JP2017181529A - 転写部材および転写用部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示装置を作製するための転写部材であって、表示装置の薄膜化が可能であり、表示装置を作製する際の光学機能部材の劣化を抑制することが可能な転写部材の提供。
【解決手段】転写基材6と、転写基材6の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層3を有する光学機能部材11と、光学機能部材11の転写基材6とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層2とを有し、粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下の転写部材10Aである。
【選択図】図1
【解決手段】転写基材6と、転写基材6の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層3を有する光学機能部材11と、光学機能部材11の転写基材6とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層2とを有し、粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下の転写部材10Aである。
【選択図】図1
Description
本発明は、粘着層を有する転写部材および転写用部材に関するものである。
近年、パーソナルコンピューター、特に携帯用のパーソナルコンピューターの発達に伴い、表示装置の需要が増している。また、最近では、家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、スマートフォン、タブレット端末も広く普及しつつあることから、益々表示装置の市場は拡大する状況にある。
このような表示装置として、例えば有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、一般的に、機能層、対向基材として有機エレクトロルミネッセンス素子基材を有し、さらに、発光部と呼ばれる光源を有する。例えば、特許文献1、2には、光配向材料を含む配向層および液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を備えた構成が提案されている。表示装置が光学機能層を備える場合には、視野角依存性の課題を解決することができるという効果を奏する。
光学機能層を有する表示装置の構成としては、例えば、図4(a)に示すように、基材21、着色部22(ここでは、赤色着色部22R、緑色着色部22G、青色着色部22B)、および遮光部23を有するカラーフィルタ20と、カラーフィルタ20の着色部22側に配置され、光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11とを備えたインセル型と、図4(b)に示すように、カラーフィルタ20の基材21側に、粘着層2’を介して基材1’上に配置され、光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11を備えたアウトセル型とがある。なお、図4(a)、(b)では、機能層がカラーフィルタである例を示している。
表示装置がインセル型である場合、カラーフィルタの着色部側に配向層および光学機能層を有する光学機能部材を配置することができる(例えば、特許文献3等)。そのため、表示装置がインセル型である場合には、アウトセル型のように、基材上に形成された光学機能部材をカラーフィルタに配置する必要がなくなるため、光学機能部材を支持するための基材を要さず、アウトセル型に比べて総厚みを低減することが可能となる。
ところで、インセル型である表示装置では、例えば、図4(a)に示すように、カラーフィルタ20の着色部22上に、光学機能層3および配向層4が直接形成される場合がある。しかしながら、カラーフィルタの着色部上に直接光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11を形成する場合、予め形成された光学機能層を積層する場合に比べて生産性が低下してしまうという課題がある。また、光学機能部材を形成する際の加熱工程により、直接接する着色部に不具合が生じてしまうという課題がある。なお、上記課題は、カラーフィルタがタッチパネルや加飾部材等の他の機能層である場合にも同様に生じる。
そこで、本発明の発明者等は、例えば、図5に示すように、カラーフィルタ20と光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11とを粘着層2’を介して転写する方法を試みた。その結果、カラーフィルタおよび光学機能部材を積層することができ、上述した場合に比べて生産性を向上させることができることが分かった。また、カラーフィルタにおける着色部が加熱されることによる不具合の発生を抑制できることが分かった。
しかしながら、本発明の発明者等が検討を重ねたところ、次のような新たな課題を発見した。
すなわち、従来は、粘着層として感圧粘着剤が用いられていた。しかしながら、粘着層として感圧粘着剤を用いた場合、表示装置を作製する際の加熱により、粘着層に隣接する光学機能層が劣化してしまうという課題がある。また、感圧粘着剤を用いた粘着層の厚みは10μm以上と比較的厚くなってしまい、表示装置の薄膜化が困難になるという課題がある。
すなわち、従来は、粘着層として感圧粘着剤が用いられていた。しかしながら、粘着層として感圧粘着剤を用いた場合、表示装置を作製する際の加熱により、粘着層に隣接する光学機能層が劣化してしまうという課題がある。また、感圧粘着剤を用いた粘着層の厚みは10μm以上と比較的厚くなってしまい、表示装置の薄膜化が困難になるという課題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表示装置を作製するための転写部材であって、表示装置の薄膜化が可能であり、表示装置を作製する際の光学機能部材の劣化を抑制することが可能な転写部材を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明の発明者等は、従来、粘着層として用いられていた感圧粘着剤に代えて、所定の残膜率および重量減少率を有する粘着層を用いることにより、粘着層の厚みを従来に比べて薄い5μm以下とすることができ、表示装置の薄膜化が可能となるという知見を得た。
また、本発明の発明者等は、粘着層として感圧粘着剤を用いた場合に光学機能部材の劣化が生じる原因について検討したところ、次のような知見を得た。まず、感圧粘着剤を用いた粘着層は、表示装置を作製する際の加熱により流動性を示し、隣接する光学機能部材に浸みこむ場合がある。この場合、感圧粘着剤により、光学機能部材に含まれる液晶性化合物の配向に乱れが生じ、これが光学機能部材の劣化の一因であることを見出した。そこで、本発明の発明者等は、従来、粘着層として用いられていた感圧粘着剤に代えて、所定の残膜率および重量減少率を有する粘着層を用いることにより、加熱によって流動性を示しにくくし、表示装置を作製する際の加熱による粘着層の光学機能部材への浸みこみを抑制することができ、結果として光学機能部材の劣化を抑制することができるという知見を得た。
本発明の発明者等は、このような知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
本発明の発明者等は、このような知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、転写基材と、上記転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する光学機能部材と、上記光学機能部材の上記転写基材とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層とを有し、上記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする転写部材を提供する。
本発明によれば、所定の粘着層を用いることにより、表示装置の薄膜化を図ることができ、また、表示装置を作製する際の加熱によって、粘着層に隣接する光学機能層が劣化してしまうという課題を解決することが可能な転写部材とすることができる。
本発明においては、上記粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することが好ましい。粘着層が所定のタック性を有することにより、転写部材を転写用部材と十分に接着させることができる。
また、本発明は、転写基材と、上記転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する光学機能部材と、上記光学機能部材の上記転写基材とは反対側の面に配置された紫外線硬化型粘着層とを有し、上記紫外線硬化型粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする転写部材を提供する。
本発明によれば、紫外線硬化型粘着層を用いることにより、表示装置の薄膜化を図ることができ、また、表示装置を作製する際の加熱によって、紫外線硬化型粘着層に隣接する光学機能層が劣化してしまうという課題を解決することが可能な転写部材とすることができる。また、紫外線硬化型粘着層が、所定のタック性を有することにより、転写部材を転写用部材と十分に接着させることができる。
さらに、本発明は、基材と、上記基材の一方の面側に配置された機能層と、上記機能層の上記基材とは反対側の面または上記基材の上記機能層とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層とを有し、上記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする転写用部材を提供する。
本発明によれば、所定の粘着層を用いることにより、表示装置の薄膜化を図ることができ、また、転写用部材を転写部材に貼合した場合であって、光学機能層が隣接する場合に、表示装置を作製する際の加熱によって、光学機能層が劣化してしまうという課題を解決することが可能な転写用部材とすることができる。
本発明においては、上記粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することが好ましい。粘着層が所定のタック性を有することにより、転写用部材を転写部材と十分に接着させることができる。
さらにまた、本発明は、基材と、上記基材の一方の面側に配置された機能層と、上記機能層の上記基材とは反対側の面または上記基材の上記機能層とは反対側の面に配置された紫外線硬化型粘着層とを有し、上記紫外線硬化型粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする転写用部材を提供する。
本発明によれば、紫外線硬化型粘着層を用いることにより、表示装置の薄膜化を図ることができ、また、転写用部材を転写部材に貼合した場合であって、光学機能層が隣接する場合に、表示装置を作製する際の加熱によって、光学機能層が劣化してしまうという課題を解決することが可能な転写用部材とすることができる。また、紫外線硬化型粘着層が、所定のタック性を有することにより、転写用部材を転写部材と十分に接着させることができる。
本発明は、表示装置を作製するための転写部材であって、表示装置の薄膜化が可能であり、表示装置を作製する際の光学機能部材の劣化を抑制することが可能な転写部材とすることができるという効果を奏する。
以下、転写部材および転写用部材について説明する。
A.転写部材
本発明の転写部材は、転写基材と、上記転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する光学機能部材と、上記光学機能部材の上記転写基材とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層とを有し、上記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
本発明の転写部材は、転写基材と、上記転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する光学機能部材と、上記光学機能部材の上記転写基材とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層とを有し、上記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
また、本発明の転写部材は、転写基材と、上記転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する光学機能部材と、上記光学機能部材の上記転写基材とは反対側の面に配置された紫外線硬化型粘着層とを有し、上記紫外線硬化型粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする部材である。
ここで、「転写部材」とは、転写方法を用いて表示装置を作製する際に、転写する側の部材を指す。そのため、転写部材における支持部材は、転写した後に剥離される転写基材となる。
本発明の転写部材について、図を参照しながら説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する方法の一例を示す概略工程図である。本発明においては、図1(a)に示すように、転写基材6と、転写基材6上に配置された光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11と、光学機能部材11上に配置された粘着層2とを有する転写部材10Aを形成する転写部材形成工程と、図1(b)に示すように、基材1と、基材1上に配置された機能層5とを有する転写用部材10B’を形成する転写用部材形成工程と、図1(c)に示すように、転写部材10Aおよび転写用部材10B’を、粘着層2を介して貼合し、粘着層2を硬化する貼合工程と、図1(d)に示すように、転写部材10Aにおける転写基材6を剥離する剥離工程とを有する。これにより、光学機能部材を有する所望の表示装置10を得ることができる。
図1(a)〜(d)は、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する方法の一例を示す概略工程図である。本発明においては、図1(a)に示すように、転写基材6と、転写基材6上に配置された光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11と、光学機能部材11上に配置された粘着層2とを有する転写部材10Aを形成する転写部材形成工程と、図1(b)に示すように、基材1と、基材1上に配置された機能層5とを有する転写用部材10B’を形成する転写用部材形成工程と、図1(c)に示すように、転写部材10Aおよび転写用部材10B’を、粘着層2を介して貼合し、粘着層2を硬化する貼合工程と、図1(d)に示すように、転写部材10Aにおける転写基材6を剥離する剥離工程とを有する。これにより、光学機能部材を有する所望の表示装置10を得ることができる。
図1(a)に示すように、本発明の転写部材10Aは、転写基材6と、転写基材6の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11と、光学機能部材11の転写基材6とは反対側の面に配置された粘着層2とを有する。また、本発明における粘着層は、厚みが5μm以下であり、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする。
なお、図1(a)に示す転写部材10Aは、光学機能部材11が粘着層2側に配向層4を有する例である。
なお、図1(a)に示す転写部材10Aは、光学機能部材11が粘着層2側に配向層4を有する例である。
本発明によれば、所定の粘着層を用いることにより、表示装置の薄膜化を図ることができ、また、表示装置を作製する際の加熱によって、粘着層に隣接する光学機能層が劣化してしまうという課題を解決することが可能な転写部材とすることができる。具体的には次のようなことが考えられる。
本発明によれば、厚みが5μm以下の粘着層を用いることにより、従来の感圧粘着剤を用いた粘着層に比べて厚みを薄くすることができ、表示装置の薄膜化を行うことが可能な転写部材とすることができる。この理由については、例えば次のようなことが考えられる。
従来、表示装置における粘着層には、感圧粘着剤が用いられていた。しかしながら、粘着層として感圧粘着剤を用いた場合、粘着層の厚みは10μm以上と比較的厚くなる傾向にある。これに対し、本発明においては、従来用いられていた感圧粘着剤に代えて、厚みが5μm以下の粘着層を用いることにより、従来に比べて粘着層を薄くすることができ、表示装置の薄膜化を行うことが可能な転写部材とすることができると考えられる。
従来、表示装置における粘着層には、感圧粘着剤が用いられていた。しかしながら、粘着層として感圧粘着剤を用いた場合、粘着層の厚みは10μm以上と比較的厚くなる傾向にある。これに対し、本発明においては、従来用いられていた感圧粘着剤に代えて、厚みが5μm以下の粘着層を用いることにより、従来に比べて粘着層を薄くすることができ、表示装置の薄膜化を行うことが可能な転写部材とすることができると考えられる。
また、本発明によれば、所定の残膜率および重量減少率を有する粘着層を用いることにより、表示装置を作製する際の加熱によって、粘着層に隣接する光学機能部材、特に光学機能層が劣化してしまうという課題を解決することが可能な転写部材とすることができる。この理由については、例えば次のようなことが考えられる。
すなわち、従来の感圧粘着剤を用いた粘着層の場合、表示装置を作製する際の加熱によって感圧粘着剤が流動性を示し、当該感圧粘着剤が、隣接する光学機能層に浸みこむといった不具合が生じる。この場合、浸みこんだ感圧粘着剤によって、光学機能層を構成する液晶性化合物の配向を乱し、光学機能層が、所望の光学機能を発揮することが困難となるという問題がある。これに対し、所定の残膜率および重量減少率を有する粘着層は、光照射により良好に硬化することができる。そのため、硬化後の粘着層は、表示装置を作製するに際の加熱によって流動性を示しにくく、隣接する光学機能部材、特に光学機能層に浸みこむといった不具合の発生を抑制することができ、上述した問題を解決することができると考えられる。
すなわち、従来の感圧粘着剤を用いた粘着層の場合、表示装置を作製する際の加熱によって感圧粘着剤が流動性を示し、当該感圧粘着剤が、隣接する光学機能層に浸みこむといった不具合が生じる。この場合、浸みこんだ感圧粘着剤によって、光学機能層を構成する液晶性化合物の配向を乱し、光学機能層が、所望の光学機能を発揮することが困難となるという問題がある。これに対し、所定の残膜率および重量減少率を有する粘着層は、光照射により良好に硬化することができる。そのため、硬化後の粘着層は、表示装置を作製するに際の加熱によって流動性を示しにくく、隣接する光学機能部材、特に光学機能層に浸みこむといった不具合の発生を抑制することができ、上述した問題を解決することができると考えられる。
以下、本発明の転写部材を構成する各部材、転写部材の製造方法、および転写部材を用いた表示装置の製造方法について説明する。
1.粘着層および紫外線硬化型粘着層
本発明においては、所定の粘着層(第1態様)を有していても良く、所定の紫外線硬化型粘着層(第2態様)を有していても良い。
以下、粘着層を第1態様とし、紫外線硬化型粘着層を第2態様として、説明する。
本発明においては、所定の粘着層(第1態様)を有していても良く、所定の紫外線硬化型粘着層(第2態様)を有していても良い。
以下、粘着層を第1態様とし、紫外線硬化型粘着層を第2態様として、説明する。
(1)第1態様
本態様における粘着層は、光学機能部材の転写基材とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の部材である。また、本発明における粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
本態様における粘着層は、光学機能部材の転写基材とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の部材である。また、本発明における粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
本態様における粘着層の厚みは、5μm以下であれば特に限定されないが、中でも、4.5μm以下であることが好ましく、特に4μm以下であることが好ましい。また、本態様においては、粘着層の厚みを、0.5μm以上とすることができる。粘着層の厚みが上記範囲内であることにより、表示装置を作製する際に、粘着層を介して転写部材および転写用部材を十分に接着し、粘着層としての機能を十分に発揮することができるとともに、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製した際に、粘着層として従来の感圧粘着剤を用いた場合と比べて、表示装置の薄膜化を図ることが可能となる。
なお、本態様における粘着層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
なお、本態様における粘着層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
本態様における粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であれば特に限定されないが、中でも82%以上であることが好ましく、特に85%以上であることが好ましい。なお、本態様における残膜率評価試験後の残膜率は、粘着層を焼成した前後での膜厚の比率により求めることができる。具体的には、残膜率=(焼成後の膜厚)/(焼成前の膜厚)×100により求めることができる。
本態様においては、粘着層の残膜率が上記範囲であることにより、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する際に、粘着層の構成材料が隣接する光学機能部材に移行する等の不具合の発生を抑制することができる。
本態様においては、粘着層の残膜率が上記範囲であることにより、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する際に、粘着層の構成材料が隣接する光学機能部材に移行する等の不具合の発生を抑制することができる。
本態様における粘着層は、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であれば良く、中でも13%以下であることが好ましく、特に10%以下であることが好ましい。なお、本態様における重量減少率を測定するための加熱温度は、50℃〜80℃の範囲内であれば良いが、中でも、50℃〜75℃の範囲内であることが好ましく、特に50℃〜70℃の範囲内であることが好ましい。また、本態様における重量減少率を測定するための加熱時間は、1時間であれば良いが、中でも、1時間〜1.5時間の範囲内であることが好ましく、特に1.5時間〜2時間の範囲内であることが好ましい。
本態様においては、粘着層の重量減少率が上記範囲内であることにより、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する際に、粘着層の構成材料が隣接する光学機能部材に移行する等の不具合の発生を抑制することができる。
本態様においては、粘着層の重量減少率が上記範囲内であることにより、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する際に、粘着層の構成材料が隣接する光学機能部材に移行する等の不具合の発生を抑制することができる。
本態様における粘着層は、光照射することにより硬化して接着性を示す部材であることが好ましく、中でも紫外線照射することにより硬化して接着性を示す紫外線硬化型粘着層であることが好ましい。また、粘着層は、通常、硬化する前に所定のタック性を有する。本態様においては、粘着層が所定のタック性を有することが好ましい。具体的には、粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することが好ましく、中でもボールナンバーが2以上のタック性を有することが好ましく、特にボールナンバーが3以上のタック性を有することが好ましい。本態様における粘着層は、上述のようなタック性を有することにより、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する際に、粘着層を介して転写部材および転写用部材を十分な粘着力で貼合することができ、光照射した後の接着力も高めることができる。
なお、ここでの傾斜式ボールタック試験によるタック性の評価は、JIS Z 0237に準じて傾斜角20°の治具に粘着層における粘着面が上面となるように配置し、温度23℃、湿度65%の環境下で当該粘着面上に鋼球を転がしたとき、粘着面上で5秒以上鋼球が停止した最も大きなボールナンバーにより評価した。
なお、ここでの傾斜式ボールタック試験によるタック性の評価は、JIS Z 0237に準じて傾斜角20°の治具に粘着層における粘着面が上面となるように配置し、温度23℃、湿度65%の環境下で当該粘着面上に鋼球を転がしたとき、粘着面上で5秒以上鋼球が停止した最も大きなボールナンバーにより評価した。
また、本態様における粘着層は、例えば、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する粘着層の剥離強度が、10N/25mm幅以上であることが好ましく、中でも、15N/25mm幅以上であることが好ましく、特に、20N/25mm幅以上であることが好ましい。また、本態様においては、粘着層の剥離強度が、例えば、50N/25mm幅以下であることが好ましく、中でも、45N/25mm幅以下であることが好ましく、特に、40N/25mm幅以下であることが好ましい。
本態様における粘着層は、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製した際に、光源から照射された光を透過する部材となる。したがって、本態様における粘着層は、所定の透明性を有することが好ましい。ここで、「透明」とは、特段の断りがない限り、光源から照射された光を透過する程度に透明であることをいう。例えば、粘着層の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。
なお、粘着層の全光線透過率は、スガ試験機株式会社製 全自動直読ヘイズコンピュータ(HGM−2DP)により測定することができる。
なお、粘着層の全光線透過率は、スガ試験機株式会社製 全自動直読ヘイズコンピュータ(HGM−2DP)により測定することができる。
本態様における粘着層は、上述した所定の残膜率および重量減少率を有する。このような粘着層としては、例えば、紫外線硬化型樹脂材料により構成され、紫外線の照射により硬化される紫外線硬化型粘着層が挙げられる。紫外線硬化型粘着層に用いられる紫外線硬化型樹脂材料は、例えば波長100nm〜450nmの範囲の紫外線を照射することにより硬化させることが可能な材料であれば特に限定されない。例えば、反応性エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコール(メタ)ジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン誘導体、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキキ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する表記である。
本態様においては、これらの紫外線硬化型樹脂を1種類のみ用いても良く、または、2種類以上を混合して用いても良い。
本態様においては、これらの紫外線硬化型樹脂を1種類のみ用いても良く、または、2種類以上を混合して用いても良い。
(2)第2態様
本態様における紫外線硬化型粘着層は、光学機能部材の転写基材とは反対側の面に配置され、紫外線硬化型粘着層のタック性が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする部材である。
本態様における紫外線硬化型粘着層は、光学機能部材の転写基材とは反対側の面に配置され、紫外線硬化型粘着層のタック性が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする部材である。
本発明における紫外線硬化型粘着層は、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有していれば特に限定されないが、中でもボールナンバーが2以上のタック性を有することが好ましく、特にボールナンバーが3以上のタック性を有することが好ましい。本態様における紫外線硬化型粘着層は、上述のようなタック性を有することにより、発明の転写部材を用いて表示装置を作製する際に、紫外線硬化型粘着層を介して転写部材および転写用部材を十分な粘着力で貼合することができ、光照射した後の接着力も高めることができる。
なお、紫外線硬化型粘着層のタック性は、上述した「(1)第1態様」の項に記載した粘着層のタック性と同様の方法により測定することができるため、ここでの記載は省略する。
なお、紫外線硬化型粘着層のタック性は、上述した「(1)第1態様」の項に記載した粘着層のタック性と同様の方法により測定することができるため、ここでの記載は省略する。
本態様における紫外線硬化型粘着層は、例えば、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験によるガラス板に対する粘着層の剥離強度が、10N/25mm幅以上であることが好ましく、中でも、15N/25mm幅以上であることが好ましく、特に、20N/25mm幅以上であることが好ましい。また、本態様においては、粘着層の剥離強度が、例えば、50N/25mm幅以下であることが好ましく、中でも、45N/25mm幅以下であることが好ましく、特に、40N/25mm幅以下であることが好ましい。
本態様においては、紫外線硬化型粘着層を用いることにより、従来用いられていた感圧粘着剤からなる粘着層と比較して厚みを薄くすることが可能である。本態様における紫外線硬化型粘着層の厚みは、例えば、5μm以下であることが好ましく、中でも、4.5μm以下であることが好ましい。また、本態様においては、紫外線硬化型粘着層の厚みを、0.5μm以上とすることができる。紫外線硬化型粘着層が上述した厚みである場合の効果および厚みの測定方法については、上述した「(1)第1態様」の項に記載した粘着層の厚みに関する記載と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様における紫外線硬化型粘着層は、所定の残膜率および重量減少率を有することが好ましい。なお、紫外線硬化型粘着層の残膜率および重量減少率については、上述した「(1)第1態様」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様における紫外線硬化型粘着層は、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製した際に、光源から照射された光を透過する部材となる。したがって、本態様における紫外線硬化型粘着層は、所定の透明性を有することが好ましい。紫外線硬化型粘着層の透明性については、上述した「(1)第1態様」の項に記載した粘着層の透明性と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様における紫外線硬化型粘着層は、紫外線硬化型樹脂材料により構成され、紫外線の照射により硬化された層であれば良い。紫外線硬化型粘着層に用いられる紫外線硬化型樹脂材料は、例えば波長100nm〜450nmの範囲の紫外線を照射することにより硬化させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的な材料については、上述した「(1)第1態様」の項に記載した紫外線硬化型樹脂と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
2.光学機能部材
本発明における光学機能部材は、転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する部材である。また、光学機能部材は、光学機能層の他に配向層を有していても良い。
本発明における光学機能部材は、転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する部材である。また、光学機能部材は、光学機能層の他に配向層を有していても良い。
本発明における光学機能部材は、少なくとも1層の光学機能層を有していれば良く、光学機能層および後述する配向層が複数層積層された構成を有していても良い。なお、光学機能部材が、光学機能層および配向層が複数層積層された構成である場合、各層を、粘着層を介して転写により積層することができる。
以下、光学機能部材を構成する光学機能層および配向層について説明する。
以下、光学機能部材を構成する光学機能層および配向層について説明する。
(1)光学機能層
本発明における光学機能層に含まれる液晶性化合物は、一方向に配向されることにより、所望の光学特性を発揮することができる。液晶性化合物の具体的な配向状態としては、例えば、光学機能層の長さ方向に液晶性化合物が配向した状態や、光学機能層の厚さ方向に液晶性化合物が配向した状態が挙げられる。前者の液晶構造はホモジニアス構造(平行配向構造)と称され、このような構造を有することにより、光学機能層に光学的にAプレートとしての性質を付与することができる。また、後者の液晶構造はホメオトロピック構造(垂直配向構造)と称され、このような構造を有することにより、光学機能層に光学的に正のCプレートとしての性質を付与することができる。さらに、液晶性化合物の配向状態としては、液晶性化合物が規則的な螺旋構造を示すコレステリック配向状態であっても良い。このような配向状態を有することにより、光学機能層に光学的に負のCプレートとしての性質を付与することができる。
本発明における光学機能層に含まれる液晶性化合物は、一方向に配向されることにより、所望の光学特性を発揮することができる。液晶性化合物の具体的な配向状態としては、例えば、光学機能層の長さ方向に液晶性化合物が配向した状態や、光学機能層の厚さ方向に液晶性化合物が配向した状態が挙げられる。前者の液晶構造はホモジニアス構造(平行配向構造)と称され、このような構造を有することにより、光学機能層に光学的にAプレートとしての性質を付与することができる。また、後者の液晶構造はホメオトロピック構造(垂直配向構造)と称され、このような構造を有することにより、光学機能層に光学的に正のCプレートとしての性質を付与することができる。さらに、液晶性化合物の配向状態としては、液晶性化合物が規則的な螺旋構造を示すコレステリック配向状態であっても良い。このような配向状態を有することにより、光学機能層に光学的に負のCプレートとしての性質を付与することができる。
光学機能層の厚みは、液晶性化合物の種類や光学機能層に付与しようとする光学特性に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、光学機能層の面内レターデーションがλ/4に相当するような範囲内で形成されることが好ましい。光学機能層の面内レターデーション値は、例えば、100nm〜160nmの範囲内であることが好ましく、110nm〜150nmの範囲内であることがより好ましく、120nm〜140nmの範囲内であることがさらに好ましい。光学機能層の厚みを光学機能層の面内レターデーションがλ/4分に相当するような範囲内の距離にする場合、具体的にどの程度の距離にするかは、後述する光学機能層に含まれる液晶性化合物の種類に応じて適宜決定することが、例えば、一般的な液晶性化合物を用いる場合には、光学機能層の厚みは0.5μm〜2μmの範囲内とすることができる。
光学機能層は、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製した際に、光源から照射された光を透過する部材となる。したがって、本発明における光学機能層は、所定の透明性を有することが好ましい。ここで、「透明」とは、特段の断りがない限り、光源から照射された光を透過する程度に透明であることをいう。なお、光学機能層の具体的な透過率については、一般的な光学機能層と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
光学機能層に含まれる液晶性化合物は、光学機能層に所望の光学機能性を付与することができる材料であれば良く、特に限定されない。中でも、感光性を示す液晶性化合物であることが好ましく、特に、ネマチック相を示す液晶性化合物が好適に用いられる。ネマチック液晶は、他の液晶相を示す液晶性化合物と比較して規則的に配列させることが容易だからである。
また、本発明における液晶性化合物には、重合性官能基を有する重合性液晶材料を用いることが好ましい。重合性液晶材料は重合性官能基を介して互いに重合することができるため、光学機能層の機械強度を向上することができるからである。
このような重合性官能基としては、紫外線、電子線等の電離放射線、あるいは熱の作用によって重合する各種重合性官能基が挙げられる。重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、またはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
なお、重合性液晶材料は、重合性官能基を複数有していても良く、または1つのみを有していても良い。また、重合性官能基を複数有するものと、1つのみを有するものとを混合して用いても良い。
また、重合性液晶材料の具体例としては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報、特開2003−287623号公報に記載されているような化合物が挙げられる。
また、重合性液晶材料の具体例としては、例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報、特開2003−287623号公報に記載されているような化合物が挙げられる。
上述のような液晶性化合物は、1種類でも良く、または2種類以上を混合して用いても良い。本発明において2種類以上の液晶材料を混合して用いる場合は、重合性液晶材料と、重合性官能基を有さない液晶材料とを混合して用いても良い。
(2)配向層
本発明においては、光学機能部材が配向層を有していても良い。配向層は、光配向材料を含む部材である。
本発明においては、光学機能部材が配向層を有していても良い。配向層は、光配向材料を含む部材である。
ここで、配向層に含まれる「光配向材料」は、光配向法により配向規制力を発現できる材料を指す。また、「光配向法」とは、任意の偏光状態を有する光(偏光)を配向層に照射することにより配向層の配向規制力(異方性)を発現させる方法である。したがって、本発明における光配向材料は、偏光を照射することにより配向規制力を発現できる材料ということができる。さらに、「配向規制力」とは、上述した光学機能層に含まれる液晶性化合物を配列させる相互作用を意味する。
本発明における配向層は、構成材料に応じて厚みを調整することができる。本発明における配向層の厚みは、例えば、0.01μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.02μm〜0.1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.03μm〜0.05μmの範囲内であることが好ましい。本発明における配向層の厚みが上記範囲内であることにより、上述した光学機能層に含まれる液晶性化合物に対して所望の配向規制力を発現することができる。
なお、本発明における配向層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
なお、本発明における配向層の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
本発明における配向層は、本発明の表示装置用基材を表示装置に用いた際に、光源から照射された光を透過する部材となる。したがって、本発明における配向層は、所定の透明性を有することが好ましい。ここで、「透明」とは、特段の断りがない限り、光源から照射された光を透過する程度に透明であることをいう。なお、配向層の具体的な透過率については、一般的な配向膜と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
配向層に含まれる配向材料は、偏光を照射することにより配向規制力を発現することができる材料であれば特に限定されない。このような光配向材料は、シス−トランス変化によって分子形状のみを変化させて配向規制力を可逆的に変化させる光異性化材料と、偏光を照射することにより、分子そのものを変化させる光反応材料とに大別することができる。本発明においては、光異性化材料および光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、光反応材料を用いることがより好ましい。
光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能になる。したがって、光反応材料の方が配向規制力に経時安定性において優れている。
光反応材料は、偏光が照射されることによって分子が反応して配向規制力を発現するものであるため、不可逆的に配向規制力を発現することが可能になる。したがって、光反応材料の方が配向規制力に経時安定性において優れている。
光反応材料は、偏光照射によって生じる反応の種類によってさらに分別することができる。具体的には、光二量化反応を生じることによって配向規制力を発現する光二量化型材料、光分解反応を生じることによって配向規制力を発現する光結合型材料、および光分解反応と光結合反応とを生じることによって配向規制力を発現する光分解−結合型材料等に分けることができる。本発明においては、上述した光反応材料のいずれであっても好適に用いることができるが、中でも安定性および反応性(感度)等の観点から光二量化型材料を用いることが好ましい。
光二量化型材料は、光二量化反応を生じることにより配向規制力を発現できる材料であれば特に限定されない。本発明においては、中でも光二量化反応を生じる光の波長が、280nm以上であることが好ましく、特に280nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、さらには300nm〜380nmの範囲内であることが好ましい。
このような光二量化型材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、または、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等が挙げられる。本発明においては、中でも、シンナメートおよびクマリンの少なくとも一方を有するポリマー、シンナメートおよびクマリンを有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表10−506420号公報、および特表2003−505561号公報に記載された化合物が挙げられる。
本発明において用いられる光配向材料は、1種類のみであっても良く、2種類以上であっても良い。
3.転写基材
本発明における転写基材は、上述した光学機能部材および粘着層を支持する部材である。
本発明における転写基材は、上述した光学機能部材および粘着層を支持する部材である。
本発明における転写基板の厚みとしては、各部材を支持できる程度の厚みであり、かつ表示装置を作製するに際して、光学機能部材から剥離することができる程度の厚みであることが好ましい。転写基材の具体的な厚みは、転写部材のフレキシブル性、すなわち転写部材を構成する材料に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、100μm〜300μmの範囲内とすることができる。
なお、本発明における転写基材の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
なお、本発明における転写基材の厚みは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて断面を観察することにより測定することができる。
本発明における転写基材の材料には、例えば、一般的な転写部材に用いられる材料と同様の材料を用いることができる。例えば、樹脂基材、光学用樹脂基材等の可撓性を有する樹脂基材等が挙げられる。また、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板が挙げられる。本発明においては、中でも樹脂基材を用いることが好ましく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、三酢酸セルロース、セロファン、ポリカーボネート、ポリウレタン系等のエラストマー系樹脂等が挙げられる。中でも、ポリエステル系樹脂、特にポリエチレンテレフタレート(以下「PET」という。)が好ましい。表示装置を作製するに際し、光学機能部材から転写基材を好適に剥離することができるからである。
本発明における転写基材は、光学機能部材からの剥離性を向上させるために、光学機能部材と接する側の面に離型処理を施すことができる。離型処理の方法としては、例えば、転写基材の表面に離型層を形成する方法が挙げられる。離型層は、離型剤を塗布、乾燥させることにより形成することができる。このとき用いられる離型剤としては、例えば、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、アクリル樹脂系離型剤及びこれらの複合型離型剤等が挙げられる。
4.その他の部材
本発明の転写部材は、上述した粘着層、光学機能部材および転写基材を有していれば特に限定されず、必要に応じてその他の部材を有していても良い。本発明におけるその他の部材としては、例えば、カラーフィルタや反射防止層等が挙げられる。
本発明の転写部材は、上述した粘着層、光学機能部材および転写基材を有していれば特に限定されず、必要に応じてその他の部材を有していても良い。本発明におけるその他の部材としては、例えば、カラーフィルタや反射防止層等が挙げられる。
5.転写部材の製造方法
本発明の転写部材を製造する製造方法は、上述した所望の転写部材を得ることができる方法であれば良く、特に限定されない。例えば、転写基材の一方の面側に光学機能部材を形成する光学機能部材形成工程と、光学機能部材の転写基材とは反対側の面に粘着層を形成する粘着層形成工程とを有する製造方法が挙げられる。
本発明の転写部材を製造する製造方法は、上述した所望の転写部材を得ることができる方法であれば良く、特に限定されない。例えば、転写基材の一方の面側に光学機能部材を形成する光学機能部材形成工程と、光学機能部材の転写基材とは反対側の面に粘着層を形成する粘着層形成工程とを有する製造方法が挙げられる。
光学機能部材形成工程は、転写基材上に、光学機能層を有する光学機能部材を形成することができる工程であれば良く、例えば、転写基材上に光学機能層を構成する光学機能層形成用組成物を塗布して乾燥する方法が挙げられる。光学機能層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコーティング方法、ダイコーティング方法、スリットコーティング方法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法、転写印刷法、静電印刷法、無版印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコート法、ディップコート法、キスコート法、スプレーコート法、コンマコート法、インクジェット法等が挙げられる。
また、光学機能部材形成工程において、光学機能層に含まれる液晶性化合物を一方向に配向させる方法としては、例えば、塗膜に熱を照射する等して加熱し、塗膜に含まれる溶剤を除去することともに、塗膜中に存在する液晶性化合物を液晶相が発現する温度にまで昇温させて所望の方向に配向させる方法が挙げられる。
さらに、光学機能部材形成工程において、液晶性化合物を一方向に配向させた状態を保持したまま重合させて固定化する方法としては、例えば、液晶性化合物を一方向に配向させた状態の塗膜に向け、電離放射線または熱を照射して重合させることにより、液晶性化合物を固定化する方法が挙げられる。このとき、電離放射線としては、紫外線を用いることが好ましく、紫外線照射には、例えば、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。
粘着層形成工程は、光学機能部材の転写基材とは反対側の面に、粘着層を形成することができる工程であれば良く、例えば、粘着層を構成する粘着層形成用組成物を塗布して乾燥する方法が挙げられる。粘着層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の方法が挙げられる。
本発明の転写部材を製造する方法は、通常、上述した光学機能部材形成工程および粘着層形成工程を有しており、必要に応じてその他の工程を有していても良い。例えば、転写基材の光学機能部材と接する側の面に離型処理を施す離型処理工程を有していても良い。離型処理を施す方法としては、例えば、離型剤を塗布して乾燥させる方法が挙げられる。このとき用いられる塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、ロールコート法、スプレーコート法等が挙げられる。
6.転写部材を用いた表示装置の製造方法
本発明の転写部材を用いることにより、光学機能部材を有する表示装置を製造することができる。
本発明の転写部材を用いることにより、光学機能部材を有する表示装置を製造することができる。
本発明の転写部材を用いた表示装置の製造方法は、例えば、図1(a)に示すように、転写基材6と、光学機能部材11と、粘着層2とを有する転写部材10Aを形成する転写部材形成工程と、図1(b)に示すように、基材1と、機能層5とを有する転写用部材10B’を形成する転写用部材形成工程と、図1(c)に示すように、転写部材10Aおよび転写用部材10B’を貼合し、粘着層を硬化する貼合工程と、図1(d)に示すように、転写基材6を剥離する剥離工程とを有する。なお、図1(a)〜(d)については既に説明しているため、ここでの詳細な説明は省略する。
本発明における貼合工程は、転写部材および転写用部材を、粘着層を介して貼合した後に、粘着層を硬化することが好ましい。貼合工程の後の剥離工程において、転写基材のみを選択的に剥離することが容易となるからである。
上述した製造方法において、表示装置を構成する各部材の形成方法については、一般的なカラーフィルタ、タッチパネル、加飾部材等の機能層や、光学機能部材の形成方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。例えば、特開2015−31863号公報や特開2012−108563号公報に記載された方法が挙げられる。
本発明の転写部材を用いて製造される表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、液晶表示装置、電子ペーパー等が挙げられ、本発明においては、表示装置用基材を有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いることが好ましい。
B.転写用部材
本発明の転写用部材は、基材と、上記基材の一方の面側に配置された機能層と、上記機能層の上記基材とは反対側の面または上記基材の上記機能層とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層とを有し、上記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
本発明の転写用部材は、基材と、上記基材の一方の面側に配置された機能層と、上記機能層の上記基材とは反対側の面または上記基材の上記機能層とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層とを有し、上記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
また、本発明の転写用部材は、基材と、上記基材の一方の面側に配置された機能層と、上記機能層の上記基材とは反対側の面または上記基材の上記機能層とは反対側の面に配置された紫外線硬化型粘着層とを有し、上記粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする部材である。
ここで、「転写用部材」とは、転写方法を用いて表示装置を作製する際に、転写される側の部材を指す。そのため、転写部材における支持部材は、表示装置の支持部材とすることができる基材となる。
本発明の転写部材について、図を参照しながら説明する。
図2(a)〜(d)は、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する方法の一例を示す概略工程図である。本発明においては、図2(a)に示すように、基材1と、基材1上に配置された機能層5と、機能層5上に配置された粘着層2とを有する転写用部材10Bを形成する転写用部材形成工程と、図2(b)に示すように、転写基材6と、転写基材6上に配置された光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11とを有する転写部材10A’を形成する転写部材形成工程と、図2(c)に示すように、転写用部材10Bおよび転写部材10A’を、粘着層2を介して貼合し、粘着層2を硬化する貼合工程と、図2(d)に示すように、転写部材10Aにおける転写基材6を剥離する剥離工程とを有する。これにより、光学機能部材を有する所望の表示装置10を得ることができる。
図2(a)〜(d)は、本発明の転写部材を用いて表示装置を作製する方法の一例を示す概略工程図である。本発明においては、図2(a)に示すように、基材1と、基材1上に配置された機能層5と、機能層5上に配置された粘着層2とを有する転写用部材10Bを形成する転写用部材形成工程と、図2(b)に示すように、転写基材6と、転写基材6上に配置された光学機能層3および配向層4を有する光学機能部材11とを有する転写部材10A’を形成する転写部材形成工程と、図2(c)に示すように、転写用部材10Bおよび転写部材10A’を、粘着層2を介して貼合し、粘着層2を硬化する貼合工程と、図2(d)に示すように、転写部材10Aにおける転写基材6を剥離する剥離工程とを有する。これにより、光学機能部材を有する所望の表示装置10を得ることができる。
図2(a)に示すように、本発明の転写用部材10Bは、基材1と、基材1上に配置された機能層5と、機能層5上に配置された粘着層2とを有する。また、本発明における粘着層は、厚みが5μm以下であり、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする。
なお、図2(a)に示す転写用部材10Bは、粘着層2が、機能層5の基材1とは反対側の面に配置された例であるが、本発明においては、機能層の基材側の面に粘着層を配置しても良い。
なお、図2(a)に示す転写用部材10Bは、粘着層2が、機能層5の基材1とは反対側の面に配置された例であるが、本発明においては、機能層の基材側の面に粘着層を配置しても良い。
本発明によれば、所定の粘着層を用いることにより、表示装置の薄膜化を図ることができ、また、転写用部材を転写部材に貼合した場合であって、粘着層に光学機能層が隣接する場合に、表示装置を作製する際の加熱によって、光学機能層が劣化してしまうという課題を解決することが可能な転写用部材とすることができる。なお、具体的な効果については、上述した「A.転写部材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
以下、本発明の転写用部材を構成する各部材、転写用部材の製造方法、および転写用部材を用いた表示装置の製造方法について説明する。
1.粘着層
本発明における粘着層は、機能層の基材とは反対側の面または基材の機能層とは反対側の面にに配置され、厚みが5μm以下の部材である。また、本発明における粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
本発明における粘着層は、機能層の基材とは反対側の面または基材の機能層とは反対側の面にに配置され、厚みが5μm以下の部材である。また、本発明における粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする部材である。
本発明における粘着層については、上述した「A.転写部材 1.粘着層」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.機能層
本発明における機能層は、基材の一方の面側に配置される部材である。
本発明における機能層は、基材の一方の面側に配置される部材である。
本発明における機能層は、通常、表示装置を構成する機能部材であり、必要に応じて適宜選択することができる。機能層としては、例えば、カラーフィルタ、タッチパネル、加飾部材、保護層等が挙げられる。また、カラーフィルタ、タッチパネルおよび加飾部材のような機能層は、透明基材を有していても良く、透明基材を有していなくても良い。透明基材を有する場合には、転写法により機能層を形成することができ、透明基材を有しない場合には、直接機能層を形成することができる。
さらに、本発明においては、上述した機能層を単層として用いても良く、2層以上を組み合わせて用いても良い。
さらに、本発明においては、上述した機能層を単層として用いても良く、2層以上を組み合わせて用いても良い。
図3(a)に示す転写用部材10Bは、機能層5としてカラーフィルタ20を有し、カラーフィルタ20は、透明基材21、透明基材21上に配置され複数の開口部を有する第1遮光部23、および開口部に配置された着色部22(ここでは、赤色着色部22R、緑色着色部22G、青色着色部22B)を有する。なお、図3(a)は、図2における機能層5がカラーフィルタ20であり、カラーフィルタ20における透明基材21が基材1と共通部材である場合を示す。
図3(b)に示す転写用部材10Bは、機能層5としてタッチパネル30を有し、タッチパネル30は、透明基材31、透明基材31上に配置されたセンサ電極32、およびセンサ電極32を覆うように配置された絶縁層33を有する。なお、図3(b)は、図2における機能層5がタッチパネル30であり、タッチパネル30における透明基材31が基材1と共通部材である場合を示す。
図3(c)に示す転写用部材10Bは、機能層5として加飾部材40を有し、加飾部材40は、透明基材41、透明基材41上に配置された加飾部42、および加飾部42を覆うように配置された保護部43を有する。なお、図3(c)は、図2における機能層5が加飾部材40であり、加飾部材40における透明基材41が基材1と共通部材である場合を示す。
図3(d)に示す転写用部材10Bは、機能層5として加飾部材40およびカラーフィルタ20を有する。なお、図3(d)は、図2における機能層5が加飾部材40およびカラーフィルタ20であり、加飾部材40における透明基材41が基材1と共通部材である場合を示す。
以下、本発明における機能層の具体例として、カラーフィルタ、タッチパネル、加飾部材、保護層についてそれぞれ説明する。
(1)カラーフィルタ
本発明におけるカラーフィルタは、透明基材、透明基材上に配置され複数の開口部を有する遮光部、および開口部に配置された着色部を有する。
本発明におけるカラーフィルタは、透明基材、透明基材上に配置され複数の開口部を有する遮光部、および開口部に配置された着色部を有する。
(a)透明基材
本発明における透明基材は、後述する遮光部および着色部を支持する部材である。
本発明における透明基材は、後述する遮光部および着色部を支持する部材である。
ここで、「透明」という場合には、特段の断りがない限り、本発明の転写用部材を用いて表示装置を製造した際に、表示装置の操作者の、操作面からの視認を妨げない程度の透明性をいう。したがって、「透明」は、無色透明、および視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で定義されず、本発明の転写用部材の用途等に応じて透過性の度合いを決定することができる。
本発明における透明基板の厚みとしては、各部材を支持できる程度の厚みであれば特に限定されず、本発明の転写用部材の用途等に応じて適宜設計が可能である。透明基板の具体的な厚みは、一般的なカラーフィルタに用いられる透明基板の厚みと同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明における透明基板の材料は、一般的なカラーフィルタに用いられる材料であれば特に限定されないが、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する樹脂基板等が挙げられる。中でも無機基板を用いることが好ましく、無機基板の中でもガラス基板を用いることが好ましい。さらには、ガラス基板の中でも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、例えば、表示装置に用いられるカラーフィルタに好適であるからである。
(b)遮光部
本発明における遮光部は、透明基材上に配置され複数の開口部を有する部材である。
本発明における遮光部は、透明基材上に配置され複数の開口部を有する部材である。
本発明に遮光部は、第1の方向および第1の方向に交差する第2の方向に延伸するように並列に配置され、開口部を画定されるものである。開口部の形状としては、例えば、矩形形状が挙げられる。また、遮光部における開口部の幅としては、一般的なカラーフィルタにおける遮光部の開口部の幅と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明における遮光部の線幅としては、本発明の表示装置用基材の用途等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、1μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、中でも1.5μm〜28μmの範囲内であることが好ましく、特に2μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。遮光部の線幅が上記範囲よりも小さい場合には、十分に開口部を画定することができないおそれがある。また、遮光部の線幅が上記範囲よりも大きい場合には、高精細なカラーフィルタを得ることができないおそれがある。なお、遮光部の線幅が一定でない場合には、遮光部の線幅が、全て上記範囲内であることが好ましい。
本発明における遮光部の厚みとしては、所望の遮光性を示すことができる程度の厚みであれば特に限定されず、遮光部に用いられる材料に応じて適宜調整される。本発明における遮光部の具体的な厚みとしては、例えば、0.5μm〜3.0μm程度とすることができる。
本発明における遮光部の構成材料は、所望の遮光性を発揮することができるような材料であれば良く、特に限定されない。具体的には、遮光部は、通常、バインダ樹脂に黒色色材を含有した硬化物であるが、黒色色材の他にも必要に応じて有色色材を含有していても良い。
遮光部に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、黒色色材を分散させることができる材料であることが好ましい。また、遮光部に用いられるバインダ樹脂は、遮光部の形成方法に応じて適宜選択される。遮光部をフォトリソグラフィ法により形成する場合には、バインダ樹脂として、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が挙げられる。また、遮光部を印刷法やインクジェット法により形成する場合には、バインダ樹脂として、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
遮光部に用いられる黒色色材としては、例えば、一般的な遮光部と同様の材料を用いることができ、顔料および染料のいずれも用いることができる。具体的には、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
遮光部に用いられる黒色色材以外の有色色材としては、所望の遮光性を有する遮光部を構成することができる材料であれば良く、例えば、赤、緑、青、黄、橙、紫等の各色の有色色材が挙げられる。また、有色色材には顔料および染料のいずれも用いることができる。有色色材は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いても良い。また、有色色材は1色の有色色材を用いても良く2色以上の有色色材を混合して用いても良い。なお、有色色材については、一般的なカラーフィルタに用いられる有色色材と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
遮光部中に含まれる黒色色材の含有量としては、所望の遮光性を有する遮光部を構成することができる程度であれば良く特に限定されないが、例えば、黒色色材が遮光部に含まれる色材の主成分であることが好ましい。具体的には、遮光部中に含まれる黒色色材の含有量が、3質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましく、中でも4質量%〜18質量%の範囲内であることが好ましく、特に5質量%〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
また、遮光部中に含まれる黒色色材以外の有色色材の含有量としては、例えば、1質量%〜8質量%の範囲内であることが好ましく、中でも1質量%〜6質量%の範囲内であることが好ましく、特に1質量%〜4質量%の範囲内であることが好ましい。
また、遮光部中に含まれる黒色色材以外の有色色材の含有量としては、例えば、1質量%〜8質量%の範囲内であることが好ましく、中でも1質量%〜6質量%の範囲内であることが好ましく、特に1質量%〜4質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明における遮光部は、上述した構成材料の他にも、必要に応じてその他の材料を含有していても良い。その他の材料としては、例えば、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等が挙げられる。
(c)着色部
本発明における着色部は、上述した遮光部における開口部に配置される部材である。
本発明における着色部は、上述した遮光部における開口部に配置される部材である。
本発明における着色部の厚みとしては、一般的なカラーフィルタに用いられる着色部の厚みと同様とすることができ、例えば1μm〜5μmの範囲内で設定することができる。
本発明においては、例えば赤、緑、青の3色の着色部を有する。着色部の色としては、赤、緑、青の3色を少なくとも含むものであれば良く、例えば、赤、緑、青の3色、赤、緑、青、黄の4色、または、赤、緑、青、黄、シアンの5色等とすることもできる。
着色部としては、例えば色材をバインダ樹脂中に分散させたものを用いることができる。着色部に用いられる色材としては、各色の顔料や染料等が挙げられる。例えば、赤色着色部に用いられる色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。また、緑色着色部に用いられる色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。さらに、青色着色部に用いられる色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。着色部に用いられるバインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が挙げられる。
着色部には、上述した材料の他にも、必要に応じて、光重合開始剤、増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有させることができる。
また、着色部が形成されている同一平面上には、上述した色材を含有せず、バインダ樹脂を含有する白色層が形成されていてもよい。
(2)タッチパネル
本発明におけるタッチパネルは、透明基材、透明基材上に配置されたセンサ電極を有する。また、タッチパネルは通常、センサ電極を覆うように配置された絶縁層を有する。
本発明におけるタッチパネルは、透明基材、透明基材上に配置されたセンサ電極を有する。また、タッチパネルは通常、センサ電極を覆うように配置された絶縁層を有する。
本発明におけるタッチパネルには、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式等のものを用いることができる。
(a)透明基材
本発明における透明基材は、後述するセンサ電極を支持する部材である。
なお、本発明における透明基材については、上述した「(1)カラーフィルタ (a)透明基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における透明基材は、後述するセンサ電極を支持する部材である。
なお、本発明における透明基材については、上述した「(1)カラーフィルタ (a)透明基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)センサ電極
本発明におけるセンサ電極は、タッチパネルの位置検知を行うために用いられる部材である。
本発明におけるセンサ電極は、タッチパネルの位置検知を行うために用いられる部材である。
本発明におけるセンサ電極は、透明性を有する透明導電層であっても良く、細線によるメッシュ状のメッシュ電極であっても良い。本発明においては、センサ電極が細線によるメッシュ状のメッシュ電極である場合、センサ電極に用いられる材料が不透明な金属材料であったとしても、見かけ上透明なセンサ電極とすることが可能である。
本発明におけるセンサ電極が透明導電層である場合、センサ電極の厚み等については、本発明により得られる表示装置用基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
また、本発明におけるセンサ電極がメッシュ電極である場合、センサ電極の厚み、線幅、ピッチおよび開口率等については、本発明により得られる表示装置用基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
また、本発明におけるセンサ電極がメッシュ電極である場合、センサ電極の厚み、線幅、ピッチおよび開口率等については、本発明により得られる表示装置用基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明におけるセンサ電極の構成材料は、センサ電極が透明電極層である場合、例えば、酸化スズ、ITOと称される酸化インジウムスズ、IZOと称される酸化インジウム亜鉛等の透明導電材料等を用いることができる。
また、本発明におけるセンサ電極が不透明な金属材料により構成されたメッシュ電極である場合、金属材料には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等が挙げられる。金属合金としては、APCと称される銀、パラジウム、銅の合金等を用いることができる。さらに、金属の複合体としては、MAMと称されるモリブデン、アルミニウム、モリブデンの3層構造体等も適用可能である。さらに、例えばPEDOT等の樹脂層形成用組成物に上記金属を加えた導電性高分子を用いることもできる。
また、本発明におけるセンサ電極が不透明な金属材料により構成されたメッシュ電極である場合、金属材料には、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等が挙げられる。金属合金としては、APCと称される銀、パラジウム、銅の合金等を用いることができる。さらに、金属の複合体としては、MAMと称されるモリブデン、アルミニウム、モリブデンの3層構造体等も適用可能である。さらに、例えばPEDOT等の樹脂層形成用組成物に上記金属を加えた導電性高分子を用いることもできる。
(c)絶縁層
本発明における絶縁層は、上述したセンサ電極を絶縁する際に用いることができる部材である。
本発明における絶縁層は、上述したセンサ電極を絶縁する際に用いることができる部材である。
本発明における絶縁層は、通常、センサ電極を覆うように配置される。絶縁層の厚みは、センサ電極を絶縁して短絡を防止することができる程度の厚みであることが好ましく、センサ電極の設計に応じて適宜調整することができる。例えば、絶縁層の厚みは、0.5μm〜3μmの範囲内とすることができる。
本発明における絶縁層の構成材料は、所望の絶縁性を有する材料であることが好ましく、タッチパネルに一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、カルド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の絶縁性樹脂材料等や、ガラス等の無機材料等が挙げられる。なお、絶縁層に用いられる構成材料は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、絶縁層の層構造は、1層であっても良く、2層以上を含む多層であっても良い。
(3)加飾部材
本発明における加飾部材は、透明基材、透明基材上に配置された加飾部を有する。
本発明における加飾部材は、透明基材、透明基材上に配置された加飾部を有する。
本発明における加飾部材に用いられる加飾部は、所定の色を呈する部材である。そのため、本発明における加飾部材は、本発明の転写用部材を用いて表示装置を製造した際、表示装置において、例えば額縁部等の非画素領域に加飾部が平面視上重なるように配置することにより、表示装置の外観を向上させることが可能となる。
(a)透明基材
本発明における透明基材は、後述する加飾部を支持する部材である。
なお、本発明における透明基材については、上述した「(1)カラーフィルタ (a)透明基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における透明基材は、後述する加飾部を支持する部材である。
なお、本発明における透明基材については、上述した「(1)カラーフィルタ (a)透明基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)加飾部
本発明における加飾部は、所定の色を呈することにより、本発明の転写用部材を用いて表示装置を製造した際に、表示装置の外観を向上させることができる。
本発明における加飾部は、所定の色を呈することにより、本発明の転写用部材を用いて表示装置を製造した際に、表示装置の外観を向上させることができる。
本発明における加飾部の厚みは、本発明の転写用部材の用途等に応じて適宜調整することができ、一般的な加飾部と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における加飾部が呈する色は、表示装置のデザイン等に応じて適宜選択することができる。加飾部が黒色を呈する黒色加飾部である場合、黒色加飾部の構成材料は、上述した「(1)カラーフィルタ (b)遮光部」の項に記載した遮光部の構成材料と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。また、加飾部が白色を呈する白色加飾部である場合、白色加飾部の構成材料としては、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
(4)保護層
本発明における保護層は、機能層としてカラーフィルタ、タッチパネル等を有する際に、カラーフィルタやタッチパネルを、溶剤や光等から保護することができる部材である。
本発明における保護層は、機能層としてカラーフィルタ、タッチパネル等を有する際に、カラーフィルタやタッチパネルを、溶剤や光等から保護することができる部材である。
本発明における保護層は、光学機能層に対し、溶剤や光等による劣化から保護するという機能を有することが好ましい。したがって、本発明における保護層は、耐薬品性、耐光性や耐熱性を有する部材であることが好ましい。
本発明における保護層の厚みは、保護層としての保護機能、具体的には耐薬品性、耐光性や耐熱性を付与することができる程度の厚みであることが好ましい。例えば、1μm〜5μmの範囲内とすることができる。
本発明における保護層の構成材料には、一般的な表示装置の保護層と同様の材料を用いることができる。中でも、耐薬品性や耐光性を有する材料を用いることが好ましい。このような保護層の構成材料は、有機材料であっても良く無機材料であっても良い。無機材料を用いる場合には、スパッタリング法により保護層を形成することができるため、有機材料を用いた場合のように保護層の形成に際し加熱工程を要しない。したがって、加熱工程による光学機能層への影響を抑えることができる。本発明における保護層に用いられる有機材料としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、本発明における保護層に用いられる無機材料としては、例えば、SiN、SiON等の透明性および遮断性の高い材料が挙げられる。
3.基材
本発明における基材は、上述した各部材を支持する部材である。
なお、本発明における基材については、上述した「2.機能層 (1)カラーフィルタ (a)透明基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における基材は、上述した各部材を支持する部材である。
なお、本発明における基材については、上述した「2.機能層 (1)カラーフィルタ (a)透明基材」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
4.転写用部材の製造方法
本発明の転写用部材を製造する製造方法は、上述した所望の転写用部材を得ることができる方法であれば良く、特に限定されない。例えば、基材の一方の面側に機能層を形成する機能層形成工程と、機能層の基材とは反対側の面または基材の機能層とは反対側の面に粘着層を形成する粘着層形成工程とを有する製造方法が挙げられる。
本発明の転写用部材を製造する製造方法は、上述した所望の転写用部材を得ることができる方法であれば良く、特に限定されない。例えば、基材の一方の面側に機能層を形成する機能層形成工程と、機能層の基材とは反対側の面または基材の機能層とは反対側の面に粘着層を形成する粘着層形成工程とを有する製造方法が挙げられる。
本発明における機能層形成工程は、カラーフィルタ、タッチパネル、加飾部材等の機能層を形成することができる方法であれば特に限定されず、一般的な機能層の形成方法と同様とすることができる。例えば、特開2015−31863号公報、特開2015−230510号公報等に記載された方法が挙げられる。
粘着層形成工程は、機能層の基材とは反対側の面または基材の機能層とは反対側の面に、粘着層を形成することができる工程であれば良く、例えば、粘着層を構成する粘着層形成用組成物を塗布して乾燥する方法が挙げられる。粘着層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の方法が挙げられる。
5.転写部材を用いた表示装置の製造方法
本発明の転写用部材を用いることにより、所定の機能層を有する表示装置を製造することができる。
本発明の転写用部材を用いることにより、所定の機能層を有する表示装置を製造することができる。
本発明の転写用部材を用いた表示装置の製造方法は、例えば、図2(a)に示すように、基材1と、機能層5と、粘着層2とを有する転写用部材10Bを形成する転写用部材形成工程と、図2(b)に示すように、転写基材6と、光学機能部材11とを有する転写部材10A’を形成する転写部材形成工程と、図2(c)に示すように、転写用部材10Bおよび転写部材10A’を貼合し、粘着層2を硬化する貼合工程と、図2(d)に示すように、転写基材6を剥離する剥離工程とを有する。なお、図2(a)〜(d)については既に説明しているため、ここでの詳細な説明は省略する。
本発明における貼合工程は、転写部材および転写用部材を、粘着層を介して貼合した後に、粘着層を硬化することが好ましい。貼合工程の後の剥離工程において、転写基材のみを選択的に剥離することが容易となるからである。
上述した製造方法において、表示装置を構成する光学機能部材の形成方法については、一般的な形成方法と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。例えば、特開2012−108563号公報に記載された方法が挙げられる。
本発明の転写部材を用いて製造される表示装置としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、液晶表示装置、電子ペーパー等が挙げられ、本発明においては、表示装置用基材を有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
(転写部材の形成)
転写基材(材料:PET、厚み:100μm)上に、ポリビニルシンナメート(PVCi)基を有する配向層形成用組成物(溶剤:PGME)をダイコート法により塗布した。その後、乾燥機内(90℃、2分間)にて乾燥させ、溶媒を除去させることにより配向層形成用組成物を硬化させて配向層(厚み:1.5μm)を形成した。
次に、得られた配向層上に、光重合性ネマチック相を示す液晶化合物と、光重合開始剤とを含む液晶組成物(固形分30%、溶剤:MIBK)をダイコート法により塗布して乾燥させ、光学機能層(厚み:1μm)を形成した。
このようにして、転写基材上に配置され、配向層および光学機能層を有する光学機能部材を得た。
(転写部材の形成)
転写基材(材料:PET、厚み:100μm)上に、ポリビニルシンナメート(PVCi)基を有する配向層形成用組成物(溶剤:PGME)をダイコート法により塗布した。その後、乾燥機内(90℃、2分間)にて乾燥させ、溶媒を除去させることにより配向層形成用組成物を硬化させて配向層(厚み:1.5μm)を形成した。
次に、得られた配向層上に、光重合性ネマチック相を示す液晶化合物と、光重合開始剤とを含む液晶組成物(固形分30%、溶剤:MIBK)をダイコート法により塗布して乾燥させ、光学機能層(厚み:1μm)を形成した。
このようにして、転写基材上に配置され、配向層および光学機能層を有する光学機能部材を得た。
(転写法を用いた積層体の形成)
ガラス上に、紫外線硬化型粘着層(厚み:2.5μm)を配置した。このとき用いた紫外線硬化型粘着層のタック性は、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上であった。
ガラス上に、紫外線硬化型粘着層(厚み:2.5μm)を配置した。このとき用いた紫外線硬化型粘着層のタック性は、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上であった。
ガラス上に配置された紫外線硬化型粘着層と、転写基材上に配置された光学機能部材とを、間に空気が入らないようにして貼合し、ガラス、紫外線硬化型粘着層、光学機能部材および転写基材がこの順で積層された積層体を得た。その後、上記積層体の転写基材側から紫外線を照射して、紫外線硬化型粘着層を硬化させた。最後に、転写基材を剥離してガラス、紫外線硬化型粘着層および光学機能部材がこの順で積層された積層体を得た。
[実施例2]
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが2以上のタック性を有する紫外線硬化型粘着層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが2以上のタック性を有する紫外線硬化型粘着層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[実施例3]
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが3以上のタック性を有する紫外線硬化型粘着層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが3以上のタック性を有する紫外線硬化型粘着層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[比較例1]
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有しない紫外線硬化型粘着層、すなわち、ボールナンバーが1未満のタック性を有する紫外線硬化型粘着層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有しない紫外線硬化型粘着層、すなわち、ボールナンバーが1未満のタック性を有する紫外線硬化型粘着層を用いたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[比較例2]
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが3以上のタック性を有しない感圧接着層(材料:感圧アクリル系粘着材、厚み:20μm)、すなわち、ボールナンバーが3未満のタック性を有する感圧接着層を用い、転写法を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが3以上のタック性を有しない感圧接着層(材料:感圧アクリル系粘着材、厚み:20μm)、すなわち、ボールナンバーが3未満のタック性を有する感圧接着層を用い、転写法を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
[評価]
・転写性
実施例1〜3および比較例1、2において、転写法を用いて積層体を形成する際の転写性について以下のように評価した。
◎:光学機能層を転写用部材に高い粘着力で貼合でき、優れた転写性が得られた
○:光学機能層を転写用部材に貼合でき、品質に問題が生じない程度の転写性が得られた
×:光学機能層を転写用部材に十分に貼合することができず、所望の転写性が得られなかった
・転写性
実施例1〜3および比較例1、2において、転写法を用いて積層体を形成する際の転写性について以下のように評価した。
◎:光学機能層を転写用部材に高い粘着力で貼合でき、優れた転写性が得られた
○:光学機能層を転写用部材に貼合でき、品質に問題が生じない程度の転写性が得られた
×:光学機能層を転写用部材に十分に貼合することができず、所望の転写性が得られなかった
・光学機能層の劣化耐性
実施例1〜3において得られた転写部材を用いて、カラーフィルタを有する転写用部材に転写して、光学機能層を有する表示装置を作製した。また、比較例2では、転写法を用いずに、感圧接着層を介して光学機能層をカラーフィルタに積層した表示装置を作製した。その後、得られた表示装置における光学機能層の劣化耐性について、以下のように評価した。
○:光学機能層に劣化は見られず、優れた劣化耐性が得られた
×:光学機能層に劣化が見られ、所望の劣化耐性が得られなかった
結果は、下記表1に示す。
実施例1〜3において得られた転写部材を用いて、カラーフィルタを有する転写用部材に転写して、光学機能層を有する表示装置を作製した。また、比較例2では、転写法を用いずに、感圧接着層を介して光学機能層をカラーフィルタに積層した表示装置を作製した。その後、得られた表示装置における光学機能層の劣化耐性について、以下のように評価した。
○:光学機能層に劣化は見られず、優れた劣化耐性が得られた
×:光学機能層に劣化が見られ、所望の劣化耐性が得られなかった
結果は、下記表1に示す。
実施例1〜3に示すように、紫外線硬化型粘着層が所定のタック性を有することにより、紫外線硬化型粘着層を介して光学機能層と転写用部材とを十分に貼合することができ、優れた転写性が得られた。一方、比較例1に示すように、紫外線硬化型粘着層が所定のタック性を有しない場合には、実施例1〜3のような転写性は得られなかった。
また、実施例1〜3では、カラーフィルタを作製する際の加熱工程後に、紫外線硬化型粘着層を有する転写部材を用いて光学機能層を積層することができたため、カラーフィルタを作製する際の加熱等による光学機能層の劣化を抑制することができた。一方、比較例2では、予め光学機能層が形成されるため、カラーフィルタを作製する際の加熱等により光学機能層が劣化してしまった。
また、実施例1〜3では、カラーフィルタを作製する際の加熱工程後に、紫外線硬化型粘着層を有する転写部材を用いて光学機能層を積層することができたため、カラーフィルタを作製する際の加熱等による光学機能層の劣化を抑制することができた。一方、比較例2では、予め光学機能層が形成されるため、カラーフィルタを作製する際の加熱等により光学機能層が劣化してしまった。
1 …基材
2 …粘着層
3 …光学機能層
4 …配向層
5 …機能層
6 …転写基材
10A …転写部材
10B …転写用部材
10 …表示装置
11 …光学機能部材
20 …カラーフィルタ
30 …タッチパネル
40 …加飾部材
2 …粘着層
3 …光学機能層
4 …配向層
5 …機能層
6 …転写基材
10A …転写部材
10B …転写用部材
10 …表示装置
11 …光学機能部材
20 …カラーフィルタ
30 …タッチパネル
40 …加飾部材
Claims (6)
- 転写基材と、
前記転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する光学機能部材と、
前記光学機能部材の前記転写基材とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層と
を有し、
前記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする転写部材。 - 前記粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする請求項1に記載の転写部材。
- 転写基材と、
前記転写基材の一方の面側に配置され、液晶性化合物が一方向に配向された光学機能層を有する光学機能部材と、
前記光学機能部材の前記転写基材とは反対側の面に配置された紫外線硬化型粘着層と
を有し、
前記紫外線硬化型粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする転写部材。 - 基材と、
前記基材の一方の面側に配置された機能層と、
前記機能層の前記基材とは反対側の面または前記基材の前記機能層とは反対側の面に配置され、厚みが5μm以下の粘着層と
を有し、
前記粘着層は、残膜率評価試験後の残膜率が80%以上であり、50℃〜80℃の範囲内で1時間加熱した後の重量減少率が15%以下であることを特徴とする転写用部材。 - 前記粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする請求項4に記載の転写用部材。
- 基材と、
前記基材の一方の面側に配置された機能層と、
前記機能層の前記基材とは反対側の面または前記基材の前記機能層とは反対側の面に配置された紫外線硬化型粘着層と
を有し、
前記紫外線硬化型粘着層が、温度23℃、湿度65%の環境下での傾斜式ボールタック試験(傾斜角20°)のボールナンバーが1以上のタック性を有することを特徴とする転写用部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016063027A JP2017181529A (ja) | 2016-03-28 | 2016-03-28 | 転写部材および転写用部材 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|
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Family Applications (1)
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JP2016063027A Pending JP2017181529A (ja) | 2016-03-28 | 2016-03-28 | 転写部材および転写用部材 |
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-
2016
- 2016-03-28 JP JP2016063027A patent/JP2017181529A/ja active Pending
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