JP2017177355A - 積層体、密閉容器、積層体製造法および密閉容器製造方法 - Google Patents

積層体、密閉容器、積層体製造法および密閉容器製造方法 Download PDF

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Kozo Inoue
浩三 井上
和也 新田
Kazuya Nitta
和也 新田
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Abstract

【課題】耐熱性、かつ、可撓性に優れた積層体、密閉容器、積層体製造法および密閉容器製造方法を提供する。【解決手段】積層体製造方法は、エレクトロスプレーデポジション法を用いてポリイミド試料溶液を静電噴霧し、ナノファイバーを形成して、基材上にナノファイバーを含むポリイミドナノ構造体を作成するステップと、作成されたポリイミドナノ構造体を、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとに挟み積層させるステップと、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとが接触する外周部を密着固定し、該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとを接着させるステップと、を含むものである。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、密閉容器、積層体製造法および密閉容器製造方法に関し、特に、耐熱性、かつ、可撓性に優れた積層体、密閉容器、積層体製造法および密閉容器製造方法に関するものである。
近年の電子機器需要の牽引役となっているモバイル機器では、高性能化・多機能化に伴い、製品に使用される電子部品は高性能となりその数も大幅に増加している。モバイル機器やウェアラブル機器などでは限られたスペースの中に多くの機能を盛り込む必要があり、電子部品にはさらなる小型・薄型化と大容量化の両立が求められている。
更に電子機器の新たな用途として期待される、自動車や医療ヘルスケア関連、エネルギーとITの融合によるスマートシティ関連などでは小型・薄型化と大容量化の両立は更に強く必要となるものと予測されている。例えば、リチウム二次電池は安全性の確保が最大の課題であり大容量化にするためには、高い耐熱性能が大前提であるが、更に大容量性に加え薄型やフレキシブル、高出力など多様な特性が求められつつある。このためには従来の概念にこだわらない設計思想及びそれを可能とする材料が必須である。その中の一つの方向が高い耐熱性材料を用いたフレキシブル部材化である。
例えば、従来技術の電子部品用部材として、「多層構造のフィルム電池用の高分子包装材及びそれを備える包装材兼用の集電体」(特許文献1を参照されたい。)が提案されている。
特開2008-130548号公報
電子機器が高性能化・コンパクト化されるにつれ、発熱の制御が重要な課題となっている。一般的に断熱材は、建材から車載、家電分野などに利用されてきた。だが、数mmから数cmの厚みが主流であり、電子機器など小型のものへの利用が難しいという課題があった。
また、リチウム二次電池の場合、従来の容器の金属缶に加え、最近はアルミラミネートも用いられている。しかし、金属缶はもとよりアルミラミネートのフレキシビリティも不十分で、"自由な形状をとれる"とは言い難い。上述した従来技術の「多層構造のフィルム電池用の高分子包装材」(特許文献1)は、高分子材料を用いているためフレキシビリティはあるが、耐熱性が低い。なお、一般的な断熱材は、電子部品に適用するには厚すぎ、さらにフレキシビリティ(可撓性)に欠ける。
また、リチウム電池のセパレータやフィルタには、ポリプロピレンやポリエチレンを多孔質化したものが使用されることが多い。これらは、フレキシビリティ性(可撓性)はあるが、その物理的性質として、融点が130度程度と低いため、耐熱性が低いという問題点がある。
即ち、従来技術では、耐熱性と可撓性の片方しか得ることができなかった。
そこで、本発明の目的は、耐熱性、かつ、可撓性に優れた積層体、密閉容器、積層体製造法および密閉容器製造方法を提供することである。
上述した諸課題を解決すべく、第1の発明による積層体は、
第1のポリイミドフィルムと、
第2のポリイミドフィルムと、
該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとに挟まれたポリイミドナノ構造体と、
を含む、ことを特徴とする。
また、好適には、ポリイミドナノファイバーシート、或は、ナノ粒子とからなり、高い耐熱性を持ち薄く軽量で大きな可撓性のために自由な形状をとれるような構成とする。
また、第2の発明による積層体は、
前記ポリイミドナノ構造体が、
ポリイミドナノファイバーシートである、
ことを特徴とする。
また、第3の発明による積層体は、
前記ポリイミドナノ構造体が、
ポリイミドナノ粒子を含む、
ことを特徴とする。
また、第4の発明による積層体は、
該積層体は、
300℃以上の耐熱性を有する、
ことを特徴とする。
また、第5の発明による積層体は、
前記第1のポリイミドフィルム、前記第2のポリイミドフィルム、および、前記ポリイミドナノ構造体のうちのいずれか1つが接着性を有する、
ことを特徴とする。
本発明による積層体は様々な用途に応用可能であるが、例えば、本発明を電池用の密閉容器として実現可能である。
また、第6の発明による密閉容器は、
第1〜5のいずれか1つに記載の積層体から構成される密閉容器である。
また、第7の発明による密閉容器は、
該密閉容器内が減圧または加圧される、
ことを特徴とする。
また、第8の発明による密閉容器は、
前記第1のポリイミドフィルムと前記第2のポリイミドフィルムとは、
一方に正極、他方に負極が設けられ、
密閉容器内(即ち、前記ポリイミドナノ構造体の空隙部)は、
電解液で満たされている、
ことを特徴とする。
また、第9の発明による密閉容器は、
前記ポリイミドナノ構造体(ポリイミドナノファイバーシート)の微小孔の径が、
前記密閉容器内で生成される不純物の大きさよりも小さい、
ことを特徴とする。
また、第10の発明による積層体製造方法は、
エレクトロスプレーデポジション法を用いてポリイミド試料溶液を静電噴霧し、ナノファイバーを形成して、基材上にナノファイバーを含むポリイミドナノ構造体を作成するステップと、
作成されたポリイミドナノ構造体を、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとに挟み積層させるステップと、
第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとが接触する外周部を密着固定し、該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとを接着させるステップと、
を含むものである。
また、第11の発明による密閉容器製造方法は、
エレクトロスプレーデポジション法を用いてポリイミド試料溶液を静電噴霧し、ナノファイバーを形成して、基材上にナノファイバーを含むポリイミドナノ構造体を作成するステップと、
作成されたポリイミドナノ構造体を、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとに挟み積層させるステップと、
第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとが接触する外周部の少なくとも一部を密着固定し、該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとの密着固定した部分を接着させて容器を形成するステップと、
前記容器に電界液を入れ、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとが接触する外周部の密着固定していない部分を密着固定し、該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとの密着固定した部分を接着させて密閉容器を形成するステップと、
を含むものでる。
本発明によれば、耐熱性、かつ、可撓性に優れた積層体や密閉容器を提供することが可能となる。
図1は、エレクトロ―スプレーデポジション装置の基本的な構成を示す概念図である。 図2は、実施例1で作製されたポリイミドのナノファイバー構造体(ポリイミドナノ構造体)の電子顕微鏡写真(SEM写真)である。 図3は、実施例2で作製したポリイミド密閉容器の写真である。 図4は、積層体を作製する工程を説明する図である。 図5は、積層体から密閉容器を作製する工程を説明する図である。 図6は、図5に示した密閉容器(圧着積層体PLAP)の構造を示した模式図である。 図7は、密閉容器を用いた電池の実施態様を示す図である。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。本発明の以下の実施態様では、ポリイミドフィルム全面上にポリイミドナノファイバーシートを作製し、この上に他のポリイミドフィルムを載せ密着すること、が基本である。ポリイミドの選択は、フィルム・ナノファイバー共に、目的に応じて選択すればよい。安全性を確保しながら電子機器の設計自体を容易にするために容器のフレキシブル化を行うことを目標としている。そのために容器・セパレータをポリイミドフィルム・ポリイミドナノファイバーで構成する。
<エレクトロ―スプレーデポジション法>
本発明の実施態様の説明に先立ち、本発明の実施態様で使用するエレクトロ―スプレーデポジション法(ESD法)の原理およびエレクトロ―スプレーデポジション法を実施できるエレクトロ―スプレーデポジション装置(ESD:静電噴霧装置)を説明する。
<エレクトロ―スプレーデポジション装置>
図1は、エレクトロ―スプレーデポジション装置の基本的な構成を示す概念図である。この装置を使用して、本発明による積層体、密閉容器のポリイミド構造体を製造する。また、ポリイミド構造体は、ナノファイバーを主体とする構造体であるため、ナノファイバー構造体と呼ぶこともある。図に示すように、容器CNTは、試料溶液SLを収容している。試料溶液SLは、例えば、有機高分子溶液である。本実施態様では、試料溶液としては、溶媒に溶かしたポリイミド溶液である。
ESD法は非常に複雑な物理現象であり、そのすべての過程は解明されていないが、一般的には次のような現象と考えられている。試料溶液は細いキャピラリー状のノズルNZLに収められ、これと対向するターゲット基板TS(対向電極)に対して数千〜数万ボルトの電圧が印加される。ちなみに、ターゲット基板TSは、静電噴霧された試料を捕集する機能を持つため、コレクターとも称する。ノズル先端では電界集中の効果により強力な電界が発生し、液体表面に荷電を持つ微小液滴が集まりコーンが形成される(Taylor Coneと呼ばれる)。さらにこの先端から試料溶液が、表面張力を打ち破りジェットとなる。ジェットは強く帯電しており、静電気力の反発によりスプレーとなる(クーロン爆発)。スプレーにより形成された液滴は非常に小さく、短時間のうちに溶媒が蒸発乾燥し、微細なナノパーティクルや、ナノファイバーとなる。もちろん、蒸発・乾燥しないウェット状態で堆積させることも可能である。この帯電した微細なナノパーティクルや、径の細いナノファイバーは、静電気力により対向電極として機能するターゲット基板TSに引き寄せられる。堆積するパターンは、図示しない絶縁体マスクや補助電極により制御することが可能である。試料は、液状であれば溶液に限らず、分散液でも問題ない。
また、好適には、容器CNT内の試料溶液は空気圧・シリンジポンプやプランジャー等(吐出手段、図示せず)で、ノズルNZL側に向けて押し出しの圧力を加える。押し出しの圧力は、例えば、ステッピング・モータとネジ送り機構(図示せず)によって与えられる。押し出し圧力を受けた試料溶液SLは、容器CNT内で内圧が増加し、ノズルNZLの先端から排出される。上述したように、試料溶液を吐出する速度を調整する調整機構(ステッピング・モータとネジ送り機構)を設けることによって、適切な吐出速度に調整することが可能となる。
ノズルNZLは、金属製であり、高電圧電源HPSからプラスの電圧が導体のワイヤWLを介して供給されている。高電圧電源HPSのマイナス側は、ターゲット基板TS(対向電極となる基板)に繋がっている。高電圧電源HPSから電圧を印加することで、ノズルNZLを経由して試料溶液SLにはプラスの電圧が印加され溶液はプラスに帯電される。なお、試料溶液SLに与える電圧の極性はマイナスであってもよい。
また、ナノファイバー構造体を作製する場合は、ターゲット基板TS上に不織布を置いて、不織布上にナノファイバー構造体を堆積させることが好適である。また、電圧の高低、試料溶液の濃度、試料のポリイミドの種類、溶媒の種類、など様々な条件を調整して、ナノファイバー構造体を作製する。
スプレーされた材料は繊維や液滴となり、帯電による反発によって飛んでいる間に分裂を繰り返し、ナノファイバーやナノ粒子を形成する。スプレーされた材料は、ナノサイズで表面積が大きいため、基板に届いたときにはほぼ乾燥した状態になる。スプレー条件により形状やサイズを変えることができ、例えば高分子溶液を使った場合、分子量を大きく濃度を高くすれば太いナノファイバー、分子量を小さく濃度を低くすれば細いナノファイバー、またはナノ粒子が形成される。その他に、ノズル-基板間の電圧や距離、周辺温度や湿度など様々な条件が影響してくる。本実施態様では、試料として種々の溶媒可溶性のポリイミド樹脂を用い、様々の条件下でナノファイバーを作製し、耐熱性・導電性・通気性・透湿性或いは耐水性などの確認を実施例記載の方法で行った。
エレクトロスプレーデポジション装置としては、上述の装置だけでなく他のタイプのESD装置も使える。特に量産目的には出願人が開発した、再表2009/060898号記載の気流を用いる方法が好適である。
<実施例1>
透明溶剤可溶性ポリイミド樹脂(株式会社ピーアイ研究所Q−AD−X1390のNメチル-2−ピロリドン溶液)を濃度20重量%のサンプル溶液とした。このサンプル溶液5mLを、図1に示した、内径0.34mmの金属ノズルNZL(岩下エンジニアリング株式会社製 MN-23G-13)を取り付けたポリプロピレン製シリンジ(武蔵エンジニアリング株式会社製 PSY-30E-M)の容器CNTに入れ、エレクトロスプレーデポジション装置(株式会社フューエンス製Esprayer ES-2300)に装着した。ターゲット基板TS(コレクタ基板)上には基材としてA4サイズのポリイミドフィルム(カプトン 東レデュポン社製)を使用した。このときのエレクトロスプレーの条件は、ノズルNZL-コレクタ(ターゲット基板TS)間電圧26〜30kV、ノズル-コレクタ間距離15cm、送液圧力0.010〜0.015MPaとし、基材上を前後左右にまんべんなくスキャンさせて全体にスプレーを行いポリイミドのナノファイバー構造体を得た。
図2は、実施例1で作製されたポリイミドのナノファイバー構造体(ポリイミドナノ構造体)の電子顕微鏡写真(SEM写真)である。SEM写真の倍率は、3000倍である。数10nmから数百nm程度の直径のポリイミドのナノファイバーからなるナノファイバー構造体(ポリイミドナノ構造体)が観察される。これは、リチウム電池のセパレータやフィルタとして使用することが好適であり、空隙部に電界液を保持することが可能である。
<実施例2>
次に、ポリイミドフィルムとポリイミドナノファイバーの密閉容器化について説明する。実施例1で得られたポリイミドフィルム(第1のポリイミドフィルム)上のポリイミドナノファイバーの上にも1枚のポリイミドフィルム(第2のポリイミドフィルム)を重ねる。ポリイミドフィルムまたはポリイミドナノファイバーのどちらであってもよいが、接着性の製品を使えば熱圧着することにより、ポリイミドフィルムとポリイミドナノファイバーを密着させることができる。これによって積層体、密閉容器を製造することできる。また接着剤を用いることもできる。
実施例1の場合には、300℃、面圧30kgf/cm2の条件で外周部を熱圧着することで、十分な密着強度が得られた。これにより、ポリイミドナノファイバーを含むポリイミド密閉容器を作製できた。また、密閉容器内は、減圧、または加圧下にすることが可能である。また、容器内には電解液を満たすことも可能である。
図3は、実施例2で作製したポリイミド密閉容器の写真である。積層体の外周部を熱圧着で接着し、密閉容器を形成させてある。
<実施例3>
次に、断熱材としての応用について説明する。実施例2の方法で作製された密閉容器は次の性質を持つ。
1.他製品に比べ最も薄い(50〜100μm)
2.断熱性はトップクラス(0.025W/mk以下、レーザーフラッシュ法による)
3.柔軟で、狭く小さなスペースでも使える
4.耐熱温度は非常に高いので(約400℃)、高発熱の可能性のある部位にも使える
5.表面強度は高く他部品とこすれて傷つくことはない
6.種々の大きさの製品が可能
これは従来の(非真空系)断熱材と比べて格段に上回る性質を持っており、種々の用途に使える。
<積層体の作製>
図4は、積層体を作製する工程を説明する図である。図に示すように、第1のポリイミドフィルムPIF1の上に、ポリイミドナノ構造体PIB(ポリイミドナノファイバー構造体)が載置され、2層の積層体となっている。この2層の積層体の上に、第2のポリイミドフィルムPIF2を載置することで、第1のポリイミドフィルムPIF1と、第2のポリイミドフィルムPIF2とに挟まれたポリイミドナノ構造体PIBからなる3層の積層体LAPを作製することが可能となる。
<密閉容器の作製>
図5は、積層体から密閉容器を作製する工程を説明する図である。図に示すように、図4に示した第1のポリイミドフィルムPIF1と、第2のポリイミドフィルムPIF2とに挟まれたポリイミドナノ構造体PIBからなる3層の積層体の外周部を密着固定し、熱圧着或は接着剤を用いることで、中にポリイミドナノ構造体PIBを収容した密閉容器(圧着積層体PLAP)が作製できる。
図6は、図5に示した密閉容器(圧着積層体PLAP)の構造を示した模式図である。図に示すように、密閉容器(圧着積層体PLAP)は、実際には、圧着した部分が僅かに撓み、ポリイミドフィルムに挟まれたポリイミドナノ構造体は、潰されてその部分である周辺部の空隙部がほぼなくなり、密閉される。ここで、PIBのナノファイバーの間隙にある空気を抜き、減圧することで耐熱性がある断熱材として利用可能である(もちろん、減圧しなくとも耐熱性がある断熱材として利用可能であるが、減圧した方がより好適である。)。
<電池の作製>
図7は、密閉容器を用いた電池の実施態様を示す図である。図に示すように、第1のポリイミドフィルムPIF1には、正極部PEが設けられ、第2のポリイミドフィルムPIF2には、負極部NEが設けられる。そして、密閉容器内、即ち、ポリイミドナノ構造体PIB(セパレータとして機能する)の空隙部は、電解液ESで満たされている。これは、フィルム電池の基本的な構造である。図は便宜上、分厚い構成に見えるが、実際には、極めて薄く、可撓性に優れ、耐熱性があるフィルム電池を作製できる。負極部PEは、ポリイミドナノ構造体PIB(セパレータ)側から、負極材と銅集電板との順に構成させることが好適である。また、負極部NEは、ポリイミドナノ構造体PIB(セパレータ)側から、正極材と、導電性カーボン層と、アルミ集電板との順に構成させることが好適である。さらに、導電性カーボン層と、アルミ集電板との積層材として市販されるSDX(登録商標)を使用してもよい。正極部PE、負極部NEともに、外部に接続されるワイヤーWL1,WL2に電気的に接続される。
本発明によって、耐熱性が高く薄く軽量で可撓性が大きくかつ押圧にも強い積層体や密閉容器を製造することが可能となる。特に、本発明は、高い耐熱性、薄く軽量で、大きな可撓性のために自由な形状が取れる、等の性質を利用した断熱シートやリチウム二次電池などのフレキシブル電機部品の製造を可能とする積層体や密閉容器を実現させる。
本発明によれば、電子機器の設計が電機部材の形状に左右されるのではなく、必要とする能力をもった部材を自由な位置に設置することにより電子機器自体に新たな付加価値を与えることを可能とする事である。また、ポリイミド樹脂は市販されている樹脂の中では最も高い耐熱性をもっており、熱による影響は受けにくい。安全性を大きく向上させるためには、これまで溶液系材料を固体材料に置き換える研究がなされてきた。しかし、固体電解質では一般に、電解質中のリチウムイオン伝導度が低くなって電池性能が低下してしまう。本発明に基づく電池では、セパレータとしてポリイミドナノファイバーを用いる。電解液はこのナノファイバー膜に満たされるので、リチウムイオンの挙動は基本的には従来の液体電解液と変わらない。また、ナノファイバーの孔径を適正に保つことにより、高電流密度下で負極表面に生成しやすいLi針状結晶の樹状成長をセパレータであるナノファイバー膜が抑制する効果がある。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。
CNT…容器
ES…電解液
HPS…高電圧電源
NE…負極部
NZL…ノズル
PE…正極部
PIB…ポリイミドナノ構造体
PIF1…第1のポリイミドフィルム
PIF2…第2のポリイミドフィルム
SL…試料溶液
TS…ターゲット基板
WL…ワイヤ
WL1、WL2…ワイヤ
LAP…積層体
BAT…電池
PLAP…圧着積層体(密閉容器)

Claims (11)

  1. 第1のポリイミドフィルムと、
    第2のポリイミドフィルムと、
    該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとに挟まれたポリイミドナノ構造体と、
    を含む、ことを特徴とする積層体。
  2. 請求項1に記載の積層体において、
    前記ポリイミドナノ構造体が、
    ポリイミドナノファイバーシートである、
    ことを特徴とする積層体。
  3. 請求項1または2に記載の積層体において、
    前記ポリイミドナノ構造体が、
    ポリイミドナノ粒子を含む、
    ことを特徴とする積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体において、
    該積層体は、
    300℃以上の耐熱性を有する、
    ことを特徴とする積層体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体において、
    前記第1のポリイミドフィルム、前記第2のポリイミドフィルム、および、前記ポリイミドナノ構造体のうちのいずれか1つが接着性を有する、
    ことを特徴とする積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体から構成される密閉容器。
  7. 請求項6に記載の密閉容器において、
    該密閉容器内が減圧または加圧される、
    ことを特徴とする請求項1記載の密閉容器。
  8. 請求項6または7に記載の密閉容器において、
    前記第1のポリイミドフィルムと前記第2のポリイミドフィルムとは、
    一方に正極、他方に負極が設けられ、
    密閉容器内は、
    電解液で満たされている、
    ことを特徴とする密閉容器。
  9. 請求項6〜8のうちのいずれか1項に記載の密閉容器において、
    前記ポリイミドナノ構造体の微小孔の径が、
    前記密閉容器内で生成される不純物の大きさよりも小さい、
    ことを特徴とする密閉容器。
  10. 積層体製造方法であって、
    エレクトロスプレーデポジション法を用いてポリイミド試料溶液を静電噴霧し、ナノファイバーを形成して、基材上にナノファイバーを含むポリイミドナノ構造体を作成するステップと、
    作成されたポリイミドナノ構造体を、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとに挟み積層させるステップと、
    第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとが接触する外周部を密着固定し、該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとを接着させるステップと、
    を含む積層体製造方法。
  11. 密閉容器製造方法であって、
    エレクトロスプレーデポジション法を用いてポリイミド試料溶液を静電噴霧し、ナノファイバーを形成して、基材上にナノファイバーを含むポリイミドナノ構造体を作成するステップと、
    作成されたポリイミドナノ構造体を、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとに挟み積層させるステップと、
    第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとが接触する外周部の少なくとも一部を密着固定し、該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとの密着固定した部分を接着させて容器を形成するステップと、
    前記容器に電界液を入れ、第1のポリイミドフィルムと、第2のポリイミドフィルムとが接触する外周部の密着固定していない部分を密着固定し、該第1のポリイミドフィルムと、該第2のポリイミドフィルムとの密着固定した部分を接着させて密閉容器を形成するステップと、
    を含む密閉容器製造方法。
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