JP2017186811A - 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法 - Google Patents

砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017186811A
JP2017186811A JP2016076920A JP2016076920A JP2017186811A JP 2017186811 A JP2017186811 A JP 2017186811A JP 2016076920 A JP2016076920 A JP 2016076920A JP 2016076920 A JP2016076920 A JP 2016076920A JP 2017186811 A JP2017186811 A JP 2017186811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gravel
shoreline
forming
calcium
semi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016076920A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6635302B2 (ja
Inventor
創 茅根
So Kayane
創 茅根
克則 山木
Katsunori Yamaki
克則 山木
ブーンケン リン
Boon Ken Lin
ブーンケン リン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
University of Tokyo NUC
Original Assignee
Kajima Corp
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp, University of Tokyo NUC filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2016076920A priority Critical patent/JP6635302B2/ja
Publication of JP2017186811A publication Critical patent/JP2017186811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6635302B2 publication Critical patent/JP6635302B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Landscapes

  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Abstract

【課題】汀線近傍において、自然環境への影響を最低限に留めつつ、より短時間に若しくはより強固に砂礫を固化しうる手段の提供。【解決手段】水位低下時(符号W1)に海水が海洋から略隔離され、かつ有機酸1及びカルシウム含有砂礫2が保持された汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られたマット状集塊物3を移植する砂礫固化体形成方法、この砂礫固化体形成方法によって、汀線近傍域に砂礫固化物を形成させる陸域保全方法などを提供する。半閉鎖的領域Rの表面がシアノバクテリアの群体で略被覆された状態になるようにすることにより、より短時間に若しくはより強固に、砂礫を固化させることができ、汀線S近傍にビーチロック様の砂礫固化体を形成させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、人為的又は半人為的なビーチロック形成方法及びそれによる陸域保全技術、より具体的には、汀線近傍の半閉鎖的領域にシアノバクテリアを移植する砂礫固化体形成方法、その砂礫固化体形成方法によって汀線近傍域に砂礫固化体を形成させる陸域保全方法などに関連する。
近年、温暖化による海面上昇や異常気象などの影響により、島嶼水没の懸念、海抜の低い地域における天然災害の被害甚大化、海岸線の浸食・後退などが顕在化しつつある。それに対し、例えば、海岸近傍の海底にブロックや養浜材などを設置し、海岸浸食を抑制する試みが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
ビーチロック(beach rock)は、自然界において、主に炭酸カルシウムによるセメント作用で海浜堆積物が膠結することにより形成された板状の石灰質砂礫岩であり、サンゴ礁の発達する海浜の潮間帯などに多く見られる。自然環境下では、暴浪などから海岸線を護り、海岸を安定化させる機能も果たしている。ビーチロックは数千年以上かけて形成されると考えられているが、その形成メカニズムはまだ充分に解明されていない。なお、現在までに、いくつかのビーチロック形成メカニズムに関する知見が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
本発明者らは、先般、ビーチロック形成メカニズムに関する新規知見を自ら見出すとともに、その知見に基づいて、汀線近傍の、カルシウム含有粒分の保持された半閉鎖的領域に有機酸を供給する砂礫固化体形成方法、並びにその砂礫固化体形成方法によって汀線近傍域に砂礫固化体を形成させる陸域保全方法などを開発した(特許文献3)。
その他、セメントを使わずに微生物の代謝反応によって地盤を固化させる技術として、例えば、特許文献4には、カルシウムを含む地盤中に微生物を投入する地盤改良方法が、特許文献5には、ウレアーゼを含む溶液と、尿素及びカルシウム塩を含む養液とを地盤に注入する地盤改良方法が、それぞれ開示されている。
シアノバクテリア(ラン藻類)は、原核生物として酸素発生型光合成を行う唯一の真正細菌である。地球上の様々な環境に広く分布し、海水中・淡水中のほか、砂漠、高温環境、低温環境、高塩濃度環境などの極限環境に生育するものなども知られている。
シアノバクテリアには、形態的に、単細胞性のものと多細胞性(糸状体型)のものがあり、糸状体型のものには、異質細胞を持たないもの、異質細胞を持ち分枝しないもの、異質細胞を持ち分枝するものなどがある。
海洋性のシアノバクテリアとして、特に貧栄養な海域には、Sunechococcus属やProchlorococcus属などの単細胞性のものが優占している。また、沿岸域などには、沿岸の岩に付着する種々の多細胞性糸状体型シアノバクテリアが広く存在することが知られている。それらの海洋性の多細胞性糸状体型シアノバクテリアは、未分離・未同定のものも多いが、沿岸の岩の表面でマット状の群体を形成し、潮間帯などにおいて生態的な地位を得ている。それらの多細胞性糸状体型シアノバクテリアは、乾燥耐性、高温耐性、高塩濃度耐性などを有し、過酷な生育条件でも生育できる(例えば、非特許文献2参照)。
特開2008-17789号公報 特開2009-155930号公報 特開2015-137505号公報 特開2008-8023号公報 特開2011-157700号公報 Takahashi Danjo and Satoru Kawasaki, "A Study of the Formation Mechanism of Beachrock in Okinawa, Japan: Toward Making Artificial Rock" Int.J. of GEOMATE, Sept, 2013, Vol.5, No.1(Sl. No.9), pp.634-639. John Bauld, "Geobiological role of cyanobacterial mats in sedimentary environments: production and preservation of organic matter" BMR Journal of Australian Geology & Geophysics, 6, 1981, 307-317.
例えば、人工構造物の構築、薬品・外来微生物の投入などにより、海岸線の保全、海岸浸食の抑制など、陸域の保全を行う場合、直接的な自然破壊、化学物質による環境汚染、不用意な外来種の導入による遺伝子撹乱など、その場所本来の自然環境に悪影響を与える可能性がある。
一方、砂礫を固化させることで陸域の保全を図る場合、時化に伴う強い波浪や海流などによって、砂礫が完全に固化する前に流出したり浸食されたりする事態をできるだけ避けるため、砂礫が短時間に若しくは強固に固化されることが望ましい。
そこで、本発明は、汀線近傍において、自然環境への影響を最低限に留めつつ、より短時間に若しくはより強固に砂礫を固化しうる手段を提供することなどを目的とする。
本発明者らは、水位低下時に海水が海洋から略隔離され、かつ有機酸及びカルシウム含有粒分が保持された汀線近傍の半閉鎖的領域に、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアを移植することで、より短時間に若しくはより強固に砂礫を固化できることを新規に見出した。
そこで、本発明では、水位低下時に海水が海洋から略隔離され、かつ有機酸及びカルシウム含有粒分が保持された汀線近傍の半閉鎖的領域に、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られたマット状集塊物を移植する砂礫固化体形成方法、この砂礫固化体形成方法によって、汀線近傍域に砂礫固化物を形成させる陸域保全方法などを提供する。
有機酸及びカルシウム含有粒分が存在する汀線近傍の半閉鎖的領域において、海洋性多細胞性糸状体型シアノバクテリア由来のマット状集塊物を、汀線近傍の半閉鎖的領域の地表面上に移植する。そして、シアノバクテリアを増殖させ、その領域の地表面がシアノバクテリアの群体で略被覆された状態になるようにする。
シアノバクテリア群体の存在によって、潮汐による海水面の変動や日照に伴う急激な温度変化などに応じた、その領域におけるpHの変動幅がより大きくなる。pH変動幅の増大と同様のメカニズムは砂礫固化にも大きく寄与し、シアノバクテリア群体で被覆されていない場合よりも、より短時間に若しくはより強固に、砂礫を固化させることができ、汀線近傍にビーチロック様の砂礫固化体を形成させることができる。
本発明に係る砂礫固化の具体的なメカニズムは以下の通りであると推定する。
例えば、サンゴ砂礫のようなカルシウム含有粒分が保持され、かつ満潮時などには海水が流入し、干潮時などには海水が海洋から略隔離される汀線近傍の半閉鎖領域に、有機成分又は有機成分含有物を存在させると、その有機成分又は有機成分含有物は、元々有機酸を含むか、若しくは自然界に存在する有機物の分解作用により比較的緩除に有機酸に分解される。このようにして汀線近傍の半閉鎖領域に有機酸が保持されることにより、同領域内のpHが低下し、カルシウム含有粒分などからのカルシウムなどのイオンの溶脱が促進される。
一方、カルシウムなどのイオンの溶脱と並行して、汀線近傍の半閉鎖領域で元々増殖していた好気性又は嫌気性の微生物による有機酸の分解が徐々に進行する。有機酸の分解による水酸基の産生と海水の緩衝作用は、その半閉鎖領域のpHの上昇傾向に寄与し、それによって炭酸カルシウムなどの塩が析出し、セメント作用により堆積物が膠結する。
また、潮汐による海水面の変動によって、干潮時などには、干出及び熱により水分が蒸発し、カルシウムなどのイオンが濃縮される。上記のカルシウムなどのイオンの溶脱とこの濃縮は並行して進行するため、炭酸カルシウムの析出と堆積物の膠結が、より促進される。その他、干潮時などに、被処理領域が高温・熱射・乾燥などに曝されること自体によっても、砂礫固化形成の進行が促進される。
上記に加えて、シアノバクテリア群体の存在により、以下の作用機構が付加される。
一般的に、海水中では、無機炭酸に関し、下記の「化1」に示す平衡関係が成り立っている。
Figure 2017186811
また、炭酸カルシウムの飽和度は、下記の「化2」によって示される。同式中、Ωは炭酸カルシウムの飽和度を、カッコはイオン濃度を、KSPは溶解度積を表す。海水中では、Ca2+濃度がCO3 2-濃度よりも充分に高いため、炭酸カルシウムの飽和度Ωは、主にCO3 2-濃度に規定される。
Figure 2017186811
汀線近傍の半閉鎖領域を覆ったシアノバクテリアの群体は、カルシウム、ケイ素などを取り込みながら同領域の地表面に固着・定着するとともに、昼間、CO2を吸収して光合成を行うことで、半閉鎖領域内の海水のCO2濃度を大幅に減少させ、pHを大幅に上昇させる。海水中ではHCO3 -濃度がCO3 2-濃度及びCO2濃度よりも充分高いため、「化1」の式に基づき、海水中において、光合成によるCO2濃度の減少により、CO3 2-濃度が増加する。そして、「化2」の式に基づき、CO3 2-濃度の増加により、炭酸カルシウムの飽和度Ωが増加し、炭酸カルシウムの沈積(再結晶化)が促進される。
一方、夜間は、シアノバクテリアが呼吸でCO2を放出するため、半閉鎖領域内の海水のCO2濃度が上昇し、pHの低下も助長される。これにより、「化1」の式に基づき、海水中において、CO3 2-濃度が減少し、そして、「化2」の式に基づき、炭酸カルシウムの飽和度Ωが減少して、炭酸カルシウムの溶解が促進される。
さらに、例えば、昼間に干潮になり、汀線近傍の半閉鎖領域に太陽光が照りつけ、表面温度が50℃以上の高温状態となるとともにほぼ完全な乾燥状態となると、シアノバクテリアの光合成が停止するとともに、シアノバクテリア自身やその周辺に存在する有機物から有機酸が産生される。このことも、同領域内のpHを大幅に低下させる要因となり、カルシウム含有粒分などからのカルシウムなどのイオンの溶脱を大幅に促進する。
以上のように、汀線近傍の半閉鎖的領域に有機酸及びカルシウム含有粒分が存在することによってその領域のpHが変動することに加えて、その領域の表面を海洋性多細胞性糸状体型シアノバクテリアの群体で略被覆することにより、シアノバクテリア群体で被覆されていない場合よりも、その領域におけるpHの変動幅がより大きくなる。pH変動幅の増大と同様のメカニズムは砂礫固化にも大きく寄与し、より短期間に若しくはより強固に、ビーチロック様の砂礫固化体を形成できる。
海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアは、沿岸の岩の表面などに自生しており、また、自然界におけるビーチロック形成メカニズムにも関与している可能性がある。従って、自然界におけるビーチロック形成と同様のメカニズムに基づいて砂礫固化体の形成を進行させることができるため、本発明に基づいて砂礫固化体を形成しても、原則的に、自然環境に影響しない。従って、本発明により、環境負荷の少ない陸域の保全が可能である。
本発明により、より短時間に若しくはより強固に砂礫を固化しうる。また、本発明は、陸域の保全において、原則的に、自然環境に影響しない。
<本発明に係る砂礫固化体形成方法について>
本発明に係る砂礫固化体形成方法は、少なくとも、水位低下時に海水が海洋から略隔離され、かつ有機酸及びカルシウム含有粒分が保持された汀線近傍の半閉鎖的領域に、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られたマット状集塊物を移植する工程を含むものをすべて包含する。なお、本発明は、以下の実施態様のみに狭く限定されない。また、例えば、他の工程が含まれること、一部の工程の順序が異なること、一部の工程が含まれないことなどによって、狭く限定されない。
図1は、本発明に係る砂礫固化体形成方法の実施態様の例を示す模式図である。
図1では、陸域Lと海洋(符号X参照)との間の汀線S近傍に、水位低下時(符号W1参照)に海水が海洋から略隔離され、水位上昇時(符号W2参照)には海水が海洋から流入する半閉鎖的領域Rが存在し、該領域Rには、有機酸1及びカルシウム含有粒分2が保持されるとともに、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られたマット状集塊物3が敷き並べられている。
本発明における半閉鎖的領域Rは、汀線S近傍に存在し、水位低下時(符号W1参照)に海水が海洋から略隔離され、水位上昇時(符号W2参照)には海水が海洋から流入する領域である。例えば、潮間帯など、海岸域で高潮線W1(満潮時に水が到達する水位高さ)と低潮線W2(干潮時にに水が到達する水位高さ)の間の、潮の干満により露出と水没を繰り返す領域などが、半閉鎖的領域Rに該当する。また、自然に形成された領域のみに限定されず、例えば、一時的に土嚢を積層したり、人為的に地形を改変したりなどすることにより形成された上記のような領域も広く包含される。
半閉鎖的領域Rには、有機酸1及びカルシウム含有粒分2が保持され、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られたマット状集塊物3が移植される。
有機酸1は、カルボン酸・スルホン酸など、酸の性質を有する有機化合物である。例えば、半閉鎖領域Rに、有機成分又は有機成分含有物を存在させることで、同領域Rに有機酸を保持させることができる。即ち、有機酸の供給源として、有機成分又は有機成分含有物を用いることもでき、例えば、水位低下時に海水が海洋から略隔離され、かつ有機成分又は有機成分含有物及びカルシウム含有粒分を存在させた汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに、マット状集塊物3を移植することでも、有効に砂礫を固化することができる。
有機成分としては、自然界に存在する有機物の分解作用により有機酸に分解される物質、若しくは有機物の分解生産物であればよく、特に限定されない。例えば、有機成分が生体由来の高分子物質であることが好適であり、有機成分がタンパク質、多糖類、脂質、若しくはそれらのうちのいずれか又は複数の分解生産物であることがより好適である。
汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに有機成分を存在させる手段は、特に限定されない。例えば、人為的又は半人為的に、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに直接有機成分を供給してもよい。例えば、有機成分として生体由来高分子物質を用いる場合、生体由来高分子物質は粘性の高いものが多いため、有機成分などの、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rからの波浪などによる散逸を低減できるという利点がある。
有機成分含有物としては、有機成分を含有する物を全て包含し、特に限定されないが、魚介類、動植物プランクトン、微細藻類、海草、サンゴ、有孔虫などの海洋性有機成分含有物、陸上動植物や陸上動物の糞尿などの陸上性有機成分含有物など、汀線近傍域において自然に存在しうるものが、自然環境への影響を排除する観点から、好適である。また、それらの成分を抽出・濃縮したエキス、それらの乾燥粉末なども有機成分含有物に包含される。その他、例えば、沿岸域などに自生するシアノバクテリアの乾燥粉末なども、砂礫固化体形成を試みる海域の近くで比較的簡易に入手・作成することができ、自然環境への影響も排除できる点から、有機成分含有物として好適である。
例えば、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに有機成分含有物を存在させた場合、自然界に存在する有機物の分解作用により有機成分含有物が比較的緩除に腐敗・分解され、有機酸が生成される。また、有機成分含有物中に元々存在した有機酸も溶出する。
汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに有機成分含有物を存在させる手段としては、特に限定されない。例えば、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに有機成分含有物を人為的に運搬して集積させてもよい。また、例えば、潮汐作用を利用して魚類を半閉鎖海域Rに誘導して閉じこめ、干上がらせたり閉所で熱死させたりして集積させたり、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに海草類・微細藻類などを付着・繁殖させたりしてもよい。海草類・微細藻類などが付着・繁殖した場合には、そこに有孔虫などが定着し、持続的な有機成分含有物の集積が可能となる。また、海草類・微細藻類などの付着・繁殖は、シアノバクテリアを移植することにより促進される。その他、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rが海鳥類の生息地になるように誘導し、餌遺骸からの有機物を集積したり、尿中の尿酸を直接有機酸として利用したりしてもよい。なお、餌遺骸に含まれるカルシウム分などは、砂礫固化体形成の際にも利用できる。
なお、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに有機成分又は有機成分含有物を存在させる場合において、例えば、その有機成分が高分子多糖類又はその分解生産物である場合、それらの高分子有機酸が、被処理領域R内のpHを低下させ、カルシウム含有粒分などからのカルシウムイオンの溶脱を促進するとともに、カルボン酸基による電気的親和性によりカルシウムイオンを引き付け、カルシウムイオンの拡散を防ぐ。加えて、それらの高分子有機酸がカルシウムイオンによって架橋され、網目状の構造が形成され、そこにカルシウム含有砕屑粒子などが捕集されることで、より大きな粒子などもその網目に捕捉され、凝結される。従って、有機成分が高分子多糖類又はその分解生産物である場合、その後の炭酸カルシウムなどの塩の析出及び堆積物の膠結がより促進される。例えば、海草類に含有するアルギン酸、マルビトン酸などの多糖類分解生産物は、カルシウムなどのイオンとの親和性が高く、凝集効果も高い。
カルシウム含有粒分2は、カルシウムなどを主成分とした粗粒分・細粒分などの粒分である。例えば、サンゴ砂礫、サンゴ砂礫などを粉砕して形成されたカルシウム含有砕屑粒子などが、カルシウム含有粒分2に包含される。
ここで、カルシウム含有砕屑粒子は、例えば、平均粒径0.004mm以上1mm以下、より好適には平均粒径0.004mm以上0.2mm以下、最も好適には平均粒径0.004mm以上0.07mm以下の砂又はシルトであればよく、特に限定されない。例えば、サンゴ砂礫を粉砕したサンゴ砂シルトを用いてもよい。
例えば、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに元々サンゴ砂礫が堆積している場合は、それを保持して用いてもよい。また、例えば、サンゴ砂礫及び/又はカルシウム含有砕屑粒子を搬入したり追加したりすることにより、被処理領域Rにカルシウム含有粒分を必要量保持させてもよい。なお、カルシウム含有砕屑粒子はカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどを主成分として含有し、それらの成分の溶脱及び再析出が促進されるため、その粒子を同領域Rに保持させることにより、より強固に砂礫固化体を形成することができ、かつ砂礫固化体形成に必要な期間を大幅に短縮できる。
半閉鎖的領域Rには、有機酸1及びカルシウム含有粒分2のほか、シリカ成分、鉄成分、マグネシウム成分などが保持されていてもよい。これらの成分は、例えば、サンゴ砂礫、サンゴ砂礫などを粉砕して形成されたカルシウム含有砕屑粒子などにも含有する。砂礫固化の際、これらの成分に炭酸カルシウムが付着していくことで、結晶が形成され成長し、砂礫固化が進行する。また、砂礫固化体の骨格を形成する材料としても機能する。
マット状集塊物3は、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られた略扁平形状の集塊物である。
海洋性多細胞性糸状体型シアノバクテリアの藻塊を、マット状集塊物3の状態で、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rの地表面上に移植する。そして、シアノバクテリアを増殖させ、その領域Rの地表面がシアノバクテリアの群体で略被覆された状態になるようにする。
マット状集塊物3を形成するために採用するシアノバクテリアは、海洋性多細胞性糸状体型の種で、藻塊を形成するものであればよく、特に限定されない。例えば、砂礫固化体形成を試みる海域やその近くに自生し、沿岸の岩の表面でマット状の群体を形成している種を採取し、その藻塊をそのまま低含水率化してマット状に形成したり、公知の方法で培養・増殖させた後、低含水率化してマット状に形成したりなどして、用いてもよい。
但し、マット状集塊物3の形成の際に低含水率化しても死滅せず、移植後に再増殖する種であることが必要である。そのために、前記シアノバクテリアが乾燥耐性種であることが好ましい。一般に、潮間帯などに自生するシアノバクテリアは、潮の干満により一定時間乾燥状態に曝される過酷な環境に適応しているため、乾燥耐性、高温耐性、高塩濃度耐性などを有し、そのような生育条件でも生育できるものが多い。従って、未同定・既同定に関わらず、砂礫固化体形成を試みる海域やその近くで、干潮時にも生存しうる自生種を選択することで、乾燥耐性種を取得できる。
マット状集塊物3形成の際のシアノバクテリア藻塊の低含水率化は、天日干しなど、死滅しない程度に乾燥化又は半乾燥化しうる公知の方法や、死滅しない程度の湿潤状態を保持させつつ含水率を低くしうる公知の方法などを広く採用できる。海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を、死滅しない程度に低含水率化してマット状集塊物3を形成することにより、シアノバクテリア藻塊が脱水され、液状物ではなく固形物として扱うことが可能になるほか、軽量化でき、更にはある程度所望の形状に整形することもできる。従って、シアノバクテリア藻塊を低含水率化してマット状集塊物3を形成することにより、シアノバクテリア藻塊の取扱い・運搬・管理・設置を簡便化でき、その労力を低減できる。
マット状集塊物3形成後のシアノバクテリア藻塊における含水率は、目的・用途などに応じて適宜設定でき、特に限定されないが、例えば、含水率が60重量%以下であることが好適であり、40重量%以下がより好適であり、20重量%以下が最も好適である。含水率が60重量%以下になるように形成することにより、マット状集塊物3からの水の滴下を抑制できるため、作業性を向上させることができる。また、含水率を低くすることで、より軽量化できるため、運搬・設置などの作業労力をより低減できる。一方、含水率の下限は、マット状集塊物3の形成から運搬・設置までの期間などを勘案しつつ、シアノバクテリアが死滅しない程度の範囲で適宜定めることができるが、例えば、0.1重量%以上であれば、低含水率化処理後も一定期間死滅しないと推定される。
汀線S近傍の半閉鎖的領域Rへのマット状集塊物3の移植は、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られた集塊物を同領域R内に人為的又は半人為的に投入すればよく、公知の方法を広く採用でき、特に限定されない。投入量も、被処理領域Rの大きさなどに応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、シアノバクテリアが増殖することで、投入後一定期間内に、その領域Rの地表面のある程度の割合まで略被覆される量を移植することが好ましい。
例えば、略同一形状の前記マット状集塊物3を複数形成し、前記半閉鎖的領域に敷き並べることで、前記移植を行うようにしてもよい。マット状集塊物3を、略同一形状に形成することで、その取扱い・運搬・管理・設置をより簡便化でき、その労力を低減できる。形状は特に限定されないが、例えば、略矩形などにしてもよい。
汀線S近傍の半閉鎖的領域Rへ、略同一形状のマット状集塊物3を敷設する方法は、公知の方法を広く採用でき、特に限定されない。例えば、芝生張りのように、全面張り様・目地張り様・市松張り様・筋張り様などに敷き並べてもよい。これにより、より少ない量のシアノバクテリア藻塊で、より効率的にシアノバクテリアをその領域Rの地表面に繁茂させることが可能となる。
図2は、網状の着生基盤を用いて形成されたマット状集塊物3の例を示す模式図である。図2では、着生基盤31上に低含水率化されたシアノバクテリア(の藻塊)32が付着している。
例えば、略同一形状のマット状集塊物3を複数形成し、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに敷き並べることで、海洋性多細胞性糸状体型シアノバクテリアの移植を行う場合において、前記略同一形状の複数のマット状集塊物3が、それぞれ、網状の着生基盤31に前記シアノバクテリアを着生させた後、該着生基盤31に着生したシアノバクテリアの藻塊32を低含水率化することにより形成された構成にすることにより、マット状集塊物3の規格化・大量生産化を行うことができ、それによって、その取扱い・運搬・管理・設置をより簡便化でき、その労力をさらに低減できる。
このようなマット状集塊物3は、例えば、以下の手順により、形成することができる。まず、シアノバクテリアの培養槽内の培養液中に網状の着生基盤31を浸した状態で静置し、一定期間培養する。これにより、着生基盤31にシアノバクテリアが着生し、増殖し、着生基盤31上をシアノバクテリアの藻塊が被覆する。次に、着生基盤31がシアノバクテリアの藻塊で被覆された段階で、着生基盤31をシアノバクテリアの藻塊ごと培養槽から出し、天日干しなどで、シアノバクテリアの藻塊を低含水率化する。
着生基盤31は、シアノバクテリアの着生しうる公知の材質のものを広く採用でき、特に限定されない。例えば、前記着生基盤が生分解性素材で形成された場合、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rの地表面上で、シアノバクテリアが増殖・定着した頃合いに着生基盤31を分解・消失させることができるため、人工物の残留を排除できる。
このように、本発明では、汀線S近傍の半閉鎖的領域Rに、有機酸1及びカルシウム含有粒分2を保持させるとともに、海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られたマット状集塊物3を移植することで、その領域RにおけるpHの変動幅をより大きくすることができ、それによって、より短時間に若しくはより強固に、砂礫を固化させることができる。
なお、現地での活用の際には、例えば、汀線S近傍の半閉鎖的領域(又は被処理領域)Rを土嚢で囲繞するなど、波浪などによる、有機成分・有機成分含有物、カルシウム含有粒分2、マット状集塊物3などの流出を防止するための方策を講じておいてもよい。マット状集塊物3は、杭・接着剤などで、同領域Rの地表面上に固定してもよい。同様に、例えば、網状の着生基盤31を用いて形成されたマット状集塊物3を用いる場合、杭・接着剤などで、マット状集塊物3を、着生基盤31ごと、同領域Rの地表面上に固定してもよい。
<本発明に係る陸域保全方法について>
本発明は、上述のいずれかの砂礫固化体形成方法によって、汀線近傍域に砂礫固化物を形成させる陸域保全方法を全て包含する。
例えば、自然海岸の潮間帯など、汀線近傍域に自然に形成された半閉鎖領域、若しくは人為的な地形の改変などにより汀線近傍域に人為的に作出された半閉鎖領域に、上記の方法で砂礫固化物を形成させることにより、低労力かつ低コストに陸域を保全できる。
ここで、陸域とは、大陸・島など、面積の大小にかかわらず、地表のうち恒常的に水に覆われていない領域を全て包含する。即ち、本発明は、例えば、水没の懸念のある島嶼の保全、海岸線の浸食・後退の防止と保全、軟弱地盤の強靭化など、陸域保全全般に広く適用可能である。
実施例1では、潮間帯モデルを用いて、有機酸及びカルシウム含有粒分が保持された半閉鎖的領域に、シアノバクテリアの藻塊を添加した場合における地表面のpH変動を調べた。
潮間帯モデルとして、30cm×30cm×30cmの試験ケースを準備し、カルシウム含有粒分として、サンゴ砂を入れ、さらにサンゴ砂シルトを22重量%、有機成分含有物として有孔虫を30重量%の割合で添加して混合した。
試験ケース内では、日照条件として、12時間ごとに明条件(6時から18時)と暗条件(18時から翌6時)を繰り返す設定とし、また、潮水の干満条件として、1日のうち、12時間を、潮水に浸る状態にし、残りの12時間を、潮水を抜いた状態とした。明条件の際の光照射量は、500μmol/m2/sとした。
そして、試験ケース内に入れた混合物の表面に、シアノバクテリアの藻塊を置き、上記の条件変動を続けながら、測定期間中、表面のpH変動を測定した。シアノバクテリアには、日本・石垣島産のユレモ目ユレモ科クダモ属Lyngbya confervoides C. Agardh(学名)を、藻塊を形成するまで培養した後、用いた。
結果を図3に示す。図3は、有機酸及びカルシウム含有粒分の混合物表面に、シアノバクテリアの藻塊を添加した場合における地表面のpH変動を示すグラフである。
図3中、横軸は日時を、縦軸はphを表す。また、符号C0の折線は、シアノバクテリアの藻塊を添加しなかった場合における地表面のpH変動を、符号C1の折線は、シアノバクテリアの藻塊を添加した場合における地表面のpH変動を、それぞれ表す。
図3に示す通り、シアノバクテリアの藻塊を添加しなかった場合、各日照条件・干満条件を通じて、地表面のpHは7.5以上に上がらなかったのに対し、シアノバクテリアの藻塊を添加した場合、日照条件に対応して、地表面のpHが9.0以上にまで上昇した。
これは、シアノバクテリア(の群体)が、昼間、CO2を吸収して光合成を行ったためであると推測する。従って、本結果は、有機酸及びカルシウム含有粒分が保持された半閉鎖的領域に、シアノバクテリアの藻塊を添加することによって、同領域の地表面付近のpHを大幅に上昇させることができることを示唆する。
図3のシアノバクテリアの藻塊を添加しなかった場合における地表面のpH変動からも明らかな通り、自然界における汀線近傍の海域において、pHが9.0程度にまで到達することはほとんどない。一方、pHが高いほど、炭酸カルシウムなどの塩は析出・固結しやすい。従って、本結果は、汀線近傍の半閉鎖的領域にシアノバクテリアを移植することで、昼間、pHを大幅に高め、pHの変動幅をより大きくできることにより、砂礫の固化を促進できることを示唆している点で、有利性の高い知見である。
実施例2では、潮間帯モデルを用いて、有機酸及びカルシウム含有粒分が保持された半閉鎖的領域に、シアノバクテリアの藻塊を添加して形成された固化体の強度を調べた。
実施例1と同様の潮間帯モデルを用いて、同様の条件で90日間養生した後、その固化体の浅層部・中層部・深層部の強度を、山中式土壌硬度計で計測した。
結果を図4に示す。図4は、有機酸及びカルシウム含有粒分の混合物表面に、シアノバクテリアの藻塊を添加して固化体を形成した場合における強度を示すグラフである。
図4中、「CB」はシアノバクテリアの藻塊の添加の有無を、縦軸は貫入抵抗(単位:kg/cm2)を、それぞれ表す。
図4に示す通り、シアノバクテリアの藻塊を添加していない場合(図中、「CBなし」の棒線を参照)と比較して、シアノバクテリアの藻塊を添加した場合(図中、「CBあり」の棒線を参照)は、中層部及び深層部の強度が上昇した。この結果は、汀線近傍の半閉鎖的領域にシアノバクテリアを移植することで、より強固に砂礫を固化できることを示し、より短期間で、シアノバクテリアの藻塊を添加していない場合と同等の強度にまで、砂礫を固化することができることを示唆する。
実施例3では、網状の着生基盤を用いて、マット状集塊物の形成を試みた。
培養槽内に海水を入れ、温度20〜30℃、海水濃度10〜40PSUの条件で、12時間ごとに明条件(6時から18時)と暗条件(18時から翌6時)を繰り返す設定として、日本・石垣島産のユレモ目ユレモ科クダモ属のシアノバクテリア(学名「Lyngbya confervoides C. Agardh」)を投入し、培養した。明条件の際の光照射量は、100〜300μmol/m2/sとした。
培養槽内でシアノバクテリアが10%コンフルエント程度にまで増殖した段階で、着生基盤を培養槽内に静置した。着生基盤には、自然分解性基盤のコーラルネット(目合:約30mm)を用いた。
約4〜6週間培養を続け、シアノバクテリアが30〜100倍程度に増殖しながら着生基盤に固着した段階で、その着生基盤を培養槽から取り出し、天日干しで乾燥させた。これにより、表面がシアノバクテリアの藻塊で略被覆され、かつシアノバクテリアが死滅していないマット状集塊物を形成することができた。pH電極の測定限界に基づき、このマット状集塊物形成後のシアノバクテリア藻塊における含水率は、9重量%程度と推定された。
本発明は、汀線近傍において、自然環境への影響を最低限に留めつつ、より短時間に若しくはより強固に砂礫を固化しうる点で有用である。加えて、本発明は、陸域の保全において、原則的に、自然環境に影響しないという有利性がある。
上述の通り、人工構造物の構築、薬品・外来微生物の投入などにより、海岸線の保全、海岸浸食の抑制など、陸域の保全を行う場合、直接的な自然破壊、化学物質による環境汚染、不用意な外来種の導入による遺伝子撹乱など、その場所本来の自然環境に悪影響を与える可能性がある。
それに対し、本発明は、砂礫固化・陸域保全を試みる海域又はその近くにおいて元々存在する有機成分・有機成分含有物、カルシウム含有粒分、並びにシアノバクテリアを用いて、砂礫固化・陸域保全を行うことが可能であり、外来微生物の投入や化学物質の投与を必要としないため、原則的に、自然環境に影響しない。
本発明に係る砂礫固化体形成方法の実施態様の例を示す模式図。 網状の着生基盤31を用いて形成されたマット状集塊物3の例を示す模式図。 実施例1において、有機酸及びカルシウム含有粒分の混合物の表面に、シアノバクテリアの藻塊を添加した場合における地表面のpH変動を示すグラフ。 実施例2において、有機酸及びカルシウム含有粒分の混合物表面に、シアノバクテリアの藻塊を添加して固化体を形成した場合における強度を示すグラフ。
1 有機酸
2 カルシウム含有粒分
3 マット状集塊物
31 着生基盤
32 低含水率化されたシアノバクテリア(の藻塊)
L 陸域
R 汀線S近傍の半閉鎖的領域
S 汀線
W1 水位低下時の水面高さ(低潮線)
W2 水位上昇時の水面高さ(高潮線)
X 海洋の方向

Claims (6)

  1. 水位低下時に海水が海洋から略隔離され、かつ有機酸及びカルシウム含有粒分が保持された汀線近傍の半閉鎖的領域に、
    海洋性多細胞性糸状体型のシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することで得られたマット状集塊物を移植する砂礫固化体形成方法。
  2. 前記シアノバクテリアが乾燥耐性種である請求項1記載の砂礫固化体形成方法。
  3. 略同一形状の前記マット状集塊物を複数形成し、前記半閉鎖的領域に敷き並べることで、前記移植を行う請求項1又は請求項2記載の砂礫固化体形成方法。
  4. 前記略同一形状の複数のマット状集塊物が、それぞれ、網状の着生基盤に前記シアノバクテリアを着生させた後、該着生基盤に着生したシアノバクテリアの藻塊を低含水率化することにより形成された請求項3記載の砂礫固化体形成方法。
  5. 前記着生基盤が生分解性素材で形成された請求項4記載の砂礫固化体形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の砂礫固化体形成方法によって、汀線近傍域に砂礫固化物を形成させる陸域保全方法。
JP2016076920A 2016-04-07 2016-04-07 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法 Active JP6635302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076920A JP6635302B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016076920A JP6635302B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017186811A true JP2017186811A (ja) 2017-10-12
JP6635302B2 JP6635302B2 (ja) 2020-01-22

Family

ID=60044721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016076920A Active JP6635302B2 (ja) 2016-04-07 2016-04-07 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6635302B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112681284A (zh) * 2021-01-22 2021-04-20 湘潭大学 一种珊瑚砂地基处理方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4879232A (en) * 1987-03-17 1989-11-07 Kimberly-Clark Corporation Multilayered structure containing immobilized blud-green algae
JPH08218246A (ja) * 1995-02-09 1996-08-27 Gunze Ltd 生分解性ネット部材
US5778823A (en) * 1996-10-31 1998-07-14 Aquatic Bioenhancement Systems Method of raising fish by use of algal turf
JP2002125696A (ja) * 2000-10-19 2002-05-08 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 媒体中の生細胞の検出および該媒体のpH測定のための方法
JP2015137505A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 鹿島建設株式会社 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4879232A (en) * 1987-03-17 1989-11-07 Kimberly-Clark Corporation Multilayered structure containing immobilized blud-green algae
JPH08218246A (ja) * 1995-02-09 1996-08-27 Gunze Ltd 生分解性ネット部材
US5778823A (en) * 1996-10-31 1998-07-14 Aquatic Bioenhancement Systems Method of raising fish by use of algal turf
JP2001503268A (ja) * 1996-10-31 2001-03-13 アクアティック バイオエンハンスメント システムズ 芝藻を用いて魚を養殖する方法
JP2002125696A (ja) * 2000-10-19 2002-05-08 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 媒体中の生細胞の検出および該媒体のpH測定のための方法
JP2015137505A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 鹿島建設株式会社 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JOHN BAULD: "Geobiological role of cyanobacterial mats in sedimentary environments: production and preservation o", BMR JOURNAL OF AUSTRALIAN GEOLOGY & GEOPHYSICS, vol. 6, JPN6019044978, 1981, pages 307 - 317, ISSN: 0004158349 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112681284A (zh) * 2021-01-22 2021-04-20 湘潭大学 一种珊瑚砂地基处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6635302B2 (ja) 2020-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yang et al. Growth of Gracilaria lemaneiformis under different cultivation conditions and its effects on nutrient removal in Chinese coastal waters
CN102783404B (zh) 一种马尾藻增殖与移植方法
CN103141371B (zh) 一种马尾藻在礁石上的移植与栽培方法
Nakamura et al. Corals mass-cultured from eggs and transplanted as juveniles to their native, remote coral reef
Gammons et al. Creating lakes from open pit mines: processes and considerations, emphasis on northern environments
JP2010110255A (ja) 人工藻場の構造、および人工藻場造成工法
Florin et al. First records of Conrad’s false mussel, Mytilopsis leucophaeata (Conrad, 1831) in the southern Bothnian Sea, Sweden, near a nuclear power plant
Gökalp et al. Design for large-scale maricultures of the Mediterranean demosponge Chondrosia reniformis Nardo, 1847 for collagen production
CN111661927B (zh) 一种硬质底质沉水植物的恢复方法
JP6635302B2 (ja) 砂礫固化体形成方法、並びに陸域保全方法
Windusari et al. Substrate characteristics and its impact on distribution of mangrove species: a case study in Sungai Barong Kecil in The Sembillang National Park at Banyuasin, South Sumatra
Chen et al. Restoring wetlands outside of the seawalls and to provide clean water habitat
JP5089507B2 (ja) 環境改善用材料、沿岸域における環境修復材料、人工干潟、人工干潟造成方法、土層改善材料、農作物栽培土壌、農作物栽培土壌造成方法、および、農作物生産方法
JP6300307B2 (ja) 陸域保全方法
CN103979684A (zh) 滩涂底播青蛤的生态修复方法
JP7077852B2 (ja) 底生生物育成用の土壌作製方法及び底生生物の育成方法
Athalye Biodiversity of Thane creek
Nishijima et al. Applicability of steel slag as a substrate in eelgrass (Zostera marina L.) beds restoration in coastal Japan
JP6583732B2 (ja) 保存可能な海草類播種体の製造方法
JP4006517B2 (ja) アマモ播種用材料及びその製造方法
Ebrahimi Control of Eutrophication in Anzali Wetland by Artificial Floating Islands
Zerbe Natural and Anthropogenic Lakes
JP3087925B2 (ja) 超硬練コンクリートを利用した海藻類の栽苗方法及び栽苗器
CN114982581B (zh) 一种湿地红树林生态修复造林方法
Prats Ribas Nature-based solutions in coastal protection: the use of bio-reefs and seagrass barriers

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20160425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160427

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181207

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20181210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6635302

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250