JP2017170302A - ミスト発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生成するミストの粒径分布を狭くすることができ、かつ、粒径の小さなミストを効率よく得ることができるミスト発生装置を提供する。
【解決手段】ミスト発生装置1は、ミストを発生するミスト発生部2と、ミスト発生部2により発生されたミストを導入するミスト入口4と、ミスト入口4から導入されたミストを外部へ噴霧するミスト出口5とを有し、ミスト入口4の高さ位置がミスト出口5より相対的に低くなるように設置され、らせん形状に形成されるらせん形状通路3と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ミスト発生装置に関する。
現在、ミストの微粒化に関するニーズがある。例えば、ノズルから噴霧された圧縮空気及び水(もしくはミスト)をエルボー内側壁面に衝突させることで、粒径の大きなミストを水滴として分離し、粒径の小さなミストをエルボー出口から噴霧する手法がある(例えば特許文献1)。
特開2011−62582号公報
しかし、特許文献1などに記載される従来のミスト微粒化手法では、噴霧されるミストの粒径分布が広くなること、また、微細なミストが効率よく得られないなどの問題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、生成するミストの粒径分布を狭くすることができ、かつ、粒径の小さなミストを効率よく得ることができるミスト発生装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るミスト発生装置(1)は、ミストを発生するミスト発生部(2)と、前記ミスト発生部により発生されたミストを導入する導入口(4)と、前記導入口から導入されたミストを外部へ噴霧する吹出口(5)とを有し、前記導入口の高さ位置が前記吹出口より相対的に低くなるように設置され、らせん形状に形成されるらせん形状通路(3)と、を備える。
この構成により、ミストがらせん形状通路を通過する間に、粒径の大きいミストほど大きい遠心力を受けて径方向外側の内壁に付着するので、粒径の大きいミストを容易にミスト流から分離でき、粒径の小さなミストを効率よく得ることができる。また、導入口が吹出口より低い位置にあるので、内壁に付着した粒径の大きいミストは水滴として重力によって導入口側へ自動的に戻される。このため、ミスト流から一旦分離された粒径の大きいミストが再びミスト流に混じることがなく、粒径の小さいミストのみを確実に抽出できるので、吹出口から噴霧されるミストの粒形分布を狭くすることができる。
本発明によれば、生成するミストの粒径分布を狭くすることができ、かつ、粒径の小さなミストを効率よく得ることができるミスト発生装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るミスト発生装置の概略構成を示す図である。 図2は、図1に示すミスト発生装置のらせん形状通路の側面図である。 図3は、らせん形状通路のミスト入口及びミスト出口における構成の変化を示す図である。 図4は、ミスト発生装置の変形例を示す図である。 図5は、ミスト発生装置の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施形態]
図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態に係るミスト発生装置1の構成について説明する。以下の説明では、図1及び図2の紙面上の上下方向を「高さ方向」と表し、その上側を「上側」、下側を「下側」と表す。なお、高さ方向は典型的には重力方向であるが、他の方向でもよい。
本実施形態のミスト発生装置1は、ミストの微粒化を行う用途に適用される。ここで、「ミスト」とは、水などの液体を数μm程度の微細な粒子状にして人工的に生成した霧のことをいう。ミスト発生装置1は、従来のエルボーを用いたミスト発生装置(特許文献1参照)と同様に、衝突微粒化により粒径の小さなミストを得ることができる。衝突微粒化とは、ノズル等から噴霧された空気及び水(もしくはミスト)を通路内の壁面に衝突させることによって、粒径の大きなミストを水滴として分離し、粒径の小さなミストを噴霧する手法である。
図1に示すように、ミスト発生装置1は、ミスト発生部2と、らせん形状通路3とを備える。
ミスト発生部2は、水などの液体からミストを発生させる装置である。ミスト発生部2におけるミスト発生手法は、周知の手法を用いることができる。ミスト発生部2は、発生したミストを空気と共にらせん形状通路3のミスト入口4に送出することができる。
らせん形状通路3は、ミスト発生部2により発生されたミストを通過させて噴霧する要素である。らせん形状通路3は、図1及び図2に示すように、ミスト発生部2により発生されたミストを導入するミスト入口4(導入口)と、ミスト入口4から導入されたミストを外部へ噴霧するミスト出口5(吹出口)とを有し、ミスト入口4とミスト出口5とを結ぶ管路が、中心軸Xの周囲にらせん状に形成されている。
らせん形状通路3は、ミスト入口4の高さ位置がミスト出口5より相対的に低くなるように設置される。ミスト入口4は、ミスト出口5に対して高さ方向の下側に配置され、本実施形態では図1に示すように中心軸Xと重畳するよう配置されている。らせん形状通路3は、らせん形状の中心軸Xが鉛直方向に向くよう設置されるのが好ましい。
らせん形状通路3は、ミスト入口4からミスト出口5の方向に進むにつれて、内部を通過するミストの受ける遠心力Fが徐々に大きくなるように形成されている。このように遠心力Fを変化させるべく、らせん形状通路3は、具体的には2つの構成上の特徴を備える。
第1の特徴として、らせん形状通路3は、図3に示すように、らせん形状の外径(らせん径)が、ミスト入口4からミスト出口5に進むにつれて徐々に小さくなるように形成される。例えば、図1に示すらせん径R1のように、ミスト入口4に近いほどらせん径は相対的に大きくなり、また、図1に示すらせん径R2のように、ミスト出口5に近いほどらせん径は相対的に小さくなる。
第2の特徴として、らせん形状通路3は、図3に示すように、内部通路の断面積が、ミスト入口4からミスト出口5に進むにつれて徐々に小さくなるように形成されている。例えば、図1に示す断面積A1のように、ミスト入口4に近いほど内部通路の断面積は相対的に大きくなり、また、図1に示す断面積A2のように、ミスト出口5に近いほど内部通路の断面積は相対的に小さくなる。
次に、本実施形態に係るミスト発生装置1による微細ミストの生成過程について説明する。
まず、ミスト発生部2により発生されたミストが空気と共にミスト入口4かららせん形状通路3内に送り込まれる。
らせん形状通路3内に送り込まれたミストは、空気によって流速が付与されて、らせん形状通路3の内部をミスト出口5に向かって移動する。らせん形状通路3内を通過する間、ミストはらせん形状の中心軸Xの周囲を回転しつつ、ミスト入口4の高さ位置からミスト出口5の高さ位置まで上昇する軌道をとる。このとき回転運動によってミストが受ける遠心力Fは、例えば以下の(1)式で表すことができる。
Figure 2017170302
ここで、mはミストの重量、vはミストの流速、rはミストの位置から中心軸Xまでの距離(らせん径)である。
つまり、ミストが同一位置rかつ同一流速vの場合、ミストの粒径が大きく重量mが重くなるほど、ミストが受ける遠心力Fが増大する。したがって、ミストがらせん形状通路3内を通過している間に、粒径の大きいミストは、粒径の小さいミストと比較して、より大きい遠心力を受け、らせん形状通路3内の外周側の内壁に衝突しやすくなる。内壁に衝突した粒径の大きいミストは流速を失い、エルボー入口4側へ落下してゆき、最終的にエルボー入口4からミスト発生部2に戻される。これにより、らせん形状通路3を流れるミスト流から粒径の大きいミストが分離される。
また、らせん形状通路3は、上述のように、ミスト出口5に近づくにつれ、らせん径rを徐々に小さくするように形成されている。上記(1)式のとおり、らせん径rが徐々に小さくなることによって、同一重量mかつ同一流速vのミストが受ける遠心力Fは徐々に大きくなる。つまり、らせん形状通路3内をミスト出口5側に進むほど、遠心力Fによって内壁に衝突させてミスト流から分離できるミストの粒径が徐々に小さくなる。これにより、らせん形状通路3のミスト出口5に到達するミストは、粒径が極めて小さく、かつ、粒径分布が狭いものとなる。
さらに、らせん形状通路3は、上述のように、断面積がミスト出口5に向かうにつれ徐々に小さくなるよう形成されている。このことは、ミスト出口5に近づくほどミストの流路が縮小されて流速vが増加することを意味する。断面積が徐々に小さくなり、送り込まれたミストの流速vの上昇に伴って、上記(1)式のとおり、同一重量mかつ同一位置rのミストが受ける遠心力Fは徐々に大きくなる。つまり、らせん形状通路3内をミスト出口5側に進むほど、遠心力Fによって内壁に衝突させてミスト流から分離できるミストの粒径が徐々に小さくなる。これにより、らせん形状通路3のミスト出口5に到達するミストは、粒径が極めて小さく、かつ、粒径分布が狭いものとなる。
らせん形状通路3のらせん径rを徐々に小さくすること、また、らせん形状通路3の断面積を徐々に小さくすることにより、遠心力Fも徐々に大きくなることから、圧力損失が少なく効率よくミストの微粒化が可能となる。
そして、らせん形状通路3を通過した微細ミストが、ミスト出口5から外部に噴霧される。
次に、本実施形態に係るミスト発生装置1の効果について説明する。本実施形態のミスト発生装置1は、ミストを発生するミスト発生部2と、ミスト発生部2により発生されたミストを導入するミスト入口4と、ミスト入口4から導入されたミストを外部へ噴霧するミスト出口5とを有し、ミスト入口4の高さ位置がミスト出口5より相対的に低くなるように設置され、らせん形状に形成されるらせん形状通路3と、を備える。
この構成により、ミストがらせん形状通路3を通過する間に、粒径の大きいミストほど大きい遠心力を受けて径方向外側の内壁に付着するので、粒径の大きいミストを容易にミスト流から分離でき、粒径の小さなミストを効率よく得ることができる。また、ミスト入口4がミスト出口5より低い位置にあるので、内壁に付着した粒径の大きいミストは水滴として重力によってミスト入口4側へ自動的に戻される。このため、ミスト流から一旦分離された粒径の大きいミストが再びミスト流に混じることがなく、粒径の小さいミストのみを確実に抽出できるので、ミスト出口5から噴霧されるミストの粒形分布を狭くすることができる。この結果、本実施形態のミスト発生装置1は、生成するミストの粒径分布を狭くすることができ、かつ、粒径の小さなミストを効率よく得ることができる。
また、本実施形態のミスト発生装置1において、らせん形状通路3は、内部を通過するミストの受ける遠心力Fがミスト入口4からミスト出口5に進むにつれて大きくなるように形成される。具体的には、らせん形状通路3は、らせん形状の外径(らせん径)が、ミスト入口4からミスト出口5に進むにつれて小さくなるように形成され、かつ、内部通路の断面積がミスト入口4からミスト出口5に進むにつれて小さくなるように形成される。
これらの構成により、らせん形状通路3内をミスト出口5側へ進むにつれて、内部を流れるミストが受ける遠心力Fを徐々に大きくすることで、遠心力Fがミストに有効に働く。より詳細には、らせん形状通路3のミスト通過位置に応じて、好適な遠心力が働いてミスト流から分離されるミストの粒径を徐々に小さくでき、最終的に微細ミストのみを残すことができる。これにより、粒径の大きいミストを分離しやすくなり、ミストの微粒化を好適に行うことが可能となり、生成するミストの粒径分布をより一層狭くすることができる。
また、本実施形態のミスト発生装置1において、らせん形状通路3は、らせん形状の中心軸Xが鉛直方向に向くよう設置される。この構成により、らせん形状通路3をミスト入口4まで常時下方に傾斜させることができるので、遠心力Fによって内壁に付着したミストをミスト入口4まで戻しやすくできる。
[変形例]
図4及び図5を参照して上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、らせん形状通路3のミスト入口4が中心軸Xと重畳するよう配置されている構成を例示したが(図1参照)、らせん形状通路3の形状は、ミスト入口4がミスト出口5に対して相対的に低く配置されていればよく、図1のものに限られない。例えば図4に示すミスト発生装置1Aのように、らせん形状通路3Aのミスト入口4を中心軸Xから外れた位置とすることもできる。図4に示すらせん形状通路3Aの形状であっても、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、らせん形状通路3においてミスト入口4からミスト出口5に進むにつれて、らせん形状通路3のらせん径rを徐々に小さくし、かつ、らせん形状通路3の断面積を徐々に小さくする構成を例示したが、らせん形状通路3の形状はこれに限られない。例えば図5に示すミスト発生装置1Bのように、ミスト入口4とミスト出口5との間の通路の位置によらず、らせん形状通路3Bのらせん径が一定となる形状としてもよいし、また、断面積を一定としてもよい。あるいは、らせん形状通路3のらせん径rを徐々に小さくする形状か、または、らせん形状通路3のらせん径rを徐々に小さくする形状の一方のみを適用することもできる。
また、本実施形態のミスト発生装置1は、らせん形状通路3の経路長を長くするほど粒径の大きいミストを分離しやすくなるため、らせん形状通路3はできるだけ長いほうが好ましい。例えば、中心軸Xまわりのらせん形状通路3の巻き数を増やすことによって、同一経路長でも装置のサイズをコンパクト化することができる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
1:ミスト発生装置
2:ミスト発生部
3:らせん形状通路
4:ミスト入口(導入口)
5:ミスト出口(吹出口)
F:遠心力
r:らせん径(外径)
X:中心軸

Claims (5)

  1. ミストを発生するミスト発生部(2)と、
    前記ミスト発生部により発生されたミストを導入する導入口(4)と、前記導入口から導入されたミストを外部へ噴霧する吹出口(5)とを有し、前記導入口の高さ位置が前記吹出口より相対的に低くなるように設置され、らせん形状に形成されるらせん形状通路(3)と、
    を備えるミスト発生装置(1)。
  2. 前記らせん形状通路は、内部を通過するミストの受ける遠心力(F)が前記導入口から前記吹出口に進むにつれて大きくなるように形成される、
    請求項1に記載のミスト発生装置。
  3. 前記らせん形状通路は、前記らせん形状の外径(r)が、前記導入口から前記吹出口に進むにつれて小さくなるように形成される、
    請求項2に記載のミスト発生装置。
  4. 前記らせん形状通路は、内部通路の断面積が前記導入口から前記吹出口に進むにつれて小さくなるように形成される、
    請求項2または3に記載のミスト発生装置。
  5. 前記らせん形状通路は、前記らせん形状の中心軸(X)が鉛直方向に向くよう設置される、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のミスト発生装置。
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