JP2017187856A - 走行状況適否判定システム、走行状況適否判定装置、およびサーバ - Google Patents

走行状況適否判定システム、走行状況適否判定装置、およびサーバ Download PDF

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峻也 丸田
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忠 鎌田
大介 梶
Daisuke Kaji
大介 梶
丹羽 伸二
Shinji Niwa
伸二 丹羽
康隆 栗谷
Yasutaka Kuritani
康隆 栗谷
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Abstract

【課題】車両の走行状況が適切か否かを交通ルールに照らして判定する走行状況適否判定装置において、複雑な手順を経て得られる交通ルールの作成負荷を軽減する。【解決手段】走行情報適否判定装置1は、道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を取得する。そして、取得した場所関連ルール情報とセンサ群3からの情報とに基づいて、当該場所における車両の走行状況が適切か否かを判定する。当該交通ルールは、当該場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールである。【選択図】図10

Description

本発明は、走行状況適否判定システム、走行状況適否判定装置、およびサーバに関するものである。
従来、車両の走行状況が適切か否かを交通ルールに照らして判定する走行状況適否判定装置の技術が、種々知られている。例えば、特許文献1には、車両の平均速度が法定速度を超えていることに基づいて警告を行う装置が開示されている。
特開平11−281393号公報
しかし、特許文献1に記載された技術では、法定速度という単純な交通ルールに照らして車両の走行状況を判断できるに過ぎない。発明者の検討によれば、ある場所においてどのような交通ルールが適用されるかを決めるために、複雑な手順を踏まなければならない場合がある。
例えば、交通整理のされていない交差点において車線の優先、非優先の関係は、優先道路を指定する道路標識等があれば単純に決定される。しかし、そのような道路標識等がなければ、更に道路の幅員を判定基準に加える必要がある。そして、道路の幅員を判定基準に加えても優先、非優先の関係が決まらなければ、道路の位置関係を判定基準に加えなければならない。
車両の走行中にこのような複雑な手順で交通ルールを逐次決めるのでは、走行状況適否判定装置の処理負荷が増大してしまう。
本発明は上記点に鑑み、車両の走行状況が適切か否かを交通ルールに照らして判定する走行状況適否判定装置において、複雑な手順を経て得られる交通ルールの作成負荷を軽減することを目的とする。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、サーバ(2)と、車両に搭載される車載装置(1)と、を備え、前記サーバは:道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を記憶するデータベース部(21)と、前記データベース部に記憶された前記場所関連ルール情報を前記車載装置に送信する通信部(22)と、を備え、前記交通ルールは、前記場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールであり、前記車載装置は、前記サーバが送信した前記場所関連ルール情報と、前記車両に搭載されたセンサ(3)からの情報とに基づいて、前記場所における車両の走行状況が適切か否かを判定することを特徴とする走行状況適否判定システムである。
また、請求項5に記載の発明は、道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を取得する取得部(14)と、前記取得部が取得した前記場所関連ルール情報と、前記車両に搭載されたセンサ(3)からの情報とに基づいて、前記場所における車両の走行状況が適切か否かを判定する判定部(15)と、を備え、前記交通ルールは、前記場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールであることを特徴とする走行状況適否判定装置である。
また、請求項6に記載の発明は、道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を記憶するデータベース部(21)と、前記データベース部に記憶された前記場所関連ルール情報を車載装置に送信する通信部(22)と、を備え、前記交通ルールは、前記場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールであることを特徴とするサーバである。
このように、場所関連ルール情報において、道路上の特定の場所と交通ルールとが対応付けられている。そして、この交通ルールは、当該場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールである。したがって、車載機または走行状況適否判定装置は、複数個の汎用ルールに場所の交通上の特徴を当てはめる処理をする必要がなくなる。つまり、車載機または走行状況適否判定装置において、複雑な手順を経て得られる交通ルール(すなわち、判断済みルール)の作成負荷が軽減される。
なお、上記および特許請求の範囲における括弧内の符号は、特許請求の範囲に記載された用語と後述の実施形態に記載される当該用語を例示する具体物等との対応関係を示すものである。
走行状況適否判定システムの構成図である。 拠点サーバの構成図である。 汎用ルールDBのデータ構成を示す図である。 記述されたルール内の各部の名称を示すデータである。 優先道路に関する場所関連ルールDBを得るための手順を示すフローチャートである。 標識に基づいて決まる優先道路の交通ルール例を示す図である。 幅員に基づいて決まる優先道路の判断済みルール例を示す図である。 位置関係に基づいて決まる優先道路の判断済みルール例を示す図である。 徐行義務に関する場所関連ルールDBを得るための手順を示すフローチャートである。 自動運転制御装置の構成図である。 シーン記述部の処理内容を示すフローチャートである。 シーン記述部の処理内容を示すフローチャートである。 シーン記述部の処理内容を示すフローチャートである。 適合判定部に出力されるシーン記述データの一例を示す図である。 交差点において適合判定部に出力されるシーン記述データの一例を示す図である。 交差点において適合判定部に出力されるシーン記述データの一例を示す図である。 質問部の処理内容を示すフローチャートである。 質問の形式を示す図である。 回答部の処理内容を示すフローチャートである。 ルールベース判定部の処理内容を示すフローチャートである。 ルールベース判定部の処理内容を示すフローチャートである。 シーン特徴抽出部が実行する処理のフローチャートである。 ルール生成アルゴリズムのフローチャートである。 交通ルールの書き換えの様子を示す図である。
以下、実施形態について説明する。本実施形態に係る走行状況適否判定システムは、図1に示すように、複数個の自動運転制御装置1および1つの拠点サーバ2を有している。複数個の自動運転制御装置1は、複数台の車両に対し、1台に1個搭載されている。複数個の自動運転制御装置1の各々が、車載装置であると共に走行状況適否判定装置でもある。
拠点サーバ2は車両外の所定位置(例えばビルの屋上)に固定して設置される。拠点サーバ2は、所定の管理エリア内に入った自動運転制御装置1と無線通信することができる。管理エリアは、拠点サーバ2を含む半径数キロ〜数十キロの地理的範囲であり、この管理エリアの中心に拠点サーバ2が設置されている。なお、拠点サーバ2は、複数個あってもよい。その場合、複数個の拠点サーバ2の管理エリアは、互いに異なっている。
まず、拠点サーバ2について説明する。拠点サーバ2は、図2に示すように、データベース部21、通信部22、シーン特徴抽出部24、ローカルルール生成部25を有している。データベース部21は、記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、磁気記憶媒体)を有している。この記憶媒体には、地図DB211、汎用ルールDB212、シーンDB213が記憶されている。DBは、データベースの略称である。
汎用ルールDB212には、複数個の汎用ルールに関する情報が記録されている。汎用ルールは、場所に依らず適用可能な交通ルールである。例えば、道路交通法が規定するルール、判例が規定するルール等は、個別の場所に言及したルールでない限り、汎用ルールである。
より具体的には、例えば、道路交通法36条2項が規定する汎用ルールは、「道路標識等によって優先道路と指定されている道路は優先道路である。」である。
また、道路交通法36条2項が規定する汎用ルールには、「道路標識等によって優先道路が指定されていない場合は、交差する2つの道路の幅員が明らかに異なる場合には、幅員が大きい方の道路が優先道路になる」もある。ここで、道幅が明らかに異なるか否かの基準は、判例によってある程度定められている。
また、道路交通法36条1項が規定する汎用ルールは、「道路標識等によって優先道路が指定されておらず、かつ、交差する2つの道路の幅員が明らかに異なるとは言えない場合は、左方向の道路が優先道路になる。」である。
これら汎用ルールは、個別の場所(例えば、愛知県日進市の米野木駅南交差点)を指定しているわけではなく、日本国内の交差点には汎用的に適用される。
図3に、汎用ルールDB212の記憶媒体が記憶する上記汎用ルールのデータ構成を示す。汎用ルールDB212は、複数個のレコードを含み、各レコードは、1つの汎用ルールに対する違反成立条件と、1つのチェック番号を含んでいる。チェック番号は、違反の種類毎に異なる値が割り当てられた識別番号である。
例えば、チェック番号0001、0002、0003は、それぞれ、停止義務違反、優先道路通行車妨害、徐行義務違反に対応する。各レコード中の違反成立条件は、法律、判例、企業が独自に設定した独自基準等に基づいて、人が作成してもよいし、コンピュータが自動的に作成してもよい。
汎用ルールDB212中の違反成立条件の各々は、例えばprologなどの論理プログラムによって記述されている。したがって、汎用ルール取得部12中の違反成立条件の各々は、一階述語論理のサブセットの論理式(すなわち、論理記述)である。各違反成立条件は、1つの節と、M個の要件成立事例を含む。prologの用語では、節は「条件」とも呼ばれ、要件成立事例は「事実」と呼ばれる。Mは1または2以上の整数である。
例えば、チェック番号0001(停止義務違反)の違反成立条件は、図3のteishi_から始まる行に相当する1つの節を含み、更に、残りの各行に相当する要件成立事例を256個(M個の一例に相当する)含む。
また、図4に例示するように、1つの節は、違反種別と、当該違反種別に関連するL個の変数名と、2項演算子:−と、N個の要件とが、この順に左から右に記述されている。
Nは1または2以上の整数であり、Lは1または2以上の整数である。
違反種別は、規範に対する違反の種別を示すものであり、図4の例では、違反種別はteishi_ihanという文字列によって表される。また、図4の例では、当該違反種別に関連する変数名はXとYという2つ(L個の一例に相当する)であることが表されている。
また、prologの用語では、2項演算子「:−」よりも左の部分および右の部分が、それぞれ、頭部および本体部と呼ばれる。また、要件は、同じ節中の違反種別に対応する違反(すなわち停止義務違反)が成立する要件を表している。図4の例では、sign(X)とnostop(Y)という2つ(N個の一例に相当する)の要件が表されている。
したがって、図4中の節で示すのは、次のことである。teishi_ihanという違反種別に対応する違反は、sign(X)という要件およびnostop(Y)という要件が満たされた場合に成立する。
また、節の各々は、変数対応情報を含む。ある節の変数対応情報は、その節中の違反種別と2項演算子:−の間に挟まれた部分(図4中の(X、Y))の変数名の並び、および、その節中の各要件の後尾に記載された変数名(図4中の(X)および(Y))の並びを、含む。
ある節の変数対応情報は、その節中で示された違反種別に関連するL個の変数名が、その節中に表されたN個の要件のどれに対応し、かつ何番目に対応する変数であるかを示す。例えば、図4の例では、変数名Xは、要件sign(X)に、1番目に、対応する変数であることを示し、変数名Yは、要件nostop(Y)に、1番目に、対応する変数であることを示している。
要件成立事例の各々は、同じレコード中のN個の要件のいずれかが成立する場合の車両の走行状況を規定するデータである。あるレコード中のN個の要件のいずれに対しても、当該要件が成立する場合の車両の走行状況を規定する要件成立事例が、同じレコードに含まれている。
例えば、図3のチェック番号0001(停止義務違反)と同じレコード中のsign(ichiji)という要件成立事例は、要件sign(X)の変数Xがichijiになるような車両の走行状況が実現した場合に、要件sign(X)が成立することを規定している。変数Xのichijiという値は、後述するように、車両が一時停止標識を通り過ぎた直後のタイミングであることを示す値である。
また、当該レコード中のsign(fumikiri)という要件成立事例は、要件sign(X)の変数Xがfumikiriになるような車両の走行状況が実現した場合に、要件sign(X)が成立することを規定している。変数Xのfumikiriという値は、後述するように、車両が踏切を通り過ぎた直後のタイミングであることを示す値である。
当該レコード中のnostop(2)という要件成立事例は、要件nostop(Y)の変数Vが2になるような車両の走行状況が実現した場合に、要件nostop(Y)が成立することを規定している。変数Yの2という値は、後述するように、過去所定距離(例えば20メートル)走行分の期間の最低車速が1km/hより大きくかつ2km/h以下であることを示す値である。
また、当該レコード中には、nostop(Y)の変数Yを2から255まで1ずつ変化させた計254個の要件成立事例が含まれている。つまり、事実上、過去20メートル走行分の期間の最低車速が1km/hより大きい場合は、要件nostop(Y)が成立するよう規定されている。
地図DB211には、拠点サーバ2の管理エリア内にある道路に関する種々の地図情報が記録されている。地図情報は、ノード情報およびリンク情報を有している。ノードは、道路上の交差点に該当し、リンクは道路上の交差点から交差点までの区間に該当する。ノード情報は、ノード毎に、ノードの位置、リンクとの接続関係、ノードに付随する標識の位置および種別等の情報を有する。リンク情報は、リンク毎に、リンクの位置、リンクの幅員、リンクに付随する標識の位置および種別等の情報を有する。
また、地図DB211には、場所関連ルールDB211aが含まれる。場所関連ルールDB211aには、拠点サーバ2の管理エリア内に存在するすべてのノード、リンクの個々について、場所関連ルール情報が記憶されている。ノード、リンクは、どちらも1つの場所に相当する。これら場所関連ルール情報は、地図情報の一部である。
場所関連ルール情報の各々は、道路上の特定の場所(ノード、リンク等)の位置情報(または当該場所のID)と、その場所に限って適用される交通ルールと、チェック番号とが、互いに対応付けられた情報である。
1つの場所関連ルール情報に含まれる交通ルールは、同じ場所関連ルール情報に含まれる場所(すなわち対応する場所)に適用される交通ルールである。また、1つの場所関連ルール情報に含まれるチェック番号は、同じ場所関連ルール情報に含まれる交通ルールが守られなかった場合の違反の種類を表す識別番号である。
場所関連ルール情報に含まれる交通ルールには、判断済みルールと判断済みルールでないルールとがある。判断済みルールは、交通ルールのうち、対応する場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで、得られるルールである。対応する場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な1個の汎用ルールだけに当てはめることで得られるルールは、判断済みルールではない。ある場所の交通上の特徴としては、例えば、その場所における道路幅、設置されている交通標識の内容、勾配等がある。
例えば、上述の「道路標識等によって優先道路と指定されている道路は優先道路である。」、「道路標識等によって優先道路が指定されていない場合は、交差する2つの道路の幅員が明らかに異なる場合には、幅員が大きい方の道路が優先道路になる。」、「道路標識等によって優先道路が指定されておらず、かつ、交差する2つの道路の幅員が明らかに異なるとは言えない場合は、左方側の道路が優先道路になる。」という3つの汎用ルールのうち2つまたは3つに、交通整理されていない特定の交差点の交通上の特徴を当てはめることで、1つの判断済みルールが得られる。
優先道路に関する地点関連ルール情報に含まれる交通ルールは、例えば図5に示すような手順で作成される。図5に示す手順は、人によって行われてもよいし、拠点サーバ2とは異なるセンタ装置によって実行されてもよい。
ステップS1では、優先道路を指定する道路標識等が、当該交差点付近にあるか否かを地図情報に基づいて判定する。図6の(a)の例のように道路標識等50、51がある場合は、ステップS2に進み、図7、図8の(a)の例のようにそのような道路標識等が無い場合は、ステップS3の判定に進む。
ステップS2では、当該交差点に進入する車線A、B、C、Dのうち、当該道路標識等によって優先道路と指定されている道路を通る車線を優先であると決め、指定されていない道路を通る車線を非優先であると決める。
この結果、図6の(a)に示すような優先道路標識50、51のある交差点では、優先道路に関する交通ルールのデータは、図6の(b)に示すようになる。すなわち、車線Aは車線D、Bに対して非優先となり、車線Bは車線A、Cに対して優先となり、車線Cは車線B、Dに対して非優先であり、車線Dは車線C、Aに対して優先となる。
図6(b)に示すテーブルが、このステップS2で作成される交通ルールである。この交通ルールは、最終的に、当該交差点の位置情報と共に、場所関連ルール情報として、場所関連ルールDB211aに記録される。ただし、この交通ルールは、単一の汎用ルール(すなわち、標識等に関する汎用ルールのみ)から得られた交通ルールなので、判断済みルールではない。
ステップS3では、当該交差点で交差する道路の幅員が明らかに異なるか否かを地図情報に基づいて判定する。この判定の際には、何メートル違えば明らかに異なるのかについては、判例に従って決められた情報に基づいて決定する。図7の(a)の例のように明らかに異なる場合は、ステップS4に進む。図8の(a)の例のように、明らかに異なるとは言えない場合は、ステップS5に進む。
ステップS4では、幅員が大きい方の道路を通る車線を優先であると決め、他方の道路を通る車線を非優先であると決める。この結果、図7の(a)に示すような交差点では、図7の(b)に示すような交通ルールになる。すなわち、車線Aは車線D、Bに対して非優先となり、車線Bは車線A、Cに対して優先となり、車線Cは車線B、Dに対して非優先であり、車線Dは車線C、Aに対して優先となる。
図7(b)に示すテーブルが、このステップS4で作成される交通ルールである。この交通ルールは、最終的に、当該交差点の位置情報と共に、場所関連ルール情報として、場所関連ルールDB211aに記録される。そして、この交通ルールは、2個の汎用ルール(すなわち、標識等に関する汎用ルールと幅員に関する汎用ルール)から得られた交通ルールなので、判断済みルールである。
ステップS5では、標識等でも幅員でも優先道路が決まらなかったので、左方側の道路の車線を優先であると決め、右方側の道路の車線を非優先であると決める。この結果、図8の(a)に示すような交差点では、図8の(b)に示すような交通ルールになる。すなわち、車線Aは車線Dに対しては非優先となるが車線Bに対しては優先となり、車線Bは車線Aに対しては非優先となるが車線Cに対しては優先となり、車線Cは車線Bに対しては非優先となるが車線Dに対しては優先となり、車線Dは車線Cに対しては非優先となるが車線Aに対しては優先となる。
図8(b)に示すテーブルが、このステップS5で作成される交通ルールである。この交通ルールは、最終的に、当該交差点の位置情報と共に、場所関連ルール情報として、場所関連ルールDB211aに記録される。そして、この交通ルールは、3個の汎用ルール(すなわち、標識等に関する汎用ルールと幅員に関する汎用ルール、および道路の位置関係に関する汎用ルール)から得られた交通ルールなので、判断済みルールである。
このように、特定の交差点の交通上の特徴を複数個の汎用ルールに適用することで、どの車線が優先であるかについての、判断済みルールが作成される。
また例えば、徐行義務に関する2つの汎用ルールに、特定の道路区間(すなわちリンク)の交通上の特徴を当てはめることで、1つの判断済みルールが得られる。徐行義務に関する2つの汎用ルールは、道路交通法42条に基づく「道路標識等によって徐行すべきことが指定されている道路では徐行義務がある」という汎用ルールと、同じく道路交通法42条に基づく「道路のまがりかど附近、上り坂頂上附近、勾配の急な下り坂では徐行義務がある」という汎用ルールである。
徐行義務に関する地点関連ルール情報に含まれる交通ルールは、例えば図9に示すような手順で作成される。ステップS6では、徐行すべきことを指定する道路標識等が、当該道路区間付近にあるか否かを判定する。そのような道路標識等がある場合はステップS7に進み、ない場合はステップS8に進む。
ステップS6に続くステップS7では、当該道路区間において徐行義務があると決める。ここで、当該道路区間において徐行義務があることを示すデータは、場所関連ルールDB211aに記録される場所関連ルール情報中の交通ルールに該当する。ただし、この交通ルールは、単一の汎用ルール(すなわち、標識等に関する汎用ルールのみ)から得られた交通ルールなので、判断済みルールではない。
ステップS8では、判例および当該道路区間の地形(幅員、勾配、見通し等)に基づいて、当該道路区間が、道路のまがりかど附近、上り坂頂上附近、勾配の急な下り坂のいずれか1つ以上に該当するか否かを判定する。そして、該当する場合はステップS7に進み、該当しない場合はステップS8に進む。
ステップS8に続くステップS7では、当該道路区間において徐行義務があると決める。ここで、当該道路区間において徐行義務があることを示すデータは、場所関連ルールDB211aに記録される場所関連ルール情報中の交通ルールに該当する。そして、この交通ルールは、2個の汎用ルール(すなわち、標識等に関する汎用ルールと地形等に関する汎用ルール)から得られた交通ルールなので、判断済みルールである。
ステップS9では、当該道路区間において徐行義務がないと決める。ここで、当該道路区間において徐行義務がないことを示すデータは、場所関連ルールDB211aに記録される場所関連ルール情報中の交通ルールに該当する。そして、この交通ルールは、2個の汎用ルール(すなわち、標識等に関する汎用ルールと地形等に関する汎用ルール)から得られた交通ルールなので、判断済みルールである。
このように、特定の道路区間の交通上の特徴を複数個の汎用ルールに適用することで、どの道路区間で徐行義務があるかについての、判断済みルールが作成される。
シーンDB213には、拠点サーバ2の管理エリア内における、場所(ノード、リンク)毎のシーン情報が記憶されている。ある場所のシーン情報には、当該場所において過去に発生した複数個の交通事象の情報が記録されている。1つの交通事象の情報には、その交通事象を起こした車両の挙動(位置、速度等)の情報が含まれる。また、シーンDB213では、各交通事象は、交通事故シーン、違法走行シーン、合法走行シーンのいずれかに分類されている。
交通事故シーンは、交通事故に該当する交通事象である。違法走行シーンは、交通事故にはならなかったものの違法な走行が発生した交通事象である。合法走行シーンは、交通事故にはならず、かつ、違法な走行も発生しなかった交通事象である。後述するように、このシーンDB213に記憶されるシーン情報は、自動運転制御装置1から取得される。
通信部22は、拠点サーバ2の管理エリア内の自動運転制御装置1と無線通信する装置である。通信部22は、地図DB211に記録された地図情報(場所関連ルール情報を含む)、汎用ルールDB212に記憶された汎用ルール情報を読み出して、自機の管理エリア内の複数台の自動運転制御装置1に送信する。また、通信部22は、自動運転制御装置1から受信した車両の挙動の情報を、シーンDB213に記録する。通信部22は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、無線通信インターフェース等を備えた無線通信機能付きマイクロコンピュータで実現される。
シーン特徴抽出部24は、シーンDB213に記録されたシーン情報を読み出し、読み出したシーン情報から、特異的なシーンの特徴を抽出し、抽出した特徴に基づいて、場所関連ルールDB211aに記録されている判断済みルールの修正方法を示すデータを作成する装置である。このシーン特徴抽出部24は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えたマイクロコンピュータで実現される。
ローカルルール生成部25は、シーン特徴抽出部24で作成された方法に従って判断済みルールを修正する。このローカルルール生成部25は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えたマイクロコンピュータで実現される。シーン特徴抽出部24とローカルルール生成部25が、全体として修正部の一例に相当する。
次に、車両側の構成について説明する。図10に示すように、各車両には、自動運転制御装置1、センサ群3、アクチュエータ群4が搭載されている。自動運転制御装置1は、運転者の運転操作が無くても車両を目的地まで走行させる自動運転を実現するための制御装置である。
センサ群3は、自動運転を実現するために必要なセンサを複数有する。センサ群3が含むセンサとしては、例えば、車速センサ、加速度センサ、GPS受信機、車載カメラ、距離センサ等がある。車載カメラは、自車両の前方の道路等を撮影する。距離センサは、自車両と自車両前方の先行車両との車間距離を計測する。距離センサとしては、例えばレーダーセンサ、ソナーセンサ等がある。
アクチュエータ群4は、車両の操舵、駆動、制動のそれぞれを実現するためのアクチュエータである。例えば、操舵を実現するためのアクチュエータは、ステアリングハンドルの操舵角を変化させるモータであり、駆動を実現するためのアクチュエータは、アクセル開度を変化させるモータであり、制動を実現するためのアクチュエータは、ブレーキ液圧を変化させるポンプを駆動するモータである。
以下、自動運転制御装置1について詳細に説明する。自動運転制御装置1は、車両制御部11、汎用ルール取得部12、シーン記述部13、地図情報取得部14、適合判定部15、FB部16を有している。
車両制御部11は、車両の運転モードが自動運転モードのときに車両を走行させるための制御装置であり、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等を備えて実現される。フラッシュメモリには、道路地図データが記録されている。道路地図データは、道路の位置、形状、接続関係等の情報を含んでいる。更に道路地図データは、複数の注意対象物の位置情報を有している。注意対象物は、各種道路上または道路付近に設けられており、例えば、一時停止標識、信号機、踏切、横断歩道、交通標識、ETC入場ゲート等が該当する。
運転モードとしては、自動運転モード、手動運転モードの2つがあり、例えば、図示しない操作部に対して車両の乗員が所定の切り替え操作を行うことで、自動運転モードと手動運転モードとが相互に切り替わる。
自動運転モードは、車両の乗員の運転操作によらずに、車両制御部11が車両を自動運転する運転モードである。手動運転モードは、車両の乗員の運転操作(ステアリングハンドルの操作、アクセルペダルの操作、ブレーキペダルの操作等)により車両が運転される運転モードである。手動運転モードにおいては、車両制御部11はアクチュエータ群4を駆動しない。
自動運転モードの間は、車両制御部11は、自動運転を実現するための制御を行う。具体的には、車両制御部11は、以下(a)〜(e)のような作動を行う。
(a)センサ群3のGPS受信機、加速度センサ、車速センサ等からの検出信号に基づいて、車両の現在位置および走行速度ベクトルを特定する。
(b)道路地図データまたは後述する地図情報取得部14が取得する地図情報に基づいて、目的地までの最適な予定ルートを算出する。
(c)センサ群3の距離センサからの検出信号に基づいて、自車両を基準とする先行車両(または障害物)までの距離および先行車両(または障害物)の相対速度を検出する。
(d)車載カメラの撮影画像に基づいて、自車両前方の道路上の白線の位置を検知する。
(e)上記(a)〜(d)で検出した結果に基づいて、自車両が上記予定ルート上の道路に沿って、前方車両および障害物にぶつからないよう、かつ、右左折時等の必要時以外は白線を横切らないよう、アクチュエータ群4を制御して、両の駆動、制動、操舵を自動的に行う。
また、車両制御部11は、後述するように、自動運転モードの間に、適合判定部15か
ら違反発生の通知を受けた場合は、上記(e)よりも優先して、その通知に応じた制御を
アクチュエータ群4に対して行う。
汎用ルール取得部12は、搭載先の車両が拠点サーバ2の管理エリア内にいるときに、拠点サーバ2から送信されている汎用ルール情報を受信して保存する。汎用ルール取得部12は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、無線通信インターフェース等を備えた無線通信機能付きマイクロコンピュータで実現される。
地図情報取得部14は、搭載先の車両が拠点サーバ2の管理エリア内にいるときに、拠点サーバ2から送信されている地図情報(場所関連ルール情報を含む)を受信して保存する。そして地図情報取得部14は、受信した地図情報(場所関連ルール情報を含む)をシーン記述部13に出力する。地図情報取得部14は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、無線通信インターフェース等を備えた無線通信機能付きマイクロコンピュータで実現される。
シーン記述部13は、センサ群3の検出結果および地図情報取得部14から入力された地図情報(場所関連ルール情報を含む)に基づいて、搭載先の車両の複数種類の走行状況を特定する。そしてシーン記述部13は、特定された複数種類の走行状況の各々に、予め定められた変数名を対応付ける。そしてシーン記述部13は、対応付けられた走行状況と変数名の複数組を、適合判定部15およびFB部16に出力する。
シーン記述部13は、上記のような作動を実現するため、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体を備えている。そしてこのCPUは、ROMまたはフラッシュメモリに記録されている所定のプログラムを実行することで、図11、図12、図13に示す処理等をマルチタスクで同時並行で実行する。以下、このCPUが実行する処理を、シーン記述部13が実行する処理として説明する。
まず、図11の処理について説明する、図11の処理により、シーン記述部13は、ステップS105、ステップS110の処理を繰り返す。まずステップS105では、地図情報取得部14から地図情報(場所関連ルール情報を含む)を取得する。続いてステップS110では、直前のステップS105で取得した地図情報(場所関連ルール情報を含む)を、シーン記述データとして、適合判定部15およびFB部16に出力する。ステップS110の後、ステップS105に戻る。
このように、シーン記述部13は、地図情報取得部14から取得した地図情報(場所関連ルール情報を含む)を、繰り返し定期的に適合判定部15およびFB部16に出力する。
次に、図12の処理について説明する。図12の処理により、シーン記述部13はステップS210〜S240(またはS250)を繰り返す。これによりシーン記述部13は、車両が直前に通過済みの注意対象物の名称とその変数名Xの組を、シーン記述データとして、繰り返し定期的に適合判定部15およびFB部16に出力する。
まずシーン記述部13は、ステップS210で、所定時間待機する。続いてステップS220では、センサ群3のうち車載カメラの検出信号(すなわち、撮影画像の映像信号)に基づいて、周知の画像認識処理により、撮影画像中にある車両前方の注意対象物を、検出する。検出できる注意対象物は、信号機、踏切、横断歩道、交通標識、ETC入場ゲート等である。また、交通標識については、より細かく、一時停止標識、一方通行標識、制限速度標識、駐車禁止標識、優先道路標識等の交通標識種別を区別して検出できる。
ステップS220では更に、今回のステップS220で検出した注意対象物と、今回よりも1回前のステップS220で検出した注意対象物とを比較し、1回前に検出したが今回検出しなかった注意対象物を、直前に通過済みの注意対象物として特定する。
続いてステップS230では、直前のステップS220の特定結果に基づいて、直前に通過済みの注意対象物を特定できたか否か判定する。特定できた場合は、ステップS240に進む。特定できなかった場合は、ステップS250に進む。
ステップS240では、直前のステップS220で特定した注意対象物の名称に、あらかじめ固定的に定められた変数名Xを対応付ける。注意対象物の名称は、例えば信号機、踏切、横断歩道、ETC入場ゲートならば、それぞれ、singouki、fumikiri、oudanhodou、etc_inとなる。また例えば、一時停止標識、一方通行標識、制限速度標識、または駐車禁止標識ならば、それぞれ名称は、ichiji、one_way、seigensokudo、chuushakinsiとなる。
ステップS240では更に、図14に例示するように、これら変数名Xと注意対象物の名称(変数値に相当する)を1つのシーン記述データとして適合判定部15およびFB部16に出力する。ステップS240の後、ステップS210に戻る。
ステップS250に進む場合は、直前に注意対象物を通過していない。したがって、ステップS250では、注意対象物を通過していないことを示す名称noneに、あらかじめ固定的に定められた変数名Xを対応付ける。
ステップS250では更に、これら変数名Xと名称noneを1つのシーン記述データとして適合判定部15およびFB部16に出力する。ステップS250の後、ステップS210に戻る。
次に、図13の処理について説明する。シーン記述部13は、この処理においてステップS310〜S360を繰り返す。これによりシーン記述部13は車両の過去所定距離(例えば20メートル)走行分の期間の最低車速とその変数名Yの組をシーン記述データとして適合判定部15およびFB部16に出力する。
まずシーン記述部13は、ステップS310で、図4のステップS110と同じ所定時間待機する。続いてステップS320で、センサ群3のGPS受信機、車速センサ、加速度センサの検出信号に基づいて、車両の現在位置を特定する。
続いてステップS330では、センサ群3の車速センサの検出信号に基づいて、現在の車速を取得する。続いてステップS340では、直前のステップS320、S330で取得した位置および車速をRAMに追加記録する。これにより、ステップS340が実行される度に、RAM中に位置および車速の組が1組ずつ蓄積されていく。
続いてステップS350では、現時点でRAMに記録されている位置および車速の複数組に基づいて、車両の過去所定距離(例えば20メートル)走行分の期間の最低車速を特定する。
続いてステップS360では、直前のステップS350にて取得済みの最低車速を、km/hの単位で小数点以下を切り上げる。これによって、直前のステップS350にて取得済みの最低車速がkm/hの単位の整数値に丸められる。
ステップS360では更に、丸め済みの最低車速に、あらかじめ固定的に定められた変数名Yを対応付け、更に、図14に例示するように、これら変数名Yと丸め済みの最低車速(変数値に相当する)を1つのシーン記述データとして適合判定部15およびFB部16に出力する。ステップS360の後、ステップS310に戻る。
このようにして、シーン記述部13は、センサ群3の検出結果に基づいて、例えば停止義務違反については2種類(L種類の一例に相当する)の走行状況(すなわち、車速、注意対象物、最低車速)を特定し、特定した走行状況の各々に、予め定められた変数名V、X、Yを対応付けて、適合判定部15およびFB部16に出力する。
このようにしてシーン記述部13から適合判定部15に出力されるシーン記述データの例を、図15、図16に示す。図15、図16中で、二重の四角枠で囲まれたものが、場所関連ルール情報に相当するシーン記述データを表し、一重の四角枠で囲まれたものが、それ以外のシーン記述データを表す。
図15では、交通整理のされていない交差点において、優先道路を指定する標識等は無いが幅員の明らかに異なる道路が交差している。この場合、図11の処理によって適合判定部15に出力されるシーン記述データは、幅員が大きい方の道路を通って交差点に入る車線が優先であり、幅員が小さい方の道路を通って交差点に入る車線が非優先であることを示す判断済みデータである。
図16では、交通整理のされていない交差点において、優先道路を指定する標識等が無く幅員も明らかに異なるとは言えない道路が交差している。この場合、図11の処理によって適合判定部15に出力されるシーン記述データは、車線Aが車線Bに対して優先で、
車線Bが車線Cに対して優先で、車線Cが車線Dに対して優先で、車線Dが車線Aに対して優先であることを示す判断済みデータである。
また、図15、図16に示すように、判断済みデータでないシーン記述データとして、自車両(自動運転制御装置1を搭載する車両)以外の他車両の情報がある。この情報としては、他車両の存在の有無、他車両の車速、他車両が走行している車線、他車両のウインカーの点灯状態等がある。これらの情報は、センサ群3のうち車載カメラが撮影した画像および地図情報取得部14から取得した地図情報に基づいてシーン記述部13が特定する。
また、判断済みデータでないシーン記述データとして、道路の幅員、中央線の位置、交差点標識の有無、道路の傾斜角等がある。これらのデータは、センサ群3のうち車載カメラが撮影した画像に基づいてシーン記述部13が特定してもよい。あるいは、これらのデータは、地図情報取得部14が取得した地図情報から読み出してもよい。
シーン記述部13が適合判定部15および適合判定部15に出力するシーン記述データとしては、この他にも、自車両の走行方向、走行車線、前後方向加速度、横加速度、他車両の走行方向、走行車線、前後方向加速度、横加速度等がある。
なお、このようにしてシーン記述部13から送信されるシーン記述データは、現在および過去にセンサ群3が出力したセンサ情報に基づいて作成される。しかし、作成された自車両、他車両の挙動に関わるシーン記述データは、現在および過去の挙動(速度、加速度等)に関するデータのみならず、未来の挙動に関するデータも含む。
具体的には、シーン記述部13は、現在および過去にセンサ群3が出力したセンサ情報に基づいて、自車両および他車両が未来にどのように走行するかを予測し、その予測結果の挙動を表すシーン記述データも作成し、適合判定部15およびFB部16に出力する。
そして、シーン記述部13は、シーン記述データの各々に、それがどの時点の車両の挙動に対応するものなのかを示すタイムスタンプを付与した上で、適合判定部15およびFB部16に出力する。
次に、適合判定部15について説明する。適合判定部15は、質問部15a、回答部15b、ルールベース判定部15cを有している。質問部15aは、シーン記述部13によって出力されたシーン記述データ(変数名、走行状況)に基づいて回答部15bに質問を出力する。
質問部15aは、上記のような作動を実現するため、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体を備えている。そしてこのCPUは、ROMまたはフラッシュメモリに記録されている所定のプログラムを実行することで、図17に示す処理を実行する。以下、このCPUが実行する処理を、質問部15aが実行する処理として説明する。
質問部15aは、まずステップS410で、所定時間待機する。続いてステップS420で、チェック番号を0001に初期化する。続いてステップS425で、現在のチェック番号(すなわち0001)が、シーン記述部13から過去の所定期間中に出力された場所関連ルール情報中に含まれるチェック番号のどれか1つと一致するか否かを判定する。過去の所定期間としては、例えば、現時点から5秒遡る期間であってもよい。
一致する場合は、現在のチェック番号(すなわち0001)に対応する違反種別に関する判定はルールベース判定部15cで行われるので、ステップS430以降の処理が不要になる。
本事例では、シーン記述部13から過去の所定期間中に送信される場所関連ルールのうち、優先道路通行車妨害に関する場所関連ルール情報はチェック番号0002を含み、徐行義務違反に関する場所関連ルール情報はチェック番号0003を含んでいる。しかし、本事例では、シーン記述部13から過去の所定期間中に送信される場所関連ルール情報のうち、チェック番号0001を含むものはない。したがって、本事例では、質問部15aは、ステップS425で一致しないと判定し、ステップS430に進む。
続いてステップS430で、汎用ルール取得部12が取得した汎用ルール情報から、現在のチェック番号に対応するレコード、すなわち、当該チェック番号を含むレコードを抽出し、更に、抽出したレコードに含まれる節の頭部、すなわち、1個の違反種別およびL個の変数名を取得する。具体的には、チェック番号が0001なので、teishi_ihanという違反種別および2個の変数名X、Yを取得する。
続いてステップS440では、直前のステップS430で取得済みのL個の変数名にシーン記述データ中でそれぞれ対応するL種類の変数値(すなわち走行状況)を取得する。
具体的には、変数名Xに対応する走行状況である通過済み注意喚起対象の具体値(図14の例ではichiji)を取得し、変数名Yに対応する走行状況である最低速度の具体値(図14の例では3)を取得する。
続いてステップS450では、直前のステップS430で取得済みの違反種別および直前のステップS440で取得済みの変数値を用いて、質問を生成する。具体的には、例えば、シーン記述データが図14のようになっている場合は、図18に示すような文字列を回答部15bに出力する。この質問は、ichijiという注意喚起対象(すなわち、一時停止標識)を直前に通過済みであり、かつ、3という過去所定距離走行分の期間の最低車速(すなわち、2km/h超かつ3km/h以下)で停止義務違反が成立するかという質問である。なお、質問部15aは、質問中の変数値の順序は、直前のステップS430で取得した頭部中の変数名の順序に、それら変数値に対応する変数名を当てはめることで決定する。
続いてステップS460では、チェック番号の値を1だけ増加させる。これによりチェック番号が0002になる。続いてステップS470では、汎用ルール情報に含まれている最大値(例えば1000)より大きいか否かを判定する。最大値より大きくないと判定すればステップS425に戻り、最大値より大きいと判定すればステップS410に戻る。チェック番号が0002であれば最大値より小さいので、ステップS425に戻る。
既に説明した通り、本事例では、シーン記述部13から過去の所定期間中に送信される場所関連ルールのうち、優先道路通行車妨害に関する場所関連ルール情報はチェック番号0002を含む。
したがって、本事例で質問部15aは、ステップS425で、現在のチェック番号(すなわち0002)が、シーン記述部13から過去の所定期間中に出力された場所関連ルール情報中に含まれるチェック番号のどれか1つと一致すると判定する。そして質問部15aは、ステップS430、S440、S450の処理をバイパスしてステップS460に進む。このようにすることで、同じ違反の種類について回答部15bとルールベース判定部15cが重複して判定することがない。
しかし、本事例とは異なるが、交通整理のされていない交差点でも、交差点によっては、優先道路通行車妨害に関する場所関連ルール情報が無い交差点があり得る。そのような交差点においては、ステップS425で、現在のチェック番号(すなわち0002)が、シーン記述部13から過去の所定期間中に出力された場所関連ルール情報中に含まれるチェック番号のどれか1つと一致しないと判定する。そのような場合、質問部15aは、チェック番号0002について、ステップS430、S440、S450で既に説明した通りの処理を行うことで、優先道路通行車妨害という違反が成立するかという質問を、回答部15bに出力し、ステップS460に進む。
ステップS425またはステップS450に続くステップS460では、チェック番号の値を1だけ増加させて0003にする。続いてステップS470では、チェック番号が最大値より大きくないと判定してステップS425に戻る。
既に説明した通り、本事例では、シーン記述部13から過去の所定期間中に送信される場所関連ルールのうち、徐行義務違反に関する場所関連ルール情報はチェック番号0003を含む。
したがって、本事例で質問部15aは、ステップS425で、現在のチェック番号(すなわち0003)が、シーン記述部13から過去の所定期間中に出力された場所関連ルール情報中に含まれるチェック番号のどれか1つと一致すると判定する。そして質問部15aは、ステップS430、S440、S450の処理をバイパスしてステップS460に進む。このようにすることで、同じ違反の種類について回答部15bとルールベース判定部15cが重複して判定することがない。
しかし、本事例とは異なるが、リンクによっては、徐行義務違反に関する場所関連ルール情報が無いリンクがあり得る。そのようなリンクにおいては、ステップS425で、現在のチェック番号(すなわち0003)が、シーン記述部13から過去の所定期間中に出力された場所関連ルール情報中に含まれるチェック番号のどれか1つと一致しないと判定する。そのような場合、質問部15aは、チェック番号0003について、ステップS430、S440、S450で既に説明した通りの処理を行うことで、徐行義務違反という違反が成立するかという質問を、回答部15bに出力し、ステップS460に進む。
ステップS425またはステップS450に続くステップS460では、チェック番号の値を1だけ増加させて0004にする。続いてステップS470では、チェック番号が最大値より大きくないと判定してステップS430に戻る。
質問部15aは、このようなステップS430〜S470の処理を、チェック番号が最大値を超えるまで行う。これにより、汎用ルール情報に含まれるすべての違反成立条件のうち、ルールベース判定部15cで判断されない違反成立条件について、シーン記述データ中の変数値(すなわち走行状況)を用いて、質問を出力することができる。
また質問部15aは、定期的にステップS410、S420、およびステップS425〜S470のループを繰り返し実行することで、時々刻々と変化する車両状態の変化に応じて質問中の車両状態(すなわち変数値)を変化させることができる。
次に回答部15bについて説明する。回答部15bは、質問部15aから出力された質問中の変数値(すなわち走行状況)を、当該質問中の違反種別を含む違反成立条件に適用することで、当該違反種別に対応する違反が成立するか否かを判定する。
回答部15bは、上記のような作動を実現するため、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体を備えている。そしてこのCPUは、ROMまたはフラッシュメモリに記録されている所定のプログラムを実行することで、図19に示す処理を実行する。以下、このCPUが実行する処理を、回答部15bが実行する処理として説明する。
回答部15bは、まずステップS510で、汎用ルール取得部12からすべての違反成立条件を読み出す。このようにして読み出されたデータは、説明済みのprologのソースコードである。回答部15bは、ステップS510でこのソースコードを実行することで、以後、prologの処理系(例えば周知のSWI−Prolog)として機能する。
prologの処理系として機能し始めた回答部15bは、続くステップS520で、質問部15aから質問が出力されるまで待機する。そして質問部15aから質問が出力されると、当該質問を取得してステップS530に進む。
ステップS530では、直前のステップS520で取得済みの質問中の違反種別と同じ違反種別を含む節を、汎用ルール取得部12が取得した汎用ルール情報から特定する。例えば、図18のような、teishi_ihanという違反種別を上記質問が含む場合、汎用ルール情報中のチェック番号0001中の節が特定される。
続いてステップS540では、上記質問中のL種類の走行状況(すなわち変数値)の各々を、直前のステップS530で特定した節中のN個の要件のうち対応する要件に適用する。どの走行状況がどの要件に対応するか、および、各要件でどの順番でどの走行条件が適用されるかは、上記の節に含まれる変数対応情報(図4参照)に従って決める。つまり、上記の節に含まれる変数対応情報中のL個の変数名と、上記質問中のL個の変数名との対応関係に従って決める。
例えば、質問が図18のように?− teishi_ihan(ichiji,3).である場合、sign(X)の変数Xにichijiという変数値を当てはめ、nostop(Y)の変数Xに3という変数値を当てはめる。これにより、変数値の適用が実現し、sign(ichiji)という要件およびnostop(3)という要件が得られる。
続いてステップS550では、直前のステップS540において適用後に得られたN個の要件を、上記の節と同じレコードに含まれるM個の要件成立事例のうち対応する要件成立事例と比較する。対応するか否かは、要件のうち括弧内を除く部分が同じか否かで決定する。
例えば、質問が図18のように?− teishi_ihan(ichiji,3).である場合、以下の通りである。すなわち、sign(ichiji)という要件を汎用ルール情報中のsign(ichiji)およびsign(fumikiri)の個々と比較する。また、nostop(3)という要件を汎用ルール情報中のnostop(2)、nostop(3)、…、nostop(255)の個々と比較する。
そして比較の結果、要件成立事例のいずれかと一致した要件については、当該要件が成立したと判定する。また、比較の結果、要件成立事例のいずれとも一致しなかった要件については、当該要件が成立していないと判定する。
例えば、質問が図18のように?− teishi_ihan(ichiji,3).である場合、比較の結果は以下のようになる。すなわち、sign(ichiji)という要件と一致する要件成立事例が存在する。また、nostop(3)という要件と一致する要件成立事例が存在する。したがって、sign(X)およびnostop(Y)という要件の両方が成立すると判定する。
また、質問が図18とは異なり?− teishi_ihan(fumikiri,3).である場合、比較の結果は以下のようになる。すなわち、sign(fumikiri)という要件と一致する要件成立事例が存在する。また、nostop(3)という要件と一致する要件成立事例が存在する。したがって、sign(X)およびnostop(Y)という要件の両方が成立すると判定する。
また、質問が図18とは異なり?− teishi_ihan(chuushakinsi,30).である場合、比較の結果は以下のようになる。すなわち、sign(chuushakinsi)という要件と一致する要件成立事例が存在しない。また、nostop(30)という要件と一致する要件成立事例が存在する。したがって、sign(X)という要件が成立せず、nostop(Y)という要件が成立すると判定する。
また、質問が図18とは異なり?− teishi_ihan(ichiji,1).である場合、比較の結果は以下のようになる。すなわち、sign(ichiji)という要件と一致する要件成立事例が存在する。また、nostop(1)という要件と一致する要件成立事例が存在しない。したがって、sign(X)という要件が成立し、nostop(Y)という要件が成立しないと判定する。
続いてステップS560では、直前のステップS550の判定結果に基づいて、上記違反種別に対応する違反が成立するか否かを判定する。具体的には、当該違反種別と同じ節に属する要件のすべてが成立したと判定された場合に、当該違反種別に対応する違反が成立すると判定し、当該違反種別と同じ節に属する要件の1つ以上が成立しないと判定された場合に、当該違反種別に対応する違反が成立しないと判定する。
例えば、質問が図18のように?− teishi_ihan(ichiji,3).である場合、ステップS540で要件sign(X)および要件nostop(Y)の両方が成立すると判定された。したがって、teishi_ihanに対する違反、すなわち、停止義務違反が成立すると判定する。
また、質問が図18とは異なり?− teishi_ihan(fumikiri,3).である場合、ステップS540で要件sign(X)および要件nostop(Y)の両方が成立すると判定された。したがって、teishi_ihanに対する違反、すなわち、停止義務違反が成立すると判定する。
また、質問が図18とは異なり?− teishi_ihan(chuushakinsi,30).である場合、要件sign(X)が成立せず、要件nostop(Y)が成立すると判定された。したがって、teishi_ihanに対する違反、すなわち、停止義務違反が成立しないと判定する。
また、質問が図18とは異なり?− teishi_ihan(ichiji,1).である場合、要件sign(X)が成立し、要件nostop(Y)が成立しないと判定された。したがって、teishi_ihanに対する違反、すなわち、停止義務違反が成立しないと判定する。
違反が成立しないと判定した場合は、ステップS520に戻って次の質問を待つ。違反が成立すると判定した場合は、ステップS570に進む。ステップS570では、回答部15bは、違反発生の通知を行う。具体的には、汎用ルール取得部12で上記違反種別と同じレコードに含まれるチェック番号を、車両制御部11に通知する。ステップS570の後、ステップS520に戻る。
この通知を受けた車両制御部11は、通知されたチェック番号に応じて、上述の(e)の制御に優先して、アクチュエータ群4を制御する。例えば、チェック番号0001の通知を受けた場合は、車両に制動をかけて車両を停止させる。あるいは、回答部15bは、ステップS570では、違反が発生したこと、および、違反種別を、画像または音声で車両の乗員に通知してもよい。
次にルールベース判定部15cについて説明する。ルールベース判定部15cは、シーン記述部13から出力されたシーン記述データのうち、場所関連ルール情報およびその他の情報に基づいて、車両の走行状況が適切か否かを判定する。
ルールベース判定部15cは、上記のような作動を実現するため、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体を備えている。そしてこのCPUは、ROMまたはフラッシュメモリに記録されている所定のプログラムを実行することで、図20、図21に示す処理等を、マルチタスクで同時並行で実行する。以下、このCPUが実行する処理を、ルールベース判定部15cが実行する処理として説明する。
まず、図20の処理について説明する。ルールベース判定部15cは、所定の優先判定開始条件が満たされたときに、この図20の処理を実行する。優先判定開始条件は、以下の条件(1)、(2)、(3)のすべてが満たされるという条件である。
(1)ある交差点に進入する車線を自車両が走行している。
(2)自車両から当該交差点までの距離が所定距離(例えば200m)以内になった。
(3)上記車線と交差する車線から他車両が当該交差点に進入しようとしている。
なお、これら条件(1)、(2)、(3)は、シーン記述部13から取得するシーン記述データに基づいて判定する。
ルールベース判定部15cは、図20の処理を開始すると、まずステップS151で、自車両が非優先車線を走行中であるか否かを判定する。このステップS151では、シーン記述部13からシーン記述データとして取得した地図情報と自車両の位置情報に基づいて、自車両が走行している車線(どの道路のどの方向を向いた車線か)を特定する。
さらにステップS151では、特定した車線が優先車線であるか否かを、優先道路に関する場所関連ルール情報を用いて、他車両の走行している車線と自車両の走行している車線に基づいて、判定する。優先道路に関する場所関連ルール情報は、シーン記述部13から受信したシーン記述データのうち、図6(b)、図7(b)、図8(b)、図15、図16に示した情報である。
例えば、シーン記述部13から取得したシーン記述データのうち、優先道路に関する場所関連ルール情報において、当該交差点の位置情報と図6(b)の交通ルールとが互いに対応付けられている場合がある。その場合において、自車両が車線Bを走行しており、かつ、他車両が車線Aを走行していれば、自車両が非優先車線を走行中でない(優先車線を走行中である)と判定し、図20の処理を終了する。あるいは、同じ場合において、自車両が車線Aを走行しており、かつ、他車両が車線Bを走行していれば、自車両が非優先車線を走行中であると判定し、ステップS152に進む。
また例えば、シーン記述部13から取得したシーン記述データのうち、優先道路に関する場所関連ルール情報において、当該交差点の位置情報と図7(b)または図8(b)の判断済みルールとが互いに対応付けられている場合がある。その場合において、自車両が車線Bを走行しており、かつ、他車両が車線Aを走行していれば、自車両が非優先車線を走行中でない(優先車線を走行中である)と判定し、図20の処理を終了する。あるいは、同じ場合において、自車両が車線Aを走行しており、かつ、他車両が車線Bを走行していれば、自車両が非優先車線を走行中であると判定し、ステップS152に進む。
ステップS152では、自車両が優先車線の車両(すなわち上記他車両)を妨害するか否かを判定する。具体的には、自車両の現在の車速、および加速度に基づいて、自車両が当該交差点の手前所定距離(例えば手前3m)の地点で所定速度(例えば、時速5km)以上になっているか否かを予測する。そして、所定速度以上になると予測すれ、妨害すると判定してステップS153に進み、所定速度未満にならないと予測すれば、妨害しないと判定して図20の処理を終了する。
ステップS153では、走行状況が適切でないことを示す違反発生の通知を行う。具体的には、優先道路通行車妨害に対応する所定のチェック番号を、車両制御部11に通知する。ステップS153の後、図20の処理を終了する。
この通知を受けた車両制御部11は、通知されたチェック番号に応じて、上述の(e)の制御に優先して、アクチュエータ群4を制御する。具体的には、車両に制動をかけて車両を減速させて停止させる。あるいは、ルールベース判定部15cは、ステップS153では、違反が発生したこと、および、違反種別を、画像または音声で車両の乗員に通知してもよい。
次に、図21の処理について説明する。ルールベース判定部15cは、図21の処理を繰り返し定期的に実行する。この処理では、まずステップS155で、自車両が徐行対象区間を走行しているか否かを判定する。具体的には、自車両の位置および地図情報に基づいて、自車両が走行しているリンクを特定する。そして、徐行義務に関する場所関連ルール情報のうち、当該リンクと交通ルールとが対応付けられた場所関連ルール情報を抽出する。抽出された場所関連ルール情報に含まれる交通ルールは、判断済みルールである場合も判断済みルールでない場合もある。そして、当該交通ルールが、徐行義務があることを示しているか、徐行義務がないことを示しているか、判定する。徐行義務があることを示していれば、自車両が徐行対象区間を走行していると判定してステップS156に進み、徐行義務がないことを示していれば、自車両が徐行対象区間を走行していないと判定して今回の図21の処理を終了する。
ステップS156では、シーン記述データ中の自車両の車速に基づいて、自車両が徐行しているか否か判定する。例えば、自車両の車速が10km以下であるか否かで、徐行しているか否かを判定する。徐行している場合、今回の図21の処理を終了し、徐行していない場合、ステップS157に進む。
ステップS157では、走行状況が適切でないことを示す違反発生の通知を行う。具体的には、徐行義務違反に対応する所定のチェック番号を、車両制御部11に通知する。ステップS5157の後、今回の図21の処理を終了する。
この通知を受けた車両制御部11は、通知されたチェック番号に応じて、上述の(e)の制御に優先して、アクチュエータ群4を制御する。具体的には、車両に制動をかけて車両を時速10km以下にまで減速させる。あるいは、ルールベース判定部15cは、ステップS157では、違反が発生したこと、および、違反種別を、画像または音声で車両の乗員に通知してもよい。
次に、FB部16について説明する。FB部16は、自車両の走行履歴を蓄積し、定期的に拠点サーバ2に送信する。FB部16は、例えば、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、無線通信インターフェース等を備えた無線通信機能付きマイクロコンピュータで実現される。
より具体的には、FB部16は、シーン記述部13から出力されたすべての情報をフラッシュメモリに記録する。また、FB部16は、センサ群3から出力された情報に基づいて、自車両に事故が発生したか否かを繰り返し判定する。自車両に事故が発生したか否かは、例えば、センサ群3の加速度センサが検出した横加速度の絶対値が所定値以上か否かに基づいて判定してもよいし、他の周知の方法で判定してもよい。また、FB部16は、回答部15b、ルールベース判定部15cから車両制御部11に出力される違反発生の通知も取得する。
そして、FB部16は、事故が発生したと判定した場合、当該事故の発生時点から所定時間(例えば10秒)前に遡る期間においてシーン記述部13および回答部15b、ルールベース判定部15cから出力されたデータを、1まとめの交通事故シーンデータとしてフラッシュメモリに記録する。その際、交通事故シーンデータには、交通事故が発生した場所を特定するデータも含める。
また、FB部16は、回答部15bまたはルールベース判定部15cから違反発生の通知が出力された場合、違反発生通知の出力時点以降の所定期間(例えば10秒間)、事故が発生しなければ、当該違反発生通知の出力時点以降を含む一定期間においてシーン記述部13および回答部15b、ルールベース判定部15cから出力されたデータを、1まとめの違法走行シーンデータとしてフラッシュメモリに記録する。その際、違法走行シーンデータには、違法な走行が発生した場所を特定するデータも含める。
FB部16によって交通事故シーンデータにも違法走行シーンデータにも含まれなかったシーン記述データは、合法走行シーンデータに相当する。自車両が拠点サーバ2の管理エリア内を走行している間、FB部16は、これら交通事故シーンデータ、違法走行シーンデータ、合法走行シーンデータのすべてを、シーン情報として、定期的に、拠点サーバ2に送信する。
拠点サーバ2では、通信部22が、このようにして複数の車両のFB部16から送信された交通事故シーンデータ、違法走行シーンデータ、合法走行シーンデータを受信し、シーンDB213に記憶させる。この結果、シーンDB213には、既に説明された通り、拠点サーバ2の管理エリア内の場所(ノード、リンク)毎のシーン情報が記憶される。なお、拠点サーバ2は、自動運転制御装置1から車両制御部11を廃した装置からも、シーン情報を受信してシーンDB213に記録する。
次に、拠点サーバ2のシーン特徴抽出部24の作動内容について、詳細に説明する。シーン特徴抽出部24は、定期的に(例えば1週間に1回)、シーンDB213に記憶されたシーンデータを用いて、必要に応じて判断済みルールの修正方法を示すデータを作成する。
そのため、シーン特徴抽出部24は、拠点サーバ2の管理エリア内のすべての場所の各々を対象として、定期的に、図22の処理を実行する。図22の処理では、シーン特徴抽出部24は、まずステップS241で、対象の場所におけるシーン情報に基づいて、特異な事象が発生しているか否か判定する。
例えば、シーン特徴抽出部24は、対象の場所において、所定期間内の交通事故シーンデータの件数が基準値Aより高い場合に、すなわち、交通事故の発生頻度が高い場合に、特異な事象Pが発生していると判定する。このような場合は、事故が多く発生しているので、ルール改正が適切である可能性がある。
また例えば、シーン特徴抽出部24は、対象の場所において、所定期間内の交通事故シーンデータの件数が基準値B(<基準値A)よりも低く、かつ、所定期間内の違法走行シーンデータの件数が基準値Cよりも高い場合に、特異な事象が発生していると判定する。つまり、ルール違反の発生頻度が高いのに事故の発生頻度が低い場合に、特異な事象Qが発生していると判定する。このような場合は、車両がルールを守って走行していないにも関わらず事故があまり起こらないので、ルール改正が適切である可能性がある。
特異な事象が発生していると判定した場合、ステップS243に進み、発生していないと判定した場合、今回の図22の処理を終了する。ステップS243では、対象の場所におけるシーン情報に基づいて、特異な事象が発生している原因となり得る特徴をすべて列挙する。
例えば、対象の場所が交通整理がされていない交差点であり、かつ、当該交差点で交差する2つの道路の幅員が明らかに異なる事例について説明する。シーン特徴抽出部24のフラッシュメモリには、交通整理がされていない交差点に関連する知識データとして、「交通量が多い道路を優先道路と人が判断し易い」、「幅員が広い道路を優先道路と人が判断し易い」等のデータが記憶されている。より具体的には、「交通量」というキーワードを原因とし、「優先道路」を結果とする知識データ、および、「幅員」というキーワードを原因とし、「優先道路」を結果とする知識データが記録されている。
そして、シーン特徴抽出部24は、ステップS241で、特異な事象Pまたは特異な事象Qが発生していると判定した場合、続くステップS243では、特異な事象PまたはQが発生している場所が交差点であることに基づいて、知識ベースから、優先道路に関連した知識データを抽出する。具体的には、「優先道路」を結果として有する知識データをすべて抽出する。
この結果、本例では、「交通量が多い道路を優先道路と人が判断し易い」、「幅員が広い道路を優先道路と人が判断し易い」等の知識データが抽出される。そして、シーン特徴抽出部24は、これら知識データ中の原因に該当する「交通量」、「幅員」等のキーワードを取得する。このようにして取得された「交通量」、「幅員」等のキーワードが、特異な事象が発生している原因となり得る特徴に相当する。
続いてステップS245では、直前のステップS243で列挙した特徴から、特異な事象PまたはQの発生原因として最も確からしい特徴(すなわち原因)を、1つ抽出する。
「交通量」という原因の確からしさZ1は、例えば、優先車線よりも非優先車線の方が交通量が多かった時間帯の、全時間帯に対する割合が高い程高い量として算出可能である。
「幅員」という原因の確からしさZ2は、例えば、回数P1と回数P2の和で回数P1を除算した結果(すなわち、P1/(P1+P2))が高いほど高い値として算出可能である。ここで、回数P1は、幅員の広い方の道路を当該交差点に進入する車両の自動運転制御装置1から、優先道路通行車妨害に対応する所定のチェック番号を含む違法走行シーンデータを受信した回数である。そして、回数P2は、幅員の狭い方の道路を当該交差点に進入する車両の自動運転制御装置1から、優先道路通行車妨害に対応する所定のチェック番号を含む違法走行シーンデータを受信した回数である。
本事例では、例えば、幅員の広い方の道路の車線(すなわち、優先車線)よりも、幅員の狭い方の道路の車線(すなわち、非優先車線)の方が、圧倒的な頻度(例えば全時間帯の90パーセント以上で)交通量が多かったとする。この場合、「交通量」という原因の確からしさZ1の値は非常に高い。また、「幅員」という原因の確からしさZ2の値はほぼゼロである。なぜなら、幅員の広い方の道路から当該交差点に進入する車線が優先車線だからである。ステップS245では、確からしさが最も大きい原因を1つ抽出するので、本事例では、「交通量」が特徴として抽出される。
続いてステップS247では、ステップS245で抽出された特徴に基づいて、ルール生成アルゴリズムを作成する。具体的には、直前のステップS245で、「交通量」が特徴として抽出されたことに基づいて、交通量に応じて交通ルールを作成できるよう、ルール生成アルゴリズムを作成する。
具体的には、シーン特徴抽出部24は、あらかじめ図5に示したアルゴリズムと同じアルゴリズムを実現するベースプログラムをフラッシュメモリに記憶しており、このプログラムに対して、交通量に応じた交通ルールを作成できるようなステップを追加する。ベースプログラムに対して当該ステップを追加する追加位置と、当該ステップにおける具体的な処理内容の情報は、あらかじめソフトウェア部品としてフラッシュメモリ内に保存されている。シーン特徴抽出部24は、「交通量」が特徴として抽出されたことに基づいて、当該交通量に対応したソフトウェア部品として当該ステップの処理内容と、当該ステップをベースプログラムに追加する追加位置とを、フラッシュメモリから読み出す。そして、シーン特徴抽出部24は、読み出したステップを、ベースプログラム中の上記追加位置に追加する。この結果得られたプログラムが、交通量に応じて交通ルールを作成するルール生成アルゴリズムを実現するプログラムである。このプログラムが、交通ルールの修正方法を示すデータである。
そしてシーン特徴抽出部24は、作成したルール生成アルゴリズムのプログラムをローカルルール生成部25に出力する。あるいは、シーン特徴抽出部24は、作成したルール生成アルゴリズムを実現するプログラムを、フラッシュメモリに記憶するか、あるいは通信部22を用いて外部のセンタ装置に送信するようになっていてもよい。このようにすることで、交差点に対する新たなルール生成アルゴリズムを提案することができる。
ローカルルール生成部25は、シーン特徴抽出部24から出力されたルール生成アルゴリズムのプログラムを実行することで、場所関連ルールDB211a中の対象の交差点に対応する交通ルールを書き換える。
シーン特徴抽出部24からローカルルール生成部25に出力されたルール生成アルゴリズムは、図23のようになる。図23のステップS1、S2、S3、S4、S5の処理内容は、図5に示したアルゴリズムにおいて同じステップ番号を付した手順を実現する処理内容となっている。ベースプログラムは、図5に示したアルゴリズムを実現するプログラムである。したがって、シーン特徴抽出部24は、ベースプログラムに対してステップS11、S12の処理を追加することで、ルール生成アルゴリズムを実現するプログラムが実現する。
このルール生成アルゴリズムのプログラムを実行において、ローカルルール生成部25は、優先道路を指定する道路標識等が対象の交差点付近にないとステップS1で判定した場合、ステップS11に進む。そしてステップS11では、当該交差点で交差する道路の交通量が明らかに異なるか否かを、当該交差点におけるシーンDB213中のシーン情報に基づいて判定する。明らかに異なるか否かは、例えば、平均交通量が多い方の道路の平均交通量を他方の道路の平均交通量で除算した値が基準値(例えば3)以上であるか否かで判定する。明らかに異なる場合は、ステップS12に進み、明らかに異なるとは言えない場合は、ステップS3に進む。
ステップS12では、ローカルルール生成部25は、平均交通量が大きい方の道路を通る車線を優先であると決め、平均交通量が小さい方の道路を通る車線を非優先であると決める。そして、そのようにして決めた結果に基づいて、当該交差点に進入する各車線の優先、非優先の関係を決定する。
これによって、特異な事象PまたはQが発生している場合に、図24の(a)、(b)に示すように、当該交差点において、幅員の大きい方の道路の車線B、Dが優先車線であり、幅員の小さい方の道路の車線A、Cが非優先車線であった。しかし、ローカルルール生成部25が上述のステップS12において、当該交差点における各車線の優先、非優先の関係を書き換えると、図24の(c)、(d)に示すように、当該交差点において、幅員は大きいが交通量の少ない方の道路の車線B、Dが非優先車線となり、幅員は小さいが交通量の多い方の道路の車線A、Cが優先車線となる。このようにして生成された図24(d)の交通ルールは、2個の汎用ルール(すなわち、標識等に関する汎用ルールと交通量に関する汎用ルール)から得られた交通ルールなので、判断済みルールである。
なお、地図情報取得部14は、自車両が拠点サーバ2の管理エリアを出て自動運転制御装置1と拠点サーバ2が通信できなくなった場合、拠点サーバ2から取得した地図情報(場所関連ルール情報を含む)をすべて削除してもよい。
上述の通り、本実施形態では、拠点サーバ2は、道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を記憶し、当該場所関連ルール情報を自動運転制御装置1に送信する。そして、送信される交通ルールの一部は、当該場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールである。
また、自動運転制御装置1のルールベース判定部15cは、拠点サーバ2が送信した場所関連ルール情報と、センサ群3からの情報とに基づいて、当該場所における車両の走行状況が適切か否かを判定する(ステップS151、S152、S156、S157)。
このように、拠点サーバ2から自動運転制御装置1に送信される場所関連ルール情報において、道路上の特定の場所と交通ルールとが対応付けられている。そして、この交通ルールは、当該場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールである。したがって、車載機は、複数個の汎用ルールに場所の交通上の特徴を当てはめる処理をする必要がなくなる。つまり、ルールベース判定部15cにおいて、複雑な手順を経て得られる交通ルール(すなわち、判断済みルール)の作成負荷が軽減される。
また、拠点サーバ2は、場所関連ルール情報を、複数個の自動運転制御装置1に送信する。このようになっていることで、複数個の自動運転制御装置1は、同じ場所関連ルール情報を用いて、自車両の走行状況が適切か否かを判定することができるので、走行状況の適否の判定基準が車両毎にばらついてしまう可能性が低減される。
また、拠点サーバ2のシーン特徴抽出部24およびローカルルール生成部25は、特定の場所における複数台の車両の走行状況に基づいて、交通ルールを修正する修正部として機能する。このようになっていることで、サーバにおいて、当該場所における複数台の車両の走行状況に応じて、交通ルールを適切に変更することができる。
また、特定の場所についての場所関連ルールを地図情報取得部14が取得した場合、ルールベース判定部15cは、当該場所関連ルール情報とセンサ群3からの情報とに基づいて、当該場所における車両の走行状況が適切か否かを判定する。一方、特定の場所についての場所関連ルールを地図情報取得部14を取得できなかった場合(ステップS425:No)、質問部15aおよび回答部15bが、複数個の汎用ルールと、センサ群3からの情報とに基づいて、当該場所における車両の走行状況が適切か否かを判定する(ステップS440、S450、S510〜S560)。
このようになっていることで、質問部15aおよび回答部15bは、場所関連ルール情報がある場合それを用いて走行状況の適否を判定することができる一方、場所関連ルール情報がなくても、センサ群3からの情報と汎用ルールに基づいて走行状況の適否を判定することができる。したがって、システムの堅牢性が増す。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではない。また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。特に、ある量について複数個の値が例示されている場合、特に別記した場合および原理的に明らかに不可能な場合を除き、それら複数個の値の間の値を採用することも可能である。また、上記実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。また、本発明は、上記実施形態に対する以下のような変形例および均等範囲の変形例も許容される。なお、以下の変形例は、それぞれ独立に、上記実施形態に適用および不適用を選択できる。すなわち、以下の変形例のうち明らかに矛盾する組み合わせを除く任意の組み合わせを、上記実施形態に適用することができる。
(変形例1)
上記実施形態では、車載装置および走行状況適否判定装置の例として、自動運転制御装置1が例示されている。しかし、車載装置および走行状況適否判定装置は、必ずしも車両の自動運転を実現する装置でなくてもよい。車載装置および走行状況適否判定装置は、車両の走行状況が適切か否かを判定する機能を有していれば足りる。したがって、車載装置および走行状況適否判定装置は、その適否の判定に基づいて車両の運転者に警告報知を行う機能だけを有していてもよいし、その適否の判定結果を記録するドライブレコーディング機能だけを有していてもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、自動運転制御装置1は車両に搭載されているが、必ずしも車両に搭載されていなくともよい。例えば、自動運転制御装置1は、車両の外部に設置され、車両を遠隔操縦するようになっていてもよい。
(変形例3)
上記実施形態において、シーン特徴抽出部24は、図22のステップS243で、知識データおよび当該交差点のシーン情報から、推論技術により、特異な事象が発生している原因となり得る特徴を列挙してもよい。推論技術とは、観測された事実(入力)に対して、知識に基づき観測された事実を説明する仮説を求める周知の技術である。推論技術を用いて特徴列挙と特徴抽出を行う方法については、例えば、「山本風人, 井之上直也, 乾健太郎、東北大学 情報科学研究科言語処理のための仮説推論エンジン Phillip.、言語処理学会第21回年次大会、pp.377−380、2015年3月」に記載されている方法を用いることができる。
例えば、「幅員が狭いために非優先となっている道路の車線を当該交差点に向かって走行している車両が当該交差点手前で一旦停止を行わないため違法走行となった」ことを示すシーン情報が、単位時間当たり所定数以上、発生しているとする。
その場合、シーン特徴抽出部24は、ステップS241で、そのようなシーン情報が単位時間当たり所定数以上発生していることに基づいて、特異な事象が発生していると判定し、ステップS243に進む。
そしてシーン特徴抽出部24は、ステップS243で、そのような特異な事象が発生している原因となり得る特徴を、推論技術により、すべて列挙する。
このとき、シーン特徴抽出部24のフラッシュメモリには、交通整理がされていない交差点に関連する知識データとして、「優先車線ならば交通量が多い」、「優先車線ならば一旦停止をしない」、「非優先車線ならば幅員が狭い」等の一般常識のデータが記憶されている。
シーン特徴抽出部24は、当該知識データを入力として、推論技術により、当該特異な事象が発生している原因となり得る特徴を出力する。当該特異な事象が発生している原因となり得る特徴は、観測情報を説明する仮説に相当する。
具体的には、シーン特徴抽出部24は、上記の知識データを入力として、以下の2つの特徴を出力して列挙する。
(1)人は自車線を優先道路だと思っている。なぜならば交通量が多くて、一旦停止をしなかったからである。
(2)人は自車線を非優先道路だと思っている。なぜならば幅員が狭いからである。
続いてシーン特徴抽出部24は、ステップS245で、上述のように列挙された特徴(1)、(2)の根拠の強さを比較し、それらのうち強い方を、特異な事象の発生原因として最も確からしい特徴(すなわち原因)として、1つ抽出する。
強度は、例えば、上記(1)、(2)の特徴を導き出すために用いられた知識データの数、すなわち、観測を説明する知識の数である。(1)の特徴は、「優先車線ならば交通量が多い」、「優先車線ならば一旦停止をしない」という2つの知識データを用いて導き出されたので、強度は2である。(2)の特徴は、「非優先車線ならば幅員が狭い」という1つの知識データを用いて導き出されたので、強度は1である。したがって、シーン特徴抽出部24は、(1)の特徴を、特異な事象の発生原因として最も確からしい特徴として、抽出する。
1 自動運転制御装置
2 拠点サーバ
3 センサ群
21 データベース部
211a 場所関連ルールDB
22 通信部
24 シーン特徴抽出部
25 ローカルルール生成部

Claims (6)

  1. サーバ(2)と、
    車両に搭載される車載装置(1)と、を備え、
    前記サーバは:
    道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を記憶するデータベース部(21)と、
    前記データベース部に記憶された前記場所関連ルール情報を前記車載装置に送信する通信部(22)と、を備え、
    前記交通ルールは、前記場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールであり、
    前記車載装置は、前記サーバが送信した前記場所関連ルール情報と、前記車両に搭載されたセンサ(3)からの情報とに基づいて、前記場所における車両の走行状況が適切か否かを判定することを特徴とする走行状況適否判定システム。
  2. 前記車載機を含む複数個の車載装置を備え、
    前記サーバの前記通信部は、前記データベース部に記憶された前記場所関連ルール情報を、前記複数個の車載装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の走行状況適否判定システム。
  3. 前記サーバは、前記場所における複数台の車両の走行状況に基づいて、前記交通ルールの修正方法を示すデータを作成する修正部(24、25)を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の走行状況適否判定システム。
  4. 前記取得部が前記場所関連ルールを取得した場合、前記判定部は、前記場所関連ルール情報と、前記センサ(3)からの情報とに基づいて、前記場所における車両の走行状況が適切か否かを判定し、
    前記取得部が前記場所関連ルール情報を取得できなかった場合、前記判定部は、前記複数個の汎用ルールと、前記センサ(3)からの情報とに基づいて、前記場所における車両の走行状況が適切か否かを判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の走行状況適否判定システム。
  5. 道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を取得する取得部(14)と、
    前記取得部が取得した前記場所関連ルール情報と、前記車両に搭載されたセンサ(3)からの情報とに基づいて、前記場所における車両の走行状況が適切か否かを判定する判定部(15)と、を備え、
    前記交通ルールは、前記場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールであることを特徴とする走行状況適否判定装置。
  6. 道路上の特定の場所と交通ルールとが互いに対応付けられた場所関連ルール情報を記憶するデータベース部(21)と、
    前記データベース部に記憶された前記場所関連ルール情報を車載装置に送信する通信部(22)と、を備え、
    前記交通ルールは、前記場所の交通上の特徴を、場所に依らず適用可能な複数個の汎用ルールに当てはめることで得られた判断済みルールであることを特徴とするサーバ。
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