JP2017171247A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の加熱対象を加熱する際に冷却液の熱を有効に利用することが可能な車両用空調装置を提供する。【解決手段】車両用空調装置は、冷媒を圧縮するコンプレッサと、高温高圧の冷媒とエンジン冷却部から送出された冷却液との間で熱交換を行う凝縮器と、熱交換で加熱された冷却液と車室内へ送られる空気との間で熱交換を行う第1加熱対象と、エンジン冷却部に導入される冷却液と低温低圧の冷媒との間で熱交換を行う蒸発器と、を具備し、加熱された冷却液を、第1加熱対象に流すための冷却液通路と、加熱された冷却液を、第1加熱対象とは別の第2加熱対象に流すための冷却液通路と、各冷却液通路を開閉する開閉部と、加熱された冷却液を流す流入先を第2加熱対象から第1加熱対象に所定のタイミングで切り替えるように開閉部を制御する制御部と、を備える。【選択図】図1A
Description
本発明は、車両用空調装置に関する。
従来の車両用の暖房装置として、高温になったエンジン冷却水(冷却液)をヒーターコアに流入させ、冷却液と空気との間で熱交換を行い、暖められた空気を車室内に供給することで、車室内を暖房する温水式ヒータが多く採用されている。
例えば、特許文献1には、既存の温水式ヒータを基本としつつ、ヒートポンプを利用して冷却液を加熱する構成を付加した車両用空調装置が開示されている。
特許文献1のヒートポンプは、冷媒を高温高圧にするコンプレッサと、高温高圧にされた冷媒と冷却液との間で熱交換を行うことで、冷却液を加熱する凝縮器とを有する。これにより、ヒーターコアに流入する冷却液の温度がより高温となり、既存のものより暖房性能を向上させることが可能となる。
ところで、例えば、車両のオートマチックランスミッションには、エンジン側の力をATF(Automatic Transmission Fluid)を介してミッション側に伝えるトルクコンバータが設けられている。なお、ATFを、ATオイルまたはATFオイルという場合がある。
トルクコンバータには、例えばエンジンの負荷やトランスミッションアウトプットシャフト回転数に応じて、エンジン側とミッション側の回転軸を直結した状態(以下、ロックアップと称する)にするロックアップ機構が設けられている。
なお、トルクコンバータは、ATFの温度が低いと粘性抵抗が高いためにロックアップ等の制御に入れず、そのため、ATFの温度が上がるまでエンジン回転数を上げる制御をしており、燃費が低下する。
燃費の低下を抑えるためには、ATFの温度を上げる必要がある。
つまり、ヒーターコアの他にも、ATFのように、温度を上げる必要がある加熱対象が存在している。
本発明の目的とするところは、複数の加熱対象を加熱する際に冷却液の熱を有効に利用することが可能な車両用空調装置を提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明に係る車両用空調装置は、
冷媒を圧縮するコンプレッサと、
高温高圧の冷媒とエンジン冷却部から送出された冷却液との間で熱交換を行う凝縮器と、
前記熱交換で加熱された冷却液と車室内へ送られる空気との間で熱交換を行う第1加熱対象と、
前記エンジン冷却部に導入される冷却液と低温低圧の冷媒との間で熱交換を行う蒸発器と、
を具備し、
前記加熱された冷却液を、前記第1加熱対象に流すための冷却液通路と、
前記加熱された冷却液を、前記第1加熱対象とは別の第2加熱対象に流すための冷却液通路と、
前記各冷却液通路を開閉する開閉部と、
前記加熱された冷却液を流す流入先を前記第2加熱対象から前記第1加熱対象に所定のタイミングで切り替えるように前記開閉部を制御する制御部と、
を備える。
冷媒を圧縮するコンプレッサと、
高温高圧の冷媒とエンジン冷却部から送出された冷却液との間で熱交換を行う凝縮器と、
前記熱交換で加熱された冷却液と車室内へ送られる空気との間で熱交換を行う第1加熱対象と、
前記エンジン冷却部に導入される冷却液と低温低圧の冷媒との間で熱交換を行う蒸発器と、
を具備し、
前記加熱された冷却液を、前記第1加熱対象に流すための冷却液通路と、
前記加熱された冷却液を、前記第1加熱対象とは別の第2加熱対象に流すための冷却液通路と、
前記各冷却液通路を開閉する開閉部と、
前記加熱された冷却液を流す流入先を前記第2加熱対象から前記第1加熱対象に所定のタイミングで切り替えるように前記開閉部を制御する制御部と、
を備える。
本発明によれば、複数の加熱対象を加熱する際に冷却液の熱を有効に利用することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1Aおよび図1Bは、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置1における冷却液および冷媒の流れを示す説明図である。図2Aは、冷却液回路の構成を概略的に示す図である。なお、図1Aおよび図1Bでは、冷媒が流れている配管および冷却液配管のうち冷却液が流れている配管のみを示し、冷却液が流れていない配管を省略して示す。また、図2Aでは冷媒回路を省略して示す。
図1Aおよび図1Bは、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置1における冷却液および冷媒の流れを示す説明図である。図2Aは、冷却液回路の構成を概略的に示す図である。なお、図1Aおよび図1Bでは、冷媒が流れている配管および冷却液配管のうち冷却液が流れている配管のみを示し、冷却液が流れていない配管を省略して示す。また、図2Aでは冷媒回路を省略して示す。
本実施の形態では、発熱部品としてのエンジン(内燃機関)を有する車両に搭載されて、車室内の空気調整を行う車両用空調装置1について説明する。
本実施の形態の車両用空調装置1は、複数の運転モードに切り換えられて動作する。このために、車両用空調装置1は、図1および図2Aに示すように、構成ユニット10、コンプレッサ(圧縮機)38、エンジン冷却部40、ヒーターコア44、エバポレータ48、膨張弁37、逆止弁15、ATFオイルクーラー80、開閉部90、および、これらの間を結ぶ冷却液の配管および冷媒配管等を有する。ヒーターコア44と、エバポレータ48とは、HVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)70の吸気通路内に配置される。HVAC70には、吸気を流すファンF1が設けられている。
構成ユニット10は、蒸発器11と、凝縮器12と、第1開閉弁13と、第2開閉弁14と、膨張弁16とを有する。また、開閉部90は、開閉弁91,92,93を有する。
構成ユニット10は、蒸発器11と、凝縮器12と、第1開閉弁13と、第2開閉弁14と、膨張弁16とを有する。また、開閉部90は、開閉弁91,92,93を有する。
コンプレッサ38は、エンジンの動力または電気により駆動して、吸入した冷媒を圧縮して、高温高圧となった冷媒を吐出する。高温高圧の冷媒は、凝縮器12に送られる。低圧の冷媒は、構成ユニット10の蒸発器11、又は、エバポレータ48から合流管を介してコンプレッサ38へ吸入される。
エンジン冷却部40は、ポンプを有し、エンジンから熱を冷却液に放出させる。ポンプは冷却液を移送する。冷却液の移送方向を図1に矢印で示す。なお、エンジン冷却部40には、熱を外気に放出するラジエータが備えられていてもよい。
冷却液は、例えば、LLC(Long Life Coolant)などの不凍液であり、熱を運ぶための液体である。
ヒーターコア44は、冷却液と空気との間で熱交換を行う機器であり、車室内へ空気を供給するHVAC70の吸気通路内に配置される。ヒーターコア44には、加熱された冷却液が供給され、暖房運転時に車室内へ供給される空気に熱を放出する。ヒーターコア44は、ドア44aの開度により車室内に供給する空気の量を調整する。ドア44aは電気的な制御で開閉する。ヒーターコア44が本発明の第1加熱対象に対応する。
ATFオイルクーラー80は、オートマチックトランスミッション(図示略)に収容されたATFの温度を適正に保つ冷却装置である。ATFオイルクーラー80が本発明の第2加熱対象に対応する。なお、ここで、加熱対象とは、凝縮器12から送出された冷却液の熱によって直接的または間接的に加熱される対象をいう。
ATFオイルクーラー80の冷却液の導入口は、凝縮器12を介して又は介さずに、エンジン冷却部40の冷却液の送出口に連通されている。また、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口は、配管を介してエンジン冷却部40の冷却液の導入口に連通されている。
オートマチックトランスミッションには、ATFを介してエンジン側の力をミッション側に伝えるためのトルクコンバータ(図示略)が設けられている。トルクコンバータは、エンジン側とミッション側の回転軸を直結するロックアップ機構(図示略)を有している。
エバポレータ48は、低温低圧の冷媒と、空気との間で熱交換を行う機器であり、HVAC70の吸気通路内に配置される。エバポレータ48には、冷房運転時、除湿運転時、また温調運転時に低温低圧の冷媒が流され、車室内へ供給される空気を冷却する。
膨張弁37は、高温高圧の冷媒を膨張させ、低温低圧になった冷媒をエバポレータ48に吐出する。
構成ユニット10は、蒸発器11と、凝縮器12と、第1開閉弁13と、第2開閉弁14と、膨張弁16とを有する。
蒸発器11は、冷温低圧の冷媒を流す通路と、冷却液を流す通路とを有し、冷媒と冷却液との間で熱交換を行う。蒸発器11には、所定の運転モードのときに、膨張弁16から低温低圧の冷媒が導入されて、冷媒が蒸発する際に冷却液から冷媒へ熱が移動する。これにより、蒸発器11は、低温低圧の冷媒を気化させる。
蒸発器11の冷却液の導入口は、配管を介してヒーターコア44に連通され、蒸発器11の冷却液の送出口は、配管を介してエンジン冷却部40に連通されている。蒸発器11の冷媒の導入口は、配管を介して膨張弁16に連通され、蒸発器11の冷媒の送出口は、コンプレッサ38の吸入口へ合流する配管に連通されている。
凝縮器12は、高温高圧の冷媒を流す通路と、冷却液を流す通路とを有し、冷媒と冷却液との間で熱交換を行う。凝縮器12には、所定の運転モードのときに、コンプレッサ38から高温高圧の冷媒が送られて、冷媒が凝縮する際に冷媒から冷却液へ熱が移動する。
図1および図2Aに示すように、凝縮器12の冷却液の導入口は、開閉部90を介してエンジン冷却部40に連通され、凝縮器12の冷却液の送出口は、開閉部90を介してヒーターコア44およびATFオイルクーラー80のいずれかに選択的に連通される。凝縮器12の冷媒の導入口は、配管を介してコンプレッサ38の吐出口へ連通され、凝縮器12の冷媒の送出口は、膨張弁16に連通されている。
図2Aに示すように、冷却液回路は、蒸発器11、凝縮器12、エンジン冷却部40、ヒーターコア44、ATFオイルクーラー80、開閉部90、およびこれらの間を結ぶ冷却液の配管を有する。
開閉部90は、それぞれの冷却液通路を開閉する開閉弁91〜93を有する。開閉弁91〜93は、例えば3方向電磁弁である。ここで、冷却液通路とは、例えばエンジン冷却部40の冷却液の送出口と凝縮器12の冷却液の導入口との間のように、二者間を結ぶ通路(配管)をいう。
開閉弁91は、エンジン冷却部40の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間の冷却液通路、または、エンジン冷却部40の冷却液の送出口と凝縮器12の冷却液の導入口との間の冷却液通路の一方を開いたとき、他方の冷却液通路を閉塞するように構成されている。
開閉弁92は、エンジン冷却部40の冷却液の送出口とATFオイルクーラー80の冷却液の導入口との間の冷却液通路、または、エンジン冷却部40の冷却液の送出口と凝縮器12の冷却液の導入口との間の冷却液通路の一方を開いたとき、他方の冷却液通路を閉塞するように構成されている。
開閉弁93は、凝縮器12の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間の冷却液通路、または、凝縮器12の冷却液の送出口とATFオイルクーラー80の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放したとき、他方の冷却液通路を閉塞するように構成されている。
空調自動制御部51(図3参照)は、ATFの温度およびロックアップ情報に基づいて、冷却液が流れる冷却液通路を切り替えるように開閉弁91〜93を制御する。
図1および図2Aに示すように、第1開閉弁13および第2開閉弁14は、例えば電気的な制御により、冷媒配管の開閉を切り替える弁であり、例えば電磁弁である。第1開閉弁13は、凝縮器12の送出口側の冷媒通路の分岐部と、エバポレータ48の冷媒導入口との間の冷媒通路を開閉する。第2開閉弁14は、凝縮器12送出口側の冷媒通路の分岐部と、膨張弁16の冷媒導入口と間の冷媒通路を開閉する。
膨張弁16は、高圧の冷媒を膨張させ、低温低圧になった冷媒を蒸発器11に吐出する。
逆止弁15は、コンプレッサ38とエバポレータ48との間に設けられ、上記分岐部とエバポレータ48の冷媒導入口との間の冷媒通路に冷媒が流れない運転モードのときに、冷媒の逆流を防ぐ弁である。
図3は、本発明の実施の形態の車両用空調装置1の制御構成を示すブロック図である。
車両用空調装置1は、制御系の構成として、空調自動制御部51と、HVAC制御部71と、ヒートポンプ暖房制御部52と、ヒートポンプ暖房スイッチ55とを備えている。
空調自動制御部51は、マイクロコンピュータ、I/O、制御プログラムを格納したプログラムメモリ、作業用のメモリ等を備え、マイクロコンピュータが制御プログラムに従って空調の自動制御を行う構成である。
空調自動制御部51には、ユーザー設定情報と環境情報と駆動制御情報とが入力される。
ユーザー設定情報は、例えばインパネ(Instrument Panel)の操作部を介してユーザーにより設定される空調に関する情報である。ユーザー設定情報には、例えば、主に冷房又は除湿のためにヒートポンプの作動を指示するためのA/Cスイッチ情報、設定温度情報、設定送風量情報などが含まれる。
環境情報は、車両又は車両用空調装置1に設けられた各種センサから得られる情報である。環境情報には、例えば、ATFの温度情報、外気温度情報、車室内温度情報、ドア44aの開度情報などが含まれる。
駆動制御情報は、車載された各種装置を制御するための情報であって、それらを制御する制御部(図示略)から得られる情報である。駆動制御情報には、例えば、トルクコンバータがロックアップであるか否かを示すロックアップ情報、エンジンの始動情報などが含まれる。
また、空調自動制御部51は、コンプレッサ38を起動する制御を行う。
さらに、空調自動制御部51は、HVAC制御部71へ指令(ドア制御などの空調制御信号)を送って、ヒーターコア44のドア44aの開閉、その他、HVAC70の各ドアの開閉、および、ファンF1の駆動等の各制御を行う。HVAC制御部71は、空調自動制御部51からの指令に基づき、HVAC70の各駆動部の制御を統括的に行う構成である。
空調自動制御部51は、また、ヒートポンプ暖房制御部52との間で所定の情報を送受信可能な通信手段を備えている。この通信手段は、シリアルバスやCAN(Controller Area Network)であってもよいし、専用の信号線を介した通信手段であってもよい。
ヒートポンプ暖房制御部52は、マイクロコンピュータまたはシーケンサーから構成することができる。ヒートポンプ暖房制御部52は、第1開閉弁13と第2開閉弁14との開閉制御を行って、主に、ヒートポンプ式暖房モードの切換制御を行う。
ヒートポンプ暖房制御部52には、ヒートポンプ式暖房モードの要否を判別するための情報が入力される。具体的には、この情報は、ヒートポンプ暖房スイッチ55のオン・オフを示すスイッチ情報(ヒートポンプ暖房起動信号)である。ヒートポンプ暖房スイッチ55は、ユーザーが操作可能な操作スイッチである。ヒートポンプ暖房制御部52は、ユーザーがヒートポンプ暖房スイッチ55をオン操作してヒートポンプ暖房起動信号が入力された場合に、ヒートポンプ式暖房モードへの移行が必要であると判別することができる。
ヒートポンプ暖房制御部52には、ヒートポンプ式暖房モードの要否を判別するための情報として、外気温度情報、車室内温度情報、および、環境情報、並びに、車室内温度の設定情報などが入力される。また、ヒートポンプ式暖房モードの要否を判別するための情報として、ドア44aの開度情報など車両用空調装置1の状態情報が含まれる。なお、これら全ての情報が入力される必要はなく、幾つかの情報のみが入力されてもよい。これらの情報に基づいて、ヒートポンプ暖房制御部52は、暖房用にエンジン排熱等の熱が不足していることを検知して、ヒートポンプ式暖房モードへの移行が必要であると判別することができる。
ヒートポンプ暖房制御部52は、空調自動制御部51との間で所定の情報を送受信可能な通信手段を備えている。通信線は、特に制限されないが、コネクタCN1(接続部に相当)を介してヒートポンプ暖房制御部52に接続される。
ヒートポンプ暖房制御部52と空調自動制御部51との間の通信では、少なくとも、後者から前者へA/Cスイッチ情報(空調スイッチ情報に相当)が送られ、前者から後者へコンプレッサ起動要求信号が送信される。
A/Cスイッチ情報は、例えばインパネ(Instrument Panel)の操作部に設けられたA/C(Air Conditioner)スイッチのオン・オフ情報である。A/C(Air Conditioner)スイッチは、主に冷房又は除湿のためにユーザーがコンプレッサ38の起動を指示する操作スイッチである。
コンプレッサ起動要求信号は、コンプレッサ38の起動を要求する信号であり、この信号により、A/Cスイッチがオフであっても、ヒートポンプ暖房制御部52からコンプレッサ38を起動することが可能となる。
ヒートポンプ暖房制御部52は、ヒートポンプ式暖房モードへの移行が必要であると判別した場合、空調自動制御部51からの情報により、コンプレッサ38が駆動しているか判別し、駆動していなければコンプレッサ起動要求信号を空調自動制御部51へ送る。空調自動制御部51は、A/Cスイッチがオフであっても、コンプレッサ起動要求信号により、コンプレッサ38を駆動させる。さらに、ヒートポンプ暖房制御部52は、第1開閉弁13および第2開閉弁14の開閉制御を行って、ヒートポンプ式暖房モードへ移行する制御を行う。
なお、空調自動制御部51とヒートポンプ暖房制御部52とで通信される情報には、現在の車両用空調装置1の運転モードを示す情報、および、HVAC70の各ドアの開度情報等が含まれてもよい。
さらに、空調自動制御部51は、ヒートポンプ式暖房モードにおいて、所定のタイミングで冷却液通路を切り替えるように開閉部90の制御を行う。ここで、冷却液通路の切り替えることは、加熱対象の切り替えることに相当する。また、加熱対象の切り替え前の車両用空調装置1および冷却液回路を図1Aおよび図2Bにそれぞれ示し、加熱対象の切り替え後の車両用空調装置1および冷却液回路を図1Bおよび図2Cに示す。
空調自動制御部51は、ヒートポンプ式暖房モードにおいて、ATFの温度が所定値を超えておらず、かつ、トルクコンバータがロックアップでない場合、エンジン冷却部40の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放すると共に、エンジン冷却部40の冷却液の送出口と凝縮器12の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞するように開閉弁91を制御する。
さらに、空調自動制御部51は、エンジン冷却部40の冷却液の送出口とATFオイルクーラー80の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞すると共に、エンジン冷却部40の冷却液の送出口と凝縮器12の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放するように開閉弁92を制御する。
さらに、空調自動制御部51は、凝縮器12の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞すると共に、凝縮器12の冷却液の送出口とATFオイルクーラー80の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放するように開閉弁93を制御する(図1A、図2B参照)。
以上のように、空調自動制御部51がそれぞれの冷却液通路を切り替えるように開閉弁91〜93を制御することで、凝縮器12からの加熱された冷却液がATFオイルクーラー80に流れる。これにより、冷却液とATFとで熱交換が行われ、ATFの温度が上昇する。
空調自動制御部51は、ヒートポンプ式暖房モードにおいて、ATFの温度が所定値を超え、または、トルクコンバータがロックアップである場合、エンジン冷却部40の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞すると共に、エンジン冷却部40の冷却液の送出口と凝縮器12の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放するように開閉弁91を制御する。
さらに、空調自動制御部51は、エンジン冷却部40の冷却液の送出口とATFオイルクーラー80の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放すると共に、エンジン冷却部40の冷却液の送出口と凝縮器12の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞するように開閉弁92を制御する。
さらに、空調自動制御部51は、凝縮器12の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放すると共に、凝縮器12の冷却液の送出口とATFオイルクーラー80の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞するように開閉弁93を制御する(図1Bおよび図2C参照)。
以上のように、空調自動制御部51がそれぞれの冷却液通路を切り替えるように開閉弁91〜93を制御することで、凝縮器12からの加熱された冷却液がヒーターコア44に流れる。これにより、冷却液と空気とで熱交換が行われ、車室内に供給される空気が暖められる。
次に、車両用空調装置1の動作について説明する。
車両用空調装置1は、ヒートポンプ式暖房モード、温水式暖房モード、温調モード、および、冷房モードなど、いくつかの動作モードに切り換えられて動作する。ヒートポンプ式暖房モードは、ヒートポンプを作動させて車室内を暖房するモードである。温水式暖房モードは、ヒートポンプを作動させずに車室内を暖房するモードである。冷房モードはヒートポンプの作用により車室内を冷房するモードである。温調モードは、低温冷媒による空気の冷却および除湿と、高温の冷却液による空気の加熱とを適宜組み合わせて、空気の温度および湿度の調整を行うモードである。以下では、ヒートポンプ式暖房モードおよび冷房モードを代表例として説明する。
以下に、ヒートポンプ式暖房モードにおける加熱対象の切替について図4を参照して説明する。図4は、加熱対象の切替処理を示すフロー図である。なお、運転モードは、ヒートポンプ式暖房モードに移行されているものとする。
本処理は、エンジンの始動時に開始される。
空調自動制御部51は、エンジンの始動情報を受けた場合、冷却液が流れる冷却液通路に切り替えることによって、凝縮器12からの加熱された冷却液がATFオイルクーラー80に流れるように開閉部90を制御する(ステップS12)。これにより、冷却液とATFとで熱交換が行われ、ATFの温度が上昇する。
空調自動制御部51は、エンジンの始動情報を受けた場合、冷却液が流れる冷却液通路に切り替えることによって、凝縮器12からの加熱された冷却液がATFオイルクーラー80に流れるように開閉部90を制御する(ステップS12)。これにより、冷却液とATFとで熱交換が行われ、ATFの温度が上昇する。
次に、空調自動制御部51は、ロックアップであるか否かを判断し、さらに、ATFの温度が所定値を超えているか否かを判断する(ステップS14)。
そして、トルクコンバータがロックアップでなく、かつ、ATFの温度Kが所定値を超えていない場合(ステップS14:NO)、空調自動制御部51は、それぞれの冷却液通路を切り替えない(ステップS16)。つまり、加熱対象はATFオイルクーラー80のままである。これにより、冷却液とATFとの熱交換が継続され、ATFの温度が上昇する。
一方、ロックアップであるか、または、ATFの温度が所定値を超えた場合(ステップS14:YES)、空調自動制御部51は、冷却液が流れる冷却液通路に切り替えることによって、凝縮器12からの加熱された冷却液がヒーターコア44に流れるように開閉部90を制御する(ステップS18)。つまり、加熱対象がヒーターコア44に切り替えられる。これにより、冷却液と空気とで熱交換が行われ、車室内に送られる空気が暖められる。
ステップS16の処理後、および、ステップS18の処理後にステップS14の処理が再度実行される。すなわち、空調自動制御部51はロックアップであるか否かを判断し、さらに、ATFの温度が所定値を超えているか否かを判断する。
ここで、図1Bおよび図2Cを用いて、加熱対象がヒーターコア44に切り替えられた後のヒートポンプ式暖房モードの動作を説明する。
ヒートポンプ式暖房モードでは、図1の構成において、第1開閉弁13が閉、第2開閉弁14が開に切り換えられる。また、ヒーターコア44のドア44aは開かれる(例えば全開)。
ヒートポンプ式暖房モードでは、さらに、コンプレッサ38が作動することで、冷媒は、凝縮器12、膨張弁16、蒸発器11の順に流れ、さらに、コンプレッサ38に戻ることにより、上記の順に循環する。
コンプレッサ38により圧縮された冷媒は、凝縮器12にて冷却液へ放熱して凝縮する。凝縮した冷媒は、膨張弁16により膨張して低温低圧冷媒となり、蒸発器11に送られる。低温低圧冷媒は、蒸発器11にて冷却液から熱を吸収して気化する。気化した低圧冷媒は、コンプレッサ38に吸引されて圧縮される。
冷却液は、エンジン冷却部40、凝縮器12、ヒーターコア44、および、蒸発器11の順に流れ、さらに、エンジン冷却部40に戻ることにより、上記の順に循環する。
ここで、エンジン冷却部40でエンジンから熱を吸収した冷却液は、さらに凝縮器12で加熱されてヒーターコア44に送られる。高温になった冷却液は、ヒーターコア44で車室内へ送られる吸気を十分に加熱することができる。
ヒーターコア44を通過した冷却液は、外気より温度が高く、蒸発器11にて冷媒に放熱を行って冷媒を気化させることができる。蒸発器11にて冷却された冷却液は、エンジン冷却部40へ送られてエンジンを十分に冷却することができる。
以上のヒートポンプ式暖房モードの動作により、車室内の十分な暖房を行うことができる。
次に、冷房モードの動作を説明する。
冷房モードでは、第1開閉弁13が開、第2開閉弁14が閉に切り換えられる。また、ヒーターコア44のドア44aは、全閉される。さらに、コンプレッサ38が作動することで、冷媒は、凝縮器12に、膨張弁37、および、エバポレータ48の順に流れ、コンプレッサ38に戻ることにより、上記の順に循環する。
コンプレッサ38により圧縮された冷媒は、凝縮器12にて空気へ放熱して凝縮する。凝縮された冷媒は、膨張弁37により膨張して低温低圧冷媒となり、エバポレータ48へ送られる。低温低圧冷媒は、エバポレータ48にて、車室内へ送られる吸気を冷却して気化する。気化した低圧冷媒は、コンプレッサ38に吸引されて圧縮される。
冷却液は、エンジン冷却部40、凝縮器12、ヒーターコア44、および、蒸発器11を流れる。冷却液は、蒸発器11、凝縮器12、および、ヒーターコア44を通過する際、冷媒又は空気との間でほとんど熱交換されない。冷却液の放熱は、主に、エンジン冷却部40のラジエータで行われる。上記するように、冷媒がエバポレータ48にて気化することにより、車室内へ送られる吸気を冷却する。これにより、車室内の冷房を行うことができる。
上記実施の形態に係る車両用空調装置1によれば、空調自動制御部51はエンジンの始動情報を受けて、冷却液がATFオイルクーラー80に流れるように開閉部90を制御する。これにより、エンジン始動後、ATFの温度が短時間で上昇するため、粘性抵抗が急速に低下し、粘性抵抗による燃費の低下を抑えることができる。そして、空調自動制御部51はATFの温度が所定値を超えた場合、冷却液がヒーターコア44に流れるように開閉部90を制御する。これにより、冷却液と空気とで熱交換が行われ、車室内に供給される空気が暖められる。
なお、上記実施の形態に係る車両用空調装置1によれば、加熱対象の切り替え前において、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口とエンジン冷却部40の冷却液の導入口との間を配管で結ぶ冷却液通路を構成したので、冷却液通路における冷却液の温度低下が小さく、その分、エンジン冷却部40からATFオイルクーラー80に導入される冷却液の温度が高くなることから、ATFの温度を比較的短時間で上昇させることができる。これにより、ATFの粘性抵抗が急速に減少するため、燃費低減の効果が上がる。
(変形例1)
次に、車両用空調装置1の変形例1について説明する。
図5Aは、変形例1に係る車両用空調装置1を示す構成図である。図5Bは、切り替え後の車両用空調装置1を示す図である。なお、加熱対象の切り替え後において、図5Bに示す車両用空調装置1は、図1Bに示す車両用空調装置1と同じ冷却液通路の構成を有するため、切り替え後の冷却液通路の説明を省略する。
次に、車両用空調装置1の変形例1について説明する。
図5Aは、変形例1に係る車両用空調装置1を示す構成図である。図5Bは、切り替え後の車両用空調装置1を示す図である。なお、加熱対象の切り替え後において、図5Bに示す車両用空調装置1は、図1Bに示す車両用空調装置1と同じ冷却液通路の構成を有するため、切り替え後の冷却液通路の説明を省略する。
上記実施の形態では、加熱対象の切り替え前において、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口とエンジン冷却部40の冷却液の導入口との間を配管で直結する冷却液通路を構成し、さらに、ヒーターコア44の冷却液の送出口とエンジン冷却部40の冷却液の導入口との間を蒸発器11を介して間接的に結ぶ構成とした。
これに対して、変形例1は、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口とエンジン冷却部40の冷却液の導入口との間を、蒸発器11を介して間接的に結び、さらに、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口とエンジン冷却部40の冷却液の導入口との間を、配管で直結するように構成する。
次に、変形例1に係る冷却液回路について図6A〜図6Cを参照して説明する。
上記実施の形態では、開閉弁91〜93を有する冷却液回路を示したが、本変形例1では、図6Aに示すように、冷却液回路は、開閉弁91〜93に加えて、開閉弁94〜96を有する。
上記実施の形態では、開閉弁91〜93を有する冷却液回路を示したが、本変形例1では、図6Aに示すように、冷却液回路は、開閉弁91〜93に加えて、開閉弁94〜96を有する。
図6Bおよび図6Cに示すように、開閉弁94は、ヒーターコア44の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管87の入口との間の冷却液通路、または、ヒーターコア44の冷却液の送出口と蒸発器11の冷却液の導入口との間の冷却液通路の一方を開いたとき、他方の冷却液通路を閉塞するように構成されている。
開閉弁95は、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管88の入口との間の冷却液通路、または、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口と蒸発器11の冷却液の導入口との間の冷却液通路の一方を開いたとき、他方の冷却液通路を閉塞するように構成されている(図6B参照)。
開閉弁96は、蒸発器11の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管87の入口との間の冷却液通路、または、蒸発器11の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管88の入口との間の冷却液通路の一方を開いたとき、他方の冷却液通路を閉塞するように構成されている。
空調自動制御部51は、ATFの温度が所定値を超えておらず、かつ、トルクコンバータがロックアップでない場合、上記実施の形態で説明したように、冷却液が流れる冷却液通路を開閉するように開閉弁91〜93を制御する(図2B参照)。
また、空調自動制御部51は、ヒーターコア44の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管87の入口との間の冷却液通路を開放すると共に、ヒーターコア44の冷却液の送出口と蒸発器11の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞するように開閉弁94を制御する。
また、空調自動制御部51は、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管88の入口との間の冷却液通路を閉塞すると共に、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口と蒸発器11の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放するように開閉弁95を制御する。
さらに、空調自動制御部51は、蒸発器11の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管87の入口との間の冷却液通路を閉塞すると共に、蒸発器11の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管88の入口との間の冷却液通路を開放するように開閉弁96を制御する(図6B参照)。
一方、空調自動制御部51は、ATFの温度が所定値を超え、または、トルクコンバータがロックアップである場合、上記実施の形態で説明したように、それぞれの冷却液通路を開閉するように開閉弁91〜93を制御する(図2C参照)。
また、空調自動制御部51は、ヒーターコア44の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管87の入口との間の冷却液通路を閉塞すると共に、ヒーターコア44の冷却液の送出口と蒸発器11の冷却液の導入口との間の冷却液通路を開放するように開閉弁94を制御する。
また、空調自動制御部51は、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管88の入口との間の冷却液通路を開放すると共に、ATFオイルクーラー80の冷却液の送出口と蒸発器11の冷却液の導入口との間の冷却液通路を閉塞するように開閉弁95を制御する。
さらに、空調自動制御部51は、蒸発器11の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管87の入口との間の冷却液通路を開放すると共に、蒸発器11の冷却液の送出口とエンジン冷却部戻り配管88の入口との間の冷却液通路を閉塞するように開閉弁96を制御する(図6C参照)。
上記の変形例1に係る車両用空調装置1によれば、上記実施の形態と同様に、エンジンの始動時に、冷却液がATFオイルクーラー80に流れ、ATFの温度が所定値を超えた場合に、冷却液がヒーターコア44に流れる。これにより、エンジン始動後、ATFの温度が短時間で上昇し、粘性抵抗が急速な低下し、燃費の低下を抑えることができる。ATFの温度が所定値を超えるように十分に加熱された後、冷却液と空気とで熱交換が行われ、車室内に供給される空気が暖められる。
なお、上記実施の形態および変形例1では、第2加熱対象としてATFを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、第2加熱対象としては、エンジン冷却部内の冷却液、エンジンオイル、電池、インバーター、または、モーターであってもよい。
この場合も空調自動制御部51は、第2加熱対象の温度が所定値を超えた場合、第2加熱対象から第1加熱対象に切り替えるように開閉部90を制御する。
第2加熱対象が冷却液やエンジンオイルである場合において、例えば、凝縮部12で加熱された冷却液はエンジン冷却部40に導入され、エンジン冷却部40内の冷却液を暖める。その後、冷却液は凝縮部12に導入され、凝縮部12で再び加熱され、エンジン冷却部40に戻る。これにより冷却液は循環する。循環する冷却液により、エンジン冷却部40内の冷却液の温度を短時間で上昇させることができる。
なお、第2加熱対象が電池である場合における冷却液回路は、図1AにおけるATFオイルクーラー80を電池に代えることにより構成される。これにより、例えば、電池がエンジン始動時に低温であっても、短時間で電池を適正な温度に上昇させることができる。
また、上記実施の形態では、ATFの温度が所定値を超えた場合、または、ロックアップである場合、第2加熱対象から第1加熱対象に切り替えるようにしたが、本発明は、これに限らず、空調自動制御部51は、第1加熱対象に導入される前記冷却液の温度が所定条件を満たした場合、第2加熱対象から第1加熱対象に切り替えるように開閉部90を制御してもよい。
次に、変形例2に係れる冷却液回路について図7Aおよび図7Bを参照して説明する。図7Aは加熱対象の切り替え前の冷却液回路を示す図である。図7Bは加熱対象の切り替え後の冷却液回路を示す図である。なお、冷却液回路において冷却液が通らない部分を白抜きで示し、冷却液が通る部分を黒の塗りつぶしで示す。
上記変形例1では、開閉弁91〜96により、切り替え前の冷却液回路をエンジン冷却部40、凝縮器12、AFTオイルクーラー80および蒸発器11を結ぶように構成する一方、切り替え後の冷却液回路をエンジン冷却部40、凝縮器12、ヒーターコア44および蒸発器11を結ぶように構成した。つまり、上記変形例1の冷却液回路は、凝縮器12で加熱した冷却液を、AFTオイルクーラー80またはヒーターコア44に送り、その後、蒸発器11を介してエンジン冷却部40に戻すように構成した。
これに対し、変形例2の冷却液回路は、図7Aに示すように、凝縮器12で加熱した冷却液を、AFTオイルクーラー80またはヒーターコア44に送り、その後、蒸発器11を介さずにエンジン冷却部40に戻すように構成する。
図7Aに示すように、エンジン冷却部40からの冷却液回路は、分岐部、開閉弁97〜99を有する。
図7Aに示すように、エンジン冷却部40からの冷却液回路は、分岐部、開閉弁97〜99を有する。
分岐部は、エンジン冷却部40からの冷却液を蒸発器11と凝縮器12とに分ける。開閉弁97は凝縮器12の冷却液の送出口とAFTオイルクーラー80の冷却液の導入口との間を結ぶ配管を開閉する。開閉弁98は凝縮器12の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間を結ぶ配管を開閉する。開閉弁99は、エンジン冷却部40の冷却液の送出口とヒーターコア44の冷却液の導入口との間を結ぶ配管を開閉する。
本変形例2の冷却液回路は、分岐部で分けた冷却液を蒸発器11に送出した後にエンジン冷却部40に戻す回路と、分岐部で分けた冷却液を凝縮器12から開閉弁97を介してAFTオイルクーラーに送出した後にエンジン冷却部40に戻す回路と、分岐部で分けた冷却液を凝縮器12から開閉弁98を介してヒーターコア44に送出した後にエンジン冷却部40に戻す回路と、エンジン冷却部40からの冷却液を開閉弁99を介してヒーターコア44に送出した後にエンジン冷却部40に戻す回路とを有する。
変形例2では、図7Aに示す加熱対象の切り替え前において、開閉弁97および開閉弁99が開かれ、開閉弁98が閉じられる。これにより、分岐部で分けた冷却液は、凝縮器12から開閉弁97を介してAFTオイルクーラー80に送出された後に、分岐部で分かれて蒸発器11に送出された冷却液と合流してエンジン冷却部40に戻される。また、エンジン冷却部40からの冷却液は、開閉弁99を介してヒーターコア44に送出された後にエンジン冷却部40に戻される。
これに対し、図7Bに示す加熱対象の切り替え後において、開閉弁97および開閉弁99が閉じられ、開閉弁98が開かれる。これにより、分岐部で分けた冷却液は、凝縮器12から開閉弁98を介してヒーターコア44に送出された後にエンジン冷却部40に戻される。また、分岐部で分けた他方の冷却液は蒸発器11を通り、エンジン冷却部40に戻される。
また、上記実施の形態では、第2加熱対象の状態(温度、ロックアップ)に基づいて、加熱対象を切り替えたが、本発明はこれに限らず、例えば、空調自動制御部51は、エンジン始動情報を受けたときからの経過時間が所定時間を超えた場合、加熱対象を切り替えるように開閉部90を制御するようにしてもよい。さらに、加熱対象を切り替えるタイミングは、第2加熱対象の状態と、経過時間との組み合わせに基づいて定められてもよい。
さらに、上記実施の形態では、加熱対象を2つにし、それらを切り替えるように構成を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、加熱対象を3以上にし、例えば、各加熱対象の状態に基づいて各加熱対象を次々に切り替えるように構成してもよい。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、複数の加熱対象を加熱する際に冷却液の熱を有効に利用することが要求される車両用空調装置に好適に利用される。
1 車両用空調装置
11 蒸発器
12 凝縮器
16 膨張弁
37 膨張弁
38 コンプレッサ
40 エンジン冷却部
44 ヒーターコア
44a ドア
48 エバポレータ
51 空調自動制御部
52 ヒートポンプ暖房制御部
80 ATFオイルクーラー
90 開閉部
11 蒸発器
12 凝縮器
16 膨張弁
37 膨張弁
38 コンプレッサ
40 エンジン冷却部
44 ヒーターコア
44a ドア
48 エバポレータ
51 空調自動制御部
52 ヒートポンプ暖房制御部
80 ATFオイルクーラー
90 開閉部
Claims (6)
- 冷媒を圧縮するコンプレッサと、
高温高圧の冷媒とエンジン冷却部から送出された冷却液との間で熱交換を行う凝縮器と、
前記熱交換で加熱された冷却液と車室内へ送られる空気との間で熱交換を行う第1加熱対象と、
前記エンジン冷却部に導入される冷却液と低温低圧の冷媒との間で熱交換を行う蒸発器と、
を具備し、
前記加熱された冷却液を、前記第1加熱対象に流すための冷却液通路と、
前記加熱された冷却液を、前記第1加熱対象とは別の第2加熱対象に流すための冷却液通路と、
前記各冷却液通路を開閉する開閉部と、
前記加熱された冷却液を流す流入先を前記第2加熱対象から前記第1加熱対象に所定のタイミングで切り替えるように前記開閉部を制御する制御部と、
を備える、車両用空調装置。 - 前記第2加熱対象は、オートマチックトランスミッションのオイルである、請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記所定のタイミングは、前記オイルの温度が所定値を超えたとき、および、前記オートマチックトランスミッションにおけるトルクコンバータがロックアップされたときの少なくとも一方のときである、請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記第2加熱対象は、前記エンジンの冷却液、エンジンオイル、電池、インバーター、および、モーターのうちの少なくとも一つであり、
前記所定のタイミングは、前記冷却液、前記エンジンオイル、前記電池、前記インバーター、および、前記モーターのうちの少なくとも一つの温度が所定値を超えたときである、請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記所定のタイミングは、前記第1加熱対象に導入される前記冷却液の温度が所定条件を満たすときである、請求項4に記載の車両用空調装置。
- 前記所定のタイミングは、前記エンジンの始動時からの経過時間が所定時間を超えたときである、請求項1に記載の車両用空調装置。
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