JP2021048943A - 遊技機 - Google Patents

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慎也 小川
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Teruhiko Yamada
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Abstract

【課題】演出に関する設定を適切に行うことが可能な遊技機を提供する。【解決手段】遊技機の裏面側から操作可能なRAMクリアスイッチ(第1操作部)による操作が行われてから所定期間内(例えばRAMクリア報知期間内)に、当該遊技機の表面側から操作可能な演出ボタン(第2操作部)による所定操作が行われた場合に、「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する条件の設定が可能となる。RAMクリアスイッチの操作は通常、遊技者ではなく管理者等が行うものであるため、「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する条件を、管理者等のみが設定可能な条件とすることができる。これにより、演出に関する設定を適切に行うことが可能となる。【選択図】図51

Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機等に適用することができる。
従来、遊技機には液晶等の表示器や可動役物(ギミック)、電飾、スピーカ等の演出装置(演出部)が設けられており、遊技の進行に応じて様々な演出が実行される。この種の遊技機において、演出音(スピーカ)の音量や電飾の輝度、表示器の輝度等、演出に関する様々な設定を遊技者が行えるように構成したものが知られている(例えば特許文献1を参照)。このような構成を備える遊技機では、遊技者の好みに応じた設定で演出が実行されるようになるという利点がある。
特開2005−279019号公報
しかしながら、演出に関する設定を遊技者が自由に行えるようにすると、遊技ホール側の意に反した設定がなされる場合もある。この場合、遊技ホール側は所望の設定内容とすべく演出に関する設定をやり直す必要があり、その作業は煩雑である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演出に関する設定を適切に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
ことにある。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、手段1の遊技機は、
所定の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であって、
当該遊技機の裏面側から操作可能に設けられた第1操作部と、
前記第1操作部による操作を検知可能な第1操作検知手段と、
当該遊技機の表面側から操作可能に設けられた第2操作部と、
前記第2操作部による操作を検知可能な第2操作検知手段と、
所定の演出を実行可能な演出部と、
前記演出部の動作条件を設定可能な条件設定手段と、を備え、
前記第1操作部による操作を前記第1操作検知手段が検知してから所定期間内に前記第2操作部による操作を前記第2操作検知手段が検知すると、前記演出部の動作条件が設定可能となる
ことを要旨とする。
以上の本発明によれば、演出に関する設定を適切に行うことが可能となる。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例の遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 電源基板と各制御基板との関係を示すブロック図である。 当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 初期設定処理のフローチャートである。 割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当り遊技)のフローチャートである。 特定領域センサ検知処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 副制御メイン処理のフローチャートである。 初期設定処理(副制御部)のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 演出条件設定処理のフローチャートである。 演出条件設定処理のフローチャートである。 RTC演出関連処理のフローチャートである。 RTC演出中止選択処理のフローチャートである。 RTC演出画像表示処理のフローチャートである。 RAMクリア報知画面の一例を示す説明図である。 管理者設定メニュー画面の一例を示す説明図である。 個別設定画面の一例を示す説明図であり、(a)はエコモード設定画面の一例を示す説明図であり、(b)は枠ギミック設定画面の一例を示す説明図であり、(c)はRTC演出設定画面の一例を示す説明図である。 演出設定画面の一例を示す説明図である。 RTC演出の概要を示す説明図であり、(a)は先行演出が行われる表示画面の一例を示す説明図であり、(b)は主演出が行われる表示画面一例を示す説明図である。 RTC演出の概要を示す説明図であり、(a)はサブ液晶で先行演出が行われる表示画面の一例を示す説明図であり、(b)はサブ液晶で主演出が行われる表示画面一例を示す説明図である。 (a)は枠可動装飾部材の初期状態を示す説明図であり、(b)は枠可動装飾部材の動作状態を示す説明図である。 複数の画像表示装置(表示画面)の他の配置構成の一例を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下の実施例では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用したものについて説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
尚、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1〜図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2と、を備えている。遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
遊技盤2や前面枠51には、遊技の実行に際して遊技者が見たり触れたりすることが可能な様々なパーツ(遊技部品、遊技機構成部品)が設けられている。具体的に、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。
また、前面枠51には、遊技の進行に伴って行われる遊技演出(以下、単に「演出」ともいう。)の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう。)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。本実施例の枠ランプ66はLEDにより構成されている。
演出ボタン63は、本パチンコ遊技機1の表面側から操作可能に設けられた演出操作部(第2操作部)であり、外部から所定の入力を行うための入力手段として機能する。この演出ボタン63は、本パチンコ遊技機1を遊技する遊技者が遊技状況に応じて操作するものである。但し、本パチンコ遊技機1の動作に係る設定等を行うために遊技ホールの管理者等が操作する場合もある。
遊技者は、遊技演出等の種類に応じて使用する演出ボタン63a,63bを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。本実施例では、上皿61の上面(天面)の中央手前側に第1演出ボタン63aが設けられており、前面枠51の正面左下側に第2演出ボタン63bが設けられているので、これらを状況に応じて使い分けることとなる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様(押しボタン式)に限らず、外部からの入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者の手や指等が直接触れることにより入力を行うことが可能な入力手段(例えば、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
前面枠51の上部であって左右のスピーカ67の間には、枠可動装飾部材13(枠側可動演出装置)が設けられている。本実施例の枠可動装飾部材13は、主として、上面が開放した箱型の収容部13aと、該収容部13aに収容される演出可動体13b(図56(b)を参照)と、図示しないステッピングモータ等の電気的駆動源とから構成される。枠可動装飾部材13が駆動される前の初期状態では、図1及び図56(a)に示すように、演出可動体13bが収容部13aに収容されて外部に露出(出現)することなく、視認不能な状態となっている(非動作状態、初期状態)。演出可動体13bが収容部13aに収容されている状態(初期状態)において、枠可動装飾部材13による演出の開始条件の成立に基づいて枠可動装飾部材13が駆動(動作)すると、図56(b)に示すように、演出可動体13bが初期位置(収容位置)から所定の動作位置まで上昇して、収容部13a内から上方に突出した状態となり、外部から視認可能となる(動作状態)。また、演出可動体13bには星形を模したエンブレム役物13cが設けられており、当該エンブレム役物13cが、演出可動体13bが突出(出現)した状態で発光、回転等の演出動作を行い得るものとなっている。このように枠可動装飾部材13の駆動により演出可動体13bが出現することで、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
一方、演出可動体13bが動作位置まで移動(上昇)した状態(動作状態)において、枠可動装飾部材13による演出の終了条件の成立に基づいて枠可動装飾部材13が駆動(動作)すると、演出可動体13bが初期位置(原点)まで移動(下降)して、図56(a)に示すように収容部13aに収容された状態となる。尚、演出可動体13bの出没動作(上下動)等を実現する枠可動装飾部材13の機械的構造(構成)については、本発明の要旨に直接関係しないため詳しい説明を省略するが、例えば、ラックアンドピニオンやリードスクリュー、ダンパー等の公知の機構や部材等を用いて構成することが可能である。また、本実施例では、枠可動装飾部材13の駆動により、演出可動体13bが初期位置から動作位置まで移動(到達)するのに要する時間(出現動作時間)と、演出可動体13bが動作位置から初期位置まで移動(到達)するのに要する時間(復帰動作時間)を、それぞれ5500ms(5.5秒)としている。このように、枠可動装飾部材13(演出可動体13b)が比較的ゆっくりとした動作(出現動作、復帰動作)を行うのは、枠可動装飾部材13(演出可動体13b)による演出効果や、駆動した際の振動等の影響を考慮したことによるものである。
ここで、図56(a)に示すように、枠可動装飾部材13の駆動前(動作前)であって演出可動体13bが収容部13aに収容された状態(初期状態)のこと「第1状態」ともいい、図56(b)に示すように、枠可動装飾部材13の駆動後であって演出可動体13bが収容部13から上方に突出(出現)した状態(動作状態)のことを「第2状態」ともいう。また、枠可動装飾部材13を駆動させる際の駆動態様として、動作状態(第2状態)にある演出可動体13bを動作位置から初期位置まで下降(移動)させる駆動態様のことを「第1駆動態様」ともいい、初期状態(第1状態)にある演出可動体13bを初期位置(収容位置)から動作位置まで上昇(移動)させる駆動態様のことを「第2駆動態様」ともいう。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5Aを参照)も設けられている。本実施例の盤面ランプ5はLEDにより構成されている。
遊技領域3の中央付近には、演出表示手段の一態様である第1画像表示装置7が設けられている。第1画像表示装置7は、その表示画面7aが遊技盤2(遊技領域3)の略中央に設けられた開口を臨むようにして、遊技盤2の裏面側に設けられるものである。第1画像表示装置7は液晶表示装置からなるもので、その表示画面7a(表示部)には、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)と、表示画面7aの背景を構成する背景画像が表示される背景表示領域7cとが設けられている。演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様があり、本実施例では、原則、上から下へスクロール表示する。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8L(「左図柄」ともいう。)が表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8C(「中図柄」ともいう。)が表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8R(「右図柄」ともいう。)が表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄表示領域7bを表示画面7aの略全体としてもよく、この場合、演出図柄表示領域7bに背景表示領域7cや後述する演出保留表示領域を含めることとしてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」〜「9」までの数字図柄からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄を縦方向(本例では上から下)にスクロール表示(「縦スクロール」ともいう)させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組合せ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の表示結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の表示結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果が、遊技者が認識し易いように表示される。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなった場合には、「777」などの3桁同一のゾロ目(「当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、小当りとなった場合には「135」などの予め設定したチャンス図柄や「3★3」などの専用図柄(「小当り演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目図柄(「外れ演出図柄」ともいう)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。
尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様や、上下方向や左右方向に回転表示する態様等がある。さらに、本実施例では、左・中・右の演出図柄8を表示するものとしているが、例えば、表示画面上に3行3列のマトリックス状の図柄表示エリアを設けて9つの演出図柄を表示し、各図柄が変動表示を経て停止表示したときの縦一列、横一列、斜め一列の各列の並び(図柄組合せ)により演出図柄の停止態様(停止図柄)を表示したり、図柄表示エリア(演出図柄表示領域)を複数(例えば4つ)の領域に分割して各領域で3つの演出図柄の変動表示及び停止表示を行ったりする等、演出図柄の数や図柄表示エリアの態様は特に問わない。
ここで、演出図柄の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」や「特定態様」、「特定表示結果」等ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」や「非特定態様」、「非特定表示結果」等ということがある。また、特別図柄当否判定の結果が小当りの場合に対応する停止表示態様のことを「小当り態様」や「所定態様」、「所定表示結果」等ということがある。さらに、特別図柄当否判定の結果としての「大当り」のことを「第1特定結果」ともいい、「小当り」のことを「第2特定結果」ともいい、「外れ」のことを「非特定結果」ともいう。また、「大当り」及び「小当り」を総じて「特定結果」ということもある。尚、特別図柄当否判定の結果として「小当り」が設けられておらず「大当り」が設けられている場合には、「大当り」のことを「特定結果」ともいう。
また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。さらに、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」、特別図柄のことを「特図」、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。また、演出図柄8を表示する第1画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」ともいう。
また本実施例では、変動表示している演出図柄8L,8C,8Rの停止順序を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。このことから、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
第1画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、当り遊技に伴って実行される当り遊技演出や、客待ち用のデモ演出などが表示される。尚、演出図柄遊技演出や当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の様々な演出画像も表示される。
また、第1画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43a(図4を参照)にて表示される第1特図保留の記憶数及び第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置7の前方には、演出図柄表示領域7bを取り囲むように、センター装飾体10が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。このステージ部11の後方(奥側)には、普段は遊技盤2の裏側に隠れた状態(初期状態)となっており、所定の動作条件の成立により外部(表示画面7aの下部手前側)に出現(突出)することが可能とされる盤可動装飾部材14(図5Aを参照)が設けられている。図3では、盤可動装飾部材14が動作していない状態(初期状態)を示している。盤可動装飾部材14が駆動(動作)して表示画面7aの手前側に出現することにより、遊技者は当りへの期待感を高めることとなる。
尚、枠可動装飾部材13(演出可動体13b)を駆動(動作)させる演出のことを「枠可動演出」ともいい、盤可動装飾部材14を駆動(動作)させる演出のことを「盤可動演出」ともいい、枠可動演出及び盤可動演出を総じて「可動演出」ともいう。
センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口から受け入れ、当該遊技球をワープ出口から排出しステージ部11へと誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。
センター装飾体10の上部には、第2画像表示装置71が設けられている。第2画像表示装置71は、第1画像表示装置7よりも小型の液晶表示装置からなるもので、その表示画面71aを手前側に向けた状態でセンター装飾体10の上部前面側(手前側)に固着されている。このため、第2画像表示装置71(表示画面71a)は、遊技盤2の裏面側に設けられる第1画像表示装置7(表示画面7a)よりも手前側(前方)に位置している。
本実施例では、表示画面7aの上側一部を表示画面71aが覆うように、第1画像表示装置7(表示画面7a)と第2画像表示装置71(表示画面71a)が前後に重なった状態で配置されている。このため、表示画面7a及び表示画面71aは、ともに常時手前側(遊技者側)から視認可能となっており、遊技者にとっては、各画面の表示内容を一目で把握(理解)することができるようになっている。尚、本実施例では、表示画面7aの一部を表示画面71aが覆うように構成しているが、両者を重なり合わないようにして、それぞれの画面全体を視認できるようにしてもよい。
第2画像表示装置71の表示画面71a(表示部)には、遊技の状況に応じて種々の演出画像を表示することが可能となっている。本実施例では、演出図柄8の変動表示や後述のリーチ演出等の演出表示を主に第1画像表示装置7で実行し、演出表示の種類(演出パターン)によっては、第1画像表示装置7での演出表示に関連する追加的又は補助的な演出表示を第2画像表示装置71で実行することが可能となっている。第1画像表示装置7及び第2画像表示装置71の表示内容についての詳細は後述する。尚、相対的に画面サイズの大きい第1画像表示装置7のことを「メイン液晶」ということがあり、相対的に画面サイズの小さい第2画像表示装置71のことを「サブ液晶」ということがある。また、第1画像表示装置7及び第2画像表示装置71のことを総じて単に「画像表示装置」ということがある。
ここで、本実施例のパチンコ遊技機1を構成する部品(遊技機構成部品)には、演出を実行するための部品(「演出用部品」ともいう)が含まれている。すなわち、遊技機枠50(前面枠51)側に設けられる枠可動装飾部材13、演出ボタン63、枠ランプ66及びスピーカ67、並びに、遊技盤2(遊技領域3)側に設けられる盤面ランプ5、盤可動装飾部材14、第1画像表示装置7及び第2画像表示装置71は、それぞれ遊技の状況に応じて演出を実行可能な演出部として機能する。そのうち、遊技機枠50(前面枠51)側に設けられる演出用部品のことを「枠側演出部」ともいい、遊技盤2(遊技領域3)側に設けられる演出用部品のことを「盤側演出部」ともいう。
また、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで遊技者が視認可能な表示演出を行う画像表示装置のことを「表示演出手段」ともいう。さらに、遊技演出に伴って動作することで遊技者が視認可能な可動演出を行う枠可動装飾部材13(枠側可動演出装置)のことを「枠可動役物」や「枠可動演出手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで遊技者が視認可能な可動演出を行う盤可動装飾部材14のことを「盤可動役物」や「盤可動演出手段」ともいう。また、枠可動装飾部材13と盤可動装飾部材14を総じて「可動装飾部材」や「可動役物」ともいい、枠可動演出手段と盤可動演出手段を総じて(つまり、可動装飾部材のことを)「可動演出手段」ともいう。尚、可動装飾部材以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。
さらに、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで遊技者が聴取可能な音演出を行うスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで遊技者が視認可能な光演出を行う盤面ランプ5や枠ランプ66(電飾部材)のことを「光演出手段」ともいう。尚、盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。また、盤面ランプ5や枠ランプ66等の電飾部材による光演出は、電飾部材の点灯表示や点滅表示等によって実現されるものであり、表示の概念を含むものであることから、前述の演出画像を表示する演出と同様に表示演出として捉えることもできる。したがって盤面ランプ5や枠ランプ66等の「光演出手段」は「表示演出手段」であるともいえる。
遊技領域3における第1画像表示装置7の下方(ステージ部11の下方)には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されるとともに第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されるとともに第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5Aを参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5Aを参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5Aを参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
第2大入賞装置36には、第2大入賞口35に入球した遊技球が通過可能な特定領域39が形成されている。本パチンコ遊技機1では、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個が特定領域39を通過したことが検知されることに基づいて、後述の高確率状態を発生させている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。このような特定領域39は、第1大入賞装置31には設けられていない。このような確変作動口としての特定領域39(V領域)を備える第2大入賞口35(第2大入賞装置36)のことを「Vアタッカー」ともいう。尚、高確率状態は、特別遊技とは別に遊技者に付与される遊技上の特典の一つである。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されるとともに普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示されると第2始動口21が開状態となる。
さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、残りの1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「4」、第2始動口21の賞球数は「2」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。尚、これらの賞球数は一例であり、各入球口の賞球数は遊技機のスペックや出球性能等を考慮して任意に設定可能である。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになった場合に実行される当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われ、第2特別図柄の変動表示は第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示部」ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示部」ということがある。
特別図柄表示部では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当り図柄や小当り図柄等の当り態様である場合には、停止表示された当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われる。尚、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「15R第1大当り」、「15R第2大当り」、「5R第3大当り」および「2R第4大当り」の4種類の大当りと、第1小当りが設けられており(図6、図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら大当り及び小当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が第1大当り(15R大当り)となった場合には、「ijn」の3個のLEDを点灯して残りを消灯する(15R第1大当り図柄)。また、第2大当り(15R大当り)となった場合には、「ijk」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第2大当り図柄)。また、第3大当り(15R大当り)となった場合には、「ijl」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第3大当り図柄)。また、第4大当り(2R大当り)となった場合には、「jnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(2R第4大当り図柄)。また、第1小当りとなった場合には、「mnop」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の2種類の大当りと、第2小当りが設けられており(図6、図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら大当り及び小当りの各々に応じた表示態様を採ることが可能となっている。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が、第5大当り(15R大当り)となった場合には、「abd」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第5大当り図柄)。また、第6大当り(15R大当り)となった場合には、「abc」の3個のLEDを点灯し残りを消灯する(15R第6大当り図柄)。また、第2小当りとなった場合には、「cdeh」の4個のLEDを点灯し残りを消灯する(第2小当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯し残りを消灯する(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留(第1取得情報)として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留(第2取得情報)として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定(特別図柄の変動表示)の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
図4に示すように、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定(普通図柄の変動表示)の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2、図5A及び図5Bに基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、図5Aに示すように、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定、遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」又は「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板90(「副制御部」、「サブ制御部」又は「演出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102等の表示制御を行う画像制御基板100(「画像制御部」又は「表示制御部」ともいう)、スピーカ67による効果音の出力制御を行う音声制御基板106、盤面ランプ5や枠ランプ66等の駆動制御を行うランプ制御基板107、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、遊技球の発射制御を行う発射制御基板111等を備えている。また、これらの各基板を含めた遊技機構成部品の駆動(作動)に必要な電力を供給する電源基板109(電力供給手段)を備えている。具体的には、図5Aのブロック図に示された各種の基板類や装置・機器類、センサ、スイッチ、モータ、ソレノイドなど、本パチンコ遊技機1の動作に必要となる遊技機構成部品(電気部品)に電力が供給される。
これらの基板は、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)に配置される。すなわち、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方に、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等ケースと、副制御基板90を収納した副制御基板ケースとが前後方向に重ねて設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81(遊技制御手段)には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM(記憶手段)、ワークメモリとして使用されるRAM(記憶手段)、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。ワークメモリとして使用される遊技制御用マイコン81のRAM(「主制御RAM」ともいう)は、遊技制御用マイコン81(遊技制御手段)による各種制御処理の実行に必要な情報を記憶することが可能な記憶手段として機能する。このことは、後述する演出制御用マイコン91や払出制御用マイコン116のRAMについても同様である。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。
遊技制御用マイコン81のRAM(主制御RAM)には、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御RAMの所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域や、電源基板109が供給する電力の電圧値(電源電圧)の低下を検知した場合(電源断が発生した場合)にその時の遊技状態等を示す情報(遊技に関する情報)を記憶保持するバックアップ領域(「主制御バックアップ領域」ともいう)等が設けられている。
主制御バックアップ領域は、主制御部RAMに記憶される情報のうち、予め定められたバックアップ対象(記憶保持の対象)とされている遊技制御用の情報(「主制御バックアップ情報」ともいう)を、本パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後も所定期間記憶保持するための退避領域である。この主制御バックアップ領域の存在により、電力供給が再開された際のパチンコ遊技機1の遊技状態を、その主制御バックアップ領域に記憶保持された主制御バックアップ情報に基づいて、電源電圧の低下が検知された際(電源断時)の状態に復帰(復旧)させることが可能となる。このように主制御バックアップ情報を主制御バックアップ領域に記憶保持することが可能な主制御RAMは「記憶保持手段」としても機能する。また、電力供給の停止に伴い主制御バックアップ情報を主制御バックアップ領域に記憶保持し、電力供給の開始(再開)に伴い元の状態に復帰可能とする機能のことを「主制御バックアップ機能」ともいう。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ49aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられており、特定領域39を通過した遊技球を検知するものである。非特定領域センサ49aは、第2大入賞口35内の非特定領域(図示せず)に設けられており、第2大入賞口35に入球した遊技球のうち非特定領域を通過した遊技球(つまり、特定領域39を通過しなかった遊技球)を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
またソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。尚、カードユニット135は、パチンコ遊技機1の一端側(通常は図1紙面左側)に隣接して設置され、遊技者が所定の球貸出操作を行うことで、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするものである。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM(記憶手段)、ワークメモリとして使用されるRAM(記憶手段)、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112のハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
払出制御用マイコン116のRAM(「払出制御RAM」ともいう)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域や、電源電圧の低下を検知した場合にその時の遊技球(賞球、貸球)の払出状況等を示す払出情報(遊技に関する情報)を記憶保持するバックアップ領域(「払出制御バックアップ領域」ともいう)等が設けられている。この払出制御バックアップ領域は、前述した主制御バックアップ領域と同様の機能を果たすものである。
例えば、遊技球(賞球又は貸球)の払い出し動作中に電力供給が停止した場合、それまでに払い出した遊技球の数(払出数)を示す情報や払い出しが完了していない残り払出数を示す情報等、予め定められたバックアップ対象(記憶保持の対象)とされている払出制御用の情報(「払出制御バックアップ情報」ともいう)が、払出制御バックアップ領域に保持される。その後、本パチンコ遊技機1への電力供給が再開されると、払出制御バックアップ領域に記憶保持された払出制御バックアップ情報に基づいて、遊技球の払い出しが再開される。これにより、遊技者が損害を蒙るのを防ぐことが可能となっている。
このように払出制御バックアップ情報を払出制御バックアップ領域に記憶保持することが可能な払出制御RAMは「記憶保持手段」としても機能する。また、電力供給の停止に伴い払出制御バックアップ情報を払出制御バックアップ領域に記憶保持し、電力供給の開始(再開)に伴い元の状態に復帰可能とする機能のことを「払出制御バックアップ機能」ともいう。
また、主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
また、図5Aに示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM(記憶手段)、ワークメモリとして使用されるRAM(記憶手段)、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。
演出制御用マイコン91のRAM(「副制御RAM」ともいう)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域や、電源電圧の低下を検知した場合にその時の遊技状態や演出状態等を示す情報(遊技に関する情報)を記憶保持するバックアップ領域(「副制御バックアップ領域」ともいう)等が設けられている。この副制御バックアップ領域は、前述した主制御バックアップ領域や払出制御バックアップ領域と同様の機能を果たすものである。
例えば、変動演出や大当り遊技演出、予告演出等の各種演出の実行中に電力供給が停止した場合、その実行中の演出に係る実行パターンを示す情報、大当り遊技に係る現在のラウンド数や残りラウンド数を示す情報、確変遊技や時短遊技が終了するまでの残り変動回数を示す情報等、予め定められたバックアップ対象(記憶保持の対象)とされている演出制御用の情報(「副制御バックアップ情報」ともいう)が、副制御バックアップ領域に保持される。その後、本パチンコ遊技機1への電力供給が再開されると、副制御バックアップ領域に記憶保持された副制御バックアップ情報に基づいて、遊技演出が再開される。例えば、大当り遊技中に電力供給が停止して復旧した場合、その大当り遊技に係るラウンド数表示を含むラウンド演出が表示画面7a上で再開される。また、時短遊技中に電力供給が停止して復旧した場合、その時短遊技に係る背景画像の表示(演出モード表示)や時短終了までの残り変動回数の表示が表示画面7a上で再開される。さらに、保留先読み予告の実行中に電力供給が停止して復旧した場合、その保留先読み予告に係る予告演出表示が表示画面7a上で再開される。このような副制御バックアップ領域の存在により、パチンコ遊技機1の演出状態を早期に復帰(復旧)させることが可能となっている。
このように副制御バックアップ情報を副制御バックアップ領域に記憶保持することが可能な副制御RAMは「記憶保持手段」としても機能する。また、電力供給の停止に伴い副制御バックアップ情報を副制御バックアップ領域に記憶保持し、電力供給の開始(再開)に伴い元の状態に復帰可能とする機能のことを「副制御バックアップ機能」ともいう。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、副制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や可動演出、音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する前述の演出用部品(演出部)に実行させる制御を行う演出制御手段(演出実行手段)として機能するものである。
副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置71)、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a、及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM(記憶手段)は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM(記憶手段)には、画像表示装置に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出し、その読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。このことから、画像制御用マイコン101(画像制御部100)は表示制御手段として機能するといえる。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示にあわせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。
このような表示器が設けられるのは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、盤可動装飾部材14(盤可動役物)を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄、第1演出保留表示部又は第2演出保留表示部の一部又は全部が視認できない状態になることがあり得るからである。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えてVDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、副制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROMに音響データを格納してもよい。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された枠可動装飾部材13や盤可動装飾部材14を動作させる。前述したように、枠可動装飾部材13は前面枠51に設けられ、盤可動装飾部材14はセンター装飾体10に設けられており、これら可動装飾部材は可動式のいわゆるギミックのことである。
演出制御用マイコン91は、枠可動演出の実行に際し、枠可動装飾部材13を所定の駆動態様(動作態様)で駆動(動作)させるための第1動作パターンデータ(「第1駆動データ」ともいう)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した第1動作パターンデータに基づいて枠可動装飾部材13の動作を制御する。また、演出制御用マイコン91は、盤可動演出の実行に際し、盤可動装飾部材14を所定の駆動態様(動作態様)で駆動(動作)させるための第2動作パターンデータ(「第2駆動データ」ともいう)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した第2動作パターンデータに基づいて盤可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
ここで、枠可動装飾部材13や盤可動装飾部材14の動作は、ステッピングモータ等の電気的駆動源を含む駆動機構(図示せず)により行われる。したがって、前述の第1動作パターンデータ(第1駆動データ)や第2動作パターンデータ(第2駆動データ)は、それら電気的駆動源を駆動させるための駆動パターンともいえる。また、枠可動装飾部材13を動作させる駆動機構(図示せず)を含めて「枠可動演出手段」ということができ、同様に、盤可動装飾部材14を動作させる駆動機構(図示せず)を含めて「盤可動演出手段」ということができる。
また、副制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチから副制御基板90に対して信号が出力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。また、演出ボタン検知スイッチは、本パチンコ遊技機1の表面側から操作可能な演出操作部(第2操作部)としての演出ボタン63による操作を検知することが可能な演出操作検知手段(第2操作検知手段)として機能する。
このように、本実施例のパチンコ遊技機1は、当該遊技機の各種動作を制御する主制御基板80(主制御部)、副制御基板90(副制御部)、画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)及び払出制御基板110(払出制御部)を備えている。これら基板のうち、遊技の進行に係る制御を行う主制御基板80のことを「遊技制御手段」ともいう。また、遊技演出全般に係る制御を行う副制御基板90のことを「演出制御手段」ともいい、画像表示装置7等の表示制御を行う画像制御基板100のことを「表示制御手段」ともいい、スピーカ67の音出力に係る制御を行う音声制御基板106のことを「音制御手段」ともいい、盤面ランプ5や枠ランプ66等の発光に係る制御を行うランプ制御基板107のことを「光制御手段」ともいう。また、遊技球の払い出しに係る制御を行う払出制御基板110(払出制御部)のことを「払出制御手段」ともいう。
上述の各制御基板には、図5Bに示すように、電源基板109から電力が供給される。電源基板109には、主制御基板80、副制御基板90、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び払出制御基板110の各々の駆動に必要な電力を生成して各基板に供給する電源供給回路109a(電力供給手段)と、供給電力の電圧値の低下(電源断)を監視する電源断監視回路109b(電力監視手段)と、主制御基板80、副制御基板90、画像制御基板100及び払出制御基板110の各CPUにリセット信号を出力するリセット信号回路109c(リセット信号出力手段)と、前述のバックアップ機能を備える主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110の各RAM(記憶保持手段)にバックアップ用の電力を供給するためのバックアップ電源109d(記憶保持手段)が設けられている。
電源基板109は、電源コード(図2を参照)を介して外部電源と接続され、例えばAC24Vの電源がパチンコ遊技機1(電源基板109)に供給される。電源基板109には図示しない電源スイッチが設けられており、該スイッチのON/OFF操作により電源のON(入)/OFF(切)を切り換えることが可能とされている。電源スイッチは、本パチンコ遊技機1の裏面側から操作可能に設けられた操作部(第1操作部)であり、本パチンコ遊技機1が設置された遊技ホールの管理者等が操作するものである。換言すると、電源スイッチは、遊技者が操作するものではない。
電源スイッチをONすると、主制御基板80、副制御基板90、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び払出制御基板110等に供給される電力が電源供給回路109aにより生成され、各制御基板に供給される。具体的に、電源供給回路109aは、DC12VやDC5V等の直流電圧を生成し、各制御基板に供給する。したがって、電源基板109(電源供給回路109a)は電力供給手段として機能するといえる。尚、図5Bには、電源基板109(電源供給回路109a)からの電力の供給を受ける主要な制御基板を示しているが、その他、発射制御基板111(図5Aを参照)や、各制御基板に接続された各種電気部品(センサ、装置等)にも、それらの駆動に必要な電力が供給される。
電源監視回路109bは、電源供給回路109aにより供給される電力の電圧値が一定の電圧値以下となったことを検知した場合に、主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110の各CPUに対して電源断信号を出力する。各CPUは、電源断信号の入力があると、電源断(電力供給停止)に備えて各種処理(「電源断時処理」ともいう)を実行する。また、主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110は、前述したようにバックアップ機能を備えているため、それらの各CPUは、各々に対応した遊技に関する情報(主制御バックアップ情報、副制御バックアップ情報、払出制御バックアップ情報)をRAMのバックアップ領域に記憶(保持)する処理(「バックアップ処理」ともいう)を実行する。
リセット信号回路109cは、電源監視回路109bからの電源断信号を受けると、主制御基板80、副制御基板90、画像制御基板100及び払出制御基板110の各CPUに対してリセット信号(システムリセット信号)を出力する。リセット信号回路109cからのリセット信号は、主制御基板80、副制御基板90、画像制御基板100及び払出制御基板110の各々に設けられたリセット入力回路を介して、各CPUのリセット端子に入力される。各CPUは、リセット信号の入力に基づいてリセット状態となり、その後、動作を停止する。尚、ここでいうリセット状態は、CPUのシステムリセットが行われる状態(システムリセット状態)を意味する。
ここで、主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110の各CPUは、電源断信号の入力に基づいてバックアップ処理を実行するが、そのバックアップ処理に必要な時間を確保するため、主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110の各CPUにリセット信号が入力するタイミングを、リセット入力回路によって所定時間遅らせるように構成されている。つまり、主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110のリセット入力回路は、リセット信号の入力を遅延させる遅延回路(図示せず)を含んで構成されている。遅延回路(遅延手段)は、例えば、抵抗とコンデンサとを用いたRC回路やディレイタイマ回路等により構成される。これにより、バックアップ処理の完了後にCPUをリセット状態として、CPUの動作を停止させることが可能となっている。
リセット信号回路109cから出力されるリセット信号は、電源供給回路109aにより供給される電力の電圧値が一定の電圧値以下となった場合に、CPUをリセット状態とするローレベル(第1レベル)で出力され、一定の電圧値を超えている場合には、CPUのリセット状態を解除するハイレベル(第2レベル)で出力される。したがって、リセット信号回路109cは、電源監視回路109bからの電源断信号を受けると(供給電力の電圧値が一定の電圧値以下になると)、リセット信号をハイレベルからローレベルに変化させて出力する。つまり、供給電力の電圧値が一定の電圧値以下になると、リセット信号の入力レベルがローレベルとなり、一定の電圧値を超えると、リセット信号の入力レベルがハイレベルとなる。
そして、バックアップ機能を備える主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110については、リセット入力回路(遅延回路)の作用により、ハイレベルからローレベルに変化したリセット信号のCPUへの入力タイミング(リセットタイミング)が、当該CPUに電源断信号が入力したとき(電圧値が一定の電圧値以下となったとき)よりも所定時間遅れるようになっている。これにより、供給電力の電圧値が低下して一定の電圧値以下になったとしても、CPUが直ちにリセット状態となることはなく、バックアップ処理等の電源断に備える時間を確保することが可能となる。つまり、電源断信号が入力してから所定時間内にバックアップ処理が完了するようになっている。
また、電源スイッチをOFFからONに切り換えて電源を投入したり、停電から復帰したりする等して、電源供給回路109aによる電力の供給が開始されると、リセット信号回路109cから各CPUに対してリセット信号がローレベルで出力され、その間、CPUはリセット状態となる。そして、電力の供給が開始され、当該供給電力の電圧値が一定の電圧値を超えると、リセット信号がローレベルからハイレベルに変化して、CPUのリセット状態が解除される。これにより、CPUは動作可能状態となり、起動されることとなる。
ここで、主制御基板80については、供給電力の電圧値が一定の電圧値を超えてから所定時間経過後に、CPUに入力するリセット信号がハイレベル(リセット解除)となるように構成されており、その他の基板については、CPUに入力するリセット信号がハイレベルとなるタイミング(リセット解除タイミング)を、主制御基板80よりも早くしている。つまり、主制御基板80のCPUのリセット解除タイミングは、副制御基板90、画像制御基板100及び払出制御基板110の各CPUのリセット解除タイミングよりも遅くなるように構成されている。このため、主制御基板80、副制御基板90、画像制御基板100及び払出制御基板110の各CPUの起動順序は、主制御基板80が最も遅いものとなる。こうすることで、主制御基板80からの制御信号(コマンド等)を、副制御基板90や払出制御基板110等の他の制御基板(従制御基板)が取りこぼすのを防ぐことが可能となる。本実施例では、このように主制御基板80のCPUにハイレベルのリセット信号が入力するタイミングを他の基板より遅らせるための遅延回路(図示せず)も設けられている。
尚、ローレベル(第1レベル)で出力されるリセット信号のことを「第1リセット信号」ともいい、ハイレベル(第2レベル)で出力されるリセット信号のことを「第2リセット信号」や「復電信号」ともいう。
バックアップ電源109dは、電源供給回路109aにより供給される電力の電圧値が一定の電圧値以下となった場合(電力の供給が停止した場合)に、その後も、バックアップ機能を備える主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110の各RAMに対して電力を供給する。このバックアップ電源109dは、所定容量のコンデンサにより構成されるもので、主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110の各RAMに対してバックアップ用の電力(例えばDC5V)を常に供給している。このため、電源供給回路109aからの電力供給が停止しても、バックアップ電源109dからの電力供給により、各RAMの記憶領域(ワークメモリ)に記憶されている遊技に関する情報(遊技状態、払出状況、演出状態等を示す情報)をバックアップ領域に記憶保持(バックアップ)することが可能となる。
また副制御基板90には、図5Aに示すように、リアルタイムクロック(以下「RTC」と表記する)92が実装されている。RTC92は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測することが可能な計時手段として機能するものである。このRTC92は、パチンコ遊技機1に電力が供給されているとき、すなわち、電源供給回路109aからの電力供給が行われているとき(電源ON時)にはその電力によって動作し、電源供給回路109aからの電力供給が停止されているとき(電源OFF時)には、バックアップ電源109dからの電力供給(バックアップ電源)により動作する。このため、RTC92は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないとき(電力供給停止時)にも現在の日時を計測して出力することが可能となっている。また、RTC92は、副制御RAMの記憶内容が消去(RAMクリア)されたとしても、その影響を受けることなく、現在の日時を計測して出力することが可能となっている。尚、RTC92に電力を供給する機能(RTC電源供給部)を副制御基板90に設けてもよい。この場合のRTC電源供給部としては、例えば、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を採用することができる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、演出制御用マイコン91による制御のもと、RTC92による計時の結果に基づいて特別な演出(「特別演出」や「RTC演出」ともいう)を実行することが可能となっている(特別演出実行手段)。この点については後述する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。特別図柄当否判定の結果として、「大当り」、「小当り」及び「外れ」がある。特別図柄当否判定の結果が「大当り」のときには、特別図柄表示部に「大当り図柄」が停止表示され、「小当り」のときには、特別図柄表示部に「小当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには、特別図柄表示部に「外れ図柄」が停止表示される。大当り又は小当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類に応じた開放パターンにて、第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」といい、小当りとなって実行される特別遊技を「小当り遊技」という。
当りには複数の種別がある。図6に示すように、大当りの種別としては、「15R(ラウンド)第1大当り」、「15R第2大当り」、「15R第3大当り」、「2R第4大当り」、「15R第5大当り」および「15R第6大当り」の6種類の大当りがある。
「15R第1大当り」および「15R第5大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であり、1ラウンド目と2ラウンド目に、特定領域39への遊技球の通過(V通過)が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。この特定領域39への遊技球の通過を狙うラウンドのことを「Vラウンド」や「チャンスラウンド」ともいう。
「15R第2大当り」、「15R第3大当り」および「15R第6大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が15回であるものの、前述のVラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目の開放時間が極短時間(一瞬開閉)で、特定領域39への遊技球の通過が困難(不可能としてもよい)な大当りである。すなわち、これらの大当りは、特定領域39への遊技球の通過が可能(容易)な態様で第2大入賞口35を開放させることのない大当りであるといえる。
「2R第4大当り」は、大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)の開放回数(ラウンド数)が2回であり、Vラウンドである1ラウンド目と2ラウンド目に特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる大当りである。但し、第2大入賞口35の開放時間が1ラウンド目と2ラウンド目を合わせても1.8秒であるので、15R第1大当りより特定領域への遊技球の通過可能性が低いものとなっている。
本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、特別図柄当否判定の結果が15R第1大当りまたは15R第5大当りとなった場合には、特定領域39への遊技球の通過可能性が極めて高い態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。また、特別図柄当否判定の結果が2R第4大当りとなった場合には、15R第1大当りや15R第5大当りほどではないものの特定領域39への遊技球の通過可能性がある態様で1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドが実行されるため、当該大当り遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができれば、大当り遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させることができる。
これに対して、特別図柄当否判定の結果が15R第2大当り、15R第3大当り又は15R第6大当りとなった場合には、1ラウンド目と2ラウンド目のVラウンドの開放時間が各0.1秒であるので、第2大入賞口へ遊技球を入球させるのが非常に困難であるので、当該大当り遊技の実行中における特定領域39への遊技球の通過可能性は極めて低くなり(実質的に不可能となり)、その大当り遊技後の遊技状態は、後述の通常状態(低確率状態)となる可能性が非常に高い(低確率状態になるといってもよい)。
一方、小当り(第1小当り、第2小当り)は、見かけ上2R第4大当りと同じ開放パターンで大入賞口(第2大入賞口35)を開放させる当りである。すなわち小当りでは、特定領域39への遊技球の通過が可能な態様で第2大入賞口35を開放させる。しかしながら、小当り遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったとしても、小当り遊技の実行後の遊技状態は小当り遊技の実行前から変化しないものとなっている。そのため、小当り遊技の実行前の遊技状態が通常状態(低確率状態)であれば、小当り遊技の実行後の遊技状態も通常状態となる。そして遊技者から見れば、上記の2R第4大当りと小当りとは大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンを見ても区別することができない。すなわち遊技者は特別図柄当否判定の結果が「2R第4大当り」になったのか「小当り」になったのかを認識するのが困難である。そのため、2R第4大当りとしての特別遊技中(大当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が高確率状態に移行したかどうかを認識するのは困難である。また、小当りとしての特別遊技中(小当り遊技中)に遊技球が特定領域39を通過したとしても、それだけでは、その後の遊技状態が通常状態のままか、高確率状態に移行したかを認識するのは困難である。その結果、小当りとなった場合および2R第4大当りになった場合には、高確率状態であるかもしれないという期待感を持ちつつ遊技を進行することができ、遊技興趣を高めることができる。尚、小当りにおいては大入賞口の開放回数をラウンド数とはいわず、単に開放回数という。
本実施例のパチンコ遊技機1における各大当り及び小当りとなったときの大入賞口の開放パターンは、図6のようになっている。すなわち、15R第1大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第1大当り図柄が停止表示された場合)および15R第5大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第5大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rでは第2大入賞口35を最大28秒開放させ、3R〜15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々28秒あるため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて高いものとなっている。
また、15R第2大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第2大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第3大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに15R第3大当り図柄が停止表示された場合)と、15R第6大当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに15R第6大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rでは第2大入賞口35を最大0.1秒開放させ、3R〜15Rでは第1大入賞口30を最大28秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目における第2大入賞口35の開放時間が夫々最大0.1秒と極短時間とされている(一瞬開閉)ため、そのラウンド中(Vラウンド中)に遊技球が特定領域39を通過することはほぼ不可能となっている。
このように、本実施例では、15R第2,第3,第6大当り用の開放パターンと、15R第1,第5大当り用の開放パターンとを比べた場合、第1ラウンドおよび第2ラウンド(Vラウンド)の開放態様が異なっている。そして、15R第1,第5大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が28秒開放するため、当該Vラウンドでは、球詰まりや遊技球発射系のトラブル等が発生しない限り、略確実に遊技球が第2大入賞口35に入球して、高い確率で特定領域39を通過することとなる。これに対して、15R第2,第3,第6大当りでは、1ラウンド目と2ラウンド目に第2大入賞口35が0.1秒しか開放しない。そのため、第2大入賞口35に遊技球が入球することは非常に困難である。従って、15R第2,第3,第6大当りに係る大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は、15R第1,第5大当りと比較してかなり低くなっており、実質的には通過不可能といってもよい。
尚、特定領域39への遊技球の通過可能性(V通過可能性)が極めて高い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V通過予定大当り」ともいい、V通過可能性が極めて低い態様でVラウンドが実行される大当りのことを「V非通過予定大当り」ともいう。
また、図6に示すように、2R第4大当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに2R第4大当り図柄が停止表示された場合)には、1R〜2Rまで第2大入賞口35を最大0.9秒開放させる。この当りでは、1R目と2R目の第2大入賞口35の開放時間の合計が最大で1.8秒となるため、そのラウンド中に遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。本実施例の本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で1個の遊技球が発射されるようになっているので、第2大入賞口35の開放時間が1.8秒あれば、第2大入賞口35へ遊技球を入球させて特定領域39への遊技球の通過を狙うことは十分に可能である。但し、2R第4大当りは、第2大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、他の15R大当りのように多くの賞球(遊技利益)を望めるものではない。すなわち他の大当りに比してほとんど賞球の獲得できない大当りである。
また、第1小当りとなった場合(第1特別図柄表示器41aに第1小当り図柄が停止表示された場合)と、第2小当りとなった場合(第2特別図柄表示器41bに第2小当り図柄が停止表示された場合)には、第2大入賞口35の最大0.9秒間の開放を2回行う。すなわち、2R第4大当りと同じ開放パターンにて大入賞口を開放させる。この小当りにおいても、第2大入賞口35の開放時間が合計1.8秒あるため、遊技球を第2大入賞口35に入球させて特定領域39を通過させることが可能となっている。しかし、前述の通り、小当り遊技にて特定領域39への通過があっても、小当り遊技の前後で遊技状態の変化はない。また、小当り遊技では、大入賞口の総開放時間が1.8秒と短いため、2R第4大当りと同様に多くの賞球を望めるものではない。すなわち小当りは、遊技状態の移行という点についても、賞球という点についても、遊技者にとっての特典がほぼ無いもの(入球による賞球のみ)となっている。
本実施例では、第2大入賞口35の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能(通過容易)な第1の開放パターンと(15第1大当り、15R第5大当り)、遊技球が特定領域39を通過困難(通過不能)な第2の開放パターンと(15R第2大当り、15R第3大当り、15R第6大当り)、遊技球が特定領域を通過可能であって第1の開放パターンより通過可能性が低い第3の開放パターンと(2R第4大当り)、を有するものとすることができる。また、小当り用の開放パターンとして、遊技球が特定領域39を通過可能であるが通過した場合であっても特典を付与しない(高確率状態を発生しない)第4の開放パターンを有するものとすることができる。この第4の開放パターンは、他の態様として特定領域39を通過不能な開放パターンとしてもよい。
尚、第1特別図柄(特図1)の当否判定における各大当りへの振分確率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている(図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定における大当りは、15R第5大当りが80%、15R第6大当りが20%となっている(図6の大当り種別決定用乱数の欄を参照)。この振分確率は、大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性、すなわち高確率状態となる確率を表しているものといえ、また、後述の開放延長機能が作動する高ベース状態となる確率を表しているものといえる。
すなわち、高確率状態となる確率については、第1始動口20への入球に基づく当否判定(第1特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は少なくとも40%となっており、2R第4大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する場合を含めると、その確率は50%となっている。一方、第2始動口21への入球に基づく当否判定(第2特別図柄当否判定)で大当りとなった場合、その確率は80%となっている。
また、高ベース状態となる確率については、開放延長機能が作動していない遊技状態(低ベース状態)において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は60%となっており、高ベース状態において第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合の2R第4大当りを含めると、その確率は70%となっている。一方、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合、その確率は100%となっている。そして、第2特別図柄当否判定で大当りとなった場合には、第1特別図柄当否判定で大当りとなった場合に発生し得る2R大当りが発生することはなく、必ず15R大当りとなる。
このように本実施例のパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる第1特別図柄当否判定(第1特別図柄の大当り抽選)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる第2特別図柄当否判定(第2特別図柄の大当り抽選)において大当りとなる方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、高確率状態になる確率や高ベース状態になる確率、さらには15R分の賞球を獲得できる可能性が高くなっている。つまり、第2特別図柄当否判定で大当りとなる場合の方が、第1特別図柄当否判定で大当りとなる場合に比べ、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されており、第2特別図柄を変動表示させた方が、第1特別図柄を変動表示させるよりも遊技者にとって有利に働く可能性が高いものとなっている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行うこととなる。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中(高ベース状態)においては顕著である。尚、前述の振分確率は一例であり、遊技性やスペック等を考慮して任意に設定することができる。
また、本実施例では、第2特別図柄を第1特別図柄に比して優位にしていることから、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示が共に実行可能な場合、すなわち、第1特図保留と第2特図保留が共に「1」以上存在する場合には、第2特別図柄の変動表示(第2特図保留の消化)を第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)に優先して行うものとしている。これにより、第2始動口21への入球頻度が高まる高ベース状態は、第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まるので、遊技者にとって有利に遊技を進めることが可能な状態といえる。にもかかわらず、高ベース状態で第1特別図柄の変動表示が行われることは、遊技者にとっては、せっかくの有利な状態(高ベース状態)での遊技に水を差されることとなり、第1特別図柄の変動表示は第2特別図柄の変動表示に比べ不利に働く可能性もあることから、高ベース状態での第1特別図柄の変動表示は、遊技者にとって望ましいことではないといえる。
ここで、特別図柄の停止表示の態様として、大当り図柄のことを「特定態様」や「特定表示結果」ともいい、小当り図柄のことを「所定態様」や「所定表示結果」ともいい、外れ図柄のことを「非特定態様」や「非特定表示結果」ともいう。また、高ベース状態の設定契機とならない大当り図柄(15R第3大当り図柄、低ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第1特定態様」や「第1特定表示結果」ともいい、高ベース状態の設定契機となる大当り図柄(15R第1,第2,第5,第6大当り図柄、高ベース状態での2R第4大当り図柄)のことを「第2特定態様」や「第2特定表示結果」ともいう。また、特別図柄が変動表示する際の遊技状態として、開放延長機能が作動しない遊技状態(低ベース状態)のことを「第1遊技状態」ともいい、開放延長機能が作動する遊技状態(高ベース状態)のことを「第2遊技状態」ともいう。
本パチンコ遊技機1では、大当りか、小当りか、外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄に対する確率変動機能、普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態に制御可能とされている。特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常状態(「低確率状態」ともいう)」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行い、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が通常状態よりも多い高確率状態用の当り判定テーブルを用いて当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の表示結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなる。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能は同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。つまり、普通図柄についての確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動表示の表示結果が当りとなる(停止図柄が普通当り図柄となる)確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21への遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、15R第1,第5大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当りに当選して当該大当りに係る特別遊技(大当り遊技)が開始されることにより終了する。
また、15R第2,第6大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過することは極めて困難であることから特別図柄の低確率状態となり、これに加えて特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当りに当選して当該大当りに係る特別遊技(大当り遊技)が開始されることにより終了する。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第2,第6大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「高確高ベース状態」となる。また、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第1,第5大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過しなかった場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は「低確高ベース状態」となる。
また、15R第3大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過する可能性は極めて低いことから、特別図柄の低確率状態となり、これに加えて特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態は、本パチンコ遊技機1において基本となる遊技状態、すなわち初期の遊技状態(通常遊技状態)である。尚、可能性は限りなく低いが、仮に、15R第3大当りに係る大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過した場合には、その大当り遊技終了後の遊技状態は、後述の「高確低ベース状態」となる。
また、低確低ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確低ベース状態」という。高確低ベース状態は、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、所定回数(本例では100回)の特別図柄の変動表示が実行されるまでに大当りに当選して当該大当りに係る特別遊技(大当り遊技)が開始されることにより終了する。
この高確低ベース状態は、高確率状態であることが潜伏している状態、すなわち高確率状態であることが遊技者にとって認識困難な状態である。つまり高確低ベース状態は、いわゆる「潜伏確変状態(「確率非報知状態」ともいう)」である。これに対して、上記の高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態である。つまり高確高ベース状態は、いわゆる「確変遊技状態」である。
また、高ベース状態において、2R第4大当りとなった場合の大当り遊技終了後の遊技状態は、その大当り遊技中に遊技球が特定領域39を通過していれば「高確高ベース状態」となる(図6を参照)。すなわち、特別図柄の時短機能およびベース状態については、大当り遊技の実行前の状態と同じ状態とされる。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。そのため、高ベース状態では、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行うことで、左打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域へ発射すべきことを報知する。
これに対して、高確低ベース状態や低確低ベース状態といった低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、低ベース状態では、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行うことで、右打ちを行うよりも、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域へ発射すべきことを報知する。
具体的には発射方向表示器47は、「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1においては、小当り遊技や大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準とすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」もしくは「通常状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「通常遊技」として捉えることができる。
そして、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により多量の賞球を得ることが可能な有利な遊技であることから、大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができ、当該大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができる。
また、小当り遊技は、大当り遊技ほどではないものの、大入賞口(第1大入賞口30、第2大入賞口35)への遊技球の入球により賞球を得ることは可能なので、一応は、通常遊技に比べ遊技者に有利な遊技といえる。よって、小当り遊技も「特別遊技」として捉えることができ、当該小当り遊技が行われる遊技状態も「特別遊技状態」として捉えることができる。尚、大当り遊技としての特別遊技と、小当り遊技としての特別遊技を区別するため、小当り遊技としての特別遊技を「小利益特別遊技」として捉えることもできる。
[主制御メイン処理]
次に、図10A〜図38に基づいて、遊技制御用マイコン81の動作(主制御部による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオン(電源投入)され、リセット信号(図5Bを参照)の入力レベルがハイレベルになると、図10Aに示す主制御メイン処理のプログラムを主制御基板80のROMから読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理ではまず、後述する初期設定処理を行う(S101)。初期設定処理(S101)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定処理(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定処理(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、後述する割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[初期設定処理]
次に、初期設定処理(S101)について説明する。図10Bに示すように、初期設定処理(S101)ではまず、割り込みを禁止して(S3001)、スタック領域を確保するためのスタック領域を設定するスタックポインタ設定処理を行う(S3002)。次いで、割り込みモードを設定する割り込み設定処理(S3003)、CTC(カウンタ・タイマ・サーキット)やPIO(周辺機器インターフェイス)等、各種内蔵デバイスの設定を行う内蔵デバイス設定処理を行う(S3004)。
次いでS3005では、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定する(S3005)。本実施例のRAMクリアスイッチ(図示せず)は、電源基板109に設けられるもので、押しボタン式のスイッチにより構成されている。尚、RAMクリアスイッチを主制御基板80に設けることも可能である。
S3005で、RAMクリアスイッチがOFFであると判定した場合(S3005でNO)、すなわち、RAMクリアスイッチが押圧操作されることなく電源スイッチがON(電源投入)された場合、電源断フラグがONであるか否かを判定する(S3006)。その結果、電源断フラグがONであると判定した場合(S3006でYES)、主制御RAMのバックアップ領域(主制御バックアップ領域)に関してRAMのチェックデータを算出する(S3007)。RAMのチェックデータは、入力ポートの状態、電源断フラグの値及び電源断時に保護したRAM領域の内容を1バイトごとに加算した後、全ビットを反転して算出される。
次いで、S3007で算出したチェックデータと電源断時にRAMに保存されたRAMの保存チェックデータとを比較して、チェックデータが正常であるか否かを判定する(S3008)。S3008では、S3007で算出したRAMのチェックデータと、電源断時に保存したチェックデータとが一致する場合に、チェックデータが正常であると判定する。その結果、チェックデータが正常であると判定した場合(S3008でYES)、電源断時に主制御バックアップ領域に保存(記憶保持)したバックアップデータ(主制御バックアップ情報)は正常であるため、電源復旧処理を行う際に使用するRAMの領域(バックアップ領域等)以外の領域を初期化(ゼロにクリア)して、電源断発生時の遊技状態(確率状態、時短状態、保留数、特別図柄ステータス、普通図柄ステータス等)を復元(復旧)する(S3009)。
次いで電源断フラグをOFFして(S3010)、電源断復旧時の電源投入コマンド(電源断復旧コマンド)を副制御基板90に送信し(S3011)、処理を終える。尚、「電源断復旧コマンド」には、遊技状態(低確率状態、高確率状態、時短中か否か、ステータス情報等)に応じた設定値が含まれ、この設定値に基づいて副制御基板90の制御状態も電断発生時(電断発生前)の制御状態に復帰する。
一方、前述のS3005にてRAMクリアスイッチがONであると判定した場合(S3005でYES)、すなわち、RAMクリアスイッチが押圧操作された状態で電源投入された場合や、前述のS3006にて、電源断フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S3006でNO)、あるいは、前述のS3008でRAMのチェックデータが正常でない(異常である)と判定した場合(S3008でNO)には、主制御RAMの全領域(バックアップ領域を含む)を初期化して記憶内容を消去し(S3012)、RAMクリアコマンドを副制御基板90に送信して(S3013)、処理を終える。RAMクリアコマンドを副制御基板90が受信すると、RAMの初期化(RAMクリア)がなされた旨の報知等が実行される。
ここで、電源スイッチがOFFとなっている状態でRAMクリアスイッチを押圧(ON)し、その押圧を解かずに電源スイッチをONして、RAMクリアスイッチを押圧したままの状態が所定時間続くと、電源基板109から主制御基板80のCPUにRAMクリア信号が出力され、バックアップ領域を含む全RAM領域が初期化されてRAM(記憶手段)の記憶内容が消去される(S3012)。前述のS3005によるRAMクリアスイッチがONであるか否かの判定は、電源基板109からのRAMクリア信号の入力有無に基づいて行われる。そして、S3012によるRAMの初期化(記憶内容の消去)が行われる場合、副制御基板90及び払出制御基板110のRAMについても同様に初期化されて記憶内容が消去される。副制御基板90及び払出制御基板110のRAMの初期化(RAMクリア)は、電源基板109からのRAMクリア信号を副制御基板90及び払出制御基板110に対しても出力する(入力させる)ようにして、そのRAMクリア信号の入力に基づいて行われる構成とすることができる。また、副制御基板90のRAMの初期化は、前述のS3013により送信されるRAMクリアコマンドの受信に基づいて行われる構成とすることができる。本実施例では、主制御基板80から副制御基板90に対してRAMクリアコマンドを送信する構成(S3013)を採用していることから、RAMクリアコマンドに基づいて副制御基板90のRAMの初期化を行うこととしている。これにより、電源基板109からのRAMクリア信号を副制御基板90に出力する(入力させる)ための信号線を設けなくてもよい。
一方、RAMクリアスイッチを押圧せずに電源スイッチをONした場合には、バックアップ領域に保存(記憶保持)されている遊技状態等を示す情報(バックアップ情報)に基づいて、電源断時の状態(制御状態)が復旧される(S3009)。これにより、例えば、遊技中に不測の停電等が発生したとしても、電力供給が開始(再開)された際に、遊技途中の状態(制御状態)を復旧させることが可能となり、遊技者が不測の損害を蒙るのを防止することが可能となる。
尚、RAMクリアスイッチ(図示せず)は、電源スイッチと同様、本パチンコ遊技機1の裏面側から操作可能に設けられるものであり、RAM(記憶手段)の記憶内容を消去(初期化)するために操作される消去操作部(第1操作部)として機能するものである。また、遊技制御用マイコン81によるS3005の処理は、RAMクリアスイッチ(第1操作部)による操作を検知可能な第1操作検知手段として機能するものであり、同S3012の処理は、主制御RAM(記憶手段)の記憶内容を消去可能な消去手段として機能するものである。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。コマンドは、例えば2バイトの情報からなるもので、上位1バイトはコマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主に主制御基板80に接続されている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、一般入賞口センサ27a等。図5Aを参照。)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、第1始動口センサ20aや第2始動口センサ21aが遊技球を検知した場合、後述の始動入球時処理(S205)により、各始動口に対応する始動入球コマンドをRAMの出力バッファに記憶する。さらに、下皿62の満杯を検知する下皿満杯スイッチからの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10Aに示した主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、特定領域センサ検知処理(S208)、保留球数処理(S209)および電源断監視処理(S210)を実行する。この他、遊技を進行させる上で必要な処理を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまで主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10Aを参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終え、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には処理を終え、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、前述の始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317の処理は、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1309)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。尚、大当り信頼度とは、特別図柄当否判定の結果が大当り(特定結果)となる可能性のことを意味し、「大当り期待度」ともいい、単に「信頼度」や「期待度」ともいう。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのまま副制御基板90に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、前述の始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1609)に先立って行うものである。
ここで、高ベース状態では、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するものとしている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このことから本実施例では、特図1保留に係る事前判定(特図1事前判定)を、第1特別図柄の変動表示が主として行われる低ベース状態だけで行うこととし、特図2保留に係る事前判定(特図2事前判定)については、低ベース状態であるか高ベース状態であるかを問わず行うこととしている。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、後述するように、大当り遊技中は低確低ベース状態に制御されるが、大当り遊技中に遊技球が第1始動口20に入球して特図1保留球数が「1」増加したとしても、S321〜S323の処理(特図1事前判定処理)は行わないものとなっている。
[普図動作処理]
図14に示すように、普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42および可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、普図動作ステータスが「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、普図動作ステータスが「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、普図動作ステータスが「3」である場合には(S401,S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、普図動作ステータスが「4」である場合には(S401,S403,S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスの初期設定(デフォルト)は「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理(S505)では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。
一方、S602にて時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。S605では、普図当否判定(S603,S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、外れであると判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)であると判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1デクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域をゼロクリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S902)。そして、時短状態であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、時短状態でない、すなわち非時短状態であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。こうして可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンをセットしたら、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1デクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに普図当り終了フラグをセットして(S1010)、この処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、さらに普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)、この処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4、5」を割り当てている。そして、特図動作ステータスが「1」である場合(S1101でYES)には特別図柄待機処理(S1102)、特図動作ステータスが「2」である場合(S1101でNO、S1103でYES)には特別図柄変動中処理(S1104)、特図動作ステータスが「3」である場合(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)には特別図柄確定処理(S1106)、特図動作ステータスが「4」である場合(S1101,S1103,S1105で共にNO、S1107でYES)には大当り遊技としての特別電動役物処理1(S1108)、特図動作ステータスが「5」である場合(S1101,S1103,S1105,S1107の全てがNO)には小当り遊技としての特別電動役物処理2(S1109)、をそれぞれ行う。尚、特図動作ステータスの初期設定(デフォルト)は「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶もない場合には、第1画像表示装置7の表示画面7a(及び第2画像表示装置71の表示画面71a)に待機画面を表示中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、表示中であれば(S1211でYES)、本処理を終え、表示中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
一方、S1201において特図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に基づいて取得される乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、特図2保留球数が「0」の場合(S1201でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして、本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。その結果、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち通常状態用の当り判定テーブル(大当り判定値が「3」、「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1309)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値が「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
特図2当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1304でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1310)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1311)、大当りフラグをONにして(S1312)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。そして、第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第1大当り、15R第2大当り及び2R第4大当りのうち何れかとされ、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りと判定した場合は、15R第5大当りまたは15R第6大当りとされる(図8(B)を参照)。
このことに対応して、本実施例では、大当りフラグとして、大当りの種別が15R第1大当り、15R第2大当り、15R第5大当り又は15R第6大当りであった場合にONにする長当りフラグと、2R第4大当りであった場合にONにする短当りフラグと設けている。そして、2R第4大当りとなって短当りフラグがONにされると、2R第4大当り図柄が確定表示するタイミングで、ラウンド表示器45の2R用ランプ(図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R▲15R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第5大当り及び15R第5大当りの何れかとなって長当りフラグがONにされると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、15R用ランプ(図4を参照)の方が点灯表示される。具体的には、「2R△15R▲」の様な表示態様となる。
ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
一方、特図2当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1304でNO)、小当りであるか否かを判定する(S1305)。すなわち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)が、小当り判定値である「101」〜「105」の何れかと一致するか否かを判定する(図8(A)を参照)。そして、「小当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1308)、処理を終える。つまり、特図2当否判定(S1303,S1309)の結果が「大当り」でもなく「小当り」でもない場合は、その結果は「外れ」となる。一方、小当り判定(S1305)の結果が「小当り」であると判定した場合(S1305でYES)、小当り図柄を決定し(S1306)、小当りフラグをONにして(S1307)、処理を終える。尚、小当りか否かを決める乱数を、特別図柄当否判定用乱数とは別に設けてもよい。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。そして、時短状態でなければ(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、大当りフラグがONであるか否かを判定し(S1402)、ONであれば(S1402でYES)、非時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。このとき、変動パターンが決まることで変動時間も決まることとなる。また、本実施例では、非時短状態中大当り用テーブルは、大当りが長当り(15R大当り)か短当り(2R大当り)かによっても分かれている(図9を参照)。しかし、本処理は、特図2についての変動パターン選択処理であり、特図2の抽選(当否判定)にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しない(図6を参照)。したがって、本処理にて参照される箇所は、常に長当りの箇所となり、変動パターンP1またはP2が選択される。尚、非時短状態中大当り用テーブルは、長当り用と短当り用とに分かれていなくてもよい。これは後述の時短状態中大当り用テーブルについても同様である。
一方、大当りフラグがONでなければ(S1402でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1405)。そして、小当りフラグがONであれば(S1405でYES)、非時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP4が選択される。
また、小当りフラグがONでなければ(S1405でNO)、大当りでもなく小当りでもない「外れ」ということになる。この場合、第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1406)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1406でYES)、非時短状態中第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP5〜P8の何れかが選択される。
一方、S1406にて第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1406でNO)、非時短状態中第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1408)。本実施例では、変動パターンP9〜P12の何れかが選択される。
ここで、非時短状態中の第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最短の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。つまり、外れ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能(変動時間短縮機能)が働くようになっており、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「1」又は「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
前述のS1401において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(図25のS1410)。そして、大当りフラグがONであると判定した場合(S1410でYES)、時短状態中大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。前述したように、本処理は、特図2についての変動パターン選択処理であり、特図2の抽選(当否判定)にて当選する大当りには15R第5大当り(長当り)しか存在しないことから(図6を参照)、S1411では、長当りに対応する変動パターンP13またはP14が選択される。
一方、S1410にて大当りフラグがONでないと判定した場合(S1410でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S1412)。そして、小当りフラグがONであれば(S1412でYES)、時短状態中小当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ小当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1416)。本実施例では変動パターンP16が選択される。
また、S1412にて小当りフラグがONでないと判定した場合(S1412でNO)、すなわち外れの場合には、第2特別図柄の保留数が「1」であるか否かを判定する(S1413)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。そして、第2特別図柄の保留数が「1」であると判定した場合(S1413でYES)、時短状態中第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1414)。本実施例では、変動パターンP17〜P20の何れかが選択される。
一方、S1413にて第2特別図柄の保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1413でNO)、時短状態中第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1415)。本実施例では、変動パターンP21〜P24の何れかが選択される。
このように、時短状態中の変動パターンテーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態に該当する部分)では、外れ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が、保留球数「2」〜「4」のときに働く。また、大当りのうち長当りに当選した場合、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターンテーブルは、非時短状態中の変動パターンテーブルよりも特別図柄の変動時間の平均値が短くなるようなテーブルとなっている。これにより、時短状態においては、非時短状態(通常状態)に比して、特図保留の消化スピードが早まる(時短中の遊技が迅速に進行していく)ものとなっている。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理(S1404)を行って、本処理を終える。尚、その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図2対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)により副制御基板90に送られる。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1デクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部がアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域をゼロクリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特別図柄待機処理(S1102)の中の特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
また、図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1612)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部の最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す。またS1610における大当りの種別判定では、15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当り及び2R第4大当りのいずれとも判定される可能性がある(図8(B)を参照)。図8(B)の第1特別図柄(特図1)の欄に示すように、各大当りの振分率は、15R第1大当りが40%、15R第2大当りが20%、15R第3大当りが30%、2R第4大当りが10%となっている。この大当りの種別判定で15R第1大当り、15R第2大当り及び15R第3大当りの何れかと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして長当りフラグをONする。一方、2R第4大当りと判定した場合には、S1612において大当りフラグとして短当りフラグをONする。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1203)と同様の流れで処理(S1701〜S1720)を行う。従って本処理の詳細な説明は割愛する。
但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1702(図28)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)には、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1703)。そして、15R大当り(長当り)である場合には(S1703でYES)、非時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1704)。本実施例では、変動パターンP1またはP2が選択される。
一方、S1703において15R大当りでないと判定した場合(S1703でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、非時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1706)。本実施例では、変動パターンP3が選択される。
また、この特図1変動パターン選択処理では、S1712(図29)でYESの場合(すなわち大当りフラグがONの場合)にも、さらに大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15R第3大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S1713)。そして15R大当り(長当り)である場合には(S1713でYES)、時短状態中15R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ長当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1714)。本実施例では、変動パターンP13またはP14が選択される。
一方、S1713において15R大当りでないと判定した場合(S1713でNO)、即ち2R第4大当り(短当り)である場合には、時短状態中2R大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ短当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1715)。本実施例では、変動パターンP15が選択される。
この特図1変動パターン選択処理において、変動パターンの選択を行った後は、その他の処理(S1705)を行って、この処理を終える。その他の処理(S1705)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンド(特図1対応の変動パターン指定コマンド)をRAMの出力バッファにセットする。セットした変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)により副制御基板90に送られる。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)ではまず、特図1保留球数を1デクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S1802)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域をゼロクリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照。)が経過したか否かを判定する(S1901)。その結果、変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。次いで、確変フラグがONであるか否かを判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFし、S1907の処理に進む。また、確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)または確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)も、S1907の処理に進む。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)または時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)も、S1911の処理に進む。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で特別図柄の変動表示を停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)ではまず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、続いて大当りの種別が15R大当り(15R第1大当り、15R第2大当り、15第3大当り及び15R第5大当りのいずれか)であるか否かを判定する(S2002)。そして、15R大当りであれば(すなわち長当りフラグがONであれば)、大当り遊技中に実行するラウンド(1ラウンド1回開放の態様では、1回のラウンドは大入賞口の開放から閉鎖まで)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を「15」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして(図6を参照)、15R第1大当りであれば15R第1大当り用の開放パターン、15R第2大当りであれば15R第2大当り用の開放パターン、15R第3大当りであれば15R第3大当り用の開放パターン、15R第5大当りであれば15R第5大当り用の開放パターン、15R第6大当りであれば15R第6大当り用の開放パターンを、それぞれセットする(S2003)。
一方、S2002において15R大当りでないと判定した場合(すなわち短当りフラグがONである場合)、大当り種別は2R第4大当りということになるため、ラウンドカウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放パターンとして、2R第4大当り用の開放パターン(図6を参照)をセットする(S2004)。
S2003又はS2004の処理を終えたら、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2005)、大当り遊技のオープニング演出を開始し(S2006)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2007)。
また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、小当りフラグがONであるか否かを判定する(S2008)。その結果、小当りフラグがONであれば(S2008でYES)、小当り遊技中における大入賞口(第2大入賞口35)の開放回数をカウントする小当り用開放カウンタの値を「2」にセットするとともに、大入賞口(第2大入賞口35)の開放パターンとして、小当り用の開放パターン(図6を参照)をセットする(S2009)。そして、小当り遊技を開始するべく、小当りのオープニングコマンドをセットするとともに(S2010)、小当り遊技のオープニング演出を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「5」にセットする(S2012)。一方、S2008において小当りフラグがONでないと判定した場合(S2008でNO)、大当り遊技も小当り遊技も開始しないため、特図動作ステータスを「1」にセットし、処理を終える。
[特別電動役物処理1(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理1(S1108)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、ONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにする(S2102)。また、時短フラグがONであるか否かを判定し(S2103)、ONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにする(S2104)。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低確低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放中であるか否かを判定する(S2106)。開放中でなければ(S2106でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大当りのオープニングの時間が経過して1ラウンド目を開始する時期に至ったか、又は、ラウンド間のインターバルの時間が経過して次ラウンド(次の開放)を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2107)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。尚、ラウンドのことを単に「R」ともいい、また「ラウンド遊技」ともいう。
S2107にてラウンド開始時期でないと判定した場合(S2107でNO)、そのまま処理を終える。一方、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2107でYES)、これから実行(開始)されるラウンドが1ラウンド目及び2ラウンド目の何れかのラウンドに該当するか否か、すなわち、Vラウンドであるか否かを判定する(S2108)。これは、大当り種別毎に、ラウンドカウンタの値を用いて判定してもよいし、別途実行するラウンドが何ラウンド目かをカウントするラウンドカウンタを設けて判定してもよい。
実行されるラウンドがVラウンドでない場合(S2108でNO)、すなわち、3〜15ラウンドの何れかである場合、S2110の処理に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6参照)に従って第1大入賞口30を開放させるべく、第1大入賞装置31を作動させる。一方、実行されるラウンドがVラウンド(1ラウンド目又は2ラウンド目)であると判定した場合(S2108でYES)、V有効期間設定処理(S2109)を行ってからS2110の処理に進んで、大当りの種類に応じた開放パターン(図6を参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく、第2大入賞装置36を作動させる。また、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放する際、すなわちラウンドを開始する際には、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドをセットする。セットしたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
V有効期間設定処理(S2109)では、Vラウンド(本実施例では1ラウンド又は2ラウンド)における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間に相当)に設定する。尚、本実施例ではこれ以外の期間(小当り中や特別遊技を実行していないときも含む)は、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間に相当)に設定している。
ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検知処理のS2401〜S2403を参照)ということであり、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONにしないということである。
すなわち、後述の特定領域センサ検知処理(S208)では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。VフラグがONである場合には、確変フラグがONとされ、大当り遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち不正に高確率状態に設定されることのないようにしている。尚、本実施例では1ラウンドと2ラウンドをVラウンドとし、当該Vラウンドにおいて特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効としているが、Vラウンドの場所はこれに限られない。
また、大当り遊技のVラウンド(1R目または2R目)でV通過があれば、当該大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定する一方、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も通常状態とし、小当り遊技前の遊技状態が高確率状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態も高確率状態とする。つまり、小当り遊技の前後で当否判定確率を変化させないようにしている。
本実施例では、V有効期間設定処理(S2109)において、15R第2,第3大当りである場合にも特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定する期間(第1期間)に設定するが、他の態様として、15R第2,第3大当りの場合は、Vラウンドにおいて第1期間を設定しないものとしてもよい。すなわち、15R第2,第3大当りの場合はVラウンドを第2期間に設定するようにしてもよい。15R第2,第3大当りに係る大当り遊技では、第2大入賞口35の開放時間を0.1秒と極短時間に設定しているため遊技球が第2大入賞口35へ入球する可能性は限りなく低いが、第2期間に設定しておけば、万が一入球した場合でもVフラグがONになることはない。これにより、不正にVフラグをONにしたり、まれな入球によりVフラグがONになったりしてしまうのを防止することができる。
尚、大当り遊技(Vラウンド)にて特定領域センサ39aが遊技球を検知すると、VフラグがONになったタイミングで、遊技状態表示器46(図4を参照)を所定の表示態様とし、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態となることを報知する。具体的には、遊技状態表示器46は「a1・a2・a3」の3個のLEDで構成されており、本実施例では、通常状態(低確率状態)において「a1□a2□a3□」(例えば、□:消灯、■:点灯)の表示態様とされる。また、大当り遊技(Vラウンド)にて特定領域センサ39aが遊技球を検知した場合、VフラグがONになったタイミングで「a1■a2■a3■」の表示態様とされる。そして、大当り遊技が終了し、遊技状態が高確率状態に設定されると「a1□a2□a3□」の表示態様とされる。尚、遊技状態表示器46の点灯制御タイミングはこのようなタイミングに限定されず、大当り遊技中は、遊技球が特定領域を通過しても「a1□a2□a3□」の表示態様のままとし、大当り遊技終了後の高確率状態へ移行するタイミングで「a1■a2■a3■」とし、高確率状態から低確率状態に移行するタイミングで「a1□a2□a3□」の表示態様としてもよい。
S2106にて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放中であると判定した場合(S2106でYES)、そのラウンドにおける大入賞口への入球個数が規定の最大入球個数(本実施例では1ラウンド当り10個)に達しているか否かを判定する(S2111)。その結果、規定入球個数に達していなければ(S2111でNO)、大入賞口を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図6を参照)が経過したか否かを判定する(S2112)。そして、大入賞口の開放時間が経過していなければ(S2112でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2111でYES)、又は大入賞口の開放時間が経過した場合(S2112でYES)、すなわち2つのラウンド終了条件のうちのいずれかが成立した場合には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する(S2113)。そして、ラウンドカウンタの値を1デクリメントして(S2114)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S2115)、「0」でなければ(S2115でNO)、次のラウンドを開始するため、処理を終える。
大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖する際、すなわちラウンドを終了する際には、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットする。例えば、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドをセットする。このセットしたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。尚、ラウンド終了コマンドは、大当り遊技の最終ラウンドを除くラウンドの終了の際、すなわち、S2115でラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合に送信される。例えば、実行する大当り遊技のラウンド数が15R大当り遊技であれば、14Rの終了まではラウンド終了コマンドが送信されるが、15Rの終了に際しては送信されない。最終ラウンドの終了に際しては、後述するS2116の処理でセットするエンディングコマンドが送信されるからである。
一方、S2115にてラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2115でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2116)、大当りのエンディング演出を開始する(S2117)。そして、大当り終了フラグをセットし(S2118)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタは、長当り(15R大当り)であれば大入賞口の開放が15回実行されると「0」になり、短当り(2R大当り)であれば大入賞口の開放が2回実行されると「0」になる。
また、S2105にて大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング演出の実行時間(エンディング時間)が経過したか否かを判定し(S2119)、エンディング時間が経過していなければ(S2119でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2119でYES)、大当り終了フラグをOFFにした後(S2120)、後述の遊技状態設定処理(S2121)を行う。そして、大当りフラグをOFFにするとともに(S2122)、特図動作ステータスを「1」にセットして(S2123)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。以上の特別電動役物処理1(S1108)は特別遊技実行手段として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2121)ではまず、VフラグがONであるか否かを判定する(S2201)。Vフラグは後述の特定領域センサ検知処理(S208)にてONされるフラグである。そして、VフラグがONであれば(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「100」をセットし(S2203)、VフラグをOFFにして(S2204)、S2205の処理に進む。一方、VフラグがOFFであれば(S2201でNO)、S2002〜S2004の処理を行うことなく、S2205の処理に進む。すなわち、本パチンコ遊技機1では、この遊技状態設定処理においてVフラグがONになっているか否かに基づいて、大当り遊技終了後の遊技状態を高確率状態に設定するか否かを決めている。
S2205では、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りであるか否かを判定する。そして、15R大当りであると判定した場合(S2205でYES)、その15R大当りが15R第3大当りであるか否かを判定し(S2206)、15R第3大当りであれば(S2206でYES)、そのまま処理を終え、15R第3大当りでない、すなわち、15R第1,第2,第5大当りの何れかであれば(S2206でNO)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットして(S2208)、処理を終える。
ここで、今回の大当り遊技が15R第1大当り又は15R第5大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中に遊技球が特定領域39(V通過)を通過してVフラグがONになっている筈なので(S2201でYES)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第2大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態になる。また、今回の大当り遊技が15R第3大当りに係るものであれば、当該大当り遊技中にV通過せずVフラグがONになっていない筈なので(S2201でNO)、この場合の大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態になる。
一方、S2205で、終了した大当り遊技(今回実行した大当り遊技)が15R大当りでない、すなわち、2R第4大当りであると判定した場合(S2205でNO)、今回の大当り遊技開始前の遊技状態、すなわち2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったか否かを判定し(S2209)、時短状態でなかったと判定した場合(S2209でNO)、時短フラグをONにすることなく、そのまま処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確低ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確低ベース状態となる。
一方、S2209で、2R第4大当りとなった際の遊技状態が時短状態であったと判定した場合(S2209でYES)、時短フラグをONにするとともに(S2207)、時短カウンタに「100」をセットし(S2208)、処理を終える。これにより、今回の大当り遊技でVフラグがONにならなかった場合(S2201でNO)、大当り遊技終了後の遊技状態は低確高ベース状態となり、今回の大当り遊技でVフラグがONになった場合(S2201でYES)、大当り遊技終了後の遊技状態は高確高ベース状態となる。以上の遊技状態設定処理(S2121)は遊技状態制御手段として機能するものといえる。
尚、高確高ベース状態、低確高ベース状態および高確低ベース状態は、いずれも、特別図柄が100回変動表示すること、及び、次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
また、2R第4大当りに係る大当り遊技開始前の遊技状態が時短状態かどうかを判定する処理(S2209)を行うのは、当該大当り遊技前後の時短機能および高ベース機能の作動状態を、小当りが発生した場合の状態(条件)と同じにするためである。これらの作動状態が2R第4大当りの場合と小当りの場合とで異なっていると、大入賞口の開放パターンで何れの当りかを認識し難くしたとしても、その後の遊技状態(時短機能および高ベース機能の作動状態)によって、何れの当りかが容易に判別可能となってしまうからである。これにより、2R第4大当りと小当りとを大入賞口の開放パターンによって判別し難くすると共に、その後の時短機能や高ベース発生機能の作動状態によっても判別し難くするものとしている。
[特別電動役物処理2(小当り遊技)]
図35に示すように、特別電動役物処理2(S1109)ではまず、小当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当り終了フラグは、小当り遊技において第2大入賞口35の開放が全て終了したことを示すフラグである。小当り終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35が開放中であるか否かを判定する(S2302)。第2大入賞口35が開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時期(タイミング)に至ったか否か、すなわち小当りのオープニングの時間が経過して1回目の開放を開始する時期に至ったか、又は、複数回にわたる開放の間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時期に至ったか否かを判定する(S2303)。
S2303にて第2大入賞口35の開放時期でないと判定した場合(S2303でNO)、そのまま処理を終える。一方、第2大入賞口35の開放時期であると判定した場合(S2303でYES)、V無効期間設定処理(S2304)を行ってから、S2305に進み、小当りの開放パターン(図6参照)に従って第2大入賞口35を開放させるべく第2大入賞装置36を作動させる。
V無効期間設定処理(S2304)では、小当り遊技における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉鎖後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定する期間(第2期間)に設定する。また、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間(第2期間)とされている。従って、このV無効期間設定処理(S2304)では、V有効期間となっていないか、すなわち無効期間に設定されているかを確認する。具体的には、主制御基板80のRAMに設けられ、V有効期間の経過をカウントダウンにより計測するVタイマが「0」(すなわち有効期間無しの状態)に設定されているかを確認する。その結果、Vタイマが「0」でなければVタイマに「0」をセットする。
尚、Vタイマが「0」であるか否かを確認することなく、Vタイマに「0」をセットする、即ち有効期間無しの状態に設定するようにしてもよい。これにより、小当り遊技中にV通過があっても、小当り遊技開始前の遊技状態が通常状態であれば、その小当り遊技終了後の遊技状態は高確率状態に移行しないようになる。尚、本実施例では、前述のV有効期間設定処理(S2109)で有効期間に定める期間以外の期間は無効期間であるため、S2304の処理を省略してもよい。
S2302にて第2大入賞口35が開放中であると判定した場合(S2302でYES)、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数、すなわち2回の開放において入球した遊技球を全て足した数(合計入球個数)が、規定の最大入球個数(本実施例では10個)に達しているか否かを判定する(S2306)。規定入球個数に達していなければ(S2306でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時期に至ったか否か、すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図6を参照)が経過したか否かを判定する(S2307)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2307でNO)、処理を終える。
これに対して、2回の開放中における第2大入賞口35への入球個数が規定入球個数に達している場合(S2306でYES)、第2大入賞口35を閉鎖し(S2314)、S2311の小当り終了処理に移行する。一方、S2307で、第2大入賞口35の開放時間が経過したと判定した場合(S2307でYES)には、第2大入賞口35を閉鎖する(S2308)。そして、小当り用開放カウンタの値を1デクリメントし(S2309)、小当り用開放カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2310)。
小当り用開放カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2310でNO)、次の開放を開始するため、そのまま処理を終える。一方、小当り用開放カウンタの値が「0」であると判定した場合(S2310でYES)、S2311の小当り終了処理に進む。S2311では、小当り遊技を終了させる小当り終了処理として、小当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2311)、小当りのエンディング演出を開始する(S2312)。そして、小当り終了フラグをセットし(S2313)、処理を終える。尚、小当り用開放カウンタは、第2大入賞口35の開放が2回なされると「0」になる。
また、前述のS2301において、小当り終了フラグがONであると判定した場合(S2301でYES)、2回の開放が終了しているので、小当りのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2315)、エンディング時間が経過していなければ(S2315でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2315でYES)、小当り終了フラグをOFFにするとともに(S2316)、小当りフラグをOFFにし(S2317)、さらに、特図動作ステータスを「1」にセットして(S2318)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
尚、小当り遊技の開始に際して確変フラグや時短フラグをONからOFFに切り変えることはしない。また、小当り遊技の終了に際しては、遊技状態設定処理(S2121)を行わない。すなわち、本パチンコ遊技機1では、小当り遊技の実行前と実行後において遊技状態を変化させない。以上の特別電動役物処理2(S1109)は小利益特別遊技実行手段として機能するものといえる。
[特定領域センサ検知処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで特定領域センサ検知処理(S208)を行う。図36に示すように、特定領域センサ検知処理(S208)では、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定し(S2401)、検知がないと判定した場合(S2401でNO)、処理を終了する。一方、S2401で検知があると判定した場合(S2401でYES)、V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理1(S1108)におけるV有効期間設定処理(S2109)にて設定される期間である。本実施例では、V有効期間は、大当り遊技における1ラウンド目と2ラウンド目に設定される。
S2402にてV有効期間中であると判定した場合(S2402でYES)、VフラグをONにするとともに(S2403)、現在実行中の大当り遊技が2R大当り(2R第4大当り)であるか否かを判定する(S2404)。そして、2R大当りでないと判定した場合(S2404でNO)、すなわち15R大当りであれば、第1V通過コマンドをセットし(S2405)、処理を終える。一方、2R大当りであると判定した場合(S2404でYES)、第2V通過コマンドをセットし(S2406)、処理を終える。主制御基板80のCPUは、所定のタイミングでこのV通過コマンドを副制御基板90に送信し、副制御基板90は受信したV通過コマンドの種別によって、演出図柄表示領域等で遊技演出を実行する。
また、S2402にてV有効期間中でないと判定した場合(S2402でNO)、VフラグをONにすることなく、第3V通過コマンドをセットし(S2407)、処理を終える。尚、第1V通過コマンドは、副制御基板90にV通過の報知制御を行わせるためのコマンドである。これに対して、第2V通過コマンド及び第3V通過コマンドは、副制御基板90にV通過の報知制御を原則行わせないためのコマンドである。また、遊技制御用マイコン81は、このような特定領域センサ検知処理(S208)やV有効期間設定処理(S2109)を実行することにより、特定領域39への遊技球の通過の有効無効を切り替える手段(特定領域状態切替手段)として機能する。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ検知処理(S208)に次いで保留球数処理(S209)を行う。図37に示すように、保留球数処理(S209)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。
保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、第1画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを消去するか、または、図示しない当該変動保留表示領域に移動表示し、これに伴って、第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。一方、第2演出保留9b(第2特図保留)についても、第1演出保留9a(第1特図保留)と同様に表示内容を更新することができる。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S209)に次いで電源断監視処理(S210)を行う。図38に示すように、電源断監視処理(S210)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定する(S2601)。電源断信号は、前述したように、電源供給回路109aにより供給される電力の電圧値が一定の電圧値以下となったことが電源監視回路109bにより検知された場合に、電源監視回路109bから出力されるものである(図5Bを参照)。S2601にて電源断信号の入力がないと判定した場合(S2601でNO)、S2602及びS2603の処理(電源断時処理)を行うことなく、本処理を終える。
一方、電源断信号の入力があると判定した場合(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータ(遊技制御用情報、主制御バックアップ情報)を主制御RAMのバックアップ領域(主制御バックアップ領域)に記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにして(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理を行う。S2602の処理が、主制御基板80(主制御部)におけるバックアップ処理(主制御バックアップ機能)である。
主制御バックアップ領域に記憶するデータ、すなわち、主制御(遊技制御)に係るバックアップの対象となる情報(つまり、主制御バックアップ情報)は、少なくとも、現在設定されている遊技状態を示す情報(遊技状態情報)、特別図柄ステータスの値、普通図柄ステータスの値、保留記憶カウンタ(特図保留、普図保留)の値、確変フラグの値、確変カウンタの値、時短フラグの値、時短カウンタの値、大当り遊技の進捗状況(ラウンド数等)を示す情報、特別図柄の残り変動時間、未払出賞球数を示す情報等である。これらの情報は何れも、遊技者等が演出ボタン63やその他の操作手段(入力手段)を用いて選択的に入力(設定)することができない情報(非入力情報)である。つまり、遊技機の内部(遊技機側)で遊技の進行状況に応じて自動的に設定される遊技制御上の情報(遊技制御用情報)である。こうした情報は、遊技者等が直接的に選択や入力等を行うことができないため、停電等の不測の事態が発生した場合にバックアップ(記憶保持)しておく必要性が高いといえる。電力復旧後、手動で事後的に設定し直すことができないからである。こうした情報をバックアップ対象(主制御バックアップ情報)とすることで、万が一、遊技中に停電等の不測の事態が発生しても、遊技機の状態(遊技制御の状態)を適切に復旧させることが可能となる。
[副制御メイン処理]
次に、図39A〜図48に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90のRAM(副制御RAM)に設けられている。
副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされ、リセット信号(図5Bを参照)の入力レベルがハイレベルになると、図39Aに示す副制御メイン処理のプログラムを副制御基板90のROMから読み出して実行する。同図に示すように、副制御メイン処理では、まず、後述する初期設定処理を行う(S4001)。初期設定処理(S4001)では、例えば、スタックの設定、定数設定、副制御基板90のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。前述の遊技制御用マイコン81と同様、フラグの初期値は「0」、すなわち「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定処理(S4001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定処理(S4001)に次いで、割り込みを禁止し(S4004)、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。
演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたとき、後述の変動演出パターンを決定するとき等とすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMにおける所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)を終えると、次いでコマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、その受信したコマンドに基づいて、各種の演出装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置71、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66、枠可動装飾部材13及び盤可動装飾部材14等)を用いた演出を実行する。
コマンド送信処理(S4006)に次いで、割り込みを許可し(S4007)、以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、第1画像表示装置7及び第2画像表示装置71の各表示画面に表示される演出図柄等の各種演出画像の表示制御、各種ランプの点灯制御、可動装飾部材の動作制御、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[初期設定処理]
次に、演出制御用マイコン91が行う初期設定処理(S4001)について説明する。図39Bに示すように、初期設定処理(S4001)ではまず、割り込みを禁止して(S5001)、スタック領域を確保するためのスタック領域を設定するスタックポインタ設定処理を行う(S5002)。次いで、割り込みモードを設定する割り込み設定処理(S5003)、CTC(カウンタ・タイマ・サーキット)やPIO(周辺機器インターフェイス)等、各種内蔵デバイスの設定を行う内蔵デバイス設定処理を行う(S5004)。
次いでS5005では、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定する(S5005)。前述したように、RAMクリアスイッチ(消去操作部、第1操作部)は電源基板109に設けられるものであり、電源スイッチ(第1操作部)をONにする電源投入操作とともにRAMクリアスイッチが押圧操作されている場合に、ONであると判定する。本実施例では、S5005の判定を、前述のS3013により主制御基板80から送信されるRAMクリアコマンドの受信有無に基づいて行うものとしており、RAMクリアコマンドを受信した場合にはRAMクリアスイッチがONであると判定し、受信していない場合にはRAMクリアスイッチがONでないと判定する。
S5005にてRAMクリアスイッチがOFFであると判定した場合(S5005でNO)、すなわち、RAMクリアスイッチが押圧操作されることなく電源スイッチがON(電源投入)された場合、電源断フラグがONであるか否かを判定する(S5006)。その結果、電源断フラグがONであると判定した場合(S5006でYES)、副制御RAMのバックアップ領域(副制御バックアップ領域)に関してRAMのチェックデータを算出する(S5007)。前述の主制御バックアップ領域に係るRAMのチェックデータの算出(S3007)と同様に、RAMのチェックデータは、入力ポートの状態、電源断フラグの値及び電源断時に保護した副制御RAMの領域の内容を1バイトごとに加算した後、全ビットを反転して算出される。
次いで、S5007で算出したチェックデータと電源断時にRAMに保存されたRAMの保存チェックデータとを比較して、チェックデータが正常であるか否かを判定する(S5008)。その結果、チェックデータが正常であると判定した場合(S5008でYES)、すなわち、S5007で算出したRAMのチェックデータと、電源断時に保存したチェックデータとが一致すると判定した場合、電源断時に副制御バックアップ領域に保存(記憶保持)したバックアップデータ(副制御バックアップ情報)は正常であるため、電源復旧処理を行う際に使用するRAMの領域(バックアップ領域等)以外の領域を初期化して、電源断発生時の演出状態(演出図柄、背景画像、演出保留画像、演出保留情報、モードステータス等)を復元(復旧)する(S5009)。そして、電源断フラグをOFFして(S5010)、本処理を終える。
一方、前述のS5005にてRAMクリアスイッチがONであると判定した場合(S5005でYES)、すなわち、RAMクリアスイッチが押圧操作された状態で電源投入された場合や、前述のS5006にて電源断フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S5006でNO)、あるいは、前述のS5008でRAMのチェックデータが正常でない(異常である)と判定した場合(S5008でNO)には、副制御RAMの全領域(バックアップ領域を含む)を初期化して記憶内容を消去するとともに(S5011)、RAMクリア報知処理を行い(S5012)って、本処理を終える。
RAMクリア報知処理(S5012)では、RAM(記憶手段)の初期化(RAMクリア)が行われた旨を外部に報知するためのRAMクリア報知を行う。本実施例では、RAMクリアが行われた旨を示す効果音及びメッセージ音声(「RAMクリア報知音」ともいう)をスピーカ67から出力するとともに、その旨を示すメッセージ画像(「RAMクリア報知画像」ともいう)を第1画像表示装置7(表示画面7a)に表示することにより、RAMクリア報知を行うものとしている。RAMクリア報知の実行に際しては、RAMクリア報知音の音響データに基づく音声信号を音声制御基板106に対して出力するとともに、RAMクリア報知画像の表示を指示するコマンドを画像制御基板100に対して送信する。尚、RAMクリア報知の態様は本実施例に限定されるものではなく、例えば、盤面ランプや枠ランプ等のランプ類(電飾)を用いて行うことも可能である。
また、RAMクリア報知処理(S5012)では、RAMクリア報知の実行(開始)とともに、RAMクリア報知の実行時間を計測するための報知タイマをセットして当該タイマの作動を開始し、RAMクリア報知の実行中である旨を示すRAMクリア報知フラグをONにする。本実施例では、RAMクリア報知を所定時間(例えば30秒)に亘って実行するものとしており、その報知時間が報知タイマにより計測される。演出制御用マイコン91は、RAMクリア報知の開始後、報知タイマにより計測される時間(報知時間)が所定時間(例えば30秒)になると、RAMクリア報知を終了して、RAMクリア報知フラグをOFFにする。また、報知タイマの作動を終了して当該タイマをゼロクリアする。
さらに、RAMクリア報知処理(S5012)では、RAMクリア報知を実行する際、所定の演出用部品(演出部)に係る動作条件(演出条件)の設定が可能となる旨を示す所定の説明画像1002を、RAMクリア報知画像1001とともに表示画面7aに表示する(図50を参照)。説明画像1002の表示(説明表示)は、その表示を指示するコマンドを画像制御基板100に対して送信することにより行われる。
本実施例では、後述するように、本パチンコ遊技機1が備える演出用部品(演出部)の動作条件を、遊技ホールの管理者等や遊技者が設定できるように構成されている。そして、RAMクリアは電源投入時にRAMクリアスイッチが押圧操作(ON)されている場合に実行されるものであり、RAMクリアスイッチは電源基板109に設けられてパチンコ遊技機1の裏面側から操作可能とされている。このことから、遊技ホールの管理者等が設定可能な動作条件に関しては、RAMクリアが行われた場合(電源投入時にRAMクリアスイッチが押圧操作された場合)に設定可能となるように構成し、その設定を可能とするためには、RAMクリア報知中に演出ボタン63を所定の操作態様で操作する必要があるものとしている。つまり、RAMクリアスイッチがONであると判定されてから所定期間内(RAMクリア報知が終了するまで)に演出ボタン63が所定の操作態様で操作された場合に、所定の演出用部品(演出部)に係る動作条件が設定可能となるように構成されている。説明画像1002は、その操作態様と、該操作態様による演出ボタン63の操作により動作条件の設定が可能になる旨を示す内容の画像とされている。管理者等は、その説明画像1002の表示(説明表示)を通じて、所定の演出用部品(演出部)に係る動作条件が設定可能となることを認識することができる。説明画像1002の表示(説明表示)及び演出用部品(演出部)に係る動作条件の設定(条件設定手段)については後述する。
このように、副制御基板90(演出制御用マイコン91)においても、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)と同様に、RAMクリアスイッチを押圧操作しつつ電源スイッチをONした場合には、バックアップ領域を含むRAM領域が初期化されて記憶内容が消去される(S5011)。一方、RAMクリアスイッチを押圧操作せずに電源スイッチをONした場合には、S5009の処理により、電力供給が開始(再開)された際に、副制御バックアップ情報に基づいて、電源断時の演出状態(演出制御用マイコン91の制御状態)を復旧させることが可能となる。
尚、演出制御用マイコン91によるS5005の処理は、RAMクリアスイッチ(第1操作部)による操作(押圧操作)を検知可能な第1操作検知手段として機能するものであり、同S5011の処理は、副制御RAM(記憶手段)の記憶内容を消去する消去手段として機能するものであり、同S5012の処理は、主制御基板80、副制御基板90及び払出制御基板110の各RAM(記憶手段)の記憶内容が消去された旨を報知する報知手段(初期化報知手段)として機能するものである。また、S5012の処理は、演出ボタン63(第2操作部)の操作態様(所定操作)を示す説明画像の表示(説明表示)をRAMクリア報知期間中(RAMクリアスイッチの押圧操作が検知されてから所定期間内)に実行する説明表示手段として機能するものでもある。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図40に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONであるか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図41に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、演出ボタン検知スイッチ63c、63d及び後述する操作レバー検知スイッチからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。
次いでS4202では、後述する10msタイマ割り込み処理で作成したランプデータを出力するランプデータ出力処理を行う(S4202)。ランプデータ出力処理(S4202)では、主に、変動演出や予告演出等の各種演出の実行に伴って盤面ランプ5や枠ランプ66等のランプ類を所定の発光態様で発光させたり消灯させたりする場合に、その発光態様に応じたランプデータを出力する。
次いでS4203では、後述する10msタイマ割り込み処理で作成した駆動データを出力する駆動データ出力処理を行う(S4203)。駆動データ出力処理(S4203)では、主に、変動演出や予告演出等の各種演出の実行に伴って枠可動装飾部材13や盤可動装飾部材14を所定の駆動態様(動作態様)で駆動(動作)させる場合に、その駆動態様に応じた駆動データを出力する。
次いでS4204にて、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行い(S4204)、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図42に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、後述する受信コマンド解析処理(S4302)、演出条件設定処理(S4303)、RTC演出関連処理(S4304)及びRTC演出中止選択処理(S4305)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4306)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4307)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、駆動データ(枠可動装飾部材13や盤可動装飾部材14の動作を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4308)。
[受信コマンド解析処理]
図43に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)ではまず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。
演出保留情報記憶領域に記憶された演出保留情報は、特図保留の消化に伴って該特図保留に対応するものから順次消去される。すなわち、特図1演出保留情報記憶領域に記憶された特図1演出保留情報は、特図1保留の消化に伴って該特図1保留に対応する第1演出保留情報から順次消去される。同様に、特図2演出保留情報記憶領域に記憶された特図2演出保留情報は、特図2保留の消化に伴って該特図2保留に対応する第2演出保留情報から順次消去される。このとき、演出保留情報が消去された後も演出保留情報記憶領域に他の演出保留情報が記憶されている場合、当該他の演出保留情報の記憶場所が1つ下位側にシフトされる。このように、副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」であるといえる。また、特図1演出保留情報記憶領域及び特図2演出保留情報記憶領域のことを、夫々「第1事前判定情報記憶手段」及び「第2事前判定情報記憶手段」ともいい、総じて「事前判定情報記憶手段」ともいう。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4406の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。
S4406では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4406)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4406でYES)、変動演出終了処理を行う(S4407)。変動演出終了処理(S4407)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動表示している演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4406で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4406でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4408の処理に移行する。尚、変動演出とは、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4408では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、本実施例では、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンドが該当する。S4408では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していれば(S4408でYES)、大当り遊技関連演出処理(S4409)を行って、S4412の処理に移行し、受信していなければ(S4408でNO)、大当り遊技関連演出処理(S4409)を行うことなくS4412の処理に移行する。
大当り遊技関連演出処理(S4409)では、例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したコマンドに基づいて、大当り遊技の進行状況に即したオープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を第1画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
続いて、図44に示すように、S4412では、主制御基板80から第1V通過コマンドを受信したか否かを判定し(S4412)、第1V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4412でYES)、V通過報知コマンドをサブ出力バッファにセットし(4413)、S4414の処理に移行する。尚、第1V通過コマンドは、15R第1,第5大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80から副制御基板90に通知するコマンドである。V通過報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100(画像制御部)等に送信されると、画像制御用マイコン101は、所定の画像情報を画像制御基板100のROMから読み出して、第1画像表示装置7の表示画面7aにて「V通過!」等の文字を表示する。これにより、遊技球が特定領域39を通過し、大当り遊技終了後の遊技状態が高確率状態になることが遊技者に報知される。一方、S4412で、第1V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4412でNO)、V通過報知コマンドをセットすることなく、S4414の処理に移行する。
尚、「V通過!」の文字を表示することはV通過報知態様の一つであり、他の表示内容(例えば「V」の文字を模したオブジェクト画像を表示したり、「確変GET」の文字を表示したりする等)で、V通過を報知してもよい。これにより、実行中の大当り遊技(特別遊技)後の遊技状態が、高確率状態となることを遊技者に対して報知することが可能となる。また、第2画像表示装置71の表示画面71aに「V通過!」等の文字を表示することによりV通過を報知してもよい。
続いてS4414では、主制御基板80から第2V通過コマンド(S2406でセット)を受信したか否かを判定し(S4414)、第2V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4414でNO)、S4415の処理に移行して第3V通過コマンドを受信したか否かを判定する(S4415)。そして、S4414で第2V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4414でYES)と、S4415で第3V通過コマンドを受信したと判定した場合(S4415でYES)には、V通過非報知コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4416)、S4417の処理に移行する。一方、S4415で第3V通過コマンドを受信していないと判定した場合(S4415でNO)、すなわち、第2V通過コマンドと第3V通過コマンドの何れも受信していない場合には、V通過非報知コマンドをセットすることなく、S4417の処理に移行する。
ここで、第2V通過コマンドは、2R第4大当りにおいてV有効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80から副制御基板90に通知するコマンドである。また第3V通過コマンドは、小当り中などのV無効期間中に特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったことを主制御基板80から副制御基板90に通知するコマンドである。
V通過非報知コマンドがコマンド送信処理(S4006)にて画像制御基板100等に送信されると、画像制御用マイコン101は、第1画像表示装置7の表示画面7aにおいて、「V通過!」等のV通過したことを示す文字の表示がない画面(すなわちV通過の報知が何もない画面)を表示する。換言すれば、V通過非報知態様とするのである。従って、本実施例のパチンコ遊技機1では、2R第4大当りや小当りにおいて遊技球が特定領域39を通過しても、そのことは遊技者に報知されないものとされる。
尚、前述の特定領域センサ検知処理(S208)にてセットするコマンドを第1V通過コマンドのみとし、第2V通過コマンドや第3V通過コマンドをセットしないこととしてもよい。この場合、受信コマンド解析処理(S4302)では、前述のS4414〜S4416を実行しないこととする。このように構成しても、15R第1,第5大当りにおけるV有効期間中にV通過があったときのみ、その旨が遊技者に報知されるようにすることができる。すなわち、V通過報知のための演出を実行しない場合には敢えてコマンド(V通過非報知コマンド)をセットしなくてもよい。但し、本実施例のようにコマンドをセットしてそれに基づいて画像制御基板100を制御した方が、画像制御の安定性を増すことが可能となる。
最後にS4417の処理を行い、本処理を終える。S4417では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド等)に基づく処理を行う(S4417)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図45に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理を行う(S4501)。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様(予告演出の有無を含む)、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、前述のS4401にて受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1〜P24)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、特別図柄当否判定の判定結果、当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかが判別可能となる。尚、これらの変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。ここで、演出モードとは、遊技演出の態様(形式、仕様等)を定めるものであり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄遊技演出(変動演出)に登場するキャラクタやアイテム、背景等、画像表示装置に表示される画像を演出モードによって異ならせることで、演出図柄遊技演出を演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができる。また、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能としてもよい。
本実施例では、演出モードA(モードステータス1)は低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードB(モードステータス2)は低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードC(モードステータス3)は高確高ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cのいずれであるかを確認することで、遊技者は現在の遊技状態を把握することができる。また、演出モードD(モードステータス4)および演出モードE(モードステータス5)は、高確低ベース状態または低確低ベース状態に制御されているときに実行される。従って、演出モードがDまたはEであるときには、遊技者は演出モードを確認しても、特別図柄当否判定の確率状態が、高確率状態にあるのか低確率状態(通常状態)にあるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。
尚、本実施例では、15R第1大当りおよび15R第5大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードCとなり、15R第2大当りおよび15R第6大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードBとなり、15R第3大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードAとなり、2R第4大当りに係る大当り遊技の終了後と、第1小当りおよび第2小当りに係る小当り遊技の終了後には演出モードDまたはEとなる。
次いでS4504では、画像表示装置7,71、盤面ランプ5、可動装飾部材13,14等による変動演出の実行パターン(「変動演出パターン」ともいう)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄の変動態様(演出図柄遊技演出の態様)を決定するためのもので、複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それら複数の変動演出パターン決定テーブルのうちの何れかをセットする。
次いでS4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、主に演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有り演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無し演出図柄遊技演出)等が決定される。
ここで、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個(例えば停止順序が1番目と2番目の図柄)が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個(例えば停止順序が最後(3番目)の図柄)が変動表示を続けている状態で、その残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。尚、変動表示の開始後、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち、停止順序が1番目と2番目である左演出図柄8Lと右演出図柄8Cが大当り態様を構成する図柄(本実施例では同じ数字の図柄)で停止(仮停止)することを「リーチ成立」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有り演出図柄遊技演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、演出図柄遊技演出として、スーパーリーチ演出(SPリーチA〜Cの何れか)が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA〜Cの何れか)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出と比較して大当り信頼度(大当りの期待度)の高い遊技演出であるといえる。尚、スーパーリーチ演出(SPリーチ演出)は、リーチ成立後、ノーマルリーチ演出を経由して行われる。また、SPリーチ演出には、リーチ演出中に一旦外れと見せかけて更にリーチ演出が継続(発展)する発展演出を含むもの(「発展SPリーチ」ともいう)と、発展演出を含まないもの(「通常SPリーチ」ともいう)とが存在し、発展SPリーチは、通常SPリーチと比較して大当り信頼度が高くなるように設定されている。
本実施例では、リーチ演出を、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)するものとしている。つまり、主制御部80(遊技制御用マイコン81)において行われる特別図柄の変動パターンの選択により、リーチ演出の有無が決まるものとなっており、特別図柄の変動パターンには、「リーチ有り変動パターン」と「リーチ無し変動パターン」とが存在することとなる。
また、本実施例では前述したように、スーパーリーチ演出(SPリーチA〜C)として「発展SPリーチ」と「通常SPリーチ」が設けられているが、そのうち発展SPリーチには、さらに、枠可動装飾部材13が駆動(動作)する「枠可動あり発展SPリーチ」と、盤可動装飾部材14が駆動(動作)する「盤可動あり発展SPリーチ」と、枠可動装飾部材13および盤可動装飾部材14の双方が駆動(動作)する「枠盤可動あり発展SPリーチ」と、枠可動装飾部材13および盤可動装飾部材14の何れも駆動(動作)しない「可動なし発展SPリーチ」と、が設けられている。枠盤可動あり発展SPリーチは大当り信頼度が最も高いものとされており、以下、枠可動あり発展SPリーチ、盤可動あり発展SPリーチ、可動なし発展SPリーチの順で大当り信頼度が低いものとされている。
本実施例では、「枠可動あり発展SPリーチ」および「盤可動あり発展SPリーチ」にて、初期状態にある可動装飾部材が駆動(動作)するタイミング(演出動作の開始タイミング)は、SPリーチ演出にて一旦外れと見せかけて更にリーチ演出が継続(発展)するタイミング(発展演出の開始タイミング)となっている。一方、枠可動装飾部材13(演出可動体13b)が駆動(動作)して動作状態となった後、演出可動体13bを初期位置(原点)に戻す態様で駆動する復帰動作は、当該SPリーチを伴う変動演出(演出図柄の変動表示)の終了に伴い行われる。また、盤可動装飾部材14が駆動(動作)して表示画面71aの手前側に出現した後、その盤可動装飾部材14を初期位置(原点)に戻す態様で駆動する復帰動作は、SPリーチが発展演出に進んだ後(発展演出の開始後)すぐに行われる。これは、表示画面に表示される発展演出の内容を視認しやすくするためである。
また「枠盤可動あり発展SPリーチ」では、枠可動装飾部材13が駆動(動作)するタイミングと盤可動装飾部材14が駆動(動作)するタイミングとを異ならせてある。つまり、枠可動装飾部材13と盤可動装飾部材14とが同時期に演出動作(初期位置から動作位置への移動)を行うことのない仕様、すなわち、枠可動演出(枠演出動作)と盤可動演出(盤演出動作)とが同時期に行われることのない仕様となっている。これは、各々の可動装飾部材の動作による演出効果が十分に発揮できるようにするためである。また、可動装飾部材の駆動源にかかる負荷が過度に大きくならないようにして駆動源の破損や故障を防ぐためである。さらに、パチンコ遊技機1が備える種々の電気部品の消費電力量(駆動電力量)が過大になる時期を極力生じさせないようにするためである。
S4505では、以上に説明したリーチ演出を含む変動演出パターン(リーチ演出パターン)が選択(設定)され得る。またS4505では、当該S4505で設定する変動演出パターン(つまり、選択した変動演出パターン)に応じた発光態様で盤面ランプ5や枠ランプ66等のランプ類(LED)を発光させるため(発光演出を行うため)の変動演出用ランプデータを作成し、これを2msタイマ割り込み処理用のランプデータとしてサブ制御基板90のRAM(ランプデータ出力バッファ)に格納する。この格納したランプデータが、変動演出パターンに応じたタイミングでランプデータ出力処理(S4202)により出力されることで、盤面ランプ5や枠ランプ66等の駆動(発光)制御が変動演出の進行に合わせて行われる。
さらにS4505では、当該S4505で設定する変動演出パターンが可動装飾部材(枠可動装飾部材13、盤可動装飾部材14)の駆動(動作)を含むパターンである場合、当該変動演出で駆動(動作)させる可動装飾部材の変動演出用駆動データを作成し、これを2msタイマ割り込み処理用の駆動データとしてサブ制御基板90のRAM(駆動データ出力バッファ)に格納する。この格納した駆動データが、変動演出パターンに応じたタイミングで駆動データ出力処理(S4203)により出力されることで、可動装飾部材の駆動(動作)制御が変動演出の進行に合わせて行われる。
本実施例では、本パチンコ遊技機1が備える演出用部品(演出部)の動作条件(駆動条件)を、遊技ホールの管理者等や遊技者が設定できるように構成されている。設定可能な動作条件には、枠可動装飾部材13による演出(枠可動演出)に関する条件、盤面ランプ5及び枠ランプ66のランプ類による演出(光演出)に関する条件、画像表示装置による演出(表示演出)に関する条件、並びにスピーカ67による演出(音演出)に関する条件等があり、管理者等が設定可能(遊技者は原則設定不能)な条件(「第1動作条件」ともいう)と、遊技者が設定可能な条件(「第2動作条件」ともいう)とに分類される。このため、S4505では、その設定された動作条件にしたがって変動演出パターンを選択(設定)する。
例えば、枠可動演出に関する条件として「枠可動装飾部材13の動作(駆動)有無」を設定することが可能であり、その条件が「動作無し」に設定されている場合、S4505では、枠可動装飾部材13の動作を含む「枠可動あり発展SPリーチ」や「枠盤可動あり発展SPリーチ」の変動演出パターンを選択(設定)せず、これに代えて、枠可動装飾部材13の動作を含まない大当り信頼度が同程度の「枠可動無し変動演出パターン」を選択(設定)する。この「枠可動無し変動演出パターン」は、枠可動装飾部材13の動作条件として「動作無し」が設定されている場合に限り選択(設定)可能な代替演出パターンとして予め設けられるものである。「枠可動無し変動演出パターン」には、盤可動装飾部材14の動作を含むものとそうでないものとが存在する。
本実施例では、ランプ類や画像表示装置、スピーカについても同様に、設定された動作条件にしたがって動作(駆動)するように構成されている。こうした演出用部品(演出部)の動作条件の設定に係る制御処理として演出条件設定処理(S4303)を備えている(条件設定手段)。演出条件設定処理(S4303)については後述する。
またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄は、特別図柄当否判定の結果が15R第1,第5大当り(つまり、V通過予定大当り)のときは「777」等の奇数図柄のゾロ目とされ、15R第2,第3,第6大当り(つまり、V非通過予定大当り)のときは「666」等の偶数図柄のゾロ目とされる。また、リーチ有り外れのときは「787」等の3個の演出図柄のうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄のうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目が選択されるようになっている。さらに、2R第4大当りや小当りのときは「135」等の予め定めたチャンス目や「3☆3」等の専用図柄を停止表示してもよい。すなわち、2R第4大当りのときと小当りのときとで、同じ演出図柄を停止表示するようになっている。このため、遊技者は、停止表示された演出図柄を確認しただけでは、2R第4大当りとなったのか、小当りとなったのかを判別することはできない。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様(変動表示の表示結果)は一例であり、特別図柄当否判定の結果に応じた停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
次いでS4506では、予告演出の設定に係る予告演出設定処理を行う(S4506)。本実施例では、事前判定結果に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を含めた予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定する。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数、副制御基板90のROMに記憶された予告決定テーブル、演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)等に基づいて、予告演出パターンを、予告演出の実行有無を含めて決定して設定する。
次いでS4507では、S4505で設定した変動演出パターンおよびS4506で設定した予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出(演出図柄8の変動表示、リーチ演出、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データと、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出画像の表示(変動演出)や予告画像の表示(予告演出)等を画像表示装置の表示画面上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。尚、変動演出画像は、演出図柄8の変動表示や各種リーチ演出等の変動演出を構成する演出画像のことである。この変動演出画像を表示して変動演出の実行に係る制御を行う演出制御用マイコン91(副制御部)及び画像制御用マイコン101(画像制御部)は、変動演出実行手段として機能するといえる。
[演出条件設定処理]
本実施例では、前述したように、演出用部品(演出部)の動作条件(演出条件)を、遊技ホールの管理者等や遊技者が設定できるように構成されている。管理者等が設定可能な第1動作条件として、「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する条件が設けられている。
「エコモード」は、演出用部品の動作に係る消費電力が通常に比して抑えられる節電モード(節電機能)であり、当該エコモードについてON/OFFの設定が可能となっている。エコモードを「ON」設定した場合には、例えば、客待ち中のデモ演出が実行されなくなったり、画像表示装置を構成する液晶表示装置の表示画面7a、71aの輝度(明るさ)が通常よりも低くされたり、盤面ランプ5や枠ランプ66の輝度(明るさ)が通常よりも低くされたり、スピーカ67の出力音量が通常よりも小さくされたりする。一方、エコモードを「OFF」に設定した場合には、客待ち中のデモ演出が実行可能となったり、表示画面7a、71aの輝度(明るさ)が通常の設定とされたり、盤面ランプ5や枠ランプ66の輝度(明るさ)が通常の設定とされたり、スピーカ67の出力音量が通常の設定とされたりする。つまり、第1動作条件としての「エコモード」は、画像表示装置、ランプ類、スピーカに係る動作条件である。
「枠ギミック」は、枠可動装飾部材13が動作する枠可動演出のことであり、当該枠ギミック(枠可動演出)についてON/OFFの設定が可能となっている。枠ギミックを「ON」に設定した場合には、前述の「枠可動あり発展SPリーチ」や「枠盤可動あり発展SPリーチといった枠可動装飾部材13の動作を含む演出パターン(「枠可動演出パターン」ともいう)が選択(設定)され得る状態(枠可動有りモード)となり、枠可動演出パターンに基づく演出が実行可能となる。一方、枠ギミックを「OFF」に設定した場合には、枠可動演出パターンが選択(設定)されない状態(枠可動無しモード)となり、枠可動演出パターンに基づく演出が実行不能となる。つまり、第1動作条件としての「枠ギミック」は、枠可動装飾部材13に係る動作条件である。
「RTC演出」は、RTC92による計時の結果に基づいて実行される特別な演出(特別演出)のことであり、当該RTC演出の実行間隔(周期)及び非実行の設定が可能となっている。RTC演出(特別演出)は、RTC92が所定時間を計測する毎に実行(開始)されるものであり、本実施例では、その実行間隔(周期)を「60分」、「120分」及び「180分」の何れかに設定することが可能となっている。尚、RTC演出の実行間隔は本実施例で示す間隔(時間)に限定されるものではなく、任意に定めることができる。また、RTC演出を実行しない(発生させない)設定(OFF設定)も可能となっている。「RTC演出」では、主として、RTC演出専用の画像(「RTC演出画像」や「特別演出画像」ともいう)が、少なくとも第1画像表示装置7の表示画面7aに表示されるとともに、RTC演出専用の効果音(「RTC演出音」や「特別演出音」ともいう)がスピーカ67から出力される。つまり、第1動作条件としての「RTC演出」は、画像表示装置、スピーカに係る動作条件(特別演出条件、第1特別演出条件)である。
また、遊技者が設定可能な第2動作条件として、「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」に関する条件が設けられている。「音量」は、スピーカ67の出力音量のことであり、「画面明るさ」は、画像表示装置を構成する液晶表示装置の表示画面7a、71aの輝度のことであり、「ランプ明るさ」は、盤面ランプ5や枠ランプ66の輝度のことである。つまり、第2動作条件としての「音量」はスピーカに係る動作条件であり、第2動作条件としての「画面明るさ」は画像表示装置に係る動作条件であり、「ランプ明るさ」はランプ類に係る動作条件である。
尚、本実施例では、管理者等が設定可能な第1動作条件を「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する3つの条件とし、遊技者が設定可能な第2動作条件を「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」に関する3つの条件としているが、こうした条件の内容や種類、数等は本実施例に限定されるものではなく、任意に定めることが可能である。
これらの第1動作条件及び第2動作条件の設定に係る処理として、演出制御用マイコン91は、前述の10msタイマ割り込み処理(S4010)にて演出条件設定処理(S4303)を実行するように構成されている。図46A及び図46Bに示すように、演出条件設定処理(S4303)は、第1動作条件の設定に係る処理(S6001〜S6013)と、第2動作条件の設定に係る処理(S6014〜S6026)とに区別される。
演出条件設定処理(S4303)ではまず、図46Aに示すように、第1動作条件設定フラグがOFFであるか否かを判定し(S6001)、OFFでない(ONである)と判定した場合(S6001でNO)、後述するS6006の処理に進む。これに対し、第1動作条件設定フラグがOFFであると判定した場合(S6001でYES)、RAMクリア報知フラグがONであるか否かを判定する(S6002)。
ここで、第1動作条件設定フラグとは、前述の第1動作条件としての「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」の何れかに関する設定を行うための画面を第1画像表示装置7(表示画面7a)に表示中であること、すなわち、第1動作条件の設定期間中であることを示すフラグであり、後述のS6004でONとなる。したがって、第1動作条件設定フラグがOFFであれば(S6001でYES)、第1動作条件の設定期間中でないこととなるので、この場合にはS6002の処理を行う。一方、第1動作条件設定フラグがOFFでない場合(S6001でNO)、すなわち第1動作条件設定フラグがONである場合、第1動作条件の設定期間中ということになるので、この場合には第1動作条件の設定に係る処理を進めるべく、後述するS6006以降の処理を行う。
また、RAMクリア報知フラグは、前述のRAMクリア報知処理(S5012)により、RAMクリア報知の実行(開始)に際してONとなり、RAMクリア報知の終了(RAMクリア報知期間の経過)によりOFFとなるフラグである。前述のように、本実施例ではRAMクリア報知を所定時間(例えば30秒)に亘って実行するものしているため、その所定時間が経過するまでの間、すなわち、RAMクリア報知の実行期間中(RAMクリア報知期間中)は、RAMクリア報知フラグがONとなっている。
S6002にて、RAMクリア報知フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S6002でNO)、S6003以降の処理を行うことなく後述のS6014の処理に移行し、ONであると判定した場合(S6002でYES)、第1動作条件の設定を可能とするための所定操作を検知したか否かを判定する(S6003)。そして、所定操作を検知していないと判定した場合(S6003でNO)、後述のS6014の処理に移行し、所定操作を検知したと判定した場合(S6003でYES)、第1動作条件設定フラグをONにして(S6004)、管理者設定メニュー画面1005(図51を参照)の表示処理を行う(S6005)。具体的に、管理者設定メニュー画面1005の表示を指示するコマンドをサブ出力バッファにセットする(S6005)。そのセットしたコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したコマンドに対応する画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データに基づいて、図51に示す管理者設定メニュー画面1005を第1画像表示装置7の表示画面7aに表示する。このように、RAMクリア報知期間中に演出ボタン63による所定操作が演出ボタン検知スイッチ(第2操作検知手段)により検知されると管理者設定メニュー画面1005が表示画面7aに表示され、第1動作条件の設定が可能な状態となる。
ここで、本実施例では、第1動作条件の設定を可能とするため(管理者設定メニュー画面1005を表示画面7aに表示させるため)の所定操作を、第2演出ボタン63bを右方向(時計回り方向)に回転させながら第1演出ボタン63aを押圧するものとしている。このため、図50に示すように、RAMクリア報知期間中、RAMクリア報知画像1001が表示される表示画面7aには、「第2演出ボタン63bの右方向(時計回り方向)への回転操作」と「第1演出ボタン63aの押圧操作」により管理者設定メニュー画面1005が表示される(第1動作条件が設定可能となる)旨を示す説明画像1002が表示されるものとなっている。したがって、管理者等は、本パチンコ遊技機1の電源投入とともにRAMクリアスイッチを押圧操作してRAMクリアを行った場合、当該RAMクリアに伴ってRAMクリア報知画像1001とともに表示される説明画像1002を通じて、第1動作条件を設定可能とするための演出ボタン63の操作態様(演出ボタン63による所定操作)を知ることができる。
尚、第1動作条件の設定を可能とするための所定操作は本実施例で示す態様でなくてもよく、例えば、第1演出ボタン63aを所定回数(例えば5回以上)繰り返し押圧操作する「連打操作」としたり、第1演出ボタン63aを所定時間(例えば3秒以上)押し続ける「長押し操作」としたり、第2演出ボタン63bを手前側に所定時間(例えば3秒以上)引っ張り続ける「引っ張り操作」としたりする等、種々の操作態様を採ることが可能である。
また、RAMクリア報知画像1001及び説明画像1002は、RAMクリア報知期間中に表示されるものであり、RAMクリア報知期間(例えば30秒)が経過すると、表示画面7a上から消去される。このことから、本実施例では、RAMクリア報知期間中、表示画面7aには、RAMクリア報知画像1001及び説明画像1002とともに、RAMクリア報知終了までの残り時間を示すタイマ画像1003が表示される(図50を参照)。このタイマ画像1003により示される残り時間は、前述のRAMクリア報知処理(S5012)により、RAMクリア報知の実行(開始)に際して作動を開始する前述の報知タイマよる計時に基づくものでり、カウントダウン形式で表示される。これにより、管理者等は、RAMクリア報知が終了するまでの残り時間、すなわち、第1動作条件を設定可能とすることができるまでの残り時間を、タイマ画像1003を通じて知ることができる。
S6005に次いで、管理者設定メニュー画面1005の中から選択された項目に係る条件の設定に係る処理を行う(S6006〜S6009)。前述したように、本実施例では第1動作条件として「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する条件が設定可能となっている。このことに対応して、図51に示すように、管理者設定メニュー画面1005には「エコモード設定」、「枠ギミック設定」及び「RTC演出設定」の3つの項目が表示される。また、管理者設定メニュー画面1005には、当該メニュー画面1005の表示の終了(消去)を指示する「終了」の項目と、選択中の項目を指し示すカーソル1100が表示される。デフォルトでは「エコモード設定」の位置にカーソル1100が表示される。
ここで、本実施例では、演出ボタン63とは別に、副制御基板90に操作信号が入力される操作レバー(図示せず)が前面枠51の上皿周辺(例えば、上皿61の左側上面)に設けられており、この操作レバーを操作して、項目の選択や決定等に係る入力を行うことができるように構成されている。操作レバーは、前後左右の4方向に傾倒操作可能とされている。また、操作レバーの頂部(天面部)にはプッシュ式の押しボタン(「レバーボタン」ともいう)が設けられている。このことから、操作レバーの傾倒操作により設定項目や設定内容(動作条件)の選択入力を行い、レバーボタンの押圧操作によりその決定入力を行えるように構成されている。このような構成の操作レバー(レバーボタン含む)は、演出ボタン63と同様、本パチンコ遊技機1の表面側から操作可能に設けられた操作部(第2操作部)として機能する。
副制御基板90には、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63d(図5Aを参照)に加え、操作レバーの操作を検知する操作レバー検知スイッチ(図示せず)が接続されている。操作レバー検知スイッチは、前後左右の各方向の傾倒操作を区別して検知することが可能とされており、また、レバーボタンの押圧操作を検知することが可能とされている(第2操作検知手段)。従って、操作レバーが傾倒操作されたりレバーボタンが押圧操作されたりすると、これに対応する操作レバー検知スイッチからの検知信号(前検知信号、後検知信号、左検知信号、右検知信号、プッシュ検知信号)が副制御基板90に入力される。この操作レバー及びレバーボタンによる入力は、後述の第2動作条件の設定についても同様である。
このような構成のもと、管理者設定メニュー画面1005の表示中に操作レバーが前後方向に傾倒操作されると、これに応じてカーソル1100が画面上を上下方向に移動する。そして、カーソル1100が「エコモード設定」、「枠ギミック設定」及び「RTC演出設定」の何れかの位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて項目選択入力が行われたと判定すると(S6006でYES)、その選択された項目に応じた個別設定画面の表示処理を行う(S6007)。具体的に、カーソル1100が「エコモード設定」の位置に表示されているときにレバーボタンが押圧操作された場合、図52(a)に示すエコモード設定画面1006を表示画面7aに表示する処理を行い、カーソル1100が「枠ギミック設定」の位置に表示されているときにレバーボタンが押圧操作された場合、図52(b)に示す枠ギミック設定画面1007を表示画面7aに表示する処理を行い、カーソル1100が「RTC演出設定」の位置に表示されているときにレバーボタンが押圧操作された場合、図52(c)に示す枠RTC演出設定画面1008を表示画面7aに表示する処理を行う(S6007)。
S6007の処理による個別設定画面1006〜1008の表示は、前述のS6005の処理と同様に、対象の設定画面の表示を指示するコマンドをサブ出力バッファにセットすることにより行われる。そのセットしたコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したコマンドに対応する画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データに基づいて、図52(a)〜(c)に示す個別設定画面1006〜1008の何れかを第1画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
一方、S6006にて項目選択入力を検知していない場合、すなわち、項目選択入力が行われていないと判定した場合(S6006でNO)、S6007の処理を行うことなくS6008の処理に移行する。
次いでS6008では、前述のS6006及びS6007の処理により表示画面7aに表示された個別設定画面を通じて動作条件の決定入力が行われたか否かを判定し(S6008)、行われた場合には(S6008でYES)、その決定入力された動作条件(第1動作条件)を記憶する(S6009)。個別設定画面1006〜1008には、それぞれ、選択中の動作条件(設定内容)を指し示すカーソル1200が表示され、そのカーソル1200の表示位置に対応する動作条件が記憶される。このカーソル1200の移動及び決定入力は、管理者設定メニュー画面1005での項目選択入力と同様に、操作レバー及びレバーボタンの操作により行われる。また、S6009による動作条件の記憶は、表示画面7aに表示中の個別設定画面上の設定内容を最新の動作条件として、副制御RAMの所定の記憶領域(第1動作条件設定記憶領域)に記憶(保存)することにより行われる。
具体的に、図52(a)に示すエコモード設定画面1006には、「ON」、「OFF」の2つの条件(設定内容)が選択可能に表示され、その「ON」、「OFF」の何れかに対応する位置にカーソル1200が表示される。デフォルトでは「OFF」の位置にカーソル1200が表示される。エコモード設定画面1006の表示中に操作レバーが左右方向に傾倒操作されると、これに応じてカーソル1200が左右方向に移動する。そして、カーソル1200が「OFF」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「エコモードOFF」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、エコモードを「OFF」に設定する処理を行う(S6009)。一方、カーソル1200が「ON」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「エコモードON」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、エコモードを「ON」に設定する処理を行う(S6009)。
また、図52(b)に示す枠ギミック設定画面1007には、「ON」、「OFF」の2つの条件(設定内容)が選択可能に表示され、その「ON」、「OFF」の何れかに対応する位置にカーソル1200が表示される。デフォルトでは「ON」の位置にカーソル1200が表示される。枠ギミック設定画面1007の表示中に操作レバーが左右方向に傾倒操作されると、これに応じてカーソル1200が左右方向に移動する。そして、カーソル1200が「OFF」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「枠ギミックOFF」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、枠ギミックを「OFF」に設定する処理を行う(S6009)。一方、カーソル1200が「ON」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「枠ギミックON」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、枠ギミックを「ON」に設定する処理を行う(S6009)。
また、図52(c)に示すRTC演出設定画面1008には、「60分」、「120分」、「180分」、「OFF」の4つの条件(設定内容)が選択可能に表示され、それら「60分」、「120分」、「180分」、「OFF」の何れかに対応する位置にカーソル1200が表示される。デフォルトでは「60分」の位置にカーソル1200が表示される。RTC演出設定画面1008の表示中に操作レバーが左右方向に傾倒操作されると、これに応じてカーソル1200が左右方向に移動する。そして、カーソル1200が「60分」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「60分」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、RTC演出の実行間隔(周期)を「60分」に設定する処理を行い(S6009)、カーソル1200が「120分」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「120分」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、RTC演出の実行間隔(周期)を「120分」に設定する処理を行い(S6009)、カーソル1200が「180分」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「180分」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、RTC演出の実行間隔(周期)を「180分」に設定する処理を行う(S6009)。一方、カーソル1200が「OFF」の位置に表示されている状態でレバーボタンが押圧操作されて「RTC演出OFF」の決定入力が行われたことを検知すると(S6008でYES)、その動作条件(設定内容)を記憶する処理、すなわち、RTC演出を「OFF」に設定する処理を行う(S6009)。
これに対し、S6008にて動作条件の決定入力を検知していない場合(S6008でNO)、S6009の処理を行うことなくS6010の処理に移行する。尚、S6009の処理に伴い、表示画面7aの表示内容は個別設定画面から管理者設定メニュー画面1005に戻る。
次いでS6010では、第1動作条件の設定(管理者設定)の終了指示入力が行われたか否かを判定する(S6010)。この終了指示入力は、管理者設定メニュー画面1005上のカーソル1100が「終了」の位置に表示されている状態でレバーボタンを押圧操作することにより行われる。したがって、S6010では、カーソル1100が「終了」の位置に表示中であり、かつ、レバーボタンの検知信号を入力したか否かを判定する。その結果、終了指示入力が行われていないと判定した場合(S6010でNO)、S6012及びS6013の処理を行うことなくS6014の処理に移行し、終了指示入力が行われたと判定した場合(S6010でYES)、第1動作条件設定フラグをOFFにして(S6012)、管理者設定メニュー画面1005を消去する(S6013)。
以上のS6001〜S6013までの処理が、管理者等による第1動作条件の設定(管理者設定)に係る処理である。管理者等は、パチンコ遊技機1の電源投入時にRAMクリアスイッチを押圧操作して(ONにして)、当該操作から所定期間内に演出ボタン63による所定操作を行うことで、当該遊技機が備えるRAM(記憶手段)の初期化とともに演出用部品の動作条件の設定(本例では「エコモード設定」、「枠ギミック設定」、「RTC演出設定」)が可能となる。そして、管理者設定が行われると、以後の遊技において、その設定内容、すなわち、第1動作条件にしたがって該当の演出用部品(演出部)が動作することとなる。
次に、遊技者による第2動作条件の設定に係る処理について説明する。図46Bに示すように、S6014では第2動作条件設定フラグがOFFであるか否かを判定し(S6014)、OFFでない(ONである)と判定した場合(S6014でNO)、後述するS6019の処理に進む。これに対し、設定許可フラグがONであるか否かを判定する(S6015)。
ここで、第2動作条件設定フラグとは、前述の第2動作条件としての「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」の何れかに関する設定を行うための画面を第1画像表示装置7(表示画面7a)に表示中であること、すなわち、第2動作条件の設定期間中であることを示すフラグであり、後述のS6017でONとなる。したがって、第2動作条件設定フラグがOFFであれば(S6014でYES)、第2動作条件の設定期間中でないこととなるので、この場合にはS6015の処理を行う。一方、第2動作条件設定フラグがOFFでない場合(S6014でNO)、すなわち第2動作条件設定フラグがONである場合、第2動作条件の設定期間中ということになるので、この場合には第2動作条件の設定に係る処理を進めるべく、後述するS6019以降の処理を行う。
また、設定許可フラグは、第2動作条件を設定することが可能な状態であることを示すフラグであり、演出制御用マイコン91によりON/OFFの設定がなされるものである。本実施例では、パチンコ遊技機1が稼働中、すなわち、前述の初期設定処理(S101,S4001)が終了して遊技可能な状態であって、第2画像表示装置71(表示画面71a)にて変動演出や予告演出に係る画像表示が行われていないときに、設定許可フラグがONとなり、第2動作条件が設定可能となる。設定許可フラグがONとなっている時期(第2動作条件が設定可能となっている時期)のことを「設定許可期間」や「設定許可状態」ともいう。一方、第2画像表示装置71(表示画面71a)にて変動演出や予告演出に係る画像表示(演出表示)が行われているときには、設定許可フラグがOFFとなり、第2動作条件が設定不能となる。これは、後述するように、第2画像表示装置71の表示画面71aに表示される演出設定画面1010(図53を参照)を通じて第2動作条件の設定を行うこととしているからである。また、第2画像表示装置71の表示画面71aに演出設定画面1010を表示するように構成しているのは、第1画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出や予告演出に係る画像表示(演出表示)が行われているときであっても、第2動作条件の設定を可能とするためである。
尚、第2画像表示装置71(表示画面71a)にて変動演出や予告演出に係る画像表示が行われていないとき、その表示画面71aには、本パチンコ遊技機1の機種名、スペック等の機種情報や所定の背景画像が表示される。
第2動作条件の設定が可能となる時期、すなわち、設定許可フラグがONとなる時期は本実施例に限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1が待機状態にあるとき、すなわち、画像表示装置7(表示画面7a)に待機画面(デモ画面)が表示されているとき(デモ演出の実行中)に、設定許可フラグがONとなり、第2動作条件が設定可能となるようにしてもよい。
S6015にて、設定許可フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S6015でNO)、S6016以降の処理を行うことなく本処理を終え、ONであると判定した場合(S6015でYES)、第2動作条件の設定を可能とするための所定操作を検知したか否かを判定する(S6016)。そして、所定操作を検知していないと判定した場合(S6016でNO)、S6017以降の処理を行うことなく本処理を終え、所定操作を検知したと判定した場合(S6016でYES)、第2動作条件設定フラグをONにして(S6017)、演出設定画面1010(図53を参照)の表示処理を行う(S6018)。具体的に、演出設定画面1010の表示を指示するコマンドをサブ出力バッファにセットする(S6018)。そのセットしたコマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信したコマンドに対応する画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データに基づいて、図53に示す演出設定画面1010を第2画像表示装置71の表示画面71aに表示する。このように、設定許可期間中に所定操作が検知されると、演出設定画面1010が表示画面71aに表示され、第2動作条件の設定が可能な状態となる。
ここで、本実施例では、第2動作条件の設定を可能とするため(演出設定画面1010を表示画面71aに表示させるため)の所定操作を、前述の操作レバーに設けられたレバーボタンの押圧操作としている。すなわち、設定許可期間中にレバーボタンの検知信号が副制御基板90に入力すると、演出設定画面1010が表示画面71aに表示される。設定許可期間中は、レバーボタンの押圧操作により第2動作条件の設定が可能となる旨のメッセージ等の説明画像(説明表示)が表示画面71aの端の方(例えば画面右下)に表示される(図示せず)。したがって、遊技者は、その説明画像(説明表示)を通じて、第2動作条件を設定可能とするための操作(レバーボタンの押圧操作)を知ることができる。
尚、第2動作条件の設定を可能とするための所定操作は本実施例で示す態様でなくてもよく、例えば、操作レバーを前後左右の何れかの方向に傾倒させたり、演出ボタンを用いる演出が行われていないときに第1演出ボタン63aを押圧したりする等、種々の操作態様を採ることが可能である。
S6018に次いで、演出設定画面1010を通じた第2動作条件の設定に係る処理を行う(S6019〜S6024)。前述したように、本実施例では第2動作条件として「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」に関する条件が設定可能となっている。このことに対応して、演出設定画面1010には、図53に示すように「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」の3つの項目が上下に並んで表示され、各項目の右側に、それぞれの設定内容(動作条件)が表示される。各項目の設定内容は、「音量」が大小のレベル、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」が明暗のレベルとされ、それぞれ最低レベルである「レベル1」から最高レベルである「レベル5」までの5段階の設定(選択)が可能となっている。つまり、第2動作条件の設定可能範囲は「レベル1」〜「レベル5」となっている。
「レベル1」は、音量の場合、スピーカか67から出力される効果音の音量が最も小さい設定(最少音量)となり、明るさの場合、表示画面や電飾の明るさが最も暗い設定(最少光量)となる。一方、「レベル5」は、音量の場合、スピーカか67から出力される効果音の音量が最も大きい設定(最大音量)となり、明るさの場合、表示画面や電飾の明るさが最も明るい設定(最大光量)となる。そして、「レベル2」〜「レベル4」は、「レベル1」と「レベル5」の間で、音量の大小や明るさの明暗が段階的に変化する。本実施例では、「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」の基準設定(基準設定値)をそれぞれ「レベル5」としている。
但し、前述の第1動作条件の設定(管理者設定)により「エコモード」がONに設定されている場合、第2動作条件の設定可能範囲は「レベル1」〜「レベル3」となり、基準設定が「レベル3」となる。この場合、演出設定画面1010では「レベル4」及び「レベル5」の選択(設定)が不能となる。つまり、第1動作条件の設定内容に応じて第2動作条件が設定可能となる。エコモードは、演出用部品(演出部)の動作に係る消費電力を抑制するモードであり、音量や明るさの上限を通常に比して低くすることにより、スピーカや画像表示装置、ランプ類等の消費電力を抑えられるからである。
S6018の処理により演出設定画面1010が表示画面71aに表示されると、次いで、演出設定画面1010に表示されている3つの項目のうち設定対象となる項目の選択入力(項目選択入力)が行われたか否かを判定する(S6019)。項目選択入力は、操作レバーの前後方向の傾倒操作により行うもので、S6019の判定は、操作レバー検知スイッチからの検知信号(前検知信号又は後検知信号)に基づいて行う。その結果、項目選択入力が行われていないと判定した場合(S6019でNO)、S6020の処理を行うことなくS6021の処理に進み、項目選択入力が行われたと判定した場合(S6019でYES)、図53に示す演出設定画面1010上の項目カーソル1400を、操作レバーの傾倒操作に応じた方向、すなわち、前検知信号に応じた上方向または後検知信号に応じた下方向へ移動させる処理を行う(S6020)。
S6020では、項目カーソル1400の上方向への移動を指示する上移動コマンドまたは下方向への移動を指示する下移動コマンドをサブ出力バッファにセットする。そのセットされたコマンド(上移動コマンド又は下移動コマンド)が、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、演出設定画面1010に表示している項目カーソル1400を、現在の表示位置を基準に上方向または下方向に1段階移動させる。
次いでS6021では、選択された項目(設定対象の項目)について条件(本例ではレベル)の設定変更入力が行われたか否かを判定する(S6021)。設定変更入力は、操作レバーの左右方向の傾倒操作により行うもので、S6021の判定は、操作レバー検知スイッチからの検知信号(左検知信号又は右検知信号)に基づいて行う。その結果、設定変更入力が行われていないと判定した場合(S6021でNO)、S6022の処理を行うことなくS6023の処理に進み、設定変更入力が行われたと判定した場合(S6021でYES)、演出設定画面1010上の設定カーソル1500〜1502のうち、項目カーソル1400が位置する項目(設定対象の項目)に対応する設定内容(動作条件)を指し示す設定カーソルを、操作レバーの傾倒操作に応じた方向、すなわち、左検知信号に応じた左方向または右検知信号に応じた右方向へ移動させる処理を行う(S6022)。
S6022では、設定カーソル1500〜1502のうち、移動対象の設定カーソルの左方向への移動を指示する左移動コマンドまたは右方向への移動を指示する右移動コマンドをサブ出力バッファにセットする。そのセットされたコマンド(左移動コマンド又は右移動コマンド)が、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、演出設定画面1010に表示されている設定カーソル1500〜1502のうち、移動対象の設定カーソルを、現在の表示位置を基準に左方向または右方向に1段階(「−1レベル」または「+1レベル」)移動させる。例えば、図53に示すように、項目カーソル1400が「音量」の項目を指し示す位置に表示されている場合、移動対象の設定カーソルは設定カーソル1500となるので、音量の設定カーソル1500を、現在の表示位置から左方向または右方向に1段階(「−1レベル」または「+1レベル」)移動させる。
ここで、例えば、図53に示すように、設定カーソル1500が「レベル5」の位置に表示されており、この状態から設定カーソル1500を移動対象とした場合(つまり、音量の設定を行う場合)、左移動コマンドを受信する毎に、設定カーソル1500の表示位置が「レベル4」、「レベル3」の順に移動していき、以後、「レベル1」の位置で左移動コマンドを受信しても、設定カーソル1500は移動しないものとなっている。一方、設定カーソル1500が「レベル1」を指し示す位置に表示されている状態で右移動コマンドを受信した場合には、設定カーソル1500が右移動コマンドを受信した場合と逆の動き、すなわち、「レベル2」、「レベル3」の順に移動していき、以後、「レベル5」の位置で右移動コマンドを受信しても、設定カーソル1500は移動しないものとなっている。このことは、設定カーソル1501及び設定カーソル1502の移動表示についても同様である。遊技者は、このようにして演出設定画面1010に表示される項目カーソル1400や設定カーソル1500〜1502を確認しながら操作レバーを操作することで、「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」のそれぞれについて設定内容(レベル、動作条件)の選択(変更)を行うことが可能となる。
次いでS6023では、第2動作条件の設定(演出設定)の終了指示入力が行われたか否かを判定する(S6023)。この終了指示入力は、演出設定画面1010上の項目カーソル1400が「終了」の位置に表示されている状態でレバーボタンを押圧操作することにより行われる。したがって、S6023では、項目カーソル1400が「終了」の位置に表示中であり、かつ、レバーボタンの検知信号を入力したか否かを判定する。
その結果、終了指示入力が行われていないと判定した場合(S6023でNO)、S6024〜S6026の処理を行うことなく本処理を終える。一方、終了指示入力が行われたと判定した場合(S6023でYES)、設定記憶処理を行い(S6024)、次いで第2動作条件設定フラグをOFFにして(S6025)、演出設定画面1010を消去する(S6026)。
設定記憶処理(S6024)では、演出設定画面1010に表示中の各項目の設定内容に基づいて特定される動作条件を示す設定値(「1」〜「5」の何れか)を、副制御RAMに設けられる所定の記憶領域(第2動作条件設定記憶領域)に最新の動作条件として記憶(保存)し、動作条件の設定(更新)を行う。当該記憶(保存)した動作条件(第2動作条件)の設定内容に基づいて演出制御が行われる。
以上のS6014〜S6026までの処理が、遊技者による第2動作条件の設定(演出設定)に係る処理である。これにより、遊技者は、設定許可期間中に操作レバー(レバーボタン含む)を操作することで、演出設定画面1010を通じて「音量」、「画面明るさ」及び「ランプ明るさ」の3つの条件(第2動作条件)について、任意に設定(選択)を行うことが可能となる。この遊技者による演出設定が行われると、以後の遊技において、その設定内容、すなわち、第2動作条件にしたがって、該当の演出用部品(演出部)が動作することとなる。
以上の演出条件設定処理(S4303)を実行する演出制御用マイコン91は、演出の実行に係る条件を設定する条件設定手段として機能するものである。
[RTC演出関連処理]
次に、10msタイマ割り込み処理(S4010)にて実行されるRTC演出関連処理(S4304)について説明する。前述したように本実施例では、副制御基板90にRTC92(計時手段)が実装されており、RTC92による計時の結果に基づいRTC演出(特別演出)が実行可能となっている。RTC演出関連処理(S4304)は、そのRTC演出(特別演出)の実行制御に係る処理である。
図47に示すように、RTC演出関連処理(S4304)ではまず、RTC演出実行フラグがOFFであるか否かを判定する(S7001)。RTC演出実行フラグは、RTC演出を実行中であるか否かを示すフラグであり、換言すると、RTC演出期間中であるか否かを示すフラグである。RTC演出が実行されていないとき(RTC演出期間中でないとき)には特別演出実行フラグがOFFとされ、特別演出が実行されているとき(RTC演出期間中であるとき)にはRTC演出実行フラグがONとされる。このRTC演出実行フラグは、RTC演出開始に伴う後述のS7003の処理によりONとされ、RTC演出の実行時間(RTC演出期間)が経過してRTC演出が終了することでOFFとされる。
S7001にてRTC演出実行フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S7001でNO)、S7002以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、RTC演出実行フラグがOFFであると判定した場合(S7001でYES)、RTC92により計時される現在の時刻がRTC演出の開始時刻であるか否かを判定する(S5002)。RTC演出は、特別図柄の当否判定の結果(特図変動パターン)に関係なく、RTC92による計時の結果に基づいて実行されるものであり、RTC92により計時される時刻が予め設定された時刻(所定時刻)になると開始される。S7002では、RTC92の計時状況を参照して、現在の時刻がRTC演出を開始することとなる時刻(開始時刻)であるか否かを判定するのである。
ここで、本実施例では、前述の第1動作条件の設定(管理者設定)において、RTC演出設定画面1008(図52(c)を参照)を通じたRTC演出設定により、RTC演出の実行間隔(周期)を「60分」、「120分」、「180分」の何れかに設定することが可能となっており、また、RTC演出を非実行(OFF)に設定することも可能となっている。このRTC演出に係る設定内容(第1動作条件の設定内容)に従って、RTC演出の実行条件(開始条件)となる所定時刻(開始時刻)が設定(記憶)されるものとなっている。具体的に、10時00分00秒から22時00分00秒までの間で、10時00分00秒を1回目の開始時刻として、以後、60分(1時間)ごと、120分(2時間)ごと、又は180分(3時間)ごとに開始時刻が到来する。また、RTC演出が非実行(OFF)に設定された場合、RTC演出の開始時刻は設定されないもの(非設定)となる。尚、第1動作条件の設定(管理者設定)を行わなかった場合、RTC演出の開始時刻は、10時00分00秒を1回目として、以後、60分ごとに到来する。RTC演出設定のデフォルトが「60分」だからである。
したがって、本実施例では、原則、10時00分00秒を1回目として60分ごと(毎時00分00秒)にRTC演出が実行(開始)される。そして、RTC演出設定によりRTC演出の実行間隔が「120分」に設定された場合にはRTC演出が120分ごとに実行され、「180分」に設定された場合にはRTC演出が180分ごとに実行される。また、RTC演出の非実行(OFF)が設定された場合には、RTC演出が実行されないこととなる。
S7002にて、現在の時刻がRTC演出の開始時刻であると判定した場合(S7002でYES)、RTC演出中止フラグがOFFであるか否かを判定し(S7003)、OFFである場合(S7003でYES)、RTC演出実行フラグをONにして(S7004)、RTC演出の開始(実行)を指定するRTC演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットする(S7005)。そのセットしたコマンドが前述のコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、RTC演出開始コマンドに基づき特定されるRTC演出パターンに対応する画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによるRTC演出画像(特別演出画像)を画像表示装置の表示画面に表示する。また、演出制御用マイコン91は、RTC演出に係る画像表示(表示演出)に合わせて、効果音(特別演出音)の出力制御や各種ランプの点灯制御を実行する。
これに対し、S7002にて現在の時刻がRTC演出の開始時刻でないと判定した場合(S7002でNO)、S7003以降の処理を行うことなく本処理を終える。また、S7003にてRTC演出中止フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S7003でNO)、S7004以降の処理を行うことなく本処理を終える。尚、RTC演出中止フラグは、RTC演出の実行(開始)に際して、その実行をキャンセルする旨の指示があった場合にONとなるフラグ(第2特別演出条件)であり、後述のRTC演出中止選択処理(S4305)のS8007にてONとなる。
[RTC演出中止選択処理]
次に、10msタイマ割り込み処理(S4010)にて実行されるRTC演出中止選択処理(S4305)について説明する。図48に示すように、RTC演出中止選択処理(S4305)ではまず、キャンセル受付期間フラグがOFFであるか否かを判定する(S8001)。本実施例では、前述のRTC演出関連処理(S4304)によりRTC演出が実行(開始)されるのに先立って、そのRTC演出の実行(開始)を中止(キャンセル)するか否かを遊技者が選択できるように構成されている。この選択が可能となる期間のことを「キャンセル受付期間」といい、キャンセル受付期間フラグは、そのキャンセル受付期間が発生していること(キャンセル受付期間中であること)を示すフラグである。キャンセル受付期間は、後述のS8003の処理によりONとなり、後述のS8009の処理によりOFFとなる。
S8001にてキャンセル受付期間フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S8001でNO)、後述のS8005の処理に進み、受付期間フラグがOFFであると判定した場合(S8001でYES)、キャンセル受付期間の開始タイミングであるか否かを判定する(S8002)。本実施例では、RTC92により計時される時刻が、RTC演出の開始時刻(所定時刻)になる前から当該開始時刻になるまでの間にキャンセル受付期間が発生する(設定される)ように構成されている。具体的には、開始時刻の30秒前から15秒間をキャンセル受付期間としている。したがってS8002では、RTC演出の開始30秒前であるか否かを判定し、そうである場合にはキャンセル受付期間の開始タイミングであると判定し(S8002でYES)、そうでない場合にはキャンセル受付期間の開始タイミングでないと判定する(S8002でNO)。
尚、RTC演出の開始時刻は、前述の第1動作条件の設定(管理者設定)のうち「RTC演出設定」の設定内容(第1特別演出条件)に準ずる。また、キャンセル受付期間の開始タイミングやキャンセル受付期間の長さは本実施例で示す時間に限られず、任意に設定可能である。
S8002にてキャンセル受付期間の開始タイミングでないと判定した場合(S8002でNO)、S8003以降の処理を行うことなく本処理を終え、キャンセル受付期間の開始タイミングであると判定した場合(S8002でYES)、キャンセル受付期間フラグをONにして(S8003)、選択画面表示開始コマンドをサブ出力バッファにセットする(S8004)。
S8004にてセットしたコマンドが前述のコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、RTC演出の実行又は中止を遊技者に選択させる選択画面(選択画像)の画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、その選択画面を第1画像表示装置7の表示画面7aに表示する。このとき、表示画面7a上で変動演出や大当り遊技演出が実行されている場合、その実行中の演出画像の手前側に重ねて選択画面が表示される。
ここで、選択画面の図示は省略するが、選択画面の内容としては、例えば、RTC演出が後述のように連続ドラマを題材としたものである場合、「ドラマを視聴しますか?」のメッセージ画像を表示画面7aの中央付近に表示するとともに、そのメッセージ画像の下方に「はい」の文字画像と「いいえ」の文字画像を左右又は上下に並べて表示する態様が挙げられる。この場合、前述の操作レバー(レバーボタン含む)の操作に応じて「はい」又は「いいえ」を選択(設定)できるように構成することが可能である。遊技者は、そのような選択画面が表示画面7aに表示されることで、RTC演出の実行/非実行(中止)の選択が可能な期間(受付期間)の発生(開始)を認識することが可能となり、その選択画面が表示されている間、すなわちキャンセル受付期間内に操作レバーを操作することで、「はい」(RTC演出の実行)又は「いいえ」(RTC演出の非実行)を選択(設定)することができる。このような遊技者によるRTC演出の実行/非実行の選択は、RTC演出の実行に係る条件(特別演出条件、第2特別演出条件)の設定といえる。
尚、選択画面の表示開始時に実行中の演出が、スーパーリーチ演出や発展演出等、予め定められた複数種の演出の中で相対的に出現率(選択率)が低い特定の演出である場合、所謂「ワイプ画面」ように選択画面を通常よりも小さく表示するようにしてもよい。また、選択画面が表示される表示部(選択画像表示部)は表示画面7aに設けなくてもよく、表示画面7aよりも画面サイズの小さい表示画面71aに設けてもよい。
また本実施例では、演出ボタン63とは別に操作レバーを設け、その操作レバーの操作により「はい」又は「いいえ」(RTC演出の実行/非実行)を選択可能としているが、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの何れか一方又は両方の操作により選択可能としてもよい。また、演出ボタン63とは別に設けられる入力手段は操作レバーでなくてもよく、例えばタッチパネルやダイヤル式のスイッチ等であってもよい。
次いでS8005では、キャンセル受付期間の終了タイミングであるか否かを判定する(S8005)。本実施例では、前述のようにRTC演出の開始30秒前から15秒間を受付期間としている。したがって、S8005では、キャンセル受付期間の開始(キャンセル受付期間フラグON)から15秒が経過したか否かを判定し、経過していれば終了タイミングであると判定し(S8005でYES)、経過していなければ終了タイミングでないと判定する(S8005でNO)。尚、S8005の判定は、例えば、サブ制御部90(演出制御用マイコン91)が、キャンセル受付期間の開始(キャンセル受付期間フラグON)を契機として、キャンセル受付期間の経過時間を計測するタイマを作動させ、そのタイマを参照して行うことができる。
S8005にてキャンセル受付期間の終了タイミングでないと判定した場合(S8005でNO)、S8006以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、キャンセル受付期間の終了タイミングであると判定した場合(S8005でYES)、この後開始予定のRTC演出の中止指示があったか否かを判定する(S8006)。この判定は、前述の選択画面での選択結果を参照することにより行う。すなわち、キャンセル受付期間が終了するときに、選択画面上の「はい」(RTC演出の実行)又は「いいえ」(RTC演出の非実行)の何れが選択されていたのかを判定し、「はい」が選択されていた場合にはRTC演出の中止指示がなかったと判定し(S8006でNO)、「いいえ」が選択されていた場合にはRTC演出の中止指示があったと判定する(S8006でYES)。
S8006にてRTC演出の中止指示がなかったと判定した場合(S8006でNO)、後述のS8009の処理に進み、RTC演出の中止指示があったと判定した場合(S8006でYES)、RTC演出中止フラグをONにして(S8007)、次回RTC演出情報コマンドをサブ出力バッファにセットする(S8008)。そのセットしたコマンドが前述のコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は次の周期で実行されるRTC演出に関する情報に対応する画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、その情報を表示画面71aに表示する(情報表示部)。
このように、今回のRTC演出の中止(キャンセル)が確定したことに基づいて次回のRTC演出に関する情報が表示されることで、遊技者は、今回のRTC演出が中止されたことを知ることができるとともに、次に実行可能とされるRTC演出について知ることができるようになる。これにより、RTC機能を備えた遊技機に「RTC演出キャンセル機能」と「次回RTC演出情報表示機能」とを付加して、当該遊技機の利便性を向上させることが可能となる。尚、RTC演出の中止指示に基づいてRTC演出中止フラグをONにする処理(S8007)は、RTC演出の実行に係る条件(特別演出条件、第2特別演出条件)を設定する条件設定手段として機能するといえる。
また、S8007でONにしたRTC演出中止フラグは、今回のRTC演出の実行を中止(禁止)することを示すフラグであり、RTC演出の開始時刻となったときに、RTC演出を実行(開始)する前(RTC演出実行フラグをONする前)に参照される(図47のを参照)。そして、RTC演出の開始時刻となったときに(S7002でYES)、RTC演出中止フラグがONとなっている場合には(S7003でNO)、RTC演出の実行条件(開始条件)が不成立となり、RTC演出を開始することなく(RTC演出開始コマンドをセットすることなく)、RTC演出の開始に係る処理(RTC演出関連処理)を終える。これにより、今回実行される予定であったRTC演出は実行されないこととなる。尚、RTC演出中止フラグは、RTC演出の開始時刻となったもののRTC演出を開始(実行)することなくその時刻が過ぎた時点でOFFとなる。
次いで、前述のS8003でONにしたキャンセル受付期間フラグをOFFにするとともに(S8009)、選択画面表示終了コマンドをサブ出力バッファにセットして(S8010)、本処理を終える。そのセットしたコマンドが前述のコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、それまで表示していた前述の選択画面を消去する。これにより、遊技者はキャンセル受付期間の終了を認識することができる。
[RTC演出]
次に、前述の特別演出関連処理(S4301)によって実行可能とされるRTC演出(特別演出)について説明する。RTC演出は、主要な演出部分に該当する主演出と、その主演出に先立って行われる先行演出とを含んで構成されている。また、RTC演出は、主に、第1画像表示装置7(メイン液晶)とスピーカ67とを用いて実行される。但し、後述するように、RTC演出が実行(開始)されるときの遊技状況(演出状況)によっては、第2画像表示装置71(サブ液晶)が用いられる場合もある。
画像制御基板100のROM(画像ROM)には、主演出に対応する画像データ(「主演出画像データ」ともいう)及び先行演出に対応する画像データ(「先行演出画像データ」ともいう)が記憶されている。また、副制御基板90のROMには、主演出に対応する音響データ(「主演出音響データ」ともいう)及び先行演出に対応する音響データ(「先行演出音響データ」ともいう)が記憶されている。RTC92による計時の結果に基づいてRTC演出の実行条件が成立すると、それらのデータが読み出されて、先行演出や主演出に係る演出画像が画像表示装置に表示されるとともに、先行演出や主演出に係る効果音(演出音)がスピーカから出力される。これによりRTC演出が実行される。
尚、主演出画像データ及び先行演出画像データのいずれか一方又は両方を指して「RTC演出画像データ」又は「特別演出画像データ」ともいい、主演出音響データ及び先行演出音響データのいずれか一方又は両方を指して「RTC演出音響データ」又は「特別演出音響データ」ともいう。また、主演出に対応する演出画像のことを「主演出画像」ともいい、先行演出に対応する画像のことを「先行演出画像」ともいい、主演出画像及び先行演出画像のいずれか一方又は両方を指して「RTC演出画像」又は「特別演出画像」ともいう。さらに、主演出に対応する効果音のことを「主演出音」ともいい、先行演出に対応する効果音のことを「先行演出音」ともいい、主演出音及び先行演出音のいずれか一方又は両方を指して「RTC演出音」又は「特別演出音」ともいう。
ここで、RTC演出は、RTC機能を搭載する機種に応じた内容を題材にして制作されるものであり、特別図柄当否判定の結果に関係なく周期的に実行するのに適した内容とされる。RTC演出の題材(内容)としては、漫画、アニメ、映画、ドラマ、ミュージシャン等が例示できる。本実施例では、複数のRTC演出(RTC演出パターン)が設けられており、RTC演出の開始時刻が到来するごとに、その複数のRTC演出(RTC演出パターン)の中から1つずつ順に実行される。具体的に、本実施例ではRTC演出パターン1〜20までの20種類のRTC演出パターンを備えており、それぞれ主演出の内容が異なるものなっている。例えば、本パチンコ遊技機1が連続ドラマを題材とした機種であり、その題材に応じた内容のRTC演出とされる場合、RTC演出パターン1に基づくRTC演出(RTC演出1)の主演出が「第1話」、RTC演出パターン2に基づくRTC演出(RTC演出2)の主演出が「第2話」というように演出内容が定められる。尚、RTC演出パターンのことを「特別演出パターン」ともいう。
これに対し、RTC演出を構成する先行演出の内容は、RTC演出パターン1〜20(RTC演出1〜20)で共通とされている。本実施例の先行演出は、主演出が開始されるまでの残り期間をカウントダウン表示する演出(カウントダウン演出)となっている。具体的に、図54(a)に示すように、主演出開始までの残り時間(秒数)を表す1桁の数字からなる数字画像200(カウントダウン画像)を第1図柄表示装置7の表示画面7aの略中央に表示してその数字を1ずつカウントダウンさせることにより、先行演出(カウントダウン演出)が実行される。本実施例では、主演出の開始約5秒前からカウントダウン演出(先行演出)が実行され、数字画像200の数字が「5」から順に1ずつカウントダウン表示される。そして、数字画像200によって示される数字が「0」(ゼロ)になるとカウントダウン演出が終了し、これに続いて表示画面7a上で主演出が開始される(図54(b)を参照)。
主演出では、例えば、前述のように連続ドラマを題材とした機種のRTC演出である場合、メイン液晶としての第1画像表示装置7(表示画面7a)に、実行するRTC演出パターンに応じたストーリー(あらすじ)のドラマ映像(主演出画像)が表示される(図54(b)参照)。また、主演出が行われる間、スピーカ67からは、ドラマの主題歌や挿入歌等のバックグラウンドミュージック(BGM)が出力される。
このように本実施例では、RTC92により計時される時刻が所定の開始時刻となってRTC演出が実行(開始)される場合、まず、メイン液晶の表示画面7aでカウントダウン演出(先行演出)が実行され(図54(a)を参照)、該カウントダウン演出の終了に続いて、メイン液晶の表示画面7aで主演出が実行される(図54(b)を参照)。
尚、先行演出として実行される、主演出が開始されるまでの残り期間を示すカウントダウン演出は、本実施例のような数字画像200によるものでなくてもよく、例えば、主演出開始までの残り秒数が1/100秒まで表示されてカウントダウン表示されるタイマ画像によるものであってもよい。また、先行演出は、カウントダウン演出の他にも、例えば、主演出が開始されるまでを数字や時間のカウントアップにより示す演出(カウントアップ演出)としたり、これから開始される主演出の内容を紹介する演出(イントロダクション演出)としたりすることができ、主演出が開始されることを遊技者に認識させることができるものであれば、その態様は問わない。
本実施例では、以上のようなRTC演出パターン1〜20に基づくRTC演出(RTC演出1〜20)が、パターン番号の若い方から順に所定周期で実行される。すなわち、本パチンコ遊技機1の設置後、初めて稼働して最初の実行条件(時間条件)が成立するとRTC演出1が実行され、以後、所定時間ごとに、RTC演出2、RTC演出3の順で実行される。そして、RTC演出20が実行されると、その次はRTC演出1に戻り、以後、RTC演出1〜20までループして実行される。RTC演出の演出時間(実行時間)はRTC演出パターンに準じて定まるものであり、本実施例ではその1回の演出時間が約5〜6分となっている。したがって、所定周期ごとに約5〜6分のRTC演出の実行期間(「RTC演出期間」や「特別演出期間」ともいう)が発生することとなる。これにより、遊技ホール内にいる遊技客や当該遊技機1を遊技している遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。
また、本実施例では演出制御用マイコン91が、RTC92による計時の結果に基づいて実行した最新のRTC演出や次に実行するRTC演出の内容(種類)、さらには前述の第1動作条件としてのRTC演出に係る設定内容(第1特別演出条件)など、RTC演出の実行に関する情報を副制御基板90のRAMに記憶するものとしており、その情報はパチンコ遊技機1の電源断に伴うバックアップの対象(バックアップデータ)とされている。このため、例えばRTC演出1〜10まで実行した状態で1日の営業が終わりパチンコ遊技機1の電源を落とした場合、翌営業日にパチンコ遊技機1の電源を投入(稼働を開始)して最初の実行条件(時間条件)が成立すると、RTC演出11から実行される。これにより、RTC演出の実行順序を保つことが可能となり、遊技ホールに設置された遊技機(設置台)によって実行順序が狂ってしまうといった不都合を回避することが可能となる。
尚、RTC演出は先行演出と主演出とからなるものでなくてもよく、例えば主演出のみからなるものであってもよい。また、先行演出の前に更なる所定の先行演出を行うなど先行演出を複数設けたり、主演出を複数設けたり、主演出の後に所定の後演出を行ったりする等、RTC演出の構成は任意である。
[RTC演出画像の表示制御]
次に、RTC演出(特別演出)を構成するRTC演出画像(特別演出画像)の表示制御について説明する。前述のように、RTC演出関連処理(S4304)では、RTC92による計時の結果に基づきRTC演出の開始時刻が到来し、RTC演出の実行条件(開始条件)が成立している場合に(S7002でYES→S7003でYES)、RTC演出開始コマンドがサブ出力バッファにセットされる(S7005)。そして、RTC演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、当該コマンドに基づくRTC演出画像データが画像ROMから読み出され、該画像データによるRTC演出画像が画像表示装置の表示画面に表示される。つまり、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)と画像制御用マイコン101(画像制御部100)との協働によりRTC演出画像の表示(RTC演出)が実行可能とされている。したがって、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)及び画像制御用マイコン101(画像制御部100)は特別演出実行手段として機能するといえる。
ここで、RTC演出は、特別図柄当否判定の結果に関係なく、RTC92による計時の結果に基づいて周期的に実行される。このため、特別図柄当否判定の結果に基づく変動演出や、特別図柄当否判定の結果が大当りとなったことに基づく大当り遊技演出など、遊技の進行に伴う演出(遊技演出)の実行中に、RTC演出が開始されることもある。
例えば、変動演出を構成する変動演出画像(演出図柄8の変動表示やリーチ演出表示等)は、主として第1画像表示装置7(表示画面7a)に表示される構成となっている(図3を参照)。また、RTC演出を構成するRTC演出画像(先行演出画像及び主演出画像)も、主として第1画像表示装置7(表示画面7a)に表示される構成となっている(図54を参照)。このような構成において、変動演出の実行中にRTC演出が開始される場合、変動演出画像が表示されている表示画面7aにRTC演出画像が表示されることとなる。このとき、実行中の変動演出が、SPリーチや発展演出等、相対的に大当り信頼度の高い演出(「高信頼度演出」又は「特定演出」ともいう)を含む変動演出パターンに基づくものであり、その高信頼度演出の演出表示が表示画面7a上で実行されているときにRTC演出が開始されると、RTC演出画像の表示が高信頼度演出の演出表示の妨げとなり、却って興趣を低下させてしまう虞がある。
そこで、本実施例では、変動演出の実行中にRTC演出を実行(開始)する場合、その実行中の変動演出の状況に応じてRTC演出画像の表示態様を異ならせる構成を採用している。具体的に、図変動演出に係る変動演出画像の表示制御を行っている画像制御用マイコン101(特別演出実行手段)は、変動演出の実行中(変動演出画像の表示中)にサブ制御部90からのRTC演出開始コマンド(S7005を参照)を受信すると、図49に示すRTC演出画像表示処理(S4600)を実行する。
図49に示すように、RTC演出画像表示処理(S4600)ではまず、現在実行中の変動演出の状況(演出場面)、すなわち、表示画面7aに表示中の変動演出画像の内容が、演出図柄の変動表示開始からSPリーチ開始前までの内容であるのか、SPリーチ開始後の内容であるのかを判定する(S9001)。SPリーチ開始後の演出内容は、前述のSPリーチA〜Cや発展SPリーチ等によるものであり、SPリーチ開始前までの演出内容に比べ大当り信頼度(期待度)が高い演出内容である。SPリーチ開始前までの演出内容のことを「第1演出場面」ともいい、SPリーチ開始後の演出内容(SPリーチ演出画像、発展演出画像等)のことを「第2演出場面」ともいう。
そして、RTC演出の開始時点で表示画面7aに表示中の変動演出画像の内容が、SPリーチ開始前までの演出内容(第1演出場面)である場合には(S9002でYES)、図54(a)及び(b)に示すように、第1画像表示装置7の表示画面7aの全体にRTC演出画像(先行演出画像及び主演出画像)を表示するとともに、表示画面7aの右下にSPリーチ開始前の変動演出画像を小さく表示する(S9003)。この場合、RTC演出画像の方が変動演出画像よりも大きく表示される。このようにRTC演出画像を表示画面7a(メイン液晶)に表示するのが、RTC演出画像の通常表示態様(第1表示サイズ)である。
また、RTC演出が開始される際に表示画面7aに表示中の変動演出の演出場面が第1演出場面であり、その変動演出がSPリーチ等の高信頼度演出を含む変動演出パターンに基づくものであって、RTC演出開始後のRTC演出期間中(RTC演出画像の表示中)に第2演出場面の実行(開始)タイミングが到来する場合、その第2演出場面の変動演出画像は、SPリーチ開始前の変動演出画像(第1演出場面)と同様に表示画面7aの右下に小さく表示される。つまり、RTC演出の開始によりRTC演出画像が表示画面7aの全体に表示され、これに伴い変動演出画像が表示画面7aの右下に小さく表示された場合、以後、RTC演出が終了するまで表示画面7aの右下に変動演出が表示される。また、次回以降の変動演出についても同様に、RTC演出が終了するまで表示画面7aの右下に小さく表示される。さらに、表示画面7aの右下で実行される変動演出の結果として演出図柄8が大当り態様で停止表示された場合、その後の大当り遊技に係る大当り遊技演出(ラウンド演出)も、RTC演出が終了するまで、表示画面7aの右下に小さく表示される。そして、RTC演出が終了すると、それまで小さく表示されていた変動演出や大当り遊技演出等は、元の大きさ(通常の表示態様)で表示されるようになる。
これに対し、RTC演出の開始時点で表示画面7aに表示中の変動演出画像の内容が前述の第1演出場面でない場合(S9002でNO)、その内容は、SPリーチ開始後の演出内容(第2演出場面)となる。この場合、図55(a)及び(b)に示すように、第2画像表示装置71の表示画面71aにRTC演出画像(先行演出画像及び主演出画像)を表示する(S9004)。このとき、SPリーチ開始後の変動演出画像は、RTC演出後も表示画面7aの略全体に表示され、表示画面71aに表示されるRTC演出画像よりも大きく表示される(図55(a)及び(b)を参照)。このようにRTC演出画像を表示画面71a(サブ液晶)に表示するのは、RTC演出画像の特殊表示態様(第2表示サイズ)である。
また、RTC演出が開始される際に表示画面7aに表示中の変動演出の演出場面が第2演出場面であり、RTC演出開始後のRTC演出期間中(RTC演出画像の表示中)に、その第2演出場面を経て演出図柄8が外れ態様で停止表示された場合、すなわち、当該変動演出の結果が外れであった場合、当該変動演出の終了(又は次の変動演出の開始)を契機として、それまで表示画面71a(サブ液晶)に表示されていたRTC演出画像が表示画面7a(メイン液晶)の全体に表示されるようになり、表示画面71a(サブ液晶)には表示されなくなる。つまり、RTC演出画像の表示態様が特殊表示態様(第2表示サイズ)から通常表示態様(第1表示サイズ)に変更される。この後、前述の第1演出場面のときにRTC演出が開始される場合と同様に、表示画面7aの右下に変動演出(変動演出画像)が表示される(図54(b)を参照)。
尚、本実施例では、変動演出の演出場面を、第1演出場面とこれよりも大当り信頼度(期待度)が高くなる第2演出場面とに区別するものとしているが、さらに、第3演出場面、第4演出場面といったように、3つ以上の演出場面に区別するものとしてもよい。例えば、SPリーチの開始から終了までの演出内容を第2演出場面とし、SPリーチ後の発展演出が開始されてからの演出内容を第3演出場面としたり、SPリーチ演出や発展演出よりも後に実行され得る演出内容(例えば再抽選演出など)を第3演出場面又は第4演出場面としたりすることができる。この場合、RTC演出の開始時点で表示画面7aに表示中の変動演出画像の内容が第3演出場面や第4演出場面であれば、RTC演出画像を表示画面71aに表示するように構成することができる。変動演出の演出場面がより後になる程、遊技者の注目度や大当りに対する期待度が高まるからである。
また、本実施例では、RTC演出画像を通常表示態様(第1表示サイズ)で表示する場合、そのRTC演出画像を表示画面7a(メイン液晶)に表示するものとしているが(図54(a)及び(b)を参照)、表示画面7a(メイン液晶)と表示画面71a(サブ液晶)の両方に表示するようにしてもよい。例えば、RTC演出画像のうち先行演出画像(本例ではカウントダウン画像)を表示画面71aに表示し、主演出画像(本例ではドラマ映像)を表示画面7aに表示するように構成してもよい。また、主演出画像の内容(RTC演出パターン)に応じて主演出画像を表示画面7aと表示画面71aの両方に表示するように構成してもよい。これにより、RTC演出画像の表示バリエーションを増やして、視覚的変化に富んだRTC演出とすることが可能となる。
[実施例の作用効果]
以上の実施例に係るパチンコ遊技機1では、当該遊技機1の裏面側から操作可能なRAMクリアスイッチ(第1操作部)による操作が検知されてから所定期間内(本例ではRAMクリア報知期間内)に、当該遊技機1の表面側から操作可能な演出ボタン63(第2操作部)による所定操作(本例では第2演出ボタン63bの時計回り方向への回転+第1演出ボタン63aの押圧)が検知された場合に、「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する動作条件(第1動作条件)の設定が可能となる。
ここで、遊技ホールに遊技機が設置された状態では、通常、RAMクリアスイッチを遊技者が操作することは不可能であり、当該RAMクリアスイッチを操作できるのは遊技ホールの管理者等である。このため、RAMクリアスイッチによる操作及び当該操作から所定期間内における演出ボタン63による所定操作は、遊技者ではなく管理者等が行うこととなり、それらの操作を契機として可能となる「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する動作条件の設定も、遊技者ではなく管理者等が行うこととなる。
「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する動作条件は、いずれも、遊技ホールにおける遊技機の設置台数、島設備の仕様、営業スタイル等、遊技ホールの環境に大きく影響するいえる。こうした遊技ホールの環境の対する影響が大きいと考えられる条件設定を遊技者が自由に変更できるのは、ホール運営上望ましくない。遊技ホール側の意に反した設定がなされる虞があるからである。
この点、本実施例によれば、通常、管理者等しか行うことのできない「RAMクリアスイッチによる操作」を契機として、当該操作から所定期間内における演出ボタン63による所定操作を経て、「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する動作条件の設定が可能となる。これにより、管理者等のみが設定可能な動作条件(第1動作条件)を設けて、演出に関する設定(エコモード設定、枠ギミック設定、RTC演出設定)を適切に行うことが可能となる。
また、実施例に係るパチンコ遊技機1では、「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する動作条件の設定を可能にするにあたり、電源投入時のRAMクリアスイッチ操作を要するものとしている。主制御部や副制御部等の制御手段を備える遊技機には、通常、RAMクリアスイッチが設けられている。このため、既存のRAMクリアスイッチを、「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する動作条件の設定を可能にするための操作部として用いることが可能となり、RAMクリア(初期化)に伴って、その動作条件(第1動作条件)を設定できるようにすることが可能となる。これにより、管理者等による演出に関する設定を合理的に行うことが可能となる。
また、実施例に係るパチンコ遊技機1では、管理者等が設定可能な「エコモード」、「枠ギミック」及び「RTC演出」に関する条件(第1動作条件)と、遊技者が設定可能な「音量」、「画面明るさ」、「ランプ明るさ」及び「RTC演出中止」に関する条件(第2動作条件、第2特別演出条件)とが設けられている。このうち、管理者等が設定可能な条件については、遊技機1の電源投入時のRAMクリアスイッチの操作及び当該操作から所定期間内における演出ボタン63の所定操作を経て設定可能となる。一方、遊技者が設定可能な条件については、遊技機1の電源投入後、第2画像表示装置71(表示画面71a)にて変動演出や予告演出に係る画像表示が行われていないときやRTC演出の開始前に、設定可能となる場合がある。例えば、管理者等によるRTC演出設定でRTC演出の非実行(OFF)が設定されておらずRTC演出OFF実行周期が「60分」、「120分、「180分」の何れかに設定されている場合には、その後のRTC演出の実行開始前の所定期間(本例では開始30秒前から15秒間)においてRTC演出を中止(キャンセル)するか否かの設定が可能となる。また、管理者等によるエコモード設定でエコモードがOFFに設定されている場合には、その後の遊技者による音量設定で「レベル1」〜「レベル5」の間で音量の設定が可能となり、管理者等によるエコモード設定でエコモードがONに設定されている場合には、その後の遊技者による音量設定で「レベル1」〜「レベル3」の間で音量の設定が可能となる。
このように本実施例によれば、管理者等のみが設定することのできる条件(第1動作条件、第1特別演出条件)と、遊技者が設定することのできる条件(第2動作条件、第2特別演出条件)とを区別して設けることが可能となる。これにより、管理者等による条件(第1動作条件、第1特別演出条件)の設定だけでなく、その設定結果(設定内容)に応じて、遊技者による条件(第2動作条件、第2特別演出条件)の設定も可能となり、延いては遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、実施例に係るパチンコ遊技機1では、変動演出の実行中にRTC演出を実行(開始)する場合、その実行中の変動演出の状況(演出場面)に応じて、RTC演出画像を表示画面7a(メイン液晶)又は表示画面71a(サブ液晶)に表示するものとしている。具体的に、RTC演出の実行条件(開始条件)が成立したときに表示画面7a(メイン液晶)で実行中の変動演出の演出場面が第1演出場面(本例ではSPリーチ開始前)である場合には、RTC演出画像を表示画面7a(メイン液晶)に表示し、第2演出場面(本例ではSPリーチ開始後)である場合には、RTC演出画像を表示画面71a(サブ液晶)に表示するものとしている。RTC演出画像が表示画面7aに表示されるときはRTC演出画像の表示サイズが大きくなり(第1表示サイズ)、表示画面71aに表示されるときは当該RTC演出画像の表示サイズが小さくなる(第2表示サイズ)。
このため、変動演出が第1演出場面のときにRTC演出が実行(開始)される場合には、RTC演出を目立たせて遊技者の関心をRTC演出に向けさせる一方、変動演出が第2演出場面のときにRTC演出が実行(開始)される場合には、RTC演出をあまり目立たないようにして遊技者の関心を第2演出場面(変動演出)に向けさせておくことが可能となる。このように、実行中の変動演出の演出場面に即した態様でRTC演出が実行される構成とすることで、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、RTC演出開始当初からRTC演出画像を表示画面7a(メイン液晶)に表示する場合には、それまで表示画面7aに表示していた変動演出画像は小さく表示され、RTC演出画像が変動演出画像よりも目立つ態様で優先的に表示されることになる。これによりRTC演出に遊技者の関心を向けさせて、RTC演出による興趣を遊技者に与えることが可能となる。一方、RTC演出開始当初からRTC演出画像を表示画面71a(サブ液晶)に表示する場合には、高信頼度演出(第2演出画面)の変動演出画像が表示画面7a(メイン液晶)に大きく表示されて、RTC演出画像よりも目立つ態様で優先的に表示されることになる。これにより、RTC演出開始後も引き続き変動演出(高信頼度演出、第2演出場面)に遊技者の関心を向けさせて、変動演出の興趣を損なわないようにすることが可能となる。
また、実施例に係るパチンコ遊技機1では、画面サイズが相対的に大きい第1画像表示装置7と、画面サイズが相対的に小さい第2画像表示装置71とを備えている。そして、RTC演出の実行にあたりRTC演出画像が相対的に大きいサイズ(第1表示サイズ)で表示される場合、そのRTC演出画像は第1画像表示装置7に表示される。一方、RTC演出の実行にあたりRTC演出画像が相対的に小さいサイズ(第2表示サイズ)で表示される場合、そのRTC演出画像は第2画像表示装置71に表示される。このため、RTC演出画像の表示サイズに見合った画面サイズの画像表示装置を用いてRTC演出が実行可能となる。これにより、RTC演出を状況に応じて適切に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態として一実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述した実施例では、相対的に画面サイズの大きい第1画像表示装置7(メイン液晶)の上方に、相対的に画面サイズの小さい第2画像表示装置71(サブ液晶)を設けていたが、第1画像表示装置(メイン液晶)の下方、左方又は右方に第2画像表示装置(サブ液晶)を設けてもよい。この場合、前述した実施例と同様に一つのメイン液晶と一つのサブ液晶を備える構成とすることは勿論のこと、一つのメイン液晶と二以上(例えば二つ)のサブ液晶を備える構成(例えば図57(a),(b)を参照)としたり、二以上(例えば二つ)のメイン液晶と一つのサブ液晶を備える構成(図示せず)としたり、二以上(例えば二つ)のメイン液晶と二以上(例えば二つ)のサブ液晶を備える構成(図示せず)としたりすることが可能である。これらの複数の画像表示装置(表示画面)を備える構成においても、本発明を適用することが可能であり、前述した実施例と同様の作用効果を奏することが可能である。
また、前述した実施例では、遊技盤2と一体的に設けられる画像表示装置(第1画像表示装置7、第2画像表示装置71)を備えるものとしていたが、遊技盤側の画像表示装置に加え、前面枠等に設けられる枠側の画像表示装置(サブ液晶)を備えるものであってもよい。このように枠側の画像表示装置(サブ液晶)を備える構成においても、本発明を適用することが可能であり、前述した実施例と同様の作用効果を奏することが可能である。
また、前述した実施例では、RTC演出画像を相対的に大きいサイズ(第1表示サイズ)で表示する場合、そのRTC演出画像を第1画像表示装置7(表示画面7a)に表示し、RTC演出画像を相対的に小さいサイズ(第2表示サイズ)で表示する場合、そのRTC演出画像を第2画像表示装置71(表示画面71a)に表示するものとしていたが、こうしたRTC演出画像の表示サイズの切り換えを、一の画像表示装置で行うことも可能である。例えば、RTC演出画像を相対的に大きいサイズで表示する場合、そのRTC演出画像を第1画像表示装置7の表示画面全体に表示し、RTC演出画像を相対的に小さいサイズで表示する場合、そのRTC演出画像を第1画像表示装置7の表示画面の一部領域に部分的に表示(所謂「ワイプ表示」)するようにしてもよい。これによっても、前述した実施例と同様の作用効果を奏することが可能である。
また、前述した実施例では、管理者等による動作条件(第1動作条件)の設定を可能とするための操作を、電源投入に伴うRAMクリアスイッチの操作及び当該操作から所定期間内における演出ボタン63の所定操作としていたが、そのうち、遊技機裏面側からのRAMクリアスイッチの操作については、他の操作に置き換えることが可能である。例えば、遊技機裏面側から操作可能な操作部として電源スイッチが設けられているので、この電源スイッチのON操作と、当該ON操作から所定期間内における演出ボタン63の所定操作とにより、管理者等による動作条件の設定が可能となるように構成することができる。この場合、RAMクリアの実行有無にかかわらず、電源投入の都度(電源スイッチをONする毎に)、演出ボタン63を操作して管理者等による動作条件の設定を行えるようにすること(管理者設定メニュー画面の表示)が可能となる。また、管理者等による動作条件(第1動作条件)の設定を可能とするための操作に供する専用の操作部(第2操作部)を遊技機裏面側(例えばサブ制御基板)に設けて、その操作部による操作と、当該操作から所定期間内における演出ボタンの所定操作とにより、管理者等による動作条件の設定が可能となるように構成することもできる。これらの構成によっても、演出に関する設定を適切に行うことが可能となる。
また、前述した実施例では、大当り遊技のラウンド数として「2R」と「15R」の2種類を有するものとしていたが、ラウンド数はこれに限定されるものではなく、ラウンド数の種類を3種類以上としてもよく、あるいは1種類だけとしてもよい。さらに、第1大入賞口30および第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放パターンも前述の実施例に限定されるものではなく、例えば、1ラウンドあたりの開放時間や開放回数等は、種々の態様を採ることが可能である。
また、前述した実施例では、Vラウンドにおける第2大入賞口35(Vアタッカー)の開放時間の長短によって、V通過可能性が高くなる(容易となる)場合と、低くなる(実質的に不可能となる)場合とを設定していた。すなわち、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に長い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が容易となって、第2大入賞口35に入球した遊技球の少なくとも1個がほぼ確実に特定領域39を通過するものとし、一方、Vラウンドにおける第2大入賞口35の開放時間が相対的に短い場合には、当該第2大入賞口35への遊技球の入球が困難(実質的に不可能)となり、これにより遊技球が特定領域39を通過しないものとしていた。これに代えて、特定領域を開閉する可動片を設け、Vラウンドでの第2大入賞口35への入球数(入球数計数手段による計数値)に基づいて可動片を動作させることとし、その動作態様によってV通過可能性が異なるようにしてもよい。例えば、Vラウンドでの第2大入賞口35への第1所定数(例えば1個目)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が低くなる(実質的に不可能となる)態様とし、第2所定数(例えば2個目〜規定数の何れか)の入球に基づいて可動片を動作させる場合には、その可動片の動作態様をV通過可能性が高くなる態様とする。そして、Vラウンドにて可動片がV通過可能性の低い態様でしか動作しない大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球に基づいてのみ可動片が動作する大当りを「V非通過予定大当り」とし、V通過可能性の低い態様で動作する場合とV通過可能性の高い態様で動作する場合とがある大当り、すなわち、第2大入賞口35への第1所定数の入球と第2所定数の入球とに基づいて可動片が動作する大当りを「V通過予定大当り」とすればよい。このような構成によっても、前述した実施例等と同様に、特定領域への遊技球の通過有無に基づき確率変動機能の作動有無(高確率状態の発生有無)を決定することが可能となる。
また、前述した実施例では、大当り遊技中(特別遊技中)のVラウンドで遊技球が特定領域39を通過したことに基づいて高確率状態を発生させるという遊技上の特典を遊技者に付与するものを例示したが、本発明でいう特典は高確率状態の発生に限られるものではない。例えば、始動口への遊技球の入球頻度を高くする高ベース状態や、識別情報の変動時間を通常より短くする変動時間短縮状態(時短状態)等、遊技者に何らかの利益を付与するものであれば、その特典の内容(種類)は問わない。また、遊技球が特定領域を通過したことに基づいて、一の特典を付与するものであっても複数の特典を付与するものであってもよい。
また、前述した実施例では、確変作動口としての特定領域39を有するパチンコ(所謂「V確機」)に本発明を適用したものを例示したが、これに限らず、大入賞口内に特定領域39を有することなく、特別図柄当否判定の結果(停止表示される大当り図柄の種類)に基づいて高確率状態を付与するか否かを決定するタイプの遊技機(所謂「図柄確変機」)においても、本発明は適用可能である。あるいは、確率変動機能を備えていないタイプの遊技機にも本発明は適用可能である。また、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述した実施例では、第2特図保留(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留(第1特別図柄の変動表示)に優先して消化する制御処理(いわゆる特図2優先変動)を採用していたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理(いわゆる特図1優先変動)としてもよい。あるいは、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留および第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(いわゆる入球順(記憶順)変動)の制御処理としてもよい。また、前述の実施例における特図2優先変動に代えて、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化と第2特図保留の消化)とを並行して実行する制御処理(いわゆる特図1,2同時変動)を採用してもよい。
また、前述した実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、遊技機には液晶等の表示器や可動役物(ギミック)、電飾、スピーカ等の演出装置(演出部)が設けられており、遊技の進行に応じて様々な演出が実行される。この種の遊技機において、演出音(スピーカ)の音量や電飾の輝度、表示器の輝度等、演出に関する様々な設定を遊技者が行えるように構成したものが知られている(例えば特開2005−279019号公報を参照)。このような構成を備える遊技機では、遊技者の好みに応じた設定で演出が実行されるようになるという利点がある。
しかしながら、演出に関する設定を遊技者が自由に行えるようにすると、遊技ホール側の意に反した設定がなされる場合もある。この場合、遊技ホール側は所望の設定内容とすべく演出に関する設定をやり直す必要があり、その作業は煩雑である。
本参考発明1は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演出に関する設定を適切に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
参考発明1−1の遊技機は、
所定の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であって、
当該遊技機の裏面側から操作可能に設けられた第1操作部と、
前記第1操作部による操作を検知可能な第1操作検知手段と、
当該遊技機の表面側から操作可能に設けられた第2操作部と、
前記第2操作部による操作を検知可能な第2操作検知手段と、
所定の演出を実行可能な演出部と、
前記演出部の動作条件を設定可能な条件設定手段と、を備え、
前記演出部は、前記条件設定手段による設定内容に基づいて演出動作を実行可能であり、
前記第1操作部による操作を前記第1操作検知手段が検知してから所定期間内に前記第2操作部による所定操作を前記第2操作検知手段が検知すると、前記演出部の動作条件が設定可能となる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技機の裏面側から操作可能な第1操作部による操作が検知されてから所定期間内に、遊技機の表面側から操作可能な第2操作部による所定操作が検知された場合に、演出部の動作条件を設定することが可能となる。ここで、遊技ホールに遊技機が設置された状態では、通常、遊技機の裏面側から操作可能な第1操作部を遊技者が操作することは不可能であり、当該第1操作部を操作できるのは遊技ホールの店員や管理者(以下「管理者等」という)である。このため、第1操作部による操作及び当該操作から所定期間内における第2操作部による所定操作は、遊技者ではなく管理者等が行うこととなり、それらの操作を契機として可能となる演出部の動作条件の設定も、遊技者ではなく管理者等が行うこととなる。これにより、管理者等のみが設定可能な演出部の動作条件を設けて、演出に関する設定を適切に行うことが可能となる。
参考発明1−2の遊技機は、前述した参考発明1−1の遊技機において、
前記所定操作を示す説明表示を前記所定期間内に実行可能な説明表示手段を備える
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1操作部による操作が検知された後の所定期間内において、第2操作部の所定操作を示す説明表示が実行可能となっている。このため、第2操作部の所定操作の仕方(操作態様)を開示して、演出部の動作条件の設定機能の存在を管理者等に認識させることが可能となる。これにより、ユーザーフレンドリーな遊技機とすることが可能となる。
参考発明1−3の遊技機は、前述した参考発明1−1又は1−2の遊技機において、
遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、
前記遊技制御手段による制御処理に係る情報を記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段の記憶内容を消去可能な消去手段と、を備え、
前記第1操作部は、前記消去手段による前記記憶内容の消去を実行させるために操作される消去操作部である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技制御手段による制御処理に係る情報を記憶可能な記憶手段の記憶内容を消去するために操作される消去操作部が第1操作部とされる。遊技制御手段を備える遊技機には、通常、消去操作部が設けられている。このため、既存の消去操作部を第1操作部として用いることが可能となり、また、記憶手段の記憶内容の消去(初期化)に伴って演出部の動作条件が設定可能となる。これにより、管理者等による演出部の動作条件の設定を合理的に行うことが可能となる。
参考発明1−4の遊技機は、前述した参考発明1−1から1−3の何れか一つの遊技機において、
前記演出部の動作条件には、第1動作条件と第2動作条件とがあり、
前記第1動作条件は、前記所定期間内に前記第2操作部による所定操作を前記第2操作検知手段が検知することで設定可能となり、
前記第2動作条件は、前記第1動作条件の設定内容に応じて、前記所定期間が経過した後の所定時期に設定可能となる場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、演出部の動作条件として第1動作条件と第2動作条件とが設けられている。その2つの動作条件のうち、第1動作条件は、第1操作部による操作及び当該操作から所定期間内における第2操作部による所定操作に基づいて設定可能となる。つまり、第1動作条件は、管理者等による第1操作部の操作及び第2操作部の所定操作を経て設定可能となる動作条件である。一方、第2動作条件は、管理者等による第1動作条件の設定内容(設定結果)に応じて、その設定後の所定時期に設定可能となる場合があるもので、第2動作条件の設定を行えるのは管理者等に限られない。つまり、第2動作条件は、遊技者が設定可能な動作条件である。このため、管理者等のみが設定することのできる演出部の動作条件と、遊技者が設定することのできる演出部の動作条件とを区別して設けることが可能となる。これにより、遊技者による演出部の動作条件の設定を可能として、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
以上の参考発明1によれば、演出に関する設定を適切に行うことが可能となる。
(参考発明2)
従来、所定条件の成立により行われる当否判定の結果が特定結果となったことに基づいて、遊技者に所定の遊技利益が付与される特別遊技が実行可能となる遊技機が知られている。この種の遊技機は、当否判定の結果に基づいて識別情報の変動表示等を含む変動演出が実行可能とされるのが一般的である。これに加え、リアルタイムクロック(RTC)等を用いて、所定時間が計測される毎に特別な演出画像を表示する特別演出を実行する機能を備えた遊技機が存在する(例えば特開2010−17350号公報を参照)。こうした機能を備えた遊技機を遊技ホール内の島設備に複数台並べて設置することで、複数の遊技機による特別演出が所定周期で一斉に実行されるようになる。
しかしながら、所定時間毎に(所定周期で)特別演出が実行される場合、その特別演出が実行されるときの変動演出の実行状況によっては、双方の演出に係る演出効果が十分に発揮されず、却って興趣が低下してしまう虞がある。
本参考発明2は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定時間毎に特別演出を実行する機能を備えた遊技機の興趣低下を抑制することにある。
参考発明2−1の遊技機は、
所定条件の成立に基づいて当否判定を実行可能な当否判定実行手段と、
前記当否判定の結果が特定結果となったことに基づいて遊技者に所定の遊技利益が付与され得る特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
前記当否判定の結果に基づいて変動演出画像を所定の表示部に表示する変動演出を実行可能な変動演出実行手段と、
時間を計測可能な計時手段と、
前記計時手段による計時の結果に基づいて特別演出画像を所定の表示部に表示する特別演出を実行可能な特別演出実行手段と、を備え、
前記変動演出の演出場面には、少なくとも、第1演出場面と該第1演出場面よりも前記特定結果の期待度が高い第2演出場面とがあり、
前記特別演出実行手段は、
前記変動演出の実行中に前記特別演出を実行する場合、その変動演出の演出場面が前記第1演出場面であれば特別演出画像を第1表示サイズで表示し、前記第2演出場面であれば特別演出画像を前記第1表示サイズよりも小さい第2表示サイズで表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、計時手段による計時結果に基づく特別演出が変動演出中に実行(開始)されることとなった場合、そのときの変動演出の演出場面が第1演出場面であれば、特別演出を構成する特別演出画像が相対的に大きい第1表示サイズで表示され、そのときの変動演出の演出場面が特定結果の期待度の高い第2演出場面であれば、特別演出を構成する特別演出画像が相対的に小さい第2表示サイズで表示される。このため、変動演出が第1演出場面のときに特別演出が実行される場合には、特別演出を目立たせて遊技者の関心を特別演出に向けさせる一方、変動演出が第2演出場面のときに特別演出が実行される場合には、特別演出をあまり目立たないようにして遊技者の関心を第2演出場面(変動演出)に向けさせておくことが可能となる。このように、実行中の変動演出の演出場面に即した態様で特別演出が実行される構成とすることで、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
参考発明2−2の遊技機は、前述した参考発明2−1の遊技機において、
前記変動演出実行手段は、
前記特別演出の実行により特別演出画像が前記第1表示サイズで表示される場合、該第1表示サイズよりも小さい表示サイズで変動演出画像を表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別演出の実行により特別演出画像が第1表示サイズで表示される場合、すなわち、特別演出が実行(開始)されるときの変動演出の演出場面が第1演出場面である場合、その変動演出を構成する変動演出画像が、特別演出を構成する特別演出画像に比して小さく表示される。このため、変動演出よりも特別演出の方を目立たせることが可能となる。これにより、変動演出が第1演出場面のときに特別演出が実行される場合には、遊技者の関心を特別演出に向けさせて、特別演出による興趣を遊技者に与えることが可能となる。
参考発明2−3の遊技機は、前述した参考発明2−1又は2−2の遊技機において、
前記特別演出の実行により特別演出画像が前記第2表示サイズで表示される場合、該第2表示サイズよりも大きい表示サイズで変動演出画像を表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別演出の実行により特別演出画像が第2表示サイズで表示される場合、すなわち、特別演出が実行(開始)されるときの変動演出の演出場面が第2演出場面である場合、その変動演出を構成する変動演出画像が、特別演出を構成する特別演出画像に比して大きく表示される。このため、特別演出よりも変動演出の方を目立たせることが可能となる。これにより、変動演出が第2演出場面のときに特別演出が実行される場合には、遊技者の関心を変動演出(第2演出場面)に向けさせて、変動演出による興趣を遊技者に与えることが可能となる。
参考発明2−4の遊技機は、前述した参考発明2−1から2−3の何れか一つの遊技機において、
第1表示装置と、
第2表示装置と、を備え、
前記第1表示装置は前記第2表示装置に比して画面サイズが大きいものであり、
前記特別演出実行手段は、
前記第1表示サイズで特別演出画像を表示する場合、該特別演出画像を少なくとも前記第1表示装置に表示し、
前記第2表示サイズで特別演出画像を表示する場合、該特別演出画像を前記第2表示装置に表示する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別演出の実行にあたり特別演出画像が第1表示サイズで表示される場合には、第1表示装置及び第2表示装置のうち、少なくとも、画面サイズが相対的に大きい第1表示装置に特別演出画像が表示される。一方、特別演出の実行にあたり特別演出画像が第2表示サイズで表示される場合には、第1表示装置及び第2表示装置のうち、画面サイズが相対的に小さい第2表示装置に特別演出画像が表示される。このため、特別演出画像の表示サイズに見合った画面サイズの表示装置を用いて特別演出が実行可能となる。これにより、特別演出を状況に応じて適切に行うことが可能となる。
参考発明2−5の遊技機は、前述した参考発明2−4の遊技機において、
前記変動演出実行手段は、変動演出画像を少なくとも前記第1表示装置に表示する
ことを特徴とするものでるある。
このような遊技機によれば、変動演出を構成する変動演出画像は、第1表示装置及び第2表示装置のうち、少なくとも、画面サイズが相対的に大きい第1表示装置に表示される。このため、当否判定の結果に基づく変動演出は、第1表示装置を中心に展開されることとなる。これにより、当否判定の結果に基づく変動演出を主として、その変動演出の状況(演出場面)に応じた態様で計時結果に基づく特別演出が実行可能となる。
以上の参考発明2によれば、所定時間毎に特別演出を実行する機能を備えた遊技機の興趣低下を抑制することが可能となる。
(参考発明3)
従来、遊技機には液晶等の表示器や可動役物(ギミック)、電飾、スピーカ等の演出装置(演出部)が設けられており、遊技の進行に応じて様々な演出が実行される。この種の遊技機において、リアルタイムクロック(RTC)等を用いて、所定時間が計測される毎に特別な演出を実行する機能を備えたものがある(例えば特開2010−17350号公報を参照)。こうした機能を備えた遊技機を遊技ホール内の島設備に複数台並べて設置することで、複数の遊技機による特別な演出が所定周期で一斉に実行されるようになる。
しかしながら、遊技機が設置される遊技ホールの環境や遊技者の好みによっては、所定時間毎に特別な演出が一斉に実行されるのは望ましくない場合もある。このため、所定時間毎に特別な演出を実行する機能を備えた遊技機については未だ改善の余地があるといえる。
本参考発明3は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定時間毎に特別な演出を実行する機能に関する設定を適切に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
参考発明3−1の遊技機は、
所定の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であって、
当該遊技機の裏面側から操作可能に設けられた第1操作部と、
前記第1操作部による操作を検知可能な第1操作検知手段と、
当該遊技機の表面側から操作可能に設けられた第2操作部と、
前記第2操作部による操作を検知可能な第2操作検知手段と、
時間を計測可能な計時手段と、
前記計時手段による計時の結果に基づいて特別演出を実行可能な演出制御手段と、
前記特別演出の実行に関する特別演出条件を設定可能な条件設定手段と、を備え、
前記演出制御手段は、前記条件設定手段による設定内容に基づいて特別演出の実行を制御可能であり、
前記第1操作部による操作を前記第1操作検知手段が検知してから所定期間内に前記第2操作部による所定操作を前記第2操作検知手段が検知すると、前記特別演出条件が設定可能となる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技機の裏面側から操作可能な第1操作部による操作が検知されてから所定期間内に、遊技機の表面側から操作可能な第2操作部による所定操作が検知された場合に、特別演出の実行に関する条件(特別演出条件)を設定することが可能となる。ここで、遊技ホールに遊技機が設置された状態では、通常、遊技機の裏面側から操作可能な第1操作部を遊技者が操作することは不可能であり、当該第1操作部を操作できるのは遊技ホールの店員や管理者(以下「管理者等」という)である。このため、第1操作部による操作及び当該操作から所定期間内における第2操作部による所定操作は、遊技者ではなく管理者等が行うこととなり、それらの操作を契機として可能となる特別演出条件の設定も、遊技者ではなく管理者等が行うこととなる。これにより、管理者等のみが設定可能な特別演出条件を設けて、所定時間毎に特別な演出を実行する機能に関する設定を適切に行うことが可能となる。
参考発明3−2の遊技機は、前述した参考発明3−1の遊技機において、
前記所定操作を示す説明表示を前記所定期間内に実行可能な説明表示手段を備える
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1操作部による操作が検知された後の所定期間内において、第2操作部の所定操作を示す説明表示が実行可能となっている。このため、第2操作部の所定操作の仕方(操作態様)を開示して、特別演出条件の設定機能の存在を管理者等に認識させることが可能となる。これにより、ユーザーフレンドリーな遊技機とすることが可能となる。
参考発明3−3の遊技機は、前述した参考発明3−1又は3−2の遊技機において、
遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、
前記遊技制御手段による制御処理に係る情報を記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段の記憶内容を消去可能な消去手段と、を備え、
前記第1操作部は、前記消去手段による前記記憶内容の消去を実行させるために操作される消去操作部である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技制御手段による制御処理に係る情報を記憶可能な記憶手段の記憶内容を消去するために操作される消去操作部が、第1操作部とされる。遊技制御手段を備える遊技機には、通常、消去操作部が設けられている。このため、既存の消去操作部を第1操作部として用いることが可能となり、また、記憶手段の記憶内容の消去(初期化)に伴って特別演出条件が設定可能となる。これにより、管理者等による特別演出条件の設定を合理的に行うことが可能となる。
参考発明3−4の遊技機は、前述した参考発明3−1から3−3の何れか一つの遊技機において、
前記特別演出条件には、第1特別演出条件と第2特別演出条件とがあり、
前記第1特別演出条件は、前記所定期間内に前記第2操作部による所定操作を前記第2操作検知手段が検知することで設定可能となり、
前記第2特別演出条件は、前記第1特別演出条件の設定内容に応じて、前記所定期間が経過した後の所定時期に設定可能となる場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、特別演出条件として第1特別演出条件と第2特別演出条件とが設けられている。その2つの特別演出条件のうち、第1特別演出条件は、第1操作部による操作及び当該操作から所定期間内における第2操作部による所定操作に基づいて設定可能となる。つまり、第1特別演出条件は、管理者等による第1操作部の操作及び第2操作部の所定操作を経て設定可能となる特別演出条件である。一方、第2特別演出条件は、管理者等による第1特別演出条件の設定内容(設定結果)に応じて、その設定後の所定時期に設定可能となる場合があるもので、第2特別演出条件の設定を行えるのは管理者等に限られない。つまり、第2特別演出条件は、遊技者が設定可能な特別演出条件である。このため、管理者等のみが設定することのできる特別演出条件と、遊技者が設定することのできる特別演出条件とを区別して設けることが可能となる。これにより、管理者等及び遊技者のそれぞれに応じた特別演出条件を設定することが可能となる。
以上の参考発明3によれば、所定時間毎に特別な演出を実行する機能に関する設定を適切に行うことが可能となる。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、7 第1画像表示装置、7a 表示画面、7b、演出図柄表示領域、7c 背景表示領域、8 演出図柄、13 枠可動装飾部材、14 盤可動装飾部材、20 第1始動口、21 第2始動口、30 第1大入賞口、35 第2大入賞口、41a 第1特別図柄表示器(第1特別図柄表示部)、41b 第2特別図柄表示器(第2特別図柄表示部)、71 第2画像表示装置、71a 表示画面、80 主制御基板、81 遊技制御用マイコン(主制御部)、90 副制御基板(副制御部)、91 演出制御用マイコン(副制御部)、92 RTC(計時手段)、100 画像制御基板(画像制御部)、101 画像制御用マイコン(画像制御部)。

Claims (1)

  1. 所定の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であって、
    当該遊技機の裏面側から操作可能に設けられた第1操作部と、
    前記第1操作部による操作を検知可能な第1操作検知手段と、
    当該遊技機の表面側から操作可能に設けられた第2操作部と、
    前記第2操作部による操作を検知可能な第2操作検知手段と、
    所定の演出を実行可能な演出部と、
    前記演出部の動作条件を設定可能な条件設定手段と、を備え、
    前記第1操作部による操作を前記第1操作検知手段が検知してから所定期間内に前記第2操作部による操作を前記第2操作検知手段が検知すると、前記演出部の動作条件が設定可能となる
    ことを特徴とする遊技機。
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