JP2017171838A - 老化防止剤組成物 - Google Patents

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孝祐 牧口
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要介 渡邉
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Abstract

【課題】従来のアミン系老化防止剤の老化防止効果をより一層向上させること。【解決手段】フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物、およびアミン系老化防止剤を含有し、これらの合計含有量が、組成物全体を基準に80〜100重量%である老化防止剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、老化防止剤組成物に関する。
特許文献1に記載されているように、加硫ゴム組成物の老化を防止するために、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(別名:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−ジアミノベンゼン、略号:6PPD)等のアミン系老化防止剤を使用することが知られている。
また、特許文献1には、接着剤として、レゾルシンの代わりに、レゾルシンとアセトン等との縮合物を使用することが記載されている。特許文献1の参考例1〜6では、天然ゴム、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、前記縮合物、および硫黄等を混練し、得られたゴム組成物を加硫して、加硫ゴム組成物を製造することが記載されている。
特開2004−2431号公報
加硫ゴム組成物は、老化後にも引張強さおよび破断伸び等の物性を良好に維持し得ることが求められている。本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は、従来のアミン系老化防止剤の老化防止効果をより一層向上させることにある。
本発明者らが上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物およびアミン系老化防止剤を予め混合して得られた老化防止剤組成物をゴム成分に配合すれば、従来のようにこれらを個別にゴム成分に配合した場合に比べて、老化防止効果をより一層向上させ得ることを見出した。この知見に基づく本発明は、以下の通りである。
[1] フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物、およびアミン系老化防止剤を含有し、これらの合計含有量が、組成物全体を基準に80〜100重量%である老化防止剤組成物。
[2] アミン系老化防止剤が、N−アルキル−N’−アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤である前記[1]に記載の老化防止剤組成物。
[3] アミン系老化防止剤が、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンである前記[1]に記載の老化防止剤組成物。
[4] フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つが、レゾルシンである前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物。
[5] カルボニル化合物の炭素数が、1〜4である前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物。
[6] カルボニル化合物の少なくとも一つが、アセトン、メチルエチルケトン、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドである前記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物。
[7] フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物が、レゾルシンとホルムアルデヒドとの縮合物およびレゾルシンとアセトンとの縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一つである前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物。
[8] フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物の含有量が、アミン系老化防止剤1重量部に対して、0.5〜100重量部である前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物。
[9] フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物を含有する溶液にアミン系老化防止剤を添加し、次いで溶液の揮発成分を留去することを含む前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物の製造方法。
[10] フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物並びにアミン系老化防止剤を、無溶媒下、混合することを含む前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物の製造方法。
[11] 前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練することを含むゴム組成物の製造方法。
[12] さらに硫黄成分を混練することを含む前記[11]に記載の方法。
[13] 前記[12]に記載の方法によって得られたゴム組成物を加硫することを含む加硫ゴム組成物の製造方法。
[14] 前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練して得られるゴム組成物。
[15] さらに硫黄成分を混練して得られる前記[14]に記載のゴム組成物。
[16] 前記[15]に記載のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム組成物。
[17] 前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練することを含む加硫ゴム組成物の老化防止性能を改善する方法。
フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物、およびアミン系老化防止剤を予め混合して得られた本発明の老化防止剤組成物を用いれば、加硫ゴム組成物の老化防止性能をより一層向上させることができる。
[老化防止剤組成物]
本発明の老化防止剤組成物は、フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物(以下「縮合物」と略称することがある)およびアミン系老化防止剤を含有する。本発明の老化防止剤組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の添加剤を含有していてもよい。縮合物およびアミン系老化防止剤の合計含有量は、組成物全体を基準に、80〜100重量%であり、好ましくは90〜100重量%である。本発明の老化防止剤組成物は、縮合物およびアミン系老化防止剤からなることがより好ましい。
[アミン系老化防止剤]
アミン系老化防止剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。アミン系老化防止剤としては、該分野で公知のもの、例えば、ゴム工業便覧<第四版>(平成6年1月20日 社団法人 日本ゴム協会発行)の第436〜438頁に記載されているものを使用することができる。
アミン系老化防止剤としては、例えば、アミン−ケトン系老化防止剤、芳香族第2級アミン系老化防止剤等が挙げられる。芳香族第2級アミン系老化防止剤としては、例えば、N,N’−ジアリールアミン系老化防止剤、N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、N−アルキル−N’−アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、N,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン系老化防止剤等が挙げられる。
アミン−ケトン系老化防止剤としては、例えば、式(III):
(式(III)中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。)
で示される化合物(以下「化合物(III)」と略称することがある)またはそのポリマー等を挙げることができる。
本明細書中、アルキル基は、直鎖状アルキル基および分枝鎖状アルキル基の両方を包含する。本明細書中、炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基(慣用名:tert−オクチル基)、ノニル基、デシル基が挙げられる。
本明細書中、アルコキシ基は、直鎖状アルコキシ基および分枝鎖状アルコキシ基の両方を包含する。本明細書中、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基が挙げられる。
化合物(III)またはそのポリマーとしては、例えば、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(ETMDQ)、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)(例えば、松原産業社製「アンチオキシダントFR」)等を挙げることができる。
N,N’−ジアリールアミン系老化防止剤としては、例えば、式(IV):
(式(IV)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、α,α―ジメチルベンジル基、または1以上の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリールスルホニルアミノ基(Ar−SO−NH−基)を表す。)
で示される化合物(以下「化合物(IV)」と記載することがある)、および式(V):
(式(V)中、Rは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で示される化合物(以下「化合物(V)」と略称することがある)を挙げることができる。
本明細書中、炭素数6〜14のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基が挙げられる。アリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
化合物(IV)としては、例えば、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、(p−トルエンルホニルアミド)ジフェニルアミン等を挙げることができる。化合物(V)としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等を挙げることができる。
N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、N−アルキル−N’−アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤、N,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン系老化防止剤は、下記式(VI)で表すことができる。
N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤では、式(VI)中のRおよびRが、それぞれ独立に、1以上の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表す。
N−アルキル−N’−アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤では、式(VI)中のRおよびRの一方が、1以上の置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表し、もう一方が、1以上の置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基を表す。
N,N’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン系老化防止剤では、式(VI)中のRおよびRが、それぞれ独立に、1以上の置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
本明細書中、炭素数1〜10のアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基が挙げられる。
N,N’−ジアリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。ジアルキル−p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N,N’−ジ(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。N−アルキル−N’−アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(略号:6PPD)、N−フェニル−N’−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
アミン系老化防止剤は、好ましくは芳香族第2級アミン系老化防止剤であり、より好ましくはN−アルキル−N’−アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤であり、さらに好ましくはN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(略号:6PPD)である。
[フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物]
本発明は、アミン系老化防止剤の老化防止効果を向上させるために、フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物を使用することを特徴とする。縮合物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
縮合物は、フェノールおよびフェノール誘導体の一つを用いて得られたものでもよく、これらの二つ以上を用いて得られたものでもよい。同様に、縮合物は、カルボニル化合物の一つを用いて得られたものでもよく、カルボニル化合物の二つ以上を用いて得られたものでもよい。
フェノール誘導体としては、例えば、レゾルシン、炭素数1〜10のアルキル基で置換されたフェノール(例えば、4−メチルフェノール、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)等が挙げられる。これらの中でレゾルシンが好ましい。
フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つは、好ましくは、レゾルシン、フェノール、4−メチルフェノールおよび4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールからなる群から選ばれる少なくとも一つであり、より好ましくはレゾルシンである。
カルボニル化合物の少なくとも一つは、好ましくは炭素数が1〜4のカルボニル化合物の少なくとも一つであり、より好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドであり、さらに好ましくはホルムアルデヒドまたはアセトンであり、特に好ましくはアセトンである。
縮合物としては、市販品を使用することができる。この市販品としては、例えば、インドスペック ケミカル コーポレイション製の Penacolite(登録商標) Resin B-16-S、Penacolite(登録商標) Resin B-1A、Penacolite(登録商標) Resin B-18-S、Penacolite(登録商標) Resin B-19-S、および Penacolite(登録商標) Resin B-20-S;田岡化学工業社製のスミカノール(登録商標) 620およびスミカノール(登録商標) 610;オルネクス(Allnex)社製のAlnovol PN759 およびAlnovol PN760;Schenectady International, Inc. 製のElaztobond A-250 等が挙げられる。
縮合物としては、例えば、特開昭56−5476号公報、特開平10−316735号公報、特開2004−2431号公報、特開2012−184401号公報、特開2013−151604号公報等に記載されているような公知の方法またはこれに準ずる方法によって製造されたものを使用することができる。
フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物は、特に好ましくはレゾルシンとホルムアルデヒドとの縮合物およびレゾルシンとアセトンとの縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、最も好ましくは、レゾルシンとアセトンとの縮合物である。
老化防止剤組成物中の縮合物の含有量は、アミン系老化防止剤1重量部に対して、好ましくは0.5〜100重量部、より好ましくは2.5〜20重量部、さらに好ましくは4〜10重量部である。
縮合物は、上述した文献に記載されているように、酸触媒の存在下で、フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとを縮合させることによって製造することができる。縮合反応でのカルボニル化合物の少なくとも一つの使用量は、フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つ1molに対し、1〜6molが好ましく、1.5〜4molがより好ましい。
酸触媒は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。酸触媒としては、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸水和物、シュウ酸、リン酸、ポリリン酸、三フッ化ホウ素酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。これらの中で、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸水和物、塩酸および硫酸が好ましい。これらの酸触媒の使用量は、フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つ100molに対して、0.1〜10molが好ましく、0.5〜5molがより好ましい。
酸触媒としては、固体の酸触媒を使用してもよい。固体の酸触媒としては、例えば、カーボン、ポリスチレン、アルミナ等を、硫酸、リン酸、カルボン酸等で修飾して得られる酸触媒、ゼオライト、酸性陽イオン交換樹脂等が挙げられる。上述の塩酸等を酸触媒として使用する場合、縮合反応停止後に中和および水洗等が必要となるが、固体の酸触媒を使用する場合、ろ過等の簡便な手段によって、これを除去することができる。固体の酸触媒を除去するためのろ過の温度は、15〜60℃が好ましい
固体の酸触媒の中で、酸性陽イオン交換樹脂が好ましく、スルホ基(−SOH)を有する強酸性陽イオン交換樹脂がより好ましい。
酸性イオン交換樹脂としては、特に限定されるものではなく、市販品を用いることができる。その具体例としては、オルガノ(株)製アンバリストシリーズ(例えばSC200、SC300等)、三菱化学(株)製ダイヤイオンシリーズ(PK212、PK228)、ダウ・ケミカル(株)製DOWEXシリーズ(例えば50W×2等)、ローム・アンド・ハース(株)製デュオライトシリーズ(例えばC26CH)、ランクセス(株)レバチットシリーズ(例えばS2328、K2629等)などが挙げられるが、これらに限定されない。
フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合反応は、通常、溶液中で行われる。カルボニル化合物の少なくとも一つとして、例えば多量のアセトンを使用する場合、アセトンが出発原料および溶媒として作用するため、他の溶媒を使用する必要はない。なお、カルボニル化合物の少なくとも一つが溶媒として作用する場合であっても、カルボニル化合物以外の溶媒を使用してもよい。
カルボニル化合物以外の溶媒は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。この溶媒としては、有機溶媒が好ましい。カルボニル化合物以外の有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン置換芳香族炭化水素等が挙げられる。脂肪族炭化水素の具体例としては、ヘキサン、へプタン、オクタン、デカン等が挙げられる。芳香族炭化水素の具体例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。ハロゲン置換芳香族炭化水素の具体例としては、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。中でも、芳香族炭化水素が好ましく、トルエンまたはキシレンがより好ましい。カルボニル化合物以外の有機溶媒を使用する場合、その量は、フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つ1重量部に対し、0.5〜3重量部が好ましい。
縮合の反応温度は、出発原料および必要に応じて使用する溶媒等によって異なるが、一般に、30〜150℃である。縮合反応の進行は、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル浸透クロマトグラフフィー(GPC)等の通常の分析手段により確認することができ、反応の進行を確認しながら、反応終点を決めることができる。
フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合反応は、回分式反応器で行うことができる。
回分式反応器への出発原料(フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つ、およびカルボニル化合物の少なくとも一つ)と、酸触媒との混合順序は特に限定されない。例えば、酸触媒を仕込んだ反応器に出発原料を添加してもよく、逆に出発原料を含んだ反応器に酸触媒を添加してもよい。また、縮合反応の進行に伴い、カルボニル化合物の少なくとも一つを連続的または断続的に追加してもよい。
縮合反応停止後の反応溶液から、アセトン等の揮発性の出発原料および必要に応じて使用した溶媒を除去することによって、固体の縮合物を得ることができる。残存するフェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つの量は、縮合物中、5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましい。
以上のようにして、本発明で使用する縮合物を製造することができる。この縮合物は、多くの成分の混合物として得られることが多い。各成分の存在比は、例えば後述する実施例に記載の条件のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって確認できる。また、本発明で使用する各縮合物の重量平均分子量、詳しくは、1種の縮合物(例えば、レゾルシンとアセトンとの縮合物)に含まれる成分の重量平均による分子量は、好ましくは150〜50,000、より好ましくは200〜10,000である。この重量平均分子量も実施例に記載の条件のGPCによって測定できる。
[老化防止剤組成物の製造方法]
本発明の老化防止剤組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、縮合物を含有する溶液にアミン系老化防止剤を添加し、次いで溶液の揮発成分を留去することによって、本発明の老化防止剤組成物を製造してもよい。縮合物を含有する溶液としては、上述した縮合反応を停止させた後に得られる反応溶液(例えば、レゾルシンとアセトンとの縮合物、未反応のアセトンおよび必要に応じて使用した有機溶媒を含む溶液)が好ましい。
揮発成分(例えば、アセトンおよび必要に応じて使用した有機溶媒)を留去するために使用する装置としては、例えば、回分式の蒸留装置、遠心式分子蒸留装置、薄膜蒸留装置等の蒸留装置、脱揮可能な押出機等が挙げられる。
揮発成分を留去する際の温度は、好ましくは0〜250℃であり、より好ましくは120〜230℃である。留去は常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。減圧留去を行う場合、その際の圧力は、好ましくは100kPa以下、より好ましくは50kPa以下である。
また、縮合物およびアミン系老化防止剤を、無溶媒下、混合することによっても、本発明の老化防止剤組成物を製造してもよい。例えば、縮合物およびアミン系老化防止剤を溶融混合してもよい。この溶融混合は、縮合物およびアミン系老化防止剤を加熱下、反応釜で撹拌することで行うことができる。また、例えば、縮合物およびアミン系老化防止剤の粉体またはペレットを混練してもよい。この混練は、押出機を用いて行うことができる。
[ゴム組成物および加硫ゴム組成物]
次に、本発明の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練して得られるゴム組成物について説明する。さらに、本発明の老化防止剤組成物、ゴム成分および硫黄成分を混練して得られるゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム組成物についても説明する。
老化防止剤組成物に含まれるアミン系老化防止剤および縮合物の一方または両方は、混練中にゴム成分等と反応し、これらとは別の化合物を形成する可能性がある。また、老化防止剤組成物に含まれるアミン系老化防止剤および縮合物の一方または両方は、混練中に分解し、この分解物がゴム成分等と反応し、別の化合物を形成する可能性がある。しかし、ゴム組成物中で形成される可能性がある前記化合物を、その構造または特性によって直接特定することは、固体のゴム組成物を分析する現在の技術では実際上不可能である。そのため、本明細書および特許請求の範囲では、ゴム組成物を「老化防止剤組成物およびゴム成分を混練して得られるゴム組成物」と特定する。
ゴム成分は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム等が挙げられる。本発明の老化防止剤組成物の量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
硫黄成分は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。硫黄成分としては、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、および高分散性硫黄等が挙げられる。粉末硫黄および不溶性硫黄が好ましい。硫黄成分の量は、ゴム成分100重量部に対して、1〜10重量部が好ましく、2〜6重量部がより好ましい。
ゴム組成物は、本発明の老化防止剤組成物、ゴム成分および硫黄成分以外の成分、例えば、充填剤、加硫促進剤、メトキシ化メチロールメラミン樹脂、有機コバルト化合物および酸化亜鉛等を含有してもよい。
充填剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。充填剤としては、ゴム分野で通常使用されているカーボンブラック、シリカ、タルク、クレイ等が例示される。カーボンブラックとしては、FEF(Fast Extruding Furnace)、HAF(High Abrasion Furnace)、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)等のカーボンブラックが好ましい。また、カーボンブラックとシリカの併用等、数種の充填剤を組み合わせることも有効である。充填剤を使用する場合、その量は特に限定されるものではないが、ゴム成分100重量部に対して、10〜100重量部が好ましく、30〜70重量部がより好ましい。
加硫促進剤は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。加硫促進剤としては、例えば、ゴム工業便覧<第四版>の第412〜413頁に記載されているチアゾール系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が挙げられる。加硫促進剤を使用する場合、その量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5〜1重量部が好ましく、0.6〜0.8重量部がより好ましい。
メトキシ化メチロールメラミン樹脂は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。メトキシ化メチロールメラミン樹脂としては、例えば、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ペンタキス(メトキシメチル)メチロールメラミン、テトラキス(メトキシメチル)ジメチロールメラミン等の、ゴム工業において通常使用されているものを挙げることができる。メトキシ化メチロールメラミン樹脂を使用する場合、その量は、ゴム成分100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましく、1〜3重量部がより好ましい。
有機コバルト化合物は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。有機コバルト化合物としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト等の有機酸コバルト塩や、脂肪酸コバルト・ホウ素錯体化合物(例えば、商品名「マノボンドC」:マンケム社製)等が挙げられる。有機コバルト化合物の使用量は、そのコバルト含量を基準に定められる。このコバルト含量は、ゴム成分100重量部に対して、0.1〜0.4重量部が好ましく、0.1〜0.3重量部がより好ましい。
酸化亜鉛を使用する場合、その量は、ゴム成分100重量部に対して、1〜15重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
ゴム組成物は、ゴム工業で通常使用されている各種のゴム薬品、例えば、酸化防止剤やオゾン劣化防止剤のような老化防止剤、しゃく解剤、加工助剤、ワックス、オイル、ステアリン酸、粘着付与剤等の1種または2種以上を、必要に応じて含有してもよい。また、ゴム組成物に、上述したアミン系老化防止剤を、本発明の老化防止剤組成物とは別に配合してもよい。これら薬品の量は、ゴム組成物の意図された用途により異なるが、それぞれを、ゴム工業において通常使用されている範囲の量で用いることができる。
ゴム組成物は、本発明の老化防止剤組成物、ゴム成分、および必要に応じて他の成分(例えば、充填剤)を混練することによって製造することができる。
前記成分に加えて、さらに硫黄成分を混練して得られるゴム組成物(以下「硫黄成分を含有するゴム組成物」と記載することがある。)は、まず、ゴム成分と充填剤等とを混練する工程(以下「工程1」と略称することがある。)、次いで工程1で得られたゴム組成物と硫黄成分とを混練する工程(以下「工程2」と略称することがある。)を経て製造することが好ましい。さらに、工程1(即ち、ゴム成分と充填剤等との混練)の前に、ゴム成分を加工しやすくするため、ゴム成分を素練りする予備混練工程を設けてもよい。
硫黄成分を含有するゴム組成物の製造では、本発明の老化防止剤組成物の全量を、予備混練工程、工程1または工程2のいずれかでゴム成分等と混練してもよく、本発明の老化防止剤組成物をそれぞれ分割して、予備混練工程〜工程2の少なくとも二つの工程でゴム成分等と混練してもよい。
酸化亜鉛を配合するときは、工程1でゴム成分等と混練することが好ましい。加硫促進剤を配合するときは、工程2でゴム成分等と混練することが好ましい。しゃく解剤を配合するときは、工程1でゴム成分等と混練することが好ましい。予備混練工程を設ける時は、予備混練工程でしゃく解剤の全量をゴム成分と混練するか、またはしゃく解剤を分けて、予備混練工程および工程1の両方でゴム成分と混練することが好ましい。
工程1における混練には、例えば、バンバリーミキサーを含むインターナルミキサー、オープン型ニーダー、加圧式ニーダー、押出機、および射出成型機等を使用することができる。工程1における混練後のゴム組成物の排出温度は、200℃以下が好ましく、120〜180℃がより好ましい。
工程2における混練には、例えば、オープンロール、カレンダー等を使用することができる。工程2における混練温度(混練しているゴム組成物の温度)は、60〜120℃が好ましい。
上述の硫黄成分を含有するゴム組成物を加硫することによって、加硫ゴム組成物を製造することができる。上述の硫黄成分を含有するゴム組成物を特定の形状に加工してから加硫することによって、加硫ゴム組成物を製造してもよい。
加硫温度は、120〜180℃が好ましい。当業者であれば、ゴム組成物の組成に応じて、加硫時間を適宜設定することができる。加硫は、通常、常圧または加圧下で行われる。
ゴム組成物および加硫ゴム組成物は、様々な製品を製造するために有用である。ゴム組成物および加硫ゴム組成物から得られる製品としては、例えば、キャップトレッド、アンダートレッド、ベルト、カーカス、ビード、サイドウォール、ゴムチェーファー等のタイヤの各種部材が挙げられる。また、前記製品としては、例えば、エンジンマウント、ストラットマウント、ブッシュ、エグゾーストハンガー等の自動車用防振ゴム、ホース類、ゴムベルト等が挙げられる。
例えば、ゴム組成物でスチールコードを被覆することにより、タイヤ用ベルトを製造することができる。スチールコードは、通常、平行に引き揃えた状態で用いられる。
スチールコードは、ゴムとの接着性の観点から、黄銅、亜鉛、あるいはこれにニッケルやコバルトを含有する合金でメッキ処理されていることが好ましく、特に黄銅メッキ処理が施されているものが好適である。さらには、黄銅メッキ中のCu含有率が75重量%以下、とりわけ55〜70重量%である黄銅メッキ処理が施されたスチールコードが好適である。スチールコードの撚り構造は制限されない。
スチールコードがゴム組成物で被覆されたベルトは、複数枚積層して用いてもよい。このベルトは、主にカーカスの補強材料として使用される。
また、例えば、ゴム組成物を、タイヤのカーカス形状に合わせて押し出し加工し、カーカス繊維コードの上下に貼り付けることにより、カーカスを製造することもできる。カーカス繊維コードは、通常、平行に引き揃えた状態で使用される。カーカス繊維コードとしては、弾性率および耐疲労性が良好で、耐クリープ性も優秀で、安価なポリエステルが好ましい。これらは、1枚または複数枚積層することで、タイヤ補強材料として使用される。
ゴム組成物を用いて、通常の製造方法によってタイヤを製造することができる。例えば、ゴム組成物を押し出し加工し、タイヤ用部材を得、タイヤ成形機上で通常の方法により、他のタイヤ部材に貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、タイヤが得られる。
上述の老化防止剤組成物を使用することにより、加硫ゴム組成物の老化防止性能を改善することができる。従って、本発明は、上述の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練することを含む加硫ゴム組成物の老化防止性能を改善する方法も提供する。
以下、実施例および比較例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<GPC>
以下の製造例における縮合反応停止後の溶液の分析は、下記条件のGPCで行った。
カラム:TOSOH TSKgel Super HZ2000(4.6mmφ×150cm)とTOSOH TSKgel Super HZ1000(4.6mmφ×150cm)2本とを接続
温度:40℃
移動相:テトラヒドロフラン
検出:示差屈折率(Refractive Index、RI)
標準:TSKgel 標準ポリスチレン
<製造例1:レゾルシンとアセトンとの縮合物を含むアセトン溶液の製造>
温度計、攪拌機およびコンデンサーを備えた1,000mlセパラブルフラスコに、酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製「ダイヤイオンPK212LH」、50重量%含水)200gを仕込み、フラスコ内部の雰囲気を窒素置換した後、アセトン400gを仕込み、50℃で15分間撹拌した。撹拌後に静置したのちに、ろ過によってアセトンを除去して、酸性陽イオン交換樹脂を洗浄した。さらに、アセトン200gを用いた同様の洗浄操作を、3回繰り返し、水分量を低減した酸性陽イオン交換樹脂を得た。
上記のようにして洗浄した酸性陽イオン交換樹脂を含む1,000mlセパラブルフラスコにレゾルシン264.0g(2.39mol)を仕込み、フラスコ内部の雰囲気を窒素置換した後、アセトン418.7g(7.19mol)を仕込み、60℃に昇温し、この温度で20時間撹拌して、縮合反応を行った。その後、酸性陽イオン交換樹脂をろ過で除去することにより、レゾルシンとアセトンとの縮合物を含むアセトン溶液を得た。得られた溶液を上記条件のGPCによって測定した。重量平均分子量が160以上であるピークの総面積に対する、重量平均分子量が160以上480未満であるピーク(1)の面積割合および重量平均分子量が160以上であるピークの総面積に対する、重量平均分子量が800以上であるピーク(2)の面積割合、並びに残存レゾルシンの面積割合の測定結果を以下に示す。
ピーク(1)の面積割合:30.8%
残存レゾルシンの面積割合:0.8%
ピーク(2)の面積割合:15.3%
ピーク(2)の重量平均分子量:944
縮合物の重量平均分子量:536
<実施例1:老化防止剤組成物(1)〜(3)の製造>
攪拌機を備えたフラスコを用い、室温にて攪拌しつつ、製造例1で得られたレゾルシンとアセトンとの縮合物を含むアセトン溶液に、種々の量でN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)を溶解した後、蒸発缶温度を220℃に設定した薄膜蒸留による脱揮を30kPa以下の減圧下で行って、老化防止剤組成物(1)〜(3)を得た。得られた老化防止剤組成物(1)〜(3)中の6PPDの含有量を表1にまとめる。
<製造例2:レゾルシンとアセトンとの縮合物を含むアセトン溶液の製造>
製造例1で得られた縮合物のアセトン溶液には、4.3重量%の水分が含まれていた。製造例1と同様にして調製した縮合物のアセトン溶液1,000mlを反応容器に仕込み、単蒸留により500mlのアセトンを留去した後、1,325mlのアセトンを10ml/minで反応容器へ滴下しながら、蒸留によって脱水した。その後、新たに滴下したアセトン全量分を留去した。冷却後、濃縮物にアセトン500mlを追加することで、脱水されたアセトン溶液1,000mlを製造した(水分量:0.58重量%)。
上記脱水操作で得られたレゾルシンとアセトンとの縮合物を含むアセトン溶液77.5mlおよび製造例1と同様にして洗浄した酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製「ダイヤイオンPK212LH」)15gを反応溶液に入れ、窒素雰囲気下、20℃で21時間撹拌して、縮合反応を行った。21時間の縮合反応後に、酸性陽イオン交換樹脂をろ過で除去することにより、縮合反応を停止させた。得られた溶液を上記条件のGPCによって測定した。重量平均分子量が160以上であるピークの総面積に対する、重量平均分子量が160以上480未満であるピーク(1)の面積割合および重量平均分子量が160以上であるピークの総面積に対する、重量平均分子量が800以上であるピーク(2)の面積割合、並びに残存レゾルシンの面積割合の測定結果を以下に示す。
ピーク(1)の面積割合:18.2%
残存レゾルシンの面積割合:0.1%
ピーク(2)の面積割合:27.2%
ピーク(2)の重量平均分子量:1,084
縮合物の重量平均分子量:684
<実施例2:老化防止剤組成物(4)の製造>
実施例1と同様に、製造例2で得られた縮合物を含むアセトン溶液と6PPDとを混合した後、蒸発缶温度を220℃に設定した薄膜蒸留による薄膜蒸留による脱揮を30kPa以下の減圧下で行って、老化防止剤組成物(4)を得た。得られた老化防止剤組成物(4)中の6PPDの含有量は、20重量%であった。また、得られた老化防止剤組成物(4)を高速液体クロマトグラフィー絶対検量線法で分析した結果、残存レゾルシン量は0.05重量%であった。
<製造例3:レゾルシンとアセトンとの縮合物の製造>
6PPDを用いずに薄膜蒸留による脱揮操作を行ったこと以外は実施例1と同様にして、レゾルシンとアセトンとの縮合物を得た。
<実施例3:ゴム組成物および加硫ゴム組成物の製造>
バンバリーミキサー(東洋精機製600mlラボプラストミル)を用いて、天然ゴム(RSS#1)100重量部、HAF(旭カーボン社製、商品名「旭#70」)55重量部、含水シリカ(東ソー・シリカ(株)社製「Nipsil(登録商標)AQ」10重量部、ステアリン酸3重量部、酸化亜鉛5重量部、ナフテン酸コバルト1重量部(コバルト含量:0.06重量部)、実施例1で得られた老化防止剤組成物(1)2.5重量部および老化防止剤(6PPD)1.5重量部を配合し、50rpmのミキサーの回転数で混練することによりゴム組成物を得た(ゴム組成物の排出温度:150〜160℃)。次いで、オープンロールで該ゴム組成物に加硫促進剤(N,N−ジシクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、DCBS)0.7重量部、硫黄成分(不溶性硫黄)5重量部およびメトキシ化メチロールメラミン樹脂(住友化学社製「スミカノール507AP」)3重量部を混練した(混練温度:60℃)。混練で得られたゴム組成物を145℃で加硫処理し、加硫ゴム組成物を得た。
<実施例4〜6:ゴム組成物および加硫ゴム組成物の製造>
実施例1で得られた老化防止剤組成物(1)に替えて、実施例1または2で得られた老化防止剤組成物(2)〜(4)のいずれかを用い、老化防止剤組成物および老化防止剤(6PPD)を表2に記載の量で配合した以外は実施例3と同様にして、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。
<比較例1:ゴム組成物および加硫ゴム組成物の製造>
実施例1で得られた老化防止剤組成物(1)2.5重量部および老化防止剤(6PPD)1.5重量部に替えて、製造例3で得られた縮合物2.0重量部および老化防止剤(6PPD)2.0重量部を配合した以外は実施例3と同様にして、ゴム組成物および加硫ゴム組成物を得た。
[引張試験]
実施例3〜6または比較例1で得られた加硫ゴム組成物を、空気中100℃の環境に72時間静置して、その老化を促進した後、JIS K 6301 に準拠して、老化後の引張強さおよび破断伸びを測定した。比較例1の加硫ゴム組成物の老化後の引張強さは11.9N/mmであり、老化後の破断伸びは130%であった。これらの値をそれぞれ100とした、実施例3〜6の加硫ゴム組成物の相対値を表2に示す。
表2に示されるように、ゴム組成物中のレゾルシンとアセトンとの縮合物の量および老化防止剤(6PPD)の量は同じであるにもかかわらず、前記縮合物および老化防止剤を別々にゴム成分に配合した比較例1に対して、予め製造した老化防止剤組成物をゴム成分に配合した実施例3〜6では、加硫ゴム組成物の老化後の引張強さおよび破断伸びが向上した。この結果から、前記縮合物および老化防止剤を別々にゴム成分に配合する場合に比べて、予め製造した老化防止剤組成物をゴム成分に配合することによって、老化防止剤の効果を向上させ得ることが分かる。
本発明の老化防止剤組成物は、優れた老化防止性能を有するゴム製品を製造するために有用である。

Claims (17)

  1. フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物、およびアミン系老化防止剤を含有し、これらの合計含有量が、組成物全体を基準に80〜100重量%である老化防止剤組成物。
  2. アミン系老化防止剤が、N−アルキル−N’−アリール−p−フェニレンジアミン系老化防止剤である請求項1に記載の老化防止剤組成物。
  3. アミン系老化防止剤が、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミンである請求項1に記載の老化防止剤組成物。
  4. フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つが、レゾルシンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物。
  5. カルボニル化合物の炭素数が、1〜4である請求項1〜4のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物。
  6. カルボニル化合物の少なくとも一つが、アセトン、メチルエチルケトン、ホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドである請求項1〜4のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物。
  7. フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物が、レゾルシンとホルムアルデヒドとの縮合物およびレゾルシンとアセトンとの縮合物からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜3のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物。
  8. フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物の含有量が、アミン系老化防止剤1重量部に対して、0.5〜100重量部である請求項1〜7のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物。
  9. フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物を含有する溶液にアミン系老化防止剤を添加し、次いで溶液の揮発成分を留去することを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物の製造方法。
  10. フェノールおよびフェノール誘導体の少なくとも一つとカルボニル化合物の少なくとも一つとの縮合物並びにアミン系老化防止剤を、無溶媒下、混合することを含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練することを含むゴム組成物の製造方法。
  12. さらに硫黄成分を混練することを含む請求項11に記載の方法。
  13. 請求項12に記載の方法によって得られたゴム組成物を加硫することを含む加硫ゴム組成物の製造方法。
  14. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練して得られるゴム組成物。
  15. さらに硫黄成分を混練して得られる請求項14に記載のゴム組成物。
  16. 請求項15に記載のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム組成物。
  17. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の老化防止剤組成物およびゴム成分を混練することを含む加硫ゴム組成物の老化防止性能を改善する方法。
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