JP2017169560A - 三次元培養構造物及びその製造方法 - Google Patents

三次元培養構造物及びその製造方法 Download PDF

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愛乃 長谷川
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愛乃 長谷川
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大輔 高木
旗田 茂雄
Shigeo Hatada
茂雄 旗田
祐馬 臼井
Yuma Usui
祐馬 臼井
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Chihiro Kubo
千尋 久保
周作 塩本
Shusaku Shiomoto
周作 塩本
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Abstract

【課題】細胞の接着及び伸展に優れ、効率よく製造可能な三次元培養構造物の提供。
【解決手段】細胞と、前記細胞を支持する細胞支持材料と、生体親和性粒子と、を含有する三次元培養構造物である。前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料の少なくとも一部の表面から露出している態様、前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料から突出している態様、前記生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が、前記三次元培養構造物表面全体に対して、20%以上である態様、前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料中に分散している態様などが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養用の三次元培養構造物及びその製造方法に関する。
近年、細胞培養技術の分野では、基体上に細胞を配し、生体外にて作製した細胞シートを用いて損傷した生体組織の再生を誘導する方法が開発されている。
前記細胞シートは、下限臨界溶解温度を有する温度応答性のポリマーを基体の表面に被覆して、温度を前記ポリマーの下限臨界溶解温度超に昇温させることによりゾル状態のポリマーをゲル状態とし、ゲル状態の前記ポリマー上において、細胞を培養して作製されている。作製された細胞シートは、温度を前記ポリマーの下限臨界溶解温度以下に降温することにより、前記ポリマーをゲル状態からゾル状態に相変化させて、前記基体上の前記ポリマーから剥離することができる。
しかし、前記細胞シートの作製には、前記ポリマー上では、前記細胞の接着及び伸展が進まず、細胞シートを効率よく、かつ大量に得ることができないという問題がある。
そこで、培養細胞と、ゼラチンハイドロゲル粒子から構成される粒子とを含有する細胞集合体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、生体親和性を有する生体高分子と、機械強度を有する生分解性高分子とからなる多孔性三次元構造体による骨再生移植片が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、細胞の接着及び伸展に優れ、効率よく製造可能な三次元培養構造物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の三次元培養構造物は、細胞と、前記細胞を支持する細胞支持材料と、生体親和性粒子と、を含有する。
本発明によると、細胞の接着及び伸展に優れ、効率よく製造可能な三次元培養構造物を提供することができる。
図1Aは、生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が1%である原子力間顕微鏡(AFM)の写真を示す。 図1Bは、生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が18%である原子力間顕微鏡(AFM)の写真を示す。 図1Cは、生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が50%〜58%である原子力間顕微鏡(AFM)の写真を示す。 図2は、ゼラチン粒子を含む液体の粘度及びゼラチンを含む液体の粘度を示すグラフである。 図3Aは、本発明で用いられる三次元培養構造物を製造する製造装置の一例を示す概略図である。 図3Bは、本発明で用いられる三次元培養構造物を製造する製造装置の他の一例を示す概略図である。 図4は、ゼラチン粒子作製時におけるゼラチン含有量の変化によるゼラチン粒子の粒度分布の変化を示すグラフである。 図5は、乾燥状態のゼラチン粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 図6は、ゼラチン粒子作製時における架橋剤含有量の変化によるゼラチン粒子の粒度分布の変化を示すグラフである。 図7Aは、比較例1における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図7Bは、実施例1における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図7Cは、実施例2における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図7Dは、比較例2における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図7Eは、実施例3における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図7Fは、実施例4における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図8Aは、比較例1における48時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図8Bは、実施例1における48時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図8Cは、実施例2における48時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図8Dは、比較例2における48時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図8Eは、実施例3における48時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図8Fは、実施例4における48時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図9Aは、実施例1の48時間培養後の細胞の状態を示す写真である。 図9Bは、図9Aにおける実線部の部分拡大写真を示す。 図9Cは、図9Bにおける実線部の部分拡大写真を示す。 図10Aは、実施例5における4時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図10Bは、実施例5における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図11Aは、実施例6における4時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図11Bは、実施例6における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図12Aは、比較例3における4時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 12Bは、比較例3における24時間細胞培養後の細胞の状態を示す写真である。 図13は、本発明の三次元培養構造物の一例を示す模式図である。 図14は、本発明の三次元培養構造物における、細胞と細胞支持材料と親和性粒子の配置の一例を示す模式図である。 図15は、本発明の三次元培養構造物における、細胞と細胞支持材料と親和性粒子の配置の他の一例を示す模式図である。 図16Aは、ゼラチン水溶液を得る工程の一例を示す模式図である。 図16Bは、図16Aのゼラチン水溶液から白濁液を得る工程の一例を示す模式図である。 図16Cは、図16Bの白濁液から、ゼラチン粒子を得る工程の一例を示す模式図である。 図16Dは、図16Cのゼラチン粒子を精製し、してゼラチン粒子の粉末を得る工程の一例を示す模式図である。 図17は、細胞支持材料前駆体をゲル化する一例を示す模式図である。
(三次元培養構造物)
本発明の三次元培養構造物は、細胞と、前記細胞を支持する細胞支持材料と、生体親和性粒子と、を含み、更に必要に応じて、その他の成分を含む。図14、及び図15は、本発明の三次元培養構造物における、細胞と細胞支持材料と生体親和性粒子の配置の一例を示す模式図である。
図13に、本発明の三次元培養構造物の一例を示す模式図を示す。図13に示すように、細胞支持材料3中に、生体親和性粒子2が存在しており、生体親和性粒子2が細胞支持材料3の少なくとも一部の表面から露出しており、細胞1が露出した生体親和性粒子2と接することにより、細胞の接着や伸展をより促進することができる。
<生体親和性粒子>
前記生体親和性粒子は、細胞等の生体と接着点を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゼラチン粒子、ポリ乳酸粒子、ポリスチレン粒子、シリカ粒子などが挙げられる。
粒子状の前記ゼラチン粒子には、前記三次元培養構造物への細胞の接着性を向上することができ、非粒子状のゼラチンと比較すると、長期間、細胞に分解されることなく三次元培養構造物中に存在することができるため、細胞の接着性を向上させ、さらに、長期にわたって、細胞の栄養源として利用されるという利点がある。また、粒子状のゼラチン粒子は、前記三次元培養構造物の作製時の三次元培養構造物用組成液の粘度を低くすることができ、三次元培養構造物の作製を容易にすることができる。
また、非粒子状のゼラチン等の高分子は、そのままインクジェットで吐出すると皮膜ができやすく、ノズルが詰まりやすいという課題がある。しかし、本発明のように生体親和性材料を粒子状態とすることにより、粒が点在する溶液(インク)を吐出すればよく、ノズル詰まりも防止することができる。さらに、細胞支持材料の中で、粒子形状のゼラチンは分離して点在する。そのため、細胞支持材料とゼラチン粒子とを混ぜることにより細胞支持材料の粘度が上がることも避けることができる。
またさらに、非粒子状のゼラチンは培養温度の領域で脆いため、多層構造の一層に、ゼラチン、又はゼラチン溶液を混ぜた溶液を含む場合、構造体が崩れやすいという課題がある。しかし、ゼラチンを粒子形状にすることにより、培養温度の領域で構造体自体の強度を下げることなく、構造体を形成することができる。すなわち、構造体を上下方向に何層も重ねるような多層構造とするときも、型崩れせずに形成することができる。
前記接着点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細胞接着シグナルなどが挙げられる。
前記細胞接着シグナルとしては、例えば、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸配列(RGD配列)、セリン−アラニン−セリン配列(SAS配列)、CS1配列、CS5配列、REDV配列、GPEILDVPST配列、YIGSR配列、RNIAEIIKDI配列、F−9ペプチド、IKVAV配列、PDSGR配列などが挙げられる。
前記接着点における接着とは、細胞が足場となる材料が有する前記配列と結合することを意味する。足場となる材料の構造が前記配列を有する他に、材料がコーティングや化学修飾などの処理により接着点となる配列有する場合を含む。三次元構造物を形成するための細胞の成長、分裂には、細胞と前記配列との接着が必要である。
前記生体親和性粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、形状等を選択することができる。
前記生体親和性粒子の形状としては、例えば、球状、線状、不定形状などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記生体親和性粒子としては、前記細胞支持材料の少なくとも一部の表面から露出していることが好ましく、前記細胞支持材料から突出していることがより好ましい。
前記露出とは、内部に存在する生体親和性粒子が平面視した時に三次元培養構造物の表面に現れることを意味する。
前記露出は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)により確認することができる。
前記突出は、前記三次元培養構造物の厚み方向の断面を、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)により観察することにより確認することができる。
表面から露出している生体親和性粒子を増やす(占有面積を広げる)方法としては、例えば、溶液(インク)内でのゼラチンの濃度を上げることにより達成することができる。溶液内で生体親和性粒子数が増えれば、おのずと表面から露出する粒子も増え、表面での生体親和性粒子同士の間隔も近くなる。
生体親和性粒子同士の左右方向の間隔としては、少なくとも使用する細胞の1個分の大きさよりも狭い状態が好ましい。この状態では、各細胞に対して少なくとも2個以上の生体親和性粒子が接着するため、細胞が細胞支持材料上を伸展しながら接着させることができる。細胞11としては、生体親和性粒子12を介して、細胞支持材料13に接着していることが好ましい(図14)。細胞支持材料23上において、生体親和性粒子22が細胞21の周囲に接着していることが好ましい(図15)。
前記生体親和性粒子の露出表面積の占有割合としては、前記三次元培養構造物表面全体に対して、1%以上有していれば接着が起こる。効率よく伸展を起こすには20%以上がより好ましく、50%以上が特に好ましい。図1Aに前記生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が1%、図1Bに前記生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が18%、図1Cに前記生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が50%〜58%である原子力間顕微鏡(AFM)の写真を示す。
前記占有割合は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡(AFM)により得られた画像を、ImageJ(ソフトウェア)を用いて解析することにより算出することができる。
また、他の態様として、前記生体親和性粒子は、前記細胞支持材料中に分散していることも好ましい。
前記分散とは、連続的な均一相の物質中に、他の物質が粒子の状態となって散在している現象を意味する。
前記生体親和性粒子のキュムラント径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.25μm以上0.7μm以下がより好ましく、0.30μm以上0.70μm以下が特に好ましい。なお、前記キュムラント径は、濃厚系粒径アナライザー(商品名:FPAR−1000、大塚電子株式会社製)を用いて、下記のサンプル液の調製例により得られたサンプル液を用いて、以下の測定条件により測定することができる。なお、前記生体親和性粒子のキュムラント径は、前記生体親和性粒子の膨潤状態における粒径である。また、前記生体親和性粒子の粒度分布は、粒度分布計(商品名:UPA150、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
−サンプル液の調製例−
純水製造装置(商品名:GSH−2000、ADVANTEC社製)を用いて得られた純水に、生体親和性粒子を濃度0.5質量%で分散させる。測定用の液量は5mL、分散は20mm回転子をスターラーを用いて200rpm、約1日間撹拌することでサンプル液を調製することができる。
−測定条件−
・溶媒:水(屈折率:1.3314、25℃における粘度:0.884mPa・s(cP)、NDフィルターにより最適光量調製は適宜設定)
・測定プローブ:濃厚用プローブ
・測定ルーチン:測定:25℃で180秒間→測定:25℃で600秒間(本体側を35℃に変更すると次第に液温が25℃から35℃になる。その間の粒子径変化をモニタ)→測定:35℃で180秒間
前記生体親和性粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記生体親和性粒子がゼラチン粒子である場合、ゼラチン粒子の原料であるゼラチンとしては、例えば、商品名:APH−250(新田ゼラチン株式会社製)、ゼラチン(和光純薬)、ゼラチン(ナカライテスク)、メディゼラチン(株式会社ニッピ)などが挙げられる。
前記ポリ乳酸粒子としては、例えば、商品名:PLA particles(コアフロント株式会社製)などが挙げられる。
前記ポリスチレン粒子としては、例えば、商品名:micromer−redF(コアフロント株式会社製)などが挙げられる。
前記シリカ粒子としては、例えば、商品名:sicastar−redF(コアフロント株式会社製)などが挙げられる。
前記生体親和性粒子としては、その構造中において架橋剤により架橋されていることが好ましい。生体親和性粒子としてゼラチン粒子を用いる場合は、ゼラチンを架橋剤により架橋することが好ましい。架橋剤により架橋されることにより、生体親和性粒子のキュムラント径を小さくすることができ、生体親和性粒子を含む三次元培養構造物上において、細胞の増殖を促進することができる。
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド;エチレンプロピレンジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;ヘキサメチレンジイソシアネート、α−トリジンイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4,4−トリイソシアネート等のイソシアネート;グルコン酸カルシウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルデヒドが好ましく、グルタルアルデヒドがより好ましい。
前記架橋剤の含有量としては、生体親和性粒子がゼラチン粒子である場合は、ゼラチン全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上20質量%以下であると、生体親和性粒子のキュムラント径を小さくすることができ、生体親和性粒子を含む三次元培養構造物上において、細胞の増殖を促進することができる。
前記生体親和性粒子の含有量としては、三次元培養構造物全量に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上2質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%以上10質量%以下であると、三次元培養構造物上に十分細胞を接着し、細胞の増殖を促進することができる。
[生体親和性粒子の作製方法]
前記生体親和性粒子としては、ゼラチン粒子の例として以下のようにして作製することができる。図16A〜図16Dを参照しながら説明する。
生体親和性粒子としてゼラチンを2質量%となるように水と混ぜて60℃の湯浴中にて溶解して2質量%ゼラチン水溶液31を得る(図16A)。次に、40℃に加温した2質量%ゼラチン水溶液40mLを200mLビーカーに入れて撹拌する。その後、アセトン60gを一気に添加して白濁液32を得る(コアセルベーション、図16B)。
前記白濁液32に、架橋剤として24質量%以上26質量%以下のグルタルアルデヒド水溶液を、例えば、160μL(ゼラチン全量に対するグルタルアルデヒドの含有量:5質量%)添加して、60℃の湯浴中で300rpm程度にて撹拌させながら30分間保持する。次第に白濁液がクリーム色に変化し、ゼラチン粒子33を形成することができる(図16C)。
次に、室温(25℃)に戻して、アセトン100gを添加し、ゼラチン粒子を凝集沈殿させて沈殿物を得る。
上澄み液の除去とアセトン洗浄とを数回繰り返し、得られた沈殿物から水分と未反応架橋剤とを除去し、必要に応じてろ過を行なう。その後、60℃ホットプレート上で沈殿物を乾燥して、50℃ホットプレート上で1時間減圧乾燥してゼラチン粒子(生体親和性粒子)の粉末34を得ることができる(図16D)。
<細胞支持材料(細胞間距離調整材料)>
前記細胞間距離調整材料(以下、「細胞支持材料」と称することもある)としては、細胞を支持することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生体適合性を有するものが好ましい。
前記細胞支持材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多糖類、両親媒性ゲル、タンパクゲル(例えば、フィブリン糊等)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、多糖類が好ましい。
前記多糖類としては、例えば、ゲル状多糖類などが好ましい。
前記ゲル状多糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸カルシウム、ジェランガム、アガロース、グァーガム、キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、ローカストビーンガム、タマリンドガム、ダイユータンガム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、アルギン酸カルシウムが好ましい。
前記アルギン酸カルシウムは、アルギン酸のカルボキシル基にカルシウムイオンが結合した塩であり、カルシウムイオンは2価であるため、2つのカルボキシル基にまたがるかたちで結合(イオン架橋)して増粘することにより、三次元培養構造物を形成することができる。
また、前記細胞支持材料は、所定の領域に細胞を支持(保持)することができるため、細胞間の距離を調整することができる。
前記細胞支持材料の含有量としては、三次元培養構造物全量に対して、10質量%以上100質量%未満が好ましい。前記含有量が、10質量%以上100質量%未満であると、細胞が接着及び伸展することができる足場としての好適な強度とすることができる。
[三次元培養構造物中の生体親和性粒子及び細胞支持材料の測定方法]
前記三次元培養構造物中の生体親和性粒子及び細胞支持材料の測定方法としては、例えば、GC−MS測定により得られるピーク強度から測定する方法;ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)による分子量分布測定で得られるピーク強度から測定する方法;H NMR測定で得られる積分値から測定する方法などが挙げられる。
<細胞>
前記細胞は、その種類等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、分類学的に、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、すべての細胞について使用することができる。
前記真核細胞としては、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞が好ましく、前記細胞が細胞集合体を形成する場合は、細胞と細胞とが互いに接着し、物理化学的な処理を行わなければ単離しない程度の細胞接着性を有する接着性細胞がより好ましい。
前記接着性細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。
前記分化した細胞としては、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。前記接着性細胞は、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、又はそれらを何代か継代させたものでもよい。
前記未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。
前記原核細胞としては、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。
前記三次元培養構造物の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200mPa・s以上500mPa・s以下が好ましく、300mPa・s以上400mPa・s以下が好ましい。前記粘度が、200mPa・s以上500mPa・s以下であると、細胞の密着、増殖、及び伸展を向上できる。
なお、前記粘度は、下記条件により測定することができる。
[粘度測定条件]
・計測器 :MCR−301(株式会社アントンパール・ジャパン製)
・コーン :CP50−1
・温度 :25℃
・せん断速度 :120(1/s)
(三次元培養構造物の製造方法)
本発明の三次元培養構造物の製造方法は、層形成工程と、細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程と、細胞層形成材料付与工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の三次元培養構造物の製造方法は、本発明の三次元培養構造物を好適に製造することができる。
<層形成工程>
前記層形成工程は、基体上に、細胞支持材料前駆体水溶液の細胞支持材料前駆体水溶液層を形成する工程である。
−細胞支持材料前駆体水溶液層−
前記細胞支持材料前駆体水溶液層としては、細胞支持材料前駆体水溶液(培養インク)を含み、更に必要に応じてその他の水溶液を含む。
前記細胞支持材料前駆体水溶液(培養インク)としては、生体親和性粒子及び細胞支持材料前駆体を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−生体親和性粒子−−
前記生体親和性粒子は、本発明の三次元培養構造物における生体親和性粒子と同様のものを用いることができる。
−−細胞支持材料前駆体−−
前記細胞支持材料前駆体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コラーゲン、エラスチン、ゼラチン等の生体由来ポリマー;アルギン酸、ジェランガム等の多糖化合物金属塩;ポリ乳酸等の合成ポリマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、多糖化合物金属塩が好ましく、アルギン酸塩がより好ましい。
前記アルギン酸塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルギン酸ナトリウムが好ましい。
前記細胞支持材料前駆体水溶液層の形成が、前記細胞支持材料前駆体水溶液を前記基体上に飛翔させることにより行われることが好ましい。
前記細胞支持材料前駆体水溶液の前記基体上への飛翔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が好ましい。
前記細胞支持材料前駆体水溶液の飛翔の態様としては、例えば、液体流路内の前記インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いて液体流路の壁面を形成する振動板を変形させて液体流路内容積を変化させて液体滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いて液体流路内で液体を加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、前記振動板と前記電極との間に発生させる静電力によって前記振動板を変形させることで、液体流路内容積を変化させて液体滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
前記飛翔させる前記細胞支持材料前駆体水溶液の液滴は、その大きさとしては、例えば、3pL以上40pL以下が好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましく、その駆動周波数としては、1kHz以上が好ましい。
前記細胞支持材料前駆体水溶液の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20mPa・s以下が好ましく、15mPa・s以下が好ましい。前記粘度が、20mPa・s以下であると、基体への液体層の形成が容易になり、また、インクジェット方式を用いる場合は、吐出安定性を向上することができる。
前記細胞支持材料前駆体水溶液の粘度としては、生体親和性材料を粒子状とした生体親和性粒子とすることにより、インクジェット方式に適した粘度にすることができる。図2は、生体親和性粒子であるゼラチン粒子を含む液体、及び生体親和性材料であるゼラチンを含む液体の粘度を示すグラフである。図2に示すように、1質量%未処理ゼラチン及び1質量%アルギン酸ナトリウムを含む液体の粘度と比較して、1質量%粒子化ゼラチン及び1質量%アルギン酸ナトリウムを含む液体の粘度は低くなり、インクジェット方式に適した粘度になっていることが分かる。
また、前記未処理ゼラチンは、アルギン酸ナトリウムと混合し、その後、ゲル化した場合に、細胞培養温度において、未処理ゼラチンが溶解し、流出してしまうため細胞支持強度が維持されず、崩壊してしまうことから細胞の培養に用いることはできない。一方、粒子化したゼラチンは、温度による形態変化がないため、細胞支持強度を維持することができ、細胞の培養中に崩壊することがなく、好適に細胞を培養することができる。
前記細胞支持材料前駆体水溶液層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上200μm以下が好ましく、10μm以上100μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、3μm以上200μm以下であると、細胞の増殖を好適に促進することができる。なお、前記平均厚みは、公知の方法に従って測定することができる。
前記生体親和性粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm以上5μm以下が好ましく、0.1μm以上3μm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が、0.1μm以上5μm以下であると、粘度を下げることができ、インクジェット方式による吐出に好適な粘度とすることができる。前記体積平均粒径は、前記生体親和性粒子のキュムラント径と同様にして測定することができる。
−基体−
前記基体としては、細胞の活性や増殖を阻害しないものであれば、その大きさ、形状、構造、材質等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディッシュ、マルチプレート、フラスコ、セルインサート等の立体形状;平膜状などが挙げられる。
前記構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多孔質構造、メッシュ構造、凹凸構造、ハニカム構造などが挙げられる。
前記基体の材質としては、例えば、有機材料、無機材料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリイミド(PI)、ナイロン(Ny)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ウレタンアクリレート等のアクリル系材料、セルロースなどが挙げられる。
前記無機材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
<細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程>
前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程は、前記細胞支持材料前駆体水溶液層上に、前記細胞支持材料前駆体水溶液と接触すると前記細胞支持材料前駆体をゲル化させる細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を付与する工程である。
前記細胞支持材料前駆体水溶液層に、細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を付与することにより、細胞支持材料前駆体水溶液中の細胞支持材料前駆体と、細胞支持材料前駆体ゲル化ポリマーとが反応して、イオン架橋して増粘することにより、三次元培養構造物を形成することができる。
−細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液−
前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液としては、前記細胞支持材料前駆体水溶液と接触すると前記細胞支持材料前駆体をゲル化させる細胞支持材料前駆体ゲル化ポリマーを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塩化カルシウム水溶液、キトサン水溶液、キチン水溶液が好ましい。
−−細胞支持材料前駆体ゲル化ポリマー−−
前記細胞支持材料前駆体ゲル化ポリマーとしては、前記細胞支持材料前駆体水溶液と接触すると前記細胞支持材料前駆体をゲル化できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多糖類、多価金属塩、フィブリノーゲン、トロンビン、フィブロネクチン、ラミニン、リコンビナントペプチド、キトサン、キチンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、多価金属塩、キトサン、キチンが好ましく、塩化カルシウム、キトサン、キチンがより好ましく、塩化カルシウムが特に好ましい。
前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程における細胞支持材料前駆体水溶液層上への細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液の付与としては、前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を前記細胞支持材料前駆体水溶液層上に飛翔させることにより行われることが好ましい。
前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液の前記細胞支持材料前駆体水溶液層上への飛翔としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェット方式が好ましい。
前記インクジェット方式としては、層形成工程におけるインクジェット方式と同様のものを用いることができる。
図17に、細胞支持材料前駆体をゲル化する一例を示す模式図である。図17に示すように、生体親和性粒子42を含む細胞支持材料前駆体41に、塩化カルシウム等由来のカルシウムイオンなどの細胞支持材料前駆体ゲル化ポリマーを付与することにより、生体親和性粒子42を含む細胞支持材料43を形成することができる。
<細胞層形成材料付与工程>
前記細胞層形成材料付与工程は、前記層形成工程と、前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程と、により形成される三次元培養構造物上に細胞を含む細胞層形成材料を付与する工程である。
前記細胞としては、三次元培養構造物における細胞と同様のものを用いることができる。
−細胞層形成材料の付与方法−
前記細胞層形成材料の付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、ディスペンサー法、ピペット法、アスピレータ法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、一細胞レベルで精密かつ複雑な細胞配置できる点から、インクジェット法が好ましい。
前記インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。なお、前記インクジェット法を実施するには公知のインクジェット吐出装置を、細胞層形成材料付与手段として好適に使用することができる。
前記遊離状態における細胞の体積平均粒径としては、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、20μm以下が特に好ましい。前記体積平均粒径が、100μm以下であれば、インクジェット法に好適に用いることができる。
なお、前記細胞の体積平均粒径としては、下記の測定方法で測定することができる。
インキュベーター(商品名:KM−CC17RU2、パナソニック株式会社製、37℃、5%CO環境)内において、1質量%抗生物質(Antibiotic−Antimycotic Mixed Stock Solution(100×)、和光純薬工業株式会社製)を含むダルベッコ変法イーグル培地(和光純薬工業株式会社製、以下、「D−MEM」とも称することがある)で細胞を培養後、アスピレータ(商品名:VACUSIP、INTEGRA社製)を用いて、100mmディッシュ内の10質量%ウシ胎児血清(以下、「FBS」とも称することがある)、及び前記培地を除去する。ディッシュにリン酸緩衝生理食塩水(和光純薬工業株式会社製、以下、「PBS(−)」とも称することがある)を3mL加え、アスピレータでPBS(−)を吸引除去し、表面を洗浄する。PBS(−)による洗浄作業を3回繰り返した後、0.1質量%トリプシン溶液(Trypsin, from Porcine Pancreas、和光純薬工業株式会社製)を3mL加え、インキュベーター内にて5分間加温し、ディッシュから細胞を剥離する。位相差顕微鏡で細胞の剥離を確認後、10質量%FBS、1質量%抗生物質を含むD−MEMを4mL加え、トリプシンを失活させる。遠沈管に移し、遠心分離(商品名:H−19FM、KOKUSAN社製、1.2×10rpm(234G)、5min、5℃)を行い、アスピレータで上清を除去する。除去後、遠沈管に10質量%FBS、1質量%抗生物質を含むD−MEMを1mL添加し、穏やかにピペッティングを行い、細胞を分散させる。その細胞層形成材料から10μLをエッペンドルフチューブに取り出し、0.4質量%トリパンブルー染色液10μLを加えてピペッティングを行って細胞を染色する。染色した細胞層形成材料から10μL取り出してPMMA製プラスチックスライドに乗せ、自動セルカウンター(商品名:Countess Automated Cell Counter、invitrogen社製)を用いて測定することができる。なお、細胞数、細胞生存率も同様の測定方法により求めることができる。前記細胞は、遊離状態であると、略球状の形状をとるため、体積平均粒径を測定することができる。
前記細胞層形成材料中の細胞数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5×10個/mL以上5×10個/mL以下が好ましく、5×10個/mL以上5×10個/mL以下がより好ましい。前記細胞数が、5×10個/mL以上5×10個/mL以下であると、吐出した液滴中に細胞を確実に含むことができ、細胞の精密配置に好適である。前記細胞数としては、前記体積平均粒径の測定方法と同様にして、自動セルカウンター(商品名:Countess Automated Cell Counter、invitrogen社製)を用いて測定することができる。
ここで、図3Aは、本発明で用いられる三次元培養構造物を製造する製造装置の一例を示す概略図である。図3Bは、本発明で用いられる三次元培養構造物を製造する製造装置の他の一例を示す概略図である。図3A及び図3Bの三次元培養構造物の製造装置は、インクジェットヘッド52、53を配列したヘッドユニットを用いて、インクジェットヘッド52から細胞支持材料前駆体水溶液を基体51上に吐出して細胞支持材料前駆体水溶液層を形成する。その後、前記細胞支持材料前駆体水溶液層上に、インクジェットヘッド53から細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を吐出して、前記細胞支持材料前駆体水溶液層中の細胞支持材料前駆体水溶液と接触させて細胞支持材料を形成するものである。その後、形成された細胞支持材料上に、細胞層形成材料を吐出して、細胞層を形成することも可能である。このとき、前記細胞層形成材料は、前記細胞支持材料前駆体水溶液、又は前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液に含有させて吐出してもよく、前記インクジェットヘッド52、53とは異なるインクジェットヘッドから吐出してもよい。また、前記細胞支持材料及び細胞層の形成を繰り返すことにより、本発明の三次元培養構造物を製造することも可能である。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、ゼラチン粒子のキュムラント径及び粒度分布、並びに細胞支持材料前駆体水溶液の粘度、生体親和性粒子の露出表面積の占有割合、及び生体親和性粒子の細胞支持材料表面への突出の有無は、以下のようにして測定した。
<ゼラチン粒子のキュムラント径>
前記ゼラチン粒子のキュムラント径は、濃厚系粒径アナライザー(商品名:FPAR−1000、大塚電子株式会社製)を用いて、下記のサンプル液の調製例により得られたサンプル液を用いて、以下の測定条件により測定した。
−サンプル液の調製例−
純水製造装置(商品名:GSH−2000、ADVANTEC社製)を用いて得られた純水に、生体親和性粒子を濃度0.5質量%で分散させた。測定用の液量は5mL、分散は20mm回転子をスターラーを用いて200rpm、約1日間撹拌することでサンプル液を調製した。
−測定条件−
・溶媒:水(屈折率:1.3314、25℃における粘度:0.884mPa・s(cP)、NDフィルターにより最適光量調製は適宜設定)
・測定プローブ:濃厚用プローブ
・測定ルーチン:測定:25℃で180秒間→測定:25℃で600秒間(本体側を35℃に変更すると次第に液温が25℃から35℃になる。その間の粒子径変化をモニタ)→測定:35℃で180秒間
<ゼラチン粒子の粒度分布>
前記ゼラチン粒子の粒度分布は、粒度分布計(商品名:UPA150、日機装株式会社製)を用いて測定した。
<細胞支持材料前駆体水溶液の粘度>
前記細胞支持材料前駆体水溶液の粘度は、下記の条件により測定した。
[粘度測定条件]
・計測器 :MCR−301(株式会社アントンパール・ジャパン製)
・コーン :CP50−1
・温度 :25℃
・せん断速度 :120(1/s)
<生体親和性粒子の露出表面積の占有割合>
原子間力顕微鏡(AFM)により得られた画像を、ImageJ(ソフトウェア)を用いて解析することにより算出した。
<生体親和性粒子の細胞支持材料表面への突出の有無>
前記生体親和性粒子の細胞支持材料表面への突出の有無は、前記三次元培養構造物の厚み方向の断面を、走査型電子顕微鏡により観察することにより確認した。
(生体親和性粒子水溶液の作製例1)
<ゼラチン粒子水溶液Aの作製>
生体親和性粒子の原料としてゼラチン(商品名:APH−250、新田ゼラチン株式会社製)0.5gを水49.5mLに混ぜて、60℃の湯浴中にて溶解し、1質量%ゼラチン水溶液を得た。40℃に加温した1質量%ゼラチン水溶液40mLを200mLビーカーに入れて撹拌した。その後、アセトン60gを一気に添加して白濁液を得た(コアセルベーション)。
前記白濁液に、架橋剤として24質量%以上26質量%以下のグルタルアルデヒド水溶液(東京化成工業株式会社製)をゼラチン全量に対する架橋剤が5質量%となるように添加して、60℃の湯浴中で300rpm程度にて撹拌させながら30分間保持した。次第に白濁液がクリーム色に変化し、1.0質量%ゼラチン粒子水溶液A(ゼラチンに対する架橋剤濃度:5質量%)を得た。得られた1.0質量%ゼラチン粒子水溶液Aのゼラチン粒子のキュムラント径を下記表1に示し、ゼラチン粒子の粒度分布を図4に示す。
(生体親和性粒子水溶液の作製例2)
<ゼラチン粒子水溶液Bの作製>
生体親和性粒子水溶液の作製例1において、ゼラチンの量を0.5gから1gに変更し、水の量を49.5mLから49mLに変更した以外は、生体親和性粒子水溶液の作製例1と同様にして、2.0質量%ゼラチン粒子水溶液B(ゼラチンに対する架橋剤濃度:5質量%、架橋剤量:160μL)を得た。得られた2.0質量%ゼラチン粒子水溶液Bのゼラチン粒子のキュムラント径を下記表1に示し、ゼラチン粒子の粒度分布を図4に示す。
次に、得られた2.0質量%ゼラチン粒子水溶液Bを室温(25℃)に戻して、アセトン100gを添加し、ゼラチン粒子を凝集沈殿させて沈殿物を得た。上澄み液の除去とアセトン洗浄とを数回繰り返し、得られた沈殿物から水分と未反応架橋剤とを除去した。その後、60℃ホットプレート上で沈殿物を乾燥して、50℃ホットプレート上で1時間減圧乾燥してゼラチン粒子の粉末を得た(収率:70%)。走査型電子顕微鏡(装置名:M−SEM、日本電子株式会社製)を用いて、ゼラチン粒子の粉末(乾燥状態のゼラチン粒子)のSEM像を観察した。結果を図5に示す。
図5の結果から、ゼラチン粒子の形状は、球状であり、ゼラチン粒子のキュムラント径は、ほとんどが0.1μm以上0.5μm以下であるが、1μm以上の粗大粒子の存在も確認できた。また、図4から膨潤状態のゼラチン粒子のキュムラント径は、0.2μm以上1μm以下であって、乾燥状態のゼラチン粒子と比較して、キュムラント径が2倍大きくなっていることが分かる。
(生体親和性粒子水溶液の作製例3)
<ゼラチン粒子水溶液Cの作製>
生体親和性粒子水溶液の作製例1においてゼラチンの量を0.5gから1.5gに変更し、水の量を49.5mLから48.5mLに変更した以外は、生体親和性粒子水溶液の作製例1と同様にして、3.0質量%ゼラチン粒子水溶液C(ゼラチンに対する架橋剤濃度:5質量%)を得た。得られた3.0質量%ゼラチン粒子水溶液Cのゼラチン粒子のキュムラント径を下記表1に示し、ゼラチン粒子の粒度分布を図4に示す。
(生体親和性粒子水溶液の作製例4)
<ゼラチン粒子水溶液Dの作製>
生体親和性粒子水溶液の作製例1においてゼラチンの量を0.5gから2gに変更し、水の量を49.5mLから48mLに変更した以外は、生体親和性粒子水溶液の作製例1と同様にして、4.0質量%ゼラチン粒子水溶液D(ゼラチンに対する架橋剤濃度:5質量%)を調製したところ、ゼラチンは粒子化せず塊状となった。なお、前記ゼラチンが粒子化していないため、ゼラチン粒子のキュムラント径及び粒度分布は測定することができなかった。
(生体親和性粒子水溶液の作製例5)
<ゼラチン粒子水溶液Eの作製>
生体親和性粒子水溶液の作製例1において、ゼラチンの量を0.5gから2.5gに変更し、水の量を49.5mLから47.5mLに変更した以外は、生体親和性粒子水溶液の作製例1と同様にして、5.0質量%ゼラチン粒子水溶液E(ゼラチンに対する架橋剤濃度:5質量%)を調製したところ、ゼラチンは粒子化せず塊状となった。なお、前記ゼラチンが粒子化していないため、ゼラチン粒子のキュムラント径及び粒度分布は測定することができなかった。
前記表1の結果から、ゼラチン濃度が低いほど、ゼラチン粒子のキュムラント径を小さくすることができ、ゼラチン濃度が高いほど、粗大粒子ができやすいことが分かる。また、ゼラチン濃度が、4質量%以上であると、ゼラチン成分が粒子化せず塊状となることから、収量を確保する点から、ゼラチン濃度は、1質量%以上2質量%以下が好ましいことが分かる。
(生体親和性粒子水溶液の作製例6)
<ゼラチン粒子水溶液Fの作製>
生体親和性粒子水溶液の作製例2において、グルタルアルデヒド水溶液の量160μL(ゼラチン全量に対する架橋剤:5質量%)を80μL(ゼラチン全量に対する架橋剤:2.5質量%)に変更した以外は、生体親和性粒子水溶液の作製例2と同様にして、ゼラチン粒子水溶液Fを得た。得られた2質量%ゼラチン粒子水溶液Fのゼラチン粒子のキュムラント径を下記表2に示し、ゼラチン粒子の粒度分布を図6に示す。
(生体親和性粒子水溶液の作製例7)
<ゼラチン粒子水溶液Gの作製>
生体親和性粒子水溶液の作製例2において、グルタルアルデヒド水溶液の量160μL(ゼラチン全量に対する架橋剤:5質量%)を240μL(ゼラチン全量に対する架橋剤:7.5質量%)に変更した以外は、生体親和性粒子水溶液の作製例2と同様にして、ゼラチン粒子水溶液Gを得た。得られた2質量%ゼラチン粒子水溶液Gのゼラチン粒子のキュムラント径を下記表2に示し、ゼラチン粒子の粒度分布を図6に示す。
(生体親和性粒子水溶液の作製例8)
<ゼラチン粒子水溶液Hの作製>
生体親和性粒子水溶液の作製例2において、グルタルアルデヒド水溶液の量160μL(ゼラチン全量に対する架橋剤:5質量%)を320μL(ゼラチン全量に対する架橋剤:10.0質量%)に変更した以外は、生体親和性粒子水溶液の作製例2と同様にして、ゼラチン粒子水溶液Hを得た。得られた2質量%ゼラチン粒子水溶液Hのゼラチン粒子のキュムラント径を下記表2に示し、ゼラチン粒子の粒度分布を図6に示す。
前記表2の結果から、架橋剤濃度が高いほど、ゼラチン粒子のキュムラント径が小さくなることが分かる。これは、架橋剤濃度により、ゼラチン粒子の膨潤率が異なるため、ゼラチン粒子のキュムラント径に違いが現れたためであると推測される。
また、図6の結果から、架橋剤濃度が高いほど、粒度分布も狭くなっていることが分かる。これは、不均一な膨潤が起きにくいためであると推測される。
(実施例1)
<三次元培養構造物の作製>
アルギン酸ナトリウム(商品名:SKAT−ONE、株式会社キミカ製)0.02gを水10mLに溶解して2質量%アルギン酸ナトリウム水溶液10mLを調製し、ゼラチン粒子水溶液F(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:2.5質量%)10mLを添加(体積比(2質量%アルギン酸ナトリウム水溶液:ゼラチン粒子水溶液F)が1:1)してベンコット(商品名:ベンコットM−1、旭化成株式会社製)を敷いた6wellプレート(商品名:Costar(登録商標) cell culture plates、コーニング社製)に、ピペットを用いて、3mLずつ加えて、一晩60℃で乾燥させた。乾燥後、100mmol/L(mM)塩化カルシウム水溶液3mLを前記6wellプレートに加えて30分間以上静置し、アルギン酸カルシウム(細胞支持材料)が形成され、ゼラチン粒子(生体親和性粒子)を含む三次元培養構造物を得た。
得られた三次元培養構造物を、イオン交換水にて3回洗浄した。次いで70質量%エタノール水溶液にて3回以上洗浄した。
アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムとの反応により作製された薄膜を安定化させるために、37℃、5体積%CO条件にて、ダルベッコ変法イーグル培地(D−MEM:和光純薬工業株式会社製)に72時間浸漬させた。なお、培地は、24時間毎に交換した。
−細胞層形成材料の調製−
継代数10以上20以下のNHDF(ヒト皮膚繊維芽細胞、ロンザジャパン株式会社製)をD−MEM(和光純薬工業株式会社製)を用いて、ポリスチレンディッシュ上にて、37℃、5体積%CO条件下で72時間培養した。その後、0.05質量%トリプシン溶液(Trypsin, from Porcine Pancreas、和光純薬工業株式会社製)と0.02質量%エチレンジアミン四酢酸(EDTA、和光純薬工業株式会社製)とを含み、かつカルシウム及びマグネシウムを含有しないPBSを用いて、細胞を、37℃にて5分間トリプシン処理を行ないポリスチレンディッシュから剥がした。トリプシン処理後、10質量%FBSを含むD−MEMを加えて酵素反応を停止させて、細胞含有溶液を得た。得られた細胞含有溶液234gを5℃にて5分間遠心分離処理して、上澄みを取り除いた後に10質量%FBSを含むD−MEMに懸濁させ、細胞層形成材料を得た。
−細胞培養−
72時間D−MEM培地に浸漬させた三次元培養構造物上に、細胞層形成材料を、細胞数が4,000個/cmとなるように付与した。その後、37℃、5体積%CO条件下で48時間培養した。なお、培地は、培養開始から24時間後に一度交換した。
(細胞の接着及び伸展)
前記細胞培養において、培養開始から24時間後及び48時間後に位相差顕微鏡を用いて、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を図7B(24時間後)及び図8B(48時間後)に示す。
前記位相差顕微鏡により取得した蛍光画像からImageJ(ソフトウェア)を用いて細胞数をカウントし、画像6枚の平均から細胞数を算出した。また、伸展している細胞数もカウントすることで伸展率を求めた。伸展率の結果を下記表3に示す。
また、前記蛍光画像を観察した結果を図9A〜図9Cに示す。図9Aは、実施例1の48時間培養後の細胞の状態を示す写真である。図9A中、破線部は伸展している細胞を表す。図9Bは、図9Aにおける実線部の部分拡大写真を示す。図9Cは、図9Bにおける実線部の部分拡大写真を示す。図9Cから、細胞の仮足が、ゼラチン粒子密集部を這うようにして伸展していることが分かる。
(実施例2)
実施例1において、ゼラチン粒子水溶液F(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:2.5質量%)10mLをゼラチン粒子水溶液G(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:7.5質量%)10mLに変更した以外は、実施例1と同様にして、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を下記表3、図7C(24時間後)、及び図8C(48時間後)に示す。
(比較例1)
実施例1において、ゼラチン粒子水溶液F(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:2.5質量%)10mLを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を下記表3、図7A(24時間後)、及び図8A(48時間後)に示す。また、実施例1と同様にして、細胞の伸展率を求めた。結果を下記表3に示す。
(実施例3)
実施例1において、100mmol/L塩化カルシウム水溶液3mLを、500mmol/L(mM)塩化カルシウム水溶液3mLに変更した以外は、実施例1と同様にして、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を下記表3、図7E(24時間後)、及び図8E(48時間後)に示す。また、実施例1と同様にして、細胞の伸展率を求めた。結果を下記表3に示す。
(実施例4)
実施例2において、100mmol/L塩化カルシウム水溶液3mLを、500mmol/L(mM)塩化カルシウム水溶液3mLに変更した以外は、実施例2と同様にして、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を下記表3、図7F(24時間後)、及び図8F(48時間後)に示す。また、実施例1と同様にして、細胞の伸展率を求めた。結果を下記表3に示す。
(比較例2)
実施例3において、ゼラチン粒子水溶液F(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:2.5質量%)10mLを使用しなかった以外は、実施例3と同様にして、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を下記表3、図7D(24時間後)、及び図8D(48時間後)に示す。また、実施例1と同様にして、細胞の伸展率を求めた。結果を下記表3に示す。
図7A〜図7F及び図8A〜図8Fの結果から、生体親和性粒子であるゼラチン粒子、及び細胞支持材料であるアルギン酸カルシウムを含む三次元培養構造物は、前記三次元培養構造物上で培養される細胞の接着及び伸展が促進されることから、細胞の培養に好適に用いることができることが分かる。
なお、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて、実施例1〜4の三次元培養構造物を測定したところ、ゼラチン粒子及びアルギン酸カルシウムが含まれていることが確認できた。
(実施例5)
<三次元培養構造物の作製>
アルギン酸ナトリウム(商品名:SKAT−ONE、株式会社キミカ製)0.01gを水10mLに溶解して1質量%アルギン酸ナトリウム水溶液10mLを調製し、ゼラチン粒子水溶液F(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:2.5質量%)をゼラチン濃度1%に希釈したゼラチン粒子水溶液F希釈液を10mLを添加(体積比(1質量%アルギン酸ナトリウム水溶液:ゼラチン粒子水溶液F1%)が1:1)し、混合液Aを得た。次に、6wellプレート(商品名:Costar(登録商標) cell culture plates、コーニング社製)に、産業用インクジェットヘッドGEN4(リコーインダストリー株式会社製)を用いて、得られた混合液Aを一辺8mm、平均厚さが30μmの層を形成するように印字後、100mM塩化カルシウムを平均厚さが10μmとなるように混合液Aの上に重ねて印字し、構造物を形成した。その後、得られた構造物に無血清ダルベッコ変法イーグル培地(Life Technology社製)で1回洗い、三次元培養構造物を得た。
−細胞の染色−
冷凍保存された緑色蛍光染料(商品名:Cell Tracker Green、Life Technology社製)を室温まで解凍し、10mMの濃度でジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」とも称することがある)へ溶解させ、無血清ダルベッコ変法イーグル培地(Life Technology社製)と混合し、濃度が10μMの緑色蛍光染料含有無血清培地を調製した。次に、実施例1において調製した細胞層形成材料に調製した緑色蛍光染料含有無血清培地をディッシュ1枚あたり5mL添加し、インキュベータ内で30分間染色し、緑色蛍光染料で染色された細胞を含む細胞層形成材料を得た。
−細胞培養−
得られた三次元培養構造物上に、緑色蛍光染料で染色された細胞を含む細胞層形成材料を、細胞数が4,000個/cmとなるように付与した。その後、37℃、5体積%CO条件下で48時間培養した。なお、培地(無血清ダルベッコ変法イーグル培地、Life Technology社製)は、培養開始から24時間後に一度交換した。
(細胞の接着及び伸展)
前記細胞培養において、培養開始から4時間後及び24時間後に位相差顕微鏡を用いて、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を図10A(4時間後)及び図10B(24時間後)に示す。伸展率は、4時間後が50%、24時間後が90%であった。結果を下記表4に示す。
(実施例6)
実施例5において、混合液Aを、アルギン酸ナトリウム(商品名:SKAT−ONE、株式会社キミカ製)0.005gを水10mLに溶解して0.5質量%アルギン酸ナトリウム水溶液10mLを調製し、ゼラチン粒子水溶液B(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:5質量%)をゼラチン濃度0.5質量%に希釈したゼラチン粒子水溶液B希釈液を10mLを添加(体積比(0.5質量%アルギン酸ナトリウム水溶液:ゼラチン粒子水溶液B0.5%)が1:1)して得た混合液Bに変更した以外は、実施例5と同様にして、三次元培養構造物を得た。
次に、実施例5と同様にして、細胞培養し、実施例5と同様にして、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を図11A(4時間後)及び図11B(24時間後)に示す。伸展率は、4時間後が60%、24時間後が98%であった。結果を下記表4に示す。
(比較例3)
実施例6において、ゼラチン粒子水溶液Bを添加しなかった以外は、実施例6と同様にして、三次元培養構造物を得た。
次に、実施例6と同様にして、細胞培養し、実施例6と同様にして、細胞の接着及び伸展を確認した。結果を図12A(4時間後)及び図12B(24時間後)に示す。伸展率は、4時間後が0%、24時間後が0%であった。結果を下記表4に示す。
(比較例4)
実施例5において、ゼラチン粒子水溶液Fを粒子化しないゼラチン水溶液(ゼラチン濃度:1質量%)に変更した以外は、実施例5と同様にして、三次元培養構造物の作製を試みたが、安定して吐出ができなかった。そこで、手技でアルギン酸ゼラチン混合液をwellに塗布した。次に、実施例5と同様にして、100mM塩化カルシウムを平均厚さが10μmとなるように混合液の上に重ねて印字し、三次元培養構造物を得た。
次に、実施例5と同様にして、細胞培養したところ、三次元構造物は崩壊してしまった。
(実施例7)
アルギン酸ナトリウム(商品名:SKAT−ONE、株式会社キミカ製)0.02gを水10mLに溶解して2質量%アルギン酸ナトリウム水溶液10mLを調製し、ポリ乳酸粒子溶液(ポリ乳酸濃度:2質量%PLA particles 250nm、コアフロント株式会社製)10mLを添加(体積比(アルギン酸ナトリウム水溶液1質量%:ポリ乳酸粒子溶液1質量%溶液)が1:1)し、混合液Cを得た。
次に、実施例5において、混合液Aを混合液Cに変更した以外は、実施例5と同様にして、三次元培養構造物を得た。
次に、実施例5と同様にして、細胞培養し、実施例5と同様にして、伸展率を測定した。前記伸展率は、4時間後が10%、24時間後が50%であった。結果を下記表5に示す。
(実施例8)
実施例7において、ポリ乳酸粒子溶液をポリスチレン粒子溶液(ポリスチレン濃度:2質量% PLA particles、250nm、コアフロント株式会社製)に変更し、添加量を(体積比(アルギン酸ナトリウム水溶液1質量%:ポリスチレン粒子溶液1質量%溶液)が1:1)としたこと以外は、実施例7と同様にして、三次元培養構造物を得た。
次に、実施例5と同様にして、細胞培養し、実施例7と同様にして、伸展率を測定した。前記伸展率は、4時間後が10%、24時間後が50%であった。結果を下記表5に示す。
(実施例9)
実施例7において、ポリ乳酸粒子溶液をシリカ粒子溶液(シリカ濃度:4質量% PLA particles、コアフロント株式会社製)に変更し、添加量を(体積比(アルギン酸ナトリウム水溶液1質量%:シリカ粒子溶液2質量%溶液)が1:1)としたこと以外は、実施例7と同様にして、三次元培養構造物を得た。
次に、実施例5と同様にして、細胞培養し、実施例7と同様にして、伸展率を測定した。前記伸展率は、4時間後が10%、24時間後が40%であった。結果を下記表5に示す。
(実施例10)
実施例7において、ポリ乳酸粒子溶液をゼラチン粒子水溶液F(ゼラチン濃度:2質量%、架橋剤濃度:2.5質量%)をゼラチン濃度1質量%に希釈したゼラチン粒子水溶液F希釈液に変更し、添加量を(体積比(アルギン酸ナトリウム水溶液1質量%:ゼラチン粒子水溶液F希釈液1質量%溶液)が1:1)としたこと以外は、実施例7と同様にして、三次元培養構造物を得た。
次に、実施例5と同様にして、細胞培養し、実施例7と同様にして、伸展率を測定した。前記伸展率は、4時間後が50%、24時間後が90%であった。結果を下記表5に示す。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 細胞と、前記細胞を支持する細胞支持材料と、生体親和性粒子と、を含有することを特徴とする三次元培養構造物である。
<2> 前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料の少なくとも一部の表面から露出している前記<1>に記載の三次元培養構造物である。
<3> 前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料から突出している前記<2>に記載の三次元培養構造物である。
<4> 前記生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が、前記三次元培養構造物表面全体に対して、20%以上である前記<2>から<3>のいずれかに記載の三次元培養構造物である。
<5> 前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料中に分散している前記<1>に記載の三次元培養構造物である。
<6> 前記生体親和性粒子が、前記細胞と接着する接着点を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の三次元培養構造物である。
<7> 前記生体親和性粒子のキュムラント径が、0.1μm以上1.0μm以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の三次元培養構造物である。
<8> 前記生体親和性粒子が、ゼラチン粒子を含む前記<1>から<7>のいずれかに記載の三次元培養構造物である。
<9> 前記細胞支持材料が、多糖類を含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の三次元培養構造物である。
<10> 前記多糖類が、アルギン酸カルシウムを含む前記<9>に記載の三次元培養構造物である。
<11> 前記生体親和性粒子の含有量が、0.5質量%以上2質量%以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の三次元培養構造物である。
<12> 前記細胞が、接着性細胞である前記<1>から<11>のいずれかに記載の三次元培養構造物である。
<13> 基体上に、生体親和性粒子及び細胞支持材料前駆体を含む細胞支持材料前駆体水溶液の細胞支持材料前駆体水溶液層を形成する層形成工程と、
前記細胞支持材料前駆体水溶液層上に、前記細胞支持材料前駆体水溶液と接触すると前記細胞支持材料前駆体をゲル化させる細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を付与する細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程と、
細胞を含む細胞層形成材料を付与する細胞層形成材料付与工程と、を含み、
前記<1>から<12>のいずれかに記載の三次元培養構造物を製造することを特徴とする三次元培養構造物の製造方法である。
<14> 前記層形成工程における前記基体上への細胞支持材料前駆体水溶液層の形成が、前記細胞支持材料前駆体水溶液を前記基体上に飛翔させることにより行われ、
前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程における細胞支持材料前駆体水溶液層上への細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液の付与が、前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を前記細胞支持材料前駆体水溶液層上に飛翔させることにより行われる前記<13>に記載の三次元培養構造物の製造方法である。
<15> 前記細胞支持材料前駆体水溶液の前記基体上への飛翔、及び前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液の細胞支持材料前駆体水溶液層上への飛翔が、インクジェット方式により行われる前記<14>に記載の三次元培養構造物の製造方法である。
<16> 前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液が、塩化カルシウム水溶液、キトサン水溶液、及びキチン水溶液から選択される少なくとも1種である前記<13>から<15>のいずれかに記載の三次元培養構造物の製造方法である。
<17> 前記細胞支持材料前駆体水溶液が、アルギン酸ナトリウム水溶液、アルギン酸カリウム水溶液、及びアルギン酸アンモニウム水溶液から選択される少なくとも1種である前記<13>から<16>のいずれかに記載の三次元培養構造物の製造方法である。
<18> 前記細胞支持材料前駆体水溶液の粘度が、20mPa・s以下である前記<13>から<17>のいずれかに記載の三次元培養構造物の製造方法である。
<19> 前記細胞が、接着性細胞である前記<13>から<18>のいずれかに記載の三次元培養構造物の製造方法である。
<20> 前記接着性細胞が、繊維芽細胞である前記<19>に記載の三次元培養構造物の製造方法である。
前記<1>から<12>のいずれかに記載の三次元培養構造物、及び前記<13>から<20>のいずれかに記載の三次元培養構造物の製造方法は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
国際公開第2011/059112号パンフレット 特許第4412537号公報
1、11、21 細胞
2、12、22、42 生体親和性粒子
3、13、23、43 細胞支持材料
41 細胞支持材料前駆体

Claims (12)

  1. 細胞と、前記細胞を支持する細胞支持材料と、生体親和性粒子と、を含有することを特徴とする三次元培養構造物。
  2. 前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料の少なくとも一部の表面から露出している請求項1に記載の三次元培養構造物。
  3. 前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料から突出している請求項2に記載の三次元培養構造物。
  4. 前記生体親和性粒子の露出表面積の占有割合が、前記三次元培養構造物表面全体に対して、20%以上である請求項2から3のいずれかに記載の三次元培養構造物。
  5. 前記生体親和性粒子が、前記細胞支持材料中に分散している請求項1に記載の三次元培養構造物。
  6. 前記生体親和性粒子が、前記細胞と接着する接着点を有する請求項1から5のいずれかに記載の三次元培養構造物。
  7. 前記生体親和性粒子のキュムラント径が、0.1μm以上1.0μm以下である請求項1から6のいずれかに記載の三次元培養構造物。
  8. 基体上に、生体親和性粒子及び細胞支持材料前駆体を含む細胞支持材料前駆体水溶液の細胞支持材料前駆体水溶液層を形成する層形成工程と、
    前記細胞支持材料前駆体水溶液層上に、前記細胞支持材料前駆体水溶液と接触すると前記細胞支持材料前駆体をゲル化させる細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を付与する細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程と、
    細胞を含む細胞層形成材料を付与する細胞層形成材料付与工程と、を含み、
    請求項1から7のいずれかに記載の三次元培養構造物を製造することを特徴とする三次元培養構造物の製造方法。
  9. 前記層形成工程における前記基体上への細胞支持材料前駆体水溶液層の形成が、前記細胞支持材料前駆体水溶液を前記基体上に飛翔させることにより行われ、
    前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液付与工程における細胞支持材料前駆体水溶液層上への細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液の付与が、前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液を前記細胞支持材料前駆体水溶液層上に飛翔させることにより行われる請求項8に記載の三次元培養構造物の製造方法。
  10. 前記細胞支持材料前駆体水溶液の前記基体上への飛翔、及び前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液の細胞支持材料前駆体水溶液層上への飛翔が、インクジェット方式により行われる請求項9に記載の三次元培養構造物の製造方法。
  11. 前記細胞支持材料前駆体ゲル化水溶液が、塩化カルシウム水溶液、キトサン水溶液、及びキチン水溶液から選択される少なくとも1種である請求項8から10のいずれかに記載の三次元培養構造物の製造方法。
  12. 前記細胞支持材料前駆体水溶液が、アルギン酸ナトリウム水溶液、アルギン酸カリウム水溶液、及びアルギン酸アンモニウム水溶液から選択される少なくとも1種である請求項8から11のいずれかに記載の三次元培養構造物の製造方法。
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