JP2017189073A - 自励式無効電力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転を継続することで無効電流の出力を継続して行うことができるとともに、FRT要件を満たして出力を回復することのできる自励式無効電力制御装置を提供する。【解決手段】自励式無効電力制御装置は、電力系統の各相に接続され、単相フルブリッジインバータとコンデンサとを有する複数のモジュールを直列接続し、複数のモジュールのコンデンサ電圧指令値が異なるカスケード電力変換器と、カスケード電力変換器から電力系統へ出力される無効電力を制御する制御部とを備える。制御部は、低圧モジュールによって出力電圧波の概形を成形し、電力系統が電圧低下して、低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が移動開始電圧値未満となったときに、複数のモジュールのうち低圧モジュール以外のモジュールの少なくとも1個に蓄えられたエネルギーを低圧モジュールに移動させて低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を動作保持電圧値以上に保持する。【選択図】図5

Description

本発明は、自励式無効電力制御装置に関する。
電力系統の電圧が適正範囲となるように制御する自励式無効電力制御装置が提案されている。例えば、無効電力制御装置としては、STATCOM(Static Synchronous Compensator)、SVG(Static Var Generator)あるいは自励式SVC(Static Var Compensator)等がある。自励式無効電力制御装置は、電力系統の無効電力を制御することによって電力系統の安定度を向上させるために導入されることが多い。
また、自励式無効電力制御装置は、定常運転時の電力系統の安定度を向上させる場合に限らず、電力系統の事故中及び事故除去後といった電力系統の過渡的な安定度の向上にも有効である。
自励式無効電力制御装置は、交流電圧を平滑化するための平滑用コンデンサと、この平滑用コンデンサによって平滑化された電圧を用いて電力系統へ無効電流を出力する自励式変換器(インバータ)とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
自励式無効電力制御装置では、電力系統において瞬低と言われる0.07〜0.2秒程度の瞬間的な電圧低下が検出された場合、系統故障と判断して緊急停止するとともに、電力系統から解列する。
このため、電力系統が停電から復帰し、自励式無効電力制御装置が運転を再開するまでに数分の時間を費やしてしまう。この課題を解決するために、平滑用コンデンサの放電を行うための2個の放電器を備えた自励式無効電力制御装置がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−233544号公報 特開2013−243934号公報
ところで、電力系統に接続される電力系統の安定度を向上させるための装置については、系統連系規程により定められている電力系統の電圧低下耐量を規定する要件として、FRT(Fault−Ride−Through)要件が規定されている。
このFRT要件には、電力系統の電圧が残電圧20%以上かつ持続時間0.3秒以内の時に、電力系統の電圧の復帰後0.1秒以内に電圧低下前の80%以上に装置の出力を復帰させること、また電力系統の電圧が残電圧20%未満かつ持続時間0.3秒以内の時に、電力系統の電圧の復帰後1秒以内に電圧低下前の80%以上に装置の出力を復帰させること、が運転継続のために規定されている。
しかしながら、特許文献1の自励式無効電力制御装置では、FRT要件を満たす出力復帰を行うことができず、運転継続ができない。また、特許文献2の自励式無効電力制御装置では、制御装置の運転を停止させて、放電器を備えることで早期に運転再開を行うので、運転継続ができない。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転を継続することで無効電流の出力を継続して行うことができるとともに、FRT要件を満たして出力を回復することのできる自励式無効電力補償装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する自励式無効電力制御装置は、三相交流の電力系統に連系される自励式無効電力制御装置であって、前記電力系統の各相に接続され、単相フルブリッジインバータとコンデンサとを有する複数のモジュールを直列接続し、前記複数のモジュールのコンデンサ電圧指令値が異なるカスケード電力変換器と、前記カスケード電力変換器から前記電力系統へ出力される無効電力を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記複数のモジュールのうち最も低電圧のモジュールである低圧モジュールによって出力電圧波形の概形を成形し、前記電力系統が電圧低下して、前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が移動開始電圧値未満となったときに、前記複数のモジュールのうち前記低圧モジュール以外のモジュールの少なくとも1個に蓄えられたエネルギーを前記低圧モジュールに移動させて前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を動作保持電圧値以上に保持することをその要旨としている。
上記構成によれば、電力系統が電圧低下したときに、出力電圧波形の概形を成形する低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が低下して移動開始電圧値未満となると他のモジュールからエネルギーを移動させることで、無効電流を出力することができる最小の電圧値である動作保持電圧値以上に保持する。なお、移動開始電圧値は動作保持電圧値よりも大きい。このため、電力系統に対して無効電流の出力を継続して行うことができるとともに、FRT要件を満たして出力を回復することができる。
上記自励式無効電力制御装置について、前記制御部は、前記複数のモジュールのうち前記低圧モジュールのコンデンサ電圧指令値に最も近いコンデンサ電圧指令値、且つ前記低圧モジュールのコンデンサ電圧指令値よりも高いコンデンサ電圧指令値のモジュールから順に当該モジュールに蓄えられたエネルギーを前記低圧モジュールに移動させ、前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を前記動作保持電圧値以上に保持することが好ましい。
上記構成によれば、低圧モジュールは出力電圧波形の概形を成形するためにスイッチングに伴う電力消費が大きいので、低圧モジュールのコンデンサ電圧指令値に最も近いコンデンサ電圧指令値、且つ低圧モジュールのコンデンサ電圧指令値よりも高いコンデンサ電圧指令値のモジュールから順に低圧モジュールにエネルギーを移動させる。このため、電圧低下中に電力系統の電圧が高電圧となる現象を最小限にしつつ、低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を動作保持電圧値以上に継続して保持することができる。
上記自励式無効電力制御装置について、前記複数のモジュールは、前記低圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記低圧モジュールよりも高い中圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記中圧モジュールよりも高い高圧モジュールと、を備え、前記中圧モジュールから低圧モジュールにエネルギーを移動させる移動開始電圧値を第1移動開始電圧値とし、前記低圧モジュールの前記動作保持電圧値を第1動作保持電圧値として、前記制御部は、前記中圧モジュールから前記低圧モジュールにエネルギーを移動させたことで前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が第2移動開始電圧値未満となったときには、前記高圧モジュールに蓄えられたエネルギーを前記低圧モジュール及び前記中圧モジュールに移動させて、前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を前記第1動作保持電圧値以上に保持するとともに、前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を第2動作保持電圧値以上に保持することが好ましい。
上記構成によれば、中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が低下して第2移動開始電圧値未満となったときに、高圧モジュールのエネルギーを低圧モジュール及び中圧モジュールに移動させて低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が無効電流を出力することができる最小の電圧値である第1動作保持電圧値以上に保持されるとともに、中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が第2動作保持電圧値以上に保持される。このため、電力系統が電圧低下したときに、無効電力を制御するためのエネルギーが不足することを更に抑制することができる。
上記自励式無効電力制御装置について、前記複数のモジュールは、前記低圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記低圧モジュールよりも高い中圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記中圧モジュールよりも高い高圧モジュールと、を備え、前記中圧モジュールから低圧モジュールにエネルギーを移動させる移動開始電圧値を第1移動開始電圧値とし、前記低圧モジュールの前記動作保持電圧値を第1動作保持電圧値として、前記制御部は、前記中圧モジュールから前記低圧モジュールにエネルギーを移動させたことで前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が第2移動開始電圧値未満となったときには、前記高圧モジュールに蓄えられたエネルギーを前記中圧モジュールに移動させて前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を第2動作保持電圧値以上に保持することが好ましい。
上記構成によれば、低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が無効電流を出力することができる最小の電圧値である第1動作保持電圧値以上に保持されるとともに、中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が無効電流を出力することができる最小の電圧値である第2動作保持電圧値以上に保持されるので、電力系統が電圧低下したときに、無効電力を制御するためのエネルギーが不足することを極力抑制することができる。
上記自励式無効電力制御装置について、前記制御部は、前記高圧モジュールに蓄えられているエネルギーを前記中圧モジュール及び前記低圧モジュールの少なくとも一方に移動させるときには、前記中圧モジュールにエネルギーを蓄えないで前記低圧モジュールに移動させることが好ましい。
上記構成によれば、高圧モジュールのエネルギーを低圧モジュールに移動させるときに中圧モジュールに蓄えないので、高圧モジュールのエネルギーを低圧モジュールに瞬時に移動することができる。よって、低圧モジュールのコンデンサ電圧を第2動作保持電圧値以上に安定して保持することができる。
本発明によれば、運転を継続することで無効電流の出力を継続して行うことができるとともに、FRT要件を満たして出力を回復することができる。
(a)は自励式無効電力制御装置の一実施形態の概略構成を示す回路図、(b)は自励式無効電力制御装置の単相電力変換器の構成を示す回路図。 自励式無効電力制御装置の制御に係る概略構成を示すブロック図。 (a)は自励式無効電力制御装置の低圧モジュールの出力電圧を示す図、(b)は自励式無効電力制御装置の中圧モジュールの出力電圧を示す図、(c)は自励式無効電力制御装置の高圧モジュールの出力電圧を示す図、(d)は自励式無効電力制御装置のモジュール出力相電圧を示す図。 (a)は比較例である同電圧カスケード電力変換器を有する自励式無効電力制御装置の低圧モジュールの出力電圧を示す図、(b)は比較例の自励式無効電力制御装置の中圧モジュールの出力電圧を示す図、(c)は比較例の自励式無効電力制御装置の高圧モジュールの出力電圧を示す図、(d)は比較例の自励式無効電力制御装置のモジュール出力相電圧を示す図。 (a)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおけるモジュール出力相電圧指令値を示す図、(b)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける相電流を示す図、(c)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(d)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける低圧モジュールの出力電圧を示す図、(e)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける低圧モジュールの出力瞬時電力を示す図、(f)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(g)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける中圧モジュールの出力電圧を示す図、(h)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける中圧モジュールの出力瞬時電力を示す図、(i)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける高圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(j)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける高圧モジュールの出力電圧を示す図、(k)は自励式無効電力制御装置の制御のモードにおける高圧モジュールの出力瞬時電力を示す図。 自励式無効電力制御装置の実験における概略構成を示す図。 (a)は自励式無効電力制御装置の実験において三相瞬低のときの電源相電圧を示す図、(b)は自励式無効電力制御装置の実験において三相瞬低のときの相電流を示す図、(c)は自励式無効電力制御装置の実験において三相瞬低のときのq軸電流の指令値と検出値を示す図、(d)は自励式無効電力制御装置の実験において三相瞬低のときの低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(e)は自励式無効電力制御装置の実験において三相瞬低のときの中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(f)は自励式無効電力制御装置の実験において三相瞬低のときの高圧モジューのコンデンサ電圧検出値を示す図。 (a)は自励式無効電力制御装置の実験において二相瞬低のときの電源相電圧を示す図、(b)は自励式無効電力制御装置の実験において二相瞬低のときの相電流を示す図、(c)は自励式無効電力制御装置の実験において二相瞬低のときのq軸電流の指令値と検出値を示す図、(d)は自励式無効電力制御装置の実験において二相瞬低のときの低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(e)は自励式無効電力制御装置の実験において二相瞬低のときの中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(f)は自励式無効電力制御装置の実験において二相瞬低のときの高圧モジューのコンデンサ電圧検出値を示す図。 (a)は自励式無効電力制御装置の実験において単相瞬低のときの電源相電圧を示す図、(b)は自励式無効電力制御装置の実験において単相瞬低のときの相電流を示す図、(c)は自励式無効電力制御装置の実験において単相瞬低のときのq軸電流の指令値と検出値を示す図、(d)は自励式無効電力制御装置の実験において単相瞬低のときの低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(e)は自励式無効電力制御装置の実験において単相瞬低のときの中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を示す図、(f)は自励式無効電力制御装置の実験において単相瞬低のときの高圧モジューのコンデンサ電圧検出値を示す図。
以下、図1〜図9を参照して、自励式無効電力制御装置の一実施形態について説明する。本実施形態の自励式無効電力制御装置は、単相電力変換器のモジュールを3段カスケード接続したカスケード電力変換器を備えている。
[カスケード電力変換器の構成]
図1(a)に示されるように、カスケード電力変換器は、三相交流電源(電源相電圧e,e,e)に、入力リアクトルLを介して3直列のモジュール(単相電力変換器)をスター結線している。
図1(b)に示されるように、カスケード電力変換器の各モジュールは、直流コンデンサと4個の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)をHブリッジ接続して構成されている。各モジュールのコンデンサ電圧検出値vcjkとモジュール出力電圧vmjkとは、相(j=u,v,w)とモジュールの電圧の低・中・高(k=L,M,H)との添字をつけて区別している。例えば、u相の低圧モジュールについては、コンデンサ電圧検出値vcuLとモジュール出力電圧vmuLと表現している。
図1(a)に示されるように、モジュール部分は、コンデンサ電圧vを制御により一定に保つ。また、u相の直列モジュールの出力電圧をモジュール出力相電圧vauと表す。モジュール出力相電圧vauは、u相の各モジュール出力電圧vmuL,vmuM,vmuHの和として次式で(1)で与えられる。
低圧・中圧・高圧モジュールのコンデンサ電圧の比を1:2:6として制御を行うため、コンデンサ電圧指令値はそれぞれ1Vdc,2Vdc,6Vdcとする。
続いて、上記のように異なる電圧のモジュールをカスケード接続した異電圧カスケード電力変換器を有する自励式無効電力制御装置の動作について説明する。
図2に示すように、自励式無効電力制御装置は、制御を行う制御部10を備えている。制御部10には、電力系統の各相の電圧を検出する電圧計11と、無効電力制御装置の各相の電流を検出する電流計12とが接続され、電力系統の各相の電圧と無効電力制御装置の各相の電流とが入力される。また、制御部10は、各相に接続されるカスケード電力変換器の各モジュール21,22,23と接続され、各モジュール21,22,23をスイッチング制御することで無効電流を出力する。なお、電圧計11、電流計12、各モジュール21,22,23は、電力系統の1相について図示しており、本来は電力系統の各相についてそれぞれ備えられている。
そして、図3に示すように、制御部10は、モジュール出力相電圧vauを出力する際には、各モジュール21,22,23をスイッチング制御する。すなわち、制御部10は、低圧モジュール21によって出力電圧波形の概形を形成するので、低圧モジュール21をPWM制御によって細かくスイッチング制御する。また、制御部10は、ここでは中圧モジュール22を1周期に正負各5パルスとなるスイッチング制御を行う。さらに、制御部10は、ここでは高圧モジュール23を1周期に正負各1パルスとなるスイッチング制御を行う。その結果、モジュール出力相電圧vauは、出力電圧レベルが19レベルとなり、高調波を少なくすることができる。
なお比較のために、同電圧のモジュール3個をカスケード接続した同電圧カスケード電力変換器を有する自励式無効電力制御装置は、以下のようになる。
制御部は、各モジュールをPWM制御によってスイッチング制御する。各モジュールから出力されるエネルギーの最大値は各モジュールともに同じとなる。モジュール出力相電圧vauは、出力電圧レベルが7レベルとなり、高調波を多く含む。
このように、異電圧カスケード電力変換器と同電圧カスケード電力変換器とを比較すると、異電圧カスケード電力変換器はモジュール出力相電圧vauの高調波を同電圧カスケード電力変換器よりも低減することができる。このため、異電圧カスケード電力変換器は、電圧カスケード電力変換器よりも入力リアクトルの小型化が可能である。
[FRT要件]
ここで、FRT(Fault−Ride−Through)要件について説明する。
FRT要件は、電力系統の1事故に対しても自励式無効電力制御装置を解列させることなく運転状態を維持する要件である。
表1に系統連系規程により定められている電力系統におけるFRT要件を示す。以下では、w相の電圧が0Vに下がる単相瞬低と、v,w相の電圧が0Vに下がる二相瞬低と、すべての相の電圧が0Vに下がる三相瞬低とのそれぞれのFRTについて記載する。ここでは、瞬低の継続時間は0.1秒とする。なお、電圧を0Vに下げることは、残電圧20%未満の系統状態を想定するとともに、電力系統における停電に相当するものである。
単相瞬低の場合は残電圧20%以上であるため、表1の状態Aによるとゲートブロックせず運転継続を行い電圧の復帰後0.1秒以内に電圧低下前の80%以上の出力に復帰すればよい。なお、ゲートブロックとは、カスケード電力変換器の各モジュールに使用する絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)のドライバに対し,主回路のパワースイッチング素子をオフにして動作を止めることであり、これにより自励式無効電力制御装置の運転は停止される。
二相瞬低及び三相瞬低の場合は残電圧0%であるため、表1の状態Bによるとゲートブロックまたは運転継続を行い電圧の復帰後1秒以内に電圧低下前の80%以上の出力に復帰すればよい。
[モジュールの制御]
図5に示すように、制御部10は、各モジュール21,22,23の状態に応じて、「モード0、モード1、モード2」の制御を行う。以下、U相について制御の説明を行うもとし、V相、W相も同様の制御を行うものである。
まず、電力系統に瞬間的な電圧低下が発生したときには、制御部10は、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値vcuLが第1移動開始電圧値以上であるときには、低圧モジュール21のエネルギーのみを利用して電力系統に無効電流を出力する「モード0」の制御を行う。なお、エネルギーとは、各モジュールのコンデンサ電圧V(V)とコンデンサ容量C(F)とより公式(1/2)CVで算出されるW(J)のことである。
また、制御部10は、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値vcuLが第1移動開始電圧値未満であるときには、中圧モジュール22のエネルギーを低圧モジュール21に移動させ、第1動作保持電圧値未満にならないようにする「モード1」の制御を行う。
また、制御部10は、中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値vcuMが第2移動開始電圧値未満であるときには、高圧モジュール23のエネルギーを低圧モジュール21及び中圧モジュール22に移動させ、低圧モジュール21が第1動作保持電圧値未満および中圧モジュール22が第2動作保持電圧値未満にならないようにする「モード2」の制御を行う。
すなわち、制御部10は、三相瞬低時には、高圧モジュール23に蓄えられているエネルギーを中圧モジュール22及び低圧モジュール21に移動させることで、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値vcuLが第1動作保持電圧値未満にならないようにすると同時に、中圧モジュール22が第2動作保持電圧値未満にならないようにする。この高圧モジュール23に蓄えられているエネルギーを中圧モジュール22及び低圧モジュール21に同時に移動させる時、中圧モジュール22には、エネルギーを蓄えるようにする。
また、制御部10は、単相瞬低及び二相瞬低時においても、電圧が下がった相に対して高圧モジュール23に蓄えられているエネルギーを中圧モジュール22及び低圧モジュール21に移動させることで、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値vcuLが第1動作保持電圧値未満にならないようにすると同時に、中圧モジュール22が第2動作保持電圧値未満にならないようにする。
つまり、モード1,2ともに言い換えれば、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値vcuLが第1動作保持電圧値以上に保持するようにするものである。
ここで移動開始電圧値及び動作保持電圧値について説明する。「モード0」「モード1」「モード2」において低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値で設定する第1動作保持電圧値は、低圧モジュール21が無効電流の出力を継続してできる最小の電圧値である。詳述すると、通常動作時は、低圧モジュール21は電力系統からエネルギーを受け取れるため、無効電流の出力を継続して行い、電力系統の電圧値を安定的に保つように制御している。
しかしながら、瞬間的な電圧低下が発生したときには、電力系統から低圧モジュール21はエネルギーを受け取れないものの、低圧モジュール21は無効電流の出力を継続して行っている。そうすると、低圧モジュール21の出力電圧波形の概形を成形するためのスイッチングに伴う電力消費が大きいため、低圧モジュール21のコンデンサ容量の低下と共に、コンデンサ電圧検出値が徐々に低下して、最後には無効電流の出力が継続できなくなってしまう。このため、無効電流の出力を継続してできる低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値を移動開始電圧値として設定するものである。
そして、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値で設定する第1移動開始電圧値は、中圧モジュール22のエネルギーを低圧モジュール21に移動する動作を開始する電圧値であり、第1動作保持電圧値よりも例えば10%〜20%高い電圧値を設定するものである。この第1動作保持電圧値により、あらかじめ中圧モジュール22のエネルギーを低圧モジュール21に移動させるので、第1動作保持電圧値未満になるのを遅延させることができる。
また、「モード2」において中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値で設定する第2動作保持電圧値は、中圧モジュール22から低圧モジュール21にエネルギーを移動させることができ、かつ電力系統の電圧が復帰後、中圧モジュール22が動作可能となる最小の電圧値である。
そして、中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値で設定する第2移動開始電圧値は、高圧モジュール23のエネルギーを中圧モジュール22及び低圧モジュール21に移動する動作を開始する電圧値であり、第2動作保持電圧値よりも例えば10%〜20%高い電圧値を設定するものである。この第2移動開始電圧値により、あらかじめ高圧モジュール23のエネルギーを中圧モジュール22及び低圧モジュール21に移動させるので、第2動作保持電圧値未満になるのを遅延させることができる。このため、第1動作保持電圧値未満になるのを遅延させることができる。
なお、高圧モジュール23のコンデンサ電圧検出値には、第3動作保持電圧値が設定されており、第3動作保持電圧値未満になった場合は、自励式無効電力制御装置は運転を停止する。
[実験]
上述したカスケード電力変換器によるFRTを実験にて確認する。すなわち、カスケード電力変換器によって、無効電力制御を行うことで確認する。
[実験条件]
図6にカスケード電力変換器の実験回路構成を示し、表2に実験条件を示している。入力線間電圧実効値は200V、周波数は60Hzとする。入力リアクトルLの値は3mHとする。高圧モジュールコンデンサの容量は3300μFとしている。中圧モジュールコンデンサ及び低圧モジュールコンデンサの容量は1500μFとしている。また、高圧モジュールのコンデンサ電圧指令値vcH は120Vとしている。中圧モジュールコンデンサのコンデンサ電圧指令値vcM は40Vとしている。低圧モジュールのコンデンサ電圧指令値vcL は24Vとしている。
[実験結果]
(三相瞬低)
図7は、自励式無効電力制御装置の動作時に電源電圧を0.1s間0Vに低下させたときの三相瞬低の実験波形である。三相瞬低中はどの相も同じ動作をするため、コンデンサ電圧検出値vcuL〜vcwH以外はu相のみを表している。
瞬低発生以前では、電源電圧eに対して位相がπ/2進んだ無効電流iが流れている。瞬低発生以降は低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値vcuL〜vcwLが下がらないように高圧・中圧モジュールからエネルギーを送るスイッチングを行っている。自励式無効電力制御装置の高圧・中圧モジュールは高いコンデンサ電圧指令値の値を持つため、遅いスイッチングが求められている。そのため、高圧・中圧モジュールのスイッチング回数を減らすために、高圧・中圧モジュールからエネルギーを送るスイッチングのON期間を600μs(6制御周期)に制御している。
また、瞬低発生中は電源電圧が全て0Vであり、電源からエネルギーを得ることはできないため、d軸電流指令値i を強制的に0にしている。さらに、瞬低復帰後はコンデンサ電圧検出値vcuL〜vcwHが低下しており、それらを急激に復帰させるためにd軸電流指令値i が大きな値を持ってしまうため、リミッタを4Aとした。
(二相瞬低)
図8は、自励式無効電力制御装置の動作時にv,w相の電源電圧を0.1s間0Vに低下させたときの二相瞬低の実験波形である。瞬低発生以前では、電源電圧e,e,eに対して位相がπ/2進んだ無効電流i,i,iが流れている。
電源電圧eは下がらないため、u相は通常通りの制御を続けている。電源電圧eは下がるため、v相は瞬低発生以降に低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値vcvLが下がらないように高圧・中圧モジュールからエネルギーを送るスイッチング(ON期間300μs)を行っている。そのため、v相の高圧モジュールのコンデンサ電圧検出値vcvHは低下している。電源電圧eは下がるが、w相の高圧モジュールのコンデンサ電圧検出値vcwHは低下していないため、瞬低発生以降に低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値vcwLが第1動作保持電圧値未満に下がらないように中圧モジュールのみからエネルギーを送るスイッチング(ON期間300μs)を行っている。なお、瞬低発生中の電流波形は多少歪んでいるが、電源電圧復帰後の電流波形はFRT要件の通り0.1s以内に復帰できている。
(単相瞬低)
図9は、自励式無効電力制御装置の動作時にw相の電源電圧を0.1s間0Vに低下させたときの単相瞬低の実験波形である。瞬低発生以前では、電源電圧e,e,eに対して位相がπ/2進んだ無効電流i,i,iが流れている。
電源電圧e,eは下がらないため、u,v相は通常通りの制御を続けている。電源電圧eは下がるが、w相は瞬低発生以降に低圧モジュール21のみで動作を行っている。
この実験において、自励式無効電力制御装置を瞬時に電源電圧が停電状態の0Vに低下した際に動作する低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値未満にならないように、第1移動開始電圧値及び第2移動開始電圧値を設け、中圧モジュール22及び高圧モジュール23から低圧モジュール21にエネルギーを送る制御とした。その結果、三相瞬低においては、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値未満に下がることなくFRT要件を満たした動作を確認できた。二相瞬低においては、電源電圧値が0Vになった相の低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が下がらない場合もあったが、低圧モジュール21コンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値未満に下がることなくFRT要件を満たした動作を確認できた。単相瞬低においては、電源電圧値が0Vになった相の低圧モジュール21のコンデンサ電圧が第1動作保持電圧値未満に下がることなくFRT要件を満たした動作を確認できた。
まとめると、表1に記載のFRT要件における電力系統の電圧が残電圧20%未満かつ持続時間0.3秒以内の時に、電力系統の電圧の復帰後1秒以内に電圧低下前の80%以上に装置の出力を復帰させ、運転継続することが確認できたと言える。これにより、電力系統の電圧が残電圧20%以上かつ持続時間0.3秒以内の時に、電力系統の電圧の復帰後0.1秒以内に電圧低下前の80%以上に装置の出力を復帰させ、運転継続することは明らかに実施できるものである。したがって、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値未満にならない、すなわち第1動作保持電圧値以上に保持するように、中圧モジュール22及び高圧モジュール23から低圧モジュール21にエネルギーを送る制御は、系統連系規程により定められている電力系統におけるFRT要件を満たすものであると言える。
また他の方法として、低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値未満にならないようにするためには、低圧モジュールのコンデンサ容量を大きくすることで、コンデンサに蓄えられるエネルギーを増やして瞬低時のコンデンサ電圧検出値の低下を回避することも考えられる。しかしながら、この方法における低圧モジュールのコンデンサの容量値は、低圧モジュールで無効電力制御において設定するコンデンサ容量の約20倍と、非常に大きなコンデンサ容量値が必要となることが理論上計算される。このため、大型のコンデンサが必要となり、回路構成が大型化、かつ高価となり、ひいては無効電力制御装置が大きくなると共に、装置価格も高くなるという課題がある。
よって、低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値未満にならないように、中圧モジュール及び高圧モジュールから低圧モジュールにエネルギーを送る制御は、この課題も同時に解決することができる。
本実施形態の自励式無効電力制御装置では、例えば第1動作保持電圧値を563V、第1移動開始電圧値を513V、第2動作保持電圧値を1127V、第2移動開始電圧値を1024V、第3動作保持電圧値を3073Vの電圧値に設定する。第1移動開始電圧値と第2移動開始電圧値の電圧値は、第1動作保持電圧値と第2動作保持電圧値に対し、各々約10%高い電圧値に設定している。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電力系統が電圧低下したときに、出力電圧波形の概形を成形する低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が低下して移動開始電圧値未満となると中圧モジュール22及び高圧モジュール23から低圧モジュール21にエネルギーを移動させることで低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が、無効電流を出力することができる最小の電圧値である第1動作保持電圧値未満にならない、すなわち、第1動作保持電圧値以上に保持する。このため、電力系統に対して無効電流の出力を継続して行うことができるとともに、FRT要件を満たして出力を回復することができる。
(2)低圧モジュール21は出力電圧波形の概形を成形するためにスイッチングに伴う電力消費が大きいので、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値に最も近いコンデンサ電圧指令値、且つ低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値よりも高いコンデンサ電圧指令値の中圧モジュール22、次に高圧モジュール23の順に低圧モジュール21にエネルギーを移動させる。このため、電圧低下中に電力系統の電圧が電力系統に接続された分散電源の影響により電力系統の電圧が一時的に高電圧となる現象を最小限にしつつ、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値を第1動作保持電圧値以上に継続して保持することができる。
(3)低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が第1移動開始電圧値未満となったときに、中圧モジュール22のエネルギーを低圧モジュール21に移動させて低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値以上に保持される。このため、電力系統が電圧低下したときに、無効電力を制御するためのエネルギーが不足することを抑制することができるとともに、電力系統の電圧が復帰後に自励式無効電力制御装置が動作可能となる。
(4)中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値が第2移動開始電圧値未満となったときに、高圧モジュール23のエネルギーを低圧モジュール21及び中圧モジュール22に移動させて低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値以上に保持されるとともに、中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値が第2動作保持電圧値以上に保持される。このため、電力系統が電圧低下したときに、無効電力を制御するためのエネルギーが不足することを更に抑制することができるとともに、電力系統の電圧が復帰後に自励式無効電力制御装置が動作可能となる。
(5)高圧モジュール23のエネルギーを低圧モジュール21及び中圧モジュール22に移動させるときに、高圧モジュール23のエネルギーは、中圧モジュール22を経由して低圧モジュール21に移動させた。すなわち、中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値が第2移動開始電圧値未満となったときに、高圧モジュール23に蓄えられたエネルギーを中圧モジュール22に移動させ、中圧モジュール22から低圧モジュール21に移動させて、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が第1動作保持電圧値以上に保持されるとともに、中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値が第2動作保持電圧値以上に保持される。このため、電力系統が電圧低下したときに、無効電力を制御するためのエネルギーが不足することを極力抑制することができるとともに、電力系統の電圧が復帰後に自励式無効電力制御装置が動作可能となる。
(6)高圧モジュール23のコンデンサ電圧検出値が第3動作保持電圧値未満となったときには、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値を第1動作保持電圧値以上に保持する事はできなくなるので、自励式無効電力制御装置を安全に停止することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、3直列の低圧・中圧・高圧モジュール(単相電力変換器)をスター結線し、高圧モジュール23のエネルギーを低圧モジュール21に移動させるときに、高圧モジュール23のエネルギーを、中圧モジュール22と低圧モジュール21とに同時に移動させるようにした。しかしながら、高圧モジュール23から低圧モジュール21にエネルギーを直接移動できるバイパス回路を構成してもよい。このようにすれば、高圧モジュール23のエネルギーを低圧モジュール21に直接かつ瞬時に移動させるようにすることができる。これにより、制御回路などにおけるエネルギー損失を一層低減する事ができ、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値を第1動作保持電圧値以上に安定して保持することができる。
・上記実施形態では、3直列の各1個の低圧・中圧・高圧モジュール(単相電力変換器)をスター結線した。しかしながら、3直列の各1個の低圧・中圧・高圧モジュール(単相電力変換器)の結線はスター結線に限定されるものではなく、デルタ結線にすることができる。
・上記実施形態では、3直列の各1個の低圧・中圧・高圧モジュール(単相電力変換器)をスター結線した、3段モジュールで構成した。しかしながら、モジュールの構成は3段に限定されるものではなく、モジュールの構成を2段、4段、5段などの複数段であっても応用することができる。例えば、モジュールの構成が2段であれば、低圧モジュール1個と中圧モジュールか高圧モジュールのいずれか一方との組合せが可能である。モジュールの構成が4段であれば、低圧モジュール2個と中圧モジュールか高圧モジュールのいずれか一方が2個との組合せ、低圧モジュール3個と中圧モジュールか高圧モジュールのいずれか一方が1個との組合せ、低圧モジュール1個と中圧モジュール2個(同じ電圧値でも、異なる電圧値でもよい)と高圧モジュール1個との組合せなどの段数に任意に選択可能である。
・上記実施形態では、各モジュール(単相電力変換器)の低圧・中圧・高圧モジュールのコンデンサ電圧の比を1:2:6とした。しかしながら、コンデンサの電圧は、任意の電圧に選択可能である。例えば、コンデンサ電圧の比を1:1.7:6.3、1:2.9:11.1や1:2.4:5.3などに適宜選択可能である。
・上記実施形態において、各モジュール(単相電力変換器)のコンデンサの容量は、制御したい無効電力の大きさに応じて任意に選択可能であって、中圧モジュールと低圧モジュールとで同一容量のコンデンサを使用しても良く、異なる容量の組み合わせも選択可能である。
・上記実施形態では、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値で設定する第1移動開始電圧値を第1動作保持電圧値よりも例えば10%〜20%高い電圧値を設定したが、10%〜20%高い電圧値は好ましい範囲の設定値であって、1%〜50%高い電圧値の範囲であればよい。
・上記実施形態では、中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値で設定する第2移動開始電圧値を第2動作保持電圧値よりも例えば10%〜20%高い電圧値を設定した。しかしながら、第2移動開始電圧値を第2動作保持電圧値よりも10%〜20%高い電圧値は好ましい範囲の設定値であって、第2移動開始電圧値を第2動作保持電圧値よりも1%〜50%高い電圧値の範囲であってもよい。
・上記実施形態では、高圧モジュール23に蓄えられているエネルギーを中圧モジュール22及び低圧モジュール21に同時に移動させる時、中圧モジュール22には、エネルギーを蓄えるようにしたが、中圧モジュール22に、エネルギーを蓄えないようにしてもよい。このようにすれば、高圧モジュール23のエネルギーを低圧モジュール21に瞬時に移動することができる。よって、制御回路などによるエネルギー損失を低減する事ができ、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値を第1動作保持電圧値以上に安定して保持することができる。
・上記実施形態では、高圧モジュール23に蓄えられているエネルギーを中圧モジュール22及び低圧モジュール21に同時に移動させるようにしたが、エネルギーを中圧モジュール22だけに移動させるようにしてもよい。このようにすれば、低圧モジュール21のコンデンサ電圧検出値が無効電流を出力することができる最小の電圧値である第1動作保持電圧値以上に保持しながら、中圧モジュール22のコンデンサ電圧検出値が無効電流を出力することができる最小の電圧値である第2動作保持電圧値以上に保持されるので、電力系統が電圧低下したときに、無効電力を制御するためのエネルギーが不足することを極力抑制することができる。
また、このエネルギーを中圧モジュール22だけに移動させるようにした実施形態では、高圧モジュール23のエネルギーを中圧モジュール22に対しエネルギーを蓄えても、蓄えなくてもよい。
10…制御部、11…電圧計、12…電流計、21…低圧モジュール、22…中圧モジュール、23…高圧モジュール。

Claims (5)

  1. 三相交流の電力系統に連系される自励式無効電力制御装置であって、
    前記電力系統の各相に接続され、単相フルブリッジインバータとコンデンサとを有する複数のモジュールを直列接続し、前記複数のモジュールのコンデンサ電圧指令値が異なるカスケード電力変換器と、
    前記カスケード電力変換器から前記電力系統へ出力される無効電力を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記複数のモジュールのうち最も低電圧のモジュールである低圧モジュールによって出力電圧波形の概形を成形し、
    前記電力系統が電圧低下して、前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が移動開始電圧値未満となったときに、前記複数のモジュールのうち前記低圧モジュール以外のモジュールの少なくとも1個に蓄えられたエネルギーを前記低圧モジュールに移動させて前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を動作保持電圧値以上に保持する
    自励式無効電力制御装置。
  2. 前記制御部は、前記複数のモジュールのうち前記低圧モジュールのコンデンサ電圧指令値に最も近いコンデンサ電圧指令値、且つ前記低圧モジュールのコンデンサ電圧指令値よりも高いコンデンサ電圧指令値のモジュールから順に当該モジュールに蓄えられたエネルギーを前記低圧モジュールに移動させ、前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を前記動作保持電圧値以上に保持する
    請求項1に記載の自励式無効電力制御装置。
  3. 前記複数のモジュールは、前記低圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記低圧モジュールよりも高い中圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記中圧モジュールよりも高い高圧モジュールと、を備え、
    前記中圧モジュールから低圧モジュールにエネルギーを移動させる移動開始電圧値を第1移動開始電圧値とし、
    前記低圧モジュールの前記動作保持電圧値を第1動作保持電圧値として、
    前記制御部は、前記中圧モジュールから前記低圧モジュールにエネルギーを移動させたことで前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が第2移動開始電圧値未満となったときには、前記高圧モジュールに蓄えられたエネルギーを前記低圧モジュール及び前記中圧モジュールに移動させて、前記低圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を前記第1動作保持電圧値以上に保持するとともに、前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を第2動作保持電圧値以上に保持する
    請求項1又は2に記載の自励式無効電力制御装置。
  4. 前記複数のモジュールは、前記低圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記低圧モジュールよりも高い中圧モジュールと、コンデンサ電圧指令値が前記中圧モジュールよりも高い高圧モジュールと、を備え、
    前記中圧モジュールから低圧モジュールにエネルギーを移動させる移動開始電圧値を第1移動開始電圧値とし、
    前記低圧モジュールの前記動作保持電圧値を第1動作保持電圧値として、
    前記制御部は、前記中圧モジュールから前記低圧モジュールにエネルギーを移動させたことで前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値が第2移動開始電圧値未満となったときには、前記高圧モジュールに蓄えられたエネルギーを前記中圧モジュールに移動させて前記中圧モジュールのコンデンサ電圧検出値を第2動作保持電圧値以上に保持する
    請求項1又は2に記載の自励式無効電力制御装置。
  5. 前記制御部は、前記高圧モジュールに蓄えられているエネルギーを前記中圧モジュール及び前記低圧モジュールの少なくとも一方に移動させるときには、前記中圧モジュールにエネルギーを蓄えないで前記低圧モジュールに移動させる
    請求項3又は4に記載の自励式無効電力制御装置。
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