JP2017177063A - 水素化精製触媒の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた脱硫活性を有する水素化精製触媒を提供すること。
【解決手段】メソポーラスシリカにアルカリ金属を担持させて、アルカリ金属担持物を得る工程と、アルカリ金属担持物と炭酸ジメチルとを反応させて、担体前駆体を得る工程と、分散媒として炭化水素、チタニア源としてチタンアルコキシド類を用いたコーティング処理により、担体前駆体をチタニアでコーティングして、チタニア−シリカ担体を得る工程と、チタニア−シリカ担体に、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種を担持させて、水素化精製触媒を得る工程と、を備え、メソポーラスシリカの平均細孔径が60Å以上であり、メソポーラスシリカのミクロ細孔容積が0.03cm/g以下である、水素化精製触媒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、水素化精製触媒及びその製造方法に関する。
SBA−15を代表とするメソポーラスシリカは、表面積が大きく、担持金属を高分散することができることから、触媒の担体として広く検討されている。
例えば、非特許文献1には、平均細孔径56ÅのSBA−15に対して、エタノール溶媒にテトライソプロポキシチタンを溶解させた溶液を用いたコーティング処理を行い、細孔径の一部が閉塞した担体を得て、当該担体を脱硫触媒に用いたことが開示されている。また、非特許文献2には、平均細孔径60ÅのSBA−15に対して、エタノール溶媒にテトライソプロポキシチタンを溶解させた溶液を用いてコーティング処理を行い、チタニアが不均一に導入された担体を得て、当該担体を脱硫触媒に用いたことが開示されている。
また、非特許文献3には、化学蒸着法(CVD法)を用いてチタニアを担持させた触媒が開示されている。
Catalysis Today, Vol. 116, p485-497 (2006) (ELSEVIER) Energy & Fuels, Vol. 26, p773-782 (2012) (American ChemicalSociety) Catalysis Today, Vol. 63, p123-131 (2000) (ELSEVIER)
水素化精製における脱硫反応では、触媒寿命の観点から脱硫活性の高い触媒が望まれている。しかし、現行の触媒の脱硫活性は必ずしも十分ではなく、例えば、通油量を増加させた場合や、多環芳香族を多く含む劣質な油を処理する場合でも、十分な脱硫活性が得られる水素化精製触媒が求められている。
本発明の一側面は、メソポーラスシリカにアルカリ金属を担持させて、アルカリ金属担持物を得る工程と、アルカリ金属担持物と炭酸ジメチルとを反応させて、担体前駆体を得る工程と、分散媒として炭化水素、チタニア源としてチタンアルコキシド類を用いたコーティング処理により、担体前駆体をチタニアでコーティングして、チタニア−シリカ担体を得る工程と、チタニア−シリカ担体に、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種を担持させて、水素化精製触媒を得る工程と、を備える、水素化精製触媒の製造方法に関する。この製造方法において、メソポーラスシリカの平均細孔径は60Å以上であり、メソポーラスシリカのミクロ細孔容積は0.03cm/g以下である。
一態様において、チタニア−シリカ担体におけるTi/Siのモル比は、0.1〜0.5であってよい。
一態様において、上記製造方法では、複数回のコーティング処理により、チタニア−シリカ担体を得てよい。
本発明によれば、優れた脱硫活性を有する水素化精製触媒及びその製造方法が提供される。
実施例2における担体前駆体及びチタニア−シリカ担体並びに比較例4におけるチタニア−シリカ担体のBET吸着法の測定結果を示す図である。
以下、本発明の好適な一実施形態について説明する。
本実施形態に係る水素化精製触媒の製造方法は、メソポーラスシリカにアルカリ金属を担持させて、アルカリ金属担持物を得る工程(アルカリ金属担持工程)と、アルカリ金属担持物と炭酸ジメチルとを反応させて、担体前駆体を得る工程(炭酸ジメチル処理工程)と、分散媒として炭化水素、チタニア源としてチタンアルコキシド類を用いたコーティング処理により、担体前駆体をチタニアでコーティングして、チタニア−シリカ担体を得る工程(コーティング工程)と、チタニア−シリカ担体に、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種を担持させて、水素化精製触媒を得る工程(活性金属担持工程)と、を備える。
本実施形態において、メソポーラスシリカの平均細孔径は60Å以上であり、メソポーラスシリカのミクロ細孔容積は0.03cm/g以下である。
従来、無機酸化物担体にチタニアコーティングを行う方法が種々検討されているが、均一なコーティングが困難であったり、担体の細孔閉塞が生じる等の問題があった。
本実施形態に係る製造方法では、特定の平均細孔径及びミクロ細孔容積を有するメソポーラスシリカに対して、アルカリ金属担持及び炭酸ジメチル処理を行った上で、特定の分散媒及びチタニア源を用いてチタンコーティングすることで、優れた脱硫活性を有する水素化精製触媒が得られる。このような効果が奏される理由としては、(i)アルカリ金属担持及び炭酸ジメチル処理によりメソポーラスシリカの細孔構造が三次元化して、反応物の拡散性が向上すること、(ii)特定のチタンコーティング処理によって、三次元化した細孔の内部にまで十分にチタニアで修飾され、細孔径が均一に制御されること、等が考えられる。
メソポーラスシリカとしては、SBA−15、MCM−41、アモルファスシリカ等が挙げられる。
メソポーラスシリカの平均細孔径は、60Å以上であり、好ましくは70Å以上である。平均細孔径が60Å未満であると、チタニアコーティングによる平均細孔径の減少が大きくなり、水素化精製反応物の拡散性が悪くなり、触媒性能が低下する傾向がある。また、メソポーラスシリカの平均細孔径は、200Å以下であることが好ましく、130Å以下であることがより好ましい。メソポーラスシリカの平均細孔径が200Å以下であると、担体の表面積が大きくなり、触媒性能が一層向上する傾向がある。
本明細書中、メソポーラスシリカの平均細孔径は、窒素を用いたBET吸着法により測定される値を示す。
メソポーラスシリカのミクロ細孔容積は0.03cm/g以下であり、0.01cm/g以下であることが好ましい。ミクロ細孔容積が0.03cm/gを超えると、チタニアコーティングに際して、シリカ表面を均一にコーティングすることができず、細孔径及び触媒活性の制御が困難となる。メソポーラスシリカのミクロ細孔容積は、0m/gであってもよい。
なお、本明細書中、メソポーラスシリカのミクロ細孔容積は、t−プロット法により求められる、細孔径2nm以下のミクロ細孔の容積を示す。
メソポーラスシリカの表面積は、例えば400m/g以上であってよく、500m/g以上であることが好ましい。メソポーラスシリカの表面積を大きくすることで、より多くの金属を分散性良く担持でき、触媒活性が一層向上する傾向がある。メソポーラスシリカの表面積は、例えば1200m/g以下であってよく、1100m/g以下であってもよい。
なお、本明細書中、メソポーラスシリカの表面積は、窒素を用いたBET吸着法により測定される値を示す。
以下、本実施形態に係る製造方法における各工程について詳述する。
(アルカリ金属担持工程)
アルカリ金属担持工程では、メソポーラスシリカにアルカリ金属を担持させる。アルカリ金属の担持方法は特に限定されず、例えば、incipient wetnessに代表される含浸法、蒸発乾固法等の常用方法を採用することができる。
アルカリ金属は、ナトリウム及びカリウムかなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
アルカリ金属の担持量は、メソポーラスシリカ100gに対して0.003mol以上であることが好ましく、0.01mol以上であることがより好ましい。アルカリ金属の担持量が0.003mol以上であると、脱硫活性に一層優れた水素化精製触媒が得られる。また、アルカリ金属の担持量は、メソポーラスシリカ100gに対して0.025mol以下であることが好ましく、0.02mol以下であることがより好ましい。アルカリ金属の担持量が0.025mol以下であると、後述するコーティング工程でチタニアがより均一にコーティングされる傾向がある。
アルカリ金属担持工程は、例えば、メソポーラスシリカに、アルカリ金属源を含む溶液を含浸させ、乾燥することにより実施することができる。
アルカリ金属源としては、例えば、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の塩化物等を用いてよい。アルカリ金属源を溶解させる溶媒は、例えば、水、アルコール系溶媒等であってよい。乾燥時の温度は特に限定されず、例えば100〜300℃であってよい。
(炭酸ジメチル処理工程)
炭酸ジメチル処理工程では、アルカリ金属担持工程で得られたアルカリ金属担持物と炭酸ジメチルとを反応させて、担体前駆体を得る。
炭酸ジメチル処理工程は、例えば、アルカリ金属担持物を充填した流通式反応管に、炭酸ジメチルを供給させることにより実施してよい。炭酸ジメチルは、例えば、ヘキサン、ヘプタン等のアルカンに希釈して、流通式反応管に供給してもよい。
炭酸ジメチルの供給量は、例えば、アルカリ金属担持物1gに対して、例えば30〜400mmolであってよく、100〜300mmolであることが好ましい。
炭酸ジメチル処理工程における反応は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスは、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等であってよい。
炭酸ジメチル処理工程における反応の反応温度は、例えば、300〜420℃であってよい。反応温度を上記範囲とすることで、水素化精製触媒の脱硫活性がより向上する傾向がある。また、炭酸ジメチル処理工程における反応の反応時間は、例えば0.5〜4時間であってよい。反応時間を上記範囲とすることで、炭酸ジメチル処理工程の効果が十分に奏され、水素化精製触媒の脱硫活性がより向上する傾向がある。
炭酸ジメチル処理工程では、アルカリ金属担持物と炭酸ジメチルとを反応させた後、反応物の洗浄、焼成等を行ってよい。反応物の洗浄は、例えば、希硝酸での洗浄及びイオン交換水での洗浄等であってよい。また、反応物の焼成は、例えば300〜420℃で実施してよい。
(コーティング工程)
コーティング工程では、分散媒として炭化水素、チタニア源としてチタンアルコキシド類を用いたコーティング処理により、担体前駆体をチタニアでコーティングする。
分散媒として用いる炭化水素は、芳香族炭化水素であることが好ましい。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。人体への安全性を考慮すると、分散媒は、トルエン及びキシレンからなる群より選択される少なくとも1種であってよい。
チタニア源は、チタンアルコキシド類である。チタンアルコキシド類に特に制限はないが、入手の容易さの観点からは、テトラn−プロポキシチタン、テトラi−プロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン等を好適に用いることができる。
コーティング工程の好適な一態様について、以下に説明する。
(1)メソポーラスシリカの乾燥
一態様において、担体前駆体は乾燥させてから、コーティング処理に供してよい。乾燥温度は、例えば150〜350℃であってよく、200〜300℃であってよい。乾燥時間は例えば3〜5時間であってよい。コーティング処理前に乾燥させることで、チタニアがより均一に担体表面にコーティングされる傾向がある。
なお、乾燥温度が350℃を超えると、後述するコーティング処理1回当たりに担体上に担持されるチタニア量が減少する場合がある。このため、乾燥温度は350℃以下であることが好ましい。
(2)チタニアコーティング
コーティング処理は、例えば、分散媒中で担体前駆体とチタニア源とを混合し、担体前駆体上にチタニア源を担持させた後、焼成することにより行うことができる。
分散媒の使用量は、例えば、担体前駆体1gに対して50〜200gであってよい。
チタニア源の使用量は、Ti/Siのモル比が0.1〜0.5の範囲となる量が好ましく、Ti/Siのモル比が0.2〜0.4となる量であることがより好ましい。チタニア源の使用量が上記範囲より少ないと、チタニアによるコーティング量が不十分となる場合がある。また、チタニア源の使用量を上記範囲より多くしても、コーティング量は大きく変化しない傾向がある。
担体前駆体上へのチタニア源の担持は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
コーティング処理では、例えば、分散媒中で担体前駆体とチタニア源とを混合した後、室温で10〜30時間撹拌を継続してよい。これにより、チタニアによるコーティング量が向上する傾向がある。
コーティング処理では、例えば、分散媒中で担体前駆体とチタニア源とを混合し、所定時間撹拌した後、ろ過により固体を回収してよい。このとき、固体は、分散媒として用いた炭化水素で洗浄してよい。回収された固体は、焼成前に乾燥してよい。乾燥温度は、例えば70〜120℃であってよく、乾燥時間は、例えば2〜3時間であってよい。
焼成温度は、チタニア源がチタニアに変化し得る温度であればよく、例えば500〜600℃であってよい。焼成時間は、担体前駆体上に担持されたチタニア源の大半がチタニアに変化し得る時間であればよく、例えば4〜8時間であってよい。焼成は酸素含有雰囲気下で行ってよく、例えば空気雰囲気下で行ってよい。
なお、焼成温度が600℃を超えると2回目以降のコーティング処理において、チタニアのコーティング量が少なくなる場合がある。このため、更なるコーティング処理を行う場合は、焼成温度は600℃以下とすることが好ましい。
本実施形態において、コーティング工程は複数回実施してよい。このとき、例えば上記操作(1)及び(2)を繰り返し実施してよく、2回目以降のコーティング工程では(2)のみを実施してもよい。
チタニア−シリカ担体は、均一な細孔分布を有することが好ましい。細孔分布の均一性は、例えば、窒素を用いたBET吸着法の測定時における、窒素の吸脱着の様子から、推測することができる。
(活性金属担持工程)
活性金属担持工程では、チタニア−シリカ担体にモリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種の活性金属を担持させることにより、水素化精製触媒を製造する。
活性金属担持工程において、担持方法は特に限定されない。担持方法は、例えば、公知の、無機酸化物担体への金属の担持方法であってよい。担持方法としては、例えば、含浸法、蒸発乾固法等が挙げられる。
活性金属担持工程は、例えば、チタニア−シリカ担体に、活性金属源を含む溶液を含浸させ、乾燥及び焼成することにより実施することができる。
活性金属源は特に限定されず、例えば、モリブデン源としてはMoO、(NHMo24、(NHMoO、HMoO等が挙げられ、タングステン源としてはメタタングステン酸アンモニウム、三酸化タングステン等が挙げられる。
焼成温度は特に限定されず、例えば450〜600℃であってよい。焼成時間は特に限定されず、例えば1〜5時間であってよい。
活性金属の担持量は、酸化物換算で、水素化精製触媒の全量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。活性金属の酸化物換算での担持量が5質量%以上であると、チタニアコーティングによる効果がより顕著に発揮される傾向がある。また、活性金属の酸化物換算での担持量は、水素化精製触媒の全量に対して30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。活性金属の酸化物換算での担持量が30質量%以下であると、活性金属の凝集による活性低下が十分に抑制される。
本実施形態に係る製造方法で製造された水素化精製触媒は、炭化水素油の水素化精製用の触媒として好適に用いることができる。また、本実施形態に係る製造方法で製造された水素化精製触媒は、脱硫性能に優れるため、通油量を増加させた製造プロセスや、多環芳香族を多く含む劣質な油を処理する製造プロセスに好適に適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1:触媒A−1の調製]
(1)メソポーラスシリカ(a−1)の合成
容量500mlのテフロン(登録商標)容器中で、エチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)のトリブロックコポリマー((EO)20(PO)70(EO)20)4gをイオン交換水81.2gに溶かし、そこに6Mの塩酸溶液40mlを加えた。メシチレン0.4gを更に加え、1.5時間撹拌した。その後、テトラエトキシシラン8.54gを5分かけて滴下した。この溶液を水浴中、35℃で24時間撹拌し、次に、撹拌を止めてオーブンで120℃に加熱し、48時間、水熱合成を行った。得られた白濁溶液をろ過し、イオン交換水でよく洗浄した後、乾燥空気中550℃で4時間焼成し、SBA−15を得た。得られたSBA−15をメソポーラスシリカ(a−1)とした。
メソポーラスシリカ(a−1)の表面積、平均細孔径及びミクロ細孔容積を、窒素を用いたBED吸着法、及びt−プロット法により求めた。メソポーラスシリカ(a−1)の表面積は510cm/g、平均細孔径は12.1nm、ミクロ細孔容積は0cm/gであった。
(2)アルカリ金属担持物(a−1)の合成
200℃で終夜乾燥したメソポーラスシリカ(a−1)(1g)をナスフラスコに入れ、そこに塩化カリウム水溶液3ml(KClとして0.01g)を加えた後、12時間静置した。その後、40℃で1時間、水をエバポレーションにより除去した。更にそこへイオン交換水1mlを加え、再び12時間静置した。静置後、同様にエバポレーションにより水を除去し、得られた固形物を200℃、12時間乾燥して、アルカリ金属担持物(a−1)を得た。
(3)担体前駆体(a−1)の合成
アルカリ金属担持物(a−1)(1.0g)を流通式反応管に入れ、ヘリウムガス雰囲気下、370℃、常圧下で炭酸ジメチル(DMC)と反応を行った。このとき、DMCはヘプタンに溶解させて(DMC:ヘプタン=10:1容積%)、127mmol/hの速度で1時間反応管に投入した。その後、室温まで冷却した後、希硝酸(0.1N)洗浄、ろ過、イオン交換洗浄を実施し、400℃で4時間焼成して、担体前駆体(a−1)を得た。
(4)チタニア−シリカ担体(a−1)の合成
110℃、3時間乾燥した担体前駆体(a−1)(1g)と脱水トルエン130gを、乾燥窒素雰囲気下で500mlのフラスコ内に入れ、フラスコを密閉した。密閉状態で5分間、超音波をかけて、フラスコ内の溶液を撹拌した。次いで、仕込みのTi/Siモル比が0.3になるように、テトライソプロポキシチタンを加え、窒素雰囲気下、室温で24時間撹拌した。その後、ろ過、脱水トルエン洗浄を行い、得られた固形物を100℃で2時間乾燥、550℃で6時間焼成し、チタニア−シリカ担体(a−1)を得た。
得られたチタニア−シリカ担体(a−1)について、窒素を用いたBET吸着法の測定を行ったところ、チタニア−シリカ担体(a−1)が均一な細孔分布を有することが確認された。
また、得られたチタニア−シリカ担体(a−1)について、TEM−EDXを用いて、細孔の入口付近や内部などの50か所におけるTi/Siのモル比を測定し、その平均値を求めた。その結果、チタニア−シリカ担体(a−1)におけるTi/Siのモル比は、0.109±0.009であった。
(5)触媒A−1の調製
110℃で2時間乾燥させたチタニア−シリカ担体(a−1)(1g)に対して、蒸留水50mlに溶解させたアンモニウムヘプタモリブデート(0.1362g)を加え、80℃にて蒸発乾固法でモリブデンを担持した。その後、空気中500℃で5時間、焼成し、モリブデンの酸化物換算での担持量が10質量%の触媒A−1を得た。
[実施例2:触媒A−2の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(a−2)の合成
コーティング処理によりチタニア−シリカ担体(a−1)を得た後、同様のコーティング処理を更に2回行い、チタニア−シリカ担体(a−2)を得た。チタニア−シリカ担体(a−2)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.271±0.010であった。また、チタニア−シリカ担体(a−2)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。なお、図1の(a)は担体前駆体(a−1)のBET吸着法の測定結果を示し、図1の(b)はチタニア−シリカ担体(a−2)のBET吸着法の測定結果を示す。
(2)触媒A−2の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(a−2)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒A−2を得た。
[実施例3:触媒A−3の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(a−3)の合成
コーティング処理によりチタニア−シリカ担体(a−1)を得た後、同様のコーティング処理を更に4回行い、チタニア−シリカ担体(a−3)を得た。チタニア−シリカ担体(a−3)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.423±0.010であった。また、チタニア−シリカ担体(a−3)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒A−3の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(a−3)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒A−3を得た。
[実施例4:触媒A−4の調製]
(1)メソポーラスシリカ(a−4)の合成
メシチレンの添加量を0.08gに変更したこと以外は、実施例1の(1)と同様にしてSBA−15(メソポーラスシリカ(a−4))を得た。メソポーラスシリカ(a−4)の表面積は580m/g、平均細孔径は9.2nm、ミクロ細孔容積は0.011cm/gであった。
(2)アルカリ金属担持物(a−4)の合成
メソポーラスシリカ(a−1)に代えてメソポーラスシリカ(a−4)を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にしてアルカリ金属担持を行い、アルカリ金属担持物(a−4)を得た。
(3)担体前駆体(a−4)の合成
アルカリ金属担持物(a−1)に代えてアルカリ金属担持物(a−4)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして炭酸ジメチル処理を行い、担体前駆体(a−4)を得た。
(4)チタニア−シリカ担体(a−4)の合成
担体前駆体(a−1)に代えて担体前駆体(a−4)を用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(a−4)を得た。チタニア−シリカ担体(a−4)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.130±0.008であった。また、チタニア−シリカ担体(a−4)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(5)触媒A−4の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(a−4)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒A−4を得た。
[実施例5:触媒A−5の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(a−5)の合成
実施例4の(4)の方法でコーティング処理によりチタニア−シリカ担体(a−4)を得た後、同様のコーティング処理を更に3回行い、チタニア−シリカ担体(a−5)を得た。チタニア−シリカ担体(a−5)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.315±0.010であった。また、チタニア−シリカ担体(a−5)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒A−5の調製
チタニア−シリカ担体(a−4)に代えてチタニア−シリカ担体(a−5)を用いたこと以外は、実施例4の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒A−5を得た。
[実施例6:触媒A−6の調製]
(1)メソポーラスシリカ(a−6)の合成
メシチレンを添加しなかった(添加量0g)こと、及び、水熱合成を80℃で行ったこと以外は、実施例1の(1)と同様にしてSBA−15(メソポーラスシリカ(a−6))を得た。メソポーラスシリカ(a−6)の表面積は1100m/g、平均細孔径は7.1nm、ミクロ細孔容積は0.026cm/gであった。
(2)アルカリ金属担持物(a−6)の合成
メソポーラスシリカ(a−1)に代えてメソポーラスシリカ(a−6)を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にしてアルカリ金属担持を行い、アルカリ金属担持物(a−6)を得た。
(3)担体前駆体(a−6)の合成
アルカリ金属担持物(a−1)に代えてアルカリ金属担持物(a−6)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして炭酸ジメチル処理を行い、担体前駆体(a−6)を得た。
(4)チタニア−シリカ担体(a−6)の合成
担体前駆体(a−1)に代えて担体前駆体(a−6)を用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(a−6)を得た。チタニア−シリカ担体(a−6)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.127±0.010であった。また、チタニア−シリカ担体(a−6)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(5)触媒A−6の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(a−6)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒A−6を得た。
[比較例1:触媒B−1の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(b−1)の合成
炭酸ジメチル処理を実施せず、担体前駆体(a−1)に代えてメソポーラスシリカ(a−1)を用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(b−1)を得た。チタニア−シリカ担体(b−1)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.104±0.008であった。また、チタニア−シリカ担体(b−1)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒B−1の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(b−1)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−1を得た。
[比較例2:触媒B−2の調製]
チタニアコーティングを行わず、担体前駆体(a−1)を担体として用いた。
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えて担体前駆体(a−1)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−2を得た。
[比較例3:触媒B−3の調製]
(1)メソポーラスシリカ(b−3)の合成
メシチレンの添加量を0.48gに変更したこと、及び、水熱合成を90℃で行ったこと以外は、実施例1の(1)と同様にしてSBA−15(メソポーラスシリカ(b−3))を得た。メソポーラスシリカ(b−3)の表面積は560m/g、平均細孔径は12.1nm、ミクロ細孔容積は0.046cm/gであった。
(2)アルカリ金属担持物(b−3)の合成
メソポーラスシリカ(a−1)に代えてメソポーラスシリカ(b−3)を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にしてアルカリ金属担持を行い、アルカリ金属担持物(b−3)を得た。
(3)担体前駆体(b−3)の合成
アルカリ金属担持物(a−1)に代えてアルカリ金属担持物(b−3)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして炭酸ジメチル処理を行い、担体前駆体(b−3)を得た。
(4)チタニア−シリカ担体(b−3)の合成
担体前駆体(a−1)に代えて担体前駆体(b−3)を用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(b−3)を得た。チタニア−シリカ担体(b−3)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.124±0.010であった。また、チタニア−シリカ担体(b−3)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(5)触媒B−3の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(b−3)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−3を得た。
[比較例4:触媒B−4の調製]
(1)メソポーラスシリカ(b−4)の調製
テフロン(登録商標)容器中で、臭化セチルトリメチルアンモニウム31.1gをイオン交換水120mlに溶かし、オイルバスで75℃に加熱して撹拌した。そこに水ガラス3号27.3gをイオン交換水36mlで希釈した溶液を加え、10分間撹拌した後、硫酸2.8gをイオン交換水39mlで希釈した溶液を加えた。オイルバスから取出し、ゲルの重さが281.3gになるようにイオン交換水を加え、90℃のオーブンで、96時間水熱合成を行った。得られた白濁溶液をろ過洗浄した後、100℃で終夜乾燥し、乾燥空気中、550℃で4時間焼成し、MCM−41(メソポーラスシリカ(b−4))を得た。メソポーラスシリカ(b−4)の表面積は1160m/g、平均細孔径は2.8nm、ミクロ細孔容積は0cm/gであった。
(2)アルカリ金属担持物(b−4)の合成
メソポーラスシリカ(a−1)に代えてメソポーラスシリカ(b−4)を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にしてアルカリ金属担持を行い、アルカリ金属担持物(b−4)を得た。
(3)担体前駆体(b−4)の合成
アルカリ金属担持物(a−1)に代えてアルカリ金属担持物(b−4)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして炭酸ジメチル処理を行い、担体前駆体(b−4)を得た。
(4)チタニア−シリカ担体(b−4)の合成
担体前駆体(a−1)に代えて担体前駆体(b−4)を用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(b−4)を得た。チタニア−シリカ担体(b−4)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.167±0.040であった。また、チタニア−シリカ担体(b−4)は、BET吸着法の結果から、細孔分布が不均一であり、均一なコーティングがなされていないことが確認された。なお、図1の(c)はチタニア−シリカ担体(b−4)のBET吸着法の測定結果を示す。
(5)触媒B−4の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(b−4)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−4を得た。
[比較例5:触媒B−5の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(b−5)の合成
実施例4の(3)の炭酸ジメチル処理を省略した。
炭酸ジメチル処理を実施せず、担体前駆体(a−4)に代えてメソポーラスシリカ(a−4)を用いたこと以外は、実施例4の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(b−5)を得た。チタニア−シリカ担体(b−5)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.125±0.008であった。また、チタニア−シリカ担体(b−5)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒B−5の調製
チタニア−シリカ担体(a−4)に代えてチタニア−シリカ担体(b−5)を用いたこと以外は、実施例4の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−5を得た。
[比較例6:触媒B−6の調製]
実施例4の(4)のチタニアコーティングを省略した。
チタニアコーティングを行わず、チタニア−シリカ担体(a−4)に代えて担体前駆体(a−4)を用いたこと以外は、実施例4の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−6を得た。
[比較例7:触媒B−7の調製]
(1)メソポーラスシリカ(b−7)の合成
メシチレンの添加量を0.16gに変更したこと、及び、水熱合成を80℃で行ったこと以外は、実施例1の(1)と同様にしてSBA−15(メソポーラスシリカ(b−7))を得た。メソポーラスシリカ(b−7)の表面積は670m/g、平均細孔径は9.2nm、ミクロ細孔容積は0.051cm/gであった。
(2)アルカリ金属担持物(b−7)の合成
メソポーラスシリカ(a−1)に代えてメソポーラスシリカ(b−7)を用いたこと以外は、実施例1の(2)と同様にしてアルカリ金属担持を行い、アルカリ金属担持物(b−7)を得た。
(3)担体前駆体(b−7)の合成
アルカリ金属担持物(a−1)に代えてアルカリ金属担持物(b−7)を用いたこと以外は、実施例1の(3)と同様にして炭酸ジメチル処理を行い、担体前駆体(b−7)を得た。
(4)チタニア−シリカ担体(b−7)の合成
担体前駆体(a−1)に代えて担体前駆体(b−7)を用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(b−7)を得た。チタニア−シリカ担体(b−7)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.134±0.010であった。また、チタニア−シリカ担体(b−7)は、BET吸着法の結果から、細孔分布が不均一であり、均一なコーティングがなされていないことが確認された。
(5)触媒B−7の調製
チタニア−シリカ担体(a−1)に代えてチタニア−シリカ担体(b−7)を用いたこと以外は、実施例1の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−7を得た。
[比較例8:触媒B−8の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(b−8)の合成
実施例6の(3)の炭酸ジメチル処理を省略した。
担体前駆体(a−6)に代えてアルカリ金属担持物(a−6)を用いたこと以外は、実施例6の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(b−8)を得た。チタニア−シリカ担体(b−8)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.117±0.011であった。また、チタニア−シリカ担体(b−8)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒B−8の調製
チタニア−シリカ担体(a−6)に代えてチタニア−シリカ担体(b−8)を用いたこと以外は、実施例6の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−8を得た。
[比較例9:触媒B−9の調製]
実施例6の(4)のチタニアコーティングを省略した。
チタニアコーティングを行わず、チタニア−シリカ担体(a−6)に代えて担体前駆体(a−6)を用いたこと以外は、実施例6の(5)と同様にしてモリブデンの担持を行い、触媒B−9を得た。
[実施例7:触媒A−7の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(a−7)の合成
トルエンに代えてキシレンを用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(a−7)を得た。チタニア−シリカ担体(a−7)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.117±0.007であった。また、チタニア−シリカ担体(a−7)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒A−7の調製
110℃で2時間乾燥させたチタニア−シリカ担体(a−7)(1g)に対して、蒸留水50mlに溶解させたメタタングステン酸アンモニウム(0.1667g)を加え、80℃にて蒸発乾固法でモリブデンを担持した。その後、空気中500℃で5時間、焼成し、タングステンの酸化物換算での担持量が14質量%の触媒A−7を得た。
[実施例8:触媒A−8の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(a−8)の合成
トルエンに代えてパラキシレンを用いたこと以外は、実施例1の(4)と同様にしてチタニアコーティングを行い、同様のコーティング処理を更に2回行って、チタニア−シリカ担体(a−8)を得た。チタニア−シリカ担体(a−8)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.263±0.008であった。また、チタニア−シリカ担体(a−8)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒A−8の調製
チタニア−シリカ担体(a−7)に代えてチタニア−シリカ担体(a−8)を用いたこと以外は、実施例7の(2)と同様にしてタングステンの担持を行い、触媒A−8を得た。
[比較例10:触媒B−10の調製]
(1)チタニア−シリカ担体(b−10)の合成
実施例7の炭酸ジメチル処理を省略した。
担体前駆体(a−1)に代えてメソポーラスシリカ(a−1)を用いたこと以外は、実施例7の(1)と同様にしてチタニアコーティングを行い、チタニア−シリカ担体(b−10)を得た。チタニア−シリカ担体(b−10)について、実施例1と同様にTi/Siのモル比を求めたところ、Ti/Siのモル比は0.110±0.008であった。また、チタニア−シリカ担体(b−10)は、BET吸着法の結果から、均一な細孔分布を有することが確認された。
(2)触媒B−10の調製
チタニア−シリカ担体(a−7)に代えてチタニア−シリカ担体(b−10)を用いたこと以外は、実施例7の(2)と同様にしてタングステンの担持を行い、触媒B−10を得た。
[比較例11:触媒B−11の調製]
実施例7のチタニアコーティングを省略した。
チタニア−シリカ担体(a−7)に代えて担体前駆体(a−1)を用いたこと以外は、実施例7の(2)と同様にしてタングステンの担持を行い、触媒B−11を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜11で得られた触媒について、それぞれ以下の方法で予備硫化処理及び脱硫試験を行った。試験結果は表1及び表2に示すとおりとなった。
<予備硫化処理>
触媒100mgに、水素で希釈した硫化水素ガス(10容積%)を流通させ、常圧下、350℃で5時間、予備硫化処理を行った。
<脱硫試験>
予備硫化済みの触媒100mgを使用して、容積60mlのオートクレーブを反応器とし、下記の条件下で水素雰囲気下のもと脱硫試験を実施した。脱硫試験後の硫黄分を蛍光X線測定により求め、脱硫率(原料油中の硫黄分に対する除去された硫黄分の割合)を算出した。
(原料油の性状)
原料油:テトラリンで希釈したジベンゾチオフェン
硫黄分:1.00重量%
(反応条件)
原料油仕込み量:20ml
初期水素圧力:2.0MPa
反応温度:300℃
反応時間:3時間
撹拌速度:300回転/分
Figure 2017177063

Figure 2017177063

上記の結果から、平均細孔径が60Å以上、ミクロ細孔容積が0.03cm/g以下のメソポーラスシリカに対して、アルカリ金属担持工程、炭酸ジメチル処理工程及びコーティング工程を施すことで、細孔内に均一にチタニアがコーティングされ、これにモリブデン又はタングステンを担持した触媒は、優れた脱硫活性を有することが確認された。

Claims (3)

  1. メソポーラスシリカにアルカリ金属を担持させて、アルカリ金属担持物を得る工程と、
    前記アルカリ金属担持物と炭酸ジメチルとを反応させて、担体前駆体を得る工程と、
    分散媒として炭化水素、チタニア源としてチタンアルコキシド類を用いたコーティング処理により、前記担体前駆体をチタニアでコーティングして、チタニア−シリカ担体を得る工程と、
    前記チタニア−シリカ担体に、モリブデン及びタングステンからなる群より選択される少なくとも1種を担持させて、水素化精製触媒を得る工程と、
    を備え、
    前記メソポーラスシリカの平均細孔径が60Å以上であり、
    前記メソポーラスシリカのミクロ細孔容積が0.03cm/g以下である、
    水素化精製触媒の製造方法。
  2. 前記チタニア−シリカ担体におけるTi/Siのモル比が、0.1〜0.5である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 複数回の前記コーティング処理により、前記チタニア−シリカ担体を得る、請求項1又は2に記載の製造方法。
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