JP2017179905A - 中空構造の区画体における貫通部の防火構造 - Google Patents

中空構造の区画体における貫通部の防火構造 Download PDF

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敦史 荻野
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Abstract

【課題】簡易な施工作業で良好な防火性能を発現できるうえ、施工コストを低減できる建築物の区画体における貫通部の防火構造を提供する。【解決手段】区画体2は、上層階の床を構成する床材5と、床材5と間隔をあけて設けられる下層階の天井を構成する天井材6と、を備えている。床材5上の管体4の周囲、天井材6下の管体4の周囲、床材5上に突き出る管体4の外周面及び天井材6下に突き出る管体4の外周面のいずれかに、非熱膨張性耐火材8,10が設けられている。また、床材5の貫通孔30及び/又は天井材6の貫通孔31には、管体4との間の隙間を隠すように、シーリング材9が設けられている。【選択図】図16

Description

本発明は、建築物の中空構造の区画体における貫通部の防火構造に関する。
複層建築物内に水平に設けられた中空構造の区画体において、ケーブルや給水管などの管体を階上から階下又はその逆に通すためには、区画体に貫通部を形成して、この貫通部に管体を挿通する必要がある。ただし、この区画体の貫通部に防火性能を与えるためには、建築基準法施工令第129条の2の5第1項第七号のイにおいて規定されているように、例えば貫通部に鋼製スリーブなどの不燃材を挿通したうえで貫通部の防火措置を行い、管体を鋼管スリーブの中を通して貫通部を貫通させる必要があった。
しかし、上記した防火構造では、鋼製スリーブを所定の長さにするために鋼管を切断加工したり、鋼製スリーブを中空構造の区画体の貫通部に固定したりする必要があるなど、施工作業が煩雑である。また、鋼管を切断加工する必要があるため、不要な鋼管の残り屑を廃棄するための費用が嵩むという課題もある。
さらに上記した防火構造では、鋼製スリーブを中空構造の区画体の貫通部に挿通する必要があるが、鋼製スリーブは、中空構造の区画体を構成する床材と天井材とにそれぞれ形成された貫通孔の位置がずれていて一致していないと、貫通部に挿通することができないことから、床材及び天井材に形成される貫通孔の位置精度が要求され、貫通部に対して確実に施工するのが困難でもあった。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、簡易な施工作業で確実に貫通部に施工でき、良好な防火性能を発現でき、施工コストを低減できる建築物の区画体における貫通部の防火構造を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、複層建築物内に水平に設けられた中空構造の区画体を貫通しかつ管体が挿通される貫通部の防火構造であって、前記区画体は、上層階の床を構成する床材と、前記床材と間隔をあけて設けられる下層階の天井を構成する天井材と、を備えており、前記床材上の前記管体の周囲、前記天井材下の前記管体の周囲、前記床材上に突き出る前記管体の外周面及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面のいずれかに、非熱膨張性耐火材が設けられている防火構造によって達成される。
上記構成の防火構造において、記床材の貫通孔及び/又は前記天井材の貫通孔には、前記管体との間の隙間を隠すように、シーリング材が設けられていることが好ましく、前記床材の貫通孔及び前記天井材の貫通孔と前記管体との間の隙間に、シーリング材が充填されていることがさらに好ましい。
また、上記構成の防火構造において、前記床材上に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材が、前記床材の貫通孔内及び前記天井材の貫通孔内まで延びていることが好ましい。
また、上記構成の防火構造において、前記床材上に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材が、前記床材の貫通孔及び前記天井材の貫通孔を閉塞していることが好ましい。
また、上記構成の防火構造において、前記床材上に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材が、前記床材と前記天井材との間の中空空間まで延びて一体化されていることが好ましい。
また、上記構成の防火構造において、前記天井材下の前記管体の周囲及び/又は前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に前記非熱膨張性耐火材が設けられ、前記床材の貫通孔には、前記管体との間の隙間を隠すように、シーリング材が設けられていることが好ましい。
本発明の建築物の区画体における貫通部の防火構造によれば、簡易な施工作業で良好な防火性能を発現できる防火構造を貫通部に対して確実に施工できるうえ、施工コストを低減できる。
本発明の一実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 火災発生時の図1の防火構造の概略構成を示す断面図である。 図1の防火構造の変形例の概略構成を示す断面図である。 図1の防火構造の変形例の概略構成を示す断面図である。 図1の防火構造の変形例の概略構成を示す断面図である。 図1の防火構造の変形例の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 火災発生時の図7の防火構造の概略構成を示す断面図である。 図7の防火構造の変形例の概略構成を示す断面図である。 図7の防火構造の変形例の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る防火構造の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。本発明の防火構造は、複層建築物の床や天井などの水平な区画体に施工され、区画体に形成された貫通部から火災時に炎や熱が漏洩することを防止するためのものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る防火構造1を示しており、区画体2に設けられた貫通部3に配管やケーブルなどの管体4が挿通された状態を説明するための模式部分断面図である。区画体2は、上層階の床を構成する床材5と、下層階の天井を構成する天井材6と、を備えている。床材5としては、ALC板、プレキャストコンクリート板などの耐火性の高い素材を用いることができる。天井材6としては、強化石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード又はケイ酸カルシウム板にセラミックブランケットやロックウールフェルトを積層させた積層板などを用いることができる。なお、床材5及び天井材6は、図示は省略しているが、複数の根太、梁、野縁、野縁受けなどにより支持されている。
区画体2は、床材5及び天井材6の間に、図示しない左右の壁材とで囲まれる中空空間7を有する中空構造である。床材5及び天井材6には、管体4を挿通するための貫通孔30及び貫通孔31がそれぞれ形成されており、両貫通孔30,31及び中空空間7により、貫通部3が構成されている。
貫通部3に挿通される管体4としては、例えば、冷媒管、熱媒管、水道管、下水管、注排水管、ガス管、暖冷房用媒体移送管、通気管、電線ケーブル、光ファイバーケーブルなどが挙げられる。
床材5上の管体4の周囲、天井材6下の管体4の周囲、床材5上に突き出る管体4の外周面及び天井材6下に突き出る管体4の外周面のいずれかに、非熱膨張性耐火材8が設けられている。本実施形態では、床材5上に突き出る管体4の外周面に、管体4の床材5から室内空間側に露出した根元に、非熱膨張性耐火材8が設けられている。
非熱膨張性耐火材8は、本実施形態では所定の厚み(例えば0.1mm〜7.0mm)を有するシート状にしたロックウールであり、粘着テープを予め非熱膨張性耐火材8に貼り付けておき、管体4の外周面に一重又は幾重にも巻き付けて被覆することで、管体4の外周面に固定することができる。この非熱膨張性耐火材8による被覆は、床材5の表面から所定長さ(例えば30cm以内)の位置まで施される。管体4に巻かれた非熱膨張性耐火材8の外径は、貫通孔30の外径と比べて、同じであっても大きくてもよく、また小さくてもよい。つまり、上方から床材5を視認した際に、貫通孔30が非熱膨張性耐火材8に隠されていてもよいし、隠されていなくてもよい。
非熱膨張性耐火材8は、ロックウールのほかに、例えば、グラスウールなどの無機耐火材(無機繊維)が挙げられる。
なお、非熱膨張性耐火材8は、シート形状ではなく、無定形のロックウールやグラスウールなどであってもよい。
床材5の貫通孔30と管体4との間の隙間には、弾性を有するシーリング材9が充填されている。シーリング材9は、粘性を有するシーリング剤(コーキング剤)により床材5の貫通孔30と管体4との間の隙間を埋めることで形成される。シーリング剤(コーキング剤)としては、耐火パテ、セメントモルタルなどの不燃材、石膏ボード用目地処理材などを挙げることができる。なお、シーリング材9は、床材5の貫通孔30と管体4との間の隙間に加えて、天井材6の貫通孔31と管体4との間の隙間にも充填されていることが好ましいが、天井材6の貫通孔31と管体4との間の隙間にだけ充填されていてもよい。
なお、図示例では、床材5や天井材6の貫通孔30,31と管体4との間の隙間を隠すために、シーリング材9を貫通孔30,31に充填して上記隙間を埋めているが、必ずしもシーリング材9を貫通孔30,31に充填する必要はなく、貫通孔30上の管体4の周囲や貫通孔31下の管体4の周囲に設けることで、貫通孔30,31と管体4との間の上記隙間を隠すようにしてもよい。
上述した非熱膨張性耐火材8を用いた区画体2の防火構造1では、床上側の室内空間に露出する管体4の根元が非熱膨張性耐火材8によって被覆されているので、例えば床上側の室内空間で火災が発生して、図2に示すように、管体4が溶融・焼失したとしても、非熱膨張性耐火材8が火災時の熱によってその厚さ方向である管体4の径方向に熱膨張して、管体4の溶融・焼失によりできる空間が閉塞される。また、熱膨張した非熱膨張性耐火材8によって、貫通孔30が遮蔽されるうえ、貫通孔30と管体4との間の隙間はシーリング材9により埋められている。よって、区画体2の貫通孔30及び管体4を完全に閉塞できるため、火炎や熱が貫通孔30や管体4から天井下側の室内空間に侵入して、延焼することを防ぐことができる。
また、シーリング材9により、床材5の貫通孔30及び/又は天井材6の貫通孔31と管体4との間の隙間が隠されるので、上記隙間を通して床上や天井下から他方側を見えないようにすることができる。
さらに、非熱膨張性耐火材8は、床上の室内空間側から管体4の外周面に巻き付けることで容易に設けることができるうえに、管体4の形状が複雑であったり、複数の管体4が貫通部3に挿通されていたとしても、管体4の形状などに合わせて非熱膨張性耐火材8を設けることができるので、従来の鋼製スリーブを用いる場合と比べて、簡易な施工作業で良好な防火性能を発現できる防火構造1を貫通部3に対して確実に施工することができる。加えて、鋼製スリーブを用いないので、切断加工した後の不要な鋼管の残り屑を廃棄する必要がなく、施工コストも低減できる。なお、複数の管体4が貫通部3に挿通されている場合には、複数の管体4をまとめて非熱膨張性耐火材8で被覆してもよいし、複数の管体4をそれぞれ個別に非熱膨張性耐火材8で被覆してもよい。
また、例えば天井下側の室内空間で火災が発生した場合でも、非熱膨張性耐火材8により、床材5の貫通孔30及び管体4が閉塞されるので、貫通孔30や管体4を通じて火炎や熱が床上側の室内空間に侵入して、延焼することを防ぐことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態の防火構造1において、床材5上に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を設けているが、天井材6下に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を設けても、床材5上に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を設けた場合と同様の効果を奏する。このように、本発明に係る防火構造では、床材5上に突き出る管体4の外周面及び天井材6下に突き出る管体4の外周面のいずれか一方に、非熱膨張性耐火材8を設けることで、良好な防火性能を発現できるが、図3に示すように、床材5上に突き出る管体4の外周面及び天井材6下に突き出る管体4の外周面のいずれに対しても非熱膨張性耐火材8を設けることもできる。これにより、より確実な防火性能を発現することができる。
なお、図3においては、シーリング材9が、床材5の貫通孔30及び天井材6の貫通孔31に設けられているが、どちらか一方の貫通孔30,31にだけ設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、床材5の貫通孔30と管体4との間の隙間がシーリング材9により埋められているが、シーリング材9を用いることなく、図4に示すように、床材5上に突き出る管体4の外周面に設けられる非熱膨張性耐火材8の端部を貫通孔30の下端まで延ばして、貫通孔30内に入り込ませるようにしてもよい。この実施形態では、非熱膨張性耐火材8が火災時の熱によって熱膨張することで、貫通孔30と管体4との間の隙間が埋められる。なお、この実施形態においては、平常時に床材5の貫通孔30と非熱膨張性耐火材8との間に隙間が生じていてもよいが、図5に示すように、隙間が生じることなく、非熱膨張性耐火材8により、床材5の貫通孔30が閉塞されることが好ましい。また、天井材6下に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を設ける場合においても、同様にして、天井材6の貫通孔31と管体4との間の隙間をシーリング材9により埋めることなく、天井材6下に突き出る管体4の外周面に設けられる非熱膨張性耐火材8の端部を貫通孔31の上端まで延ばして、貫通孔31内に入り込ませるようにしてもよい。
また、図3に示すように、床材5上に突き出る管体4の外周面及び天井材6下に突き出る管体4の外周面のいずれに対しても非熱膨張性耐火材8を設ける場合には、図6に示すように、床材5上に突き出る管体4の外周面に設けられる非熱膨張性耐火材8及び天井材6下に突き出る管体4の外周面に設けられる非熱膨張性耐火材8を、ともに床材5と天井材6との間の中空空間7まで延ばして一体化してもよい。
なお、図6においては、床材5の貫通孔30及び天井材6の貫通孔31の少なくとも一方に、シーリング材9を貫通孔30,31と管体4との隙間を隠すように設けてもよい。
また、上記実施形態では、床材5上に突き出る管体4の外周面及び/又は天井材6下に突き出る管体4の外周面にシート状の非熱膨張性耐火材8を巻き付けているが、図7に示すように、例えば、床材5上の管体4の周囲に非熱膨張性耐火材10を設けてもよい。なお、管体4の周囲に設けられる非熱膨張性耐火材10も、管体4の外周面に設けられる非熱膨張性耐火材8と同じ材料で形成することができる。
非熱膨張性耐火材10は、所定の厚みを有するシート状ないしは板状(例えば0.1mm〜7.0mm)であり、管体4を挿通できる大きさの開口11が形成されている。非熱膨張性耐火材10は、床材5の貫通孔30よりも一回り大きく形成されており、その形状は、正方形状や円形状など、種々の形状とすることができる。非熱膨張性耐火材10は、床材5の貫通孔30を遮蔽するように床材5の表面に敷設され、粘着剤、接着剤の他、ねじなどの物理的な固定手段を用いて床材5上に固定される。また、非熱膨張性耐火材10には、開口11から外周縁に達する切れ込み(図示せず)が設けられている。これにより、区画体2の貫通部3に挿通されている管体4の周囲に対して非熱膨張性耐火材10を設置できる。つまり、管体4が区画体2の貫通部3に既に挿通されている場合に、非熱膨張性耐火材10を開いた状態として、管体4を開口11に位置させ、その後、非熱膨張性耐火材10を閉じて、床材5上に固定することで、管体4の周囲に非熱膨張性耐火材10を設けることができる。
上述した非熱膨張性耐火材10を用いた区画体2の防火構造1においても、床上側の室内空間に露出する管体4の周囲に非熱膨張性耐火材10が設けられているので、例えば床上側の室内空間で火災が発生して、図8に示すように、管体4が溶融・焼失したとしても、非熱膨張性耐火材10が火災時の熱によってその厚さ方向である管体4の径方向に熱膨張して、管体4の溶融・焼失によりできる空間が閉塞される。また、熱膨張した非熱膨張性耐火材10によって、貫通孔30が遮蔽されるうえ、貫通孔30と管体4との間の隙間はシーリング材9により埋められている。よって、区画体2の貫通孔30及び管体4を完全に閉塞できるため、火炎や熱が貫通孔30や管体4から天井下側の室内空間に侵入して、延焼することを防ぐことができる。
また、シーリング材9により、床材5の貫通孔30及び/又は天井材6の貫通孔31と管体4との間の隙間が隠されるので、上記隙間を通して床上や天井下から他方側を見えないようにすることができる。
さらに、非熱膨張性耐火材10は、床上の室内空間側から管体4の周囲に配置することで容易に設けることができるうえに、管体4の形状が複雑であったり、複数の管体4が貫通部3に挿通されていたとしても、管体4の形状などに合わせて開口11を形成すれば、非熱膨張性耐火材10を管体4の周囲に設けることができるので、従来の鋼製スリーブを用いる場合と比べて、簡易な施工作業で良好な防火性能を発現できる防火構造1を貫通部3に対して確実に施工することができる。加えて、鋼製スリーブを用いないので切断加工した後の不要な鋼管の残り屑を廃棄する必要がないため、施工コストも低減できる。
また、例えば天井下側の室内空間で火災が発生した場合でも、非熱膨張性耐火材10により、床材5の貫通孔30及び管体4が閉塞されるので、貫通孔30や管体4を通じて火炎や熱が床上側の室内空間に侵入して、延焼することを防ぐことができる。
なお、図7に示す実施形態の防火構造1においても、天井材6下に突き出る管体4の周囲にだけ非熱膨張性耐火材10を設けてもよいし、図9に示すように、床材5上に突き出る管体4の周囲及び天井材6下に突き出る管体4の周囲のいずれに対しても非熱膨張性耐火材10を設けてもよい。
また、図7や図9では、シーリング材9が、床材5の貫通孔30及び天井材6の貫通孔31に設けられているが、どちらか一方の貫通孔30,31にだけ設けられていてもよい。
また、図7に示す実施形態の防火構造1において、非熱膨張性耐火材10はシート状ないしは板状であるが、図10に示すように、管体4の周囲を囲む筒状であってもよい。なお、図10では、非熱膨張性耐火材10はフランジ部10Aを有しており、フランジ部10Aにて床材5の表面に、粘着剤、接着剤の他、ねじなどの物理的な固定手段を用いて固定されるが、フランジ部10Aは必ずしも設ける必要はない。
また、図10では、シーリング材9が、床材5の貫通孔30及び天井材6の貫通孔31に設けられているが、どちらか一方の貫通孔30,31にだけ設けられていてもよい。
また、図11に示すように、床材5上に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を巻き付け、天井材6下の管体4の周囲に非熱膨張性耐火材10を敷設したり、図12に示すように、天井材6下に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を巻き付け、床材5上の管体4の周囲に非熱膨張性耐火材10を敷設してもよい。また、図13に示すように、床材5上に突き出る管体4の外周面、天井材6下に突き出る管体4の外周面、床材5上の管体4の周囲、及び、天井材6下の管体4の周囲のいずれに対しても非熱膨張性耐火材8,10を設けてもよい。また、図13において、床材5上に突き出る管体4の外周面、天井材6下に突き出る管体4の外周面、床材5上の管体4の周囲、及び、天井材6下の管体4の周囲のいずれかの非熱膨張性耐火材8,10を省略してもよい。つまり、床材5上に突き出る管体4の外周面、天井材6下に突き出る管体4の外周面、床材5上の管体4の周囲、及び、天井材6下の管体4の周囲、の中から任意の3か所に非熱膨張性耐火材8,10を設けてもよい。例えば、図14に示すように、床材5上に突き出る管体4の外周面及び天井材6下に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を巻き付け、天井材6下の管体4の周囲に非熱膨張性耐火材10を敷設したり、図15に示すように、天井材6下に突き出る管体4の外周面に非熱膨張性耐火材8を巻き付け、床材5上の管体4の周囲及び天井材6下の管体4の周囲に非熱膨張性耐火材10を敷設してもよい。
また、図11〜図15では、シーリング材9が、床材5の貫通孔30及び天井材6の貫通孔31に設けられているが、どちらか一方の貫通孔30,31にだけ設けられていてもよい。
また、上述したいずれの実施形態においても、シーリング材9は、必ずしも設ける必要はない。
以上、本発明の防火構造について種々の実施形態を説明したが、より好ましい実施形態を図16に示す。図16の実施形態では、天井材6下に突き出る管体4の外周面に、予め粘着テープが貼り付けられたシート状の非熱膨張性耐火材8を一重又は幾重に巻き付けることで、非熱膨張性耐火材8が設けられている。また、図16の実施形態では、天井材6下の管体4の周囲に、所定の厚みを有するシート状ないしは板状の非熱膨張性耐火材10が、天井床6の貫通孔31を遮蔽するようにして設けられている。この非熱膨張性耐火材10は、天井材6下に粘着剤、接着剤の他、ねじなどの物理的な固定手段を用いて固定される。
一方で、床材5の貫通孔30には、管体4との間の隙間を隠すように、弾性を有するシーリング材9が設けられている。このシーリング材9は、床材5上から粘性を有するシーリング剤(コーキング剤)を貫通孔30上の管体4の周囲に塗布することで、設けられる。なお、シーリング材9は、床材5の貫通孔30上の管体4の周囲だけでなく、図17に示すように、貫通孔30内の管体4との間の隙間にも設けられていてもよく、また、図示は省略するが、貫通孔30内の管体4との間の隙間にだけ設けられていてもよい。
この実施形態によると、まず、例えば天井下側の室内空間で火災が発生したとしても、非熱膨張性耐火材8,10が火災時の熱によって熱膨張して、管体4の溶融・焼失によりできる空間が閉塞されるうえ、熱膨張した非熱膨張性耐火材8,10によって天井材6の貫通孔31が遮蔽される。さらに、床材5の貫通孔30と管体4との間の隙間はシーリング材9により塞がれている。そのため、火炎や熱が貫通孔30,31や管体4から床上側の室内空間に侵入して、延焼することを防ぐことができる。また、例えば床上側の室内空間で火災が発生した場合でも、非熱膨張性耐火材8,10により、天井材6の貫通孔31及び管体4が閉塞されるので、貫通孔30や管体4を通じて火炎や熱が床上側の室内空間に侵入して、延焼することを防ぐことができる。本発明者による実験によれば、このように、床材5の貫通孔30及び天井材6の貫通孔31の少なくともどちらか一方に、火災時に熱膨張して貫通孔を閉塞できる非熱膨張性耐火材を設けるだけで、他方の貫通孔に非熱膨張性耐火材ではなく耐火性の劣るシーリング材を設けても、火災時の延焼を防止できる十分な防火性能を発現できることを見出した。よって、この実施形態では、さらに簡易かつ短時間の施工作業で十分な防火性能を有する防火構造を確実に構築でき、施工コストもさらに低減できる。
また、床材5の貫通孔30に設けたシーリング材9により、床材5の貫通孔30と管体4との間の隙間が隠されるので、上記隙間を通して床上や天井下から他方側を見えないようにすることができる。
また、天井材6の貫通孔31にシーリング材9を設けていないので、さらに施工作業を簡易かつ短時間にすることができる。すなわち、シーリング材9を例えば天井材6の貫通孔31に設ける場合には、粘性を有するシーリング剤(コーキング剤)を貫通孔31下の管体4の周囲に塗布することになるが、これでは、シーリング剤(コーキング剤)が自重で垂れるために施工しにくく、かつ、このような貫通孔30,31は室内空間の隅の位置にある場合が多いので、シーリング材9を天井下から貫通孔31に設けるのは尚更施工しにくいが、この実施形態のように、床上から貫通孔30にシーリング材9を設けることで、シーリング剤(コーキング剤)が自重で垂れるなどの問題を解消でき、施工作業を簡易にすることができる。
なお、図16では、天井材6下に突き出る管体4の外周面及び天井材6下の管体4の周囲に非熱膨張性耐火材8,10が設けられているが、図18に示すように、天井材6下に突き出る管体4の外周面にだけ非熱膨張性耐火材8が設けられていてもよく、また、図19に示すように、天井材6下の管体4の周囲にだけ非熱膨張性耐火材10が設けられていてもよい。さらに図18及び図19の実施形態ともに、シーリング材9は、床材5の貫通孔30上の管体4の周囲だけでなく、図20及び図21に示すように、貫通孔30内の管体4との間の隙間にも設けられていてもよく、また、図示は省略するが、貫通孔30内の管体4との間の隙間にだけ設けられていてもよい。
1 防火構造
2 区画体
3 貫通部
4 管体
5 床材
6 天井材
8 非熱膨張性耐火材
9 シーリング材
10 非熱膨張性耐火材
30 床材の貫通孔
31 天井材の貫通孔

Claims (7)

  1. 複層建築物内に水平に設けられた中空構造の区画体を貫通しかつ管体が挿通される貫通部の防火構造であって、
    前記区画体は、上層階の床を構成する床材と、前記床材と間隔をあけて設けられる下層階の天井を構成する天井材と、を備えており、
    前記床材上の前記管体の周囲、前記天井材下の前記管体の周囲、前記床材上に突き出る前記管体の外周面及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面のいずれかに、非熱膨張性耐火材が設けられている防火構造。
  2. 前記床材の貫通孔及び/又は前記天井材の貫通孔には、前記管体との間の隙間を隠すように、シーリング材が設けられている請求項1に記載の防火構造。
  3. 前記床材の貫通孔及び/又は前記天井材の貫通孔と前記管体との間の隙間に前記シーリング材が充填されている請求項2に記載の防火構造。
  4. 前記床材上に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材が、前記床材の貫通孔内及び前記天井材の貫通孔内まで延びている請求項1に記載の防火構造。
  5. 前記床材上に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材が、前記床材の貫通孔及び前記天井材の貫通孔を閉塞している請求項4に記載の防火構造。
  6. 前記床材上に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材及び前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に設けられる前記非熱膨張性耐火材が、前記床材と前記天井材との間の中空空間まで延びて一体化されている請求項4又は5に記載の防火構造。
  7. 前記天井材下の前記管体の周囲及び/又は前記天井材下に突き出る前記管体の外周面に前記非熱膨張性耐火材が設けられ、
    前記床材の貫通孔には、前記管体との間の隙間を隠すように、シーリング材が設けられている請求項1に記載の防火構造。
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