(ストローブ信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、STB信号がONでなければ(S4101でNO)、受信割り込み処理を終える。STB信号がONであれば(S4101でYES)、主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図39に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理(S4151)を行う。入力処理(S4151)では、演出ボタン検出スイッチ63a、特殊操作部検出スイッチ64a、及びセレクトボタン検出スイッチ65aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4152)を行う。ランプデータ出力処理(S4152)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4208)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4153)を行う。駆動制御処理(S4153)では、画像演出等の演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、駆動データ(装飾可動体15の駆動のためのデータ)を作成したり、出力したりする。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4154)を行って、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、後述するRAMクリア処理(S4201)を行う。次いで、受信コマンド解析処理(S4202)を行う。続いて、後述する変動演出やRTC演出、デモ演出といった各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する演出タイマ更新処理を行う。さらに、後述する客待ち演出実行処理(S4204)、機能設定処理(S4205)、RTC演出セットアップ処理(S4206)、およびRTC演出管理処理(S4207)を行う。
次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4208)。すなわち、スイッチ状態取得処理によって、演出制御用マイコン91は、演出ボタン63の操作の有無、特殊操作部64の操作の有無、並びに、セレクトボタン65の操作の有無およびセレクトボタン65のいずれのボタン(上ボタン65U、右ボタン65R、下ボタン65D、および左ボタン65L)が操作されたかを認識することができる。
その後、演出制御用マイコン91は、その他の処理として、後述するように、出力バッファにセットされ、画像制御基板100に送信される変動演出開始コマンド、客待ち演出開始コマンド、およびRTC演出開始コマンドが示す演出内容に基づいて、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)の作成を行い、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力を行う(S4209)。
[RAMクリア処理]図41に示すように、RAMクリア処理(S4201)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAMクリアフラグ(電源投入時にRAMクリアがあったことを示すフラグ)がONであるか否かを判定する(S4301)。RAMクリアフラグがONでなければ(S4301でNO)、RAMクリア処理を終了する。一方、RAMクリアフラグがONであれば(S4301でYES)、機能設定受付期間の計測を開始して(S4302)、RAMクリアフラグをOFFする(S4303)。機能設定受付期間とは、RTC演出に関する設定を含む機能設定を行うための所定操作を受け付け可能な期間である。言い換えれば、RTC演出の設定期間とは、遊技場の店員等が機能設定の画面を表示させることが可能な期間である。第1実施形態では、この機能設定受付期間は、30秒に設定されている。勿論、機能設定受付期間の長さは適宜に変更可能である。
[受信コマンド解析処理]図42に示すように、受信コマンド解析処理(S4202)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定する(S4401)。始動入賞コマンドを受信していれば(S4401でYES)、ステップS4402に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4401でNO)、ステップS4403に進む。
ステップS4402において、先読み演出判定処理を行う。先読み演出判定処理ではまず、受信した始動入賞コマンドをRAM94の所定の記憶領域に格納する。格納された始動入賞コマンドは、当該コマンドに対応する特別図柄乱数に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでRAM94に記憶されている。次に、その格納した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出(先読み予告演出)の実行抽選を行う。先読み演出には、演出保留画像9を通常の表示態様とは異なる特別表示態様で表示する保留予告演出や、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって相互に関連する演出を実行する連続予告演出等がある。これらの演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS4403において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定する。変動開始コマンドを受信していなければ(S4403でNo)、ステップS4405に進む一方、変動開始コマンドを受信していれば(S4403でYES)、変動演出開始処理(S4404)を行う。変動演出開始処理(S4404)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて変動演出パターンを選択する。また、停止図柄としての演出図柄の種類や、予告演出の演出内容も選択する。そして、選択した演出内容にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、ステップS4405において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定する。変動停止コマンドを受信していなければ(S4405でNo)、ステップS4407に進む一方、変動停止コマンドを受信していれば(S4405でYES)、変動演出終了処理(S4406)を行う。変動演出終了処理(S4406)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了(演出図柄の変動表示を停止)させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、ステップS4407において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定する。オープニングコマンドを受信していなければ(S4407でNo)、ステップS4409に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4407でYES)、オープニング演出開始処理(S4408)を行う。オープニング演出開始処理(S4408)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出の演出内容(オープニング演出パターン)を選択し、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、ステップS4409において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定する(S4409)。ラウンド指定コマンドを受信していなければ(S4409でNo)、S4411に進む一方、ラウンド指定コマンドを受信していれば(S4409でYES)、ラウンド演出開始処理(S4410)を行う。ラウンド演出開始処理(S4410)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、ステップS4411において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4411でNo)、ステップS4413に進む一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4413でYES)、エンディング演出開始処理(S4412)を行う。エンディング演出開始処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出の演出内容(エンディング演出パターン)を選択し、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、ステップS4413において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か判定する。客待ちコマンドを受信していなければ(S4413でNo)、ステップS4415に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4413でYES)、客待ち演出待機処理(S4414)を行う。客待ち演出待機処理(S4414)については後述する。
ステップS4415では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、V通過を示すV通過コマンドに基づいてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図43に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、変動パターン判定処理(ステップS1403又はS1409)で行われた変動パターン判定の結果に関する情報や、大当たり判定処理(ステップS1402又はS1408)で行われた大当たり判定の結果および大当たり図柄種別判定の結果に関する情報などが含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
次に、演出制御用マイコン91は、変動演出パターンの選択を行う(S4502)。具体的には、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動パターンの種類(図13のP1等)に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。変動演出パターンが選択されれば、変動演出の時間、装飾図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、装飾図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容が決まることとなる。
続いて演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示する装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの選択を行う(S4503)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、停止表示する特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、装飾図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される装飾図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(例えば「777」等)が決定される。なおこの処理において、最終的に停止表示される小図柄5L,5C,5Rの組み合わせも決定される。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の有無および演出内容の選択を行う(S4504)。具体的には、予告演出決定用乱数を取得するとともに、停止表示する特別図柄の種類やリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した予告演出決定用乱数を判定することにより、予告演出の有無および演出内容を選択する。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。
そして、選択した変動演出パターン、演出図柄、及び予告演出からなる演出内容(変動演出内容)を示す変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4505)、変動演出開始処理を終了する。この変動演出開始コマンドには、画像表示装置7で行われる画像による変動演出の他に、スピーカ67から出力される音声による変動演出、枠ランプ66および盤ランプ5で行われる発光による変動演出、ならびに装飾可動体15で行われる動作による変動演出の演出内容が含まれている。ステップS4505でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、演出表示装置7の表示画面7aにて画像による変動演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による変動演出が行われている間、画像制御基板100に送信された変動演出開始コマンドが示す変動演出内容に応じて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による変動演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による変動演出を実行したり)、装飾可動体15を駆動させたり(駆動による種々の変動演出を実行したり)する。
[客待ち演出待機処理]図44に示すように、客待ち演出待機処理(S4414)では、演出制御用マイコン91は、特別図柄の停止表示に要する停止時間が経過してから客待ち演出を実行するまでの待機時間(客待ち演出待機時間、例えば、20秒)の計測を開始し(S4601)、客待ち演出待機計測フラグをONにして(S4602)、客待ち演出待機処理を終了する。なお、客待ち演出待機時間は、RAM94に設けられた客待ち演出用タイマにセットされる。客待ち演出用タイマは、ステップS4203の演出タイマ更新処理によって適宜に更新(「10ms」分、ディクリメント)される。
[客待ち演出実行処理]図45に示すように、客待ち演出実行処理(S4204)では、演出制御用マイコン91は、最初に、客待ち演出待機計測フラグがONであるか否かを判定する(S5001)。客待ち演出待機計測フラグがONでなければ(S5001でNO)、客待ち演出実行までの待機時間の計測中ではないため、客待ち演出実行処理を終了する。これに対して、客待ち演出待機計測フラグがONであれば(S5001でYES)、続いて、タイムアップか否か、すなわち、計測中の待機時間が経過して客待ち演出の開始時間となったか否かを判定する(S5002)。そして、タイムアップでなければ(S5002でNO)、客待ち演出実行処理を終える。一方、タイムアップであれば(S5002でYES)、客待ち演出待機計測フラグをOFFし(S5003)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5004)、客待ち演出実行処理を終える。この客待ち演出開始コマンドには、画像表示装置7で行われる画像による客待ち演出の他に、スピーカ67から出力される音声による客待ち演出、枠ランプ66および盤ランプ5で行われる発光による客待ち演出、ならびに装飾可動体15で行われる動作による客待ち演出の演出内容が含まれている。よって、ステップS5004でセットされた客待ち演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、演出表示装置7の表示画面7aにて画像による客待ち演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による客待ち演出が行われている間、画像制御基板100に送信された客待ち演出開始コマンドが示す演出内容に応じて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による客待ち演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による客待ち演出を実行したり)、装飾可動体15を駆動させたり(駆動による種々の客待ち演出を実行したり)する。
[機能設定処理]図46に示すように、機能演出設定処理(S4205)ではまず、演出制御用マイコン91は、機能設定画面表示中フラグがONであるか否かを判定する(S6001)。機能設定画面表示中フラグは、図15(A)〜図15(C)などに示す「機能設定メニュー」の画面(機能設定メニューで設定するメニュー(ホールコード、RTC演出)を選択するための画面:機能設定画面)が表示中であることを示すフラグであり、後述のステップS6005でONされるフラグである。
機能設定画面表示中フラグがONでなければ(S6001でNO)、RAMクリア後の所定期間(機能設定受付期間)であるか否かを判定する(S6002)。前述した通り、第1実施形態においてこの期間は、RAMクリアしてから30秒間の期間に設定されている。RAMクリア後の所定期間でなければ(S6002でNO)、機能設定処理を終える。一方、RAMクリア後の所定期間であれば(S6002でYES)、機能設定画面を表示する(開く)ための所定操作(機能設定操作)がなされたか否かを判定する(S6003)。第1実施形態では、機能設定操作は、演出ボタン63を連続して5回押下操作することである。勿論、機能設定操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
ステップS6003において機能設定操作がなされていなければ(S6003でNO)、機能設定処理を終える。これに対して、機能設定操作がなされていれば(S6003でYES)、機能設定画面表示処理(S6004)を行う。機能設定画面表示処理(S6004)では、表示画面7aに図16(A)に示す機能設定画面を表示するための表示コマンドを出力バッファにセットする。その後、演出制御用マイコン91は、機能設定画面表示中フラグをONにして(S6005)、機能設定処理を終える。
なお、ステップS6004でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに図15(A)に示す機能設定画面を表示させる。図15(A)に示す機能設定画面が表示画面7aに表示されているときは、遊技店の店員等は、種々の設定メニューの中から任意の設定メニューを選択することが可能である。この設定項目の中に、RTC演出に関する設定を行うための「RTC演出設定」のメニューが含まれている。
機能設定処理(図46)のステップS6001において、機能設定画面表示中フラグがONであれば、図47に示すように、RTC演出設定画面表示中フラグがONであるか否かを判定する(S6011)。RTC演出設定画面表示中フラグは、図16〜図18に示す「RTC演出設定」の画面(RTC演出設定で所定項目について設定するための画面:RTC演出設定画面)が表示中であることを示すフラグであり、後述のステップS6013でONにされるフラグである。
RTC演出設定画面表示中フラグがONであれば(S6011でYES)、ステップS6021に進む一方、RTC演出設定画面表示中フラグがONでなければ(S6011でNO)、RTC演出設定画面を表示する(開く)ための所定操作(RTC演出設定操作)がされたか否かを判定する(S6012)。第1実施形態では、RTC演出設定操作は、前述した通り、機能設定画面が表示されているときに、セレクトボタン65で、RTC演出設定を選択するためのRTC演出設定アイコン202Aまで選択中画像205を移動させて、演出ボタン65を押下する操作である。勿論、RTC演出設定操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
RTC演出設定操作がされていなければ(S6012でNO)、ステップS6015に進む。ステップS6015以降の処理については後述する。これに対して、RTC演出設定操作がされていれば(S6012でYES)、RTC演出設定画面表示中フラグをONにし(S6013)、RTC演出設定画面表示処理(S6014)を行って、機能設定処理を終える。RTC演出設定画面表示処理(S6014)では、表示画面7aに図16(A)に示すRTC演出設定画面を表示するための表示コマンドを出力バッファにセットする。セットされた表示コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信される。
ステップS6014でセットされた表示コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに図16(A)に示すRTC演出設定画面を表示する。RTC演出設定画面が表示画面7aに表示されているときには、遊技店の店員等は、RTC演出に関する種々の設定項目の中から任意の設定項目を選択し、その選択した設定項目についての内容を選択して変更などすることが可能である。選択可能な設定項目として、前述したRTC演出の有無(有効/無効)、キャラクタ(A太郎/B介)、台番号(1〜5)、音声の有無、有効時間(30分、60分、60分、120分、240分、360分)、発生頻度(多い、普通、少ない)が設けられている。
RTC演出設定画面表示中フラグがONされていれば、ステップS6021において、演出制御用マイコン91は、項目選択操作があったか否かを判定する。ここで、項目選択操作とは、RTC演出の設定項目を選択するための操作であり、上ボタン65Uの操作または下ボタン65Dの操作で構成される。項目選択操作がなければ(S6021でNO)、ステップS6024に進む。これに対して、項目選択操作があれば(S6021でYES)、操作したボタンの種類(上ボタン65Uまたは下ボタン65D)に応じて項目選択カーソル211を表示画面7a内で移動させるための項目選択操作カーソル移動処理を行い(S6022)、項目選択カーソル211で選択されている項目に関する説明文を表示画面7aの説明表示部219に表示するための項目説明文表示処理を行う(S6023)。
項目選択操作カーソル移動処理(S6022)では、項目選択カーソル211に項目選択操作に応じた移動を行わせる移動コマンドを出力バッファにセットする。セットされた移動コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、項目選択カーソル211を項目選択操作に応じて移動させる。また、項目説明文表示処理(S6023)では、新たに選択された項目に応じた説明文を表示画面7aの説明表示部219に表示するための表示コマンドを出力バッファにセットする。セットされた表示コマンドがコマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、新たに選択された項目に応じた説明文を表示画面7aの説明表示部219に表示する。なお、画像制御基板100のCPU102は、項目選択カーソル移動処理に係る移動コマンドを受信するたびに、新たに選択された項目を認識して、その項目に応じた説明文を説明表示部219に表示するようにしても良い。すなわち、項目説明文表示処理を省き、項目説明文表示処理を項目選択カーソル移動処理に組み込ませることもできる。
ステップS6024において、演出制御用マイコン91は、設定内容選択操作があったか否かを判定する。ここで、設定内容選択操作とは、設定項目の内容を選択(変更)するための操作であり、左ボタン65Lの操作または右ボタン65Rの操作で構成される。設定内容選択操作がなければ(S6024でNO)、ステップS6026に進む。これに対して、設定内容選択操作があれば(S6024でYES)、操作したボタンの種類(左ボタン65Lまたは右ボタン65R)に応じて、そのときに選択されている設定項目についての選択ポインター212C、213C、214F、215C、216F、217Dを、当該選択されている設定項目のアイコン間で移動させるための選択ポインター移動処理を行う(S6025)。
選択ポインター移動処理(S6025)では、選択ポインター212C、213C、214F、215C、216Fまたは217Dに、設定内容選択操作に応じた移動を行わせる移動コマンドを出力バッファにセットする。セットされた移動コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、選択ポインターを設定内容選択操作に応じて移動させる。例えば、そのときに、設定項目「RTC演出の有無」が選択されていれば、設定内容選択操作に応じてRTC演出有無選択ポインター212Cを、有効アイコン212Aと無効アイコン212Bとの何れかに移動させる。また、設定項目「有効時間」が選択されていれば、設定内容選択操作に応じて、有効時間選択ポインター216Fを、有効時間「30分」アイコン216A〜有効時間「360分」アイコン216Eの何れかに移動させる。
ステップS6026において、演出制御用マイコン91は、RTC演出設定の「決定」操作があったか否かを判定する。この「決定」操作とは、RTC演出の設定について、現在選択されている内容に決定(確定)するための操作であり、演出ボタン63の操作で構成される。「決定」操作がなければ(S6026でNO)、機能設定処理を終える。これに対して、「決定」操作があれば(S6026でYES)、現在選択されている内容でRTC演出の演出内容を設定し、すなわち、各項目で選択さている内容をRTC演出設定記憶部94Aに格納して保存し(S6027)、RTC演出設定画面表示中フラグをOFFする(S6028)。
次いで、ステップS6029において、演出制御用マイコン91は、図18(C)に示すRTC演出設定確定画面を表示するためのRTC演出設定確定画面表示処理を行って、RTC演出設定処理を終える。RTC演出設定確定画面表示処理(S6029)では、表示画面7aに図18(C)に示すRTC演出設定確定画面を表示するための表示コマンドを出力バッファにセットする。セットされた表示コマンドが、コマンド送信処理(S4008)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7aにRTC演出設定確定画面を表示し、当該画面を3秒間表示した後、機能設定画面に切り替える。
次に、ステップS6015に説明を戻す。ステップS6015に処理が進んでいるということは、現在、機能設定画面が表示されており、演出制御用マイコン91は、ステップS6015において、機能設定メニューを閉じるための操作(機能設定終了操作)がなされたか否かを判定する(S6015)。第1実施形態では、機能設定終了操作は、前述した通り、機能設定画面が表示されているときに、セレクトボタン65で、選択中画像205を機能設定終了アイコン203Aまで移動させて、演出ボタン65を押下する操作である。勿論、機能設定終了操作をどのような操作とするかは適宜変更可能である。
ステップS6015において機能設定終了操作がなされていなければ(S6015でNO)、機能設定処理を終える。これに対して、機能設定終了操作がなされていれば(S6015でYES)、機能設定画面表示中フラグをOFFし(S6016)、機能設定処理を終える。
[RTC演出セットアップ処理]図49に示すように、RTC演出セットアップ処理(S4206)ではまず、演出制御用マイコン91は、セットアップ完了フラグがONであるか否かを判定する(S6101)。セットアップ完了フラグは、RTC演出の設定内容がセットアップされ、RTC演出が実行可能な状態になったことを示すフラグであり、後述のステップS6104でONにされるフラグである。
セットアップ完了フラグがONであれば(S6101でYES)、RTC演出セットアップ処理を終える。これに対して、セットアップ完了フラグがONでなければ(S6101でNO)、ステップS6002と同様に、RAMクリア後の所定期間(機能設定受付期間)であるか否かを判定する(S6102)。前述した通り、第1実施形態では、機能設定受付期間は、RAMクリアしてから30秒間の期間に設定されている。これは、RAMクリア後の所定期間においてはRTC演出設定を行うことが可能であることから、当該期間をRTC演出設定の期間として確保(担保)するためである。機能設定受付期間であれば(S6102でYES)、そのままRTC演出セットアップ処理を終える。一方、機能設定受付期間でなければ(S6102でNO)、続いて、現在、機能設定画面またはRTC演出設定画面が表示されているか否かを判定する(S6103)。これは、機能設定受付期間が経過していても、機能設定受付期間に機能設定操作が行われて、機能設定またはRTC演出設定が行われている可能性があるからである。機能設定画面またはRTC演出設定画面が表示されていれば(S6103でYES)、そのままRTC演出セットアップ処理を終える。一方、機能設定画面またはRTC演出設定画面が表示されていなければ(S6103でNO)、続いて、RTC演出設定記憶部94Aに記憶されているRTC演出の設定内容をRAM94のRTC演出セットアップ記憶部94Bにセットし(S6104)、セットアップ完了フラグをONする(S6105)。
次に、セットされたRTC演出の設定内容としてRTC演出「有り(有効)」に設定されているか否か、言い換えれば、RTC演出セットアップ記憶部94BにRTC演出「有り」という設定内容が記憶されているか否かを判定する(S6106)。RTC演出「有り」に設定されていなければ(S61065でNO)、ステップS6110に進む。これに対して、RTC演出「有り」に設定されていれば(S6106でYES)、ステップS6107に進む。
ステップS6107において、演出制御用マイコン91は、RTC演出セットアップ記憶部94Bにセットされている有効時間を、ステップS4005で記憶された電源投入時刻に加算して、有効時間の終了時刻(有効時間終了時刻)を算出し、RAM94の有効時間終了時刻記憶部94Cにセットする。
次に、演出制御用マイコン91は、有効時間中であることを示す有効時間中フラグをONし(ステップS6108)、RTC演出セットアップ記憶部94Bにセットされている発生頻度に応じた時間(1分、5分、または10分)を現在時刻に加算して、最初のRTC演出の開始時刻を算出し、RAM94のRTC演出開始時刻記憶部94Dにセットする(ステップS6109)。
最後に、演出制御用マイコン91は、客待ち演出開始コマンドをセットする(ステップS6109)。なお、ステップS6109でセットされた客待ち演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに客待ち演出開始コマンドを表示させる。また、ここでセットされた客待ち演出開始コマンドは、ステップS5004でセットされる客待ち演出開始コマンドと同一である。しかしながら、ステップS6109でセットされる客待ち演出開始コマンドとステップS5004でセットされる客待ち演出開始コマンドとを異なるようにすることも可能である。
[RTC演出管理処理]図50に示すように、RTC演出管理処理(S4207)ではまず、演出制御用マイコン91は、有効時間中フラグがONされているか否かを判定する(S6201)。有効時間中フラグがONでなければ(S6201でNO)、RTC演出管理処理を終える。これに対して、有効時間中フラグがONであれば(S6201でYES)、RTC99が示す現在の時刻に基づいて、現在、有効時間終了時刻であるか否かを判定する(S6202)。有効時間終了時刻でなければ(S6202でNO)、ステップS6203に進み、有効時間終了時刻であれば(S6202でYES)、ステップS6204に進む。
ステップS6203において、演出制御用マイコン91は、変動演出(演出図柄の変動表示)が開始されるか否か、言い換えれば、電源投入後の最初の第1始動口20または第2始動口21への入賞が行われたか否かを判定する。これは、RTC演出が行われているときに、電源投入後の最初の第1始動口20または第2始動口21への入賞が行われて変動演出が開始されようとすると、当該RTC演出を終了させるとともに、変動演出を開始させるからである。変動演出が開始されれば(S6203でYES)、ステップS6204に進み、変動演出が開始されなければ(S6203でNO)、ステップS6206に進む。
演出制御用マイコン91は、有効時間中フラグをOFFし(ステップS6204)、セットされているRTC演出開始時刻をクリアし(ステップS6205)、RTC演出管理処理を終了する。
ステップS6206において、演出制御用マイコン91は、RTC99が示す現在の時刻に基づいて、現在、RTC演出開始時刻であるか否かを判定する(S6206)。RTC演出開始時刻でなければ(S6206でNO)、ステップS6212に進み、RTC演出開始時刻であれば(S6206でYES)、ステップS6207に進む。
ステップS6207において、演出制御用マイコン91は、RAM94のRTC演出セットアップ記憶部94Bにセットされている発生頻度に応じた時間(1分、5分、または10分)を現在時刻に加算して、次回のRTC演出の開始時刻を算出し、RAM94のRTC演出開始時刻記憶部94Dにセット(RTC演出開始時刻を更新)する。
次に、演出制御用マイコン91は、RTC演出セットアップ記憶部94BにセットされているRTC演出内容(キャラクタ、音声の有無)に応じたRTC演出開始コマンドをセットし(ステップS6208)、ステップS6209に進む。なお、ステップS6208でセットされたRTC演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aにてRTC画像演出を実行する。また、RTC演出の音声が「ON」設定されている場合、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われるRTC画像演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67からRTC音声演出を実行する。
ステップS6207において、演出制御用マイコン91は、RTC演出セットアップ記憶部94Bに発生頻度「多い」が設定されているか否かを判定する(ステップS6209)。発生頻度「多い」が設定されていれば(S6209でYES)、RTC演出管理処理を終了する一方、発生頻度「多い」が設定されていなければ(S6209でNO)、ステップS6210に進む。これは、発生頻度「多い」が設定されている場合は、RTC演出が連続的に実行され、RTC演出が終了した後に客待ち演出が実行されず、発生頻度「多い」が設定されていない場合(発生頻度「普通」または「少ない」が設定されている場合)は、RTC演出は間欠的に実行され、RTC演出が終了した後に客待ち演出が実行されるからである。
演出制御用マイコン91は、RTC演出の演出時間(第1実施形態において、60秒)をRTC演出タイマにセットし(S6210)、RTC演出実行中フラグをONし(S6211)、RTC演出管理処理を終了する。
ステップS6212において、演出制御用マイコン91は、RTC演出セットアップ記憶部94Bに発生頻度「多い」が設定されているか否かを判定する。発生頻度「多い」が設定されていれば(S6212でYES)、RTC演出管理処理を終了する一方、発生頻度「多い」が設定されていなければ(S6212でNO)、ステップS6213に進む。
ステップS6213において、演出制御用マイコン91は、RTC演出実行中フラグがONであるか否かを判定する。RTC演出実行中フラグがONでなければ(S6213でNO)、RTC演出管理処理を終了する一方、RTC演出実行中フラグがONであれば(S6213でYES)、ステップS6214に進む。
ステップS6214において、演出制御用マイコン91は、RTC演出タイマ=0、すなわち、RTC演出が終了したか否かを判定する。RTC演出タイマ=0でなければ(S6214でNO)、RTC演出管理処理を終了する一方、RTC演出タイマ=0であれば(S6214でYES)、客待ち演出開始コマンドをセットし(S6215)、RTC演出実行中フラグをOFFし(S6216)、RTC演出管理処理を終了する。なお、ステップS6215でセットされた客待ち演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、表示画面7aに客待ち演出を繰り返し表示させる。また、ここでセットされた客待ち演出開始コマンドは、ステップS5004およびステップS6109でセットされる客待ち演出開始コマンドと同一である。しかしながら、ステップS6215でセットされる客待ち演出開始コマンドはステップS6109でセットされる客待ち演出開始コマンドおよびステップS5004でセットされる客待ち演出開始コマンドと異なるようにすることも可能である。
9.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、前述した第1実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、RTC演出を実行可能なパチンコ遊技機として構成した。これに対して、RTC演出を実行可能なスロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化され入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
なお、第1実施形態では、RAMクリア後の所定期間(機能設定操作受付期間)中に、セレクトボタン65の上ボタン65Uを連続して5回押下すると(つまり特定の操作をすると)、RTC99によって計測されている日時の設定を行うための日時調整画面が表示画面7aに表示されるものとする。RTC99による計測日時がずれて、正しい日時の設定が必要になった場合には、遊技場の店員等は、この操作を行って日時調整画面を呼び出して、RTC99の日時設定を行うことが可能であるものとする。
また、第1実施形態では、RAMクリア後の所定期間(機能設定操作受付期間)に限って、機能設定が可能であり、機能設定においてRTC演出設定が可能な構成であるが、機能設定操作受付期間でなくてもRTC演出設定が可能な構成でもよい。例えば、客待ち状態において、図15に示す機能設定画面が表示され、または、別のメニュー画面が表示され、その中で1つのメニューとして「RTC演出設定」を選択できるようにすることができる。また、RTC演出設定は、機能設定の一部として実行可能な構成ではなく、例えば、所定操作によってRTC演出を行うためのRTC演出設定画面(例えば、図16(A))がダイレクトに表示されるように構成することもできる。
また、第1実施形態では、RTC演出に関する各種の設定を行うための入力手段(操作手段)を、演出ボタン63やセレクトボタン65としたが、画像表示装置にタッチセンサを組み合わせたタッチパネルとしてもよい。この場合、タッチパネルは、例えば、タッチパネルの操作画面が打球供給皿61の上面と面一状態になるにように設けられる。なお、タッチパネルは、画像表示装置に、第1実施形態の画像表示装置7を用いてもよいし、これより小さい画面サイズの画像表示装置を用いてもよい。
10.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明B〜発明W(発明B〜発明Rが遊技機、発明S〜発明Wが遊技機システム)が開示されている。発明B〜発明Wの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。
10−1.発明B
遊技の制御に応じた遊技演出(変動演出)を実行可能な遊技機であって、
前記遊技演出とは異なる特別演出(RTC演出)を、演出装置(画像表示装置7およびスピーカ67)を用いて実行可能な特別演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、
時間を計測する計測手段(RTC99)と、を備え、
前記計測手段によって計測された時間に基づく所定の有効期間(有効時間)である場合、前記特別演出を開始させるための開始条件の成立(RTC演出開始時刻の到来)が可能であり、前記特別演出制御手段は、当該開始条件の成立により前記特別演出を開始させ、当該開始条件が成立しない限り前記特別演出を開始させず、
前記有効期間でない場合は前記開始条件が成立することはなく、前記特別演出制御手段は前記特別演出を開始させないことを特徴とする遊技機。
10−2.発明C
発明Bに係る遊技機であって、
前記有効期間は、電源投入された時から所定時間が経過した時までの期間で構成されていることを特徴とする遊技機。
10−3.発明D
発明Cに係る遊技機であって、
操作可能な操作手段(セレクトボタン65および演出ボタン63)をさらに備え、
前記所定時間は、複数(5つ)設けられており、前記操作手段によって設定可能であることを特徴とする遊技機。
10−4.発明E
予め定められた所定条件の成立(特図1保留球数が上限値(4)未満での第1始動口20への入賞または特図2保留球数が上限値(4)未満での第2始動口21への入賞)に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態に制御するか否かの判定(大当たり判定)を行い、当該判定の結果を報知する報知演出(変動演出)を行う遊技機であって、
時間を計測する計測手段(RTC99)と、
前記計測手段によって計測された時間に基づく所定の有効期間(有効時間)において、前記報知演出とは異なる特別演出(RTC演出)を実行可能な特別演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記特別演出制御手段は、前記有効期間において前記報知演出が実行された場合、当該報知演出が実行された後は、前記特別演出の実行を規制することを特徴とする遊技機。
10−5.発明F
発明Eに係る遊技機であって、
前記有効期間は、電源投入された時から所定時間が経過した時までの期間で構成されていることを特徴とする遊技機。
10−6.発明G
発明Fに係る遊技機であって、
操作可能な操作手段(演出ボタン63およびセレクトボタン65)をさらに備え、
前記所定時間は、複数(5つ)設けられており、前記操作手段によって設定可能であることを特徴とする遊技機。
10−7.発明H
予め定められた所定条件の成立(特図1保留球数が上限値(4)未満での第1始動口20への入賞または特図2保留球数が上限値(4)未満での第2始動口21への入賞)に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態に制御するか否かの判定(大当たり判定)を行い、当該判定の結果を報知する報知演出(変動演出)を行う遊技機であって、
時間を計測する計測手段(RTC99)と、
前記計測手段によって計測された時間に基づいて、前記報知演出とは異なる特別演出(RTC演出)を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特別演出が実行されているときに前記所定条件が成立すると、当該特別演出を終了させて、前記報知演出を開始させることを特徴とする遊技機。
10−8.発明I
発明Hに係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記報知演出が終了した後、前記所定条件が成立していないことを条件として、前記特別演出および前記報知演出とは異なるデモ演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
10−9.発明J
発明Hまたは発明Hに係る遊技機であって、
前記特別演出は、2以上の所定台数の当該遊技機からなる遊技機群が一斉に電源投入されたことを契機に、当該遊技機群の各表示画面に表示される要素画像の組み合わせによって1つの完成画像が形成される組み合わせ画像演出を少なくとも含むことを特徴とする遊技機。
10−10.発明K
遊技の制御に応じた遊技演出を実行可能な遊技機であって、
操作可能な操作手段(演出ボタン63およびセレクトボタン65)と、
画像を表示可能な表示装置(画像表示装置7)と、
音声を出力可能な音声出力装置(スピーカ67)と、
時間を計測する計測手段(RTC99)と、
前記計測手段によって計測された時間に基づいて、前記遊技演出とは異なる特別演出(RTC演出)を制御可能な特別演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記特別演出には、少なくとも、前記表示装置に表示される特別演出画像(RTC画像演出で表示される画像)と、前記音声出力装置から出力される特別演出音声(RTC音声演出で出力される音声)と、があり、
前記操作手段によって、前記特別演出音声の有無を設定可能であり、
前記特別演出制御手段は、前記特別演出音声が有りと設定されている場合に所定の開始条件が成立(有効時間内にRTC演出開始時刻が到来)すると、前記特別演出として、前記特別演出画像を表示するとともに前記特別演出音声を出力し、前記特別演出音声が無しと設定されている場合に前記所定の開始条件が成立すると、前記特別演出として、前記特別演出画像を表示する一方、前記特別演出音声を出力しないことを特徴とする遊技機。
技機。
10−11.発明L
発明Kに係る遊技機であって、
前記遊技演出として、前記音声出力装置から遊技音声演出(変動演出の音声部分)を出力させることが可能であり、
前記操作手段の他に、所定の操作によって前記遊技音声演出の音量を設定可能な音量設定手段(回転つまみ105)を備え、
前記特別演出音声が無しと設定されていても、前記遊技音声演出を出力させることが可能であることを特徴とする遊技機。
10−12.発明M
発明Kまたは発明Lに係る遊技機であって、
前記特別演出の演出種別として、少なくとも、第1特別演出(第1RTC演出)と第2特別演出(第2RTC演出)とを含む複数(2つ)の演出種別が設けられており、
前記操作手段による操作によって、前記特別演出の演出種別を設定可能な設定手段(演出制御用マイコン91)をさらに備え、
前記特別演出制御手段は、前記開始条件が成立した場合、前記設定手段によって設定された演出種別の前記特別演出を実行し、
前記第1特別演出における前記特別演出音声の一部分を構成する第1特別演出要素(語り掛け音声1、語り掛け音声2、祈り音声)と前記第2特別演出における前記特別演出音声の一部分を構成する第2特別演出要素(応答音声1、応答音声2、気合い音声)とは応答関係にあることを特徴とする遊技機。
10−13.発明N
所定の実行条件が成立(特図1保留球数が上限値(4)未満での第1始動口20への入賞または特図2保留球数が上限値(4)未満での第2始動口21への入賞)することによって、遊技の制御に応じた通常の遊技演出(変動演出)とは異なる特別演出(RTC演出)を、演出装置(画像表示装置7およびスピーカ67)を用いて実行する演出制御手段(サブ制御基板90)を備えた遊技機であって、
前記特別演出の演出種別として、少なくとも、第1特別演出(第1RTC演出)と第2特別演出(第2RTC演出)とを含む複数(2つ)の演出種別が設けられており、
操作可能な操作手段(演出ボタン63およびセレクトボタン65)と、
前記操作手段による操作によって、前記特別演出の演出種別を設定可能な設定手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記実行条件が成立した場合、前記設定手段によって設定された演出種別の前記特別演出を実行し、
前記第1特別演出の一部分を構成する第1特別演出要素(語り掛け音声1、語り掛け音声2、祈り音声)と前記第2特別演出の一部分を構成する第2特別演出要素(応答音声1、応答音声2、気合い音声)とは応答関係にあることを特徴とする遊技機。
10−14.発明O
発明Nに係る遊技機であって、
前記第1特別演出が開始されてから前記第1特別演出要素が開始されるまでの時間と、前記第2特別演出が開始されてから前記第2特別演出要素が開始されるまでの時間と、が異なることを特徴とする遊技機。
10−15.発明P
発明Nまたは発明Oに係る遊技機であって、
時間を計測する計測手段をさらに備え、
前記演出制御手段は、前記計測手段によって計測された時間に基づいて前記特別演出を制御することを特徴とする遊技機。
10−16.発明Q
発明N乃至発明Pの何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出装置には、少なくとも、音声を出力可能な音声出力装置(スピーカ67)が含まれており、
前記第1特別演出要素および前記第2特別演出要素は、音声で構成されていることを特徴とする遊技機。
10−17.発明R
発明N乃至発明Qの何れか1つに係る遊技機であって、
前記演出装置には、少なくとも、画像を表示可能な画像表示装置(画像表示装置7)が含まれており、
前記第1特別演出要素および前記第2特別演出要素は、画像で構成されていることを特徴とする遊技機。
以上の発明B〜発明Rに係る遊技機よれば、特別演出(RTC演出)の演出効果の低下を防ぎ、遊技興趣の向上を図ることができる。
10−18.発明S
所定の実行条件が成立(特図1保留球数が上限値(4)未満での第1始動口20への入賞または特図2保留球数が上限値(4)未満での第2始動口21への入賞)することによって、遊技の制御に応じた通常の遊技演出(変動演出)とは異なる特別演出(RTC演出)を、演出装置(画像表示装置7およびスピーカ67)を用いて実行可能な複数台の遊技機(第1遊技機グループ170を構成するパチンコ遊技機1と、第2遊技機グループ171を構成するパチンコ遊技機1)を備える遊技機システムYSであって、
前記特別演出の演出種別として、少なくとも、第1特別演出(第1RTC演出)と第2特別演出(第2RTC演出)とが設けられており、
前記複数台の遊技機には、少なくとも前記第1特別演出を実行可能な第1遊技機と、前記第2特別演出を実行可能な第2遊技機と、があり、
前記第1遊技機による前記第1特別演出と、前記第2遊技機による前記第2特別演出とが同時に開始された場合、前記第1特別演出の一部分を構成する第1特別演出要素(語り掛け音声1、語り掛け音声2、祈り音声)と前記第2特別演出の一部分を構成する第2特別演出要素(応答音声1、応答音声2、気合い音声)とは応答関係にあることを特徴とする遊技機システム。
10−19.発明T
発明Sに係る遊技機システムであって、
前記第1特別演出が開始されてから前記第1特別演出要素が開始されるまでの時間と、前記第2特別演出が開始されてから前記第2特別演出要素が開始されるまでの時間と、が異なることを特徴とする遊技機システム。
10−20.発明U
発明Sまたは発明Tに係る遊技機システムであって、
前記複数台の遊技機の各々は、時間を計測する計測手段(RTC99)をさらに備え、前記計測手段によって計測された時間に基づいて前記第1特別演出および前記第2特別演出を制御することを特徴とする遊技機。
10−21.発明V
発明S乃至発明Uの何れか1つに記載の遊技機システムであって、
前記演出装置には、少なくとも、音声を出力可能な音声出力装置(スピーカ67)が含まれており、
前記第1特別演出要素および前記第2特別演出要素は、音声で構成されていることを特徴とする遊技機システム。
10−21.発明W
発明S乃至発明Vの何れか1つに記載の遊技機システムであって、
前記演出装置には、少なくとも、画像を表示可能な画像表示装置(画像表示装置7)が含まれており、
前記第1特別演出要素および前記第2特別演出要素は、画像で構成されていることを特徴とする遊技機システム。
以上の発明S〜発明Wに係る遊技機システムよれば、特別演出(RTC演出)の演出効果の低下を防ぎ、遊技興趣の向上を図ることができる。