JP2017182231A - シミュレーション方法、シミュレーションプログラム、及びシミュレーション装置 - Google Patents
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Abstract
Description
α=2n
と表される。
N’=N/αd
m’=mαδ−γ
ε’=εαγ
q=q’α
p=p’/αδ/2
くりこみ回数に依存するくりこみ因子λに基づいて、各々が一次元状に繋がった複数のモノマー粒子からなる複数のポリマーで構成されたシミュレーション対象の粒子系Sに対してくりこみ変換処理を行う工程と、
くりこまれた粒子系S’について分子動力学計算を実行することにより、くりこまれた粒子系S’のモノマー粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルを求める工程と
を有し、
粒子系S及び粒子系S’のモノマー間の距離をrで表し、空間の次元数をdで表し、
粒子系Sのモノマーの質量をmで表し、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数をNmで表し、ポリマーの数をNpで表し、モノマー粒子の座標をqで表し、モノマー粒子間の相互作用ポテンシャルφ(r)として、
任意のモノマー粒子間においては、
が適用され、ポテンシャルU0(r)は、エネルギの次元を持つパラメータεと、長さの次元を持つパラメータσと、無次元関数fを用いて
と表すことができ、
同一ポリマー内の隣接するモノマー粒子間においては、パラメータとしてポテンシャルU0(r)で用いられたパタメータε、σを持つ有限伸長非線形弾性ポテンシャルUch(r:ε,σ)がポテンシャルU0(r)に追加されて
が適用され、
粒子系S’のモノマー粒子の質量をm’で表し、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数をNm’で表し、ポリマーの数をNp’で表し、モノマー粒子の座標をq’で表したとき、下記の変換則
を適用し、
粒子系SにおけるポテンシャルU0(r)、Uch(r:ε,σ)に対応する粒子系S’におけるポテンシャルU0’(r)、Uch’(r:ε,σ)として、
を用いて、粒子系S’について前記分子動力学計算を実行するシミュレーション方法が提供される。
ここで、
mは粒子の質量を表し、
φは粒子間の相互作用ポテンシャルを表し、
ベクトルpjは粒子の運動量ベクトルを表し、
ベクトルqjは粒子の位置ベクトル(位置座標)を表す。
ここで、
fは無次元化された関数を表し、ε及びσは、モノマー粒子を特徴づけるパラメータである。パラメータεはエネルギの次元を持ち、相互作用係数と呼ばれる。パラメータσは距離の次元を持ち、粒子の大きさに依存する。
が適用される。有限伸長非線形弾性ポテンシャルUch(r:ε,σ)は、ポテンシャルU0(r)を定義するパラメータε及びσに依存するパラメータを含む。
ここで、dはシミュレーション対象の粒子系Sが配置された空間の次元数を表す。λは繰り込み回数に依存するくりこみ因子である。くりこみ回数がn回のとき、くりこみ因子λは以下の式で表される。
ここで、N’は粒子系S’のモノマー粒子の全個数を表しており、N’=Nm’×Np’である。
次に、相互作用ポテンシャルφ(r)=U0(r)の場合について、くりこみ変換則を導き出す。まず、くりこまれた粒子系S’のハミルトニアンH’が
となることを示す。くりこみ前の粒子系Sの粒子数をNで表し、くりこまれた粒子系S’の粒子数をN’で表す。このハミルトニアンH’を正準方程式に代入して運動方程式を得ることができる。ハミルトニアンH’のパラメータから、式(13)のくりこみ変換則が導出される。
ここで、kBはボルツマン定数であり、dΓNは位相空間内の体積要素である。dΓNは下記の式で表される。
ここで、hはプランク定数である。WNは、すべての状態の量子論的な和と、位相空間に亘る積分とが一致するように決められる。
まず、一次元鎖状に配置された粒子系における相互作用ポテンシャルの粗視化について説明する。その後、単純立方格子状に配置された粒子における相互作用ポテンシャルについて説明する。
ここで、aは平衡状態における粒子間距離を表す。平衡状態における粒子間距離aは、相互作用ポテンシャルφ(r)が最小となる距離に等しい。
ここで、raは粒子の直径を表し、z(qi−qk)及びP(qi−qk)は、下記の式で表される。
積分領域はケージポテンシャルの内部領域に制限される。
次に、運動エネルギの粗視化について説明する。運動エネルギについては、容易に積分を実行することができ、下記の式が導出される。
式(34)の導出に際し、下記の式が利用される。ここで、運動量ベクトルpj 2は、ベクトルの内積を意味する。
次に、上述の相互作用ポテンシャルの粗視化、及び運動エネルギの粗視化から導出されるくりこみ変換測について説明する。
次に、ポリマー内の隣接するモノマー粒子間における相互作用ポテンシャルφ(r)に関するくりこみ変換則の導出について説明する。
と表すことができる。積分変数qjについて、モノマー粒子jが一方のモノマー粒子iに接触した位置から、他方のモノマー粒子kに接触する位置まで積分する。モノマー粒子の直径をraで表すと、下記の式が得られる。
ここで、パラメータk及びR0は、式(10)に現れているパラメータε及びσに依存して決定される。一例として、パラメータk及びR0は下記の式で定義される。
次に、図6を参照して、ポリマーの数Np、及びポリマー内のモノマー粒子の個数Nmのくりこみ変換則について説明する。
図6に、直線状のポリマーが3次元方向に規則正しく配置されている状態の模式図を示す。ポリマーの各々を構成するモノマー粒子がy方向に繋がっている。複数のポリマーが、x、y、z方向に配置されている。
m=42.3[g/mol]
ε/kB=443.0[K]
σ=5.3×10−10[m]
k=6.53×10−1[N/m]
R0=7.95×10−10[m]
T=443.0[K]
Nm’=64
Np’=1000
ここで、kBはボルツマン定数である。ε、σ、k、及びR0は、式(12)及び式(45)に現れているパラメータである。パラメータk及びR0は、レナード・ジョーンズ型ポテンシャル(式(12))のε及びσによって決定される。くりこみ後の粒子系S’におけるk’及びR0’は、くりこみ変換後のε’及びR0’により決定される。
11 入力部
12 演算部
13 出力部
14 記憶装置
21 入力装置
22 出力装置
25 シミュレーション装置
Claims (7)
- くりこみ回数に依存するくりこみ因子λに基づいて、各々が一次元状に繋がった複数のモノマー粒子からなる複数のポリマーで構成されたシミュレーション対象の粒子系Sに対してくりこみ変換処理を行う工程と、
くりこまれた粒子系S’について分子動力学計算を実行することにより、くりこまれた粒子系S’のモノマー粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルを求める工程と
を有し、
粒子系S及び粒子系S’のモノマー間の距離をrで表し、空間の次元数をdで表し、
粒子系Sのモノマーの質量をmで表し、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数をNmで表し、ポリマーの数をNpで表し、モノマー粒子の座標をqで表し、モノマー粒子間の相互作用ポテンシャルφ(r)として、
任意のモノマー粒子間においては、
が適用され、ポテンシャルU0(r)は、エネルギの次元を持つパラメータεと、長さの次元を持つパラメータσと、無次元関数fを用いて
と表すことができ、
同一ポリマー内の隣接するモノマー粒子間においては、パラメータとしてポテンシャルU0(r)で用いられたパタメータε、σを持つ有限伸長非線形弾性ポテンシャルUch(r:ε,σ)がポテンシャルU0(r)に追加されて
が適用され、
粒子系S’のモノマー粒子の質量をm’で表し、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数をNm’で表し、ポリマーの数をNp’で表し、モノマー粒子の座標をq’で表したとき、下記の変換則
を適用し、
粒子系SにおけるポテンシャルU0(r)、Uch(r:ε,σ)に対応する粒子系S’におけるポテンシャルU0’(r)、Uch’(r:ε,σ)として、
を用いて、粒子系S’について前記分子動力学計算を実行するシミュレーション方法。 - 粒子系SにおけるポテンシャルU0(r)は、レナード・ジョーンズ型ポテンシャルの形で表される請求項1に記載のシミュレーション方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシミュレーション方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラム。
- 請求項4に記載のコンピュータプログラムが、コンピュータで読み取り可能に記録された記録媒体。
- 各々が一次元状に繋がった複数のモノマー粒子からなる複数のポリマーで構成されたシミュレーション対象の粒子系Sを特徴づけるパラメータである空間の次元数d、モノマー粒子の質量m、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数Nm、ポリマーの数Npの値、及び粒子系Sの初期条件が入力される入力装置と、
前記入力装置から入力されたデータに基づいてシミュレーション処理を実行する処理ユニットと
を有し、
前記処理ユニットは、
粒子系Sに対して、くりこみ回数に依存するくりこみ因子λに基づいてくりこみ変換を行う処理と、
くりこまれた粒子系S’について分子動力学計算を実行することにより、くりこまれた粒子系S’のモノマー粒子の位置及び運動量を求める処理と
を実行し、
前記処理ユニットは、
粒子系S及び粒子系S’のモノマー間の距離をrで表し、
粒子系Sのモノマー粒子の座標をqで表し、モノマー粒子間の相互作用ポテンシャルφ(r)として、
任意のモノマー粒子間においては、
が適用され、ポテンシャルU0(r)は、エネルギの次元を持つパラメータεと、長さの次元を持つパラメータσと、無次元関数fを用いて
と表すことができ、
同一ポリマー内の隣接するモノマー粒子間においては、パラメータとしてポテンシャルU0(r)で用いられたパタメータε、σを持つ有限伸長非線形弾性ポテンシャルUch(r:ε,σ)がポテンシャルU0(r)に追加されて
が適用され、
粒子系S’のモノマー粒子の質量をm’で表し、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数をNm’で表し、ポリマーの数をNp’で表し、モノマー粒子の座標をq’で表したとき、下記の変換則
を適用し、
粒子系SにおけるポテンシャルU0(r)、Uch(ε,σ,r)に対応する粒子系S’におけるポテンシャルU0’(r)、Uch’(ε,σ,r)として、
を用いて、粒子系S’について前記分子動力学計算を実行するシミュレーション装置。 - くりこみ回数に依存するくりこみ因子λに基づいて、各々が一次元状に繋がった複数のモノマー粒子からなる複数のポリマーで構成されたシミュレーション対象の粒子系Sに対してくりこみ変換処理を行う工程と、
くりこまれた粒子系S’について分子動力学計算を実行することにより、くりこまれた粒子系S’のモノマー粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルを求める工程と
を有し、
粒子系S及び粒子系S’のモノマー間の距離をrで表し、空間の次元数をdで表し、
粒子系Sのモノマーの質量をmで表し、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数をNmで表し、ポリマーの数をNpで表し、モノマー粒子の座標をqで表し、モノマー粒子間の相互作用ポテンシャルφ(r)として、
任意のモノマー粒子間においては、
が適用され、
同一ポリマー内の隣接するモノマー粒子間においては、パラメータとしてポテンシャルU0(r)で用いられたパタメータε、σを持つ有限伸長非線形弾性ポテンシャルUch(r:ε,σ)がポテンシャルU0(r)に追加されて
が適用され、
ポテンシャルφ(r)は、エネルギの次元を持つパラメータεと、長さの次元を持つパラメータσと、無次元関数fを用いて
と表すことができ、
粒子系S’のモノマー粒子の質量をm’で表し、1つのポリマーを構成しているモノマー粒子の数をNm’で表し、ポリマーの数をNp’で表し、モノマー粒子の座標をq’で表したとき、下記の変換則
を適用し、
粒子系Sにおけるポテンシャルφ(r)に対応する粒子系S’におけるポテンシャルφ’(r)として、
を用いて、粒子系S’について前記分子動力学計算を実行するシミュレーション方法。
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