JP2017180728A - 金属ベルトの製造方法および金属ベルト - Google Patents

金属ベルトの製造方法および金属ベルト Download PDF

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拓之 大畑
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Abstract

【課題】組付け作業時間を短縮することが可能な金属ベルトの製造方法を提供する。
【解決手段】この金属ベルト100の製造方法は、基部21と、庇部23と、基部21と庇部23とを接続する接続部24とによって無端環状のリング10を保持する凹部25が構成されている金属ベルト100用のエレメント20を、リング10に順次嵌め込むとともにリング10に沿って配列(整列)させる工程と、複数のエレメント20がリング10に配列(整列)された状態で、リング10がエレメント20の凹部25から離脱するのを防止する有端帯状のリテーナ30を、リング10の外周面12と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの隙間Sに挿入するとともにリング10の外周面12に沿って周状に配置する工程と、有端帯状のリテーナ30の一方端部31と他方端部32とを接合する工程とを備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、金属ベルトの製造方法および金属ベルトに関する。
従来、無端環状のリングとこのリングに沿って周状に配列された複数のエレメントとを備えた金属ベルトが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、駆動プーリと被動(従動)プーリとに掛けられることにより駆動プーリの動力を被動プーリに伝達する金属ベルトが開示されている。この金属ベルトは、無端環状の金属製のバンド(リング)と、このバンドを保持する凹部を含む複数の金属製のエレメントと、バンドがエレメントの凹部から離脱するのを防止する無端帯状の金属製の脱落防止体(抜止部材)とを備えている。なお、金属ベルトの断面構造として、脱落防止体の幅がバンドの幅よりも大きく形成されている。そして、バンドがエレメントの凹部に装着された状態で脱落防止体がバンドの外周面を覆うとともに両縁部が凹部の庇部に係止されることによって、バンドが凹部から離脱しないように構成されている。また、脱落防止体には厚み方向に貫通し長手方向に所定距離だけ延びた長孔が形成されている。したがって、この金属ベルトの製造プロセスでは、バンド(リング)の外周面に脱落防止体を沿わせるとともに長孔が設けられた区間の脱落防止体の幅を局所的に狭めた状態で、エレメントの凹部をバンドおよび脱落防止体の幅狭部分に嵌め込む。そして、脱落防止体は、幅が狭められた状態で凹部に挿入された後、凹部内で幅が元の大きさに復元されることにより脱落防止体の両縁部が凹部の庇部に係止されるように構成されている。
特開2001−193796号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された金属ベルトでは、製造プロセスにおいて、長孔が設けられた区間の脱落防止体(抜止部材)の幅を局所的に狭めながらエレメントを1枚ないし2枚ずつバンド側に嵌め込んで順送りする必要があるため、まとまった数のエレメントをバンド側に組み付けることができない。このため、全てのエレメントを組み付けて環状の金属ベルトを完成させるまでに多くの組付け作業時間を要するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、組付け作業時間を短縮することが可能な金属ベルトの製造方法およびこの金属ベルトを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における金属ベルトの製造方法は、基部と、庇部と、基部と庇部とを接続する接続部とによって無端環状のリングを保持する凹部が構成されている金属ベルト用のエレメントを、リングに順次嵌め込むとともにリングに沿って配列させる工程と、複数のエレメントがリングに配列された状態で、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材を、リングの外周面と凹部における庇部の基部に対向する内面との隙間に挿入するとともにリングの外周面に沿って周状に配置する工程と、有端帯状の抜止部材の始端部と終端部とを接合する工程と、を備える。
この発明の第1の局面による金属ベルトの製造方法は、上記のように、複数のエレメントがリングに配列された状態で、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材を、リングの外周面と凹部における庇部の基部に対向する内面との隙間に挿入するとともにリングの外周面に沿って周状に配置する工程と、有端帯状の抜止部材の始端部と終端部とを接合する工程とを備える。これにより、多数のエレメントがリングに予め配列(整列)された状態で有端帯状の抜止部材をリングの外周面と凹部における庇部の基部に対向する内面との隙間に挿入して周状に1回巻きした後、この抜止部材の始端部と終端部とを接合して金属ベルトを完成させることができる。したがって、1本の金属ベルトを構成するほとんどのエレメントを短時間でリング側に組み付けることができるので、金属ベルトを製造する際の組付け作業時間を短縮することができる。また、より短時間で1本の金属ベルトを製造することができるので、生産効率を向上させることが可能な金属ベルトの製造方法を提供することができる。
この発明の第2の局面における金属ベルトは、無端環状のリングと、各々がリングを保持する凹部を含む複数のエレメントと、複数のエレメントがリングに配列された状態でリングの外周面に沿って周状に配置され、かつ、始端部と終端部とが互いに接合されているとともに、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材と、を備える。
この発明の第2の局面による金属ベルトは、上記のように、複数のエレメントがリングに配列された状態でリングの外周面に沿って周状に配置され、かつ、始端部と終端部とが互いに接合されているとともに、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材を備える。これにより、製造プロセス上、多数のエレメントがリングに予め配列された状態で有端帯状の抜止部材をリングの外周面と凹部の内面(凹部における庇部の基部に対向する内面)との隙間に挿入して周状に1回巻きした後、この抜止部材の始端部と終端部とを接合して金属ベルトを完成させることができる。したがって、1本の金属ベルトを構成するほとんどのエレメントを短時間でリング側に組み付けることができるので、金属ベルトを製造する際の組付け作業時間を短縮することができる。また、より短時間で1本の金属ベルトを製造することができるので、生産効率を向上させることが可能な金属ベルトを提供することができる。
本発明によれば、上記のように、金属ベルトを製造する際の組付け作業時間を短縮することができる。
本発明の第1実施形態による製造方法を用いて製造した金属ベルトの全体構成を示した図である。 図1に示した金属ベルトの150−150線に沿った断面図である。 図1に示した金属ベルトの160−160線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態による製造方法を用いて製造した金属ベルトを構成するリテーナの展開図である。 本発明の第1実施形態による製造方法を用いて製造した金属ベルトの詳細な構成を示した図である。 本発明の第1実施形態による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の第1実施形態の第1変形例による製造方法を用いて製造した金属ベルトの詳細な構成を示した図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例による製造方法を用いて製造した金属ベルトの詳細な構成を示した図である。 本発明の第2実施形態による製造方法を用いて製造した金属ベルトの詳細な構成を示した図である。 本発明の第3実施形態による製造方法を用いて製造した金属ベルトの詳細な構成を示した図である。 本発明の変形例による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。 本発明の変形例による金属ベルトの製造プロセスを説明するための図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図5を参照して、第1実施形態による金属ベルト100の構成について説明する。
(金属ベルトの構成)
本発明の第1実施形態による製造方法を用いて製造された金属ベルト100は、図1に示すように、リング10と、複数のエレメント20と、リテーナ30とを備える。金属ベルト100は、車両(図示せず)に搭載されたベルト式無段変速機(CVT)における駆動側(入力軸)プーリ(図示せず)と、従動側(出力軸)プーリ(図示せず)とに巻き掛けられるとともに、それらのプーリ間で動力を伝達する役割を担う機械要素部品である。なお、図1では、説明の都合上、一部の区間のエレメント20を破線で示して、内部に組み込まれたリング10の構造および後述するリテーナ30の接合構造を実線で示している。
また、図2および図3に示すように、リング10は、無端環状の金属薄板10aが板厚方向(Z軸方向)に複数枚積層されている。エレメント20は、金属製であり、個々のエレメント20は、外周側(金属ベルト100の回転半径方向外側)に、多層状となったリング10を保持(収容)するための凹部25が形成されている。また、エレメント20は、凹部25においてリング10を保持する底部22を有する基部21と、リング10およびリテーナ30が組み付けられた状態でリテーナ30が凹部25から外れるのを防止する一対の庇部23と、基部21と庇部23とを接続する接続部24とを有して構成されている。また、底部22、接続部24および庇部23によって、凹部25における凹状の内面25aが構成されている。また、リテーナ30は、リング10(最外層の金属薄板10a)の外周面12と凹状の内面25aのうちの一対の庇部23の下面23a(矢印Z2側)との間の隙間Sに挟み込まれている。そして、この状態で、リテーナ30は、図1に示すように、リング10の回転半径方向外側の外周面12に沿って周状(トラック状)に配置されている。なお、下面23aは、特許請求の範囲の「凹部における庇部の基部に対向する内面」の一例である。
なお、接続部24から庇部23にかけての一対の外側面26は、駆動側プーリおよび従動側プーリ(図示せず)の各々のV字状の溝(摺動面)に嵌まり込んで面接触する部分である。また、リテーナ30は、金属製(マルエージング鋼製)であり、リング10がエレメント20の凹部25から金属ベルト100の回転半径方向外側に離脱するのを防止する役割を有する。なお、リテーナ30は、特許請求の範囲の「有端帯状の抜止部材」の一例である。
ここで、第1実施形態では、図4に示すように、リテーナ30は、金属ベルト100の製造プロセス上、有端帯状に形成されている。すなわち、リテーナ30は、単体状態では、一方端部31と、他方端部32と、一方端部31および他方端部32を繋ぐ本体部33とを有する。一方端部31は、本体部33のX軸方向に沿った中心線(図示せず)を対称軸として幅方向(Y軸方向)に2股(左右対称)に分岐されるとともにX軸方向に互いに平行に延びる一対の先端部31aおよび31bを有する。すなわち、Y2側の先端部31aとY1側の先端部31bとが幅方向に対向する部分に、U字状に切り欠かれた切欠部31cが設けられている。また、先端部31aおよび31bの各々には、厚み方向(Z軸方向)に貫通する孔部31dが形成されている。また、他方端部32は、本体部33の中心線(図示せず)に沿って延びるとともに本体部33に対して幅W2が小さく形成された1本の先端部32aを有する。なお、先端部32aの幅W2は、一方端部31における切欠部31cの幅W1よりも僅かに小さい。また、本体部33は、一方端部31との境界部分から他方端部32との境界部分に亘って一定の幅W3を有する。なお、一方端部31および他方端部32は、それぞれ、特許請求の範囲の「始端部」および「終端部」の一例である。
そして、図5に示すように、製造後の金属ベルト100においては、複数のエレメント20がリング10(最内層の金属薄板10a)の内周面11に沿って周状に配置された状態(図1参照)で、リテーナ30の一方端部31と他方端部32とが板状部材35を介在させて互いに接合(溶接)されている。
(金属ベルトの製造方法)
次に、図1、図2および図5〜図11を参照して、本発明の第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスについて説明する。
〈エレメントの配列工程〉
まず、図6に示すように、無端環状のリング10を一対の形状保持ローラ80aおよび80b間に掛けまわすとともに、形状保持ローラ80aおよび80bを互いにX軸方向に所定距離だけ離間させることによって、リング10がトラック状(長円形状)に形成される。そして、トラック状となったリング10に対して複数枚のエレメント20を配列する。具体的には、リング10の内周面11に対して、エレメント20の凹部25がリング10の内側(内周面11の側)から嵌め込まれる。
この際、第1実施形態では、複数のエレメント20を配列しない区間Aを残した状態で、他のほとんどの区間Bにエレメント20が配列される。なお、形状保持ローラ80aおよび80bとのX軸方向の間隔が適切に調整されることによって、複数のエレメント20が配列(整列)された状態で、エレメント20の基部21の回転半径方向内側となる下面21aが形状保持ローラ80aおよび80bの外表面80cに接触する。これにより、個々のエレメント20が適切に配列されるとともに、図6のように1枚1枚順次列をなした状態で保持される。また、これにより、図7に示すように、エレメント20の凹部25にリング10が配置(収容)される。なお、リング10の外周面12の幅方向(Y軸方向)の両端部と、凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの間には、隙間Sが形成される。また、この隙間Sは、エレメント20が配列された方向(X軸方向)に沿って区間Bに亘って連続的に延びている。なお、区間Aは、特許請求の範囲の「一部区間」の一例である。
その後、図8に示すように、短冊状(細長状)に形成されたリテーナ30の一方端部31に形成された先端部31aおよび31bが互いに近づけられることにより一方端部31の幅Wが狭められる。この際、組立作業者(図示せず)が、予めU字状に形成されたフック部材90の一対の端部90aおよび90bを、先端部31aおよび31bに予め形成された一対の孔部31dにそれぞれ挿入する。これにより、一方端部31は、先端部31aと先端部31bとが互いに近づけられるようにその形状が矯正されて一方端部31の幅4が狭められる。すなわち、一方端部31の根元部(X2側)で幅W3であったものが、一方端部31の先端(X1側)では幅W4(W4<W3)へと減少される。
なお、先端部31aと先端部31bとの接近距離は、切欠部31c周辺(先端部31aおよび31bの根元部分)での金属部材の曲げ変形に起因して一方端部31のZ方向の厚み(外形形状)が極度に膨らまない程度の距離に調整されている。また、幅W4は、エレメント20における左右の庇部23(図7参照)のY軸方向の離間間隔W5よりも小さい。なお、図8では、幅が狭められる前の一方端部31の外形形状を二点鎖線で示すとともに、フック部材90を取り付けた後の先端部31aおよび31bの外形形状を太い実線で示している。なお、フック部材90は、特許請求の範囲の「形状保持部材」の一例である。
〈リテーナの挿入工程〉
その後、図9に示すように、エレメント20がリング10に配列(整列)された状態で、有端帯状のリテーナ30が、リング10の外周面12と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの間の隙間Sに挿入される。具体的には、リテーナ30を保持するとともにリテーナ30をエレメント20内に自動的に送るための送りローラ81aおよび81bと、リテーナ30をリング10に沿って矢印X1方向に周状に1回巻きする際の送り動作をガイドするガイドローラ82〜84とがセットされる。なお、ガイドローラ82〜84にはバネ部材85が設けられており、自身が回転するガイドローラ82〜84は、所定の押圧力でリング10の外周面12を押圧している。
そして、薄板状のリテーナ30を送りローラ81aおよび81b間に挟み込んだ状態で、幅が狭められた一方端部31が隙間Sに挿入される。この際、第1実施形態では、リング10の区間Aに複数のエレメント20を配列していない状態で、区間Aに隣接する最初のエレメント20aを起点として、有端帯状のリテーナ30の一方端部31が隙間S(図7参照)に矢印J1(X1)方向に沿って挿入される。そして、送りローラ81aおよび81bの回転駆動とともに、リテーナ30が一方端部31を先頭としてトラック状に延びる隙間S(図7参照)内を一巡される。すなわち、リテーナ30は、区間B(図6参照)に相当するエレメント20の内部(隙間S)に迅速に通される。なお、区間Aの長さ(リテーナの挿入工程で取り付けられないエレメント20b(図11参照)の枚数)は、区間Aに隣接するエレメント20aからリテーナ30を隙間Sに送り入れることが可能な程度に極力短いのが好ましい。これにより、後述する接合工程に先立ってエレメント20b(図11参照)を組み付ける時間が短縮される。
なお、一方端部31の先端には、フック部材90(図8参照)が取り付けられて厚み方向にやや突出しているが、ガイドローラ82〜84に設けられたバネ部材85の伸縮作用によって一方端部31の先端がガイドローラ82〜84とリング10の外周面12にとの間を容易に通り抜けるように構成されている。また、送りローラ81aおよび81bは1つの可動ユニット81cとして構成されている。これにより、リテーナ30を、おおよそ1回巻きして送りローラ81aおよび81bのリテーナ30を保持する部分が他方端部32に近づき始めると、可動ユニット81cも矢印J1方向に沿って区間Aの近傍まで移動するように構成されている。そして、他方端部32が送りローラ81aおよび81bから送り出されてリング10の外周面12上に載置される。このようにして、リテーナ30は、リング10の外周面12に沿わせて周状に配置される。
〈リテーナの接合工程〉
その後、図10に示すように、リング10の外周面12に沿わせて周状に配置されたリテーナ30の一方端部31および他方端部32を区間Aに位置させる。そして、図11に示すように、区間Aに位置された幅が狭められている一方端部31および他方端部32の部分に、残りのエレメント20bが組み付けられる。その後、図10においてフック部材90が一対の孔部31dに仮留めされていた状態から、図5に示すように、フック部材90が一対の孔部31dから取り外されることにより、幅が狭められている一方端部31の幅W4を、幅が狭められていない元の状態(幅W3の状態)に戻す。
そして、この状態で一方端部31および他方端部32の上面(紙面手前側)に板状部材35が被せられる。そして、板状部材35を介在させた状態で一方端部31と板状部材35とが筋状の溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接されるとともに、他方端部32と板状部材35とが溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接される。これにより、一方端部31と他方端部32とが互いに接合される。このようにして、環状(無端環状)となったリテーナ30がリング10の外周面12に沿って凹部25内に固定される。最後に、可動ユニット81c、ガイドローラ82〜84および形状保持ローラ80aおよび80b(図9参照)が取り外されることによって金属ベルト100(図1参照)が製造される。
(第1実施形態の金属ベルトの製造方法の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、上記のように、複数のエレメント20がリング10に配列された状態で、リング10がエレメント20の凹部25から離脱するのを防止する有端帯状のリテーナ30を、リング10の外周面12と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの隙間Sに挿入するとともにリング10の外周面12に沿って周状に配置する工程と、有端帯状のリテーナ30の一方端部31と他方端部32とを接合する工程とを備える。これにより、多数のエレメント20がリング10に予め配列(整列)された状態で有端帯状のリテーナ30をリング10の外周面12と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの隙間Sに挿入して周状に1回巻きした後、このリテーナ30の一方端部31と他方端部32とを接合して金属ベルト100を完成させることができる。したがって、1本の金属ベルト100を構成するほとんどのエレメント20を短時間でリング10側に組み付けることができるので、金属ベルト100を製造する際の組付け作業時間(リードタイム)を短縮することができる。加えて、製造所要時間(リードタイム)の短縮は、組立作業者の負荷の軽減にも寄与する。また、より短時間で1本の金属ベルト100を製造することができるので、生産効率を向上させることが可能な金属ベルト100の製造方法を提供することができる。
また、第1実施形態では、金属ベルト100を上記した製造プロセスを適用して製造することによって、より短時間で1本の金属ベルト100を製造することができるので、金属ベルト100の生産効率を向上させることができる。すなわち、ベルト式無段変速機(CVT)の生産需要に合わせて金属ベルト100の生産スケジュールを柔軟に対応させることができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、有端帯状のリテーナ30を隙間Sに挿入するとともにリング10の外周面12に沿って周状に配置する工程を、幅が狭められているリテーナ30の一方端部31を隙間Sに挿入するとともに、一方端部31をリング10の外周面12に沿わせて周状に配置する工程を含むように構成する。これにより、幅が狭められた状態(幅W4の状態)の一方端部31をリング10の外周面12と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの隙間Sに円滑に挿入することができるので、リテーナ30の一方端部31を送り方向の先頭として、トラック状に形成された隙間S内を容易にかつ短時間で一巡させることができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、一方端部31を隙間Sに挿入するとともにリング10の外周面12に沿わせて周状に配置する工程を、フック部材90を用いて一方端部31の先端部31a(31b)近傍に予め形成された一対の孔部31dを互いに近づけることにより一方端部31の幅を狭めた状態で隙間Sに挿入する工程を有するように構成する。これにより、フック部材90を用いて一方端部31の先端部分を容易に狭めた状態で、この状態をフック部材90により維持しつつ、リテーナ30全体を、トラック状に形成された隙間S内に沿って容易にかつ短時間で一巡させることができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、有端帯状のリテーナ30を隙間Sに挿入するとともにリング10の外周面12に沿って周状に配置する工程を、リング10の区間Aに複数のエレメント20を配列していない状態で、区間Aに隣接するエレメント20aを起点として有端帯状のリテーナ30の一方端部31を隙間Sに挿入する工程を含むように構成する。これにより、区間A以外の区間Bに相当する大多数のエレメント20を予めリング10に対して配列(整列)しておいた状態で、区間B内にトラック状に連続性を有して延びる隙間Sにリテーナ30全体を短時間で一巡させることができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、有端帯状のリテーナ30を隙間Sに挿入するとともにリング10の外周面12に沿わせて周状に配置した後、エレメント20が配列されていない状態の区間Aに残りのエレメント20b(図11参照)を組み付ける工程をさらに備える。これにより、区間Bに予め配列されたエレメント20に対して区間Aに相当する少数のエレメント20b(図11参照)を組み付けるだけで完全なトラック状(環状)の金属ベルト100を容易に形成することができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、残りのエレメント20を区間Aに組み付ける工程を、リング10の外周面12に沿わせて周状に配置されたリテーナ30の一方端部31および他方端部32を区間Aに位置させるとともに幅が狭められている一方端部31および他方端部32に、残りのエレメント20b(図11参照)を組み付ける工程を含むように構成する。これにより、本体部33の幅W3よりも幅が狭められた一方端部31(幅W4)および他方端部32(幅W2)をエレメント20のない区間Aに位置させた状態で、リング10の内周面11に対して、残りのエレメント20b(図11参照)の凹部25をリング10の内側(内周面11の側)から容易に嵌め込むことができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、リテーナ30の一方端部31と他方端部32とを接合する工程を、残りのエレメント20b(図11参照)が組み付けられた区間Aに対応した位置で一方端部31と他方端部32とを接合する工程を含むように構成する。これにより、区間Aにエレメント20bを組み付けて完全なトラック状の金属ベルト100にした状態で、直ちに、リテーナ30を無端状(端部のない環状)に形成することができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、区間Aにおいて一方端部31と他方端部32とを接合する工程を、狭められている一方端部31の幅W4を狭められていない状態(幅W3)に復元して一方端部31と他方端部32とを接合する工程を有するように構成する。これにより、区間Aにおいてもリテーナ30の幅方向(Y軸方向)の両端部(一方端部31および他方端部32)を、リング10の外周面12の幅方向(Y軸方向)の両端部と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの間の隙間S(図3参照)に確実に配置した状態(一方端部31と他方端部32とが厚み方向に重ならない状態)で、一方端部31と他方端部32とを確実に接合することができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、リテーナ30の一方端部31と他方端部32とを接合する工程を、互いに対向させた状態の一方端部31と他方端部32とを覆う板状部材35を介在させて溶接により接合する工程を含むように構成する。これにより、一方端部31と板状部材35とを溶接により接合するとともに他方端部32と板状部材35とを溶接により接合することによって、一方端部31と他方端部32とを板状部材35を介在させて接合することができるので、一方端部31と他方端部32との接合強度を確実なものにすることができる。また、板状部材35を介在させる分、溶接に伴うリング10へのダメージを極力抑制することができる。
[第1実施形態の第1変形例]
次に、図4および図12を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。この第1実施形態の第1変形例では、上記第1実施形態とは異なる形状の一方端部131および他方端部132を有するリテーナ130を用いて金属ベルト110を製造する例について説明する。なお、一方端部131および他方端部132は、それぞれ、特許請求の範囲の「始端部」および「終端部」の一例である。また、リテーナ130は、特許請求の範囲の「有端帯状の抜止部材」の一例である。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を用いて図示する。
第1実施形態の第1変形例による製造プロセスでは、図12に示すように、一方端部131および他方端部132を有するリテーナ130を用いて金属ベルト110が製造される。すなわち、リテーナ130には、鍵穴に似た形状(谷形状)に切り欠かれた切欠部131cの両側に残された先端部131aおよび131bを有する一方端部131と、切欠部131cの形状に対応するように先端部132aの幅が先細るテーパ状(山形状)に形成された他方端部132とが予め設けられている。なお、先端部131a、131bおよび他方端部132の最も先端の部分は完全に尖ることのないように面取り加工が施されている。
そして、上記第1実施形態における金属ベルト100の製造プロセスと同様の製造プロセスによって、幅が狭められたリテーナ130の一方端部131を先頭としてトラック状に延びる隙間S内を周状に1回巻きさせる(リング10上に周状に配置する)。そして、谷形状の一方端部131と、山形状の他方端部132との対向部分が区間Aに位置合わせされた状態で、一方端部131と板状部材35とが筋状の溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接されるとともに、他方端部132と板状部材35とが溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接される。これにより、一方端部131と他方端部132とが互いに接合される。このようにして、金属ベルト110が製造される。
(第1実施形態の第1変形例の金属ベルトの製造方法の効果)
第1実施形態の第1変形例による金属ベルト110の製造プロセスでは、上記第1実施形態におけるリテーナ30(図4参照)と異なる端部の凹凸形状(対向形状)を有して構成されたリテーナ130を用いても、より短い組付け作業時間のもとで金属ベルト110を製造することができる。なお、その他の効果については上記第1実施形態と同様である。
[第1実施形態の第2変形例]
次に、図4、図7および図13を参照して、第1実施形態の第2変形例について説明する。この第1実施形態の第2変形例では、上記第1実施形態とは異なる形状の他方端部232を有するリテーナ230を用いて金属ベルト120を製造する例について説明する。なお、リテーナ230および他方端部232は、それぞれ、特許請求の範囲の「有端帯状の抜止部材」および「終端部」の一例である。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を用いて図示する。
第1実施形態の第2変形例による製造プロセスでは、図13に示すように、一方端部31および他方端部232を有するリテーナ230を用いて金属ベルト120が製造される。すなわち、リテーナ230には、切欠部31cの両側に先端部31aおよび31bを有する一方端部31と、先端部32a(図4参照)を有しない他方端部232とが予め設けられている。そして、一方端部31の幅を狭めた状態で一方端部31を先頭としてトラック状に延びる隙間S(図7参照)内を一巡させた後、一方端部31に対して他方端部232を対向させた状態で、一方端部31と板状部材35とが枠状の溶接ラインQの一部区間で互いに溶接されるとともに、他方端部232と板状部材35とが溶接ラインQの他の区間で互いに溶接される。これにより、一方端部31と他方端部232とが互いに接合される。このようにして、金属ベルト120が製造される。なお、リテーナ230をリング10と凹部25との隙間Sに挿入して周状に1回巻きさせるリテーナ230の挿入工程は、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第2変形例の金属ベルトの製造方法の効果)
第1実施形態の第2変形例による金属ベルト120の製造プロセスでは、上記第1実施形態におけるリテーナ30(図4参照)と異なる端部の凹凸形状(対向形状)を有して構成されたリテーナ230を用いても、より短い組付け作業時間のもとで金属ベルト120を製造することができる。なお、その他の効果については上記第1実施形態と同様である。
[第2実施形態]
次に、図7、図8、図10、図11および図14を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、リテーナ30を他方端部32の側を先頭として隙間Sに挿入して周状に1回巻きさせた後、他方端部32と一方端部31とを接合する製造プロセスを適用する例について説明する。なお、第2実施形態においては、一方端部31および他方端部32は、それぞれ、特許請求の範囲の「終端部」および「始端部」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を用いて図示する。
すなわち、第2実施形態による金属ベルト200の製造プロセスでは、図14に示すように、リテーナ30の挿入工程において、リテーナ30の他方端部32を隙間S(図7参照)に矢印J1(X1)方向に沿って挿入するとともに、他方端部32を先頭としてトラック状に延びる隙間S内を一巡させる。なお、この場合も、一方端部31にはフック部材90(図8参照)を取り付けて幅が予め狭められた状態にしている。そして、図10の場合と同様に、リテーナ30の他方端部32および一方端部31を区間Aに位置させた状態で、図11の場合と同様に、区間Aに残りのエレメント20bが組み付けられる。そして、狭められている一方端部31の幅を狭められていない状態に復元した後、図14に示すように、板状部材35を介在させた状態で、他方端部32と板状部材35とが溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接されるとともに、一方端部31と板状部材35とが筋状の溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接される。これにより一方端部31と他方端部32とが互いに接合される。なお、金属ベルト200のその他の製造プロセスについては上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の金属ベルトの製造方法の効果)
第2実施形態による金属ベルト200の製造プロセスでは、リテーナ30の挿入方向を上記第1実施形態と逆さにしても、より短い組付け作業時間のもとで金属ベルト200を製造することができる。なお、その他の効果については上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図5、図11および図15を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、板状部材35(図5参照)を用いずにリテーナ30の一方端部31および他方端部32を直接的に接合して金属ベルト300を製造する例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を用いて図示する。
すなわち、第3実施形態による金属ベルト300の製造プロセスでは、図11に示すように区間Aに位置された幅が狭められている一方端部31および他方端部32の部分に、残りのエレメント20bが組み付けられる。そして、フック部材90を取り外した後、図15に示すように、一方端部31と他方端部32とを互いに対向させた状態で、各々の周縁部31eおよび32eが溶接ラインRに沿って直接的に溶接される。このようにして、金属ベルト300が製造される。なお、金属ベルト300のその他の製造プロセスについては上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の金属ベルトの製造方法の効果)
第3実施形態による金属ベルト300の製造プロセスでは、板状部材35(図5参照)を用いなくても、一方端部31と他方端部32との接合強度を確実なものにすることができる。そして、より短い組付け作業時間のもとで金属ベルト300を製造することができる。なお、その他の効果については上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、フック部材90を一対の孔部31dに仮留めして一方端部31の幅を狭めたが、本発明はこれに限られない。たとえば、図16および図17に示す本発明の変形例における製造プロセスを適用して金属ベルト400を製造してもよい。具体的には、図16に示すように、組立作業者(図示せず)によって、プライヤー91を用いて部品を把持する把持部側の屈曲された一対の先端部91aおよび91bが、一方端部31の先端部31aおよび31bの一対の孔部31dにそれぞれ挿入される。そして、プライヤー91の柄91cが握られることにより、先端部31aと先端部31bとが互いに近づけられるようにその形状が矯正されて一方端部31の幅が狭められる。そして、リテーナ30をリング10の外周面12に周状に1回巻きする工程では、図17に示すように、組立作業者が、プライヤー91を用いて一方端部31の幅を狭めた状態のリテーナ30を矢印X1方向に沿って引っ張ることにより、リテーナ30がリング10の外周面12に周状に1回巻きされる。この場合、上記第1実施形態で示したような可動ユニット81c、ガイドローラ82〜84および形状保持ローラ80aおよび80b(図9参照)などは必要ない。なお、プライヤー91は、特許請求の範囲の「治具」の一例である。
この変形例のように構成しても、プライヤー91を用いて一方端部31の先端部分を容易に狭めた状態で、この状態をプライヤー91により維持しつつ、リテーナ30全体をトラック状に形成された隙間S内を容易にかつ短時間で一巡させることができる。したがって、より短い所要時間(リードタイム)のもとで金属ベルト400を製造することができる。なお、この変形例では「治具」の一例として組立作業者が使用するプライヤー91を用いたが、この限りではない。すなわち、一方端部31の先端部分を自動的につまんで幅を狭める機械装置を用いてもよい。
また、上記第1実施形態の第1変形例では、鍵穴状の切欠部131cに対して単なるテーパ状(山形状)の他方端部132を対向させて接合したが、本発明はこれに限られない。他方端部132の先端部132aを切欠部131cの鍵穴形状に忠実に嵌め込むことが可能な円弧状に形成してもよい。これにより、リテーナ130を1回巻きさせて一方端部131と他方端部132とを対向させた際に、先端部132aが切欠部131cに引掛けられて接合(溶接)前の環状のリテーナ130がほどけるのを容易に防止することができる。
また、上記第1実施形態、第1実施形態の第1変形例、第2および第3実施形態では、一方端部31(131)および他方端部32(232)が互いに凹凸形状を有するように構成したが、本発明はこれに限られない。たとえば、リテーナ(有端帯状の抜止部材)の両端部に一方端部31と同様の形状を設けておき、リテーナを周状に1回巻きさせて同一形状に形成されたこの端部同士を対向させて板状部材35を介して互いに接合してもよい。これにより、リテーナの隙間Sへの挿入の方向性がなくなるので、組立作業者がリテーナの挿入の方向性を気にすることなく均質な金属ベルトを製造することができる。
また、上記第1〜第3実施形態および上記本発明の変形例では、車両(図示せず)に搭載されたベルト式無段変速機(CVT)用の金属ベルト100〜400の製造方法に本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。たとえば、駆動側プーリと従動側プーリとに巻き掛けられて動力を伝達することが可能な機械装置であるならば、車両搭載用のベルト式無段変速機以外の動力伝達装置の金属ベルトの製造方法に本発明を適用してもよい。
10 リング(無端環状のリング)
11 内周面
12 外周面
20 エレメント
21 基部
23 庇部
23a 下面(凹部における庇部の基部に対向する内面)
24 接続部
25 凹部
30、130 リテーナ(有端帯状の抜止部材)
31 一方端部(始端部、終端部)
31a、31b、32a、131a、131b、132a 先端部
31c、131c 切欠部
31d 孔部
32 他方端部(終端部、始端部)
33 本体部
35 板状部材
90 フック部材(形状保持部材)
91 プライヤー(治具)
100、110、120、130、200、300、400 金属ベルト
131 一方端部(始端部)
132、232 他方端部(終端部)
A 区間(一部区間)
S 隙間
P、Q、R 溶接ライン
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における金属ベルトの製造方法は、基部と、庇部と、基部と庇部とを接続する接続部とによって無端環状のリングを保持する凹部が構成されている金属ベルト用のエレメントを、リングに順次嵌め込むとともにリングに沿って配列させる工程と、複数のエレメントがリングに配列された状態で、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材を、リングの外周面と凹部における庇部の基部に対向する内面との隙間に挿入するとともにリングの外周面に沿って周状に配置する工程と、有端帯状の抜止部材の始端部と終端部とを連結する工程と、を備える。
この発明の第1の局面による金属ベルトの製造方法は、上記のように、複数のエレメントがリングに配列された状態で、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材を、リングの外周面と凹部における庇部の基部に対向する内面との隙間に挿入するとともにリングの外周面に沿って周状に配置する工程と、有端帯状の抜止部材の始端部と終端部とを連結する工程とを備える。これにより、多数のエレメントがリングに予め配列(整列)された状態で有端帯状の抜止部材をリングの外周面と凹部における庇部の基部に対向する内面との隙間に挿入して周状に1回巻きした後、この抜止部材の始端部と終端部とを連結して金属ベルトを完成させることができる。したがって、1本の金属ベルトを構成するほとんどのエレメントを短時間でリング側に組み付けることができるので、金属ベルトを製造する際の組付け作業時間を短縮することができる。また、より短時間で1本の金属ベルトを製造することができるので、生産効率を向上させることが可能な金属ベルトの製造方法を提供することができる。
この発明の第2の局面における金属ベルトは、無端環状のリングと、各々がリングを保持する凹部を含む複数のエレメントと、複数のエレメントがリングに配列された状態でリングの外周面に沿って周状に配置され、かつ、始端部と終端部とが互いに連結されているとともに、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材と、を備える。
この発明の第2の局面による金属ベルトは、上記のように、複数のエレメントがリングに配列された状態でリングの外周面に沿って周状に配置され、かつ、始端部と終端部とが互いに連結されているとともに、リングがエレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材を備える。これにより、製造プロセス上、多数のエレメントがリングに予め配列された状態で有端帯状の抜止部材をリングの外周面と凹部の内面(凹部における庇部の基部に対向する内面)との隙間に挿入して周状に1回巻きした後、この抜止部材の始端部と終端部とを連結して金属ベルトを完成させることができる。したがって、1本の金属ベルトを構成するほとんどのエレメントを短時間でリング側に組み付けることができるので、金属ベルトを製造する際の組付け作業時間を短縮することができる。また、より短時間で1本の金属ベルトを製造することができるので、生産効率を向上させることが可能な金属ベルトを提供することができる。
(金属ベルトの構成)
本発明の第1実施形態による製造方法を用いて製造された金属ベルト100は、図1に示すように、リング10と、複数のエレメント20と、リテーナ30とを備える。金属ベルト100は、車両(図示せず)に搭載されたベルト式無段変速機(CVT)における駆動側(入力軸)プーリ(図示せず)と、従動側(出力軸)プーリ(図示せず)とに巻き掛けられるとともに、それらのプーリ間で動力を伝達する役割を担う機械要素部品である。なお、図1では、説明の都合上、一部の区間のエレメント20を破線で示して、内部に組み込まれたリング10の構造および後述するリテーナ30の連結構造を実線で示している。
そして、図5に示すように、製造後の金属ベルト100においては、複数のエレメント20がリング10(最内層の金属薄板10a)の内周面11に沿って周状に配置された状態(図1参照)で、リテーナ30の一方端部31と他方端部32とが板状部材35を介在させて互いに連結(溶接)されている。
そして、薄板状のリテーナ30を送りローラ81aおよび81b間に挟み込んだ状態で、幅が狭められた一方端部31が隙間Sに挿入される。この際、第1実施形態では、リング10の区間Aに複数のエレメント20を配列していない状態で、区間Aに隣接する最初のエレメント20aを起点として、有端帯状のリテーナ30の一方端部31が隙間S(図7参照)に矢印J1(X1)方向に沿って挿入される。そして、送りローラ81aおよび81bの回転駆動とともに、リテーナ30が一方端部31を先頭としてトラック状に延びる隙間S(図7参照)内を一巡される。すなわち、リテーナ30は、区間B(図6参照)に相当するエレメント20の内部(隙間S)に迅速に通される。なお、区間Aの長さ(リテーナの挿入工程で取り付けられないエレメント20b(図11参照)の枚数)は、区間Aに隣接するエレメント20aからリテーナ30を隙間Sに送り入れることが可能な程度に極力短いのが好ましい。これにより、後述する連結工程に先立ってエレメント20b(図11参照)を組み付ける時間が短縮される。
〈リテーナの連結工程〉
その後、図10に示すように、リング10の外周面12に沿わせて周状に配置されたリテーナ30の一方端部31および他方端部32を区間Aに位置させる。そして、図11に示すように、区間Aに位置された幅が狭められている一方端部31および他方端部32の部分に、残りのエレメント20bが組み付けられる。その後、図10においてフック部材90が一対の孔部31dに仮留めされていた状態から、図5に示すように、フック部材90が一対の孔部31dから取り外されることにより、幅が狭められている一方端部31の幅W4を、幅が狭められていない元の状態(幅W3の状態)に戻す。
そして、この状態で一方端部31および他方端部32の上面(紙面手前側)に板状部材35が被せられる。そして、板状部材35を介在させた状態で一方端部31と板状部材35とが筋状の溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接されるとともに、他方端部32と板状部材35とが溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接される。これにより、一方端部31と他方端部32とが互いに連結される。このようにして、環状(無端環状)となったリテーナ30がリング10の外周面12に沿って凹部25内に固定される。最後に、可動ユニット81c、ガイドローラ82〜84および形状保持ローラ80aおよび80b(図9参照)が取り外されることによって金属ベルト100(図1参照)が製造される。
第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、上記のように、複数のエレメント20がリング10に配列された状態で、リング10がエレメント20の凹部25から離脱するのを防止する有端帯状のリテーナ30を、リング10の外周面12と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの隙間Sに挿入するとともにリング10の外周面12に沿って周状に配置する工程と、有端帯状のリテーナ30の一方端部31と他方端部32とを連結する工程とを備える。これにより、多数のエレメント20がリング10に予め配列(整列)された状態で有端帯状のリテーナ30をリング10の外周面12と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの隙間Sに挿入して周状に1回巻きした後、このリテーナ30の一方端部31と他方端部32とを連結して金属ベルト100を完成させることができる。したがって、1本の金属ベルト100を構成するほとんどのエレメント20を短時間でリング10側に組み付けることができるので、金属ベルト100を製造する際の組付け作業時間(リードタイム)を短縮することができる。加えて、製造所要時間(リードタイム)の短縮は、組立作業者の負荷の軽減にも寄与する。また、より短時間で1本の金属ベルト100を製造することができるので、生産効率を向上させることが可能な金属ベルト100の製造方法を提供することができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、リテーナ30の一方端部31と他方端部32とを連結する工程を、残りのエレメント20b(図11参照)が組み付けられた区間Aに対応した位置で一方端部31と他方端部32とを連結する工程を含むように構成する。これにより、区間Aにエレメント20bを組み付けて完全なトラック状の金属ベルト100にした状態で、直ちに、リテーナ30を無端状(端部のない環状)に形成することができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、区間Aにおいて一方端部31と他方端部32とを連結する工程を、狭められている一方端部31の幅W4を狭められていない状態(幅W3)に復元して一方端部31と他方端部32とを連結する工程を有するように構成する。これにより、区間Aにおいてもリテーナ30の幅方向(Y軸方向)の両端部(一方端部31および他方端部32)を、リング10の外周面12の幅方向(Y軸方向)の両端部と凹部25における庇部23の基部21に対向する下面23aとの間の隙間S(図3参照)に確実に配置した状態(一方端部31と他方端部32とが厚み方向に重ならない状態)で、一方端部31と他方端部32とを確実に連結することができる。
また、第1実施形態による金属ベルト100の製造プロセスでは、リテーナ30の一方端部31と他方端部32とを連結する工程を、互いに対向させた状態の一方端部31と他方端部32とを覆う板状部材35を介在させて溶接により連結する工程を含むように構成する。これにより、一方端部31と板状部材35とを溶接により連結するとともに他方端部32と板状部材35とを溶接により連結することによって、一方端部31と他方端部32とを板状部材35を介在させて連結することができるので、一方端部31と他方端部32との連結強度を確実なものにすることができる。また、板状部材35を介在させる分、溶接に伴うリング10へのダメージを極力抑制することができる。
そして、上記第1実施形態における金属ベルト100の製造プロセスと同様の製造プロセスによって、幅が狭められたリテーナ130の一方端部131を先頭としてトラック状に延びる隙間S内を周状に1回巻きさせる(リング10上に周状に配置する)。そして、谷形状の一方端部131と、山形状の他方端部132との対向部分が区間Aに位置合わせされた状態で、一方端部131と板状部材35とが筋状の溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接されるとともに、他方端部132と板状部材35とが溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接される。これにより、一方端部131と他方端部132とが互いに連結される。このようにして、金属ベルト110が製造される。
第1実施形態の第2変形例による製造プロセスでは、図13に示すように、一方端部31および他方端部232を有するリテーナ230を用いて金属ベルト120が製造される。すなわち、リテーナ230には、切欠部31cの両側に先端部31aおよび31bを有する一方端部31と、先端部32a(図4参照)を有しない他方端部232とが予め設けられている。そして、一方端部31の幅を狭めた状態で一方端部31を先頭としてトラック状に延びる隙間S(図7参照)内を一巡させた後、一方端部31に対して他方端部232を対向させた状態で、一方端部31と板状部材35とが枠状の溶接ラインQの一部区間で互いに溶接されるとともに、他方端部232と板状部材35とが溶接ラインQの他の区間で互いに溶接される。これにより、一方端部31と他方端部232とが互いに連結される。このようにして、金属ベルト120が製造される。なお、リテーナ230をリング10と凹部25との隙間Sに挿入して周状に1回巻きさせるリテーナ230の挿入工程は、上記第1実施形態と同様である。
[第2実施形態]
次に、図7、図8、図10、図11および図14を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、リテーナ30を他方端部32の側を先頭として隙間Sに挿入して周状に1回巻きさせた後、他方端部32と一方端部31とを連結する製造プロセスを適用する例について説明する。なお、第2実施形態においては、一方端部31および他方端部32は、それぞれ、特許請求の範囲の「終端部」および「始端部」の一例である。また、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を用いて図示する。
すなわち、第2実施形態による金属ベルト200の製造プロセスでは、図14に示すように、リテーナ30の挿入工程において、リテーナ30の他方端部32を隙間S(図7参照)に矢印J1(X1)方向に沿って挿入するとともに、他方端部32を先頭としてトラック状に延びる隙間S内を一巡させる。なお、この場合も、一方端部31にはフック部材90(図8参照)を取り付けて幅が予め狭められた状態にしている。そして、図10の場合と同様に、リテーナ30の他方端部32および一方端部31を区間Aに位置させた状態で、図11の場合と同様に、区間Aに残りのエレメント20bが組み付けられる。そして、狭められている一方端部31の幅を狭められていない状態に復元した後、図14に示すように、板状部材35を介在させた状態で、他方端部32と板状部材35とが溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接されるとともに、一方端部31と板状部材35とが筋状の溶接ラインPの部分(3箇所)で互いに溶接される。これにより一方端部31と他方端部32とが互いに連結される。なお、金属ベルト200のその他の製造プロセスについては上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図5、図11および図15を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、板状部材35(図5参照)を用いずにリテーナ30の一方端部31および他方端部32を直接的に連結して金属ベルト300を製造する例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を用いて図示する。
(第3実施形態の金属ベルトの製造方法の効果)
第3実施形態による金属ベルト300の製造プロセスでは、板状部材35(図5参照)を用いなくても、一方端部31と他方端部32との連結強度を確実なものにすることができる。そして、より短い組付け作業時間のもとで金属ベルト300を製造することができる。なお、その他の効果については上記第1実施形態と同様である。
また、上記第1実施形態の第1変形例では、鍵穴状の切欠部131cに対して単なるテーパ状(山形状)の他方端部132を対向させて連結したが、本発明はこれに限られない。他方端部132の先端部132aを切欠部131cの鍵穴形状に忠実に嵌め込むことが可能な円弧状に形成してもよい。これにより、リテーナ130を1回巻きさせて一方端部131と他方端部132とを対向させた際に、先端部132aが切欠部131cに引掛けられて連結(溶接)前の環状のリテーナ130がほどけるのを容易に防止することができる。
また、上記第1実施形態、第1実施形態の第1変形例、第2および第3実施形態では、一方端部31(131)および他方端部32(232)が互いに凹凸形状を有するように構成したが、本発明はこれに限られない。たとえば、リテーナ(有端帯状の抜止部材)の両端部に一方端部31と同様の形状を設けておき、リテーナを周状に1回巻きさせて同一形状に形成されたこの端部同士を対向させて板状部材35を介して互いに連結してもよい。これにより、リテーナの隙間Sへの挿入の方向性がなくなるので、組立作業者がリテーナの挿入の方向性を気にすることなく均質な金属ベルトを製造することができる。


Claims (10)

  1. 基部と、庇部と、前記基部と前記庇部とを接続する接続部とによって無端環状のリングを保持する凹部が構成されている金属ベルト用のエレメントを、前記リングに順次嵌め込むとともに前記リングに沿って配列させる工程と、
    複数の前記エレメントが前記リングに配列された状態で、前記リングが前記エレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材を、前記リングの外周面と前記凹部における前記庇部の前記基部に対向する内面との隙間に挿入するとともに前記リングの外周面に沿って周状に配置する工程と、
    前記有端帯状の抜止部材の始端部と終端部とを接合する工程と、を備える、金属ベルトの製造方法。
  2. 前記有端帯状の抜止部材を前記隙間に挿入するとともに前記リングの外周面に沿って周状に配置する工程は、幅が狭められている前記有端帯状の抜止部材の始端部を前記隙間に挿入するとともに、前記始端部を前記リングの外周面に沿わせて周状に配置する工程を含む、請求項1に記載の金属ベルトの製造方法。
  3. 前記始端部を前記隙間に挿入するとともに前記リングの外周面に沿わせて周状に配置する工程は、治具または形状保持部材を用いて前記始端部の端部近傍に予め形成された一対の孔部を互いに近づけることにより前記始端部の幅を狭めた状態で前記隙間に挿入する工程を有する、請求項2に記載の金属ベルトの製造方法。
  4. 前記有端帯状の抜止部材を前記隙間に挿入するとともに前記リングの外周面に沿って周状に配置する工程は、前記リングの一部区間に複数の前記エレメントを配列していない状態で、前記一部区間に隣接する前記エレメントを起点として前記有端帯状の抜止部材の前記始端部を前記隙間に挿入する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属ベルトの製造方法。
  5. 前記有端帯状の抜止部材を前記隙間に挿入するとともに前記リングの外周面に沿わせて周状に配置した後、前記エレメントが配列されていない状態の前記一部区間に残りの前記エレメントを組み付ける工程をさらに備える、請求項4に記載の金属ベルトの製造方法。
  6. 前記残りのエレメントを前記一部区間に組み付ける工程は、前記リングの外周面に沿わせて周状に配置された前記有端帯状の抜止部材の前記始端部および前記終端部を前記一部区間に位置させるとともに幅が狭められている前記始端部および前記終端部に、前記残りのエレメントを組み付ける工程を含む、請求項5に記載の金属ベルトの製造方法。
  7. 前記有端帯状の抜止部材の始端部と終端部とを接合する工程は、前記残りのエレメントが組み付けられた前記一部区間に対応した位置で前記始端部と前記終端部とを接合する工程を含む、請求項5または6に記載の金属ベルトの製造方法。
  8. 前記一部区間において前記始端部と前記終端部とを接合する工程は、狭められている前記始端部または前記終端部のいずれか一方の幅を狭められていない状態に復元して前記始端部と前記終端部とを接合する工程を有する、請求項7に記載の金属ベルトの製造方法。
  9. 前記有端帯状の抜止部材の始端部と終端部とを接合する工程は、互いに対向させた状態の前記始端部と前記終端部とを直接的に溶接するか、または、互いに対向させた状態の前記始端部と前記終端部とを覆う板状部材を介在させて溶接により接合する工程のいずれかを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属ベルトの製造方法。
  10. 無端環状のリングと、
    各々が前記リングを保持する凹部を含む複数のエレメントと、
    前記複数のエレメントが前記リングに配列された状態で前記リングの外周面に沿って周状に配置され、かつ、始端部と終端部とが互いに接合されているとともに、前記リングが前記エレメントの凹部から離脱するのを防止する有端帯状の抜止部材と、を備える、金属ベルト。
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