JP2017172480A - 波力発電装置とその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波力を受ける吸収体の形態や波力発電装置の係留方法に関わらず発電効率を向上することのできる波力発電装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】吸収体3の外表面において発生する反射波の大きさが最小になる位置に設置される波センサ12で波の波形を測定して、制御機構16がこの波形の角周波数ωおよび鉛直方向の位置ηx=0に基づき下記の式(1)で与えられる制御速度z’を算出して、吸収体3がこの制御速度z’となる状態に制御機構16が外力を調整する。
Figure 2017172480

(式(1)において、z’は吸収体の制御速度、sは0.1〜1.0の定数、Kは波の角周波数ωを吸収体の造波効率Aバーで除した定数、ηx=0は平均水位WLに対する波の鉛直方向の位置である。)
【選択図】図1

Description

本発明は、波力に基づいて発電を行う波力発電装置およびその制御方法に関するものであり、詳しくは波力を受ける吸収体の形態や波力発電装置の係留方法に関わらず発電効率を向上することのできる波力発電装置およびその制御方法に関するものである。
出願人は発電効率を向上することのできる波力発電装置を既に提案している(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載の波力発電装置は、波センサおよび位置センサで取得した値からフロートに付加すべき制御速度を算出して、フロートがこの制御速度となるように駆動機構で制御する構成を有している。
駆動機構からフロートに適切な速度を付加することにより、フロートの上下動が波の周波数に共振するように制御できるので、波から取り出し可能なエネルギが増加し発電効率を向上することができる。またフロートの速度を制御することにより、フロートの重量や慣性力等の複雑な力を考慮する必要がなくなり、制御を単純化することができる。
波センサは、波が衝突するフロートの前面に設置され、圧力の変化量等から波の周期および波高を測定している。つまり波センサはフロートに向かって移動してくる波の波形を検知することができる。この波センサで取得される波形は、フロートの外表面に衝突して反射される反射波の影響を受ける。この反射波の影響を考慮するために特許文献1に記載の波力発電装置では、波が反射するフロートの前面の形状に基づき境界条件を設定し、フロートに付加すべき制御速度を算出する際にこの境界条件により定まる定数を利用し補正を行っていた。
この境界条件はフロートの前面の形状により異なるので、フロートの形状が異なる波力発電装置を設計するたびに、適切に境界条件を設定する必要があった。この境界条件は例えば水槽実験により波センサで取得される波形と実際の波形との差異を測定することにより求めることができるが、境界条件を設定するために必要な作業労力に比べて発電効率の向上率は十分ではなかった。
一方、支柱に設置される位置センサは、支柱に対するフロートの相対的な位置を測定することにより、平均水位に対するフロートの鉛直方向の位置を測定している。そのため立設状態で係留される支柱に沿ってフロートが上下動する波力発電装置であって、この支柱を係留ロープにより水中に係留する構成の場合、支柱が上下動することにより位置センサで取得する値に誤差が生じる可能性があった。波力発電装置の発電効率の向上のためには、位置センサで取得される値の誤差はより小さい方が望ましい。
特許文献1に記載の波力発電装置は、波の運動エネルギを受けて運動する吸収体がフロートで構成されているが、吸収体として平板状の吸収板を用いた場合にも同様の課題がある。
特開2013−181496号公報
本願発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は波力を受ける吸収体の形態や波力発電装置の係留方法に関わらず発電効率を向上することのできる波力発電装置およびその制御方法を提供することである。
上記の目的を達成するための本発明の波力発電装置は、波の波形を測定する波センサと、波の運動エネルギを受けて運動する吸収体と、この吸収体の運動に基づき発電する発電機構と、前記吸収体に外力を付加する駆動機構と、前記波形に基づき前記外力を調整する制御機構とを有する波力発電装置において、前記波センサが、前記吸収体の外表面において発生する反射波の大きさが最小になる位置に設置されるとともに、前記制御機構が前記波形の角周波数ωおよび鉛直方向の位置ηx=0に基づき下記の式(1)で与えられる制御速度z’を算出し、前記吸収体がこの制御速度z’となる状態に前記制御機構が前記外力を調整することを特徴とする。
Figure 2017172480
(式(1)において、z’は吸収体の制御速度、sは0.1〜1.0の定数、Kは波の角周波数ωを吸収体の造波効率Aバーで除した定数、ηx=0は平均水位WLに対する波の鉛直方向の位置である。)
上記の目的を達成するための本発明の波力発電装置の制御方法は、波の波形を測定する波センサと、波の運動エネルギを受けて運動する吸収体と、この吸収体の運動に基づき発電する発電機構と、前記吸収体に外力を付加する駆動機構と、前記波形に基づき前記外力を調整する制御機構とを有する波力発電装置の制御方法において、吸収体の外表面において発生する反射波の大きさが最小になる位置に設置される波センサで波の波形を測定して、前記制御機構がこの波形の角周波数ωおよび鉛直方向の位置ηx=0に基づき上記の式(1)で与えられる制御速度z’を算出して、前記吸収体がこの制御速度z’となる状態に前記制御機構が前記外力を調整することを特徴とする。
本発明によれば、波センサが反射波を生じ難い場所に設置されるので、境界条件の影響をほとんど受けずに波形を取得することができる。そのため、吸収体が上下方向に運動するフロートであっても、水平方向に運動する吸収板であっても、それぞれの境界条件を設定することなく、吸収体が付加されるべき制御速度z’を高い精度で算出することができる。つまり吸収体を制御速度z’で運動させて波に共振させることができるので、発電効率を向上することができる。
吸収体の形態が異なると造波効率Aバーの値が異なることになるが、この造波効率Aバーは簡単に求めることができる。上記式(1)の造波効率Aバーの値を変更することにより、異なる形態を有する吸収体においても高い精度で適切な制御速度z’を算出することが可能なため、発電効率を向上するには有利である。
波センサが、吸収体の外表面における波の進行方向と略平行となる位置に設置される構成にすることもできる。波センサおよびその近傍の吸収体の外表面に沿って波が通過するので、反射波がほとんど発生しない。そのため境界条件の影響をほとんど受けずに波センサは波形を測定することができる。
吸収体がその外表面に凹部を有し、この凹部の中に波センサが設置される構成にすることもできる。波センサはさらに境界条件の影響を受け難くなるので、波形を測定する精度を向上できる。
回転軸を中心に回転可能に構成されるフライホイールが、吸収体に設置される構成にすることもできる。フライホイールを回転させてフライホイールの慣性力を変化させることにより、吸収体の見かけ上の質量を調整して、吸収体に作用する機械部慣性力を調整することができる。機械部慣性力の調整により吸収体を制御速度z’とする際に必要となる外力を小さくすることができる。
フライホイールの回転軸が無段変速機を介して駆動源に連結され、制御機構が無段変速機を介してフライホイールの回転速度を調節可能にする構成にすることもできる。この構成によれば、吸収体の見かけ上の質量を容易に調整することができる。
フライホイールが、回転軸に対して回転半径を変更可能な状態に設置される複数の質量体を有し、制御機構が質量体の回転半径を調整可能にする構成にすることもできる。
吸収体が水中に立設状態で係留される支柱に沿って上下動するフロートであり、このフロートの天面および底面に磁石を設置し、支柱の上端部および下端部に磁性を有する金属板を設置し、フロートの天面の磁石と支柱の上端部の金属板の間、およびフロートの底面の磁石と支柱の下端部の金属板の間とに吸引し合う磁力を発生させる構成にすることもできる。
本発明の波力発電装置を斜視で例示する説明図である。 図1に示す波力発電装置をA−A断面で例示する説明図である。 図1に示す波力発電装置をB−B断面で例示する説明図である。 波力発電装置の別の実施形態を例示する説明図である。 図4に示す波力発電装置をC−C断面で例示する説明図である。 吸収体が水平方向に移動する吸収板で構成される波力発電装置を例示する説明図である。 図6に示す波力発電装置をD−D断面で例示する説明図である。 図6に示す波力発電装置の変形例を例示する説明図である。 図8の波力発電装置をE−E断面で例示する説明図である。 吸収体が下端を支点に傾動する吸収板で構成される波力発電装置を例示する説明図である。 フロートにフライホイールを設置した状態を例示する説明図である。 図11に示すフライホイールを拡大して例示する説明図である。 フライホイールの変形例を例示する説明図である。 フライホイールの変形例を例示する説明図である。
以下、本発明の波力発電装置およびその制御方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3に例示するように本発明の波力発電装置1は、水中に係留される支柱2と、波の運動エネルギを受けてこの支柱2に沿って上下動する吸収体3と、支柱2内に設置される発電機構4と、吸収体3の上下動を回転運動に変換して発電機構4に伝達する伝達機構5とを備えている。
支柱2は、内部に空洞を有する例えば円柱形状に形成されている。この支柱2は、海底に沈められたアンカー6と支柱2の下端部とを係留ロープ7で連結する単索緊張係留方式で係留されている。支柱2の内部には例えばモータ等で構成される発電機構4が設置されている。
この実施形態では吸収体3は、水面に浮かび波を受けて上下動するフロート3で構成されている。フロート3は、例えば炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックなどの合成樹脂材料や鋼板等の金属材料で形成される。フロート3の内部は発泡ウレタン等の充填剤を充填して中実としているが、充填剤を用いずに中空としてもよい。
このフロート3は、鉛直方向に形成される貫通孔8と、波の上流側Supに膨出し下方に向かってこの膨出する距離が短くなる膨出部9と、波の下流側Sdownで鉛直方向に平行な平面となる背面部10と、膨出部9と背面部10との間に形成され波の流れる方向に平行でかつ垂直な面で形成される側面部11とを有している。膨出部9は平面視において半円形状となっている。波によって上下動するフロート3は、垂直な面で形成された背面部10を有しているので、フロート3が上下運動しても背面部10側で波(透過波)が形成され難くなっている。
側面部11には、波の波形を測定する波センサ12が設置されている。波センサ12は、例えば水圧を測定する圧力式波センサ12で構成されている。この波センサ12は圧力を連続的に測定することにより、連続的な波高の変化を検知し、波高の連続的な変化の状態から波の周期も検知することができる。この圧力式波センサ12は、フロート3の側面部11の下方であって常に水中となる位置に設置される。
波センサ12は、図3に例示するようにフロート3の側面部11から水平方向に刳り貫いて形成される凹部13内に配置され、圧力を測定するための測定面12aがフロート3の側面部11と面一になる状態に固定されている。側面部11および波センサ12の測定面12aは波の進行方向と平行になるので、側面部11や波センサ12等に波が衝突して生じる反射波は、波センサ12の近傍でほとんど発生しない。波センサ12は、反射波の影響をほとんど受けることなく水圧を測定できるので、波の波形を高い精度で測定することができる。
この実施形態では伝達機構5は、一端がフロート3の上端面に固定され他端が支柱2内に向かって延設されるラック14と、発電機構4に設置されるピニオンギア15とを備えるラックアンドピニオンで構成されている。この伝達機構5により、支柱2に対するフロート3の相対的な上下動が回転運動に変換され、モータ等の発電機構4を回転させて発電することができる。
伝達機構5の構成はラックアンドピニオンに限らず、フロート3の上下動を回転運動に変換して発電機構4に伝達する構成であればよい。例えばボールねじやワイヤロープを介して動力を伝達する構成等の既存の構成を採用することができる。
次に波力発電装置1の制御方法について説明する。まず図1および図3に例示する波センサ12により、フロート3に入射する波の波高Hおよび周期Tを取得する。つまり波センサ12により波の波形を取得する。図2に例示するように支柱2内に設置される制御機構16は、波センサ12で取得する波形から平均水位WLに対する波の鉛直方向の相対位置ηx=0を下記の式(2)により算出する。
Figure 2017172480

ここでωは波の角周波数を示し下記の式(3)に基づき算出される。
Figure 2017172480
フロート3の上下動を波に共振させることにより、波からより効率的にエネルギを取り出すことができる。フロート3を波に共振させる場合は、フロート3の上下動が波の位相からπ/2だけ遅れることになるので、理想的なフロート3の鉛直方向の位置zは下記の式(4)で表すことができる。
Figure 2017172480
ここでzは平均水位WLに対するフロート3の鉛直方向の位置を示し、aはフロート3の最適振幅を示している。このフロート3の最適振幅aは、波高Hと造波効率Aバーから下記の式(5)に基づき算出される。
Figure 2017172480
ここで造波効率Aバーは、フロート3を静水面で一単位動かしたときに発生する波の単位数を示している。つまりこの造波効率Aバーはフロート3の振幅に対する波振幅の振幅比であり、フロート3の形状に依存する係数である。
式(2)、(4)、(5)からフロート3の制御速度z’は下記の式(6)に基づき算出することができる。
Figure 2017172480
式(6)において波の角周波数ωは季節変化等により変化することはあるが短時間に大きく変化するものではなく、Aバーはフロート3の形状に依存する定数であるため、ω/Aバーは定数Kで表すことができる。したがって、フロート3の制御速度z’は下記の
式(7)で表すことができる。
Figure 2017172480
この実施形態の吸収体3は背面に透過波が形成されないフロート3で構成されているので、入射波100%に対して形成される透過波および反射波は0%となり、フロート3を介して入射波のエネルギの全てを回収する状態であると仮定でき、発電効率は100%であると仮定できる。
制御機構16により算出された制御速度z’はフロート3が制御されるべき速度であり、この速度は駆動機構によりフロート3に付加される。この実施形態では発電機構4を駆動機構として共用する構成であり、発電機構4は制御機構16から入力される信号に基づき回転し、この回転は伝達機構5を介してフロート3に伝達される。即ち発電機構4は、波により上下動するフロート3の運動エネルギを利用して発電を行いつつ、制御機構16からの信号に基づきフロート3に制御速度z’を付加する。これによりフロート3は波の振幅に合わせて共振状態を維持しつつ、波からエネルギを取り出すことができるので発電効率を向上することができる。駆動機構は発電機構4とは別に設置されるモータ等で構成することもできる。
本発明の波センサ12はフロート3の外表面で発生する反射波の影響をほとんど受けないので、特許文献1に記載の発明と異なり境界条件を設定する必要がない。そのためフロート3の形状を変更したとしても境界条件を設定するための実験等が不要となるので、波力発電装置1を設計する際に工数を削減しつつ発電効率を向上することができる。
また境界条件の項を無視して制御速度z’を算出する特許文献1に記載の制御方法とは異なり、本発明は境界条件の影響をほとんど受けない状態で制御速度z’を算出しているので、フロート3の形状の変更等により境界条件が大きく異なる場合であっても同一の制御プログラムで高い発電効率を実現することができる。
本発明の波力発電装置1は、特許文献1に記載の発明と異なり支柱2に対するフロート3の位置を測定する位置センサが不要となる。そのため例えば支柱2が係留ロープ7により係留され波により上下動するような場合であっても、波力発電装置1はその影響をほとんど受けずに高い精度でフロート3を制御できるので、効率よく発電することができる。
波センサ12は、水圧を測定する構成に限らず、超音波やレーザ光により水面までの距離を測定するセンサで構成することもできる。この場合、波センサは水面よりも高く水没しない位置に設置され、水面までの距離を測定する。レーザ光等を利用した波センサを利用する場合であっても、波がフロート3の外表面に衝突して生じる反射波の影響を受けないように、フロート3の側面部11近傍の波高を測定できる位置に波センサを設置することが望ましい。
波センサ12は、フロート3に設置する構成に限らず、支柱2に設置する構成にすることもできる。この場合であっても、支柱2の外表面において波が衝突する上流側Supを避け、波の上流側Supと下流側Sdownの間に位置する側面に波センサ12を設置する。即ち、支柱2の外表面において発生する反射波が小さくなり、かつ波を検知できる位置に波センサ12は設置される。支柱2が角柱形状に構成される場合は、波の流れる方向
と平行となる側面に波センサ12を設置する。
図4および図5に例示する実施形態では、吸収体3が、平面視において円形であり側面視において楕円形となるフロート3で構成されている。フロート3は、フロート3の外表面において波の上流側Supに位置する前面部17と、下流側Sdownに位置する背面部18とを備えている。前面部17は波が衝突して反射波が形成される領域であり、背面部18はフロート3の上下動により透過波が形成される領域である。
波センサ12は、この前面部17と背面部18との境界近傍または背面部18側にずれた位置であり、常に水没する高さに設置されている。この実施形態の波センサ12は、フロート3の外表面から水平方向に突出し、その測定面12aが波の進行方向と平行となる状態で設置されている。つまり波センサ12の測定面12aに波が衝突して反射波が生じ難い方向となる状態で、波センサ12は設置されている。波センサ12の測定面12aが下流側Sdownを向く状態で、波センサ12を設置する構成にすることもできる。
この実施形態では、フロート3が平面視において円形なので、波力発電装置1に対して入射する波の方向が変化した場合であっても発電することができる。波の流れる方向が年間を通して一定とならない海域に波力発電装置1を設置する場合には、図1〜図3に例示する平面視において半円形のフロート3よりも図4および図5に例示する円形のフロート3の方が発電量を多くできる。
この実施形態の吸収体3は背面に透過波が形成されるフロート3で構成されているので、入射波100%に対して形成される透過波および反射波が例えば25%ずつになると仮定し、発電効率を50%とすることを目指すと、制御速度z’は下記の式(8)で与えられる。
Figure 2017172480
つまり図1〜図3に例示する実施形態のフロート3に比べて、発電効率は低下するものの制御速度z’は3分の1の大きさとなるので、駆動機構が付加すべき外力を小さくすることができ、駆動機構の小型化を実現することができる。
前述の式(7)および上記式(8)に基づき、制御速度z’を求める式を下記の式(1)とすることにより、異なる形態のフロート3に対して制御式を共通化することができる。
Figure 2017172480
ここでsは発電効率に基づき設定される定数である。図1〜図3に例示するようにフロート3が背面波を形成し難い形状であり発電効率を100%とした場合にはs=1.0として制御速度z’を算出し、図4および図5に例示するようにフロート3により背面波を形成する形状であり発電効率を50%とした場合にはs=1/3として制御速度z’を算
出する。想定される発電効率に基づき定数sは0.1以上1.0以下の範囲で適宜決定される。
定数sの値を小さくすると発電効率が低下するものの制御速度z’が小さくなり、駆動機構を小さくすることができる。発電機構4を駆動機構としても使用する場合は、装置の稼働効率の観点から発電機としての容量と駆動機構としての容量を同程度とすることが望ましい。発電機としては容量が50kwのモータを採用することが望ましいが、駆動機構としては容量が100kwのモータが必要となる場合には、100kwのモータを選定しなければならず、このモータは発電機としては大きすぎることになる。このような場合であっても定数sを小さく設定することにより、駆動機構として必要となるモータの容量を小さくすることができ、発電機として必要な容量と駆動機構として必要な容量を同程度にすることができる。
フロート3の形態や目標とする発電効率に応じて定数sを適宜変更することにより、多種の波力発電装置1の制御を式(1)に基づく同一の制御プログラムを用いて実現することができる。即ち、フロート3の形態等に関わらず同一の制御式を用いることができ、波力発電装置1の発電効率を向上しつつ、その製造コストを抑制することができる。
図6および図7に例示するように吸収体3が吸収板3で構成される場合も、上記の式(1)を利用して最適な制御速度z’を求めることができる。この吸収板3は、岸壁19近傍に配置され、吸収板3の前面部20に衝突する波の力により岸壁19に接近離間する方向に摺動可能な状態で配置されている。この実施形態では吸収板3の底面には複数の車輪21が設置され、この車輪21により吸収板3は水底22に沿って水平方向に摺動することができる。
吸収板3は車輪21を設置される構成に限らず、岸壁19に対して接近離間できる構成であればよい。例えば水底22に設置されるレールガイドに沿って吸収板3が摺動する構成にすることもでき、岸壁19から突設されるガイドで吸収板3を支持して吸収板3が水底22に接触しない状態でこのガイドに沿って摺動する構成にすることもできる。
岸壁19には発電機構4と制御機構16とが設置され、伝達機構5は吸収板3から発電機構4に向かって突設されるラック14と、発電機構4を構成するモータ等に設置されるピニオンギア15とで構成されている。吸収板3の両側の側面部23には岸壁19から突設される水密壁24が接触する状態でそれぞれ配置され、吸収板3において岸壁19の対向面である背面部25に水がない状態としている。即ち透過波が形成されない状態としている。
吸収板3の背面部25と岸壁19の間には、吸収板3の摺動方向に伸縮する例えばシリンダ等で構成されるバネ機構26が設置されている。波により岸壁19側に押される吸収板3は、このバネ機構26の復元力により波の上流側Supに押し戻される。この実施形態では図7に例示するように2つのバネ機構26が吸収板3の背面部25に設置され、平面視においてラック14を中心にその両側となる位置に配置されている。
バネ機構26はこの構成に限らず、吸収板3に復元力を付加できる構成であればよい。例えば発電機構4に渦巻バネ等を設置してピニオンギア15を介して渦巻バネの復元力が吸収板3に付加される構成にすることもできる。
水密壁24の側面であって波の進行方向と平行に形成される外側側面27には凹部13が形成され、この凹部13には波センサ12が設置されている。図6では波センサ12および凹部13を説明のため破線で示している。
この波センサ12の測定面12aは、外側側面27よりも凹部13内に下がった位置となる状態に配置されている。波センサ12は、波の進行方向と平行に形成され反射波の生じ難い外側側面27に設置されているので、境界条件の影響を受けずに波の波形を正確に測定することができる。
水密壁24の内側側面28に凹部13を形成し、この凹部13に波センサ12を設置する構成にすることもできる。このとき、波センサ12は吸収板3の摺動範囲よりも波の上流側Supとなる位置、即ち吸収板3が接触することなく常に水没した状態となる位置に設置される。
吸収体3を吸収板3で構成する場合は、フロート3で構成する場合と比べて造波効率Aバーが異なる。この造波効率Aバーは吸収板3の形態等から容易に求めることができるので、この造波効率Aバーの値を変更すれば、上記の式(1)に基づく制御プログラムでこの実施形態の波力発電装置1も制御することができる。
正確に設定するためには多大な作業労力を必要とする境界条件の影響を受け難いので、吸収体3をフロート3から境界条件の大きく異なる吸収板3に変更したとしても、式(1)に基づく同一の制御式を用いて吸収板3の制御速度z’を算出することができる。つまり境界条件の大きく異なる吸収体3を有する波力発電装置1に対しても、造波効率Aバーを変更することにより同一の制御プログラムを用いて発電効率を向上することができる。
制御機構16は、予め設定される造波効率Aバーと、波センサ12で取得される波の角周波数ωおよび平均水位WLに対する波の鉛直方向の高さηx=0から、制御速度z’を上記式(1)に基づき算出する。この実施形態では、吸収板3の背面部25には水がない状態であり、透過波が形成されないので、100%の発電効率が見込まれ、式(1)における定数sを1.0として制御速度z’を算出する。
発電機構4は、吸収板3がこの制御機構16で算出される制御速度z’となるように伝達機構5を介して吸収板3に外力を付加する。即ちこの実施形態においても発電機構4は発電機および駆動機構として働く。
吸収板3は、駆動機構から付加される外力により波と共振する状態に制御されつつ、波から受ける力とバネ機構26の復元力により水平方向に摺動を繰り返す。そのため波力発電装置1は、波から効率的にエネルギを取り出すことができる。
図8および図9に例示する波力発電装置1は、水密壁24を有さず吸収板3の背面部25に透過波が形成される構成を有している。水密壁24を有さないので、波力発電装置1の製造コストを大幅に低減することができる。
ピニオンギア15の回転軸には渦巻バネ等のバネ機構26が設置されていて、波により岸壁19側に押される吸収板3は押し戻される方向の復元力をバネ機構26から得ることができる。
波センサ12は、この波センサ12から水面までの距離をレーザ光により測定するレーザ式波センサ12で構成されている。そのため波センサ12の測定面12aは、水面に向かう下向きとなる状態で設置されている。この波センサ12は、吸収板3において波の進行方向と平行となる側面部23であり常に水上となる位置に設置されている。
この波センサ12は、反射波が生じる前面部20や透過波が生じる背面部25ではなく
、吸収板3に沿って波が通過する側面部23近傍で水面までの距離を測定するので、境界条件の影響を受けずに波の波形を測定することができる。
そのため上記式(1)を利用して前述と同様に正確な制御速度z’を求めることができる。この実施形態では吸収板3の背面部25側に透過波が形成されるので、発電効率は100%とならない。そのため式(1)のsの値を0.1以上1.0未満に設定し、望ましくは1/3に設定する。
図10に例示する波力発電装置1は、吸収板3の底面に傾動機構29が設置され、この傾動機構29は水底22に固定されている。吸収板3はこの傾動機構29に連結される底面を中心にして、その上端部が岸壁19に対して接近離間する方向に傾動可能に構成されている。吸収板3は背面部25から岸壁19に向かって突設され上方に凸となる状態に湾曲するラック14を有している。岸壁19に設置される発電機構4の回転軸には、吸収板3に復元力を与える渦巻バネ等のバネ機構26が設置されている。
吸収板3の両側の側面部23には、岸壁19から突設される水密壁24が接触する状態でそれぞれ配置され、吸収板3の背面部25と岸壁19との間には水がない状態としている。また図6及び図7に例示する実施形態と同様に、水密壁24の外側側面27には凹部13が形成され、この凹部13内に波センサ12が設置されている。図10では波センサ12および凹部13を説明のため破線で示している。
底面を中心に傾動する吸収板3は、図6〜図9に例示する吸収板3とは造波効率Aバーの値が異なるので、制御機構16にこの吸収板3の造波効率Aバーの値を予め設定しておく必要がある。このような形態の吸収体3であっても、上記の式(1)を利用して制御速度z’を求めることができる。この実施形態では吸収板3の背面部25に透過波が形成されないので、例えば目標とする発電効率を100%としてsの値を1.0として制御速度z’を求めることができる。
吸収板3が傾動する場合は、前面部20の傾きが逐次変化するので、この前面部20に衝突する波は複雑な反射波を生じさせる。そのため境界条件を定めることが非常に困難となる。特許文献1に記載の波力発電装置では、吸収体を傾動する吸収板で構成すると正確に境界条件を設定し難く、吸収板3を波に同調させることは困難となる。つまり境界条件を定めて制御速度z’を算出し、この制御速度z’で吸収板3を傾動させたとしても効率的に発電できない可能性がある。
これに対して、本発明の波力発電装置1はこの境界条件の影響をほとんど受けずに正確な制御速度z’を算出することができるので、効率的に発電することができる。
次に吸収体3をフロート3で構成する図1〜図3の実施形態を例に、吸収体3に作用する力のつり合いについて説明する。吸収体3には、流体である波から受ける力と、吸収体3を動かすための力が生じる。流体から受ける力としては、吸収体3に向かって流れてくる波の力である波力Fpと、吸収体3を流体中で加速度運動させる際に発生する付加質量Flとがある。吸収体3を動かすための力としては、吸収体3の質量と吸収体の加速度から求まる慣性力Fiと、浮力(復元力)Fbとがある。これらの力の時間変化は以下の式(9)〜(12)で表すことができる。
Figure 2017172480

Figure 2017172480

Figure 2017172480

Figure 2017172480
ここで、aは吸収体3の最適振幅、Bは波が衝突する膨出部9における吸収体3の幅、mは吸収体3の質量、Aは吸収体3を水平な水面で切断した際の面積にあたる水線面積である。式(9)および式(10)は、波力Fpと付加質量Flが最適振幅aおよび吸収体3の幅Bに比例することと、その位相の影響を示している。
吸収体3に作用する力は、以下の式(13)および(14)に示すように粘性項と慣性項に分けることができ、吸収体3に作用する力Fは式(15)に示すように粘性項と慣性項の和で表すことができる。
Figure 2017172480

Figure 2017172480

Figure 2017172480
式(15)から吸収体3に生じる力Fは正弦波状であり、その最大値は(Fc+Fs0.5となることがわかる。実効値はこの最大値の1/√2倍となる。発電機構4の発電機としての容量はこの力Fを元に選定される。
この吸収体3のパワー(仕事率)は、粘性項と慣性項に分けて以下の式(16)および式(17)で表すことができる。
Figure 2017172480

Figure 2017172480
またエネルギ(仕事)はパワーの時間積分で求められるので、波の一周期分のエネルギは式(16)および式(17)に基づき以下の式(18)で表すことができる。
Figure 2017172480
式(16)〜(18)から粘性項と速度の積は常にプラスとなりこのエネルギが発電に寄与し、慣性項と速度の積は正弦波状となるので積分するとゼロとなり発電に寄与しないことがわかる。しかし、吸収体3に外力を付加して制御速度z’とする場合、この慣性項の絶対値が大きいほど容量の大きい駆動機構が必要となる。駆動機構の容量が十分でないと、外力を付加しても吸収体3の速度を制御速度z’にすることができない可能性がある。慣性項の絶対値を小さくするほど駆動機構の容量を小さなものにできるので、波力発電装置1の製造コストおよびサイズを抑制するには有利となる。
以下、慣性項の絶対値を小さくする構成について説明する。図11および図12に例示するように、支柱2に沿って上下動するフロート3を中空に形成してその内部に、発電機構4とフライホイール31とを設置する構成にすることができる。
この実施形態では、円柱形状の支柱2の軸方向に沿ってラック14が固定されている。フロート3側には、このラック14に対応する位置にピニオンギア15が配置され、このピニオンギア15の回転は減速機32と、マイタギア等で構成される分配器33を介して
発電機構4に伝達される。分配器33の他方には無段変速機30を介してフライホイール31が設置されている。この実施形態ではフライホイール31は円盤状に形成されていて、分配器33から伝達される回転力により回転することができる。
フロート3の内部には制御機構16が設置され、この制御機構16は発電機構4および無段変速機30にそれぞれ信号線で接続されている。この発電機構4も発電機および駆動機構として働く。
無段変速機30の制御によりフライホイール31の回転数を増加させるとフライホイール31の慣性力が増加し、フロート3の見かけ上の質量mが増加する。見かけ上増加する質量の大きさはフライホイール31の回転数に依存するので、無段変速機30を制御することによりフロート3の見かけ上の質量mを変化させることができる。これにより式(11)で示すフロート3の慣性力Fiの最大値を調整することができる。この慣性力Fiを調整することにより、慣性項の絶対値を小さくできるので、駆動機構を小型化するには有利である。
見かけ上の質量mが変化したフロート3は、これに伴い固有振動数が変化する。無段変速機30の制御によりフロート3の固有振動数を波と共振し易い振動数、即ち波の振動数と同一の振動数に調整することもできる。そのため波の振動数が変化するような場合であっても、波の振動数の変化に応じてフロート3の固有振動数を調整し、発電効率を向上することもできる。
この実施形態ではフロート3に発電機構4や制御機構16等を設置しているがこの構成に限らず、少なくともフライホイール31がフロート3に設置され、このフライホイール31の回転数が制御される構成を有していれば、フロート3の見かけ上の質量mを増加させることができる。
例えば図1〜図3に例示する実施形態において、フライホイール31とフライホイール31を回転させるフライホイール用モータとをフロート3内に設置する構成にすることもできる。このときフライホイール用モータは例えば支柱2に設置される発電機構4から電線を介して電力の供給を受け、このフライホイール用モータによりフライホイール31の回転数が制御される構成にする。
例えば図6〜図9に例示する実施形態においては、吸収板3が水平方向に摺動するので浮力による影響をほとんど受けない。しかしバネ機構26から受けるバネ力が復元力Fbとして吸収板3に生じるので、このバネ力を調整することにより慣性力Fiを適切に調整することができる。また吸収板3にフライホイール31を設置して、このフライホイール31の回転数を調整することによっても慣性力Fiを調整することができる。復元力Fbと慣性力Fiの調整により、慣性項の絶対値を小さくして駆動機構を小型にすることができる。
図10に例示するように底面を水底22に固定され上端部が傾動する吸収板3の場合は、復元力Fbとして浮力と渦巻バネ等のバネ機構26から受けるバネ力とが吸収板3に生じる。このバネ機構26から受けるバネ力は調整することができ、このバネ力の調整により復元力Fbを適切に調整することができる。また吸収板3にフライホイール31を設置し、このフライホイール31の回転数の調整によって慣性力Fiを調整することができる。復元力Fbと慣性力Fiの調整により、慣性項の絶対値を小さくすることができる。
無段変速機30を設置せずに、図13に例示するフライホイール31を吸収体3に設置する構成にすることもできる。このフライホイール31は、分配器33から回転量を受け
る回転軸34と、この回転軸34にアーム部35を介して設置される複数の質量体36とを備えている。
このアーム部35は回転軸34に傾動可能に設置されていて、アーム部35が傾動することにより質量体36は回転軸34に対して接近離間する。つまり質量体36の回転半径を変更することができる。図13では説明のため回転軸34に接近した位置にある質量体36を破線で示している。
制御機構16からの制御信号に基づき例えば質量体36の回転半径を大きくすると、フライホイール31の慣性力が増加し、吸収体3の見かけ上の質量mが増加する。つまり質量体36の回転数ではなく回転半径を調整することで、フライホイール31の慣性力を調整している。質量体36の回転半径を調整することにより、慣性項の絶対値を小さくすることができ、駆動機構を小型にすることができる。
図14に例示するようにアーム部35を介さずに、質量体36を直接に回転軸34に傾動可能に設置する構成にすることもできる。この実施形態では、質量体36は円筒を軸方向に沿って複数に分割して形成される形状を備え、この切断面に当たる側面の一方が回転軸34に傾動可能に設置されている。
制御機構16からの制御信号に基づき例えば質量体36の側面の他方を回転軸34から離間する方向に傾動させると、この質量体36の重心が回転軸34から離れた位置に移動する。そのためフライホイール31の慣性力が増加し、吸収体3の見かけ上の質量mが増加する。
図13および図14に例示したフライホイール31は、図11および図12に例示するフライホイール31のように無段変速機30を介して分配器33に連結する構成にすることもできる。フライホイール31の回転数と質量体36の回転半径との2つを調整することにより、フライホイール31の慣性力をより広い範囲で調整することができるので、慣性項の絶対値を小さくするには有利となる。
前述のように、慣性項の絶対値を小さくすることができれば、吸収体3の速度を制御速度z’とする際に駆動機構から付加すべき外力を小さくできる。発電機構4の駆動機構として必要な容量が、発電機として必要な容量を上回らない場合は、発電機として必要な容量に合わせて発電機構4の大きさを選定することができる。そのため必要以上に大きな容量を持つ発電機構4を設置することがないので、波力発電装置1の単位電力あたりの製造コストを抑制することができる。
1 波力発電装置
2 支柱
3 吸収体(フロート、吸収板)
4 発電機構
5 伝達機構
9 膨出部
10 背面部
11 側面部
12 波センサ
12a 測定面
13 凹部
16 制御機構
17 前面部
18 背面部
20 前面部
23 側面部
24 水密壁
25 背面部
26 バネ機構
27 外側側面
30 無段変速機
31 フライホイール
34 回転軸
35 アーム部
36 質量体

Claims (8)

  1. 波の波形を測定する波センサと、波の運動エネルギを受けて運動する吸収体と、この吸収体の運動に基づき発電する発電機構と、前記吸収体に外力を付加する駆動機構と、前記波形に基づき前記外力を調整する制御機構とを有する波力発電装置において、
    前記波センサが、前記吸収体の外表面において発生する反射波の大きさが最小になる位置に設置されるとともに、前記制御機構が前記波形の角周波数ωおよび鉛直方向の位置ηx=0に基づき下記の式(1)で与えられる制御速度z’を算出し、前記吸収体がこの制御速度z’となる状態に前記制御機構が前記外力を調整することを特徴とする波力発電装置。
    Figure 2017172480

    (式(1)において、z’は前記吸収体の制御速度、sは0.1〜1.0の定数、Kは波の角周波数ωを前記吸収体の造波効率Aバーで除した定数、ηx=0は平均水位WLに対する波の鉛直方向の位置である。)
  2. 前記波センサが、前記吸収体の外表面における波の進行方向と略平行となる位置に設置される請求項1に記載の波力発電装置。
  3. 前記吸収体がその外表面に凹部を有し、この凹部の中に前記波センサが設置される請求項1または2に記載の波力発電装置。
  4. 回転軸を中心に回転可能に構成されるフライホイールが、前記吸収体に設置される請求項1〜3のいずれかに記載の波力発電装置。
  5. 前記フライホイールの前記回転軸が無段変速機を介して駆動源に連結され、前記制御機構が前記無段変速機を介して前記フライホイールの回転速度を調節可能にする請求項4に記載の波力発電装置。
  6. 前記フライホイールが、前記回転軸に対して回転半径を変更可能な状態に設置される複数の質量体を有し、前記制御機構が前記質量体の回転半径を調整可能にする請求項4または5に記載の波力発電装置。
  7. 前記吸収体が水中に立設状態で係留される支柱に沿って上下動するフロートであり、このフロートの天面および底面に磁石を設置し、前記支柱の上端部および下端部に磁性を有する金属板を設置し、前記フロートの天面の磁石と前記支柱の上端部の金属板の間、および前記フロートの底面の磁石と前記支柱の下端部の金属板の間とに吸引し合う磁力を発生させる構成にした請求項1〜3のいずれかに記載の波力発電装置。
  8. 波の波形を測定する波センサと、波の運動エネルギを受けて運動する吸収体と、この吸収体の運動に基づき発電する発電機構と、前記吸収体に外力を付加する駆動機構と、前記波形に基づき前記外力を調整する制御機構とを有する波力発電装置の制御方法において、
    前記吸収体の外表面において発生する反射波の大きさが最小になる位置に設置される波センサで波の波形を測定して、前記制御機構がこの波形の角周波数ωおよび鉛直方向の位置ηx=0に基づき下記の式(1)で与えられる制御速度z’を算出して、前記吸収体がこの制御速度z’となる状態に前記制御機構が前記外力を調整することを特徴とする波力発電装置の制御方法。
    Figure 2017172480

    (式(1)において、z’は前記吸収体の制御速度、sは0.1〜1.0の定数、Kは波の角周波数ωを前記吸収体の造波効率Aバーで除した定数、ηx=0は平均水位WLに対する波の鉛直方向の位置である。)
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