JP2017169653A - 医療用チューブの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生物学的物質又は医療用液体が付着しにくい医療用チューブの製造方法を提供することである。【解決手段】本発明に係る医療用チューブの製造方法は、内面又は前記内面となる面にフッ素コーティングを施す工程を含む。また、一層又は複数の層により構成された内層と、前記内層より径方向外側に一層又は複数の層により構成され、前記内層よりも厚い外層とを備える医療用チューブの製造方法であって、前記内層を形成する薄肉部材にフッ素コーティングを施すことが好ましい。【選択図】図8
Description
本発明は、医療用チューブの製造方法に関する。
従来から、自発呼吸困難な患者や、自力で痰の排出が困難な患者等に対し、体外と気管内を直接つなぎ、気道を確保すると共に、呼吸や痰等の異物の吸引を行うことが可能な気管チューブが知られている。
このような気管チューブは、例えば特許文献1に開示されている。具体的に特許文献1には、基端部から先端部にかけて貫通する気道確保用ルーメンを備えた管腔体と、前記管腔体の基端部に形成されたコネクタ部と、前記管腔体の先端側部分の外周に形成され膨張収縮が可能なカフと、前記管腔体を構成する壁部に形成され前記コネクタ部の表面部と前記カフ内とを連通させるカフ膨張用ルーメンと、前記管腔体を構成する壁部に形成され前記コネクタ部の表面部と前記管腔体の表面部とを連通させる吸引用ルーメンとを備えた気管切開チューブが開示されている。
特許文献1に開示の気管チューブでは、コネクタ部の表面から管腔体の表面における所定部分に連通する吸引用ルーメンを管腔体の壁部に形成して、コネクタ部側から吸引することにより、管腔体と気管との間に溜まった痰等を吸引用ルーメンを介して外部に排出することができるようにしている。
また、引用文献1に開示の気管チューブでは、前記気管切開チューブの表面と、前記管腔体の気道確保用ルーメンを形成する内面とに、湿潤時に表面潤滑性を発現する被膜が形成されていることを特徴としている。このような構造とすることにより、患者が呼吸をする際の息やつば等によって、管腔体の内面が湿ると表面潤滑性が発現して、管腔体の内面に痰等が付着し難くなるということが記載されている。
しかしながら、本発明者らが検討した限りでは、特許文献1に記載された気管切開チューブでは、痰の付着抑制に関して、更なる改良の余地が残されていることが知見された。また、気管チューブ以外で用いられる医療用チューブについても、痰等の生物学的物質又は輸液剤等の医療用液体の付着抑制について更なる改良の余地が残されている。
そこで、本発明は、生物学的物質又は医療用液体が付着しにくい医療用チューブの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の態様としての医療用チューブの製造方法は、内面又は前記内面となる面にフッ素コーティングを施す工程を含む。
また、一層又は複数の層により構成された内層と、前記内層より径方向外側に一層又は複数の層により構成され、前記内層よりも厚い外層とを備える医療用チューブの製造方法であって、前記内層を形成する薄肉部材にフッ素コーティングを施すことが好ましい。
また、フッ素コーティングが施された前記薄肉部材を、前記外層のうち前記内層に積層される層を少なくとも形成する外側チューブに挿入する工程と、前記薄肉部材が前記外側チューブに挿入された状態において、前記薄肉部材と前記外側チューブとを一体化する工程と、を含むことが好ましい。
また、前記薄肉部材はシート部材であり、前記シート部材の表面にフッ素コーティングを施し、前記表面が内面になるように円筒状に曲げた後に、前記シート部材を前記外側チューブに挿入することが好ましい。
また、円筒状に曲げられた前記シート部材の両端部を接合して内側チューブを形成した後に、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入することが好ましい。
また、円筒状に曲げられた前記シート部材の両端部を接合して内側チューブを形成した後に、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入する、ことが好ましい。
また、前記薄肉部材はシート部材であり、前記シート部材を円筒状に曲げて両端部を接合することにより内側チューブを形成し、前記内側チューブの内面にフッ素コーティングを施した後に、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入することが好ましい。
また、前記薄肉部材は内側チューブであり、前記内側チューブの内面にフッ素コーティングを施した後に、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入することが好ましい。
前記薄肉部材は円筒部材であり、前記円筒部材の外面にフッ素コーティングを施した後に、前記円筒部材の前記外面と内面とを裏返すことにより内側チューブを形成し、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入することが好ましい。
本発明に係る製造方法によると、生物学的物質又は医療用液体が付着しにくい医療用チューブを製造することが可能である。
以下、本発明に係る医療用チューブの製造方法の実施形態について、図1〜図19を参照して説明する。ここでは、本発明に係る医療用チューブの製造方法の一例として、気管チューブに用いられる医療用チューブとしてのチューブ本体の製造方法について説明する。なお、各図において共通の部材、部位には、同一の符号を付している。
<気管チューブ>
初めに、本発明に係る医療用チューブの製造方法を用いて製造される気管チューブについて説明する。図1は、本発明の一実施形態としての医療用チューブの製造方法を用いて製造される気管チューブ1を気管内に留置した状態を示す図である。図2は、気管チューブ1における医療用チューブとしてのチューブ本体2を単体で示す斜視図である。図3は図2に示すチューブ本体2の拡大断面図であり、チューブ本体2の内面に形成された微細凹凸構造100を示す。図4は、気管チューブ1を基端側から見た図である。図1に示すように、気管チューブ1は、チューブ本体2と、このチューブ本体2の外周面上に取り付けられた収縮及び拡張可能なカフ3と、チューブ本体2の一方の端部に装着されたフランジ部材4とを備える。
初めに、本発明に係る医療用チューブの製造方法を用いて製造される気管チューブについて説明する。図1は、本発明の一実施形態としての医療用チューブの製造方法を用いて製造される気管チューブ1を気管内に留置した状態を示す図である。図2は、気管チューブ1における医療用チューブとしてのチューブ本体2を単体で示す斜視図である。図3は図2に示すチューブ本体2の拡大断面図であり、チューブ本体2の内面に形成された微細凹凸構造100を示す。図4は、気管チューブ1を基端側から見た図である。図1に示すように、気管チューブ1は、チューブ本体2と、このチューブ本体2の外周面上に取り付けられた収縮及び拡張可能なカフ3と、チューブ本体2の一方の端部に装着されたフランジ部材4とを備える。
図2に示すように、チューブ本体2は、先端5を含む先端部8と、チューブ本体2の内周面の中心軸線O1の延在方向(以下、単に「中心軸線方向A」と記載する。)において先端部8の基端6側で連続し、外周面上にカフ3が取り付けられるカフ装着部9と、このカフ装着部9の基端6側で連続する湾曲部10と、この湾曲部10の基端6側で連続し、基端6を含む基端部11と、を備える。
チューブ本体2は、中心軸線方向Aにおいて先端5から基端6まで貫通する中空部7を区画している。また、チューブ本体2は、壁内に形成され、基端面に区画された基端開口から中心軸線方向Aに延在する第1〜第3ルーメン12〜14を備える。中空部7により、気管チューブ1が外方から気管内に挿入されて留置されている状態において、気道を確保することができる。第1ルーメン12は、第1基端開口12aからカフ3よりも基端6側に設けられた吸引口まで延在しており、気管内に留置されている状態のカフ3よりも気管上流側(顎側)に貯留する痰、唾液、誤嚥物、血液などの異物Xを吸引して除去するために用いられる。第2ルーメン13は、第2基端開口13aからカフ3よりも先端5側に設けられた吸引口まで延在しており、気管内に留置されているカフ3よりも気管下流側(気管分岐部側)で、先端部8近傍に貯留する痰等の異物Xを吸引して除去するために用いられる。第3ルーメン14は、第3基端開口14aからカフ3の位置に設けられた連通口14bまで延在しており、カフ3を収縮及び拡張させるために用いられる。なお、壁内に区画された小径の第1〜第3ルーメン12〜14についても中空部であるが、説明の便宜上、気道を確保するための大径の中空部7と区別するため、ここでは「ルーメン」と記載する。
図3に示すように、医療用チューブとしてのチューブ本体2の内周面には、内面全体に微細凹凸構造100が形成されている。微細凹凸構造100は、数μm〜数百μmサイズ、好ましくは数μm〜数十μmサイズの凹凸が形成された表面を有する。微細凹凸構造100領域は痰の付着を抑制する性質(以下、「撥痰性」と記載する。)を有する。チューブ本体2の内周面に微細凹凸構造100を形成する方法の詳細は後述する。微細凹凸構造100は、チューブ本体2の内周面の全面に亘って形成してもよく、また、内周面の一部のみに形成してもよい。
また、微細凹凸構造100の表面にはフッ素コート層200が形成されている。フッ素コート層200はフッ素樹脂を主成分とするものであれば特に限定されない。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、CTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等を用いることができる。
チューブ本体2の構成材料としては、例えば、シリコーン、軟質ポリ塩化ビニル等のポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂を用いることができる。その中でも、成形が容易であるという点で、軟質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂を用いることが好ましい。
カフ3は、気管チューブ1を気管内の所定の位置で留置させるために用いられる。具体的に、カフ3は、第3ルーメン14を通じて流体が供給されると拡張し、流体が吸引されると収縮する。カフ3が拡張した状態において、カフ3の外面は気管内壁と密着する。カフ3の外面と気管内壁との摩擦力等によって、カフ3が気管内周面に挟持される。このようにして、気管内でのカフ3の位置が固定され、気管チューブ1を気管内の所定の位置で留置させることができる。
フランジ部材4は、図1に示すようにチューブ本体2の基端部11(図2参照)に装着されており、チューブ本体2を体外から気管内に挿入して気管チューブ1を留置した際に、皮膚に当接することで、先端部8を気管内の適切な位置に固定する。図1及び図4に示すように、フランジ部材4は、チューブ本体2の基端部11が内挿され、チューブ本体2と嵌合することでチューブ本体2に対して装着される円筒状の筒部17と、この筒部17の外壁から径方向外側に向かって突出し、気管チューブ1を留置した状態で皮膚に当接する板状のフランジ部18と、を備える。なお、図4では、説明の便宜上、チューブ本体2の第1ルーメン12、第2ルーメン13及び第3ルーメン14の位置を二点鎖線により示している。
図4に示すように、筒部17には、フランジ部18よりも基端側の位置に、上述した第1ルーメン12、第2ルーメン13及び第3ルーメン14それぞれと連通する連通孔17a、17b、17cが区画されている。筒部17内にチューブ本体2の基端部11が嵌合することにより装着されている状態において、第1ルーメン12、第2ルーメン13及び第3ルーメン14は、対応する連通孔17a、17b、17cを介して、気管チューブ1の外方と連通しており、この連通孔17a、17b、17cそれぞれに、チューブ本体2とは別の医療用チューブが接続されている。
具体的に、第1ルーメン12は、筒部17に形成された対応する連通孔17aを通じて、気管チューブ1の基端側で気管チューブ1の外方と連通している。従って、体外に露出している筒部17の連通孔17aに一端が嵌合した医療用チューブとしての吸引用チューブ19aの他端にシリンジまたは吸引ポンプ等を接続して吸引を行えば、体外から第1ルーメン12を通じて痰等の異物Xを吸引することができる。また、第2ルーメン13についても、第1ルーメン12と同様であり、医療用チューブとしての吸引用チューブ19b、筒部17に形成された対応する連通孔17b及び第2ルーメン13を通じて異物Xを吸引することができる。
更に、第3ルーメン14は、筒部17に形成された対応する連通孔17cを通じて、気管チューブ1の基端側で気管チューブ1の外方と連通している。従って、体外に露出している筒部17の連通孔17cに一端が嵌合した医療用チューブとしてのカフ用チューブ19cの他端にシリンジ等を接続すれば、体外にあるシリンジ等の操作により、カフ3の環状空間への流体の供給や吸引を行うことができ、それによりカフ3の拡張及び収縮を操作することができる。
なお、フランジ部材4の筒部17は、チューブ本体2の基端部11と同心円状に装着されており、チューブ本体2の周方向Bにおける第1ルーメン12の位置、第2ルーメン13の位置、及び第3ルーメン14の位置は、筒部17の対応する連通孔17a、17b、及び17cの周方向Bの位置の近傍とされている。そのため、各連通孔17a、17b、17cを短くすることができ、筒部17の連通孔17a、17b、及び17cの構成が複雑化することが抑制される。また、図4に示すように、吸引用チューブ19a及び19b、並びにカフ用チューブ19cは、図4の平面視において、各連通孔17a、17b、17cからフランジ部18の突設されている方向に延在するように接続され、先端部8側には延在していない。このように接続することにより、気管チューブ1が気管内に留置された状態において、吸引用チューブ19a及び19b、並びにカフ用チューブ19cが、患者の顎や首元にぶつかることが抑制され、気管チューブ1が留置される患者の不快感を軽減することができる。
フランジ部材4の構成材料としては、例えば、チューブ本体2と同様の材料で形成することができる。
<チューブ本体2の製造方法>
次に、医療用チューブとしてのチューブ本体2の製造方法を説明する。図5に、医療用チューブとしてのチューブ本体2の中心軸線方向A(図2参照)に垂直な方向の断面図を示す。なお、図5は、チューブ本体2の中心軸線方向Aにおいて、第1ルーメン12、第2ルーメン13及び第3ルーメン14が全て存在する位置での断面図である。本製造方法は、図5に示すように、内層30と、外層40とを備える医療用チューブとしてのチューブ本体2の製造方法である。内層30は、図3に示すような微細凹凸構造100が形成された内周面31を有している。内層30は、一層又は複数の層により構成される。外層40は内層30より径方向外側に設けられる。外層40は、内層30と同様に、一層又は複数の層により構成される。本実施形態の外層40は、内層30の径方向外側に積層される最も内側の層41(以下、「内側層41」と記載する。)を含む複数の層により構成されている。外層40は内層30よりも厚い。なお、図5では、内側層41と、この内側層41の径方向外側に位置する別の一層又は別の複数の層と、の間の境界を破線により示している。また、図5に示すように、本実施形態では、内層30を一層(単層)として説明する。
次に、医療用チューブとしてのチューブ本体2の製造方法を説明する。図5に、医療用チューブとしてのチューブ本体2の中心軸線方向A(図2参照)に垂直な方向の断面図を示す。なお、図5は、チューブ本体2の中心軸線方向Aにおいて、第1ルーメン12、第2ルーメン13及び第3ルーメン14が全て存在する位置での断面図である。本製造方法は、図5に示すように、内層30と、外層40とを備える医療用チューブとしてのチューブ本体2の製造方法である。内層30は、図3に示すような微細凹凸構造100が形成された内周面31を有している。内層30は、一層又は複数の層により構成される。外層40は内層30より径方向外側に設けられる。外層40は、内層30と同様に、一層又は複数の層により構成される。本実施形態の外層40は、内層30の径方向外側に積層される最も内側の層41(以下、「内側層41」と記載する。)を含む複数の層により構成されている。外層40は内層30よりも厚い。なお、図5では、内側層41と、この内側層41の径方向外側に位置する別の一層又は別の複数の層と、の間の境界を破線により示している。また、図5に示すように、本実施形態では、内層30を一層(単層)として説明する。
内層30の内周面31に形成される微細凹凸構造100の凹凸パターンの例を示す。図6は、内周面31の展開図の一部を拡大したものであり、図の横方向がチューブ本体2の中心軸線方向Aを示し、縦方向がチューブ本体2の周方向Bを示す。上述のように、微細凹凸構造100は、数μm〜数百μmサイズ、好ましくは数μm〜数十μmサイズの凹凸構造である。凹凸構造はいくつかの凹凸パターンを取り得る。例えば、図6(a)に示すように、チューブ本体2の中心軸線方向Aに延在する凸リブ101と凹溝102とが、周方向Bにおいて交互に配置された構造(以下、単に「ラインアンドスペース構造」と記載する。)とすることができる。また、例えば、図6(b)に示すように、円錐台形状の突起103が所定の配列で配置された構造(以下、単に「ピラー構造」と記載する。)とすることができる。なお、ラインアンドスペース構造は、周方向Bに延在する凸リブ101と凹溝102とが、中心軸線方向Aにおいて交互に配置される構造であってもよい。但し、ラインアンドスペース構造を有する面上の痰などの異物X(図1参照)は、凸リブ101及び凹溝102の延在方向に移動し易いため、異物Xがチューブ本体2内に留まることがないように、凸リブ101及び凹溝102を中心軸線方向Aに延在する図6(a)に示す構成とすることが好ましい。また、ピラー構造を構成する突起103の形状は、円錐台形状に限定されるものではなく、円錐形状、円柱形状、三角錐形状又はその他の多角錐形状、角柱形状等とすることもできる。
なお、上述したように、微細凹凸構造100は、数μm〜数百μmサイズ、好ましくは数μm〜数十μmサイズの凹凸構造であり、この条件の下、隣接する、ラインアンドスペース構造における凸リブ101又はピラー構造における突起103(以下、凸リブ101及び突起103を単に「凸部」と記載する。)の中心間の距離は、10μm〜100μmとすることが好ましく、10μm〜50μmとすることがより好ましい。100μmより大きいと、痰が凸部間に入り込み易くなり、撥痰性の効果が小さくなる。また、10μm未満の場合には、痰と凸部との接触面積が大きくなり、撥痰性の効果が小さくなる。
また、微細凹凸構造100のサイズが上記条件の下では、各凸部の頂面105(図3参照)の最大幅は、0.01μm〜50μmとすることが好ましく、1μm〜50μmとすることがより好ましく、1μm〜30μmとすることが更により好ましく、1μm〜20μmとすることが特に好ましい。50μmより大きいと、痰との接触面積が大きくなり、撥痰性の効果が小さくなる。また、0.01μm未満の場合には、凸部の成形が難しく、形状安定性が低下するおそれがある。なお、微細凹凸構造100がラインアンドスペース構造の場合、各凸部の頂面105(図3参照)の最大幅とは、凸リブ101の延在方向と直交する方向の頂面105の最大長さとなる。
更に、微細凹凸構造100のサイズが上記条件の下、微細凹凸構造100の凸部の最大高さを数μm〜数百μmサイズ、好ましくは数μm〜数十μmサイズとする。
図7は、医療用チューブとしてのチューブ本体2の形成フローを示している。本製造方法は、上述の内層30を形成する内側チューブ21(後に参照する図18等参照)を、外層40のうち内層30に積層される層を少なくとも形成する外側チューブ22(後に参照する図18等参照)に挿入する工程(P1)と、内側チューブ21が外側チューブ22に挿入された状態において内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する工程(P2)とを含む。なお、外層40が一層により構成される場合、外側チューブ22は外層40全体を形成する。また、外層40が複数の層により構成される場合、外側チューブ22は内層30に積層される層、すなわち、外層40のうちチューブ本体2の径方向の最も内側の層41(内側層41)を少なくとも形成する(図5参照)。以下、内側チューブ21の形成方法及び上記各工程について詳細を説明する。
内側チューブ21の形成方法について、シート部材を用いる方法及び円筒部材を用いる方法をそれぞれ説明する。
[シート部材を用いる方法]
図8にシート部材を用いて形成する内側チューブ21の形成フローを示す。まず、図8に示すように、シート状のシート部材のいずれか一方の表面に微細凹凸構造100(図3等参照)を形成する(S1)。次に、微細凹凸構造100の表面にフッ素コート層200を形成する(S2)。次に、微細凹凸構造100が形成された表面が内面になるようにシート部材を円筒状に曲げる(S3)。最後に、円筒状に曲げられたシート部材の両方の端部を接合する(S4)。以下、詳細を説明する。
図8にシート部材を用いて形成する内側チューブ21の形成フローを示す。まず、図8に示すように、シート状のシート部材のいずれか一方の表面に微細凹凸構造100(図3等参照)を形成する(S1)。次に、微細凹凸構造100の表面にフッ素コート層200を形成する(S2)。次に、微細凹凸構造100が形成された表面が内面になるようにシート部材を円筒状に曲げる(S3)。最後に、円筒状に曲げられたシート部材の両方の端部を接合する(S4)。以下、詳細を説明する。
シート部材は所定の厚みを有するシート状の部材である。シート部材の厚さは好ましくは0.1mm〜1.0mmであり、より好ましくは0.15mm〜0.5mmとする。シート部材の構成材料としては、例えば軟質ポリ塩化ビニルなど、上述したチューブ本体2の構成材料を用いることができる。
図9は金型50による微細凹凸構造100の転写を示す。微細凹凸構造100は予め微細凹凸パターン52が形成された金型50による転写により形成することができる。具体的に、図9(a)に示すように、シート部材32のいずれか一方の表面33に、金型50を押し当てる(図9(a)の矢印51参照)。金型50のうちシート部材32に押し当てられる側の表面には、微細凹凸パターン52が形成されている。この微細凹凸パターン52は、シート部材32に形成される、所望の凹凸パターンを有する微細凹凸構造100と凹凸の向きが逆向きのものである。図9(b)に示すように、金型50をシート部材32に押し当てた状態(図9(b)の矢印53参照)で、加熱する。このようにすることで、金型50の微細凹凸パターン52がシート部材32の表面33に転写され、図9(c)に示すように、微細凹凸パターン52と凹凸の向きが逆向きの微細凹凸構造100がシート部材32の表面33に形成される。
次に、シート部材32の表面33に形成された微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングを施し、フッ素コート層200を形成する(図8の「S2」参照)。具体的に説明する。まず、上述した、表面33に微細凹凸構造100が形成されたシート部材32を用意する。次に、微細凹凸構造100表面に、上述したフッ素樹脂を含むフッ素コーティング剤を塗着する。フッ素コーティング剤を塗着する方法としては、好ましくは、フッ素コーティング剤が含まれる溶媒中にシート部材32を浸漬する、ディップコーティングがよい。但し、ディップコーティングに限定されるものではなく、例えば、フッ素コーティング剤が含まれる溶媒を表面33に滴下して微細凹凸構造100が形成されている領域全域に拡げる方法や、スプレーで表面33に吹き付ける方法、あるいは箆部材を用いて表面33に塗る方法でもよい。次に、フッ素コーティング剤が含まれる溶媒が塗着された状態でシート部材32を乾燥させる。溶媒が除去されフッ素コーティング剤の皮膜が形成される。次に、フッ素コーティング剤を硬化し、表面33との結合を形成する。フッ素コーティング剤を硬化する態様の一例として、例えば、シート部材32をオーブン(不図示)に投入し、オーブン内で所定時間、所定の温度で加熱して硬化することができる。設定温度は、好ましくは、約70〜100度、より好ましくは80度とし、加熱時間は好ましくは約30〜90分とする。このようにして、微細凹凸構造100の表面にフッ素コート層200を形成する。
微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングを施すことにより、シート部材32の表面33の撥水性、撥油性、耐摩擦性を向上させることができると共に、表面33に形成された微細凹凸構造100の強度を向上させることができる。そのため、後述する、シート部材32を円筒状に曲げる際、シート部材32を内側チューブ21に形成して外側チューブ22に挿入する際及び/又は形状維持冶具を内側チューブ21に形成されたシート部材32の内側に位置させた状態で内側チューブ21に形成されたシート部材32と外側チューブ22とを一体化する際等に、微細凹凸構造100を損傷しにくくすることができる。
次に、シート部材32を内側チューブ21の形状に成形する。図10は内側チューブ21の形状の成形を説明する図である。具体的に、微細凹凸構造100(図9参照)が形成された表面33が内面になるようにシート部材32を円筒状に曲げる(図8の「S3」参照)。シート部材32を曲げる際は、図10(a)、(b)に示すように、シート部材32の端部34のうち表面33の短辺を含む端部34c、34dが円形状になるように曲げる(図10(a)の矢印54参照)。好ましくは、シート部材32を円筒状に曲げる際、図10(c)に示すように、例えば円柱形状の円筒成形冶具55を用い、円筒成形冶具55の外面にシート部材32を巻き付け、円筒成形冶具55の外面の形状に沿って円筒状に曲げる。なお、円筒成形冶具55の具体例には、中実又は中空の金属棒や樹脂棒が挙げられる。この他に、円筒成形冶具55の具体例として、自己拡張型の網状筒部材や渦巻き状や螺旋状のバネ部材等の弾性部材、空気圧や水圧等で拡張するバルーン、等の拡張体が挙げられる。
次に、円筒状に曲げられたシート部材32の両端部34a及び34bを接合する(図8の「S4」参照)。具体的に、図10(b)及び(c)に示すように、シート部材32のうち、表面33の長辺を含む、互いに対向する端部34a、34bを突き合わせる。そして、図10(d)に示すように、両端部34a及び34bに熱56を加えて両端部34a及び34bを溶融させ溶着する。熱源にはレーザー光、電気、高周波、超音波、その他公知の技術を用いることができる。なお、熱源は、例えば、円筒状のシート部材32の外部に配置され、両端部34a及び34bは外部から加熱される。このようにして、内側チューブ21が形成される。
なお、溶着は、上述した円筒成形冶具55が挿入された状態で行ってもよい。この場合、円筒成形冶具55の一部又は全部を熱伝導性のよい素材とし、円筒成形冶具55を外部から発熱又は加熱することにより、円筒成形冶具55を介して、円筒成形冶具55に巻き付けられているシート部材32の端部34a、34bを加熱し、溶着するという方法でもよい。なお、熱伝導性のよい素材としては例えばアルミニウムや銅などの金属を用いることができる。また、円筒成形冶具55が挿入されているか否かに問わず、突き合わせた両端部34a及び34bがずれないように、円筒状に成形されたシート部材32の外周面を保持部材57で固定した状態で、シート部材32の端部34a、34bを融着してもよい。保持部材57としては、例えば、図10(e)に示す断面がC形状のものを使用することができる。断面がC形状の保持部材57の隙間部分に、シート部材32の端部34a、34bを位置させることにより、外部又は内部から、シート部材32の端部34a、34bに熱56を加えて溶着することができる。また、上述した円筒成形冶具55に代えて、別の部材をシート部材32の内側に挿入し、この部材を外部から発熱又は加熱することにより、シート部材32の端部34a及び34bを加熱し、溶着するようにしてもよい。
好ましくは、内側チューブ21を、内側チューブ21の外径と外側チューブ22の内径とが略等しくなるように成形する。上述したように、シート部材32の端部34a、34b同士を突き合わせ溶着する場合には、シート部材32の表面33の短辺の長さを、外側チューブ22の内周と略等しい長さとすればよい。但し、シート部材32から円筒状の内側チューブ21を成形する方法は、シート部材32の端部34a、34b同士を突き合わせ溶着する方法に限られるものではなく、例えば、シート部材32の表面33の短辺の長さを、外側チューブ22の内周よりも長くし、シート部材32の両端部34a及び34bを二重に重ねて接合するようにしてもよい。なお、後述するように、内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する際は、外側チューブ22を熱により縮径させる方法もあるため、内側チューブ21の外径を、外側チューブ22の内径よりも小さくすることも可能である。
[円筒部材を用いる方法]
図11に円筒部材を用いて形成する内側チューブ21の形成フローを示す。まず、図11に示すように、円筒状の円筒部材の外面に微細凹凸構造100(図3等参照)を形成する(T1)。次に、微細凹凸構造100の表面にフッ素コート層200を形成する(T2)。次に、円筒部材の内面と、微細凹凸構造100が形成された外面とを裏返す(T3)ことにより、内面に微細凹凸構造100が形成された内側チューブ21を形成する。以下、詳細を説明する。
図11に円筒部材を用いて形成する内側チューブ21の形成フローを示す。まず、図11に示すように、円筒状の円筒部材の外面に微細凹凸構造100(図3等参照)を形成する(T1)。次に、微細凹凸構造100の表面にフッ素コート層200を形成する(T2)。次に、円筒部材の内面と、微細凹凸構造100が形成された外面とを裏返す(T3)ことにより、内面に微細凹凸構造100が形成された内側チューブ21を形成する。以下、詳細を説明する。
図12は、円筒部材60を用いて内側チューブ21を形成する方法を説明する図である。まず、射出成形により、円筒部材60の外面62に微細凹凸構造100を形成する。射出成形とは、軟化する温度に加熱した成形材料を、射出圧 (通常、10〜3000kgf/c程度) を加えて金型内の空洞に押込むことで充填し、成形材料を固化させることにより成形する技術のことである。
具体的には、図12(a)に示すように、内部金型70aと外部金型70bとの間に形成された空洞72に成形材料を充填することにより円筒部材60を成型する。外部金型70bの内面71には、上述の微細凹凸パターン52(図9参照)が形成されている。また、外部金型70bは割型となっており、第1外部金型70b1と第2外部金型70b2とで構成されている。内部金型70aと外部金型70bとの間の空洞72に充填された成形材料が固化した後、外部金型70bを割り、次いで、内部金型70aを引き抜くことにより、外面62に微細凹凸構造100を有する円筒部材60を作成することができる。
円筒部材60の外径は、外側チューブ22の内径と同じであるか、又は外側チューブ22の内径よりも小さくする。また、円筒部材60の肉厚は、好ましくは0.1mm〜1.0mmであり、より好ましくは0.15mm〜0.5mmがよい。円筒部材60の構成材料としては、例えば軟質ポリ塩化ビニルなど、上述したチューブ本体2の構成材料を用いることができる。
次に、微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングを施しフッ素コート層200を形成する(図11の「T2」参照)。具体的には、上述したように、微細凹凸構造100が形成された円筒部材60の外面62にフッ素コーティング剤が含まれる溶媒を塗着し、円筒部材60を乾燥させて溶媒を除去した後、円筒部材60をオーブン(不図示)に投入して、オーブン内で円筒部材60を加熱することによりフッ素コーティング剤を硬化させて、フッ素コート層200を形成する。
微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングを施すことにより、後述する、内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する際及び/又は形状維持冶具を内側チューブ21の内側に位置させた状態で内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する際等に、微細凹凸構造100を損傷しにくくすることができる。
次に、図12(b)に示すように、射出成形した円筒部材60の内面63と外面62とを裏返す(図12(b)矢印64参照)。内面63と外面62とを裏返すことで、内面に微細凹凸構造100が形成された内側チューブ21を形成することができる。なお、ここでは円筒部材60の内面63と外面62とを裏返す前に、フッ素コーティングを施しているが、裏返した後にフッ素コーティングする方法であってもよい。
また、薄肉(例えば0.1mm〜1.0mm)で可撓性を有する内側チューブ21を形成する場合には、直接、すなわち、裏返す作業を要さずに、内面に微細凹凸構造100を有する内側チューブ21を形成することもできる。図17は、内面に微細凹凸構造100を有する内側チューブ21を直接成形することが可能な金型の断面図である。図12(a)に示す金型と異なり、微細凹凸パターン52は内部金型70aの外面に形成されている。また、内部金型70aの表面には噴出孔76が区画され、噴出孔76を通じて空気、窒素等の気体や、水等の液体が噴出される。
内部金型70aと外部金型70bとの間の空洞72に充填された成形材料が固化した後、外部金型70bを割り、外部金型70bを取り外す。外部金型70bを取り外した後に、圧縮された気体や液体等の流動体を噴出孔76から噴出させ、流動体の圧力で内側チューブ21を拡径させて、内部金型70aを引き抜く。このようにすることで、内側チューブ21の内面を、内部金型70aの外面の微細凹凸パターン52で損傷させることなく、換言すれば、形成された微細凹凸構造100のパターンを保ちつつ、内側チューブ21から内部金型70aを引き抜くことができ、内面に微細凹凸構造100を有する内側チューブ21を作成することができる。
また、微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングを施しフッ素コート層200を形成する。具体的には、上述したように、微細凹凸構造100が形成された内側チューブ21の内面にフッ素コーティング剤が含まれる溶媒を塗着し、内側チューブ21を乾燥させて溶媒を除去した後、内側チューブ21をオーブン(不図示)に投入して、オーブン内で内側チューブ21を加熱することによりフッ素コーティング剤を硬化させて、フッ素コート層200を形成する。
微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングを施すことにより、後述する、内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する際及び/又は形状維持冶具を内側チューブ21の内側に位置させた状態で内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する際等に、微細凹凸構造100を損傷しにくくすることができる。
以上のようにして、内面に微細凹凸構造100を有し、その微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングが施された内側チューブ21を得ることができる。ここで、上述した内側チューブ21の形成方法におけるフッ素コーティングの方法に着目すると、フッ素コーティングの方法は以下の3通りとなる。
1つ目は、薄肉部材としてのシート部材32の表面33にフッ素コーティングを施し、このフッ素コーティングが施されたシート部材32から内側チューブ21を形成するものである。2つ目は、シート部材32を用いることなく、薄肉部材としての円筒部材60を形成し、この薄肉部材としての円筒部材60の外面にフッ素コーティングを施した後に、外面と内面とを裏返すことにより内側チューブ21を形成するものである。3つ目は、シート部材32を用いることなく、薄肉部材としての内側チューブ21を形成し、この薄肉部材としての内側チューブ21の内面にフッ素コーティングを施すものである。つまり、フッ素コーティングを施す対象となる薄肉部材の形態が異なっている。
このように、チューブ本体2の内層30となる内側チューブ21の形成方法に応じて、フッ素コーティングを施す対象となる薄肉部材の形態を異ならせることができる。
但し、フッ素コーティングの方法は上述した3通りの方法に限られるものではなく、例えば、薄肉部材としてのシート部材32を円筒状に曲げて両端部34a及び34bを接合して内側チューブ21を形成し、この薄肉部材としてのシート部材32から形成された内側チューブ21の内面にフッ素コーティングを施すようにしてもよい。また、薄肉部材としての円筒部材60の外面と内面とを裏返して内側チューブ21を形成し、この薄肉部材としての円筒部材60から形成された内側チューブ21の内面にフッ素コーティングを施すようにしてもよい。
上記各種のコーティング方法により、微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングが施された内側チューブ21は、以下に説明する工程(P1)において、外側チューブ22に挿入される。
<内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する工程(P1)>
次に、上述した内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する工程(P1)について説明する。図18は、内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する例を示す図である。図18に示すように、内側チューブ21を外側チューブ22の一端から他端に向かって、外側チューブ22の内部に挿入していく。外側チューブ22内で、内側チューブ21を外側チューブ22に対して相対的に移動し、外側チューブ22内の所定の位置まで移動させる。
次に、上述した内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する工程(P1)について説明する。図18は、内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する例を示す図である。図18に示すように、内側チューブ21を外側チューブ22の一端から他端に向かって、外側チューブ22の内部に挿入していく。外側チューブ22内で、内側チューブ21を外側チューブ22に対して相対的に移動し、外側チューブ22内の所定の位置まで移動させる。
好ましくは、内側チューブ21を縮径して、外側チューブ22に挿入する。図13は縮径された内側チューブ21の例を示す。図13(a)に示すように、内側チューブ21を軸方向に伸長させる。例えば、両端を、軸方向において互いに反対方向に引っ張ることで内側チューブ21を伸長させることができる(図13(a)の矢印80参照)。内側チューブ21を伸長させることによって、内側チューブ21を縮径することができる。
あるいは、図13(b)に示すように、内側チューブ21を周方向に捻じる。例えば、両端を、周方向において互いに反対方向に回転させることで、内側チューブ21を周方向に捻じることができる(図13(b)の矢印81参照)。内側チューブ21を周方向に捻じることにより、内側チューブ21を縮径することができる。
あるいは、図13(c)に示すように、軸方向に垂直な方向における断面の形状が凹型形状になるように内側チューブ21を変形させる。例えば、内側チューブ21の外面のうち、周方向の所定の範囲にある領域を軸方向長さに亘って径方向内側に押圧することによって(図13(c)の矢印82参照)、軸方向に垂直な方向における断面の形状が凹型形状になるように内側チューブ21を変形させることができる。このようにして、軸方向に垂直な方向における断面の断面積を変形前よりも小さくし、縮径させることにより、内側チューブ21を外側チューブ22に挿入しやすくすることができる。
好ましくは、芯棒冶具83を用いて内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する。図14は芯棒冶具の使用例を示す。芯棒冶具83は、例えば、円柱状の中実の金属棒とすることができる。芯棒冶具83の直径は内側チューブ21の内径と同程度か僅かに小さい。図14(a)に示すように、芯棒冶具83を内側チューブ21に挿入する。そして、芯棒冶具83が内側チューブ21に挿入された状態で、芯棒冶具83及び内側チューブ21を外側チューブ22に挿入する。より具体的に、芯棒冶具83及び内側チューブ21を外側チューブ22の一端から他端に向かって外側チューブ22内に挿入していき、内側チューブ21が外側チューブ22の所定の位置に達するまで外側チューブ22に対して内側チューブ21を移動させる。このようにすることで、芯棒冶具83を使用せずに内側チューブ21を単体で挿入するときよりも容易に内側チューブ21を外側チューブ22に挿入することができる。なお、シート部材32を用いて内側チューブ21を形成した場合は、シート部材32を円筒状にする際に使用した円筒成形冶具55を、上述した芯棒冶具83としてそのまま利用してもよい。
また、より好ましくは、内側チューブ21の一端部を固定冶具としての芯棒冶具83に固定する。図14(b)、(c)に示すように、芯棒冶具83の一方の端部には、内側チューブ21を芯棒冶具83に固定可能なキャップ部材84が設けられている。キャップ部材84は、内部に、芯棒冶具83の直径よりもわずかに小さい又は同程度の直径を有する円柱形状の穴85を区画している。そのため、キャップ部材84の穴85内に芯棒冶具83の一端を嵌合させると、穴85を区画する内面が、芯棒冶具83の外面と密着した状態となる。図14(b)及び(c)に示すように、内側チューブ21を芯棒冶具83の外面と穴85を区画する内面とで挟持することで、内側チューブ21を固定冶具としての芯棒冶具83に固定することができる。なお、キャップ部材84の穴85内に芯棒冶具83の一端が嵌合した状態において、キャップ部材84の外径は、内側チューブ21の外径よりも小さい又は内側チューブ21の外径と略等しい。本実施形態では、図14(b)及び(c)に示すように、キャップ部材84の穴85内に嵌合する芯棒冶具83の一端を、先端側に向かって縮径するテーパ形状とすることで、これを実現している。
内側チューブ21が芯棒冶具83に固定されている場合、芯棒冶具83と外側チューブ22との相対移動のみによって、内側チューブ21を外側チューブ22に対して移動することができ、内側チューブ21が芯棒冶具83に固定されていない場合よりもスムーズに内側チューブ21を外側チューブ22に挿入することができる。なお、キャップ部材84の構成は、内側チューブ21を芯棒冶具83に固定可能な構成であれば図14(b)、(c)に示す構成に限られるものではない。例えば、図14(b)、(c)に示すキャップ部材84は、内側チューブ21の挿入方向の先端側で芯棒冶具83に取り付けられ、内側チューブ21及び芯棒冶具83と共に外側チューブ22内に挿入されるものであるが、内側チューブ21の挿入方向の後端側で芯棒冶具83に取り付けられ、外側チューブ22内に挿入されないキャップ部材としてもよい。なお、キャップ部材84が外側チューブ22内に挿入せずに用いる場合、キャップ部材84は内側チューブ21の外径よりも大きい外径を有するものであってもよい。
また、芯棒冶具83に代えて、固定冶具として固定部材110を用いて内側チューブ21を縮径させた状態で固定することもできる。図15は固定部材110を用いて内側チューブ21を縮径させた状態で固定する例を示す。固定冶具としての固定部材110は、棒状の本体部111と、本体部111の両端に設けられ、内側チューブ21を本体部111と共に挟持することにより内側チューブ21の本体部111に対する位置を固定するフック部112とを備える。本体部111は、例えば、円柱状の中実の金属棒とすることができる。内側チューブ21に固定部材110の本体部111を挿入し、例えば上述の方法(図13参照)で内側チューブ21を縮径し、その状態で、内側チューブ21を固定部材110に固定する。具体的には、図15(a)に示すように、内側チューブ21を伸長させた状態で内側チューブ21の両端をフック部112で挟み込むことにより、内側チューブ21を本体部111に対して固定することができる。また、図15(b)に示すように、内側チューブ21を捻じった状態で内側チューブ21の両端をフック部112で挟み込むことにより、内側チューブ21を本体部111に対して固定することができる。このような固定冶具としての固定部材110によれば、内側チューブ21を縮径させた状態で形状を維持することができる。そのため、固定部材110を使用しない場合と比較して、内側チューブ21を固定部材110と共に外側チューブ22に容易に挿入することができる。
なお、上述の例では芯棒冶具83及び固定部材110の本体部111は中実の金属棒としたが、これに限定されるものではなく、例えば、中空の金属棒や樹脂棒とすることも可能である。この他に、自己拡張型の網状筒部材や渦巻き状や螺旋状のバネ部材等の弾性部材、空気圧や水圧等で拡張するバルーン、等の拡張体としてもよい。
なお、本実施形態では、シート部材32や円筒部材60から形成された内側チューブ21又はシート部材32や円筒部材60を用いずに直接形成された内側チューブ21を、外側チューブ22に挿入することについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上述したシート部材32の端部34a、34bを接合せずに、薄肉部材としてのシート部材32を内側チューブ21の形態にすることなく、外側チューブ22に挿入してもよい。挿入する際は、フッ素コーティングが施された微細凹凸構造100が形成されている表面33が内側を向くように挿入する。また、好ましくは、外側チューブ22に挿入しやすいように、シート部材32を外側チューブ22の内面に沿うように円筒状に曲げたり、外側チューブ22の内面に沿うような形状に戻しやすいように折りたたんで挿入する。より好ましくは、上述した、円筒成形冶具55や芯棒冶具83を用いて挿入する。
<内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する工程(P2)>
次に、内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する工程(P2)について説明する。内側チューブ21が外側チューブ22に挿入された状態において、これらを外部から加熱する。加熱装置としては、例えば、ヒーター、超音波発生装置、高周波発生装置を使用することができる。加熱する態様の一例として、例えば、内側チューブ21が挿入された外側チューブ22をオーブン(不図示)に投入し、オーブン内で加熱することができる。設定温度は、好ましくは、100〜180度、より好ましくは150度とする。
次に、内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する工程(P2)について説明する。内側チューブ21が外側チューブ22に挿入された状態において、これらを外部から加熱する。加熱装置としては、例えば、ヒーター、超音波発生装置、高周波発生装置を使用することができる。加熱する態様の一例として、例えば、内側チューブ21が挿入された外側チューブ22をオーブン(不図示)に投入し、オーブン内で加熱することができる。設定温度は、好ましくは、100〜180度、より好ましくは150度とする。
本実施形態の外側チューブ22は、上述するチューブ本体2の構成材料のうち、外部からの加熱により軟化する性質、すなわち、熱可塑性を有する素材により構成される。外側チューブ22は、外部からの加熱により収縮する。従って、外部から加熱することにより、外側チューブ22が縮径して、外側チューブ22の内面が内側チューブ21の外面に密着する。このようにして、外側チューブ22が内側チューブ21の外面上に貼り付け固定されることにより、内側チューブ21と外側チューブ22とが一体化される。更に、外側チューブ22の内面及び内側チューブ21の外面を溶融させて溶着することにより、外側チューブ22と内側チューブ21とをより強固に一体化させてもよい。
好ましくは、形状維持冶具を内側チューブ21の内側に位置させた状態で、内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する。形状維持冶具としては、例えば、上述した芯棒冶具83を利用することができる。形状維持冶具としての芯棒冶具83を内側チューブ21に挿入したままの状態で、内側チューブ21と芯棒冶具83と外側チューブ22とをオーブンに投入して加熱する。加熱の際に、内側チューブ21内に芯棒冶具83が位置することにより、外側チューブ22が縮径する際に、内側チューブ21の形状が崩れないようにすることができる。そのため、外側チューブ22と内側チューブ21とをより強固に一体化することができると共に、製造されるチューブ本体2(図2参照)の断面形状をより均一化することができる。なお、ここでは、内側チューブ21を固定し、外側チューブ22に挿入する際に使用した固定冶具としての芯棒冶具83を形状維持冶具としてそのまま利用することについて説明したが、芯棒冶具83に代えて、別の芯棒冶具やその他の冶具などを形状維持冶具として内側チューブ21の内側に挿入して、内側チューブ21及び外側チューブ22と共に加熱するようにしてもよい。また、シート部材32を用いて内側チューブ21を形成した場合は、芯棒冶具83に代えて、シート部材32を円筒状にする際に使用した円筒成形冶具55を形状維持冶具としてそのまま利用して、シート部材32を用いて形成された内側チューブ21及び外側チューブ22と共に加熱するようにしてもよい。
上述の例では、外部からの加熱による一体化を説明したが、これに限定されるものではなく、溶剤や接着剤を使用して内側チューブ21の外面と外側チューブ22の内面とを一体化する方法でもよい。接着剤は、瞬間接着剤やUV硬化型のものを使用できる。なお、内側チューブ21及び外側チューブ22と同等の柔軟性を持つものであることが好ましい。
以上のようにして、内側チューブ21と外側チューブ22とが一体化され、チューブ材を形成することができ、このチューブ材に各種加工を施すことにより、医療用チューブとしてのチューブ本体2を形成することができる。なお、加熱の際に芯棒冶具83等の形状維持冶具を使用した場合は、内側チューブ21と外側チューブ22とが一体化された後、芯棒冶具83等の形状維持冶具を内側チューブ21から抜去してチューブ材を形成し、医療用チューブとしてのチューブ本体2を形成する。また、形成されたチューブ材の両端をカット処理等することにより、チューブ本体2を形成するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、内側チューブ21又は両端部34a及び34bが接合されずに内側チューブ21の形態になっていないシート部材32を外側チューブ22内に挿入する前に、微細凹凸構造100の表面にフッ素コーティングを施すことについて説明したが、これに限定されるものではなく、内側チューブ21又はシート部材32と外側チューブ22とが一体化された後に、チューブ材の内面にフッ素コーティングを施してもよい。また、後述するチューブ材を湾曲させた後にフッ素コーティングを実施してもよい。但し、上述した実施形態のように、チューブ本体2の原形となるチューブ材を複数層で構成し、内層を形成する内側チューブ21又はシート部材32を、外層を形成する外側チューブ22に挿入し、内側チューブ21又はシート部材32と外側チューブ22とを一体化してチューブ材を形成する方法を採用した上で、内側チューブ21又はシート部材32を外側チューブ22に挿入する前に、薄肉部材としてのシート部材32、円筒部材60又は内側チューブ21にフッ素コーティングを施すことが好ましい。外側チューブ22に挿入する前に行うことでフッ素コーティングを容易に施しやすくなり、また、挿入や一体化等の各種工程において微細凹凸構造100を損傷しにくくすることができる。
好ましくは、図19に示すように、内側チューブ21が外側チューブ22に一体化された状態において、少なくとも一部が湾曲した湾曲棒部材90を内側チューブ21に挿入することにより、湾曲棒部材90に沿って内側チューブ21及び外側チューブ22の少なくとも一部を湾曲させるようにする。このようにすれば、チューブ本体2の湾曲部10(図2参照)を形成することができる。なお、少なくとも一部が湾曲した湾曲棒部材90を内側チューブ21に挿入した状態で、内側チューブ21及び外側チューブ22をオーブン内で加熱した後、冷却する。このようにすることで、湾曲形状を有するチューブ本体2を作成することができる。また、本実施形態では、湾曲棒部材90の湾曲した部分が内側チューブ21及び外側チューブ22の一端側に配置されるよう、湾曲棒部材90を内側チューブ21に挿入する。このようにすることで、図2に示すチューブ本体2の湾曲部10を形成することができる。なお、図19に示す湾曲棒部材90は、内側チューブ21の内面に形成された微細凹凸構造100を崩さないように、外側チューブ22の内径よりも小さい外径を有する湾曲棒部材90を使用している。
湾曲棒部材90を使用せずに、内側チューブ21及び外側チューブ22の少なくとも一部を湾曲させる方法でもよい。具体的には、内側チューブ21が外側チューブ22に挿入された状態において、外側チューブ22の外部から力を加えることによって内側チューブ21及び外側チューブ22の少なくとも一部を湾曲させる。このようにして、チューブ本体2の湾曲部10(図2参照)を形成してもよい。外側チューブ22の外部から力を加える方法としては、例えば、内側チューブ21及び外側チューブ22の少なくとも一部を湾曲させた所望の姿勢で維持可能な受け面を有する金型を使用することができる。また、このような金型の使用に加えて、外側チューブ22に内側チューブ21が挿入された状態において、内側チューブ21に、直線状であって、外力を加えることにより変形可能な芯棒部材を挿入するようにしてもよい。つまり、外側チューブ22に内側チューブ21が挿入された状態において、内側チューブ21に直線状の芯棒部材を挿入し、挿入後に芯棒部材を湾曲させ、次いで、金型を使用してその湾曲した状態を外部から固定することにより、少なくとも一部に湾曲部を有するチューブ本体を形成してもよい。なお、湾曲可能な芯棒部材としては、柔軟性を有するシリコーン樹脂や形状記憶合金などから形成すればよい。このような変形可能な芯棒部材を上述した芯棒冶具83や円筒成形冶具55で構成してもよい。
なお、上述した上述したチューブ本体2は、1つの中空部7を有するものであるが、複数の中空部が形成されたチューブ本体を作成することも可能である。図16(a)に示すように、断面形状が半円状の内側チューブ21を2つ設け、断面視において、互いの弦となる部分が向かい合うようにして外側チューブ22に挿入し、内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化すると共に、2つの内側チューブ21同士も一体化する。このようにすることで、チューブ本体2の中空部が第1中空部7a及び第2中空部7bの2つに分割されたチューブ本体を形成することができる。
次に、上述したチューブ本体2の第1〜第3ルーメン12〜14を形成する方法について例示説明する。図16(b)に示すように、外側チューブ22の内壁42に3つの溝43a、43b、43cを区画する。3つの溝43a、43b、43cは外側チューブ22の軸方向に、外側チューブ22の一端から他端まで延在する。この外側チューブ22に内側チューブ21を挿入し、内側チューブ21と外側チューブ22とを一体化する。内側チューブ21と外側チューブ22とが一体化されると、3つの溝43a、43b、43cを区画する外側チューブ22の内壁42と内側チューブ21の外面とで、一端から他端まで貫通する第1〜第3ルーメン12〜14の原形となる3つの中空部が形成される。この他に、図16(c)に示すように、外側チューブ22を複数層で構成し、上述した内側層41(図5参照)径方向の最も内側の層41を、予め第1〜第3ルーメン12〜14の原形となる3つの中空部が形成された層としてもよい。更に、外側チューブ22が複数層で構成される場合には、図16(c)に示す最も内側の層に限らず、外側チューブ22の他の層に予め第1〜第3ルーメン12〜14の原形となる3つの中空部を形成してもよい。
本発明に係る医療用チューブの製造方法は、上述した実施形態で説明した具体的な方法に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を行うことが可能である。例えば、上述した実施形態では、医療用チューブとしてのチューブ本体2の製造方法について説明したが、本発明に係るチューブの製造方法は、気管チューブのチューブ本体に限らず、他の用途や目的で使用される医療用チューブの製造方法としても適用可能である。
本発明に係る製造方法により製造可能な医療用チューブとしては、例えば、(1)胃管カテーテル、栄養カテーテル、経管栄養用チューブなどの経口もしくは経鼻的に消化器官内に挿入ないし留置されるカテーテル類;(2)酸素カテーテル、気管内チューブ、気管内吸引カテーテルなどの経口または経鼻的に気道ないし気管内に挿入ないし留置されるカテーテル類;(3)尿道カテーテル、導尿カテーテル、尿道バルーンカテーテルのカテーテルやバルーンなどの尿道ないし尿管内に挿入ないし留置されるカテーテル類;(4)吸引カテーテル、排液カテーテル、直腸カテーテルなどの各種体腔、臓器、組織内に挿入ないし留置されるカテーテル類;(5)輸液チューブ、IVH(intravenous hyperalimentationの略)カテーテル、サーモダイリューションカテーテル、血管造影用カテーテル、血管拡張用カテーテルおよびダイレーターあるいはイントロデューサーなどの血管内に間接的あるいは直接的に挿入ないし留置されるカテーテル類;(6)人工気管、人工気管支などの医療用人工管;(7)体外循環治療用の医療器具(人工肺、人工心臓、人工腎臓など)の回路類、などが挙げられる。
本発明に係る製造方法により製造される各種医療用チューブによれば、広範囲の生物学的物質又は医療用液体が内面に付着することを抑制することができる。なお、「生物学的物質」としては、例えば、全血、血漿、血清、汗、便、尿、唾液、涙、膣液、前立腺液、歯肉滲出液、羊水、眼液、脳脊髄液、精液、痰、腹水、膿、鼻咽頭液、創傷浸出液、房水、硝子体液、胆汁、耳垢、内リンパ、外リンパ、胃液、粘液、腹液、胸水、皮脂、嘔吐物、これらの組み合わせからなる群、などが挙げられる。また、「医療用液体」としては、例えば、輸液剤、栄養剤、造影剤、肝動脈化学塞栓療法(TACE)などで使用される塞栓剤、などが挙げられる。
なお、図面では、説明の便宜上、内側チューブ21の中心軸線方向の長さに対する厚み及びシート部材の幅及び長さに対するシート部材の厚みを厚く描いているが、実際はより薄いものであることに留意されたい。
本発明は、医療用チューブの製造方法に関する。
1:気管チューブ
2:チューブ本体(医療用チューブ)
3:カフ
4:フランジ部材
5:チューブ本体の先端
6:チューブ本体の基端
7:チューブ本体の中空部
7a:第1中空部
7b:第2中空部
8:チューブ本体の先端部
9:チューブ本体のカフ装着部
10:チューブ本体の湾曲部
11:チューブ本体の基端部
12:第1ルーメン
12a:第1基端開口
13:第2ルーメン
13a:第2基端開口
14:第3ルーメン
14a:第3基端開口
14b:連通口
17:筒部
17a、17b、17c:連通孔
18:フランジ部
19a、19b:吸引用チューブ
19c:カフ用チューブ
21:内側チューブ
22:外側チューブ
30:内層
31:内周面
32:シート部材
33:シート部材の表面
34、34a、34b、34c、34d:端部
40:外層
41:外層の最も内側の層(内側層)
42:内壁
43:溝
50:金型
51、53、54、64、80、81、82:矢印
52:微細凹凸パターン
55:円筒成形冶具
56:熱
57:保持部材
60:円筒部材
62:円筒部材の外面
63:円筒部材の内面
70a:内部金型
70b:外部金型
70b1:第1外部金型
70b2:第2外部金型
71:外部金型の内面
72:空洞
76:噴出孔
83:芯棒冶具(固定冶具、形状維持冶具)
84:キャップ部材
85:穴
90:湾曲棒部材
100:微細凹凸構造
101:凸リブ
102:凹溝
103:突起
105:頂面
110:固定部材(固定冶具)
111:本体部
112:フック部
200:フッ素コート層
A:チューブ本体の内周面の中心軸線の方向
B:チューブ本体の周方向
O1:チューブ本体の内周面の中心軸線
X:異物
2:チューブ本体(医療用チューブ)
3:カフ
4:フランジ部材
5:チューブ本体の先端
6:チューブ本体の基端
7:チューブ本体の中空部
7a:第1中空部
7b:第2中空部
8:チューブ本体の先端部
9:チューブ本体のカフ装着部
10:チューブ本体の湾曲部
11:チューブ本体の基端部
12:第1ルーメン
12a:第1基端開口
13:第2ルーメン
13a:第2基端開口
14:第3ルーメン
14a:第3基端開口
14b:連通口
17:筒部
17a、17b、17c:連通孔
18:フランジ部
19a、19b:吸引用チューブ
19c:カフ用チューブ
21:内側チューブ
22:外側チューブ
30:内層
31:内周面
32:シート部材
33:シート部材の表面
34、34a、34b、34c、34d:端部
40:外層
41:外層の最も内側の層(内側層)
42:内壁
43:溝
50:金型
51、53、54、64、80、81、82:矢印
52:微細凹凸パターン
55:円筒成形冶具
56:熱
57:保持部材
60:円筒部材
62:円筒部材の外面
63:円筒部材の内面
70a:内部金型
70b:外部金型
70b1:第1外部金型
70b2:第2外部金型
71:外部金型の内面
72:空洞
76:噴出孔
83:芯棒冶具(固定冶具、形状維持冶具)
84:キャップ部材
85:穴
90:湾曲棒部材
100:微細凹凸構造
101:凸リブ
102:凹溝
103:突起
105:頂面
110:固定部材(固定冶具)
111:本体部
112:フック部
200:フッ素コート層
A:チューブ本体の内周面の中心軸線の方向
B:チューブ本体の周方向
O1:チューブ本体の内周面の中心軸線
X:異物
Claims (8)
- 内面又は前記内面となる面にフッ素コーティングを施す工程を含む医療用チューブの製造方法。
- 一層又は複数の層により構成された内層と、前記内層より径方向外側に一層又は複数の層により構成され、前記内層よりも厚い外層とを備える医療用チューブの製造方法であって、
前記内層を形成する薄肉部材にフッ素コーティングを施す、請求項1に記載の医療用チューブの製造方法。 - フッ素コーティングが施された前記薄肉部材を、前記外層のうち前記内層に積層される層を少なくとも形成する外側チューブに挿入する工程と、
前記薄肉部材が前記外側チューブに挿入された状態において、前記薄肉部材と前記外側チューブとを一体化する工程と、を含む請求項2に記載の医療用チューブの製造方法。 - 前記薄肉部材はシート部材であり、
前記シート部材の表面にフッ素コーティングを施し、前記表面が内面になるように円筒状に曲げた後に、前記シート部材を前記外側チューブに挿入する、請求項3に記載の医療用チューブの製造方法。 - 円筒状に曲げられた前記シート部材の両端部を接合して内側チューブを形成した後に、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入する、請求項4に記載の医療用チューブの製造方法。
- 前記薄肉部材はシート部材であり、
前記シート部材を円筒状に曲げて両端部を接合することにより内側チューブを形成し、前記内側チューブの内面にフッ素コーティングを施した後に、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入する、請求項3に記載の医療用チューブの製造方法。 - 前記薄肉部材は内側チューブであり、
前記内側チューブの内面にフッ素コーティングを施した後に、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入する、請求項3に記載の医療用チューブの製造方法。
- 前記薄肉部材は円筒部材であり、
前記円筒部材の外面にフッ素コーティングを施した後に、前記円筒部材の前記外面と内面とを裏返すことにより内側チューブを形成し、前記内側チューブを前記外側チューブに挿入する、請求項3に記載の医療用チューブの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016056579A JP2017169653A (ja) | 2016-03-22 | 2016-03-22 | 医療用チューブの製造方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017169653A true JP2017169653A (ja) | 2017-09-28 |
Family
ID=59970801
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JP2016056579A Pending JP2017169653A (ja) | 2016-03-22 | 2016-03-22 | 医療用チューブの製造方法 |
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-
2016
- 2016-03-22 JP JP2016056579A patent/JP2017169653A/ja active Pending
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