JP2013181534A - 波力発電装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
波Wからエネルギーを取り出し発電を行う波力発電装置1において、発電効率を向上した波力発電装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】
波力発電装置1が、波形を測定する波センサー14と、支柱2に対するフロート3の位置zを測定する位置センサー13と、フロート3に外力を付加する駆動機構4と、駆動機構4を制御する制御装置11を有しており、制御装置11が、波センサー14及び位置センサー13の値からフロート3が制御されるべき速度z’を算出し、フロート3が算出された速度z’となるように駆動機構4を制御する構成を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、海上に浮かべたフロートの運動により、波からエネルギーを取り出し発電を行う波力発電装置及びその制御方法に関するものである。
従来、波力発電装置として、海面又は海中にフロートを浮かべたものがある(例えば特許文献1参照)。図9に、従来の波力発電装置の一例を示す。この波力発電装置1Xは、海底に設置したアンカー31及び係留索32により係留された支柱2Xと、海面10に浮力を受けて浮いているフロート3Xを有している。このフロート3Xは、波の力を受けて支柱2Xに対して相対的に上下運動するように構成されている(矢印参照)。
また、波力発電装置1Xは、フロート3Xの動きを、支柱2X内に設置した発電機(図示しない)に伝達するための枠体5Xを有している。更に、海における波力発電装置1Xの鉛直方向の位置を調整するために、浮力調整部33を有していることもある。この従来のフロート3Xは、支柱2Xを中心軸とした例えば皿型や円筒形等の点対象形であり、具体的には円環状(リング状)の形である。ここで、Wは波を示しており、Fは波Wが到来する上流側を、Rは波Wが到来する側とは反対の下流側を示している。
図10に、波力発電装置1Xの断面の模式図を示す。波力発電装置1Xは、支柱2Xの内部に設置した発電機(以下、モータという)4と、フロート3Xから上方に延伸し、その後に支柱2Xに挿入するように構成した枠体5Xを有している。この枠体5Xと、枠体5Xの一部に形成したラック6と、モータ4に設置したピニオン4は、フロート3Xの運動エネルギーをモータ4に伝達する動力伝達機構を形成している。
次に、波力発電装置1Xの動作について説明する。まず、波力発電装置1Xの支柱2Xは、アンカー31等で海底にほぼ固定されており、波の影響を受けにくく構成されている。波を受けたフロート3Xは、ほぼ固定された支柱2Xに対して上下に運動する。波力発電装置1Xは、フロート3Xの運動エネルギーを、動力伝達機構(枠体5X、ラック6、及びピニオン7)を介してモータ4に回転力として伝達し、発電を行う。この構成により、波力発電装置1Xは、海面10が上下する波からエネルギーを取り出し、発電を行うことができる。
しかしながら、従来の波力発電装置1Xは、発電効率が低いという問題を有している。この波力発電装置1Xの発電効率は、最大で約20%程度となっている。これは、波力発電装置1Xは、フロート3Xに衝突する波(入射波)のエネルギーの一部のみを回収している。入射波のエネルギーの残りの大部分は、フロート3Xとの衝突により発生する波(反射波)、及びフロート3Xの後方に形成される波(透過波)となり、発電に寄与しない。そのため、波力発電装置1Xの発電効率を向上することは困難であった。
特開2007−518024号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、波からエネルギーを取り出し発電を行う波力発電装置において、発電効率を向上した波力発電装置及びその制
御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明に係る波力発電装置は、支柱と、前記支柱に対して運動するフロートと、前記フロートの運動により発電する発電機を有した波力発電装置において、前記波力発電装置が、波形を測定する波センサーと、前記支柱に対する前記フロートの位置を測定する位置センサーと、前記フロートに外力を付加する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御装置を有しており、前記制御装置が、前記波センサー及び前記位置センサーの値から前記フロートが制御されるべき速度を算出し、前記フロートが算出された速度となるように前記駆動機構を制御する構成を有することを特徴とする。
この構成により、波力発電装置の発電効率を向上することができる。これは、フロートを波の揺動に合わせてアクティブに制御し、フロートの下流側に発生する波(透過波)及び反射によりフロートの上流側に発生する波(反射波)を、防止又は抑制することができるからである。
上記の波力発電装置において、前記フロートが、波が到来する側と反対側の下流側となる背面が、前記フロートの運動の軌跡と同一又は相似の形状を有することを特徴とする。
この構成により、波力発電装置の発電効率を向上することができる。これは、フロートの背面の形状を、フロートの運動方向と同一又は相似の形状となるように形成しているため、フロートは、運動に伴い発生する水の抵抗を低減することができるからである。そのため、フロートの下流側に形成される波(透過波)の発生を防止、又は抑制し、そのエネルギーをフロートの運動エネルギーとして回収できる。
上記の波力発電装置において、前記波力発電装置が、鉛直方向に長手方向を有する前記支柱と、前記支柱に沿って上下動する前記フロートを有し、前記フロートが、波が到来する側と反対側の下流側となる背面と底面のなす角が90度より小さくなるように構成されたことを特徴とする。この構成により、上記と同様の作用効果を得ることができる。
上記の波力発電装置において、水平方向に長手方向を有する前記支柱と、前記支柱を中心軸として回転運動する前記フロートを有し、前記フロートが、波が到来する側と反対側の下流側となる背面及び底面の一部を、中心軸を前記支柱とする円柱形に構成されたことを特徴とする。この構成により、上記と同様の作用効果を得ることができる。
上記の目的を達成するための本発明に係る波力発電装置の制御方法は、海に係留された支柱と、前記支柱に対して運動するフロートと、前記フロートの運動により発電する発電機を有した波力発電装置であり、前記フロートが、波が到来する側と反対側の下流側となる背面が、前記フロートの運動の軌跡と同一又は相似の形状を有するように構成され、且つ、前記波力発電装置が、波形を測定する波センサーと、前記支柱に対する前記フロートの位置を測定する位置センサーと、前記フロートに外力を付加する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御装置を有する波力発電装置の制御方法であって、前記波センサーが、測定した波形から海面の平均水位を算出してこの平均水位に対する前記波の位置を測定し、前記位置センサーが前記支柱に対する前記フロートの位置を測定する測定ステップと、測定された前記フロートの位置及び前記波の位置から前記フロートの制御されるべき速度を算出する演算ステップと、前記フロートが制御されるべき速度となるように前記駆動装置により外力を付加するフロート制御ステップを有することを特徴とする。この構成により、前述と同様の作用効果を得ることができる。
本発明に係る波力発電装置によれば、発電効率を向上した波力発電装置及びその制御方法を提供することができる。
本発明に係る実施の形態の波力発電装置の断面の概略図である。 本発明に係る実施の形態の波力発電装置の平面の概略図である。 本発明に係る異なる実施の形態の波力発電装置の断面の概略図である。 本発明に係る異なる実施の形態の波力発電装置の概略図である。 本発明に係る異なる実施の形態の波力発電装置の構成を示した概略図である。 本発明に係る異なる実施の形態の波力発電装置の制御フローを示した図である。 本発明に係る異なる実施の形態の波力発電装置の概略図である。 本発明に係る異なる実施の形態の波力発電装置の側面及び平面の概略図である。 従来の波力発電装置の概略図である。 従来の波力発電装置の断面の概略図である。
以下、本発明に係る実施の形態の波力発電装置について、図面を参照しながら説明する。図1に本発明の実施の形態の波力発電装置1の断面の概略を示す。波力発電装置1は、海に係留された支柱2と、支柱2に対して運動するフロート3と、フロート3の運動により発電する発電機(以下、モータという)4を有している。具体的には、波力発電装置1は、鉛直方向に長手方向を有する支柱2と、支柱2に沿って上下動するフロート3を有している。ここで、フロート3は、支柱2を中心として波Wの到来する上流側F(図1右方)の体積に比べ、波Wの到来する側と反対となる下流側R(図1左方)の体積が小さくなるように構成されている。また、フロート3の下流側Rの背面8は、矢印で示すフロート3の運動の軌跡と同一の形状を有するように構成している。すなわち、フロート3が鉛直方向の上下動するため、背面8は鉛直方向に平行な平面となるように構成されている。この構成により、フロート3が上下動する際に、背面8を介して下流側Rに伝達される波(透過波)の発生を抑制することができる。これは、フロート3の上下動に伴い、背面8が水に対して仕事をほとんどしないからである。
なお、波力発電装置1は、フロート3の運動エネルギーをモータ4に伝達する動力伝達機構として、枠体5と、枠体5の一部に構成したラック6と、モータ4に設置したピニオン7を例示しているが、本発明はこの構成に限られない。動力伝達機構及び発電機4は、電磁誘導による発電、圧電素子の採用等も含め、フロート3の上下動からエネルギーを取り出し、発電を行う構成を有していればよい。また、支柱2は、海に係留する他に、岸壁に固定したもの、又は海底に直接固定したものも利用することができる。
図2に、波力発電装置1の平面の概略図を示す。フロート3は、平面視において支柱3の中心を通る中心線(二点鎖線)Cを基準として、下流側Rに比べ上流側Fの体積が大きくなるよう形成されている。具体的には、円環状(リング状)の一部を切り取った形状となるように構成している。このフロート3の形状は、上記の構成に限られない。例えば、破線で示すように平面視において上流側Fに張り出した四角形のフロート30としてもよい。つまり、波力発電装置1のフロート3は、下流側Rに比べ上流側Fの体積が大きくなるように形成したフロートであればよい。このフロートにおける上流側Fと下流側Rの体積差が大きいほど、下流側Rに伝達される波(透過波)の発生を抑制することができる(図1の海面10参照)。
なお、波Wの到来する上流側F及び下流側Rの方向は、波力発電装置1を設置する海域(地点)ごとに決定されるものである。波Wの進行方向は、その地点ごとに一定の範囲で決まっている。特に、陸地が近い場合には、波Wは陸地に向かって進む。
上記の構成により、波力発電装置1は、発電効率を向上することができる。これは、フロート3の上下動に伴い下流側Rに発生する波(透過波)を防止、又は抑制することができるためである。従来のフロート3X(図9、10参照)は、上流側Fで入射波のエネルギーを受けて上下動し、この上下動により下流側Rに透過波を形成していた。上記の波力発電装置1は、従来、透過波を形成するために消費されていたエネルギーを、電力として回収することができるため発電効率を向上することができる。
図3に、本発明の異なる実施の形態の波力発電装置1Aの断面の概略図を示す。この波力発電装置1Aは、支柱2又は平均水位WLに対するフロート3Aの鉛直方向zの相対位置を測定する位置センサー13と、フロート3に衝突する波Wの波形を測定する波センサー14と、フロート3に外力を付加する駆動機構(以下、モータという)4と、駆動機構4を制御する制御装置11を有している。この制御装置11は、位置センサー13、波センサー14及び駆動機構4と、信号線12又は無線により接続されている。
ここで、駆動機構4は、図1に示した発電機(モータ)をそのまま利用することが望ましいが、新たに設置してもよい。また、波センサー14は、支柱2に対する波の相対位置、又は波形から算出した平均水位WLに対する波の相対位置を測定することができればよい。具体的には、例えば圧力センサー、超音波センサー又は水圧計等、既知の測定機器を使用することができる。なお、波センサー14として圧力センサーを利用する場合は、波センサー14をフロート3Aの水面下となる位置に設置し、超音波センサーを利用する場合は、波センサー14をフロート3Aの水面上となる位置に設置する。更に、フロート3Aは、下流側Rに体積を有さない形状としている。この場合フロート3Aは、例えばガイド等の設置により支柱2に対して、分離せず運動可能となるように構成することが望ましい。枠体5が、モーメント等の外力により変形することを防止するためである。
また、フロート3Aの背面8と底面9のなす角が、90度より小さくなるクサビ形となるように構成し、望ましくは60度より小さくなるように構成し、更に望ましくは45度より小さくなるように構成する。この構成により、フロート3Aの背面8及び底面9は、フロート3Aの上下動の際に、水に対して発生する抗力を抑制することができるからである。
次に、波力発電装置1Aの制御について説明する。図4に、制御の前提条件を設定した際の概略図を示す。この波力発電装置1Aの制御では、入射波20に対して、フロート3Aを駆動機構(モータ)4によりアクティブに制御し、反射波21及び透過波22の発生を防止することを目的とする。つまり、波力発電装置1Aは、入射波20のエネルギーのすべてを回収エネルギー23として取り出し、発電に利用することができる。すなわち、発電効率を100%とすることを目指す。
以下、制御に使用する数式について説明する。図4において、入射波20をη、反射波21をηとし、それぞれの波振幅をa及びaとすると以下の式(1)で表すことができる。
Figure 2013181534
ここで、フロート3Aの位置をx=0とすると、式(2)のようになる。
Figure 2013181534
次に、フロート3Aの上下動によって、上記の入射波20を吸収し、同時に反射波21をゼロにする条件(完全吸収条件)を考える。まず、波がない状態で、フロート3Aを動揺させた場合、フロート3Aの振幅eに対する波振幅aは、式(3)の振幅比で表わすことができる。
Figure 2013181534
つまり、式(4)の形で表わすことができる。
Figure 2013181534
上記から、フロート3Aの上下動動作を、反射波21をゼロにする動作と、入射波20を吸収する動作に分けると式(5)の形になる。
Figure 2013181534
ここで、フロート3Aの上下動の制御を行う際の速度は、式(6)の形になる。
Figure 2013181534
また、速度ポテンシャルの一般式は、式(7)の形になる。
Figure 2013181534
ここで、Cnは、境界条件で決まる定数である。また、
Figure 2013181534
式(7)の右辺第1項は、フロートで作られた反射波を、第2項はフロートに入射し吸収されるべき入射波を表している。また、第3項と第4項は、フロート前面で振幅最大で波長が無限に長い定常波を表わしている。
次に、フロートの前面での水面形状を考えると波の高さηx=0は式(9)で表わすことができる。
Figure 2013181534
ここで、下記の式(10)、式(4)及び(5)を、式(9)に適用し、式(11)とする。
Figure 2013181534

Figure 2013181534
また、式(6)から同様にして式(12)を作る。
Figure 2013181534
上記の式(11)と式(12)を足して式(13)とする。
Figure 2013181534
ここで、式(13)に下記の式(14)を入れて整理し、式(15)とする。
Figure 2013181534

Figure 2013181534
ここで、フロートによって作られる波はゼロが望ましいので、式(15)に、式(16)を適用して式(17)とする。
Figure 2013181534

Figure 2013181534
ここで、波の周波数の範囲は、経験上あまり大きな変動がないことから、式(18)で規定する定数K、Kとし、式(17)を変形し式(19)とする。
Figure 2013181534

Figure 2013181534
ここで、ωは周波数を表わし、Aバーは造波効率を表わしている。造波効率とは、フロートを一単位動かしたときに、波が何単位動くかを示すものである。また、zは、平均水位WLに対するフロート3Aの鉛直方向の相対位置を示しており、この値は位置センサー13で測定される。更に、ηx=0は、フロート前面での波形、すなわち平均水位WLに対する波の鉛直方向の相対位置を示しており、この値は圧力式などの波センサー14で測定される。以上の計算式により、波力発電装置を制御するための制御式である式(19)を得ることができる。なお、平均水位WLは、潮の干満の影響により変化する値である。また、z及びηx=0を、見かけ上固定されている支柱2に対するフロート3Aの鉛直方向の相対位置、及び支柱2に対する波の鉛直方向の相対位置の値としてもよい。この計算により、z及びηx=0の値を容易に決定することができ、制御を単純化することができる。
次に、波力発電装置の制御について説明する。図5に、波力発電装置1Aの構成の概略を示し、図6に制御のフローを示す。まず、波形を測定する波センサー14が、時系列データから海面の平均水位WLを算出し、位置センサー13が平均水位WLに対するフロート3Aの鉛直方向の相対位置zを測定し、波センサー14がフロート3Aの基準とした位置(x=0)における平均水位WLに対する相対的な波の高さηx=0を測定する(測定ステップS02)。測定された相対位置z及び波の高さηx=0は、制御装置11に送られる。制御装置11は、位置z及び波の高さηx=0をパラメータとして式(19)によりフロートが制御されるべき速度z’を算出する(演算ステップS03)。
その後、制御装置11は、算出した速度z’を速度指令として駆動機構(モータ)4に出力する(速度指令ステップS04)。モータ4は、平均水位WLに対するフロート3Aの相対速度がz’となるように、ラックアンドピニオン等の動力伝達機構を介してフロート3Aに外力を付加する(フロート制御ステップS05)。この外力により速度を与えられたフロートの位置等を再び測定する(フィードバック制御S06)。つまり、フロート3Aは、フロート3Aの位置z及び波の高さηの変化に応じて、移動速度を逐次制御される。なお、モータ4は、フロート3Aに外力を付加する一方で、フロートを介して回収し
た波のエネルギーから発電を行うように構成している。
上記の構成により、以下の作用効果を得ることができる。第1に、波力発電装置の発電効率を飛躍的に向上することができる。これは、反射波及び透過波が形成されないように、フロートをアクティブに制御できるからである。
第2に、フロートの制御を単純化することができる。これは、式(19)に示すように、フロートを速度z’で制御するためである。つまり、モータが出力する外力に比べ、波力発電装置の機械的な抵抗等の大きさは小さく考慮する必要がないため、制御を単純化することができる。他方で、例えばフロートに付加する力で制御することもできるが、この場合は、フロートの重量及び慣性力等を考慮する必要があり、制御が複雑化してしまう。
ここで、前述の制御は、従来と同様のフロートの形状を有する波力発電装置(図9、10参照)においても、一定の効果を得ることができる。つまり、下流側Rに一定以上の体積を有するフロートであっても、前述の制御により、透過波の発生を一定量抑制することができる。
なお、フロートの制御を更に単純化するために、制御式を式(20)の形にしてもよい。
Figure 2013181534
式(20)は、式(19)のKの項を削除したものである。これは、Kの項が通常十分小さいため、削除することもできる。この場合、位置センサー13は不要となるため、波力発電装置の製造コストを低下することができる。また、海上等で位置センサー13が故障した際に、式(20)による制御に切り替えるように構成してもよい。この構成により、波力発電装置は、位置センサー13を修理する直前まで、効率的な発電を行うことができる。
ここで、波力発電装置が対象としている波は、例えば、波の進行方向に対して直角となる方向の幅1mあたり15kw程度のエネルギーを有し、7〜8秒程度の周期を有した波である。この波に対して、例えば幅10mのフロートを有する波力発電装置で発電した場合の発電量は、エネルギー回収効率を100%とすると、150kwとなる。
図7に、図4とは異なる制御の前提条件を設定した際の概略図を示す。この波力発電装置1Bの制御では、入射波20に対して、フロート3Bを駆動機構(モータ)4によりアクティブに制御し、反射波21及び透過波22の発生量を、入射波に対してそれぞれ25%程度となるように制御することを目的とする。つまり、波力発電装置1Bは、入射波20のエネルギーの50%を回収エネルギー23として取り出し、発電に利用することができる。すなわち、発電効率を50%とすることを目指す。
以下、制御に使用する数式について説明する。図7において、入射波20をη、反射波21をηとし、それぞれの波振幅をa及びaとし、入射波20と反射波の移送が同一とすると、以下の式(21)、(22)、(23)で表すことができる。
Figure 2013181534

Figure 2013181534

Figure 2013181534
図4の説明で行った計算と同様の計算を行うと、最終的に以下の制御式(24)を得ることができる。
Figure 2013181534
上記の構成により、波力発電装置の発電効率を向上することができる。これは、反射波及び透過波の形成を抑制するように、フロート3Bをアクティブに制御できるからである。また、図4で説明した場合と比べ、フロート3Bを制御する速度は1/3程度となる。そのため、駆動装置(モータ)に要求される出力を小さくすることができる。
なお、前述と同様、フロートの制御を更に単純化するために、制御式(24)を式(25)の形にしてもよい。
Figure 2013181534
式(25)は、式(24)のKの項を削除したものである。これは、Kの項が通常十分小さいため、削除することもできる。この場合、位置センサー13は不要となるため、波力発電装置の製造コストを低下することができる。
図8に、本発明の異なる実施の形態の波力発電装置1Cの側面及び平面の概略を示す。この波力発電装置1Cは、水平方向に長手方向を有する支柱2Cと、支柱2Cを中心軸として上下方向の回転運動するフロート3Cを有している。また、フロート3Cの下流側Rの背面8C及び底面9Cの一部は、矢印で示すフロート3Cの運動の軌跡と同一又は相似の形状を有するように構成している。すなわち、フロート3Cが支柱2Cを中心とする回転運動をするため、背面8C及び底面9Cの一部は、支柱2Cを中心とする曲面(円柱形)となるように構成されている。この構成により、フロート3Cが回転し、揺動する際に、背面8C及び底面9Cの一部を介して下流側Rに伝達される波(透過波)の発生を抑制することができる。これは、フロート3Cの回転運動に伴い、背面8C及び底面9Cの一部が水に対して仕事をほとんどしないからである。
また、このフロート3Cは、前述と同様、支柱2Cの中心線Cを中心として、上流側Fの体積に比べ、下流側Rの体積が小さくなるように構成されている。また、波力発電装置1Cは、フロート3Cの制御に、前述の制御式(19)、(20)、(24)、(25)の任意のものを採用することができる。
1 波力発電装置
2 支柱
3 フロート
4 発電機、駆動装置、モータ
5 枠体
8 背面
9 底面
11 制御装置
13 位置センサー
14 波センサー
20 入射波
21 反射波
22 透過波
C 中心線
F 上流側
R 下流側
W 波

Claims (3)

  1. 支柱と、前記支柱に対して運動するフロートと、前記フロートの運動により発電する発電機を有した波力発電装置であり、前記波力発電装置が、波形を測定する波センサーと、前記支柱に対する前記フロートの位置を測定する位置センサーと、前記フロートに外力を付加する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御装置を有する波力発電装置において、
    前記制御装置が、前記波センサー及び前記位置センサーの値から前記フロートが制御されるべき速度z’を算出し、前記フロートが算出された速度z’となるように前記駆動機構を制御する構成を有し、
    前記制御装置が、前記フロートの制御されるべき速度z’を数19又は数24により決定する構成を有していることを特徴とする波力発電装置。
    Figure 2013181534

    Figure 2013181534

    ここで、Kは周波数ωを造波効率Aバーで除した定数であり、Kは境界条件で決まるCバーと等しい定数であり、zは平均水位WLに対する前記フロートの鉛直方向の相対位置を示し、ηx=0は、平均水位WLに対する波の鉛直方向の相対位置を示す。
  2. 前記制御装置が、前記フロートの制御されるべき速度z’を数19又は数24の代わりに、数20又は数25により決定する構成を有していることを特徴とする請求項1に記載の波力発電装置。
    Figure 2013181534

    Figure 2013181534
  3. 海に係留された支柱と、前記支柱に対して運動するフロートと、前記フロートの運動により発電する発電機を有した波力発電装置であり、
    且つ、前記波力発電装置が、波形を測定する波センサーと、前記支柱に対する前記フロートの位置を測定する位置センサーと、前記フロートに外力を付加する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御装置を有する波力発電装置の制御方法であって、
    前記波センサーが、測定した波形から海面の平均水位WLを算出してこの平均水位WLに対する前記波の位置ηx=0を測定し、前記位置センサーが前記支柱に対する前記フロートの位置zを測定する測定ステップと、
    測定された前記フロートの位置z及び前記波の位置ηx=0から前記フロートの制御されるべき速度z’を(数19)又は(数24)により算出する演算ステップと、
    前記フロートが制御されるべき速度z’となるように前記駆動装置により外力を付加するフロート制御ステップを有することを特徴とする波力発電装置の制御方法。
    Figure 2013181534

    Figure 2013181534

    ここで、Kは周波数ωを造波効率Aバーで除した定数であり、Kは境界条件で決まるCバーと等しい定数であり、zは平均水位WLに対する前記フロートの鉛直方向の相対位置を示し、ηx=0は、平均水位WLに対する波の鉛直方向の相対位置を示す。
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