以下、上記図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の説明における「役決定処理」とは予め設定された複数の役決定結果番号(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果番号を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為(以下「役抽選」とも称する)を意味している。ここで、役決定結果番号とは、当該役決定結果番号が選出された遊技において成立することが許容される1または複数の遊技役(以下「成立許容役」、「当選役」等と称する)を規定するものである。
また、「遊技役が成立する」及び「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、選出された役決定結果番号に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や特別役)かは問わない)を構成する図柄組合せ(対応図柄)が、所定の停止態様(例えば、後述の有効ライン上に並ぶ態様)で表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において、遊技者による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作(手入れする操作)と、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定数の遊技メダルを遊技の用に供するための、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者による、後述の清算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー(「スタートスイッチ」ともいう)25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作を総称して遊技操作と称する。なお、一般的に、スロットマシンにおける「投入」とは、遊技メダルを「スロットマシン内に入れる」という意味で用いられる場合と、遊技メダルを「遊技の用に供する」という意味で用いられる場合とがある。以下の説明では、基本的に、前者の意味において「投入」という語を用い、後者の意味においては「ベット」という語を用いることとする。
また、以下の説明において、遊技メダルの「払出数」とは、1回の遊技において払い出される予定の遊技メダル数を意味する。また、遊技メダルを払い出すという行為には、遊技メダルを実際にスロットマシンから外部に払い出すという行為(以下、適宜「実払出し」と称する)と、スロットマシン内に貯留される遊技メダルとして、電磁気的に記憶される数値を増加させるという行為(以下、適宜「貯留加算払出し」と称する)とがある。
また、以下の説明において、遊技メダルの「獲得総数」とは、所定期間(任意に設定可)における、払い出された遊技メダルの総数と、ベットされた遊技メダルの総数との差数を意味する。ただし、所定期間において払い出された遊技メダルの総数を、ここでいう獲得総数とすることも可能である。
また、以下の説明において「フリーズ」とは、遊技の進行に係る所定の制御処理の実行が一定の時間遅延されることをいう。以下の実施形態では、後述するBB作動中においてRB作動(RB遊技)が終了するごとに、このフリーズとして後述のRB作動終了時待機時間が設定される。フリーズしている間は、遊技者による遊技操作が有効に受け付けられない状態となる。
また、以下の説明及び図面においては、数値を、十進数の他に、二進数または十六進数で表記することがある。そこで、これらを区別するため、二進数で表記する場合は数値の末尾に「B」を付記し、十六進数で表記する場合は数値の末尾に「H」を付記することとする。また、十進数で表記する場合は数値の末尾には特に何も付記しないこととする。
以下、本発明の一実施形態に係るスロットマシンの基本的な構成について、図1〜12を参照しながら説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えており、この前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30及び受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上記上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置(液晶表示装置)11(図2参照)の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
上記中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダル(遊技媒体)を投入するためのメダル投入口21、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1−BETスイッチ22、最大ベット許容数(例えば3枚)の遊技メダルを一度にベットするためのMAX−BETスイッチ23、ベットされた遊技メダル、および/または、クレジットされた遊技メダルを払い出すための清算スイッチ24、全リール3a,3b,3c(リールのことを「回胴」とも称する)を回転開始させる際に操作されるスタートレバー(スタートスイッチ)25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aはリール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bはリール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cはリール3cに対応する)、及びメダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27等が設けられている。
上記メダル投入口21の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー50に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部には、ブロッカ48(図2参照)が設けられている。このブロッカ48は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48がON状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれる状態(遊技メダル受入可能状態)を示し、ブロッカ48がOFF状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが返却通路に導かれる状態(遊技メダル受入不可状態)を示すものとする。
また、メダル投入口21の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ28a,28b,28c(図2参照)が設けられている。投入メダルセンサ28aは、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、上記ブロッカ48が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ28bは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、上記ブロッカ48が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー50寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ28cは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ48が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ28b寄りの位置)に配置されている。
投入メダルセンサ28a及び投入メダルセンサ28bが共に遊技メダルを検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、投入メダルセンサ28aは遊技メダルを検出したが、投入メダルセンサ28bは遊技メダルを検出しない場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたが、投入された遊技メダルが有効に受け入れられずに返却されたことを意味する。また、3つの投入メダルセンサ28a,28b,28cが所定の順序(28a,28c,28bの順序)とは異なる順序で遊技メダルの通過を検出した場合や一部の投入メダルセンサで遊技メダルの通過が検出されない場合は、遊技メダルが逆流するなどの異常通過が起きたことを意味する。
上記表示窓Wは、3個のリール3a〜3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。リール3a〜3cの各中段の図柄表示領域を水平(横一直線)に結ぶ入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される入賞ラインであり、有効化された入賞ライン29上に停止表示された図柄組合せにより遊技役の成立の有無が判定されるように構成されている。以下、有効化された入賞ライン29のことを、適宜「有効ライン29」と称する。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BETスイッチ表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、及び払出数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60(主制御手段100)により制御されるように構成されている。
MAX−BETスイッチ表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるものであり、MAX−BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、上記中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46b(以下「BETランプ46b」とも称する)は、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚の場合に点灯される1−BET表示ランプ46bAと、2枚の場合に点灯される2−BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAX−BET表示ランプ46bCとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、後述の自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ46fは、例えば、後述のARTモードが設定された場合に点灯され、終了した場合に消灯されるものであり、回数表示ランプ46gは、ARTモードが設定されたときに、後述のARTゲーム数の初期値(例えば「50」)を表示するとともに、その後毎遊技、ARTゲーム数の表示値を1ずつ減数し(後述のBB作動中は除く)、ARTゲーム数の上乗せ数が決定されたときにはその上乗せ数を加算して表示するものである。貯留枚数表示ランプ46h(以下「CREランプ46h」とも称する)は、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものであり、払出数表示ランプ46j(以下「WINランプ46j」とも称する)は、後述の小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものである。
また、このWINランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、HPエラー、HEエラー、H0エラー、CEエラー、CPエラー、CHエラー、C0エラー、C1エラー、FEエラー、E1エラー、E5エラー、E6エラー、E7エラー等がある。HPエラーは、後述するメダル検出部51の払出センサにより遊技メダルの通過に異常があったと判断した場合エラーであり、HEエラーは、後述のホッパー50の中の遊技メダルが空と判断した場合のエラー(ホッパーエンプティエラー)であり、H0エラーは、払出センサに異常入力があったと判断したときのエラーである。また、CEエラーは、投入メダルセンサにより遊技メダルが滞留したと判断した場合のエラー(遊技メダル滞留エラー)であり、CPエラーは、投入された遊技メダルが不正通過したと判断した場合のエラーであり、C0エラーは、投入メダルセンサに異常入力があったと判断したときのエラーであり、C1エラーは投入メダルセンサの通過に異常があったと判断した場合のエラーである。また、FEエラーは、後述の補助収納庫85が満杯と判断した場合のエラー(補助収納庫満杯エラー)であり、E1エラーは、電源復帰が正常に行えない場合のエラーであり、E5エラーは、全回胴停止時の図柄の組合せが異常(成立許容役以外の役を構成する対応図柄が停止表示)となる場合のエラーであり、E6エラーは、役決定確率を定めるための設定値が範囲外となる場合のエラーであり、E7エラーは、各抽選等において用いる乱数の更新状態の異常を検知した場合のエラーである。E1、E5、E6、E7の各エラー(これらを総称して「E系エラー」とも称する)は、後述の設定変更により解除され、その他のエラーは、後述のリセットスイッチ82の操作により解除されるようになっている。
さらに、このWINランプ46jは、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を示す、後述のナビ番号を表示する機能も有している。以下、ナビ順番号を表示する際のWINランプ46jのことを、適宜「メイン側押し順表示器」と称する。
上記下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベース及び下パネル照明灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
上記受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられており、この遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44b(図2参照)の前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、遊技の結果、所定の入賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すためのホッパー50(図2参照)が設けられており、このホッパー50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51(図2参照)が設けられている。また、このホッパー50は、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する機能を有している。さらに、ホッパー50の近傍位置には、ホッパー50から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫85(図2参照)が設けられるとともに、この補助収納庫85が満杯状態(助収納庫85から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部86(図2参照)が設けられている。
<リール>
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35c(図2参照)の駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄(図3参照)が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38c(図2参照)が配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる入賞ライン上に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入することによりベットするか、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、複数の入賞ラインのうち入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する非RT、RT1〜RT5、BB-A、BB-Bの各遊技状態の何れにおいても3枚に設定される。ただし、規定数についてはこれに限定されるものではなく、RT状態等に応じて規定数を異なる値に設定するなど、適宜変更することが可能である。また、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインを変更するようにしてもよい。
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、ベット数が確定する(ベットされた遊技メダルが遊技の用に供される)とともに、後述する役決定処理が行われ、その後、最小遊技時間(1つの遊技において全リールが回転開始してから、次の遊技において全リールを回転開始させるまでに最低限確保しなければならないとされる時間(例えば、4.1秒間)のこと)が経過したことを確認した後、各リール3a〜3cが回転を開始し、リール3a〜3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a〜3cの回転が所定の速度に達して定速回転となると各ストップスイッチ26a〜26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ26aを操作するとリール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作するとリール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作するとリール3cの回転が停止するように構成されている。
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
<制御基板と各機器との接続>
本実施形態では、スロットマシン1を制御する主な制御基板として図2に示すように、主制御基板60、サブメイン制御基板70A、及びサブサブ制御基板70Bの3つの制御基板を備えている(サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bを総称して副制御基板70と称する)。遊技の進行に係る主たる制御(リール3a〜3cの駆動制御や役決定処理等を含む)が主制御基板60上に配設された制御回路により行われ、バックランプ38a〜38c等のランプによる照明制御等は、サブメイン制御基板70A上に配設された制御回路により行われるように構成されている。また、画像表示装置11による演出画像表示制御、上部スピーカ15a,15b等のスピーカからの音声発生制御は、主に、サブサブ制御基板70B上に配設された制御回路により行われるように構成されている。さらに、主制御基板60と副制御基板70との間の情報伝達は、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aへの一方向のみ行うことが可能となっており、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bとの間の情報伝達は、双方向で行うことが可能となっている。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM62と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM63とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技の進行に係る制御が行われるようになっている。なお、上記ROM62及びRAM63は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
上記メインCPU61には、駆動パルスを発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生した駆動パルスを分周するための分周器65、役決定処理(役抽選)等に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、及び乱数発生器66で発生した乱数をサンプリングして抽選を行うためのサンプリング回路67が接続されている。クロックパルス発生器64及び分周器65は、メインCPU61に対し、所定の時間毎に割込みを発生させるためのインターバルタイマとしても機能するように構成されている。メインCPU61は、このインターバルタイマからのパルス(クロック信号)に応じて、所定の割込処理を実行したり、設定した各種タイマの計時データの更新やリセットを行ったりするようになっている。また、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36a、表示用ランプ制御回路47、ホッパー駆動回路52及び副制御基板70に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37c、払出検出信号回路53及び収納状態信号回路87からの信号を受信するように構成されている。
ここで、モータ駆動回路36aは、リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、上述した各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。また、リール位置検出回路37a,37b,37cは、リール3a,3b,3cの各々に設置されたリールセンサ(図示せず)からの各検出信号に基づき、リール3a,3b,3cの回転位置をそれぞれ検出する回路である(検出回路37aはリール3aに対応し、検出回路37bはリール3b、検出回路37cはリール3cに対応する)。また、ホッパー駆動回路52は、小役が成立した際に、ホッパー50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路であり、払出検出信号回路53は、ホッパー50から遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部51により検出された際に、主制御基板60に払出検出信号を送信する回路である。さらに、収納状態信号回路87は、補助収納庫85が満杯状態であるか否かを示す収納状態信号を、上記満杯検出部86の検出結果に応じて、主制御基板60に送信する回路である。
また、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82及び設定鍵型スイッチ83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入及び電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1において所定のエラー(上述のE系エラーを除くエラー)が発生した場合に、エラーの原因が取り除かれてエラーが解消された際に遊技店員等により操作されるスイッチである。このリセットスイッチ82が操作されることにより、主制御基板60及び副制御基板70において記憶されたエラー発生の情報がクリアされ、それに伴いエラー解消時の処理が主制御基板60及び副制御基板70において実行される。また、設定鍵型スイッチ83は、役決定確率(遊技役の当選確率)等の設定確認及び設定変更を行う場合に操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、役決定確率等の設定(設定値)を、例えば6段階で変更するためのスイッチである。
前扉2が開いた状態(以下「ドア開状態」と称する)で、かつスロットマシン1に電源が供給されている状態(電源スイッチ81がON状態)において設定鍵型スイッチ83がON状態に操作されることにより、設定確認が可能となる。また、ドア開状態であり、かつスロットマシン1に電源が供給されていない状態(電源スイッチ81がOFF状態)において設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態のまま電源スイッチ81がON状態に操作される(スロットマシン1に電源が投入される)ことにより、設定変更が可能となる。なお、設定鍵型スイッチ83は、所定の鍵部材(設定キー)を、本体側に設けられた所定の錠部材に差し込んで回動させることにより、ON状態とOFF状態が切り替えられるようになっている。また、設定確認及び設定変更は、遊技実行中の状態(遊技メダルがベットされている状態(自動ベットされた場合を含む)や、リールが回転している状態)では実行することができず、遊技待機中の状態でのみ実行することが可能となっている。
電源装置80からの電力は、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに供給され、さらにサブメイン制御基板70Aを介してサブサブ制御基板70Bに供給されるようになっている(電源装置80から直接、サブメイン制御基板70Aとサブサブ制御基板70Bに電力を供給するようにしてもよい)。電源装置80から主制御基板60に電力を供給する回路上と、主制御基板60を介してサブメイン制御基板70Aに電力を供給する回路上には、電圧の供給状態を監視する供給電圧監視回路(図示略)がそれぞれ設けられている。各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値まで低下したときに電源断と判定し電源断検出信号をメインCPU61、後述のサブメインCPU71に出力するようになっている。また、各々の供給電圧監視回路は、供給電圧が所定の電圧値(電源断判定のための電圧値とは異なる値(例えば、高い値)とするが、同じ値としてもよい)まで復帰したときに電源投入と判定し電源投入検出信号をメインCPU61、サブメインCPU71に出力するようになっている。なお、主制御基板60の電源断を検出するときの電圧値は、サブメイン制御基板70Aの電源断を検出するときの電圧値よりも高い値に設定され、サブメイン制御基板70Aよりも先に主制御基板60が、電源断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を行うように構成されている(電源投入に関しても同様としてもよい)。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているかまたはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b,28c、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23及び清算スイッチ24からの各信号が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。
また、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON・OFF制御するように構成されている。なお、以下の説明において、ブロッカ48をON・OFF制御するための信号を、適宜「ブロッカ信号」と称する。さらに、図示は省略しているが、スロットマシン1には、前扉2の開閉状態を検出するドアセンサが設けられており、このドアセンサからの信号が、インターフェイス回路68を介してメインCPU61に入力されるようになっている。メインCPU61は、ドアセンサからの信号により、前扉2が閉じた状態(以下「ドア閉状態」と称する)であるか開いた状態(ドア開状態)であるかを判断するようになっている。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、所定の遊技状態(例えば、後述のATモードやボーナス遊技状態)となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外部接続用端子基板等を介して所定の信号(以下、適宜「外端信号」と称する)を出力し、この外端信号により、所定の遊技状態に設定された回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、サブメイン制御基板70Aには、主に演出の管理に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU71と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM72と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における画像演出や音声演出の管理に関する制御、ランプ演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、上記ROM72及びRAM73は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。また、サブメインCPU71には、不図示のクロックパルス発生器及び分周器が接続されており、このクロックパルス発生器及び分周器は、サブメインCPU71に対し、所定の時間毎に割込みを発生させるためのインターバルタイマとしても機能するように構成されている。サブメインCPU71は、このインターバルタイマからのパルス(クロック信号)に応じて、所定の割込処理を実行したり、設定した各種タイマの計時データの更新やリセットを行ったりするようになっている。
上記サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信し、ランプ制御回路18に対し信号を送信するように構成されている。ここで、ランプ制御回路18は、バックランプ38a〜38c等のランプの点灯を制御する回路である。
また、サブメインCPU71は、インターフェイス回路74を介して、サブサブ制御基板70Bに各種信号を送信するとともに、サブサブ制御基板70Bから各種信号を受信するように構成されている。以下、主制御基板60からサブメイン制御基板70Aに送信される信号を「制御コマンド」と称し、サブメイン制御基板70Aからサブサブ制御基板70Bに送信される信号を「演出コマンド」と称する。また、サブサブ制御基板70Bからサブメイン制御基板70Aに送信される信号を「状態コマンド」とも称する。
サブサブ制御基板70Bには、主に画像演出及び音声演出の制御に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU75と、制御プログラム等を記憶した読出し専用の記憶装置であるROM76と、情報の書込み及び読出しが可能な記憶装置であるRAM77とが配設されており、ROM76に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、画像演出や音声演出に関する制御等が行われるようになっている。なお、上記ROM76及びRAM77は不揮発性の記憶装置であり、電力が供給されない場合でも記憶している情報を保持し得るように構成されている。
上記サブサブCPU75は、インターフェイス回路78を介して、サブメイン制御基板70Aからの報知信号または演出信号を受信し、表示装置制御回路16、スピーカ制御回路17に対し信号を送信するとともに、サブメイン制御基板70Aに状態信号を送信するように構成されている。表示装置制御回路16は、画像表示装置11を制御して所定の演出画像を表示させる回路であり、スピーカ制御回路17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音声等の種類や音量を制御する回路である。なお、画像表示装置11は、ストップスイッチ26a〜26cの操作順(押し順)を表示する押し表示器(以下、適宜「サブ側押し順表示器」と称する)としても機能するように構成されている。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a〜3cが表示する図柄が、図3に示すように配置されている(図3中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a,3b及び3cをそれぞれ表す)。すなわち、各リール3a〜3cには、「キャラクタ」、「白セブン」、「赤セブン」、「チェリー」、「スイカA」、「スイカB」、「ベル」、「リプレイA」、「リプレイB」及び「ブランク」の10種類の図柄が所定数ずつ配置されている。なお「ブランク」とは、遊技役を構成しない任意の図柄であることを示すことがあるが、本実施形態ではこれらを、遊技役を構成する図柄として設定している。以下、リール3a,3b及び3cのことを、それぞれ、左リール、中リール及び右リールと称することがある。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図4〜7に示すように、BB役1〜3の3個の特別役と、再遊技役1〜20の20個の再遊技役と、小役1〜22の22個の小役との計45個の遊技役が設定され、それぞれの遊技役が成立するための図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出数等は、図4〜7に示すように設定されている。
BB役1〜3(BBはビッグボーナスの略)は、その対応図柄(例えば、BB役1の場合は「リプレイB・赤セブン・スイカB」(遊技役を構成する図柄の名称は、リール3a,3b,3cの順番で記す。以下において同じ))が有効ライン29上に停止表示された際には、遊技メダルは払い出されず、次の遊技から、ボーナス作動状態(後述のBB-AまたはBB-B)に設定されるとともに、ボーナス遊技(BB遊技)が開始される遊技役となっている。BB役1〜3の成立により開始されるBB遊技は、所定数、例えば450枚(数値は適宜変更可)を超える遊技メダルが払い出されたことにより終了する。また、このBB遊技中においては、内部的にRB遊技(RBはレギュラーボーナスの略)が連続的に実行されるようになっている。
なお、本実施形態では、特別役としてBB役(BB役1〜3)のみを設けているが、別の特別役として、RB役やMB役(MBはミドルボーナスの略)を設けるようにしてもよい。そして、RB役が成立すると次遊技からボーナス遊技としてのRB遊技(上述のBB遊技中のRB遊技とは異なりBB遊技とは別に行われるRB遊技)を開始するように設定し、MB役が成立すると次遊技からボーナス遊技としてのMB遊技を開始するように設定してもよい。この場合のRB遊技は、例えば、小役が所定回数(例えば、8回)成立したこと、または所定回数(例えば、12回)の遊技が終了したことにより終了するようにし、MB遊技は、例えば、所定数(例えば、200超)の遊技メダルが払い出されたことにより終了するようにしてもよい。また、複数の特別役を設けるようにしてもよい。
再遊技役1〜20は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく(新たに遊技媒体を投入することなく)次の遊技を行うことが許可される遊技役(再遊技役)として設けられている。再遊技役1は、後述のRT状態の移行契機等として設定されておらず、また再遊技役の中で最も成立する機会の多い役となっている。このことから、再遊技役1のことを、適宜「通常RP」(RPはリプレイの略)と称する。
図3に示す図柄配置に示すように、再遊技役1を構成する、左リールと中リール上における図柄「リプレイA/リプレイB」(「/」は「または」の意)、及び右リール上の図柄「リプレイA」は、各リール上において5図柄以内毎に配置されている。これにより、再遊技役1が当選した場合、その対応図柄「リプレイA/リプレイB・リプレイA/リプレイB・リプレイA」は、各リール回転停止操作(ストップスイッチ26a,26b,26cの各操作)の実行タイミング(有効に受付けられたタイミング。以下「押し位置」とも称する)に拘わらず、有効ライン29上に停止表示させる(以下、適宜「引き込む」と称する)ことが可能となっている。この再遊技役1のように、各ストップスイッチの操作タイミングに拘わらず、その対応図柄(複数組ある場合にはそのうちの何れか)を有効ライン29上に引き込むことが可能な役を、以下、便宜的に「100%引込み可能な遊技役」と称する。
再遊技役2は、成立すること(対応図柄が有効ライ29上に停止表示されること)が、後述のRT4状態への移行条件とされている。また、再遊技役3はその成立が後述のRT5状態への移行条件とされ、再遊技役4はその成立が後述のRT3状態への移行条件とされている。このことから、再遊技役2、3及び4のことを、それぞれ、適宜「RT4移行RP」、「RT5移行RP」及び「RT3移行RP」と称する。なお、再遊技役2〜4は、再遊技役1と同様、100%引込み可能な遊技役である。
再遊技役5〜20は、主に、複数の再遊技役が重複当選するように構成された当選役の構成役の1つとして設定され、押し順や押し位置によっては成立する、あるいは、当選はするが成立することはない、制御上必要な再遊技役として設定されている。このことから、再遊技役5〜20のことを、適宜「制御RP」と称する。
小役1〜16は、成立時に9枚の遊技メダルが払い出されるように構成された遊技役(入賞役)であり、小役1〜16のことを総称して適宜「9枚小役」と称する。図3に示す図柄配置から明らかなように、小役1の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されると、表示窓W内の左上段、中中段、右下段の各表示領域に、図柄「ベル」が右下がりに停止表示されるようになっている。また、小役2が成立すると、表示窓W内の各中段の表示領域に、図柄「ベル」が横並びに停止表示されるようになっている。このことから、小役1〜2のことを「ベル小役」と称することがある。
小役17〜18は、成立時に5枚の遊技メダルが払い出されるように構成された遊技役(入賞役)であり、小役19〜22は、成立時に1枚の遊技メダルが払い出されるように構成された遊技役(入賞役)である。このことから、小役17〜18のことを総称して適宜「5枚小役」、小役19〜22のことを総称して適宜「1枚小役」と称する。図3に示す図柄配置から明らかなように、小役17の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されると、表示窓W内の左上段、中中段、右下段の各表示領域に、図柄「スイカA/B」が右下がりに停止表示されるようになっている。また、小役18が成立すると、図柄「スイカA/B」が表示窓W内の各中段の表示領域に、図柄「スイカA/B」が横並びに停止表示される。このことから、小役17〜18のことを総称して「スイカ小役」と称することがある。なお、小役1,2,11,13,15,16は、100%引込み可能な遊技役となっている。
また、本実施形態では、図7(B)に示すように、特定図柄01,02,03が設定されている。これらは、遊技役の対応図柄ではなく、後述の入賞B1〜B4,C1〜C4,D1〜D4が選出された際に、ストップスイッチの押し順と押し位置によって所定の小役を成立させることができなかった場合に、その取りこぼし目として有効ライン29上に停止表示されるようになっている。また、特定図柄01,02,03は、有効ライン29上に停止表示されることが、後述のRT3状態から非RT状態への移行条件とされている。
<役決定結果番号>
本実施形態における役決定処理(役抽選)は、1回の遊技において1回行われ、そこで1つまたは複数の役決定結果番号(役抽選の結果情報)が選出されるようになっている。図8〜9には、役決定処理により選出される役決定結果番号の種類と、それに対応する当選役を示している。なお、図8〜9に示す「当選名称」とは、各役決定結果番号を区別し易くするために便宜的に付したものである。本実施形態では、図8〜9(A)に示すように、「0〜56」までの57個の再遊技役・入賞役用の役決定結果番号と、図9(B)に示すように、「1〜3」までの3個の特別役用の役決定結果番号が設定されている。以下、前者の役決定結果番号を「入賞・RPの役決定結果番号」または「YK番号」と称し、後者の役決定結果番号を「役物の役決定結果番号」または「YYK番号」と称する。
各役決定結果番号には、図示するように、各々の遊技役が当選役として対応付けられている。例えば、YK番号2(再遊技B)には再遊技役1,7が重複当選役として対応付けられ、YK番号49(入賞E)には小役19が単独当選役として対応付けられ、YYK番号1(BB-1)にはBB役1が単独当選役として対応付けられているという具合である。なお、YK番号0は、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応付けられている。また、図8〜9(A)の表中の備考欄には、各YK番号に対応した当選役がどのような場合に成立するのかや、各YK番号がどのような場合に選出されるのかを記しており、図9(B)の表中の備考欄には、各YYK番号に対応した当選役が成立した場合の内容について記している。以下、具体的にいくつかのYK番号、YYK番号について説明する。
YK番号1(再遊技A)は、再遊技役1〜4が重複当選役として対応付けられており、これが選出された場合には、各ストップスイッチの操作順(押し順)に拘わらず、必ず再遊技役1を成立させるリール停止制御が行われるようになっている。一方、YK番号2〜29(再遊技B〜再遊技J3)選定された場合には、各ストップスイッチの押し順によって、異なる再遊技役を成立させるリール停止制御が行われるようになっている。このことから、YK番号2〜29(再遊技B〜再遊技J3)のことを総称して、適宜「押し順RP」と称する。
また、押し順RPであるYK番号2〜29のうちのYK番号3〜14(再遊技C1〜E4)は、後述の非RT状態でのみ選出されるようになっており(図10を参照)、押し順によって成立する遊技役が再遊技役1であるのか、別の再遊技役(再遊技役2〜4)であるのかによって、非RT状態が維持されるのか、他のRT状態(RT3〜5)に移行されるのかが決定されるようになっている。このことから、YK番号3〜14(再遊技C1〜E4)のことを総称して、適宜「RT移行押し順RP」と称する。なお、図8、9(A)の表中の備考欄に記載している「左」、「中」、「右」は、ストップスイッチ26a,26b,26cを意味しており、その並び順はその操作順(押し順)を意味している。例えば、「左右中」はストップスイッチを26a,26c,26bの順序で操作する押し順を表し、「中第一」はストップスイッチ26bを1番目に操作する押し順(2番目以降の押し順は不問)を表すという具合である。以下、YK番号3〜14(再遊技C1〜E4)においては、便宜的に、再遊技役1が成立して非RT状態が維持される押し順(例えば、YK番号3における「左第一」)のことを「RT維持押し順」、再遊技役2〜4が成立してRT3〜5に移行される押し順(例えば、YK番号13における「中右左」)のことを「RT移行押し順」と称する。
YK番号30〜36(再遊技K1〜M)は、複数の再遊技役が重複当選するものであり、これらが選出された場合には、各ストップスイッチの操作順(押し順)や操作タイミング(押し位置)によって、重複当選した複数の再遊技役うちの何れかを成立させるリール停止制御が行われるようになっている。
YK番号36(入賞A)は、小役1,2が重複当選役として対応付けられており、これが選出された場合には、各ストップスイッチの操作順(押し順)や操作タイミング(押し位置)に拘わらず、必ず小役1を成立させるリール停止制御が行われるようになっている。一方、YK番号37〜48(入賞B1〜入賞D4)が選出された場合には、各ストップスイッチの押し位置には関係なく、各ストップスイッチの押し順が所定の押し順であれば9枚小役である小役1,2(ベル小役)の何れか(当選役に含まれるもの)を必ず成立させ、他の押し順であればストップスイッチの押し位置に応じて、他の小役(当選役に含まれるもの)の対応図柄を有効ライン29上に引き込める場合には、その小役を優先して成立させ、引き込めない場合には、特定図柄01〜03の何れかを取りこぼし目として有効ライン29上に停止表示させるリール停止制御が行われる。このことから、YK番号37〜48(入賞B1〜入賞D4)のことを総称して、適宜「押し順ベル」と称する。また、YK番号37〜48(入賞B1〜入賞D4)においては、便宜的に、小役1,2の何れかが成立する押し順(例えば、YK番号37における「左第一」)を「正解押し順」、その他の押し順を「不正解押し順」と称する。
本実施形態では、有効ラインが1ラインであり、上記押し順ベルが選出されたときに、ストップスイッチが正解押し順で操作された場合には、重複当選役のうち最も払出数の多い役の図柄を優先的に引き込む一方、不正解押し順の場合には、重複当選役の各対応図柄において対応図柄として設定されている個数がより多い図柄を優先的に引き込むことによって払出数が少ない役が成立するようになっている(個数枚数優先制御)。これに対し、有効ラインを複数ライン設ける場合には、例えば、「any・ベル・any」の図柄組合せ(anyは、何れの図柄であってもよいことを示す)を小役1とし、例えば、YK番号37が選出された場合に、正解押し順のときは当選役の対応図柄(例えば、中リールのベル図柄)を複数の有効ライン上(重複する位置)に引き込み、不正解押し順のときは当選役の対応図柄(例えば、中リールのベル図柄)を単一の有効ライン上に引き込む制御を行うことにより、払出数に差が生じるようにしてもよい。
YK番号49〜54(入賞E〜H2)のうちの何れかが選出された場合には、各ストップの押し順や押し位置が当選役の対応図柄を引き込めるタイミングであるか否かによって、当選役のうちの何れかの役が成立させたり、何れの役も成立させなかったりするリール制御が行われる。なお、YK番号51,52は、必ずYYK番号3と同時に選出され、選出された場合には、図柄「キャラクタ」を対応図柄に持つ小役11または小役13を優先して成立させるリール制御が行われる。
YK番号55(入賞I1)と56(入賞I2)は、全小役(小役1〜22)が重複当選するものであり、後述のBB-A中またはBB-B中でのみ選出されるように設定されている(図11を参照)。YK番号55または56が選出された場合には、押し順等に関係なく、必ず9枚小役(通常は小役1)を成立させるリール制御が行われる。
役物の役決定結果番号は、図9(B)に示すように、YYK番号1〜3(BB-1〜3)が設定されている。YYK番号1はBB役1を当選役とするものであり、YYK番号2はBB役2を当選役とするものであり、YYK番号3はBB役3を当選役とするものである。YYK番号1〜3の何れかが選出された場合には、各ストップスイッチの押し順には関係なく、各ストップスイッチの操作タイミングが、当選役であるBB役(BB役1〜3の何れか)の対応図柄を有効ライン29上に引き込めるタイミングである場合に、BB役が成立させるリール制御が行われる。なお、YYK番号1〜3が一旦選出されると、対応するBB役が成立するまで、BB役の当選(選出されたYYK番号)が次遊技に持ち越されるようになっている。また、BB役と再遊技役または小役が重複当選した場合、またはBB役の当選が持ち越されている状態において、再遊技役または小役が当選役に選出された場合には、再遊技役または小役の対応図柄を優先して有効ライン29上に引き込むリール制御が行われるようになっている(BB役の成立を優先するようにしてもよい)。
<役決定確率>
役決定処理において、各々のYK番号及びYYK番号が選出される確率(役決定確率)は、図10〜12に示すように設定されている。図10〜12には、役決定処理において選出されるYK番号及びYYK番号の組合せと、その選出確率(置数)との対応関係を示している。なお、図10〜12に示す「当選項目」とは、役決定処理において選出される役抽選結果(YK番号及びYYK番号の組合せ)の内容を便宜的に区別するために付したものであり、上述の「当選名称」に対応している。また、「置数」とは、乱数発生器66により生成される乱数列の全数値範囲(例えば、65536)に対する、各当選項目に割り当てられた数値のことであり、この置数の値を乱数列の全数値範の値で割れば、各当選項目の当選確率(決定確率)を算出することができる。例えば、置数の値が「655」の当選項目があれば、その当選確率は「655/65536」≒「1/100」となる。また、置数の値は、遊技店員等により設定される上述の設定値に応じて複数設定されるようになっている。図示した置数の値は、そのうちの或る設定値に対応したものを例示したものである。なお、図10〜12に示すように、各当選項目に割り当てられた置数の値は、後述するRT・BB状態(非RT、RT1〜RT5、BB-A、BB-B)別に設定されている。以下、具体的にいくつかの当選項目を例にとって、図10〜12の見方について説明する。
例えば、図10に示す「再遊技B」という当選項目は、YYK番号は選出されず(図中の「−」は選出されないことを示す)、YK番号2が単独で選出されるという役抽選結果を示している。また、この「再遊技B」は、後述のRT4、RT5及びRT2においては選出されない(置数の値が「0」)ように設定されている。別の例として、図11に示す「入賞C1」という当選項目は、YYK番号は選出されず、YK番号42が単独で選出されるという役抽選結果を示している。また、この「入賞C1」は、後述の非RT、RT1〜RT5において同じ確率(置数の値が何れも「1046」)で選出され、BB-A、BB-Bでは選出されない(置数の値が「0」)ように設定されている。さらに別の例として、図12に示す「BB-2+再遊技L3」という当選項目は、YYK番号2とYK番号34が選出されるという役抽選結果を示している。また、この「BB-2+再遊技L3」は、後述の非RT、RT1、RT3〜RT5においては同じ確率(置数の値が何れも「11」)で選出され、RT2、BB-A、BB-Bでは選出されない(置数の値が「0」)ように設定されている。その他の当選項目についても同様の見方をすればよい。なお、図12に示すように役物の役決定番号(YYK番号1〜3)は、YYK番号3のみ単独で選出される場合(当選項目「BB-3」)が設定されているが、基本的にはYK番号と共に選出されるようになっている。すなわち、BB役1〜3は、基本的には、再遊技役または小役と重複当選するようになっている。
次に、主に図13〜22を参照しながら、本実施形態に係るスロットマシンの主な特徴構成について説明する。
<機能ブロック>
図13に示すように、本実施形態に係るスロットマシンは、機能的な観点から説明すれば主に、遊技メダルをベットするためのベット操作(例えば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作)や、停止中の各リール3a〜3cを回転させるためのリール回転開始操作(例えば、スタートレバー25の傾動操作)、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b,3cの回転を停止させるための各リール回転停止操作(例えば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作)、ベットまたは貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための清算操作(例えば、清算スイッチ24の押圧操作)等の、遊技者によりなされる各遊技操作に対応した信号(以下、適宜「遊技操作信号」と称する)を出力する操作信号出力手段95と、遊技の進行に係る主要な制御を行う主制御手段100(主制御基板60に対応する)と、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う副制御手段200(副制御基板70に対応する)とを備えてなる。
上記主制御手段100は、大別すると、主に遊技状態を管理する遊技状態管理手段110と、主に遊技進行を管理する遊技進行管理手段130と、主制御手段100における通信を制御するメイン通信制御手段150を備えてなる。このうち、遊技状態管理手段110は、設定変更・確認制御手段111、RT・BB状態制御手段112、再遊技作動制御手段113、ボーナス遊技制御手段114、フリーズ制御手段115、メインモード制御手段116、及びART制御手段117を備えている。
また、遊技進行管理手段130は、受容メダル管理手段131、役決定手段132、リール制御手段134、停止表示図柄判定手段135、払出メダル管理手段136、ブロッカ制御手段137、表示用ランプ制御手段138、メイン側押し順管理手段139、演出グループ番号決定手段140及び遊技進行情報決定手段141を備えており、メイン通信制御手段150は制御コマンド送信手段151及び外端信号送信手段152を備えている。なお、主制御手段100における上述の各手段は、図2に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエア及びROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(遊技状態管理手段110を構成する各手段)
上記設定変更・確認制御手段111は、設定鍵型スイッチ83がON状態に操作され、その状態のまま電源スイッチ81がON状態に操作されることにより、現時点での役決定確率等の設定値を所定の表示器に表示させるとともに、その表示中に設定変更スイッチ84がON状態に操作されるごとに、設定値を例えば6段階(設定値1〜設定値6)で変更し、変更された設定値を表示器に表示させるように構成されている。なお、本実施形態では、設定変更が行われると、ARTに関する情報など多くの情報がクリアされるが、後述のRT状態に関する情報(RT状態番号)はそのまま保持され、設定変更後、設定変更前のRT状態に復帰するようになっている(RT状態に関する情報をクリアして、選定変更後は後述の非RTに復帰するようにしてもよい)。
上記RT・BB状態制御手段112は、図14に示すように、非RT、RT1、RT2、RT3、RT4、RT5、BB-A、BB-Bの8つの遊技状態の設定を制御するように構成されている。これらの遊技状態間では、主に、役決定処理における当選確率(特に、再遊技役の当選確率)が異なるように設定されている(図10〜12を参照)。
非RTは、本実施形態において標準(通常状態)となる遊技状態であり、再遊技役(再遊技A〜再遊技Mの何れか)に当選する確率が高い値(本実施形態では略「1/1.28」)に設定されている。また、RAM(上記RAM63)が初期化された場合は、この非RTに設定されるようになっている。この非RT中において、条件P1が充足されたことを契機としてRT4に移行され、条件P4が充足されたことを契機としてRT3に移行され、条件P5が充足されたことを契機としてRT5に移行されるようになっている。条件P1とは、再遊技役2(RT4移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されることであり、条件P4とは、再遊技役4(RT3移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されることであり、条件P5とは、再遊技役3(RT5移行RP)の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されることである。
RT3は、再遊技役が当選する確率が非RTと同じ高い値(略「1/1.28」)に設定された遊技状態である。このRT3中において、条件P3が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P3とは、上述した特定図柄01〜03の何れかが有効ライン29上に停止表示されることである。
RT4は、非RTに比べて、再遊技役が当選する確率が低い値(略「1/7.41」)に設定されている。このRT4中において、条件P2が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P2とは、RT4中において32ゲームを消化することである。
RT5は、RT4と同様に、再遊技役が当選する確率が低い値(略「1/7.41」)に設定されている。このRT5中において、条件P6が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。条件P6とは、RT5中において15ゲームを消化することである。
RT2は、特別役(本実施形態ではBB役1〜3の何れか)が当選しかつ未成立(対応図柄が未表示)という条件P7が充足された場合に、非RT、RT1、RT3〜5の各遊技状態から移行する、いわゆるボーナス内部中(ボーナス内部当選中)の遊技状態である。このRT2では、再遊技役が当選する確率が非RT及びRT3よりは低く、RT4及びRT5よりは高い値(略「1/4.99」)に設定されている。また、このRT4中において、条件P8が充足されたことを契機としてBB-Aに移行され、条件P9が充足されたことを契機としてBB-Bに移行されるようになっている。条件P8とは、BB役1またはBB役2が成立すること(何れかの対応図柄が有効ライン29上に停止表示されること)であり、条件P9とは、BB役3が成立すること(その対応図柄が有効ライン29上に停止表示されること)である。
BB-A及びBB-Bは、後述のBB遊技を行うことが許可される遊技状態(ボーナス遊技状態)である。このBB-A及びBB-Bでは、全ての小役(小役1〜22)が重複当選するというYK番号55,56(入賞I1,I2)が高確率で選出されるように設定されている。また、BB-AまたはBB-B中において、条件P10が充足されたことを契機としてRT1に移行されるようになっている。条件P10とは、所定数(450枚)を超える遊技メダルが払い出されたことにより、BB遊技が終了したことである。
RT1は、上記条件P10が充足されたことを契機としてBB-AまたはBB-Bから移行される遊技状態、すなわち、BB遊技の終了後に設定される遊技状態である。このRT1では、RT4、RT5と同様に、再遊技役が当選する確率が低い値(略「1/7.41」)に設定されている。このRT1中において、上記条件P3(特定図柄01〜03の何れかが有効ライン29上に停止表示される)が充足されたことを契機として非RTに移行されるようになっている。
なお、上述の8つの遊技状態(非RT、RT1〜5、BB-A、BB-B)は、RAM63の所定のアドレスに記憶された複数のデータ値に基づいて管理されるようになっている。具体的には、図15に示すように、アドレス「F007H」に記憶されたRT状態番号の値、アドレス「F008H」に記憶されたRT遊技回数の値、アドレス「F009H」に記憶されたYYK番号の値、アドレス「F018H」に記憶された作動種別の値、アドレス「F019H」に記憶された作動状態フラグの値に基づいて、8つの遊技状態が管理されるようになっている。
アドレス「F007H」に記憶されるRT状態番号は、RT状態に応じて所定の値が記憶されるものである。具体的には、非RTのときには「0」、RT1〜5のときにはそれぞれ「1〜5」が記憶され、BB-AまたはBB-Aのときには、BB役が成立したときに記憶されていたRT状態番号の値(「0〜5」の何れかの値)が引き継がれて記憶される。アドレス「F008H」に記憶されるRT遊技回数は、RT4またはRT5における消化ゲーム数を示すものである。このため、RT4のときには「1〜32」の何れかの値が記憶され、RT5のときには「1〜15」の何れかの値が記憶され、非RT、RT1、RT3のときには「0」が記憶される。また、RT2のときにはBB役が当選したときに記憶されていたRT遊技回数の値が引き継がれて記憶され、BB-AまたはBB-Bのときには、BB役が成立したときのRT遊技回数の値が引き継がれて記憶されるので、「0〜32」の何れかの値が記憶されていることとなる。
アドレス「F009H」に記憶されるYYK番号は、BB役1〜3が当選未成立の状態のときに、その当選したBB役の種類に応じて「1〜3」の何れかの値(BB役1の当選時は「1」、BB役2の当選時は「2」、BB役3の当選時は「3」)が記憶され、BB役の未当選時は「0」が記憶される。このため、RT2のときには「1〜3」の何れかの値が記憶されていることになるが、他の遊技状態のときは「0」が記憶されていることとなる。アドレス「F018H」に記憶される作動種別は、後述のBB-1作動中またはBB-2作動中には「01H」、後述のBB-3作動中には「02H」の値が記憶され、BB作動中でないときは「00H」の値が記憶される。このため、BB-Aのときには「01H」の値が記憶され、BB-Bのときには「02H」の値が記憶されていることになるが、他の遊技状態のときは「00H」の値が記憶されていることとなる。アドレス「F019H」に記憶される作動状態フラグは、「F019H」のD2ビット(8ビットの記憶領域のうち下位から3番目のビット)に、後述のBB作動中には「1」が記憶され、BB作動中でないときには「0」が記憶されるとともに、D3ビット(8ビットの記憶領域のうち下位から4番目のビット)に、後述のRB作動中には「1」が記憶され、RB作動中でないときは「00H」の値が記憶される。このため、D2ビットはBB-AまたはBB-Bのときには「1」が記憶され、D3ビットはBB-AまたはBB-Bのときには「0」か「1」が記憶されていることになるが、他の遊技状態のときは常に「0」が記憶されていることとなる。
上記再遊技作動制御手段113は、再遊技役が成立したことを契機として、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(適宜「再遊技作動状態」と称する)に設定するように構成されている。なお、再遊技作動状態に設定されると、RAM63の所定の記憶領域に再遊技作動状態であることを示す情報(適宜「再遊技作動状態情報」と称する)が記憶されるようになっている。以下、再遊技作動状態情報を記憶することを、再遊技作動状態フラグをセットするとかONにする等とも称し、記憶した再遊技作動状態情報をクリア(消去)することを、再遊技作動状態フラグをクリアするとかOFFにする等とも称する。
上記ボーナス遊技制御手段114は、BB役1〜BB役3の何れかが成立したことを契機として、次遊技からBB遊技を行うことが許可される状態(適宜「BB作動状態」と称する)に設定するとともに、BB遊技の終了条件(450超の遊技メダルの払出し)が充足されたことを契機として、BB作動状態を終了させるように構成されている。以下、BB役1が成立してBB作動状態に設定されていることを「BB-1作動中」、BB役2が成立してBB作動状態に設定されていることを「BB-2作動中」、BB役3が成立してBB作動状態に設定されていることを「BB-3作動中」とも称し、これらを総称して「BB作動中」とも称する。
また、ボーナス遊技制御手段114は、上記BB作動中において、RB遊技を連続的に作動(実行)するように構成されている。このRB遊技は、内部的に制御される(遊技者には特に報知されない)ものであり、詳しくは、BB-1作動中またはBB-2作動中に連続作動するRB-A遊技と、BB-3作動中に連続作動するRB-B遊技とに区分されるが、本実施形態では両者を同じ内容のものに設定している(両者を異なる内容に設定してもよい)。以下、RB-A遊技が作動している状態を「RB-A作動中」、RB-B遊技が作動している状態を「RB-B作動中」とも称し、これらを総称して「RB作動中」とも称する。RB遊技(RB-A遊技、RB-B遊技)は、BB遊技の開始時に1ゲーム目が開始され、BB遊技中(BB作動中)においては、小役が2回成立するごと、または2回の遊技が終了するごと(すなわち2ゲームごと)に一旦終了し、直後に再開されるようになっている。また、BB遊技が終了するときはRB遊技も(小役の成立回数や何ゲーム目かということには関係なく)終了するように制御される。本実施形態においては、BB遊技中のRB遊技は小役が2回成立するごと、または2回の遊技が終了するごとに終了するように設定しているが、小役が8回成立するごと、または12回の遊技が終了するごとに終了するように設定してもよい。
なお、BB作動状態やRB作動状態に設定されると、RAM63の所定の記憶領域(上述したアドレス「F019H」のD2ビットとD3ビット)に、BB作動状態であることを示す情報(適宜「BB作動状態情報」と称する)やRB作動状態であることを示す情報(適宜「RB作動状態情報」と称する)が記憶されるようになっている。以下、BB作動状態情報[RB作動状態情報]を記憶することを、BB作動状態フラグ[RB作動状態フラグ]をセットするとかONにする等とも称し、記憶したBB作動状態フラグ[RB作動状態フラグ]をクリアすることを、BB作動状態フラグ[RB作動状態フラグ]をクリアするとかOFFにする等とも称する。また、上述のBB作動状態フラグ及びRB作動状態フラグのことを総称して「作動状態フラグ」と称する。
上記フリーズ制御手段115は、所定の条件成立(条件充足)を契機として、遊技の進行に係る制御処理(例えば、ベット操作やリール回転開始操作、リール回転停止操作等を受け付ける処理等)の実行を所定時間遅延させるフリーズを設定するように構成されている。本実施形態では、上述のBB遊技中に行われる各RB遊技が終了するごとに、上記フリーズとしてのRB作動終了時待機時間が設定されるが、その詳細については説明を省略する。
上記メインモード制御手段116は、図16に示すように、通常モード、CZ内部モード(CZはチャンスゾーンの略)、CZモード、ART内部モード、ARTモード、ボーナス作動中モード、ART準備モードの7つのメインモード(遊技モード)の設定を制御するように構成されている。
通常モードは、後述のCZ当選またはART当選が得られるまでの間に設定される非AT中のモード(上述のYK番号37〜48(押し順ベル)が選出されたときに正解押し順の報知が行われないモード)である。また、RAM(上記RAM63)が初期化された場合は、この通常モードに設定されるようになっている。この通常モードに設定されているときに、条件Q1が充足されるとCZ内部モードに移行され、条件Q3が充足されるとART内部モードに移行されるようになっている。条件Q1とは、後述のCZ抽選においてCZ当選が選出されることであり、条件Q3とは、後述のCZ抽選またはART抽選においてART当選が選出されることである。
CZ内部モードは、上記CZ当選が得られたことを契機として設定される非AT中のモードである。このCZ内部モードでは、CZ当選していることを示唆するような演出(CZ前兆演出)が、主に副制御手段200により行われるようになっている。CZ内部モードに設定されているときに、条件Q2が充足されるとCZモードに移行され、上記条件Q3が充足されるとART内部モードに移行されるようになっている。条件Q2とは、CZ内部モードにおいて、上記CZ当選時に決定される遊技数(適宜「CZ前兆ゲーム数」と称する)が消化されることである。
CZモードは、上記CZ前兆ゲーム数が消化されたことを契機として設定される非AT中のモードである。このCZモードでは、上述のYK番号15〜29(再遊技F1〜再遊技J3)が選出されたときに、再遊技役1以外の再遊技役を成立させるための押し順(適宜「チャンス押し順」と称する)の報知が、通常モード中やCZ内部モード中よりも高い頻度で、副制御手段200により行われるようになっている。CZモード中にART当選したときも、次述するCZゲーム数が消化されるまでは同様である。CZ内部モードに設定されているときに、条件Q10が充足されると通常モードに移行され、上記条件Q3が充足されたことを契機としてART内部モードに移行されるようになっている。条件Q10とは、上記ART当選が得られることなく、CZモード移行時に設定される遊技数(適宜「CZゲーム数」と称する)が消化されることである。
ART内部モードは、上述の通常モード、CZ内部モードまたはCZモードにおいてART当選が得られたことを契機として設定される非AT中のモードである。このART内部モードでは、ART当選していることを示唆するような演出(AT前兆演出)が、主に副制御手段200により行われるようになっている。ART内部モードにおいて、条件Q4が充足されるとARTモードに移行されるようになっている。条件Q4とは、上記CZゲーム数が設定されていないときには上記ART当選時に決定される遊技数(適宜「ART前兆ゲーム数」と称する)が消化されることであり、上記CZゲーム数が設定されているときにはその設定されたCZゲーム数が消化されることである。
ARTモードは、上記ART内部モードにおいて、上述のART前兆ゲーム数またはCZゲーム数が消化されたことを契機として設定されるAT中のモード(上述のYK番号37〜48(押し順ベル)が選出されたときに正解押し順の報知が行われるモード)である。このARTモードにおいて、条件Q5が充足されると通常モードに移行されるようになっている。条件Q5とは、ARTモード移行時に設定されARTモード中に増加されることがある遊技数(適宜「ARTゲーム数」と称する)が消化されることである。
ボーナス作動中モードは、通常モード、CZ内部モード、CZモード、ART内部モード、ARTモード、ART準備モードにおいて、BB役(BB役1〜3の何れか)が成立するという条件Q6が充足されることにより設定されるBB作動中のモードである。このボーナス作動中モードにおいて、条件Q7が充足されるとART準備モードに移行され、条件Q8が充足されると通常モードに移行されるようになっている。条件Q7とは、ART当選有り(ART内部モード、ARTモードもしくはART準備モード中にBB役が成立、またはボーナス作動中にART当選)の状態でBB遊技が終了することであり、条件Q8とは、ART当選無しの状態でBB遊技が終了することである。
ART準備モードは、ART当選有りの状態でBB遊技が終了すると設定される非AT中のモードである。上述したようにBB遊技が終了すると、RT状態はRT1に設定されるので、ART準備モードはRT1中に設定されるモードとなる。このART準備モードにおいて、条件Q9が充足されるとARTモードに移行されるようになっている。条件Q9とは、RT状態がRT1から非RTに移行されることである。
なお、上述の7つのメインモード(通常モード、CZ内部モード、CZモード、ART内部モード、ARTモード、ボーナス作動中モード、ART準備モード)は、RAM63の所定のアドレスに記憶された複数のデータ値に基づいて管理されるようになっている。具体的には、図17に示すように、アドレス「F082H」に記憶されたCZ前兆カウンタの値、アドレス「F083H」に記憶されたART前兆カウンタの値、アドレス「F085H」に記憶されたCZ遊技カウンタの値、アドレス「F086H」に記憶されたART遊技カウンタの値、アドレス「F089H」に記憶されたメインモード番号(以下「MM番号」とも称する)の値、アドレス「F090H」に記憶されたARTフラグの値、アドレス「F091H」に記憶されたART初当りフラグの値に基づいて、7つのメインモードが管理されるようになっている。
アドレス「F082H」に記憶されるCZ前兆カウンタは、上述のCZ前兆ゲーム数をカウントするためのもので、その値がCZ前兆ゲーム数の残数を示している。このCZ前兆カウンタの取り得る数値の範囲として、本実施形態では「0〜6」の範囲を設定している(数値範囲は任意に変更可。他のカウンタについて同じ)。アドレス「F083H」に記憶されるART前兆カウンタは、上述のART前兆ゲーム数をカウントするためのもので、その値がART前兆ゲーム数の残数を示している。このART前兆カウンタの取り得る数値の範囲として、本実施形態では「0〜6」の範囲を設定している。アドレス「F085H」に記憶されるCZ遊技カウンタは、上述のCZゲーム数をカウントするためのもので、その値がCZゲーム数の残数を示している。このCZ遊技カウンタの取り得る数値の範囲として、本実施形態では「0〜10」の範囲を設定している。アドレス「F086H」に記憶されるART遊技カウンタは、上述のARTゲーム数をカウントするためのもので、その値がARTゲーム数の残数を示している。このART遊技カウンタの取り得る数値の範囲として、本実施形態では「0〜65535」の範囲を設定している。
アドレス「F089H」に記憶されるMM番号は、基本的には、メインモードに応じて所定の値が設定されるものである。具体的には、通常モードのときには「0」、CZ内部モードのときには「1」、CZモードのときには「2」、ARTモードのときには「3」、ART準備モードのときには「4」、ボーナス作動中モードのときには「5」が設定されるようになっている。一方、ART内部モードのときには特定の値が設定されず、「0〜2」の何れかの値が設定されるようになっている。具体的には、通常モードからART内部モードに移行した場合は「0」、CZ内部モードからART内部モードに移行した場合は「1」、CZモードからART内部モードに移行した場合は「2」が、それぞれ引き継がれて設定される。
アドレス「F090H」に記憶されるARTフラグは、ARTモードへの移行時またはART準備モードへの移行時においてセット(「FFH」が設定)され、上述のARTゲーム数の消化時にクリア(「0」が設定)されるようになっている。アドレス「F091H」に記憶されるART初当りフラグは、上述のART当選時にセット(「1」が設定)され、上記ARTフラグのセット時にクリア(「0」が設定)されるようになっている。
図17に示すように、上記各アドレスに記憶される、上述のCZ前兆カウンタ、ART前兆カウンタ、CZ遊技カウンタ、ART遊技カウンタ、MM番号、ARTフラグ、ART初当りフラグの各データの数値(数値範囲)は、上述の7つメインモード(通常モード、CZ内部モード、CZモード、ART内部モード、ARTモード、ボーナス作動中モード、ART準備モード)の各々において異なっているので、それらの数値を確認することにより、何れのメインモードに設定されているのかを識別することが可能となっている。
上記ART制御手段117は、上述のARTモードに設定されたことをARTの設定条件とし、このARTの設定条件が成立したことにより、上述のARTフラグをセット(ON)するとともに、上述のARTゲーム数を管理するART遊技カウンタに初期値(本実施形態では「50」とするが数値は任意に変更可)を加算してARTを設定する。また、初期値を加算したART遊技カウンタの値を、次遊技から毎遊技「1」減算し(ただし、ボーナス作動中モード中とART準備モード中は除く)、ART遊技カウンタが「0」に到達するとARTを終了させるようになっている。すなわち、本実施形態では、ART設定時のART遊技カウンタの値をARTゲーム数とし、このARTゲーム数分の遊技を消化したこと(遊技途中でARTゲーム数が増加する場合もある)をARTの終了条件としている。なお、変更態様として、ART期間中に所定数の遊技メダルの払出しがあったことや、所定数の獲得数(払出数とベット数との差数の総数)が得られたことや、後述のベルナビを所定数実行したことをARTの終了条件としてもよい。また、ART抽選に当選した次遊技に、ARTゲーム数を管理するART遊技カウンタに初期値を加算し、毎遊技「1」減算するようにしてもよい(すなわち、ART内部モード中から減算するようにしてもよい)。
なお、本実施形態では、ARTの設定後、BB役(BB役1〜3の何れか)が成立してボーナス作動中モードに設定されたときと、さらにBB遊技が終了してART準備モードに設定されたときは、上述のようにART遊技カウンタの減算はされない(減算するようにすることも可)。このようにすることで、ARTに設定されているときに、BB役が成立しても、遊技者にとって損とはならない(BB遊技の終了後、再遊技役の当選確率がRT1(ART準備モードが設定されるRT状態)よりも高くなる非RT状態において、BB役に当選する前のART遊技カウンタの値からARTを再開できる)ようになっている。
(遊技進行管理手段130を構成する各手段)
上記受容メダル管理手段131は、メダル投入口21から投入された遊技メダル(以下、適宜「投入遊技メダル」と称する)のうち実際に受け入れられた遊技メダル(本実施形態では、受入通路に導かれて投入メダルセンサ28bにより検出された遊技メダルをいう。以下、適宜「受容遊技メダル」と称する)を、直接ベットされる遊技メダルとするのか、クレジットされる遊技メダルとするのかを制御するように構成されている。本実施形態では、ベット数が最大ベット許容数(実施形態では、遊技を実行するのに必要となるベット数(規定数「3」)に達していない場合には、受容遊技メダルを直接ベットされる遊技メダルとし、ベット数が最大ベット許容数に達しており、クレジット数が最大クレジット許容数(本実施形態では「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとするように構成されている。
また、受容メダル管理手段131は、再遊技作動状態に設定された遊技において、自動ベット処理(遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、前回の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理)を行うように構成されているが、クレジット数が最大クレジット許容数(本実施形態では「50」)に達していない場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとする。なお、ベット数が最大ベット許容数に達しており、かつクレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、投入された遊技メダルは受け入れられずに返却されるようになっている。
上記役決定手段132は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、予め設定された役決定確率(選出確率、当選確率)に基づき複数の役決定結果番号(YK番号、YYK番号)の中から少なくとも1つの役決定結果番号を選出するための役決定処理を行うように構成されている。この役決定処理は、図2に示す乱数発生器66及びサンプリング回路67を用いた乱数抽選により行われる。具体的には、乱数発生器66により生成された乱数列の中から、サンプリング回路67によって1つの乱数(数字)を取得(ラッチ及び読込み)した後、その取得乱数が、複数の役決定結果番号の中のどの役決定結果に対応するのかを判定し、その役決定結果番号を選出するように構成されている。
役決定処理において、1つまたは複数の役決定結果番号(YK番号、YYK番号)が選出されると、選出された役決定結果番号に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となる。また、選出された役決定結果番号の情報が、上記RAM63の所定の記憶領域に記憶されるようになっている。なお、役物の役決定結果番号(YYK番号)の情報が記憶される領域(アドレス「F009H」)は、入賞・RPの役決定結果番号(YK番号)の情報が記憶される領域(アドレス「F034H」)とは別に設定される。
1つの遊技において記憶された、YK番号1〜56の情報は、小役や再遊技役の成立の有無に拘わらず、当該遊技の終了後に(本実施形態では、後述の遊技開始セット処理において)クリア(「0」にリセット)される(別態様として、例えば、スタートレバー操作の受付時においてクリアしたり、クリアせずに次遊技で選出されたYK番号の情報を上書きしたりすることも可)。これに対し、YYK番号1〜3の情報は、一旦記憶されると、特別役(BB役)が成立するまでは、記憶されたまま次遊技に持ち越される。本明細書では、YYK番号1〜3の情報が記憶されたまま持ち越されている状態を、BB役の当選持越し中と称したりBB内部中と称したりする。
上記役決定グループ番号決定手段133は、役決定処理により選出されたYK番号及びYYK番号に応じて、後述するCZ抽選とART抽選において当選値を選出するために用いられる役決定グループ番号を決定するように構成されている。本実施形態では、図18に示すように、役決定グループ番号の値が決定されるようになっている。すなわち、YYK番号≠0の場合(BB役が当選している場合)には、何れのYK番号が選出された場合でも役決定グループ番号の値は「8」に決定される。一方、YYK番号=0の場合(BB役が非当選の場合)は、YK番号0〜14,35,51〜52,55〜56の何れかが選出された場合には役決定グループ番号の値は「0」に決定され、YK番号37〜48の何れかが選出された場合には役決定グループ番号の値は「5」に決定されるというように、役決定処理により選出されたYK番号の値に応じて、決定される役決定グループ番号の値が異なるように定められている。このように、役決定グループ番号の値の数は「0〜8」の9個であり、YK番号の値の数(「0〜56」の57個)よりも大幅に少なくなっている。このため、後述のCZ抽選及びART抽選において、YK番号を参照して当選値を選出するように構成した場合よりも、当選値選出のために必要となるルックアップテーブル等のデータ量を少なくすることが可能となるとともに、抽選を行うための処理負荷も軽減することが可能となる。
上記リール制御手段134は、スタートレバー25が操作されたこと(スタートレバー25の操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、最小遊技時間が経過していることを確認した後、リール3a〜3cを回転開始させ、回転開始させた全リールが定速回転状態となった後、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次操作されたこと(ストップスイッチ26a〜26cの各操作が有効に受け付けられたこと)を契機として、対応する各リール3a〜3cを順次回転停止させるように構成されている。
各リール3a〜3cの回転停止制御は、上記役決定処理により選出された役決定結果番号に応じて設定(セット)される各停止テーブル(図示略)に基づき、ストップスイッチ26a〜26cの操作態様(押し順や操作タイミング等)に応じて行われる。各リール3a〜3cは、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リール3a〜3cが所定の停止許容時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。
すなわち、役決定処理の結果、所定の遊技役が成立許容役として選出されている場合、上記停止許容時間の範囲内において可能な限り、その選出された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、何れの遊技役の対応図柄も有効ライン29上に停止表示されないように、リール3a〜3cの停止制御がなされるようになっている。なお、本実施形態では、BB役の当選持越し中に再遊技役または小役が当選した場合、再遊技役、小役の方を優先して(優先順位は再遊技役の方が高いが変更可)成立させる再遊技役優先または小役優先のリール回転停止制御が行われるようになっている。
上記停止表示図柄判定手段135は、リール3a〜3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示された図柄の組合せから、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。
再遊技役が立した場合には、再遊技役の対応図柄(以下「再遊技作動図柄」ともいう)が有効ライン上に停止表示されたことを示す情報(適宜「再遊技作動図柄表示情報」と称する)が、上記RAM63の所定の記憶領域(アドレス「F032H」のD4ビット)に記憶されるようになっている。また、特別役(BB役)が成立した場合には、BB役の対応図柄(以下「BB作動図柄」ともいう)が有効ライン上に停止表示されたことを示す情報(適宜「BB作動図柄表示情報」と称する)が、上記RAM63の所定の記憶領域(アドレス「F032H」のD2ビット)に記憶されるように構成されている。以下、再遊技作動図柄表示情報を記憶することを、再遊技作動図柄表示フラグをセットするとかONにする等と称し、記憶した再遊技作動図柄表示情報情報をクリアすることを、再遊技作動図柄表示フラグをクリアするとかOFFにする等と称する。同様に、BB作動図柄表示情報を記憶することを、BB作動図柄表示フラグをセットするとかONにする等と称し、記憶したBB作動図柄表示情報をクリアすることを、BB作動図柄表示フラグをクリアするとかOFFにする等と称する。また、再遊技作動図柄表示フラグとBB作動図柄表示フラグのことを総称して「作動図柄表示フラグ」と称する。
上記払出メダル管理手段136は、小役が成立した場合に成立した小役に応じた数の遊技メダルを、クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合には、クレジット数に加算する貯留加算払出しにより、クレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、ホッパー駆動回路52を介してホッパー50を駆動させる実払出しにより、払い出すようになっている。また、払出メダル管理手段136は、清算操作(清算スイッチ24の押圧操作)が有効に受け付けられた場合に、ベットされていた数の遊技メダルまたはクレジットされていた数の遊技メダルを、ホッパー50を駆動させて払い戻すようになっている。
上記ブロッカ制御手段137は、上述のブロッカ48を制御するためのブロッカ信号を出力して、ブロッカ48をON状態(遊技メダル受入可能状態)とOFF状態(遊技メダル受入不可状態)との間で切り替えるように構成されている。なお、ブロッカ48がOFF状態とされた場合、メダル投入口21に投入された遊技メダルは、返却通路に導かれ返却される。ただし、遊技メダルが投入されたことは、上記投入メダルセンサ28aにより検出されるようになっている。
上記表示用ランプ制御手段138は、上述の各種表示用ランプ(MAX−BET表示ランプ46a、BETランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、CREランプ46h、WINランプ46j)の点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。なお、WINランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させる場合は、メイン側押し順管理手段139によりWINランプ46jの制御が行われる。
上記メイン側押し順管理手段139は、役決定処理により選出された役決定結果番号(YK番号)に応じて、報知する押し順に対応したナビ番号(「0〜6」の何れか)を選出するようになっている。本実施形態では、図19(A)のナビ番号‐対応押し順‐表示内容対応表に示すように、各ナビ番号が設定されている。
ナビ番号0は、押し順を報知しないときに選出されるもので、対応押し順は「不明」とされる。ナビ番号1〜6は、第一押し順から第三押し順までを報知したいときに選出されるもので、対応押し順は図19(A)の対応表に示すように設定されている。例えば、ナビ番号2の対応押し順は「左右中」であり、ナビ番号5の対応押し順は「右左中」といった具合である。
役決定処理により選出された役決定結果番号(YK番号)と、メイン側押し順管理手段139により選出されるナビ番号との対応関係は、図20の役決定結果番号‐ナビ番号対応関係に示すとおりである。図示するように、各YK番号に対応するナビ番号は、上述の7つのメインモードのうちのどのモードに設定されているのかによって異なる。例えば、CZ内部モード、CZモードまたはART内部モードに設定されているときには、YK番0〜2,15〜56の何れかが選出されたときにナビ番号0(押し順不明)が選出される。これに対し、ARTモード中に設定されているときには、YK番0〜2,15〜36,49〜56の何れかが選出されたときにナビ番号0が選出され、通常モード、ART準備モードまたはボーナス作動中モードに設定されているときには、どのYK番号(YK番0〜56の何れか)が選出されたときでもナビ番号0が選出される。
また、CZ内部モード、CZモード、ART内部モードまたはARTモードに設定中に、YK番3〜14(RT移行押し順RP)が選出されたときと、ARTモードに設定中に、YK番号37〜48(押し順ベル)が選出されたときには、ナビ番号データ値(1、3、4、6、7〜13の何れかの値をとる)というものが一旦選出され、その選出されたナビ番号データ値に応じてナビ番号が選出されるようになっている。図20の対応関係には、そのような選出過程についても概略を示している。例えば、CZ内部モード、CZモード、またはART内部モードに設定中に、YK番号3、7(左第一の押し順のとき非RTに維持される)の何れかが選出されたときには、後述するナビ番号データ値テーブル1に基づきナビ番号データ値1が選出され、このナビ番号データ値1に応じてナビ番号1(左中右の押し順に対応する)が選出されるようになっている。同様に、CZ内部モード、CZモード、またはART内部モードに設定中に、YK番号12(中左右の押し順のとき非RTに維持される)が選出されたときには、同じくナビ番号データ値テーブル1に基づきナビ番号データ値11が選出され、このナビ番号データ値11に基づき後述する押し順均等抽選が行われ、その抽選結果に基づきナビ番号1、4、6(それぞれ、左中右、中右左、右中左の押し順に対応する)の何れかが選出されるようになっている。
また、別の例として、ARTモードに設定中に、YK番号4、8(中左右の押し順のとき非RTに維持される)の何れかが選出されたときには、後述するナビ番号データ値テーブル2に基づきナビ番号データ値3が選出され、このナビ番号データ値3に応じてナビ番号3(中左右の押し順に対応する)が選出されるようになっている。同様に、ARTモードに設定中に、YK番号13(中右左の押し順のときRT3に移行される)が選出されたときには、同じくナビ番号データ値テーブル2に基づきナビ番号データ値4が選出され、このナビ番号データ値4に基づきナビ番号4(中右左の押し順に対応する)が選出されるようになっている。さらに、ARTモードに設定中に、YK番号37〜40(左第一が正解押し順となる)の何れかが選出されたときには、後述のナビ番号データ値テーブル3に基づきナビ番号データ値7が選出され、このナビ番号データ値7に基づき後述の押し順均等抽選が行われ、その抽選結果に基づきナビ番号1、2(それぞれ、左中右、左右中の押し順に対応する)の何れかが選出されるようになっている。
このように本実施形態では、CZ内部モード、CZモードまたはART内部モードに設定中にYK番3〜14(RT移行押し順RP)が選出されたときには、何れの場合も、非RTを維持する押し順に対応したナビ番号が選出されるのに対し、ARTモードに設定中のときには、YK番3〜14うち、YK番号3〜10が選出された場合は非RTを維持する押し順に対応したナビ番号が選出され、YK番号11〜14が選出された場合はRT3に移行する押し順に対応したナビ番号が選出されるようになっている。これは、CZモード中の遊技は、なるべく非RT中で行わせ、ARTモード中の遊技は、なるべくRT3中で行わせるという意味合いがある。なお、非RTとRT3は、再遊技役の当選確率やハズレの確率が同等に設定されており、遊技者にとってどちらが有利、不利ということはない。
上記押し順均等抽選は、ナビ番号データ値7〜13の何れかが選出された場合に、その選出されたナビ番号データ値に対してナビ番号1〜6のい何れかを対応付けるために行われる。この押し順均等抽選は、全乱数範囲が「240」に設定されたソフト乱数を用いて行われる。押し順均等抽選における当選値の種類と、各当選値に対し設定された乱数の置数は、図19(B)に示すとおりである。例えば、ナビ番号データ値7のときは、当選値0と当選値1に置数が120ずつ均等に設定されており、他の当選値には置数0が設定されている。このため、ナビ番号データ値7のときは、当選値0と当選値1のどちらかが同等の確率で選出される。別の例としてナビ番号データ値12のときは、当選値0と当選値2と当選値5に置数が80ずつ均等に設定されており、他の当選値には置数0が設定されている。このため、ナビ番号データ値12のときは、当選値0と当選値2と当選値5の何れかが同等の確率で選出される。このように本実施形態の押し順均等抽選では、各ナビ番号データ値に対して選択可能な当選値の数(選択肢の数)が「2」または「3」(ナビ番号データ値7〜9の何れかの場合は2択、ナビ番号データ値10〜13の何れかの場合は3択)に設定されている。ソフト乱数の全乱数範囲を「240」としているのは、2択の場合でも3択の場合でも、置数を均等に設定できるようにするためである(全乱数範囲を一般的な「256」とした場合には、3択の場合に置数を均等に設定することができない)。なお、「240」は、押し順の選択肢の数として良く用いられる「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の各数値の公倍数でもあり、選択肢の数がこれらの何れの値に設定された場合でも、各選択肢に対して置数を均等に設定することが可能となっている。
押し順均等抽選において当選値が選出されると、その選出された当選値に「1」を加算した数値がナビ番号の値として設定される(例えば、当選値0のときはナビ番号1が設定され、当選値3のときはナビ番号4が設定される)。なお、押し順均等抽選を介して設定されるナビ番号は抽選結果によって異なるが、どのナビ番号が設定されても遊技に影響しないものとなっている。例えば、ナビ番号データ値10のときは、当選値2,3,5の何れかが同等の確率で選出されるので、その抽選結果を受けて、ナビ番号3,4,6の何れか同等の確率で設定される。図20に示すように、上記ナビ番号データ値10は、CZ内部モード、CZモードまたはART内部モードに設定中にYK番11(左第一以外の押し順のときに非RTに維持される)が選出されたときに選出される。ナビ番号3は中左右の押し順に対応し、ナビ番号4は中右左の押し順に対応し、ナビ番号6は右中左の押し順に対応する。すなわち、これらのナビ番号は、左第一以外の押し順に該当するので、これらのナビ番号のうち何れが設定されても左第一以外の押し順が報知されることとなり、その報知された押し順に従う限り、非RTに維持されるという結果は変わらないことになる。
このように押し順均等抽選は、遊技の結果が同じとなる押し順の選択肢が複数あるときに、それら複数の押し順の中から報知する押し順を選択しつつ、選択される押し順に偏りが生じないようにするという機能を有している。
以上のようにメイン側押し順管理手段139はナビ番号を選出するが、メイン側押し順管理手段139は、WINランプ46jをメイン側押し順報知器として機能させ、選出したナビ番号を報知させるようにも構成されている。以下、主制御手段100が行うナビ番号の報知のことを「メイン側押し順ナビ」または単に「押し順ナビ」と称する。また、上述の押し順ベルが選出されたときの押し順ナビのことを「メイン側ベルナビ」または単に「ベルナビ」と称し、上述の押し順RPが選出されたときの(本実施形態ではYK番号3〜14が選出されたときのみ実行される)押し順ナビのことを「メイン側RPナビ」または単に「RPナビ」と称する。この押し順ナビは具体的には、WINランプ46jに設けられた2つの7セグメントランプ(以下「7セグ」と略記することがある)を用いて、ナビ番号を報知する。図21にその報知態様の一例を示す。図21(A)は、ナビ番号2を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「2」を表示している。図21(C)は、ナビ番号4を表示する場合の態様であり、左の7セグに「=」を右の7セグに「4」を表示している。なお、左の7セグに表示する「=」は、WINランプ46jにおいて払出数を表示しているときと区別するためのものである。また、ナビ番号を表示する場合に、押し順ベルに対応して選出されたナビ番号を表示する場合(ベルナビの場合)と、押し順RT移行RPに対応して選出されたナビ番号を表示する場合(RPナビの場合)とで、同じナビ番号であってもどちらの場合であるのかを区別できるように表示態様を変えるようにしてもよい(本実施形態では、区別できないように同じ表示態様としている)。例えば、左の7セグに表示する「=」の位置を、ベルナビの場合の方が高くなるようにすることなどが考えられる。なお、ナビ番号0が選出された場合には、WINランプ46jによる表示は行われない(各ナビ番号とWINランプ46jによる表示内容との対応関係は図19(A)を参照)。
また、別態様として、WINランプ46jによるナビ番号の表示を二進数で行うようにしてもよい。例えば、図21(F)の右側に示すように、7セグの各位置のランプに対し、二進数で表示する場合のbit(ビット)0〜bit6を対応させて、ナビ番号等を表示する。図21(F)は、左または右の7セグにおいて「00000101B」(ナビ番号5に対応)を表示する場合の態様であり、対応するbit位置のランプを点灯している。なお、変更例として、WINランプ46jにより役決定結果番号を表示するようにしてもよい。
本実施形態では、WINランプ46jをメイン側押し順報知器として使用するときと、遊技メダルの払出数の表示器として使用するときとの切替えを次のタイミングで行う。すなわち、1つの遊技において払出数を表示した後、次遊技でベット操作が行われたときに、WINランプ46jの表示を「00」に切り替える。そして、スタートレバー25が操作された時から各リールが定速回転状態になるまでの間の所定のタイミングにおいて、ナビ番号を表示する。また、最後のストップスイッチが離されたこと、または全てのリールが停止したことを契機として、ナビ番号を表示したWINランプ46jの表示を「00」に切り替える。後述の表示判定の処理を行う際に「00」に切り替えるようにしてもよい。その後、遊技メダルの払出処理に応じて、払出数を表示する。もちろん、ナビ番号を表示していたWINランプ46jの表示を「00」に切り替えることなく、遊技メダルの払出処理に応じて、払出数を表示するようにしてもよい。なお、ベット操作が行われたときにWINランプ46jの表示を「00」ではなく、一旦消灯するようにしてもよい。同様に、ナビ番号の表示から払出数の表示に切り替えるときも、WINランプ46jを一旦消灯するようにしてもよい。
上記演出グループ番号決定手段140は、役決定処理により選出されたYK番号の情報を演出グループ番号の情報に置き換える処理を行うように構成されている。この演出グループ番号は、役決定処理により選出される各YK番号に対応付けられるものであり、特に、所定の数値範囲内に属する複数のYK番号に対しては同じ値の1つの演出グループ番号が対応付けられるようになっている。演出グループ番号とYK番号との対応関係は、図18の役決定結果番号‐役決定グループ番号-演出グループ番号対応表に示すとおりである。図示のように本実施形態では、YK番号の値が「3〜14」の範囲内に属する各YK番号に対しては値「3」の演出グループ番号を対応付け、YK番号の値が「37〜48」の範囲内に属する各YK番号に対しては値「11」の演出グループ番号を対応付け、その他のYK番号に対しては、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号を対応付けている。
演出グループ番号3が対応付けられるYK番号3〜14は押し順RT移行RPに該当するものであり、演出グループ番号11が対応付けられるYK番号37〜48は押し順ベルに該当するものである。すなわち、これらのYK番号は、押し順の違いによって遊技上の有利、不利(出玉への影響)が生じたり、遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じたりするものとなっている。これに対し、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号が対応付けられる他のYK番号は下記(1)〜(3)の何れかに該当するものとなっている。
(1)押し順の違いによって遊技上の有利、不利に影響しない(出玉への影響がない)再遊技役のYK番号。
(2)押し順の違いによって遊技メダルの払出数(獲得数)に差が生じない小役(入賞役)のYK番号。
(3)獲得し得る遊技メダル数自体が少ない(例えば、ベットの規定数以下)の小役(入賞役)のYK番号。
本実施形態では、YK番号の情報は副制御手段には送信されず、代わりに演出グループ番号の情報が送信されるようになっている。これにより、次のような利点がある。すなわち、演出グループ番号は、押し順によって遊技者にとって有利、不利が生じるYK番号(押し順RT移行RPまたは押し順ベル)については、複数のYK番号に対して1つの演出グループ番号が対応付けされている。このため、その演出グループ番号の情報だけでは、押し順RT移行RPあるいは押し順ベルに当選したという概略的な内容は特定できても、何れの正解押し順に対応するYK番号に当選したのかまでは特定できないようになっている。したがって、主制御手段から副制御手段への情報伝達路に不正にアクセスして演出グループ番号の情報を不正に取得しても、そこから有益な情報(正解押し順等の情報)を得ることはできないので、このような不正行為を抑止できるという利点がある。このように演出グループ番号には、選出されたYK番号の情報からストップスイッチの操作態様(押し順)に関する情報を除くことで遊技者にとって有利となる正解押し順等の特定を困難にさせる意義を有している。なお、本実施形態では、押し順を報知しない場合には、ナビ番号0(押し順不明)の情報が送信されるようになっており、これにより、上述のような不正行為の防止効果を高めることが可能となっている。
また、演出グループ番号の情報を副制御手段に送信することにより、次のような利点もある。すなわち、副制御手段では、役決定処理により当選役(成立許容役)となった遊技役の種類に応じて、画像演出の背景の色彩や内容を変更する場合がある。このため、押し順RT移行RPまたは押し順ベルという特定のカテゴリに属する複数のYK番号に対して共通の演出グループ番号を対応付けしておくことにより、その演出グループ番号の情報を受信した副制御手段は、その情報に応じて、押し順RT移行RPまたは押し順ベルの当選に応じた画像演出を行うことが可能となる。一方、押し順等により遊技者に有利、不利が生じないYK番号については、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号が対応付けられ、その情報が副制御手段に送信されるので、副制御手段は、演出グループ番号の情報から当選役の情報を得て演出内容を決定することができる。
上述のように本実施形態では、同じ値の演出グループ番号が対応付けられる複数のYK番号の各値は、連続する所定の範囲内に属するように設定されている。具体的には、演出グループ番号3が対応付けられる複数のYK番号の各値は「3〜14」の範囲内に属するように設定されており、演出グループ番号11が対応付けられる複数のYK番号の各値は「37〜48」の範囲内に属するように設定されている。また、詳しくは後述するが本実施形態では、演出グループ番号を決定するための処理として、役決定処理により選出されたYK番号の値が所定の範囲内(「3〜14」または「37〜48」)に属するか否かを判定し、属する場合には所定の値(「3」または「11」)の演出グループ番号を決定し、属さない場合にはYK番号の値をそのまま演出グループ番号の値として決定する処理を行っている。このため、従来において、演出グループ番号を決定する際に参照していた、それぞれのYK番号と演出グループ番号とを対応付けしたルックアップテーブルが不要となるので、ROM62に記憶させておくデータ量を削減することができるとともに、演出グループ番号を決定する際の処理負荷を軽減することが可能となる。なお、YK番号の値が「3〜14」の範囲内に属する各YK番号の中には、役決定処理における当選確率(置数)が同じ値に設定されたものも含まれているが、異なる値に設定されたものも含まれている(図10を参照)。従来から、役決定処理における当選確率が同じ値の複数のYK番号を連続した番号にしておくことで、役決定処理に用いるデータ量(ROMに記憶させておく当選確率などのデータ量)を削減できるとは考えられてきたが、当選確率が異なる値のYK番号については、それをどの番号にしたとしても、役決定処理に用いるデータ量は変わらないため、あまり深くは考えられてこなかった。例えば、再遊技C4のYK番号が6番であるとき、再遊技C4と同じ当選確率の再遊技C3のYK番号が6番と連続する5番であることで利点があったが、当選確率が再遊技C4とは異なる再遊技D1のYK番号は7番とせずに11番でも構わなかった。これに対し本実施形態では、YK番号と演出グループ番号とを対応付けるために必要となる処理内容に着目し、同じ値の演出グループ番号が対応付けられる複数のYK番号については、その中に、当選確率が異なるものが含まれていても、連続した番号にしておく(所定の範囲内にまとめておく)ことに大きな利点がある(所定の範囲内に属するか否かを判定する処理の回数を減らすことができる)ことを見出し、そのような構成を採用することによって上述の効果を得ることを可能としている。
なお、本実施形態では、押し順を報知する必要があるかないかに拘わらず演出グループ番号を決定してその情報を副制御手段に送信するようにしている(これにより、制御プログラムを簡略化し得る)が、押し順を報知する必要がない状況でのみ演出グループ番号を決定し、押し順を報知する必要がある状況では演出グループ番号を決定することなく、YK番号の情報をそのまま副制御手段に送信するようにしてもよい。もちろん、押し順を報知する必要があるかないかに拘わらず演出グループ番号を決定するが、押し順を報知する必要がある状況では、YK番号が所定の範囲内に属する場合であっても、YK番号の値をそのまま演出グループ番号の値として決定するようにしてもよい。このようにした場合は、ナビ番号は不要となる。
また、本実施形態では、役決定グループ番号の情報は、副制御手段に送信していない。これは、役決定グループ番号の情報は、主制御手段で行うART抽選等で使用するためのものであって、副制御手段では不要なこともあるが、次のような理由にもよる。すなわち、役決定グループ番号の情報を送信するようにすると、その送信過程において役決定グループ番号の情報が不正に取得され、そこから、選出されたYK番号や遊技者に有利となる押し順の情報が推測されてしまう虞がある(演出グループ番号とは異なり、役決定グループ番号とYK番号との対応の付け方は任意であるので、そのような可能性も生じ得る)。このような理由もあって、本実施形態では、役決定グループ番号の情報を副制御手段に送信していない。
上記遊技進行情報決定手段133は、主に、遊技を進行させる上で必要となる情報を決定するための種々の抽選を実行するように構成されている。本実施形態では、このような抽選として、ARTの設定等に関連して行われるCZ抽選、前兆ゲーム数抽選、ART抽選及び上乗せ抽選を行うようになっている。
CZ抽選は、上述のCZモードを設定するか否かを決定する抽選であり、上述の通常モードに設定されているときに、上述の役決定グループ番号に基づいて行われる。CZ抽選における当選値の種類と、各当選値に対し設定された乱数の置数は、図22(A)に示すとおりである。このCZ抽選は、全乱数範囲が「256」に設定されたソフト乱数を用いて行われる。図示するように、このCZ抽選では、0(非当選)、1(CZ当選)、2(ART当選)の3個の当選値が設定されており、その当選確率(置数)は、役決定グループ番号の値(0〜8)に応じて設定されている(図22(A)では、役決定グループ番号を「YKG」と略記している)。
前兆ゲーム数抽選は、上述のCZ抽選において当選値1(CZ当選)または当選値2(ART当選)が得られた場合に、CZ抽選に続いて行われる。前兆ゲーム数抽選における当選値の種類と、各当選値に対し設定された乱数の置数は、図22(B)に示すとおりである。この前兆ゲーム数抽選は、CZ抽選と同様、全乱数範囲が「256」に設定されたソフト乱数を用いて行われる。図示するように、この前兆ゲーム数抽選では、0(1ゲーム)、1(3ゲーム)、2(6ゲーム)の3個の当選値が設定されており、選出された当選値に対応するゲーム数が前兆ゲーム数(CZ当選後の場合はCZ前兆ゲーム数、ART当選後の場合はART前兆ゲーム数)として設定される。
ART抽選は、上述のARTモードを設定するか否かを決定する抽選であり、上述のCZ内部モードまたはCZモードに設定されているときに、上述の役決定グループ番号に基づいて行われる。ART抽選における当選値の種類と、各当選値に対し設定された乱数の置数は、図22(C)に示すとおりである。このART抽選は、CZ抽選と同様、全乱数範囲が「256」に設定されたソフト乱数を用いて行われる。図示するように、このART抽選では、0(非当選)、1(ART当選)の2個の当選値が設定されており、その当選確率(置数)は、役決定グループ番号の値(「0〜8」)に応じて設定されている(図22(C)では、役決定グループ番号を「YKG」と略記している。
上乗せ抽選は、上述のARTゲーム数の上乗せ数(加算数)を決定する抽選であり、上述のART内部モード、ARTモードまたはART準備モードに設定されているときに行われる。上乗せ抽選における当選値の種類と、各当選値に対し設定された乱数の置数は、図22(D)に示すとおりである。この上乗せ抽選は、CZ抽選と同様、全乱数範囲が「256」に設定されたソフト乱数を用いて行われる。図示するように、この上乗せ抽選では、0(非当選)、1(+5)、2(+10)、3(+30)の3個の当選値が設定されており、選出された当選値に対応する上乗せ数(非当選の場合は「0」)がARTゲーム数に加算される。
このように本実施形態では、CZ抽選とART抽選が役決定グループ番号の値に基づいて行われる。役決定グループ番号の値の数(「0〜8」までの9個)は、YK番号の値の数(「0〜56」までの57個)に比較してかなり少なく設定されている。このため、これらの抽選を行う際に参照するルックアップテーブルとしては、役決定グループ番号の各値と置数とを対応付けたものを用意すればよく、その場合のテーブルのデータ量は、YK番号の各値と置数とを対応付けたルックアップテーブルを用意する場合のデータ量に比べて大幅に少なくすることが可能となる。したがって、CZ抽選とART抽選のためにROM62に記憶させておくデータ量を削減することができるとともに、これらの抽選を行う際の処理負荷を軽減することが可能となる。
(メイン通信制御手段150を構成する各手段)
上記制御コマンド送信手段151は、遊技に関する各種の情報を含む制御コマンドを、所定のタイミングで送信するように構成されている。例えば、スタートレバーが操作される前に送信する制御コマンドとしては、7つのメインモードのうちのどのモードに設定されているかのかを示す情報(例えば、MM番号の情報)を含む制御コマンド(以下、適宜「メインモードコマンド」と称する)、非RT、RT1〜RT5、BB-A、BB-Bのうちのどの遊技状態に設定されているかのかを示す情報(例えば、RT状態番号、作動種別、作動状態フラグ等の情報)を含む制御コマンド(以下、適宜「RTコマンド」、「作動種別コマンド」、「作動状態コマンド」等と称する)がある。例えば、スタートレバーが操作されたことを契機として送信する制御コマンドとしては、ナビ番号の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「ナビ番号コマンド」と称する)、演出グループ番号の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「演出グループ番号コマンド」と称する)、役物の役決定結果番号(YYK番号)の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「YYK番号コマンド」と称する)がある。この他に、設定値の情報を含む制御コマンド、ART遊技カウンタなど各種カウンタの値の情報を含む制御コマンド、副制御手段において実行する演出内容を指示する情報を含む制御コマンド等をスタートレバーが操作される前、またはスタートレバーが操作されたことを契機として送信するようにしてもよい。
また、制御コマンド送信手段151は、後述する最小遊技時間の経過が確認されたことを契機として、全リールが回転開始するよりも前に、全リールが回転開始することを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「全回胴回転開始コマンド」と称する)を送信する。さらに、第一停止操作(1番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第一停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第一停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第一回胴停止(第一停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第一停止コマンド」と称する)を送信する。同様に、第二停止操作(2番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第二停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第二停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第二回胴停止(第二停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第二停止コマンド」と称する)を送信する。同じく、第三停止操作(3番目のリールを停止させるためのストップスイッチの操作)を受け付けたことを契機として、第三停止操作を受け付けたことを示す情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第三停止受付コマンド」と称する)を送信するとともに、第三回胴停止(第三停止操作に対応するリールの停止)を契機として、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「第三停止コマンド」と称する)を送信する。さらに、停止図柄判定する前に、全回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「全停止コマンド」と称する)、停止図柄判定した後に、遊技メダルの払出数の情報を含む制御コマンド(以下、適宜「払出数コマンド」と称する)を送信する。
なお、本実施形態では、スタートレバーが操作されたことを契機として役決定処理が行われて役決定結果番号(YK番号、YYK番号)が選出され、その選出された役決定結果番号に基づきナビ番号と演出グループ番号が決定されるようになっている。決定されたナビ番号の情報と演出グループ番号の情報は、RAM63内の、アドレスが連続する2つの記憶領域(アドレス値が小さい下位アドレスの「F036H」と、アドレス値が大きい上位アドレスの「F037H」)の各々に記憶され(図30を参照)、その記憶された各情報に基づいて、ナビ番号コマンドの情報と演出グループ番号コマンドの情報が生成される。また、副制御手段へのコマンド送信は、ナビ番号コマンドの方が、演出グループ番号コマンドよりも先に行われ、演出グループ番号コマンドが送信された後に、YYK番号コマンド送信されるようになっている。さらに、ナビ番号コマンド及び演出グループ番号コマンドの制御コマンド送信用のバッファ(以下「制御コマンドバッファ」と称する)へのセットは、後述する制御コマンド連続セット処理により、ナビ番号コマンド、演出グループ番号コマンドの順に、連続して行われるようになっている。ナビ番号の情報と演出グループ番号の情報が、RAM63内の、アドレスが連続する2つの記憶領域の各々に記憶されるのは、そのような連続セット処理を可能とするためである。制御コマンド連続セット処理により、2つの制御コマンドを制御コマンドバッファにセットする処理を、各制御コマンドをそれぞれ個別にセットするときよりも簡略化することができるので、主制御手段における処理負荷を軽減することが可能となる。なお、副制御手段には送信されない役決定グループ番号の情報は、RAM63内において、副制御手段に連続して送信されるナビ番号の情報が記憶されるアドレスと演出グループ番号の情報が記憶されるアドレスとの間には記憶されないように設定されている。このように、どのアドレスに何の情報を記憶するのかということは、そのことによって、行える処理と行えない処理とが生じてくるものであるので、単なる設計事項とはいえない。
また、本実施形態では、YYK番号コマンドを、スタートレバーが操作されたことを示すコマンドとして利用し、副制御手段が、このYYK番号コマンドを受信したことを契機として、スタートレバーが操作された際に実行する演出(以下「レバー操作受付時の演出」とも称する)を開始するようになっている。これにより、スタートレバーが操作されたことを示すコマンドを別コマンドとして送信する必要がないので、主制御手段における処理負荷を低減することが可能となっている。上記レバー操作受付時の演出は、演出グループ番号コマンドを受信したことを契機として、開始するようにしてもよい。このようにした場合には、ナビ番号コマンドを演出グループ番号コマンドより先に送信することにより、この順序で制御コマンドを受信する副制御手段では、レバー操作受付時の演出の一例としての後述の押し順ナビ演出を実行する際の報知態様を、ナビ番号コマンドと演出グループ番号コマンドとに基づき決定して、押し順ナビ演出を開始することが可能となる。なお、主制御手段100と副制御手段200(サブメイン制御手段200A)との間の通信は、主制御手段100から副制御手段200(サブメイン制御手段200A)への一方向のみ可能となっている。
上記外端信号送信手段152は、所定の遊技状態となったときに、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外端信号を送信するように構成されている。本実施形態では、外端信号として、BB信号とRB信号を送信するようになっている。BB信号は、ARTモードに移行される条件が充足されたときにONにされ、ARTモードの終了条件(ARTモードから他のモードへの移行条件)が充足されたときにOFFにされる。一方、RB信号は、BB役が成立したときにONにされ、BB遊技が終了したときにOFFにされる。また、BB信号がONであるときには、BB役が当選してもBB信号をOFFにせず、BB役が成立した場合はBB信号をOFFにするとともに、RB信号をONにするようにしている。これは、BB役の当選によりBB信号をOFFにしてしまうと、ARTモードの終了条件が充足されていないのにBB信号がOFFになることで、BB役が当選したことが遊技者に分かってしまうからである。なお、主制御手段が管理する、BB役が当選していることを報知するための表示ランプ(「ボーナスランプ」と称する)を設け、既に報知が行われている場合は、BB役が成立する前であってもBB信号をOFFにしてもよい。ただし、このようなボーナスランプではなく、副制御手段が管理する画像表示装置によりBB役が当選していることが報知された場合には、BB信号をOFFにしない。
一方、上記副制御手段200は、主にランプ演出、画像演出及び音声演出の管理(指示)を行うサブメイン制御手段(「第1副制御手段」とも称する)200Aと、主に画像演出及び音声演出を制御(実行)するサブサブ制御手段(「第2副制御手段」とも称する)200Bを備えてなる。
サブメイン制御手段200Aは、大別すると、演出管理手段210とサブメイン通信制御手段230とを備えている。演出管理手段210は、サブ側押し順管理手段211、ゲーム演出管理手段212、報知演出管理手段213及びランプ演出制御手段214を備えており、サブメイン通信制御手段230は、制御コマンド受信手段231、演出コマンド送信手段232及び状態コマンド受信手段233を備えている。なお、サブメイン制御手段200Aにおける上述の各手段は、図2に示すサブメイン制御基板70A上に配されたサブメインCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエア及びROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出管理手段210を構成する各手段)
上記サブ側押し順管理手段211は、主制御手段100から所定のナビ番号コマンドと所定の演出グループ番号を受信した場合に、受信したナビ番号コマンドの内容とは異なる押し順を独自に決定することができるように構成されている。具体的には、ナビ番号0(押し順不明)の情報を含むナビ番号コマンドと、演出グループ番号15〜29の何れかの情報を含む演出グループ番号コマンドを受信した場合(以下「サブ側ナビ可能条件成立時」と称する)には、任意の押し順(ナビ番号1〜6の何れかに対応した押し順)を決定することが可能となっている。
図18に示すように、演出グループ番号15〜29は、YK番号15〜29(再遊技F1〜再遊技J3)に対応付けされるものである。これらのYK番号は、押し順RPに該当するものであり、図8に示すように、所定の押し順のときは再遊技役1以外の所定の再遊技役が成立し、所定の押し順以外のときは再遊技役1が成立するようになっている。しかし、押し順によって成立する再遊技役に違いによって、遊技者が得られる利益には差が生じない(有利となったり不利となったりしない)押し順RPとなっている。なお、上記サブ側ナビ可能条件成立時に、どの押し順を決定するのかは、サブ側押し順管理手段211の判断に任されている(主制御手段100が指示するようにしてもよい)。本実施形態では、CZモードに設定されているときには、YK番号15〜29の何れかが選出された場合、再遊技役1以外の再遊技役を成立させる押し順(以下「チャンス押し順」とも称する)を決定する割合が他のモードに設定されているときよりも高めに設定されている。例えば、CZモード中は、ART当選する確率が高く設定されているが、ART当選した場合には100%の割合で、ART当選しなかった場合でも70%程度の割合で、チャンス押し順が決定される。これに対し、通常モードやCZ内部モードなどの他のモード中は、ART当選した場合(ART当選する確率自体は低い)には90%程度の割合でチャンス押し順が決定されるが、ART当選しなかった場合にはチャンス押し順が決定される割合は10%程度と低く設定されている。また、上記サブ側ナビ可能条件成立時には、何れかの押し順を決定するようになっているが、サブ側押し順管理手段211の判断により、押し順を決定しない(押し順報知を行わない)こともできるように設定してもよい。
上記ゲーム演出管理手段212は、主に遊技の興趣向上や遊技性を高める目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「ゲーム演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。ゲーム演出としては、例えば、連続演出や単発演出、アシスト演出等がある。
連続演出とは、複数の遊技期間に亘って連続する演出であり、主に画像表示装置11を用いて、一続きの物語となるような画像を複数の遊技期間に亘って表示するものや、AT中であることを象徴するような演出画像等を表示するものなどが挙げられる。なお、連続演出や次述する単発演出を行う際に、演出ランプ12,13a,13b,14a,14bや飾りランプ32a,32bを用いた演出を行ったり、スピーカ15a,15b,44a,44bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
単発演出とは、遊技の進行過程において特定の状況が生じた場合等に単発的に実行される演出である。例えば、各リールの回転時に、遊技役の当選期待度を暗示するような画像を、画像表示装置11により表示する演出などが挙げられる。また、主制御手段100において行われる上述の上乗せ抽選において上乗数が選出されたこと(ARTゲーム数が加算されたこと)を契機として、加算されたARTゲーム数の値(例えば「+30」等の文字)を、画像表示装置11の表示画面11a上に表示する演出も単発演出の例として挙げられる。
アシスト演出は、遊技者を支援するための演出で、本実施形態では、主に、主制御手段100からのナビ番号コマンドにより伝達されるナビ番号の情報に応じて、押し順ナビ演出(副制御手段側で行われるものをいう)が行われる。この押し順ナビ演出(「サブ側押し順ナビ」ともいう)は、液晶表示装置11をサブ側押し順表示器として利用して、遊技者に対し、ナビ番号に応じた押し順を表示画面11a上に表示する単発の演出である。本実施形態では、上述のRPナビに対応するRPナビ演出(「サブ側RPナビ」ともいう)と、ベルナビに対応するベルナビ演出(「サブ側ベルナビ」ともいう)とを設定し、後述するように、両者の演出態様を状況に応じて変えている。なお、副制御手段(サブ側押し順管理手段211)で押し順を独自決定する場合は、副制御手段で決定した押し順に応じて、押し順ナビ演出が行われる。
押し順ナビ演出の具体的態様としては、例えば、ナビ番号2(対応押し順「左右中」)の情報を含むナビ番号コマンドを受信した場合には、図21(B)に示すように、対応する押し順を示す数字を「1、3、2」の順番で左側から並べて表示し、ナビ番号2(対応押し順「中左右」)の情報を含むナビ番号コマンドを受信した場合には、図21(D)に示すように、対応する押し順を示す数字を「2、1、3」の順番で左側から並べて報知する態様が例として挙げられる。さらに、図21(E)に示すように、「キャラクタを狙え!!」という文字情報を表示する態様(上述のサブ側ナビ可能条件成立時に表示されることがある)も例として挙げられる(その他のナビ番号に対応する表示態様例については図19(A)を参照)。
また、第一押し順から第三押し順までを表示する場合には図21(G)に示すように、表示した第一押し順に従って遊技者が1番目のストップスイッチを操作した時点で第一押し順の表示を消し、表示した第二押し順に従って遊技者が2番目のストップスイッチを操作した時点で第二押し順の表示を消し、表示した第三押し順に従って遊技者が3番目のストップスイッチを操作した時点で第三押し順の表示を消すようにしてもよい。また、表示した押し順とは異なる順番で遊技者がストップスイッチを操作した場合には、押し順ナビ演出を直ちに終了するようにしてもよい。さらに、押し順を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、スピーカ15a,15b等から出力するようにしてもよい。
上記報知演出管理手段213は、主に遊技に関する情報を遊技者に報知する目的で、サブサブ制御手段200Bにより実行される画像や音声による演出(以下「報知演出」と称する)の実行時期等を、主制御手段100からの制御コマンドに基づいて管理するように構成されている。報知演出としては、例えば、エラーが発生したことを「エラー発生」というような文字情報で報知するエラー報知演出や、電源断復帰時に画像が準備中であることを「画像準備中」というような文字情報で報知する演出等が挙げられる。
上記ランプ演出制御手段214は、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a〜38dを用いた各種の照明演出を制御するように構成されている。
(サブメイン通信制御手段230を構成する各手段)
上記制御コマンド受信手段231は、主制御手段100からの制御コマンドを受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した制御コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
上記演出コマンド送信手段232は、主制御手段100からの制御コマンドに基づき、演出に関する各種の情報を含む演出コマンド(例えば、ナビ番号(押し順)の情報を含む演出コマンド等)をサブサブ制御手段200Bに送信するように構成されている。
上記状態コマンド受信手段233は、サブサブ制御手段200Bからの状態コマンド(例えば、演出コマンドの受信エラーが発生したという情報を含む状態コマンド等)を受信し、RAM73等の所定の記憶領域(例えば、受信した状態コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
以上のように構成されたサブメイン制御手段200Aに対し、サブサブ制御手段200Bは、大別すると、演出実行制御手段250とサブサブ通信制御手段270とを備えている。演出実行制御手段250は、ゲーム演出実行制御手段251と報知演出実行制御手段252を備えており、サブサブ通信制御手段270は、演出コマンド受信手段271と状態コマンド送信手段272を備えている。なお、サブサブ制御手段200Bにおける上述の各手段は、図2に示すサブサブ制御基板70B上に配されたサブサブCPU75、ROM76、RAM77、電子回路等のハードウエア及びROM76に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
(演出実行制御手段250を構成する各手段)
上記ゲーム演出実行制御手段251は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述のゲーム演出を実行するように構成されている。
上記報知演出実行制御手段252は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドに基づいて画像表示装置11やスピーカ15a,15b等を制御し、上述の報知演出を実行するように構成されている。
(サブサブ通信制御手段270を構成する各手段)
上記演出コマンド受信手段271は、サブメイン制御手段200Aからの演出コマンドを受信し、RAM77等の所定の記憶領域(例えば、受信した演出コマンド用のコマンドバッファ)に記憶するように構成されている。
上記状態コマンド送信手段272は、上述の状態コマンドをサブメイン制御手段200Aに送信するように構成されている。
上述した制御コマンド送信手段151からの制御コマンドの送信、演出コマンド送信手段232からの演出コマンドの送信、及び状態コマンド送信手段272からの状態コマンドの送信は、何れもシリアル通信方式により行われる(パラレル通信方式で行うようにしてもよい)。また、各送信手段151,232,272は、それぞれ同様の構成を有しており、送信するコマンドを一時記憶する記憶領域としてのコマンドバッファ(「CB」とも称する)、送信するコマンドの書込みや読出し等の処理を行うコマンド処理部、及び、シリアル通信によりコマンドを送信するコマンド送信部を備えてなる。
CBは、各々のアドレスによって区別される複数の記憶領域を有し、各々の記憶領域に1バイトのコマンドデータを記憶できるように構成されている。コマンド処理部は、送信するコマンドデータを生成し、それをCBの書込ポインタが示すアドレス領域に書き込むとともに、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、それをコマンド送信部のTDR(送信用データレジスタ)に書き込むように構成されている。コマンド送信部は、TDRに書き込まれたコマンドデータをTSR(送信シフトレジスタ)に移し、そこでシリアル変換して送信するように構成されている。なお、パラレル通信方式で行う場合は、CBの読込ポインタが示すアドレス領域から、以前に書き込まれたコマンドデータを読み出し、そのコマンドデータを所定の出力ポート(副制御手段に送信するための出力ポート)に書き込むことで送信するように構成される。
本実施形態における1つのコマンドは、通常、2バイト構成である(チェックサムは1バイト構成)。また、通信方式は調歩同期式(非同期式)であり、1ビットのストップビット、1ビットのパリティビット(偶数パリティ)を有している(通信方式やコマンド構成は適宜変更可)。
<押し順の報知タイミング>
上述したように本実施形態では、報知する押し順を主に主制御手段100において決定する(一部副制御手段200でも決定する)。一方、押し順の報知は、主制御手段側でも副制御手段側でも行われるが、その報知タイミングや報知態様等は、設定されているメインモード等に応じて異なっている。以下、その点について、図23〜25を追加参照して説明する。なお、図中及び以下の説明における「メイン」及び「サブ」は、それぞれ、主制御手段及び副制御手段を意味する。
図23(A)は、通常、CZ内部、CZ、ART内部、ARTの各モード別に、押し順の報知が行われる場合を「○」、行われない場合を「×」で表記したものである。図示するように、押し順の報知は、YK番号3〜29(押し順RP)の何れかが選出された場合と、YK番号37〜48(押し順ベル)の何れかが選出された場合とにおいて、メインとサブ側の両方、またはサブ側のみで行われる。具体的には、YK番号3〜14(RT移行押し順RP)の何れかが選出された場合には、通常モード中はメイン側でもサブ側でも押し順の報知は行われず、CZ内部、CZ、ART内部、ARTの各モード中はメイン側とサブ側の両方で押し順の報知が行われる。また、YK番号15〜29の何れかが選出された場合(サブ側で報知押し順が決定される場合)には、通常、CZ内部、CZ、ART内部、ARTの何れのモード中においても、メイン側では押し順の報知は行われず、サブ側では押し順の報知が行われる。さらに、YK番号37〜48(押し順ベル)の何れかが選出された場合には、ARTモード中のみ、メイン側とサブ側の両方で押し順(正解押し順)の報知が行われる。
図23(B)は、メイン側での押し順報知(押し順ナビ)の開始タイミング(WINランプ46jによるナビ番号の表示開始タイミング)と終了タイミング(表示終了タイミング)を、CZ内部、CZ、ART内部、ARTの各モード別に記したものである。図示するように、メイン側での押し順報知は、CZ内部モード中またはARTモード中では、操作レバー受付時(具体的には例えば、操作レバー25の操作が有効に受け付けられた後で、最小遊技時間の経過の有無を確認する処理を行う前)に開始される。これに対しCZモード中では、リール回転開始時(具体的には例えば、最小遊技時間の経過が確認された後で、リールが実際に回転開始する前)に開始される。また、ART内部モード中では、上述したMM番号が「2」以外(具体的には「0」または「1」)に設定されている場合には操作レバー受付時に開始され、MM番号が「2」に設定されている場合にはリール回転開始時に開始される。なお、どちらの(押し順報知)開始タイミングも、ストップスイッチの操作受付が有効となる前(全リールが定速回転状態となる前)となるタイミングに設定されている。一方、メイン側での押し順報知の終了タイミングは、CZ内部、CZ、ART内部、ARTの何れのモード中でも、全リール回転停止時(具体的には例えば、全リールの回転停止が確認された後で、停止表示された図柄組合せの確認前)とされている(各タイミングは適宜変更可)。
図24は、サブ側での押し順報知(押し順ナビ演出)の表示態様と、その表示態様別の報知開始タイミング(画像表示装置11による押し順報知画像の表示開始タイミング)及び報知終了タイミング(表示終了タイミング)を、通常、CZ内部、CZの各モード別に記したものである。図示するように、通常、CZ内部、CZの各モード中におけるサブ側での押し順報知の表示態様は、円形の図形の中に押し順の数字を表示する態様(「通常表示態様」と称する)と、菱形の図形の中に押し順の数字を表示する態様(「特定表示態様」と称する)の2つのパターンがある。通常表示態様は、再遊技役1を成立させる押し順を報知するときの態様であり、特定表示態様は、YK番号15〜29(再遊技F1〜J3)の何れかが選出された場合に再遊技1以外の再遊技役を成立させる押し順(チャンス押し順)を報知するときの態様である。なお、図23(A)に示すように、YK番号3〜14(再遊技C1〜E4)の何れかが選出された場合、通常モード中は押し順ナビ演出が行われない(メイン側の押し順ナビも行われない)のに対し、CZ内部モード中は、非RTを維持するために再遊技役1を成立させる押し順を報知する押し順ナビ演出(以下「非RT維持用の押し順ナビ演出」とも称する)が行われる(メイン側の押し順ナビも行われる)ようになっている。この非RT維持用の押し順ナビ演出の態様を、通常表示態様とは異なる態様(以下「別表示態様」とも称する)で行うことも可能であるが、そうした場合、その別表示態様による押し順ナビ演出を見た遊技者に、通常モードからCZ内部モードに移行したことが分かってしまい遊技の興趣が低下する虞がある。そこで、本実施形態では、非RT維持用の押し順ナビ演出の態様を、YK番号15〜29の何れかが選出された場合にチャンス押し順を報知しないときの通常報知態様と同じ態様とすることにより、通常モード中の押し順ナビ演出(YK番号15〜29の何れかが選出された場合)であるのかCZ内部モード中の押し順ナビ演出(YK番号3〜29の何れかが選出された場合)であるのかが、遊技者に分からないようにしている。
押し順ナビ演出の報知開始タイミングは、通常表示態様で報知する場合には、通常モード中またはCZ内部モード中はスタートレバーの操作受付時(例えば、上記演出グループ番号コマンドやYYK番号コマンドの受信を契機とするタイミング。以下「レバー操作受付時」とも称する)、CZモード中はリール回転開始時(例えば、上記全回胴回転開始コマンドの受信を契機とするタイミング)とされ、特定表示態様で報知する場合には、通常、CZ内部、CZの何れのモード中もリール回転開始時とされている。一方、押し順ナビ演出の報知終了タイミングは、通常表示態様で報知する場合も特定表示態様で報知する場合も共通のタイミングとされている。具体的には、第一押し順不正解のときは第一停止操作受付時(例えば、上記第一停止受付コマンドの受信を契機とするタイミング)、第二押し順不正解のときは第二停止操作受付時(例えば、上記第二停止受付コマンドの受信を契機とするタイミング)、押し順正解時は第三停止操作受付時(例えば、上記第三停止受付コマンドの受信を契機とするタイミング)とされている。
また、特定表示態様で押し順(チャンス押し順)を報知する場合には、遊技者に、図柄「キャラクタ」を狙って目押しすることを促すために、「キャラクタを狙え!!」という文字情報の画像(「狙え画像」と称する)を併せて表示させたり、図柄「キャラクタ」を狙うように促す音声(「狙え音」と称する)を併せて出力させたりしてもよい。これは、チャンス押し順により成立する再遊技役の中に、図柄「キャラクタ」を対応図柄とするものが含まれていることを活用したものであり、そのような演出を行うことにより、図柄「キャラクタ」の目押しに挑戦するという遊技性を持たせる意味合いがある。さらに、特定表示態様による押し順ナビ演出は、ART当選の確率が高く設定されているCZモード中に高い割合で実行されるようになっているので、特定表示態様による押し順ナビ演出を実行すると、ART当選するかもしれないという期待感を遊技者に持たせることが可能となる。このとき、狙え画像や狙え音を併せて出力することにより、ART当選に対する遊技者の期待感を増大させることができるという効果も得られる。また、特定表示態様で押し順を報知する場合の報知開始タイミングをリール回転開始時としているのは、通常表示態様で報知する場合よりも報知開始タイミングを遅らせることにより、遊技者に、特定表示態様での押し順報知が行われることへの期待感を持たせることができるという理由による。
なお、CZモード中では、通常表示態様で報知する場合も特定表示態様で報知する場合も、報知開始タイミングをリール回転開始時としているが、これは次の理由による。すなわち、CZモード中では、YK番号15〜29(再遊技F1〜J3)の何れかが選出された場合、高い割合で特定表示態様による押し順報知が行われるように設定されている。また、CZモード中では、YK番号3〜14(再遊技C1〜E4)の何れかが選出された場合にも、上述の非RT維持用の押し順ナビ演出が通常表示態様で行われるので、通常表示態様による押し順ナビ演出が行われることも多い。遊技者は、CZモード中では、特定表示態様での押し順報知が行われることを期待するが、このとき、通常表示態様での押し順報知が操作レバー受付時のタイミングで開始されると、開始されたタイミングにおいていち早く、当該遊技においては特定表示態様での押し順報知が行われないことが遊技者に分かってしまう。そこで、CZモード中では、通常表示態様での押し順報知の開始タイミングについてもリール回転開始時とすることにより、特定表示態様での押し順報知が行われないことが遊技者に分かるタイミングを遅らせているのである。
図25は、ART内部モード中またはARTモード中におけるサブ側での押し順報知の表示態様と、その表示態様別の報知開始タイミング及び報知終了タイミングを記したものである。図示するように、ART内部モード中における押し順報知の表示態様は、上述の通常表示態様と特定表示態様との2つのパターンがある。ART内部モード中における特定表示態様での報知開始タイミングは、通常、CZ内部、CZの各モード中と同じく、常にリール回転開始時とされているが、ART内部モード中における通常表示態様での報知開始タイミングは、上述のMM番号が「2」以外(「0」または「1」)に設定されている場合には操作レバー受付時とされ、MM番号が「2」に設定されている場合にはリール回転開始時とされている。一方、ART内部モード中における押し順報知の終了タイミングは、通常表示態様で報知する場合も特定表示態様で報知する場合も、通常、CZ内部、CZの各モード中と同じタイミングとされている。
ART内部モード中において、MM番号が「2」の場合に通常表示態様で報知する場合の報知開始タイミングをリール回転開始時としているのは、次の理由による。すなわち、ART内部モードは、CZモードから移行されて設定される場合があり(図16を参照)、その場合にMM番号が「2」に設定されている。上述のように、CZモード中では、YK番号15〜29(再遊技F1〜J3)の何れかが選出された場合、高い割合で特定表示態様による押し順報知が行われるようになっているが、これは、CZモードから移行されて設定されたART内部モード中も継続されるようになっている。そこで、MM番号が「2」に設定されている場合は、CZモード中のときと同様の理由により、通常表示態様での押し順報知の開始タイミングについてもリール回転開始時としているのである。
ARTモード中におけるサブ側での押し順報知の表示態様は、図25に示すように、押し順RP選出時と押し順ベル選出時とで異なっている。すなわち、押し順RP選出時における押し順報知の表示態様は、五角形の図形の中に押し順の数字を表示する態様(「第1表示態様」と称する)と、五角形の図形の中に押し順の数字を表示するとともに図形内部を所定の背景色(例えば、青色)とする態様(「第2表示態様」と称する)と、上述の特定表示態様の3つのパターンがある。これに対し、押し順ベル選出時における押し順報知の表示態様は、上記第1表示態様と、五角形の図形の中に押し順の数字を表示するとともに図形内部を別の背景色(例えば、黄色)とする態様(「第3表示態様」と称する)との2つのパターンがある。第1表示態様は、再遊技役1または4を成立させる押し順を報知するときで、ベルナビなのかRPナビなのかが遊技者に分からないようにするときの態様であり、第2表示態様は、再遊技役1または4を成立させる押し順を報知するときで、RPナビであることを遊技者に明らかにするときの態様であり、第3表示態様は、小役1または2を成立させる押し順(正解押し順)を報知するときで、ベルナビであることを遊技者に明らかにするときの態様である。なお、ベルナビなのかRPナビなのかを不明にする第1表示態様を設けているのは、次の理由による。すなわち、遊技者は遊技メダルを獲得することが可能なベルナビが行われることを期待して遊技を行うが、本実施形態では、ARTモード中でも押し順RPが当選する割合が高く設定されているため、RPナビが行われる頻度も高くなっている。このため、RPナビであることが明らかな第2表示態様のみでRPナビを行うようにすると、第2表示態様による押し順ナビ演出が開始された時点で、期待するベルナビでないことが遊技者に分かってがっかりするということが頻繁に起きることになる。そこで、本実施形態では、ベルナビなのかRPナビなのかが不明な第1表示態様による押し順ナビ演出も行うようにすることにより、押し順ナビ演出の開始時点で頻繁に、遊技者が期待感を損なわないようにしている。
ARTモード中における特定表示態様での報知開始タイミングは、通常、CZ内部、CZ、ART内部の各モード中と同じく、常にリール回転開始時とされており、ARTモード中における第1〜第3表示態様での報知開始タイミングは、常に操作レバー受付時とされている。一方、ART内部モード中またはARTモード中における押し順報知の終了タイミングは、何れの表示態様で報知する場合も、通常、CZ内部、CZの各モード中と同じタイミングとされている。また、ART内部モード中またはARTモード中において、特定表示態様で押し順を報知する場合にも、上記狙え画像を併せて表示させたり、上記狙え音を併せて出力させたりしてもよい。なお、ART準備モード中やボーナス作動中モード中においても、押し順の報知を行うようにしてもよい。
また、上述したように、メイン側での押し順報知の開始タイミングは、CZモード中の場合と、ART内部モード中でMM番号が「2」に設定されている場合(この2つの場合を総称して「MM番号2に設定中の場合」と称する)には、リール回転開始時とされているが、これは、サブ側での押し順報知の開始タイミングに合わせたものである。すなわち、サブ側での押し順報知では、MM番号2に設定中の場合には、通常表示態様で報知されるのか特定表示態様で報知されるのかが、その報知開始タイミングによって遊技者に分からないようにするため、通常表示態様で報知すの場合も特定表示態様で報知する場合も、報知開始タイミングをリール回転開始時としている。一方、メイン側での押し順報知では、サブ側での押し順報知における通常表示態様や特定表示態様に該当するものは設定されておらず、また、サブ側において特定表示態様による押し順報知が行われるとき(YK番号15〜29の選出時)には押し順報知自体を行わない。つまり、メイン側での押し順報知では、MM番号2に設定中の場合、サブ側において通常表示態様による押し順報知が行われるときのみ押し順報知が行われる。しかし、この押し順報知の開始タイミングを、MM番号2に設定中の場合は、リール回転開始時とすることにより、その押し順報知が、サブ側における特定表示態様による押し順報知に対応するものであるという感覚を、遊技者に持たせることができる。したがって、メイン側での押し順報知の開始タイミングを常に一定とする場合に比べて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、上述したように本実施形態では、第一押し順だけ正解すれば所定の遊技役が成立する役抽選結果(例えば、押し順ベルであるYK番号37〜48)のときも、第一押し順から第三押し順まで正解しなければ所定の遊技役が成立しない役抽選結果(例えば、押し順RPの中のYK番号4,5,8,9,12,13)のときも、第一押し順から第三押し順までを報知する押し順ナビを行うようになっている(メイン側で決定されるナビ番号もそのような押し順に対応したものだけが設定されている)。これにより、押し順ナビ(特に、メインにおけるナビ番号の表示)を見ただけでは、第一押し順だけ正解すれば所定の遊技役が成立する役抽選結果のときの押し順ナビ(例えば、ベルナビ)であるのか、第一押し順から第三押し順まで正解しなければ所定の遊技役が成立しない役抽選結果のときの押し順ナビ(例えば、RPナビ)であるのかを、遊技者に分からないようにすることができるので、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。なお、上述した第1表示態様による押し順ナビ演出を行うことも、ベルナビであるのかRPナビであるのかを遊技者に分からないようにすることができるという点において、同様の効果が得られる。
本実施形態では、サブ側での押し順報知は、遊技者による押し順が報知した押し順と異なる場合には、途中で終了するようになっている(終了しないようにしてもよい)。途中で終了することにより、その後、押し順が異なっていたことを報知する演出や他の演出を行うことも可能となる。一方、メイン側での押し順報知は、遊技者による押し順が報知した押し順と異なる場合でも途中で終了することはない(こうすることにより遊技者は、報知された押し順をじっくりと確認することができる)が、終了するようにしてもよい。この場合、サブ側での押し順報知が終了した後、または同時に、メイン側での押し順報知を終了させるようにすることが好ましい。メイン側での押し順報知が終了した後に、サブ側での押し順報知を終了させるようにしてもよい。また、メイン側での押し順報知の開始タイミングとしては、スタートレバーが操作された後、リールが定速回転するまでの間であれば、任意に設定することが可能である。
また、本実施形態では、操作レバー受付時またはリール回転開始時に、メイン側での押し順報知を開始しているが、例えば、リールが定速回転に達したことを契機として、押し順報知を開始することができる。また、第一押し順の報知は行わず、遊技者が第一押し順に正解した場合に、第二、第三押し順の報知を行うような場合には、第一停止操作受付があったことを契機として押し順報知を開始してもよい。また、メイン側での押し順報知は、遊技者による押し順が報知した押し順と異なることが途中で判別した場合には、新たに他の押し順を決定し、その押し順の報知に切り替えるようにしてよい、また、メイン側での押し順報知を切り替える場合には、サブ側での押し順報知も切り替えるようにしてもよい。さらに、本実施形態では、メイン側での押し順報知の方がサブ側での押し順報知よりも先に開始されるようになっているが、メイン側での押し順報知とサブ側での押し順報知が同時に開始されるようにしてもよいし、メイン側での押し順報知よりもサブ側での押し順報知の方が先に開始されるようにしてもよい。
<情報の記憶領域>
次に、本実施形態の主制御手段における情報の記憶領域について、図26〜30を追加参照して説明する。図26に示すように、ROM(図2のROM62)内には、「E000H」から「E01CH」までの連続する29個のアドレスに、役決定グループ番号テーブルの情報が記憶されている。各アドレスには、役決定処理により選出されるYK番号と対応付けされる役決定グループ番号のデータが記憶されている。各アドレスに記憶された役決定グループ番号のデータ値とそれに対応するYK番号は、図26に示すとおりである。例えば、アドレス「E003H」には、役決定グループ番号のデータ値「00000000B」が記憶されており、その上位4ビットのデータ値「0000H」はYK番6に対応し、下位4ビットのデータ値「0000B」はYK番7に対応する。また、アドレス「E018B」には、役決定グループ番号のデータ値「01010110B」が記憶されており、その上位4ビットのデータ値「0101B」はYK番48に対応し、下位4ビットのデータ値「0110B」はYK番49に対応するといった具合である。このように、各アドレスに記憶された役決定グループ番号のデータ値は、その上位4ビットのデータ値が偶数値のYK番号に対応し、下位4ビットのデータ値が奇数値のYK番号に対応するようになっている。このように本実施形態では、偶数値のYK番号に対応する役決定グループ番号のデータと、奇数値のYK番号に対応する役決定グループ番号のデータという2つのデータを1バイトのデータとして1つのアドレスに記憶しておき、これを役決定グループ番号の決定において利用するという構成としたことにより、役決定グループ番号の決定における処理負荷(処理手順)をかけることなく、役決定グループ番号の決定に必要なルックアップテーブル(役決定グループ番号テーブル)のデータ量を低減することが可能となっている。
また、図27に示すように、ROM内には、「E020H」から「E031H」までの連続する18個のアドレスに、ナビ番号データ値テーブル1〜3の情報が記憶されている。同図(A)に示す「E020H」から「E025H」までの連続する6個のアドレスには、ナビ番号データ値テーブル1の情報が記憶されており、同図(B)に示す「E026H」から「E02BH」までの連続する6個のアドレスには、ナビ番号データ値テーブル2の情報が記憶されており、同図(C)に示す「E02CH」から「E031H」までの連続する6個のアドレスには、ナビ番号データ値テーブル3の情報が記憶されている。各アドレスには、役決定処理により選出されるYK番号と対応付けされるナビ番号データ値が記憶されている。各アドレスに記憶されたナビ番号データ値とそれに対応するYK番号は、図27(A)〜(C)に示すとおりである。図示するように、ナビ番号データ値テーブル1と2はYK番号3〜14(RT移行押し順RP)に対応するものであり、ナビ番号データ値テーブル3はYK番号37〜48(押し順ベル)に対応するものである。各アドレスに記憶されたナビ番号データ値は、その上位4ビットのデータ値が奇数値のYK番号に対応し、下位4ビットのデータ値が偶数値のYK番号に対応するようになっている。このように本実施形態では、偶数値のYK番号に対応するナビ番号データ値と、奇数値のYK番号に対応するナビ番号データ値という2つのデータを1バイトのデータとして1つのアドレスに記憶しておき、これをナビ番号データ値の決定において利用するという構成としたことにより、ナビ番号データ値の決定における処理負荷(処理手順)をかけることなく、ナビ番号データ値の決定に必要なルックアップテーブル(ナビ番号データ値テーブル1〜3)のデータ量を低減することが可能となっている。
さらに、図28に示すように、ROM内の「E032H」から「E51CH」までの連続する32個のアドレスには、上述した押し順均等抽選(図19(B)を参照)を行う際に参照される情報が記憶されている。「E032H」から「E038H」までの連続する7個のアドレスは、ナビ番号データ値7〜13にそれぞれ対応するものであり、これらのナビ番号データ値が決定された際に、参照されるようになっている。これら7個の各アドレスには、次に参照するアドレスまでのオフセットの情報が記憶されている。図28には、「E032H」から「E038H」までの7個のアドレスと、次に参照される「E039H」、「E03BH」、「E03EH」、「E041H」、「E046H」、「E04AH」、「E04FH」の7個のアドレス(それぞれ上位4ビットに抽選判定回数のデータ値、下位4ビットに検索番号データが記憶されている)との対応関係を矢線で示している。また、その他のアドレスには、押し順均等抽選での当選値を決定するための置数のデータ値が記憶されている。
一方、図29,30に一例として示すように、RAM(図2のRAM63)内の所定の各アドレスには、遊技の進行状況等に応じて所定の各情報が記憶されるようになっている。各アドレスに記憶される各情報の内容と具体的なデータ値は、図29,30に示すとおりである。図示しているアドレスのうちのいくつかについては既に説明しているので、ここでは、その他のアドレスについて説明する。図29に示すアドレス「F011H」には、WINランプ46jに表示する内容を決めるための獲得枚数、設定変更装置作動中、指示データという3種類の情報の何れかが遊技の状況に応じて記憶される。獲得枚数は、1回の遊技における遊技メダルの払出数を示す情報であり、遊技メダルの払出しに応じて「0〜9」の何れかのデータ値として記憶される(記憶された数値に応じてWINランプ46jに払出数が表示される)。設定変更装置作動中は、設定値の変更(設定変更)が行われていることを示す情報であり、設定変更中に「88」というデータ値として記憶される(記憶されるとWINランプ46jに「88」と表示される)。指示データは、ナビ番号の値を示す情報であり、「101〜106」の何れかのデータ値として記憶される。「101」はナビ番号1を示すデータ値であり、これが記憶されるとWINランプ46jに「=1」が表示される。同様に「102」〜「106」はそれぞれナビ番号2〜6を示すデータ値であり、これらが記憶されるとWINランプ46jに「=2」〜「=6」が表示されるようになっている。
また、図29に示すアドレス「F014H」には、エラー番号(エラーの種類)を示す複数種類のデータ値がエラーの発生状況に応じて記憶される。例えば、HPエラーが発生すると「2EH」というデータ値が記憶され、CHエラーが発生すると「81H」というデータ値が記憶されるといった具合である。データ値が記憶されると、そのデータ値に応じ表示情報がWINランプ46jに表示される。例えば、「4FH」というデータ値が記憶されると「H0」という表示がされ、「17H」というデータ値が記憶されると「FE」という表示がされるといった具合である。なお、エラーが発生していないときは「00H」のデータ値が当該アドレスに記憶され、その場合、WINランプ46jにエラーに関する表示はされない。さらに、図29に示すアドレス「F01AH」と「F01BH」には、制御コマンドを送信するために参照される制御コマンド読込ポインタと制御コマンド書込ポインタのデータ値(何れも「0〜31」の範囲内の値をとる)がそれぞれ記憶されるようになっている。
また、図30に示すアドレス「F038H」には、上述の役決定グループ番号が決定された際に、その決定された役決定グループ番号の値(0〜8の何れか)のデータが記憶されるようになっている。さらに、図30に示すアドレス「F09AH」には、減算不可フラグの情報が記憶される。減算不可フラグは、上述のCZ前兆ゲーム数やART前兆ゲーム数(CZ前兆カウンタ、ART前兆カウンタ)の値をデクリメント(減算)できるか否かをを示すものであり、減算不可の場合には「FFH」のデータ値(減算フラグONを示す)が当該アドレスに記憶され、減算不可の場合には「0」のデータ値(減算フラグOFFを示す)が当該アドレスに記憶される。また、図30に示すアドレス「F106H」から「F145H」までは、制御コマンドバッファの領域として設定されている。この制御コマンドバッファの領域には、計31個の制御コマンド(1つの制御コマンドは、コマンドの種類を示す第1制御コマンドとデータ値を示す第2制御コマンドから構成される)が記憶(書込み)されるようになっている。各制御コマンドの書込みは、制御コマンド書込ポインタが示すアドレスに対して行われ、各制御コマンドの読込み(送信)は、制御コマンド読込ポインタが示すアドレスから行われるようになっている。本実施形態では、1つの制御コマンドに関しては、第1制御コマンド、第2制御コマンドの順に書き込まれ、書き込まれた各制御コマンドは、書き込まれた順に送信されるようになっている。なお、図30の制御コマンドバッファの欄に示す「+0」、「+1」・・・「+63」という数値は、制御コマンドバッファの先頭アドレス「F106H」に加算する値を示しており、加算した結果の値が、各制御コマンドが記憶されるアドレスとなっている(例えば、「+3」はアドレス「F109H」を示す)。
[主要な制御処理]
以下、上述のスロットマシン1において行われる主要な制御処理について、図31〜42を追加参照して説明する。以下では、まず、図31〜39を用いて、主制御手段100において行われる制御処理のうち、特に、遊技進行制御処理、タイマ割込処理について説明する。次に、図40〜42を用いて、サブメイン制御手段200Aにおいて行われる各種の制御処理のうち、特に、プログラム開始処理、サブメインループ処理、電源断処理について説明する。
<遊技進行制御処理>
遊技進行制御処理は、遊技中に繰り返し実行される基本的な処理であり、図31(A)に示すように、まず、遊技開始セット処理を行う(ステップS1)。この遊技開始セット処理では、図31(B)に示すように、まず、前遊技で記憶されたYK番号の情報をクリアする(ステップS11)。次に、前遊技において際遊技作動図柄が表示されたか否かを判定する(ステップS12)。ここで、再遊技作動図柄が表示されていれば、ステップS13において再遊技作動状態フラグをセットしてステップS14に進み、表示されていなければ、直接ステップS14に進む。このステップS14では、前遊技においてBB作動図柄が表示されたか否かを判定する。ここで、BB作動図柄が表示されていれば作動種別の情報をRAM63の所定の記憶領域に保存し(ステップS15)、YYK番号の情報をクリアする(ステップS16)。さらに、ART前兆カウンタ、CZ前兆カウンタまたはCZ遊技カウンタをクリアし(ステップS17)、MM番号5の情報をRAM63の所定の記憶領域に保存し(ステップS18)、ステップS19に進む。一方、BB作動図柄が表示されていなければ上記ステップS15〜S18の処理は行わずにステップS19に進む。
このステップS19では、ボーナス作動時であるか否かを判定する。ここで、ボーナス作動時であれば、ステップS20において作動状態フラグ(BB作動状態フラグ/RB作動状態フラグ)をセットしてステップS21に進み、表示されていなければ、直接ステップS21に進む。このステップS21では、再遊技作動時であるか否かを判定する。ここで、再遊技作動時であれば、ステップS22において自動ベット処理を行ってリターンし、再遊技作動時でなければステップS22の処理は行わずリターンする。この遊技開始セット処理からのリターンで、図31(A)のステップS2に進み、そこでスタートレバーの操作を受け付けるまで待機し、操作を受け付けた場合は、内部抽選開始処理を行う。
この内部抽選開始処理では、図32(A)に示すように、まず、決定処理を行う(ステップS31)。具体的には、まず、乱数発生器66等により生成される乱数列の中から1つの乱数を選出する乱数ラッチを行う。次に、ラッチされた乱数(以下、適宜「ラッチ乱数」と称する)を読込み、読み込んだラッチ乱数に基づき、役決定結果番号(YK番号,YYK番号)を選出する。次いで、選出された役決定結果番号の情報を、RAM63の所定の記憶領域に保存する。また、このとき、Aレジスタ(メインCPU61が備えるレジスタ。以下の各レジスタについて同じ)には、選出されたYK番号の値がセットされている。
この役決定処理を行った後、役決定グループ番号テーブル(図26を参照)をセットする(ステップS32)。具体的には、HLレジスタに、役決定グループ番号テーブルの先頭アドレス(「E000H」)をセットする。その後、4ビットデータ取得処理を行う(ステップS33)。この4ビットデータ取得処理では、図32(B)に示すように、まず、当該テーブルオフセット生成を行う(ステップS41)。具体的には、Aレジスタの値について右シフト演算(Aレジスタの値を1/2倍して小数点以下を切り捨てることに相当する演算)を行う。この右シフト演算では、Aレジスタのビット0の値はキャリーフラグ(演算結果における桁上がりや桁下がりの情報が記憶されるフラグ(1ビットの記憶領域))にセットされ、Aレジスタのビット7には「0」がセットされる。
この右シフト演算の具体例として、Aレジスタに「3」=「00000011B」がセットされている場合(以下「具体例1」と称する)と、Aレジスタに「4」=「00000100B」がセットされている場合(以下「具体例2」と称する)について、Aレジスタの値とキャリーフラグがどのように変化するのかについて示す。
[具体例1]
Aレジスタ値:「3」=「00000011B」
右シフト演算前のAレジスタの値:「00000011B」
右シフト演算後のAレジスタの値:「00000001B」
右シフト演算後のキャリーフラグ=1
[具体例2]
Aレジスタ値:「4」=「00000100B」
右シフト演算前のAレジスタの値:「00000100B」
右シフト演算後のAレジスタの値:「00000010B」
右シフト演算後のキャリーフラグ=0
このような当該テーブルオフセット生成(右シフト演算)の後、指定データを取得する(ステップS42)。具体的には、Aレジスタに、「HLレジスタの値+Aレジスタの値」が示すアドレス(「E000H」+「YK番号の値を1/2倍して小数点以下を切り捨てた値」のアドレス)に記憶されている値をセットする。次いで、テーブルデータ検索番号が奇数であるか否かを判定する(ステップS43)。具体的には、上記右シフト演算後のキャリーフラグが「1」であれば奇数と判定し、キャリーフラグが「0」であれば偶数と判定する。テーブルデータ検索番号を偶数と判定した場合は、ステップS44において、偶数時データを取得する。具体的には、Aレジスタの上位4ビットの値と、下位4ビットの値とを入れ替える処理を行う。そして、指定データを生成し(ステップS43)、リターンする。一方、テーブルデータ検索番号を奇数と判定した場合は、ステップS44の処理は行わず、指定データを生成してリターンする。なお、ステップS43における指定データの生成では、具体的には、Aレジスタに、Aレジスタの値と「0FH」とをAND演算した後の値をセットする処理を行う。このAND演算後にAレジスタにセットされた値が指定データの値とされる。なお、ここでの指定データの値は、YK番号の値に対応した役決定グループ番号の値である。
この4ビットデータ取得処理からのリターンで、図32(A)のステップS32に進み、そこでYYK番号が「0」であるか否かを判定する。具体的には、RAMアドレス「F009H」に記憶されているYYK番号の値から「0」を減算する演算を行い、その演算結果が「0」(ゼロフラグ=1)である場合にはYYK番号=0と判定し、演算結果が「0」でない(ゼロフラグ=0)場合にはYYK番号≠0と判定する(ゼロフラグとは、演算結果が「0」の場合に「1」がセットされ、演算結果が「0」でない場合に「0」がセットされるフラグ)。ここで、YYK番号≠0と判定した場合には、役決定グループ番号8をセット(具体的には、役決定グループ番号の値として、Aレジスタに「8」をセット)する(ステップS35)。そして、ステップS36において、役決定グループ番号の値をRAM63の所定の記憶領域に保存(具体的には、Aレジスタの値(この場合は「8」)をアドレス「F038H」に保存)して内部抽選開始処理からリターンする。一方、YYK番号=0と判定した場合には、上記ステップS36の処理は行わず、Aレジスタの値(この場合は上記4ビットデータ取得処理で決定された指定データの値)を役決定グループ番号の値として、アドレス「F038H」に保存して内部抽選開始処理からリターンする。
この内部抽選開始処理からのリターンで、図31(A)のステップS4に進み、そこでレバー制御処理を行う。このレバー制御処理では、図32(C)に示すように、まず、ボーナス作動中であるか否かを判定する(ステップS51)。ここで、ボーナス作動中である場合(MM番号の値が5である場合)にはボーナス作動中処理を行い(ステップS53)、ボーナス作動中でない場合(MM番号の値が0〜4の何れかの場合)にはMM番号分岐処理を行う(ステップS52)。このMM番号分岐処理では、図32(D)に示すように、MM番号の値が0〜4のうちの何れかであるのかを判別する(ステップS61)。そして、MM番号の値に応じて、MM番号0処理(ステップS62)、MM番号1処理(ステップS63)、MM番号2処理(ステップS64)、MM番号3/4処理(ステップS65)の何れかの処理を行う。
上記MM番号0処理では、図33(A)に示すように、まず、ART初当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS71)。ここで、ART初当りフラグがONである場合(すなわちART内部モードの場合)にはそのままリターンし、ART初当りフラグがONでない場合には上述のCZ抽選を行い(ステップS72)、非当選であるか否かを判定する(ステップS73)。ここで、非当選である場合にはそのままリターンし、非当選でない場合にはART当選であるか否かを判定する(ステップS74)。ここで、ART当選である場合にはART初当りフラグをONに設定(ステップS75)してステップS77に進み、ART当選でない場合(このときはCZ当選の場合となる)にはMM番号1の情報をRAM63の所定の記憶領域(アドレス「F089H」)に保存(ステップS76)してステップS77に進む。
このステップS77では減算不可フラグをONに設定し、次に、上述の前兆ゲーム数抽選を行う(ステップS78)。また、このとき、CZ前兆カウンタ(ステップS76を経由した場合)またはART前兆カウンタ(ステップS75を経由した場合)に、前兆ゲーム数抽選により選出された前兆ゲーム数の値をセットする。次いで、非RTに設定されているか否かを判定する(ステップS79)。ここで、非RTに設定されている場合には減算不可フラグをOFFにして(ステップS80)リターンし、非RTに設定されていない場合にはステップS80の処理は行わずリターンする。
上記MM番号1処理では、図33(B)に示すように、まず、ART初当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS91)。ここで、ART初当りフラグがONでない場合には上述のART抽選を行い(ステップS92)、非当選であるか否かを判定する(ステップS93)。ここで、非当選である場合にはそのままリターンし、非当選でない場合にはCZ前兆カウンタの値を取得し(ステップS94)、その取得した値をART前兆カウンタの値として保存する(ステップS95)。そして、ART初当りフラグをONに設定(ステップS96)してリターンする。一方、上記ステップS91の判定において、ART初当りフラグがONである場合には上述の上乗せ抽選を行い(ステップS97)、当選(上乗せ数が「0」ではない)であるか否か(上乗せ数が「0」)を判定する(ステップS93)。ここで、当選でない場合にはそのままリターンし、当選である場合にはART遊技カウンタの値に、上乗せ抽選で決定された上乗せ数の値(α)を加算(ステップS99)してリターンする。
上記MM番号2処理では、図33(C)に示すように、まず、ART初当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS101)。ここで、ART初当りフラグがONである場合には上述の上乗せ抽選を行い(ステップS102)、当選であるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、当選でない場合にはそのままリターンし、当選である場合にはART遊技カウンタの値に、上乗せ抽選で決定された上乗せ数の値(α)を加算(ステップS104)してリターンする。一方、上記ステップS101の判定において、ART初当りフラグがONでない場合には上述のART抽選を行い(ステップS105)、ART当選であるか否かを判定する(ステップS106)。ここで、ART当選でない場合にはそのままリターンし、ART当選である場合にはART初当りフラグをONに設定(ステップS107)してリターンする。
上記MM番号3/4処理では、図33(D)に示すように、まず、上乗せ抽選を行い(ステップS111)、当選であるか否かを判定する(ステップS112)。ここで、当選でない場合にはそのままリターンし、当選である場合にはART遊技カウンタの値に、上乗せ抽選で決定された上乗せ数の値(α)を加算(ステップS113)してリターンする。このようにMM番号が3または4に設定されているときには、毎ゲーム上乗せ抽選が行われる。もちろん、上乗せ抽選が行われないゲームを設定してもよい。
上述のMM番号0処理、MM番号1処理、MM番号2処理またはMM番号3/4処理からのリターンでMM番号分岐処理からもリターンし、図32(C)のステップS54に進む。また、ステップS53のボーナス作動中処理の実行後もこのステップS54に進む。このステップS54ではナビ番号セット処理を行う。このナビ番号セット処理では、図34(A)に示すように、まず、ナビ管理処理を行う(ステップS121)。
このナビ管理処理では、図34(B)に示すように、まず、指示番号0をセットする(ステップS141)。具体的には、DEレジスタに「0」をセットする。次いで、YK番号を演出グループ番号にセットする(ステップS142)。具体的には、RAMアドレス「F034H」に記憶されているYK番号の値をAレジスタにセットし、さらに、Aレジスタの値をDレジスタにセットする。次に、YK番号の値が「3〜14」の範囲内であるか否かを判定する(ステップS143)。具体的には、Aレジスタに、Aレジスタの値から「3」を減算した値をセットし、さらに、Aレジスタの値から「12」(=14−3+1)を減算する演算処理を行う。この演算処理のとき、キャリーフラグの値が1であればYK番号の値が「3〜14」の範囲内であると判定し、演出グループ番号3をセット(具体的には、Dレジスタに「3」をセット)し(ステップS144)、減算不可フラグがONであるか否かを判定する(ステップS145)。具体的には、RAMアドレス「F09AH」に記憶されている減算不可フラグの値から「0」を減算し、その演算結果が0(ゼロフラグの値が1)であれば減算不可フラグがONでない(OFFである)と判定する。ここで、減算不可フラグがONでないと判定した場合には、上述のナビ番号データ値テーブル1(図27(A)を参照)をセットする(ステップS146)。具体的には、HLレジスタに、ナビ番号データ値テーブル1の先頭アドレス(「E020H」)の値をセットする。
次に、CZ前兆カウンタの値とART前兆カウンタの値が何れも「0」であるか否かを判定する(ステップS147)。具体的には、RAMアドレス「F082H」に記憶されているCZ前兆カウンタの値をCレジスタにセットし、RAMアドレス「F083H」に記憶されていART前兆カウンタの値をBレジスタにセットする。このとき、Bレジスタにセットされた値とCレジスタにセットされた値がどちらも「0」であれば第2ゼロフラグ(任意のレジスタにセットされた値が「0」のときに「1」がセットされるように設定されたフラグ)の値は「1」となるので、この第2ゼロフラグの値が「1」あれば上記2つの前兆カウンタの値が共に「0」と判定する。ここで、上記2つの前兆カウンタの値が共に「0」と判定した場合には、Aレジスタの値をBレジスタにセットし、MM番号チェック処理を行う(ステップS148)。このMM番号チェック処理では、図34(C)に示すように、MM番号を取得する(ステップS166)。具体的には、Aレジスタに、RAMアドレス「F089H」に記憶されているMM番号の値をセットし、Aレジスタの値から「2」を減算する演算処理を行う。この演算処理の結果が「0」であればゼロフラグの値は「1」となる。MM番号の取得後、リターンして図34(B)のステップS149に進む。
このステップS149では、MM番号が「2」であるか否かを判定する。具体的には、上記MM番号チェック処理の演算処理の結果によるゼロフラグの値が「1」あればMM番号が「2」であると判定する。また、Aレジスタに、Bレジスタの値をセットする。ここで、MM番号が「2」である場合には、ARTフラグがONであるか否かを判定する(ステップS150)。具体的には、RAMアドレス「F090H」に記憶されているARTフラグの値から「0」を減算する演算処理を行う。この演算処理の結果が「0」(ゼロフラグの値が「1」)でなければARTフラグはONであると判定する。ここで、ARTフラグはONであると判定した場合には、上述のナビ番号データ値テーブル2(図27(B)を参照)をセットする(ステップS151)。具体的には、HLレジスタに、ナビ番号データ値テーブル2の先頭アドレス(「E026H」)の値をセットする。このナビ番号データ値テーブル2のセット後、ステップS156に進む。一方、上記ステップS145の判定において、減算不可フラグがONでない場合には、そこからステップS160に進み、上記ステップS147の判定において、CZ前兆カウンタの値とART前兆カウンタの値の少なくとも一方が「0」でない場合は、上記ステップS156に進む。また、上記ステップS149の判定において、MM番号が「2」である場合には、そこから上記ステップS156に進み、上記ステップS150の判定において、ARTフラグがONでないでない場合は、上記ステップS160に進む。
さらに、上記ステップS143の判定において、YK番号の値が「3〜14」の範囲内でない場合は、ステップS152に進み、YK番号の値が「37〜48」の範囲内であるか否かを判定する。具体的には、Aレジスタに、Aレジスタの値から「34」(=37−3)を減算した値をセットし、さらに、Aレジスタの値から「12」(=48−37+1)を減算する演算処理を行う。この演算処理のとき、キャリーフラグの値が1であればYK番号の値が「37〜48」の範囲内であると判定し、演出グループ番号11をセット(具体的には、Dレジスタに「11」をセット)し(ステップS153)、ARTフラグがONであるか否かを判定する(ステップS154)。具体的には、RAMアドレス「F090H」に記憶されているARTフラグの値から「0」を減算し、その演算結果が0(ゼロフラグの値が1)でなければARTフラグがONであると判定する。ここで、ARTフラグがONであると判定した場合には、上述のナビ番号データ値テーブル3(図27(C)を参照)をセットする(ステップS155)。具体的には、HLレジスタに、ナビ番号データ値テーブル3の先頭アドレス(「E02CH」)の値をセットする。次に、ステップS156に進む。
このステップS156では、4ビットデータ取得処理を行う。この4ビットデータ取得処理の内容は上述したものと同じである(図32(B)を参照)。しかし、ここでの4ビットデータ取得処理を開始する際にAレジスタに記憶されている値はYK番号の値そのものではなく、YK番号の値から所定の値(ナビ番号データ値テーブル1〜3の何れかがセットされているのかによって異なる)を減算した値である。具体的には、ナビ番号データ値テーブル1または2がセットされているときのAレジスタの値は「YK番号の値−3」であり、ナビ番号データ値テーブル3がセットされているときのAレジスタの値は「YK番号の値−37」である。そして、ここでの4ビットデータ取得処理によって得られる指定データの値(Aレジスタにセットされた値)は、YK番号の値に対応したナビ番号データ値となる。
この4ビットデータ取得処理を終了するとステップS156に進み、押し順均等抽選処理を行う。この押し順均等抽選処理では、図35(A)に示すように、まず、ナビ番号データ値(4ビットデータ取得処理によって得られた指定データの値)が6以下であるか否かを判定する(ステップS171)。具体的には、Aレジスタの値から「7」(=6+1)を減算する。このとき、キャリーフラグの値が「1」であればナビ番号データ値が6以下であると判定して処理を終え、キャリーフラグの値が「0」であればナビ番号データ値が6以下でないと判定して押し順均等抽選アドレステーブル(図28を参照)をセットする。具体的には、HLレジスタに、押し順均等抽選アドレステーブルの先頭アドレス「E032H」から「7」を減算した値(「E032H−7」)をセットする。次いで、ステップS173に進み、テーブル選択を行う。
このテーブル選択では、図35(B)に示すように、指定アドレスデータセットを行う(ステップS181)。この指定アドレスデータセットでは、図35(C)に示すように、まず、指定アドレスをセットする(ステップS191)。具体的には、HLレジスタに、HLレジスタの値とAレジスタの値を加算した結果の値(「E032H−7+ナビ番号データ値」)をセットする。次いで、指定アドレスデータを取得する(ステップS192)。具体的には、Aレジスタに、HLレジスタの値が示すアドレスに記憶されている値(次に参照するアドレスまでのオフセット値)をセットする。指定アドレスデータを取得すると指定アドレスデータセットからリターンし、図35(B)のステップS182に進み、もう一度指定アドレスをセットする。具体的には、HLレジスタに、HLレジスタの値とAレジスタの値を加算した結果の値(「E032H−7+ナビ番号データ値+オフセット値」)をセットする。この指定アドレスのセットを終了するとテーブル選択からリターンし、図35(A)のステップS174に進み、乱数値の読込みを行う。具体的には、Aレジスタに、押し順均等抽選で用いるソフト乱数によるラッチ数(以下「抽選用乱数」と称する)の値をセットする。次に、バイト抽選を行う(ステップS175)。
このバイト抽選では、図35(D)に示すように、まず、抽選判定回数及び検索番号データを取得する(ステップS201)。具体的には、HLレジスタの値が示すアドレスに記憶されている値の上位4ビットをBレジスタの下位4ビットにセットする。さらに、HLレジスタの値が示すアドレスに記憶されている値の下位4ビットをCレジスタの下位4ビットにセットする。すなわち、Bレジスタに抽せん判定回数、Cレジスタに検索番号データをセットすることになる。次いで、抽選判定回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、HLレジスタに、HLレジスタの値に「1」を加算した値をセットする。また、これとは別に、Bレジスタの値から「1」を減算する演算処理を行う。このときの演算結果が「0」でなければ抽選判定回数が「0」でないと判定してステップS204に進み、演算結果が「0」であれば抽選判定回数が「0」であると判定して当選値を取得する(ステップS203)。具体的には、AレジスタにCレジスタの値をセットする。ここで当選値を取得した場合にはバイト抽選の処理を終える。
上記ステップS204では、抽選用乱数の値から確率データ(置数)の値を減算する演算処理を行う。具体的には、Aレジスタに、Aレジスタの値(抽選用乱数の値)からHLレジスタの値(「E032H−7+ナビ番号データ値+オフセット値+1」)が示すアドレスに記憶されている値をセットする。次いで、抽選テーブルアドレスを更新する(ステップS205)。具体的には、HLレジスタに、HLレジスタの値に「1」を加算した結果の値をセットする。次に、当選したか否かを判定する(ステップS206)。具体的には、上記ステップS204での演算処理の結果におけるキャリーフラグの値が「1」であれば当選と判定してステップS209に進み、キャリーフラグの値が「0」であれば非当選と判定して抽せん判定回数から「1」を減算する処理を行う(ステップS207)。具体的には、Bレジスタに、Bレジスタの値から「1」を減算した結果の値をセットする。そして、抽選判定回数が「0」であるか否かを判定する(ステップS208)。具体的には、Bレジスタの値が「0」でなければ抽選判定回数が「0」でないと判定してステップS204に戻り、演算結果が「0」であれば抽選判定回数が「0」であると判定してステップS209に進む。
このステップS209では、当選値を取得する。具体的には、AレジスタにBレジスタの値をセットする。このときAレジスタに「0」がセットされると、第2ゼロフラグは「1」となる。次いで、当選値0であるか否かを判定する(ステップS210)。具体的には、上記ステップS209での処理の結果による第2ゼロフラグの値が「1」であれば当選値0であると判定して処理を終え、第2ゼロフラグの値が「0」であれば当選値0でないと判定し当選値を生成する(ステップS211)。具体的には、Aレジスタに、Aレジスタの値にCレジスタの値を加算した結果の値をセットする。このときAレジスタにセットされた値が当選値となる。バイト抽選の処理により当選値が決まると、図35(A)のステップS176に進み、ナビ番号を生成する。具体的には、Aレジスタに、Aレジスタの値に「1」を加算した結果の値をセットする。このときAレジスタにセットされた値が、押し順均等抽選処理により決定されたナビ番号の値となる。このように本実施形態では、抽選判定回数と検索番号データという2つのデータを1バイトのデータとして1つのアドレスに記憶しておき、これを押し順均等抽選処理(バイト抽選)において利用するという構成としたことにより、押し順均等抽選処理における処理負荷(処理手順)をかけることなく、押し順均等抽選処理に必要なルックアップテーブル(押し順均等抽選アドレステーブル)のデータ量を低減することが可能となっている。
上述の押し順均等抽選処理からのリターンで、図34(B)のステップS158に進み、RT1に設定されているか否かを判定する。具体的には、HLレジスタに、RAMアドレス「F007H」に記憶されているRT状態番号の値をセットし、HLレジスタの値から「1」を減算する演算処理を行う。このとき演算結果が「0」(ゼロフラグの値が「1」)であればRT1に設定されていると判定してステップS160に進み、演算結果が「0」でなければナビ番号をセットする(ステップS159)。具体的には、EレジスタにAレジスタの値(押し順均等抽選処理により決定されたナビ番号の値)をセットする。セット後ステップS160に進み、ナビ番号及び演出グループ番号を保存する。具体的には、ペアレジスタであるDEレジスタの値を、1つのRAMアドレス「F036H」にセットするという処理を行う。この処理では、Dレジスタの値は、指定されたアドレスよりも1つ上位のアドレス「F037H」に(演出グループ番号の値として)セットされ、Eレジスタの値は、指定されたアドレス「F036H」に(ナビ番号として)セットされる。このようにペアレジスタの値を1つのアドレスにセットするという命令により、ペアレジスタの一方のレジスタの値を指定したアドレスにセットし、ペアレジスタの他方のレジスタの値を指定したアドレスと連続するアドレスにセットする処理のことを「ペアレジスタ値連続セット処理」と称する。このようなペアレジスタ値連続セット処理は、1つのレジスタの値を1つのアドレスにセットするという処理を複数回行うことで同様の処理結果を得る場合よりも、処理負荷を軽減することが可能となる(制御プログラムのデータ量が少なくて済む)。なお、このようなペアレジスタ値連続セット処理は、従来のスロットマシンに搭載されていたCPUでは実行し得なかった処理であり、当然ながらこのような処理を実行するスロットマシンも提案されていなかった。本実施形態では、このような処理を実行可能なCPUが最近実用化されたことに着目し、これを制御プログラムに組み込むことにより、上述の作用効果を獲得したものである。
上記ステップS160の処理が終了するとナビ管理処理も終了し、図34(A)のステップS122に進み、ナビ番号の値が「0」であるか否かを判定する。ここで、ナビ番号の値が「0」でない場合にはMM番号の値が「2」であるか否かを判定し(ステップS123)、MM番号の値が「2」でない場合には指示データを生成する(ステップS124)。具体的には、Aレジスタに、RAMアドレス「F036H」に記憶されたナビ番号)の値をセットし、さらに、セットしたAレジスタの値に「100」を加算する演算処理を行う。次いで、指示データを表示する(ステップS125)。具体的には、Aレジスタの値を、RAMアドレス「F011H」に、指示データの値としてセットする。この指示データ値がセットされると、その後のタイマ割込処理のLED表示(図39のステップMT21を参照)の処理が実行されることにより、WINランプ46jにおいて、ナビ番号が表示される。このように、MM番号が「2」に設定されていない場合のナビ番号の表示は、このタイミングで行われる。上記ステップS125の処理後、ステップS126に進む。また、ステップS122の判定においてナビ番号の値が「0」である場合と、ステップS123の判定においてMM番号の値が「2」である場合には、このタイミングでの指示データの生成及び表示は行わずにステップS126に進む。
このステップS126では、コマンド送信回数をセットする。具体的には、Bレジスタに、「2」をコマンド送信回数の値としてセットする。次に、ナビ番号の出力要求をセットする。具体的には、DEレジスタに、ナビ番号の値が記憶されたRAMアドレス「F036H」の下位の値「36H」と、ナビ番号の情報であることを示す「3900H」とを合算した値をセットする。セット後、ステップS128に進み、制御コマンド連続セットを行う。
この制御コマンド連続セットでは、図36(A)に示すように、まず、制御コマンド生成を行う(ステップS221)。この制御コマンド生成では、図36(B)に示すように、まず、第2制御コマンドを取得する(ステップS231)。具体的には、DEレジスタの値をスタック領域に退避させ、Aレジスタに、{(アドレスの前半部=「F0」)+(アドレスの後半部=Eレジスタの値)}が示すアドレス(=「F036H」)に記憶された値(=ナビ番号の値)をセットする。さらに、Aレジスタの値をEレジスタにセットする。次いで、制御コマンドセット1を行う(ステップS232)。
この制御コマンドセット1では、図36(C)に示すように、まず、割込み禁止を行う(ステップS241)。具体的には、HLレジスタの値をスタック領域に退避させ、割込処理が行われることを禁止にする。次いで、制御コマンドセット2を行う(ステップS242)。この制御コマンドセット2では、図36(D)に示すように、まず、制御コマンドバッファアドレスをセットする(ステップS251)。具体的には、HLレジスタに、制御コマンドバッファの先頭アドレス「F106H」の値に「1」を加算した値をセットする。次いで、制御コマンド書込ポインタを取得する(ステップS252)。具体的には、Aレジスタに、RAMアドレス「F01AH」に記憶されている制御コマンド書込ポインタの値をセットする。次に、指定アドレスをセットする(ステップS253)。具体的には、HLレジスタに、HLレジスタの値(「F106H+1」)にAレジスタの値(制御コマンド書込ポインタの値)を加算した結果の値をセットする。その後、指定アドレスデータセットを行う(ステップS254)。
この指定アドレスデータセットの内容は上述したものと同じである(図35(C)を参照)。すなわち、まず、指定アドレスをセットする(ステップS191)。具体的には、HLレジスタに、HLレジスタの値とAレジスタの値を加算した結果の値(「F106H+1+制御コマンド書込ポインタの値+制御コマンド書込ポインタの値」)をセットする。次いで、指定アドレスデータを取得する(ステップS192)。具体的には、Aレジスタに、HLレジスタの値が示すアドレスに記憶されている値(第2制御コマンドのデータ値)をセットする。なお、このときAレジスタに「0」がセットされると、第2ゼロフラグが「1」となる。
この指定アドレスデータセットの終了後、制御コマンドが「64」未満であるか否かを判定する(ステップS255)。具体的には、上記ステップS192の処理の結果における第2ゼロフラグが「0」であれば制御コマンドが「64」以上であると判定して処理を終了し、第2ゼロフラグが「1」であれば制御コマンドが「64」未満であると判定し、制御コマンドをセットする(ステップS256)。具体的には、HLレジスタに、HLレジスタの値から「1」を減算した結果の値(「F106H+1+制御コマンド書込ポインタの値+制御コマンド書込ポインタの値−1」)をセットする。さらに、HLレジスタの値が示すアドレスにDEレジスタの値(「3900H」+「ナビ番号の値」)をセットする。このDEレジスタの値のセットは、上述のペアレジスタ値連続セット処理に該当する。
この制御コマンドのセットの終了後、制御コマンド書込ポインタを更新する(ステップS257)。具体的には、HLレジスタに、制御コマンド書込ポインタの値が記憶されたRAMアドレス「F01AH」の値をセットし、HLレジスタの値が示すアドレス「F01AH」に記憶されている値(制御コマンド書込ポインタの値)から「31」を減算する。このとき、キャリーフラグが「1」であれば、HLレジスタの値が示すアドレスに記憶されている値に「1」を加算した結果の値をHLレジスタの値が示すアドレスにセットし、キャリーフラグが「0」であれば「0」をHLレジスタの値が示すアドレスにセットする。この制御コマンド書込ポインタの更新の処理後、図36(C)のステップS243に進み、割込みを許可する。具体的には、スタック領域に退避させていた値をHLレジスタに復帰させ、割込処理が実行されることを許可する。
この割込み許可の処理の終了後、図36(A)のステップS243に進み、制御コマンドを更新する(ステップS222)。具体的には、Dレジスタの値を「1」インクリメントし、Eレジスタの値を「1」インクリメントする。これにより、DEレジスタに、演出グループ番号の値が記憶されたRAMアドレス「F037H」のアドレス後半部の値「37H」と、演出グループ番号の情報であることを示す「3A00H」とを合算した値がセットされることになる。次いで、コマンド送信回数が終了したか否かを判定する(ステップS223)。具体的には、Bレジスタに、Bレジスタの値から「1」を減算した結果の値をセットする。このとき、Bレジスタの値が「0」であればコマンド送信回数が終了したと判定して処理を終了し、Bレジスタの値が「0」でなければステップS221に戻り、再び制御コマンド生成処理を行う。なお、1回目の制御コマンド生成処理では、ナビ番号コマンドの情報が制御コマンドバッファにセットされるのに対し、2回目の制御コマンド生成処理では、演出グループ番号コマンドの情報が制御コマンドバッファにセットされることとなる。制御コマンドバッファにセットされた制御コマンドの情報は、セットされた順序に従って、副制御手段200に送信されるようになっている。このように制御コマンド連続セット処理では、最初に1つのアドレスを指定すれば、その指定したアドレスと連続する複数のアドレスに記憶された各情報に対応した複数の制御コマンドを連続して生成することができるので、アドレスを1つ1つ個別に指定しながら制御コマンドを生成する場合に比べて、処理負荷を軽減することが可能となっている(アドレスを1つ1つ個別に指定するよりも、ステップS222の処理を行う方が制御プログラムのデータ量が少なくて済む)。
制御コマンド連続セット処理の終了後、図34(A)のステップS129に進み、YYK番号の出力要求をセットする。具体的には、DEレジスタに、YYK番号の値が記憶されたRAMアドレス「F009H」の下位の値「09H」と、YYK番号の情報であることを示す「3B00H」とを合算した値をセットする。セット後、ステップS130に進み、制御コマンド生成処理を行う。この制御コマンド生成処理の内容は上述したものと同じである(図36(B)〜(D)を参照)。しかし、ここで制御コマンド生成処理によって制御コマンドバッファにセットされる制御コマンドの情報は、YYK番号コマンドの情報となる。こので制御コマンド生成処理の終了後、コマンド送信待ちを行い(ステップS131)、最小遊技時間が経過するまで待機する(ステップS132)。
次いで、ナビ番号の値が「0」であるか否かを判定する(ステップS133)。ここで、ナビ番号の値が「0」でない場合にはMM番号の値が「2」であるか否かを判定し(ステップS134)、MM番号の値が「2」である場合には指示データを生成する(ステップS135)。具体的には、Aレジスタに、RAMアドレス「F036H」に記憶されたナビ番号)の値をセットし、さらに、セットしたAレジスタの値に「100」を加算する演算処理を行う。次いで、指示データを表示する(ステップS136)。具体的には、Aレジスタの値を、RAMアドレス「F011H」に、指示データの値としてセットする。この指示データ値のセットによりWINランプ46jにおいて、ナビ番号が表示される。このように、MM番号が「2」に設定されている場合のナビ番号の表示は、MM番号が「2」に設定されていない場合のナビ番号の表示のタイミングよりも遅く、このタイミングで行われる。上記ステップS135の処理の終了によりナビ番号セット処理も終了する。また、ステップS133の判定においてナビ番号の値が「0」である場合と、ステップS134の判定においてMM番号の値が「2」でない場合には、このタイミングでの指示データの生成及び表示は行わずにナビ番号セット処理を終了する。
ナビ番号セット処理を終了すると、図32(C)のレバー制御処理も終了し、図31(A)のステップS5に進み、回胴停止管理処理を行う。この回胴停止管理処理では、各リールの回転開始から定速状態に至るまでの回転状態を管理するともに、ストップスイッチの操作が受け付けられた場合には、その受け付けたタイミングと役決定処理の結果に応じて停止可能位置を定め、リールの減速から停止に至るまでの回転状態を管理する処理を行う。
次いで、表示判定処理を行う(ステップS6)。この表示判定処理では、各リールにおける停止表示図柄を確認する。さらに、停止表示された図柄組合せが遊技メダルの払出対象となる入賞役(小役)の対応図柄である場合に、遊技メダルの払出しを行う。この遊技メダルの払出しは、貯留可能である場合は貯留数に加算する処理により行い、貯留数が上限値に達した場合はホッパーから遊技メダルを実際に払い出すことにより行う。
次に、遊技終了チェック処理を行う(ステップS7)。この遊技終了チェック処理では、図37(A)に示すように、まず、再遊技作動状態フラグをクリアする(ステップS261)。続いて、ボーナス作動中(作動状態フラグに基づいてBB作動中)であるか否かを判定する(ステップS262)。ここで、ボーナス作動中であると判定した場合にはBB作動管理を行い(ステップS263)、ボーナス作動中でないと判定した場合にはRT状態管理を行う(ステップS264)。
上記BB作動管理では、図37(B)に示すように、まず、BB作動終了であるか否かを判定する(ステップS271)。ここで、BB作動終了の場合にはARTフラグがONであるか否かを判定し(ステップS272)、ARTフラグがONでない場合には、さらにART初当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS273)。ここで、ART初当りフラグがONである場合にはARTフラグをONにし(ステップS274)、さらにART初当りフラグをOFFにし(ステップS275)、MM番号の値として「4」を保存する(ステップS276)。また、上記ステップS272の判定においてARTフラグがONである場合には、上記ステップS273〜S275の処理は行わずに、MM番号の値として「4」を保存し、上記ステップS273の判定においてART初当りフラグがONでない場合には、MM番号の値として「0」を保存する。MM番号の保存後、RT状態番号の値として「1」を保存し(ステップS278)、作動状態フラグをクリアし(ステップS279)、作動種別をクリアし(ステップS280)、処理を終了する。一方、上記ステップS271の判定においてBB作動終了でない場合には、RB作動管理(詳細は省略)を行う。
上記RT状態管理では、図37(C)に示すように、まず、条件(図14に示す移行条件)に従いRT状態番号の値を保存する(ステップS286)。次いで、非RT(RT状態番号0)であるか否かを判定し(ステップS287)、非RTである場合には減算不可フラグをOFFにして(ステップS288)処理を終了し、非RTでない場合にはそのまま処理を終了する。
遊技終了チェック処理を終了すると図31(A)のステップS8に進み、MM番号管理処理を行う。このMM番号管理処理では、図38(A)に示すように、まず、ボーナス作動中であるか否かを判定し(ステップS291)、ボーナス作動中でない場合には、さらにYYK番号が「0」であるか否かを判定する(ステップS292)。ここで、YYK番号が「0」でない場合と、ステップS291の判定においてボーナス作動中である場合には処理を終了する。一方、YYK番号が「0」である場合には、さらにMM番号が「0」または「1」であるか否かを判定する(ステップS293)。ここで、MM番号が「0」または「1」である場合には、減算不可フラグがONであるか否かを判定し(ステップS296)、減算不可フラグがONである場合には処理を終了し、ONでない場合にはART初当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS297)。
ここで、ART初当りフラグがONである場合にはART前兆カウンタの値を「1」減算し(ステップS298)、ART前兆カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS299)。ここで、ART前兆カウンタの値が「0」である場合には、MM番号の値として「3」を保存し(ステップS300)、ARTフラグをONにし(ステップS301)、ART遊技カウンタの値に「50」を加算する(ステップS302)。さらに、CZ前兆カウンタをクリアし(ステップS303)、ART初当りフラグをOFFにして(ステップS304)処理を終了する。また、上記ステップS299の判定においてART前兆カウンタの値が「0」でない場合には、上記ステップS300〜S304の処理は行わずに処理を終了する。
また、上記ステップS297の判定においてART初当りフラグがONでない場合にはステップS305に進み、MM番号が「1」であるか否かを判定する。ここで、MM番号が「1」でない場合には処理を終了するが、MM番号が「1」である場合には、CZ前兆カウンタの値を「1」減算し(ステップS306)、CZ前兆カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS307)。ここで、CZ前兆カウンタの値が「0」でない場合には処理を終了するが、CZ前兆カウンタの値が「0」である場合には、さらにMM番号の値として「2」を保存し(ステップS308)、CZ遊技カウンタの値として「10」をセットして(ステップS309)処理を終了する。
一方、上記ステップS293の判定においてMM番号が「0」でも「1」でもない場合には、MM番号が「2」であるか否かを判定する(ステップS294)。ここで、MM番号が「2」である場合には、CZ遊技カウンタの値を「1」減算し(ステップS310)、CZ遊技カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS311)。ここで、CZ遊技カウンタの値が「0」でない場合には処理を終了するが、CZ遊技カウンタの値が「0」である場合には、ART初当りフラグがONであるか否かを判定する(ステップS312)。ここで、ART初当りフラグがONである場合には、MM番号の値として「3」を保存し(ステップS313)、ARTフラグをONにし(ステップS314)、ART遊技カウンタの値に「50」を加算する(ステップS315)。さらに、ART初当りフラグをOFFにして(ステップS316)処理を終了する。また、上記ステップS312の判定においてART初当りフラグがONでない場合には、MM番号の値として「0」を保存して(ステップS317)処理を終了する。
さらに、上記ステップS294の判定においてMM番号が「2」でない場合には、MM番号が「3」であるか否かを判定する(ステップS295)。ここで、MM番号が「3」である場合には、ART遊技カウンタの値を「1」減算し(ステップS318)、ART遊技カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS319)。ここで、ART遊技カウンタの値が「0」でない場合には処理を終了するが、ART遊技カウンタの値が「0」である場合には、MM番号の値として「0」を保存して(ステップS320)処理を終了する。
また、上記ステップS295の判定においてMM番号が「3」でない場合(MM番号が「4」の場合)には、非RTに設定されているか否かを判定する(ステップS321)。ここで、非RTに設定されていない場合には処理を終了するが、非RTに設定されている場合には、MM番号の値として「3」を保存して(ステップS322)処理を終了する。このMM番号管理処理を終了すると図31(A)のステップS1に戻り、遊技進行制御処理が繰り返される。
<タイマ割込処理>
本実施形態では、遊技者により行われるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信、リールの駆動制御等の処理が、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実施されるタイマ割込処理によって行われる。このタイマ割込処理では、図39に示すように、まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を行い(ステップMT11)、次に、電源断が検知されたか否かを判定する(ステップMT12)。ここで、電源断が検知されていれば電源断処理を行う(ステップMT25)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等が行われる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報(ARTに関する情報を含む)の保持や、チェックサムの算出及び記憶等の処理も行われる。
一方、電源断が検知されていなければ、割込みカウンタ値を更新(「1」減算)する処理を行い(ステップMT13)、さらにタイマ計測を行う(ステップMT14)。このタイマ計測は、上述の遊技進行制御処理においてセットされた任意のタイマのタイマ値の減算や加算処理等を行うものである。次に、入力ポートの読込みを行う(ステップMT15)。この入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号等の信号レベルの読込みと記憶、信号レベルの判定等が行われる。
次いで、リール3a〜3cの駆動(回転の加速、減速、定速維持や停止維持等)を制御するためのリール駆動制御処理を行う(ステップMT16)。このリール駆動制御処理では、リール駆動状態(停止、リール回転待機中、加速中、定速中、減速中等)に応じて、ステッピングモータの出力相(励磁相)を切り替えるタイミングを示すリール駆動パルス出力カウンタ値の更新や、ステッピングモータを駆動させるリール駆動パルスデータの取得、更新、出力等の処理が行われる。次のステップMT17では、リール駆動制御処理を全リールに対し実行したか否かを判定し、実行していない場合には上記ステップMT16に戻り、リール駆動制御処理を再度行う。一方、全リールに実行した場合には、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を行い(ステップMT18)、さらに、制御コマンドバッファ(CB)に記憶された制御コマンドを送信する制御コマンド送信処理を行う(ステップMT19)。
次に、ステップMT20に進み、所定の記憶領域に記憶されていた外端信号(外部信号)データを読み出し、外端信号を出力する。次いで、上述の表示用ランプに所定の表示を実行させるLED表示を行う(ステップMT21)。このLED表示では、例えば、WINランプ46jにおいて、次のような表示を実行させる。すなわち、エラー(E系エラーを除く)が発生していない場合には、RAMアドレス「F011H」に記憶された獲得枚数のデータ値に基づき払出数「0〜9」を表示させたり、同アドレスに記憶された設定変更装置作動中のデータ値に基づき「88」という数値を表示させたりする。さらに、上述の指示データ値がRAMアドレス「F011H」にセットされている場合には、そのセットされた指示データ値に対応したナビ番号を表示させる。また、エラー(E系エラーを除く)が発生している場合には、RAMアドレス「F014H」に記憶されたエラー番号のデータ値に基づきエラー表示を実行させる。
次に、ステップMT22に進み、エラー管理を行う。このエラー管理では、まず、エラーチェックを行う。このエラーチェックでは、H0エラーが発生したか否かの判定、CEエラーが発生したか否かの判定、CPエラーが発生したか否かの判定、CHエラーが発生したか否かの判定、C0エラーが発生したか否かの判定、C1エラーが発生したか否かの判定、E6エラーが発生したか否かの判定、E7エラーが発生したか否かの判定を行い、さらに、E6エラーまたはE7エラーが発生した場合には、WINランプ46jにエラー表示させ、遊技の実行を停止させる処理などを行う。なお、E系のエラーが発生した場合には、後述の設定変更装置処理が実行されればエラー復帰が可能となる。このエラーチェックの後、エラーが発生している場合には、副制御手段200にエラー情報を送信するためのエラー検出時の出力要求セットの処理を行う。このエラー管理の処理を実行後、役抽選等に用いる乱数を更新する処理行い(ステップMT23)、さらに割込復帰処理(レジスタの復帰、割込許可等)を行い(ステップMT24)、割込リターンする。
主制御手段100において行われる他の制御処理としては、主制御電源投入処理及び設定変更装置処理がある。主制御電源投入処理は、主制御手段100への電力の供給が開始されたとき(電源投入時)に行われる処理であり、仮スタックポインタのセットやチェックサムの算出、チェック等が行われ、電源復帰の処理が行えるように処理される。また、設定鍵型スイッチ83がONされているか否の判定が行われ、ONされている場合には、次述する設定変更装置処理に移行する。一方、設定鍵型スイッチ83がONされていない場合には、スタックポインタの復帰や割込みの起動が行われ、さらには、電源断時に所定の記憶領域に記憶されていた、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報(ARTに関する情報)等に基づき遊技が行われる。
設定変更装置処理は、上述の主制御電源投入処理において、設定鍵型スイッチ83がONされた場合に実行される処理であり、遊技店員等による設定変更スイッチ84の設定変更指令操作が確定した場合に、スタックポインタの初期化や割込みの初期化、電源断時に保存された情報のクリア処理が行われる。また、設定変更時に設定された設定値が所定の記憶領域に格納され、前述した遊技進行制御処理に移行する。
<プログラム開始処理>
次に、サブメイン制御手段200Aにより実行されるプログラム開始処理について説明する。このプログラム開始処理は、図40(A)に示すように、電源が投入されたことにより開始され、まず、割込みが禁止され(ステップU11)、次いで、各種の初期化処理(CPUやRAMの初期化、チェックサムの算出等)が行われる(ステップU12)。次に、電源投入時に算出したチェックサム値と電源断時に算出し記憶したチェックサム値とが一致するか否かを判定する(ステップU13)。
ここで、両者が一致していれば、次述するサブメインループ処理の1コマンド処理中に電源断が発生した状態から復帰した状態(以下「完全復帰」と称する)か否かを判定し(ステップU14)、完全復帰であれば割込許可し(ステップU15)、電源断時に実行中であった1コマンド処理に戻る。一方、上記ステップU13の判定において、チェックサムが一致していなければRAMをクリアし(ステップU16)、サブメインループ処理に移行する。また、上記ステップU14の判定において、完全復帰でなければそこから直接サブメインループ処理に移行する。
<サブメインループ処理>
サブメインループ処理では、図40(B)に示すように、まず、WDT(ウオッチドッグタイマ)をクリアし(ステップV11)、次いで、WDTの作動を開始する(ステップV12)。次に、割込み許可し(ステップV13)、16ms毎処理(画像表示装置が正常に起動しているか否かの監視、電源投入時間の計時、画像表示装置に送信する信号データ(コマンド)を所定の記憶領域(コマンドバッファ)に記憶する等)を行う(ステップV14)。
次に、1コマンド処理(主制御手段100からの制御コマンドに基づく処理であり、一例を後述する)を行い(ステップV15)、16ms(時間は任意に設定可)経過したか否かを判定し(ステップV16)、経過していなければ上記ステップV15に戻る。一方、16ms経過していれば上記ステップV11に戻る。
<電源断処理>
図40(C)に示す電源断処理は、サブメイン制御手段200Aが電源断を検知したことにより開始される処理で、まず、WDTを停止し(ステップW11)、次いで、プログラム開始処理中であるか否かを判定する(ステップW12)。ここで、プログラム開始処理中でなければチェックサムを算出し(ステップW13)、さらに各種データ(チェックサムの算出結果、実行していたプログラムの番地等)を退避(保持)し(ステップW14)、ステップW15に進む。一方、上記ステップW12の判定において、プログラム開始処理中であれば上記ステップW13,W14の処理は行わずにステップW15に進む。
このステップW15では、500ms(時間は任意に設定可)が経過したか否かを判定する。ここで、500ms経過していれば電源断処理を終了する。一方、500ms経過していなければ電源が復帰したか否かを判定する(ステップW16)。ここで、電源が復帰していれば瞬断発生回数を更新し(ステップW17)、WDTの作動を開始し(ステップW18)、電源断時に実行中の処理に戻る。一方、上記ステップW16の判定において、電源が復帰していなければ上記ステップW15に戻る。
<1コマンド処理>
図41(A)に示す1コマンド処理では、役物の役決定結果番号(YYK番号)の情報を含む制御コマンド(YYK番号コマンド)を受信したか否かを判定する(ステップV101)。ここで、YYK番号コマンドを受信した場合には、ステップV102に進み、スタートレバー時の処理を実行する。もちろん、YYK番号コマンドではなく、演出グループ番号コマンドを受信した場合に、スタートレバー時の処理を実行するようにしてもよい。このスタートレバー時の処理では、図41(B)に示すように、まず、ナビ番号が1〜6の何れかであるか否かを判定(YYK番号コマンドよりも先に、ナビ番号コマンドを受信しているので、それに基づき判定)する(ステップV121)。ここで、ナビ番号が1〜6の何れかである場合には、受信したナビ番号に対応する押し順ナビ演出(このとき演出グループ番号に対応するように、押し順ナビ演出の報知態様(色等)を決定してそれを表示してもよい)を行い(ステップV122)、リターンする。一方、ナビ番号が1〜6ではない場合(0の場合)には、上記ステップV122の処理は行わずにリターンする(MM番号2のときにはナビ番号0でも押し順ナビ演出を行うことがあるが、この場合の処理については省略する)。
このスタートレバー時の処理からのリターンで、図41(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV101の判定において、YYK番号コマンドを受信していない場合には、ステップV103に進み、リール回転開始の情報を含む制御コマンド(以下「リール回転開始コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、リール回転開始コマンドを受信した場合には、ステップV104に進み、演出の切替え等の処理を行い、リターンする。一方、リール回転開始コマンドを受信していない場合には、ステップV105に進み、第一回胴停止受付の情報を含む制御コマンド(以下「第一回胴停止受付コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第一回胴停止受付コマンドを受信した場合には、ステップV106に進み、第一回胴停止受付時の処理を行う。
この第一回胴停止受付時の処理では、図42(A)に示すように、まず、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップV141)。ここで、押し順ナビ演出を実行中ではない場合には、そのまま第一回胴停止受付時の処理を終了してリターンする。一方、押し順ナビ演出を実行中である場合には、ステップV142に進み、遊技者により実行された第一押し順が正解であるか否かを判定する。ここで、押し順正解である場合にはステップV143に進み、押し順ナビ演出を切り替える処理(第一押し順の表示の消去等を含む)を行いリターンする。一方、押し順不正解である場合には、ステップV144に進んで押し順ナビ演出を終了し、失敗演出(押し順が不正解であることを報知する演出)を実行し(ステップV145)、リターンする。
この第一回胴停止受付時の処理からのリターンで、図41(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV105の判定において、第一回胴停止受付コマンドを受信していない場合には、ステップV107に進み、第一回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下「第一回胴停止コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第一回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV108に進み、入賞期待表示(停止音等を含む)の処理を行い、リターンする。一方、第一回胴停止コマンドを受信していない場合には、ステップV109に進み、第二回胴停止受付の情報を含む制御コマンド(以下「第二回胴停止受付コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第二回胴停止受付コマンドを受信した場合には、ステップV110に進み、第二回胴停止受付時の処理を行う。
この第二回胴停止受付時の処理では、図42(B)に示すように、まず、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップV151)。ここで、押し順ナビ演出を実行中ではない場合には、そのまま第二回胴停止受付時の処理を終了してリターンする。一方、押し順ナビ演出を実行中である場合には、ステップV152に進み、遊技者により実行された第二押し順が正解であるか否かを判定する。ここで、押し順正解である場合にはステップV153に進み、押し順ナビ演出を切り替える処理(第二押し順の表示の消去等を含む)を行いリターンする。一方、押し順不正解である場合には、ステップV154に進んで押し順ナビ演出を終了し、失敗演出を実行し(ステップV155)、リターンする。この第二回胴停止受付時の処理からのリターンで、図41(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV109の判定において、第二回胴停止受付コマンドを受信していない場合には、ステップV111に進み、第二回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下「第二回胴停止コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第二回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV112に進み、入賞期待表示(停止音、テンパイ音を出力する場合等を含む)の処理を行い、リターンする。一方、第二回胴停止コマンドを受信していない場合には、ステップV113に進み、第三回胴停止受付の情報を含む制御コマンド(以下「第三回胴停止受付コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第三回胴停止受付コマンドを受信した場合には、ステップV114に進み、第三回胴停止受付時の処理を行う。
この第三回胴停止受付時の処理では、図42(C)に示すように、まず、押し順ナビ演出を実行中であるか否かを判定する(ステップV161)。ここで、押し順ナビ演出を実行中ではない場合には、そのまま第三回胴停止受付時の処理を終了してリターンする。一方、押し順ナビ演出を実行中である場合には、ステップV162に進んで押し順ナビ演出を終了し、リターンする。
この第三回胴停止受付時の処理からのリターンで、図41(A)に示す1コマンド処理も終了してリターンする。一方、1コマンド処理の上記ステップV113の判定において、第三回胴停止受付コマンドを受信していない場合には、ステップV115に進み、第三回胴停止の情報を含む制御コマンド(以下「第三回胴停止コマンド」と称する)を受信したか否かを判定する。ここで、第三回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV116に進み、入賞期待表示(停止音等を含む)の処理を行い、リターンする。一方、第三回胴停止コマンドを受信していない場合には、ステップV117に進み、全回胴停止の情報を含む制御コマンド(全回胴停止コマンド)を受信したか否かを判定する。ここで、全回胴停止コマンドを受信した場合には、ステップV118に進み、演出の切替え等の処理を行い、リターンする。一方、全回胴停止コマンドを受信していない場合には、そのままリターンする。
[WINランプ及び画像表示装置の表示内容の変遷]
次に、上述のスロットマシン1における制御処理の流れに応じて、メイン側のWINランプ46jとサブ側の画像表示装置11における表示内容がどのように変遷していくのかについて、図43〜49を追加参照して説明する。これらの図には、制御処理の概略的な流れと内容が図の左側に記載され、その制御処理に応じた、WINランプの表示内容と画像表示装置の表示内容が図の右側にそれぞれ記載されている。また、図の左右方向中央部には、RAM63の2つのアドレス(「F011H」と「F014H」)に記憶されるデータ値の変遷を示している。既述したように、アドレス「F011H」には、獲得枚数を示すデータ、設定変更装置作動中であることを示すデータ、ナビ番号を指示するための指示データの何れかが記憶され、アドレス「F014H」には、発生したエラーのエラー番号のデータが記憶されるようになっている(図29を参照)。
また、図43〜49に記載した制御処理の中には、その処理中に、エラーが発生したか否かの判定を行うものがある。そのことについては、図には記載していないので、ここで説明する。例えば、プログラム開始の処理では、設定変更装置処理を行わない場合に、E1エラーが発生したか否かの判定を行うとともに、E1エラーが発生した場合にはWINランプにエラー表示させ、遊技の実行を停止させる処理を行う。また、遊技メダル投入チェックの処理では、H0エラー、CEエラー、CPエラー、CHエラー、C0エラー、C1エラーの何れかが発生した場合(エラー発生の有無の判定は、タイマ割込処理中のエラーチェックの処理において行う)に、その発生したエラーのエラー番号のデータをアドレス「F014H」にセットするとともに、エラーが解除されるまで遊技の実行を停止させる処理を行い、エラーが解除された場合にエラー番号のデータをクリアする処理を行う。なお、これと同じ処理が、投入・払出センサ異常表示の処理でも行われる。
さらに、遊技メダル1枚払出しの処理では、HPエラー、HEエラーの何れかが発生したか否かの判定を行うとともに、何れかのエラーが発生した場合に、その発生したエラーのエラー番号のデータをアドレス「F014H」にセットし、エラーが解除された場合にはエラー番号のデータをクリアする処理を行う。また、オーバーフロー表示の処理では、FEエラーが発生したか否かの判定を行うとともに、FEエラーが発生した場合にはそのエラー番号のデータをアドレス「F014H」にセットし、エラーが解除された場合にはエラー番号のデータをクリアする処理を行う。さらに、表示判定処理では、E5エラーが発生したか否かの判定を行うとともに、E5エラーが発生した場合にはWINランプにエラー表示させる処理を行う。
以下、図43,44に示す「(A1)基本パターン(設定変更装置処理を経た場合)」を例にとって、WINランプ及び画像表示装置の表示内容の変遷について具体的に説明する。図43に示すように、プログラム開始の処理時、アドレス「F011H」には、獲得枚数を示すデータ(「0〜9」)、設定変更装置作動中であることを示すデータ(「88」)、ナビ番号を指示するための指示データ(「101〜106」)の何れかがセットされており、アドレス「F014H」には、エラー番号「00H」のデータがセットされるとする。このとき、WINランプは消灯しており、画像表示装置には何も表示されていない。次に、設定変更装置処理が行われてRAMが初期化される。このRAM初期化により、アドレス「F011H」とアドレス「F014H」はクリアされ、それぞれ、「0」と「00H」のデータがセットされる。このとき、WINランプは消灯されたままであるが、画像表示装置には「画像準備中」が表示される。
さらに、割込み起動(割込処理が実行開始)されると、WINランプには「00」が表示され、画像表示装置には「画像準備中」の表示が継続して行われる。次いで、設定変更装置作動中のデータ「88」がアドレス「F011H」にセットされ、これにより、WINランプには「88」が表示され、画像表示装置には「設定変更中」が表示される。また、設定変更が終わって設定変更作動中のデータがクリアされると、WINランプには「00」が表示され、画像表示装置には演出画面(演出用画像)が表示される。
次に、遊技進行制御処理において、遊技開始セット処理における遊技メダル1枚加算の処理(再遊技時実行される処理)、または、遊技メダル管理処理(上述の遊技進行制御処理に関する説明では省略している)中の遊技メダルチェックの処理における遊技メダル1枚加算の処理(メダル投入口からの投入時に実行される処理)あるいは貯留投入の処理における遊技メダル1枚加算の処理(ベットスイッチ操作時に実行される処理)が行われると、アドレス「F011H」がクリアされるが、設定変更により既にクリアされているため、特に変化はない。このため、WINランプにおける「00」の表示、画像表示装置における演出画面の表示は継続される。なお、上記遊技メダル1枚加算の処理は、ベットの規定数に応じて、最大で3回繰り返し実行される。
さらに、遊技進行制御処理中のレバー制御処理において、指示データの生成及び指示データの表示の処理が行われると、指示データ「101〜106」の何れかがアドレス「F011H」に保存され、これにより、WINランプには「=1」(指示データが「101」の場合を例示、以下において同じ)が表示される。さらに、メイン側においてナビ番号の出力要求がセットされてナビ番号コマンドがサブに送信され、そのコマンドの内容に応じて、画像表示装置では演出画面の表示と併せて、押し順報知の画像(押し順ナビ演出)が表示される。なお、指示データの生成及び指示データの表示の処理が行われるタイミングは、上述したように、MM番号の値が「2」に設定されているか否かによって2つあり(一方を「基本のタイミング」、他方を「遅めのタイミング」と称する)、それに応じて、WINランプにおけるナビ番号の表示開始タイミングも2つの場合がある。これに対し、ナビ番号の出力要求のタイミングは1つ(基本のタイミングの直後)である。画像表示装置では、ナビ番号コマンドがサブに送信されたタイミングではなく、MM番号の値に応じて、ナビ番号コマンドの後に送信されるコマンドに基づき、押し順ナビ演出の表示開始タイミングを変える(例えば、基本のタイミングに応じて表示開始する場合にはサブがYYK番号コマンド受信したことを契機とし、遅めのタイミングに応じて表示開始する場合にはサブが全回胴回転開始コマンドを受信したことを契機とする)ようになっている。
次いで、遊技進行制御処理中の表示判定処理において、アドレス「F011H」がクリアされ、これに応じて、WINランプにおけるナビ番号の表示が終了して、「00」が表示される。なお、画像表示装置における押し順ナビ演出の表示は、それよりも早い段階(正解押し順であるか否かで異なる)で終了している。
さらに、遊技進行制御処理中の入賞による遊技メダル払出しの処理において、遊技メダル1枚払出しの処理(ホッパーからの払出時に実行される処理)または貯留数の1枚加算の処理(貯留数に加算する払出時実行される処理)が行われると、その実行回数(払出数と同じ)に応じて、アドレス「F011H」に獲得枚数のデータ(「1」から最大で「9」まで)が順次インクリメントされながらセットされる。また、これに応じて、WINランプにおいて払出数の表示が「01」、「02」、「03」と順次更新されながら表示される(3枚払出しの場合を例示)。なお、画像表示装置では、払出数の表示は行われず、演出画面画の表示が継続されるが、画像表示装置においても払出数を表示するようにしてもよい。
また、再び、遊技開始セット処理における遊技メダル1枚加算の処理、または、遊技メダル管理処理における遊技メダルチェックの処理あるいは貯留投入の処理が行われると、アドレス「F011H」がクリアされ、「0」のデータがセットされる。これに応じて、WINランプにおける払出数の表示は終了し、「00」が表示される。一方、画像表示装置では、演出画面画の表示が継続される。
以下では、他のパターンの場合について補足的に説明する。図45の上部に示している「(A2)電源復帰の場合(すなわち設定変更装置処理を経ない場合)」のパターンでは、入賞による遊技メダルの払出し後に電源断した場合を例示している。この例の場合、電源復帰の処理中の割込み起動により、電源断時にWINランプに表示されていた払出数(「09」を例示)が表示される。画像表示装置では、「画像準備中」が表示される。
図45の下部に示している「(A3)ナビ番号0以外、MM番号2以外のときであり、ナビ番号の出力要求の直前に電源断した場合」のパターンでは、WINランプではナビ番号が表示され(「=1」を例示)、画像表示装置では押し順報知がされていない(演出画面を表示中の)段階で電源断した場合を例示している。この例の場合、電源断により、WINランプが消灯し、画像表示装置による表示も消える。ただし、RAMアドレス「F011H」に記憶されていたデータはそのまま保存されている。そして、電源復帰の処理中の割込み起動により、電源断時にWINランプに表示されていたナビ番号(「=1」)が表示される。また、割込み起動後の遊技進行制御処理において、ナビ番号の出力要求がセットされてナビ番号コマンドがサブに送信され、そのコマンドの内容に応じて、画像表示装置では、押し順報知の画像が表示される。
図46に示している「(A4)ナビ番号0以外、MM番号2以外のときであり、ナビ番号の出力要求の直後に電源断した場合」のパターンは、上記(A3)と略同じタイミングで電源断した場合を例示しているが、こちらの場合は、電源断前に、ナビ番号コマンドがサブに送信されている。このため、画像表示装置において押し順報知画像の表示が開始されるタイミングが、上記(A3)の場合よりも早くなる。
図47に示している「(A5)回胴停止管理中(少なくとも定速回転後)に電源断した場合」のパターンでは、正解押し順に従って第一停止操作として左ストップスイッチ(左リールに対応するストップスイッチ)の操作が受け付けられた後に、電源断した場合を例示している。この例の場合、電源復帰の処理中の割込み起動後、画像表示装置では、電源断時に表示していた押し順報知の画像が表示される。
図48に示している「(A6)スタートレバー受付後から全回胴停止前までにC0エラーが発生した場合」のパターンでは、WINランプ及び画像表示装置において押し順報知を開始した段階で、C0エラーが発生した場合を例示している。この例の場合、C0エラーの発生後も、WINランプ及び画像表示装置における押し順報知は継続される。その後、投入・払出センサ異常表示の処理において、RAMアドレス「F014H」にエラー番号のデータ「85H」がセットされると、WINランプでは「C0」が表示され、画像表示装置では「C0エラー」が表示される。さらに、遊技が停止されてエラーが解除され、アドレス「F014H」のエラー番号のデータがクリアされると、WINランプでの表示が「C0」から「00」に切り替わり、画像表示装置での表示が「C0エラー」から演出画面に切り替わる。なお、画像表示装置では、C0エラーの発生後に直ちに「エラー」の表示を行うようにしてもよい。この場合、RAMアドレス「F014H」にエラー番号のデータ「85H」がセットされた後であっても、「C0エラー」の表示は行わないようにしてもよいし、「エラー」の表示から「C0エラー」の表示に切替えてもよい。
図49に示している「(A7)スタートレバー受付後から全回胴停止前までにE6エラーが発生した場合」のパターンでは、WINランプ及び画像表示装置において押し順報知を開始した段階で、E6エラーが発生した場合を例示している。この例の場合、E6エラーの発生後、WINランプにおいて「E6」が表示される。その後すぐに遊技が停止され、電源断されると、WINランプが消灯され、画像表示装置の表示も消える。その後、設定変更装置処理が行われ、それに応じて、WINランプの表示が「00」、「88」、「00」と順次切り替わるが、その内容は上記(A1)の場合と同じである。
<変更態様>
以下、変更態様について説明する。
上記実施形態では、図18に示すように、1つのYK番号に対応付けされる役決定グループ番号の値は、設定されているメインモードの違いによらず一定に設定されている。これに対し、図50,51に示すように、或るYK番号に対応付けされる役決定グループ番号の値を、設定されているメインモードの違いによって変更するようにしてもよい。図50に示す例では、YK番号2(再遊技B)に対応付けされる役決定グループ番号(YYK番号=0の場合のもの)が、CZモード以外のモード中(通常モード中も含まれる)では役決定グループ番号0であるのに対し、CZモード中は役決定グループ番号1が対応付けされるようになっている。図51に示す例では、YK番号11(再遊技E1)に対応付けされる役決定グループ番号(YYK番号=0の場合のもの)が、通常モード中は役決定グループ番号0であるのに対し、CZモード中は役決定グループ番号1が対応付けされるようになっている。なお、図50には、各YK番号に対応付けされる演出グループ番号も示しているが、この演出グループ番号の値は、設定されているメインモードの違いによらず一定に設定されている。
上記実施形態では、図18に示すように、1つのYK番号に対応付けされる演出グループ番号の値も、設定されているメインモードの違いによらず一定に設定されている。これに対し、図52に示すように、或るYK番号に対応付けされる演出グループ番号の値を、設定されているメインモードの違いによって変更するようにしてもよい。図52に示す例では、YK番号3〜14(再遊技C1〜E4)に対応付けされる演出グループ番号が、CZ内部、CZ、ART内部、ARTの何れかのモード中は、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号であるのに対し、上記以外のモード中(通常モード中も含まれる)は、「3〜14」の何れのYK番号についても演出グループ番号3が対応付けられるようになっている。さらに、YK番号37〜48(入賞B1〜D4)に対応付けされる演出グループ番号が、ARTモード中は、YK番号の値と同じ値の演出グループ番号であるのに対し、上記ARTモード以外のモード中は、「37〜48」の何れのYK番号についても演出グループ番号11が対応付けられるようになっている。
上記実施形態では、主にRPナビであるのかベルナビであるのかが遊技者に分からないようにするため、どちらの押し順ナビであっても、第一押し順から第三押し順までを示す6通りの押し順の何れかを報知するようにしており、そのような押し順を均等に決めるために、押し順均等抽選を行っている。これに対し、第1押し順のみで正解押し順が決まる押し順ベル(以下「3択押し順ベル」とも称する)と、第一押し順から第三押し順までで正解押し順が決まる押し順ベル(以下「6択押し順ベル」とも称する)とが設定されているような場合に、どちらの押し順ベルのためのベルナビなのかが分からないようにするため、どちらの押し順ベルのためのベルナビであっても、第一押し順から第三押し順までを示す6通りの押し順の何れかを報知するようにし、そのような押し順を均等に決めるために、押し順均等抽選を行うようにしてもよい。例えば、3択押し順ベルの正解時は3枚小役が成立し、6択押し順ベルの正解時は9枚小役が成立するというように、どちらの押し順ベルなのかによって、遊技者が得られる利益に差が生じるような場合は有効である。同様に、第1押し順のみで停止表示される図柄組合せが決まる押し順RP(以下「3択押し順RP」とも称する)と、第一押し順から第三押し順までで停止表示される図柄組合せが決まる押し順RP(以下「6択押し順RP」とも称する)とが設定されているような場合に、どちらの押し順RPのためのRPナビなのかが分からないようにするため、同じような構成を採用してもよい。
上記実施形態では、コマンドの送信をシリアル通信方式で行っているがパラレル通信方式により行ってもよいことは既述した。ただし、パラレル通信方式とした場合には、複数の通信線のうち何れかの通信線が断線等していても通信が可能となるので、誤った情報が伝達される虞がある。そこで、パラレル通信方式とする場合には、毎遊技の開始時(例えば、スタートレバーの操作時)に、所定のコマンド(例えば、「00000101B」)を送信し、毎遊技の終了時(例えば、全停止時)に、所定のコマンドと各ビットの「0」,「1」が逆になるコマンド(例えば、「1111010B」)を送信し、これらの論理演算の結果により断線しているか否かを判別するようにしてもよい。
上記実施形態において、副制御手段がナビ番号の情報を受信しなかった場合や、優先して報知すべき押し順が無いような場合には、副制御手段において、主制御手段から送信された演出グループ番号に基づいて押し順を報知するようにしてもよい。また、上述した実施形態や各変更例の態様は適宜組み合わせて用いることが可能である。
状態表示ランプ46fは、例えば、ARTモードが設定された場合に点灯され、終了した場合に消灯されるものとしたが、ART抽選に当選した次遊技から点灯され、ARTモードが終了した場合に消灯されるものとしてもよい。ただし、YYK番号が選出さた遊技において、ART抽選に当選したときは、選出されたYYK番号が成立(選出されたYYK番号の特別役が成立)した遊技から点灯させることが好ましい。選出されたYKK番号が成立した遊技の次遊技からでもよい。状態表示ランプ46fが点灯したときは、少なくとも1回はベルナビが行われるまで消灯しないようにしてもよい(すなわち、ARTモード中に少なくとも1回はベルナビが行われない限り、ARTゲーム数が消化されていたとしても、ARTモードを終了しないようにしてもよい)。
1回のARTモードにおけるARTゲーム数の上限は、1500ゲームとしてもよい。例えば、上限を超えたときは、以降の遊技においては、上乗せ抽選を行わないようにしてもよいし、上限を超えた以降も、上乗せ抽選を行ってもよいが、1500ゲームが消化された時点で、強制的にARTモードが終了するようにしてもよい。このように、上限を設けることにより、過度に射幸性があがらないようにすることが好ましい。
従来から、設定値に応じてCZ抽選、ART抽選及び上乗せ抽選に当選する確率が変化するスロットマシンが主流であるが、設定値ごとに各抽選の当選確率(置数)をROMに記憶するようにしていると、主制御手段におけるROMの記憶容量が不足する虞も大いにある。また、市場においては、ほとんどのスロットマシンの設定値が低く設定されており、なかなかART抽選に当選しないなどの不満が遊技者からあがってきている。そこで、CZ抽選、ART抽選及び上乗せ抽選の当選確率(置数)を設定値ごとにROMに記憶しないようにしてもよい(すなわち抽選の際に、設定値は参照しないようにしてもよい)。また、設定値に応じて当選確率が変化しないYK番号やYYK番号が選出されたときは、CZ抽選、ART抽選及び上乗せ抽選を行うようにし、設定値に応じて当選確率が変化するYK番号やYYK番号が選出されたときは、CZ抽選、ART抽選及び上乗せ抽選を行わないようにしてもよい。設定値に応じて当選確率が変化しないYYK番号が選出され、それが成立したことで開始したボーナス遊技状態中において、設定値に応じて当選確率が変化しないYK番号が選出されたときは、上乗せ抽選を行うようにし、設定値に応じて当選確率が変化するYK番号が選出されたときは、上乗せ抽選を行わないようにしてもよい。設定値に応じて当選確率が変化するYYK番号が選出され、それが成立したことで開始したボーナス遊技状態中においては、設定値に応じて当選確率が変化しないYK番号が選出されたときであっても、設定値に応じて当選確率が変化するYK番号が選出されたときであっても、上乗せ抽選を行わないようにしてもよい。役決定グループ番号を参照して各抽選を行う場合は、設定値に応じて当選確率が変化しないYK番号やYYK番号に対応する役決定グループ番号が決定されたときは、CZ抽選、ART抽選及び上乗せ抽選を行うようにし、設定値に応じて当選確率が変化するYK番号やYYK番号に対応する役決定グループ番号が決定されたときは、CZ抽選、ART抽選及び上乗せ抽選を行わないようにしてもよい。そもそも、設定値に応じて当選確率が変化しないYK番号やYYK番号に対応する役決定グループ番号のみが決定されるようにしてもよい。
BB内部中は、CZ抽選、ART抽選及び上乗せ抽選を行わないようにしてもよい。BB作動中は、ART抽選を行わないようにしてもよい。