JP2017185214A - 消臭剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】臭気成分に対して高い消臭能力を発揮する、新たな消臭剤の提供。
【解決手段】式(1)で示される、ラクタム構造を有する不飽和単量体由来の構造単位が、全構造単位100質量%に対して50〜100質量%の割合であり、架橋構造を更に有する重合体を含む消臭剤。
Figure 2017185214

(R1〜R4は夫々独立にH又は置換/非置換のC1〜10のアルキル基;xは0〜4の整数;yは1〜3の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、消臭剤に関する。より詳しくは、メチルメルカプタン、アンモニア、酢酸、ノネナール、ジアセチル等の臭気成分の消臭に好適に用いられる消臭剤に関する。
近年、メチルメルカプタン等の生活臭、アンモニア、酢酸等の汗臭、ノネナール、ジアセチル等の主に中高年以降の男女にみられる体臭等の、身の周りの様々な臭いに注意が向けられている。これらを消臭する方法についての研究が行われており、例えば、消臭剤成分として、(1)超高分子アクリルポリマー、トレハロース及びポリフェノール化合物、(2)酸とその塩(3)アルコール化合物(4)抗菌剤の4成分であって、pHが4〜8に設定された消臭剤組成物が開示されている(特許文献1参照)。
特開2012−24537号公報
上記のとおり、種々の消臭剤成分の開発が行われているが、更なる消臭成分を開発する余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、新たな消臭成分を提供することを目的とする。
本発明者は、臭気成分に対して高い能力を発揮する消臭剤について種々検討したところ、ラクタム構造を有する不飽和単量体由来の構造単位を有する重合体が様々な臭気成分に対して、高い能力を発揮することを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)由来の構造単位(a)を有する重合体を含む消臭剤である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<重合体>
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)由来の構造単位(a)を有することにより、臭気成分の消臭能力に優れるものである。本発明において優れた消臭能力とは、臭気成分の量又は濃度の少なくとも一方を低減させる効果が高いことを意味する。
上記ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)は、ラクタム環とエチレン性不飽和炭化水素基とを有する単量体であり、下記式(1);
Figure 2017185214
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。xは、0〜4の整数を表す。yは、1〜3の整数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記R〜Rにおけるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記R〜Rにおける置換基としては、特に制限されないが、エチレン性不飽和炭化水素基;カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基等が挙げられる。
上記不飽和単量体(A)におけるR〜Rの少なくとも1つが、置換基として上述の架橋剤と縮合反応可能な反応性官能基を有する炭素数1〜10のアルキル基であれば、後述する(2)、(3)により架橋構造を形成することができる。
〜Rとしては水素原子であることが好ましい。Rとしては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
xとしては、0〜2の整数であることが好ましく、より好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
yとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)としては、ノニオン性の単量体であることが好ましい。ノニオン性のラクタム構造を有する不飽和単量体としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられる。また、ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)としては、ピロリドン環を有する不飽和単量体が好ましい。より好ましくはN−ビニルピロリドンである。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、架橋構造を有していても、有していなくてもよく、いずれも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記重合体は、粒子径が小さい方が表面積が大きくなり、消臭能力により優れる傾向がある。また、上記重合体が、架橋構造を有する場合には、架橋構造を有していないものよりも吸水量が多いことから、水溶解性が高い臭いに対しては、消臭能力により優れる傾向がある。また、上記重合体が、架橋構造を有する場合には、吸着した臭気成分をより放出しにくい傾向がある。
本発明の重合体が構造中に架橋構造を有する場合には、(1)架橋性単量体を含む単量体成分を重合して架橋構造を有する重合体を製造する場合、(2)反応性官能基を有する単量体を含む単量体成分を重合して得られた重合体に、該反応性官能基と反応する官能基を複数有する架橋剤を反応させて架橋構造を形成する場合、(3)反応性官能基を有する単量体1と、該単量体1が有する反応性官能基と反応する反応性官能基を有する単量体2とを共に含む単量体成分を重合した後、該単量体1の反応性官能基と単量体2の反応性官能基とを反応させて架橋構造を形成(自己架橋)する場合、(4)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体間で架橋構造を形成(自己架橋)する場合、(5)重合体にラジカルを発生させ、ラジカルが発生した重合体と架橋性単量体を反応させて架橋構造を形成する場合がある。
本発明の重合体が架橋構造を有する場合、架橋構造は上記(1)〜(5)のいずれによって形成されたものであってもよいが、上記(1)によって形成されたものであることが好ましい。
上記(1)、(5)における架橋性単量体については、後述のとおりである。
本発明の重合体が、上記(2)又は(3)によって形成された架橋構造を有する場合、本発明の重合体は、上記ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)又は後述するその他の単量体(E)に由来する構造単位として、反応性官能基を有する単量体に由来する構造単位を有することになる。
上記(2)、(3)における反応性官能基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等が挙げられる。
架橋構造が、上記(3)によって形成されたものである場合、互いに反応性を有する反応性官能基の組み合わせとしては、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)と水酸基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)と水酸基、カルボキシル基(及びそのエステルや塩)とアミノ基、スルホン酸基(及びそのエステルや塩)とアミノ基等が挙げられる。本発明の重合体の架橋構造が上記(2)によって形成されたものである場合の、単量体が有する反応性官能基と、架橋剤が有する該反応性官能基と反応する官能基の組み合わせの例もこれと同様である。
上記(2)における架橋剤としては、上記反応性官能基と反応することができる官能基を複数有するものであれば特に制限されないが、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、オキサゾリン基含有ポリマー(株式会社日本触媒製 エポクロス)、ブタンジオール、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位(e)を有していてもよい。
その他の単量体(E)は、ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)と共重合できる限り特に制限されず、架橋性単量体であっても、非架橋性の単量体であってもよい。
本発明の消臭剤に含まれる重合体がその他の単量体(E)として架橋性単量体(E−1)由来の構造単位(e−1)を有する場合には、上記重合体は、架橋構造を有することになる。
上記架橋性単量体(E−1)は、1分子あたりに少なくとも2個の重合性のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物であり、好ましくは1分子あたりに少なくとも2個のラジカル重合性のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物である。
なお、ラクタム構造及び少なくとも2個のエチレン性不飽和炭化水素基を有する化合物は、ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)にも、架橋性単量体にも含まれるものとする。
上記架橋性単量体(E−1)としては、具体的には、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の炭素数1〜4のアルキレン基を有するN,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミド;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドで変性されていてもよいトリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート;グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート等のグリセリン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等のジペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ)(メタ)アクリレ−ト;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アリルエーテル等のペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル;トリアリルシアヌレート(シアヌル酸トリアリル)、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン等の炭素数9〜20のトリアリル化合物;炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール等の炭素数6〜20のジアリル化合物;ジビニルエーテル、ジビニルケトン、トリビニルベンゼン等の炭素数4〜20の(ジ、トリ)ビニル化合物;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の炭素数2〜20のジイソシアネート;ポリ(メタ)アリロキシアルカン等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋性単量体(E−1)の中でも、残存するラクタム構造を有する単量体及び可溶分(架橋されない重合体分であって水への溶解分)が低下する傾向にあることから、アリル基を2個以上有する化合物を使用することが好ましい。具体的には、シアヌル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル等が好ましく、シアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテルが最も好ましい。
上記(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、好ましくは1分子あたり2以上、50以下、より好ましくは2以上、20以下、さらに好ましくは2以上、10以下のオキシアルキレン基を有する。上記(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートが有するオキシアルキレン基100モル%に対し、オキシエチレン基が50〜100モル%であることが好ましく、80〜100モル%であることがより好ましい。
上記トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレートが炭素数1〜4のアルキレン基を有するアルキレンオキサイドで変性されたものである場合の、トリメチロールプロパン(ジ、トリ)(メタ)アクリレート1分子あたりのアルキレンオキサイドの平均付加数も同様であることが好ましい。
上記その他の単量体(E)として、非架橋性単量体(E−2)は、ラクタム構造を有さず、エチレン性不飽和炭化水素基を1つ有する化合物であれば、特に制限されないが、例えば、(i)アクリル酸、メタアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸及びこれらの塩;(ii)フマル酸、マレイン酸、メチレングルタル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸及びこれらの塩(一塩であっても二塩であっても良い);(iii)3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びこれらの塩;(iv)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等不飽和アルコール及びこれらの水酸基にアルキレンオキシドを付加したアルキレンオキシド付加物;(v)(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(vi)(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のN置換若しくは無置換の(メタ)アクリルアミド;(vii)スチレン、インデン、ビニルアニリン等のビニルアリール単量体;(viii)エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブチレン、オクテン等のアルケン類;(ix)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニル類;(x)N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾールおよびこれらの塩またはこれらの4級化物等の不飽和アミン;(xi)ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルオキサゾリドン等のビニルアミド類;(xii)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和無水物類;(xiii)ビニルエチレンカーボネート及びその誘導体;(xiv)(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル及びその誘導体;(xv)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類等が挙げられる。
これらは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、上記(i)〜(iii)、(x)における塩としては、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が例示される。上記(iv)におけるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が例示され、炭素数1〜20のアルキレンオキシドが好ましく、炭素数1〜4のアルキレンオキシドがより好ましい。上記(iv)におけるアルキレンオキシドの付加モル数としては、上記(iv)の化合物1モルあたり0〜50モルが好ましく、0〜20モルがより好ましい。
上記非架橋性単量体(E−2)としては、炭素数2〜20の単量体が好ましい。より好ましくは、炭素数2〜15の単量体であり、更に好ましくは、炭素数2〜10の単量体である。なお、非架橋性単量体(E−2)がアルキレンオキシド付加物である場合は、アルキレンオキシド構造部位以外の構造部位の炭素数がこれらの値であることが好ましい。
その他の単量体(E)は、ノニオン性の単量体であることが好ましい。
上記架橋性単量体(E−1)の中でもノニオン性の単量体としては、上記の化合物が挙げられ、好ましくはシアヌル酸トリアリル、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、炭酸ジアリル、1,3−ビス(アリルオキシ)−2−プロパノール、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテル、ジビニルエチレン尿素、1,4−ブチレンビス(N−ビニルアミド)であり、より好ましくはシアヌル酸トリアリル、ペンタエリスリトール(ジ、トリ、テトラ)(メタ)アリルエーテルである。
また、上記非架橋性単量体(E−2)の中でもノニオン性の単量体としては、上記の(i)〜(iii)の塩、(iv)〜(ix)(ビニルアニリンを除く)、(x)の塩、(xi)、(xiii)、(xv)の化合物が挙げられ、好ましくは(i)〜(iii)の塩、(iv)〜(ix)(ビニルアニリンを除く)、(x)の塩であり、より好ましくは(i)の塩、(vi)、(vii)(ビニルアニリンを除く)、(ix)、(x)の塩である。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、構造単位(a)の割合が、全構造単位100質量%に対して30〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは50〜100質量%であり、更に好ましくは70〜100質量%であり、特に好ましくは90〜100質量%である。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、構造単位(e)の割合が、全構造単位100質量%に対して0〜70質量%であることが好ましい。より好ましくは0〜50質量%であり、更に好ましくは0〜30質量%であり、特に好ましくは0〜10質量%である。
本発明の消臭剤に含まれる重合体が架橋性単量体(E−1)由来の架橋構造を有するものである場合、構造単位(e−1)の割合が、構造単位(a)と構造単位(e−2)との合計100質量%に対して0.001〜10質量%であることが好ましい。より好ましくは0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.05〜3質量%であり、特に好ましくは0.1〜2質量%である。
また、本発明の消臭剤に含まれる重合体が架橋性単量体(E−1)由来の架橋構造を有するものである場合、構造単位(e−1)の割合が、構造単位(a)と構造単位(e−2)との合計100モル%に対して0.005〜5モル%であることが好ましい。より好ましくは0.01〜5モル%であり、更に好ましくは0.01〜1モル%であり、特に好ましくは0.05〜0.8モル%である。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、ノニオン性の構造単位(a)及びノニオン性の構造単位(e)の合計の割合が、全構造単位100質量%に対して、50〜100質量%であることが好ましい。上記重合体中のノニオン性の構造単位の割合が、上記好ましい範囲であれば、本発明の消臭剤に含まれる重合体が、ノニオン系の重合体になる。アミン系のポリマー等のイオン系のポリマーは、皮膚刺激性・腐食性があることが多く、安全性が充分でなく、人体には使用できないが、ノニオン系の重合体は、安全性に優れ、人体にも安全に使用することができる。重合体中のノニオン性の構造単位の割合として、より好ましくは70〜100質量%であり、更に好ましくは80〜100質量%であり、特に好ましくは90〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、架橋構造を有しない場合、K値が10〜130であることが好ましい。より好ましくは10〜120であり、更に好ましくは10〜100である。
上記重合体のK値は、後述する実施例に記載の条件で測定することができる。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、平均粒子径が0.1〜500μmであることが好ましい。平均粒子径が上記好ましい範囲であれば、重合体の表面積が好適な範囲となり、消臭能力により優れることとなる。重合体の平均粒子径として、より好ましくは0.1〜300μmであり、更に好ましくは0.1〜200μmであり、特に好ましくは0.1〜100μmであり、最も好ましくは0.1〜50μmである。
上記重合体の平均粒子径は、後述する実施例に記載の条件で測定することができる。
<重合体の製造方法>
本発明の消臭剤に含まれる重合体の製造は特に制限されないが、単量体成分を重合することにより製造することができ、単量体成分の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。また、単量体成分100質量%に対する単量体(A)及び(E)の含有割合は、上述の全構造単位100質量%に対する構造単位(a)及び(e)の割合と同様である。
上記重合は、溶剤の不存在下で行ってもよいし、溶剤を使用してもよい。重合は、従来公知の種々の方法、例えば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法、乳化重合法、逆相乳化重合法、沈殿重合法或いは注型重合法、薄膜重合法、噴霧重合法等を採用することができる。尚、重合反応を行なう際の攪拌方法は、特に限定されるものではないが、ゲル状の架橋体が生成する場合には、双腕型ニーダーを攪拌装置として用い、該双腕型ニーダーの剪断力によって細分化しながら攪拌することがより好ましい。また、上記重合の工程は、回分式でも連続式でも行うことができる。
上記重合工程において、N−ビニルラクタムを含む単量体成分の重合を開始する方法としては、重合開始剤を添加する方法、UVを照射する方法、熱を加える方法、光開始剤存在下に光を照射する方法等を採用することができる。
上記重合工程において、溶剤を使用する場合、溶剤としては、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール類等から選ばれる1種または2種以上が例示される。
上記重合工程において、重合を行なう際には、重合開始剤を用いることが好ましい。上記重合開始剤としては、例えば、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド等の過酸化物;過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]n水和物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ系化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アスコルビン酸と過酸化水素、スルホキシル酸ナトリウムとt−ブチルヒドロパーオキシド、過硫酸塩と金属塩等の、酸化剤と還元剤とを組み合わせてラジカルを発生させる酸化還元型開始剤等が好適である。これらの重合開始剤のうち、過酸化水素、過硫酸塩、アゾ系化合物が好ましく、アゾ系化合物が最も好ましい。中でも、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩水和物、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)がより好ましい。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよく、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記重合開始剤の使用量としては、単量体の使用量(ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)と上述したその他の単量体(E)の合計の使用量)1モルに対して、0.1g以上、10g以下であることが好ましく、0.1g以上、7g以下であることがより好ましく、0.1g以上、5g以下であることがさらに好ましい。
開始剤の使用量をこのような割合とすることで、得られる重合体に含まれる未反応の単量体の割合を充分に少なくすることができる。
上記重合工程において、逆相懸濁重合法を採用する場合に好適な分散剤としては、具体的には、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、エチルセルロースやセルロースアセテート等のセルロースエステル、セルロースエーテル、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等のカルボキシル基含有重合体等が挙げられる。これら分散剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、逆相懸濁重合法を採用する場合に供される疎水性有機溶媒は、特に限定されるものではない。
上記重合工程において、重合温度は、特に限定されるものではないが、比較的低温の方が架橋体の分子量が大きくなるので好ましく、20℃〜100℃の範囲内が重合率が向上するのでさらに好ましい。尚、反応時間は、上記重合反応が完結するように、反応温度や、単量体成分、重合開始剤、および溶媒等の種類(性質)や組み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。
上記重合工程を行う反応容器の材質は、重合工程を行うことができるものである限り特に制限されないが、ステンレス等の材質の反応容器を用いることが好ましい。これらの熱が伝わりやすい材質の反応容器を用いて重合反応を行うことで重合反応を充分に進行させ、得られる重合体中に含まれる未反応の単量体(ラクタム構造を有する不飽和単量体等)の含有量を少なくすることができる。
また、ポリプロピレン等の鉄を溶出させない材質の反応容器を用いることも好ましく、これらの材質の反応容器を用いることで、得られる重合体中に含まれる鉄分の含有量を少なくすることができる。
本発明の消臭剤に含まれる重合体は、上記重合工程に加え、任意の工程を含んで製造してもよい。例えば、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、造粒工程、後架橋工程等を含んでいてもよい。
上記重合体は、乾燥工程を含んで製造することが好ましい。
特に、上記重合体が架橋構造を有するものであって、溶剤を用いた重合で得られたものでゲル状である場合、すなわち溶剤を含むゲル状架橋体である場合、該ゲル状架橋体を、乾燥する工程を設けることが好ましい。なお、本発明において、乾燥とは固形分の上昇操作をいい、通常、重合体全体の重量に対する固形分の割合が乾燥前と比較して上昇すればよいが、好ましくは重合体全体の重量100質量%に対して固形分が95質量%以上、より好ましくは96質量%以上程度まで上昇させることである。なお、固形分の上限は99質量%程度であることが好ましい。乾燥は重合と同時に行ってもよく、重合時の乾燥と重合後の乾燥とを併用してもよいが、より好ましくは、重合後に乾燥装置を用いて乾燥する乾燥工程が設けられる。なお、ここで、重合体の固形分は、下記の方法により測定される値をいう。
底面の直径が約5cmの秤量缶(質量W1(g))に、約1gの重合体を量り取り(質量W2(g))、150℃の無風乾燥機中において1時間静置し、乾燥させる。乾燥後の秤量缶+重合体の質量(W3(g))を測定し、以下の式より固形分を求める。
固形分(質量%)=((W3(g)−W1(g))/W2(g))×100
上記乾燥工程は、好ましくは乾燥工程の時間全体の50%以上の時間、より好ましくは実質すべての乾燥工程をとおして80℃〜250℃の範囲で行われる。上記範囲であることにより、重合体の諸物性がより向上する傾向にある。
なお、乾燥温度は熱媒温度で規定するが、マイクロ波等熱媒温度で規定できない場合は材料温度で規定する。乾燥方法としては、乾燥温度が上記範囲内であれば特に限定されるものではなく、熱風乾燥、無風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥等を好適に用いることができる。中でも、熱風乾燥を用いることがより好ましい。熱風乾燥を用いる場合の乾燥風量は、好ましくは0.01〜10m/sec、より好ましくは0.1〜5m/secの範囲である。乾燥温度の範囲はより好ましくは110℃〜220℃、さらに好ましくは120℃〜200℃の温度範囲である。また、乾燥は、一定温度で乾燥してもよく、温度を変化させて乾燥してもよいが、実質、すべての乾燥工程は上記の温度範囲内でなされることが好ましい。
上記粉砕工程は、粉砕機を使用して行うことが好ましい。本発明の製造方法が乾燥工程を含む場合、粉砕は乾燥前、中、後のいずれに行っても良いが、好ましくは乾燥後である。上記粉砕機は特に限定されるものではないが、例えばロールミルのようなロール式粉砕機、ハンマーミルのようなハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、カッターミル、ターボグラインダー、ボールミル、フラッシュミル、ジェットミル等が用いられる。この中でも、粒度分布を制御するためにはロールミルを用いることがより好ましい。粒度分布を制御するため連続して2回以上粉砕することがより好ましく、連続して3回以上粉砕することがさらに好ましい。
また、2回以上粉砕する場合には、それぞれの粉砕機は同じであっても異なっていてもよい。異なる種類の粉砕機を組み合わせて使うことも可能である。
また、重合体を平均粒子径100μm以下に粉砕する場合は、ジェットミルを用いることが好ましい。
例えば本発明の重合体を特定の粒度分布に制御するために、分級工程や造粒工程を設けてもよい。上記分級は、特定の目開きの篩を使用してもよい。篩で分級するために用いる分級機は特に限定されるものではないが、たとえば振動篩(アンバランスウェイト駆動式、共振式、振動モータ式、電磁式、円型振動式等)、面内運動篩(水平運動式、水平円−直線運動式、3次元円運動式等)、可動網式篩、強制攪拌式篩、網面振動式篩、風力篩、音波篩等が用いられ、好ましくは振動篩、面内運動篩が用いられる。
上記重合体が上記(2)〜(5)によって形成された架橋構造を有するものである場合、該架橋体の製造方法では、単量体成分を重合させる重合工程を行った後に当該架橋構造を形成するための後架橋工程を行うことになる。
上記後架橋工程において後架橋させる(重合後に架橋させる)方法としては、例えば、(i)重合工程で得られた重合体にUV、γ線、電子線を照射する方法、(ii)重合工程で得られた重合体に縮合剤のような反応促進剤を加えて自己架橋させる方法、(iii)重合工程で得られた重合体に熱を加えて自己架橋させる方法、(iv)重合工程で得られた重合体にラジカル発生剤を含有させた後、熱を加えて自己架橋させる方法、(v)重合工程で得られた重合体にラジカル重合性架橋剤(架橋性単量体)およびラジカル重合開始剤を含有させた後、加熱および/または光照射する方法等が挙げられる。
なお、後架橋工程に供される重合体としては、単量体成分から製造したものを用いてもよく、市販の重合体を用いてもよい。
本発明の架橋体が上記(2)によって形成された架橋構造を有するものである場合、架橋剤の使用量は、重合体が有する反応性官能基(架橋剤と反応する反応性官能基)100モル%に対して、架橋剤が有する官能基が30〜100モル%となる量であることが好ましい。より好ましくは、50〜100モル%である。このような割合で架橋剤を使用することで充分な架橋構造を形成することができるとともに、得られる架橋体中に残存する未反応の架橋剤の量も少なくすることができる。
上記(ii)の方法において用いる反応促進剤としては、硫酸、リン酸等の酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の縮合剤等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記(iv)の方法において用いるラジカル発生剤としては、上述した重合工程において用いる重合開始剤と同様のものを用いることができる。重合開始剤のうち、過酸化水素、t−ブチルヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、オクタノイルパーオキサイド、サクシニックパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸等の過酸化物が好ましい。
本発明の架橋体が上記(5)によって形成された架橋構造を有するものである場合、後架橋の際に使用する架橋性単量体の使用量は、後架橋工程前の重合体100質量%に対して、0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、1〜30質量%である。このような割合で架橋性単量体を使用することで充分な架橋構造を形成することができるとともに、得られる架橋体中に残存する未反応の架橋性単量体の量も少なくすることができる。
本発明の消臭剤は、上記重合体を含む限り、その他の成分を含んでいてもよい。
本発明の消臭剤における重合体の含有割合は、消臭剤全体100質量%に対して、30〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、50〜100質量%であり、更に好ましくは、80〜100質量%である。
本発明の消臭剤が含んでもよいその他の成分としては、水、エタノール、エチレングリコール等の溶媒;アニオン性、カチオン性、ノニオン性等の各種界面活性剤;アボカド油、アーモンド油等の油脂類;ビタミンA群、ビタミンB群、ビタミンC群等の各種ビタミン類;バリン、フェニルアラニン、アスパラギン等のアミノ酸類;リモネン、メントール等の香料等が挙げられる。
本発明の消臭剤の形態は特に制限されず、液状、ゲル状、ペースト状、粉末状、固体状等のいずれの形態であってもよい。
本発明の消臭剤は、そのまま用いてもよいが、通常用いられる液体担体や固体担体と組み合わせて、液状製剤、ゲル状製剤、固形状若しくはシート状製剤等として用いることができる。
液体担体としては、例えば、アルコール類、グリコール類、油脂類、ロウ類、炭化水素類、グリコールエーテル類、グリコールエステル類、エーテル類、エステル類、ケトン類等の溶剤;香料組成物等が挙げられる。
固体担体としては、カラギーナン、ゼラチン、ペクチン、アルギン酸塩、金属石けん、シリカゲルパウダー、パラフィン、セルロース誘導体等の各種ゲル化剤や増粘剤;セラミック、パルプフィルター、パルプシート、セルロースビーズ、木片、シリカゲル、ゼオライト、織布、不織布、プラスチック発泡体、プラスチックシート等が挙げられる。
本発明の消臭剤及び/又は上記製剤(以下、消臭剤等ともいう)の使用態様は特に制限されないが、消臭対象の空気を本発明の消臭剤に接触させて使用する形態は好適な形態の1つである。
接触方法としては例えば、本発明の消臭剤等と通気口とを備える消臭器を用いて、自然な対流により空気を本発明の消臭剤に接触させる方法;空気を吸引する機構と本発明の消臭剤等とを備える消臭器等を用いて、吸引した空気を本発明の消臭剤に供給することにより接触させる方法等が挙げられる。
本発明の消臭剤、すなわち、ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)由来の構造単位(a)を有する重合体を備えた消臭器もまた、本発明の1つである。
上記消臭器が備える空気を吸引する機構としては特に制限されないが、例えばファン、エアーポンプ等が挙げられる。
上記空気を吸引する機構と本発明の消臭剤等とを備える消臭器としては、例えば、空気清浄器、エアコン等が挙げられる。本発明の消臭剤等がこのような空気清浄器、エアコン等に用いられる場合、ファン等の回転部材やフィルター等に用いられることが好ましい。
また本発明の消臭剤は、身体、衣類、家具、寝具等のいずれに対して使用されてもよく、これらに対して使用する形態も好適な形態の一つである。
本発明の製品としては、例えば、液体芳香剤、ゲル状芳香剤、粉末状芳香剤、含浸芳香剤、ミスト状芳香剤、エアゾール状芳香剤及び熱蒸散式芳香剤等の芳香剤製品;消臭スプレー、衣類用洗剤、衣類用漂白剤、衣類用柔軟剤、食器用洗剤、浴室用洗浄剤及びトイレ洗浄剤等のハウスホールド製品等が挙げられる。中でも好ましくは芳香剤製品、衣類用製品であり、より好ましくはミスト状芳香剤、エアゾール状芳香剤、衣類用洗剤、衣類用柔軟剤である。
本発明の消臭剤が効果を発揮することができる臭気成分としては、特に制限されないが、メチルメルカプタン等のチオール類、アンモニア等のアミン類、酢酸等のカルボン酸類、ノネナール等のアルデヒド類、ジアセチル等のジケトン類等が挙げられる。すなわち、本発明の消臭剤は、様々な臭気成分に対して消臭効果を発揮することができ、この理由としては以下のようなことが考えられる。本発明の消臭剤は、不飽和単量体(A)由来のラクタム環が有するN部位やカルボニル基で臭気成分を吸着することができること、及び、本発明の消臭剤は吸湿性を有するため、吸湿した水を介して水溶性の臭気成分を吸着することができることが考えられる。本発明の消臭剤は、上記臭気成分の中でも酢酸等のカルボン酸に対して、より優れた消臭効果を発揮する。
本発明の消臭剤は、上述の構成よりなり、ラクタム構造を有する重合体を含む消臭剤であり、様々な臭気成分に対する消臭剤として好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<K値の測定方法(フィケンチャー法)>
K値が20未満である場合には5%(g/100ml)溶液の粘度を測定し、K値が20以上の場合は1%(g/100ml)溶液の粘度を測定した。試料濃度は乾燥物換算した。K値が20以上の場合、試料は1.0gを精密に計りとり、100mlのメスフラスコに入れ、室温で蒸留水を加え、振とうしながら完全に溶かして蒸留水を加えて正確に100mlとした。この試料溶液を恒温槽(25±0.2℃)で30分放置後、ウベローデ型粘度計を用いて測定した。溶液が2つの印線の間を流れる時間を測定する。数回測定し、平均値をとった。相対粘度を測定するために、蒸留水についても同様に測定した。2つの得られた流動時間をハーゲンバッハ−キュッテ(Hagenbach−Couette)の補正に基づいて補正した。
Figure 2017185214
上記式中、Zは濃度Cの溶液の相対粘度(ηrel)、Cは濃度(%:g/100ml)である。
相対粘度ηrelは次式により得られる。
ηrel=(溶液の流動時間)÷(水の流動時間)
<平均粒子径の測定方法>
篩を上から目開きの大きい順に組み合わせ、最上の篩に架橋重合体を入れ、ミクロ形電磁振動ふるい器(筒井理化学器械株式会社製、M−2型)にて10分間振とうした。各篩に残留した混合物の質量を測定してから、各篩の目開きのサイズと該篩を通過できなかった粒子(該篩上に残留した粒子と、より大きな目開きの篩に残留した粒子を合わせたもの)の全体に対する質量比(残留百分率)Rを片対数グラフ(横軸:粒子径(対数目盛)、縦軸:残留百分率)にプロットし、R=50%に相当する粒子径を求めて平均粒子径とした。
<製造例1>
N−ビニルピロリドン(株式会社日本触媒製)(以下、VPとも称する)130.0部、架橋性単量体としてシアヌル酸トリアリル(以下、CTAとも称する)0.52部(VPに対し0.18モル%)、脱イオン水を304.6部、本体槽がステンレス(SUS304)製の卓上型ニーダー(株式会社中央理化製 PNV-1H型)に仕込んだ。次いで、100ml/分で30分間窒素置換を行った。次いで、窒素導入を30ml/分にし、56℃まで昇温した。液温を56℃に安定させた後、開始剤として2、2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩(以下、「VA−044」とも称する)の15質量%水溶液を1.96部(VPとCTAの合計の使用量1モルに対し0.25g)添加し、重合を開始した。重合反応が進み、ゲルが生成した後、ニーダーのブレードを回転させてゲルを解砕しながら、90℃で60分間熟成を行い、重合を終了した。次いで、得られたゲルを120℃で2時間乾燥することにより、VP架橋重合体乾燥物を得た。次いで、得られた架橋重合体を粉砕機で粉砕した後、JIS標準篩を用いて分級し、粒子状のVP架橋重合体を得た。
以下に示す実施例で使用したポリマーは、以下のとおりである。
(1)製造例1に記載のVP架橋重合体(250μm〜500μm分級品を使用)
(2)ポリビニルピロリドン(日本触媒社製 ポリビニルピロリドンK−85 K値(カタログ値):84.0〜88.0 以下、PVPとも称する)(平均粒子径180μmのものを使用)
また、比較例で使用したポリマーは、以下のとおりである。
(3)ポリエチレングリコール20000(和光純薬工業株式会社製 以下、PEGとも称する)
<実施例1、2及び比較例1、2>ジアセチル消臭能力試験
2個の蓋つきガラス製シャーレ(内径27mm)を用意し、上記(1)、(2)のポリマーをそれぞれ0.50g秤量した。また比較例として、上記(3)のポリマー0.50gを入れたシャーレ、及び、ブランクとして空のシャーレを用意した。
この4個のシャーレに蓋をして、それぞれコック付きサンプリングバッグ(ジーエルサイエンス株式会社製 テドラーバッグ 容量3L 型式AAK)に入れ、ヒートシールして完全に密閉した。各サンプリングバッグ内を真空にした後、窒素ガス2Lを量り入れた。その後、各バッグにジアセチル含有窒素ガスをガスタイトシリンジを用いて5mL量り入れた。各バッグ内のシャーレの蓋を開け2時間静置した後、気体検知管(株式会社ガステック製 No.92 アセトアルデヒド用)を用い、気体採取器(株式会社ガステック製 型式GV−100S)でバッグ内の気体100mLを3回吸引して、ジアセチル濃度の低減率を比較した。なお、測定値は、検知管の説明書に記載の換算スケールを用いてジアセチル濃度に換算した。
ジアセチルの低減率は下式のように算出した。
低減率(%)=(ブランクのガス濃度−試料入りのガス濃度)÷(ブランクのガス濃度)×100
本結果を表1に示す。
Figure 2017185214
<実施例3、4及び比較例3、4>ノネナール消臭能力試験
2個の蓋つきガラス製シャーレ(内径27mm)を用意し、上記(1)、(2)のポリマーをそれぞれ0.50g秤量した。また比較例として、上記(3)のポリマー0.50gを入れたシャーレ、及び、ブランクとして空のシャーレを用意した。
この4個のシャーレに蓋をして、それぞれコック付きサンプリングバッグ(ジーエルサイエンス株式会社製 テドラーバッグ 容量3L 型式AAK)に入れ、ヒートシールして完全に密閉した。各サンプリングバッグ内を真空にした後、窒素ガス0.5Lを量り入れた。その後、各バッグにノネナールの10%エタノール溶液をマイクロシリンジを用いて20μL量り取り入れた。各バッグ内のシャーレの蓋を開け2時間静置した後、気体検知管(ガステック社製 No.91L ホルムアルデヒド用)を用い、気体採取器(株式会社ガステック製 型式GV−100S)でバッグ内の気体100mLを1回吸引して、ノネナール濃度を測定した。検知管による実測値をもとに、低減率を算出した。
ノネナールの低減率は下式のように算出した。
低減率(%)=(ブランクのガス濃度−試料入りのガス濃度)÷(ブランクのガス濃度)×100
本結果を表2に示す。
Figure 2017185214
<実施例5、6及び比較例5、6>酢酸消臭能力試験
2個の蓋つきガラス製シャーレ(内径27mm)を用意し、上記(1)、(2)のポリマーをそれぞれ0.50g秤量した。また比較例として、上記(3)のポリマー0.50gを入れたシャーレ、及び、ブランクとして空のシャーレを用意した。
この4個のシャーレに蓋をして、それぞれコック付きサンプリングバッグ(ジーエルサイエンス株式会社製 テドラーバッグ 容量3L 型式AAK)に入れ、ヒートシールして完全に密閉した。各サンプリングバッグ内を真空にした後、窒素ガス2Lを量り入れた。その後、各バッグに酢酸含有空気をガスタイトシリンジを用いて5mL量り入れた。各バッグ内のシャーレの蓋を開け2時間静置した後、気体検知管(ガステック社製 No.81 酢酸用)を用い、気体採取器(株式会社ガステック製 型式GV−100S)でバッグ内の気体100mLを1回吸引して、酢酸濃度を測定した。検知管による実測値をもとに、低減率を算出した。
酢酸の低減率は下式のように算出した。
低減率(%)=(ブランクのガス濃度−試料入りのガス濃度)÷(ブランクのガス濃度)×100
本結果を表3に示す。
Figure 2017185214
<実施例7、8及び比較例7、8>アンモニア消臭能力試験
2個の蓋つきガラス製シャーレ(内径27mm)を用意し、上記(1)、(2)のポリマーをそれぞれ1.0g秤量した。また比較例として、上記(3)のポリマー1.0gを入れたシャーレ、及び、ブランクとして空のシャーレを用意した。
この4個のシャーレに蓋をして、それぞれコック付きサンプリングバッグ(ジーエルサイエンス株式会社製 テドラーバッグ 容量3L 型式AAK)に入れ、ヒートシールして完全に密閉した。各サンプリングバッグ内を真空にした後、窒素ガス1Lを量り入れた。その後、各バッグに約0.1%アンモニア水をディスポシリンジを用いて0.37g量り取り入れた。各バッグ内のシャーレの蓋を開け2時間静置した後、気体検知管(ガステック社製 No.3La アンモニア用)を用い、気体採取器(株式会社ガステック製 型式GV−100S)でバッグ内の気体約30mLを吸引して、アンモニア濃度を測定した。吸引した際の気体採取器の引いた長さで補正をかけて測定値を求め、低減率を算出した。
アンモニアの低減率は下式のように算出した。
低減率(%)=(ブランクのガス濃度−試料入りのガス濃度)÷(ブランクのガス濃度)×100
本結果を表4に示す。
Figure 2017185214
<実施例9、10及び比較例9、10>メチルメルカプタン消臭能力試験
2個の蓋つきガラス製シャーレ(内径27mm)を用意し、上記(1)、(2)のポリマーをそれぞれ5.0g秤量した。また比較例として、上記(3)のポリマー5.0gを入れたシャーレ、及び、ブランクとして空のシャーレを用意した。
この4個のシャーレに蓋をして、それぞれコック付きサンプリングバッグ(ジーエルサイエンス株式会社製 テドラーバッグ 容量3L 型式AAK)に入れ、ヒートシールして完全に密閉した。各サンプリングバッグ内を真空にした後、窒素ガス1Lを量り入れた。その後、各バッグに約0.06%メチルメルカプタンナトリウム水をディスポシリンジを用いて0.40g量り取り入れた。各バッグ内のシャーレの蓋を開け2時間静置した後、気体検知管(株式会社ガステック社製 No.71 メチルメルカプタン用)を用い、気体採取器(株式会社ガステック製 型式GV−100S)でバッグ内の気体100mLを1回吸引して、メチルメルカプタン濃度を測定した。検知管による実測値をもとに、低減率を算出した。
メチルメルカプタンの低減率は下式のように算出した。
低減率(%)=(ブランクのガス濃度−試料入りのガス濃度)÷(ブランクのガス濃度)×100
本結果を表5に示す。
Figure 2017185214
実施例1〜10及び比較例1〜10で得られた消臭能力試験の評価結果を表6にまとめた。
Figure 2017185214
以上の結果から、VP架橋重合体及びポリビニルピロリドンは、ジアセチル、ノネナール、酢酸、アンモニア、メチルメルカプタンに対して優れた消臭能力を有することが明らかになった。

Claims (5)

  1. ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)由来の構造単位(a)を有する重合体を含むことを特徴とする消臭剤。
  2. 前記ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)は、ピロリドン環を有する不飽和単量体であることを特徴とする請求項1に記載の消臭剤。
  3. 前記重合体は、構造単位(a)の割合が、全構造単位100質量%に対して50〜100質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の消臭剤。
  4. 前記重合体は、架橋構造を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の消臭剤。
  5. ラクタム構造を有する不飽和単量体(A)由来の構造単位(a)を有する重合体を備えた消臭器。
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