以下に添付図面を参照して、本発明に係る駆動メカユニットの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
以下の説明においては、前後方向とは、車両直進時の進行方向であり、進行方向前方側を前後方向の「前」、後方側を前後方向「後」とする。前後方向を、X軸方向とする。左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。前後方向「前」側へ向かって、左手側が「左」、右手側が「右」である。左右方向を、Y軸方向とする。上下方向とは、前後方向および左右方向に対して直交する方向である。上下方向を、Z軸方向とする。したがって、前後方向、左右方向および上下方向は、3次元で直交する。以下の説明における前後、左右、上下は、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、「HUD装置」という)100を車両Vに搭載した状態での前後、左右、上下である。各側面図は、左側面視で図示しているが、左右対称に配置された各構成は、図示されていない右側も同様に構成されている。
図1Aは、実施形態に係る駆動メカユニットを有するHUD装置を車両に搭載した概略を示す概略図であり、コンバイナユニットの格納状態を示す図である。図1Bは、実施形態に係る駆動メカユニットを有するHUD装置を車両に搭載した概略を示す概略図であり、コンバイナユニットの展開状態を示す図である。HUD装置100は、運転席の正面前方のダッシュボードDに埋め込まれた状態で配置されている。図1Aに示すように、HUD装置100は、非使用時に、コンバイナユニット110がダッシュボードD内に格納された格納位置に位置付けられ格納状態とされ、運転者の視界を妨げないようになっている。図1Bに示すように、HUD装置100は、使用時に、コンバイナユニット110がダッシュボードD上に展開された展開位置に位置付けられて展開状態とされる。コンバイナユニット110は、ダッシュボードDに配置されるものに限らず、図示しない天井部等に取り付けられるものであっても、本発明は適用可能である。
図2、図3に示すように、HUD装置100は、駆動メカユニット1と、コンバイナユニット110と、コンバイナユニット110に対して映像表示光を投射する表示映像生成部120と、制御回路130と、これらを収容する筐体140とを有する。図2は、実施形態に係る駆動メカユニットを用いたコンバイナユニットの角度調節を説明する概略図である。図3は、実施形態に係る駆動メカユニットを用いたコンバイナユニットの角度調節を説明する概略図である。
コンバイナユニット110は、コンバイナ111と、コンバイナ111の下側を支持するコンバイナホルダ112とを備える。コンバイナ111は、表示映像生成部120から照射された映像表示光を反射する。コンバイナ111は、ウインドシールドSに当接しないように配置されている。
表示映像生成部120は、映像表示器121と、照明・放熱部122と、折返鏡123とを備える。映像表示器121は、映像を表示する。照明・放熱部122は、映像表示器121で表示された映像を照らし出す。折返鏡123は、映像表示器121で表示された映像をコンバイナ111に反射する。本実施形態では、映像表示器121は、筐体140内の中央下側に配置されている。照明・放熱部122は、筐体140内において映像表示器121の前方下側に配置されている。折返鏡123は、筐体140内において映像表示器121の後方上側に、映像表示器121と向かい合って配置されている。このような構成の表示映像生成部120は、照明・放熱部122で照らし出された、映像表示器121の表示内容を、折返鏡123で反射させ、駆動メカユニット1で展開状態のコンバイナユニット110のコンバイナ111の運転席側の面で反射させた虚像Kを前方の風景に重ねて表示させる。コンバイナ111は、下端部側の水平横方向の軸を中心に回転し、運転者等の視認者に合わせて虚像Kの位置を調整できるよう、角度調節できるようになっている。ここでいう、コンバイナ111の角度調整の回転軸は、コンバイナユニット110に、回転軸114Rと回転軸114Lとして設けられている。
制御回路130は、映像表示器121における映像の表示と照明・放熱部122とを制御する。制御回路130は、駆動メカユニット1に対する各種制御を行う。制御回路130は、筐体140内の下側に配置されている。
図4A1ないし図4B2、および、図5を用いて、駆動メカユニット1の概略構成について説明する。図4A1は、実施形態に係る駆動メカユニットを示す概略図であり、格納状態におけるウインドシールド側を示す斜視図である。図4A2は、実施形態に係る駆動メカユニットを示す概略図であり、格納状態における運転席側を示す斜視図である。図4B1は、実施形態に係る駆動メカユニットを示す概略図であり、展開状態におけるウインドシールド側を示す斜視図である。図4B2は、実施形態に係る駆動メカユニットを示す概略図であり、展開状態における運転席側を示す斜視図である。図5は、実施形態に係る駆動メカユニットを分解して示す分解斜視図である。
駆動メカユニット1は、HUD装置100の保護蓋72の開閉動作、コンバイナユニット110の展開格納動作と、回転軸114R(図11参照)および回転軸114L(図11参照)の固定動作と、コンバイナ111の角度調整動作を行う。駆動メカユニット1は、メカシャーシ2と、ギアユニット3と、ドライブギア4と、展開格納駆動部5と、角度調整駆動部6と、保護蓋駆動部7とを備える。
メカシャーシ2は、コンバイナユニット110が展開格納動作する面と平行な平面に配置されている。メカシャーシ2は、運転席側の面にギアユニット3とドライブギア4とが配置されている。メカシャーシ2は、運転席側の面と反対側のウインドシールドS側の面に展開格納駆動部5のコンバイナ駆動カム板51が配置されている。
図6A、図6Bを用いて、ギアユニット3について説明する。図6Aは、実施形態に係る駆動メカユニットのメカシャーシ側を示す背面図である。図6Bは、実施形態に係る駆動メカユニットの運転席側を示す正面図である。ギアユニット3は、ギアユニットケース3aに、モータ3bと、ギア列3cと、ポジションセンサ(センサ)3dとが配置されている。モータ3bは、その回転がドライブギア4に伝達される。モータ3bは、DC(Direct Current)モータである。モータ3bは、制御回路130に接続され、その回転方向および回転速度を制御される。ポジションセンサ3dは、ギア3eを介してドライブギア4と連動して回転し、ドライブギア4の回転角を検出する。ポジションセンサ3dは、検出したドライブギア4の回転角を制御回路130に出力する。ドライブギア4の回転角に基づいて、展開格納駆動部5と角度調整駆動部6と保護蓋駆動部7との状態が判定される。本実施形態では、1つのポジションセンサ3dで、展開格納駆動部5と角度調整駆動部6と保護蓋駆動部7との状態を検出しているが、展開格納駆動部5と角度調整駆動部6と保護蓋駆動部7とに、検出スイッチや位置センサ、モータのポジションセンサなどをそれぞれ配置し、展開格納駆動部5と角度調整駆動部6と保護蓋駆動部7との状態をそれぞれ検出してもよい。また、本実施形態では、モータ3bとポジションセンサ3dによるクローズドループ制御としたが、モータ3bをステッピングモータとして、ポジションセンサ3dを無くし原点検出スイッチを使用するなどして、オープンループ制御としてもよい。
ドライブギア4は、ギアユニット3の出力で回転運動する。ドライブギア4は、その回転運動を、展開格納駆動部5と角度調整駆動部6と保護蓋駆動部7とに伝達する。ドライブギア4は、メカシャーシ2と直交する方向に沿った回転軸4dを有する。言い換えると、ドライブギア4は、メカシャーシ2と平行な平面内において回転する。図6Aに示すように、ドライブギア4は、メカシャーシ2に接する側の面に、展開格納駆動部5にドライブギア4の回転運動を伝達する展開格納駆動軸4aが配置されている。図6Bに示すように、ドライブギア4は、反対側の面に角度調整駆動部6にドライブギア4の回転運動を伝達する角度調整部駆動軸4bと、保護蓋駆動部7の保護蓋スライダー71のギアカム駆動軸713が噛み合わされ、保護蓋駆動部7にドライブギア4の回転運動を伝達する保護蓋駆動カム4cとが配置されている。保護蓋駆動カム4cは、ドライブギア4の回転中心からの距離が変化する曲線状の保護蓋開閉動作領域4c1と、回転中心からの距離が一定な円弧状の保護蓋非動作領域4c2とを有する。保護蓋開閉動作領域4c1と保護蓋非動作領域4c2とは、なめらかに連続している。
図7Aないし図7C、図8Aないし図8C、および、図9を用いて、展開格納駆動部5を説明する。図7Aは、実施形態に係る駆動メカユニットの展開格納駆動部のウインドシールド側を示す背面図であり、保護蓋動作を示す図である。図7Bは、実施形態に係る駆動メカユニットの展開格納駆動部のウインドシールド側を示す背面図であり、展開格納動作を示す図である。図7Cは、実施形態に係る駆動メカユニットの展開格納駆動部のウインドシールド側を示す背面図であり、角度調整を示す図である。図8Aは、実施形態に係る駆動メカユニットのコンバイナ駆動カム板のコンバイナ側を示す背面図である。図8Bは、実施形態に係る駆動メカユニットのコンバイナ駆動カム板のコンバイナ側を示す斜視図である。図8Cは、実施形態に係る駆動メカユニットのコンバイナ駆動カム板のメカシャーシ側を示す斜視図である。図9は、実施形態に係る駆動メカユニットによる展開格納動作を示す運転席側の斜視図である。
展開格納駆動部5は、コンバイナユニット110の展開格納動作を行う。展開格納駆動部5は、コンバイナ駆動カム板51と、一対のカム板ガイド52Rおよびカム板ガイド52Lと、一対の駆動アーム53Rおよび駆動アーム53Lと、一対のコンバイナアーム54Rおよびコンバイナアーム54Lと、一対のレール55Rおよびレール55Lとを備える。
コンバイナ駆動カム板51は、板状材で形成されている。コンバイナ駆動カム板51には、第一カム溝(カム溝)511と、一対の第二カム溝512Rおよび第二カム溝512Lと、一対のガイド穴513Rおよびガイド穴513Lと、コンバイナガイド溝514とが形成されている。
第一カム溝511は、ドライブギア4の展開格納駆動軸4aが噛み合わされている。第一カム溝511は、展開格納駆動軸4aの回転半径と同径の円弧状に形成された円弧状カム溝部(第一円弧状カム溝部)511aと、コンバイナ駆動カム板51が直線運動する方向に対し直交する方向に沿った直線状に形成された直線状カム溝部511bと、展開格納駆動軸4aの回転半径と同径の円弧状に形成された上側円弧状カム溝部(第二円弧状カム溝部)511cとが組み合わさって形成されている。円弧状カム溝部511aと直線状カム溝部511bと上側円弧状カム溝部511cとは、なめらかに連続している。ドライブギア4の回転運動時に、図7Aに示すように、展開格納駆動軸4aが円弧状カム溝部511aと噛み合っている状態では、円弧状カム溝部511aが展開格納駆動軸4aの回転半径と同径であるので、コンバイナ駆動カム板51は、動作しない。図7Bに示すように、展開格納駆動軸4aが直線状カム溝部511bと噛み合っている状態では、コンバイナ駆動カム板51は、コンバイナ展開格納方向(以下、単に「展開格納方向」という)に沿って直線運動する。展開格納方向は、メカシャーシ2の高さ方向に沿った方向である。図7Cに示すように、展開格納駆動軸4aが上側円弧状カム溝部511cと噛み合っている状態では、上側円弧状カム溝部511cが展開格納駆動軸4aの回転半径と同径であるので、コンバイナ駆動カム板51は、動作しない。
第二カム溝512Rおよび第二カム溝512Lは、一直線上に左右対称に配置されている。第二カム溝512Rには、駆動アーム53Rの駆動軸531Rが噛み合わされている。第二カム溝512Lには、駆動アーム53Lの駆動軸531Lが噛み合わされている。
ガイド穴513Rおよびガイド穴513Lは、左右対称に配置されている。ガイド穴513Rには、カム板ガイド52Rのシャフト521Rがスライド自在に挿通される。ガイド穴513Lには、カム板ガイド52Lのシャフト521Lがスライド自在に挿通される。本実施形態では、コンバイナ駆動カム板51のガイド穴513Rおよびガイド穴513Lで、シャフト521Rおよびシャフト521Lをガイドするものとしたが、コンバイナ駆動カム板51が展開格納方向に沿って直線運動する構成であれば他の構成でもよい。
コンバイナガイド溝514は、ガイド穴513Rおよびガイド穴513Lに平行な方向に沿って形成されている。コンバイナガイド溝514には、コンバイナホルダ112の突起板状の左右規制ガイド部112aが挿入されている。コンバイナガイド溝514に左右規制ガイド部112aが挿入されることで、コンバイナユニット110の展開格納時、コンバイナユニット110が左右方向にずれたり傾いたりすることが規制される。本実施形態では、コンバイナ駆動カム板51側を溝構造とし、コンバイナホルダ112側を突起板形状としたが、コンバイナ駆動カム板51側を突起板形状とし、コンバイナホルダ112側を溝構造としてもよい。
カム板ガイド52Rおよびカム板ガイド52Lとは、左右対称に配置されている。カム板ガイド52Rおよびカム板ガイド52Lとは、コンバイナ駆動カム板51が展開格納方向に直線運動するようにガイドする。カム板ガイド52Rは、棒状のシャフト521Rを有する。カム板ガイド52Rは、上シャフトホルダ522Rおよび下シャフトホルダ523Rを介して、メカシャーシ2に固定されている。カム板ガイド52Lは、棒状のシャフト521Lを有する。カム板ガイド52Lは、上シャフトホルダ522Lと、下シャフトホルダ523Lとを介して、メカシャーシ2に固定されている。
下シャフトホルダ523Rには、駆動アーム53Rの回転軸524Rが一体に形成されている。下シャフトホルダ523Lには、駆動アーム53Lの回転軸524Lが一体に形成されている。本実施形態では、下シャフトホルダ523Rと回転軸524R、下シャフトホルダ523Lと回転軸524Lとを一体としたが、別体としてもよい。
駆動アーム53Rおよび駆動アーム53Lは、左右対称に配置されている。駆動アーム53Rおよび駆動アーム53Lは、板状に形成されている。駆動アーム53Rには、第二カム溝512Rと噛み合う駆動軸531Rが配置されている。駆動アーム53Rは、一端側が、下シャフトホルダ523Rの回転軸524Rに接続されている。駆動アーム53Rは、回転軸524Rを中心に回転運動する。駆動アーム53Rは、他端側に、コンバイナ駆動カム板51の動作平面と直交する方向に沿った回転軸532Rが配置されている。駆動アーム53Lは、第二カム溝512Lと噛み合う駆動軸531Lが配置されている。駆動アーム53Lは、一端側が、下シャフトホルダ523Lの回転軸524Lに接続されている。駆動アーム53Lは、回転軸524Lを中心に回転運動する。駆動アーム53Lは、他端側に、コンバイナ駆動カム板51の動作平面と直交する方向に沿った回転軸532Lが配置されている。
コンバイナアーム54Rおよびコンバイナアーム54Lは、左右対称に配置されている。コンバイナアーム54Rは、回転軸532Rを介して駆動アーム53Rと回転自在に連結されている。コンバイナアーム54Rは、コンバイナユニット110の回転軸アームホルダ113Rに回転軸113aRを介して回転自在に連結されている。コンバイナアーム54Lは、回転軸532Lを介して駆動アーム53Lと回転自在に連結されている。コンバイナアーム54Lは、コンバイナユニット110の回転軸アームホルダ113Lに回転軸113aLを介して回転自在に連結されている。
このような構成の駆動アーム53Rとコンバイナアーム54R、駆動アーム53Lとコンバイナアーム54Lとは、ドライブギア4の回転運動時に、同期して左右対称に回転運動する。
回転軸524Rと回転軸532Rとの距離および回転軸524Lと回転軸532Lとの距離と、回転軸524Rと駆動軸531Rとの距離および回転軸524Lと駆動軸531Lとの距離と、回転軸532Rと回転軸113aRとの距離および回転軸532Lと回転軸113aLとの距離との関係により、コンバイナ駆動カム板51の移動量が拡大され、コンバイナユニット110が展開格納方向に直線運動する。コンバイナユニット110の移動量のコンバイナ駆動カム板51の移動量に対する拡大率は、ドライブギア4の展開格納駆動軸4aにかかる負荷も拡大されるので、3倍以下が好ましい。このようにして、コンバイナユニット110の高さ方向とほぼ同じ高さの駆動メカユニット1でコンバイナ111の飛出し量が確保される。
ここで、図10を用いて、コンバイナ駆動カム板51、駆動アーム53Rとコンバイナアーム54R、および、駆動アーム53Lとコンバイナアーム54Lの左右方向の配置について説明する。図10は、実施形態に係る駆動メカユニットを示す平面図であり、コンバイナユニットの格納状態を示す図である。図10において、説明のため、保護蓋72を取り外して図示している。このように、コンバイナ駆動カム板51、駆動アーム53Rとコンバイナアーム54R、および、駆動アーム53Lとコンバイナアーム54Lは、コンバイナホルダ112の回転軸114Rと回転軸114Lとの間に収まるように配置されている。このため、駆動メカユニット1は、前後方向および左右方向の寸法が小さくなっている。
レール55Rおよびレール55Lは、メカシャーシ2を挟んで、左右対称に向かい合って配置されている。レール55Rおよびレール55Lは、板状材で形成されている。レール55Rには、コンバイナユニット110の回転軸ローラ115Rが挿入される第一レール551Rと、ガイドローラ117Rが挿入される第二レール552Rとが形成されている。第一レール551Rおよび第二レール552Rは、展開格納方向に沿って形成されている。第一レール551Rおよび第二レール552Rは、前後方向に間隔を空けて配置されている。レール55Lには、コンバイナユニット110の回転軸ローラ115Lが挿入される第一レール551Lと、ガイドローラ117Lが挿入される第二レール552Lとが形成されている。第一レール551Lおよび第二レール552Lは、展開格納方向に沿って形成されている。第一レール551Lおよび第二レール552Lは、前後方向に間隔を空けて配置されている。
ここで、図11を用いて、展開格納駆動部5と、展開格納駆動部5で動作されるコンバイナユニット110との接続構造について説明する。図11は、実施形態に係る駆動メカユニットで駆動されるコンバイナユニットを分解して示す分解斜視図である。展開格納駆動部5は、コンバイナホルダ112を介してコンバイナユニット110と接続されている。コンバイナホルダ112には、回転軸114Rと、回転軸114Rに配置された回転軸ローラ115Rと、ガイド軸116Rと、ガイド軸116Rに配置されたガイドローラ117Rと、回転軸114Lと、回転軸114Lに配置された回転軸ローラ115Lと、ガイド軸116Lと、ガイド軸116Lに配置されたガイドローラ117Lとが配置されている。
同一直線状に配置された回転軸114Rおよび回転軸114Lは、それぞれ回転軸アームホルダ113Rと回転軸アームホルダ113Lとを介して、コンバイナホルダ112に嵌め込まれる。これにより、回転軸アームホルダ113Rおよび回転軸アームホルダ113Lが展開格納駆動部5で動作されると、コンバイナユニット110が展開格納動作される。コンバイナユニット110が展開され、回転軸114Rおよび回転軸114Lが角度調整駆動部6で固定されると、コンバイナユニット110が角度調整される。
回転軸ローラ115Rおよび回転軸ローラ115Lは、レール55Rおよびレール55Lの直線状の第一レール551Rおよび第一レール551Lに挿入されている。これにより、コンバイナユニット110の回転軸114Rおよび回転軸114Lは、コンバイナ駆動カム板51の動作平面と平行な面を移動するよう規制される。ガイドローラ117Rおよびガイドローラ117Lは、レール55Rおよびレール55Lの第二レール552R、第二レール552Lに挿入されている。これにより、コンバイナユニット110の展開格納時に、コンバイナユニット110の移動姿勢が規制される。本実施形態では、レール55Rおよびレール55Lの第二レール552R、第二レール552Lはそれぞれ、第一レール551R、第一レール551Lに平行な直線状となっており、展開格納時にコンバイナユニット110が傾かずに直線状の動きとなっているが、第二レール551Rおよび第二レール552Lの上側を傾斜または曲線状にすることにより、コンバイナユニットの展開時の移動姿勢の角度を制御できる。
さらに、コンバイナホルダ112の左右規制ガイド部112aがコンバイナ駆動カム板51のコンバイナガイド溝514に挿入されていることにより、コンバイナユニット110の展開格納時に、コンバイナユニット110の移動姿勢が左右方向に傾かないように規制される。
図12に示すように、コンバイナユニット110の下部には、板バネ119が配置されている。図12は、実施形態に係る駆動メカユニットによる展開格納動作を示す断面図である。板バネ119が回転軸アームホルダ113Rおよび回転軸アームホルダ113Lを押す反力により、回転軸114Rおよび回転軸114Lを中心とし、コンバイナホルダ112の下側を前方向に押すように回転する力が作用している。この力により、ガイドローラ117Rおよびガイドローラ117Lは、レール55Rの第二レール552Rの前側およびレール55Lの第二レール552Lの前側に押し付けられている。これにより、コンバイナユニット110は、展開格納方向に動作する時、姿勢を保って動作する。
このような構成の展開格納駆動部5は、ドライブギア4の回転運動時に、図7Bに示すように、展開格納駆動軸4aが直線状カム溝部511bと噛み合っている状態では、コンバイナ駆動カム板51は、展開格納方向に沿って直線運動する。また、駆動アーム53Rとコンバイナアーム54R、駆動アーム53Lとコンバイナアーム54Lとは、コンバイナ駆動カム板51の直線運動時に、同期して左右対称に回転運動する。このようにして、展開格納駆動部5は、コンバイナユニット110の展開格納動作を行う。
図13、図14Aないし図14E、および、図15Aないし図15Cを用いて、角度調整駆動部6について説明する。図13は、実施形態に係る駆動メカユニットの回転軸固定・角度調整スライダーを示す斜視図である。図14Aは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整駆動部を説明する側面図である。図14Bは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整駆動部を説明する側面図である。図14Cは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整駆動部を説明する側面図である。図14Dは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整駆動部を説明する側面図である。図14Eは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整駆動部を説明する側面図である。図15Aは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整カムを説明する正面図である。図15Bは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整カムを説明する斜視図である。図15Cは、実施形態に係る駆動メカユニットの角度調整カムを説明する斜視図である。
角度調整駆動部6は、コンバイナユニット110の角度調整を行う。角度調整駆動部6は、回転軸固定・角度調整スライダー(以下、「スライダー」という。)61と、回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62L、角度調整カム63と、スライダーガイド64とを備える。
スライダー61は、ドライブギア4の回転運動に連動し展開格納方向に直線運動する。スライダー61は、板状材を曲げ加工して形成された本体部611に、カム部612が配置されている。カム部612には、角度調整カム溝(以下、「カム溝」という。)613と、スライダーガイド64のシャフト641Rがスライド自在に挿通されるガイド穴614Rと、シャフト641Lがスライド自在に挿通されるガイド穴614Lとが形成されている。これにより、スライダー61は、運動方向が展開格納方向に規制されている。カム溝613は、ドライブギア4の角度調整部駆動軸4bと噛み合うカム溝である。カム溝613は、角度調整部駆動軸4bの回転半径と同径の円弧状に形成された円弧状カム溝部613aと、水平方向に直線状に形成された直線状カム溝部613bとが組み合わさって形成されている。円弧状カム溝部613aと直線状カム溝部613bとは、なめらかに連続している。円弧状カム溝部613aが角度調整部駆動軸4bの回転半径と同径であるので、角度調整部駆動軸4bが円弧状カム溝部613aと噛み合っている状態では、スライダー61は動作せず停止したままとなる。なお、この状態では、保護蓋72の開閉動作、コンバイナユニット110の展開格納動作がなされる。角度調整部駆動軸4bが直線状カム溝部613bと噛み合っている状態では、ドライブギア4の回転運動が伝達され、スライダー61が展開格納方向に沿って直線運動する。スライダー61は、回転軸固定レバー駆動軸(以下、「レバー駆動軸」という。)615Rおよびレバー駆動軸615Lが、回転軸固定レバー62Rのカム溝62aRおよび回転軸固定レバー62Lのカム溝62aLにそれぞれ噛み合わされている。スライダー61は、角度調整カム駆動軸616が、角度調整カム63と噛み合わされている。
回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lは、展開状態のコンバイナユニット110の回転軸114Rおよび回転軸114Lを固定または固定を解除する。回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lは、左右対称に配置されている。回転軸固定レバー62Rには、スライダー61のレバー駆動軸615Rと噛み合うカム溝62aRが形成されている。カム溝62aRは、下側に形成された直線状の下側カム溝部62bRと、上側に形成された直線状の上側カム溝部62cRとが組み合わさって形成されている。下側カム溝部62bRと上側カム溝部62cRとは、なめらかに連続している。回転軸固定レバー62Lには、スライダー61のレバー駆動軸615Lと噛み合うカム溝62aLが形成されている。カム溝62aLは、下側に形成された直線状の下側カム溝部62bLと、上側に形成された直線状の上側カム溝部62cLとが組み合わさって形成されている。下側カム溝部62bLと上側カム溝部62cLとは、なめらかに連続している。カム溝62aRとスライダー61のレバー駆動軸615Rとが噛み合い、カム溝62aLとレバー駆動軸615Lとが噛み合っているので、回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lは、同期して左右対称に回転運動する。
角度調整カム63は、コンバイナユニット110の角度を調節する。角度調整カム63は、メカシャーシ2の左右方向の一端に配置されている。角度調整カム63の回転軸631は、コンバイナユニット110の回転軸114Rおよび回転軸114Lと平行する方向に沿って配置されている。角度調整カム63は、直線状の長穴形状の駆動カム溝63aと、角度調整カム溝63bとが形成されている。駆動カム溝63aは、中心軸線が回転軸631の中心を通る。角度調整カム溝63bは、コンバイナホルダ112の角度調整部駆動軸118が噛み合わされている。角度調整カム溝63bは、上下方向に延びる直線状に形成された直線状カム溝部63cと、曲線状の曲線状カム溝部63dとが組み合わさって形成されている。直線状カム溝部63cと曲線状カム溝部63dとは、なめらかに連続している。直線状カム溝部63cは、コンバイナユニット110が展開格納動作するとき、角度調整部駆動軸118が噛み合う。曲線状カム溝部63dは、コンバイナ111を角度調整するとき、角度調整部駆動軸118が噛み合う。曲線状カム溝部63dは、角度調整カム63の動作角度に対してコンバイナ111が所定の角度になるように、角度調整カム63の回転軸631からの距離が変位する曲線で形成されている。
スライダーガイド64は、上シャフトホルダ642と下シャフトホルダ643とでメカシャーシ2に配置されている。
このような構成の角度調整駆動部6は、図14A、図14Bに示すように、スライダー61のレバー駆動軸615Lが下側カム溝部62bLと噛み合っている状態では、スライダー61の直線運動により、回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lが回転動作し、コンバイナユニット110の回転軸114Rおよび回転軸114Lを固定または固定を解除する動作が行われる。
図14C、図14D、図14Eに示すように、スライダー61のレバー駆動軸615Lが上側カム溝部62cLと噛み合っている状態では、上側カム溝部62cRと上側カム溝部62cLとがスライダー61の動作方向である展開格納方向と平行となっている。このため、スライダー61が直線運動しても回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lは動作せず、コンバイナユニット110の回転軸114Rおよび回転軸114Lは固定されたままとなる。
コンバイナユニット110の回転軸114Rおよび回転軸114Lの固定された状態で、スライダー61の角度調整カム駆動軸616の直線運動が伝達され、角度調整カム63が回転することにより、角度調整カム63の角度調整カム溝63bに噛み合わされた、コンバイナホルダ112の角度調整部駆動軸118が回転動作する。これにより、コンバイナユニット110は、回転軸114Rおよび回転軸114Lを中心に角度が変化する。
図16、図17、図18Aないし図18D、図19Aないし図19C、および、図20Aないし図20Cを用いて、保護蓋駆動部7について説明する。図16は、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋スライダーを説明する斜視図である。図17は、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋を説明する斜視図である。図18Aは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋駆動部を説明する側面断面図である。図18Bは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋駆動部を説明する側面断面図である。図18Cは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋駆動部を説明する側面断面図である。図18Dは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋駆動部を説明する側面断面図である。図19Aは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋および保護蓋スライダーの動作を説明する斜視図である。図19Bは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋および保護蓋スライダーの動作を説明する斜視図である。図19Cは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋および保護蓋スライダーの動作を説明する斜視図である。図20Aは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋を説明する平面図である。図20Bは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋を説明する平面図である。図20Cは、実施形態に係る駆動メカユニットの保護蓋を説明する部分拡大図である。
保護蓋駆動部7は、格納状態のコンバイナユニット110の上方に前後方向に進退可能に配置された保護蓋72を開閉する。図5に示すように、保護蓋駆動部7は、保護蓋スライダー71と、保護蓋72と、一対の保護蓋ガイド73Rおよび保護蓋ガイド73Lとを備える。
保護蓋スライダー71は、ドライブギア4の回転運動に連動し展開格納方向に直線運動する。保護蓋スライダー71は、板状材を曲げ加工して形成された本体部711と、スライダーガイド64のシャフト641Rが挿通されるガイド穴712Rと、シャフト641Lが挿通されるガイド穴712Lと、ギアカム駆動軸713と、保護蓋駆動軸714とを備える。ガイド穴712Rには、シャフト641Rがスライド自在に挿通される。ガイド穴712Lには、シャフト641Lがスライド自在に挿通される。これにより、保護蓋スライダー71は、運動方向が展開格納方向に規制されている。ギアカム駆動軸713は、ドライブギア4の回転軸4dと平行な方向に沿って配置されている。ギアカム駆動軸713は、ドライブギア4の保護蓋駆動カム4cと噛み合わされている。ギアカム駆動軸713は、ドライブギア4の回転運動を伝達し、保護蓋スライダー71を直線運動させる。保護蓋駆動軸714は、ギアカム駆動軸713と直交する方向に沿って配置され、メカシャーシ2の水平方向に沿って配置されている。保護蓋駆動軸714は、保護蓋72の保護蓋カム723と噛み合っている。保護蓋駆動軸714は、保護蓋スライダー71の直線運動を伝達し、保護蓋72を駆動する。
保護蓋72は、格納状態のコンバイナユニット110の上方に進退自在に配置されている。保護蓋72は、板状材で形成されている。保護蓋72は、前後方向に進退して開閉動作する。保護蓋72は、前方に位置付けられている状態が閉状態であり、後方に位置付けられている状態が開状態である。このような保護蓋72の開閉動作による動作範囲は、駆動メカユニット1の前後方向の寸法から大きくはみ出さない。保護蓋72は、開閉動作方向に沿って形成された保護蓋ガイドリブ722Rと、保護蓋ガイドリブ722Lと、傾斜直線状の保護蓋カム723とを備える。保護蓋ガイドリブ722Rは、保護蓋ガイド73Rに挿入されている。保護蓋ガイドリブ722Lは、保護蓋ガイド73Lに挿入されている。保護蓋カム723は、開閉動作方向に沿って形成されている。保護蓋カム723には、保護蓋スライダー71の保護蓋駆動軸714が噛み合わされている。
保護蓋72は、メカシャーシ2にネジリコイルバネ724Rおよびネジリコイルバネ724Lで固定されている。より詳しくは、ネジリコイルバネ724Rおよびネジリコイルバネ724Lは、一端が保護蓋72に固定され、他端がメカシャーシ2に固定されている。ネジリコイルバネ724Rおよびネジリコイルバネ724Lは、保護蓋72が開状態、閉状態のそれぞれで、開方向、閉方向に保護蓋72を押える力を発生させて、振動によるガタつき等を抑制する。
保護蓋ガイド73Rおよび保護蓋ガイド73Lは、保護蓋72が開閉動作方向に沿ってスライドするようガイドする。保護蓋ガイド73Rおよび保護蓋ガイド73Lは、メカシャーシ2の上側に、左右対称に配置されている。
このような構成の保護蓋駆動部7は、ギアカム駆動軸713がドライブギア4の保護蓋駆動カム4cの保護蓋開閉動作領域4c1と噛み合っている状態では、保護蓋72が、開閉動作する。より詳しくは、図19Aないし図19Cに示すように、ドライブギア4の回転運動時、保護蓋駆動カム4cにより保護蓋スライダー71が展開格納方向に沿って直線運動する。図18Aないし図18Dに示すように、保護蓋スライダー71の直線運動で、保護蓋駆動軸714が保護蓋カム723内を移動し、保護蓋72は、開閉動作方向に沿って動作し開状態と閉状態とに変化する。保護蓋72は、保護蓋スライダー71の上昇運動時に、閉状態から開状態に変化する。保護蓋72は、保護蓋スライダー71の下降運動時に、開状態から閉状態に変化する。
保護蓋駆動部7は、ギアカム駆動軸713がドライブギア4の保護蓋非動作領域4c2と噛み合っている状態では、保護蓋72は、開状態のまま動作しない。保護蓋72が開状態のとき、コンバイナユニット110の展開格納動作および角度調整動作が行われる。
次に、このように構成された駆動メカユニット1の動作および作用について説明する。
まず、駆動メカユニット1でコンバイナユニット110を格納状態から展開状態へ動作させる場合について説明する。
制御回路130で、格納状態のコンバイナユニット110を展開状態とする操作が検出されると、ギアユニット3が駆動され、ドライブギア4が所定方向に回転運動される。ドライブギア4の回転運動時、展開格納駆動軸4aは、コンバイナ駆動カム板51の第一カム溝511と噛み合いながら相対移動する。
ドライブギア4の展開格納駆動軸4aがコンバイナ駆動カム板51の円弧状カム溝部511aと噛み合っている状態では、円弧状カム溝部511aが展開格納駆動軸4aの回転半径と同径であるので、コンバイナ駆動カム板51は、動作せず停止している。このため、コンバイナユニット110は、格納状態のまま動作しない。このとき、角度調整部駆動軸4bは、スライダー61の円弧状カム溝部613aと噛み合っている。円弧状カム溝部613aが角度調整部駆動軸4bの回転半径と同径であるので、スライダー61は、動作せず停止している。このため、コンバイナユニット110は、動作しない。また、このとき、保護蓋スライダー71のギアカム駆動軸713が保護蓋開閉動作領域4c1と噛み合っている。このため、ドライブギア4の回転運動が伝達され、保護蓋スライダー71は、展開格納方向に沿って直線運動する。保護蓋駆動軸714が保護蓋72の保護蓋カム723と噛み合っているので、保護蓋72は、開閉動作方向に沿って動作し閉状態から開状態に変化する。言い換えると、保護蓋72は、保護蓋スライダー71の上昇運動に連動して、閉状態から開状態に変化する。
そして、ギアカム駆動軸713が保護蓋非動作領域4c2と噛み合う状態となると、保護蓋スライダー71が直線運動を停止し、保護蓋72は、開状態で動作を停止する。
そして、ドライブギア4の展開格納駆動軸4aがコンバイナ駆動カム板51の直線状カム溝部511bと噛み合う状態となると、ドライブギア4の回転運動が伝達され、コンバイナ駆動カム板51は、カム板ガイド52Rのシャフト521Rとカム板ガイド52Lのシャフト521Lとに沿って展開格納方向に上昇する直線運動する。第二カム溝512Rと駆動アーム53Rの駆動軸531Rが噛み合わされ、第二カム溝512Lと駆動アーム53Lの駆動軸531Lが噛み合わされているので、駆動アーム53Rおよび駆動アーム53Lが同期して左右対称に回転運動する。そして、駆動アーム53Rに連結されたコンバイナアーム54Rと、駆動アーム53Lに連結されたコンバイナアーム54Lとが同期して左右対称に回転運動する。コンバイナアーム54Rおよびコンバイナアーム54Lに連結されたコンバイナユニット110は、格納状態から展開状態に動作する。コンバイナユニット110は、レール55Rおよびレール55Lと、コンバイナガイド溝514とに規制され姿勢を保って動作する。
そして、ドライブギア4の展開格納駆動軸4aがコンバイナ駆動カム板51の上側円弧状カム溝部511cと噛み合う状態となると、コンバイナ駆動カム板51が直線運動を停止し、コンバイナユニット110は、展開状態となり動作を停止する。このとき、コンバイナ111の回転軸ローラ115Rおよび回転軸ローラ115Lは、レール55Rおよびレール55Lの上端に当って停止している。このとき、ドライブギア4の角度調整部駆動軸4bは、直線状カム溝部613bと噛み合っている。このため、ドライブギア4の回転運動が伝達され、スライダー61は、展開格納方向に沿って直線運動する。スライダー61のレバー駆動軸615Rが回転軸固定レバー62Rのカム溝62aRと噛み合い、レバー駆動軸615Lが回転軸固定レバー62Lのカム溝62aLと噛み合っているので、回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lが同期して左右対称に回転運動する。そして、回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lは、展開状態になったコンバイナユニット110の回転軸ローラ115Rおよび回転軸ローラ115Lの下側に入り込む方向に動作をする。これにより、レール55Rの上端およびレール55Lの上端で、回転軸ローラ115Rおよび回転軸ローラ115Lが挟み込まれる。コンバイナユニット110は、回転軸114Rおよび回転軸114Lが固定される。
そして、スライダー61の角度調整カム駆動軸616の直線運動が伝達され、角度調整カム63が回転運動し、角度調整カム63の角度調整カム溝63bに噛み合わされた、コンバイナホルダ112の角度調整部駆動軸118が動作する。これにより、コンバイナユニット110は、回転軸114Rおよび回転軸114Lを中心に角度が変化する。本実施形態では、コンバイナユニット110は、コンバイナ111の上方がウインドシールドS側に近づく方向に動作する。
より詳しくは、図2、図3に示すように、運転者等の視認者に合わせて、コンバイナ111が角度調節される。より詳しくは、視認者の座高の違いなどによる目の位置(アイポイント)P1、目の位置P2、目の位置P3に合わせて、虚像Kが見易い所望の位置に表示されるようにコンバイナ111の角度が調節される。
このように、ドライブギア4の回転運動に連動して、保護蓋72の開閉動作、コンバイナユニット110の展開格納動作、回転軸114Rおよび回転軸114Lの固定動作、角度調整動作が順次行われる。
このため、図21に示すように、制御回路130で、ドライブギア4の回転角に基づいて、展開格納動作、回転軸114Rおよび回転軸114Lの固定動作、角度調整動作の動作状態が判別される。図21は、実施形態に係る駆動メカユニットのポジションセンサの出力の一例と示す図である。このように、ポジションセンサ3dの出力を検出することにより、制御回路130で、駆動メカユニット1の動作状態が検出される。本実施形態では、コンバイナユニット110を格納状態から展開状態にし、コンバイナ111を最大可動角度まで角度調整する間のドライブギア4の回転角は約150度である。
次に、駆動メカユニット1でコンバイナユニット110を展開状態から格納状態へ動作させる場合について説明する。
制御回路130で、展開状態のコンバイナユニット110を格納状態とする操作が検出されると、ギアユニット3が駆動され、ドライブギア4が反対方向に回転運動される。
ドライブギア4の展開格納駆動軸4aがコンバイナ駆動カム板51の上側円弧状カム溝部511cと噛み合い、ドライブギア4の角度調整部駆動軸4bが直線状カム溝部613bと噛み合っている状態である。このため、ドライブギア4の回転運動が伝達され、スライダー61は、展開格納方向に沿って直線運動する。回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lが同期して左右対称に回転運動し、回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lは、展開状態になったコンバイナユニット110の回転軸ローラ115Rおよび回転軸ローラ115Lの下側から外れる方向に動作をする。これにより、コンバイナユニット110は、回転軸114Rおよび回転軸114Lの固定が解除される。
そして、ドライブギア4の展開格納駆動軸4aがコンバイナ駆動カム板51の直線状カム溝部511bと噛み合う状態となると、ドライブギア4の回転運動が伝達され、コンバイナ駆動カム板51は展開格納方向に下降する直線運動する。そして、駆動アーム53Rおよび駆動アーム53Lが同期して左右対称に回転運動して、駆動アーム53Rに連結されたコンバイナアーム54Rと、駆動アーム53Lに連結されたコンバイナアーム54Lとが同期して左右対称に回転運動する。コンバイナアーム54Rおよびコンバイナアーム54Lに連結されたコンバイナユニット110は、展開状態から格納状態に動作する。コンバイナユニット110は、レール55Rおよびレール55Lと、コンバイナガイド溝514とに規制され姿勢を保って動作する。
そして、ドライブギア4の展開格納駆動軸4aがコンバイナ駆動カム板51の円弧状カム溝部511aと噛み合う状態となると、コンバイナ駆動カム板51は、動作せず停止する。このため、コンバイナユニット110は、格納状態で動作を停止する。このとき、角度調整部駆動軸4bは、スライダー61の円弧状カム溝部613aと噛み合っているので、スライダー61は、動作せず停止している。このため、コンバイナユニット110は、動作しない。また、このとき、保護蓋スライダー71のギアカム駆動軸713が保護蓋開閉動作領域4c1と噛み合っている。このため、ドライブギア4の回転運動が伝達され、保護蓋スライダー71は、展開格納方向に沿って直線運動する。これにより、保護蓋72は、開閉動作方向に沿って動作し開状態から閉状態に変化する。
そして、ギアカム駆動軸713が保護蓋開閉動作領域4c1の端部に達すると、保護蓋スライダー71が直線運動を停止し、保護蓋72は、閉状態で動作を停止する。
上述したように、本実施形態では、ドライブギア4が、コンバイナユニット110の回転軸114Rおよび回転軸114Lに直交する方向に沿った回転軸4dを有する。ドライブギア4とコンバイナ駆動カム板51とスライダー61と保護蓋スライダー71とは、コンバイナユニット110が展開格納動作する面と平行な平面に配置されている。ドライブギア4の回転運動を伝達して、展開格納駆動部5でコンバイナ駆動カム板51を展開格納方向に移動させて、コンバイナユニット110の展開格納動作をさせる。ドライブギア4の回転運動を伝達して、角度調整駆動部6でスライダー61を展開格納方向に移動させて、回転軸114Rおよび回転軸114Lの固定動作、角度調整動作をさせる。ドライブギア4の回転運動を伝達して、保護蓋駆動部7で保護蓋スライダー71を展開格納方向に移動させて、保護蓋72の開閉動作をさせる。本実施形態は、このような構成により小型化することができる。
本実施形態では、コンバイナ駆動カム板51、駆動アーム53Rとコンバイナアーム54R、および、駆動アーム53Lとコンバイナアーム54Lは、コンバイナホルダ112の回転軸114Rと回転軸114Lとの間に収まるように配置されている。このため、本実施形態は、駆動メカユニット1の左右方向の寸法を小さくすることができる。
本実施形態では、駆動アーム53Rおよびコンバイナアーム54R、駆動アーム53Lおよびコンバイナアーム54Lを有するリンクアームで、コンバイナ駆動カム板51の動作範囲に対し、コンバイナユニット110の動作範囲を拡大するとともに、動作スピードを増加することができる。本実施形態によれば、3秒程度でコンバイナユニット110を格納状態から展開状態とすることができる。このように、本実施形態は、駆動メカユニット1の高さ方向の寸法を抑制するとともに、動作スピードを増加させることができる。
本実施形態では、メカシャーシ2に沿って直線運動する保護蓋スライダー71の直線運動が伝達されて、保護蓋72が開閉動作する。また、コンバイナユニット110が展開格納方向に直線運動するので、保護蓋72は、開閉動作のために、コンバイナユニット110の厚さ程度の距離を前後方向において移動すればよい。このため、保護蓋72の開閉動作の動作範囲は、駆動メカユニット1の前後方向の寸法から大きくはみ出さない範囲とすることができる。このため、本実施形態は、駆動メカユニット1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
本実施形態では、コンバイナホルダ112の左右規制ガイド部112aに対するコンバイナガイド溝514が、コンバイナユニット110とともに展開格納方向に直線運動するコンバイナ駆動カム板51に配設されている。このため、本実施形態は、コンバイナユニット110の展開格納方向の動作範囲よりも短いコンバイナガイド溝514で、コンバイナユニット110の動作範囲をカバーして姿勢を規制することができる。本実施形態は、このような構成により小型化することができる。
本実施形態では、保護蓋72の開閉動作とコンバイナユニット110の展開格納動作とが順番に行われる。このため、保護蓋72とコンバイナユニット110との干渉を回避するための間隔を設けなくてよい。このため、本実施形態は、駆動メカユニット1を小型化することができる。
このように、本実施形態では、HUD装置100の保護蓋72の開閉動作、コンバイナユニット110の展開格納動作、回転軸114Rおよび回転軸114Lの固定動作、角度調整動作を行う機構を駆動メカユニット1としてユニット化し、小型化することができる。これにより、本実施形態は、様々なレイアウトに対応することができる。
本実施形態では、コンバイナユニット110の展開状態において、回転軸固定レバー62Rおよび回転軸固定レバー62Lが、コンバイナユニット110の回転軸ローラ115Rおよび回転軸ローラ115Lの下側に入り込み、レール55Rの上端およびレール55Lの上端で、回転軸ローラ115Rおよび回転軸ローラ115Lを挟み込む。これにより、コンバイナユニット110が固定される。このため、本実施形態は、コンバイナユニット110の展開状態で、予期しない取扱いなどによってコンバイナ111の上方から過負荷が加えられたとしても、駆動メカユニット1の内部の部品が損傷することを抑制することができる。
本実施形態では、コンバイナユニット110がレール55Rおよびレール55Lと、コンバイナガイド溝514とに規制され姿勢を保った状態で、格納状態から展開状態に動作する。さらにまた、本実施形態は、ガイドローラ117Rおよびガイドローラ117Lは、板バネ119で、レール55Rの第二レール552Rおよびレール55Lの第二レール552Lの前側に押し付けられている。これらにより、コンバイナユニット110は、展開格納方向に動作する時、姿勢を保って動作することができる。このため、本実施形態は、HUD装置100の姿勢が変わっても、コンバイナユニット110の展開格納動作を安定してスムースに行うことができる。例えば、車両Vを急傾斜面に前上がりで駐車した状態で、コンバイナユニット110を展開格納動作させるような場合であって、ガイドローラ117Rおよびガイドローラ117Lと、レール55Rの第二レール552Rおよびレール55Lの第二レール552Lとに隙間が生じているとしても、コンバイナユニット110の揺れを抑制して安定したスムースな動作をさせることができる。
本実施形態は、ネジリコイルバネ724Rおよびネジリコイルバネ724Lは、保護蓋72が開状態、閉状態のどちらの状態でも、開方向、閉方向に保護蓋72を押える力を発生させて、振動によるガタつき等を抑制することができる。
さて、これまで本発明に係るコンバイナユニット110について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。上記で説明したHUD装置100は、駆動メカユニット1とコンバイナユニット110とが、それぞれユニット化されたものとして説明したが、コンバイナユニット110が駆動メカユニット1に一体として組み付けられていてもよい。また、本実施形態で説明したコンバイナユニット110は、一例であり、駆動メカユニット1に組み付けられる構成を有していれば他の構成のコンバイナであってもよい。
メカシャーシ2のウインドシールドS側の面にコンバイナユニット110と展開駆動部5が配置され、メカシャーシ2の運転席側の面にギアユニット3とドライブギア4と角度調整駆動部6と保護蓋駆動部7が配置される構造としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、メカシャーシ2のウインドシールドS側の面にギアユニット3とドライブギア4と角度調整駆動部6と保護蓋駆動部7が配置され、メカシャーシ2の運転席側の面に後方側にコンバイナユニット110と展開駆動部5が配置される構成としてもよい。
ガイドローラ117Rおよびガイドローラ117Lは、板バネ119で、レール55Rの第二レール552Rおよびレール55Lの第二レール552Lの前側に押し付けられているものとしたが、この構成に限定されるものではない。例えば、板バネで、第二レール552Rおよび第二レール552Lの後側に押し付ける構成としてもよい。この場合、コンバイナユニット110の角度調整時、コンバイナ111の上方が運転席側に近づく方向に動作するようにすればよい。