以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面において同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の第1の実施形態のサービス提供システムを示す図である。図1に示すサービス提供システムは、モバイル端末1と、SIM識別子記憶装置2と、ユーザ情報記憶装置3と、IPアドレス記憶装置4と、種別記憶装置5と、履歴記憶装置6と、ネットワーク接続装置7と、コンテンツサーバ8と、履歴管理装置9と、分析装置10と、コンテンツ主端末11とを有する。
モバイル端末1は、アクセスネットワーク21およびプロバイダネットワーク22を介して、プロバイダネットワーク22上の種々の装置と接続可能である。本実施形態では、プロバイダネットワーク22上の装置は、ネットワーク接続装置7および履歴管理装置9である。各記憶装置(SIM識別子記憶装置2、ユーザ情報記憶装置3、IPアドレス記憶装置4、種別記憶装置5、履歴記憶装置6)および分析装置10は、本実施形態では、プロバイダネットワーク22上にはないが、プロバイダネットワーク22上に設けられてもよい。また、モバイル端末1は、アクセスネットワーク21、プロバイダネットワーク22およびインターネット23を介して、インターネット23上の種々の装置と接続可能である。本実施形態では、インターネット23上の装置は、コンテンツサーバ8およびコンテンツ主端末11であるが、コンテンツサーバ8およびコンテンツ主端末11は、プロバイダネットワーク22上に設けられてもよい。また、ネットワーク接続装置7および履歴管理装置9は、SIM識別子記憶装置2、ユーザ情報記憶装置3、IPアドレス記憶装置4、種別記憶装置5、履歴記憶装置6および分析装置10とプロバイダネットワーク22を介さずに接続可能である。
アクセスネットワーク21は、例えば、3G網、LTE(Long Term Evolution)網および無線LAN(Local Area Network)などの無線ネットワークである。プロバイダネットワーク22は、モバイル端末1をインターネット23などのネットワークと接続させるネットワーク接続サービスを提供するISP(Internet Service Provider:インターネットサービスプロバイ)やMVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)などのプロバイダが管理しているネットワークである。
モバイル端末1は、本サービス提供システムにてサービスを受けるユーザによって使用される情報処理装置であり、プロバイダネットワーク22やインターネット23上の装置が提供する種々のサービスを受けることができる。モバイル端末1は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ポータブルゲーム機またはモバイルPC(Personal Computer)などである。
図2は、モバイル端末1の構成例を示すブロック図である。図2に示すモバイル端末1は、表示部101と、入力部102と、端末記憶部103と、着脱部104と、端末通信部105と、生成部106と、端末制御部107とを有する。
表示部101は、種々の情報を表示する。入力部102は、ユーザから種々の情報を受け付ける。端末記憶部103は、種々の情報を記憶する。
着脱部104には、SIMカード100が着脱可能である。SIMカード100は、所定のネットワークを利用する際に使用されるカードであり、SIMカード100を識別するSIM識別子を記録している。SIM識別子は、例えば、MSISDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)、電話番号またはIMSI(International Mobile Subscriber Identity)などのSIMカード100に固有の情報である。SIMカード100の着脱部104への装着はモバイル端末1の電源がオフの場合に行われる。所定のネットワークは、本実施形態では、アクセスネットワーク21である。
本実施形態では、SIMカード100として特定のSIMカードが使用された場合、SIMカード100を用いた通信の履歴が記憶および分析され、その分析結果が、特定のSIMカードに対応するサービスである特定サービスを提供するサービス提供主に開示されることがある。このため、特定のSIMカードの提供者(例えば、通信事業者やプロバイダ)は、通信の履歴が記憶および分析され、その分析結果がサービス提供主に提供されることをユーザに示し、それに同意したユーザに対してSIMカードを提供(例えば、販売)することが望ましい。
特定サービスは、特定コンテンツを配信するコンテンツサーバ8と接続し、特定コンテンツの取得を許可することを含む。このため、以下では、サービス提供主をコンテンツ主と称する。また、特定サービスは、SIMカード100を利用した通信において通信制限または通信料金を判定する通信量から、コンテンツサーバ8との間の通信の通信量を除外することを含んでもよい。
端末通信部105は、プロバイダネットワーク22上およびインターネット23上の各装置と通信を行う。例えば、端末通信部105は、ネットワーク接続装置7から、SIM識別子を要求するSIM識別子要求と、特定サービスおよびネットワーク接続サービスを受ける会員になるために必要な第1の必要項目情報を示す第1の入会画面情報と、特定サービスを受けずにネットワーク接続サービスだけを受ける会員になるために必要な第2の必要項目情報を示す第2の入会画面情報と、特定のSIMカードを使用するユーザを認証するための認証情報と、認証情報を要求する認証情報要求と、モバイル端末1の認証に失敗した旨のエラーメッセージと、モバイル端末1に割り当てられたIPアドレスと、特定コンテンツを取得するためのワンタイムパスワードを受信する。なお、ワンタイムパスワードは第1の入会画面情報に含まれてもよく、必要なければなくてもよい。また、ワンタイムパスワードの代わりに、複数回使えるキーワードやIDとパスワードの組み合わせなどが使用されてもよい。
第1の必要項目情報は、例えば、SIMカード100に記載の情報やユーザの属性を示す属性情報などである。属性情報は、ユーザの属性として、例えば、氏名、住所、連絡先および生年月日などを示す。第1の入会画面情報は、特定サービス専用の入会画面を示す情報であり、例えば、第1の必要項目情報を入力するための入力欄を含む。また、第1の入会画面情報は、特定サービスを受ける場合には、通信の履歴が記憶および分析され、コンテンツ主に提供される旨と、ユーザにその旨を同意するか否かを問い合わせる情報とを含むことが望ましい。また、入会画面は、オプションサービスを受けるための入力欄や入会ボタン、特定コンテンツを取得するためのワンタイムパスワードなどを含んでもよい。
第2の必要項目情報は、例えば、SIMカード100に記載の情報や属性情報などである。第2の入会画面情報は、例えば、第2の必要項目情報を入力するための入力欄を含む。なお、本実施形態では、特定サービスを受けない場合、通信の履歴が分析されてコンテンツ主に提供されることはないため、通信の履歴が記憶および分析され、コンテンツ主に提供される旨の情報などは、第2の入会画面情報には含まれない。
認証情報は、特定のSIMカードのSIM識別子と対応付けられた情報であり、本実施形態では、ユーザを識別するユーザ識別子であるユーザIDとパスワードである。認証情報要求は、例えば、認証情報であるユーザIDおよびパスワードを入力するための入力欄を含む画面を示す。なお、認証情報は、ユーザIDとパスワード以外に、IPアドレス、または、ユーザ識別子などを用いても構わない。
また、端末通信部105は、コンテンツサーバ8から、ワンタイムパスワードを要求するパスワード要求と、特定コンテンツを受信する。特定コンテンツの種類は特に限定されない。例えば、特定コンテンツは、映像情報、音楽情報、アプリケーション、所定のアプリケーションで使用される追加データなどである。追加データは、例えば、ゲームアプリケーションによるゲーム内で使用できるアイテムやクエストなどを示す。
生成部106は、特定のSIMカードに対応する特定サービスを受けるための接続先を示す接続先情報に対応する接続先取得用情報を生成する。接続先情報は、例えば、ネットワーク接続装置7のURL(Uniform Resource Locator)またはコンテンツサーバ8のURLなどである。以下では、接続先情報は、コンテンツサーバ8のURLであるとする。
生成部106は、例えば、カメラであり、所定の場所に印刷された情報を撮像した撮像画像を接続先取得用情報として生成する。所定の場所は、例えば、SIMカード100を保持するカード状の保持部材である枠カードである。
図3は、枠カードの一例を示す図である。具体的には、図3(a)は、枠カードの表面を示し、図3(b)は、枠カードの裏面を示す。図3に示す枠カード110は、SIMカード100を保持する保持領域111を有する。SIMカード100は枠カード110に保持された状態でユーザに提供され、ユーザは、枠カード110からSIMカードを取り外し、モバイル端末1の着脱部104に装着する。図3では、SIMカード100が保持領域111に保持されている状態の枠カード110が示されている。
図3の例では、枠カード110の表面における保持領域111以外の領域と、枠カード110の裏面における保持領域111以外の一部の領域が、SIMカード100の提供者が所望の情報を印刷することができる印刷領域112になっている。提供者は、例えば、印刷領域112に、接続先情報を表す2次元バーコード113や広告情報を印刷する。
端末制御部107は、モバイル端末1全体を制御する。具体的には、端末制御部107は、以下の処理を行う。
端末制御部107は、生成部106が生成した接続先取得用情報から接続先情報を取得する。例えば、接続先取得用情報が枠カード110の印刷領域112に印刷された情報を撮像した撮像画像の場合、接続先取得用情報としては、広告情報、2次元バーコード、広告情報および2次元バーコードの両方の3通りのパターンがある。接続先取得用情報が2次元バーコード、または広告情報および2次元バーコードの両方の場合、端末制御部107は、その2次元バーコードを接続先情報に変換することで、接続先情報を取得する。また、接続先取得用情報が広告情報の場合、端末制御部107は、接続先取得用情報に対して画像認識処理を行って広告情報を特定し、広告情報と接続先情報との関係を示すテーブルを用いて、その特定した広告情報に対応する接続先情報を取得する。このテーブルは端末記憶部103に記憶されていてもよいし、インターネット23などのネットワーク上にあってもよい。
接続先情報を取得すると、端末制御部107は、その接続先情報にて示される接続先に接続する旨の接続要求を送信する。このとき、端末制御部107は、接続先情報を要求接続先情報として接続要求に含める。また、端末制御部107は、接続先情報を既定の処理で取得した場合、接続先情報を既定の処理で取得した旨の特定取得情報を接続要求に含めてもよい。なお、端末制御部107は、接続先情報および特定取得情報を、接続要求とは別に送信してもよい。
既定の処理は、本実施形態では、特定のSIMカードを保持する枠カード110に印刷された情報を撮像した撮像画像から取得する方法である。この場合、端末制御部107は、撮像画像から接続先情報を取得した場合に、特定取得情報を接続要求に含める。また、枠カード110に印刷された2次元バーコードに特定取得情報が埋め込まれていたり、上記の広告情報と接続先情報との関係を示すテーブルにおいて枠カード110に印刷された広告情報に特定取得情報が対応付けられていたりした場合に、端末制御部107は、特定取得情報を接続要求に含めてもよい。
なお、端末制御部107は、接続先情報を取得した際に、その接続先情報と、接続先情報が示す接続先に接続するか否かをユーザに問い合わせる情報とを表示部101に表示してもよい。この場合、入力部102が接続を許可する接続許可情報を受け付けると、端末制御部107は、接続要求を送信する。
また、端末通信部105がSIM識別子要求を受信すると、端末制御部107は、着脱部104に装着されたSIMカード100を特定するSIM識別子をネットワーク接続装置7に送信する。SIM識別子は、例えば、MSISDN、電話番号またはIMSIのようなSIMカード100に記録されたSIMカード100に固有の情報である。また、これらの固有の情報と対応付けられた認証情報(ユーザIDやパスワード)が端末記憶部103に記憶されている場合、端末制御部107は、この認証情報をSIM識別子としてネットワーク接続装置7に送信してもよい。
また、端末通信部105が第1の入会画面情報を受信した場合、端末制御部107は、第1の入会画面情報を表示部101に表示する。その後、入力部102が第1の必要項目情報を受け付けると、端末制御部107は、第1の必要項目情報をネットワーク接続装置7に送信する。
また、端末通信部105が第2の入会画面情報を受信した場合、端末制御部107は、第2の入会画面情報を表示部101に表示する。その後、入力部102が第2の必要項目情報を受け付けると、端末制御部107は、第2の必要項目情報をネットワーク接続装置7に送信する。
また、端末通信部105が認証情報を受信すると、端末制御部107は、その認証情報を表示部101に表示するとともに、端末記憶部103に記憶する。
また、端末通信部105が認証情報要求を受信すると、端末制御部107は、その認証情報要求を表示部101に表示する。その後、入力部102が認証情報を受け付けた場合、端末制御部107は、認証情報をネットワーク接続装置7に送信する。
また、端末通信部105がエラーメッセージを受信すると、端末制御部107は、そのエラーメッセージを表示部101に表示する、
また、端末通信部105がIPアドレスを受信すると、端末制御部107は、そのIPアドレスを端末記憶部103に記憶する。これにより、端末制御部107は、IPアドレスを用いて、アクセスネットワーク21、プロバイダネットワーク22およびインターネット23を介して、インターネット23上の種々の装置と接続することができる。
また、端末通信部105がワンタイムパスワードを受信すると、端末制御部107は、そのワンタイムパスワードを表示部101に表示する。また、端末通信部105がパスワード要求を受信すると、端末制御部107は、そのパスワード要求を表示部101に表示する。その後、入力部102がワンタイムパスワードを受け付けると、端末制御部107は、そのワンタイムパスワードをコンテンツサーバ8に送信する。
また、端末通信部105がコンテンツを受信すると、端末制御部107は、そのコンテンツに応じた処理を行う。例えば、コンテンツが映像情報の場合、端末制御部107は、その映像情報を表示部101に表示する。
SIM識別子記憶装置2、ユーザ情報記憶装置3、IPアドレス記憶装置4、種別記憶装置5および、履歴記憶装置6は、記憶部と総称される。記憶部は、種々のサーバ(図示せず)に内蔵されたハードディスクや、サーバとは独立したNAS(Network Attached Storage)などで実現される。
SIM識別子記憶装置2は、特定のSIMカードを識別するSIM識別子に関する識別子情報を記憶する記憶部である。識別子情報は、特定のSIMカードを識別するSIM識別子ごとに、SIMカード100に対する認証処理の1つであるアクティベーション処理を実行したか否かを示すアクティベーション情報と、特定のSIMカードに対応するサービスを示す初期契約情報とを対応付けた情報である。初期契約情報は、サービスの種別を示す種別識別子を含む。アクティベーション情報は、アクティベーションを実行していない場合、「未」を示し、アクティベーションを実行した場合、「済」を示す。
なお、SIM識別子記憶装置2は、複数の種類(例えば、MSISDNと認証情報)のSIM識別子を記憶してもよい。また、SIM識別子記憶装置2は、SIM識別子として、アクティベーション処理の実行前には、第1の種類のSIM識別子(例えば、MSISDN)を記憶し、アクティベーション処理の実行後には、第2の種類のSIM識別子(例えば、認証情報)を記憶するなど、状況に応じてSIM識別子を変更してもよい。
図4は、識別子情報の一例を示す図である。図4に示す識別子情報200は、SIM識別子201と、アクティベーション情報202と、初期契約情報203とを含む。初期契約情報203は、サービスの種別を示す種別識別子であるモバイル回線種別を含む。モバイル回線種別にはAコースからCコースまでの3つの種別があり、後述するようにBコースおよびCコースが、特定のSIMカードに対応する特定サービスを受けることができる特定種別である。また、初期契約情報203は、サービスを受けることができる期限であるモバイル回線期限が存在する場合、そのモバイル回線期限を示す。また、初期契約情報は、SIMカード100がプリペイド式か否かなどをさらに示してもよい。
ユーザ情報記憶装置3は、サービスを受けるユーザに関するユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、例えば、ユーザを識別するユーザIDごとに、パスワードと、ユーザの属性情報と、ユーザが利用するSIMカード100を識別するSIM識別子と、ユーザに提供するサービスを示す契約情報とを対応付けた情報である。ユーザIDおよびパスワードは認証情報としても使用される。
図5は、ユーザ情報の一例を示す図である。図5に示すユーザ情報300は、ユーザID301と、パスワード302と、住所303と、生年月日304と、SIM識別子305と、契約情報306とを有する。住所303および生年月日304は、属性情報の一例である。契約情報306は、図4に示した初期契約情報203に、サービスを開始した日であるモバイル回線開通日を加えた情報である。
IPアドレス記憶装置4は、モバイル端末1に割り当てたIPアドレスに関するアドレス情報を記憶する。アドレス情報は、例えば、SIM識別子ごとに、SIM識別子にて識別されるSIMカード100が装着されたモバイル端末1に割り当てたIPアドレスと、モバイル端末1がネットワークに接続しているか否かを示す接続状況情報とを対応付けた情報である。接続状況情報は、接続している接続日時などをさらに示してもよい。接続状況情報は、モバイル端末1が特定のネットワークに接続している場合、「接続中」を示し、モバイル端末1が特定のネットワークに接続していない場合、「切断中」を示す。なお、特定のネットワークは、アクセスネットワーク21、プロバイダネットワーク22およびインターネット23のいずれでもよいが、本実施形態では、インターネット23とする。
図6は、アドレス情報の一例を示す図である。図6に示すアドレス情報400は、SIM識別子401と、IPアドレス402と、状況403とを含む。状況403は、接続状況情報の一例である。
種別記憶装置5は、サービスの種別のうち特定サービスを受けることができる特定種別に関する種別情報を記憶する。種別情報は、例えば、特定種別を示す種別識別子ごとに、その特定種別の特定サービスに対応する接続先を示す対応接続先情報を示す情報である。
図7は、種別情報の一例を示す図である。図7に示す種別情報500は、種別識別子であるモバイル回線種別501と、対応接続先情報502とを含む。モバイル回線種別501は、種別識別子の一例であり、種別として、特定種別であるBコースとCコースを示している。図7の例では、モバイル回線種別501のそれぞれに互いに異なる対応接続先情報502が1つずつ対応しているが、1つのモバイル回線種別501に複数の対応接続先情報502が対応してもよいし、複数のモバイル回線種別501に共通の対応接続先情報502が対応してもよい。
履歴記憶装置6は、特定のSIMカードを装着したモバイル端末1の通信の履歴を示す履歴情報を記憶する。履歴情報は、例えば、特定サービスを受けるモバイル端末1を識別する端末識別子(例えば、SIM識別子またはIPアドレス)ごとに、特定のSIMカードを装着したモバイル端末1の通信の履歴を示す個別履歴情報が対応付けられている。個別履歴情報は、モバイル端末1が接続した接続先や接続日時などを示す。
図8は、履歴情報の一例を示す図である。図8に示す履歴情報600は、SIM識別子601と、接続先602と、日時603とを含む。SIM識別子601は、端末識別子の一例であり、接続先602および日時603は、個別履歴情報の一例である。
ネットワーク接続装置7は、モバイル端末1などの種々の端末をインターネット23に接続するための装置である。ネットワーク接続装置7は、例えば、ネットワークアクセスサーバ、ゲートウェイサーバおよびRADIUS(Remote Authentication Dial-in User Service)サーバの少なくとも一つから構成される。
図9は、ネットワーク接続装置7の構成を示す図である。図9に示すネットワーク接続装置7は、接続通信部701と、接続記憶部702と、接続制御部703とを有する。
接続通信部701は、モバイル端末1などの装置と通信する。例えば、接続通信部701は、モバイル端末1から接続要求、SIM識別子および第1の必要項目情報を受信する受信部として機能する。接続記憶部702は、モバイル端末1に割り当てることが可能なIPアドレスごとに、そのIPアドレスが割り当て済みか否かを示すプール情報を記憶する。
接続制御部703は、ネットワーク接続装置7全体を制御する制御部である。具体的には、端末制御部107は、以下の処理を行う。
接続通信部701が接続要求を受信した場合、接続制御部703は、その接続要求の送信元であるモバイル端末1に対してSIM識別子要求を送信する。
接続通信部701がSIM識別子を受信すると、接続制御部703は、その受信されたSIM識別子である対象SIM識別子と、SIM識別子記憶装置2に記憶されているSIM識別子を用いて、対象SIM識別子の送信元であるモバイル端末1を認証する認証処理を行う。認証処理は、少なくとも対象SIM識別子がSIM識別子記憶部に記憶されているか否かを判定する処理を含む。また、接続制御部703は、対象識別子と、SIM識別子記憶装置2に記憶されている識別子情報と、種別記憶装置5に記憶されている種別情報とに基づいて、対象SIM識別子にて識別されるSIMカード100に対応する特定サービスが存在するか否かを確認する。
モバイル端末1の認証に成功し、かつ、特定サービスが存在する場合、接続制御部703は、モバイル端末1をインターネット23に接続するネットワーク接続サービスと、モバイル端末1に対して対象SIM識別子にて識別されるSIMカード100である対象SIMカードに対応する特定サービスとを、モバイル端末1に提供する。なお、モバイル端末1の認証に失敗した場合、接続制御部703は、モバイル端末1の認証に失敗した旨のエラーメッセージをモバイル端末1に通知してもよい。また、モバイル端末1の認証に成功し、かつ、特定サービスが存在しない場合、接続制御部703は、ネットワーク接続サービスをモバイル端末1に提供する。
具体的には、先ず、接続制御部703は、対象SIM識別子がSIM識別子記憶装置2に記憶されているか否かを判定する。対象SIM識別子が記憶されている場合、接続制御部703は、SIM識別子記憶装置2において対象SIM識別子に対応するアクティベーション情報が「済」を示すか否かを判定して、対象SIM識別子に対するアクティベーション処理が実行済みか否かを判定する。
アクティベーション処理が実行されていない場合、接続制御部703は、対象SIMカードに対応した特定サービスが存在するか否かを判定する。具体的には、接続制御部703は、SIM識別子記憶装置2において対象SIM識別子に対応する初期契約情報に含まれる種別識別子が種別記憶装置5に記憶されているか否かを判定する。接続制御部703は、初期契約情報に含まれる種別識別子が種別記憶装置5に記憶されている場合、特定サービスが存在すると判定し、初期契約情報に含まれる種別識別子が種別記憶装置5に記憶されていない場合、特定サービスが存在しないと判定する。
特定サービスが存在する場合、接続制御部703は、接続要求に含まれる要求接続先情報が特定サービスに対応しているか否かを判定する。具体的には、接続制御部703は、要求接続先情報と、種別記憶装置5において対象SIM識別子に対応する対応接続先情報とが互いに一致するか否かを判定する。要求接続先情報と対応接続先情報とが互いに一致する場合、要求接続先情報が特定サービスに対応していると判定する。また、接続制御部703、上記の判定に加えて、接続制御部703にて特定取得情報が受信されたか否か、つまり、接続要求内に特定取得情報が含まれるかを判定してもよい。この場合、接続制御部703、要求接続先情報と対応接続先情報とが互いに一致し、かつ、特定取得情報が含まれていると、要求接続先情報が特定サービスに対応していると判定する。
要求接続先情報が特定サービスに対応し、かつ、アクティベーション処理が実行されていない場合、接続制御部703は、第1の入会画面情報を、対象SIM識別子の送信元であるモバイル端末1に送信する。その後、接続通信部701が第1の必要項目情報を受信した場合、接続制御部703は、その第1の必要項目情報に基づいて、特定サービスを提供するユーザを登録するユーザ登録処理を行う。具体的には、接続制御部703は、対象SIM識別子に対応する認証情報であるユーザIDおよびパスワードを発行し、その認証情報をモバイル端末1に送信する。そして、接続制御部703は、認証情報と、第1の必要項目情報に含まれる属性情報と、接続通信部701が先に受信したSIM識別子を対応付けてユーザ情報記憶装置3に記憶する。さらに接続制御部703は、SIM識別子記憶装置2において対象SIM識別子に対応する初期契約情報に、現在の日付をモバイル回線開通日として加えた契約情報を生成し、その契約情報をユーザIDと対応付けてユーザ情報記憶装置3に記憶する。なお、接続制御部703は、第1の必要項目情報に含まれる属性情報以外の情報もユーザIDと対応付けてユーザ情報記憶装置3に記憶してもよい。
要求接続先情報が特定サービスに対応しておらず、かつ、アクティベーション処理が実行されていない場合、接続制御部703は、第2の入会画面情報を、対象SIM識別子の送信元であるモバイル端末1に送信する。その後、接続通信部701が第2の必要項目情報を受信した場合、接続制御部703は、その第2の必要項目情報に基づいて、特定サービスを提供するユーザを登録するユーザ登録処理を行う。ユーザ登録処理は、接続通信部701が第1の必要項目情報を受信した際の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。なお、この場合、接続制御部703は、モバイル端末1に、第2の入会画面情報を送信せずに、枠カード110の印刷領域112に印刷されている接続先情報を撮像して接続先に接続するように依頼する旨のメッセージを送信してもよい。
ここで、既にSIMカードを購入したユーザがSIMカード提供者の他のサービスに加入しており、ユーザ登録処理が済んでいる場合を考慮し、接続制御部703は、第1の入会画面情報または第2の入会画面情報に認証情報を入力する欄を設けてモバイル端末1に送信してもよい。その後、接続通信部701が認証情報を受信した場合、接続制御部703は、その認証情報がユーザ情報記憶装置3に記憶されているか否かを判定して、ユーザを認証するユーザ認証処理を行う。認証情報がユーザ情報記憶装置3に記憶されている場合、接続制御部703は、ユーザ認証処理に成功し、既にユーザ登録処理が済んでいると判定して、ユーザ情報記憶装置3において認証情報に含まれるユーザIDに対応付けられた契約情報に、接続通信部701が先に受信したSIM識別子と、SIM識別子記憶装置2において対象SIM識別子に対応する初期契約情報と、現在の日付をモバイル回線開通日とを追加して登録する。
ユーザ登録処理が行われた場合、または、SIMカードの追加登録処理が行われた場合、接続制御部703は、SIMカード100の対象SIM識別子に対するアクティベーション処理を実行する。SIM識別子に対するアクティベーション処理は、良く知られた技術であるため、詳細な説明は省略する。アクティベーション処理が成功すると、接続制御部703は、SIM識別子記憶装置2において対象SIM識別子に対応するアクティベーション情報を「済」に変更する。そして、接続制御部703は、モバイル端末1の認証処理が成功したと判定する。
また、既にアクティベーション処理が実行済みの場合、接続制御部703は、認証情報要求をモバイル端末1に送信する。その後、接続通信部701が認証情報を受信した場合、接続制御部703は、その認証情報がユーザ情報記憶装置3に記憶されているか否かを判定して、ユーザを認証するユーザ認証処理を行う。ユーザ認証処理に成功した場合、接続制御部703は、モバイル端末1の認証処理が成功したと判定する。このとき、接続制御部703は、ユーザ情報記憶装置3において認証情報に対応する契約情報を確認して、契約が有効か否かを判定してもよい。例えば、接続制御部703は、現在の日時が契約情報にて示されるモバイル回線期限内か否かを判定して、契約が有効か否かがを判定する。この場合、接続制御部703は、契約が有効であると、モバイル端末1の認証処理に成功したと判定する。
対象SIM識別子がSIM識別子記憶装置2に記憶されていない場合、アクティベーション処理またはユーザ認証処理が失敗した場合、接続制御部703は、モバイル端末1の認証が失敗したと判定する。この場合、接続制御部703は、モバイル端末1に、モバイル端末1の認証が失敗した旨のエラーメッセージを送信する。
上記のアクティベーション処理の実行後、または、ユーザ認証処理後に、モバイル端末1の認証処理が成功した場合、接続制御部703は、接続記憶部702に記憶されたプール情報に基づいて、未だ割り当てていないIPアドレスのいずれかをモバイル端末1に対して割り当て、その割り当てたIPアドレスをモバイル端末1に通知する。接続制御部703は、モバイル端末1に割り当てたIPアドレスが割り当て済みとなるようにプール情報を更新する。このとき、接続制御部703は、特定サービスを提供するモバイル端末1には、特定サービス提供用の特定のIPアドレスを割り当てても良い。
モバイル端末1にIPアドレスを割り当てた場合、接続制御部703は、SIM識別子、IPアドレスおよび「接続中」を示す接続状況情報を対応付けてアドレス情報としてIPアドレス記憶装置4に記憶する。なお、モバイル端末1がアクセスネットワーク21などのネットワークから切断された場合、接続制御部703は、IPアドレス記憶装置4から、そのモバイル端末1のユーザIDおよびIPアドレスを削除するか、IPアドレスのみを削除し、そのユーザIDに対応する接続状況情報を「切断中」に更新する。
また、モバイル端末1の認証処理が成功し、かつ、対象SIM識別子に対応する特定サービスが存在する場合、接続制御部703は、モバイル端末1に対する特定サービスを提供するため、モバイル端末1を要求接続先情報が示す接続先であるコンテンツサーバ8に接続させる。ここでモバイル端末1に対する特定サービスの提供を限定する場合は、ワンタイムパスワードをモバイル端末1に送信する。モバイル端末1に対する特定サービスの提供方法によって、ワンタイムパスワード以外のモバイル端末1を特定できる他の情報を送信してもよい。
なお、既にアクティベーション処理が実行済みの場合、モバイル端末1は、当然ながら、コンテンツサーバ8だけでなく、コンテンツサーバ8以外の種々の装置と通信を行うことができる。また、モバイル端末1は、コンテンツサーバ8に複数回接続することも可能である。コンテンツサーバ8に複数回接続することが可能な場合、接続制御部703は、モバイル端末1をコンテンツサーバ8に接続するごとに、ワンタイムパスワードを発行してもよいし、ワンタイムパスワード以外の複数回使用できるモバイル端末1を特定できる方法を用いてもよい。
コンテンツサーバ8は、特定コンテンツを保持し、モバイル端末1から接続されると、特定コンテンツをモバイル端末1に送信する。また、コンテンツサーバ8は、モバイル端末1から接続されると、パスワード要求をモバイル端末1に送信し、その後、モバイル端末1からワンタイムパスワードを受信すると、特定コンテンツをモバイル端末1に送信してもよい。また、コンテンツサーバ8は、特定のIPアドレスが割り当てられたモバイル端末1から接続された場合に、特定コンテンツを送信してもよい。この場合、ワンタイムパスワードは必要ない。
履歴管理装置9は、専用の装置や汎用のサーバなどで実現される。履歴管理装置9は、特定サービスを受けるモバイル端末1の通信の履歴を示す履歴情報を生成する履歴管理部である。履歴管理装置9は、生成した履歴情報を履歴記憶装置6に記憶する。
分析装置10は、既定のタイミングで、履歴記憶装置6に記憶された履歴情報に基づいて、特定サービスを受けるモバイル端末1の通信の履歴を分析した分析結果を生成し、その分析結果をコンテンツ主端末11に送信する分析部である。なお、分析結果は、各ユーザが特定されないように加工した匿名情報である。既定のタイミングは、定期的なタイミング(例えば、1週間ごと)や、履歴情報の分析が指示されたタイミングなどである。履歴情報の分析の指示は、分析装置10に備わった入力装置(図示せず)から入力されてもよいし、コンテンツ主端末11のような他の装置から入力されてもよい。
コンテンツ主端末11は、コンテンツ主が利用する端末であり、タブレットコンピュータやPCなどである。コンテンツ主端末11は、分析装置10から分析結果を受信し、その分析結果を記憶および表示する。
以下、履歴管理装置9により履歴情報の生成と分析装置10による履歴情報の分析の具体例について詳細に説明する。
(第1の生成・分析パターン)
第1の生成・分析パターンでは、履歴管理装置9は、ネットワーク接続装置7の接続制御部703がアクティベーション処理後にモバイル端末1をコンテンツサーバ8に接続させた場合、現在の日時をモバイル端末1が最初にコンテンツサーバ8に接続した初回接続日時として示す個別履歴情報を生成し、その個別履歴情報とモバイル端末1の端末識別子とを対応付けて履歴情報として履歴記憶装置6に記憶する。なお、コンテンツサーバ8が複数ある場合、履歴管理装置9は、コンテンツサーバ8ごとに初回接続日時を示す情報を個別履歴情報として生成してもよい。
分析装置10は、既定のタイミングで、履歴記憶装置6から履歴情報を取得し、その履歴情報に基づいて、コンテンツサーバ8に初めて接続したモバイル端末1の総数や、コンテンツサーバ8に初めて接続したモバイル端末1の数の特定期間ごとの分布を分析結果として生成する。特定期間は、例えば、1時間、1日、または、所定の第1の日付から所定の第2の日付の間などである。また、コンテンツサーバ8が複数ある場合、分析装置10は、コンテンツサーバ8ごと分析結果として生成してもよい。
(第2の生成・分析パターン)
第2の分析パターンでは、履歴管理装置9は、SIM識別子記憶装置2において特定種別を示す初期契約情報に対応するSIM識別子を監視対象の識別子とし、IPアドレス記憶装置4において監視対象の識別子と対応する接続状況情報を監視して、接続状況情報が「接続中」となったか否かを判定する。このとき、履歴管理装置9は、IPアドレス記憶装置4に記憶されたアドレス情報の更新を監視してもよいし、IPアドレス記憶装置4に記憶されたアドレス情報の更新された際にIPアドレス記憶装置4からその旨が通知されるならば、その通知を用いて接続状況情報を監視してもよい。
接続状況情報が「接続中」となった場合、履歴管理装置9は、IPアドレス記憶装置4において「接続中」となった接続状況情報に対応するIPアドレスが割り当てられたモバイル端末1によるインターネット23上の通信を監視し、SIM識別子記憶装置2においてそのモバイル端末1のSIM識別子に対応する初期契約情報が示す特定種別と種別記憶装置5において対応する対応接続先情報が示す接続先であるコンテンツサーバ8に、そのモバイル端末1が接続したか否かを判定する。モバイル端末1がコンテンツサーバ8に接続された場合、履歴管理装置9は、現在の日時を、モバイル端末1がコンテンツサーバ8に接続した接続日時として示す個別履歴情報を生成し、その個別履歴情報とモバイル端末1の端末識別子とを対応付けて履歴情報として履歴記憶装置6に記憶する。履歴管理装置9は、以上の処理を、モバイル端末1がインターネット23から切断するまで繰り返す。なお、コンテンツサーバ8が複数ある場合、履歴管理装置9は、コンテンツサーバ8ごとに接続日時を示す個別履歴情報を生成してもよい。
分析装置10は、既定のタイミングで、履歴記憶装置6から履歴情報を取得し、その履歴情報に基づいて、モバイル端末1がコンテンツサーバ8に接続した総回数、コンテンツサーバ8に接続したモバイル端末1の数(端末識別子の数)である接続ユーザ数、モバイル端末1ごと(端末識別子ごと)のコンテンツサーバに接続した接続回数、接続ユーザ数や接続回数の特定期間ごとの分布などを分析結果として生成する。また、コンテンツサーバ8が複数ある場合、分析装置10は、コンテンツサーバ8ごとに分析結果を生成してもよい。
(第3の生成・分析パターン)
第3の分析パターンでは、履歴管理装置9は、SIM識別子記憶装置2において特定種別を示す初期契約情報に対応するSIM識別子を監視対象の識別子とし、IPアドレス記憶装置4において監視対象の識別子と対応する接続状況情報が「接続中」となったか否かを監視する。このとき、履歴管理装置9は、IPアドレス記憶装置4に記憶されたアドレス情報の更新を監視してもよいし、IPアドレス記憶装置4に記憶されたアドレス情報の更新された際にIPアドレス記憶装置4からその旨が通知されるならば、その通知を利用してもよい。
接続状況情報が「接続中」となった場合、履歴管理装置9は、IPアドレス記憶装置4において「接続中」となった接続状況情報に対応するIPアドレスが割り当てられたモバイル端末1のインターネット23上の通信を監視する。そして、履歴管理装置9は、モバイル端末1が接続したインターネット23上の接続先を示すネット接続先情報(URLやIPアドレスなど)と接続日時とを示すネット接続情報を個別履歴情報として生成し、その個別履歴情報とモバイル端末の端末識別子とを対応付けて履歴情報として履歴記憶装置6に記憶する。履歴管理装置9は、以上の処理を、モバイル端末1がインターネット23から切断するまで繰り返す。なお、コンテンツサーバ8が複数ある場合、履歴管理装置9は、コンテンツサーバ8ごとにネット接続情報を個別履歴情報として生成してもよい。
分析装置10は、既定のタイミングで、履歴記憶装置6から履歴情報を取得し、その履歴情報に基づいて、ネット接続先情報が示す接続先ごとに、モバイル端末1がその接続先に接続した総回数、その接続先に接続したモバイル端末1の数である一般接続ユーザ数、モバイル端末1ごとのその接続先に接続した接続回数、一般接続ユーザ数や接続回数の特定期間ごとの分布などを分析結果として生成する。また、分析装置10は、モバイル端末1がコンテンツサーバ8に接続する前に接続していた接続先や、モバイル端末1がコンテンツサーバ8に接続した後に接続した接続先などに係る情報を分析結果として生成してもよい。
以上説明した第1〜第3の生成・分析パターンは単なる一例であって、これらに限定されるものではない。例えば、分析装置10は、ユーザ情報記憶装置3に記憶されたユーザ情報内の属性情報を用いて、属性情報が示す属性ごとに通信の履歴を分析し、属性ごとに分析結果を生成してもよい。属性は、例えば、年齢や所在地(都道府県)などである。また、分析装置10は、モバイル端末1に備わったGPS(Global Positioning System)機能、または、モバイル端末1が無線接続した基地局(無線LANアクセスポイントも含む)の識別情報を用いてモバイル端末1の位置情報を取得し、コンテンツサーバ8にモバイル端末1が接続した際の位置や移動経路を分析してもよい。これらの場合、特定のSIMカードを提供する提供者は、属性情報や位置情報を分析に使用することをユーザに示し、ユーザからそれに対する同意を得ていることが重要である。
次に動作を説明する。
図10は、本実施形態のサービス提供システムの動作を説明するためのシーケンス図である。具体的には、モバイル端末1が特定サービスとして特定コンテンツを受けるまでの動作を説明するためのシーケンス図である。以下の動作では、SIMカード100はモバイル端末1の着脱部104に装着されているものとする。
先ず、モバイル端末1のユーザが、モバイル端末1を用いて、図3に示した枠カード110に印刷された2次元バーコードを撮像する。これにより、モバイル端末1の生成部106は、上記の2次元バーコードを撮像した撮像画像を接続先取得用情報として生成し、その接続先取得用情報を端末制御部107に送信する。端末制御部107は、接続先取得用情報を受信し、その接続先取得用情報に含まれる2次元バーコードを接続先情報に変換することで、接続先情報を取得する(ステップS101)。
接続先情報を取得すると、端末制御部107は、その接続先情報である要求接続先情報と、接続先情報を既定の処理で取得した旨の特定取得情報とを含む接続要求を生成し、その接続要求を端末通信部105、アクセスネットワーク21およびプロバイダネットワーク22を介してネットワーク接続装置7に送信する(ステップS102)。
ネットワーク接続装置7の接続通信部701は、接続要求を受信すると、その接続要求を接続制御部703に送信する。接続制御部703は、接続要求を受信すると、SIM識別子要求を、接続通信部701、プロバイダネットワーク22およびアクセスネットワーク21を介してモバイル端末1に送信する(ステップS103)。
モバイル端末1の端末通信部105は、SIM識別子要求を受信すると、そのSIM識別子要求を端末制御部107に送信する。端末制御部107は、SIM識別子要求を受信すると、着脱部104に装着されたSIMカード100からSIM識別子を取得し、そのSIM識別子を端末通信部105、アクセスネットワーク21およびプロバイダネットワーク22を介してネットワーク接続装置7に送信する(ステップS104)。なお、着脱部104にSIMカード100が装着され、その後、モバイル端末1の電源がオンになった際に、端末制御部107は、SIMカード100からSIM識別子を取得して端末記憶部103に記憶してもよい。この場合、端末通信部105がSIM識別子要求を受信すると、端末制御部107は、端末記憶部103に記憶されたSIM識別子をネットワーク接続装置7に送信してもよい。
ネットワーク接続装置7の接続通信部701は、SIM識別子を受信すると、その受信したSIM識別子を対象SIM識別子として接続制御部703に送信する。接続制御部703は、対象SIM識別子を受信すると、接続通信部701を介してSIM識別子記憶装置2に接続し、SIM識別子記憶装置2に対象SIM識別子が記憶されているか否かを確認し、対象識別子が記憶されている場合、その対象識別子に対応するアクティベーション情報が「済」を示すか否かを判定する(ステップS105)。
ここでは、対象識別子が記憶され、かつ、対象識別子に対応するアクティベーション情報が「未」を示すものとする。この場合、接続制御部703は、対象SIM識別子のSIMカード100が特定サービスの提供に該当するか否かを判定する。具体的には、接続通信部701を介してSIM識別子記憶装置2および種別記憶装置5に接続する。そして、接続制御部703は、SIM識別子記憶装置2において対象SIM識別子に対応する初期契約情報に含まれる種別識別子が種別記憶装置5に記憶されているか否かを判定する。この種別識別子が種別記憶装置5に記憶されている場合、接続制御部703は、接続要求に含まれる要求接続先情報と、種別記憶装置5において対象SIM識別子に対応する対応接続先情報とが互いに一致するか否かと、接続要求に特定取得情報が含まれているか否かを判定する(ステップS106)。
ここでは、種別識別子が種別記憶装置5に記憶され、要求接続先情報と対応接続先情報とが互いに一致し、接続要求に特定取得情報が含まれているものとする。この場合、接続制御部703は、対象SIM識別子のSIMカード100が特定サービスの提供に該当すると判定して、第1の入会画面情報を生成し、その第1の入会画面情報を、接続通信部701、プロバイダネットワーク22およびアクセスネットワーク21を介してモバイル端末1に送信する(ステップS107)。
モバイル端末1の端末通信部105は、第1の入会画面情報を受信すると、その第1の入会画面情報を端末制御部107に送信する。端末制御部107は、第1の入会画面情報を受信すると、その第1の入会画面情報を表示部101に表示する。その後、入力部102が第1の必要項目情報を受け付け、その第1の必要項目情報を端末制御部107に送信する。端末制御部107は、第1の必要項目情報を受信すると、その第1の必要項目情報を、端末通信部105、アクセスネットワーク21およびプロバイダネットワーク22を介してネットワーク接続装置7に送信する(ステップS108)。
ネットワーク接続装置7の接続通信部701は、第1の必要項目情報を受信すると、その第1の必要項目情報を接続制御部703に送信する。接続制御部703は、第1の必要項目情報を受信すると、ユーザIDおよびパスワードを発行し、このユーザIDおよびパスワードと、第1の必要項目情報に含まれるユーザ属性情報と、ステップS104にて受信したSIM識別子を対応付けて、接続通信部701介してユーザ情報記憶装置3に記憶する。そして、接続制御部703は、接続通信部701を介してSIM識別子記憶装置2から対象SIM識別子に対応する初期契約情報を取得し、その初期契約情報に現在の日付をモバイル回線開通日として加えた契約情報を生成する。接続制御部703は、その契約情報をユーザIDと対応付けて、接続通信部701を介してユーザ情報記憶装置3に記憶する(ステップS109)。
接続制御部703は、認証情報を、接続通信部701、プロバイダネットワーク22およびアクセスネットワーク21を介してモバイル端末1に送信する。モバイル端末1の端末通信部105は、認証情報を受信すると、その認証情報を端末制御部107に送信する。端末制御部107は、認証情報を受信すると、その認証情報を表示部101に表示するとともに、端末記憶部103に記憶する(ステップS110)。
また、接続制御部703は、認証情報を送信すると、対象SIM識別子に対するアクティベーション処理を実行し、接続通信部701を介してSIM識別子記憶装置2に接続して、対象SIM識別子に対応するアクティベーション情報を「済」に変更する(ステップS111)。
接続制御部703は、接続記憶部702に記憶されたプール情報に基づいて、未だ割り当てていないIPアドレスのいずれかをモバイル端末1に対して割り当てる。そして、接続制御部703は、SIM識別子、IPアドレスおよび「接続中」を示す接続状況情報を対応付けてアドレス情報として、接続通信部701を介してIPアドレス記憶装置4に記憶する(ステップS112)。
接続制御部703は、割り当てたIPアドレスを、接続通信部701、プロバイダネットワーク22およびアクセスネットワーク21を介してモバイル端末1に送信する。モバイル端末1の端末通信部105は、IPアドレスを受信すると、そのIPアドレスを端末制御部107に送信する。端末制御部107は、IPアドレスを受信すると、そのIPアドレスを端末記憶部103に記憶する(ステップS113)。これにより、モバイル端末1は、記憶されたIPアドレスを用いてインターネット23上の種々の装置と通信することができる。
接続制御部703は、ワンタイムパスワードを生成して、接続通信部701、プロバイダネットワーク22およびアクセスネットワーク21を介してモバイル端末1に送信する。モバイル端末1の端末通信部105は、ワンタイムパスワードを受信すると、そのワンタイムパスワードを端末制御部107に送信する。端末制御部107は、ワンタイムパスワードを受信すると、そのワンタイムパスワードを表示部101に表示する(ステップS114)。
接続制御部703は、要求接続先情報と対応接続先とが互いに一致しているため、モバイル端末1を要求接続先情報が示す接続先であるコンテンツサーバ8にリダイレクトして、モバイル端末1とコンテンツサーバ8を、アクセスネットワーク21、プロバイダネットワーク22およびインターネット23を介して互いに接続させる(ステップS115)。
コンテンツサーバ8は、モバイル端末1と接続すると、パスワード要求を、インターネット23、プロバイダネットワーク22およびアクセスネットワーク21を介してモバイル端末1に送信する。モバイル端末1の端末通信部105は、パスワード要求を受信すると、そのパスワード要求を端末制御部107に送信する。端末制御部107は、パスワード要求を受信すると、そのパスワード要求を表示部101に表示する(ステップS116)。
入力部102がワンタイムパスワードを受け付けると、そのワンタイムパスワードを端末制御部107に送信する。端末制御部107は、ワンタイムパスワードを受信すると、そのワンタイムパスワードを、端末通信部105、アクセスネットワーク21、プロバイダネットワーク22およびインターネット23を介してコンテンツサーバ8に送信する(ステップS117)。
コンテンツサーバ8は、ワンタイムパスワードを受信すると、そのワンタイムパスワードが正規のワンタイムパスワードか否かを判定し、そのワンタイムパスワードが正規のワンタイムパスワードの場合、コンテンツを、インターネット23、プロバイダネットワーク22およびアクセスネットワーク21を介してモバイル端末1に送信する。モバイル端末1の端末通信部105は、コンテンツを受信すると、そのコンテンツを端末制御部107に送信する。端末制御部107は、コンテンツを受信すると、そのコンテンツに応じた処理(例えば、表示部101への表示など)を行う(ステップS118)。
図11は、本実施形態のサービス提供システムにおける履歴情報の分析に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
先ず、履歴管理装置9は、特定サービスの提供を受けるモバイル端末1の通信を監視して、そのモバイル端末1の履歴情報を生成し(ステップS201)、その履歴情報を履歴記憶装置6に記憶する(ステップS202)。
分析装置10は、既定のタイミングになると、履歴記憶装置6に接続し(ステップS203)、履歴記憶装置6から履歴情報を取得する。(ステップS204)。分析装置10は、取得した履歴情報を分析し、その分析結果を生成する(ステップS205)。そして、分析装置10は、その分析結果を、履歴管理装置9、プロバイダネットワーク22およびインターネット23を介してコンテンツ主端末11に送信する。コンテンツ主端末11は、分析結果を受信し、その分析結果を記憶および表示する(ステップS206)。
以上説明したように本実施形態によれば、接続制御部703は、接続通信部701が受信したSIM識別子がSIM識別子記憶装置2に記憶されているか否かを判定する処理を含む、モバイル端末1を認証する認証処理を行い、その認証処理に成功した場合、モバイル端末1に対して特定のSIMカードに対応する特定サービスを提供する。このため、特定のSIMカードを使用することにより、特定のSIMカードに対応する特定サービスを受けることが可能になるため、他のSIMカードとの有効な差別化を図ることが可能になる。
また、分析装置10が特定のSIMカードを利用した通信の履歴を示す履歴情報を分析するため、特定のSIMカードを提供する提供者は、特定のSIMカードに対応する特定サービスを提供するコンテンツ主に対して、履歴情報の分析結果を提供することができる。このため、SIMカードの提供者は、分析結果の対価を受け取ることが可能になり、その対価を原資として利用して、特定サービスを受けるユーザに対して、別のコンテンツやグッズなどを提供したり、通信料金を割り引いたりするなど、付加価値を与えることができる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態で説明したサービス提供システム内の各装置の機能は、その機能を実現するためのプログラムを、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませ実行させることで、実現されてもよい。
また、接続先情報は、生成部106にて生成された接続先取得用情報から取得されるのではなく、SIMカード100内に記録されていてもよし、入力部102がユーザから受け付けてもよい。