JP2017170710A - プリプラ式射出装置 - Google Patents

プリプラ式射出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017170710A
JP2017170710A JP2016057769A JP2016057769A JP2017170710A JP 2017170710 A JP2017170710 A JP 2017170710A JP 2016057769 A JP2016057769 A JP 2016057769A JP 2016057769 A JP2016057769 A JP 2016057769A JP 2017170710 A JP2017170710 A JP 2017170710A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixed
mold
injection device
injection
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016057769A
Other languages
English (en)
Inventor
祐一朗 有馬
Yuichiro Arima
祐一朗 有馬
拓也 大串
Takuya Ogushi
拓也 大串
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Machinery Corp Ltd
Original Assignee
Ube Machinery Corp Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Machinery Corp Ltd filed Critical Ube Machinery Corp Ltd
Priority to JP2016057769A priority Critical patent/JP2017170710A/ja
Publication of JP2017170710A publication Critical patent/JP2017170710A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】従来のプリプラ式射出装置よりも小型化され、金型や金型取付盤への固定位置や固定形態の制約を減少させ、且つ、強固に固定することができるプリプラ式射出装置を提供する。【解決手段】射出ユニット30は、直動アクチュエータ保持プレート34と、連結ブロック20の樹脂流路21に連通する貯留部37aが形成され、ノズル部31が配置される計量ブロック37と、直動アクチュエータ保持プレート34と計量ブロック37とを、所定距離離間させた状態で連結させる連結部材38と、を有し、可塑化ユニット10は、可塑化バレル12と、可塑化スクリュ11の一端側が、中空軸に収納された状態で固定される可塑化モータ14と、を有し、可塑化モータスライド機構41により、可塑化ユニット10と射出ユニット30とが、略平行に、射出ユニット30の直動アクチュエータ33側でも連結されるプリプラ式射出装置1によって達成される。【選択図】図1

Description

本発明は、可塑化ユニットと射出ユニットとが、射出ユニットのノズル部側で連結されたプリプラ式射出装置に関する。
複数色、あるいは、複数種類の樹脂材料を使用して、射出成形機で積層成形品を成形する場合、略同サイズの複数の射出装置を有する、積層成形品専用の多色多材射出成形機や、1つの射出装置を有する汎用の射出成形機に、別の射出装置を後付けした射出成形機が用いられる。前者の多色多材射出成形機の場合、1つの積層成形品に使用される複数色、あるいは、複数種類の樹脂材料が略同じ射出充填量である場合に好適である。しかしながら、複数色、あるいは、複数種類の樹脂材料が、主材料及び副材料の様に、それぞれの射出充填量に明確な差異があり、主材料の射出充填量に対して、それ以外の副材料の射出充填量が少ない場合、副材料を射出充填させる射出装置内で、副材料が主材料に対して長く可塑化状態で保持されるため、副材料の品質の低下を招く。また、主材料が射出充填される金型キャビティに対して、副材料が射出充填される金型キャビティが複数個所に偏在する場合が多く、副材料用の金型キャビティへの樹脂流路(ホットランナ)が長くなり、金型の構造が複雑になる。更に、射出充填量が少ない副材料用の樹脂流路長の増加は、樹脂流路内での可塑化状態での保持時間増加による副材料の品質の低下を招く。
そのため、主材料の射出充填量に対して、それ以外の副材料の射出充填量が少ない場合には、後者の、別の射出装置を汎用の射出成形機に後付けした射出成形機が好適とされ、特に、射出充填量が少ない副材料用に、小型の射出装置を金型等に直接固定させた射出成形機が開示されている。
特許文献1には、主材料用の第1射出機(射出装置)とは別に、金型に直接取付ける副材料用の第2射出機を備え、その第2射出機が、軸方向に移動可能に金型に取付けられるとともに、射出ノズルが金型のスプル(樹脂供給口)に密着するように弾性部材で金型へ押圧させる射出成形装置(射出成形機)が開示されている。また、特許文献1には、第2射出機の前部を収納できる大径孔を金型に設けて、この大径孔の底に樹脂供給口を設け、第2射出機の前部をこの大径孔に進入させることにより、安全扉内に第2射出機の全てを収める形態も開示されている。
一方、特許文献2には、副材料用に、金型に一体的に取り付けられたプリプラ式の電動射出装置を有し、第1のシリンダ(可塑化ユニット)と第2のシリンダ(射出ユニット)を有する該プリプラ式の電動射出装置が、第2のシリンダ(射出ユニット)を、金型に対して移動可能に支持する取り付け機構を有する射出成形機が開示されている。
特開2003−053770号公報 特開2007−075999号公報
特許文献1においては、スプリングなどの弾性部材を用いて、第2射出機(射出装置)の射出ノズルを金型の樹脂供給口へ押し付けるようにしたので、射出ノズルから樹脂が漏れる虞がないことが効果をして挙げられている。しかしながら、第2射出機は、金型に弾性部材を介して固定されているため、金型に強固に固定されている状態ではない。弾性部材により射出ノズルを金型の樹脂供給口へ押し付ける様に構成された、関連部材の摺動部には、関連部材間の摺動のためのクリアランスを有する。そして、第2射出機は、金型に対して、このクリアランス分、弾性部材の弾性力の作用する方向以外にも、金型に対する相対的な移動が許容される状態で固定されている。その結果、射出成形装置(射出成形機)における型開閉動作、型締動作、あるいは、射出充填等により発生する振動によって、第2射出機の金型への固定部位や弾性部材には、第2射出機の静的な負荷に加えて、動的な負荷が繰り返し作用して、固定部位や弾性部材の破損が発生する虞がある。同時に、金型の樹脂供給口に押し付けられている射出ノズルには、同樹脂供給口間における意図しない方向の相対的な摺動により、これら射出ノズルや金型の樹脂供給口の磨耗や破損が発生する虞もある。
また、特許文献1において、第2射出機は基本的に普通のスクリュー式射出機(射出装置/同文献の明細書の段落〔0014〕他参照)である。安全扉内に第2射出機の全てを収めるために、第2射出機の前部を収納できる大径孔を金型に設けて、この大径孔の底に樹脂供給口を設け、第2射出機の前部をこの大径孔に進入させる形態(同文献の特許請求の範囲の請求項2他参照)が開示されていることからも、特許文献1においては、射出充填量が少ない副材料用に、金型に直接固定する副材料用の第2射出機の小型化についての考察・配慮はない。その一方で、より、振動が大きい可動金型への第2射出機の固定(同文献の明細書の段落〔0022〕参照)も示唆されているが、先に説明したような、第2射出機の金型への取付部位や弾性部材に作用する静的な負荷や、繰り返し作用する動的な負荷の影響は大きくならざるを得ない。
更に、特許文献1の第2射出機は、開示されている構成上、射出ノズルを金型の樹脂供給口に任意に押し付ける(接続させる)、あるいは、離間させる動作(ノズルタッチ動作)が困難であり、副材料や金型側の制約により、第2射出機にノズルタッチ動作が必要な成形に対応できないという問題がある。
一方、特許文献2においては、第2のシリンダ(射出ユニット)を、金型に対して移動可能に支持する取り付け機構を有している(同文献の特許請求の範囲の請求項2他参照)ため、固定金型50に一体的に取り付けられた副材料用の射出装置10のノズルタッチ動作が可能である。しかしながら、この取り付け機構も、射出装置10が固定金型50に弾性部材(皿バネ27)を介して固定される構成であるため、特許文献1の第2射出機(射出装置)と同様に、射出装置10の固定金型への固定部位(ハウジング25)や弾性部材(皿バネ27)に、同射出装置10の静的な負荷に加えて、動的な負荷が繰り返し作用するという問題がある。
具体的には、特許文献2の射出装置10の、取り付け機構の中核となるボールねじ軸24の一端が、固定金型50へ固定されたハウジング25内に皿バネ27を介して固定されている。皿バネ27はボールねじ軸24が軸方向に移動されることにより、同軸方向に圧縮されて射出ノズル14のノズルタッチ圧を発生させる。そのため、ボールねじ軸24と、皿バネ27やハウジング25との間には、ボールねじ軸24の軸方向と略直交する方向にも、関連部材間の摺動のためのクリアランスが存在し、ボールねじ軸24の一端が固定金型50に強固に固定されている状態ではない。
そして、ボールねじ軸24の他端はナット30と組み合わされており、ナット30が射出装置10側(前側フランジ16)に回転可能に固定されている。ノズルタッチ用モータ31によりナット30を回転させると、射出装置10をボールねじ軸24に案内させて、固定金型50側に接近させることができる。しかしながら、この構成は、射出装置10に作用する静的・動的負荷を、ボールねじ軸24及びナット30間の回転及び軸方向の移動支持(ボールねじ機構)と、ナット30の回転支持(ベアリング)と、の、同軸上に配置される2つの摺動部を介して支持させるものである。
このように、特許文献2においては、射出装置の金型への固定部位や弾性部材だけでなく、金型に対する射出装置の相対的な移動を支持する、同軸上に配置された複数の摺動部(ボールねじ機構やベアリング)にも、スラスト荷重を含む、同射出装置の静的な負荷や動的な負荷が繰り返し作用するという問題がある。複数の摺動部に作用するこれらの負荷は、射出装置が、金型に弾性部材を介して固定される構成により増幅されることは容易に想像できる。これに対して、特許文献2の射出装置は、プリプラ式の電動射出装置というだけで、油圧配管が不要で非常にコンパクトである(同文献の明細書の段落〔0015〕他参照)と主張されているだけであって、従来のプリプラ式電動射出装置に対する小型化についての考察・配慮はない。
また、特許文献2においては、第2のシリンダ(射出ユニット)を挟んで対向する位置に取り付け機構を配置させ、第2のシリンダを両持ち支持する形態(同文献の特許請求の範囲の請求項4他参照)も記載されている。しかしながら、取り付け機構の金型側が強固に固定されていない状況は同じであるため、射出装置の金型への固定部位や弾性部材に、同射出装置の静的な負荷に加えて、動的な負荷が繰り返し作用するという問題の解決には寄与しない。そればかりか、取り付け機構が第2のシリンダ(射出ユニット)を挟んで対向する位置に配置されるという取り付け機構の配置上の制約や、金型への固定箇所の増加により、第2のシリンダ(射出ユニット)の金型への固定位置や固定形態に制約が生じるという問題がある。更に、射出装置10の金型へのノズルタッチ動作が、第2のシリンダ(射出ユニット)を挟んで対向する位置に配置された2つの取り付け機構により行われるため、それぞれの取り付け機構のノズルタッチ動作制御を正確に連動させなければ、第2のシリンダ(射出ユニット)のノズル部が傾いた状態で金型のスプル(樹脂供給口)に押圧され、先に説明した、同軸上に配置される2つの摺動部に、より大きな静的な負荷や動的な負荷が繰り返し作用するという問題がある。
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたもので、具体的には、従来のプリプラ式射出装置よりも小型化され、金型や金型取付盤への固定位置や固定形態の制約を減少させ、且つ、強固に固定することができるプリプラ式射出装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、樹脂流路を有する連結ブロックにより、可塑化ユニットと射出ユニットとが、前記射出ユニットのノズル部側で連結されたプリプラ式射出装置であって、
前記射出ユニットは、
直動アクチュエータと、
前記直動アクチュエータの非駆動部が固定される直動アクチュエータ保持プレートと、
一端が、前記直動アクチュエータの駆動部側にカップリングを介して連結され、他端に交換可能なプランジャヘッドが配置されるプランジャロッドと、
一端側から、前記プランジャヘッドが長手方向に摺動可能に収納されると共に、前記連結ブロックの前記樹脂流路に連通する貯留部が形成され、他端側に、該貯留部に連通する前記ノズル部が配置される計量ブロックと、
前記直動アクチュエータ保持プレートと前記計量ブロックとを、所定距離離間させた状態で連結させる連結部材と、を有し、
前記可塑化ユニットは、
可塑化スクリュが回転可能に長手方向に収納されると共に、一端側に材料供給口が形成され、他端側が、前記連結ブロックの前記樹脂流路に連通される可塑化バレルと、
前記可塑化スクリュの一端側が、中空軸に収納された状態で固定されると共に、可塑化モータ保持プレートを介して、前記可塑化バレルと連結された可塑化モータと、
を有し、
前記可塑化モータ保持プレートを、前記射出ユニットの前記直動アクチュエータ保持プレートに対して、前記可塑化ユニットの長手方向にのみ摺動可能に連結させる可塑化モータスライド機構により、前記可塑化ユニットと前記射出ユニットとが、略平行に、前記射出ユニットの前記直動アクチュエータ側でも連結されると共に、
前記連結ブロックの前記樹脂流路と、前記射出ユニットの前記計量ブロックの前記貯留部との間に、逆流防止弁を配置させたプリプラ式射出装置によって達成される。
また、本発明に係るプリプラ式射出装置の、前記射出ユニットの前記直動アクチュエータについては、
前記直動アクチュエータ保持プレートに、ボールねじ機構のナット部が固定され、該ナット部の近傍に少なくとも2箇所のガイド部が形成され、
前記ガイド部に案内されて、長手方向に摺動可能なガイドロッドが、射出モータの前記直動アクチュエータ保持プレートと対向する面に立設されると共に、前記射出モータの中空軸に、前記ナット部と組み合わされる、前記ボールねじ機構のボールねじ軸の一端側が固定され、
前記プランジャロッドの一端が、前記ボールねじ軸の他端側に前記カップリングを介して連結されるように構成されても良い。
ここで、本発明に係るプリプラ式射出装置は、前記射出ユニットの前記ノズル部を、金型又は金型取付盤に配置された樹脂供給口に接続させた状態で、前記ノズル部、前記計量ブロック、前記連結部材及び前記直動アクチュエータ保持プレートの少なくとも1つが、金型又は金型取付盤に、直接的に又は間接的に固定されても良い。また、ブッシュを介してタイバーの長手方向に摺動可能に支持されるタイバー固定部材を更に有し、
前記ノズル部、前記計量ブロック、前記連結部材及び前記直動アクチュエータ保持プレートの少なくとも1つが、前記タイバー固定部材に、直接的に又は間接的に固定されても良い。
一方、本発明に係るプリプラ式射出装置は、前記計量ブロック、前記連結部材及び前記直動アクチュエータ保持プレートの少なくとも1つを、1方向に摺動可能に保持させるスライドベースと、
駆動方向が前記1方向に一致するように配置される駆動手段と、
を更に備え、
前記スライドベースを金型又は金型取付盤に固定させて、
前記射出ユニットの前記ノズル部を、金型又は金型取付盤に配置された樹脂供給口に、任意に接続・離間させても良い。この場合、前記駆動手段の駆動部及び非駆動部の一方が前記スライドベースに固定されることが好ましい。また、ブッシュを介してタイバーの長手方向に摺動可能に支持されるタイバー固定部材を更に有し、
前記スライドベースが、前記タイバー固定部材に、直接的に又は間接的に固定されても良い。
本発明に係るプリプラ式射出装置は、樹脂流路を有する連結ブロックにより、可塑化ユニットと射出ユニットとが、前記射出ユニットのノズル部側で連結されたプリプラ式射出装置であって、
前記射出ユニットは、
直動アクチュエータと、
前記直動アクチュエータの非駆動部が固定される直動アクチュエータ保持プレートと、
一端が、前記直動アクチュエータの駆動部側にカップリングを介して連結され、他端に交換可能なプランジャヘッドが配置されるプランジャロッドと、
一端側から、前記プランジャヘッドが長手方向に摺動可能に収納されると共に、前記連結ブロックの前記樹脂流路に連通する貯留部が形成され、他端側に、該貯留部に連通する前記ノズル部が配置される計量ブロックと、
前記直動アクチュエータ保持プレートと前記計量ブロックとを、所定距離離間させた状態で連結させる連結部材と、を有し、
前記可塑化ユニットは、
可塑化スクリュが回転可能に長手方向に収納されると共に、一端側に材料供給口が形成され、他端側が、前記連結ブロックの前記樹脂流路に連通される可塑化バレルと、
前記可塑化スクリュの一端側が、中空軸に収納された状態で固定されると共に、可塑化モータ保持プレートを介して、前記可塑化バレルと連結された可塑化モータと、
を有し、
前記可塑化モータ保持プレートを、前記射出ユニットの前記直動アクチュエータ保持プレートに対して、前記可塑化ユニットの長手方向にのみ摺動可能に連結させる可塑化モータスライド機構により、前記可塑化ユニットと前記射出ユニットとが、略平行に、前記射出ユニットの前記直動アクチュエータ側でも連結されると共に、
前記連結ブロックの前記樹脂流路と、前記射出ユニットの前記計量ブロックの前記貯留部との間に、逆流防止弁を配置させたプリプラ式射出装置であるため、従来のプリプラ式射出装置よりも小型化され、金型や金型取付盤への固定位置や固定形態の制約を減少させ、且つ、強固に固定することができる。
本発明の実施例1に係るプリプラ式射出装置の概略側面図(一部断面含む)である。 図1中のA−A、B及びC−C矢視図である。 本発明の実施例1に係るプリプラ式射出装置の固定金型への固定形態を示すイメージ図である。 本発明の実施例1に係るプリプラ式射出装置の固定金型への別の固定形態を示す概略図である。 本発明の実施例2に係るプリプラ式射出装置の概略側面図(一部断面含む)である。 本発明の実施例2に係るプリプラ式射出装置の固定金型への固定形態を示すイメージ図である。 本発明の実施例2に係るプリプラ式射出装置の固定金型への別の固定形態を示す概略図である。 本発明に係るプリプラ式射出装置の更に別の固定金型への固定形態を示すイメージ図である。 本発明に係るプリプラ式射出装置の別の形態を示す概略側面図(一部断面含む)である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1乃至図4を参照しながら本発明の実施例1に係るプリプラ式射出装置1を説明する。最初に、図1及び図2を参照しながら、プリプラ式射出装置1の構成を説明する。図1に示すように、プリプラ式射出装置1は、樹脂流路21を有する連結ブロック20により、可塑化ユニット10と射出ユニット30とが、射出ユニット30のノズル部31側で連結されたプリプラ式射出装置であって、射出ユニット30のノズル部31を、固定金型2の上面に配置された樹脂供給口2aに接続させた状態で、固定金型2側にフランジ部を形成させたノズル部31が、固定金型2の上面に直接的に固定される。
まず、射出ユニット30は、直動アクチュエータ33と、直動アクチュエータ33の非駆動部が固定される直動アクチュエータ保持プレート34と、一端が、直動アクチュエータ33の駆動部側にカップリング35を介して連結され、他端に交換可能なプランジャヘッド36aが配置されるプランジャロッド36と、一端側から、プランジャヘッド36aが長手方向に摺動可能に収納されると共に、連結ブロック20の樹脂流路21に連通する貯留部37aが形成され、他端側に、貯留部37aに連通するノズル部31が配置される計量ブロック37と、直動アクチュエータ保持プレート34と計量ブロック37とを、所定距離離間させた状態で連結させる連結部材38と、を有している。連結部材38は、板状の部材であって、図1において図面手前側と図面奥側に対向するように配置されているため、図1においては2点鎖線でその外形のみ図示している。連結部材38については、図2(a)(図1のA−A矢視図)を参照することにより配置他の理解が容易である。
また、プランジャヘッド36aの外周面には、環状溝36cを形成させても良い。これは、貯留部37aを形成する計量ブロック37の内周面と、プランジャヘッド36aの外周面との接触面積を減少させ、射出充填工程におけるプランジャロッド36の摺動抵抗の低減を図るものである。また、計量ブロック37の内周面及びプランジャヘッド36aの外周面間の摺動隙間に進入した樹脂材料が環状溝36cに堆積することにより、同摺動隙間のシール機能が期待できる。一方、環状溝36cに堆積した樹脂材料により、射出充填工程完了後、射出完了位置にあるプランジャロッド36(プランジャヘッド36a)を射出開始位置まで移動(後退)させる際の、計量ブロック37の内周面及びプランジャヘッド36aの外周面間の摺動隙間に進入して固化した樹脂材料の掻き取り作用も期待できる。
実施例1においては、直動アクチュエータ33が、直動アクチュエータ保持プレート34に、ボールねじ機構のナット部33a(直動アクチュエータ33の非駆動部)が固定され、ナット部33aの近傍、具体的には、図2(c)(図1のC−C矢視図)に示すように、ナット部33aを中心とした同心円上の均等角度毎に4箇所のガイド部34aが形成され、図示しないブッシュ等を介してガイド部34aに案内されて、長手方向に摺動可能なガイドロッド33bが、射出モータ33cの直動アクチュエータ保持プレート34と対向する面に立設されると共に、射出モータ33cの中空軸33dに、ナット部33aと組み合わされるボールねじ軸33e(直動アクチュエータ33の駆動部)の一端側が固定され、プランジャロッド36の一端が、ボールねじ軸33eの他端側にカップリング35を介して連結されるように構成されている。
上記構成においては、ボールねじ軸33eの一端側が、射出モータ33cの中空軸33d内に挿入されて連結されるため、射出モータ33cの回転軸(中空軸33d)とボールねじ軸33eとを連結させる、カップリング等の回転トルク伝達部材が不要となり、同回転トルク伝達部材の軸方向の長さ分だけ、射出ユニット30の長手方向の寸法を短縮することができる。また、ナット部33aが回転支持されず、直動アクチュエータ保持プレート34に固定されるため、ボールねじ軸33eよりも外径の大きなナット部33aを回転支持するためのベアリング等の回転支持部材が不要となる。更に、ボールねじ軸33eは、所定距離、離間して配置される、共に回転支持部材である中空軸33d(射出モータ33c)及びナット部33aの2点で回転支持されると共に、射出充填工程にボールねじ軸33eの軸方向に作用する射出反力(スラスト荷重)は、所定のスラスト荷重の回転支持が可能なナット部33aにより支持される。そのため、射出ユニット30において、ボールねじ軸33eを回転支持するためのベアリングや、スラスト加重を受けるベアリング等の回転支持部材が不要となる。このような構成は、プリプラ式射出装置1の小型化に寄与するものである。
一方、上記構成により、射出充填時に射出モータ33cの中空軸33dを回転させると、中空軸33dにその一端側が固定されたボールねじ軸33eが回転する。すると、ボールねじ軸33eと組み合わされるナット部33aが、直動アクチュエータ保持プレート34に固定されているため、中空軸33dを介して射出モータ33cにボールねじ軸33eの回転反力が作用する。しかしながら、直動アクチュエータ保持プレート34のガイド部34aに長手方向に摺動可能に案内される4本のガイドロッド33bにより、射出モータ33cの回転運動が拘束されるため、射出モータ33cと、回転するボールねじ軸33eとが、直動アクチュエータ保持プレート34側に一体でストロークS(図1参照)移動(前進)する。
その結果、ボールねじ軸33eの他端側に、カップリング35を介して連結されるプランジャロッド36及びプランジャヘッド36aも、回転運動を伴って計量ブロック37の貯留部37a内をノズル部31側にストロークS移動(前進)する。当然ながら、射出充填工程完了後、射出完了位置にあるプランジャロッド36(プランジャヘッド36a)を、射出開始位置まで移動(後退)させる際も、プランジャヘッド36aは回転運動を伴う。この回転運動により、先に説明した、プランジャヘッド36aの後退時における樹脂材料の掻き取り作用の向上が期待できる。
尚、実施例1においては、ナット部33aを中心とした同心円上の均等角度毎に4箇所のガイド部34aが形成されるものとしたが、射出充填時の、射出モータ33cの射出方向の摺動に問題がなければ、ナット部33aを中心とした同心円上の均等角度毎に3箇所形成させる形態や、ナット部33aの中心を通る、直動アクチュエータ保持プレート34の対角線上の均等距離に2箇所形成させる形態等、ナット部33aの近傍に少なくとも2箇所のガイド部34aが形成されれば良い。
次に、可塑化ユニット10は、連続する螺旋状の攪拌翼(フライト)がその外周面に形成された可塑化スクリュ11が回転可能に長手方向に収納されると共に、一端側に材料供給口12aが形成され、他端側が、連結ブロック20の樹脂流路21に連通される加熱バレル12と、可塑化スクリュ11の一端側が、図示しない中空軸に収納された状態で固定されると共に、可塑化モータ保持プレート13を介して、可塑化バレル12と連結された可塑化モータ14と、を有している。また、材料供給口12aには、ペレット状の樹脂材料を供給するためのホッパ12bが接続されている。プリプラ式射出装置1が、金型等の側面に略水平固定される場合、ホッパ12bは2点鎖線(図1)で示す配置になる。可塑化ユニット10においても、射出ユニット30と同様に、可塑化モータ14の図示しない中空軸に収納された状態で、可塑化スクリュ11の一端側が固定されるため、可塑化モータ14の回転軸と可塑化スクリュ11とを連結させる、カップリング等の回転トルク伝達部材の軸方向の長さ分だけ、可塑化ユニット10の長手方向の寸法を短縮することができる。このような構成も、プリプラ式射出装置1の小型化に寄与するものである。
そして、可塑化モータ保持プレート13を、射出ユニット30の直動アクチュエータ保持プレート34に対して、可塑化ユニット10の長手方向にのみ摺動可能に連結させる可塑化モータスライド機構41により、可塑化ユニット10と射出ユニット30とが、略平行に、射出ユニット30の直動アクチュエータ33側でも連結されると共に、連結ブロック20の樹脂流路21と、射出ユニット30の計量ブロック37の貯留部37aとの間に、逆流防止弁42を配置させている。
前者の可塑化モータスライド機構41は、図2(a)(図1のA−A矢視図)及び図2(b)(図1のB矢視図)に示すように、直動アクチュエータ保持プレート34の上面に可塑化ユニット10の長手方向と略平行に固定されたスライドフレーム41aと、スライドフレーム41aに、可塑化ユニット10の加熱バレル12と略平行に加工された断面T字形状の溝加工部41b、そして、可塑化モータ保持プレート13の下方に形成され、スライドフレーム41aの溝加工部41bに挿入させて、可塑化モータ保持プレート13を、スライドフレーム41aに対して、加熱バレル12の長手方向にのみ摺動可能に連結させるスライド部41cとから構成される。
可塑化ユニット10においては、加熱バレル12の外周に配置させた図示しない加熱手段による加熱や、加熱バレル12内で回転させる可塑化スクリュ11と樹脂材料との接触により発生するせん断熱により、加熱バレル12の材料供給口12aから供給させたペレット状の樹脂材料を、射出充填に好適な状態に溶融(可塑化)させる可塑化工程が行われる。その際、可塑化ユニット10の加熱バレル12が、温度上昇により、連結された連結ブロック20側を基準にして長手方向に熱膨張するが、可塑化モータスライド機構41により、直動アクチュエータ保持プレート34(スライドフレーム41a)に対する、可塑化モータ保持プレート13の、加熱バレル12の熱膨張方向(長手方向)へのスライド移動を許容する。そのため、加熱バレル12に想定外の曲げ応力が発生することを防止できる。
ここで、プリプラ式射出装置1の金型への固定状態、例えば、実施例1のような、固定金型2上面への垂直固定状態や、金型等側面への水平固定状態(図示せず)において、射出成形機における型開閉動作、型締動作、あるいは、射出充填等により発生する振動によって、可塑化ユニット10には、長手方向以外の様々な方向に、自重によるモーメント等の静的、あるいは動的な荷重が作用する。可塑化モータスライド機構41により、可塑化ユニット10と射出ユニット30とが、連結ブロック20側だけでなく、略平行に、射出ユニット30の直動アクチュエータ33側でも連結されることにより、これら荷重に対するプリプラ式射出装置1全体の剛性を向上させて、加熱バレル12の一端のみが連結ブロック20側で固定支持されるプリプラ式射出装置に対して、加熱バレル12及び連結ブロック20の固定部位の強度を低減させることができる。これは、同固定部位の寸法増加を抑制し、プリプラ式射出装置1の小型化に寄与するものである。
また、可塑化モータスライド機構41により、加熱バレル12の熱膨張に対して、可塑化ユニット10と射出ユニット30とを略平行に連結させることができる。そのため、連結ブロックにより、可塑化ユニットと射出ユニットとが、射出ユニットのノズル部側でのみ連結され、射出ユニットの直動アクチュエータ側では、両ユニットが所定角度で離間する構成のプリプラ式射出装置に対して、射出ユニット30の直動アクチュエータ33側における、可塑化ユニット10及び射出ユニット30の長手方向に直交する方向の寸法増加を抑制することができる。これも、プリプラ式射出装置1の小型化に寄与するものである。尚、ここで説明した可塑化モータスライド機構41の構成は一例であって、連結ブロック20側が固定された加熱バレル12の熱膨張方向(長手方向)へのスライド移動のみを許容する構成であれば、該スライド移動を積極的に、あるいは高精度で案内させる構成である必要はなく、また、その形状や配置に制約はない。
後者の逆流防止弁42は、可塑化工程における、樹脂流路21から計量ブロック37の貯留部37aへの樹脂流動(図1の右から左への樹脂流動)は許容し、射出充填工程における、計量ブロック37の貯留部37aから樹脂流路21への樹脂流動(逆流/図1の左から右への樹脂流動)を防止するための弁であり、一般的なプリプラ式射出装置に採用されるボールチェック弁等の公知の逆流防止弁が採用されれば良い。
実施例1では、連結ブロック20の樹脂流路21と、射出ユニット30の計量ブロック37の貯留部37aとの間に、逆流防止弁42を収納可能な空間を形成させ、同空間内に逆流防止弁42を配置させている。同空間は連結ブロック20に形成されているが、計量ブロック37側、あるいは、両ブロック間に亘って形成させても良い。しかしながら、逆流防止弁は定期的なクリーニングが必要であり、樹脂詰まり等のトラブル発生時にも迅速なクリーニングや交換が必要となる。そのため、連結ブロック20及び計量ブロック37を分離せずとも、両ブロックが固定された状態で、外部から逆流防止弁42を交換可能な構成が好ましい。また、樹脂材料の種類等に準じて、異なる仕様の逆流防止弁を採用できることがより好ましい。そのため、逆流防止弁を収納した状態で、上記空間に挿入、あるいは、上記空間から取り出すことにより、収納された逆流防止弁42と、樹脂流路21及び貯留部37aとの、接続、あるいは、開放が可能な、逆流防止弁の交換カートリッジを、異なる仕様の逆流防止弁毎に準備させても良い。
次に、図3及び図4を参照しながら、プリプラ式射出装置1の固定金型2の上面への固定形態について説明する。図1に示すように、実施例1においては、プリプラ式射出装置1の射出ユニット30のノズル部31を、固定金型2の上面に配置された樹脂供給口2aに接続させた状態で、ノズル部31が、固定金型2の上面に直接的に固定される。射出成形機における型開閉動作、型締動作、あるいは、射出充填等により発生する振動に抗して、プリプラ式射出装置1をノズル部31の1箇所で、固定金型2の上面に固定させるのに十分な固定強度が確保可能な場合は、プリプラ式射出装置1の他の部位を、金型や金型取付盤に固定させる必要はない。
しかしながら、射出成形機における型開閉動作、型締動作、あるいは、射出充填等により射出成形機に発生する振動により、プリプラ式射出装置1に作用する、自重等によるモーメント等の様々な静的、あるいは動的な荷重を鑑みると、プリプラ式射出装置1の複数個所を、金型や金型取付盤に固定させることが好ましい。このような複数個所を固定する固定形態により、各固定部位の強度を低減させることができ、プリプラ式射出装置1のそれぞれの固定部位や固定部材の寸法増加を抑制することができる。これも、プリプラ式射出装置1の小型化に寄与するものである。
また、金型側だけでなく、金型取付盤や、後述するタイバーへの固定も含め、プリプラ式射出装置1の複数個所を、金型を含めた複数部位に固定する固定形態により、プリプラ式射出装置1の、金型や金型取付盤への固定位置や固定形態の制約を減少させ、且つ、副材料の射出充填を必要とする金型キャビティのより近傍に、プリプラ式射出装置1を強固に固定させて、副材料用の金型キャビティへの樹脂流路(ホットランナ)長を短縮することができる。これは、金型の構造が複雑になることを防止すると共に、射出充填量が少ない副材料用の、樹脂流路内での可塑化状態での保持(滞留)時間増加による副材料の品質の低下の回避に寄与する。
そこで、実施例1では、ノズル部31が、固定金型2の上面に直接的に固定される以外に、計量ブロック37、連結部材38及び直動アクチュエータ保持プレート34の少なくとも1つが、サポートブラケット43を介して、固定盤3(金型取付盤)の上面(サポートベース43a)に間接的に固定される。図3は、プリプラ式射出装置1の固定金型2の上面へのこのような固定形態を示すイメージ図である。図3においては、図を簡単にするために、図1に示すプリプラ式射出装置1を直方体の組み合わせで図示している。直方体Aがノズル部31を、直方体Bが計量ブロック37、連結部材38及び直動アクチュエータ保持プレート34を、直方体Cが連結ブロック20を、直方体Dが可塑化ユニット10を表すものとする。尚、図示はしていないが、サポートブラケット43及びサポートベース43aは一体の固定部材として構成されても良く、また、サポートブラケット43やサポートベース43aは、形状を変更して、固定盤3の金型取付面や固定金型2の上面に固定されても良い。
例えば、図3において、計量ブロック37が固定盤3の上面に固定される固定形態を図4(a)に示す。説明に不要な部位の図示は割愛しており(以下、図4について同様)、図4(a)の中央の2本の2点鎖線の右側が、一体の固定部材として構成されたサポートブラケット43により、計量ブロック37が固定盤3の上面に直接的に固定される固定形態を示す。同2点鎖線の左側は、サポートブラケット43が連結部材38と異なることを示すものである。
次に、図3において、連結部材38や直動アクチュエータ保持プレート34が固定盤3の上面に固定される固定形態を図4(b)に示す。図4(b)の中央の2本の2点鎖線の右側が、一体の固定部材として構成されたサポートブラケット43により、連結部材38が固定盤3の上面に直接的に固定される固定形態を示し、同2点鎖線の左側が、一体の固定部材として構成されたサポートブラケット43により、直動アクチュエータ保持プレート34が固定盤3の上面に直接的に固定される固定形態を示すものである。これら図4(a)及び(b)に示す形態は一例であって、図示はしていないが、連結部材38や直動アクチュエータ保持プレート34の一部を、サポートブラケットを兼用するように形状変更して、連結部材38や直動アクチュエータ保持プレート34が固定盤3の上面に直接的に固定される固定形態であっても良く、また、サポートブラケットの取付位置に準じて、サポートブラケットを複数の部材で構成し、連結部材38や直動アクチュエータ保持プレート34が、固定盤3や固定金型2に間接的に固定される固定形態であっても良い。
また、プリプラ式射出装置1の射出ユニット30のノズル部31を、固定金型2の上面に配置された樹脂供給口2aに接続させた状態で、ノズル部31以外が、固定金型2の上面に固定されるような、実施例1以外の形態も可能である。例えば、図4(c)は、計量ブロック37が固定金型2の上面に固定される固定形態であり、図4(c)の中央の2本の2点鎖線の右側が、計量ブロック37の固定金型2側にフランジ部を形成させて、固定金型2の上面に直接的に固定される固定形態を示し、同2点鎖線の左側が、一体の固定部材により間接的に固定される固定形態を示す。
また、図4(d)は、連結部材38が固定金型2の上面に固定される一例であり、図4(d)の中央の2本の2点鎖線の右側が、連結部材38の固定金型2側を延長させて、一体の固定部材として形成させて、固定金型2の上面に直接的に固定される固定形態を示し、同2点鎖線の左側が、連結部材38が一体の固定部材により直接的に固定される固定形態を示す。
更に、図4(e)は、直動アクチュエータ保持プレート34が固定金型2の上面に固定される一例であり、図4(e)の中央の2本の2点鎖線の右側が、直動アクチュエータ保持プレート34の固定金型2側を延長させて、一体の固定部材として形成させて、固定金型2の上面に直接的に固定される固定形態を示し、同2点鎖線の左側が、直動アクチュエータ保持プレート34が一体の固定部材により直接的に固定される固定形態を示す。これら図4(c)乃至(e)に示す形態も一例であって、ノズル部31の固定金型2の上面への接続位置に準じて、固定部材を複数の部材で構成し、固定金型2の上面に間接的に固定される固定形態であっても良い。
尚、実施例1においては、連結部材38を、板状の部材であって、対向するように配置されているとしたが、直動アクチュエータ保持プレート34と計量ブロック37とを、所定距離離間させた状態で連結させる構成であれば、その形状や配置に制約はない。
また、可塑化ユニット10で行わせる可塑化工程や、射出ユニット30で行わせる計量工程及び射出充填工程については、一般的なプリプラ式射出装置で行われる工程と同じため説明は割愛する。しかしながら、射出モータ33cをサーボモータとすれば、外部から外力により中空軸33dが回転される場合であっても、中空軸33dの回転角度(回転量)を正確にモニタリングすることができる。また、ナット部33aとボールねじ軸33eのリード(ボールねじ軸1回転に対する、ナット部のボールねじ軸に対する軸方向の相対移動距離)は仕様として明確であるため、中空軸33dの回転角度(回転量)及びリードの仕様から、射出関連部材の移動距離や移動位置を正確にモニタリングすることが可能である。更に、計量工程において、射出モータ33cによる背圧(後退抵抗力)を、可塑化モータ14の回転トルクによる後退力とバランスさせて制御することや、射出充填工程における、プランジャヘッド36aの移動(前進)速度の制御等を鑑みれば、射出モータ33cもサーボモータが採用されることが好ましい。
ここで、逆流防止弁42から貯留部37aへ連通される樹脂流路の、貯留部37a側の開口部37bは、図1に示すように、射出充填完了位置(計量開始位置)にあるプランジャヘッド36aの受圧面36bに、可能な限り接近させて開口させることが好ましい。貯留部37aにおける開口部37bの開口位置をこのように形成させることにより、前の射出充填工程完了時に、プランジャヘッド36aの受圧面36bのノズル部31側(前方)に可塑化状態で保持されている樹脂材料(滞留材料)に対して、次の計量工程において新たに可塑化させる樹脂材料を、該滞留材料よりもプランジャロッド36側(後方)に貯留させることができる。そのため、貯留部37aに貯留させた樹脂材料が、複数回の計量工程の間、貯留部37aに滞留することを防止できる。
尚、図示はしていないが、連結ブロック20、計量ブロック37及びノズル部31には、それぞれの外面や、加工された孔部に、加熱手段や温度計測手段が配置されており、樹脂流路21や逆流防止弁42や貯留部37a内の樹脂材料が、射出充填に好適な温度で保持されるよう加熱制御が行われる。
このように、実施例1に係るプリプラ式射出装置1は、中空軸を有する可塑化モータ14及び射出モータ33cや、ボールねじ軸33eの回転支持部材が不要な構成、また、加熱バレル12の熱膨張方向(長手方向)へのスライド移動を許容する可塑化モータスライド機構41や、プリプラ式射出装置1の複数個所を固定する固定形態により、従来のプリプラ式射出装置よりも小型化が可能である。更に、プリプラ式射出装置1の小型化と、プリプラ式射出装置1の複数個所を複数部位に固定する固定形態と、により、プリプラ式射出装置1の、金型や金型取付盤への固定位置や固定形態の制約を減少させ、且つ、強固に固定することができる。プリプラ式射出装置1の、金型や金型取付盤への固定位置や固定形態の制約を減少させることができれば、副材料の射出充填を必要とする金型キャビティのより近傍に、プリプラ式射出装置1を強固に固定させて、副材料用の金型キャビティへの樹脂流路(ホットランナ)長を短縮することができる。その結果、金型構造の複雑化と、副材料の品質の低下を回避することができる。これに対して、金型に直接固定する副材料用の第2射出機(射出装置)の小型化や、射出装置の複数個所を複数部位に固定する固定形態について、何ら記載や示唆がない特許文献1の射出成形装置(第2射出機)により、上記のような効果を奏することは困難である。
次に、図5乃至図7を参照しながら、本発明の実施例2に係るプリプラ式射出装置1’を説明する。このプリプラ式射出装置1’と、実施例1に係るプリプラ式射出装置1との相違点は、プリプラ式射出装置1’のノズル部31’を、金型や金型取付盤に配置された樹脂供給口(スプル)に任意に接続・離間させる動作(ノズルタッチ動作)が可能である点と、そのために必要な構成が追加されている点である。それ以外の点については、実施例1に係るプリプラ式射出装置1の構成及び射出成形方法と基本的に同じため、同じ構成については、実施例1と同じ符号を使用すると共に、重複する構成及び射出成形方法の説明は割愛する。
最初に、図5を参照しながら、プリプラ式射出装置1’の構成を説明する。図5に示すように、プリプラ式射出装置1’の基本的な構成は、図1に示すプリプラ式射出装置1と同じである。構成上の相違点は、計量ブロック37、連結部材38及び直動アクチュエータ保持プレート34の少なくとも1つを、固定金型2の上面に接近・離間させる方向に摺動可能に保持させるスライドベース51と、駆動方向が同方向に一致するように配置される駆動手段52と、を更に備え、スライドベース51を固定金型2の上面に固定させて、射出ユニット30のノズル部31’を、固定金型2の上面に配置された樹脂供給口2aに、任意に接続・離間させる点である。尚、ノズル部31’については、固定金型2の上面に直接的に固定される、実施例1に係るプリプラ式射出装置1のノズル部31と異なり、ノズルチップを有する一般的なノズル形状である。
実施例2において、スライドベース51は、固定金型2の上面に直接的に固定されるベース部51aと、ベース部51aに配置される直動ガイドレール51bと、直動ガイドレール51bに案内されて直動ガイドレール51b上を直動する2つの直動ガイドブロック51c、及び直動ガイドブロック51cが固定されるガイドベース51dとから構成される。ガイドベース51dは、計量ブロック37及び直動アクチュエータ保持プレート34間を連結しており連結部材38を兼用するものである。実施例2においては、スライドベース51が、ガイドベース51dを介して、計量ブロック37及び直動アクチュエータ保持プレート34の2つを、固定金型2の上面に接近・離間させる方向に摺動可能に保持させる形態である。連結部材38に直動ガイドブロック51cを固定する形態であっても良い。
また、直動ガイドレール51b及び直動ガイドブロック51cは、市販されている直動ガイドから所望する仕様を指定して採用すれば良い。このような直動ガイドは、直動方向の摺動精度が高く、直動方向以外に作用する外力に対して、対抗可能な外力が仕様上明確である。よって、先に説明したような、ノズルタッチ動作を可能とする取り付け機構の一端が、金型に弾性部材を介して固定され、他端が、射出装置の相対的な移動を支持する、同軸上に配置された複数の摺動部で構成される特許文献2の射出装置に対して、実施例2に係るプリプラ式射出装置1’は、好適な仕様の直動ガイドの選択により、固定金型2に強固に固定させることができる。
また、実施例2において、駆動手段52は小型の油圧シリンダである。油圧シリンダの本体部52a(非駆動部)がスライドベース51(ベース部51a)に固定され、シリンダロッド52b(駆動部)がプリプラ式射出装置1’(ガイドベース51d/連結部材38)に固定される。駆動手段52(油圧シリンダ)の本体部52aのヘッド側に、図示しない油圧源から圧油を供給させてシリンダロッド52bを突出させると、直動ガイドレール51bに案内させて、プリプラ式射出装置1’のノズル部31’を固定金型2の樹脂供給口2aから離間させると共に、その離間状態を保持させることができる。一方、駆動手段52の本体部52aのヘッド側から圧油を排出させて、シリンダロッド52bを収納させると、プリプラ式射出装置1’のノズル部31’を固定金型2の樹脂供給口2aに接続させると共に、駆動手段52の本体部52aのロッド側に圧油を供給させると、任意の圧力で、ノズル部31’を樹脂供給口2aへ押圧させることができる。
尚、プリプラ式射出装置1’のノズルタッチ動作のための摺動方向と、駆動手段52の駆動方向とが一致しているため、駆動手段52により、ノズル部31’を樹脂供給口2aへ押圧させる場合であっても、ノズルタッチ動作のためのスライドベース51を構成する摺動部材間(直動ガイドレール51b及び直動ガイドブロック51c)の摺動方向以外に、駆動手段52による押圧力は作用しない。この点も、ノズルタッチ動作を可能とする取り付け機構の、同軸上に配置された複数の摺動部に、射出装置の静的な負荷や動的な負荷が繰り返し作用する特許文献2の射出成形機との相違点である。
次に、図6及び図7を参照しながら、プリプラ式射出装置1’の固定金型2の上面への固定形態について説明する。実施例2においては、プリプラ式射出装置1’の計量ブロック37、連結部材38及び直動アクチュエータ保持プレート34の少なくとも1つを、固定金型2の上面に接近・離間させる方向に摺動可能に保持させるスライドベース51と、駆動方向が同方向に一致するように配置される駆動手段52と、を更に備え、スライドベース51を固定金型2の上面に固定させて、射出ユニット30のノズル部31’を、固定金型2の上面に配置された樹脂供給口12aに、任意に接続・離間させる。実施例2においても、射出成形機における型開閉動作、型締動作、あるいは、射出充填等により発生する振動に抗して、プリプラ式射出装置1’をスライドベース51の1箇所で、固定金型2の上面に固定させるのに十分な固定強度が確保可能な場合は、スライドベース51の他の部位を、金型や金型取付盤に固定させる必要はない。
しかしながら、実施例1と同様の理由により、実施例2においても、プリプラ式射出装置1’のスライドベース51の複数個所を、金型や金型取付盤に固定させ、また、金型側だけでなく、金型取付盤や、後述するタイバーへの固定も含め、スライドベース51の複数個所を、金型を含めた複数部位に固定させる固定形態が好ましい。
そこで、実施例2でも、スライドベース51が、固定金型2の上面に直接的に固定される以外に、スライドベース51が、サポートブラケット43’を介して、固定盤3(金型取付盤)の上面(サポートベース43a’)に間接的に固定される。図6は、プリプラ式射出装置1’の固定金型2の上面へのこのような固定形態を示すイメージ図である。図6においても、プリプラ式射出装置1’を直方体A〜Dの組み合わせで図示している。尚、図示はしていないが、サポートブラケット43’及びサポートベース43a’は一体の固定部材として構成されても良く、また、サポートブラケット43’やサポートベース43a’は、形状を変更して、固定盤3の金型取付面や固定金型2の上面に固定されても良い。
一方、連結部材38や直動アクチュエータ保持プレート34を、固定金型2の上面に接近・離間させる方向に摺動可能に、スライドベース51に保持させて、駆動手段52によりノズルタッチ動作を行わせる形態も、実施例2の図5に示す以外の形態が可能である。例えば、図7の中央の2本の2点鎖線の左側は、先に説明したように、連結部材38をスライドベース51に保持させる、すなわち、連結部材38に直動ガイドブロック51cを固定する形態を示し、同2点鎖線の右側が、直動アクチュエータ保持プレート34をスライドベース51に保持させる形態を示す。また、計量ブロック37をスライドベース51に保持させる形態も可能ではある。しかしながら、計量ブロック37がプリプラ式射出装置1’の長手方向の全長に対して、比較的端部にあるため、ノズルタッチ動作のための、プリプラ式射出装置1’の摺動時の重量バランスが悪く、図示は省略している。
また、駆動手段52は、図7の中央の2本の2点鎖線の右側に示すように、スライドベース51ではなく、固定金型2に固定される形態であっても良い。しかしながら、スライドベース51に加えて、駆動手段52の固定金型2への固定が必要になるため、プリプラ式射出装置1’の固定金型2への固定形態の制約が増加する。そのため、左側に示すように、駆動手段52の本体部52a(非駆動部)がスライドベース51(ベース部51a)に固定され、シリンダロッド52b(駆動部)がプリプラ式射出装置1’(ガイドベース51d/連結部材38)に固定される形態の方が好ましい。この形態の場合、駆動手段52の固定金型2への固定を考慮する必要がない。駆動手段52の本体部52a(非駆動部)とシリンダロッド52b(駆動部)の取り付けは逆であっても良い。
このように、実施例2に係るプリプラ式射出装置1’は、実施例1に係るプリプラ式射出装置1に、ノズルタッチ動作を可能にするために追加された構成(スライドベース51)の複数個所を複数部位に固定する固定形態であり、且つ、プリプラ式射出装置1’のノズルタッチ動作の摺動方向と、その駆動手段の駆動方向とが一致しているため、同駆動手段により、ノズル部を樹脂供給口へ押圧させる場合であっても、ノズルタッチ動作のための構成の摺動部材間の摺動方向以外に、同駆動手段による押圧力は作用せず、安定したノズルタッチ動作が可能になる。これにより、副材料や金型側の制約により、副材料の射出充填にノズルタッチ動作が必要な成形にも対応することができる。例えば、同じ金型であっても、副材料の色替えが必要な場合、プリプラ式射出装置1’を金型等から取り外すことなく、ノズル部31’を金型の樹脂供給口から離間させて、プリプラ式射出装置1’内の樹脂材料を排出(パージ)させて色替え作業を行わせることができる。また、色替え作業において、パージ後のノズル部31’回りの清掃等のメンテナンスを容易に行うことができる。これに対して、ノズルタッチ動作を可能とする取り付け機構の、同軸上に配置された複数の摺動部に、射出装置の静的な負荷や動的な負荷が繰り返し作用する特許文献2の射出成形機(射出装置)において、安定したノズルタッチ動作を継続して行わせることは困難である。
次に、図8を参照しながら、本発明の実施例3に係るプリプラ式射出装置1”を説明する。このプリプラ式射出装置1”と、実施例1及び実施例2に係るプリプラ式射出装置との相違点は、図示しないブッシュを介してタイバー4の長手方向に摺動可能に支持されるタイバー固定部材を更に有し、ノズル部、計量ブロック、連結部材及び直動アクチュエータ保持プレートの少なくとも1つが、タイバー固定部材に、直接的に又は間接的に固定される点、すなわち、プリプラ式射出装置の金型や金型取付盤への固定に関して、タイバーに支持されるタイバー固定部材が加えられる点である。それ以外の点については、実施例1及び実施例2に係るプリプラ式射出装置の構成及び射出成形方法と基本的に同じため、同じ構成については、実施例1と同じ符号を使用すると共に、重複する構成及び射出成形方法の説明は割愛する。
図8(a)は、プリプラ式射出装置1”の固定金型2の上面へのこのような固定形態の一例を示すイメージ図である。図8(a)においても、プリプラ式射出装置1”を直方体A〜Dの組み合わせで図示している。尚、先に説明したように、実施例3に係るプリプラ式射出装置1”と、実施例1及び実施例2に係るプリプラ式射出装置との相違点は、タイバー固定部材が加えられる点のみであるため、実施例3に係るプリプラ式射出装置1”は、実施例1及び実施例2に係るプリプラ式射出装置のいずれとも置き換えが可能である。よって、以後の説明は、実施例1に係るプリプラ式射出装置1を前提とする。また、実施例3に係るプリプラ式射出装置1”において、タイバー固定部材と固定されるプリプラ式射出装置の構成をスライドベース51に読み替えると、そのまま、図6に示すプリプラ式射出装置1’(実施例2)に置き換えた場合の説明となるため、その場合の説明は省略する。
図8(a)に示すように、プリプラ式射出装置1”は、図示しないブッシュを介してタイバー4の長手方向に摺動可能に支持されるタイバー固定部材61を更に有し、直方体B(計量ブロック37、連結部材38及び直動アクチュエータ保持プレート34)が、タイバー固定部材61に直接的に固定されている。直方体A(ノズル部31)が固定金型2の上面に直接的に固定されているため、プリプラ式射出装置1”は、直方体A及び直方体Bの2箇所を固定金型2及びタイバー4(タイバー固定部材61)の2部位に固定する固定形態である。これは、実施例1及び実施例2と同様に、プリプラ式射出装置の複数個所を複数部位に固定する固定形態である。直方体Aが固定金型2の上面に直接的に又は間接的に固定される形態は、図4(c)〜図4(e)を参照すれば理解が容易である。また、直方体Bがタイバー固定部材61と固定される形態については、図4(a)〜図4(e)のサポートブラケット43等の固定部材をタイバー固定部材61と置き換えて参照すれば理解が容易である。そのため、直方体A及び直方体Bの固定金型2及びタイバー4(タイバー固定部材61)への固定形態の説明及び図示は省略する。
図8(a)に示す、プリプラ式射出装置1”の、タイバー固定部材61によるタイバー4への固定形態は、副材料を射出充填させる樹脂供給口2aが固定金型2の上面の、側面近傍に配置されており、プリプラ式射出装置1”を固定金型2の上面の、側面近傍に配置させる場合や、固定金型2の上面、固定盤3の金型取付面や上面/側面に、サポートブラケット43等の固定部材の固定が困難な場合に有効である。タイバー固定部材61は、タイバー4に図示しないブッシュを介して固定されるため、タイバー4の長手方向には摺動可能であるが、プリプラ式射出装置1”が、固定金型2に少なくとも1箇所でも固定されていれば、プリプラ式射出装置1”が固定金型2に対してタイバー4の長手方向に対して相対的に摺動することはない。また、プリプラ式射出装置1”の、タイバー4の長手方向に外力が作用したとしても、該外力の平均作用点がタイバー4の軸心と一致しなければ、タイバーの長手方向と略平行に作用する荷重に対しても、所定の抗力(支持力)が期待できるため、プリプラ式射出装置1”の、タイバー固定部材61を介したタイバー4への固定形態は、プリプラ式射出装置1”の固定金型2への固定に有効である。
また、図3(実施例1)や図6(実施例2)に示す、プリプラ式射出装置の固定金型2への固定形態に、図8(a)に示す、プリプラ式射出装置1”の、タイバー固定部材61を介したタイバー4への固定を採用しても良い。この場合、プリプラ式射出装置の複数個所を複数部位に固定する固定形態をより強固にするため、これまで説明した作用効果をより確実に奏することができる。
一方、プリプラ式射出装置1”の、タイバー固定部材61によるタイバー4への固定形態は、図8(b)に示すように、タイバー固定部材61が、上方の隣り合うタイバー4の両方に、図示しないブッシュを介してタイバー4の長手方向に摺動可能に支持される形態であっても良い。このような形態のタイバー固定部材61は、図8(a)の形態に対して、タイバー固定部材61の両端が固定されることにより、タイバー4の軸芯中心の回転が拘束されると共に、一端が、プリプラ式射出装置1”に固定された、サポートブラケット43等の固定部材の他端の固定領域を拡大させ、且つ、許容支持荷重を大きく確保できる。そのため、図8(a)で説明した、プリプラ式射出装置1”を固定金型2の上面の、側面近傍に配置させる場合や、固定金型2の上面、固定盤3の金型取付面や上面/側面に、サポートブラケット43等の固定部材の固定が困難な場合の、プリプラ式射出装置1”の支持に有効であるばかりでなく、固定金型2の上面に、複数台のプリプラ式射出装置1”を固定させる場合の、各プリプラ式射出装置1”の支持に有効である。このような場合、一端が、プリプラ式射出装置1”に固定された、サポートブラケット43等の固定部材の他端の、固定金型2の上面や、固定盤3の金型取付面や上面/側面への固定箇所や固定形態が制約されるが、図8(b)に示すようなタイバー固定部材61の採用により、この制約を少なくすることができる。
このように、実施例3に係るプリプラ式射出装置1”は、実施例1及び実施例2に係るプリプラ式射出装置の、金型や金型取付盤への固定に有効であって、プリプラ式射出装置の複数個所を複数部位に固定する固定形態をより強固なものにするため、実施例1や実施例2で説明した作用効果をより確実に奏することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、実施例1及び実施例2においては、プリプラ式射出装置の2箇所を、金型や金型取付盤に固定させる固定形態を説明しているが、実施例3のように、タイバー固定部材を介してタイバーに支持させない状態において、プリプラ式射出装置の3箇所以上を、金型や金型取付盤に固定させる固定形態でも良い。また、実施例3のようにタイバー固定部材を介して、プリプラ式射出装置の3箇所以上を、金型や金型取付盤に固定させ、又、タイバーにも支持させる固定形態でも良い。
また、実施例における説明と図を簡単にするため、実施例1から実施例3において、固定金型2の上面に配置された樹脂供給口2aに射出充填させるために、プリプラ式射出装置1台を垂直に固定させる固定形態について説明したが、プリプラ式射出装置を複数台固定する形態や、固定金型2の側面に水平に固定される形態や、プリプラ式射出装置の長手方向と、ノズル部からの射出方向を一致させず、例えば、これらが直交するように計量ブロックやノズル部を構成させて、固定金型2の上面に水平に、あるいは、側面に垂直に配置させる形態でも良い。
更に、実施例1から実施例3において、プリプラ式射出装置を、射出成形機の型締装置に取り付けられた固定金型2に固定させる形態としたが、本発明のプリプラ式射出装置においては、金型への強固な固定が可能になるため、型開閉動作で可動する可動金型に固定させる形態でも良い。一方、特殊なケースにはなるが、樹脂供給口が金型取付盤、例えば、固定盤や可動盤の上面や側面に配置されている場合や、金型及び金型取付盤間に配置させたブロック部の上面や側面に配置されている場合には、それらの金型取付盤やブロック部に固定させる形態でも良い。
他には、実施例3において、タイバー固定部材を上方のタイバーに支持させる形態を説明したが、例えば、プリプラ式射出装置を金型や金型取付盤の側面に固定させる場合は、タイバー固定部材を、プリプラ式射出装置取付側の下方のタイバーに支持させる形態や、プリプラ式射出装置取付側の、上下に隣り合うタイバーに支持させる形態でも良い。
また、実施例1から実施例3において、プリプラ式射出装置の射出ユニットの直動アクチュエータが、中空軸を有する射出モータである形態を前提としたが、プリプラ式射出装置自体の別の形態として、図9に示すように、直動アクチュエータを油圧シリンダや空圧シリンダ等の流体シリンダ71にすることも可能である。射出ユニット30側での高精度での制御が必要ない場合は、この形態により、射出ユニット30の構成を簡素化できる。この場合、流体シリンダ71の本体部71a(非駆動部)のシリンダロッド71b側を、直動アクチュエータ保持プレート34に固定させ、流体シリンダ71のシリンダロッド71bとプランジャロッド36とをカップリング35で連結させる。この形態においては、プランジャロッド36及びプランジャヘッド36aが、回転運動を伴わずに計量ブロック37の貯留部37a内を移動することを除けば、実施例1で説明した射出ユニット30と同等の機能を有する。
一方、本発明に係るプリプラ式射出装置は、射出成形機を使用する射出成形方法以外にも採用することができる。例えば、射出成形機により、透明樹脂部品(樹脂ガラス等)や、繊維強化樹脂等を材料とする軽量化部品等、比較的大きな樹脂成形部品を成形させた後、後工程において、取付用クリップや取付ツメ部、あるいは、補強用リブや補強用ボスや溶着ボス等の別部品(別部位)をこれら樹脂成形部品の外周や非意匠面(裏面)に取り付ける場合がある。このような別部品(別部位)を、これら樹脂成形部品に積層成形で取り付ける(形成させる)場合、射出成形機に取り付けた1組の金型内で積層成形させることが困難であったり、可能であっても、金型が複雑になりその金型費用が成形コストに見合わなくなったりする場合がある。具体的には、別部品用の金型キャビティ形状や、樹脂成形部品成形後の、金型内可動部による別部品用の金型キャビティの形成や、別部品の樹脂成形部品への積層成形位置や積層成形箇所数等による制約が多い場合である。
このような場合、成形されたこれら樹脂成形部品を射出成形機から取り出した後、後工程において、別の装置、例えば、2つの金型を上下に型開閉可能で、型閉じ状態で所定の型締力(必ずしも大きな型締力である必要はない。)を金型に付与させることができる、油圧式プレス機やサーボプレス機等を使用したインサート成形が使用される。
具体的には、先に射出成形機により成形させたこれら樹脂成形部品を、これら装置に取り付けられた金型の金型キャビティにセット(インサート)して金型を閉じた際、インサートさせた樹脂成形部品と金型キャビティ面との間に、所望する別部品用の金型キャビティが形成されるように金型が構成される。そして、このような別部品用の金型キャビティに樹脂材料を射出充填させることができるように、市販されている小型の後付用射出装置を配置させる。しかしながら、このような後付用射出装置は、小型の部類であっても、所望する別部品用の金型キャビティに対して計量樹脂量が多く、また、別部品用の金型キャビティが複数ある場合は、同金型キャビティ毎に配置させることが困難な場合が多いため、通常は、1台か2台の後付用射出装置から樹脂材料を射出させて、金型内の樹脂流路(ホットランナ)を分岐させて、各金型キャビティに射出充填させる。このような成形方法は、バックインジェクション成形方法と呼称される。
そのため、バックインジェクション成形方法は、先に説明したような、別部品用の金型キャビティへの樹脂流路が長くなり、金型の構造が複雑になる、あるいは、樹脂流路内での可塑化状態での保持時間増加による樹脂材料の品質の低下を招くという、本発明の解決する課題と同様の課題を有している。従って、本発明に係るプリプラ式射出装置は、このようなバックインジェクション成形方法においても、射出充填を必要とする別部材用の金型キャビティ毎に、且つ、より近傍に、プリプラ式射出装置を強固に固定させて、別部材用の金型キャビティへの樹脂流路(ホットランナ)長を短縮することができる。
1、1’、1” プリプラ式射出装置
2 固定金型
2a 樹脂供給口
3 固定盤
4 タイバー
10 可塑化ユニット
11 可塑化スクリュ
12 加熱バレル
12a 材料供給口
13 可塑化モータ保持プレート
14 可塑化モータ
20 連結ブロック
21 樹脂流路
30 射出ユニット
31、31’ ノズル部
33 直動アクチュエータ
33a ナット部
33b ガイドロッド
33c 射出モータ
33d 中空軸
33e ボールねじ軸
34 直動アクチュエータ保持プレート
34a ガイド部
35 カップリング
36 プランジャロッド
36a プランジャヘッド
37 計量ブロック
37a 貯留部
38 連結部材
41 可塑化モータスライド機構
42 逆流防止弁
51 スライドベース
52 駆動手段
52a 本体部(非駆動部)
52b シリンダロッド(駆動部)
61 タイバー固定部材
71 流体シリンダ
71a 本体部(非駆動部)
71b シリンダロッド(駆動部)

Claims (7)

  1. 樹脂流路を有する連結ブロックにより、可塑化ユニットと射出ユニットとが、前記射出ユニットのノズル部側で連結されたプリプラ式射出装置であって、
    前記射出ユニットは、
    直動アクチュエータと、
    前記直動アクチュエータの非駆動部が固定される直動アクチュエータ保持プレートと、
    一端が、前記直動アクチュエータの駆動部側にカップリングを介して連結され、他端に交換可能なプランジャヘッドが配置されるプランジャロッドと、
    一端側から、前記プランジャヘッドが長手方向に摺動可能に収納されると共に、前記連結ブロックの前記樹脂流路に連通する貯留部が形成され、他端側に、該貯留部に連通する前記ノズル部が配置される計量ブロックと、
    前記直動アクチュエータ保持プレートと前記計量ブロックとを、所定距離離間させた状態で連結させる連結部材と、を有し、
    前記可塑化ユニットは、
    可塑化スクリュが回転可能に長手方向に収納されると共に、一端側に材料供給口が形成され、他端側が、前記連結ブロックの前記樹脂流路に連通される可塑化バレルと、
    前記可塑化スクリュの一端側が、中空軸に収納された状態で固定されると共に、可塑化モータ保持プレートを介して、前記可塑化バレルと連結された可塑化モータと、
    を有し、
    前記可塑化モータ保持プレートを、前記射出ユニットの前記直動アクチュエータ保持プレートに対して、前記可塑化ユニットの長手方向にのみ摺動可能に連結させる可塑化モータスライド機構により、前記可塑化ユニットと前記射出ユニットとが、略平行に、前記射出ユニットの前記直動アクチュエータ側でも連結されると共に、
    前記連結ブロックの前記樹脂流路と、前記射出ユニットの前記計量ブロックの前記貯留部との間に、逆流防止弁を配置させたプリプラ式射出装置。
  2. 前記射出ユニットの前記直動アクチュエータが、
    前記直動アクチュエータ保持プレートに、ボールねじ機構のナット部が固定され、該ナット部の近傍に少なくとも2箇所のガイド部が形成され、
    前記ガイド部に案内されて、長手方向に摺動可能なガイドロッドが、射出モータの前記直動アクチュエータ保持プレートと対向する面に立設されると共に、前記射出モータの中空軸に、前記ナット部と組み合わされる、前記ボールねじ機構のボールねじ軸の一端側が固定され、
    前記プランジャロッドの一端が、前記ボールねじ軸の他端側に前記カップリングを介して連結されるように構成される、請求項1に記載のプリプラ式射出装置。
  3. 前記射出ユニットの前記ノズル部を、金型又は金型取付盤に配置された樹脂供給口に接続させた状態で、前記ノズル部、前記計量ブロック、前記連結部材及び前記直動アクチュエータ保持プレートの少なくとも1つが、金型又は金型取付盤に、直接的に又は間接的に固定される、請求項1又は請求項2に記載のプリプラ式射出装置。
  4. ブッシュを介してタイバーの長手方向に摺動可能に支持されるタイバー固定部材を更に有し、
    前記ノズル部、前記計量ブロック、前記連結部材及び前記直動アクチュエータ保持プレートの少なくとも1つが、前記タイバー固定部材に、直接的に又は間接的に固定される、請求項3に記載のプリプラ式射出装置。
  5. 前記計量ブロック、前記連結部材及び前記直動アクチュエータ保持プレートの少なくとも1つを、1方向に摺動可能に保持させるスライドベースと、
    駆動方向が前記1方向に一致するように配置される駆動手段と、
    を更に備え、
    前記スライドベースを金型又は金型取付盤に固定させて、
    前記射出ユニットの前記ノズル部を、金型又は金型取付盤に配置された樹脂供給口に、任意に接続・離間させる、請求項1又は請求項2に記載のプリプラ式射出装置。
  6. 前記駆動手段の駆動部及び非駆動部の一方が前記スライドベースに固定される、請求項5に記載のプリプラ式射出装置。
  7. ブッシュを介してタイバーの長手方向に摺動可能に支持されるタイバー固定部材を更に有し、
    前記スライドベースが、前記タイバー固定部材に、直接的に又は間接的に固定される、請求項5又は請求項6に記載のプリプラ式射出装置。
JP2016057769A 2016-03-23 2016-03-23 プリプラ式射出装置 Pending JP2017170710A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016057769A JP2017170710A (ja) 2016-03-23 2016-03-23 プリプラ式射出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016057769A JP2017170710A (ja) 2016-03-23 2016-03-23 プリプラ式射出装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017170710A true JP2017170710A (ja) 2017-09-28

Family

ID=59971555

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016057769A Pending JP2017170710A (ja) 2016-03-23 2016-03-23 プリプラ式射出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017170710A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020006660A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 ファナック株式会社 射出成形機

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020006660A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 ファナック株式会社 射出成形機
US10906222B2 (en) 2018-07-12 2021-02-02 Fanuc Corporation Injection molding machine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100771784B1 (ko) 클램핑 장치 및 몰딩 기계
EP2101979B1 (en) Apparatus and method for active mold decompression in an injection molding machine
CN108688090B (zh) 注射成型机
EP3372376B1 (en) Injection molding machine
EP3372378B1 (en) Injection molding machine
EP3287252A1 (en) Injection molding machine
JP7023771B2 (ja) 射出成形機
JP2017170710A (ja) プリプラ式射出装置
JP6385831B2 (ja) 射出成形機
JP2019177684A (ja) 射出成形機
CN116653213A (zh) 注射成型机
JP2018167467A (ja) 射出成形機
CN109476060B (zh) 模具用注射装置安装板以及模具
JP7434017B2 (ja) 射出装置
EP3381643A1 (en) Injection unit and direction switching valve
CN113199699B (zh) 注射成型机
JP6361787B1 (ja) 2プレート式射出装置
JP7293097B2 (ja) 射出成形機
JP2018140610A (ja) 射出成形機
JP2018126982A (ja) 射出成形機
JP6644442B2 (ja) 射出装置
JP6036283B2 (ja) 射出成形機の射出装置
JP2006321225A (ja) 射出装置
JP2021107114A (ja) 金型装置
JP2012240333A (ja) スクリュー式射出装置