JP2017181343A - 推力測定装置および推力測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、コイルの中に鉄芯を有するリニアモータをコア付きリニアモータと呼び、コイルの中に鉄芯が無いリニアモータをコアレスリニアモータと呼ぶ。コア付きリニアモータの場合、コイルの中心に鉄芯があるので磁力が強く、リニアモータの推力が強い一方、永久磁石とコイル鉄芯とが引合ったり、反発したりする影響を受け、リニアモータの推力に脈動が生じ易い。コアレスリニアモータの場合、コイルの中に鉄芯が無いためリニアモータの推力に脈動が生じ難い一方、磁力が弱いためリニアモータの推力が弱い。
可動板を有する可動部と、ベース板を有する固定部とを備え、
前記可動部または前記固定部のいずれかに取付けられているコイルと、前記コイルに対向するように離隔して設けられ、前記コイルが前記可動部に取付けられているときは前記固定部に、前記コイルが前記固定部に取付けられているときは前記可動部に設置されているマグネットと、を有するリニアモータの、動作時に発生する推力の脈動であるコギングとリップルを測定する推力測定装置であって、
前記リニアモータの動作時に前記可動板が移動する移動面内であって、当該可動板の移動方向に直交する方向に、前記コイルを挟んで両側に配置されて前記可動板または前記ベース板のいずれかに取付けられ、前記可動板の移動をガイドする複数のパッドと、
前記ベース板または前記可動板上に、前記可動板の移動方向と直交する2方向それぞれに、前記各パッドと対向するように配置され、前記可動板の移動方向への移動を非接触でガイドする複数のガイドレールと
前記ベース板と前記可動板との相対位置を検出し当該相対位置の位置情報を出力するリニアエンコーダと、
前記ベース板に設置され、前記リニアモータの特性測定のために、一定速度で駆動される測定用のアクチュエータと、
前記可動部と前記アクチュエータの間に設置され、前記アクチュエータを一定速度で移動させた場合、あるいは前記アクチュエータは静止させたままで、前記リニアモータのコイルに電流を流した場合に、発生する力を検出することで前記推力を測定するロードセルと、
を備えたものである。
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。図1は、実施の形態1によるリニアモータのコギングとリップルを測定する装置の斜視図であり、図2はその上面図(ただし、配線、配管は図示せず)、図3は図2のA−Aでの断面図である。
まず、測定対象となるリニアモータの構成要素であるマグネット2を、X−Y平面を形成する、固定部の構成要素の1つであるベース1上に配置する。また、このマグネット2の両側に、非接触式ガイドのガイドレール4をX軸方向に配している。ここでガイドレール4は、X−Y平面部分とX−Z平面部分を有している。また2つのガイドレール4は、マグネット2を中心線(X軸方向の形状中心線)とみなした場合において、それぞれのX−Z平面部分が互いに線対称な関係となるように配している。さらにベース1上には、リニアエンコーダ7とアシスト軸8、測定用のアクチュエータ10(以下、単にアクチュエータ10と呼ぶ)を配している。
具体的な例を挙げると、非接触式ガイドの一例である、例えば油を使った(流体軸受の一種である)静圧軸受では、その摩擦係数は、1/20、000以下であり、一般的なLMガイドの摩擦係数1/1、000程度と比較して十分小さい。
リニアモータがコア付きの場合、つまりコイル3の中に鉄芯を有する場合、コイル3とマグネット2との間に磁気吸引力が働く。この磁気吸引力はリニアモータの推力等の能力に依存するが、市販されているリニアモータの一例を挙げると、連続推力が960Nの場合、磁気吸引力は8、800N、連続推力が3、000Nの場合、磁気吸引力が45、000Nなどである。この時のガイド部の摩擦力は、摩擦係数1/1、000のLMガイドを採用した場合、連続推力960Nに対して摩擦力が8.8N、連続推力3、000Nに対して摩擦力が45Nである。
一方、摩擦係数1/20、000の非接触式ガイドを採用した場合、連続推力960Nに対して摩擦力が0.44N、連続推力3、000Nに対して摩擦力が2.25Nである。
また、アシスト軸8は、固定部のX軸方向に配している。このアシスト軸8はリニアエンコーダ7に同期して、つまり可動板6の動きに合わせて駆動する。アシスト軸8に、装置外に設置した制御機器などからの配線と配管のうち、可動部で使用する全ての配線(図中に太い実線で示す。図3、図12においても同様)と配管を支持して固定している(この部分を支持部と呼ぶ)。アシスト軸に固定した配線と配管は、ともに緩ませた状態で可動板6に接続する。
具体的には、リニアモータのコギングによる推力を測定する場合には、測定用のアクチュエータ10を一定速度で動かし、この場合に、可動板6と測定用のアクチュエータ10の間に設置されたロードセル9が検出する力を測定する。また、リップルによる推力を測定する場合には、測定用のアクチュエータ10を静止させておき、リニアモータのコイルに電流を流した場合にリニアモータに発生する推力をロードセル9で検出し、これを複数の場所で測定する。
まず、コイル3の動力線をアンプから切り離す(ステップS1)。次に、測定装置の電源を投入する(ステップS2)。その後、アクチュエータ10で可動板6を測定の開始位置へ移動する(ステップS3)。これで、測定の準備が完了する。準備が完了すれば、アクチュエータ10を一定の速度で駆動する(ステップS4)。この時、コイル3にはマグネット2との相対位置に応じてX軸方向にコギングによる推力が発生する。詳しくはコイル3内の鉄芯がマグネット2に引き寄せられる力の大きさと向きが、場所により異なり、進行方向に対して前後方向に交互に力が発生する。
コイル3を一定速度で移動させている時の、可動板6の位置をリニアエンコーダ7で計測するとともに、アクチュエータ10が可動板6より受ける力をロードセル9で測定する(ステップS5)。この測定を、可動板6が終了位置に到達するまで続ける(ステップS6)。可動板6が測定の終了位置に到達すれば、アクチュエータ10を停止する(ステップS7)。その後、測定装置の電源を切り(ステップS8)、測定を終了する。
以上の手順により、コギングによる推力を測定できる。
次に、測定装置の電源を投入する(ステップS102)。電源を投入したら、コイル3とアクチュエータ10を同時に、リップルによる推力の測定開始位置へ移動する(ステップS103)。
ここで、コイル3とアクチュエータ10が同時に移動しない場合、ロードセル9に過剰な力が加わり、壊れる可能性がある。そこで、コイル3とアクチュエータ10を測定の開始位置へ移動した後、アクチュエータ10をその場から動かないようにロックする(ステップS104)。
アクチュエータ10をロックした後、コイル3に一定電流を印加することで、リニアモータに推力が発生する(ステップS105)。
この時の可動板6の位置をリニアエンコーダ7で、リニアモータの推力をロードセル9で測定する(ステップS106)。
測定後、コイル3への印加電流を止める(ステップS107)。
その後、アクチュエータ10のロックを解除する(ステップS108)。
測定終了の位置でなければ(ステップS109)、コイル3とアクチュエータ10を同時に、次にリップルによる推力を測定する位置へ移動する(ステップS110)。
移動後、前述のS105〜S109の方法で可動板6の位置をリニアエンコーダ7で、リニアモータの推力をロードセル9で測定する。
可動板6が測定終了位置に到達すれば(ステップS109)、測定装置の電源を切り(ステップS111)、測定を終了する。
以上の手順により、コイル3とマグネット2との相対位置と推力との関係、すなわちリップルによる推力が得られる。
実施の形態2にて、複数のコイル3を用いてコギングによる推力とリップルによる推力を測定する方法について説明する。図6は、実施の形態2による複数のコイル3を有するリニアモータのコギングによる推力とリップルによる推力を測定する装置の上面図であり、図7は、図6のB−B断面図である。ここで、座標系の取り方は、実施の形態1の場合と同様とする。また、図6、図7においては、図2の場合と同様、配線、配管は図示していない。以下の図8〜図10も同様である。
コイル3を2個用い、コギングによる推力が倍増するように配した状態とは、PmとPcの関係が、Pc=N×Pmを満たす状態のことである。ただし、Nは自然数である。
この時、2個のコイル3とマグネット2との位置関係が同じであるため、それぞれのコギングによる推力は、理論上は、同じ大きさ、同じ向きであり、全体としてコギングによる推力が倍増する。
この時、2個のコイル3とマグネット2との位置関係が、0.5×Pmだけ、ずれているため、それぞれのコギングによる推力の向きが逆転し、全体としてコギングによる推力が最も小さい状態となる。
この時、2個のコイル3とマグネット2との位置関係が、例えば、0.25×Pmだけ、ずれているため、それぞれのコギングによる推力の向きが逆転する箇所が生ずるため、全体としてコギングによる推力が小さい状態となる。
コイル3の動力線をアンプから切り離せない場合のコギングによる推力の測定方法について図を用いて説明する。実施の形態1で説明した通り、コイル3が移動することで発生する逆起電圧は、コイル3の移動速度に比例する。そこで、コイル3が停止した状態でコギングによる推力を測定する。
まず測定装置の電源を投入する(ステップS201)。
電源を投入した後、コイル3の動力電源を切る(ステップS202)。これは一般的に、サーボオフと言われる。
コイル3の動力電源を切った後、アクチュエータ10にて可動板6をコギングの測定開始位置に移動する(ステップS203)。
測定開始位置に移動した後、アクチュエータ10がその場から動かないようにロックする(ステップS204)。ここで、アクチュエータ10をロックする方法は、実施の形態1で説明したとおり、サーボロックをかける方法や、物理的にロックする方法がある。
アクチュエータ10をロックした後、可動板6の位置をリニアエンコーダ7で、アクチュエータ10が可動板6より受ける力をロードセル9で測定する(ステップS205)。
測定後、アクチュエータ10のロックを解除する(ステップS206)。測定終了の位置でなければ(ステップS207)、アクチュエータ10にて次にコギングを測定する位置へ可動板を移動する(ステップS208)。
移動後、前述のS204〜S206の方法で可動板6の位置をリニアエンコーダ7で確認するため、アクチュエータ10が可動板6より受ける力をロードセル9で測定する。可動板6が測定終了の位置に到達すれば(ステップS207)、測定装置の電源を切り(ステップS209)、測定を終了する。
以上の手順により、コイル3の動力線をアンプから切り離せない場合でも、コギングを測定できる。
アシスト軸8を用意できない場合について説明する。図12は、アシスト軸8を用意できない場合の測定装置の斜視図である。配線や配管を移動させるための力が、コギングやリップルを測定する上での影響を小さくする必要がある。そのため、配線、配管を測定装置の上方、例えば天井から吊るすことで、配線や配管を移動させるための力を小さくできる。これにより、アシスト軸8が無くても、配線や配管を移動させるための力の影響を小さくすることができる。
また、アシスト軸8を用意できない測定装置におけるコギングとリップルを測定する方法は、コイル3の動力線をアンプから切り離せる場合は実施の形態1と同様であり、コイル3の動力線をアンプから切り離せない場合は実施の形態3と同様である。
Claims (7)
- 可動板を有する可動部と、ベース板を有する固定部とを備え、
前記可動部または前記固定部のいずれかに取付けられているコイルと、前記コイルに対向するように離隔して設けられ、前記コイルが前記可動部に取付けられているときは前記固定部に、前記コイルが前記固定部に取付けられているときは前記可動部に設置されているマグネットと、を有するリニアモータの、動作時に発生する推力の脈動であるコギングとリップルを測定する推力測定装置であって、
前記リニアモータの動作時に前記可動板が移動する移動面内であって、当該可動板の移動方向に直交する方向に、前記コイルを挟んで両側に配置されて前記可動板または前記ベース板のいずれかに取付けられ、前記可動板の移動をガイドする複数のパッドと、
前記ベース板または前記可動板上に、前記可動板の移動方向と直交する2方向それぞれに、前記各パッドと対向するように配置され、前記可動板の移動方向への移動を非接触でガイドする複数のガイドレールと
前記ベース板と前記可動板との相対位置を検出し当該相対位置の位置情報を出力するリニアエンコーダと、
前記ベース板に設置され、前記リニアモータの特性測定のために、一定速度で駆動される測定用のアクチュエータと、
前記可動部と前記アクチュエータの間に設置され、前記アクチュエータを一定速度で移動させた場合、あるいは前記アクチュエータは静止させたままで、前記リニアモータのコイルに電流を流した場合に、発生する力を検出することで前記推力を測定するロードセルと、
を備えたことを特徴とする推力測定装置。 - 前記パッドには、配管を通じて圧力を発生させるための流体が供給され、前記ガイドレールとの組合せで流体軸受を構成していることを特徴とする請求項1に記載の推力測定装置。
- 前記可動板には、外部から、前記固定部に設けた支持部を介して、配線と前記配管とが接続され、
前記リニアエンコーダからの出力に同期させることにより前記可動板の移動に追従するアシスト軸を、前記マグネットを挟んで前記リニアエンコーダとは反対側の前記ベース板上に設置したことを特徴とする請求項2に記載の推力測定装置。 - 前記可動板に前記リニアモータのコイルを複数配置したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の推力測定装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の推力測定装置を用いて、
前記コイルの動力線をアンプから切り離し、
前記アクチュエータで前記可動板を測定開始位置へ移動し、
前記アクチュエータで前記可動部を一定速度で移動させながら、前記可動板の位置と、前記可動板と前記アクチュエータとの間に働く力とを測定し、
測定終了位置に到達すれば前記アクチュエータを停止する、
ことを特徴とする推力測定方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の推力測定装置を用いて、
前記コイルと前記アクチュエータを同時に測定開始位置へ移動した後、
前記アクチュエータをロックする工程、
前記コイルに一定の電流を印加する工程、
前記可動板の位置と、前記可動板と前記アクチュエータの間に働く力とを測定する工程、
前記アクチュエータのロックを解除する工程、
次の測定位置までコイルと前記アクチュエータを同時に移動する工程、
を順に実施した後、前記工程による測定を測定終了位置まで繰り返す、
ことを特徴とする推力測定方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の推力測定装置を用いて、
前記コイルの動力電源を切り、前記アクチュエータで可動板を測定開始位置へ移動した後、
前記アクチュエータをロックする工程、
前記可動板の位置と前記可動板と前記アクチュエータの間に働く力とを測定する工程、
前記アクチュエータのロックを解除する工程、
次の測定位置まで前記アクチュエータで可動板を移動する工程、
を順に実施した後、前記工程による測定を測定終了位置まで繰り返す、
ことを特徴とする推力測定方法。
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WO2019116957A1 (ja) * | 2017-12-15 | 2019-06-20 | 三菱電機株式会社 | 推力測定装置 |
CN111044196A (zh) * | 2019-12-30 | 2020-04-21 | 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 | 一种直线电机推力测量装置及测量方法 |
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