JP2017172481A - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御可能な内燃機関制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関制御装置1は、内燃機関の温度を算出する冷却水温算出部606と、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域に対応して、内燃機関の温度に基づき内燃機関の学習基準温度を算出する学習基準温度算出部607と、内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を算出する壁部温度算出部605と、学習基準温度に基づき、壁部の温度を補正して補正温度を算出する補正温度算出部609と、補正温度に基づき、運転状態を制御する運転状態制御部610と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関制御装置に関し、特に二輪自動車等の車両の内燃機関に適用される内燃機関制御装置に関する。
近年、二輪自動車等の車両の内燃機関に対しては、コントローラを用いて、内燃機関に対する燃料の供給、空気の供給並びに燃料及び空気から成る混合気への点火を協働させながら内燃機関の運転状態を電子制御する電子制御式の内燃機関制御装置が採用されている。
具体的には、かかる内燃機関制御装置は、冷却水やシリンダヘッドの温度を内燃機関の温度として測定する温度センサを備え、温度センサによって測定された内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を電子制御する。ここで、かかる温度センサとしては、温度に応じて電気抵抗値が変化するサーミスタが用いられることが一般的であるが、このような一般的な温度センサによる温度検出には、基本的に、温度センサ単体の特性ばらつき、温度センサの出力信号の電圧降下量のばらつき、及び温度センサの出力信号の変換誤差等の検出誤差要因が存在する。
かかる状況下で、特許文献1は、内燃機関の制御装置に関し、内燃機関の運転状態パラメータより内燃機関が所定の運転状態時か否かを検出し、内燃機関が所定の運転状態時であると判定したときに、その時点での水温センサの温度検出値を記憶しておき、内燃機関が所定の運転状態でなくなり、水温値に基づいて何らかの内燃機関の制御が必要となった場合には、その時点の水温センサの温度検出値と記憶されていた通常時の温度検出値との差を求め、この差に基づいて内燃機関の制御量を補正する構成を有する。
特開平2−61350号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成では、温度センサによる温度検出の検出誤差要因として、内燃機関が発生する発生トルクに対する内燃機関の温度の依存性が考慮されていないので、内燃機関の温度として燃焼室の表面温度を精度よく検出することに関しては改善の余地があるものと考えられる。
詳しくは、本発明者の検討によれば、内燃機関の温度は、シリンダ内で発生する発生熱量とシリンダを冷却する冷却熱量とのバランスによって決まるが、特許文献1の構成では、シリンダ内で発生する熱量によらずに温度センサによる温度検出の補正を行っているために、温度センサによる温度検出にはかかる発生熱量の影響分の検出誤差が含まれることになり、この点で改善の余地があるものと考えられる。
また、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成では、内燃機関が熱的に安定した状態にないと温度センサによる温度検出の補正の実行ができないので、過渡運転が多い二輪自動車等の車両向けの内燃機関では補正を実行できない可能性があって、この点でも改善の余地があるものと考えられる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、簡便な構成で、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御可能な内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御装置において、前記内燃機関の温度を算出する内燃機関温度算出部と、前記内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域に対応して、前記内燃機関の前記温度に基づき前記内燃機関の学習基準温度を算出する学習基準温度算出部と、前記内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を算出する壁部温度算出部と、前記学習基準温度に基づき、前記壁部の温度を補正して補正温度を算出する補正温度算出部と、前記補正温度に基づき、前記運転状態を制御する運転状態制御部と、を備えることを第1の局面とする。
本発明は、第1の局面に加えて、前記補正温度算出部は、前記学習基準温度と前記壁部の温度との偏差に応じて前記壁部の温度を補正して、前記補正温度を算出することを第2の局面とする。
本発明は、第1又は第2の局面に加えて、前記学習基準温度算出部は、前記内燃機関の減速中における複数の時点の前記温度に基づき、前記学習基準温度を算出することを第3の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、内燃機関の温度を算出する内燃機関温度算出部と、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域に対応して、内燃機関の温度に基づき内燃機関の学習基準温度を算出する学習基準温度算出部と、内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を算出する壁部温度算出部と、学習基準温度に基づき、壁部の温度を補正して補正温度を算出する補正温度算出部と、補正温度に基づき、運転状態を制御する運転状態制御部と、を備えるものであるので、簡便な構成で、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御することができる。特に、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域は、実用上、運転状態にある内燃機関の発生トルクが最も低い状態における発生トルクを検出するために用いる所定の領域であり、運転状態にある内燃機関の発生トルクが最も低い状態は、内燃機関がアイドル回転時にある状態のみならず、内燃機関の減速時にスロットルバルブが全閉状態にあって、内燃機関のシリンダ内圧が実質発生していない状態に対応させることができる。内燃機関がアイドル回転時にある状態では、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク、つまりその際に内燃機関のシリンダ内で発生する熱量に応じた学習基準温度を得ることができ、また、内燃機関の減速時にスロットルバルブが全閉状態にあって、内燃機関のシリンダ内圧が実質発生していない状態では、その減速状況による降温特性、つまり燃料カットの有無に応じた降温特性に応じて内燃機関のシリンダ内で発生する熱量に応じた学習基準温度を得ることができるものであるため、各々の場合に対応して学習基準温度を多点のものとして得ることができる。かかる多点の学習基準温度を用いれば、結果的に、温度センサの温度及び電圧間の特性、特にサーミスタの温度及び抵抗間の特性における傾きを適切に較正することができる。ここで、燃料カットの実行時には、燃焼室の表面の受熱量が少なくなるため、安定した値の学習基準温度を得ることができる。また、かかる学習基準温度を用いて、内燃機関のシリンダ内で発生する熱量により直接的に応じた内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を補正するものであるため、内燃機関の燃焼状態を適切に反映した温度を得ることができる。
本発明の第2の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、補正温度算出部が、学習基準温度と壁部の温度との偏差に応じて壁部の温度を補正して、補正温度を算出するものであるので、簡便な構成で確実に、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御することができる。
本発明の第3の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、学習基準温度算出部が、内燃機関の減速中における複数の時点の温度に基づき、学習基準温度を算出するものであるため、内燃機関の減速中の燃料カットが実行される期間及び内燃機関の減速中の燃料カットが実行されない期間の異なった複数の時点で内燃機関の温度に基づき、多点の学習基準温度を得ることができ、温度センサの温度及び電圧間の特性における傾きを適切に較正しながら、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御することができる。
図1は、本発明の実施形態における内燃機関制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本実施形態における内燃機関制御装置が実行する運転状態制御処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における内燃機関制御装置につき、詳細に説明する。
[構成]
まず、図1を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態における内燃機関制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における内燃機関制御装置1は、二輪自動車等の車両に搭載され、車両の内燃機関の運転状態を制御する。本実施形態における内燃機関制御装置1は、スロットル開度センサ20、クランク角センサ30、壁部温度センサ40、及び冷却水温センサ50に電気的に接続されたECU(Electronic Control Unit)60を備えている。なお、説明の便宜上、車両や内燃機関の構成についての具体的な図示は、省略している。また、内燃機関に適用される燃料としては、原理的には、現在入手可能なものが適用でき、例えば、ガソリン、エタノール及びメタノール等の種別を問わず、ガソリンのオクタン価の種別も問わないものである。
スロットル開度センサ20は、内燃機関のスロットル装置の本体部に装着され、スロットルバルブの開度をスロットル開度として検出し、このように検出したスロットル開度を示す電気信号をECU60に入力する。
クランク角センサ30は、内燃機関において、リラクタの外周面に形成されている歯部に対向した態様でシリンダブロックの下部に組み付けられたロアケース等に装着され、クランクシャフトの回転に伴って回転する歯部を検出することによって、クランクシャフトの回転速度を内燃機関の回転速度として検出する。クランク角センサ30は、このように検出した内燃機関の回転速度を示す電気信号をECU60に入力する。
壁部温度センサ40は、内燃機関の燃焼室を画成する部材、つまりシリンダブロック又はシリンダヘッドの壁部に装着されてその壁部の温度を検出し、このように検出した壁部の温度を示す電気信号をECU60に入力する。
冷却水温センサ50は、内燃機関の冷却水通路に侵入した態様でシリンダブロックに装着され、冷却水通路内を流通する冷却水の温度を検出し、このように検出した冷却水の温度を示す電気信号をECU60に入力する。
ECU60は、車両が備えるバッテリからの電力を利用して動作する。ECU60は、A/D(Analog to Digital)変換回路601a、601b及び601c、波形成形回路602、スロットル開度算出部603、機関回転数算出部604、壁部温度算出部605、冷却水温算出部606、学習基準温度算出部607、学習基準温度記録部608、補正温度算出部609、運転状態制御部610、並びに駆動回路611a、611b及び611cを備えている。なお、スロットル開度算出部603、機関回転数算出部604、壁部温度算出部605、冷却水温算出部606、学習基準温度算出部607、補正温度算出部609、及び運転状態制御部610は、ECU60の演算処理装置が図示を省略するメモリから必要な制御プログラムや制御データを読み出すと共に学習基準温度記録部608から残余の制御データを読み出して運転状態制御処理を実行する際の機能ブロックとして示している。
A/D変換回路601aは、スロットル開度センサ20から入力されたアナログ形態の電気信号をデジタル形態に変換してスロットル開度算出部603に入力する。
A/D変換回路601bは、壁部温度センサ40から入力されたアナログ形態の電気信号をデジタル形態に変換して壁部温度算出部605に入力する。
A/D変換回路601cは、冷却水温センサ50から入力されたアナログ形態の電気信号をデジタル形態に変換して冷却水温算出部606に入力する。
波形成形回路602は、クランク角センサ30から入力された電気信号に対してスムージング処理等の成形処理を施した後に電気信号を機関回転数算出部604に入力する。
スロットル開度算出部603は、A/D変換回路601aから入力された電気信号を用いてスロットル開度を算出し、このようにスロットル開度算出部603が算出したスロットル開度は、運転状態制御部610で用いられる。
機関回転数算出部604は、波形成形回路602から入力された電気信号を用いて内燃機関の回転数(エンジン回転数)を算出し、このように機関回転数算出部604が算出したエンジン回転数は、運転状態制御部610で用いられる。
壁部温度算出部605は、A/D変換回路601bから入力された電気信号を用いて内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を算出し、このように壁部温度算出部605が算出した壁部の温度は、補正温度算出部609で用いられる。かかる壁部の温度は、内燃機関の燃焼状態を直接的に反映する内燃機関の温度であって、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量を直接的に反映した温度であると評価され得るものである。
冷却水温算出部606は、A/D変換回路601cから入力された電気信号を用いて冷却水の温度を算出し、このように冷却水温算出部606が算出した冷却水の温度は、学習基準温度算出部607及び運転状態制御部610で用いられる。かかる冷却水の温度は、内燃機関の温度を代表的に示す内燃機関の代表温度であって、内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を反映した温度であると評価され得るものである。なお、かかる内燃機関の代表温度としては、冷却水の温度の他に、内燃機関の潤滑油の温度等を用いてもよい。
学習基準温度算出部607は、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域に対応して、冷却水温算出部606が算出した冷却水の温度に基づき内燃機関の学習基準温度を算出し、このように学習基準温度算出部607が算出した内燃機関の学習基準温度は、学習基準温度記録部608で用いられる。
ここで、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域は、運転状態にある内燃機関の発生トルクが最も低い状態における発生トルクを検出するために用いられる所定の領域である。また、運転状態にある内燃機関の発生トルクが最も低い状態は、内燃機関がアイドル回転時にある状態のみならず、内燃機関の減速時にスロットルバルブが全閉状態にあって、内燃機関のシリンダ内圧が実質発生していない状態に対応し得るものである。よって、内燃機関がアイドル回転時にある状態では、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク、つまりその際に内燃機関のシリンダ内で発生する熱量に応じた学習基準温度を得ることが可能であり、また、内燃機関の減速時にスロットルバルブが全閉状態にあって、内燃機関のシリンダ内圧が実質発生していない状態では、その減速状況による降温特性、つまり燃料カットの有無に応じた降温特性に応じて内燃機関のシリンダ内で発生する熱量に応じた学習基準温度を得ることが可能であるため、各々の場合に対応して学習基準温度を多点のものとして得ることが可能となる。ここで、多点の学習基準温度を用いれば、結果的に、冷却水温センサ50の温度及び電圧間の特性、特に冷却水温センサ50にサーミスタを用いている場合に、それらの温度及び抵抗間の特性における傾きを適切に較正することが可能となる。また、燃料カットの実行時には、燃焼室の表面の受熱量が少なくなるため、安定した値の学習基準温度を得ることが可能となる。
学習基準温度記録部608は、書き換え可能な不揮発性メモリ、典型的にはEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)によって構成され、学習基準温度算出部607から入力された内燃機関の学習基準温度を記録する。
補正温度算出部609は、学習基準温度記録部608に記録されている内燃機関の学習基準温度に基づいて、壁部温度算出部605が算出した壁部の温度を補正して補正温度を算出し、このように補正温度算出部609が算出した補正温度は、運転状態制御部610で用いられる。かかる学習基準温度を用いて、内燃機関のシリンダ内で発生する熱量により直接的に応じた内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を補正するものであるため、内燃機関の燃焼状態を適切に反映した温度を得ることが可能となる。
運転状態制御部610は、内燃機関制御装置1全体の動作を制御する。具体的には、運転状態制御部610は、スロットル開度算出部603が算出したスロットル開度、機関回転数算出部604が算出したエンジン回転数、冷却水温算出部606が算出した冷却水の温度、及び補正温度算出部609が算出した補正温度等に基づいて、点火時期及び燃料噴射量の指示値等を算出する。そして、運転状態制御部610は、このように算出した点火時期及び燃料噴射量の指示値等を内燃機関に適用することにより、その運転状態を制御する。
駆動回路611aは、運転状態制御部610から入力された制御信号に従ってスロットルモータ70を駆動することによってスロットル開度を制御する。
駆動回路611bは、運転状態制御部610から入力された制御信号に従って点火栓80を駆動することによって内燃機関の点火時期を制御する。
駆動回路611cは、運転状態制御部610から入力された制御信号に従って燃料噴射弁90を駆動することによって内燃機関の燃料噴射量を制御する。
以上のような構成を有する内燃機関制御装置1は、以下に示す運転状態制御処理を実行することによって、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御する。以下、図2を参照して、この運転状態制御処理を実行する際の内燃機関制御装置1の動作について説明する。
〔運転状態制御処理〕
図2は、本実施形態における内燃機関制御装置1が実行する運転状態制御処理の流れを示すフローチャートである。
図2に示すフローチャートは、車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられてECU60が稼働したタイミングで開始となり、運転状態制御処理はステップS1の処理に進む。かかる運転状態制御処理は、ECU60が稼働状態である間、メモリから必要な制御プログラムや制御データを読み出すと共に学習基準温度記録部608から残余の制御データを読み出して所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、運転状態制御部610が、スロットル開度算出部603、機関回転数算出部604、及び冷却水温算出部606がそれぞれ算出したスロットル開度TH、エンジン回転数NE、及び冷却水温TWのデータを読み込む。また、併せて、壁部温度算出部605が、壁部の温度TCCを算出し、このように壁部温度算出部605が算出した壁部の温度TCCのデータは補正温度算出部609が読み込む。これにより、ステップS1の処理は完了し、運転状態制御処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、運転状態制御部610が、ステップS1の処理において読み込まれた冷却水温TWが基準温度範囲(TW1<TW<TW2)内にあるか否かを判別する。判別の結果、冷却水温TWが基準温度範囲内にある場合、運転状態制御部610は、運転状態制御処理をステップS3の処理に進める。一方、冷却水温TWが基準温度範囲内にない場合には、運転状態制御部610は、今回の一連の運転状態制御処理を終了する。
ステップS3の処理では、運転状態制御部610が、ステップS1の処理において読み込まれたスロットル開度TH及びエンジン回転数NEに基づいて、内燃機関の運転状態がアイドル状態にあるか否かを判別する。判別の結果、内燃機関の運転状態がアイドル状態にある場合、運転状態制御部610は、内燃機関が発生する発生トルクが最も低い状態であると判断し、運転状態制御処理をステップS8の処理に進める。一方、内燃機関の運転状態がアイドル状態にない場合には、運転状態制御部610は、運転状態制御処理をステップS4の処理に進める。
ステップS4の処理では、運転状態制御部610が、ステップS1の処理において読み込まれたスロットル開度THがゼロ(全閉)であり、かつ、今回及び今回以前の運転状態制御処理におけるステップS1の処理において各々読み込まれたエンジン回転数NEからエンジン回転数NEが減少中(内燃機関が減速中)であるか否かを判別する。判別の結果、スロットル開度THがゼロであり、かつ、エンジン回転数NEが減少中である場合、運転状態制御部610は、燃焼によるシリンダ内圧が発生しない状態であると判断し、運転状態制御処理をステップS5の処理に進める。一方、スロットル開度THがゼロでない、又は、エンジン回転数NEが減少中でない場合には、運転状態制御部610は、今回の一連の運転状態制御処理を終了する。
ステップS5の処理では、運転状態制御部610が、燃料噴射を停止中(燃料カット中)であるか否かを判別する。判別の結果、燃料カット中である場合、運転状態制御部610は、運転状態制御処理をステップS6の処理に進める。一方、燃料カット中でない場合には、運転状態制御部610は、運転状態制御処理をステップS7の処理に進める。
ステップS6の処理では、学習基準温度算出部607が、内燃機関の減速中であってかつ燃料カット中における燃焼室の壁部の温度低下を加味した学習基準温度TB2を学習基準温度TBとして算出し、このように算出した学習基準温度TBを学習基準温度記録部608に記録する。これにより、ステップS6の処理は完了し、運転状態制御処理はステップS9の処理に進む。
ステップS7の処理では、学習基準温度算出部607が、内燃機関の減速中における燃焼室の壁部の温度低下を加味した学習基準温度TB3を学習基準温度TBとして算出し、このように算出した学習基準温度TBを学習基準温度記録部608に記録する。これにより、ステップS7の処理は完了し、運転状態制御処理はステップS9の処理に進む。
ステップS8の処理では、学習基準温度算出部607が、冷却水温TWにアイドル回転時の発生トルクによる発生熱量に相当する温度を上乗せした学習基準温度TB1を学習基準温度TBとして算出し、このように算出した学習基準温度TBを学習基準温度記録部608に記録する。これにより、ステップS8の処理は完了し、運転状態制御処理はステップS9の処理に進む。
ステップS9の処理では、補正温度算出部609が、学習基準温度記録部608に記録されている学習基準温度TBと壁部温度算出部605によって算出された壁部の温度TCCとの偏差Dを算出する。これにより、ステップS9の処理は完了し、運転状態制御処理はステップS10の処理に進む。
ステップS10の処理では、補正温度算出部609が、ステップS9の処理において算出された偏差Dに基づいて壁部の温度TCCを補正して補正温度TMを算出し、このように算出した補正温度TMを運転状態制御部610に入力する。そして、運転状態制御部610は、補正温度算出部609が算出した補正温度TMを用いて点火時期及び燃料噴射量を算出すると共に、アクセル開度等を用いて目標スロットル開度を算出し、それらに応じて駆動回路611b、611c及び611aを介して点火栓80、燃料噴射弁90及びスロットルモータ70を駆動することによって、内燃機関の運転状態を制御する。これにより、ステップS10の処理は完了し、今回の一連の運転状態制御処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における内燃機関制御装置1は、内燃機関の温度を算出する冷却水温算出部606と、内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域に対応して、内燃機関の温度に基づき内燃機関の学習基準温度を算出する学習基準温度算出部607と、内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を算出する壁部温度算出部605と、学習基準温度に基づき、壁部の温度を補正して補正温度を算出する補正温度算出部609と、補正温度に基づき、運転状態を制御する運転状態制御部610と、を備える。これにより、簡便な構成で、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置1では、補正温度算出部609が、学習基準温度と壁部の温度との偏差に応じて壁部の温度を補正して、補正温度を算出するものであるので、簡便な構成で確実に、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置1では、学習基準温度算出部607が、内燃機関の減速中における複数の時点の温度に基づき、学習基準温度を算出するものであるため、内燃機関の減速中の燃料カットが実行される期間及び内燃機関の減速中の燃料カットが実行されない期間の異なった複数の時点で内燃機関の温度に基づき、多点の学習基準温度を得ることができ、温度センサの温度及び電圧間の特性における傾きを適切に較正しながら、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御することができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、内燃機関のシリンダ内で発生する発生熱量及び内燃機関のシリンダを冷却する冷却熱量を考慮して内燃機関の温度を精度よく検出し、かかる内燃機関の温度に応じて内燃機関の運転状態を制御可能な内燃機関制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の車両の内燃機関に広く適用され得るものと期待される。
1…内燃機関制御装置
20…スロットル開度センサ
30…クランク角センサ
40…壁部温度センサ
50…冷却水温センサ
60…ECU
70…スロットルモータ
80…点火栓
90…燃料噴射弁
601a、601b及び601c…A/D変換回路
602…波形成形回路
603…スロットル開度算出部
604…機関回転数算出部
605…壁部温度算出部
606…冷却水温算出部
607…学習基準温度算出部
608…学習基準温度記録部
609…補正温度算出部
610…運転状態制御部
611a、611b及び611c…駆動回路

Claims (3)

  1. 内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御装置において、
    前記内燃機関の温度を算出する内燃機関温度算出部と、
    前記内燃機関のアイドル回転時の発生トルク以下の発生トルクを規定する発生トルク領域に対応して、前記内燃機関の前記温度に基づき前記内燃機関の学習基準温度を算出する学習基準温度算出部と、
    前記内燃機関の燃焼室を画成する壁部の温度を算出する壁部温度算出部と、
    前記学習基準温度に基づき、前記壁部の温度を補正して補正温度を算出する補正温度算出部と、
    前記補正温度に基づき、前記運転状態を制御する運転状態制御部と、
    を備えることを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記補正温度算出部は、前記学習基準温度と前記壁部の温度との偏差に応じて前記壁部の温度を補正して、前記補正温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記学習基準温度算出部は、前記内燃機関の減速中における複数の時点の前記温度に基づき、前記学習基準温度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関制御装置。
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