図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造に取り付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に遊技者が押下操作可能な演出ボタンSW6aと十字キーボタンSW6b(「SW」はスイッチを意味する)とを有する演出操作装置6が装着されている。
尚、演出ボタンSW6aは、押下操作が可能なものに限定されず、回動可能なダイヤル型ボタンSW、タッチパネルのような接触操作や押圧操作が可能なもの、レバー型SWやハンドル型SWのような傾動動作が可能なものであってよい。また、演出ボタンSW6aに代えて、例えば、赤外線センサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。即ち、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、或いは電磁的に検出できるように構成されていればよい。
貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。尚、遊技者が発射ハンドル7に設けられた発射停止ボタン(図示略)を操作することにより遊技球の発射が一時的に停止される。
図2、図3に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10、開閉式の第2始動口11aを有する始動口装置11、ゲート12、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13、複数の一般入賞口14が、夫々遊技球が入球(入賞・通過)可能に図示の配置で設けられている。第1始動口10、ゲート12、複数の一般入賞口14には、夫々、そこに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10a、ゲートSW12a、複数の一般入賞口SW14aが付設されている。尚、実施例において、「入球」、「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
第2始動口装置11は、第2始動口11a、第2始動口11aを開閉する開閉部材11b、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11c、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11d(「SOL」はソレノイドアクチュエータを意味する)を有し、第2始動口11aは、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13a、大入賞口13aを開閉する開閉部材13b、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13c、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dを有し、大入賞口13aは、通常は遊技球が入球し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い(入賞可能な)開状態とに作動し得る。
このパチンコ遊技機1では、遊技者が発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4aに発射させる際、遊技球の発射強度を調節して所謂「左打」「右打」の打ち分けを行うことができる。「左打」では、遊技球がセンタ役物15の左側に位置する左側遊技領域4a1を落下し、「右打」では、遊技球がセンタ役物15の上側に形成された右打ち通路を通ってセンタ役物15の右側に位置する右側遊技領域4a2へ移動して右側遊技領域4a2を落下する。
遊技領域4aに発射された遊技球が、入賞口10,11a,13a,14の何れかに入賞した場合、遊技球1個の入賞につき入賞口10,11a,13a,14毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として貯留皿5に払い出され、入賞口10,11a,13a,14の何れにも入賞しなかった場合、最終的に排出口9から遊技領域4aの外部へ排出される。
遊技球が始動口10,11aに入賞すると大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選すると、大入賞口13aが開放する大当り遊技(特別遊技)が発生する。遊技球がゲート12を通過すると当り抽選が行われ、その当り抽選で当選すると、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特別図柄表示器19a、第2特別図柄表示器19b、普通図柄表示器19c、第1特別図柄保留ランプ19d、第2特別図柄保留ランプ19e、普通図柄保留ランプ19fを備えている。
第1特別図柄表示器19aには第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特別図柄保留ランプ19dには第1特別図柄保留数が表示され、その第1特別図柄保留数は4未満の場合に第1始動口10に遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特別図柄表示器19bには第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特別図柄保留ランプ19eには第2特別図柄保留数が表示され、その第2特別図柄保留数は4未満の場合に第2始動口11aに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特別図柄保留数が1以上の場合、第2特別図柄保留数が0の場合には、第1特別図柄保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特別図柄保留数が1以上の場合、第1特別図柄保留数に関わらず、第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普通図柄表示器19cには普通図柄が変動可能に表示され、普通図柄保留ランプ19fには普通図柄保留数が表示され、その普通図柄保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普通図柄保留数が1以上の場合、普通図柄保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
遊技盤4にはセンタ役物15が取り付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示装置16及び可動役物装置17が装備されている。センタ役物15は、その枠体15aが遊技盤4に形成された開口部(図示略)に嵌合装着され、その枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。
画像表示装置16は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、その画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ役物15の枠体15aの内側に視認可能に配置され、この画像表示装置16に遊技演出として各種の遊技演出画像(動画を含む)が表示される。
画像表示装置16の表示画面の中央部には、各種の遊技演出図画像を表示する図柄表示領域16aが形成されている。この図柄表示領域16aには、装飾用(演出用)の図柄として複数の演出図柄が変動表示される。第1特別図柄表示器19aにおける第1特別図柄の変動表示と、画像表示装置16における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器19bにおける第2特別図柄の変動表示と、画像表示装置16における演出図柄の変動表示とは同期している。
第1特別図柄表示器19aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器19bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、画像表示装置16aにおいて大当りであることを示唆する演出図柄の組み合わせ表示態様が停止表示される。また、第1特別図柄表示器19aにおいてハズレ図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器19bにおいてハズレ図柄が停止表示されるときには、画像表示装置16aにおいてハズレであることを示唆する演出図柄の組み合わせ表示態様が停止表示される。
画像表示装置16の表示画面の下部では、特別図柄の変動表示に対応した可変表示の保留数(特別図柄保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われ、第1特別図柄保留記憶数を表示する第1保留記憶表示領域16bと、第2特別図柄保留記憶数を表示する第2保留記憶表示領域16cが形成されている。第1,第2保留記憶表示領域16b,16cにおいて、第1及び第2特別図柄保留記憶の何れかの保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される。例えば、第1特別図柄保留記憶は「○」で表示され、第2特別図柄保留記憶は「●」で表示される。
可動役物装置17は、画像表示装置16に表示される遊技演出の一環として作動し、可動役物17aを画像表示装置16の画面前側において移動させる。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図3に示すように、制御装置20は、遊技制御基板21、払出制御基板22、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御基板25を備え、これら制御基板21〜25に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板23は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板21のコンピュータは、第1,第2始動口SW10a,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号、払出制御基板22からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板22、演出制御基板23に制御情報を出力する。
払出制御基板22のコンピュータは、遊技制御基板21からの制御情報、払出球検出SW26b、球有り検出SW26c、満タン検出SW26dからの信号を受けて、払出モータ26aを制御し、遊技制御基板21に制御情報を出力する。
演出制御基板23のコンピュータは、遊技制御基板21、画像制御基板24、ランプ制御基板25からの制御情報、演出操作装置6(演出ボタンSW6a、十字キーSW6b)からの信号を受けて、画像制御基板24、ランプ制御基板25に制御情報を出力する。
画像制御基板24のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報を受けて、画像表示装置16、スピーカ27を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。ランプ制御基板25のコンピュータは、演出制御基板23からの制御情報、可動役物装置17(原点SW)からの信号を受けて、演出表示用の枠ランプ28a、盤ランプ28b、可動役物装置17(電動モータ)を制御し、演出制御基板23に制御情報を出力する。
図4に示すように、遊技制御基板21の主にコンピュータにより、図示の各手段40〜46,52〜55,60が構成されている。
乱数更新手段40は、特別遊技を行うか否かを判定する為の16ビット構成の所謂ハード乱数である大当り乱数を、設定範囲(0〜65535)内で微小時間(0.1μs)毎に順次更新し、また、特別遊技を行う場合に大当り図柄を判定(決定)する為の8ビット構成の所謂ソフト乱数である大当り図柄乱数を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms)毎に順次更新する。更に、特別遊技を行わない場合に、特別図柄の変動パターン(変動時間)を、画像表示装置16で遊技者に特別遊技が行われる可能性が高いことを示唆するリーチ演出が実行可能な特定変動時間(13.5s)以上の特定変動パターンにするか否かを判定する為のリーチ乱数と、特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定(決定)する為の変動パターン乱数とを、夫々、設定範囲(0〜99)内で微小時間毎に順次更新する。
図柄情報取得手段41は、遊技球が第1始動口10に入賞したときに第1特別図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段40により更新された大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、および変動パターン乱数を1組の第1特別図柄情報として取得する。また、遊技球が第2始動口11aに入賞したときに第2特別図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段40により更新された大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、および変動パターン乱数を1組の第2特別図柄情報として取得する。
図柄情報取得手段41により取得された特別図柄情報が特別図柄情報記憶手段42に記憶(保留)され、特別図柄情報記憶手段42に記憶されている第1特別図柄情報の数が第1特別図柄保留数となり、特別図柄情報記憶手段42に記憶されている第2特別図柄情報の数が第2特別図柄保留数となる。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1,第2特別図柄保留数の何れかが1以上の場合、特別図柄を変動開始させる始動条件が成立して、この始動条件の成立毎に、特別図柄情報記憶手段42に記憶されている特別図柄情報が、順次1ずつ特別図柄情報判定手段43による判定に供して、特別図柄情報記憶手段42から消去(保留消化)される。ここで、複数の特別図柄情報が保留されている場合、それら複数の特別図柄情報は、図柄情報取得手段41により取得された順番で前記判定に供して保留消化され、但し、第1,第2特別図柄情報の両方が保留されている場合には、第2特別図柄情報が第1特別図柄情報よりも優先して前記判定に供して保留消化される。
特別図柄情報判定手段43において、大当り判定手段43aは、特別図柄を変動開始させる始動条件の成立により保留消化された当該特別図柄情報の大当り乱数に基づいて、遊技者に有利な大当り遊技を行うか否かを判定し、図柄判定手段43bは、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、当該特別図柄情報の大当り図柄乱数に基づいて、停止表示させる大当り図柄を判定(選択)して、当該大当り遊技中の大入賞口13aの開放パターン、つまり有利度合い(獲得できる遊技球の数)が異なる複数種類の大当り遊技の何れを行うかを判定するとともに、当該大当り遊技終了後の遊技状態を決定する。
具体的に、大当り判定手段43aは、図5に示す大当り判定テーブルを用いて、当該特別図柄情報の大当り乱数が大当り特定値と一致すると、大入賞口13aを開放する大当り遊技を行うと判定する。大当り遊技を行うと判定される確率(特別図柄の大当り当選率)として、大当り当選確率が第1の確率(例えば、約1/200)である「低確率遊技状態」と、大当り当選確率が当該第1の確率よりも高い第2の確率(例えば、約1/40)である「高確率遊技状態」とがある。大当り当選確率が高確率遊技状態のときは、低確率遊技状態のときよりも大当り当選が容易となり、単位時間あたりの大当りの当選可能回数が相対的に多くなるので、遊技者に有利な状態と言える。
図柄判定手段43bは、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、複数の大当り図柄(図6に示す大当り図柄A、B)の何れか1つを選択し、大当り遊技を行わないと判定された場合、ハズレ図柄を選択する。大当り図柄の選択について、当該特別図柄情報が第1特別図柄情報である場合は、図6に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、当該特別図柄情報が第2特別図柄情報である場合は、図6に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。
特別図柄情報判定手段43において、リーチ判定手段43cは、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、基本的に、画像表示装置16において複数の演出図柄の表示態様が所定のリーチ状態で表示されるが、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行わないと判定された場合、当該特別図柄情報のリーチ乱数に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動時間)を、画像表示装置16でリーチ演出を実行する為の特定変動パターンにするか否かを判定する。
特別図柄情報判定手段43において、変動パターン判定手段43dは、大当り判定手段43a、図柄判定手段43bによる判定結果に基づいて選択された図柄(大当り図柄A、B、ハズレ図柄の何れか)、リーチ判定手段43cによる判定結果(特定変動パターンにするか否か)、変動パターン乱数等に基づいて、特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定(決定)する。
特別図柄表示制御手段44は、第1特別図柄情報が保留消化されたことを契機に第1特別図柄の変動表示を開始させ、第2特別図柄情報が保留消化されたことを契機に第2特別図柄の変動表示を開始させ、つまり当該変動パターンで規定される変動時間、特別図柄を変動表示させた後に、大当り判定手段43a、図柄判定手段43bによる判定結果を示す判定図柄を確定停止表示させる。
大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合には、図柄判定手段43bにより選択された大当り図柄A、Bの何れか1つの大当り図柄を確定停止表示させ、大当り遊技を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を確定停止表示させる。
特別遊技実行手段45は、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、特別図柄表示制御手段44により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段43bにより選択された判定図柄(大当り図柄A、Bの何れか)が確定停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで大入賞口13aを開放する大当り遊技を行う。
図7に示すように、大当り遊技中の大入賞口13aの開放パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定される
具体的に、15R(「R」はラウンドを意味する)長期開放では、大入賞口13aが15Rに亙って開閉され、各Rは、大入賞口13aを開放して開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口を閉塞して終了する。4R長期開放では、大入賞口13aが4Rに亙って開閉され、各Rは、大入賞口13aを開放して開始後、4R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。尚、全ての特別遊技において、各R終了時から次R開始時までの(大入賞口13aが閉塞している)Rインターバル時間は約2秒に設定されている。このRインターバル時間は、各Rにおいて開放している大入賞口13aに入賞した遊技球が、次Rでの入賞とならないように、次R開始時(次の大入賞口13aの開放時)までに、大入賞口SW13cにより確実に検出され得る時間としている。
事前判定手段46は、特別図柄情報記憶手段42に記憶されている特別図柄情報が特別図柄情報判定手段43により判定される前に、具体的には、図柄情報取得手段41により特別図柄情報が取得された際に、その特別図柄情報に対して、特別図柄情報判定手段43(大当り判定手段43a、図柄判定手段43b、リーチ判定手段43c、変動パターン判定手段43d)による判定と同等の判定(即ち、大当り遊技を行うか否かの判定、大当り図柄、ハズレ図柄の決定、特定変動パターンにするか否かの判定、特別図柄の変動パターンの決定)を事前に行う。
一方、乱数更新手段40は、補助遊技を行うか否かを判定する為の8ビット構成のソフト乱数である当り乱数を、設定範囲(0〜199)内で微小時間(4ms)毎に順次更新し、また、補助遊技を行うと判定した場合に当り図柄を判定(決定)する為の8ビット構成のソフト乱数である当り図柄乱数を、設定範囲(0〜9)内で微小時間(4ms)毎に順次更新する。
図柄情報取得手段41は、遊技球がゲート12を通過したときに普通図柄保留数が4未満の場合に乱数取得条件が成立して、乱数更新手段40により更新された当り乱数、および当り図柄乱数を1組の普通図柄情報として取得する。図柄情報取得手段41により取得された普通図柄情報が普通図柄情報記憶手段52に記憶されている普通図柄情報の数が普通図柄保留数となる。
普通図柄が変動停止状態で、普通図柄保留数が1以上の場合、普通図柄を変動開始させる始動条件が成立して、この始動条件の成立毎に、普通図柄情報記憶手段52に記憶されている普通図柄情報が、順次1ずつ普通図柄情報判定手段53による判定に供して、普通図柄情報記憶手段52から消去(保留消去)される。ここで、複数の普通図柄情報が保留されている場合、それら複数の普通図柄情報は、図柄情報取得手段41により取得された順番で前記処理に供して保留消化される。
普通図柄情報判定手段53において、当り判定手段53aが、普通図柄を変動開始させる始動条件の成立により保留消化された当該普通図柄情報の当り乱数に基づいて、遊技者に有利な補助遊技を行うか否かを判定し、補助遊技を行うと判定した場合、図柄判定手段53bが、当該普通図柄情報の当り図柄乱数に基づいて、停止表示させる当り図柄を判定(選択)して、当該補助遊技中の第2始動口11aの開放パターン、つまり有利度合いの異なる複数の補助遊技の何れを行うかを決定し、補助遊技を行わないと判定した場合、ハズレ図柄を選択する。
当り判定手段53aにより補助遊技を行うと判定される確率(普通図柄の当選確率)として、「非時短遊技状態」と、「時短遊技状態」とがある。時短遊技状態は、非時短遊技状態と比べて、当り判定手段53aにより補助遊技を行うと判定される確率が相対的に高い(例えば、10/10)。また、時短遊技状態では、当り判定手段53aにより補助遊技を行うと判定された場合、第2始動口11aの開放時間が相対的に長く(例えば、1.0秒×6回、若しくは、2.0秒×3回)、また、普通図柄の変動時間が相対的に短い(0.5秒)状態である。即ち、時短遊技状態では、遊技球がゲート12を通過すると、比較的高い確率で補助遊技を行うと判定され、第2始動口11aが1.0秒×6回、若しくは、2.0秒×3回開放して、遊技球が第2始動11aに入賞し易い状態となる。また、時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、特別図柄の変動時間が短縮される。
一方、非時短遊技状態は、時短遊技状態に比べると、当り判定手段53aにより補助遊技を行うと判定される確率が相対的に低い(例えば、1/10)。また、非時短遊技状態では、当り判定手段53aにより補助遊技を行うと判定された場合、第2始動口11aの開放時間が相対的に短く(例えば、0.1秒×1回、若しくは、0.1秒×1回+5.6秒×1回)、普通図柄の変動時間が相対的に長い(例えば、12秒)状態である。即ち、非時短遊技状態では、遊技球がゲート12を通過すると、補助遊技を行うと判定される確率が比較的低く、且つ第2始動口11aが、0.1秒×1回、若しくは、0.1秒×1回+5.6秒×1回しか開放しないため、遊技球が第2始動口11aに入賞し難い状態となる。
普通図柄表示制御手段54は、普通図柄情報が保留消化されたことを契機に普通図柄の変動表示を開始させ、「非時短遊技状態」が設定されている場合には、12秒間、「時短遊技状態」が設定されている場合には、0.5秒間、普通図柄を変動表示させた後、普通図柄情報判定手段53による判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
補助遊技実行手段55は、当り判定手段53aにより補助遊技を行うと判定された場合、普通図柄表示制御手段54により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段53bにより選択された判定図柄(当り図柄a,bの何れか)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開放パターンで第2始動口11aを開放する遊技者に有利な補助遊技を行う。具体的には、図8、図9に示すように、補助遊技中の第2始動口11aの開放パターンは、当り図柄の種類及び遊技状態に応じて設定される。
遊技状態制御手段60は、図10に示すように、大当り遊技終了時に、低確率遊技状態又は高確率遊技状態に設定するとともに、非時短遊技状態又は時短遊技状態に設定する。尚、低確率遊技状態且つ非時短遊技状態を、「通常遊技状態」といい、高確率遊技状態且つ時短遊技状態を、「確変遊技状態」という。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には通常遊技状態を設定する。
遊技状態制御手段60は、図7に示すように、通常遊技状態(低確率遊技状態且つ非時短遊技状態)を設定した場合に、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定され、図柄判定手段43bにより大当り図柄A,Bの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態(高確率遊技状態且つ時短遊技状態)に設定変更する。
確変遊技状態では、大当り当選確率が通常遊技状態よりも高く、第2始動口11aに遊技球が入賞し易い。そのため、判定手段43aによる第2特別図柄の大当り判定が次々と行われると共に、比較的短時間で次の大当りになる。当該大当り遊技終了後も、確変遊技状態が継続する。一方、大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定され、大当りとならない特別図柄変動回数が特定変動回数(例えば、120回)に達すると、確変遊技状態から通常遊技状態へ移行される。このように、本実施例のパチンコ遊技機1は、大当り遊技終了後に大当りとならない特別図柄変動回数が特定変動回数(120回の図柄変動:所定回数目の図柄変動回数)行われるまで、確変遊技状態が設定されるST(Special Time)機と呼ばれるタイプのものである。
次に、特別図柄情報判定手段43において、変動パターン判定手段43dが特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する具体的な処理について説明する。特別図柄の変動パターンを決定するために、複数の変動パターン決定テーブルが存在し、変動パターン判定手段43dは、現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルを用いて、特別図柄を変動表示させる変動パターンを決定する。決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されると共に、演出制御基板23に送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが特定される。
「通常遊技状態」が設定されている場合、図11に示す通常遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いて第1又は第2特別図柄の変動パターンが決定される。尚、変動パターン決定テーブルは、大当り用変動パターン決定テーブルと、リーチハズレ用変動パターン決定テーブルと、非リーチハズレ用変動パターン決定テーブルとに分類される。
具体的に、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、図柄判定手段43bにより選択された大当り図柄及び当該第1又は第2特別図柄情報の変動パターン乱数に基づいて、複数の大当り用の変動パターンの中から1の変動パターンを決定する。尚、大当りとなる場合には基本的にリーチを行うように構成されているため、大当りとなる場合にはリーチ乱数を参照しない。
一方、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行わないと判定された(「ハズレ」となる)場合、当該第1又は第2特別図柄情報のリーチ乱数、変動パターン乱数及び第1又は第2特別図柄保留数に基づいて、図示の複数のハズレ用の変動パターンの中から1の変動パターンを決定する。尚、リーチ乱数および変動パターン乱数は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
「確変遊技状態」が設定されている場合、特別図柄変動回数が1回目〜119回目までは、図12に示す確変遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いて第1又は第2特別図柄の変動パターンが決定され、特別図柄変動回数が120回目(最終変動)のときは、図13に示す確変遊技状態用の変動パターン決定テーブルを用いて、第1又は第2特別図柄の変動パターンが決定される。尚、変動パターン決定テーブルは、大当り用変動パターン決定テーブルと、リーチハズレ用変動パターン決定テーブルと、非リーチハズレ用変動パターン決定テーブルとに分類される。
具体的に、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、図柄判定手段43bにより選択された大当り図柄及び当該第1又は第2特別図柄情報の変動パターン乱数に基づいて、複数の大当り用の変動パターンの中から1の変動パターンを決定する。尚、大当りとなる場合には基本的にリーチを行うように構成されているため、大当りとなる場合にはリーチ乱数を参照しない。
一方、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行わないと判定された(「ハズレ」となる)場合、当該第1又は第2特別図柄情報のリーチ乱数、変動パターン乱数及び第1又は第2特別図柄保留数に基づいて、図示の複数のハズレ用の変動パターンの中から1の変動パターンを決定する。尚、リーチ乱数および変動パターン乱数は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
図11、図12に示した変動パターン決定テーブルでは、同じ乱数値が得られた場合でも、異なる変動パターンが決定される場合がある。即ち、特別図柄の種類、特別図柄保留数、リーチ乱数値及び変動パターン乱数値が全て同じであっても、現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルによって変動時間(変動パターン)が異なる場合がある。
例えば、「確変遊技状態」が設定されているときには、第2始動口11aへの遊技球の入賞を狙う遊技が行われるが、図12に示した確変遊技状態用の変動パターン決定テーブル(第2特別図柄変動回数が1〜119回目)では、第2特別図柄保留数が1、2、3のときには、保留消化を促進するために、複数のハズレ用変動パターンのうち変動時間が最も短い3秒の短縮変動の変動パターン126が決定される割合が高く設定されている。一方、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、図柄判定手段43bにより選択された大当り図柄A(15R大当り図柄)および大当り図柄B(4R大当り図柄)の何れの場合も、第2特別図柄情報の変動パターン乱数に基づいて、例えば、同じ(共通の)変動パターン112が実行される場合がある。
他方、確変遊技状態において120回目の最終変動表示が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄変動回数が1〜119回目の変動パターンとは異なる最終変動表示専用の変動パターンが決定されるように構成されている。
具体的に、図13に示した確変遊技状態用の変動パターン決定テーブル(第2特別図柄変動回数が120回目の最終変動)を参照して、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行わないと判定された場合(「ハズレ」の場合)、第2特別図柄保留数にかかわらず、変動パターン乱数に基づいて、変動パターン211と変動パターン212の何れかを決定する。一方、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定され、図柄判定手段43bにより、大当り図柄A(15R大当り:第2特別遊技)が選択された場合、変動パターン221が一義的に決定され、大当り図柄B(4R大当り:第1特別遊技)が選択された場合、変動パターン221とは異なる変動パターン222が一義的に決定される。
図3、図4に示すように、演出制御基板23、画像制御基板24、ランプ制御手段25のコンピュータ等により、遊技演出を演出手段80(画像表示装置16、可動役物装置17、スピーカ27、ランプ28a,28b)に行わせる演出制御手段70が構成され、演出制御手段70は、図柄変動演出制御手段71、演出モード設定手段72、ステージ演出変更手段73、楽曲演出制御手段74、再生楽曲出力制御手段75、特別遊技演出制御手段76等を備えている。
図柄変動演出制御手段71は、画像表示装置16において、特別図柄情報判定手段43による判定結果に基づいて、複数の演出パターン中から選択された演出パターンに基づいて図柄変動演出を実行して、大当り遊技が行われる可能性があることを示唆する。複数の演出パターンの各々は、通常ハズレ演出パターン、リーチハズレ演出パターン、大当り演出パターンに分類される。
演出パターンを決定するために、図14、図15に示すように、複数の演出パターン決定テーブルが設けられ、図柄変動演出制御手段71は、特別図柄表示制御手段44により特別図柄表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに、当該特別図柄の変動パターン(変動パターン決定テーブルを用いて決定された変動パターン)に対応する演出パターンを、現在の演出モード(通常演出モード、確変演出モード)に対応する演出パターン決定テーブルを用いて決定する。
図14に示す通常演出モード用の演出パターン決定テーブル、図15に示す確変演出モード用の演出パターン決定テーブルには、夫々、複数の特別図柄の変動パターンの各々に対応付けられた複数の演出パターンと、複数の演出パターンの各々に対応する複数の演出内容(態様)とが格納されている。
「通常遊技状態」が設定されているときに、図14に示す通常演出モード用演出パターン決定テーブルを用いて、第1特別図柄が大当り図柄Aになる場合、変動パターン1(変動時間:17s)が決定されると、変動パターン1に対応する演出パターン1が決定され、第1特別図柄がハズレ図柄になる場合、変動パターン12(変動時間:13.5s)が決定されると、変動パターン12に対応する演出パターン12が決定される。
「確変遊技状態」が設定されているときに、図15に示す確変演出モード用演出パターン決定テーブルを用いて、例えば、確変遊技状態において、特別図柄変動回数が1〜119回目までは、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された場合、第1特別図柄及び第2特別図柄の何れが変動表示されているも、図柄判定手段43bにより選択された大当り図柄Aおよび大当り図柄Bの何れ場合でも、同じ(共通の)演出パターン(例えば、演出パターン112)が決定される場合がある。一方、特別図柄変動回数が120回目の最終変動のとき、第2特別図柄が変動表示されているときには、特別図柄変動回数が1〜119回目のときの演出パターンとは異なる演出パターンが実行されると共に、大当り図柄の種類に応じて異なる演出パターン(演出パターン221、演出パターン222)が決定される。
このように、演出パターンは、変動パターン判定手段43dにより決定された特別図柄の変動パターンに基づいて一義的に決定される。また、予告演出(例えばリーチ煽り演出や擬似連続演出等)やリーチ演出(SPリーチ演出、SP・SPリーチ演出)の実行の有無と、予告演出の種類やリーチ演出の種類が、実行される演出パターンによって一義的に決定される。尚、予告演出については、全ての予告演出が演出パターンによって一義的に決定されるわけではない。例えば、セリフ予告演出やミニキャラ予告演出等の所謂賑やかし的な予告演出は、その実行の有無が抽選により決定される。
リーチ煽り演出や擬似連続演出以外の予告演出の実行の有無を決定するために、演出パターンに応じた複数の予告演出抽選テーブルが設けられている。複数の予告演出抽選テーブルには、夫々、予告演出決定用乱数値と比較される数値(決定値)が設定されており、実行される演出パターンに応じた予告演出抽選テーブルを用いて、特別図柄の変動開始時に取得した予告演出決定用乱数から予告演出の実行の有無が抽選で決定される(図43のS237、S238等参照)。
尚、実行される演出パターンは、変動パターン判定手段43aにより決定された特別図柄の変動パターンに基づいて一義的に決定されるが、例えば、確変演出モードにおいてステージ演出が行われる場合、確変演出モードでは演出態様が異なる複数のステージ演出が用意され、同じ特別図柄の変動パターン(演出パターン)が選択された場合に、ステージ演出に応じた演出態様で図柄変動演出が行われる。尚、ステージ演出については、後で詳細に説明する。
次に、画像表示装置16で行われる演出パターンに(設定、記憶された演出内容)基づく図柄変動演出の具体例について説明する。
例えば、通常遊技状態のときに、図16に示すように、(1)3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「123」で確定停止表示された後、次に、演出パターン11(通常ハズレ)の図柄変動演出が実行される場合、(2)3組の演出図柄列が変動開始した後、(3)左側の演出図柄が「7」で仮停止表示され、次に、(4)右側の演出図柄が「3」で仮停止表示されて、左右の2つの演出図柄が同一図柄で揃わない非リーチ状態になった後、(5)中央の演出図柄が「5」で仮停止表示された後、(6)3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「753」で確定停止表示される。尚、3組の演出図柄列の各々は、例えば、「1」〜「9」の数字が描かれた9個の図柄で構成されている。
ここで、仮停止表示とは、一見すると3つの演出図柄が停止表示しているように見えるが、実際には3つの演出図柄が微動した状態(例えば、3つの演出図柄が上下に揺れ変動している状態)で図柄変動が継続していることを示している停止表示状態のことである。一方、確変停止表示とは、3つの演出図柄が微動しないことで図柄変動が終了して確定したことを示している停止表示状態のことである。
一方、演出パターン12(ノーマルリーチ(ハズレ))の図柄変動演出が実行される場合、(2)3組の演出図柄列が変動開始した後、(3)左側の演出図柄が「7」で仮停止表示され、次に、(7)右側の演出図柄が「7」で仮停止表示されて、左右の演出図柄が同一図柄で揃ったリーチ状態になり、次に(8)中央の演出図柄が「6」で仮停止表示された後、(9)3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「767」で確定停止表示される。
ここで、リーチ状態とは、右側の演出図柄と左側の演出図柄が仮停止したときに、同じ識別図柄で仮停止した状態をいう。具体的には、上述のように、左右の演出図柄が「7」「7」で仮停止表示している状態をいう。
一方、演出パターン1(ノーマルリーチ(当り))の図柄変動演出が実行される場合、(2)3組の演出図柄列が変動開始した後、(3)左側の演出図柄が「7」で仮停止表示され、次に、(7)右側の演出図柄が「7」で仮停止表示されて、左右の演出図柄が同一図柄で揃ったリーチ状態になり、次に(10)中央の演出図柄が「7」で仮停止表示された後、(11)3つの演出図柄が大当りの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「777」で確定停止表示される。
他方、演出パターン2(ノーマルリーチ→SP(当り))の図柄変動演出や演出パターン13(ノーマルリーチ→SP(ハズレ))の図柄変動演出が実行される場合、(7)左右の演出図柄が「7」「7」で仮停止表示された後、SPリーチ演出へ発展する。尚、「SP」はスペシャルを意味し、SPリーチ演出は、ノーマルリーチよりも大当り期待度が高い演出である。
図17に示すように、SPリーチ演出を行うにあたり、先ず、(12)仮停止表示状態の左右の演出図柄「7」「7」が画面隅側へ移動して縮小表示され、(13)SPリーチ演出が行われる。このSPリーチ演出では、例えば、所定のモチーフに関連する敵のキャラクタを示すピッチャーと、味方のキャラクタを示すバッターとが登場して、バッターがホームランを打つ成功演出が行われることで大当り当選したことを示唆する一方で、バッターが空振りする失敗演出が行われることでハズレであることを示唆する、一連のSPリーチ演出専用の動画が表示される。
SPリーチ演出において成功演出となった後、(14)3つの演出図柄が大当りの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「777」で仮停止表示された後、(15)その仮停止表示状態の「777」が確定停止表示される。一方、SPリーチ演出において失敗演出となった後、(16)3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「767」で仮停止表示された後、(17)その仮停止表示状態の「767」が確定停止表示される。
他方、演出パターン3(ノーマルリーチ→SP・SP(当り))の図柄変動演出や演出パターン14(ノーマルリーチ→SP・SP(ハズレ))の図柄変動演出が実行される場合、(7)左右の演出図柄が「7」「7」で仮停止表示された後、SP・SPリーチ演出へ発展する。尚、SP・SPリーチ演出は、SPリーチ演出よりも大当り期待度が高い演出である。
図17に示すように、SP・SPリーチ演出を行うにあたり、先ず、(12)仮停止表示状態の左右の演出図柄「7」「7」が画面隅側へ移動して縮小表示され、(18)SP・SPリーチ演出が行われる。このSP・SPリーチ演出では、所定のモチーフに関連した味方のキャラクタと敵のキャラクタとが対戦して、味方のキャラクタが敵のキャラクタを攻撃して勝利する成功演出が行われることで大当りであることを示唆する一方で、味方のキャラクタが敵のキャラクタによる攻撃により敗北する失敗演出が行われることでハズレであることを示唆する、一連のSP・SPリーチ演出専用の動画が表示される。
SP・SPリーチ演出において成功演出となった後、(19)3つの演出図柄が大当りの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「777」で仮停止表示された後、(20)その仮停止表示状態の「777」が確定停止表示される。一方、SP・SPリーチ演出において失敗演出となった後、(21)3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「767」で仮停止表示された後、(22)その仮停止表示状態の「767」が確定停止表示される。
演出パターン5(ノーマルリーチ→SP→SP・SP(ハズレ))の図柄変動演出や演出パターン15(ノーマルリーチ→SP→SP・SP(当り))の図柄変動演出が実行される場合、(7)左右の演出図柄が「7」「7」で仮停止表示された後、(12)仮停止表示状態の左右の演出図柄「7」「7」が画面隅側へ移動して縮小表示され、(13)SPリーチ演出が行われ、この演出が失敗演出になると、(16)3つの演出図柄が「767」で仮停止表示された後、SP・SPリーチ演出へ発展する演出(例えば、「SP・SP!!」のアイコンが演出図柄に重畳表示されることでSP・SPリーチが行われることを事前に報知する演出)が行われると共に、中央の演出図柄が再変動して、(7)3つの演出図柄が再び「7↓7」のリーチ状態で表示されて、(12)を経由して(18)SP・SPリーチ演出へ発展した後、大当りになる場合において、成功演出が行われると、(19)→(20)が行われるときと、失敗演出が行われて、(21)3の演出図柄が「767」で仮停止表示された状態で、復活大当りとなる演出(例えば、可動役物17aが画面前側に出現して大当りであることが確定的に報知される演出)が行われるときと、がある。一方、ハズレになる場合には、失敗演出が行われると、(21)→(22)が行われる。
また、演出パターン4(リーチ煽り→ノーマルリーチ→SP→SP・SP(当り))の図柄変動演出が実行される場合には、予告演出を実行することが一義的に決定され、その予告演出としてリーチ煽り演出が実行される。リーチ煽り演出は、3組の演出図柄列が変動開始した後、左側の演出図柄が仮停止して、右側の演出図柄が、仮停止した左側の演出図柄と同じ図柄、即ち、リーチを構成する図柄で仮停止表示するか否かを煽り、この演出が成功することでリーチ成立となり、この演出が失敗することでリーチ不成立となる演出である。
演出モード設定手段72は、遊技状態に応じて複数の演出モードの何れかを設定する。演出モードは、例えば、現在の遊技状態を報知する演出画像を画像表示装置16に表示させること、及び/又は、画像表示装置16に背景画像、キャラクタ画像や演出図柄の表示態様(例えば書体)を他の演出モードにおける表示態様とは異なるものとすることなどにより、現在の遊技状態を遊技者に認識させる。
演出モードとして、通常演出モードと、確変演出モード(特定演出モード)と、が用意され、通常遊技状態のときに通常演出モードを設定することで通常遊技状態であることを報知し、確変遊技状態のときに確変演出モードを設定することで確変遊技状態であることを報知する。例えば、通常演出モードを設定しているときに、大当り当選し、当該大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定されると、確変演出モードが設定され、大当りとならない特別図柄変動回数が特定変動回数経過すると、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に移行すると共に、演出モードが確変演出モードから通常演出モードに移行する。
図18に示すように、通常演出モードには、演出態様の異なる複数のステージ演出(ステージI〜III)が用意され、ステージ演出ごとに、画像表示装置16に表示される背景画像が異なっている。通常演出モードにおいて、ステージIでは山を、ステージIIでは海を、ステージIIIでは空を、夫々題材とする背景画像が表示される。演出モード設定手段72は、通常演出モードにおいて、設定しているステージ演出を、所定の切り換え条件が成立すると、他のステージ演出に切り換える(設定変更する)。
具体的に、例えば、所定の切り換え条件として所定の図柄変動回数(例えば、50回)に達するごとに、図19に示す、一定の順序でステージ演出が切り換わる予め設定されたステージ切り換え順序、即ち、ステージI⇒ステージII⇒ステージIII⇒ステージI⇒ステージII・・・の繰り返しの切り換え順序に従ってステージ演出を切り換える。尚、ステージ演出ごとに、背景画像を異ならせると共に、図柄変動演出中に登場するキャラクタ画像も異ならせてもよい。また、所定の切り換え条件として、リーチハズレを契機に次の図柄変動から前記のステージ切り換え順序に従ってステージ演出を切り換えてもよいし、遊技者による演出ボタンSW6aや十字キーボタンSW6bの操作を契機に前記のステージ切り換え順序に従ってステージ演出の切り換えを行ってもよい。
図18に示すように、確変演出モードには、演出態様の異なる複数のステージ演出(ステージA〜C(第1演出態様、第2演出態様、第3演出態様))が用意され、ステージ演出ごとに、画像表示装置16に表示される背景画像が異なっている。確変演出モードにおいて、ステージAでは太陽を、ステージBでは海底を、ステージCでは月を、夫々題材とする背景画像が表示される。尚、ステージ演出ごとに、背景画像を異ならせると共に、演出図柄が変動表示されているときに登場するキャラクタ画像も異ならせてもよい。また、演出図柄の表示態様を確変演出モード専用の表示態様(例えば、図柄を金色で表示)としてもよい。
ここで、従来から、確変演出モードにおいて、通常演出モードのように、一定の順序でステージ演出が切り換わる予め設定されたシナリオに従って、所定の図柄変動回数に達するごとに、ステージ演出が切り換わる場合、確変遊技状態においては、大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定されて次の大当りに当選するまでに相対的に少ない図柄変動回数で大当り当選する可能性が高いため、遊技者が全てのステージ演出を見ることができなかった。更に、確変遊技状態において大当りに当選し、当該大当り遊技が終了すると、再度、確変遊技状態が設定されて大当りに当選する一連の大当りの回数である、所謂「連荘」が継続された状態(連荘継続中)において、確変遊技状態が設定される度に、開始ステージが常に同じステージ演出から始まるため、演出の内容が単調となって面白味に欠けるため、確変遊技状態のときに効果的な演出を行うことができなかった。
そこで、本発明では、連荘継続中において、大当り遊技終了後の確変遊技状態のときに確変演出モードで実行するステージ演出の切り換え順序のシナリオについては、前回の確変演出モードのときに開始されたステージ演出とは演出態様の異なるステージ演出から開始できるように、前回の確変演出モードのときに開始されたステージ演出を開始ステージとする切り換え順序のシナリオを除いた複数のシナリオのうちから1のシナリオを決定するように構成した。
図20(1)〜(4)に示すように、シナリオを決定するために、シナリオ決定テーブル(テーブル1〜テーブル4)が設けられ、シナリオ決定テーブルは、テーブル1〜4に分類される。ステージ演出変更手段73は、前回の確変演出モードで開始されたステージ演出を開始ステージとする切り換え順序のシナリオが含まれていない複数のシナリオを格納したテーブルを用いて、シナリオを決定する。
図20(1)に示すテーブル1は、通常遊技状態で大当り当選して(初当り)、当該大当り終了後のST1回目の確変遊技状態のときに用いられる。一方、図20(2)〜(4)にテーブル2〜4は、連荘継続中の確変遊技状態、つまり、ST2回目以降の確変遊技状態のときに用いられる。
シナリオ決定テーブルにおいて、テーブル1〜4の各々には、ステージ演出の切り換え順序が異なる複数のシナリオと、シナリオ決定用乱数値(0〜119)と比較される数値(決定値)が、複数のシナリオの各々に割り当てられている。ステージ演出変更手段73は、遊技状態制御手段60により確変遊技状態が設定されたときに取得された乱数値に基づいてシナリオを決定する。各テーブル1〜4では、複数のシナリオの各々の決定割合は、同じ割合に設定されている。尚、各テーブル1〜4において、複数のシナリオの各々の決定割合を異ならせてもよく、例えば、テーブル1において、シナリオ1,2よりも、シナリオ3〜6を高い割合で決定するように設定してもよい。
シナリオ1,2は、開始ステージがステージAから始まるステージ切り換え順序のシナリオである。シナリオ1は、ステージA⇒ステージB⇒ステージCの切り換え順序を繰り返すように構成され、シナリオ2は、シナリオ1とは異なる、ステージA⇒ステージC⇒ステージBの切り換え順序を繰り返すように構成されている。
シナリオ3,4は、開始ステージがステージBから始まるステージ切り換え順序のシナリオである。シナリオ3は、ステージB⇒ステージA⇒ステージCの切り換え順序を繰り返すように構成され、シナリオ4は、シナリオ3とは異なる、ステージB⇒ステージC⇒ステージAの切り換え順序を繰り返すように構成されている。シナリオ5,6は、開始ステージがステージCから始まるステージ切り換え順序のシナリオである。シナリオ5は、ステージC⇒ステージA⇒ステージBの切り換え順序を繰り返すように構成され、シナリオ6は、シナリオ5とは異なる、ステージC⇒ステージB⇒ステージAの切り換え順序を繰り返すように構成されている。
ステージ演出変更手段73は、所定の切り換え条件が成立すると(例えば、図柄変動回数が所定回数(例えば、20回)に達するごとに)、決定したシナリオのステージ切り換え順序に従って、実行しているステージ演出を他のステージ演出に切り換える。尚、所定の切り換え条件として、リーチハズレを契機に次の図柄変動からステージ演出を切り換えてもよいし、遊技者による演出ボタンSW6aや十字キーボタンSW6bの操作を契機にステージ演出の切り換えを行ってもよい。
図21に示すように、通常遊技状態において大当り当選すると(初当り)、大当り遊技が行われた後にST1回目の確変遊技状態が設定され、確変演出モードで実行するステージ演出の切り換え順序のシナリオを決定するにあたり、テーブル1を用いて、ステージAを開始ステージとするシナリオ1が決定されると、ステージAを開始してから、第2特別図柄の変動回数が20回に達するごとに、ステージB⇒ステージC⇒ステージA⇒ステージB・・・の切り換え順序に従ってステージ演出が切り換わる。尚、ST1回目のときは、シナリオ決定テーブルを用いずに、必ず、シナリオ1を設定するようにしてもよい。
ST1回目の確変遊技状態においてに大当り当選すると、当該大当り遊技終了後にST2回目の確変遊技状態が設定され、確変演出モードで実行するステージ演出の切り換え順序のシナリオを決定するにあたり、前回の確変演出モードの開始ステージがステージAだったので、ステージAを開始ステージとするシナリオ1及びシナリオ2を除いた、テーブル2のシナリオ3〜6の中からシナリオを決定する。ステージBを開始ステージとするシナリオ3が決定されると、ステージBを開始してから、第2特別図柄の変動回数が20回に達するごとに、ステージA⇒ステージC⇒ステージB⇒ステージA・・・の切り換え順序に従ってステージ演出が切り換わる。
ST2回目の確変遊技状態において大当り当選すると、当該大当り遊技終了後にST3回目の確変遊技状態が設定され、確変演出モードで実行するステージ演出の切り換え順序のシナリオを決定するにあたり、前回の確変演出モードの開始ステージがステージBだったので、ステージBを開始ステージとするシナリオ3及びシナリオ4を除いた、テーブル3のシナリオ1,2,5,6の中からシナリオを決定する。ステージCを開始ステージとするシナリオ6が決定されると、ステージCを開始してから、第2特別図柄変動回数が20回に達するごとに、ステージB⇒ステージA⇒ステージC⇒ステージB・・・の切り換え順序に従ってステージ演出が切り換わる。
このように、連荘継続中において、確変遊技状態のときに確変演出モードで実行するステージ演出の切り換え順序のシナリオについては、前回の確変演出モードのときに開始されたステージ演出を開始ステージとするシナリオ以外の複数のシナリオの中から1のシナリオを決定するため、連荘継続中において確変遊技状態が設定される度に、確変演出モードの開始ステージが毎回同じステージ演出から始まることがなく、連荘継続中の確変演出モードにおいて種々のステージ演出を見ることが可能になるから、確変遊技状態のときに効果的な演出を行うことができる。
楽曲演出制御手段74は、予め記憶されている複数の楽曲の音声制御データの中から実行されるステージ演出に対応した楽曲の音声制御データを選択すると共に、音声制御データにより指定される音声態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行う。
図22に示すように、確変演出モードが実行されているときには、複数のステージA〜Cの各々に対応付けられた複数の楽曲(楽曲A〜C)の音声制御データの何れかが選択される。尚、図示を省略するが、通常演出モードにおいても、複数のステージI〜IIIの各々に対応付けられた複数の楽曲の音声制御データの何れかが選択される。
図23に示すように、確変演出モードでステージ演出が実行されているときに再生される複数の楽曲の各々は、イントロ、メロ、サブ、アウトロの複数の音声パートで構成され、各楽曲に対応した音声制御データは、楽曲を構成する複数の音声パートの音声態様、複数の音声パートの再生順序と各音声パートの再生出力開始時間を示すデータである。各音声パートの再生出力開始時間は、イントロを開始してからの経過時間でもって設定されている。
図23(1)に示すように、確変演出モードでステージAが実行されているときに再生される楽曲Aは、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ,Dメロ、アウトロで構成され、楽曲Aに対応した音声制御データは、イントロ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒Dメロ⇒アウトロの順序で、スタートと同時にイントロから始まり、スタートから、20s経過するとAメロ、40s経過するとBメロ、60s経過するとサビ、90s経過するとDメロ、110s経過するとアウトロ、が再生されるように構成されている。尚、アウトロが再生された後は、再び、イントロに戻って、前記と同様の順序で各音声パートが再生される。
図23(2)に示すように、確変演出モードでステージBが実行されているときに再生される楽曲Bは、イントロ、Eメロ、Fメロ、サビ、Hメロ、アウトロで構成され、楽曲Bに対応した音声制御データは、イントロ⇒Eメロ⇒Fメロ⇒サビ⇒Hメロ⇒アウトロ、の再生順序で、スタートと同時にイントロが始まり、スタートから、15s経過するとEメロ、30s経過するとFメロ、45s経過するとサビ、70s経過するとHメロ、90s経過するとアウトロ、が再生されるように構成されている。尚、アウトロが再生された後は、尚、アウトロが再生された後は、再び、イントロに戻って、前記と同様の順序で音声が再生される。
図23(3)に示すように、確変演出モードでステージCが実行されているときに再生される楽曲Cは、イントロ、Iメロ、Jメロ、サビ、Lメロ、アウトロで構成され、楽曲Cに対応した音声制御データは、イントロ⇒Iメロ⇒Jメロ⇒サビ⇒Lメロ⇒アウトロ、の再生順序で、スタートと同時にイントロが始まり、スタートしてから、10s経過するとIメロ、25s経過するとJメロ、40s経過するとサビ、65s経過するとLメロ、100s経過するとアウトロ、の順序で音声が再生されるように構成されている。尚、アウトロが再生された後は、再び、イントロに戻って、前記と同様の順序で音声が再生される。
ここで、従来の楽曲の出だしの音声については、通常演出モードにおいて、ステージ演出の切り換えが行われると、楽曲も切り換わり、その切り換わった楽曲の出だしの音声がイントロから始まるように設定されていた。確変演出モードにおいても、従来であれば、通常演出モードと同様に、ステージ演出の切り換えが行われると、楽曲も切り換わり、その切り換わった楽曲の出だしの音声がイントロから始まるように設定されていた。しかし、確変遊技状態においては、大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定されて次の大当りに当選するまでに相対的に少ない図柄変動回数で大当り当選する可能性が高いため、出力される楽曲のイントロしか聞くことができず、遊技者が聞きたい音声パート(例えばサビのパート)を聞くことができないことがあるため、楽曲による音演出が単調となるから、効果的な音演出を行うことができなかった。
そこで、本発明においては、通常遊技状態では確変遊技状態よりも大当り当選確率が低確率に設定されるから大当り当選するまでに出力された楽曲のイントロからアウトロまでの全ての音声パートを聞くことが可能であるため、通常演出モードについては、楽曲の出だしの音声をイントロから始めるように構成し、確変遊技状態では、大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定されて次の大当りに当選するまでに相対的に少ない図柄変動回数で大当り当選する可能性が高いため、確変演出モードについては、連荘継続中における確変遊技状態であるか否かに応じて、楽曲の出だしの音声をイントロから始めるときと、イントロ以外の音声パートから始めるときと、があるように構成した。具体的には、確変演出モードにおいて、実行されるステージ演出に応じて選択された楽曲の開始音声パート(出だしの音声パート)を抽選により決定し、音声制御データを参照して、その音声パートのイントロ開始からの再生開始時間を指定することで、その再生開始時間に対応する音声パートから音声を出力することを可能にした。
図24に示すように、楽曲A用の開始音声決定テーブルが設けられ、この開始音声決定テーブルには、開始音声決定用乱数値(0〜99)と比較される数値(決定値)が、楽曲Aを構成する複数の音声パートの各々に割り当てられており、遊技制御手段60により確変遊技状態が設定されたときに取得された乱数値に基づいて楽曲Aの出だしの音声パートを決定する。
楽曲演出制御手段74は、楽曲Aの開始音声パートを決定するにあたり、図24の楽曲A用の開始音声決定テーブルを用いて、「Bメロ」を決定すると、楽曲Aの出だしの音声パートがBメロから始まるように、楽曲A用の音声制御データを参照してイントロ開始から40s経過した時間を、開始音声の再生開始時間として指定する開始音声選択処理を行う。
楽曲Aを再生するにあたり、イントロは10%、Aメロは15%、Bメロは20%、サビは30%、Dメロは15%、アウトロは10%、の割合で開始音声パートを決定する。特に、サビが、他の音声よりも高い割合で開始音声パートとして決定される。楽曲演出制御手段74は、音声制御データに基づいて、決定された開始音声の開始タイミング(開始音声パートの再生開始時間)を含む開始音声指定データ(開始音声指定データ1〜6の何れか)を再生楽曲出力制御手段75(液晶制御基板24のコンピュータ)に送信する。
尚、図示を省略するが、楽曲B用の開始音声決定テーブル、楽曲C用の開始音声決定テーブルが設けられ、この開始音声決定テーブルを用いて、楽曲Bや楽曲Cを再生するにあたり、開始音声パートを決定する。
再生楽曲出力制御手段75は、楽曲演出制御手段74から受信した開始音声パートの再生開始時間を指定した開始音声指定データ(開始音声指定データ1,2・・・)を特定して、図26に示す開始音声指定データテーブルを用いて、ステージ演出の切り換えに伴って、特定した再生開始時間に対応する開始音声パートを決定し、その決定した開始音声パートの音声をスピーカ27に出力させる。図25(1)に示すように、再生楽曲出力制御手段75は、楽曲Aを再生するにあたり、開始音声指定データ1の場合には、ステージAの開始に伴ってイントロから始めて、その後、Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒Dメロ⇒アウトロ、の再生順序でスピーカ27から音声を出力させる。
図25(2)に示すように、開始音声指定データ4の場合には、楽曲Aを再生するにあたり、ステージAの開始に伴ってサビから始めて、その後、音声制御データに基づいて、Dメロ⇒アウトロ⇒イントロ⇒Aメロ⇒Bメロ、の再生順序でスピーカ27から音声を出力させる。
このように、連荘継続中において、確変遊技状態のときの楽曲の音声の出だしが、イントロ以外の音声パートから始まることもあるため、連荘継続中に遊技者が聞きたいパートの音声を聞くことが可能になるから、連荘継続中における確変遊技状態のときの音演出による演出効果を高めることができると共に、ステージ演出との相乗効果も期待することができる。
連荘継続中における確変遊技状態において、確変演出モードで行われるステージ演出と楽曲による音演出の具体的な流れを説明すると、図27に示すように、例えば、連荘継続中のときのST2回目の確変遊技状態において、確変演出モードで行われるステージ演出については、テーブル2を用いて決定されたシナリオ3のステージ切り換え順序に従って、第2特別図柄変動回数が20回に達するごとに、実行されているステージ演出が他のステージ演出に切り換わると共に、確変演出モードで行われる音演出については、ステージ演出が切り換わるごとに、その切り換わったステージ演出に対応する楽曲の音声が出力される。尚、連続継続中における大当り遊技状態では、特別遊技演出制御手段により大当り中演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)が行われると共に、その大当り中演出に対応した大当り楽曲が出力される。
ST2回目の確変遊技状態において、特別図柄変動回数(ST継続回数)が120回目の最終変動のときに、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、図13で説明したように、最終変動表示専用の変動パターンが決定されると共に、図15で説明したように、その変動パターンに対応する最終変動表示専用の大当り/ハズレの演出パターンが決定される。
ここで、従来において、確変遊技状態のときには、図12で説明したように、大当り判定手段43aにより「ハズレ」と判定され、第2特別図柄保留数が1〜3個の何れかである場合、短縮変動の変動パターン126が選択される割合が高いため、その変動パターン126に対応する演出パターン126が行われると、最終変動表示に対する遊技者の注目を惹き付けるような効果的な演出を行うことができなかった。
そこで、本発明では、図13、図15で説明したように、確変遊技状態において第2特別図柄による最終変動表示のときに、最終変動表示よりも前の第2特別図柄による変動表示が行われているときに実行される演出パターンとは異なる、図28に示す最終変動表示専用の演出パターンで図柄変動演出を行い、更に、大当りと判定された場合には、大当り図柄の種類に応じて異なる最終変動表示専用の大当り演出パターンで図柄変動演出を行うように構成した。
図28(1)〜(4)に示す最終変動表示専用の大当り/ハズレの演出パターン211、212、221、222においては、3つの演出図柄列が変動表示を開始(T0)してから、T1になるまでは何れの演出パターンが実行されているかは判らない。T1のときに、画面が暗転することで、ハズレ(4R大当りガゼ)の演出パターン212と4R大当りの演出パターン222の何れかが実行されていることが判る。つまり、画面が暗転することで4R大当りに当選していることを期待することができる。一方、T1のときに、画面が暗転しない場合には、ハズレの演出パターン211と15R大当りの演出パターン221の何れかが実行されていることが判る。つまり、画面が暗転しないことで15R大当りに当選していることを期待することができる。
4R大当りガセ(ハズレ)の演出パターン212と4R大当りの演出パターン222では、画面暗転後、T2になると、当落煽り演出が行われて、成功演出と失敗演出の何れかによってT3以降の演出態様が異なるように構成されている。他方、ハズレの演出パターン211と15R大当りの演出パターン222では、T4までは、同じ演出態様で進行し、T4以降の演出態様が異なるように構成されており、最終変動表示に対する遊技者の注目を高めることができる。
次に、画像表示装置16で行われる演出パターン211、212、221、222に基づく図柄変動演出の具体例について説明する。
図28(1)に示す演出パターン211(ハズレの演出パターン)の図柄変動演出が行われる場合、図29に示すように、(1)119回目の第2特別図柄の変動表示において、3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「643」で確定停止表示された後、(2)最終変動表示の開始時に、当該変動回数が最終変動回数目であることを報知する「0」の文字が表示される。
(3)3つの演出図柄列が高速変動表示された後、(4)3つの演出図柄列が画面右上隅側へ移動して演出図柄よりも小さいサイズの小図柄に縮小された状態で変動表示された後(小図柄変動表示)、3つの小図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「933」で仮停止表示されると、画面全体がシャッター画像により閉鎖された表示状態になる(つまり、ステージAの太陽の背景画像からシャッターによる閉鎖画像に切り換わる。)
(5)シャッター画像により画面全体が閉鎖された表示状態で、確変遊技状態の終了(確変演出モード(STモード)の終了)を報知する終了演出としてのリザルト表示が重畳表示される。このリザルト表示では、確変遊技状態(確変演出モード)が終了したことを示す「FIN」の文字と、連チャン数(連荘数)を表す「△△回(例えば2回)」と、総獲得出玉数を表す「○○pt(例えば2500pt)」の文字が示される。
その後、(6)シャッターが開くと共に、画面からリザルト表示が消去されると、画面全体が、通常演出モードの画面に切り換わる。通常演出モードのステージ演出は、一定の順番で切り換わるように予め設定されているため、ステージIの山背景画像が設定される。その後、シャッター画像が表示される前に表示されていた3つの小図柄と同じ組み合わせ表示態様で、3つの演出図柄「933」が仮停止表示された後、(7)左側遊技領域4a1(第1始動口10)に向けて遊技球を発射すべきことを示す「左打ち」の文字と左打ち報知矢印とが表示されると共に、「左打ちして下さい」の音声が出力され、仮停止表示状態の3つの演出図柄「933」が確定停止表示される。
図28(2)に示す演出パターン212(当落煽り演出ありのハズレの演出パターン)の図柄変動演出が行われる場合、図30に示すように、(1)119回目の第2特別図柄の変動表示において、3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「643」で確定停止表示された後、(2)最終変動表示の開始時に、当該変動回数が最終変動回数目であることを報知する「0」の文字が表示される。
その後、(3)3つの演出図柄列が高速変動表示を開始してから、その高速変動表示の途中で、(4)画面全体が暗転する暗転画像が表示されて(暗転演出)、当落煽り演出に発展することが予告される。なお、暗転画像が表示されると、3つの演出図柄列が画面右上隅側へ移動して演出図柄よりも小さいサイズの小図柄に縮小された状態で変動表示される(小図柄変動表示)。(5)当落煽り演出に発展すると、当該当落煽り演出では、拳銃を持った所定のモチーフのキャラクタが登場し、そのキャラクタが画面に向かって拳銃を発砲して、大当り判定手段43aの判定結果に基づいて、画面が割れない失敗演出が行われることでハズレであることが示唆され、画面が割れる成功演出が行われることで大当りであることが示唆される。当落煽り演出が行われると、遊技者は大当りであることの期待感を持って遊技を楽しむことができる。
この当落煽り演出において失敗演出が行われた後、(8)3つの小図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「573」で仮停止表示されると、画面全体がシャッター画像により閉鎖された表示状態になる
(9)シャッター画像により画面全体が閉鎖された表示状態で、リザルト表示が重畳表示される。その後、(10)シャッターが開くと共に、画面からリザルト表示が消去されると、画面全体が、通常演出モード(ステージIの山背景画像)の画面に切り換わり、3つの小図柄と同じ組み合わせ表示態様で、3つの演出図柄「573」が仮停止表示された後、(11)左側遊技領域4a1(第1始動口10)に向けて遊技球を発射すべきことを示す「左打ち」の文字と左打ち報知矢印とが表示されると共に、スピーカ27から「左打ちして下さい」の音声が出力され、仮停止表示状態の3つの演出図柄「573」が確定停止表示される。
一方、図28(4)に示す演出パターン222(4R大当りの演出パターン)の図柄変動演出が行われる場合、図30(1)→(2)→(3)→(4)→(5)が行われた後、(63)当落煽り演出において画面が割れる成功演出が行われることで大当りであることが示唆されて、(6)「BONUS獲得!」のアイコンが表示されて、4R大当りであることが確定的に報知される(大当り確定演出)。その後、3つの小図柄が大当りの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「222」で仮停止表示された後、(7)その仮停止表示状態の3つの小図柄「222」が確定停止表示される。大当り確定演出は、3つの演出図柄(3つの小図柄)が大当りの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様で確定停止表示される前に(即ち、特別図柄の判定図柄が大当り図柄で確定表示される前に)、遊技者に大当りであることを確定的に報知する演出である。
他方、図28(3)に示す演出パターン221(15R大当りの演出パターン)の図柄変動演出が行われる場合、図31に示すように、(1)119回目の第2特別図柄の変動表示において、3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「643」で確定停止表示された後、(2)最終変動表示の開始時に、当該変動回数が最終変動回数目であることを報知する「0」の文字が表示される。
その後、(3)3つの演出図柄列が高速変動表示を開始してから、その高速変動表示の途中で、(4)3つの演出図柄列が画面右上隅側へ移動して演出図柄よりも小さいサイズの小図柄に縮小された状態で変動表示された後(小図柄表示)、3つの小図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「933」で仮停止表示されると、シャッター画像により画面全体が閉鎖された表示状態になる(つまり、ステージAの太陽の背景画像からシャッターによる閉鎖画像に切り換わる。)
(5)シャッター画像により画面全体が閉鎖された表示状態で、リザルト表示が重畳表示される。その後、(6)シャッターが開くと共に、リザルト表示が消去されると、画面全体が、通常演出モード(ステージIの山背景画像)の画面に切り換わり(即ち、確変演出モードから通常演出モードへ移行したように見せかける)、シャッター画像が表示される前に表示されていた3つの小図柄と同じ組み合わせ表示態様で、3つの演出図柄「933」が仮停止表示された後、(7)右側遊技領域4a2(大入賞口13a)に向けて遊技球を発射すべきことを示す「右打ち」の文字と右打ち報知矢印とが表示されると共に、スピーカ27から「右打ちして下さい」の音声が出力される。
右打ち報知矢印は、通常の右打ち報知矢印の表示態様(例えば柄なしの表示態様)とは異なる、特殊表示態様(例えばゼブラ柄の表示態様)で表示される。また、「右打ちして下さい」の音声も通常態様の音声とは異なる特別態様の音声(特定のキャラクタによる音声)で行われる。通常演出モードに戻ったにもかかわらず、特殊表示態様の右打ち報知矢印の表示及び特別態様の音声により、遊技者に違和感を持たせると共に注目を集めさせることで、その後の遊技に対して期待感が生まれ、まだ、図柄変動が終了しておらず、チャンスが残っていることを遊技者に報知することができる。尚、右打ち報知矢印を通常の右打ち報知矢印の表示態様としてもよく、「右打ちして下さい」の音声も通常の音声にしてもよいし、右打ち報知矢印を特殊表示態様で表示して、音声を通常態様の音声にしてもよいし、右打ち報知矢印を通常の表示態様にして、音声を特殊態様の音声にしてもよい。
次に、(8)通常演出モードの山背景画像の画面が突如ブラックアウトして、大当り確定演出に発展することが予告される。そして、(9)画面中央に、「全回転だ」の文字アイコンが表示されることで、遊技者の注目をより効果的に集めて、大当り確定演出としての全回転演出が行われることが報知される。そして、(10)3つの演出図柄列が再度、高速変動表示されて、3つの演出図柄がハズレを示唆する組み合わせ表示態様から徐々に同一の図柄に揃っていく全回転演出が行われる。
(11)全回転演出では、3つの演出図柄を同一の図柄で揃えて仮停止させた表示態様(「111」、「222」・・・「999」)で変動表示させると共に、その変動表示中に所定の演出が行われる。所定の演出として、例えば、所定のモチーフの実写による動画が表示されると共に、所定のモチーフに関連するタイトルのアイコンが表示される。そして、(12)3つの演出図柄が「777」の同一の図柄揃いで画面上部から画面中央部分に降りてきて仮停止表示されることで、15R大当りであることが報知され、(13)その仮停止表示状態の「777」が確定停止表示される。
最終変動表示用の15R大当り専用の演出パターンでは、表示画面が通常演出モードの背景画像に戻ったときの遊技者のがっかり感を一転して歓喜に変える劇的且つ効果的な復活演出(逆転演出)が行われるので、遊技の興趣を高めることができる。
尚、最終変動表示が第1特別図柄の変動表示の場合に、大当りと判定されると、図13の変動パターン決定テーブルを参照して、大当り図柄の種類に応じて変動パターンが決定され、図15の演出パターン決定テーブルを参照して、決定された変動パターンに対応する演出パターンが一義的に決定される。つまり、最終変動表示が第1特別図柄の変動表示の場合に大当たりと判定されても、第2特別図柄の最終変動表示で大当りと判定された場合に実行される専用演出は行わない。
また、最終変動表示が第1特別図柄の変動表示の場合には、ハズレと判定されると、保留数に関係なく、1つの変動パターン(図13の変動パターン121)が決定され、その決定された変動パターンに対応する演出パターン121が一義的に決定される。演出パターン121の図柄変動演出では、リザルト表示は行われるが、当落煽り演出等は行われない。
次に、図4に示す各手段40〜46、52〜55、60、70〜75の機能を達成するために、制御装置20(遊技制御基板21、演出制御基板23、画像制御基板24)が実行する主要な処理についてフローチャートに基づいて説明する。
図32に示すように、遊技制御基板21のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、乱数更新処理(S1)、始動口スイッチ処理(S2)、ゲートスイッチ処理(S3)、特別図柄処理(S4)、普通図柄処理(S5)、大入賞口処理(S6)、賞球処理(S7)、出力処理(S8)が順次実行される。
図33に示すように、S2の始動口SW処理では、第1始動口SW10aがオンの場合(S11;Yes)、第1特別図柄保留数U1が4未満の場合に(S12;Yes)、第1特別図柄保留数U1がインクリメントされてU+1に更新され(S13)、大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、および変動パターン乱数(第1特別図柄情報)が取得・格納され(S14)、次に、事前判定処理(S15)が実行され、第1特別図柄保留数増加コマンドがセットされる(S16)。
第2始動口SW11cがオンの場合(S17;Yes)、第2特別図柄保留数U2が4未満の場合に(S18;Yes)、第2特別図柄保留数U2がインクリメントされてU2+1に更新され(S19)、大当り乱数、大当り図柄乱数、リーチ乱数、および変動パターン乱数(第2特別図柄情報)が取得・格納され(S20)、次に、事前判定処理(S21)が実行され、第2特別図柄保留数増加コマンドがセットされる(S22)。
S15、S21の事前判定処理では、基本的に、次に説明する特別図柄処理S38とS39と同等の処理が行われ、S16、S22では、S15、S21の事前判定処理の判定結果に関する情報を含む特別図柄保留数増加コマンドがセットされる。S16、S22でセットされたコマンド、および、その他のステップでセットされたコマンドについては、S6の出力処理により演出制御基板23に送信される。
図34に示すように、S4の特別図柄処理では、特別遊技フラグがONか否か判定され(S31)、S31の判定がNoの場合、つまり、大当り遊技実行中でない場合、特別図柄が変動中か否か判定され(S32)、S32の判定がYesの場合、S42へ移行する。
S32の判定がNoの場合、第2特別図柄保留数U2が1以上か否か判定され(S33)、S33の判定がYesの場合、第2特別図柄保留数U2がデクリメントされてU2−1に更新される(S34)。S33の判定がNoの場合、第1特別図柄保留数U1が1以上か否か判定され(S35)、S35の判定がYesの場合、第1特別図柄保留数U1がデクリメントされてU1−1に更新される(S36)。S35の判定がNoの場合、客待ち設定処理(S46)が実行される。S34又はS36の実行後、客待ちフラグがOFFにされ(S37)、大当り判定処理(S38)が実行され、続いて、変動パターン選択処理(S39)が実行される。
図35に示す、S38の大当り判定処理では、高確遊技フラグがONに設定されているか否か判定される(S51)。ここで、高確遊技フラグは、大当り判定において大当りであると判定される確率が相対的に高い高確率であるか否かを示すフラグである。高確率フラグがONに設定されていると判定された場合(S51;Yes)、図5の高確テーブルが選択され(S52)、特別図柄情報の大当り乱数が大当り特定値であるか否かに基づいて、大当りであるか否か判定され(S54)、大当りであると判定された場合(S54;Yes)、大当り図柄の種類を決定する図柄判定値処理が実行される(S55)。図柄判定値処理では、図6の図柄判定テーブルを参照して、特別図柄情報の特図判定値に基づいて大当り図柄A,Bの何れかが選択設定される(S56)。
一方、高確遊技フラグがONに設定されていないと判定された場合(S51;No)、図5の低確テーブルが選択され(S53)、ハズレであると判定された場合(S54;No)ハズレ図柄が設定される(S57)。この大当り判定処理に供された特別図柄情報は、特別図柄情報記憶手段32から消去される。
S39の変動パターン選択処理では、S38の大当り判定処理で設定された大当り図柄の種類又はハズレ図柄、大当りか否かの判定に供された大当り判定値と組のリーチ判定値、特別図柄変動パターン判定値、第1,第2特別図柄保留数、及び現在の遊技状態に基づいて、図11〜図13に示す変動パターン決定テーブルの何れかを参照して変動パターンとしての複数の変動時間の何れかが選択決定される。
遊技状態が低確率遊技状態且つ非時短遊技状態(通常遊技状態)に設定されている場合、図11の変動パターン決定テーブルを参照して変動パターンが選択される。一方、遊技状態が高確率遊技状態且つ時短遊技状態(確変遊技状態)に設定されている場合、特別図柄変動回数が1〜119回目のときは、図12の変動パターン決定テーブルを参照して変動パターンが選択される。特別図柄変動回数が120回目の最終変動のときには、図13の変動パターン決定テーブルを参照して最終変動表示専用の変動パターンが選択される。
S39の処理に続いて、第1又は第2特別図柄が変動開始され(S40)、S38で設定された判定図柄とS39で決定された変動パターン(変動時間)の情報を含む特図変動開始コマンドがセットされる(S41)。次に、S39で決定された変動時間が経過した場合(S42;Yes)、第1又は第2特別図柄が変動停止され(S43)、ここで、S38で設定された判定図柄が第1又は第2特別図柄表示器19a又は19bに表示される。続いて、S38で設定された判定図柄の情報を含む特別図柄変動停止コマンドがセットされ(S44)、停止中処理(S45)が実行される。
図36に示すように、S45の停止中処理では、時短遊技フラグがONに設定されているか否か判定される(S61)。時短遊技フラグがONに設定されていると判定された場合(S61;Yes)、時短遊技継続回数(時短遊技残余回数)Jが「1」減算された値に更新される(S62)。この時短遊技継続回数Jは、時短遊技状態で大当り判定が実行される残り回数を示すものであり、本実施例では、「120」回からカウントダウンされる。
S52の処理に続いて、時短遊技継続回数Jが「0」であると判定された場合 (S63;Yes)、時短遊技フラグがOFFに設定される(S64)。S54の処理が実行された場合、時短遊技フラグがONに設定されていないと判定された場合(S61;No)、又は時短遊技継続回数Jが「0」でないと判定された場合(S63;No)、高確遊技フラグがONに設定されているか否か判定される(S65)。
高確遊技フラグがONに設定されていると判定された場合(S65;Yes)、高確遊技継続回数(高確遊技残余回数)Xが「1」減算された値に更新される(S66)。この高確遊技継続回数Xは、高確状態で大当り判定が実行される残り回数を示すものであり、本実施例では、「120」回からカウントダウンされる。
S66の処理に続いて、高確遊技継続回数Xが「0」であると判定された場合(S67;Yes)、高確遊技フラグがOFFに設定される(S68)。これにより大当り判定が低確率状態で行われる。S68の処理が実行された場合、高確遊技フラグがONに設定されていないと判定された場合(S65;No)、又は高確遊技継続回数Xが「0」でないと判定された場合(S67;No)、大当りであるか否か判定される(S69)。
大当りであると判定された場合(S69)、大当り遊技フラグがONに設定される(S70)、時短遊技継続回数J及び高確遊技継続回数Xが「0」にリセットされ(S71)、時短遊技フラグ及び高確遊技フラグがOFFに設定される(S72)。S72の処理に続いて、大当り遊技が開始されることを通知するためのオープニング開始コマンドがセットされる(S73)。
このように、遊技状態を確変遊技状態に制御する場合には時短遊技フラグ及び高確遊技フラグの両方が「ON」に設定され、遊技状態を通常遊技状態に設定する場合には時短遊技フラグ及び高確遊技フラグの両方が「OFF」に設定される。
パチンコ遊技機1では、図32のS4の大入賞口処理によって大当り遊技が実行されるが、この大当り遊技におけるエンディングが終了すると、大当り遊技終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理が実行される。
図37に示すように、遊技状態設定処理では、大当り遊技におけるエンディングが終了すると、高確遊技フラグが「ON」に設定され(S81)、高確遊技継続回数(高確遊技残余回数)Xが「120」に設定される(S82)。そして、時短遊技フラグが「ON」に設定され(S83)、時短遊技継続回数(時短遊技残余回数)Jが「120」に設定される(S84)。
図38に示すように、演出制御基板23のコンピュータが実行するタイマ割込処理は微小時間(4ms)毎に開始され、そのタイマ割込処理において、遊技制御基板21からコマンドを受信して、このコマンドに基づく処理を実行可能なコマンド受信処理(S201)、演出操作装置6の操作に関する処理を実行可能な演出操作SW処理(S202)、画像制御基板24、ランプ制御基板25へコマンドを送信可能なコマンド送信処理(S203)が順次実行される。このコマンド送信処理が行われることによって、演出ボタンSW6aや十字キーボタンSW6bの操作に応じた遊技演出上の効果を実現するための処理が画像制御基板24及びランプ制御基板25に対して指示され、遊技演出画像表示や楽曲の音声出力等による遊技演出の実行が画像制御基板24に対して指示され、各種ランプ28a,28bや可動役物装置17の可動役物17aによる遊技演出の実行等がランプ制御基板25に対して指示される。
図39に示すように、S201のコマンド受信処理では、保留数増加コマンドを受信した場合(S211;Yes)、先読み情報保留処理(S212)が実行され、続いて、保留数加算処理(S213)が実行され、保留数加算処理の情報を含む保留数加算処理コマンドがセットされる(S214)。
S212の先読み情報保留処理では、受信した保留数増加コマンドが解析され、その解析情報に基づいて、先読み演出として、通常と異なるゾーン演出を行うか否か判定され、また、通常の表示態様とは異なる特殊表示態様の保留図柄を表示するか否か判定され、先読み演出を行うと判定された場合には、その先読み演出の開始タイミングが設定される。S214の処理に続いて、特別図柄変動開始コマンドを受信した場合(S215;Yes)、先読み情報消化処理が実行され(S216)、続いて、演出モード設定処理(S217)、ステージ移行処理(218)が実行される。
図40に示すように、S217の演出モード設定処理では、受信した特図変動開始コマンドに含まれている遊技状態コマンドが解析され(S271)、確変遊技状態が設定されたか否か判定される(S272)。確変遊技状態が設定された場合(S272;Yes)、確変演出モードが設定され(S273)、次に、確変演出モードで実行するステージ演出の切り換え順序を決定するためのシナリオ選択処理が実行される(S274)。
図41に示すように、S274のシナリオ選択処理では、前回の確変演出モードで選択されたシナリオがシナリオ記憶情報として記憶されているか否か判定され、シナリオ記憶情報が記憶されていない場合(S281;No)、つまり、今回の確変演出モードが、初当り後の確変遊技状態で設定される確変演出モードの場合、図20(1)のシナリオ決定テーブルのテーブル1がセットされ、テーブル1を参照して、シナリオ1〜6の何れかが選択される(S282)。
一方、シナリオ記憶情報が記憶されている場合(S281;Yes)、そのシナリオ記憶情報に基づいて前回の確変演出モードでシナリオ1or2が選択された場合(S283;Yes)、図20(2)のシナリオ決定テーブルのテーブル2がセットされ、テーブル2を参照して、シナリオ3〜6の何れかが選択される(S284)。
S283の判定処理がNoの場合、シナリオ記憶情報に基づいて前回の確変演出モードでシナリオ3or4が選択された場合(S285;Yes)、図20(3)のシナリオ決定テーブルのテーブル3がセットされ、テーブル3を参照して、シナリオ1,2,5,6の何れかが選択される(S286)。
S285の判定処理がNoの場合、つまり、シナリオ記憶情報に基づいて、前回の確変演出モードでシナリオ5or6が選択された場合、図20(4)のシナリオ決定テーブルのテーブル4がセットされ、テーブル4を参照して、シナリオ1〜4の何れかが選択される(S287)。
S282、S284、S286又はS287の処理後、S282、S284、S386又はS287の処理で選択されたシナリオがシナリオ記憶情報として記憶され(S288)、選択されたシナリオ情報を含む演出モードコマンドがセットされる(S289)。
図42に示すように、S218のステージ移行処理では、S219の演出モード設定処理で設定された演出モードが参照される(S291)。確変演出モードが設定されている場合(S292;Yes)、変動回数Nが「120」であるか否か判定される(293)。この変動回数Nは、確変遊技状態で特別図柄判定及び特別図柄変動回数の変動表示が実行される残り回数を示すものであり、大当り遊技の終了に伴って、図37の遊技状態設定処理で設定された高確遊技継続回数(高確遊技残余回数)Xと同じ値「120」に設定され、「120」からカウントダウンされて、確変遊技状態で特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が行われる毎に「1」減算される。
変動回数Nが「120」である場合(S293;Yes)、S274のシナリオ選択処理で選択されたシナリオが参照され(S294)、選択されたシナリオに基づいて、開始ステージ演出決定処理(295)が実行される。次に、再生楽曲決定処理が実行される(S296)。S296の再生楽曲決定処理では、図22で示した複数のステージA〜Cの各々に対応付けられた複数の楽曲(楽曲A〜C)の何れかが決定される。
一方、変動回数Nが「120」でない場合(S293;No)、変動回数Nが「100」、「80」、「60」、「40」、「20」の何れかである場合(S297;Yes)、ステージ演出切り換え処理が実行され(S298)、次に、再生楽曲切り換え処理が実行される(S299)。
S298のステージ演出切り換え処理では、S274のシナリオ選択処理で選択されたシナリオのステージ切り換え順序に基づいて切り換えるステージ演出を決定する。S299の再生楽曲切り換え処理では、S298のステージ演出切り換え処理で決定されたステージ演出に対応する楽曲が決定される。
S296又はS299の処理に続いて、再生楽曲指定コマンドがセットされる(S300)。次に、開始音声選択処理が実行されて(S301)、続いて、開始音声指定コマンドがセットされる(S302)。S301の開始音声選択処理では、S296又はS299で決定された楽曲の開始音声決定テーブル(図24参照)を用いて、楽曲の開始音声を決定すると共に、楽曲の音声制御データを参照して、決定された開始音声の再生開始時間を指定する処理が行われる。
画像制御基板24のコンピュータは、画像表示装置16に、演出制御基板23から受信する図柄変動演出終了コマンドに基づく図柄変動回数に応じてステージ演出の切り換えを行わせると共に、演出モードコマンドに基づいて、決定されたシナリオのステージ切り換え順序に従ってステージ演出の切り換えを行わせる。
また、画像制御基板24のコンピュータは、スピーカ27に、演出制御基板23から受信した図柄変動演出終了コマンドからく図柄変動回数に応じて楽曲の切り換え処理を行うと共に、受信した再生楽曲指定コマンドに基づいて再生する楽曲を特定すると共に、開始音声指定コマンドから特定した開始音声再生開始時間を特定して、その特定した楽曲の開始音声再生時間に対応する開始音声をスピーカ27に出力させる。
図39に示すように、S217の演出モード設定処理、S218のステージ移行処理が実行された後、図柄変動演出選択処理が実行される(S219)。図43に示すように、S219の図柄変動演出選択処理では、受信した特別図柄変動開始コマンドが解析され(S231)、現在の遊技状態が確変遊技状態であると判定した場合(S232;Yes)、変動回数Nが「0」であるか否かが判定される(S233)。
変動回数Nが「0」でないと判定された場合(S233:NO)、変動回数Nが「1」減算した値に更新される(S234)。S234の処理に続いて、又は現在の遊技状態が確変遊技状態でないと判定された場合(S232;No)、即ち、通常遊技状態である場合、又は変動回数Nが「0」であると判定された場合(S233;Yes)、演出パターン設定処理が実行される(S235)。
図44に示すように、S235の演出パターン設定処理では、現在の遊技状態が確変遊技状態でないと判定された場合(S251;No)、即ち、通常遊技状態である場合、図14で示した通常演出モード用の演出パターン決定テーブルがセットされる(S252)。現在の遊技状態が確変遊技状態であると判定された場合(S251;Yes)、変動回数Nが「2」〜「120」の何れかであるか判定される(S253)。
変動回数Nが「2」〜「120」の何れかであると判定された場合(S254)、図15で示した確変演出モード用の演出パターン決定テーブルがセットされる。一方、変動回数Nが「2」〜「120」の何れかではないと判定された場合(S253;No)、即ち、変動回数Nが「1」であって、最終変動回数目であると判定された場合、図15で示した最終変動表示用の演出パターン決定テーブルがセットされる(S255)。
S253の判定処理では、変動回数Nの値を高確遊技残余回数Xの値と比較して同じ値であることを照合し、同じ値であれば、図34のS39の変動パターン選択処理で選択された変動パターンが最終変動表示用の変動パターンであるか否か判定される。ここで、停電等により電源が遮断されたとき、変動回数Nはリセットされるが、復旧処理による電源復帰後に遊技制御基板21から特図変動開始コマンドを受信したときの高確遊技残余回数Xの値に基づいて、そのXの値を変動回数Nに反映させる。
高確遊技残余回数Xの値と変動回数Nの値が同じ値であることを参照して、S252、S254、S255の処理でセットされた演出パターン決定テーブルに基づいて、特別図柄の変動パターンに応じた演出パターンが一義的に決定される(S256)。
図43に示すように、S235の演出パターン設定処理で決定された演出パターンの情報を含む図柄変動演出開始コマンドがセットされる(S236)。次に、予告演出実行判定選択処理が実行され(S237)、擬似連続予告演出やリーチ煽り演出以外の予告演出(例えば、セリフ予告演出やミニキャラ予告演出等)を実行するか否かを抽選により決定して、予告演出を実行すると判定された場合(S238;Yes)、予告演出コマンドがセットされる(S239)。
S239の処理に続いて、又は予告演出を実行しないと判定された場合(S238;No)、大当り確定演出実行判定処理が実行され(S240)、実行される演出パターンに基づいて、大当り確定演出を実行するか否か判定される(S241)。大当り確定演出を実行すると判定された場合(S241;Yes)、大当り確定演出コマンドがセットされる(S242)。
画像制御基板24、ランプ制御基板25のコンピュータは、画像表示装置16、可動役物装置17、スピーカ27、ランプ28a,28bに、演出制御基板23から受信する図柄変動演出開始コマンドに基づいて、特別図柄が変動表示されているときには、演出パターンとして、通常ハズレ演出パターン、リーチハズレ演出パターン、大当り演出パターン、更に、予告演出コマンドに基づいて予告演出を、大当り確定演出コマンドに基づいて大当り確定演出を、夫々、特別図柄の変動時間に合わせて行わせる。
図39に示すように、S219の処理に続いて、又は特別図柄変動開始コマンドを受信してない場合(S215)、図柄変動演出終了中処理が実行される(S220)。図45に示すように、S219の図柄変動演出終了中処理では、受信した特別図柄変動停止コマンドが解析され(S261)、今回の図柄変動演出の契機となった特別図柄判定の判定結果が「大当り」であると判定された場合(S262;Yes)、変動回数Nが「120」にセットされる(S263)。
一方、「大当り」でないと判定された場合(S262;No)、設定されている演出モードが参照される(S264)。確変演出モードが設定されていると判定された場合(S265;Yes)、変動回数Nが「1」の場合(S266;Yes)、つまり、大当りとならない最終変動の変動パターンの変動表示が終了した場合、記憶領域に記憶されているシナリオ記憶情報が消去され(S267)、通常演出モードが設定され(S268)、続いて、図柄変動演出終了コマンドがセットされる(S269)。
図39に示すように、S221の処理に続いて、又は特別図柄変動停止コマンドを受信してない場合(S220;No)、大当り遊技の開始を通知するオープニングコマンドを受信した否か判定される(S222)。オープニングコマンドを受信した場合(S224;Yes)、特別遊技演出選択処理が実行される(S223)。S223の処理に続いて、又はオープニングコマンドを受信していない場合(S222;No)、大当り遊技の終了を通知するエンディングコマンドを受信した否か判定される(S224)。エンディングコマンドを受信した場合(S224;Yes)、エンディング演出選択処理が実行される(S225)。
S223の特別遊技演出選択処理では、受信したオープニングコマンドが解析され、その解析情報に基づいて、確定停止表示された大当り図柄(A又はB)に対応する大当り中演出パターンが一義的に決定され、その決定された大当り中演出パターンの情報を含む特別遊技演出開始コマンドがセットされる。
S225のエンディング演出選択処理では、大当り遊技後の遊技状態及び大当り遊技後の遊技状態に応じた演出モードを報知するために、受信したエンディングコマンドが解析され、その解析情報に基づいて、確定停止表示された大当り図柄(A又はB)に対応するエンディング演出パターンが一義的に決定され、その決定されたエンディング演出パターンの情報を含むエンディング演出開始コマンドがセットされる。S225の処理に続いて、又はエンディングコマンドを受信してない場合(S224;No)、客待ちコマンド受信処理が実行される(S226)。
画像制御基板24、ランプ制御基板25のコンピュータは、画像表示装置16、可動役物装置17、スピーカ27、ランプ28a,28bに、演出制御基板23から受信する特別遊技演出開始コマンドに基づいて、大当り中演出パターンを大当り遊技の進行に合わせて行わせ、エンディング演出開始コマンドに基づいて、エンディング演出パターンをエンディング遊技に合わせて行わせる。
以上説明したパチンコ遊技機1の作用・効果について説明する。
遊技者は、「通常遊技状態」が設定されているときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物16の左側の遊技領域4a1を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちにより第1始動口10への遊技球の入賞を狙う遊技を行い、「確変遊技状態」が設定されているとき、或いは大当り遊技が行われているときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物16の右側の遊技領域4a2を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちにより第2始動口11aへの遊技球の入賞、或いは第1,第2大入賞口13a,14aへの遊技球の入賞を狙う遊技を行う。
第1又は第2始動口10又は11aへ遊技球が入賞すると、大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、大入賞口13aが開放される大当り遊技が発生する。大当り遊技の終了後に、大当りとならない特別図柄の変動回数が特定変動回数(120回目の変動表示)経過するまでの間、確変遊技状態が設定される。
確変遊技状態において確変演出モードが設定され、この確変演出モードにおいて、演出態様の異なる複数のステージA〜Cの何れかが行われると共に、ステージ演出の切り換え順序のシナリオに従って、特別図柄変動回数が所定回数(例えば、20回)に達するごとに、実行されているステージ演出から他のステージ演出に切り換えられる。
ステージ演出の切り換え順序が異なる複数のシナリオの中から1のシナリオを決定するにあたり、前回の確定演出モードのときに開始されたステージ演出を開始ステージとするシナリオ以外の複数のシナリオの中から1のシナリオが決定される。また、音演出についても、楽曲を構成する複数の音声パートの何れかが決定される。
確変遊技状態において大当りに当選し、当該大当り遊技が終了するときに、再度、確変遊技状態に設定されて大当りに当選する一連の大当りの回数である、所謂「連荘」が継続された状態において、確変遊技状態が設定される度に、開始ステージが同じステージ演出から始まることがなく、連荘継続中に全てのステージ演出を見ることが可能になるから、確変遊技状態のときに効果的な演出を行うことができる。更に、楽曲についても、開始音声が常にイントロから始まる訳ではないから、ステージ演出との相乗効果を期待することができる。
確変遊技状態において、大当りとならない特別図柄変動回数が特定変動回数目(最終変動回数目)のときに第2特別図柄による図柄変動表示が行われる場合、大当り判定手段43aによりと大当りと判定され且つ図柄判定手段43bにより4R大当り図柄が判定された場合には、4R大当り専用の演出パターンが実行され、大当り判定手段43aにより大当りと判定され且つ図柄判定手段43bにより15R大当り図柄が判定された場合には、15R大当り専用の演出パターンが実行されるので、大当り図柄の種類に応じて異なる演出パターンで最終変動表示に対する遊技者の注目を惹き付けるような効果的な演出を行うことができる。
次に、実施例を部分的に変更する例について説明する。
[1]確変演出モードで実行するステージ演出の切り換え順序のシナリオを決定するにあたり、連荘継続中において、前回の確変遊技状態で大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定された(所定条件が成立した)ときに実行されていたステージ演出を開始ステージとする切り換え順序のシナリオを除いた複数のシナリオの中から1のシナリオを決定するようにしてもよい。
図46に示すように、通常遊技状態において、大当り当選すると、当該大当り遊技終了後のST1回目の確変遊技状態では、図20(1)のテーブル1を用いてステージAを開始ステージとするシナリオ1が決定される。尚、ST1回目のときは、必ず、ステージAを開始ステージとするシナリオAを設定するようにしてもよい。
ST1回目の確変遊技状態において、ステージAのときに大当り当選すると、当該大当り遊技終了後のST2回目の確変遊技状態では、図20(2)のテーブル2を用いて、ステージAを開始ステージとするシナリオ1及びシナリオ2を除くシナリオ3〜6の中からシナリオを決定する。ST2回目の確変遊技状態において、ステージBのときに大当り当選すると、当該大当り遊技終了後のST3回目の確変遊技状態では、図20(3)のテーブル3を用いて、ステージBを開始ステージとするシナリオ3及びシナリオ4を除くシナリオ1,2,5,6の中からシナリオを決定する。
[2]ステージ演出の切り換え順序のシナリオを決定するにあたり、通常遊技状態において大当り当選した初当り後のST1回目の確変遊技状態が設定されるときであって、連荘継続中の確変遊技状態(ST2回目、ST3回目、・・・)が実行される前に、連続継続中の確変遊技状態で実行される全てのステージ演出の切り換え順序をシナリオ抽選テーブルでもって予め決定するようにしてもよい。図47に示すように、例えば、初当り後のST1回目の確変遊技状態が設定されるときにシナリオ1が決定されると、ST1回目の確変遊技状態では、A⇒B⇒Cの切り換え順序、ST2回目の確変遊技状態ではB⇒C⇒Aの切り換え順序でステージ演出を切り換えるように予め設定される。尚、例えば、ST1〜10回目までを1セットとしたシナリオとして、ST11回目でシナリオ抽選をし直す又は同じシナリオでループしてもよい。
シナリオを予め決定するためのシナリオ抽選テーブルが設けられ、シナリオ抽選テーブルには、ステージ演出の切り換え順序が異なる複数のシナリオと、シナリオ決定用乱数値(0〜119)と比較される数値(決定値)が、複数のシナリオの各々に割り当てられている。ステージ演出変更手段73は、遊技状態制御手段60により初当り後の確変遊技状態が設定されたときに取得された乱数値に基づいてシナリオを決定する。
[3]ステージ演出の切り換えを、特別図柄変動回数が所定回数に達する度に、切り換え抽選テーブルを用いて抽選により決定するようにしてもよい。図48に示すように、ST1回目の確変遊技状態において、開始時にステージA、B、Cのうちから抽選によりステージAが決定され、特別図柄変動回数が変動開始から20回に達すると、ステージB、Cのうちから抽選によりステージBが決定され、特別図柄変動回数が変動開始から40回に達すると、ステージA、Cのうちから抽選によりステージAが決定され、その後、ST2回目の確変遊技状態において、ST1回目の確変遊技状態の開始時に実行されたステージAを除いたステージB、Cのうちから抽選によりステージBが決定され、特別図柄変動回数が変動開始から20回に達すると、ステージA、Cのうちから抽選によりステージAが決定される。
ステージ抽選テーブルには、ステージ決定用乱数値(0〜99)と比較される数値(決定値)が、複数のステージの各々に割り当てられており、図柄変動回数が所定回数に達したときに取得された乱数値に基づいてステージ演出を決定する。
[4]ステージ演出の切り換えを、図柄変動回数が所定回数に達したときに切り換えるように構成したが、図柄変動回数が所定回数に達したときにステージ演出変更抽選に当選した場合に、選択されたシナリオに基づいてステージ演出を切り換えるようにしてもよい。
[5]連荘継続中の確変遊技状態において、大当りとならない特別図柄変動回数が特定変動回数に達して確変遊技状態の終了時に未消化の第2特別図柄保留記憶がある場合に、第2特別図柄の変動パターンを決定する際に、図5に示す低確テーブルでの大当り判定手段43aの判定結果に基づいて、図11の変動パターン決定テーブルに替えて、図49の変動パターン決定テーブルを用いて第2特別図柄の変動パターンが決定される。
具体的に、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行わないと判定された場合(「ハズレ」の場合)、第2特別図柄保留数にかかわらず、変動パターン乱数に基づいて、変動パターン213と変動パターン214の何れかを決定する。変動パターン213は、短縮変動の変動パターン16よりも変動時間が短い超短縮変動の変動パターン213(変動時間:0.7s)であり、変動パターン214(変動時間:14s)よりも決定される割合が高く設定されている。
一方、大当り判定手段43aにより大当り遊技を行うと判定され、図柄判定手段43bにより大当り図柄A(15R大当り)が選択された場合、変動パターン223が一義的に決定され、大当り図柄B(4R大当り)が選択された場合、変動パターン224が一義的に決定される。
演出パターンについては、図49(2)の演出パターン決定テーブルを参照して、変動パターン213に対応する演出パターン213、変動パターン214に対応する演出パターン214、変動パターン223に対応する演出パターン223、変動パターン224に対応する演出パターン224が、夫々、一義的に決定される。
次に、画像表示装置16で行われる演出パターンに基づく図柄変動演出の具体的について説明する。
例えば、確変遊技状態の終了時に未消化のハズレ判定の第2特別図柄保留数が2個ある場合、図49(2)に示す演出パターン213(超短縮変動のハズレの演出パターン)の図柄変動演出が行われる場合について説明する。
図50に示すように、(1)119回目の第2特別図柄の変動表示において、3つの演出図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「643」で確定停止表示された後、(2)最終変動表示の開始時に、当該変動回数が最終変動回数目であることを報知する「0」の文字が表示される。
その後、(3)3つの演出図柄列が高速変動表示されて、(4)3つの演出図柄列が画面右上隅側へ移動して演出図柄よりも小さいサイズの小図柄に縮小された状態で変動表示された後(小図柄変動表示)、3つの小図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「573」で仮停止表示されると、画面全体がシャッター画像により閉鎖された表示状態になる(つまり、ステージAの太陽の背景画像からシャッターによる閉鎖画像に切り換わる。)
(5)シャッター画像により画面全体が閉鎖された表示状態で、確変遊技状態の終了(確変演出モード(STモード)の終了)を報知する終了演出としてのリザルト表示が重畳表示される。このときに、未消化の第2特別図柄保留がある場合(例えば、2個の第2特別図柄保留)、(6)リザルト表示が継続表示された状態において、(6)3組の小図柄列が超短縮変動表示を行った後、(7)ハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「421」で確定停止表示される。
続いて、(8)リザルト表示が継続表示された状態において、3組の小図柄列が超短縮変動表示を行った後、(9)ハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「933」で一旦仮停止表示すると、(10)シャッターが開くと共に、リザルト表示から通常演出モードの画面(ステージIの山背景画像)に移行して、シャッターが閉まる前に表示されていた3つの小図柄と同じ組み合わせ表示態様で、3つの演出図柄「933」が仮停止表示された後、(11)「左打ち」の文字と左打ち報知矢印とが表示されると共に、「左打ちして下さい」の音声が出力される。
このように、確変遊技状態の終了時に未消化の第2特別図柄保留(ハズレ判定)がある場合、遊技状態については、最終の図柄変動表示の終了後に確変遊技状態から通常遊技状態へ移行されるが、演出モードについては、最終の図柄変動表示から未消化の第2特別図柄保留に係る図柄変動表示が行われる間リザルト表示を継続させて、確変遊技状態が終了することを報知された状態で図柄変動表示を行うことで確変遊技状態が終了したようにみせて、確変演出モードから通常演出モードへスムーズに移行させることができる。
一方、確変遊技状態の終了時に未消化の第2特別図柄保留が2個ある場合(2個目の保留に4R大当りがある場合とない場合)において、保留2個目を消化するにあたり、演出パターン214(当落煽り演出ありのハズレの演出パターン)の図柄変動演出と演出パターン224(4R大当りの演出パターン)の図柄変動演出の何れかが行われる場合について説明する。
図51に示すように、最終の図柄変動表示の終了後(図51(1)→(2)→(3)→(4)→(5))、保留1個目を消化する場合、リザルト表示が継続表示された状態において、演出パターン213(超短縮変動のハズレの演出パターン)の図柄変動演出が行われる(図51(6)→(7))。
保留2個目を消化する場合、リザルト表示が継続表示された状態において、(8)3つの小図柄列が高速変動表示された後、(9)画面全体が暗転する暗転画像が表示されて(暗転演出)、当落煽り演出に発展することが予告される。(10)当落煽り演出に発展すると、当該当落煽り演出では、拳銃を持った所定のモチーフのキャラクタが登場し、そのキャラクタが画面に向かって拳銃を発砲して、大当り判定手段43aの判定結果に基づいて、リザルト表示の画面が割れない失敗演出が行われることでハズレであることが示唆され、リザルト表示の画面が割れる成功演出が行われることで大当りであることが示唆される。
当落煽り演出においてリザルト表示の画面が割れない失敗演出が行われると、(13)3つの小図柄がハズレの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「933」で仮停止表示されると、画面全体がシャッター画像により閉鎖された表示状態になる(14)シャッター画像により画面全体が閉鎖された表示状態で、リザルト表示が重畳表示される。その後、(15)シャッターが開くと共に、画面からリザルト表示が消去されると、画面全体が、通常演出モード(ステージIの山背景画像)の画面に切り換わり、3つの小図柄と同じ組み合わせ表示態様で、3つの演出図柄「933」が仮停止表示された後、(16)「左打ち」の文字と左打ち報知矢印とが表示されると共に、「左打ちして下さい」の音声が出力され、仮停止表示状態の3つの演出図柄「573」が確定停止表示される。
一方、当落煽り演出においてリザルト表示の画面が割れる成功演出が行われると、(11)「BONUS獲得!」のアイコンが表示されて、4R大当りであることが確定的に報知される(大当り確定演出)。その後、3つの小図柄が大当りの判定結果を示唆する組み合わせ表示態様「222」で仮停止表示された後、(7)その仮停止表示状態の3つの小図柄「222」が確定停止表示される。
他方、確変遊技状態が終了時に未消化の第2特別図柄保留が2個ある場合(2個目の保留が15R大当り)において、保留2個目を消化するにあたり、演出パターン223(15R大当りの演出パターン)の図柄変動演出が行われる場合について説明する。
図52に示すように、最終の図柄変動表示の終了後(図52(1)→(2)→(3)→(4)→(5))、保留1個目を消化する場合、リザルト表示が継続表示された状態において、演出パターン213(ハズレの演出パターン)の図柄変動演出が行われる(図51(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→(6)→(7))。
保留2個目を消化する場合、リザルト表示が継続表示された状態において、(8)3つの小図柄列が高速変動表示された後、(9)画面が突如ブラックアウトして、大当り確定演出に発展することが予告され、(10)画面中央に、「全回転だ」の文字アイコンが表示される。そして、(11)3つの演出図柄列が再度、高速変動表示された後、全回転演出が行われる。
(12)全回転演出では、3つの演出図柄を同一の図柄で揃えて仮停止させた表示態様で変動表示させる。そして、(13)3つの演出図柄が「777」の同一の図柄揃いで画面上部から画面中央部分に降りてきて仮停止表示されることで、15R大当りであることが報知され、(14)その仮停止表示状態の「777」が確定停止表示される。
このように、確変遊技状態の終了時に未消化の第2特別図柄保留がある場合、遊技状態については、最終の図柄変動表示の終了後に確変遊技状態から通常遊技状態へ移行されるが、演出モードについては最終の図柄変動表示から未消化の第2特別図柄保留に係る図柄変動表示が行われる間リザルト表示(終了演出)を継続表示させる。更に、確変遊技状態の終了後もリザルト表示が継続表示されている期間において、15R大当りに当選したときに実行される演出パターンと、4R大当りに当選したときに実行される演出パターンとが異なるので、確変遊技状態終了後の未消化の第2特別図柄保留に係る図柄変動表示に対する遊技者の注目を惹き付けるような効果的な演出を行うことができる。
[6]大当りについては、実施例で開示した4R大当り、15R大当り以外に、例えば、2R大当りや8R大当り等の種々のRの大当りを設け、確変遊技状態において、第2特別図柄による最終変動表示が行われる場合、判定手段43aにより大当りと判定されて、図柄判定手段43bにより2R大当り図柄が選択された場合には、4R、8R及び15R大当り専用の演出パターンとは異なる2R大当り専用の演出パターンで図柄変動演出を行い、8R大当り図柄が選択された場合には、2R、4R及び15R専用の演出パターンとは異なる8R大当り専用の演出パターンで図柄変動演出を行うようにしてよい。
以上説明した本発明に係る実施例は、大当り遊技中に遊技球が大入賞口に入賞して特定領域を通過すると、当該特別遊技の終了後に確変遊技状態で遊技が制御される所謂VST機に適用してもよいし、大当りとならないで特別図柄の変動回数が非現実的な回数(例えば、10000回)なると大当り確率が低確率状態に設定変更され、つまり実質的には次回大当りとなるまで大当り確率が高確率状態で継続設定される所謂ループ機に適用してもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能であり、種々のパチンコ遊技機等の遊技機に本発明を適用可能である。