JP2017171385A - 泡吐出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔部材を用いないことで、目詰りが生じるのをより確実に防止することのできる泡吐出器を提供する。【解決手段】液流路23を介して送り出される内容液を、空気と共に発泡流路24に形成された多孔部40を通過させて、発泡させた状態で吐出させる泡吐出器であって、発泡流路24に、可動側多孔部形成部41と固定側多孔部形成部42とが設けられていると共に、可動側多孔部形成部41の周面は、凹凸の平均間隔が好ましくは5mm以下の多数の凹凸による凹凸部43を備えている。可動側多孔部形成部41は、内容液を吐出させる操作により、周面の少なくとも一部が固定側多孔部形成部42に接触状態となり、この接触状態において、可動側多孔部形成部41と固定側多孔形成部42との接触領域に、凹凸部43による隙間によって多孔部40が形成されるようになっている。【選択図】図8

Description

本発明は、泡吐出器に関し、特に、液流路を介して送り出される内容液を、空気と共に発泡流路に形成された多孔部を通過させて、発泡させた状態で吐出させる泡吐出器に関する。
容器本体に収容された内容液を、発泡させた状態で吐出させる泡吐出容器として、例えば容器を置いたままの状態でポンプヘッド部を押圧操作することにより、手等による撹拌などを使用者がおこなわずとも内容液を泡状にして吐出させる、ポンプフォーマー容器等の泡吐出容器が知られている。ポンプフォーマー容器では、容器本体の口首部に、内容液を空気と混合することにより泡状にして吐出する泡吐出器が装着されている。泡吐出器は、例えば容器本体の口首部に装着されるキャップ部に、内容液の吸引、加圧、排出を行うピストン(液ピストン)と、空気の吸引、加圧、排出を行うピストン(空気ピストン)とをそれぞれ同心状の直列配置にして組み入れたシリンダー部からなるポンプ機構が設けられている。そして、キャップ部の上方に突出するポンプヘッド部の押し込みによりポンプ機構の各ピストンを作動させ、内容液と空気とをそれぞれシリンダー部内で加圧、排出して合流空間で相互に混合し、メッシュリング等の多孔部材を通過させることで泡状にして内容液を外部に吐出させる構造となっている(例えば、特許文献1参照)。
また、他の泡吐出容器として、例えばスクイズフォーマー容器が知られている(例えば、特許文献2参照)。スクイズフォーマー容器は、可撓性を有するボトル形状の容器本体を把持して、スクイズ操作(押圧操作)することにより、容器本体を減容変形させて、容器本体の内部に収容された内容液と空気とを、泡吐出器を構成する、吐出ノズル部を備えるノズルキャップの縦方向吐出流路に送り出し、縦方向吐出流路に取り付けられたメッシュ等による多孔部材を通過させることで発泡させて、吐出ノズル部から泡として吐出させるようになっている。
特開平7−315463号公報 特開2011−51622号公報 特開2015−9848号公報
しかしながら、従来の泡吐出器では、いずれも、空気と混合された内容液を発泡させるための多孔部材は、発泡流路に固定された状態で取り付けられている。このため、例えば泡吐出容器の使用時に内容液を通過させて発泡させた後に、次に泡吐出容器が使用されるまでの間に、例えば数十時間〜数日程度の長時間が経過すると、多孔部材に付着した内容液が乾燥したり固化したりして、目詰りが生じ易くなる。多孔部材に目詰りが生じると、次回の泡吐出容器の使用時に、例えばポンプヘッド部や容器本体への過度な押圧力を要することになって、内容液の吐出操作を安定した状態でスムーズに行うことが困難になる。
また、近年、環境負荷の低減等を目的として、容器本体に内溶液を詰め替えて、泡吐出容器を長期間に亘って使用できるようにすることが一般に行われており、内溶液を容器本体に詰め替える際に、ゴミや埃等の異物が、容器本体の内部に侵入する場合がある。容器本体の内部にゴミや埃等の異物が侵入すると、これらの異物が内容液の吐出時に多孔部材の目に引っ掛かることで、さらに目詰りを生じ易くなる。このようなことから、泡吐出器の発泡流路に設けられた多孔部材に、目詰りを生じ難くする技術の開発が望まれている。
目詰りを生じ難くする泡吐出容器として、内容液の吐出口と多孔部材との間に、両者が連通している状態と遮断されている状態とを切り替えることが可能な弁体を設けておき、容器の不使用時に両者の連通を遮断することで、多孔部材の目詰りを防止できるようにしたものが開発されているが(例えば、特許文献3参照)、特許文献3の泡吐出容器においても、多孔部材は、発泡流路に固定された状態となっているため、目詰りを確実に防止できるようにするには不十分である。
これに対して、多孔部材を発泡流路に固定した状態で用いることなく、内容液を吐出させる操作を行なう時にのみ、内溶液を発泡させるための多孔部が形成されるようにすることで、目詰りが生じるのをより確実に防止することが可能になると考えられるが、内容液を吐出させる操作を行なう時にのみ、多孔部が形成されるようにする具体的な構成については、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、多孔部材を用いることなく、内容液を吐出させる操作を行なう時にのみ、内溶液を発泡させるための多孔部が形成されるようにして、目詰りが生じるのをより確実に防止することのできる泡吐出器を提供することを目的とする。
本発明は、液流路を介して送り出される内容液を、空気と共に発泡流路に形成された多孔部を通過させて、発泡させた状態で吐出させる泡吐出器であって、前記発泡流路に、可動側多孔部形成部と固定側多孔部形成部とが設けられていると共に、該可動側多孔部形成部及び固定側多孔部形成部の双方又は一方の周面は、多数の凹凸による凹凸部を備えており、前記可動側多孔部形成部は、内容液を吐出させる操作により、周面の少なくとも一部が前記固定側多孔部形成部に接触状態となり、該接触状態において、前記可動側多孔部形成部と前記固定側多孔形成部との接触領域に、前記凹凸部による隙間によって前記多孔部が形成される泡吐出器を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の泡吐出器によれば、多孔部材を用いることなく、内容液を吐出させる操作を行なう時にのみ、内溶液を発泡させるための多孔部が形成されるようにして、目詰りが生じるのをより確実に防止することができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る泡吐出器が容器本体の口首部に取り付けられた泡吐出容器の断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る泡吐出器の、ポンプヘッド部の押圧をする前の上死点の状態の断面図である。 図2のA−Aに沿った断面図である。 (a)は液シリンダーの下端部に設けられた開閉弁の斜視図、(b)は正面図である。 多孔部を形成する遊嵌装着部材(可動側多孔部形成部)を例示する正面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る泡吐出器の、使用前の流通、販売時の状態の断面図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る泡吐出器の、使用開始時にポンプヘッド部等が上昇してゆく途中の状態の断面図である。 (a)〜(c)は、ポンプヘッド部を押圧することで、内容液を発泡させて吐出する状況を説明する断面図である。 (a)、(b)は、本発明の好ましい他の実施形態に係る泡吐出器が容器本体の口首部に取り付けられた、他の形態の泡吐出容器を説明する断面図である。 (a)、(b)は、遊嵌装着部材の他の形態を例示する正面図である。 (a)、(b)は、多孔部を形成する可動側多孔部形成部及び固定側多孔部形成部の他の形態を例示する略示断面図である。
本発明の好ましい一実施形態に係る泡吐出器10は、図1に示すように、泡吐出容器50として例えばポンプフォーマー容器に取り付けて用いられる、いわゆるポンプフォーマーであって、従来のポンプフォーマーと同様に、泡吐出容器50の容器本体51の口首部52に装着されて、内容液を空気と混合することにより泡状にして吐出する機能を備える。すなわち、泡吐出器10は、容器本体51の口首部52に装着されるキャップ部11に取り付けられた、内容液の吸引、加圧、排出を行う液ピストン14と、空気の吸引、加圧、排出を行う空気ピストン13とをそれぞれ同心状の直列配置にして組み入れたシリンダー部15を含むポンプ機構を有している。そしてキャップ部11の上方に突出するポンプヘッド部18の押し込みによりポンプ機構の各ピストン13,14を作動させ、内容液と空気をそれぞれシリンダー部15内で加圧、排出して、これらをポンプ出側に合流空間として設けた混合室19で混合し、さらに多孔部40(図8(a)〜(c)参照)が形成された発泡流路24を通過させることで、泡状にして吐出口18aから外部に吐出させるようになっている。
本実施形態の泡吐出器10は、発泡流路24に設けられて内容液を発泡させるための多孔部材を用いることなく、内容液を吐出させる操作を行なう時にのみ、内溶液を発泡させるための多孔部40が発泡流路24に形成されるようにして(図8(a)〜(c)参照)、発泡流路24に目詰りが生じるのをより確実に防止できるようにする機能を備える。
そして、本実施形態の泡吐出器10は、図1、図2、及び図8(a)〜(c)に示すように、液流路23を介して送り出される内容液を、空気と共に発泡流路24に形成された多孔部40を通過させて、発泡させた状態で吐出させる泡吐出器であって、発泡流路24に、可動側多孔部形成部41と固定側多孔部形成部42とが設けられていると共に、可動側多孔部形成部41及び固定側多孔部形成部42の双方又は一方(本実施形態では、可動側多孔部形成部41のみ)の周面は、図5にも示すように、好ましくは凹凸の平均間隔が5mm以下の多数の凹凸による凹凸部43を備えている。可動側多孔部形成部41は、固定側多孔部形成部42と離間している状態から(図1、図2参照)、内容液を吐出させる操作により、周面の少なくとも一部が固定側多孔部形成部42に接触状態となり、該接触状態において、可動側多孔部形成部41と固定側多孔形成部42との接触領域に、凹凸部43による隙間によって多孔部40が形成されるようになっている(図8(a)〜(c)参照)。
また、本実施形態では、泡吐出器10は、容器本体51の口首部52(図1参照)にキャップ部11を介して装着され、キャップ部11に対して往復動可能に設けられたポンプヘッド部18と、内容液が収容されている液室32及び空気が収容されている空気室20とを有し、ポンプヘッド部18を押圧する操作により、液室32から混合室19に内容液を圧送可能な液流路23と、空気室20から混合室19に空気を圧送可能な空気流路21とを備え、発泡流路24は混合室19から吐出口18aに至る流路に形成されている。
さらに、本実施形態では、可動側多孔部形成部41は、発泡流路24に形成された遊嵌保持領域部44に遊嵌状態で装着された遊嵌装着部材45からなり、固定側多孔部形成部42は、遊嵌保持領域部44の下流側に設けられた、縮径した流路開口46aを有する縮径当接係止部46からなる。内容液を吐出させる操作によって遊嵌保持領域部44の内圧が上昇した際に、遊嵌装着部材45の周面の凹凸部43が、縮径当接係止部46の流路開口46aの周縁部分に内側から接触することで、接触領域の凹凸部43によって多孔部40が形成されるようになっている。本実施形態では、遊嵌装着部材45は、図5に示すように、好ましくは球状の形状を備えており、遊嵌保持領域部44の内部で自由回転しながら移動するようになっている。遊嵌装着部材45は、好ましくは球状の形状の外周面の全体に、凹凸部43を備えている。
さらにまた、本実施形態では、泡吐出器10は、容器本体51(図1参照)内に配置された大径のエアシリンダー16と、エアシリンダー16から下方に連設して設けられた小径の液シリンダー17とを含むシリンダー部15と、エアシリンダー16の内周面に沿って密着摺動する空気室密着外周部13aを備える空気ピストン13と、液シリンダー17の内周面に沿って密着摺動する液室密着外周部14aを備える液ピストン14とを含むピストン部12とを有している。本実施形態では、空気ピストン13と液ピストン14とは、空気流路21を常時開放させた状態で、ポンプヘッド部18への押圧操作に伴って、上下に一体として移動するようになっており、且つ空気流路21の下端流入口22は、少なくともポンプヘッド部18を押し下げた状態で、液シリンダー17の内側に開口するようになっている(図8(a)〜(c)参照)。
本実施形態では、キャップ部11には、エアシリンダー16と液シリンダー17とを含むシリンダー部15が一体として取り付けられている。すなわち、シリンダー部15は、当該シリンダー部15の上部のエアシリンダー16の上端周縁部分に設けられた上端係合部16aを、キャップ部11の天井部11aの内側周縁部分に設けられた内側係合部11bに、嵌め込むようにして接続することで、天井部11aから下方に延設して取り付けられている。キャップ部11の天井部11aには、当該天井部11aを上下に貫通して、円筒形状のガイド筒部26が、一体成形されて設けられている。ガイド筒部26には、ポンプヘッド部18の中空パイプ部27が、上下方向に摺動可能に挿通される。ガイド筒部26の天井部11aよりも上方の上半部分の外周面には、雄ネジ凸条26aが設けられている。この雄ネジ凸条26aに、ポンプヘッド部18の螺着スカート部27aを螺着することで、泡吐出器10は、泡吐出容器50の使用前の流通、販売時に、ポンプヘッド部18や、ポンプヘッド部18に一体として取り付けられたピストン部12を、下死点の位置に保持できるようになっている(図6参照)。
キャップ部11は、これの天井部11aの周縁部分から下方に延設する装着スカート部11cを、容器本体51の口首部52の外周面に形成された雄ネジ凸条52aに螺着することで、容器本体51に着脱可能に装着固定される(図1参照)。これによって、キャップ部11に取り付けられたシリンダー部15や、シリンダー部15の内周面に沿って摺動するピストン部12、及びピストン部12に一体として取り付けられたポンプヘッド部18を含む泡吐出器10が、容器本体51に組み込まれる。
本実施形態では、ポンプヘッド部18は、図1に示すように、ヘッド本体部28と、中空パイプ部27とからなる。中空パイプ部27の上端部から外側に張り出して、係合フランジ部27bが設けられている。係合フランジ部27bの外周縁部から下方に一体として延設して、上述の螺着スカート部27aが設けられている。ヘッド本体部28は、横方向に延設する吐出ノズル部28aと、縦方向に延設する接続パイプ部28bとを備える。先端の吐出口18aとは反対側の吐出ノズル部28aの基端部側に、接続パイプ部28bが連設している。接続パイプ部28bの外側には、当該接続パイプ部28bとの間に間隔をおいて同心状に配置された、筒状係合壁28cが設けられている。
接続パイプ部28bと筒状係合壁28cとの間の間隔部分に、係合フランジ部27bを嵌め込むようして、中空パイプ部27の上端部をヘッド本体部28の下部に接続することで、中空パイプ部27とヘッド本体部28とが一体となったポンプヘッド部18が形成される。これによって、ヘッド本体部28の接続パイプ部28bの外周面が、中空パイプ部27の上端部内周面に密着することで、吐出ノズル部28aの中空内部と中空パイプ部27の中空内部とが液密に連通した、発泡流路24が形成される。また中空パイプ部27には、多孔部40を形成するための可動側多孔部形成部41及び固定側多孔部形成部42と、空気ピストン13及び液ピストン14を含むピストン部12とが、ポンプヘッド部12への押圧操作に伴って、一体として上下動可能に取り付けられている。
また、本実施形態では、中空パイプ部27の略下半部分の内側に、空気ピストン13の筒状部13bの略上半部分が、嵌め込むようして装着されることで、中空パイプ部27に空気ピストン13が一体として取り付けられている。空気ピストン13は、中空の縦長の略円筒形状の筒状部13bと、エアシリンダー16の内周面に沿って密着した状態で摺動する空気室密着外周部13aとを含んで形成されている。空気室密着外周部13aは、筒状部13bの下端部外周面から外側に張り出して設けられた環状張出しフランジ部13cの先端周縁部に、一体として形成されている。空気室密着外周部13aは、外側に向けて浅い凹状に湾曲した、上部密着片と下部密着片とを有する縦方向の断面形状を備えている。空気室密着外周部13aは、上部密着片と下部密着片とを弾性変形させつつ、これらの先端部をエアシリンダー16の内周面に密着させることで、2重構造の強固なシール機能を発揮するようになっている。
本実施形態では、エアシリンダー16における、空気ピストン13の環状張出しフランジ部13cよりも下方部分の中空内部が、混合室19に送り出す空気を貯留する空気室20となっている。また、空気ピストン13の環状張出しフランジ部13cには、空気室20が負圧になった際に、空気室20の内部に空気を送り込むための空気孔13dが、ボール弁13eによって開閉可能な状態で設けられている。
空気ピストン13の筒状部13bは、本実施形態では、ポンプヘッド部18の中空パイプ部27の略下半部分に装着される上半装着部13fと、上半装着部13fと環状張出しフランジ部13cとの間の部分の中間拡径部13gと、環状張出しフランジ部13cよりも下方に突出して設けられた接続スリーブ部13hとを含んで形成されている。上半装着部13fは、中空パイプ部27の略下半部分の内周面形状と略合致する外周面形状を備えている。上半装着部13fは、当該上半装着部13fの上端部分を、中空パイプ部27の中間部分に設けられた上部内側張出し弁座部27cの、倒立L字断面形状の内面側部分に挿入配置すると共に、中間拡径部13gとの段差部13iを中空パイプ部27の下端部に当接させた状態で、中空パイプ部27の略下半部分に装着されている。
筒状部13bの中間拡径部13gは、上半装着部13fよりも肉厚に形成されていることで、その外周面が、段差部13iを介して上半装着部13fの外周面よりも径方向外側に配置される。上半装着部13fとの段差部13iが中空パイプ部27の下端部に当接するまで、上半装着部13fを中空パイプ部27の略下半部分に押し込むことで、空気ピストン13を、ポンプヘッド部18の中空パイプ部27に、安定した状態で一体として接続することが可能になる。また、中間拡径部13gは、これの上端周縁の段差部13iとの角部分が、後述するガイド補助部材30の筒壁部30aと環状張出し壁部30bとの連接角部分に、下方から当接可能となっている。これによって、図6に示す、ガイド筒部26の上半部分にポンプヘッド部18の螺着スカート部27aが螺着された、泡吐出容器50の流通、販売時の状態から、泡吐出容器50の使用時に使用者が螺着スカート部27aの螺着を開放して、ポンプヘッド部18及びピストン部12が図2に示す上死点に至る過程において、ピストン部12(空気ピストン13)の上昇に伴って、ガイド補助部材30を上方に押し上げることができるようになっている(図7参照)。
筒状部13bの接続スリーブ部13hは、筒状部13bとは別部材となっている延長スリーブ部材31を、筒状部13bの下端部に一体として接続させるための略円筒形状の部分である。延長スリーブ部材31は、空気流路21の流入口22を空気ピストン13の環状張出しフランジ部13cよりも下方に開口させるために、空気流路21を下方に延長させる部材である。接続スリーブ13hの内径は、上半装着部13f及び中間拡径部13gの内径よりも大きくなっている。接続スリーブ13hの内側には、当該接続スリーブ13hの内周面形状と略同様の外周面形状を備える延長スリーブ部材31の拡径接続部31aが、気密な状態で接続される。これによって、延長スリーブ部材31の拡径接続部31aよりも下方の延長本体部31bは、ポンプヘッド部18が押し下げられる前の上死点において、下端部が、シリンダー部15のエアシリンダー16と液シリンダー17との間の縮径接続部分の内側底壁25に近接、好適には縮径接続部分の内側底壁25と液シリンダー17の境界に近接して配置されることになる。本第1実施形態では、エアシリンダー16と液シリンダー17との間の縮径接続部分の内側底壁25は、エアシリンダー16の下端周縁部から液シリンダー17の上端周縁部に向けて下方に傾斜する、テーパー形状に傾斜した内側底面25aを備えている。
また、本実施形態では、延長スリーブ部材31の延長本体部31bは、空気ピストン13の筒状部13bの上半装着部13f及び中間拡径部13gの内径と、同様又は略同様の内径を備えている。延長スリーブ部材31の延長本体部31bの中空内部、及び空気ピストン13の筒状部13bの上半装着部13f及び中間拡径部13gの中空内部に、液ピストン14の液室円筒部14bが連続して挿入された状態で、液ピストン14が空気ピストン13の筒状部13bに一体として接続されている。
本実施形態では、液ピストン14は、略円筒形状のピストン部材となっている。液ピストン14は、縦長の略円筒形状の液室円筒部14bと、液室円筒部14bの下端部分から外側に張り出して設けられた液室密着外周部14aとを含んで構成される。液室円筒部14bは、空気ピストン13の上半装着部13fの上部中間部分から、中間拡径部13gを経て、延長スリーブ部材31の下端部に至る長さを有している。液室円筒部14bは、空気ピストン13の上半装着部13f及び中間拡径部13gの内周面形状や、延長スリーブ部材31の延長本体部31bの内周面形状と、各々合致する外周面形状を有する部分を含んでいる。
また、液ピストン14の液室円筒部14bには、下端部から、空気ピストン13の上半装着部13fの中間段差部13jに至る部分における、当該液室円筒部14bの外周面に、図3にも示すように、通気溝14cが、周方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。通気溝14cは、液室円筒部14bの外周面を細長い縦溝状に切り欠くことによって、各々形成されている。通気溝14cは、空気ピストン13の上半装着部13fの中間段差部13jを貫通して形成された連通孔を介して、空気ピストン13の上半装着部13fの中間段差部13jよりも上方部分の外周面に形成された上部通気溝13kと、各々連通している(図2、図6、図7参照)。上部通気溝13kは、液室円筒部14bの外周面の通気溝14cと同様に、外周面を細長い縦溝状に切り欠くことによって、周方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。上部通気溝13kは、空気ピストン13の上半装着部13fの中間段差部13jから、上半装着部13fの外周面を経て、上半装着部13fの上端面、及びポンプヘッド部18の中空パイプ部27の上部内側張出し弁座部27cに挿入される部分の内周面に沿って形成されることにより、上半装着部13fの内側の混合室19と連通している。
これらによって、延長スリーブ部材31を含む空気ピストン13の筒状部13bと、液ピストン14の液室円筒部14b及びポンプヘッド部18の中空パイプ部27との間には、液ピストン14の液室密着外周部14aの直上部分から、液室円筒部14bの外周面の通気溝14cを経て延長スリーブ部材31の拡径接続部31aに至り、さらに拡径接続部31aよりも上方部分の通気溝14cを通過した後に、連通孔及び上部通気溝13jを介して混合室19に至る、空気流路21が形成されることになる。空気流路21は、液ピストン14の液室密着外周部14aと、延長スリーブ部材31の延長本体部31bの下端部との間に臨んで開口する、通気溝14cの下端部を、下端流入口22として開放させたままの状態で形成される。
また、本実施形態では、液ピストン14の液室円筒部14bの下端部分に設けられた液室密着外周部14aは、小径の円筒形状の液シリンダー17の内周面に沿って密着した状態で上下に摺動する。これによって、液室密着外周部14aよりも下方部分の液シリンダー17の中空内部は、空気室20と遮断される。またこれによって、液室密着外周部14aよりも下方部分の液シリンダー17の中空内部は、液ピストン14の液室円筒部14bの中空内部と共に、混合室19に送り出す内容液を貯留する、液流路23を兼ねる液室32を形成する。液室密着外周部14aは、空気室密着外周部13aと同様に、外側に向けて浅い凹状に湾曲した、上部密着片と下部密着片とを有する縦方向の断面形状を備えている。液室密着外周部14aは、上部密着片と下部密着片とを弾性変形させつつ、これらの先端部を液シリンダー17の内周面に密着させることで、2重構造の強固なシール機能を発揮するようになっている。
さらに、本実施形態では、液室密着外周部14aの張出し基端部と、液シリンダー17の下端部に配設された後述する液室流入弁33との間の液シリンダー17の内部には、例えばコイルバネによるスプリング部材34が取り付けられている。スプリング部材34は、泡吐出容器50の使用時に、使用者がポンプヘッド部18を押し下げる際の押圧力に抗して、ポンプヘッド部18及びピストン部12を、上死点に向けて上方に付勢する。
さらにまた、本実施形態では、液ピストン14の液室円筒部14bは、上端部が上半装着部13fの上部中間部分に至るまで、空気ピストン13の中空内部に挿入配置されている。液室円筒部14bの上端部には、液流路23を開閉する流路ボール弁35を密着させる、上端弁座部14dが設けられている。この上端弁座部14dと、ポンプヘッド部18の中空パイプ部27の中間部分に設けられた上部内側張出し弁座部27cとの間の部分の、空気ピストン13の筒状部13b(上半装着部13f)の内側に、流路ボール弁35が、上下に移動可能に配設されている。また、液ピストン14の液室円筒部14bの上端部に設けられた上端弁座部14dと、ポンプヘッド部18の中空パイプ部27に設けられた後述する遊嵌保持領域部44との間の部分における、空気ピストン13の筒状部13b(上半装着部13f)の内側領域、及び上部内側張出し弁座部27cによって周囲を囲まれる内側領域が、空気室20から送り出される空気と、液室32から送り出される内容液とを混合する、混合室19として機能するようになっている。
本実施形態では、小径の液シリンダー17の下端部は、倒立した略切頭円錐形状部分17aを介在させて、縮径された流入口部17bと連通している。流入口部17bの下端の下端流入口17cから、容器本体51の内部に収容された内容液を、液シリンダー17の内部の液室32に流入させることができるようになっている。液シリンダー17の下端部には、略切頭円錐形状部分17aとの段差部に支持させて、液室流入弁33が設けられている。
液室流入弁33は、本実施形態では、液ピストン14の内部に挿入される部分を備えておらず、液シリンダー17の下端部のみに配設された弁体となっている。これによって、液シリンダー17及び液ピストン14による液流路23(液室32)には、障害物が略無くなることで、ポンプヘッド部18を押圧操作する際に、液室32に貯留された内容液を、所定量、安定した状態で混合室19に送り出すことが可能になる。また、液室流入弁33は、液シリンダー17の流入口部17bを、安定した状態で開閉できる機能を有している。
すなわち、液室流入弁33は、図4(a)、(b)に示すように、径方向に間隔をおいて対向配置された、弓形の平面形状を有する一対の取付け基盤部33aと、これらの一対の取付け基盤部33aに跨るようにして立設配置された、上部筒状部33bと下部門型部33cとからなる弁体支持部33dと、下部門型部33cの中央部分から、弾性付勢部33eを介して基盤部33aよりも下方に吊り下げられるように配置された、弁本体33fとを含んで構成されている。弁本体33fは、外周面が下方に向けてテーバー状に縮径する形状を有している。液室流入弁33は、一対の取付け基盤部33aを、略切頭円錐形状部分17aとの段差部に載置して、液シリンダー17の下端部に取り付けられる(図2、図6、図7参照)。一対の取付け基盤部33aの上面には、液ピストン14の液室密着外周部14aの張出し基端部に上端部を当接させた、スプリング部材34の下端部が当接する。スプリング部材34の付勢力によって、取付け基盤部33aは、略切頭円錐形状部分17aとの段差部に押し付けられて、当該段差部に強固に密着した状態を保持する。これによって、液室流入弁33は、液シリンダー17の下端部に、安定した状態で取り付けられる。またこれによって、液室流入弁33の弁本体33fは、弾性付勢部33eからの付勢力によって、テーパー状の外周面を、倒立した略切頭円錐形状部分17aの内周面にスムーズに密着させることが可能になって、液シリンダー17の流入口部17bを効果的に閉塞できるようになっている。
液室流入弁33は、液シリンダー17及び液ピストン14による液室32の内部が正圧の時は、弁本体33fを略切頭円錐形状部分17aの内周面に密着させた状態を保持して、流入口部17bを閉塞する。液室流入弁33は、液シリンダー17及び液ピストン14による液室32の内部が負圧になると、弾性付勢部33eによる付勢力に抗して当該弾性付勢部33eが収縮変形することで、弁本体33fを略切頭円錐形状部分17aの内周面から離間させて、流入口部17bを開放する。これによって、容器本体51の内部に収容された内容液を、液シリンダー17の内部の液室32に流入させることが可能になる。
また、本実施形態では、図2、図6、及び図7に示すように、エアシリンダー16の内部には、空気ピストン13の環状張出しフランジ部13c及び空気室密着外周部13aの上方に重ねるように配置されて、筒壁部30aと環状張出し壁部30bと密着外周壁部30cとを備えるガイド補助部材30が設けられている。ガイド補助部材30は、筒壁部30aを、キャップ部11のガイド筒部26と、ガイド筒部26に挿通されたポンプヘッド部18の中空パイプ部27との間の間隔部分に挿入配置して取り付けられている。またガイド補助部材30は、挿入した筒壁部30aの上端部分を、ガイド筒部26よりも上方に突出させた状態で取り付けられている。ガイド補助部材30は、筒壁部30aによって、キャップ部11のガイド筒部26と、ポンプヘッド部18の中空パイプ部27との間の間隔部分の隙間を埋めることで、中空パイプ部27の上下方向の摺動を、さらに安定した状態でガイドすることが可能になる。また、ガイド筒部26と中空パイプ部27との間の間隔部分を介して、外部の水がエアシリンダー16の内部に流入するのを、効果的に回避することが可能になる。
ガイド補助部材30は、図6に示す、ガイド筒部26の上半部分にポンプヘッド部18の螺着スカート部27aが螺着された、泡吐出容器50が使用される前の流通、販売時においては、筒壁部30aの略全体を、キャップ部11の内側に収容した状態となっている。ガイド補助部材30は、泡吐出容器50の使用開始時に、使用者が螺着スカート部27aの螺着を開放することによって、図7に示すように、ポンプヘッド部18及びピストン部12がスプリング部材34の付勢力により上昇する際に、空気ピストン13の筒状部13bの中間拡径部13gの角部分が、筒壁部30aと環状張出し壁部30bとの連接角部分に下方から当接する。これによって、ガイド補助部材30は、環状張出し壁部30bにおける筒壁部30a側の基端部の上面が、キャップ部11のガイド筒部26の下端部26bに当接するまで、上方に押し上げられる。またこれによって、ガイド補助部材30は、ポンプヘッド部18及びピストン部12が上死点まで上昇した際に、図2に示すように、筒壁部30aの上端部分を、相当の突出長さでガイド筒部26よりも上方に突出させた状態で配置される。
ガイド補助部材30は、ポンプヘッド部18及びピストン部12が上死点まで移動した後は、環状張出し壁部30bの外周縁部に連接する密着外周壁部30cが、エアシリンダー16の内周面に密着することによって、その上昇した位置を保持することができる。筒壁部30aの上端部分を相当の突出長さでガイド筒部26よりも上方に突出させたガイド補助部材30は、例えば泡吐出容器50を保管するために、ポンプヘッド部18の螺着スカート部27aをガイド筒部26の上半部分に再び螺着するまでの間、その上昇した位置を保持することによって、外部の水がエアシリンダー16の内部に流入するのを防止し続けることができる。
そして、本実施形態では、図1、図2、及び図8(a)〜(c)に示すように、泡吐出器10の発泡流路24に、内容液を発泡させる多孔部40を形成するための、可動側多孔部形成部41と固定側多孔部形成部42とが設けられている。可動側多孔部形成部41は、上述のように、発泡流路24に形成された遊嵌保持領域部44に遊嵌状態で装着された遊嵌装着部材45からなり、固定側多孔部形成部42は、上述のように、遊嵌保持領域部44の下流側に設けられた、縮径した流路開口46aを有する縮径当接係止部46からなる。
本実施形態では、可動側多孔部形成部41を構成する遊嵌装着部材45は、図5に示すように、中空又は中実の球状の部材となっている。遊嵌装着部材45は、球状の形状の外周面の全体に、多数の突起47が、突出して設けられていることで、外周面の全体に凹凸部43が形成されている。凹凸部43を形成する多数の突起47は、本実施形態では、各々、好ましくは基端部分の直径が例えば20μm以上5mm以下の大きさの円形の断面形状を備えると共に、例えば20μm以上5mm以下の高さで突出する円錐形状の突起となっている。多数の突起47は、各隣接する突起の中心軸間の間隔が例えば20μm以上5mm以下となるように、遊嵌装着部材45の外周面の全体に、好ましくは等間隔で分散配置されている。これによって、凹凸部43の凹凸の平均間隔が、20μm以上5mm以下となっている。
ここで、本発明において、凹凸部の凹凸の平均間隔は、凹凸部を構成する多数の凸部又は凹部の、各々の隣接する凸部又は凹部の中心間の間隔の平均値を算出して得られる値である。凹凸部の凹凸の平均間隔が5mm以下であれば泡を得ることが可能である。きめ細やかな泡を得ることを可能にし、またポンプヘッド部18を押圧操作する際に押圧力が過度に高くならないようにする観点から、凹凸部の凹凸の平均間隔は、20μm以上1mm以下が好ましく、20μm以上0.2mm以下がより好ましく、20μm以上0.1mm以下が更に好ましく、20μm以上50μm以下がより更に好ましい。
また、遊嵌装着部材45の外周面から突出している突起47の高さも、5mm以下であれば泡を得ることが可能である。きめ細やかな泡を得ることを可能にし、またポンプヘッド部18を押圧操作する際に押圧力が過度に高くならないようにする観点から、突起47の高さは、20μm以上1mm以下が好ましく、20μm以上0.2mm以下がより好ましく、20μm以上0.1mm以下が更に好ましく、20μm以上50μm以下がより更に好ましい。
さらに、可動側多孔部形成部41を構成する遊嵌装着部材45は、例えばポリエチレン等のポリオレフィンを射出成形して製造することができ、また好ましく焼結材料(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂や、青銅、ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属)を焼結することにより得ることができる。遊嵌装着部材45の外周面から突出する多数の突起47による凹凸の平均間隔や突起の高さを、好ましくは1mm以下にする場合には、例えば射出金型のキャビティ内面をエッチング加工したり、切削等の機械加工をすることによって、このような突起を形成することができる。
また、本実施形態では、遊嵌装着部材45は、多数の突起47の部分を含めた外径が、遊嵌保持領域部44及び縮径当接係止部46を形成する、後述する筒状係止体48の筒状本体部48aの内径よりも、小さくなるように形成されている。また、遊嵌装着部材45は、多数の突起47の部分を含めた外径が、筒状係止体48の縮径張出し部48bによる縮径当接係止部46の流路開口46aの内径、及び中空パイプ部27の上部内側張出し弁座部27cの内径よりも、大きくなるように形成されている。これらによって、遊嵌装着部材45は、筒状係止体48の縮径張出し部42と、中空パイプ部27の上部内側張出し弁座部27cとの間に形成された遊嵌保持領域部44に、遊嵌状態で装着されて、遊嵌保持領域部44の内部で自由回転しながら上下に移動できるようになっている。
本実施形態では、ヘッド本体部28の接続パイプ部28bと中空パイプ部27とが、接続パイプ部28bを介して液密に連通することによって形成された発泡流路24における、接続パイプ部28bの下端部と、中空パイプ部27の中間部分の上部内側張出し弁座部27cとの間の部分に、筒状保持体48を装着することによって、遊嵌保持領域部44と縮径当接係止部46とが形成されている。筒状保持体48は、中空パイプ部27の内径と同様の外径を備えると共に、接続パイプ部28bの内径と同様の内径を備える筒状本体部48aを含む、上面及び下面が開口面となった円筒形状の部材となっている。
筒状保持体48には、これの上部内側面から内側に張り出して、縮径張出し部48bが設けられており、この縮径張出し部48bによって、縮径当接係止部46が形成されている。縮径張出し部48bは、これの内径が、球状の遊嵌装着部材45の突起47の部分を含めた外径よりも小さくなるように、筒状保持体48の内側面から内側に張り出して設けられている。これによって、縮径当接係止部46の中央部分に、遊嵌装着部材45の外径よりも小さな内径を備える流路開口46aが形成されている。筒状保持体48は、接続パイプ部28bの下端部と、中空パイプ部27の上部内側張出し弁座部27cとの間の部分に、挟まれるようにして一体として取り付けられている。これによって、上部内側張出し弁座部27cと、筒状保持体42の縮径張出し部42aとの間の部分には、筒状保持体48の内側において、遊嵌装着部材45を、脱落させることなく、移動可能に遊嵌状態で保持する、遊嵌保持領域部44が形成される。
また、本実施形態では、筒状保持体48の縮径張出し部48bによる縮径当接係止部46は、その下面側の内周面が、凹凸のない平滑な面となっていると共に、遊嵌装着部材45の外周面の形状に沿って凹状に湾曲する、湾曲内周面46aとなっている。縮径当接係止部46の下面側の内周面が、遊嵌装着部材45の外周面の形状に沿って凹状に湾曲する湾曲内周面46aとなっていることにより、後述するように、内容液を吐出させる操作によって遊嵌保持領域部44の内圧を上昇させて、遊嵌装着部材45の外周面の凹凸部43を縮径当接係止部46の流路開口46aの周縁部分に接しさせることで、多孔部40を形成した際に、遊嵌装着部材45の凹凸部43が流路開口46aの周縁部分に接した状態を、より安定した状態で保持することが可能になる。
上述の構成を備える本実施形態の泡吐出器10では、泡吐出容器50が使用される前の流通、販売時においては、図6に示すように、ガイド筒部26の上半部分にポンプヘッド部18の螺着スカート部27aが螺着されることで、コンパクトな形状を保持する。泡吐出容器50を購入した使用者は、ガイド筒部26にポンプヘッド部18が螺着された状態を開放することで、図7に示すように、ポンプヘッド部18は、液シリンダー17の内部に配設されたスプリング部材34の弾性付勢力によって、ピストン部12と共に上昇する。ピストン部12と共に上昇するポンプヘッド部18は、図2に示すように、ガイド補助部材30の環状張出し壁部30bにおける筒壁部30a側の基端部の上面が、キャップ部11のガイド筒部26の下端部26bに当接すると、この位置を上死点として、これ以上上昇しなくなる。この上死点では、液ピストン14の下端部の液室密着外周部14aは、液シリンダー17の上端部分において当該液シリンダー17の内周面に密着すると共に、延長スリーブ部材31の下端部が、エアシリンダー16と液シリンダー17との縮径段差部分の内側底壁25に近接して配置されることで、空気流路21の下端流入口22もまた、縮径段差部分の内側底壁25に近接して配置される。
なお、ガイド補助部材30は、上述のように、ポンプヘッド部18がピストン部12と共に上死点に至った後は、密着外周壁部30cをエアシリンダー16の内周面に密着させることによって、環状張出し壁部30bにおける筒壁部30a側の基端部の上面を、キャップ部11のガイド筒部26の下端部26bに当接させた状態を保持する。したがって、引き続き繰り返して行われるポンプヘッド部18への押圧操作の際には、ポンプヘッド部18がピストン部12と共に上昇して、空気ピストン13の筒状部13bの中間拡径部13gの角部分が、ガイド補助部材30の筒壁部30aと環状張出し壁部30bとの連接角部分に下方から当接することによって、ポンプヘッド部18が上死点に至ることになる。
そして、本実施形態では、泡吐出容器50の使用時に、ポンプヘッド部18がピストン部12と共に上死点に至った泡吐出器10に対して、ポンプヘッド部18に繰り返し押圧力を加えることにより、内容液を空気と混合させて泡状にした状態で、ヘッド本体部28の吐出ノズル部28aの先端の吐出口18aから吐出させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、液シリンダー17及び液ピストン14による液室32に内容液が満たされるまで、ポンプヘッド部18を複数回、空押しして、液室32に内容液が充填された後に、さらにポンプヘッド部18への押圧操作を行なう。液ピストン14の液室円筒部14bの外周面に形成された通気溝14cの下端部による、空気流路21の下端流入口22は、開放されたままの状態となっているので(図2参照)、図8(a)〜(b)に示すように、ポンプヘッド部18の押し込みによる空気ピストン13の下降に伴って、空気室20が加圧されることで、空気室20の内部の空気が押し出されて、空気流路21を介して混合室19に送り出される。また、ポンプヘッド部18の押し込みによる液ピストン14の下降に伴って、液室32が加圧されることで、上端弁座部14dに密着していた流路ボール弁35を上方に押し上げながら、液室32の内部の内容液が、液流路23を介して混合室19に送り出される。
混合室19に送り出された内容液と空気とは、混合室19において混合され、さらに筒状保持体48の内側の遊嵌保持領域部44に送り出されて、遊嵌保持領域部44の内圧を上昇させると共に、遊嵌保持領域部44の内部に遊嵌されている遊嵌装着部材45を押し上げる。これによって、遊嵌装着部材45の外周面の凹凸部43を、縮径当接係止部46の流路開口46aの周縁部分に内側から接触させて、当該接触領域の凹凸部43によって、多孔部40を形成する。遊嵌保持領域部44に送り出された内容液と空気との混合物は、形成された多孔部40を通過することで、泡状に発泡した後に、発泡流路24を介してポンプヘッド部18の先端の吐出口18aから吐出される。
空気ピストン13の空気室密着外周部13aが、エアシリンダー16と液シリンダー17との縮径段差部分の内側底壁25に接近するまでポンプヘッド部18を押し下げて、1ストロークの押圧操作が終了したら(図8(c)参照)、ポンプヘッド部18への押圧を開放する。ポンプヘッド部18への押圧を開放すると、スプリング部材34の付勢力によって、ポンプヘッド部18と共に空気ピストン16及び液ピストン14が上方に押し上げられる。これによって、空気室20の内部及び液室32の内部が負圧になるので、空気ピストン13の環状張出しフランジ部13cに設けられたボール弁13eが開放されて、空気孔13dを介して空気室20に外気を流入させることが可能になる。また、液ピストン14の上端部の上端弁座部14dに流路ボール弁35が密着して、液流路23が閉塞されると共に、縮径当接係止部46の流路開口46aの周縁部分に内側から接していた遊嵌装着部材45(可動側多孔部形成部41)が、下方に移動して、縮径当接係止部46(固定側多孔部形成部42)から離間する。さらに、液シリンダー17の下端部に設けられた液室流入弁33の弁本体33fが、弾性付勢部33eからの付勢力に抗して上方に移動する。これによって、弁本体33fのテーパー状の外周面による略切頭円錐形状部分17aへの密着状態が外れて、液シリンダー17の流入口部17bが開放されるので、流入口部17bを介して、容器本体51に収容された内容液を液室32にスムーズに流入させることが可能になる。
これらによって、本実施形態の泡吐出器10によれば、空気流路の流入口を開閉する複雑な機構を要することなく、空気流路21を常時開放させた状態で、より簡易な構成によって、所定の気液比で安定した状態で内容液及び空気を混合室19に送り出して発泡させることが可能になる。
そして、上述の構成を備える本実施形態の泡吐出器10によれば、多孔部材を用いることなく、内容液を吐出させる操作を行なう時にのみ、内溶液を発泡させるための多孔部40が形成されるようにして、目詰りが生じるのをより確実に防止することが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、泡吐出器10は、発泡流路24に、可動側多孔部形成部41と固定側多孔部形成部42とが設けられていると共に、可動側多孔部形成部41の周面は、多数の凹凸による凹凸部43を備えており、可動側多孔部形成部41は、固定側多孔部形成部42と離間している状態から、内容液を吐出させる操作により、当該可動側多孔部形成部41の外周面の一部を、固定側多孔部形成部42の内周面に接触させることで、接触領域の凹凸部43によって多孔部40が形成されるようになっている。
これによって、本実施形態によれば、多孔部材を用いることなく、空気と混合された内容液を通過させて発泡させるための多孔部40を形成することが可能になると共に、内容液を吐出させる操作により発泡流路24に形成されていた多孔部40は、内容液を吐出させる操作を開放することで、固定側多孔部形成部42(縮径当接係止部46)の内周面に接していた可動側多孔部形成部41(遊嵌装着部材45)が、固定側多孔部形成部42から離間することによって、形成される前の状態に復帰する。またこれによって、容器50を使用していない時には、発泡流路24に多孔部が常に形成されていないことになるので、例えば泡吐出容器50の使用時に内容液を発泡させた後に、次に泡吐出容器が使用されるまでの間に、例えば数十時間〜数日程度の長時間が経過した場合でも、発泡流路24に付着した内容液が乾燥したり固化したりして、発泡流路24に目詰りが生じ易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
したがって、本実施形態の泡吐出器10によれば、容器50を使用していない時は多孔部が形成されないようにすることで、発泡流路24に目詰りを生じないようにして、内容液を吐出させる操作を、長期間に亘って安定した状態でスムーズに行うことが可能になる。
また、本実施形態の泡吐出器10によれば、空気ピストン13に延長スリーブ部材31が設けられていることで、空気流路21の下端流入口22は、環状張出しフランジ部13cが張り出して設けられた空気ピストン13の筒状部13bの下端部よりも、下方に開口している。これによって、空気流路21の下端流入口22は、少なくともポンプヘッド部18を押し下げた状態では、液シリンダー17の内側に開口するようになっている。またこれによって、ポンプヘッド部18を押し下げる際に、空気室20の空気は、延長スリーブ部材31の外周面と、液シリンダー17の内周面との間の狭い隙間を通過した後に、空気流路21の下端流入口22に至ることになるので、空気室20の内部の空気の圧力が上昇しやすくなり、従って、空気孔13dを閉塞するボール弁13eを確実に作動させことができ、所定量の空気を、安定した状態で混合室19に送り出すことが可能になる。ポンプヘッド部18を押し下げた状態において、延長スリーブ部材31は、液ピストン14の液室円筒部14bと液シリンダー17との間の間隔部分に挿入されて、これらの間隔部分の隙間を埋めることになるので、液ピストン14のこじれを防止することが可能になる。これらによって、より安定した状態で、所定の気液比で内容液及び空気を混合室19に送り出して、発泡させることが可能になる。
さらに、本実施形態の泡吐出器10によれば、例えば泡吐出容器50が浴室等で使用されて、空気室20に水が侵入した場合でも、侵入した水を排出して、侵入した水が空気室20に長期間貯留されないようにすることができる。すなわち、本実施形態によれば、延長スリーブ部材31が設けられていることで、空気流路21の下端流入口22は、少なくともポンプヘッド部18を押し下げた状態において、液シリンダー17の内側に開口するようになっている。したがって、空気室20の内部に侵入して、空気室20の底部の縮径段差部分の内側底壁25の上に貯留されている水を、ポンプヘッド部18を押圧操作して空気室20の空気を混合室19に送り込む際に、液シリンダー17の内部に流入させ、さらに空気と共に下端流入口22から空気流路21に流入させて、空気流路21を介して混合室19に送り出すことができる。空気と共に混合室19に送り出された水は、混合室29において内容液や空気と混合されて、形成された多孔部40を通過することで泡状に発泡した後に、ポンプヘッド部18の先端の吐出口18aから内容液と共に吐出される。これによって、空気室20に水が侵入した場合でも、侵入した水をスムーズに排出して、空気室20に雑菌が発生したり、侵入した水が腐敗したり、悪臭を発生させたりするのを、効果的に回避することが可能になる。
さらにまた、本実施形態の泡吐出器10によれば、吐出される内容液に殺菌作用又は抗菌作用を有する成分が含まれている場合に、内容液を空気室20の内部に送り込むことで、空気室20の内部を殺菌して、泡吐出容器50をより衛生的に使用させることが可能になる。すなわち、本実施形態によれば、空気流路の流入口を開閉する複雑な機構は設けられておらず、空気流路21の下端流入口22は、ポンプヘッド部18の押圧を開放した後も、開放したままの状態となっている。したがって、ポンプヘッド部18への押圧を開放して、空気ピストン13が上昇することで空気室20が負圧になった際に、負圧による吸引力によって、発泡流路24等に残留する内容液を、空気流路21を介して逆流させて、下端流入口22から空気室20に送り込むことができる。空気室20に送り込まれた内容液の殺菌作用又は抗菌作用によって、泡吐出容器50を長期間、衛生的に使用することが可能になる。なお、内容液を逆流させる量は、例えば空気流路21の流路面積、流路長等で調整することができる。
そして、本実施形態の泡吐出器10は、ポンプヘッド部18を押圧操作する際に、例えば10〜30mmの縦ストロークで、4〜20ccの空気を空気室20から混合室19に送り込み、0.3〜1.55ccの内容液を液室32から混合室19に送り込むことができるように、適宜混合比を可変にして設計することができる。好ましくは、13ccの空気を送り込み、1ccの内容液を送り込むか、或いは送り込まれる空気と内容液の比が13:1となるように設計することもできる。
また、上記の各範囲内では、本実施形態の泡吐出器10は、ポンプヘッド部18を押圧操作する際に、例えば25mmの縦ストロークで、13ccの空気を空気室20から混合室19に送り込み、1ccの内容液を液室32から混合室19に送り込むように設計することもできる。このため、1mmの縦ストロークあたり、0.52cc/mmの空気を送り込み、0.04cc/mmの内容液を送り込むことが可能なように、例えば、容器本体51の口首部52の口内径がφ29.5mm、容器本体51の最長幅が90mm、エアシリンダー16の外径がφ29.4mm付近となるように設計することができる。
これによって、例えば18mmの縦ストロークで、13ccの空気を空気室から混合室に送り込み、1ccの内容液を液室から混合室に送り込むために、1mmの縦ストロークあたり、0.72cc/mmの空気を送り込み、0.056cc/mmの内容液を送り込むことが可能なように、例えば、容器本体の口首部の口内径がφ36.1mm、容器本体の最長幅が90mm、エアシリンダーの外径がφ34.9mmとなるように設計された、従来の泡吐出器と比較して、エアシリンダー16を小径にすることが可能になると共に、ストロークを長くすることが可能になって、押圧操作する際の慣性力が働くことで、内容液を泡状にして吐出するときの抵抗を軽くすることが可能になる。
また、エアシリンダー16を小径にすることで、容器本体51の口首部52の口内径を小さくすることが可能になって、樹脂量が減るばかりか、容器本体51の口首部52の口内径の寸法安定性も向上させることが可能になる。同じ樹脂量の容器本体をプロ―成形により成形する場合、容器本体の口首部の口内径が小さい方が、口首部の肉をブローピンで仕上げる際に、賦形性がよくなり、寸法安定性に優れることになる。
さらに、容器本体の口首部の口内径が小さい方が、パリソンの径を小さくすることができ、その結果、容器本体の底部のピンチオフ部の幅を狭くすることが可能になって、ESCR(耐環境応力破壊)に優れた容器を成形することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の泡吐出器は、ポンプヘッド部への押圧操作を行うことにより、液室から混合室に内容液を送り出すと共に、空気室から混合室に空気を送り出し、混合室から吐出口に至る発泡流路において発泡させて吐出させるポンプフォーマーの他、スクイズフォーマー等の、その他の種々の泡吐出器の発泡流路に、可動側多孔部形成部と固定側多孔部形成部とを接触させることで多孔部を形成させて、本発明の泡吐出器とすることができる。内容液を吐出させる操作は、例えばスイッチを入れることで電動ポンプを作動させ、液圧によって可動側多孔部形成部が動くようにする操作であっても良く、例えばスイッチを入れることで、機械的に可動側多孔部形成部が動くようにする操作であっても良い。
図9(a)、(b)は、本発明の好ましい他の実施形態に係る泡吐出器70が容器本体81の口首部82に取り付けられた、泡吐出容器の他の形態として、スクイズフォーマー容器80を説明する断面図である。図10(a)、(b)に示すスクイズフォーマー容器80では、泡吐出器70は、いわゆるスクイズフォーマーであって、従来のスクイズフォーマーと同様に、スクイズフォーマー容器80の容器本体81の口首部82に装着されて、内容液を空気と混合することにより泡状にして吐出する機能を備えている。すなわち、図9(a)、(b)に示すスクイズフォーマー容器80では、容器本体81は、胴部81aを把持して押圧力を加えることにより、弾性変形可能な可撓性を備えている。胴部81aを把持して押圧(スクイズ)することによって(図9(b)参照)、容器本体81の内部に収容された内容液を、チューブ部材83及び液流路71を介して、泡吐出器70の内部に合流空間として設けられた混合室73に送り出すと共に、容器本体81の内部のヘッドスペース部の空気を、空気流路72を介して混合室73に送り出すことができるようになっている。混合室73に送られて空気と混合された内容液は、混合室73から吐出口74に至る発泡流路75において発泡させて吐出させることができるようになっている。
図9(a)、(b)に示す他の実施形態の泡吐出器70では、混合室73の下流側の発泡流路75に、上述の実施形態の泡吐出器10と同様に、可動側多孔部形成部76と固定側多孔部形成部77とが設けられていると共に、可動側多孔部形成部76の周面は、多数の凹凸による凹凸部78を備えている。可動側多孔部形成部76は、固定側多孔部形成部77と離間している状態から(図9(a)参照)、内容液を吐出させる操作により、当該可動側多孔部形成部76の周面の少なくとも一部が、発泡流路75において固定側多孔部形成部77の周面に接触することで、接触領域の凹凸部78によって多孔部79が形成されるようになっている(図9(b)参照)。これによって、本他の実施形態の泡吐出器70によれば、上記実施形態の泡吐出器10と同様に、容器80を使用していない時は多孔部が形成されないようにすることで、発泡流路75に目詰りを生じないようにして、内容液を吐出させる操作を、長期間に亘って安定した状態でスムーズに行うことが可能になる。本他の実施形態の泡吐出器70においても、上記実施形態の泡吐出器10と同様の、上述の凸部78の凹凸の平均間隔や、凹凸を形成する突起の高さや、可動側多孔部形成部76及び凹凸部78を製造したり形成したりする方法を採用することができる。
また、可動側多孔部形成部が、発泡流路に形成された遊嵌保持領域部に遊嵌状態で装着された遊嵌装着部材である場合に、遊嵌装着部材は、図5に示すような、球状の部材の外周面に多数の突起47を突出して設けることで、外周面に凹凸部43が形成されているものである必要は必ずしも無い。例えば、図10(a)に示すように、球状の部材の外周面に多数の凹部を設けることで、外周面に凹凸部が形成されているものであっても良い。図10(b)に示すように、球状の部材の外周面に縦横に交差させて多数の凹溝を設けることで、外周面に凹凸部が形成されているものであっても良い。遊嵌装着部材は、球状の形状を備えている必要は必ずしも無く、例えば楕円球状や、多面体形状等の、その他の種々の形状を備えていても良い。
さらに、可動側多孔部形成部は、発泡流路に形成された遊嵌保持領域部に遊嵌状態で装着された、遊嵌装着部材である必要は必ずしも無く、例えば図11に示すように、可動側多孔部形成部41’を、ポンプヘッド部18’に設けられたピストンロッド部49aとし、固定側多孔部形成部42’を、発泡流路24’に設けられたシリンダー部49bとして、ポンプヘッド部18’を押圧して内容液を吐出させる操作により、ピストンロッド部49aの外周面をシリンダー部49bの内周面に接触させて、接触領域における、ピストンロッド部49aの外周面及びシリンダー部49bの内周面の双方又は一方に設けられた凹凸部によって、内容液を空気と共に通過させて発泡させる多孔部40’が、形成されるようにすることもできる。
上述した各実施形態に関し、本発明は更に以下の泡吐出器を開示する。
<1>液流路を介して送り出される内容液を、空気と共に発泡流路に形成された多孔部を通過させて、発泡させた状態で吐出させる泡吐出器であって、
前記発泡流路に、可動側多孔部形成部と固定側多孔部形成部とが設けられていると共に、該可動側多孔部形成部及び固定側多孔部形成部の双方又は一方の周面は、多数の凹凸による凹凸部を備えており、
前記可動側多孔部形成部は、内容液を吐出させる操作により、周面の少なくとも一部が前記固定側多孔部形成部に接触状態となり、該接触状態において、前記可動側多孔部形成部と前記固定側多孔形成部との接触領域に、前記凹凸部による隙間によって前記多孔部が形成される泡吐出器。
<2>好ましくは前記凹凸部は、凹凸の平均間隔が5mm以下の多数の凹凸からなる前記<1>記載の泡吐出器。
<3>好ましくは容器本体の口首部にキャップ部を介して装着され、該キャップ部に対して往復動可能に設けられたポンプヘッド部と、内容液が収容されている液室及び空気が収容されている空気室とを有し、前記ポンプヘッド部を押圧する操作により、前記液室から混合室に内容液を圧送可能な液流路と、前記空気室から混合室に空気を圧送可能な空気流路とを備え、前記発泡流路は混合室から吐出口に至る流路に形成されている前記<1>又は<2>記載の泡吐出器。
<4>好ましくは前記可動側多孔部形成部は、前記発泡流路に形成された遊嵌保持領域部に遊嵌状態で装着された遊嵌装着部材からなり、前記固定側多孔部形成部は、前記遊嵌保持領域部の下流側に設けられた、縮径した流路開口を有する縮径当接係止部からなり、内容液を吐出させる操作によって前記遊嵌保持領域部の内圧が上昇した際に、前記遊嵌装着部材の周面が、前記縮径当接係止部の流路開口の周縁部分に接触することで、接触領域の前記凹凸部によって前記多孔部が形成される前記<1>〜<3>のいずれか1記載の泡吐出器。
<5>好ましくは前記遊嵌装着部材は、球状の形状を備えており、前記遊嵌保持領域部の内部で自由回転しながら移動する前記<4>記載の泡吐出器。
<6>好ましくは前記遊嵌装着部材は、球状の形状の外周面の全体に、前記凹凸部を備えている前記<5>記載の泡吐出器。
<7>好ましくは前記可動側多孔部形成部は、前記ポンプヘッド部に設けられたピストンロッド部からなり、前記固定側多孔部形成部は、前記発泡流路に設けられたシリンダー部からなり、前記ポンプヘッド部を押圧して内容液を吐出させる操作により、前記ピストンロッド部の外周面が前記シリンダー部の内周面に接触して、接触領域の前記凹凸部によって前記多孔部が形成される前記<3>記載の泡吐出器。
<8>好ましくは容器本体の口首部に装着され、容器本体は、胴部を把持して押圧力を加えることにより、弾性変形可能な可撓性を備えており、胴部を把持して押圧することによって、容器本体の内部に収容された内容液を、液流路を介して混合室に送り出すと共に、容器本体の内部のヘッドスペース部の空気を、空気流路を介して混合室に送り出し、空気と混合された内容液を、混合室から吐出口に至る前記発泡流路において発泡させて吐出させるようになっている前記<1>又は<2>記載の泡吐出器。
<9>好ましくは前記凹凸部の凹凸の平均間隔は、20μm以上5mm以下である前記<1>〜<8>のいずれか1記載の泡吐出器。
<10>好ましくは前記凹凸部の凹凸を形成している突起の高さは、20μm以上5mm以下である前記<1>〜<9>のいずれか1記載の泡吐出器。
<11>好ましくは前記可動側多孔部形成部を構成する遊嵌装着部材は、ポリエチレン等のポリオレフィンを射出成形して、又は焼結材料を焼結して得られる前記<4>〜<10>のいずれか1記載の泡吐出器。
<12>好ましくは前記凹凸部の凹凸を形成している突起は、射出金型のキャビティ内面をエッチング加工して、切削等の機械加工を行って得られる前記<1>〜<11>のいずれか1記載の泡吐出器。
10 泡吐出器(ポンプフォーマー)
11 キャップ部
12 ピストン部
13 空気ピストン
14 液ピストン
15 シリンダー部
16 エアシリンダー
17 液シリンダー
18 ポンプヘッド部
19 混合室
20 空気室
21 空気流路
23 液流路
24 発泡流路
27 中空パイプ部
27c 上部内側張出し弁座部
28 ヘッド本体部
28a 吐出ノズル部
28b 接続パイプ部
32 液室
34 スプリング部材
35 流路ボール弁
40 多孔部
41 可動側多孔部形成部
42 固定側多孔部形成部
43 凹凸部
44 遊嵌保持領域部
45 遊嵌装着部材
46 縮径当接係止部
46a 流路開口
47 突起
48 筒状本体部
48a 筒状本体部
48b 縮径張出し部
50 泡吐出容器(ポンプフォーマー容器)
51 容器本体
52 口首部
70 泡吐出器(スクイズフォーマー)
71 液流路
72 空気流路
73 混合室
74 吐出口
75 発泡流路
76 可動側多孔部形成部
77 固定側多孔部形成部
78 凹凸部
79 多孔部
80 泡吐出容器(スクイズフォーマー容器)
81 容器本体
81a 胴部
82 口首部
83 チューブ部材

Claims (7)

  1. 液流路を介して送り出される内容液を、空気と共に発泡流路に形成された多孔部を通過させて、発泡させた状態で吐出させる泡吐出器であって、
    前記発泡流路に、可動側多孔部形成部と固定側多孔部形成部とが設けられていると共に、該可動側多孔部形成部及び固定側多孔部形成部の双方又は一方の周面は、多数の凹凸による凹凸部を備えており、
    前記可動側多孔部形成部は、内容液を吐出させる操作により、周面の少なくとも一部が前記固定側多孔部形成部に接触状態となり、該接触状態において、前記可動側多孔部形成部と前記固定側多孔形成部との接触領域に、前記凹凸部による隙間によって前記多孔部が形成される泡吐出器。
  2. 前記凹凸部は、凹凸の平均間隔が5mm以下の多数の凹凸からなる請求項1記載の泡吐出器。
  3. 容器本体の口首部にキャップ部を介して装着され、該キャップ部に対して往復動可能に設けられたポンプヘッド部と、内容液が収容されている液室及び空気が収容されている空気室とを有し、前記ポンプヘッド部を押圧する操作により、前記液室から混合室に内容液を圧送可能な液流路と、前記空気室から混合室に空気を圧送可能な空気流路とを備え、前記発泡流路は混合室から吐出口に至る流路に形成されている請求項1又は2記載の泡吐出器。
  4. 前記可動側多孔部形成部は、前記発泡流路に形成された遊嵌保持領域部に遊嵌状態で装着された遊嵌装着部材からなり、前記固定側多孔部形成部は、前記遊嵌保持領域部の下流側に設けられた、縮径した流路開口を有する縮径当接係止部からなり、内容液を吐出させる操作によって前記遊嵌保持領域部の内圧が上昇した際に、前記遊嵌装着部材の周面が、前記縮径当接係止部の流路開口の周縁部分に接触することで、接触領域の前記凹凸部によって前記多孔部が形成される請求項1〜3の何れか1項記載の泡吐出器。
  5. 前記遊嵌装着部材は、球状の形状を備えており、前記遊嵌保持領域部の内部で自由回転しながら移動する請求項4記載の泡吐出器。
  6. 前記遊嵌装着部材は、球状の形状の外周面の全体に、前記凹凸部を備えている請求項5記載の泡吐出器。
  7. 前記可動側多孔部形成部は、前記ポンプヘッド部に設けられたピストンロッド部からなり、前記固定側多孔部形成部は、前記発泡流路に設けられたシリンダー部からなり、前記ポンプヘッド部を押圧して内容液を吐出させる操作により、前記ピストンロッド部の外周面が前記シリンダー部の内周面に接触して、接触領域の前記凹凸部によって前記多孔部が形成される請求項3記載の泡吐出器。
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