JP2017171138A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーモスタットの全開固着異常の検出をより適正に実行することができる。【解決手段】ラジエータを経由してサーモスタットに流れる冷却水の温度に基づいてサーモスタットの全開固着異常を検出する自動車において、車速Vが所定速度Vref2以上であり(S110)、且つ、サーモスタットの全開固着異常の検出が実行中であるときには(S130)、開状態となるようにグリルシャッタを制御する。これにより、サーモスタットの全開固着異常の検出をより適正に実行する。【選択図】図4
Description
本発明は、車両に関し、詳しくは、走行用の動力源と、サーモスタットを有し動力源を冷却する冷却システムと、グリルシャッタとを備える車両に関する。
従来、この種の車両としては、エンジンと、冷却システムと、グリルシャッタ(導風板)と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。冷却システムは、ラジエータと、エンジンの冷却水流路からの冷却水をラジエータを経由して冷却水流路の入口側に供給する流路を備えている。グリルシャッタは、車両の前方に配置されている。この車両では、車速が高いときには低いときよりグリルシャッタの開度を小さくして外気の導入面積を小さくすることにより、車両への空気抵抗を低減している。
ところで、走行用の動力源を冷却するための冷却システムを備える車両として、動力源の冷却水流路からの冷却水を循環させる第1,第2流路の合流部にサーモスタットを有する冷却システムと、グリルシャッタと、を備えるものが提案されている。第1流路は、冷却水流路からの冷却水をラジエータを経由して冷却水流路の入口側に供給する。第2流路は、冷却水流路からの冷却水をラジエータを経由せずに冷却水流路の入口側に供給する。サーモスタットは、第2流路の冷却水の温度が所定温度に至るまでは第1流路への冷却水の流れを遮断する。この車両では、冷却水温に基づいてサーモスタットに異常が生じているか否かを検出している。このときに、グリルシャッタが閉じられていると、ラジエータに供給される走行風の風量が減少し、冷却水温が上がりやすくなる。グリルシャッタの開度に起因する冷却水温の変化が起こると、サーモスタットの異常を適正に検出することができなくなる。
本発明の車両は、サーモスタットの異常を適正に検出することを主目的とする。
本発明の車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
走行用の動力源と、
ラジエータと、前記動力源の冷却水流路からの冷却水を前記ラジエータを経由して前記冷却水流路の入口側に循環させる第1流路と、前記冷却水流路からの冷却水を前記ラジエータを経由せずに前記冷却水流路の入口側に循環させる第2流路と、前記第1流路と前記第2流路との合流部に取り付けられ前記第2流路の冷却水の温度が所定温度に至るまでは前記第1流路への冷却水の流れを遮断するように閉状態となるサーモスタットと、を有する冷却システムと、
前方に配置したグリルシャッタと、
車速が第1速度以上であるときには、閉状態となるように前記グリルシャッタを制御する制御手段と、
前記サーモスタットの異常検出を実行するための所定条件が成立しているときに、前記第1流路の冷却水の温度に基づいて前記サーモスタットの異常検出を実行する異常検出手段と、
を備える車両であって、
前記制御手段は、前記車速が第2速度以上であり、且つ、前記サーモスタットの異常検出を実行中であるときには、開状態となるように前記グリルシャッタを制御する、
ことを要旨とする。
走行用の動力源と、
ラジエータと、前記動力源の冷却水流路からの冷却水を前記ラジエータを経由して前記冷却水流路の入口側に循環させる第1流路と、前記冷却水流路からの冷却水を前記ラジエータを経由せずに前記冷却水流路の入口側に循環させる第2流路と、前記第1流路と前記第2流路との合流部に取り付けられ前記第2流路の冷却水の温度が所定温度に至るまでは前記第1流路への冷却水の流れを遮断するように閉状態となるサーモスタットと、を有する冷却システムと、
前方に配置したグリルシャッタと、
車速が第1速度以上であるときには、閉状態となるように前記グリルシャッタを制御する制御手段と、
前記サーモスタットの異常検出を実行するための所定条件が成立しているときに、前記第1流路の冷却水の温度に基づいて前記サーモスタットの異常検出を実行する異常検出手段と、
を備える車両であって、
前記制御手段は、前記車速が第2速度以上であり、且つ、前記サーモスタットの異常検出を実行中であるときには、開状態となるように前記グリルシャッタを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の車両では、走行用の動力源と、冷却システムと、前方に配置したグリルシャッタと、を備えている。冷却システムは、ラジエータと、動力源の冷却水流路からの冷却水をラジエータを経由して冷却水流路の入口側に循環させる第1流路と、冷却水流路からの冷却水をラジエータを経由せずに冷却水流路の入口側に循環させる第2流路と、第1流路と第2流路との合流部に取り付けられ第2流路の冷却水の温度が所定温度に至るまでは第1流路への冷却水の流れを遮断するサーモスタットと、を備えている。車速が第1速度以上であるときには、閉状態となるようにグリルシャッタを制御する。また、サーモスタットの異常検出を実行するための所定条件が成立しているときに、第1流路の冷却水の温度に基づいてサーモスタットの異常検出を実行する。そして、車速が第2速度以上であり、且つ、サーモスタットの異常検出を実行中であるときには、開状態となるようにグリルシャッタを制御する。グリルシャッタを閉じた状態では、ラジエータに走行風が供給されない。そのため、サーモスタットに異常が生じているか否かに拘わらず、第1流路の冷却水の温度の上昇量が大きくなってしまい、冷却水温に基づいてサーモスタットに異常が生じているか否かを検出し難くなる不都合が生じる。したがって、サーモスタットの異常の検出を実行しているときには、グリルシャッタを開くことにより、こうした不都合を回避して、サーモスタットに異常が生じているか否かを検出することができる。そして、車速が高いときにグリルシャッタを開状態とすると、車速が低いときにグリルシャッタを開状態とするより、ラジエータに供給される走行風の風量が大きくなり、例えば、サーモスタットが全開した状態から閉じない全開固着異常が生じているときには全開固着異常が生じていないときにより第1流路の冷却水温の上昇が抑制されるから、より精度良く、サーモスタットの異常検出を実行することができる。したがって、車速が第2速度以上であり、且つ、サーモスタットの異常検出が実行中であるときには、開状態となるようにグリルシャッタを制御することにより、サーモスタットの異常検出をより適正に実行することができる。なお、「所定条件」としては、冷却水の温度が所定範囲内である第1条件と、サーモスタットの異常検出の実行を開始してからの経過時間が所定時間未満である第2条件と、の条件を含んでいてもよい。この場合、第1条件と第2条件が成立したときに、所定条件が成立していると判定すればよい。「第2車速」は、「第1車速」以上の車速であればよい。
こうした本発明の車両において、前記異常検出手段は、単位時間あたりの前記冷却水の温度の上昇量が判定用閾値以下であるときには、前記サーモスタットが全開した状態から閉じない全開固着異常が生じていることを検出する、ものとしてもよい。
また、本発明の車両において、前記動力源は、エンジンであり、前記所定条件は、前記エンジンへの吸入空気量が所定値以上である第3条件を含んでいてもよい。この場合、第1〜第3条件の全てが成立したときに、所定条件が成立していると判定すればよい。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての自動車10の構成の概略を示す構成図である。実施例の自動車10は、図示するように、エンジン11と、自動変速機24と、冷却システム30と、グリルシャッタ60と、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)70と、を備える。
エンジン11は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。エンジン11は、冷却水が流通する冷却水流路12を備えている。エンジン11は、ECU70によって運転制御されている。
自動変速機24は、エンジン11のクランクシャフト23と、駆動輪38a、38bにデファレンシャルギア38を介して連結された駆動軸36と、の間に接続されている。 自動変速機24は、ECU70により変速制御されている。
図2は、冷却システム30の構成の概略を示す構成図である。冷却システム30は、ラジエータ122と、電動ウォーターポンプ126と、サーモスタット128と、を備える。ラジエータ122は、ファン124を備えている。電動ウォーターポンプ126は、エンジン11を冷却するための冷却水流路12の入口13に冷却水を供給している。ファン124は、ECU70により風量が制御されている。なお、電動ウォーターポンプ126は、ECU70により制御されている。
エンジン11の冷却水流路12の出口14には、冷却水をラジエータ122を経由して電動ウォーターポンプ126側に戻す流路130が接続されている。流路130のラジエータ122の上流側(出口14とラジエータ122との間)であって、エンジン11の冷却水流路12の出口14に近い位置には、流路130内の冷却水の温度(ラジエータ流入水温TH)を検出する温度センサ142が取り付けられている。
エンジン11の冷却水流路12の出口14には、冷却水をラジエータ122を経由せずに電動ウォーターポンプ126側に戻す流路140が接続されている。実施例では、流路140には、内燃機関の排気を吸気側に還流する排気還流装置(図示せず)の排気を冷却するEGRクーラー150からスロットルボディ152、EGRバルブ154を流れて合流部159で合流する流路と、EGRクーラー150から排気熱回収器156、ヒータコア158を流れて合流部159で合流する流路とを有する。なお、排気還流装置やEGRクーラー150、スロットルボディ152、EGRバルブ154、排気熱回収器156、ヒータコア158については、本発明の中核をなさないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
サーモスタット128は、流路130と流路140との合流部に取り付けられており、合流部における流路140の冷却水の温度が第1所定温度に至るまでは流路130に冷却水が流れないように調整する。ここで、第1所定温度としては、例えば75℃や80℃、85℃などの温度を用いることができる。このため、サーモスタット128は、合流部における流路140の冷却水の温度が第1所定温度未満のときには、流路130を閉じて流路130に冷却水が流れないようする。また、サーモスタット128は、合流部における流路140の冷却水の温度が第1所定温度以上のときには、流路140の冷却水の温度に応じた開度として流路130を開成し、流路130に流れる冷却水の流量を調整する。
図3は、グリルシャッタ60が配置されている位置を説明するための説明図である。グリルシャッタ60は、図示するように、自動車10の前面、ラジエータ122の前方に配置されている。グリルシャッタ60は、開閉することによりラジエータ122へ供給される走行風の量を調整している。つまり、グリルシャッタ60を開けると走行風をラジエータ122へ供給することができ、グリルシャッタ60を閉じるとラジエータ122への走行風の供給を遮断することができる。グリルシャッタ60は、ECU70により制御されている。
ECU70は、図示しないがCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、ROMやRAM、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを備える。
ECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。ECU70に入力される信号としては、エンジン11のクランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランク角θcrや図示しないスロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットル開度、エンジン11の冷却水流路12の出口14近傍に取り付けられて冷却水流路12の出口近傍の冷却水の温度を検出する温度センサ18からのエンジン出口水温、車速センサ80からの車速Vなどを挙げることができる。
ECU70からは、各種制御信号などが出力ポートから出力されている。ECU70から出力される信号としては、スロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動制御信号や燃料噴射弁への駆動制御信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの駆動制御信号、ラジエータ122のファン124への駆動制御信号、電動ウォーターポンプ126への駆動制御信号などを挙げることができる。
ECU70は、クランクポジションセンサからのクランク角θcrに基づいて、クランクシャフト23の回転数、即ち、エンジン11の回転数Neを演算している。
こうして構成された実施例の自動車10は、エンジン11からの動力を自動変速機24で変速して駆動軸36に出力しながら走行する。
実施例の自動車10では、冷却システム30とグリルシャッタ60とによりエンジン11を冷却している。冷却システム30では、冷却水温度が−10℃〜−35℃などの冷間時にエンジン11を始動するときには、エンジン11の早期暖機のために、エンジン11の冷却水流路12内の冷却水温度が所定温度Twref1に至るまで電動ウォーターポンプ126を駆動停止状態で保持し、冷却水流路12内の冷却水温度が所定温度Twref1に至ったときに電動ウォーターポンプ126を駆動する。ここで、所定温度Twref1は、サーモスタット128により流路130を開く所定温度Twref2(例えば、75℃や80℃、85℃など)より低い温度であり、例えば45℃や50℃、55℃などを用いることができる。なお、エンジン11の冷却水流路12内の冷却水の温度としては、温度センサ18により検出されるものを用いることができる。
エンジン11の冷間始動時に、エンジン11の始動開始から電動ウォーターポンプ126を駆動停止状態で保持すると、エンジン11の冷却水流路12や流路130、140の冷却水は流れることなく滞留する。このため、エンジン11の冷却水流路12の冷却水は早期に温度上昇する。エンジン11の冷却水流路12の冷却水が、所定温度Twref1に至ると、ECU70は電動ウォーターポンプ126を駆動する。このとき、サーモスタット128が正常に作動しているときには、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度が所定温度Twref2に至るまでは、サーモスタット128により流路130は閉じられるから、流路130の冷却水は流れることなく滞留する。そして、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度が所定温度Twref2に至ると、サーモスタット128は流路130の冷却水の温度に応じた開度により流路130を開けて、流路130の冷却水の流量を調整する。
実施例の自動車10では、走行中に、冷却水流路12内の冷却水温度が所定温度Twref3(例えば、70℃や75℃、80℃など)以上のときにはグリルシャッタ60を開け、冷却水流路12内の冷却水温度が所定温度Twref3未満のときにはグリルシャッタ60を閉じて、エンジン11の暖機を促進している。また、車速Vが、所定速度Vref1(例えば、45km/hや50km/h、55km/hなど)未満のときにはグリルシャッタ60を開け、車速Vが所定速度Vref1以上のときにはグリルシャッタ60を閉じて、走行抵抗を低下させて、車両のエネルギ効率の向上を図っている。
実施例の自動車10では、サーモスタット128の全開固着異常(サーモスタット128が全開で固定されて閉じなくなる異常)の検出を実行するための検出実行条件が成立しているときには、サーモスタット128の全開固着異常の検出を実行する。この検出では、検出実行条件が成立してから所定時間tref(例えば、8secや10sec、12secなど)までにおける、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度の上昇量dTwが判定用閾値以下であるときに、サーモスタット128に全開固着異常が生じていると判断する。ここで、判定用閾値は、実験や解析などにより予め定められた値であり、検出実行条件が成立してから所定時間trefが経過した後のサーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度が低いときにはサーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度が高いときより大きく、エンジン11の吸入空気量が大きいときには吸入空気量が小さいより大きく、車速Vが低いときには車速Vが高いときより大きくなるように、すなわち、検出実行条件が成立してから所定時間trefが経過した後のサーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度が低いほど大きく、エンジン11の吸入空気量が大きいほど大きく、車速Vが低くなるほど大きくなるように設定している。
検出実行条件には、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度がサーモスタット128により流路130を開く所定温度Twref2より低い所定温度範囲内(例えば、20℃〜60℃や25℃〜65℃、30℃〜70℃)である第1条件と、エンジン11の吸入空気量が所定値(例えば、8g/secや10g/sec、12g/secなど)以上であり且つ燃料カット状態ではない第2条件と、サーモスタット128の全開固着異常の検出が実行されてからの経過時間が所定時間tref未満である第3条件と、の3つの条件を含み、これらの3つの条件が成立しているときに、検出実行条件が成立していると判断する。
第1条件は、エンジン11が完全に暖機していない状態(半暖機状態)であるか否かを判定するための条件である。エンジン11が半暖機状態である場合、サーモスタット128に全開固着異常が発生していないときには、サーモスタット128が閉じた状態となるから、ラジエータ122での放熱が少なく、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度が上昇し、サーモスタット128に全開固着異常が発生しているときには、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度の上昇が小さくなる。したがって、第1条件が成立しているか否かを調べることにより、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度に基づいてサーモスタット128に全開固着異常が生じているか否かを判定できる。第2条件は、エンジン11の負荷状態(エンジン11の発熱量)が高いか否かを判定するための条件である。エンジン11の負荷状態が高いときには、エンジン11の発熱量が大きく、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度が上昇しやすい。したがって、第2条件が成立しているか否かを調べることにより、精度良くサーモスタット128に全開固着異常が生じていることを判定できるか否かを判定できる。第3条件は、サーモスタット128に全開固着異常が生じているか否かを精度良く判定するのに充分な時間が経過しているか否かを判定するための条件である。
次に、実施例の自動車10の動作、特に、サーモスタット128の全開固着異常を検出している際の動作について説明する。図3は、ECU70により実行されるグリルシャッタ制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間(例えば、数msecなど)毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、ECU70は、車速Vを入力する処理を実行する(ステップ100)。車速Vは、車速センサ80により検出された値を用いている。
こうした車速Vを入力すると、続いて、車速Vが所定速度Vref2以上であるか否か(ステップS110)や、グリルシャッタ60が閉じているか否か(ステップS120)や、サーモスタット128の全開固着異常の検出が実行中であるか否か(ステップS130)、を判定する。ステップS110の処理で、所定速度Vref2は、ラジエータに当たる走行風の風量が多くなるか否かを判定するための閾値であり、例えば、45km/hや50km/h、55km/hなどを用いることができる。ステップS130の処理は、上述した検出実行条件が成立しているときに、サーモスタット128の全開固着異常の検出が実行中であると判定する。
車速Vが所定速度Vref2未満であったり、グリルシャッタ60が開いていたり、サーモスタット128の全開固着異常の検出が実行中でないときには、本ルーチンを終了する。
車速Vが所定速度Vref2以上であり、且つ、グリルシャッタ60が閉じており、且つ、サーモスタット128の全開固着異常の検出が実行中であるときには、グリルシャッタ60を閉じて(ステップS140)、本ルーチンを終了する。上述したように、実施例の自動車10では、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度の上昇量dTwが判定用閾値以下であるときに、サーモスタット128に全開固着異常が生じていると判断している。グリルシャッタ60を閉じた状態では、ラジエータ122に走行風が供給されない。そのため、サーモスタット128に全開固着異常が生じても、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度の上昇量が大きくなり、サーモスタット128に全開固着異常が生じているか否かを適正に判定することができない。したがって、サーモスタット128の全開固着異常の検出が実行中であるときには、グリルシャッタ60を開けることにより、ラジエータ122に走行風が供給され、サーモスタット128に全開固着異常が生じたときには、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度の上昇量が小さくなる。これにより、サーモスタット128の全開固定異常を判定することができるようになる。グリルシャッタ60が開いている場合、車速Vが高いときには、車速Vが低いときより、ラジエータ122に当たる走行風の風量が多くなり、サーモスタット128に全開固着異常が生じたときには、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度の上昇がより抑制される。したがって、より精度良く、より適正に、サーモスタット128の全開固着異常を検出することができる。
以上説明した実施例の自動車10によれば、車速Vが所定速度Vref2以上であり、且つ、サーモスタット128の全開固着異常の検出が実行中であるときには、開状態となるようにグリルシャッタ60を制御することにより、サーモスタット128の全開固着異常の検出をより適正に実行することができる。
実施例の自動車10では、サーモスタット128の全開固着異常を検出しているが、サーモスタット128に流れ込む流路130の冷却水の温度に基づいて検出可能な異常であれば、全開固着異常と異なる異常を検出してもよい。
実施例では、走行用の動力減としてエンジン11を備える自動車に適用する場合について例示しているが、走行要の動力源としてモータを電気自動車や、走行用の動力源としてエンジンとモータとを備えるものに適用しても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン11が「動力源」に相当し、冷却システム30が「冷却システム」に相当し、グリルシャッタ60が「グリルシャッタ」に相当し、ECU70が「制御手段」に相当し、ECU70が「異常検出手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
10 自動車、11 エンジン、12 冷却水流路、13 入口、14 出口、18 温度センサ、23 クランクシャフト、24 自動変速機、30 冷却システム、36 駆動軸、38 デファレンシャルギア、38a、38b 駆動輪、60 グリルシャッタ、70 ECU、80 車速センサ、122 ラジエータ、124 ファン、126 電動ウォーターポンプ、128 サーモスタット、130、140 流路、142 温度センサ、150 EGRクーラー、152 スロットルボディ、154 EGRバルブ、156 排気熱回収器、158 ヒータコア、159 合流部
Claims (1)
- 走行用の動力源と、
ラジエータと、前記動力源の冷却水流路からの冷却水を前記ラジエータを経由して前記冷却水流路の入口側に循環させる第1流路と、前記冷却水流路からの冷却水を前記ラジエータを経由せずに前記冷却水流路の入口側に循環させる第2流路と、前記第1流路と前記第2流路との合流部に取り付けられ前記第2流路の冷却水の温度が所定温度に至るまでは前記第1流路への冷却水の流れを遮断するように閉状態となるサーモスタットと、を有する冷却システムと、
前方に配置したグリルシャッタと、
車速が第1速度以上であるときには、閉状態となるように前記グリルシャッタを制御する制御手段と、
前記サーモスタットの異常検出を実行するための所定条件が成立しているときに、前記第1流路の冷却水の温度に基づいて前記サーモスタットの異常検出を実行する異常検出手段と、
を備える車両であって、
前記制御手段は、前記車速が第2速度以上であり、且つ、前記サーモスタットの異常検出を実行中であるときには、開状態となるように前記グリルシャッタを制御する、
車両。
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JP2020002801A (ja) * | 2018-06-25 | 2020-01-09 | 三菱自動車工業株式会社 | 車両 |
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