JP2017172781A - 熱交換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原動機又は伝動機構である熱交換流体利用装置で用いられる熱交換流体に対する熱交換を行う熱交換装置1であって、熱交換流体を内部に流通させて熱交換を行う熱交換部10と、熱交換部10の流入側に接続され熱交換流体利用装置からの熱交換流体を受けて熱交換部10に流入させる流入側ヘッダ部20と、熱交換部10の流出側に接続され該流出側から流出する熱交換流体を受ける流出側ヘッダ部30と、流入側ヘッダ部20及び流出側ヘッダ部30の少なくとも一方に設けられ熱交換流体が熱交換部10内において熱交換のために有効に熱交換流体を流通させ得る有効流路容積を変更する可動部材40と、を備えた。
【選択図】図1
Description
このような潤滑油や作動油は、単に冷却するというだけでなく、潤滑油や作動油が適度な粘性を維持できる温度になるように、状況によってはATFウォーマのようにATFの温度を上昇させたりする機能を持つものもある。
潤滑油や作動油の温度を適度に調節しようとした熱交換装置は従来より種々のものが提案されている。
熱交換装置1に設けられた熱交換部10は、エンジンやトランスミッションでの潤滑油ないし作動流体(ATF)である熱交換流体を内部に流通させて、その熱交換流体に対する熱交換を行う。
流出側ヘッダ部30は流入側ヘッダ部20と外形が略同形同寸で中空のシリンダ状体であり、熱交換流体を流出させて熱交換利用装置に還流させるための流出口31を一端側に有する。
流入側ヘッダ部20には、熱交換部10に対向する側面に、各対応する伝熱チューブ11,11に連なる流入孔22,22が長手方向に整列するように設けられている。
同様に、流出側ヘッダ部30には、熱交換部10に対向する側面に、各対応する伝熱チューブ11,11に連なる流出孔32,32が長手方向に整列するように設けられている。図1の例では、伝熱チューブ11,11の本数(7本)に対応して流入孔22,22及び流出孔32,32が、各7つある場合を示している。
図示の通り、流入側ヘッダ部20と流出側ヘッダ部30とは、熱交換部10を挟んで平行に配置されている。
本例における可動部材40は、流入側ヘッダ部20の他端側から挿入されて流入側ヘッダ部20内を移動するピストン状の部分を持つ流入側移動部41と、流出側ヘッダ部30の他端側から挿入されて流出側ヘッダ部30内を移動するピストン状の部分を持つ流出側移動部42とを有する。流入側移動部41及び流出側移動部42は、それらのピストン状の各一端側が平坦なヘッドをなしている。可動部材40の流入側移動部41及び流出側移動部42の各他端側に、一端及び他端が結合されるようにして連動部材43が設けられている。
同様に、流出側移動部42、その外周面が流出側ヘッダ部30の内周面との間に設けられたオーリングパッキン(不図示)などにより気密が保持されつつ流出側ヘッダ部30内をその長手方向に移動可能である。
上述の構成により、可動部材40の流入側移動部41と流出側移動部42とは、後述する駆動部60により駆動されて並進移動する。
本例の駆動部60は、移動のための駆動力を可動部材40に与えるモータ61と、温度検出手段51による温度の検出値に応じてモータ61を制御する制御手段62と、を有する。制御手段62は、例えば、変速制御ユニット(TCU)の一つの機能部として構成される。
ここで、図1に描かれたように、可動部材40の流入側移動部41及び流出側移動部42が、流入側ヘッダ部20及び流出側ヘッダ部30に対して、長手方向の中間まで進入した位置にある場合を想定する。
図1の場合には、流入側ヘッダ部20及び流出側ヘッダ部30の7つの流入孔22,22及び流出孔32,32うち、図にて下側の各3つの流入孔22,22及び流出孔32,32が、進入した可動部材40の流入側移動部41と流出側移動部42の各周面によって閉塞される。
これに伴って、流入側ヘッダ部20から流出側ヘッダ部30へと熱交換流体が流通して、有効に熱交換が行われる伝熱チューブ11,11の本数が減少する。即ち、熱交換流体に対する熱交換に有効に寄与する流路容積である有効流路容積が減少する。
従って、熱交換流体について、単位時間に熱交換される熱量である熱交換率が減少し、緩やかな冷却が行われる。
これに伴って、流入側ヘッダ部20から流出側ヘッダ部30へと熱交換流体が流通して、有効に熱交換が行われる伝熱チューブ11,11の本数が増加する。即ち、熱交換流体に対する熱交換に有効に寄与する流路容積である有効流路容積が増加する。
従って、熱交換流体について、単位時間に熱交換される熱量である熱交換率が増加し、急速な冷却が行われるようになる。
即ち、可動部材40は移動に伴って熱交換部10内において熱交換流体に対する熱交換に有効に寄与する流路容積である有効流路容積を変更する。
図2は、図1の熱交換装置の駆動部の動作を表すフローチャートである。
熱交換装置1の動作が開始すると、駆動部60の制御手段62が、温度検出手段51によるトランスミッション50の熱交換流体(ATF)の温度の検出値tを読み込む(ステップS21)。次いで、制御手段62は、温度の検出値tが、熱交換流体(ATF)の適正使用温度である下限温度T1以上かつ上限温度T2以下の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS22)。
この場合は、モータ61が作動せず、可動部材40(流入側移動部41及び流出側移動部42。以下、本フローチャートを参照しての説明において同様)は現状位置を維持するため、熱交換部10では、略その時点での熱交換率が維持される。より厳密には、その時点での熱交換流体(ATF)の温度と熱交換部10の放熱フィン12に当たる気体の温度との温度差が変化すれば、この変化に応じて熱交換率は多少変化し、必ずしも定常ではない。
制御手段62は、ステップS23で、温度の検出値tが、下限温度T1未満であると判定したときには(ステップS23:YES)、可動部材40の位置pが既述の上限位置PUに達したことを表す信号が発せられる位置に到っていないかを判定(確認)する(ステップS24)。
制御手段62は、ステップS24で、可動部材40が上限位置PUに達したことを表す信号が発せられる位置に到っていないと判定したときには(ステップS24:YES)、モータ61を逆転させて可動部材40を流入側ヘッダ部20及び流出側ヘッダ部30により深く押し込ませる(ステップS25)。
ステップS25の動作を既定の時間継続した後、既述のステップS21に戻って、熱交換流体の温度tの変化を再び読込む処理に戻る。
従って、このときには、熱交換装置1において、より熱交換率の高い熱交換(例えば、急速な冷却)が求められていることになる。
このため、制御手段62は、上述のようにステップS23で、温度の検出値tが、下限温度T1未満ではないと判定したときには(ステップS23:NO)、先ず、可動部材40の位置pが既述の下限位置PLに達したことを表す信号が発せられる位置に到っていないかを判定(確認)し(ステップS26)、この位置に到っていないと判定したときに(ステップS26:YES)、モータ61を正転させて可動部材40を流入側ヘッダ部20及び流出側ヘッダ部30から引き出させる(ステップS27)。
従って、所要の高い熱交換率での熱交換(急速な冷却)が行われ、熱交換流体は速やかに冷却されて、その温度が、適正使用温度である下限温度T1以上かつ上限温度T2以下の範囲内に向かう。
これにより、移動範囲の限界を超えて移動するような無理な力が可動部材40や流入側ヘッダ部20及び流出側ヘッダ部30に作用せず、熱交換装置1の適切な運転が維持される。
(1)熱交換装置1では、原動機又は当該原動機に係る伝動機構である熱交換流体利用装置から潤滑油や作動油(ATF)である熱交換流体が、例えば、オイルポンプ等が介在する流路から流入側ヘッダ部20に供給される。流入側ヘッダ部20に供給された熱交換流体は、熱交換部10を通って熱交換(例えば、冷却)され、流出側ヘッダ部30を経て、熱交換流体利用装置に還流する。
この場合特に、可動部材40の移動に伴って、熱交換部40内において熱交換流体に対する熱交換に有効に寄与する流路容積である有効流路容積が変更されるため、簡単な構成で熱交換部10における単位時間に熱交換される熱量である熱交換率を加減して、効果的に熱交換流体の温度を調節することができる。
従って、簡単な構成により熱交換部10における熱交換率が調整され、熱交換流体の適切な温度調節が可能になる。
既述の例では、可動部材40の変位に応じて、熱交換部10内において熱交換のために有効に熱交換流体を流通させ得る有効流路容積を変更し、これにより、単位時間に熱交換される熱量である熱交換率を加減して、熱交換流体の温度を調節する構成を採った。
この場合には、熱交換部10における複数の伝熱チューブ11,11のうち、内部に熱交換流体が流通して熱交換機能が有効に機能する伝熱チューブ11,11の流路容積の総和が有効流路容積に略等しい。即ち、熱交換に寄与する機能部は、略熱交換部10がその大部分を占めることになる。
10…熱交換部
11…伝熱チューブ
12…放熱フィン
20…流入側ヘッダ部
21…流入口
22…流入孔
30…流出側ヘッダ部
31…流出口
32…流出孔
40…可動部材
41…流入側移動部
42…流出側移動部
43…連動部材
50…トランスミッション
51…温度検出手段
60…駆動部
61…モータ
62…制御手段
63…ラックピニオン機構
Claims (4)
- 原動機又は当該原動機に係る伝動機構である熱交換流体利用装置で用いられる熱交換流体に対する熱交換を行う熱交換装置であって、
前記熱交換流体を内部に流通させてその熱交換流体に対する熱交換を行う熱交換部と、
前記熱交換部の流入側に接続され前記熱交換流体利用装置からの前記熱交換流体を受けて前記熱交換部に流入させる流入側ヘッダ部と、
前記熱交換部の流出側に接続され該流出側から流出する前記熱交換流体を受ける流出側ヘッダ部と、
前記流入側ヘッダ部及び流出側ヘッダ部の少なくとも一方に設けられ前記熱交換流体に対する熱交換に有効に寄与する流路容積である有効流路容積を変更する可動部材と、
を備えた熱交換装置。 - 前記流入側ヘッダ部と前記流出側ヘッダ部とは、前記熱交換部を挟んで平行に配置され、
前記可動部材は、前記流入側ヘッダ部内を移動する部分を持つ流入側移動部と、前記流出側ヘッダ部内を移動する部分を持つ流出側移動部と、を有し
前記流入側移動部と前記流出側移動部とは並進移動する請求項1に記載の熱交換装置。 - 前記熱交換部は、一端側が前記流入側ヘッダ部に接続され他端側が前記流出側ヘッダ部に接続された複数の伝熱チューブを有し、
前記流入側ヘッダ部は、前記複数の伝熱チューブにそれぞれ対応して設けられた複数の流入孔を有し、
前記流出側ヘッダ部は、前記複数の伝熱チューブにそれぞれ対応して設けられた複数の流出孔を有し、
前記流入側移動部は、前記複数の流入孔のうち自己の移動位置に応じた流入孔を閉塞するように移動し、
前記流出側移動部は、前記複数の流出孔のうち自己の移動位置に応じた流出孔を閉塞するように移動する、請求項1又は2に記載の熱交換装置。 - 前記熱交換流体の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段による温度の検出値に基づいて前記可動部材を駆動する駆動部と、
を更に備え、
前記駆動部は、移動のための駆動力を前記可動部材に与えるモータと、
前記温度検出手段による温度の検出値に応じて前記モータを制御する制御手段と、を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の熱交換装置。
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