JP2017180701A - 車両用歯車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベアリングにその回転中心線まわりに均一に予圧を与えるとともに、ベアリングに与えられる予圧の温度変化に対する変化量を低減する。【解決手段】車両用歯車装置10によれば、ベアリング38は、転動体38cと、転動体38cを径方向で挟むアウターレース38bおよびインナーレース38aとを有し、インナーレース38aは、センターサポート20に螺着される雄ねじ部44および転動体38cを支持する転動体支持部40を有し、雄ねじ部44は、転動体支持部40の内径側から回転中心線C1方向にセンターサポート20のフランジ部24側へ突出して転動体支持部40と一体に形成される。このため、雄ねじ部44の回転中心線C1方向の長さを充分に確保することができる。また、転動体38cを支持する転動体支持部40およびそれに一体に形成された雄ねじ部44は、単一の鉄系材料で形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用歯車装置に関し、とりわけ、ベアリングにその回転中心線まわりに均一に予圧を与えるとともに、ベアリングに与えられる予圧の温度変化に対する変化量を低減する技術に関する。
動力伝達する歯車がその内径側でベアリングを介して回転可能に支持部材により支持された車両用歯車装置が知られている。たとえば、特許文献1の車両用歯車装置がそれである。特許文献1では、ベアリングのインナーレースが複数本の固定用ボルトの締付力により支持部材に対して固定されている。インナーレースと支持部材との間にはシムが配設され、そのシムの厚さが調節されることによりベアリングに対して与えられる予圧の調節、均一化がなされる。
また、図1の回転中心線C1よりも下側半分には、上記特許文献1のような車両用歯車装置の一例である車両用歯車装置110が適用された車両用動力伝達装置108が示されている。車両用歯車装置110は、動力伝達するための出力ギヤ112と、出力ギヤ112をその内径側で回転中心線C1を中心として回転可能に支持するケース114との間に一対のアンギュラボールベアリング116、118を備えている。ケース114のセンターサポートから突設されたボス部120の先端側の外周面には、ナット124を螺合するための雄ねじが形成されている。ボス部120の先端側のベアリング116のインナーレース116aは、ボス部120の外周面に形成された雄ねじに螺合されたナット124により回り止めワッシャ126を介して締め付けられている。ナット124が締められることにより、一対のベアリング116、118には予圧が加えられ、そのインナーレース116a、118aがボス部120に固定される。また、一対のベアリング116、118のアウターレース116b、118bが内周面に嵌め着けられた出力ギヤ112は回転中心線C1方向に位置決めされる。
特開2006−292065号公報
ところで、上記特許文献1の車両用歯車装置では、固定用ボルトの雄ねじ部の長さが十分でない場合には、支持部材に形成されたねじ穴に対して雄ねじ部が傾き易く、シムによる調整を行ってもベアリングに対して与えられる予圧が周方向に不均一となり易いという問題があった。また、図1に示される歯車装置110でも、歯車装置110の回転中心線C1方向の長さを短縮する要請から、ナット124およびボス部120の直径に対して、ナット124の雌ねじとボス部120のインナーレース116aよりも遊星歯車装置122側に突き出した先端部121の雄ねじとのねじ嵌合部の回転中心線C1方向の長さが短く、ナット124の締付時にナット124が傾き易い。その結果、ベアリング116、118に対して与えられる予圧が回転中心線まわりに不均一となり、ベアリング116、118により支持されている出力ギヤ112の耐久性が低下する可能性があった。
また、近年の部品軽量化ニーズによって、インナーレース116a、118aを支持する支持部材としてのボス部120を有するセンターサポートは、鉄系部材よりも軽量のアルミニウム部材などへの置換が進んでいる。一方で、インナーレース116a、118aは、軸受としての耐久性を担保するため、従来通りの軸受鋼が使用されている。このため、ケース114とインナーレース116a、118aとの線膨張係数が異なり、ボス部120の線膨張係数がインナーレース116aの線膨張係数よりも大きくなっている。これにより、ベアリング116の転動体116cを支持する領域である、ボス部120およびインナーレース116aの間で温度上昇による回転中心線C1方向への熱膨張差が発生し、温度上昇以前においてベアリング116、118に与えられた予圧を維持することが困難となる可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ベアリングに回転中心線まわりに均一に予圧を与えるとともに、ベアリングに与えられる予圧の温度変化に対する変化量を低減する車両用歯車装置を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、動力伝達する歯車がその内径側でベアリングを介して回転可能に支持部材により支持された車両用歯車装置において、前記ベアリングは、転動体と、前記転動体を径方向で挟むアウターレースおよびインナーレースとを有し、前記インナーレースは、前記支持部材に螺着されるねじ部と前記転動体を支持する転動体支持部とを有し、前記ねじ部は、前記転動体支持部のうちの内径側から前記歯車の回転中心線方向に前記支持部材側へ突出して前記転動体支持部と一体に形成されることにある。
本発明によれば、前記ベアリングは、転動体と、前記転動体を径方向で挟むアウターレースおよびインナーレースとを有し、前記インナーレースは、前記支持部材に螺着されるねじ部と前記転動体を支持する転動体支持部とを有し、前記ねじ部は、前記転動体支持部のうちの内径側から前記歯車の回転中心線方向に前記支持部材側へ突出して前記転動体支持部と一体に形成される。このため、ねじ部の回転中心線方向の長さを確保することができる。これにより、回転中心線まわりに均一な予圧がベアリングに与えられる。また、本発明では、インナーレースは、転動体支持部から回転中心線方向に突出して設けられるねじ部により支持部材に螺着されるため、インナーレースの転動体支持部およびそれに一体形成されたねじ部は単一の部材で形成される。このため、たとえばインナーレースおよびそのインナーレースが固定されるボス部との線膨張係数が異なり、温度上昇時にそれらの回転中心線方向の膨張量に差が生じる車両用歯車装置と比較して、ベアリングに与えられる予圧の温度変化に対する変化量が低減される。その結果、歯車の回転中心線方向における傾きが抑制され、歯車の耐久性の低下を防ぐことが可能となる。
本発明の一実施例の車両用歯車装置を含む車両用動力伝達装置の断面図を回転中心線よりも上側に、ナットの締付力によりベアリングに予圧が与えられる車両用歯車装置を含む車両用動力伝達装置の断面図を回転中心線よりも下側に示した図である。 他の構成例の車両用歯車装置を含む車両用動力伝達装置の断面図である。 他の構成例の車両用歯車装置を含む車両用動力伝達装置の断面図を回転中心線よりも上側に、図1のナットの締付力によりベアリングに予圧が与えられる車両用歯車装置を含む車両用動力伝達装置の断面図を回転中心線よりも下側に示した図である。
以下、本発明の車両用歯車装置の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例の車両用歯車装置10と前述の車両用歯車装置110とを比較するため、車両用歯車装置10を含む車両用動力伝達装置8の断面図を回転中心線C1よりも上側に、車両用歯車装置110を含む車両用動力伝達装置108の断面図を回転中心線C1よりも下側にそれぞれ示す図である。なお、図1では、カウンタドライブギヤ12および出力ギヤ112が、その回転中心線C1方向において同位置に示されている。車両用動力伝達装置8(以下、「動力伝達装置8」という。)は、駆動源から入力された動力を車両の左右の駆動輪に伝達するために、回転中心線C1まわりに回転可能に設けられたカウンタドライブギヤ12を有する車両用歯車装置10と遊星歯車装置14とを備える有段変速機16と、カウンタドライブギヤ12と噛み合って回転中心線C1に平行な図示しない回転中心線まわりに回転可能に設けられた図示しないカウンタドリブンギヤと、カウンタドリブンギヤから伝達された動力を車両の左右の駆動輪に伝達する図示しない差動歯車装置とを、ケース内に備えている。カウンタドライブギヤ12は、鉄系材料から構成されている。遊星歯車装置14は、サンギヤS、ピニオンギヤP、そのピニオンギヤPを自転及び公転可能に支持するキャリヤCA、ピニオンギヤPを介してサンギヤSと噛み合うリングギヤRを回転要素として備えている。カウンタドライブギヤ12は、リングギヤRに連結されている。遊星歯車装置14へ入力された動力は、リングギヤRを介してカウンタドライブギヤ12に伝達される。
車両用歯車装置10は、駆動源から入力される動力をカウンタドリブンギヤに伝達するカウンタドライブギヤ12、カウンタドライブギヤ12の内径側に設けられた一対のアンギュラボールベアリング36、38(以下、「ベアリング36、38」という。)、支持部材として機能するセンターサポート20などから構成される。センターサポート20は、ケースの内周面から内周側に形成されたフランジ部24と、フランジ部24の内周端部から遊星歯車装置14側へ回転中心線C1方向に円筒状に突出し、その先端部の内周面に雌ねじが形成されたボス部26とを備えている。センターサポート20は、たとえばアルミニウム合金などの軽合金から形成されている。カウンタドライブギヤ12は、斜歯歯車であり、カウンタドリブンギヤと噛合う歯30を外周面に有する環状の本体部31と、本体部31の内周側から回転中心線C1方向に延出した連結部32を備え、連結部32を介して遊星歯車装置14のリングギヤRと連結している。なお、カウンタドライブギヤ12は、ユニット容量に応じて用いる径の異なる歯30が示されている。本体部31の内周面の回転中心線C1方向の中央部に形成されている周溝には、スナップリング34が嵌められている。カウンタドライブギヤ12は、ベアリング36、38により、回転中心線C1を中心として回転可能にセンターサポート20に支持されている。ベアリング36は、球状の転動体36cと、転動体36cを径方向で挟む環状のアウターレース36b、インナーレース36aとを有している。また、ベアリング38は、球状の転動体38cと、転動体38cを径方向で挟む環状のアウターレース38b、インナーレース38aとを有している。ベアリング36の転動体36c、アウターレース36b、インナーレース36aは鉄系材料から構成されている。ベアリング38の転動体38c、アウターレース38b、インナーレース38aは、ベアリング36と同様に、鉄系材料たとえば軸受鋼から構成されている。インナーレース38aは、アルミニウム合金から形成されたセンターサポート20よりも線膨張係数が小さい。一対のベアリング36、38のうちのフランジ部24側のベアリング36のインナーレース36aは、センターサポート20のボス部26の外周面に嵌合され、ベアリング36、38のそれぞれのアウターレース36b、38bは、カウンタドライブギヤ12の本体部31の内周面に嵌合されている。ベアリング36のインナーレース36aは、その回転中心線C1方向のフランジ部24側の端面がフランジ部24に当接されて回転中心線C1方向に位置決めされている。ベアリング36のアウターレース36bは、その回転中心線C1方向の遊星歯車装置14側の端面がスナップリング34に当接させられている。また、一対のベアリング36、38のうちの遊星歯車装置14側のベアリング38のアウターレース38bは、その回転中心線C1方向のフランジ部24側の端面がスナップリング34に当接させられている。
ベアリング38のインナーレース38aは、アウターレース38bとの間で転動体38cを転動可能に支持する転動体支持部40と、転動体支持部40の内径部からセンターサポート20側に突設され、センターサポート20に螺着される雄ねじ部44とを一体に備えている。雄ねじ部44は、転動体支持部40のうちの内径側から前記カウンタドライブギヤ12の回転中心線C1方向にセンターサポート20のフランジ部24側へ円筒状に突出して転動体支持部40と一体に形成されている。雄ねじ部44の外周面にボス部26に螺合可能な雄ねじが形成されている。雄ねじ部44の回転中心線C1方向の長さは、雄ねじ部44がボス部26に対して傾くことが防がれるように、充分な長さが確保されている。雄ねじ部44がボス部26に螺着され、転動体38cが転動体支持部40により締められることによって転動体38cに作用する締付力が遊星歯車装置14側のアウターレース38bに伝達され、そのアウターレース38bがスナップリング34を介してフランジ部24側のアウターレース36bをフランジ部24側へ押圧し、その押圧力が転動体36cを介してフランジ部24側のインナーレース36aに伝達される。これにより、ベアリング36、38に予圧が与えられ、遊星歯車装置14側のベアリング38のインナーレース38aおよびアウターレース38bと転動体38cとの間の遊び、およびフランジ部24側のベアリング36のインナーレース36aおよびアウターレース36bと転動体36cとの間の遊びが除かれる。また、これにより、カウンタドライブギヤ12が回転中心線C1方向に位置決めされる。
雄ねじ部44は、インナーレース38aの転動体支持部40のうちの内径側から、転動体支持部40よりもフランジ部24側へ回転中心線C1方向に円筒状に突出して形成されている。このため、雄ねじ部44の直径に対して、雄ねじ部44がボス部26に対して傾くことが抑制されるのに必要な雄ねじ部44の回転中心線C1方向の長さを確保することができる。また、前述の車両用歯車装置110によれば、ベアリング116およびベアリング118に予圧を与えるために、ボス部120はインナーレース116aよりも遊星歯車装置122側に突出しており、そのボス部120のインナーレース116aよりも遊星歯車装置122側に突出された先端部121にナット124が螺合されていた。これに対して、本実施例の車両用歯車装置10では、ナット124およびボス部120のナット124を螺合させる先端部121が不要のため、車両用歯車装置10の内周側の回転中心線C1方向の長さを車両用歯車装置110のそれよりもナット124の回転中心線C1方向の長さに略等しい長さL1だけ短縮することができ、カウンタドライブギヤ12の内周側においてベアリング38と遊星歯車装置14との間にスペースを確保することができる。これにより、ベアリング38と遊星歯車装置14との間に他部材を配置することができる。なお、上記長さL1は、たとえば約6mmが例示される。また、前述の車両用歯車装置110によれば、鉄系材料から形成されるインナーレース116aとインナーレース116aよりも線膨張係数の大きいアルミニウム材料から形成されるボス部120によりベアリング116の転動体116cが内周側から支持されており、転動体116cを内周側から支持する領域の温度上昇時において、ボス部120とインナーレース116aとの間で回転中心線C1方向の膨張量に差が発生し、ベアリング116、118に与えられる予圧が温度上昇以前から変化する。しかし、本実施例の車両用歯車装置10では、インナーレース38aの転動体38cを内周側から支持する転動体支持部40および転動体支持部40に一体形成された雄ねじ部44は、鉄系材料の単一部材から構成され、センターサポート20よりも小さい単一の線膨張係数を有する。このため、温度上昇時において、転動体38cを支持する転動体支持部40は、鉄系材料から形成されたベアリング36、カウンタドライブギヤ12、ベアリング38のアウターレース38bおよび転動体38cと同程度に回転中心線C1方向に均一に膨張し、且つ転動体支持部40とセンターサポート20のボス部26に螺着された雄ねじ部44との間で膨張量に差が生じ難い。これにより、ベアリング36、38に与えられる予圧の温度変化に対する変化量が、車両用歯車装置110よりも低減される。
本実施例の車両用歯車装置10によれば、ベアリング38は、転動体38cと、転動体38cを径方向で挟むアウターレース38bおよびインナーレース38aとを有し、インナーレース38aは、センターサポート20のボス部26に螺着される雄ねじ部44と転動体38cを支持する転動体支持部40とを有し、雄ねじ部44は、転動体支持部40のうちの内径側からカウンタドライブギヤ12の回転中心線C1方向にセンターサポート20のフランジ部24側へ突出して転動体支持部40と一体に形成される。このため、雄ねじ部44の回転中心線C1方向の長さを確保することができ、雄ねじ部44がボス部26に対して傾くことが抑制される。これにより、インナーレース38aがセンターサポート20へ組み付けられた状態において回転中心線C1まわりに均一な予圧がベアリング36、38に与えられる。また、車両用歯車装置10の内周側の回転中心線C1方向の長さが、たとえば、インナーレース116aが、インナーレース116aよりも遊星歯車装置122側からナット124により締められることで、ベアリング116、118に予圧が与えられる車両用歯車装置110よりも長さL1だけ短縮されることから、たとえばカウンタドライブギヤ12の内周側においてベアリング38と遊星歯車装置14との間に他部材を配置したり、小型化することが可能となる。また、本実施例の車両用歯車装置10では、インナーレース38aのうち転動体38cを内周側から支持する転動体支持部40およびそれに一体形成された雄ねじ部44は単一の鉄系材料たとえば軸受鋼で形成される。このため、温度上昇時において、転動体38cを支持する転動体支持部40は、回転中心線C1方向に均一に膨張し、雄ねじ部44との間で膨張量に差が生じ難い。これにより、たとえば転動体38cを支持する領域である、インナーレース116aとインナーレース116aよりも線膨張係数が大きいボス部120との間で、温度上昇時における回転中心線C1方向の膨張量に差が生じる車両用歯車装置110と比較して、ベアリング36、38に与えられる予圧の温度変化に対する変化量が低減される。その結果、カウンタドライブギヤ12の回転中心線C1方向における傾きが抑制され、カウンタドライブギヤ12の耐久性の低下を防ぐことが可能となるとともに、ギヤノイズの増加が抑制される。
次に、回転中心線C1まわりに均一な予圧をベアリング36、38に付与する他の構成例を説明する。なお、以下の構成例において、前記実施例と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図2は、車両用動力伝達装置46に適用された車両用歯車装置48の断面図である。本構成例の車両用歯車装置48では、締付部材50による締付力によりベアリング36、52に予圧が与えられる点で、前述の実施例1の車両用歯車装置10と相違する。以下、車両用歯車装置10と異なる点について説明する。車両用歯車装置48は、カウンタドライブギヤ12、一対のアンギュラボールベアリング36、52(以下、「ベアリング36、52」という。)、カウンタドライブギヤ12をその内径側でベアリング36、52を介して回転中心線C2まわりに回転可能に支持するセンターサポート54、ベアリング52のインナーレース52aを回止めワッシャ56を介して締め付けることで、ベアリング36、52に予圧を与える締付部材50などから構成される。
センターサポート54は、アルミニウムから形成され、車両用動力伝達装置46を収容するケースの内周面から内周側に形成されたフランジ部58と、フランジ部58の内周端部から遊星歯車装置14側へ回転中心線C2方向に延びるボス部60とを備えている。ボス部60のベアリング52のインナーレース52aを支持する先端部は、ボス部60のそれ以外の部分よりも厚みが薄くされており、その先端部の内周面には雌ねじが形成されている。また、ベアリング52は、鉄系材料から形成され、転動体52cと、転動体52cを径方向で挟むアウターレース52b、インナーレース52aとを有している。ベアリング36のインナーレース36aおよびベアリング52のインナーレース52aは、センターサポート54のボス部60の外周面に嵌合され、ベアリング36のアウターレース36b、ベアリング52のアウターレース52bは、カウンタドライブギヤ12の本体部31の内周面に嵌合されている。一対のベアリング36、52のうちの遊星歯車装置14側のベアリング52のアウターレース52bは、その回転中心線C2方向のフランジ部58側の端面がスナップリング34に当接させられている。ベアリング52のインナーレース52aは、その回転中心線C2方向の遊星歯車装置18側の端面が、センターサポート54に螺着された締付部材50に回止めワッシャ56を介して当接させられている。
締付部材50は、回止めワッシャ56を介してインナーレース52aを締め付ける環状の締付部62と、締付部62の内径側端部から遊星歯車装置14とは反対側へ回転中心線C2方向に円筒状に突出し、その外周面にボス部60の内周面の雌ねじに螺合可能な雄ねじが形成された雄ねじ部64を備えている。締付部材50は、鉄系部材から形成されている。雄ねじ部64の回転中心線C2方向の長さは、雄ねじ部64がボス部60に対して傾くことが防がれるように、充分な長さが確保されている。雄ねじ部64がボス部60の雌ねじに螺合され、インナーレース52aが締付部62により締められることにより、締付部62から遊星歯車装置18側のベアリング52のインナーレース52aに作用する締付力が転動体52cを介してアウターレース52bに伝達され、そのアウターレース52bがスナップリング34を介してフランジ部58側のアウターレース36bをフランジ部58側へ押圧し、その押圧力がボール36cを介してフランジ部58側のインナーレース36aに伝達される。これにより、ベアリング36、52に予圧が与えられる。また、カウンタドライブギヤ12が回転中心線C2方向に位置決めされる。
本構成例の車両用歯車装置48では、締付部材50の雄ねじ部64は、締付部62の内径側端部から遊星歯車装置14とは反対側へ回転中心線C2方向に円筒状に突出している。このため、ボス部60の雌ねじに螺合される雄ねじ部64の回転中心線C2方向長さを充分に確保することができ、雄ねじ部64がボス部60に対して傾くことが抑制される。これにより、締付部材50のセンターサポート54への組付時において、回転中心線C2まわりに均一な予圧がベアリング36、52に与えられる。
図3は、本構成例の車両用歯車装置68と前述の車両用歯車装置110とを比較するため、車両用歯車装置68を含む車両用動力伝達装置66の断面図を回転中心線C3よりも上側に、車両用歯車装置110を含む車両用動力伝達装置108の断面図を回転中心線C3よりも下側にそれぞれ示す図である。なお、図3では、カウンタドライブギヤ12および出力ギヤ112が、その回転中心線C3方向において同位置に示されている。車両用歯車装置68は、カウンタドライブギヤ12、一対のアンギュラボールベアリング36、70(以下、「ベアリング36、70」という。)、カウンタドライブギヤ12をその内径側でベアリング36、70を介して回転中心線C3まわりに回転可能に支持するセンターサポート72などから構成される。
センターサポート72は、アルミニウムから形成され、車両用動力伝達装置66を収容するケースの内周面から内周側に形成されたフランジ部74と、フランジ部74の内周端部から遊星歯車装置14側へ回転中心線C3方向に延びるボス部76とを備えている。ボス部76は、遊星歯車装置14側のベアリング70のインナーレース70aを支持可能に延出しており、その先端部の外周面には雄ねじが形成されている。ベアリング70は、鉄系材料から形成され、転動体70cと、転動体70cを径方向で挟むアウターレース70b、インナーレース70aとを有している。ベアリング70のアウターレース70bは、カウンタドライブギヤ12の本体部31の内周面に嵌合されている。一対のベアリング36、70のうちの遊星歯車装置14側のベアリング70のアウターレース70bは、その回転中心線C3方向のフランジ部74側の端面がスナップリング34に当接させられている。ベアリング70のインナーレース70aは、その内周面にボス部76の先端部の外周面に形成された雄ねじに螺合可能な雌ねじを備えている。このインナーレース70aの雌ねじの回転中心線C3方向の長さは、インナーレース70aが回転中心線C3方向に延出したボス部76に対して傾くことが防がれる充分な長さとなっている。
インナーレース70aがボス部76の先端部の外周面に形成された雄ねじに螺合され、転動体70cがインナーレース70aにより締め付けられることにより転動体70cに作用する締付力がアウターレース70bに伝達され、そのアウターレース70bがスナップリング34を介してフランジ部74側のアウターレース36bをフランジ部74側へ押圧し、その押圧力がボール36cを介してフランジ部74側のインナーレース36aに伝達される。これにより、ベアリング36、70に予圧が与えられる。また、カウンタドライブギヤ12が回転中心線C3方向に位置決めされる。
図3の回転中心線C3よりも下側に示されるように、前述の車両用歯車装置110によれば、ベアリング116およびベアリング118に予圧を与えるために、ボス部120の先端部121はインナーレース116aよりも遊星歯車装置122側に突出しており、そのボス部120のインナーレース116aよりも遊星歯車装置122側に突出された先端部121にナット124が螺合されている。一方、本構成例の車両用歯車装置68では、ベアリング36、70に予圧を与えるために、インナーレース70aはボス部76の先端部の雄ねじに螺合可能な雌ねじを内周面に備えている。このため、車両用歯車装置68では、ナット124およびボス部120の先端部121が不要のため、センターサポート72の内周側のボス部76の回転中心線C3方向の長さを車両用歯車装置110のそれよりもナット124の回転中心線C3方向の長さと回止めワッシャ126の厚みとの和に略等しい長さL2短縮することができ、カウンタドライブギヤ12の内周側においてベアリング70およびボス部76の先端部と遊星歯車装置14との間にスペースを確保することができ、たとえばそのスペースに他部材を配置することが可能となる。
また、車両用歯車装置110によれば、ナット124の締付力によりベアリング116、118に予圧が与えられていたが、本構成例の車両用歯車装置68では、インナーレース70aがセンターサポート72のボス部76の雄ねじに締められることにより、ベアリング36、70に予圧が与えられている。このため、ナット124および回り止めワッシャ126が不要であることから、車両用歯車装置110と比較して部品点数を削減することができる。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
10、48、68:車両用歯車装置
12:カウンタドライブギヤ(歯車)
20、54、72:センターサポート(支持部材)
26:ボス部
38、52、70:ベアリング
38a、52a、70a:インナーレース
38b、52b、70b:アウターレース
38c、52c、70c:転動体
40:転動体支持部
44:雄ねじ部(ねじ部)
C1:回転中心線
C2:回転中心線
C3:回転中心線

Claims (1)

  1. 動力伝達する歯車がその内径側でベアリングを介して回転可能に支持部材により支持された車両用歯車装置において、
    前記ベアリングは、転動体と、前記転動体を径方向で挟むアウターレースおよびインナーレースとを有し、
    前記インナーレースは、前記支持部材に螺着されるねじ部と前記転動体を支持する転動体支持部とを有し、
    前記ねじ部は、前記転動体支持部のうちの内径側から前記歯車の回転中心線方向に前記支持部材側へ突出して前記転動体支持部と一体に形成されることを特徴とする車両用歯車装置。

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