JP2017173861A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ベルトを直接加熱する定着装置において、定着ベルトの耐久性を向上させる。【解決手段】回転可能な無端状の定着ベルト21の軸方向両端部をベルト保持部材40で保持し、定着ベルト21の内側に加熱源23とニップ形成部材24とを配置する。加圧ローラ22を定着ベルト21に当接させてニップ部Nを形成する。加圧ローラ22と両ベルト保持部材40は、軸方向のオーバーラップ領域を持たせることなく、軸方向にずれた状態で配置する。【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置および定着装置を備えた画像形成装置に関する。
プリンタ・複写機・ファクシミリなどの画像形成装置では、電子写真記録・静電記録・磁気記録等の画像形成プロセスにより、画像転写方式もしくは直接方式により未定着トナー画像が記録媒体シート・印刷紙・感光紙・静電記録紙などの記録媒体に形成される。未定着トナー画像を定着させるための定着装置としては、熱ローラ方式、フィルム加熱方式、電磁誘導加熱方式等の接触加熱方式の定着装置が広く採用されている。
これらの定着装置においては、定着部材を加熱源によって所定の温度へ加熱する際に、所定温度までの加熱時間を短縮できれば、大幅に消費エネルギーを低減できる。これを達成するために、定着部材として、金属基材と弾性ゴム層で構成される低熱容量の薄肉ベルトを使用することが提案されている(特許文献1参照)。
この定着装置は、図8に示すように、無端ベルト100と、無端ベルト100の内部に配設されたパイプ状の金属熱伝導体200と、金属熱伝導体200内に配設された熱源300と、無端ベルト100を介して金属熱伝導体200に当接してニップ部Nを形成する加圧ローラ400を備えている。加圧ローラ400の回転により無端ベルト100は連れ回りし、このとき、金属熱伝導体200は無端ベルト100の移動をガイドする。また、金属熱伝導体200内の熱源300により金属熱伝導体200を介して無端ベルト100が加熱されることで、無端ベルト100全体を温めることを可能にしている。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することが可能となっている。
しかしながら、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイム向上のためには熱効率をより一層向上させる必要がある。そこで、無端ベルトを金属熱伝導体を介して間接的に加熱するのではなく、無端ベルトを(金属熱伝導体を介さずに)直接加熱する構成が提案されている(特許文献2参照)。
この構成では、図9に示すように、無端ベルト100の内側から上記パイプ状の金属熱伝導体を取り除き、代わりに、加圧ローラ400と対向する位置に板状のニップ形成部材500を設けている。この構成の場合、ニップ形成部材500を配設した箇所以外で無端ベルト100を熱源300によって直接加熱することができるので、伝熱効率が大幅に向上し消費電力が低減する。これにより、加熱待機時からのファーストプリントタイムをさらに短縮することが可能となる。また、金属熱伝導体を設けないことによるコストダウンも期待できる。
図9に示すような無端ベルトを直接加熱する構成では、無端ベルト100に種々の応力が作用する。例えば図10(a)に示すように、ニップ部Nを通過するベルト100には、加圧ローラ400の回転駆動力と、ニップ形成部材500との間に生じる摩擦力とでせん断力(白抜きの矢印で示す)が作用する。また、同図(b)に示すように、回転中のベルトは軸方向のどちらか一方に寄るが、その際にベルト100の寄りを規制するベルト保持部材600との摺接によりベルト100の端面にせん断力が作用する。さらに、同図(c)に示すように、ベルト表面から用紙を分離する際の分離性を向上させるため、ベルト100の断面形状を真円以外の形状にすることが望まれるが、その際にはX部とY部での曲率変化により、ベルト100に繰り返しの曲げ力が作用する。
無端ベルトを直接加熱する構成(図9)では、これらの力で生じた応力がベルト端部に集中する傾向にある。そのため、ベルトの端部が破損し易く、ベルトの耐久性に難があった。
そこで、本発明は、定着ベルトの耐久性を向上させた定着装置、さらにはこの定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかる定着装置は、回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトをその軸方向両端部で保持するベルト保持部材と、前記定着ベルトを加熱する加熱源と、前記定着ベルトの内側に配設されたニップ形成部材と、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材と当接することにより定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体とを有する定着装置において、対向回転体とベルト保持部材とが、軸方向でオーバーラップすることなく軸方向にずれた状態で配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、対向回転体とベルト保持部材とが、軸方向でオーバーラップすることなく軸方向にずれた状態で配置されているため、定着ベルトの端部周辺での応力集中が緩和される。そのため、長期使用時のベルト端部の破損を防止して定着ベルトの耐久性を向上させることができ、定着装置、さらには画像形成装置の耐久寿命の向上を図ることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 前記画像形成装置に搭載された定着装置の概略構成を示す断面図である。 定着ベルトの端部の支持構造を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)図A−A線の断面図である。 ベルト保持部材の他の実施形態を示す平面図である。 ベルト保持部材の変形例を示す半径方向の断面図である。 定着装置の他の実施形態を示す断面図である。 図6に示す定着装置のニップ形成部材を拡大して示す断面図である。 従来の定着装置の概略構成を示す断面図である。 他の従来の定着装置の概略構成を示す断面図である。 ベルトに生じる応力を説明する図で、(a)は半径方向の断面図、(b)は斜視図、(c)は半径方向の断面図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y,4M,4C,4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y,4M,4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34、ベルトクリーニング装置35を備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y,2M,2C,2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kと上記各現像装置7との間には、図示しない補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。ここで、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。その後、図示しない除電装置によって各感光体5の表面が除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られて、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、上記二次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
次に、図2に基づき、上記定着装置20の構成について説明する。
図2に示すように、定着装置20は、回転可能な定着回転体としての定着ベルト21と、定着ベルト21に対向して回転可能に設けられた対向回転体としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内側に配設されたニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23から放射される光を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段としての温度センサ27と、定着ベルト21から用紙を分離する分離部材28と、定着ベルト21の両端部を保持するベルト保持部材40(図3(a)〜(c)参照)と、加圧ローラ22を定着ベルト21へ加圧する図示しない加圧手段等を備えている。
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、図示しない加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。また、加圧ローラ22は、プリンタ本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。また、弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ100μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。また、定着ベルト21と加圧ローラ22は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
上記各ハロゲンヒータ23は、それぞれの両端部が定着装置20の側板(不図示)に固定されている。各ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、上記温度センサ27による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、IH、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いてもよい。
上記ニップ形成部材24は、ベースパッド241と、ベースパッド241の表面に設けられた摺動シート(低摩擦シート)240とを有する。ベースパッド241は、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設されており、加圧ローラ22の加圧力を受けてニップ部Nの形状を決めるものである。また、ベースパッド241は、ステー25によって固定支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。なお、ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。本実施形態では、ベースパッド241の加圧ローラ22との対向面が平坦面状に形成されており、そのためにニップ部Nはストレート形状になっている。ニップ部Nをストレート形状にすることで、加圧ローラ22による加圧力を軽減することができる。
また、ベースパッド241は、強度確保のためにある程度硬い材料で、かつ耐熱温度200℃以上の耐熱性材料で構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、安定したニップ部Nの状態を確保して、出力画質の安定化を図っている。ベースパッド241の材料としては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの一般的な耐熱性樹脂の他、金属、あるいはセラミックなどを使用することが可能である。
摺動シート240は、ベースパッド241の少なくとも定着ベルト21と対向する表面に配設される。これにより、ベースパッド241が摺動シート240を介して間接的に定着ベルト21と接触する。定着ベルト21の回転中は、この摺動シート240に対して定着ベルト21が摺動するため、定着ベルト21に生じる摩擦力が軽減され、定着ベルト21の駆動トルクが低減される。なお、摺動シート240を有しない構成とすることも可能である。
上記反射部材26は、ステー25とハロゲンヒータ23との間に配設されている。本実施形態では、反射部材26をステー25に固定している。反射部材26の材料としては、アルミニウムやステンレス等を使用することができる。このように反射部材26を配設していることにより、ハロゲンヒータ23からステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。また、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がステー25等に伝達されるのを抑制することができるので、省エネルギー化も図れる。
なお、図示省略するが、定着ベルト21の軸方向両端部には、定着ベルト21とハロゲンヒータ23との間に、ハロゲンヒータ23からの熱を遮蔽する遮蔽部材を配設している。これにより、特に、連続通紙時の定着ベルトの非通紙領域における過剰な温度上昇を抑制することができ、定着ベルトの熱による劣化や損傷を防止することができる。
また、本実施形態に係る定着装置20は、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイムなどの向上のために、種々の構成上の工夫が施されている。
具体的には、ハロゲンヒータ23によって定着ベルト21をニップ部N以外の箇所において直接加熱できるようにしている(直接加熱方式)。本実施形態では、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21の図2の左側の部分の間に何も介在させないようにし、その部分においてハロゲンヒータ23からの輻射熱を定着ベルト21に直接与えるようにしている。
また、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20〜50μm、100〜300μm、10〜50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20〜40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
なお、本実施形態では、加圧ローラ22の直径を20〜40mmに設定しており、定着ベルト21の直径と加圧ローラ22の直径を同等となるように構成している。ただし、この構成に限定されるものではない。例えば、定着ベルト21の直径が加圧ローラ22の直径よりも小さくなるように形成してもよい。その場合、ニップ部Nにおける定着ベルト21の曲率が加圧ローラ22の曲率よりも小さくなるため、ニップ部Nから排出される用紙Pが定着ベルト21から分離されやすくなる。
また、上記のように、定着ベルト21を小径化した結果、定着ベルト21の内側のスペースが小さくなるが、ステー25を両端側において折り曲げられた凹状に形成し、その凹状に形成した部分の内側にハロゲンヒータ23を収容することで、小さいスペース内でもステー25やハロゲンヒータ23の配設を可能にしている。
また、小さいスペース内でもステー25をできるだけ大きく配設するために、ニップ形成部材24を反対にコンパクトに形成している。具体的には、ベースパッド241の用紙搬送方向の幅を、ステー25の用紙搬送方向の幅よりも小さく形成している。さらに、図2において、ベースパッド241の用紙搬送方向上流側端部24a及び下流側端部24bにおけるそれぞれのニップ部N又はその仮想延長線Eに対する高さをh1,h2とし、上流側端部24a及び下流側端部24b以外のベースパッド241の部分におけるニップ部N又はその仮想延長線Eに対する最大高さをh3とすると、h1≦h3、h2≦h3となるように構成している。このように構成することで、ベースパッド241の上流側端部24aと下流側端部24bは、ステー25の用紙搬送方向上流側及び下流側の各折り曲げ部と定着ベルト21との間に介在しないので、各折り曲げ部を定着ベルト21の内周面に近づけて配設することができる。これにより、定着ベルト21内の限られたスペース内でステー25をできるだけ大きく配設できるようになり、ステー25の強度を確保することができるようになる。その結果、加圧ローラ22によるニップ形成部材24の撓みを防止でき、定着性の向上を図れる。
さらにステー25の強度を確保するために、本実施形態では、ステー25が、ニップ形成部材24と接触し用紙搬送方向(図2の上下方向)に延在するベース部25aと、ベース部25aの用紙搬送方向上流側と下流側の各端部から加圧ローラ22の当接方向(図2の左側)に向かって延びる立ち上がり部25bとを有するように構成している。すなわち、ステー25に立ち上がり部25bを設けることで、ステー25が加圧ローラ22の加圧方向に延在する横長の断面を有するようになり、断面係数が大きくなって、ステー25の機械的強度を向上させることが可能となる。
立ち上がり部25bを加圧ローラ22の当接方向に、より長く形成する方が、ステー25の強度が向上する。従って、立ち上がり部25bの先端は、定着ベルト21の内周面に対し、できる限り近接していることが望ましい。しかし、回転中、定着ベルト21には大小なりとも振れ(挙動の乱れ)が生じるので、立ち上がり部25bの先端を定着ベルト21の内周面に近づけすぎると、定着ベルト21が立ち上がり部25bの先端に接触する虞がある。特に、本実施形態のように、薄い定着ベルト21を用いている構成においては、定着ベルト21の振れ幅が大きいので、立ち上がり部25bの先端の位置設定には注意が必要である。
具体的に、本実施形態の場合、立ち上がり部25bの先端と定着ベルト21の内周面との加圧ローラ22の当接方向の距離dは、少なくとも2.0mm、望ましくは3.0mm以上に設定するのが好ましい。一方、定着ベルト21にある程度厚みがあって振れがほとんど無い場合は、上記距離dは0.02mmに設定することが可能である。なお、本実施形態のように、立ち上がり部25bの先端に反射部材26が取り付けられている場合は、反射部材26が定着ベルト21に接触しないように上記距離dを設定する必要がある。
このように、立ち上がり部25bの先端を定着ベルト21の内周面に対し可能な限り近接するように配設することで、立ち上がり部25bを加圧ローラ22の当接方向に長く配設することができる。これにより、小径の定着ベルト21を用いた構成においても、ステー25の機械的強度を向上させることが可能となる。
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置の基本動作について説明する。
プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2中の時計回りに回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2中の反時計回りに従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップ部Nに送入される。用紙Pの未定着画像Tが担持された側を定着ローラ21が加熱し、ハロゲンヒータ23による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図2中の矢印A2方向に搬出される。ニップ部Nの出口近傍に配置された分離部材28の先端28aは、定着ベルト21の表面に対して非接触であり、該表面との間で分離ギャップgを形成している。ニップ部Nから搬出された用紙Pの先端が分離部材28の先端28aに接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
次に、図3(a)〜(c)に基づいて、定着ベルト21の軸方向両端部を支持するための支持構造を説明する。この支持構造においては、定着ベルト21の両端部がその内周に挿入されたベルト保持部材40で回転自在に支持される。ベルト保持部材40を図示しない側板に取り付けることで、定着装置20が画像形成装置に組み込まれる。なお、図3の(a)〜(c)では、片側のベルト保持部材40のみを図示しているが、反対側のベルト保持部材も同様の構成となっているので、以下では、片側のベルト保持部材40についてのみ説明する。
図3(a)(b)に示すように、ベルト保持部材40は、外周面が円筒面状をなす筒部40aと、筒部40aの外径側に張り出し、定着ベルト21の軸方向移動を規制するフランジ部40bとを有する。このベルト保持部材40は、例えば樹脂の射出成形により一体形成される。図3(c)に示すように、ベルト保持部材40の筒部40aは、ニップ部Nの位置(ニップ形成部材24を配設した位置)に軸方向の切欠きを有する断面C字形に形成されている。ベルト保持部材40の筒部40aは定着ベルト21の内周面に緩く嵌合されており、この円筒部40aによって定着ベルト21の端部が回転可能に保持されている。上記ステー25の端部は、このベルト保持部材40に固定され位置決めされている。
図3(a)(b)に示すように、定着ベルト21の軸方向端面とそれに対向するベルト保持部材40の対向面(フランジ部40bの端面401)との間には、定着ベルト21の端部を保護する保護部材としてのスリップリング41が配置されている。これにより、定着ベルト21に軸方向の寄りが生じた場合に、定着ベルト21の端部がベルト保持部材40のフランジ部40bの端面401に直接当接するのを防止することができ、端部の摩耗や破損を防ぐことができる。スリップリング41は、ベルト保持部材40の円筒部40aの外周に余裕を持って嵌められているため、定着ベルト21の端部がスリップリング41に接触した際に、スリップリング41は定着ベルト21と連れ回り可能となっている。この時、スリップリング41を連れ回りさせる必要は必ずしもなく、スリップリング41が静止していても構わない。スリップリング41の材料としては、耐熱性に優れたいわゆるスーパーエンジニアプラスチック、例えば、PEEK、PPS、PAI、PTFE等を適用することが好ましい。
以上の支持構造においては、定着ベルト21の両端部のみがベルト保持部材40によって保持されているため、両端部間では定着ベルト21がニップ部Nを除いてフリー変形可能な状態にある。また、ニップ部Nをストレート形状にしたことに伴い、定着ベルト21には楕円状に変形しようと力が常時作用する。そのため、回転中の定着ベルト21は、その両端部で半径方向断面がほぼ真円形状となり、両端部の間の領域で半径方向断面がニップ部Nの法線方向を短軸とする楕円形となるように変形する。
かかる構成の定着装置20において、加圧ローラ22の軸方向長さを定着ベルト21と同程度とし、加圧ローラ22をベルト保持部材40と軸方向でオーバーラップさせて配置した場合、長期使用時に定着ベルト21の端部が破損することが明らかになった。具体的には、定着ベルト21のうち、ベルト保持部材40の筒部40aに接触する部分と接触しない部分との境界(筒部40aの先端付近のうち、外周チャンファ402を除く先端縁403)に沿って周方向の亀裂や筋を生じることが判明した。この定着ベルト21の破損は、上記のとおりニップ部Nでのせん断力(図10(a))の作用、ベルト端部でのせん断力(同図(b))の作用、さらに楕円形に変形したことによる曲げ力の変動(同図(c))が要因となり、定着ベルト21のうち、筒部40aの先端縁403に沿った領域で応力集中を生じたために発生すると考えられる。
これに対し、本発明では、図3(b)に示すように、加圧ローラ22とベルト保持部材40を軸方向でオーバーラップさせることなく軸方向にずらした状態で配置している。この場合、加圧ローラ22の軸方向長さは定着ベルト21の軸方向長さよりも短くし、ベルト保持部材40の先端(筒部40aの先端)と加圧ローラ22の端部22aとは軸方向に離間させる。これにより、定着ベルト21には、加圧ローラ22およびベルト保持部材40(先端縁403よりも軸方向外側の筒部40a)の双方に対して非接触となる軸方向領域Lが形成される。本発明者らの検証により、かかる構成を採用することで、定着ベルト21の端部での亀裂や筋の発生を防止できることが判明した。これは、定着ベルト21の先端縁403付近での応力集中を緩和できるためと考えられる。このように定着ベルト21の端部での破損を防止することで、定着装置20、さらには画像形成装置の耐久寿命の向上を図ることができる。
なお、以上の効果を得るためには、加圧ローラ22の端部22aとベルト保持部材の先端縁403との間の軸方向の離間距離Lを3mm以上、好ましくは5mm以上にするのが望ましい。
図4に本発明の定着装置20の他の実施形態を示す。図3(a)〜(c)の実施形態では、ベルト保持部材40の筒部40aを断面C字形に形成し、筒部40aの切欠き部にニップ形成部材24を収容して、ニップ形成部材24を定着ベルト21の軸方向全長にわたって配置している。これに対し、図4に示す実施形態では、ベルト保持部材40の筒部40aを切欠きのない円筒状とし、ニップ形成部材24を短くして両側のベルト保持部材40の筒部40aの間にニップ形成部材24を配置するようにしている。このとき、ニップ形成部材24の端部は、加圧ローラ22の端部22aよりも軸方向中央側にある。
この実施形態においても、図3(a)〜(c)に示す実施形態と同様に、加圧ローラ22とベルト保持部材40を軸方向でオーバーラップさせることなく軸方向にずらした状態で配置することにより、定着ベルト21の端部での亀裂や筋の発生を防止することが可能となる。加圧ローラ22の端部22aとベルト保持部材40の先端縁403との間の軸方向の離間距離Lは、3mm以上(好ましくは5mm以上)に設定する。なお、この場合、ベルト保持部材40のフランジ部40bの端面401と加圧ローラ22の端部22aとの間の軸方向距離Wからスリップリング41の厚さαを差し引いた値は、10mm以上に設定する。
この構成では、定着ベルト21に加圧ローラ22、ニップ形成部材24、およびベルト保持部材40の何れにも接触しない軸方向領域Lが形成される。この領域では、定着ベルト21の形状が加圧ローラ22、ニップ形成部材24、あるいはベルト保持部材40によって拘束されることはなく、定着ベルトがフリーに変形可能となる。そのため、定着ベルト21における筒部40aの先端縁403付近での応力集中を緩和することができ、定着ベルト21の耐久性の向上を図ることが可能となる。
図5は、ベルト保持部材40の筒部40aの変形例である。図3(a)〜(c)、および図4の実施形態では、筒部40aの断面形状を実質的に円形としているが、図5では筒部40aの断面形状を矩形に近づけている。かかる構成であれば、ニップ部Nの出口付近で定着ベルト21の曲率が大きくなる(曲率半径が小さくなる)ため、分離部材28の先端28aによる用紙Pの分離性が向上する。
図6に、定着装置20の他の実施形態を示す。この実施形態の定着装置20は、加熱源としてのハロゲンヒータ23を3本備えている。この場合、ハロゲンヒータ23ごとに発熱領域を異ならせることで、種々の幅の用紙幅に対応した範囲で定着ベルト21を加熱することが可能となっている。また、ニップ形成部材24を囲むように板金250が設けられており、この板金250を介してニップ形成部材24がステー25に支持されている。
この実施形態においても、図3(a)〜(c)および図4に示す実施形態と同様に、加圧ローラ22とベルト保持部材40を軸方向でオーバーラップさせることなく軸方向にずらした状態で配置することにより、定着ベルト21の端部での亀裂や筋の発生を防止することが可能となる。
図6に示すニップ形成部材24では、ニップ部Nの下流端に加圧ローラ22側に突出する突出部241aを設けている。かかる構成から、図7に示すようにニップ部Nの出口が加圧ローラ22側を向くため、用紙Pの分離性を高めることができる。このニップ形成部材24は、図2に示す定着装置20のニップ形成部材としても使用することができる。
図6に示す実施形態において、上記以外の構成は、図2に示す実施形態の構成と基本的に共通するので、重複説明は省略する。
以上に述べた本発明にかかる定着装置20の特徴を以下に列挙する。
回転可能な無端状の定着ベルト21と、定着ベルト21をその軸方向両端部で保持するベルト保持部材40と、定着ベルト40を加熱する加熱源23と、定着ベルトの内側に配設されたニップ形成部材24と、定着ベルト21を介してニップ形成部材24と当接することにより定着ベルト21との間にニップ部Nを形成する対向回転体22とを有する定着装置20において、対向回転体22とベルト保持部材40とを、軸方向でオーバーラップさせることなく軸方向にずれた状態で配置することにより、定着ベルト21での応力集中が緩和され、定着ベルト21の端部の破損を長期間防止することが可能となる。
かかる構成は、ベルト保持部材40に、定着ベルト21の内周に挿入される筒部40aと、筒部の外径側に張り出したフランジ部40bとを設け、筒部40aの先端と、これに対向する対向回転体22の端部とを軸方向に離間させることで具現化することができる。この時、軸方向の離間距離Lを5mm以上にするのが望ましい。
定着ベルト21に、対向回転体22およびベルト保持部材40の双方と接触しない軸方向領域を設けることで(図3(b)参照)、定着ベルトでの応力集中が緩和され、定着ベルトの破損を長期間防止することが可能となる。
定着ベルト21に、対向回転体22、ベルト保持部材40、およびニップ形成部材24の何れとも接触しない軸方向領域を設けることで(図4参照)、定着ベルトでの応力集中が緩和され、定着ベルトの耐久性を向上させることができる。
定着ベルト21は、対向回転体22に対して従動回転させるのが望ましい。
ベルト保持部材40の筒部40aの外周面形状を非真円形状にすれば、分離部材28による用紙Pの分離性が高まる。同様の効果は、ニップ部Nの下流端でニップ形成部材24を対向回転体22側に突出させても得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態のように、省エネ性などの向上のために定着ベルトを薄く小径化した定着装置に限定されるものではない。また、本発明に係る定着装置は、図1に示すカラーレーザープリンタに限らず、モノクロ画像形成装置や、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に搭載することも可能である。また、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
20 定着装置
21 定着ベルト
22 加圧ローラ(対向回転体)
22a 端部
23 ハロゲンヒータ(加熱源)
24 ニップ形成部材
25 ステー(支持部材)
28 分離部材
40 ベルト保持部材
40a 筒部
40b フランジ部
403 先端縁(先端)
N ニップ部
P 用紙(記録媒体)
g 分離ギャップ
特開2007−334205号公報 特開2007−233011号公報

Claims (9)

  1. 回転可能な無端状の定着ベルトと、前記定着ベルトをその軸方向両端部で保持するベルト保持部材と、前記定着ベルトを加熱する加熱源と、前記定着ベルトの内側に配設されたニップ形成部材と、前記定着ベルトを介して前記ニップ形成部材と当接することにより定着ベルトとの間にニップ部を形成する対向回転体とを有する定着装置において、
    対向回転体とベルト保持部材とが、軸方向でオーバーラップすることなく軸方向にずれた状態で配置されていることを特徴とする定着装置。
  2. ベルト保持部材に、定着ベルトの内周に挿入される筒部と、筒部の外径側に張り出したフランジ部とを設け、筒部の先端と、これに対向する対向回転体の端部とを軸方向に離間させた請求項1記載の定着装置。
  3. 前記軸方向の離間距離を5mm以上にした請求項2記載の定着装置。
  4. 定着ベルトに、対向回転体およびベルト保持部材の双方と接触しない軸方向領域を設けた請求項1〜3何れか1項記載の定着装置。
  5. 定着ベルトに、対向回転体、ベルト保持部材、およびニップ形成部材の何れとも接触しない軸方向領域を設けた請求項1〜3何れか1項記載の定着装置。
  6. 定着ベルトを、対向回転体に対して従動回転させる請求項1〜5何れか1項に記載の定着装置。
  7. 筒部の外周面形状を非真円形状にした請求項2記載の定着装置。
  8. ニップ部の下流端でニップ形成部材を対向回転体側に突出させた請求項1〜7何れか1項に記載の定着装置。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載した定着装置を備える画像形成装置。
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