JP2017170125A - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の蛍光を用いて歯垢を検出し、歯垢量をリアルタイムでユーザーに報知する歯ブラシは、検出部に歯垢が付着してしまうと、ブラッシングをしていない状況においても歯垢を検出して誤報知するため、使用感を著しく悪化させていた。【解決手段】本発明の歯ブラシ100は、光を試料に照射して、試料から発生する蛍光強度を測定する歯ブラシ100であって、光を出射する光源3と、光を試料に照射したときに発生する蛍光強度を検出して歯垢量を定量する歯垢検出部20と、歯垢検出部20で検出した歯垢量の情報に基づいてブラッシング期間を判断するブラッシング判断部30と、ブラッシング判断部30で判断したブラッシング期間の情報に基づいて報知信号45を出力する制御部40とを有することを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、歯に付着した歯垢から生じる蛍光を検出する歯ブラシに関する。
歯に付着した歯垢を放置すると、歯垢中の細菌が増殖し、虫歯や歯周病の原因となる。虫歯や歯周病の予防には毎日のブラッシングで歯垢を確実に除去する事が重要である。効果的な歯磨きのために、歯ブラシの動かし方を工夫したり、電動歯ブラシが用いられるが、歯垢の多い部位も少ない部位も平均して一定の時間しか磨かれないことが多く、歯垢が少ない場所をブラッシングする場合は、磨き過ぎの弊害があり、歯垢が多い場所では磨き残しができてしまう。
歯垢の付着量をモニターしながら、その部位を集中して磨くことで短い時間で効果的に歯垢を除去できることから、従来、いくつかの光学的な歯垢検出方法が提案されている。代表的なものは歯垢に含まれる細菌、あるいはう蝕部の細菌が口腔内環境で蛍光物質であるプロトポルフィリンIX(以下、「PPIX」と記載する)を産生することを利用し、歯に特定の波長の励起光を照射し、蛍光物質が発する蛍光を検出することで歯垢の量あるいは、う蝕の程度を定量する蛍光測定法が知られている。
従来、歯垢検出機能を組み込んだ歯ブラシとして特許文献1や特許文献2が知られている。特許文献1では、波長が450nmから500nmの光を歯に照射し、歯垢から生じる蛍光を光検出器で検出して歯垢量を求め、その情報を基づき、洗浄するセクションを、光や音でユーザーに指示するデバイスと方法が示されている。特許文献2では、歯が歯垢など生物学的沈着物で覆われている場合には、励起放射線を歯に照射した際の歯の自家蛍光が、清浄な歯に比較して減衰して検出されることを利用して、生物学的沈着物の存在を可視(例えば光)シグナルまたは可聴(例えば音)シグナルを使用者に提示する歯ブラシが示されている。
特表2013−535235号公報(第1頁、図1) 特表2002−515276号公報(第1頁、図8)
通常の歯磨き動作を考えると、例えば、口腔内左側の歯列からブラッシングを開始した場合、左側を一通りブラッシングしてから、歯ブラシを口腔から出して向きを変え、右側の歯列を磨くケースが考えられる。ブラッシング部位の左右の入れ替えに限らず、前歯から奥歯に向けてブラッシング箇所を移動する際にも、歯ブラシを歯列から離したり、口腔外に出すケースが考えられる。このようなケースでは、歯ブラシのブラシ先端に歯垢が付着したままになる状況は往々にして生じうる。歯垢検出機能を組み込んだ歯ブラシを用いた場合、このようなブラシ先端への歯垢の付着は、ブラッシングをしていないにもかかわらず、音や振動による報知が出力され続けてしまう誤報知を生じる。その結果、歯ブラシの使用感を著しく悪化させてしまう。
本発明の歯ブラシは、上記課題を解決すべく創案されたものであり、歯垢検出機能を組み込んだ歯ブラシの検出部位に歯垢が付着した状況でも、誤報知を防止してユーザーに正しい報知情報を提示する歯ブラシを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の歯ブラシは、下記記載の構成を採用する。
本発明の歯ブラシは、光を試料に照射して、試料から発生する蛍光強度を測定する歯ブラシであって、光を出射する光源と、光を試料に照射したときに発生する蛍光強度を検出して歯垢量を定量する歯垢検出部と、歯垢検出部で検出した歯垢量の情報に基づいて、ブラッシングしている期間であるブラッシング期間を判断するブラッシング判断部と、ブラッシング判断部で判断したブラッシング期間の情報に基づいて、歯垢量を表す信号である報知信号を出力する制御部とを有することを特徴としている。
ブラッシング判断部は、歯垢量の変動を検出する振幅検出部を有し、振幅検出部で検出した情報に基づいてブラッシング期間を判断することができる。
歯ブラシは、歯ブラシのブラシを少なくとも振動させる加振器を有し、振幅検出部と加振器からの情報に基づいてブラッシング期間を判断することができる。
振幅検出部は、加振器で発生させた振動周期に比例した成分が加味された歯垢量を出力することができる。
振幅検出部は、歯垢量を微分処理する微分回路及び微分回路で微分した情報を包絡線検波処理する包絡線検波回路で構成することができる。
また微分回路は、ハイパスフィルター回路を用いることもできる。
また、振幅検出部は、ロックインアンプ回路を有していてもよい。
制御部は、歯垢量及びブラッシング期間の情報に基づいて報知部を制御してもよい。
試料に光を照射したときの試料から生じる蛍光強度から歯垢量を検出し、歯垢量の変動からブラッシング期間を検出し、検出したブラッシング期間の情報に基づいて報知部を制御することにより、ブラシ先端に歯垢が付着して生じる誤報知を防止し、ユーザーに正しいフィードバック情報を提示することができる。
本発明の第1実施形態における歯ブラシを示す構成図である。 本発明の第1実施形態における歯ブラシの内部構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態における歯ブラシの動作を説明するグラフである。 本発明の第1実施形態における歯ブラシの動作を説明するグラフである。 本発明の第1実施形態における歯ブラシの動作を説明するグラフである。 本発明の第1実施形態における歯ブラシの動作を説明するグラフである。 本発明の第2実施形態における歯ブラシを示す構成図である。 本発明の第2実施形態に歯ブラシ内部の構成を示すブロック図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を用いて、本発明に係る第1実施形態の歯ブラシを詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ。
本実施形態の歯ブラシ100を図1に示す。歯ブラシ100は、試料となる歯10に励起光を照射した際に、歯及び歯に付着した歯垢から生じる蛍光を検出し、検出した蛍光から歯に付着した歯垢量を求め、歯垢量を音や振動を通じてユーザーにフィードバックする歯ブラシの一例であり、歯ハブラシヘッド61と、柄部62と、握り部63とから構成されている。
歯ハブラシヘッド61には、洗浄用のブラシ64が配置され、ブラシ64の間に光導波路6が配置されている。光導波路6の先端は集光部7になっていて、光学的に歯垢を検出する際の検出部位である。握り部63には、歯垢検出部20と、ブラッシング判断部30と、制御部40と、報知部50と、複数のスイッチ51と、電池52とが搭載されている。
図1に示す集光部7は、歯ブラシヘッド61の先端側に配置し、また、ブラシ64と同じ高さに配置したが、配置はこの例に限らず、様々なバリエーションが可能である。例えば、集光部7をブラシ64の中に配置してもよいし、また、集光部7の高さをブラシ64より低くしてもよい。
図2は、歯ブラシ100の詳細な内部構成を示したブロック図である。図2を用いて歯垢検出部20、ブラッシング判断部30、制御部40の詳細について説明する。
歯垢検出部20は、PPIXを蛍光励起可能な波長405nmの光と、PPIXの蛍光励起効率が低い波長465nmの光を歯に交互に照射し、歯及び歯に付着した歯垢から生じる635nm近傍、例えば620nmから690nmの波長範囲の蛍光を検出して、検出した蛍光強度の差から歯垢量を定量するための光学系及び電子回路を含むブロックである。
ここで検出される蛍光は、歯垢からの蛍光だけでなく、歯の自家蛍光をも含んでいるため、両者を分離して、歯垢からの蛍光のみを取得できる方法を用いるのが好ましい。そのような分離を実現する方法の1つは、2種類の波長の励起光源を用いて試料に光を照射し、試料から生じる蛍光強度の差を見る方法である。例えば波長405nmの光を歯に照射すると、歯と歯垢の両方から、波長635nm近傍の蛍光が生じるのに対し、波長465nmの光を歯に照射すると、歯の自家蛍光に比べ、歯垢からの蛍光が著しく弱くなるため、検出した蛍光強度の差を求めることで、歯に付着した歯垢量を定量することができる。
図2に示す光源3は、波長405nmの光源3Aと、波長465nmの光源3Bの2つの光源を内蔵し、歯垢検出回路25内で生成した制御信号に従って交互に点灯する。光源3からの光はレンズ4で集光し、ミラー5で光路を90度曲げて光導波路6に導光し、光導波路6の先端の集光部7から照射光8を歯に照射する。歯及び歯に付着した歯垢から生じた蛍光を含んだ検出光2は、照射時と同じ集光部7で集光され、光導波路6、ミラー5、光学フィルター23を通過して光検出器24に達し、光検出器24で蛍光の強度に比例した電気信号に変換される。ミラー5はハーフミラーか、あるいはダイクロイックミラーを使うことができる。光学フィルター23は、検出光2から励起光の成分を除去し、同時に635nm近傍の蛍光を通過させる。
歯垢検出回路25は、光源3Aが点灯している期間で検出した蛍光強度PAと、光源3Bが点灯している期間で検出した蛍光強度PBとを、歯垢検出回路25の内部に設けた減算回路を用いて、蛍光強度PAから蛍光強度PBを減じ、さらに適宜ゲイン調整等を施して、歯垢量に比例した歯垢量信号26を出力する。
図2に示す歯垢検出部20について、2種類の励起波長を用いる方法を説明したが、この方式に限定されることはない。歯の自家蛍光と歯垢に含まれる蛍光物質からの蛍光を分離する別の方法は、歯が生じる蛍光が500nmから700nmの広い波長範囲を有するのに対し、PPIXの蛍光は620nmから690nm程度の比較的狭い波長範囲であることを利用する方法であり、2つの波長範囲における蛍光強度の差を用いて、歯垢量を定量することもできる。
ブラッシング判断部30は、振幅検出部31と、コンパレータ36とから構成されている。振幅検出部31は、ブラッシング動作により歯垢量信号26が変動する際の、信号振幅の大きさを検出する回路ブロックであって、歯垢量信号26を微分処理して微分信号33を出力する微分回路32と、微分回路32が出力した微分信号33を包絡線検波処理して包絡線信号35を出力する包絡線検波回路34とから構成されている。ブラッシング判断部30の微分回路32は、微分回路の代わりにハイパスフィルター回路を用いることもできる。
コンパレータ36は、包絡線信号35と、制御部40内の記憶装置41に記憶されたブラッシング期間を判断するための閾値(以下、「ブラッシング閾値」と記載する)とを比較し、包絡線信号35がブラッシング閾値42を超えたときは、ブラッシング信号37として1を出力し、ブラッシング閾値以下のときは、0を出力する。
コンパレータ36は、ヒステリシス特性を持たせることで、ブラッシング信号の頻繁なオン・オフを抑制することができる。音による報知を行う場合、頻繁なブラッシング信号の変化は耳障りな雑音の原因となるため、コンパレータ36によって包絡線信号35にヒステリシス特性を持たせた信号を制御部40に出力することで、雑音の発生を低減できる。
歯ブラシ100に用いるブラッシング判断部30は、アナログ回路で構成してもよいし、デジタル回路で構成してもよい。ブラッシング判断部をデジタル回路で構成する場合は、歯垢量信号26もデジタル信号を出力するように歯垢検出回路25を構成する。微分回路32をデジタル回路で実現するには、時間的に連続する2つのデータの差を求めればよい。微分回路32の代わりにハイパスフィルターを用いる場合は、有限インパルス応答フィルターや無限インパルス応答フィルターを用いることができる。包絡線検波回路34をデジタル回路で実現する場合は、絶対値処理と時間移動平均処理を組み合わせて用いればよい。
微分回路32又は微分回路32の代わりに用いるハイパスフィルターの特性は、ブラシヘッド61に配置した集光部7が、歯の表面の凹凸や、歯と歯の間を移動する際に生じる蛍光の変化を正確に反映できるように、時間的な遅れを調整することが好ましい。そのためには、微分回路32の微分の時定数を1msから1sの間に設定するのが適している。微分回路32の代わりにハイパスフィルターを用いる場合は、ハイパスフィルターのカットオフ周波数は、前記時定数に対応して0.16Hzから160Hzの間に設定することが好ましい。
包絡線検波に時間移動平均を用いる場合は、平均化に用いるデータの数により、検出した歯垢量の変化に対する包絡線信号35の時間遅れが変化する。そのため、時間移動平均の平均化に用いるデータの数は、時間遅れによる違和感がなくなるように、調整することが望ましい。そのためには、時間遅れを1msから100msの範囲に設定することが好ましい。あるいは、時間的遅れを100ms以上の大きな値に設定することで、口腔内の部位、例えば奥歯や、前歯など、部位ごとの平均的な汚れ量を知ることもできる。
ブラッシング判断部30をアナログ回路で構成する場合は、微分回路32には抵抗、コンデンサ、コイルなどのパッシブ素子を用いたハイパスフィルターを用いることができる。包絡線検波回路34には、ダイオードを用いたAM(Amplitude Modulation)検波回路を用いることができる。
制御部40は、ブラッシング信号37と、歯垢量信号26とに基づいて、ユーザーに報知すべき歯垢量を表す信号(以下、「報知信号)と記載する)を生成し、報知部50に出力する回路ブロックである。制御部40は、この他に、報知信号45のブラッシング閾値42を記憶する記憶装置41と、報知信号45に出力する信号を選択する選択回路43と、ブラッシング休止期間のときに報知信号45を抑制あるいはゼロにする切替回路44とから構成されている。
選択回路43はスイッチ51によって制御され、報知信号45の信号源として、歯垢量信号26又は包絡線信号35を選択することができる。図2に示した制御部30では、報知信号45の信号源を選択回路43で選択しているが、歯垢量信号26と包絡線信号35を一定の比率で加算した信号を報知信号45の信号源として用いてもよい。制御部40は、ブラッシング信号37が1の場合には、切替回路44で選択された信号を報知部50に出力し、ブラッシング信号37が0の場合には、報知信号45の出力をゼロにして、誤報知を防ぐ。
ブラッシング信号37は、歯垢量をユーザーに報知する目的以外にも、例えば、歯ブラシのブラシ汚れや劣化をユーザーに報知する目的にも利用できる。ブラシ64の耐久性を越えて歯ブラシ100を使用すると、集光部7の表面に細かい傷が増加し、その傷に歯垢が侵入して蓄積されてしまう。このような状態の歯ブラシを用いると、ブラシの傷に蓄積された歯垢から生じる蛍光によって、歯垢量信号26に汚れ成分が重畳される。この汚れ成分を検出して、ユーザーにブラシ汚れや劣化を報知したり、ブラシ交換を促すことができる。歯垢量信号26に含まれる汚れ成分を取得するには、歯ブラシンの電源をオンにした後に、ブラッシング信号が信号0になっている状態を確認して、歯垢量信号26を取得すればよい。
報知部50には、様々な報知装置を使用することができるので、制御部40は、使用する報知装置に適した形の報知信号45を生成して、報知部50に出力する。振動による報知を行う場合は、制御部40は、偏心モーターの回転数が報知信号45に比例するように制御することができる。振動による報知は、手に感じる振動と同時に、歯又は歯茎を伝達した振動も感じるので、ユーザーは歯垢の付着箇所やその量を直感的に感じることができる。さらに、報知に用いる偏心モーターを、電動歯ブラシとしての振動源としても用いれば、歯垢の付着が多い部位では振動が大きくなり、清浄な部位では振動が停止するので、より効果的なブラッシングが実現する。
音による報知を行う場合は、制御部40は、報知音の音量や、報知音の周波数や、断続的に発生させた音の周期や間隔を変えることができる。また、制御部40は、音声合成による音声メッセージや、音楽による報知をおこなうこともできる。制御部40は、音と振動を同時に用いて報知してもよい。さらに、表示装置による文字や図形による報知を併用してもよい。スイッチ51は歯垢検出機能をオン・オフしたり、別のスイッチ51を用いて複数の報知装置を切り替えたり、歯垢を検出する際の感度や、歯ブラシを振動させる際の強度を調整するためにも利用することができる。
次に、本発明の歯ブラシの動作について説明する。
図3Aは、歯ブラシ100を用いて、歯垢が付着した歯列をブラッシングした際に、歯垢検出部20で得られた歯垢量信号26の波形をプロットしたグラフである。図の横軸は時間(s)を表し、縦軸は歯垢量を任意スケールで表示した。図中、Aで示した5つの期間は、歯ブラシ100を歯列に沿って左右にブラッシングしている期間(以下、「ブラッシング期間」と記載する)を表し、それぞれ左前歯部分、左奥歯部分、右奥歯部分、右前歯部分、右前歯部分と順番にブラッシングした際に得られた波形である。5つの期間Aでは、ブラッシング動作に伴って歯垢量が激しく変化している様子がわかる。
図中、B及びCで示した期間は、歯ブラシ100を歯から離して、ブラッシング部位を移動させている動作に対応した期間である(以下、「ブラッシング休止期間」と記載する)。ブラッシング休止期間においては、歯ブラシが歯から離れているので、本来、歯垢が検出されないはずであるが、集光部7に歯垢が付着した場合、付着した歯垢から生じる蛍光が検出されてしまう。特に、期間Cにおいては、集光部7への歯垢の付着が多い状態を示しており、歯垢量はブラッシング期間の歯垢量に相当する強度になっている。なお、期間Cにおいて、歯垢量が時間の経過に伴い減少しているが、この現象は、歯垢に含まれる蛍光物質からの蛍光が、励起光の連続的な照射によって低下した結果であると考えられる。
図3Aに示す歯垢量に基づいて歯垢の有無を判定して、音や振動でユーザーに報知してしまうと、期間Cにおいて誤報知が生じてしまう。この誤報知を防ぐため、本発明の歯ブラシ100は、ブラッシング判断部30を備えている。歯ブラシ100は、ブラッシング判断部30で検出した情報を用いて、歯ブラシ100がブラッシング休止期間であると判断した際には、歯垢量の報知を停止することによって、誤動作を防ぐ。
ブラッシング判断部30が、ブラッシング期間を判断する動作について、信号波形の図を用いて説明する。図3Bは、図3Aに示した歯垢量信号26を微分回路32によって微分処理した波形をプロットしたグラフである。図の横軸は時間(s)を表し、縦軸は微分波形を任意スケールで表示した。微分した波形の振幅に注目すると、期間Aに対応する時間帯での微分の振幅は、歯垢量信号26の振幅にほぼ比例している。一方、期間Bと期間Cに対応する時間帯での微分の振幅は、ほぼゼロである。微分した波形は、信号の極性が正負に渡る交流信号であるため、ブラッシング期間の判断を容易にするために包絡線検波回路を用いて直流信号に変換する。
図3Cは、図3Bに示した微分処理した結果を包絡線検波回路34によって包絡線検波処理した波形をプロットしたグラフである。図の横軸は時間(s)を表し、縦軸は包絡線波形を任意スケールで表示した。期間Aに対応する時間帯での包絡線の強度は、歯垢量信号26の振幅にほぼ比例している。一方、期間B及び期間Cに対応する時間帯での包絡線の強度は、ほぼゼロとなる。このように包絡線検波処理を行った波形は、ブラッシング期間では、歯垢量に比例した信号強度を有し、ブラッシング休止期間では、ほぼゼロの信号強度を有する。
包絡線検波処理後の波形からブラッシング期間を判断することもでき、包絡線波形の信号強度がブラッシング閾値42を超えたときにブラッシング期間と判断し、ブラッシング閾値42以下のときにブラッシング休止期間と判断することができる。
図3Dは、図3Cに示した包絡線検波処理を行った結果をコンパレータ36によって1又は0の信号に変換した矩形波を示しており、期間Aに対応してコンパレータ36から1の出力が正しく出力され、期間Bや期間Cでは0の出力がされており、ブラッシング期間を正確に判断することが可能となる。以上のように、ブラッシング判断部30を動作させることにより、歯垢量信号26からブラッシング信号37を生成する。
ブラッシング信号37を用いて制御部40は、例えば図3Cで示した包絡線波形の信号や図3Dで示した矩形波を報知部50に出力し、ブラッシング判断部30で判断したブラッシング期間に音や振動などの報知を正確に行う。
本発明の歯ブラシ100を上述したように動作させることで、試料に光を照射したときの試料から生じる蛍光から歯垢量を検出し、歯垢量の変動からブラッシング期間を判断し、ブラッシング期間の情報に基づいて報知信号を出力することにより、ブラシ先端に歯垢が付着して生じる誤報知を防止し、ユーザーに正しいフィードバック情報を提示することが可能となる。
〔第2実施形態〕
第1実施形態においては、歯ブラシを手で動かし、そのブラッシング動作に伴う歯垢量信号26の微分信号33から、ブラッシングの判定と同時に、報知信号45を生成するものであった。手で歯ブラシを動かすため、歯に付着した歯垢量が同じ場合でも、ブラシの移動速度が低いと微分信号33の強度が変化し、ブラッシングの判定が難しくなるケースも考えられる。
そこで、第2実施形態においては、歯ブラシ本体を振動させるための加振器を備え、手の動きとは異なる特定の振動を与えることで、ブラッシング中の歯垢量信号26を強制的に変動させ、その変動の情報から、ブラッシング期間の判定と、報知信号を生成するものである。
本実施形態を以下、図面を用いて説明する。本実施形態の歯ブラシ200を図4に示す。歯ブラシ200は、基本的には図1で説明した先の実施形態の機能を拡張したものであるから、拡張した部分について説明を行う。
歯ブラシ200には、新たに、歯ブラシ本体を振動させるための加振器201を備え、加振器201を動作させることで、少なくともブラシ64を振動させる。加振器201としては偏心モーターなどの電磁力を利用した加振器を用いることができる。加振器201を制御するための加振制御回路202と、振動に比例して変化する歯垢量を検出する回路は、制御部40に含まれている。
図5は、加振器201と、制御部40に含めた加振制御回路202と図2で図示した振幅検出部31との接続構成を示したブロック図である。加振制御回路202は、加振器201を駆動し、同時に、加振器201により生じた振動のタイミングを表す加振同期信号203を出力する。つまり、加振同期信号203は、加振器201からの情報であり、その情報を振幅検出部31へ送り、振幅検出部31は、振動に伴う歯垢量信号26の変化にその情報を加味して、包絡線信号35として出力する。
加振器201として直流偏心モーターを用いた場合は、加振制御回路202は直流電圧を出力してモーターを回転させる。偏心モーターの回転により生じた振動は、集光部7を振動させることになるが、この際、集光部7と歯10の距離を近づいたり、遠ざけたりする振動周期を有するので、集光部7で検出される歯垢量信号26は、遠近に伴って変化する。
よって、振幅検出部31は、歯垢量信号26に、その振動周期に比例して変化する成分を加味して、歯垢の報知量である包絡線信号35として出力する。
このように、加振器201から加振同期信号203などの情報が得られる場合には、先に記載した微分回路32と包絡線検波回路34の他に振幅検出部31として、2相ロックインアンプを用いることが出来る。ロックインアンプの信号入力に、歯垢量信号26を入力し、同期信号入力に加振同期信号203を入力することで、2相の出力信号の絶対値を振幅信号35として出力が可能になる。絶対値を用いることで、集光部7が振動する際の位相や方向にかかわらず、変化成分のみを取り出すことができる。
また、加振同期信号203は、加振器201にブラシ形直流モーターを用いる場合、駆動電流の変化から容易に生成することが可能である。2相ロックインアンプは、デジタル回路で容易に構成することもできる。
ロックインアンプを用いることで、加振器201の振動周期が可変したときでも、微分回路等のディスクリート部品の定数を変えることなく、さまざまな振動周波数に対応が可能になる。なお、第1実施形態の場合でも、手動で動かしたときの歯ブラシの動きを加振同期信号203と同様な信号に変換して振幅検出部31へ入力できるようにすれば、ロックインアンプを用いることは有効である。
本実施形態によれば、加振器による一定した振動を与え、歯垢量の変化を見ることで、ブラッシング判定を確実に行い、より正確に歯垢量を反映した報知信号を得ることができる。
3 光源
6 光導波路
7 集光部
10 歯
20 歯垢検出部
25 歯垢検出回路
26 歯垢量信号
30 ブラッシング判断部
31 振幅検出部
32 微分回路
34 包絡線検波回路
36 コンパレータ
37 ブラッシング信号
40 制御部
42 ブラッシング閾値
45 報知信号
50 報知部
100 歯ブラシ
201 加振器
202 加振制御回路
203 加振同期信号

Claims (8)

  1. 光を試料に照射して、前記試料から発生する蛍光強度を測定する歯ブラシであって、
    前記光を出射する光源と、
    前記光を前記試料に照射したときに発生する前記蛍光強度を検出して歯垢量を定量する歯垢検出部と、
    前記歯垢検出部で検出した前記歯垢量の情報に基づいて、ブラッシングしている期間であるブラッシング期間を判断するブラッシング判断部と、
    前記ブラッシング判断部で判断した前記ブラッシング期間の情報に基づいて、歯垢量を表す信号である報知信号を出力する制御部と、を有する
    ことを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記ブラッシング判断部は、前記歯垢量の変動を検出する振幅検出部を有し、
    前記振幅検出部で検出した情報に基づいて前記ブラッシング期間を判断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記歯ブラシは、歯ブラシのブラシを少なくとも振動させる加振器を有し、
    前記振幅検出部と前記加振器からの情報に基づいてブラッシング期間を判断する
    ことを特徴とする請求項2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記振幅検出部は、前記加振器で発生する振動周期に比例した成分が加味された前記歯垢量を出力する
    ことを特徴とする請求項3に記載の歯ブラシ。
  5. 前記振幅検出部は、前記歯垢量を微分処理する微分回路と、前記微分回路で微分した情報を包絡線検波処理する包絡線検波回路とを有する
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一つに記載の歯ブラシ。
  6. 前記微分回路の代わりに、ハイパスフィルター回路を用いる
    ことを特徴とする請求項5に記載の歯ブラシ。
  7. 前記振幅検出部は、ロックインアンプ回路を有する
    ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一つに記載の歯ブラシ。
  8. 前記制御部は、前記歯垢量及び前記ブラッシング期間の情報に基づいて前記報知信号を出力する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の歯ブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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