JP2017180153A - 風力発電装置またはウィンドファーム - Google Patents

風力発電装置またはウィンドファーム Download PDF

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Abstract

【課題】特別な機構を付加することなく、性能低下に柔軟に対応する風力発電装置またはウィンドファームを提供する。【解決手段】風を受けて回転するブレードを有するロータを備えると共に係留される浮体12に設置される風力発電装置1であって、浮体12または風力発電装置1の位置情報と、風力発電装置1における風況情報が入力される制御装置11を備え、制御装置11は位置情報及び風況情報に基づいて風力発電装置1の目標位置を決定することを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、浮体に配置される風力発電装置またはウィンドファームに係り、特に浮体の位置を制御するものに関する。
近年、環境保護の面から、二酸化炭素の排出による地球温暖化や、化石燃料の枯渇等が問題視されている。そこで、化石燃料を使用せず、また、二酸化炭素の排出を抑えられる発電装置として、風力や太陽光などの自然から得られる再生可能エネルギーを利用した発電装置が注目を浴びている。
再生可能エネルギーを利用した発電装置の中では、太陽光発電装置が一般的であるが、日射によって直接的に出力が変化するため、出力変動が大きく、夜間は発電できない。それに対して風力発電装置は、風速や風向などの風況が安定した場所を選んで設置することで、昼夜を問わず比較的安定な発電が可能である。また、陸上よりも高風速で風況変化が少ない洋上に設置することも可能であるため、注目を集めている。
洋上に風力発電装置を設置する場合、海底に固定した基礎構造物上に設置する着床式と、浮体を海底に係留してその上に設置する浮体式がある。着床式は水深が深くなると建設コストが増大するため、日本のような水深の深い場所が多い地域では浮体式が有望視されている。
浮体式の場合、風や潮流等によって受ける力で係留位置及び係留力が変化し、場合によっては風力発電装置の性能を低下させることがある。例えばこれらの力が同一方向になった場合には係留力が増加するため、波等に対して浮体が揺動する場合の拘束力となり、不規則な動きを発生させて風力発電装置の疲労荷重を増大させ、寿命を低下させる可能性がある。また、複数の風力発電装置を近接させて設置するウィンドファームでは、風上側の風力発電装置のロータの回転によって、風下側の風況が乱されるウェイクという現象が発生する。ウェイクでは、風速が低下しかつ乱流強度が増大するため、風下側の風力発電装置がウェイクの影響を受ける位置にある場合には、発電電力の減少や疲労強度の増加による寿命の低下が発生することになる。
このような問題に対して、例えば特許文献1では、相対位置関係の変化による発電能力の低下を防ぐ方法として「水に浮遊する複数の浮体部と、前記浮体部を環状に連結する剛体からなる連結部と、環状のほぼ中央部を水底に係留する係留手段と、前記浮体部の位置を検出する位置検出手段と、潮流を検出する潮流検出手段と、潮流に対して角度を可変する態様で複数の浮体部の下部に取り付けた舵と、前記浮体部に風車を配置してなる風力発電施設と、風向きを検出する風向検出手段とを備えた浮体構造の位置制御方法であって、 複数の浮体部に取り付けた舵の少なくとも1つを潮流に対して角度を持たせつつ他の舵を潮流の方向に向けながら環状のほぼ中央部を中心とした各浮体部の位置を移動させ、各風力発電施設の風車が風向きに均等に対向した状態で全ての舵を潮流の方向に向けて浮体部の移動を停止することを特徴とする浮体構造の位置制御方法。」が開示されている。
特開2007−331414号公報
しかしながら、特許文献1の浮体構造の位置制御方法では、別途浮体に舵を設置し、舵の制御装置を設ける必要があるため、浮体の製造コストが上昇する。また、係留力の増大による疲労荷重には対応しておらず、潮流を舵で受けて位置を変化させているため、逆に浮体の受ける潮流力が増加して、係留力による疲労荷重が増大する可能性がある。
なお、係留力による疲労荷重とウェイクのどちらの影響を重視するかは、サイトや環境、発電事業者等種々の要因によって変化することが考えられるため、個々のニーズに応じた性能低下を防止できるようにすることが望ましい。
本発明の目的は、特別な機構を付加することなく、性能低下に柔軟に対応する風力発電装置またはウィンドファームを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、風を受けて回転するブレードを有するロータを備えると共に係留される浮体に設置される風力発電装置であって、前記浮体または前記風力発電装置の位置情報と、前記風力発電装置における風況情報が入力される制御装置を備え、前記制御装置は前記位置情報及び前記風況情報に基づいて前記風力発電装置の目標位置を決定することを特徴とする。
また、本発明に係るウィンドファームは、風を受けて回転するブレードを有するロータを備えると共に係留される浮体に設置される風力発電装置を複数備えるウィンドファームであって、前記ウィンドファームに含まれる複数の前記浮体または複数の前記風力発電装置の位置情報と、前記複数の風力発電装置における風況情報が入力される制御装置を備え、 前記制御装置は前記位置情報及び前記風況情報に基づいて前記複数の風力発電装置の目標位置を決定することを特徴とする。
本発明によれば、特別な機構を付加することなく、性能低下に柔軟に対応する風力発電装置またはウィンドファームを実現できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る風力発電装置の構成概要を示す図である。 風力発電装置における発電電力、発電機回転速度、発電機トルク、及びピッチ角の関係の一例を示す概略図である。 実施例1に係る風力発電装置の制御装置の概要を示すブロック図である。 実施例1に係るピッチ角の独立制御による横方向移動におけるアジマス角とピッチ角の関係の一例を示す概略図である。 実施例2に係る風力発電装置の制御装置の概要を示すブロック図である。 実施例2に係る風と潮流の方向が同一の場合における風力発電装置及び浮体の状態の一例を示す概略図である。 実施例2に係る風と潮流の方向が逆の場合における風力発電装置及び浮体の状態の一例を示す概略図である。 実施例2に係る所定の方向に対する風力発電装置の変位と係留力の関係の一例を示す概略図である。 実施例2に係る風力が一定の場合の所定の方向に対する風力発電装置の変位と潮流力の関係の一例を示す概略図である。 実施例3に係る風力発電装置の制御装置の概要を示すブロック図である。 実施例3に係る上面から見た2台の風力発電装置とウェイクの関係の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
図1から図4を用いて、実施例1における風力発電装置について説明する。図1は、本発明を適用可能な風力発電装置全体の概略構成図である。
図1の風力発電装置1は、回転軸(図では省略)を有するハブ2と、ハブ2に取付けられた複数のブレード3とで構成される、回転可能なロータ4を備えている。ロータ4は、図示しない回転軸を介してナセル5により回転可能に支持されており、ロータ4の回転力をナセル5内の発電機6に伝達するようになっている。ブレード2が風を受けることでロータ4が回転し、ロータ4の回転力で発電機6を回転させて電力を発生させている。
発電機6内には、発電機トルクを調整可能な発電機トルク調整装置7を備えており、発電機トルクを変更することで、ロータ4や発電機6の回転速度や風力発電装置1の発電電力を制御すること可能である。
個々のブレード3は、風に対するブレード3の角度(ピッチ角)を調整可能なピッチ角調整装置8を備えており、このピッチ角を変更することによりブレード3の受ける風力(風量)を調整して、風に対するロータ4の回転エネルギーを変更するようになっている。これにより、広い風速領域において回転速度及び発電電力を制御することが可能となっている。
風力発電装置1において、ナセル5はタワー9上に設置されており、タワー9に対して回転可能なヨー角調整装置10を有している。タワー9は、ハブ2やナセル5、ヨー角調整装置10を介してブレード3の荷重を支持するようになっており、浮体12上に設置されている。浮体12は、多方向に延ばされた複数の係留索13によって洋上の所定位置に係留されている。
風力発電装置1は制御装置11を備えており、回転速度に基づいて制御装置11で発電機トルク調整装置7とピッチ角調整装置8を調整することで、風力発電装置1の発電電力や回転速度を調整する。また、ヨー角調整装置10を調整することで、ロータ4の風向に対する角度(ヨー角)を調整し、風向が変化しても発電を継続することができる。
回転速度は、ロータ4や発電機6に備えられた回転速度センサ(図では省略)で測定することができ、また、ロータ4に備えられたブレード3の回転位置(アジマス角)を検出するセンサ出力(図では省略)の角度値から算出することも可能である。
なお、風向や風速を計測する風向風速センサ(図では省略)、発電機が出力する有効電力を計測する電力センサ(図では省略)等も、適宜所定位置に備えている。また、風力発電装置1もしくは浮体12には、風力発電装置1の位置を検出するGPS(図では省略)を備えている。風力発電装置や浮体の位置が特定できれば、更に別の手法を用いることも排除しない。
図1では、制御装置11はナセル5またはタワー9の外部に設置するように図示されているが、ナセル5またはタワー9の内部に配置してもよく、風力発電装置1の外部の例えば浮体12上や内部に設置することも可能である。
図2に、風力発電装置1の発電動作概要を示す。図2は、風速に対する発電電力、発電機の回転速度、発電機トルク及びピッチ角の関係を示しており、この図を用いて風力発電装置1の発電動作概要を説明する。各グラフの横軸は風速を示し、右側に行くほど風速が速くなる。また、各グラフの縦軸は上方に行くほど発電電力、回転速度、発電機トルクの各値が大きくなることを示している。ピッチ角に関しては、上方がフェザー(風を逃がす)側、下方がファイン(風を受ける)側となる。
発電は、ロータ4の回転を開始するカットイン風速Vinから回転を停止するカットアウト風速Voutの範囲で行われ、風速Vdまでは風速の増加に伴って発電電力値も増加するが、それ以上の風速では発電電力は一定となる。
制御装置11では、カットイン風速Vinから風速Vaまでは回転速度が一定(Wlow)になるように発電機トルクを制御し、回転速度が定格回転速度Wrat以下となる風速Vaから風速Vbまでの範囲では、風速に対する発電電力が最大になるように回転速度から発電機トルクを算出して制御を行う。風速Vbを超えて回転速度が定格回転速度Wratに達したら、定格回転速度Wratを維持するように発電機トルク及びピッチ角を制御する。基本的には、発電機トルクの制御は発電電力を確保するために行う。発電機トルクの制御では、風速Vbから風速Vdの範囲で、風速に応じて発電機トルクを定格発電機トルクQratになるまで変化させ、風速Vdからカットアウト風速Voutまでの範囲では、定格発電機トルクQratを保持する。
ピッチ角の制御では、風速Vcまではピッチ角をファイン側Θminに保持し、風速VcからカットアウトVoutの範囲で、風速に応じてピッチ角をファイン側Θminからフェザー側Θmaxまで変化させる。ただし、図2の例においては、風速Vcから風速Vdの範囲で発電機トルクとピッチ角の制御をオーバラップさせているが、これをVc=Vdとしてオーバラップをなくし、発電機トルクの制御とピッチ角の制御を独立に実行させるようにしてもよい。
図3は、本発明の実施例1における制御装置11の概要を示すブロック図である。実施例1の制御装置11は、目標位置算出部101、指令値算出部102から構成される。目標位置算出部101によって、係留力の低減やウェイクの低減等の目的に対応した目標位置を算出し、指令値算出部102では、目標位置に移動するような指令値を算出することで、各種性能低下に柔軟に対応するようになっている。目標位置は、優先させる目的によて異なり得る。
目標位置算出部101には、GPSによって検出された風力発電装置1の制御開始前の位置情報、風速、風向と言った風況情報及び他の風力発電装置の位置等の外部情報が入力され、係留力やウェイク等を低減させて、風力発電装置1の性能低下を防止する方向に移動するように、目標位置を算出して出力する。本実施例では、風力発電装置1の性能に影響を与える外部情報として他の風力発電装置の位置を例示している。他の風力発電装置、特に風上の風力発電装置の後流に制御対象の風力発電装置が位置する場合、ウェイクの影響を受ける。尚、位置情報については位置に関する情報そのものは勿論、位置情報と直接対応する他の情報も含めたものと理解出来る。指令値算出部102では、入力される回転速度を目標回転速度に保って発電電力を確保するように、トルク指令値、ピッチ指令値及びヨー指令値を決定する。さらに、指令値算出部102では、風力発電装置1の位置と目標位置の差分から目標変位を算出し、目標変位方向に力を発生するように、風況情報、より具体的には風速及び風向の値に基づいてトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値と言った制御指令値を調整する。
なお、本発明では、風力によって風力発電装置1の位置を移動させるため移動方向が限定され、また係留によって移動範囲が制限されている。そこで、目標位置算出部101では、移動可能方向及び範囲を考慮して目標変位を算出するようにし、指令値算出部で102では、変更可能な範囲でトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値の調整を行う。
風力によって風力発電装置1を移動させる方法としては、ヨー角による横方向移動、ピッチ角の独立制御による横方向移動、トルク指令値及びピッチ指令値の増減による風向方向への移動等がある。実際には、これらの方法の1つあるいは複数の方法を組合せて、風力発電装置1の位置を移動させる。
ヨー角による横方向移動では、風がロータ4に斜めにあたることによって発生する回転モーメントを利用して、風向と直交する方向の力を発生させ、横方向に移動させる。
ピッチ角の独立制御による横方向移動では、個々のブレード3に対して回転位置(アジマス角)に応じてピッチ角を増減させて、ブレード3で受ける風力のアンバランスによる回転モーメントを利用して、風向と直交する方向の力を発生させ、横方向に移動させる。図4に、アジマス角とピッチ角の関係の一例を示す。ブレード3が頂上にある場合のアジマス角を0とし、時計回りにアジマス角が増加する様に規定すると、アジマス角が0〜πとなる右半面ではピッチ角をフェザー側にしてブレード3の受ける風力を下げ、アジマス角がπ〜2πとなる左半面ではピッチ角をフェザー側にしてブレード3の受ける風力を上げるようにしている。個々のブレード3のピッチをこのように独立制御することによって、右半面と左半面の受ける風力に差を発生させることができる。この風力の差によって風向と直交する方向の力を発生させ、横方向に移動させる。
トルク指令値及びピッチ指令値の増減による風向方向への移動では、トルク指令値やピッチ指令値を増減させることによって、風力発電装置1全体にかかる風力を変化させ、風向方向に移動させる。実際には、風力発電装置1にかかる風力を増加させる方向の変化は、発電電力が過剰になったり、係留力の増加による疲労荷重が増大したりするため、基本的には風力発電装置1にかかる風力を減少させる。ただし、風力発電装置1にかかる風力を減少させる場合には、発電電力が減少するため、特に疲労荷重を低減したい場合に適用するようにする。
図5から図8を用いて、実施例2における風力発電装置について説明する。なお、実施例1と重複する点については詳細な説明を省略する。
実施例2では、係留力低減を目的とした位置制御の一例について説明する。図5は、本発明の実施例2における風力発電装置1の制御装置11の概要を示すブロック図である。実施例2の制御装置11は、目標位置算出部201、指令値算出部202に加え、潮流力算出部203を備えている。
潮流力算出部203には、GPSによって検出された風力発電装置1の位置、風速及び風向が入力され、これらの値の時間平均値から潮流力を算出して出力する。目標位置算出部201には、風力発電装置1の位置、風速、風向、潮流力及び外部情報として波の方向が入力され、係留力を低減させる方向に移動するように、目標位置を算出して出力する。本実施例では、風力発電装置1の性能に影響を与える外部情報として波の方向を例示している。指令値算出部202では、入力される回転速度を制御するためのトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値の値を決定するとともに、風力発電装置1の位置と目標位置の差分から目標変位を算出し、目標変位方向に力を発生するように、風速及び風向の値に基づいてトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値を調整する。
上述のように、浮体式の場合、風や潮流等によって受ける力で係留位置及び係留力が変化し、係留力が増加する場合に、波等に対して浮体が揺動する場合の拘束力となり、不規則な動きを発生させて風力発電装置1の疲労荷重を増大させ、寿命を低下させる可能性がある。なお、風力発電装置1や浮体12が受ける力としては、主に風や潮流の他に波が考えられるが、風や潮流のように一定の傾向を持たず、短時間に変動して平均がほぼゼロになるため、本実施例では波によって受ける力については考慮していない。
図6に、風と潮流の方向による風力発電装置1及び浮体12の状態の一例を示す。図6(a)が、風と潮流の方向が同一の場合であり、図6(b)が、風と潮流の方向が逆になった場合である。風と潮流の方向が同一の場合には、風力発電装置1及び浮体12は係留の中心位置から大きく変位し、係留力が増加する。それに対して、風と潮流の方向が逆になった場合には、風力発電装置1及び浮体12には傾斜が発生するものの、係留の中心位置からの変位は小さく、係留力は低減する。
図7に、所定の方向に対する風力発電装置1の変位と係留力の関係の一例を示す。一般に、係留は一定の張力を持たせた状態で行うことから、変位が0の場合でも係留力が発生している。この図に示すように、風力発電装置1の変位から係留力を求めることができる。なお、風力発電装置1の変位は、GPSによって検出された風力発電装置1の位置と、係留の中心位置との差分であり、風力発電装置1の位置が分かれば係留力を算出することができる。また、図7から分かる様に、この変位を低減するように風力発電装置1の位置を移動させることで、係留力を低減できる。
本実施例においては、係留力のうち変更可能なのは基本的に風力で発生する部分であり、
潮流によって発生する潮流力は変化しない。また、潮流力は時間的な変化が緩やかなため、その値を把握しておくことで、目標位置算出部201での計算を効果的かつ簡単化することが可能になる。そこで、潮流力算出部203で潮流力を算出し、目標位置算出部201及び指令値算出部202に入力するようになっている。
図8に、風力が一定の場合の所定の方向に対する風力発電装置1の変位と潮流力の関係の一例を示す。潮流力算出部203では、このような関係から潮流力を決定する。なお、潮流力算出部203で使用する風向、風速及び風力発電装置1の位置に関しては、短時間の変動を避けるために一定期間の時間平均値を用いる。また、図7及び図8においては、所定の方向に限定した例を示しているが、実際の係留力、潮流力や風力は方向を持つ2次元のベクトルであり、風に関しては風速と風向の値を、風力発電装置1の位置や変位に関しては2次元ベクトルの値を使用するようになっている。
なお、係留力が疲労荷重に影響するのは、波等に対して浮体が揺動する場合の拘束力となる場合であり、特に波の方向に対する係留力を低減することが重要になる。そこで、目標値算出部201では、波の方向を考慮して目標位置を決定する。また、潮流力と風向及び風速から風力発電装置1の移動可能範囲を予測し、目標位置を予測移動可能範囲内にすることで、係留力による疲労荷重増大を効果的に低減するようにしている。
指令値算出部202では、風力発電装置1の位置と目標位置の差分から目標変位を算出し、目標変位方向に力を発生するように、風速及び風向の値に基づいてトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値の調整を行うことで、風力発電装置1を目標位置に移動させる。
なお、本実施例において考慮した潮流力については、後述する実施例3は勿論のこと、実施例1においても適用が可能である。
図9から図10を用いて、実施例3における風力発電装置について説明する。なお、実施例1及び実施例2と重複する点については詳細な説明を省略する。
実施例3では、ウェイクの低減を目的とした位置制御の一例について説明する。図9は、本発明の実施例3における風力発電装置1の制御装置11の概要を示すブロック図である。実施例3の制御装置11は、目標位置算出部301、指令値算出部302、潮流力算出部303に加え、目標風力算出部304を備えている。
潮流力算出部303では実施例2と同様に、GPSによって検出された風力発電装置1の位置、風速及び風向が入力され、これらの値の時間平均値から潮流力を算出して出力する。目標位置算出部301には、風力発電装置1の位置、風速、風向、潮流力及び風上側の風力発電装置の位置等の外部情報が入力され、風上側の風力発電装置によって発生するウェイクの影響を低減させる方向に移動するように、目標位置を算出して出力する。目標風力算出部では、入力される目標位値への移動に必要な力(潮流力+風力)と入力される潮流力の差から、目標風力を算出して出力する。指令値算出部302では、入力される回転速度を制御するためのトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値の値を決定するとともに、入力される目標風力を発生させるように、風速及び風向の値に基づいてトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値を調整する。
上述のように、複数の風力発電装置を近接させて設置するウィンドファームでは、風上側の風力発電装置のロータの回転によって、風下側の風況が乱されるウェイクという現象が発生する。ウェイクでは、風速が低下しかつ乱流強度が増大するため、風下側の風力発電装置がウェイクの影響を受ける位置にある場合には、発電電力の減少や疲労強度の増加による寿命低下が発生する。
図10に、上面から見た2台の風力発電装置とウェイクの関係の一例を示す。風上側の風力発電装置1−1のロータの回転によって風下側にウェイクが発生するため、風下側の風力発電装置1−2がウェイク領域に入る場合には、ウェイク領域外に移動させて性能低下の防止を図ることが望ましい。そこで本実施例では、目標位置演算部301において、外部情報として入力される風上側の風力発電装置1−1の位置と風向からウェイク領域を推定し、潮流力算出部303からの潮流力と風向及び風速から予測される風下側の風力発電装置1−2の移動可能範囲内で、極力ウェイク領域から外れるような目標位置を決定して出力する。ウェイク領域を推定した上でウェイク領域から外れる様に目標設定することで、必要以上に移動量を多くすることなく、短時間で最適位置に移動することができる。本実施例では、簡略化のために2台の風力発電装置のみを図示しているが、実際には、より多くの風力発電装置が存在するため、ウェイク領域を推定することなしに各風力発電装置が適切にウェイク領域から外れることは難しく、実現するには必要以上に風力発電装置間の距離を離しておく必要があり、現実的でない。
目標風力算出部304では、目標位値への移動に必要な力(潮流力+風力)を算出し、その力から潮流力を減じることで、目標位置への移動に必要な目標風力を決定して出力する。
指令値算出部302では、入力された目標風力を発生させるようにトルク指令値やピッチ指令値、ヨー角指令値の調整を行うことで、風下側の風力発電装置1−2を目標位置に移動させることでウェイクの影響を低減できる。
なお、本実施例では、外部情報として風上側の風力発電装置の位置を入力するようになっているが、これは風下側に存在する風力発電装置の位置を入力するようにして、風上側の風力発電装置を移動させて風下側の風力発電装置のウェイクを低減するようにしてもよい。つまり、制御対象として着目している風力発電装置の風上または風下に位置する別の風力発電装置の位置と、各風力発電装置における風向に基づいて、風上に位置する方の風力発電装置が形成するウェイク領域を推定し、風上の風力発電装置は勿論、風下の風力発電装置についてもウェイク領域から外れる様に、制御対象の風力発電装置の目標位置を決定することができる。また、外部情報として、風況に影響を与える風力発電装置以外の他の構造物の情報を入力するようにしてもよい。
なお、上記の各実施例では、制御装置11内で目標位置を演算するようになっているが、これは制御装置11外で決定した目標位置を制御装置11に入力するようにしてもよく、例えば、ウィンドファームにおいて、ウィンドファーム全体を管理するシステムが、個々の風力発電装置の目標位置を決定することも可能である。
また、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1、1−1、1−2…風力発電装置、2…ハブ、3…ブレード、4…ロータ、5…ナセル、6…発電機、7…発電機トルク調整装置、8…ピッチ角調整装置、9…タワー、10…ヨー角調整装置、11…制御装置、101、201、301…目標位置算出部、102、202、302…指令値算出部、203、303…潮流力算出部、304…目標風力算出部

Claims (18)

  1. 風を受けて回転するブレードを有するロータを備えると共に係留される浮体に設置される風力発電装置であって、
    前記浮体または前記風力発電装置の位置情報と、前記風力発電装置における風況情報が入力される制御装置を備え、
    前記制御装置は前記位置情報及び前記風況情報に基づいて前記風力発電装置の目標位置を決定することを特徴とする風力発電装置
  2. 請求項1に記載の風力発電装置であって、
    前記目標位置と前記風況情報に基づいて前記風力発電装置の制御指令値を算出することを特徴とする風力発電装置
  3. 請求項1または2に記載の風力発電装置であって、
    前記目標位置の算出は、前記風力発電装置の性能に影響を与える前記風力発電装置の外部情報を用いて行うことを特徴とする風力発電装置
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記目標位置に移動させるために必要な力と潮流力の差に基づいて目標風力を算出し、
    前記目標風力を発生させる様に前記風力発電装置の制御指令値を算出することを特徴とする風力発電装置
  5. 請求項4に記載の風力発電装置であって、
    前記潮流力は、前記位置情報及び前記風況情報に基づいて算出することを特徴とする風力発電装置
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記制御指令値は、発電機のトルク指令値、ピッチ指令値またはヨー角指令値の少なくともいずれかであることを特徴とする風力発電装置
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    前記目標位置は、前記浮体の係留力を低減させる様に算出することを特徴とする風力発電装置
  8. 請求項7に記載の風力発電装置であって、
    前記係留力は前記位置情報から算出されることを特徴とする風力発電装置
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の風力発電装置であって、
    当該風力発電装置を第1の風力発電装置とした際に、
    前記第1の風力発電装置の風上または風下に位置する第2の風力発電装置の位置と風向に基づいて風上に位置する風力発電装置のウェイク領域を推定し、前記第1の風力発電装置と前記第2の風力発電装置のいずれもが前記ウェイク領域から外れる様に、前記第1の風力発電装置の前記目標位置を決定することを特徴とする風力発電装置
  10. 風を受けて回転するブレードを有するロータを備えると共に係留される浮体に設置される風力発電装置を複数備えるウィンドファームであって、
    前記ウィンドファームに含まれる複数の前記浮体または複数の前記風力発電装置の位置情報と、前記複数の風力発電装置における風況情報が入力される制御装置を備え、
    前記制御装置は前記位置情報及び前記風況情報に基づいて前記複数の風力発電装置の目標位置を算出することを特徴とするウィンドファーム
  11. 請求項10に記載のウィンドファームであって、
    前記目標位置と前記風況情報に基づいて前記複数の風力発電装置の制御指令値を算出することを特徴とするウィンドファーム
  12. 請求項10または11に記載のウィンドファームであって、
    前記目標位置の算出は、前記複数の風力発電装置の性能に影響を与える前記複数の風力発電装置の外部情報を用いて行うことを特徴とするウィンドファーム
  13. 請求項10ないし12のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    前記目標位置に移動させるために必要な力と潮流力の差に基づいて目標風力を算出し、
    前記目標風力を発生させる様に前記複数の風力発電装置の制御指令値を算出することを特徴とするウィンドファーム
  14. 請求項13に記載のウィンドファームであって、
    前記潮流力は、前記位置情報及び前記風況情報に基づいて算出することを特徴とするウィンドファーム
  15. 請求項10ないし14のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    前記制御指令値は、発電機のトルク指令値、ピッチ指令値またはヨー角指令値の少なくともいずれかであることを特徴とするウィンドファーム
  16. 請求項10ないし15のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    前記目標位置は、前記浮体の係留力を低減させる様に算出することを特徴とするウィンドファーム
  17. 請求項16に記載のウィンドファームであって、
    前記係留力は前記位置情報から算出されることを特徴とするウィンドファーム
  18. 請求項10ないし17のいずれか1項に記載のウィンドファームであって、
    制御対象である第1の前記風力発電装置の風上または風下に位置する第2の風力発電装置の位置と風向に基づいて風上に位置する風力発電装置のウェイク領域を推定し、前記第1の風力発電装置と前記第2の風力発電装置のいずれもが前記ウェイク領域から外れる様に、前記第1の風力発電装置の前記目標位置を決定することを特徴とするウィンドファーム
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