JP2017170140A - 浄化処理用吸着カラムおよび浄化処理ユニット - Google Patents

浄化処理用吸着カラムおよび浄化処理ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】カラム内部の液体の流れに生じる偏流や滞留を防ぎ、カラム内部の圧力損失を低下させ、液体の浄化性能に優れた浄化処理用吸着カラムおよび浄化処理ユニットを提供する。【解決手段】パイプに設けられた孔の平均面積、孔の開孔率、隣り合う一つの孔の重心と他の孔の重心との最短距離を制御することにより、カラム内部の液体の流れに生じる偏流や滞留を防ぎ、カラム内部の圧力損失を低下させ、液体の浄化性能に優れた浄化処理用吸着カラムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、浄化処理用吸着カラムおよび浄化処理ユニットに関する。
近年、浄化処理用吸着カラムとして、例えば、圧力損失が小さくかつ偏流が少ない構造を有する体液浄化カラム(特開平9−239022号公報(特許文献1))や、低流量でも治療効果が得られる体液浄化カラム(特開2003−225304号公報(特許文献2))等がそれぞれ開発されてきた。これらの体液浄化カラムは、いずれも浄化能を有する材料と、これを充填したハウジング部と、からなるカラム形状を有している。これらの体液浄化カラムにおいて、除去材料が多孔部を有するパイプにロール状に巻かれ、浄化能を有した材料の両端部に円板状の部材が設けられている。円板状の部材を設けることにより、浄化材料の乱れや移動を防止する効果が奏され得る。また、パイプの孔の個数を20個以上200個以下にすることで、目詰まりを防止する効果が奏される。
特開平9−239022号公報 特開2003−225304号公報
しかしながら、従来のカラムでは、カラム内部の圧力損失や偏流を低下させる効果は不十分であった。この点について検討を重ねたところ、従来の装置では、パイプに設けられた孔の構成(開孔率、孔の位置、孔の形状等)に依存して、カラム内の液体の流れに偏流や滞留が生じていた。この結果、カラム内部で液体の粘度が亢進されて圧力損失が増加するといった問題点や性能が不足するという問題点が生じていた。
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、カラム内部の液体の流れに生じる偏流や滞留を防ぎ、カラム内部の圧力損失を低下させ、液体の浄化性能に優れた浄化処理用吸着カラムおよび浄化処理ユニットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果として、以下の浄化処理用吸着カラムを見出した。
(1) 側面に複数の孔を有するパイプと、前記パイプの周りに配置された浄化材料と、を備え、前記孔の平均面積は、5mm以上100mm以下であり、前記孔の開孔率は、20%以上85%以下であり、隣り合う一つの孔の重心と他の孔の重心との最短距離は、5mm以上15mm以下である、浄化処理用吸着カラム。
(2) 隣り合う一つの孔の外周の一端と他の孔の外周の一端との最短距離は、1mm以上10mm以下である、上記(1)に記載の浄化処理用吸着カラム。
(3) 前記パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離をxとし、前記浄化材料の厚みをtとした場合に、xは2mm以上15mm以下であり、tは3mm以上60mm以下である、上記(1)又は(2)に記載の浄化処理用吸着カラム。
(4) 液体の流入側となる孔の直径をD3とし、液体の流出側となる当該孔の直径をD4とした場合に、D3≦D4となる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の浄化処理用吸着カラム。
(5) 前記パイプの軸線方向において、前記孔の面積は、前記パイプ内での流体の流れについての上流側から下流側に向かうに従って、小さくなる、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の浄化処理用吸着カラム。
(6) 前記浄化材料は、血液、羊水、腹水又は胸水を浄化するための材料である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の浄化処理用吸着カラム。
(7) カラムケースと、前記カラムケース内に配置された浄化処理ユニットと、を備え、
前記カラムケースは、筒状のケーシング本体と、前記ケーシング本体の一対の開口に設けられた第1蓋体及び第2蓋体と、を有し、
前記第1蓋体及び前記第2蓋体は、それぞれ、前記ケーシング本体内に通じる注出入口を設けられており、
前記浄化処理ユニットは、前記パイプおよび前記浄化材料と、前記パイプおよび前記浄化材料と前記第1蓋体との間に設けられた第1端部材と、前記パイプおよび前記浄化材料と前記第2蓋体との間に設けられた第2端部材と、を有し、
前記第1端部材は、前記ケーシング本体との間に隙間を形成し、前記浄化材料および前記パイプを軸線方向から覆い、
前記第2端部材は、その外周縁において前記ケーシング本体に接続し、前記パイプの内部を前記第1蓋体で区画された空間に連通させながら、前記浄化材料を軸線方向から覆い、
前記浄化材料と前記ケーシング本体との間に隙間が設けられている、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の浄化処理用吸着カラム。
(8) 浄化処理用吸着カラム用の浄化処理ユニットであって、
側面に複数の孔を有するパイプと、
前記パイプの前記側面を覆うように配置された浄化材料と、を備え、
前記孔の平均面積は、5mm以上100mm以下であり、
前記孔の開孔率は、20%以上85%以下であり、
隣り合う一つの孔の重心と他の孔の重心との最短距離は、5mm以上15mm以下である、浄化処理ユニット。
本発明によれば、液体を浄化材料に接触させる機能をもつパイプの孔の構成を規定することによって、液体の流れに生じる偏流や滞留を防止することにより、カラム内の圧力損失を低下させ、浄化処理用吸着カラムおよび浄化処理ユニットにおける液体の浄化性能を向上させることができる。
本発明の浄化処理用吸着カラムの一例の縦断面図。 浄化処理用吸着カラムの縦断面図であって、パイプと浄化材料を軸線方向から覆う端部材と液体の流れを示す図。 浄化処理用吸着カラムの縦断面図であって、パイプと浄化材料を軸線方向から覆う端部材と液体の流れを示す図。 パイプを正面から示す斜視図。 パイプの側面を展開して示す図であって、隣り合う一つの孔(円)の重心と他の孔の重心との最短距離を説明するための図。 パイプの側面を展開して示す図であって、隣り合う一つの孔(星形)の重心と他の孔の重心との最短距離を説明するための図。 パイプの側面を展開して示す図であって、隣り合う一つの孔(長方形)の重心と他の孔の重心との最短距離を説明するための図。 パイプの側面を展開して示す図であって、隣り合う一つの孔(円)の外周の一端と他の孔の外周の一端との最短距離を説明するための図。 パイプの側面を展開して示す図であって、隣り合う一つの孔(星形)の外周の一端と他の孔の外周の一端との最短距離を説明するための図。 パイプの側面を展開して示す図であって、隣り合う一つの孔(長方形)の外周の一端と他の孔の外周の一端との最短距離を説明するための図。 パイプ及び浄化材料を正面から示す斜視図であって、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離(x)と浄化材料の厚み(t)を説明するための図。 浄化処理用吸着カラムの縦断面図であって、孔の形状と液体の流れを説明するための図。 浄化処理用吸着カラムの縦断面図であって、孔の形状と液体の流れを説明するための図。 浄化処理用吸着カラムの縦断面図であって、孔の断面形状と液体の流れを示す図。 パイプを正面から示す斜視図であって、パイプの軸線方向に沿って、孔の面積が、パイプ内での液体の流れについての上流側から下流側に向かうに従って、小さくなる例を示す図。 パルス試験の方法を説明するための図。 パルス試験の方法を説明するための図。 パルス試験から得られる波形解析の一例を示す図。
本発明は、上記、課題を解決するための手段の欄に記載したとおりの構成を特徴とする。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は図に示す態様に限定されるものではない。また図面の比率は説明のものとは必ずしも一致しない。
本発明における浄化処理用吸着カラムとは、液体から物質を除去する機器であり、疾病の治療用途や予防用途等、水等の液体の浄化用途等に好適である。また、パイプとは、浄化材料をその側面上に巻き付ける機能と、カラムに流入した液体をパイプに通して浄化材料に効率的に接触させる機能や、液体を浄化材料に接触させた後にパイプを通して、効率的にカラム外に液体を排出させる機能をもつ。
図1は、本発明の浄化処理用吸着カラムの一例の断面図である。浄化処理用吸着カラム1は、液体を流入する入口又は液体を排出する出口として機能する一対の注出入口1a,1bを有したカラムケース2と、カラムケース2の内部に配置された浄化処理ユニット10と、を有している。ここで、カラムケース2は、筒状のケーシング本体3と、ケーシング本体3の一方の開口に設けられた第1蓋体4と、ケーシング本体3の他方の開口に設けられた第2蓋体5と、を有している。第1蓋体4及び第2蓋体5には、ケーシング本体3の内部を外部に連通させる開口が設けられている。第1蓋体4及び第2蓋体5の開口が、それぞれ、注出入口1a,1bを形成している。
一方、浄化処理ユニット10は、パイプ11と浄化材料13とを有している。パイプ11の側面(側壁面)には、多数の孔12が形成されている。浄化材料13は、パイプの側面(側壁面)を取り囲むように配置されている。浄化処理用吸着カラム1での処理対象となる液体は、浄化材料を透過可能となっている。この液体は、浄化材料を透過する際に、浄化されることになる。また、浄化処理ユニット10は、パイプ11の軸線方向に離間して配列された一対の端部材14,15を有している。パイプ11及び浄化材料13は、パイプ11の軸線方向に沿って一対の端部材14,15の間に位置している。第1蓋体4側に、第1端部材14が設けられ、第2蓋体5側に、第2端部材15が設けられている。
端部材14,15は、板状部材からなっている。端部材14,15は、パイプ11の軸線方向から浄化材料13に対面して配置され、浄化材料13内の液体が、パイプ11の軸線方向に流出することを規制する。また、第1端部材14は、パイプ11の一方の開口を塞ぎ、パイプ11内の液体が、パイプ11の軸線方向に流出することを規制する。この第1端部材14は、ケーシング本体3の内面との間に隙間を形成している。したがって、第1蓋体4によって形成される第1注出入口1aは、浄化材料13の外周面とケーシング本体3の内面との間の空間に連通している。第2端部材15は、パイプ11の他方の開口を開口している、したがって、第2蓋体5によって形成される第2注出入口1bは、パイプ11の中空内部に連通している。その一方で、第2端部材15は、その外周縁において、ケーシング本体3の内面に接続している。
このような構成からなる浄化処理用吸着カラム1では、第1注出入口1aから供給された液体は、図2Bに示すように、浄化材料13の外周面から内周面に向けて流れ、次に、孔12を介して浄化材料13からパイプ11の内部空間に流入し、その後、第2注出入口1bを介して排出され得る。また、第2注出入口1bから供給された液体は、図2Aに示すように、パイプ11の内部空間から孔12を介して浄化材料13に進入し、その後、浄化材料13内を進んで浄化材料13の外面とケーシング本体3との間の隙間に到達し、次に、第1注出入口1aを介して排出され得る。いずれかの注出入口から浄化処理用吸着カラム1に供給された液体は、浄化材料13を透過する際に浄化材料から作用を受け処理され、その後に他方の注出入口から排出される。すなわち、図示された例において、注出入口1a,1bは、入口および出口のどちらで使用されるか限定されるものではなく、どちらでも好適に用いることが可能である。通常、パイプは一対の注出入口1a,1bを結ぶ軸の中心に直接または間接的に固定されていることが好ましい。
以下、浄化処理用吸着カラム1の浄化処理ユニット10の構成要素について更に詳細に説明していく。
パイプ11は、その側面に複数の貫通孔(孔)12を一様に有しており、液体を流入し、排出する機能を有する。孔12の配置は、均一な液体の流れを得るために、パイプ11の側面に一様に分布していることが好ましく、パイプ11の側面の一部や片側に限局的に分布させることは、不均一な液体の流れを発生させる恐れがある。孔12を一様に配置するとは、孔12の間隔をランダムに配置されてもよいが、間隔が制御された方法で配置されていることが好ましく、斜め状、円状、楕円形上の配置なども含まれる。このようにパイプ11の孔12の配置を一様にすることにより、カラム1内部に液体が放射状に流入させることも可能となるラジアルフロー型のカラムにもなる。
なお、本明細書で使用する次の用語は、特に断りがない限り、下記の定義のとおりである。
「パイプ」とは、カラムに流入した液体を浄化材料に効率的に接触させる機能や浄化材料を巻き付ける機能を有する、カラムを構成する部材を意味する。
「孔の平均面積」とは、孔の面積の和を孔の個数で除した値を意味する。ここで孔の面積とは、その両開口(両端)を結ぶ方向に直交する面内での孔の面積のことである。孔の面積がその両開口を結ぶ方向に沿って一定でない場合には、当該孔の最小となる面積を、当該孔の面積とする。
「孔の開孔率」とは、下記式で求められる値を意味する。

開孔率(%)=パイプに形成された孔の面積の和/パイプの側面の面積×100
「隣り合う一つの孔の重心と他の孔の重心との最短距離」とは、パイプに形成された複数の孔から選択された任意の二つの孔の重心間の距離の中で、最も短い距離を意味する。
「隣り合う一つの孔の外周の一端と他の孔の外周の一端との最短距離」とは、パイプに形成された複数の孔から選択された任意の二つの孔のうちの一方の外周と他方の外周との間の最短距離の中で、最も短い距離を意味する。
「パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離」とは、パイプに形成された複数の孔から選択された任意の孔の外周と、パイプの軸線方向における端点と、の間のパイプの軸線方向に沿った最短距離の中で、最も短い距離を意味する。
「浄化材料の厚み」とは、パイプの横断方向に沿った浄化材料の厚みを意味する。
「液体の流入側となる孔の直径」とは、パイプの側面(側壁部)に貫通した孔において、液体の流れ方向における最上流側(最流入側)となる位置での孔の直径を意味する。
「液体の流出側となる孔の直径」とは、パイプの側面(側壁部)に貫通した孔において、液体の流れ方向における最下流側(最流出側)となる位置での孔の直径を意味する。
「パイプの軸線方向」とは、パイプを柱体とした場合の側面方向という意味であり、言い換えるとパイプの両開口を結ぶ方向である。パイプの形状が断面方向に長いカラムの場合でも、側面方向(両開口を結ぶ方向)を意味する。
「パイプの横断方向」とは、パイプを柱体とした場合の断面方向、言い換えるとパイプを円柱とした場合のパイプの径方向であり、さらに言い換えるとパイプの両開口を結ぶ方向に直交する方向である。つまり、「パイプの横断方向」とは、パイプの軸線方向に直交する方向と言える。パイプの形状が側面方向に短いカラムの場合でも、断面方向(径方向、両開口を結ぶ方向に直交する方向)を意味する。
引き続き、浄化処理用吸着カラムの構成について説明する。
パイプ11の孔12の大きさも一様であることが好ましい。限局的な部分だけ孔12の大きさが異なる場合は、不均一な液体の流れを発生させる恐れがある。均一な流れを発生させるためには、孔12の大きさが制御されていることが好ましい。
パイプ11の孔12の形状は、特に限定されるものではない。パイプ11の孔12の形状として、円形、正方形、長方形、多角形などを好適に用いることができる。また、孔をスリットにすることでも液体の分散性を向上することができる。さらに、左右対称形状の孔は液体を均一に分散させる機能において優れている。
パイプ11の周りに配置される浄化材料13は、浄化機能を持つ材料であれば、限定するものではない。浄化材料13として、物質を吸着により浄化する材料や、ろ過によって浄化する材料も好適に用いることができる。また、浄化材料13には、吸着材料、除去材料または分離材料も包含される。
パイプ11と浄化材料13を含む軸線方向の一端が封止されていることが、液体を均一に流すことに適している。封止方法の一例を図2A及び図2Bに示した。図2Aでは、液体が、封止部分をなす第1端部材14で反射をして、浄化材料13に流入させることにより、浄化材料13への液体の分散を均一にすることができる。一方、図2Bでは、パイプ11の一端の封止に第1端部材14を装着したもので、カラム1に流入した液体を、均一に浄化材料13の外層から流入させることにより、液体を均一に流すことが可能となる。パイプ11の封止方法は、特に限定されるものではなく、例えば、端部材14,15の装着やポッティング剤を利用する方法が挙げられる。
パイプ11の孔12の平均面積は、小さすぎると孔12を通過する液体のずり速度が速くなり、カラム1の圧力損失が上昇することが懸念される。一方で、孔12の平均面積が大きすぎると、孔12を通過する液体のずり速度が遅くなり、液体が滞留することでカラム1の圧力損失が上昇することが懸念される。これらの傾向は、血液、血小板を含む製剤、血漿、血清や粘度が高い液体などを浄化する時に顕著に認められる。したがって、1つの孔12の面積は5mm以上100mm以下が好ましく、10mm以上80mm以下がより好ましく、10mm以上60mm以下がさらに好ましく、20mm以上50mm以下が特に好ましい。上記上限および下限のいずれの値を組み合わせた範囲であってもよい。なお、平均面積とは、既に定義したように、孔の面積の和を孔の個数で除した値で求められる。
パイプ11に貫通した孔12の開孔率を変動させることによって、液体の流れを制御し、均一に液体を浄化材料13に接触させることが可能となる。孔12の開孔率は大きすぎるとパイプ11の内部と浄化材料13の最外層部との抵抗が低くなり、液体の分散が低下し、均一に液体が浄化材料13に接触できなくなり性能が低下する。また、開孔率が小さすぎると、パイプの側面の孔がない部分に液体が滞留し、液体の流れが不均一になる。これらの傾向は、血液、血小板を含む製剤、血漿、血清や粘度が高い液体などを浄化する時に顕著に認められる。したがって、パイプ11に貫通した孔12の開孔率は、20%以上85%以下が好ましく、20%以上81%以下がより好ましく、20%以上80%以下がさらに好ましく、30%以上70%以下がさらに好ましく、40%以上60%以下がさらに好ましい。上記上限および下限のいずれの値を組み合わせた範囲であってもよい。
ここで言う開孔率とは、既に定義したように、パイプの孔の面積〔mm〕およびパイプの側面の面積〔mm〕を用いた以下の式1により求めることができる。

開孔率(%)=パイプに形成された孔の面積の和/パイプの側面の面積×100
・・・式1
なお、パイプの孔の面積も含む側面の面積は、図3を参照し、式2により求めることができる。つまり、パイプ11の側面の面積として、パイプ11の外側面の面積を用いている。式2において、πは円周率であり、D1はパイプの外径〔mm〕、L1はパイプの長さ〔mm〕である。

パイプの側面の面積=π×D1×L1・・・式2
また、隣り合う一つの孔12の重心と他の孔12の重心との最短距離は短ければ短いほど液体の滞留が少なく、液体を均一に流すことが可能であるが、パイプ11の強度を保持するためには5mm以上必要であり、さらに短くなると浄化材料13を充填した時の浄化材料の形状を保つことが困難になり、均一な流れを保持することが困難になる。よって、隣り合う一つの孔12の重心と他の孔12の重心との最短距離は、液体の滞留を抑制するために、5mm以上15mm以下が好ましく、5mm以上11mm以下がより好ましい。
隣り合う一つの孔12の重心と他の孔12の重心との最短距離は、既に定義したように、任意の二つの孔12の重心間の距離の中で最も短い距離である。孔12の形状が変わっても重心間の距離の考え方は同じであり、一例として孔12が円の場合を図4に、孔が星形の場合を図5に、孔12が長方形の場合を図6に示した。図4〜図6において、lx1,lx2,lx3が、一つの孔12の重心16と他の孔12の重心16との距離を示しており、このうちlx1が、一つの孔12の重心16と他の孔12の重心16との最短距離を示している。
さらに、隣り合う一つの孔12の外周の一端と他の孔12の外周の一端とを結ぶ場合の最短距離も、短ければ短いほど液体の滞留が少なく、液体を均一に流すことが可能である。ただし、パイプ11の強度を保持するためには1mm以上必要である。この距離が1mmよりも短くなると、浄化材料13を充填した時の浄化材料13の形状を保つことが困難になり、均一な流れを保持することが困難になる。よって、隣り合う一つの孔12の外周の一端と他の孔12の外周の一端との最短距離は、液体の滞留を抑制するために、1mm以上10mmが好ましく、1mm以上6mm以下がより好ましい。
隣り合う一つの孔12の外周の一端と他の孔12の外周の一端との最短距離は、既に定義したように、任意の二つの孔12のうちの一方の外周と他方の孔12の外周との最短距離の中で、最も短い距離である。孔12の形状が変わっても隣り合う一つの孔12の外周の一端と他の孔12の外周の一端との最短距離の考え方は同じであり、一例として孔12が円の場合を図7に、孔12が星型の場合を図8に、孔12が長方形の場合を図9に示した。図7〜図9において、ly1,ly2,ly3が、一つの孔12の外周の一端と他の孔12の外周の一端との距離を示しており、このうちly1が、一つの孔12の外周の一端と他の孔12の外周の一端との最短距離を示している。
次に、図10は、パイプ11の軸線方向端から孔12の外周までの最短距離(x)と浄化材料13の厚み(t)を示している。これらの最短距離(x)及び厚み(t)により、液体の均一な流れを保持するためのパイプ11の孔12の配置を規定することができる。
パイプ11の孔12の配置は、パイプ11の軸線方向端から孔12の外周までの最短距離(x)を規定することでも、液体の偏流を低減することが可能となる。パイプ11の軸線方向端から孔12の外周までの最短距離(x)が短いと、言い換えると、パイプ11の軸線方向端の近くに孔12を配置すると、液体が浄化材料13を通過しづらく、パイプ11からカラム1の出口に液体がショートパスを起こして、浄化効率が低下する。一方、パイプ11の軸線方向端から遠くに孔12を配置すると、パイプ11の軸線方向端から孔12までの領域で滞留が発生し、充填された浄化材料13が効率的に使用されず浄化性能が低下することが懸念される。よって、パイプ11の軸線方向端から孔12の外周までの最短距離は、2mm以上15mm以下が好ましく、4mm以上5mm以下がより好ましい。
また、パイプ11の周囲に充填される浄化材料13の厚み(t)を規定することでも、液体の偏流を低減することが可能となる。浄化材料13の厚みが薄いと、浄化材料13の抵抗が低く、液体がパイプ11からカラム1の出口に液体がショートパスを起こして、浄化効率が低下する。一方、浄化材料13の厚みが厚いと、浄化材料13の抵抗が高く、パイプ11内に液体が滞留してしまい、カラム1の圧力損失が上昇し、浄化効率が低下する。よって、浄化材料13の厚みは、3mm以上60mm以下が好ましく、8mm以上60mm以下がより好ましく、8mm以上20mm以下がさらに好ましい。
パイプ11の孔12の形状は、液体の流入側となる孔の直径をD3とし、液体の流出側となる孔の直径をD4とした場合に、D3≦D4となる形状のことである。すくなくとも、液体の流入側となる孔12の直径D3が液体の流出側となる孔12の直径D4を超えると液体の流入の抵抗が認められるため、D3=D4が好ましく、D3<D4がより好ましい。
孔12の形状の一例を図11A及び図11Bに示す。図11Aに示された液体がパイプ11から浄化材料13に流れる場合、及び、図11Bに示された液体が浄化材料13からパイプ11に流れる場合のいずれであっても、D3≦D4とすることで、液体の分散性は高くなる。
ここでいう孔12の直径とは、孔12の形状が円の場合は円の直径を示すが、多角形の場合は、その面積を求め、得られた面積相当の円を示し、その円の直径を示すこととする。また、孔12の角度を規定することで、液体の分散性を制御することが可能となる。ここで、図11Cに示すように、孔12の角度θは、液体の流入側の孔12の外周部の端点から液体の流出側の孔12の外周部に直角に結んだ補助線alから得られる角度のことである。すなわち、孔の角度θは、パイプの軸線方向に沿った断面において、孔を画成する一つの外壁面の両端部間を結ぶ線分が、パイプの横断方向に対してなす角度のことをいう。このパイプの孔の角度θは、5度以上60度以下が好ましい。
パイプ11の孔12の面積は、図12に示す通り、パイプ11の軸線方向に沿って変化するようにしてもよい。図12に示された例において、パイプ11の内部を流れる液体の流れ方向上流側から下流側に向けて、パイプ11の孔12の面積が段階的に小さくなることで、徐々に孔12にかかる液体の抵抗が大きくなり、液体の分散が拡大し、浄化材料13を効率的に使用することが可能になり性能の向上を見出すことができる。
浄化材料13は水、血液、羊水、腹水、胸水を浄化させる機能をもつものが好適に用いられる。また、水を浄化させる場合には、塩素、トリハロメタン、細菌、重金属などを浄化する材料が使用可能となる。また、血液、血漿、血清から細菌、細菌が産生する毒素、ウイルスや炎症性の病態に深く関与することが知られている活性化した白血球や血小板、炎症性サイトカイン、ケモカイン、接着分子、ロイコトリエンなどの物質を浄化する材料も使用可能である。また、周産期の妊婦の羊水や、炎症によって貯留した腹水や胸水中の細菌、細菌が産生する毒素、ウイルス、白血球や血小板、炎症性サイトカイン、ケモカイン、接着分子、ロイコトリエンなどの物質を除去する材料が充填されたカラム1としても使用可能である。
また、浄化材料13はカラム内部の液体の流れに生じる偏流や滞留を防ぐことができることから、複数の物質を同時に浄化することにも好適に使用される。例えば、分子量5kDaから100kDa程度の物質(例えば、炎症性サイトカイン、ケモカイン、接着分子、ロイコトリエン、細菌が産生する毒素)と直径0.5〜40μm程度の物質(例えば、細菌、白血球や血小板)を同時に浄化することも可能となる。中でも、患者の循環動態を安定にするため、体外への持ち出し血液量が制限され、効率的な浄化が求められる体外循環時に炎症性サイトカインやケモカインと白血球や血小板などを除去することに好適に用いることも可能である。
浄化処理用吸着カラム1は、上記浄化材料13を容器、特に好ましくは円筒状容器(ケーシング本体3)に充填することによって製造することができる。かかる浄化処理用吸着カラム1としては、浄化材料13を編地、織物やフェルトのようなシート状に形成して、これを複数層重ねてパイプ11に巻き付けてカラム1に充填してなるものが挙げられる。また、ビーズやチップ状の浄化材料を、パイプ11のまわりに充填する方法や、中空糸や繊維形状の材料をパイプのまわりに整列させて充填するカラム1も挙げられる。また、編地、織物、フェルト、中空糸および繊維形状の材料を数種類同一カラム1に充填することも可能である。
さらに、浄化材料13の端部の片側をプレート(端部材14,15)やポッティングで封止された状態で液体入口と液体出口とを有する円筒状容器(カラムケース2)に納め、容器の液体出口が浄化材料13の外周部に通じる構造(すなわち、液体はパイプ11の内側から外側に向けて流れる構造)、または反対に浄化材料13の内周部に通じる構造(すなわち、液体は浄化材料13の外側から内側に向けて流れる構造)を有しているカラム1等が挙げられる。
本発明の浄化材料13は、液体処理用途、水処理用途や医療用途に好適に用いることができる。したがって、本発明に係る浄化処理用吸着カラム1は、液体処理、水処理、治療を目的とした浄水器、液体処理用フィルター、体外循環用カラムや研究目的に用いる灌流用カラムなどとしても使用することもできる。
本発明における浄化処理用吸着カラム1の液体の流れの均一化を定量する方法としては、例えば、パルス試験方法が挙げられる。その試験方法を以下に示す。
1.パルス試験方法
パルス試験とは、カラムに液体を想定した疑似液体を一定の流速で通液しながら、トレーサーとして色素をカラムの入口からパルスし、カラムから出てくる色素を定量化することで評価する。試験方法を図13A及び図13Bに、パルス試験から得られる波形の一例を図14に示す。評価方法は、パルスした時間を0時間とし、各時間帯におけるカラムから出てくる疑似液体中の色素を定量化することで、液体の流れを定量化する方法である。例えば、液体の流れに滞留が認められた場合は、色素が長時間に渡りカラムから排出されることになり、液体がカラムに均一に流れず、ショートパスをして流れる場合は、色素が短時間に排出されることになる。なお、図13Aは、図1に示されたカラムの第1注出入口1aに液体を供給し、第2注出入口1bから排出される液体について評価する例を示しており、図13Bは、図1に示されたカラムの第2注出入口1bに液体を供給し、トレーサーとなる色素をカラム内に注入し、第1注出入口1aから排出されるトレーサーの時間と濃度を評価する例を示している。以下に説明する試験は、図13Aに示された方法にて実施している。
以下に、試験方法を詳細に示す。
a.カラム1に、例えばポンプ17を用いて、疑似液体18を一定の流速で流す。疑似液体として、ヘマトクリット40%の血液と同一粘度である50%(V/V)グリセリン水溶液を用いる。
b.疑似液体18の流速は、カラム1を施行する条件に設定する。
c.疑似液体18を流しながら、色素としてトルイジンブルー1mLを2秒以内でカラム1の入口より注入する。トルイジンブルーは、トレーサーとして用い、図示された例においてトレーサー注入口19より注入されて、疑似液体18と混合される。
d.トルイジンブルーを注入した時点を0秒として10秒毎に5mLずつサンプリングを行う。サンプリング時間の考え方は、0〜10秒間にサンプリングした溶液は10秒とし、10〜20秒間にサンプリングした溶液は20秒とし、10秒毎に300秒間のサンプリングを行う。
2. トルイジンブルー濃度測定
a.分光光度計を用いて測定を行う。
一例としてHITACHI U―2800Aを用いて測定を行う。
b.ブランクに50%グリセリン水溶液を用い、測定波長は631nmとする。
c.トルイジンブルーの濃度は、測定毎に検量線を作成し算出する。
3. 波形の解析
得られたトルイジンブルー濃度からX軸を空間時間(φ)、Y軸を無次元濃度(E)とした散布図を作成する(図14)。ここで、φおよびEは下記の式3、4で表された。

φ=t/TI=t/(VI/V) ・・・・・式3
TI:カラム理論通過時間(理論カラム体積/疑似液体をポンプで送液する単位時間あたりの流量)
t :サンプリング時間(トルイジンブルーの注入時を0秒とする)
VI:理論カラム体積
(図13A及び13Bのトレーサー注入口19からトレーサー排出口20までの体積、すなわち、トレーサー注入口19からトレーサー排出口20までの回路の体積及び浄化処理用吸着カラム1の体積の和)
V :疑似液体をポンプで送液する単位時間あたりの流量

E=C/C0 ・・・・・式4
C:各サンプリング溶液中のトレーサー(トルイジンブルー)の濃度
C0:トレーサー(トルイジンブルー)の初期濃度
4. t−TOPの算出
上記方法にてX軸を空間時間(φ)、Y軸を無次元濃度(E)とした散布図を作成する時、Eが大きい時のφの値をt−TOPとする。
t−TOPが1の場合は、液体の流れが均一である。また、液体の流れに滞留が認められた場合はt−TOP>1となり、ショートパスが認められた場合はt−TOP<1を示す。
本発明における浄化処理用吸着カラム1の性能を評価する方法としては、例えば、IL−8の除去性能試験方法が挙げられる。その試験方法を以下に示す。
IL−8除去性能試験
牛胎児血清にヒトIL−8を10ng/mLの濃度となるように添加し、IL−8含有溶液を調製する。浄化処理用吸着カラムに回路とポンプを接続し、単位時間あたりの流量50mL/minで、IL−8含有溶液を37℃の温浴にセットした条件で、浄化処理用吸着カラムにIL−8含有溶液を灌流し1時間浄化する。IL−8の溶液量は、浄化処理用吸着カラムの容量によって選択し、例えば、カラム容積が150mL、50mL、20mLの場合は、IL−8溶液量をそれぞれ2L、700mL、250mLとする。IL−8除去率は、灌流前のIL−8含有溶液の濃度をC0とし、1時間灌流後のIL−8含有溶液の濃度をC1としたとき、以下の式5によって算出する。

IL−8除去率(%)=(C0−C1)/C0×100 ・・・・・式5

IL−8の濃度の測定
IL−8の濃度は、Human CXCL8/IL−8Quantikine ELISA Kit(R&D SYSTEMS)を用いて測定する。
本発明における浄化処理用吸着カラム1の性能を定量する方法としては、例えば、白血球除去性能試験方法が挙げられる。その試験方法を以下に示す。
白血球除去性能試験
牛血液にヘパリン30U/mLになるよう添加した血液を準備する。牛血液は食肉として処分された当日の新鮮な血液を用いる。浮遊物を除去するためにガーゼを用いて血液をろ過する。浄化処理用吸着カラムに回路とポンプを接続し、単位時間あたりの流量50mL/minで、牛血液を37℃の温浴にセットした条件で、浄化処理用吸着カラムに牛血液を灌流し1時間浄化する。牛血液量は、浄化処理用吸着カラムの容量によって選択し、カラム容積が150mL、50mL、20mLの場合は、牛血液量をそれぞれ2L、700mL、250mLとする。白血球除去率は、浄化前の牛血液の白血球数をC0とし、1時間浄化後の白血球数をC1としたとき、以下の式6によって算出する。

白血球除去率(%)=(C0−C1)/C0×100 ・・・・・式6
白血球数の測定
白血球数は、多項目自動血球分析装置(XT−1800i)(Sysmex社)を用いて測定をする。
本発明における浄化処理用吸着カラム1の性能を評価する方法としては、例えば、牛血液を用いたカラム循環時間の評価方法が挙げられる。その試験方法を以下に示す。
カラム循環試験
牛血液に抗凝固剤としてACD液(クエン酸含有)を添加した血液を準備する。牛血液は食肉として処分された新鮮な血液を用いる。浮遊物を除去するためにガーゼを用いて牛血液をろ過する。さらに牛血液循環を実施する直前に、カルシウムを添加することによってクエン酸によって発現したカルシウムのキレートを解除し、血液凝固が発現する血液にする。次に、浄化処理用吸着カラムに回路とポンプを接続し、単位時間あたりの流量50mL/min、牛血液を37℃の温浴にセットした条件で、浄化処理用吸着カラムに牛血液を灌流し、カラム入口側回路に接続した圧力計からカラム圧力を測定する。牛血液量は、浄化処理用吸着カラムの容量によって選択し、例えば、カラム容積が150mL、50mL、20mLの場合は、牛血液量をそれぞれ2L、700mL、250mLとする。循環時間は、カラム入口側の圧力が100mmHgに達するまでの時間とする。
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.浄化処理用吸着カラム1の作製例
パイプの開孔率、孔と孔の重心間の最短距離、孔の平均面積、隣り合う一つの孔の外周の一端と他の孔の外周の一端との最短距離(以下、孔と孔の最短距離)、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離の影響を評価するため、表1に示す浄化処理用吸着カラムを作製した。具体的には、浄化処理用吸着カラムに充填されるパイプの開孔率が21〜81%、孔と孔の重心間の最短距離が6.5〜9.3mm、孔の平均面積が、12.6〜47.8mm、孔と孔の最短距離が1.0〜3.8mm、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが4.1mmのパイプを作製した(実施例1〜4)。また、
パイプの開孔率が10〜90%、孔と孔の重心間の最短距離が6.2〜17.0mm、孔の平均面積が、3.1〜118.8mm、孔と孔の最短距離が0.7〜15.00mm、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが0.5〜17mmのパイプを作製した(比較例1〜4)。なお、いずれのパイプとも、パイプの内径は5mm、外径は8mm、液体の流入側となる孔の直径をD3とし、液体の流出側となる孔の直径をD4とした時にD3=D4であり、孔の角度θが0度であり、パイプ及びカラムはポリプロピレンで作製した。 また、実施例及び比較例に係る浄化処理用吸着カラムのその他の構成は、図1を参照しながら上述の一実施の形態で説明したカラムと同一とした。次に、それぞれのパイプにIL−8の除去特性を有する浄化材料を均一に巻き付け、容量50mLの浄化処理用吸着カラムを作製した。
2.浄化処理用吸着カラム1の性能評価
これらの浄化処理用吸着カラムを用いて、パルス試験によりt−TOPを算出し、さらにIL−8の除去性能、牛血液を用いてカラムの入口圧が上昇するまでの時間を評価した。これらの結果を表1に示す。パイプの開孔率が21〜81%、孔と孔の重心間の最短距離が6.5〜9.3mm、孔の平均面積が、12.6〜47.8mm、孔と孔の最短距離が1.0〜3.8mm、孔の直径D3=D4となる浄化処理用吸着カラムは、液体の流れが良好であり、IL−8の除去性能もすぐれ、カラムの循環時間が延長することが示された。一方で、パイプの開孔率が10、90%、孔と孔の重心間の最短距離が17.0mm、孔の平均面積が118.8mm、孔と孔の最短距離が0.7mmまたは15.0mm、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが0.5または17mmとなる浄化処理用吸着カラムは、液体の流れが悪く、IL−8の除去性能も低く、カラム循環時間が短縮することが示された。
Figure 2017170140
3.浄化処理用吸着カラム2の作製例
浄化材料の厚み(t)と液体の流入側となる孔の直径の影響を評価するため、表2に示す浄化処理用吸着カラムを作製した。具体的には、浄化処理用吸着カラムに充填されるパイプの開孔率が42%、孔と孔の重心間の最短距離が10.5mm、孔の平均面積が49.0mm、孔と孔の最短距離が6.0mm、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが5mm、浄化材料の厚みtが8.5〜57mm、液体の流入側となる孔の直径をD3とし、液体の流出側となる孔の直径をD4とした時にD3=D4またはD3<D4であり、孔の角度θが0度または45度であり、パイプ及びカラムはポリプロピレンで作製した(実施例5、6)。パイプの開孔率が42%、孔と孔の重心間の最短距離が10.5mm、孔の平均面積が49.0mm、孔と孔の最短距離が6.0mm、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが5mm、浄化材料の厚みtが2.0mm、D3=D4、孔の角度θが0度のパイプを作製した(比較例5)。実施例及び比較例に係る浄化処理用吸着カラムのその他の構成は、図1を参照しながら上述の一実施の形態で説明したカラムと同一とした。次に、それぞれのパイプにIL−8の除去特性を有する浄化材料を均一に巻き付け、容量150mLの浄化処理用吸着カラムを作製した。
4.浄化処理用吸着カラム2の性能評価
これらの浄化処理用吸着カラムを用いて、パルス試験によりt−TOPを算出し、さらにIL−8の除去性能、牛血液を用いてカラムの入口圧が上昇するまでの時間を評価した。これらの結果を表2に示す。パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが5mmの時、浄化材料の厚みを8.5〜57mmにすることによって、液体の流れが良好であり、IL−8の除去性能もすぐれ、カラムの循環時間が延長することが示された。一方、浄化材料の厚みを2.0mmにすることによって、液体の流れが悪く、IL−8の除去性能も低く、カラムの循環時間が短縮することが示された。また、孔の直径をD3<D4にし、孔の角度θを45度にすることによっても、液体の流れが良好であり、IL−8の除去性能もすぐれ、カラム循環時間が延長することが示された。
Figure 2017170140
5.浄化処理用吸着カラム3の作製例
孔と孔の重心間の最短距離、孔と孔の最短距離の影響を評価するため、表3に示す浄化処理用吸着カラムを作製した。具体的には、浄化処理用吸着カラムに充填されるパイプの開孔率が40%、孔と孔の重心間の最短距離が9.8mm、孔の平均面積が20mm、孔と孔の最短距離が4.3mm、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが4.1mmのパイプを作製した(実施例7)。また、パイプの開孔率が40%、孔と孔の重心間の最短距離が23.8mm、孔の平均面積が、20mm、孔と孔の最短距離が18.3mm、パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離xが4.1mmのパイプを作製した(比較例6)。なお、いずれのパイプとも、パイプの内径は5mm、外径は8mm、液体の流入側となる孔の直径をD3とし、液体の流出側となる孔の直径をD4とした時にD3<D4であり、孔の角度θが60度であり、パイプ及びカラムはポリプロピレンで作製した。 また、実施例及び比較例に係る浄化処理用吸着カラムのその他の構成は、図1を参照しながら上述の一実施の形態で説明したカラムと同一とした。次に、それぞれのパイプにIL−8及び白血球の除去特性を有する浄化材料を均一に巻き付け、容量20mLの浄化処理用吸着カラムを作製した。
6.浄化処理用吸着カラム3の性能評価
これらの浄化処理用吸着カラムを用いて、パルス試験によりt−TOPを算出し、さらにIL−8の除去性能、白血球除去性能、牛血液を用いてカラムの入口圧が上昇するまでの時間を評価した。これらの結果を表3に示す。孔と孔の重心間の最短距離を9.8mm、孔と孔の最短距離を4.3mmにすることによって、液体の流れが良好であり、IL−8及び白血球の除去性能にすぐれ、カラムの循環時間が延長することが示された。一方、孔と孔の重心間の最短距離を23.8mm、孔と孔の最短距離を18.3mmにすることによって、液体の流れはt−TOPが1以上と滞留が認められ、IL−8及び白血球の除去性能が低く、カラム循環時間が短縮することが示された。
Figure 2017170140
本発明の浄化処理用吸着カラムは、浄化性能を維持しつつカラム内部の圧力損失を低下できる能力を有するため、体液浄化用途に限らず液体処理浄化用途や水処理浄化用途としても利用することができる。
1 浄化処理用吸着カラム
1a 注出入口
1b 注出入口
2 カラムケース
3 ケーシング本体
4 第1蓋体
5 第2蓋体
10 浄化処理ユニット
11 パイプ
12 孔
13 浄化材料
14 第1端部材
15 第2端部材
16 重心
17 ポンプ
18 疑似液体
19 トレーサー注入口
20 トレーサー排出口

Claims (8)

  1. 側面に複数の孔を有するパイプと、
    前記パイプの周りに配置された浄化材料と、を備え、
    前記孔の平均面積は、5mm以上100mm以下であり、
    前記孔の開孔率は、20%以上85%以下であり、
    隣り合う一つの孔の重心と他の孔の重心との最短距離は、5mm以上15mm以下である、
    浄化処理用吸着カラム。
  2. 隣り合う一つの孔の外周の一端と他の孔の外周の一端との最短距離は、1mm以上10mm以下である、請求項1記載の浄化処理用吸着カラム。
  3. 前記パイプの軸線方向端から孔の外周までの最短距離をxとし、前記浄化材料の厚みをtとした場合に、xは2mm以上15mm以下であり、tは3mm以上60mm以下である、請求項1又は2記載の浄化処理用吸着カラム。
  4. 液体の流入側となる孔の直径をD3とし、液体の流出側となる当該孔の直径をD4とした場合に、D3≦D4となる、請求項1〜3のいずれか一項記載の浄化処理用吸着カラム。
  5. 前記パイプの軸線方向において、前記孔の面積は、前記パイプ内での流体の流れについての上流側から下流側に向かうに従って、小さくなる、請求項1〜4のいずれか一項記載の浄化処理用吸着カラム。
  6. 前記浄化材料は、血液、羊水、腹水又は胸水を浄化するための材料である、請求項1〜5のいずれか一項記載の浄化処理用吸着カラム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の浄化処理用吸着カラムであって、
    カラムケースと、前記カラムケース内に配置された浄化処理ユニットと、を備え、
    前記カラムケースは、筒状のケーシング本体と、前記ケーシング本体の一対の開口に設けられた第1蓋体及び第2蓋体と、を有し、
    前記第1蓋体及び前記第2蓋体は、それぞれ、前記ケーシング本体内に通じる注出入口を設けられており、
    前記浄化処理ユニットは、前記パイプおよび前記浄化材料と、前記パイプおよび前記浄化材料と前記第1蓋体との間に設けられた第1端部材と、前記パイプおよび前記浄化材料と前記第2蓋体との間に設けられた第2端部材と、を有し、
    前記第1端部材は、前記ケーシング本体との間に隙間を形成し、前記浄化材料および前記パイプを軸線方向から覆い、
    前記第2端部材は、その外周縁において前記ケーシング本体に接続し、前記パイプの内部を前記第1蓋体で区画された空間に連通させながら、前記浄化材料を軸線方向から覆い、
    前記浄化材料と前記ケーシング本体との間に隙間が設けられている、浄化処理用吸着カラム。
  8. 浄化処理用吸着カラム用の浄化処理ユニットであって、
    側面に複数の孔を有するパイプと、
    前記パイプの前記側面を覆うように配置された浄化材料と、を備え、
    前記孔の平均面積は、5mm以上100mm以下であり、
    前記孔の開孔率は、20%以上85%以下であり、
    隣り合う一つの孔の重心と他の孔の重心との最短距離は、5mm以上15mm以下である、浄化処理ユニット。
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