JP2017175256A - ヘッドホン - Google Patents

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【課題】接続される楽器に応じた良好な音像定位感が得られるヘッドホンを提供する。
【解決手段】楽器の演奏者の耳の位置を検出する姿勢検出部と、演奏者の基本姿勢に基づき定められた楽器の発音位置から姿勢検出部で検出されたユーザの姿勢に応じた経路の伝達関数を決定し、この頭部伝達関数を用いてヘッドホンから出力される楽音を定位させる定位処理部と、複数の楽器の発音位置を記憶した記憶部から選択された一つの楽器の発音位置を記憶部から読み出して定位処理部に設定する選択部と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、電子楽器などに接続して使用されるヘッドホンに関する。
空間に楽音を発しないで、ヘッドホンで演奏者を含む少人数のみに楽音を出力できる楽器がある。典型的には、電子ピアノや電子キーボードがあり、エレキギターやエレキベースはラインアウトからヘッドホンアンプを経由すればそのような使用形態が可能である。また、出願人は、楽音をヘッドホンで聴くことを可能にしたアコースティック楽器(サイレントシリーズ(商標):以下、サイレント楽器)を提供している。
一方で、上記の楽器、例えば電子ピアノをヘッドホンで使ったとき、聞こえる楽音に違和感を感じるユーザが存在する。これは、ヘッドホンから聞こえて来る楽音が頭内定位してしまい、楽器筐体に設置されたスピーカから楽音を出力した場合と定位感が大きく異なることが主因と考えられる。
ヘッドホンの頭内定位を解消し、音像を任意に定位させる技術が提案されている(たとえば特許文献1)。この技術を用いれば、音源に適切な頭部伝達関数を付与して音源の聴感上の定位位置を任意に制御することができる。また、ユーザの姿勢変化(頭部運動)が発生する場合、ユーザの耳と音源を定位させるべき位置との相対位置が変動するが、これは、ユーザの頭部運動を追尾して頭部伝達関数を刻々と変更することで、定位感を維持できることが知られている(非特許文献1参照)。したがって、サイレント楽器にこの頭部運動を追尾可能な頭部伝達関数処理ヘッドホンを組み合わせることで良好な頭外定位可能であると考えられる。
特開平08−009489号公報
2015年9月、日本音響学会秋季研究発表会講演論文集、691-692ページ「反射音のリアルタイム畳込み機能および頭部回転追従機能を搭載した三次元聴覚ディスプレイの開発」
しかしながら、多くの種類の電子楽器、サイレント楽器が販売されているが、楽器毎に楽音の音像を定位させるべき位置やチャンネル数が異なる。ユーザ(演奏者)が、楽器毎に異なる定位位置を毎回適切に設定できるとは限らない。このため、頭外定位機能を有するヘッドホンを使用しても適切に楽音を定位させることができない場合が生じる。
この発明は、接続される楽器に応じた良好な音像定位感が得られるヘッドホンを提供することを目的とする。
本発明は、サイレント楽器などの楽音が入力され、装耳部に設けられたスピーカから楽音を出力するヘッドホンであって、楽器の演奏者であるユーザの姿勢(耳の位置)を検出する姿勢検出部と、ユーザの基本姿勢に基づき定められた楽器の発音位置から姿勢検出部で検出されたユーザの姿勢に応じた経路の伝達関数を決定し、この頭部伝達関数を用いてスピーカから出力される楽音を定位させる定位処理部と、複数の楽器の発音位置を記憶した記憶部から選択された一つの楽器の発音位置を記憶部から読み出して定位処理部に設定する選択部と、を備えたことを特徴とする。
記憶部は、楽器の機種を表す識別情報(たとえば型番)に対応づけられた発音位置(機種別発音位置)を記憶してもよく、また、楽器の種類(たとえば楽器の一般名称)に対応づけられた発音位置(汎用発音位置)を記憶してもよい。
記憶部は、ヘッドホンに内蔵の記憶素子であってもよいが、通信によって接続される外部のデータベースを含んでいてもよい。
定位処理部に設定される発音位置を、任意に入力または調整できるユーザインターフェースを備えてもよい。
この発明によれば、ひとつのヘッドホンで複数のサイレント楽器で良好な聴感(音像定位)を得ることが可能になる。
この発明の実施形態であるヘッドホンの構成および接続形態を示す図である。 各種楽器のユーザによる演奏形態を示す図である。 メモリに設けられる発音位置情報テーブルの例を示す図である。 ヘッドホンの処理動作を示すフローチャートである。 ヘッドホンの処理動作を示すフローチャートである。
図面を参照してこの発明の実施形態であるヘッドホンについて説明する。図1は、ヘッドホン1の構成および接続形態を示す図である。図2は、各種の楽器2の演奏形態を示す図である。
ヘッドホン1は、一般的なヘッドバンド型の両耳用ヘッドホンの形状をしており、ユーザPの左右の耳にかぶせるように装着される装耳部23L、23R、および、これら装耳部23L、23Rを接続するヘッドバンド24を有している。ヘッドバンド24の頂点付近にはこのヘッドホン1を装用したユーザPの姿勢を検出するためのモーションセンサ21が設けられている。
モーションセンサ21は、9軸のジャイロセンサであり、ユーザPの頭部の上下、前後、左右への移動、傾き、回転をそれぞれ検出することができる。モーションセンサ41が検出した姿勢情報41は、定位処理部11に入力される。この実施形態では、ユーザPの頭部の姿勢、すなわち、頭部の位置、傾きおよび回転角度をユーザPの姿勢と呼ぶ。なお、頭部の姿勢は、頭部の位置、傾きおよび回転角度の全ての情報を含んでいるのが望ましいが、含んでいなくてもよく、少なくとも回転角度の情報を含んでいればよい。したがって、モーションセンサ21は、必ずしも9軸センサである必要はなく、少なくとも頭部の水平方向の回転角度を検出できるものであればよい。
ヘッドホン1は、主として楽器2(主として電子楽器やサイレント楽器)で用いられる。ヘッドホン1は、楽器2が発生した楽音を入力し、この楽音を頭部伝達関数を用いて定位処理して両耳のスピーカ22(22L,22R)から放音する。ここで、サイレント楽器とは、アコースティックな発音機能を有する楽器であるが、発生した楽音(自然音または物理的振動)を電気的にピックアップするとともにその楽音をミュートし、ピックアップされた楽音(電子信号)を増幅してヘッドホン1から出力するものである。サイレント楽器には、専用に製造されたサイレントピアノ(商標)、サイレントバイオリン(商標)や、一般の金管楽器に取り付けられるミュート(消音器)であるサイレントブラス(商標)などがある。なお、サイレントブラスはミュートの名称であるが、以下の説明では、このミュート(サイレントブラス)が取り付けられた金管楽器をサイレントブラスと呼ぶ。
楽器2は、ヘッドホン1が接続されると、楽音を直接外部へ放音せず、専らヘッドホン端子2Aからヘッドホン1に向けて出力する。ヘッドホン1は、入力された楽音を楽器2の通常の発音位置Gから到来したように定位処理してスピーカ22からユーザP(楽器2の演奏者)に対して放音する。上記の「通常の発音位置G」とは、ヘッドホン1が接続されていない状態で楽音が放音される位置のことである。なお、以下の説明では、「通常の発音位置G」を単に「発音位置G」と言う。
上記のような楽器において、発音位置Gは、電子ピアノなどの電子楽器の場合、その楽器筐体に設けられたスピーカの位置である。サイレントピアノの場合、一般のピアノと同様にそれぞれの弦の位置が発音位置Gである。サイレントブラスの場合、楽器のベル(あさがお)の位置(ミュートが接続されている位置)が発音位置Gである。また、エレキギターも広い意味でのサイレント楽器であり、エレキギターの場合、ユーザPの背後に設置されたギターアンプ231が発音位置Gになる。
ヘッドホン1の入力部31は、ステレオミニプラグなどのコネクタを有している。入力部31は、電子楽器2のヘッドホン端子2Aに接続される。入力部31を介して入力された楽音は定位処理部11に入力される。定位処理部11はたとえばDSPで構成される。定位処理部11は、ユーザPがヘッドホン1を装用して楽器2を演奏したとき、ユーザPに対して楽音が発音位置Gから到来しているように楽音を定位させる。定位処理部11で処理された左右2チャンネルの楽音は、アンプ30(30L,30R)で増幅され、左右の装耳部23L、23Rに設けられたスピーカ22(22L,22R)からユーザPの両耳に向けて放音される。なお、図1では、スピーカ22のみが装耳部23内部に収容されている如く記載しているが、実施する場合には、ヘッドホン1の全構成部が装耳部23またはヘッドバンド24の内部に収容されるように構成するのが好ましい。
発音位置Gは、ユーザPが通常の姿勢で楽器2を演奏している場合に、その楽器2から楽音が発生する位置であり、ユーザPによって装用されるヘッドホン1からの方向と距離で特定される。体格や演奏姿勢の癖などによって、ユーザP毎にヘッドホン1から実際の楽器2までの方向、距離が若干異なるが、全てのユーザPに対して、標準的な体格、標準的な演奏姿勢による規定値を用いて構わない。また、個別のユーザPにおける発音位置Gを測定して用いてもよい。
発音位置Gは、図2に示すように、楽器2によって異なるため、楽器毎の発音位置情報がメモリ33およびサーバ5に記憶されている。ユーザPは、ヘッドホン1に接続された(ユーザPが演奏する)楽器の発音位置情報40を選択して定位処理部11に設定すればよい。
定位処理部11は、FIRフィルタを有している。FIRフィルタには頭部伝達関数に基づく係数が設定される。頭部伝達関数は、音がユーザPの頭部付近を伝搬してユーザPの耳に到達するまでの周波数特性の変化を表す伝達関数であり、FIRフィルタには、頭部伝達関数をフーリエ変換により時間領域に展開したもの(頭部インパルス応答)がフィルタ係数として設定される。定位処理部11は、所定の角度毎のフィルタ係数(頭部インパルス応答)を記憶しており、楽音の到来方向のフィルタ係数をFIRフィルタにセットして楽音を定位処理する。楽音の到来方向が、いずれかのフィルタ係数と一致する角度でなかった場合には、最も近い角度のフィルタ係数を用いてもよく、近接する2以上のフィルタ係数を補間して到来方向に合わせたフィルタ係数を算出してもよい。なお、FIRフィルタは、「発音位置Gの数(チャンネル数)×2(両耳)」だけ設けられる。
図2において、図2(A)は楽器2が電子ピアノ200の場合を示している。電子ピアノ200の場合、発音位置Gは、鍵盤の左右奥にある2つのスピーカ201L,201Rである。電子ピアノ200は、楽音信号を左右スピーカ201L,201Rに入力するレベルをその音高に応じて配分することにより、ピアノの楽音らしい広がり感を出している。図2(B)は、楽器2がサイレントピアノ210の場合を示している。サイレントピアノ210は、一般的にヘッドホン1を用いて演奏されるが、ヘッドホン1の接続有無にかかわらず演奏により小音量の自然楽音が鳴動する。自然楽音は、ピアノの胴内で振動する弦211の音が天板212で反射して演奏者に聞こえてくるものである。したがって、サイレントピアノにおける発音位置Gは、天板212の中央付近の広い範囲となる。
電子ピアノ200やサイレントピアノ210などの据え置きの楽器の場合、ユーザPはその前に座って演奏し、ユーザPが演奏中に姿勢や顔の向きを変えても楽器はそれに追従せず、同じ位置に留まる。この発音位置Gの態様を「固定」と呼ぶ。固定の発音位置Gの場合、演奏中にユーザPが姿勢を変えるとユーザPに対する発音位置Gの相対位置が変化する。
図2(C)は、楽器2がサイレントブラス(この図ではトランペット)220の場合を示している。上述したようにサイレントブラス220はアコースティックな金管楽器のベルに専用のミュートを挿入したものである。発音位置Gは全ての音域でベルの位置であり、また、楽器220はユーザPによって構えられているため、ユーザPの姿勢が変化してもユーザP(の両耳)と発音位置Gとの位置関係は変化しない。この発音位置Gの態様を「従動」と呼ぶ。
また、図2(D)は、楽器2がエレキギター230の場合を示している。エレキギター230の場合、楽器そのものから楽音は殆ど聞こえず、別に設置されたギターアンプ231から楽音が放音される。したがって、このギターアンプ231の位置が放音位置Gとなる。ギターアンプ231はユーザPが動いても同じ位置に留まるため「固定」である。
図3は、メモリ33の発音位置情報テーブルに記憶される発音位置情報を示す図である。メモリ33にいくつの発音位置情報を記憶しておくかは任意であるが、この図では5つの発音位置情報を記憶している。発音位置情報は、楽器の識別情報、発音位置座標、チャンネル数、固定/従動情報を有している。
識別情報は、型番または汎用の楽器名からなる。型番は楽器2の機種を個別に識別する情報である。たとえば、同じ電子ピアノでも、機種によってスピーカの位置が異なる場合がある。そこで、機種(型番)ごとに発音位置情報(機種別発音位置情報)を設けることにより、その機種にぴったり合った発音位置に楽音を定位させることができる。図示のメモリ33には、5つの発音位置情報が記憶されるが、インターネット4に接続されているサーバ5には多数の機種の発音位置情報が記憶されており、ユーザPは必要に応じてこれらをダウンロードすることができる。発音位置情報のダウンロードは、ヘッドホン1とBLUETOOTH(登録商標)を介して接続される多機能電話機(スマートフォン)3を用いて行えばよい。
また、汎用の楽器名で識別される発音位置情報(汎用発音位置情報)は、型番で登録されていない(たとえば旧型の)楽器2に対して適用される発音位置情報である。この発音位置情報は、その楽器で一般的と思われる発音位置座標およびチャンネル数を有している。また、この汎用発音位置情報は、ヘッドホン1がオフラインで使用され、サーバ5から機種別発音位置情報を取得できない場合にも選択される。
発音位置座標は、ヘッドホン1の中心、すなわちユーザPの頭部の中心を原点とした場合の発音位置の座標値である。発音位置(チャンネル)が複数ある場合には、その数の発音位置座標が記憶されている。なお、サイレントピアノの場合、発音位置Gは天板の中央であるが、定位感に広がりを持たせたいため、フィルタ係数を調整して定位を強くかけないようにする。
また、エレキギターの場合、図2(D)に示したように、発音位置Gはギターアンプ231の位置である。エレキギターの場合、標準的なギターアンプ231の設置位置をギターアンプ231の設置位置を発音位置座標として記憶しておいてもよく、ユーザPに、発音位置座標を自己の好みに合わせて設定させてもよい。ユーザPに設定させる場合、ギターアンプ231を設置する位置(設置すると想定される位置)にヘッドホン1を持って行って所定の操作を行うようにしてもよい。その後、ユーザPが演奏位置に戻ってヘッドホン1を装用すれば、ヘッドホン1のモーションセンサ21がその移動をトレースしているため、その移動ベクトルを発音位置座標として利用することができる。また、BLUETOOTH通信部32を介して接続されるスマートフォン3で、ギターアンプ231の位置を指定するアプリを起動し、スマートフォン3からギターアンプ231の位置が指定されるようにしてもよい。
図1において、定位処理部11には、接続される楽器2に応じた発音位置情報40が選択部34を介して供給される。選択部34には上述のメモリ33およびBLUETOOTH通信部32が接続されている。接続される楽器2が指定されると、選択部34は、まずメモリ33にその楽器2に対応する発音位置情報があるか否かを検索する。メモリ33にその発音位置情報が記憶されていない場合には、BLUETOOTH通信部32、多機能電話機(スマートフォン)3、および、インターネット4を介してサーバ5から対応する発音位置情報を取得する。サーバ5から取得された発音位置情報は、定位処理部11に供給されるとともに、メモリ33に記憶される。メモリ33の記憶エリアが満杯の場合には、古い情報に上書き記憶されればよい。
なお、接続される楽器2の選択は、ヘッドホン1(選択部34)にユーザインタフェースを設け、ユーザの操作によって選択されてもよいが、接続される楽器2からBLEなどを用いて発せられる何らかの情報(信号)を受信して、この情報に基づいて選択されてもよい。また、BLUETOOTH通信部32を介して接続されるスマートフォン3で、楽器選択のアプリを起動し、スマートフォン3から接続される楽器2を選択してもよい。
図4および図5のフローチャートを参照してヘッドホン1の処理動作について説明する。図4は楽器2が選択された場合の動作を示すフローチャートである。S10で接続される楽器2が選択される。楽器2が選択されると、その楽器2がエレキギター230であるか否かを判断する(S11)。エレキギター230であった場合には(S11でYES)、ギターアンプ231の位置の入力を受け付け(S12)、入力された位置を発音位置座標として定位処理部11に設定する(S17)。このときチャンネル数や固定/従動の情報も同時に設定される。
選択された楽器2がエレキギター230以外であった場合には(S11でNO)、選択された楽器2の型番または汎用名称を用いてメモリ33を検索する(S13)。対応する発音位置情報がメモリ33に記憶されていた場合には(S14でYES)、その発音位置情報をメモリ33から読み出して定位処理部11に設定する(S17)。一方、メモリ33にその発音位置情報が記憶されていなかった場合には(S14でNO)、BLUETOOTH通信部32によりサーバ5から対応する発音位置情報を取得する(S15)。取得した発音位置情報をメモリ33に記憶するとともに(S16)、この発音位置情報を定位処理部11に設定する(S17)。
定位処理部11に発音位置情報40が設定されたのち、発音位置が固定であるか従動であるかを判断する(S20)。従動の場合には、発音位置座標からユーザPの両耳に到達する経路のフィルタ係数をFIRフィルタに固定的にセットして(S22)、入力される楽音信号の処理を開始する。一方、楽器2の発音位置が固定であった場合には、ユーザPの姿勢の変化によって、発音位置GとユーザPとの相対位置が変化するため、図5に示す姿勢制御処理を実行する(S21)。
なお、このフローチャートでは、エレキギター230の場合のみユーザに発音位置座標のユーザ設定を許可しているが、他の楽器の場合でも発音位置座標のユーザ設定を許可してもよい。また、一部または全ての楽器において、定位処理部11に設定された発音位置座標に対するユーザの調整を許可してもよい。たとえばエレキギター230の場合、一般的なギターアンプ231の設置場所(発音位置G)がプリセットされ、このプリセット位置をユーザPが自己の好みに合わせて移動させられるようにしてもよい。
図5は、姿勢制御処理を示すフローチャートである。この姿勢制御処理では、演奏開始時のユーザPの姿勢を基本姿勢として、この姿勢を原点として発音位置座標を当てはめて発音位置Gを決定する。そして、その後演奏中にユーザPの姿勢が変化した場合、ユーザP(ヘッドホン1)と発音位置Gとの相対位置が変化するため、この相対位置の変化に応じたフィルタ係数を逐次定位処理部11に設定する。最初の楽音が入力されたときを演奏開始として発音位置Gを設定し、楽音が入力されている間この発音位置Gを維持する。そして、楽音が入力されない状態が所定時間(たとえば5秒)経過すると、演奏が休止したとして発音位置Gを解除する。再度楽音の入力が開始されたとき、上記の発音位置Gの設定から処理を開始する。
S31で演奏開始すなわち最初の楽音の入力があるまで待機する。演奏が開始された場合(S31でYES)、そのときヘッドホン1のモーションセンサ21が検出しているユーザPの頭部位置を原点として発音位置座標だけ離れた位置を発音位置Gとする(S32)。そして、この発音位置GからユーザPの両耳に到達する経路のフィルタ係数をFIRフィルタにセットして(S33)、入力される楽音の定位処理を開始する(S34)。
こののち、楽音の入力がある間は(S35でYES)、演奏休止を判定するタイマをリセットし(S36)、モーションセンサ21の検出値に基づいてユーザPの姿勢を検出する(S37)。そしてこの姿勢に基づいて、ユーザPの頭部とS32で設定された発音位置Gとの相対位置を算出し、この相対位置に対応するフィルタ係数をFIRフィルタに設定する(S38)。
一方、楽音が入力されなくなると(S35でNO)、タイマをカウントアップし(S40)、タイムアップ(例えば5秒)したかを判断する(S41)。タイムアップするまで(S41)、S35−S40−S41のルーチンで待機し、楽音が入力されるとS35からS36に進む。楽音が入力されないままタイムアップした場合には(S41でYES)、演奏が休止したとして制御を停止し(S42)、演奏が再開されるまでS31で待機する。
以上の構成および処理により、ユーザPがヘッドホン1を用いて楽器2を演奏した場合でも、通常の発音位置Gから、すなわち、電子ピアノ200の場合には、スピーカ201L,Rの位置から、サイレントピアノ210の場合には天板212の中心付近の広い範囲から、楽音が聞こえてくようにすることができる。
また、機種毎に発音位置情報が用意されているため、各機種に最適な定位制御が可能になる。一方で、汎用の発音位置情報も用意されているため、機種別の発音位置情報がない楽器であっても、一般的な(不都合のない)発音位置Gに楽音を定位させることができる。
また、楽音の定位処理以外に、接続される楽器2に合わせた音質等の処理を加えてもよい。たとえば、接続される楽器2がエレキギター230である場合には、ギターアンプ231の歪みをヘッドホン再生で再現してもよい。楽音に特殊なステレオ定位補正処理を掛けている楽器の場合、楽音を再処理して最適な再ステレオ化をしてもよい。また、ヘッドホン端子2Aから出力される楽音に対して、その楽器2の付属ヘッドホンに合わせたイコライジングが施されている場合には、このヘッドホン1に合わせた最適な再音色補正をしてもよい。
また、発音位置情報に、楽器2の特性情報や音源の録音情報が提供されてもよい。たとえば、モノラル/ステレオ/バイノーラルステレオ/ダウンミックスステレオなどである。定位処理部11は、提供されたこの情報に基づいて、定位に加えて適切な音源加工処理や楽器2のオーディオアンプの特性をシミュレートしてもよい。
1 ヘッドホン
2 楽器
21 モーションセンサ
G 発音位置

Claims (5)

  1. 楽器の楽音が入力され、装耳部に設けられたスピーカから前記楽音を出力するヘッドホンであって、
    前記楽器の演奏者であるユーザの姿勢を検出する姿勢検出部と、
    前記ユーザの基本姿勢に基づき定められた前記楽器の発音位置から前記姿勢検出部で検出されたユーザの姿勢に応じた経路の伝達関数を決定し、該伝達関数を用いて前記スピーカから出力される楽音を定位させる定位処理部と、
    複数の楽器の前記発音位置を記憶した記憶部から選択された一つの楽器の発音位置を読み出して前記定位処理部に設定する選択部と、
    を備えたヘッドホン。
  2. 前記記憶部は、前記楽器の機種を表す識別情報に対応づけられた前記発音位置を記憶している請求項1に記載のヘッドホン。
  3. 前記記憶部は、前記楽器の種類に対応づけられた前記発音位置を記憶している請求項1または請求項2に記載のヘッドホン。
  4. 前記記憶部は、通信によって接続される外部のデータベースを含む請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のヘッドホン。
  5. 前記定位処理部に設定される発音位置を、任意に入力または調整できるユーザインターフェースを備えた請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のヘッドホン。
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