(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態のレセプト電算ファイル作成システムの一例を示す図である。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成システム100は、レセプト電算ファイル作成装置200、情報処理装置300を有する。レセプト電算ファイル作成装置200と、情報処理装置300とは、ネットワークを介して接続される。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成システム100において、情報処理装置300は、例えば医療機関内で用いられるものであり、レセプト電算ファイル作成システム100において、任意の台数が設けられていても良い。
情報処理装置300は、患者データベース310、電子カルテ処理部320、会計処理部330、レセプト作成処理部340を有し、医療機関において行われる一般的な病院情報処理を行う。
患者データベース310には、情報処理装置300が設置された医療機関における患者の情報(以下、患者情報)が格納される。患者情報は、例えば患者を特定する患者識別子患者の性別、年齢、既往症、患者に対して行われた診療行為等を含む。電子カルテ処理部320は、患者毎の電子カルテの作成や保管等を行う。会計処理部330は、電子カルテに入力された診療行為に応じた会計処理を行う。レセプト作成処理部340は、患者に対して行われた診療行為に応じた診療報酬明細書を電子化したレセプト電算ファイル350を作成する。
尚、図1の例では、患者データベース310が情報処理装置300に設けられるものとしたが、これに限定されない。患者データベース310は、情報処理装置300の外部の記憶装置に設けられていても良い。また、図1の例では、電子カルテ処理部320、会計処理部330、レセプト作成処理部340が1台の情報処理装置300内に設けられるものとしたが、これに限定されない。例えば、電子カルテ処理部320は、医師や看護師が使用する情報処理装置に設けられていても良く、会計処理部330、レセプト作成処理部340は、医療事務の担当者が使用する情報処理装置に設けられていても良い。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、情報処理装置300におけるレセプト電算ファイル350の作成において、診療行為と対応付けられるコメントの入力を支援する。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、コメント辞書データベース220−1、220−2、・・・、220−N、レセプト作成支援処理部230を有する。コメント辞書データベース220220−1、220−2、・・・、220−Nは、診療行為とコメントとを対応付ける。レセプト作成支援処理部230は、集計処理部240、辞書作成処理部250、コメント抽出処理部260を有する。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、集計処理部240と辞書作成処理部250により、レセプト電算ファイル350から、診療行為とコメントとを対応付けたコメント辞書データベース220−1、220−2、・・・、220−Nを作成する。
また、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、レセプト請求に関する規定が改定される度に、コメント辞書データベース220−1、220−2、・・・、220−Nを作成する。例えばコメント辞書データベース220−1は、レセプト電算ファイル作成装置200において、2014年の改定の際に作成されたものである。また、コメント辞書データベース220−2は、レセプト電算ファイル作成装置200において、2014年の改定の際に作成されたものである。また、コメント辞書データベース220−Nは、レセプト電算ファイル作成装置200において、N年の改定があった際に作成されたものである。
以下の説明では、コメント辞書データベース220−1、220−2、・・・、220−Nのそれぞれを区別しない場合には、コメント辞書データベース220と呼ぶ。
また、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、情報処理装置300において電子カルテが保存される場合等に、コメント抽出処理部260により、診療行為に対して必要にコメントが付与されているか否かを判定する。そして、レセプト電算ファイル作成装置200は、必要なコメントが付与されていない場合に、コメント抽出処理部260により、コメントの候補を抽出し、コメントが付与されていないことに対する警告と共に、抽出したコメントの候補を情報処理装置300に表示させる。
また、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、情報処理装置300において、電子カルテに基づく会計処理を確定する際に、コメント抽出処理部260により、電子カルテに入力された診療行為と対応するコメントが付与されているか否かを判定する。そして、レセプト電算ファイル作成装置200は、対応するコメントが付与されていない場合に、コメント抽出処理部260により、コメントの候補を抽出し、コメントが付与されていないことに対する警告と共に、コメントの候補を情報処理装置300に表示させる。
以上のように、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、会計処理の結果がレセプト電算ファイルとして出力される前の段階で、診療行為に対するコメントの入力を促す。したがって、本実施形態によれば、レセプト電算ファイルを作成する際に、診療行為に対するコメントの入力を支援できる。
次に、図2を参照して、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200のハードウェア構成について説明する。図2は、レセプト電算ファイル作成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、例えば一般的なコンピュータであり、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインターフェース装置27を含む。
入力装置21は、各種の情報を入力するためものであり、例えばキーボードやマウス等で実現される。出力装置22は、各種の情報を出力するためのものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置27は、モデム、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
レセプト電算ファイル作成プログラムは、レセプト電算ファイル作成装置200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。レセプト電算ファイル作成プログラムは例えば記憶媒体28の配布やネットワークからのダウンロードなどによって提供される。レセプト電算ファイル作成プログラムを記録した記憶媒体28は、CD−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
また、レセプト電算ファイル作成プログラムは、レセプト電算ファイル作成プログラムを記録した記憶媒体28がドライブ装置23にセットされるとは記憶媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされたレセプト電算ファイル作成プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
補助記憶装置24は、インストールされたレセプト電算ファイル作成プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、コンピュータの起動時に補助記憶装置24からレセプト電算ファイル作成プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納されたレセプト電算ファイル作成プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
また、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200は、例えばタブレット型のコンピュータ等であっても良い。その場合、入力装置21と出力装置22の代わりに、表示機能を有するタッチパネル等の表示操作装置を有していても良い。尚、本実施形態の情報処理装置300は、一般的なコンピュータ等であり、そのハードウェア構成は、図2に示すレセプト電算ファイル作成装置200と同様であるから、説明を省略する。
次に、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200の有する各データベースについて説明する。
図3は、レセプト電算ファイルの一例を示す図である。
レセプト電算ファイル350は、医療機関が、患者に対して行った診療について、患者の自己負担分以外の料金(医療保険負担分の料金)を、医療機関が保険者に対し、医療費を請求するために提出する医療費の明細書である。レセプト電算ファイル350は、厚生労働大臣が定める記録形式により電子的に記録された診療報酬の請求ファイルであり、各医療機関により作成され、月毎に審査支払機関に送信される。
レセプト電算ファイル350の記録形式はCSV形式であり、具体的には、項目の区切りをコンマで記録し、レコードの区切りは改行で記録等することにより、シーケンシャルにデータを記録する。
また、レセプト電算ファイル350では、データの構造として、医療機関情報レコード、レセプト共通レコード、保険者レコード、老人レコード、公費レコード、診療行為レコード、医薬品レコード、特定器材レコード、コメントレコード、合計書レコードを含む。
医療機関情報レコードは、先頭の列がIRで始まるレコードであり、レセプト共通レコードは、先頭の列がREで始まるレコードであり、保険者レコードは、先頭の列がHOで始まるレコードである。老人レコードは、先頭の列がROで始まるレコードであり、公費レコードは、先頭の列がKOで始まるレコードである。
診療行為レコードは、先頭の列がSIで始まるレコードである。診療行為レコードには、診療行為を特定する情報であるレセプト電算コードが含まれる。医薬品レコードは、先頭の列がIYで始まるレコードである。特定器材レコードは、先頭の列がTOで始まるレコードである。コメントレコードは、先頭の列がCOで始まるレコードであり、コメント内容を特定するコメントコードを含む。合計書レコードは、先頭の列がGOで始まるレコードである。
レセプト電算ファイル350では、患者毎に、患者と対応したレコードが格納されている。
図3に示すレセプト電算ファイル350では、レコード350−1は、医療機関情報レコードであり、医療機関名が○○××病院であり、この医療機関の所在する都道府県を示す都道府県コードが13であることを示す。また、レコード350−2は、レセプト共通レコードであり、下に続くレコードが患者識別子「0000000384」の患者のものであることを示し、「4240101」は生年月日が平成24年1月1日であることを示す。つまり、患者識別子「0000000384」の患者は、平成28年1月時点で6歳未満の患者である。
レコード350−3は、傷病名コード「8845742」を含むものであり、患者の秒面がS状結腸憩室出血であることを示す。
また、レコード350−5は、コメントコードであり、体重21.2Kgであることを示す。レコード350−5は、同一診療区分で直下の診療行為レコードであるレコード350−6と対応付けられる。
また、レコード350−6は、診療行為レコードであり、「自己血輸血(6歳未満)(液状)、1000ml」を示す。また、レコード350−7は、診療行為レコードであり、「輸血(乳幼児)加算」を示す。
つまり、図3の示すレセプト電算ファイル350では、6歳未満の乳児が、自己血輸血を1000ml実施したことを示している。また、図3に示すレセプト電算ファイル350の例では、レコード350−4にレコード350−5が対応付けられていることから、コメントとして体重の入力が必須とされていることがわかる。
尚、図3では、一人の患者のレコードを一例として示しているが、レセプト電算ファイル350には、医療機関○○××病院における該当月請求分のレコードが患者毎に格納されたものである。
以下の説明では、レセプト電算ファイル350に含まれる患者毎のレコードを、患者毎レコードと呼ぶ。患者毎レコードでは、診療行為を特定する診療行為情報(レセプト電算コード)を含む診療行為レコードと、コメント内容を特定するコメント特定情報であるコメントコードとが対応付けられている。言い換えれば、レセプト電算ファイル350は、診療行為を特定する診療行為情報と、コメント内容を特定するコメント特定情報とを対応付けたファイルである。
本実施形態では、例えば情報処理装置300において、会計処理が行われると、レセプト作成処理部340により、会計内容に応じた患者毎レコードが生成されてレセプト電算ファイル350に追加されていく。つまり、本実施形態のレセプト電算ファイル350は、患者毎レコードの集合である。
次に、図4を参照して、本実施形態のコメント辞書データベース220について説明する。図4は、コメント辞書データベースの一例を説明する図である。
本実施形態のコメント辞書データベース220は、レセプト作成支援処理部230の集計処理部240により、レセプト電算ファイル350を集計し、辞書作成処理部250により、集計結果を解析することで生成される。また、本実施形態のコメント辞書データベース220は、レセプト電算ファイル350を審査支払機関に送信する度に、新たなレセプト電算ファイル350によりコメント辞書データベース220を生成する。コメント辞書データベース220を生成する処理の詳細は後述する。
本実施形態のコメント辞書データベース220は、電子カルテ等において、診療行為に対して付与されるべきコメントの有無の判定や、診療行為と対応付けられたコメントの検索の際に参照される。
本実施形態のコメント辞書データベース220は、予め決められた区分毎に、診療行為とコメントとを付けたテーブルを有する。具体的には、コメント辞書データベース220は、区分テーブル221、区分テーブル222、区分テーブル223、区分テーブル224を有する。
区分テーブル221は、年齢毎に、診療行為とコメントとを対応付けたテーブルである。区分テーブル222は、診療科(医科、又は歯科)毎に、診療行為とコメントとを対応付けたテーブルである。区分テーブル223は、都道府県毎に、診療行為とコメントとを対応付けたテーブルである。区分テーブル224は、病名毎に、診療行為とコメントとを対応付けたテーブルである。つまり、本実施形態の区分とは、年齢、診療科、都道府県、病名である。
本実施形態の区分テーブル221〜224のそれぞれは、情報の項目として、レコードID、区分、レセプト電算コード、診療行為回数、コメントコード、フリーコメント、出力回数、合致率、関連度、偽陽性報告数、確定報告数を有する。区分テーブル221〜224のそれぞれにおいて、項目「レコードID」は、その他の項目と対応付けられている。以下の説明では、区分テーブル221〜224のそれぞれにおいて、項目「レコードID」の値と、その他の項目の値とを含む情報をコメント辞書情報と呼ぶ。
項目「レコードID」の値は、各テーブルにおけるコメント辞書情報を特定するための識別情報である。
項目「区分」の値は、区分の内容を示す。本実施形態では、区分として、年齢、診療科、都道府県、病名を有する。区分テーブル221の項目「区分」の値は、年齢と関連する情報であり、区分テーブル221が、年齢毎に区分された区分テーブルであることがわかる。区分テーブル222の項目「区分」の値は、医科であり、区分テーブル222が、診療科毎に区分された区分テーブルであることがわかる。
区分テーブル223の項目「区分」の値は、都道府県毎に付与された都道府県コードであり、区分テーブル223が、都道府県毎に区分された区分テーブルであることがわかる。区分テーブル224の項目「区分」の値は、傷病名コードを示す情報あり、区分テーブル224が、病名毎に区分された区分テーブルであることがわかる。
項目「レセプト電算コード」の値は、診療行為を示すコードであり、レセプト電算ファイル350における診療行為レコードに含まれる。項目「診療行為回数」の値は、対応する診療行為を同一患者に対して同月内に行った回数を示す。例えば、項目「診療行為回数」の値が1である場合は、対応する診療行為回数が同月内に1回以上行われたことを示す。また、項目「診療行為回数」の値が2である場合は、対応する診療行為回数が同月内に2回以上行われたことを示す。
項目「コメントコード」の値は、レセプト電算コードと対応付けられたコメントコードの値を示す。
項目「フリーコメント」の値は、レセプト電算コードと対応付けられたコメントの解析結果を示す。
項目「出現回数」の値は、対応するレセプト電算コード、診療行為回数及びコメントコードの組が、レセプト電算ファイル350において出現した回数を示す。
項目「合致率」の値は、区分テーブル毎に、区分テーブルに含まれるレセプト電算コードの出現回数に対する、レセプト電算コードとコメントコードと診療行為回数の組合せの出現回数を示す。つまり、本実施形態の項目「出現回数」の値と、項目「合致率」の値は、レセプト電算ファイル350における、レセプト電算コード、診療行為回数及びコメントコードの組合せの出現頻度を示す情報である。
項目「関連度」の値は、項目「出現回数」の値に応じて付与される重みを示す。
項目「偽陽性報告数」の値は、情報処理装置300において、レセプト電算コード、診療行為回数、コメントコードの組に対して、この組を不採用とすることが入力された回数を示す。項目「確定報告数」の値は、情報処理装置300において、レセプト電算コード、診療行為回数、コメントコードの組に対して、この組を採用とすることが入力された回数を示す。
尚、本実施形態において、レセプト電算コードと診療行為との対応付け、コメントコードとコメントの内容との対応付け、都道府県コードと都道府県との対応付け、病名と傷病名コードとの対応付け等は、厚生労働省が定めた規格・方式(記録条件仕様)に基づく各種コードに関する事項に記載された内容および厚生労働省が提供する基本マスター(以降、総称して、レセプト電算処理マスタコードと呼ぶ。)において行われている。レセプト電算処理マスタコードは、予めレセプト電算ファイル作成装置200にダウンロードされていても良い。
図4では、例えば区分テーブル221のレコードID「1」のコメント辞書情報では、レセプト電算ファイル350において、患者の年齢が「幼児」に分類される年齢であり、月に1回以上実施されたレセプト電算コード「150286410」の診療行為に、コメントコード「840000082」のコメントが付与された患者毎レコードの出現回数が100回であることがわかる。また、区分テーブル221のレコードID「1」のコメント辞書情報では、同様に、合致率が90%であり、関連度が950であり、偽陽性報告数が0回であり、確定報告数が300回であることがわかる。
したがって、患者の年齢が「幼児」に分類される年齢であり、月に1回のレセプト電算コード「150286410」の診療行為に対して付与されるべきコメントは、コメントコード「840000082」のコメントである可能性が高いことがわかる。
また、図4では、例えば区分テーブル223のレコードID「1」のコメント辞書情報では、レセプト電算ファイル350において、都道府県コード「13」であり、月に1回のレセプト電算コード「150286410」の診療行為に、コメントコード「840000082」のコメントが付与された患者毎レコードの出現回数が300回であることがわかる。また、区分テーブル223のレコードID「3」のコメント辞書情報では、合致率が90%であり、関連度が950であり、偽陽性報告数が0回であり、確定報告数が300回であることがわかる。
したがって、医療機関の所在地が、都道府県コード「13」と対応する都道府県では、月に1回のレセプト電算コード「150286410」の診療行為に対し、コメントコード「840000082」のコメントは、付与されるべきコメントである可能性が高いと言える。
次に、図5を参照して本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200の機能構成について説明する。図5は、レセプト電算ファイル作成装置の機能について説明する図である。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200のレセプト作成支援処理部230は、集計処理部240、辞書作成処理部250、コメント抽出処理部260を有する。
集計処理部240は、レセプト電算ファイル350を、患者毎レコードを収集し、後述するデータ構造の中間ファイルを作成する。辞書作成処理部250は、中間ファイルを解析して、コメント辞書データベース220を生成する。コメント抽出処理部260は、情報処理装置300から、コメントの抽出の指示を受け付けて、診療行為と対応するコメントの候補を抽出し、出力する。
始めに、集計処理部240について説明する。本実施形態の集計処理部240は、ファイル取得部241、データ構造保持部242、中間ファイル作成部243を有する。
ファイル取得部241は、情報処理装置300からレセプト電算ファイル350を取得する。データ構造保持部242は、中間ファイルのデータ構造を保持する。中間ファイルのデータ構造の詳細は後述する。
中間ファイル作成部243は、レセプト電算ファイル350から、データ構造保持部242が保持するデータ構造に合わせた中間ファイルを作成し、保持する。
次に、辞書作成処理部250について説明する。本実施形態の辞書作成処理部250は、中間ファイル取得部251、辞書データ構造保持部252、区分テーブル生成部253、出現回数取得部254、合致率算出部255、関連度算出部256、格納部257を有する。
中間ファイル取得部251は、集計処理部240により作成された中間ファイルを取得する。辞書データ構造保持部252は、コメント辞書データベース220のデータ構造を保持する。コメント辞書データベース220のデータ構造の詳細は後述する。
区分テーブル生成部253は、辞書データ構造保持部252が保持するデータ構造に基づき、中間ファイルから区分テーブルを生成する。具体的には、区分テーブル生成部253は、中間ファイルから、年齢に関するカテゴリ毎の区分テーブル221、診療科(医科、又は歯科)毎の区分テーブル222、都道府県毎の区分テーブル223、病名毎の区分テーブル224を生成する。
出現回数取得部254は、区分テーブル毎のレセプト電算コード、診療行為回数、コメントコードの組の出現回数をカウントし、各区分テーブルの項目「出現回数」の値を更新する。
合致率算出部255は、区分テーブル毎のレセプト電算コードの出現回数に対する、レセプト電算コード、診療行為回数、コメントコードの組の出現回数の割合を示す合致率を算出し、各区分テーブルの項目「合致率」の値を更新する。
関連度算出部256は、区分テーブル毎のレセプト電算コード、診療行為回数、コメントコードの組の関連度を算出し、各区分テーブルの項目「関連度」の値を更新する。
格納部257は、各部により得られたコメント辞書情報をコメント辞書データベース220へ格納する。
次に、本実施形態のコメント抽出処理部260について説明する。コメント抽出処理部260は、レセプト電算コード取得部261、患者情報取得部262、所在地情報取得部263、コメント辞書情報抽出部264、条件判定部265、コメント取得部266、コメント出力部267を有する。
レセプト電算コード取得部261は、情報処理装置300からのコメントの抽出要求を受けて、情報処理装置300からコメントの入力対象となるレセプト電算コードを取得する。
患者情報取得部262は、レセプト電算コードと対応付けられた患者情報を取得する。所在地情報取得部263は、医療機関の所在地(都道府県)を示す情報を取得する。本実施形態では、医療機関の所在地を示す情報は、情報処理装置300において保持されているものとし、所在地情報取得部263は、この情報を取得するものとした。
コメント辞書情報抽出部264は、患者情報から区分に対応する項目の値を取得し、コメント辞書データベース220の区分テーブル221〜224から、取得したレセプト電算コードを含むコメント辞書情報を抽出する。
例えば、コメント辞書情報抽出部264は、患者情報に含まれる年齢が6歳未満であった場合、コメント辞書情報抽出部264は、年齢に関するカテゴリ毎に、診療行為とコメントとを対応付けた区分テーブル221から、区分「幼児」と、レセプト電算コード取得部261が取得したレセプト電算コードと、を含むコメント辞書情報を抽出する。
また、コメント辞書情報抽出部264は、医療機関の所在地が東京都であった場合には、都道府県毎に診療行為とコメントとを対応付けた区分テーブル224から、区分「13」と、レセプト電算コード取得部261が取得したレセプト電算コードと、を含むコメント辞書情報を抽出する。尚、区分「13」とは、東京都と対応する都道府県コードである。
条件判定部265は、コメント辞書情報抽出部264により抽出されたコメント辞書情報が、所定の条件を満たすか否かを判定する。具体的には、条件判定部265は、抽出されたコメント辞書情報における出現回数と合致率のそれぞれが所定の値を超えているか否かを判定する。
コメント取得部266は、条件判定部265により、所定の条件を満たすと判定されたコメント辞書情報に含まれるコメントコードと対応付けられたコメントを取得する。具体的には、コメント取得部266は、所定の条件を満たすコメント辞書情報からコメントコードを取得し、レセプト電算処理マスタコードにおいて、コメントコードと対応付けられたコメントを取得する。
コメント出力部267は、コメント取得部266が取得したコメントを、コメントコードと対応する関連度の値が大きい順に表示させる画面データを情報処理装置300へ出力し、コメントの候補として表示させる。
次に、図6、図7を参照して、中間ファイルとコメント辞書データベースのデータ構造について説明する。
図6は、中間ファイルのデータ構造を説明する図である。図6に示すデータ構造61は、本実施形態の集計処理部240により作成される中間ファイルが有する情報の項目を示している。
本実施形態の中間ファイルは、情報の項目として、患者識別子、診療年月日、レセプト電算コード、コメントコード、フリーコメント、年齢区分、病名、医科歯科区分、所在地、提出区分を有する。
患者識別子の値は、患者を識別するための識別子を示す。患者識別子の値は、患者データベースに格納された患者情報に含まれるものである。診療年月日の値は、患者が診療を受けた日付を示す。
レセプト電算コードの値は、レセプト電算処理マスタコードにおいて、診療行為と対応付けられたコードであり、診療行為を示す。コメントコードの値は、レセプト電算処理マスタコードにおいて、コメントと対応付けられたコードであり、コメントの内容を示す。フリーコメントの値は、コメントコードがフリーコメントであった際に、入力されたコメント内容を文字列解析した結果を示す。
年齢区分の値は、患者の年齢に応じた年齢区分を示す。具体的には、年齢区分の値は、乳児、幼児、高齢者、その他である。
病名の値は、患者の病名と対応する傷病名コードを示す。医科歯科区分の値は、医科における診療行為であるか、又は歯科における診療行為であるか、を示す。所在地の値は、診療行為を行った医療機関の所在地を示す。本実施形態の所在地は、例えば都道府県である。
提出区分の値は、情報処理装置300から取得したレセプト電算ファイル350の提出区分を示す。具体的には、提出区分の値が「1」の場合、取得したレセプト電算ファイル350が返戻を受けて再提出されたものであることを示し、提出区分の値が「0」の場合、取得した取得したレセプト電算ファイル350が初回の提出用のものであることを示す。
本実施形態の集計処理部240は、レセプト電算ファイル350と、データ構造61とに基づき、後述する中間ファイルを作成する。
次に、図7を参照して、コメント辞書データベース220のデータ構造について説明する。図7は、コメント辞書データベースのデータ構造を説明する図である。図7に示す辞書データ構造71は、本実施形態の辞書作成処理部250によるコメント辞書データベース220の作成において参照されるものであり、コメント辞書データベース220の各区分テーブル221〜224が有する項目を示す。
本実施形態の区分テーブル221〜224は、情報の項目として、区分、レセプト電算コード、診療行為回数、コメントコード、フリーコメント、出現回数、合致率、関連度、偽陽性報告数、確定報告数を有する。これらの項目は、図4で説明した通りであるから、説明を省略する。
次に、本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200の各部の処理について説明する。図8は、レセプト電算ファイル作成装置の集計処理部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200のレセプト作成支援処理部230において、集計処理部240は、ファイル取得部241により、情報処理装置300からレセプト電算ファイル350を取得する(ステップS801)。
尚、本実施形態の集計処理部240は、例えば情報処理装置300において、レセプト電算ファイル350が作成されたときに、情報処理装置300からレセプト電算ファイル350を取得する。レセプト電算ファイル350が作成されるときとは、例えば、情報処理装置300がレセプト電算ファイル350を作成し、審査支払機関へ提出した場合である。このとき、ファイル取得部241は、審査支払機関へ提出されたレセプト電算ファイル350を取得する。
次に、集計処理部240は、ファイル取得部241により、レセプト電算ファイル350から、患者毎レコードを抽出する(ステップS802)。次に、集計処理部240は、中間ファイル作成部243により、データ構造保持部242が保持するデータ構造61を参照し(ステップS803)、データ構造61に基づくレコードを作成し、中間ファイルに追加し、保持する(ステップS804)。中間ファイル作成部243の処理の詳細は後述する。
続いて、中間ファイル作成部243は、レセプト電算ファイル350に含まれる全ての患者毎レコードについて、データ構造61に基づくレコードを作成する処理を行ったか否かを判定する(ステップS805)。
ステップS805において、全ての患者毎レコードについて中間ファイルのレコードを作成していない場合、集計処理部240は、ステップS802へ戻る。
ステップS805において、全ての患者毎レコードについて、中間ファイルのレコードを作成した場合、中間ファイル作成部243は、ステップS801でファイル取得部241が取得したレセプト電算ファイル350が、審査支払機関に再提出されたファイルであるか否かを判定する(ステップS806)。
ステップS806において、再提出されたファイルである場合、中間ファイル作成部243は、作成した中間ファイルに対し、再提出されたファイルであることを示す識別情報を付与し(ステップS807)、処理を終了する。
ステップS806において、再提出されたファイルでない場合、集計処理部240は、処理を終了する。
ここで、再提出されたレセプト電算ファイルについて説明する。医療機関から支払審査機関に提出されたレセプト電算ファイルに不備があった場合、レセプト電算ファイルのうち、不備があった部分が支払審査機関から返戻される。
医療機関は、返戻された部分について、不備がないようにレセプト電算ファイルを再作成し、再度支払審査機関へ提出することになる。返戻を受けて再提出用に作成されたレセプト電算ファイルは、初回の提出の際に作成されたレセプト電算ファイルとフォーマットが異なる
本実施形態の中間ファイル作成部243は、このフォーマットに基づき、ファイル取得部241が取得したレセプト電算ファイルが、初回提出用のものであるか、又は再提出用のものであるかを判別することができる。
本実施形態の中間ファイル作成部243は、ファイル取得部241が取得したレセプト電算ファイルが、再提出用に作成されたものであった場合には、辞書作成処理部250による処理の際に、再提出用のレセプト電算ファイルから作成された中間ファイルであることが判別できるように、識別情報を付与しておく。
次に、図9を参照して、本実施形態の中間ファイルについて説明する。図9は、中間ファイルの一例を示す図である。
図9では、図3に示すレセプト電算ファイル350において、患者識別子「0000000384」の患者毎レコードから、データ構造61に基づき生成されたレコード91−1が格納された中間ファイル91を示している。
レコード91−1では、レセプト電算ファイル350のレコード350−1から、都道府県コードが抽出され、項目「所在地」と対応付けられ、レコード350−6、350−7から、診療年月日が抽出され、項目「診療年月日」と対応付けられている。
また、レコード91−1では、レコード350−2から患者識別子が抽出され、項目「患者識別子」と対応付けられ、同様にレコード350−2から、患者の年齢が抽出され、項目「年齢区分」と対応付けられている。
また、レコード91−1では、レコード350−1から点数表コードが抽出され、項目「医科歯科区分」と対応付けられている。また、レコード91−1では、レコード350−4からレセプト電算コードが抽出され、項目「レセプト電算コード」と対応付けられ、レコード350−5からコメントコードが抽出され、項目「コメントコード」と対応付けられている。
また、レコード91−1は、レコード350−3から傷病名コードが抽出され、項目「病名」と対応付けられている。また、レコード91−1では、項目「提出区分」の値が0であり、中間ファイル91は、初回の提出用のレセプト電算ファイルから作成された中間ファイルであることを示している。
本実施形態の集計処理部240では、以上のようにして、レセプト電算ファイル350に含まれる患者毎レコードから、データ構造61に基づくレコードを診療年月日毎に生成し、中間ファイル91へ追加する。
次に、図10乃至図12を参照し、本実施形態の辞書作成処理部250の処理について説明する。図10は、レセプト電算ファイル作成装置の辞書作成処理部の処理を説明する第一のフローチャートである。
本実施形態の辞書作成処理部250は、中間ファイル取得部251により、中間ファイル作成部243により作成され、保持された中間ファイルを取得する(ステップS1001)。尚、本実施形態の中間ファイル取得部251は、集計処理部240により中間ファイルが作成されると、集計処理部240から渡される中間ファイルを取得しても良い。
続いて、辞書作成処理部250は、中間ファイル取得部251により、中間ファイルから、患者識別子が一致するレコードを取得する(ステップS1002)。
続いて、辞書作成処理部250は、取得したレコードを、辞書データ構造71を参照してコメント辞書情報へ変換し、コメント辞書データベース220へ格納する(ステップS1003)。ステップS1003の処理の詳細は後述する。
続いて、辞書作成処理部250は、中間ファイルに含まれる全てのレコードについて、ステップS1003までの処理を実行したか否かを判定する(ステップS1004)。ステップS1004において、全てのレコードについて処理を実行していない場合、辞書作成処理部250は、ステップS1002へ戻る。
ステップS1004において、全てのレコードについて処理を実行した場合、辞書作成処理部250は、処理を終了する。
次に、図11を参照し、図10のステップS1003の処理について説明する。図11は、レセプト電算ファイル作成装置の辞書作成処理部の処理を説明する第二のフローチャートである。図11では、図10のステップS1003の処理の詳細を示している。
本実施形態の辞書作成処理部250は、中間ファイルから患者識別子が一致するレコードを取得すると、区分テーブル生成部253により、辞書データ構造保持部252が保持する辞書データ構造71を参照し、区分テーブルと対応する区分を取得する(ステップS1101)。本実施形態において、区分とは、年齢、診療科、都道府県、病名である。
続いて、辞書作成処理部250は、区分テーブル生成部253により、中間ファイルから取得したレコードから、レセプト電算コード、診療行為回数、コメントコードを抽出し、区分に対応付ける(ステップS1102)。
具体的には、区分テーブル生成部253は、中間ファイルから取得したレコードに含まれるレセプト電算コードが出現した回数が何回目かをカウントし、カウントした回数を診療行為回数として、レセプト電算コード及びコメントコードと対応付ける。例えば、区分テーブル生成部253は、ステップS1102で抽出したレセプト電算コードと一致するレセプト電算コードを抽出したことが無い場合、診療行為回数の値を1とする。また。区分テーブル生成部253は、ステップS1102で抽出したレセプト電算コードと一致するレセプト電算コードを抽出した回数が2回目である場合、診療行為回数の値を2とする。
本実施形態では、診療行為回数毎に、レセプト電算コードとコメントコードとを対応付けることで、診療行為回数に応じて付与されるべきコメントコードが変わる場合等でも、適切なコメントの候補を出力することができる。
次に、区分テーブル生成部253は、中間ファイルから取得したレコードに含まれるコメントコードが、フリーコメントを示すコメントコードであるか否かを判定する(ステップS1103)。尚、本実施形態では、コメントコードが「810000001」であるとき、コメントコードがフリーコメントであることを示す。フリーコメントとは、定型文や雛形を用いて入力されたコメントではなく、情報処理装置300において自由に入力されたコメントである。
ステップS1103において、コメントコードがフリーコメントでなかった場合、区分テーブル生成部253は、後述するステップS1105へ進む。
ステップS1103において、コメントコードがフリーコメントと対応したコメントコードであった場合、区分テーブル生成部253は、中間ファイルの項目「フリーコメント」と対応するコメントを解析した結果を、区分に対応付ける(ステップS1104)。
続いて、辞書作成処理部250は、出現回数取得部254により、中間ファイル取得部251が取得した中間ファイルが、再提出用のレセプト電算ファイルから作成されたものであるか否かを判定する(ステップS1105)。具体的には、出現回数取得部254は、中間ファイル取得部251が取得した中間ファイルに、再提出用のレセプト電算ファイルから作成されたことを示す識別情報が付与されているか否かを判定する。
ステップS1105において、再提出用のレセプト電算ファイルから作成された中間ファイルであった場合、出現回数取得部254は、取得したレコードに含まれる出現回数の値に3を加算して区分と対応付け(ステップS1106)、後述するステップS1108へ進む。
ステップS1105において、再提出用のレセプト電算ファイルから作成された中間ファイルでなかった場合、出現回数取得部254は、取得したレコードに含まれる出現回数の値に1を加算して区分と対応付け(ステップS1107)、後述するステップS1108へ進む。
本実施形態では、再提出用のレセプト電算ファイルから作成された中間ファイルであった場合には、このように出現回数を調整する。本実施形態では、この調整により、再提出用のレセプト電算ファイルから作成された中間ファイルのレコードにおける、レセプト電算コードとコメントコードとの組に対する重みを大きくする。言い換えれば、本実施形態では、初回の提出用のレセプト電算ファイルよりも信頼度が高いと思われる再提出用のレセプト電算ファイルから取得したレコードにおけるレセプト電算コードとコメントコードとの組合せに対し、重みを大きくする。
ステップS1106、1107に続いて、辞書作成処理部250は、合致率算出部255により、レセプト電算コード、診療行為回数、コメントコードの組の合致率を算出し、区分と対応付ける(ステップS1108)。
続いて、辞書作成処理部250は、関連度算出部256により、出現回数取得部254により更新された出現回数に応じた重みを算出し、この重みを関連度として区分と対応付ける(ステップS1109)。具体的には、関連度算出部256は、出現回数及び合致率が多い程、関連度の値が大きくなり、出現回数及び合致率が少ない程、関連度の値が小さくなるように、公知の手法による重み付けを行えば良い。
続いて、辞書作成処理部250は、図10のステップS1002で中間ファイルから取得したレコードに対し、全ての区分についてステップS1109までの処理を実行したか否かを判定する(ステップS1110)。
ステップS1110において、全ての区分について処理を行っていない場合、辞書作成処理部250は、ステップS1101へ戻る。
ステップS1110において、全ての区分について処理を行った場合、辞書作成処理部250は、ステップS1001で取得した中間ファイルに含まれる診療年月日から、格納先となるコメント辞書データベース220を選択する(ステップS1111)。例えば中間ファイルに含まれる診療年月日が2013年のものであった場合には、辞書作成処理部250は、2012年の改定の際に生成されたコメント辞書データベース220−1を格納先として選択すれば良い。
続いて、辞書作成処理部250は、区分毎に生成したレコードにレコードIDを付与し、格納先に選択されたコメント辞書データベース220おいて対応する区分テーブルへ格納し(ステップS1112)、処理を終了する。
すなわち、辞書作成処理部250は、ステップS1101からステップS1110までの処理により、各区分テーブル221〜224のそれぞれに追加するコメント辞書情報を作成している。
以下に、図4及び図9を参照し、本実施形態の辞書作成処理部250によるコメント辞書情報の作成についてさらに説明する。
以下の説明では、辞書作成処理部250の中間ファイル取得部251により、取得したレコードが図9に示すレコード91−1を取得した場合のコメント辞書情報の作成について説明する。また、この場合、レコード91−1に含まれるレセプト電算コードは、同月内の1回目の出現とした。
辞書作成処理部250において、中間ファイル取得部251は、患者識別子「0000000384」の患者の中間ファイル91を取得すると、その中からレコード91−1を取得する。
そして、辞書作成処理部250は、区分テーブル生成部253により、レコード91−1から、辞書データ構造71の区分に含まれる年齢と対応する区分「幼児」を取得する。
次に、区分テーブル生成部253は、レコード91−1からレセプト電算コード「150286410」、コメントコード「840000082」を取得し、区分「幼児」と対応付ける。また、区分テーブル生成部253は、レセプト電算コード「150286410」が1回目の出現であるため、診療行為回数を「1」とし、レセプト電算コード「150286410」、コメントコード「840000082」に対応付ける。
このとき、レコード91−1に含まれるコメントコードは、フリーコメントのコメントコードではない。また、レコード91−1が含まれる中間ファイル91は、返戻に対応して作成された再提出用のレセプト電算ファイルではない。したがって、辞書作成処理部250は、出現回数取得部254により、出現回数「1」を加算する。
具体的には、出現回数取得部254は、コメント辞書データベース220の区分テーブル221において、区分「幼児」であり、レセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」を含むコメント辞書情報が存在する場合には、該当するコメント辞書情報の出現回数の値に1を加算する。また、コメント辞書データベース220の区分テーブル221に、該当するコメント辞書情報が存在しない場合、出現回数取得部254により、区分「幼児」に出現回数「1」を対応付ける。
尚、例えばレコード91−1が含まれる中間ファイル91が、返戻に対応して作成された再提出用のレセプト電算ファイルであった場合には、出現回数の値を「1」の代わりに、「3」とする。
これは、返戻に対応して作成された再提出用のレセプト電算ファイルは、誤りを指摘された点に関して、修正したものであり、診療行為に対して正しいコメントが付与されている可能性が高いことを考慮したためである。
上述した理由により、再提出用のレセプト電算ファイルから作成された中間ファイルから取得したレコードな不備がない可能性が高い。このため、本実施形態では、このレコードに対する重みを大きくするために、出現回数の値を「1」の代わりに「3」とする。
本実施形態では、このように出現回数をカウントすることで、再提出用のレセプト電算ファイルから生成されたレコードに対して、初回提出用のレセプト電算ファイルから生成されたレコードよりも重みを大きくすることができる。
次に、辞書作成処理部250は、合致率算出部255により合致率を算出し、区分「幼児」と対応付ける。合致率は、区分テーブル221に含まれる全てのレセプト電算コード「150286410」の出現回数に対する、区分「幼児」且つレセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」の出現回数の割合である。
また、辞書作成処理部250は、関連度算出部256により、関連度(重み)を算出し、区分「幼児」と対応付ける。
以上の処理により、中間ファイル91のレコード91−1から、区分テーブル221のレコード221−1が生成される。
尚、レコード221−1の偽陽性報告数及び確定報告数は、情報処理装置300において該当する操作が行われた際に更新される。したがって、偽陽性報告数及び確定報告数は、辞書作成処理部250によるコメント辞書情報の作成の際には更新されない。
次に、辞書作成処理部250は、区分テーブル生成部253により、レコード91−1から、区分「医科」を取得する。そして、区分テーブル生成部253は、区分「医科」と、レコード91−1から取得したレセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」とを対応付ける。
続いて、辞書作成処理部250は、出現回数取得部254により、コメント辞書データベース220の区分テーブル222において、区分「医科」であり、レセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」を含むコメント辞書情報が存在する場合には、該当するコメント辞書情報の出現回数の値に1を加算する。また、コメント辞書データベース220の区分テーブル222に、該当するコメント辞書情報が存在しない場合、出現回数取得部254により、区分「医科」に出現回数「1」を対応付ける。
続いて、辞書作成処理部250は、合致率算出部255により合致率を算出し、区分「医科」と対応付ける。合致率は、区分テーブル222に含まれる全てのレコードにおけるレセプト電算コード「150286410」の出現回数に対する、区分「医科」且つレセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」の出現回数の割合である。
また、辞書作成処理部250は、関連度算出部256により、関連度(重み)を算出し、区分「医科」と対応付ける。
以上の処理により、中間ファイル91のレコード91−1から、区分テーブル222のレコード222−1が生成される。
次に、辞書作成処理部250は、区分テーブル生成部253により、レコード91−1から、所在地と対応する都道府県コード「13」を取得し、区分「13(東京都)」とする。そして、区分テーブル生成部253は、区分「13」と、レコード91−1から取得したレセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」とを対応付ける。
続いて、辞書作成処理部250は、出現回数取得部254により、コメント辞書データベース220の区分テーブル223において、区分「13」であり、レセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」を含むコメント辞書情報が存在する場合には、該当するコメント辞書情報の出現回数の値に1を加算する。また、コメント辞書データベース220の区分テーブル223に、該当するコメント辞書情報が存在しない場合、出現回数取得部254により、区分「13」に出現回数「1」を対応付ける。
続いて、辞書作成処理部250は、合致率算出部255により合致率を算出し、区分「13」と対応付ける。合致率は、区分テーブル223に含まれる全てのレコードにおけるレセプト電算コード「150286410」の出現回数に対する、区分「13」且つレセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」の出現回数の割合である。
また、辞書作成処理部250は、関連度算出部256により、関連度(重み)を算出し、区分「13」と対応付ける。
以上の処理により、中間ファイル91のレコード91−1から、区分テーブル223のレコード223−1が生成される。
次に、辞書作成処理部250は、区分テーブル生成部253により、レコード91−1から、病名と対応する傷病名コード「8845742」を取得し、区分「8845742」とする。そして、区分テーブル生成部253は、区分「8845742」と、レコード91−1から取得したレセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」とを対応付ける。
続いて、辞書作成処理部250は、出現回数取得部254により、コメント辞書データベース220の区分テーブル224において、区分「8845742」であり、レセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」を含むコメント辞書情報が存在する場合には、該当するコメント辞書情報の出現回数の値に1を加算する。また、コメント辞書データベース220の区分テーブル224に、該当するコメント辞書情報が存在しない場合、出現回数取得部254により、区分「8845742」に出現回数「1」を対応付ける。
続いて、辞書作成処理部250は、合致率算出部255により合致率を算出し、区分「8845742」と対応付ける。合致率は、区分テーブル224に含まれる全てのレコードにおけるレセプト電算コード「150286410」の出現回数に対する、区分「8845742」且つレセプト電算コード「150286410」、診療行為回数「1」、コメントコード「840000082」の出現回数の割合である。
また、辞書作成処理部250は、関連度算出部256により、関連度(重み)を算出し、区分「8845742」と対応付ける。
以上の処理により、中間ファイル91のレコード91−1から、区分テーブル224のレコード224−1が生成される。
本実施形態の辞書作成処理部250は、以上のように、レセプト電算ファイルからコメントコードとレセプト電算コードとが対応付けられたコメント辞書データベース220を作成する。
本実施形態の辞書作成処理部250は、レセプト電算ファイルが提出される度に、コメント辞書データベース220の作成を行っても良い。本実施形態では、レセプト電算ファイルが提出される度にコメント辞書データベース220を作成することで、コメント辞書データベース220を更新することができる。
次に、本実施形態のコメント抽出処理部260の処理について説明する。
本実施形態のコメント抽出処理部260は、情報処理装置300において電子カルテを保存する操作や、電子カルテに基づく会計処理を確定する操作がなされると、コメント辞書データベース220において診療行為と対応付けられたコメントが付与されているか否かを判定する。そして、コメント抽出処理部260は、該当するコメントが付与されていない場合、所定の条件を満たすコメントを、診療行為と対応付けられるコメントの候補として、コメントが付与されていないことの警告と共に表示させる。
以下に、図12を参照して、抽出されるコメントの条件について説明する。図12は、抽出されるコメントの条件を説明する図である。
本実施形態のコメント抽出処理部260では、診療行為を示すレセプト電算コードと対応するコメントコードを含むコメント辞書情報のうち、出現回数と合致率のそれぞれが、それぞれに対する閾値を超えるコメント辞書情報のコメントコードを抽出する。そして、コメント抽出処理部260は、抽出したコメントコードと対応するコメントを診療行為と対応付けられるコメントの候補として出力する。
図12に示すグラフでは、横軸を出現回数とし、縦軸を合致率としている。本実施形態では、出現回数に対して設けられ閾値を200回とし、合致率に対して設けられた閾値を70%とした。
コメント辞書情報の出現回数と合致率が、それぞれの閾値を超える場合とは、このコメント辞書情報におけるレセプト電算コードとコメントコードとの組合せが、一定の割合で用いられていることを示す。
具体的には、出現回数が200回以上である場合とは、コメント辞書データベース220に、レセプト電算コードとコメントコードと診療行為回数との組が200回以上出現することを示す。また、合致率が70%以上である場合とは、一月分のレセプト電算ファイルに出現するレセプト電算コードの回数のうち、70%以上が、コメント辞書情報において対応付けられているコメントコードと診療行為回数との組として、出現していることを示す。
つまり、この場合、レセプト電算コードは、コメント辞書情報において対応付けられたコメントコードとの組とされている確率が高い。言い換えれば、このコメントコードは、レセプト電算コードが示す診療行為に付与されるべきコメントを示すコメントコードである可能性が高い。
本実施形態では、以上の観点から、コメント抽出処理部260は、コメント辞書データベース220に含まれる区分テーブル221〜224のそれぞれから、診療行為を示すレセプト電算コードを含むコメント辞書情報のうち、出現回数及び合致率がそれぞれの閾値以上であるコメント辞書情報を抽出する。
そして、コメント抽出処理部260は、抽出したコメント辞書情報に含まれるコメントコードが示すコメントを、コメントの候補として出力する。
尚、本実施形態の出現回数及び合致率に対する閾値は、予め設定される値であり、任意に変更可能である。特に、出現回数に対する閾値は、医療機関の規模や、診療時間、都道府県における医療機関の数等に応じて、適宜設定される値であって良い。
以下に、図13を参照し、コメント抽出処理部260の処理を説明する。始めに、コメント抽出処理部260が、診療行為と対応するコメントの検索要求を受け付けたときの処理について説明する。
図13は、レセプト電算ファイル作成装置のコメント抽出処理部の処理を説明するフローチャートである。
本実施形態のコメント抽出処理部260は、レセプト電算コード取得部261により、情報処理装置300において電子カルテを保存させる操作又は会計処理を確定させる操作が成されたか否かを判定する(ステップS1301)。言い換えれば、レセプト電算コード取得部261は、情報処理装置300から、電子カルテを保存させる操作を受け付けた通知又は会計処理を確定させる操作を受け付けた通知を受けた否かを判定する。
ステップS1301において、該当する通知を受け付けていない場合、レセプト電算コード取得部261は、該当する通知を受け付けるまで待機する。
ステップS1301において、該当する通知を受け付けた場合、レセプト電算コード取得部261は、操作を受け付けた通知に含まれる日付から、参照先となるコメント辞書データベース220を選択する(ステップS1302)。
次に、レセプト電算コード取得部261は、情報処理装置300から、電子カルテの作成又は会計処理において入力された診療行為と対応するレセプト電算コードし、診療行為回数とを取得する(ステップS1303)。
続いて、コメント抽出処理部260は、患者情報取得部262と所在地情報取得部263により、診療行為と対応付けられた患者の患者情報における区分と対応する情報と、診療行為が行われた医療機関の所在地を示す情報とを取得する(ステップS1304)。
具体的には、患者情報取得部262は、情報処理装置300から、診療行為と対応付けられた患者の患者情報を取得し、年齢、診療科(医科又は歯科)、病名を取得する。また、所在地情報取得部263は、情報処理装置300において保持されている医療機関の所在地(都道府県)を示す情報を取得する。レセプト電算ファイル作成装置200は、例えば検索要求と共に、患者情報と所在地を示す情報とを受け付けても良い。
続いて、コメント抽出処理部260は、コメント辞書情報抽出部264により、選択されたコメント辞書データベース220の区分テーブル221〜224のそれぞれから、レセプト電算コード取得部261が取得したレセプト電算コードと診療行為回数と、を含むコメント辞書情報を抽出する(ステップS1305)。
続いて、コメント抽出処理部260は、条件判定部265により、区分テーブル221〜224から抽出したコメント辞書情報のうち、出現回数及び合致率がそれぞれの閾値以上となるコメント辞書情報が存在するか否かを判定する(ステップS1306)。
ステップS1306において、該当するコメント辞書情報が存在しない場合、コメント抽出処理部260は、後述するステップS1314へ進む。
ステップS1306において、該当するコメント辞書情報が存在する場合、コメント抽出処理部260は、該当するコメント辞書情報を抽出する(ステップS1307)。
続いて、条件判定部265は、ステップS1307で抽出されたコメント辞書情報に、区分テーブル224から抽出されたコメント辞書情報が含まれるか否かを判定する(ステップS1308)。
ステップS1308において、区分テーブル224から抽出されたコメント辞書情報が含まれない場合、コメント抽出処理部260は、後述するステップS1314へ進む。
ステップS1308において、区分テーブル224から抽出されたコメント辞書情報が含まれる場合、コメント抽出処理部260は、ステップS1307で抽出したコメント辞書情報において、確定報告数が所定の回数以上であるコメント辞書情報を除外の対象外とする(ステップS1309)。言い換えれば、コメント抽出処理部260は、確定報告数が所定回数以上のコメント辞書情報を保持する。
本実施形態では、この処理により、採用される可能性が高いレセプト電算コードとコメントコードの組合せを保持し、このコメントコードと対応するコメントを候補として出力することができる。
次に、コメント抽出処理部260は、偽陽性報告数が所定回数以上のコメント辞書情報を除外する(ステップS1310)。本実施形態では、この処理により、出現回数及び合致率が閾値以上であっても、不採用とされる可能性が高いレセプト電算コードとコメントコードとの組合せを除外できる。
続いて、コメント抽出処理部260は、コメント取得部266により、レセプト電算処理マスタコードを参照し、残ったコメント辞書情報に含まれるコメントコードと対応するコメントの内容を示すテキストデータを取得する(ステップS1311)。
に続いて、コメント抽出処理部260は、情報処理装置300において作成された電子カルテ又は会計処理において、取得したコメントと合致するコメントが入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。
具体的には、コメント抽出処理部260は、情報処理装置300に対して診療行為と対応付けられたコメントの取得要求を行い、取得したコメントがあれば、ステップS1311で取得されたコメント内容と合致するか否かを判定する。
ステップS1312において、ステップS1311で取得したコメントと合致するコメントが未入力であった場合、コメント抽出処理部260は、診療行為と対応するコメントが未入力であることを示す警告と共に、ステップS1311で取得したコメント内容を関連度が高い順に情報処理装置300へ出力し(ステップS1313)、処理を終了する。
ステップS1312において、ステップS1311で取得したコメントと合致するコメントが入力済みであった場合、レセプト電算ファイル作成装置200は、情報処理装置300に対し、操作の実行を指示し(ステップS1314)、処理を終了する。
尚、本実施形態のコメント出力部267は、コメントの内容を出力する際に、ステップS1311で残ったコメント辞書情報に含まれる関連度の値が大きい順に、コメントの内容を並べて表示させる。本実施形態では、このようにコメントを表示させることで、抽出されたコメントのうち、レセプト電算コードとの関連が強いと思われるコメントから順に表示させることができる。
ステップS1306において、条件判定部265により、該当するコメント辞書情報が存在しないと判定された場合、又はステップS1308において、条件判定部265により、区分テーブル224から抽出されたコメント辞書情報が存在しないと判定された場合、コメント抽出処理部260はステップS1314へ進む。
ステップS1314以降の処理は、患者情報から取得した病名と、ステップS1303で取得したレセプト電算コードとを含むコメント辞書情報が存在しない場合、又はこれらを含むコメント辞書情報は存在するが、出現回数と合致率が閾値未満である場合である。
病名は、その種名が多岐にわたっており、同類に分類される疾病であっても、異なる病名で表現される場合が考えられる。
そこで、本実施形態では、ステップS1303で取得したレセプト電算コードが、患者情報から取得した病名と対応付けられていない場合、区分テーブル224において、このレセプト電算コードが、患者情報から取得した病名と同類に分類される他の病名に対応付けられているか否かを調べる。
そして、区分テーブル224において、このレセプト電算コードが、同じ分類の他の病名と対応付けられたコメント辞書情報が存在した場合、該当するコメント辞書情報に含まれる出現回数及び合致率を用いて、再度条件判定部265による判定を行う。
つまり、ステップS1314以降の処理では、患者情報に含まれる病名と同類とされる病名に対応付けられたレセプト電算コードを、患者情報に含まれる病名に対応付けられたものとして捉え、コメントの抽出を行っている。
コメント抽出処理部260は、条件判定部265により、区分テーブル224において、区分の病名が、患者情報に含まれる病名と同類に分類される病名であり、且つ診療行為回数がステップS1303で取得した値と一致するコメント辞書情報が存在するか否かを判定する(ステップS1314)。
尚、同類とされる病名の分類を示す情報は、予めレセプト電算ファイル作成装置200に保持されていても良い。また、同類と分類される病名は、レセプト電算処理マスタコードにおいて、グループ化されていても良い。
ステップS1314において、該当するコメント辞書情報が存在する場合、コメント抽出処理部260は、後述するステップS1316へ進む。
ステップS1314において、該当するコメント辞書情報が存在しない場合、コメント抽出処理部260は、ステップS1314までの処理で抽出されたコメント辞書情報が存在するか否かを判定する(ステップS1315)。ステップS1315において、抽出されたコメント辞書情報が存在する場合、コメント抽出処理部260は、ステップS1309へ進む。
ステップS1315において、抽出されたコメント辞書情報が存在しない場合、コメント抽出処理部260は、ステップS1314へ進む。
ステップS1314において、同類と分類される病名と、ステップS1303で取得した診療行為回数とを含むコメント辞書情報が存在する場合、コメント抽出処理部260は、該当するコメント辞書情報に含まれる出現回数の値と合致率の値を、区分テーブル224から抽出されたコメント辞書情報の出現回数と合致率に加算する(ステップS1316)。尚、区分テーブル224から抽出されたコメント辞書情報が存在しない場合には、同類と分類される病名を含むコメント辞書情報の出現回数の値と合致率の値に0を加算すれば良い。
続いて、コメント抽出処理部260は、条件判定部265により、加算した出現回数と合致率の両方が、それぞれに対して設定された閾値以上である否かを判定する(ステップS1317)。
ステップS1317において、閾値以上でない場合、コメント抽出処理部260はステップS1315へ進む。ステップS1317において、閾値以上である場合、コメント抽出処理部260は、区分テーブル224から、患者情報に含まれる病名を含むコメント辞書情報を抽出し(ステップS1318)、ステップS1309へ進む。
以下に、図4を参照して、コメント抽出処理部260の処理を具体的に説明する。以下の説明では、東京都の医療機関に設置された情報処理装置300において、年齢が5歳であり、過去に「S状結腸憩室炎」と診断された患者に対し、医科においてレセプト電算コード「150286410」の診療行為に対するコメントの検索要求が行われた場合について説明する。尚、レセプト電算コード「150286410」の診療行為回数は1であったものとする。
この検索要求は、例えば情報処理装置300に表示された患者の電子カルテにおいて、レセプト電算コード「150286410」と対応する診療行為が入力され、コメントの検索要求を行う操作がなされた場合に、レセプト電算ファイル作成装置200に送信されても良い。また、診療行為回数は、検索要求と共に情報処理装置300からレセプト電算ファイル作成装置200へ送信されても良い。
コメント抽出処理部260は、レセプト電算コード取得部261により、検索要求と共に、患者情報と、医療機関の所在地を示す情報とを受け付ける。
コメント抽出処理部260は、これらを受け付けると、患者情報から、年齢「5歳」、診療科「医科」、「S状結腸憩室炎」の情報を取得する。また、コメント抽出処理部260は、医療機関の所在地を示す情報として、東京都の都道府県コード「13」を取得する。
次に、コメント抽出処理部260は、患者情報に含まれる患者の年齢(6歳未満)から、区分テーブル221において、区分「幼児」と、レセプト電算コード「150286410」と、診療行為回数「1」とを含むコメント辞書情報を検索し、コメント辞書情報221−1を抽出する。
また、コメント抽出処理部260は、診療科(医科)から、区分テーブル222において、区分「医科」と、レセプト電算コード「150286410」と、診療行為回数「1」を含むコメント辞書情報を検索し、コメント辞書情報222−1を抽出する。
また、コメント抽出処理部260は、医療機関の所在地を示す情報(都道府県コード「13」)から、区分テーブル223において、区分「13」と、レセプト電算コード「150286410」と、診療行為回数「1」と、を含むコメント辞書情報を検索し、コメント辞書情報223−1、223−2を抽出する。
また、コメント抽出処理部260は、区分テーブル224において、区分となる病名「S状結腸憩室炎」と、レセプト電算コード「150286410」と、診療行為回数「1」を含むコメント辞書情報を検索し、コメント辞書情報224−2を抽出する。
したがって、コメント抽出処理部260は、コメント辞書情報221−1、222−1、223−1、223−2、224−2を抽出する。
次に、コメント抽出処理部260き、5つのコメント辞書情報221−1、222−1、223−1、223−2、224−2から、出現回数が200回以上であり、且つ合致率が70%以上という条件を満たすコメント辞書情報を抽出する。
ここでは、コメント辞書情報223−2は、出現回数が230回で合致率が10%であり、条件を満たしていない。また、コメント辞書情報224−2は、出現回数が100回で合致率が10%であり、条件を満たしていない。よって、コメント抽出処理部260は、5つのコメント辞書情報から、コメント辞書情報221−1、222−1、223−1を抽出する。
ここで抽出されたコメント辞書情報221−1、222−1、223−1には、区分テーブル224から抽出されたコメント辞書情報は含まれない。
そこで、コメント抽出処理部260は、区分テーブル224において、「S状結腸憩室炎」と同類に分類される病名と、レセプト電算コード「150286410」と、診療行為回数「1」と、を含むコメント辞書情報を検索する。
病名「S状結腸憩室炎」は、病名「S状結腸憩室出血」と同類に分類される。よって、コメント抽出処理部260は、区分「S状結腸憩室出血」とレセプト電算コード「150286410」と診療行為回数「1」とを含むコメント辞書情報が区分テーブル224に存在するか否かを判定する。
区分テーブル224には、区分「S状結腸憩室出血」とレセプト電算コード「150286410」と診療行為回数「1」とを含むコメント辞書情報224−1が存在する。
次に、コメント抽出処理部260は、コメント辞書情報224−1の出現回数及び合致率と、コメント辞書情報224−2の出現回数及び合致率のそれぞれを加算する。その結果、出現回数及び合致率は、450回と85%となり、条件を満たす。よって、コメント抽出処理部260は、コメント辞書情報224−2を抽出する。
続いて、コメント抽出処理部260は、抽出した4つのコメント辞書情報221−1、222−1、223−1、224−2から、確定報告数が所定回数以上のコメント辞書情報は、除外対象としない。
本実施形態では、例えば所定回数を100回とし、確定報告数が100回以上のコメント辞書情報221−1、222−1、223−1を除外対象としない。尚、コメント辞書情報224−2は、確定報告数が54回であるから、除外対象となる。
続いて、コメント抽出処理部260は、除外対象となるコメント辞書情報から、偽陽性報告数が所定回数以上のコメント辞書情報を除外する。本実施形態では、例えば偽陽性報告数が50回以上のコメント辞書情報を、コメント候補を抽出するコメント辞書情報から除外する。
ここで、コメント抽出処理部260は、除外対象となるコメント辞書情報224−2の偽陽性報告数は、2回である。したがって、コメント辞書情報224−2は、コメントを抽出するコメント辞書情報となる。
次に、コメント抽出処理部260は、ここで抽出されたコメント辞書情報221−1、222−1、223−1、224−2のそれぞれから、コメントコードを抽出し、コメントコードと対応するコメント内容を取得する。
具体的には、コメント抽出処理部260は、コメント辞書情報221−1、222−1、223−1から、コメントコード「840000082」を抽出し、コメント辞書情報224−2から、コメントコード「830000024」を抽出する。そして、コメント抽出処理部260は、コメントコード「840000082」と対応するコメント内容と、コメントコード「830000024」と対応するコメント内容とを取得する。
次に、コメント抽出処理部260は、コメント辞書情報221−1、222−1、223−1における関連度「950」と、コメント辞書情報224−2における関連度「100」を取得する。そして、コメント抽出処理部260は、関連度が大きいコメントコードと対応するコメント内容から順に、情報処理装置300へコメント内容を表示させる。
具体的には、コメント抽出処理部260は、関連度「950」であるコメントコード「840000082」と対応するコメント内容、関連度「950」であるコメントコード「830000024」と対応するコメント内容の順に、情報処理装置300にコメント内容を表示させる。
本実施形態では、以上のようにコメントの候補を表示させることで、レセプト電算コードに対応付けられる可能性の高いコメントから順に、コメントの候補を情報処理装置300に表示させることができる。したがって、本実施形態によれば、レセプト電算コードに付与されるべきコメントの入力を支援することができる。
次に、図14、図15を参照し、レセプト電算ファイル作成装置200が、情報処理装置300による、電子カルテを保存する操作や、電子カルテに基づく会計処理を確定する操作を受け付けた場合の情報処理装置300における表示について説明する。
図14は、警告とコメントの候補が表示された画面の例を説明する第一の図である。
本実施形態の情報処理装置300は、例えば医師等により診療行為が入力された電子カルテにおいて、検体検査オーダを確定する操作を受けると、診療行為と、検索要求と、この診療行為が行われた患者の患者情報と、医療機関の所在地を示す情報とをレセプト電算ファイル作成装置200へ送信する。
図14に示す画面150−1は、電子カルテの確定の操作を受け付けた際に情報処理装置300に表示される画面の例である。
コメント選択画面150−1には、コメント内容の候補の一覧146を含む。一覧146では、各コメント内容と、関連度と、偽陽性報告数と、確定報告数とが対応付けられている。
また、一覧146では、各コメント内容に、付与するコメントを選択するための選択欄147、偽陽性報告を行うための偽陽性報告入力欄148、確定報告を行うための確定報告入力欄149が対応付けられている。また、コメント選択画面150−1は、選択したコメント内容を各種検査オーダに反映させるためのボタン151と、コメントの選択をキャンセルするためのボタン152とが表示される。
本実施形態では、偽陽性報告入力欄148にチェックが入力されると、コメント辞書データベース220において、チェックが入力されたコメント内容を示すコメントコードと、診療行為を示すレセプト電算コードとの組に対応する偽陽性報告数に1が加算される。
また、確定報告入力欄149にチェックが入力されると、コメント辞書データベース220において、チェックが入力されたコメント内容を示すコメントコードと、診療行為を示すレセプト電算コードとの組に対応する確定報告数に1が加算される。
以上のように、本実施形態では、診療行為に対するコメントの検索要求を受け付けると、診療行為に対応するコメントの候補を、関連度が高い順に表示させることができる。
図15は、警告とコメントの候補が表示された画面の例を説明する第二の図である
図15に示す画面150−2は、会計処理の確定の操作を受け付けた際に情報処理装置300に表示される画面の例である。
コメント選択画面150−2には、メッセージ165と、コメント内容の候補の一覧146から会計処理を行う会計画面へ表示を切り替えるためのボタン152と、が表示される。
本実施形態では、例えば一覧146の選択欄147においてコメントが選択された後に、ボタン152が操作されると、選択されたコメントが会計処理において診療行為と対応付けられても良い。
以上のように、本実施形態では、会計処理の確定前に、入力された診療行為に対応するコメントが入力されているか否かを判定し、未入力である場合には警告とコメント内容の候補を表示させる。したがって、本実施形態では、診療行為に対するコメントの入力を支援できる。
尚、本実施形態では、情報処理装置300とレセプト電算ファイル作成装置200とが別々の装置であるものとして説明したが、これに限定されない。情報処理装置300とレセプト電算ファイル作成装置200とは、1台のコンピュータにより実現されても良い。
(第二の実施形態)
以下に、図面を参照して第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、集計処理部240が情報処理装置300に設けられている点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
図16は、第二の実施形態のレセプト電算ファイル作成システムの一例を示す図である。本実施形態のレセプト電算ファイル作成システム100Aは、レセプト電算ファイル作成装置200Aと、情報処理装置300Aとを有する。
本実施形態のレセプト電算ファイル作成装置200Aは、レセプト作成支援処理部230Aを有する。レセプト作成支援処理部230Aは、辞書作成処理部250と、コメント抽出処理部260とを有する。
本実施形態の情報処理装置300Aは、第一の実施形態の情報処理装置300の有する各部に加え、集計処理部240を有する。本実施形態の情報処理装置300Aは、レセプト作成処理部340は、レセプト電算ファイル350を作成し、集計処理部240へ渡す。
集計処理部240は、レセプト電算ファイル350を受け取ると、中間ファイルを作成し、この中間ファイルをレセプト電算ファイル作成装置200Aへ送信する。
レセプト電算ファイル作成装置200Aでは、レセプト作成支援処理部230Aにより、受信した中間ファイルからコメント辞書データベース220を作成する。
尚、図16では、レセプト電算ファイル作成システム100Aに含まれる情報処理装置300Aを1台としているが、これに限定されない。情報処理装置300Aは、任意の台数であって良い。
また、本実施形態のレセプト電算ファイル作成システム100Aにおいて、複数の情報処理装置300Aが存在する場合には、それぞれの情報処理装置300Aは、異なる医療機関に設置されたものであっても良い。
その場合、レセプト電算ファイル作成装置200Aは、異なる医療機関で作成されたレセプト電算ファイルに基づく複数の中間ファイルから、コメント辞書データベース220を作成することができる。よって、レセプト電算ファイル作成装置200Aは、コメント辞書データベース220における診療行為と、コメントとの対応付けの精度を向上させることができる。言い換えれば、レセプト電算ファイル作成装置200Aでは、コメント辞書データベース220において、診療行為に対応付けられたコメントが、診療行為に付与すべきコメントである確率を高めることができる。
開示の技術では、以下に記載する付記のような形態が考えられる。
(付記1)
診療行為を特定する診療行為情報と、コメント内容を特定するコメント特定情報とを対応付けたレセプト電算ファイルを記憶する記憶部を参照し、前記診療行為の種別毎に診療行為情報の総数と、コメントが対応づけられて記憶された診療行為情報の数を集計し、
前記診療行為情報の総数に対するコメントが対応づけられて記憶された診療行為情報の数が所定の割合を超える診療行為の種別を特定し、
特定した前記診療行為の種別が指定又は入力された場合に、コメントの入力を促す表示を行う、又は、コメントの入力を必須の入力事項に設定する、
処理をコンピュータに実行させるレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記2)
前集計する処理は、
前記レセプト電算ファイルから、所定の項目毎に、前記診療行為情報と、前記コメント特定情報と、前記診療行為情報と前記コメント特定情報の組合せの出現頻度を示す情報を集計した区分テーブルを作成し、
前記区分テーブル毎に、
前記出現頻度を示す情報として、
前記レセプト電算ファイルにおける前記診療行為情報と前記コメント特定情報の組合せの出現回数と、
前記区分テーブルにおける前記診療行為情報の出現回数に対する、前記区分テーブルにおける前記診療行為情報と、前記診療行為情報が示す診療行為が行われた回数と、前記コメント特定情報と、の組合せの出現回数の割合を示す合致率と、を前記診療行為情報と、前記コメント特定情報と、に対応付ける付記1記載のレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記3)
前記集計する処理は、
前記出現回数に応じた重みを算出し、前記診療行為情報と、前記コメント特定情報と、に対応付ける付記2記載のレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記4)
前記集計する処理は、
前記レセプト電算ファイルが、返戻に対する再提出用に作成された再提出用のレセプト電算ファイルであった場合に、
前記再提出用のレセプト電算ファイルに含まれる前記診療行為情報と、前記コメント特定情報と、に対応付けられる重みが大きくなるように、前記出現回数を調整する、付記3記載のレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記5)
前記特定する処理は、
前記診療行為情報と対応付けられた前記出現回数と前記合致率が、それぞれに対して設定された閾値以上となる診療行為の種別を特定する、付記2乃至4の何れか一項に記載のレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記6)
前記集計する処理は、
前記レセプト電算ファイルから、情報の項目として、患者を特定する患者識別子と、前記診療行為情報、前記コメント特定情報、前記患者の年齢、前記レセプト電算ファイルを作成した医療機関の所在地、診療行為を行った診療科、前記患者を含む中間ファイルを作成し、
前記中間ファイルが含む項目のうち、前記患者の年齢、前記医療機関の所在地、前記診療科、前記病名を前記所定の項目として、前記区分テーブルを生成する、付記1乃至5の何れか一項に記載のレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記7)
前記表示を行う処理は、
抽出された前記コメント特定情報と対応付けられた重みが大きい順に、前記コメント特定情報と対応するコメント内容を表示させる画面データを出力する、付記3乃至6の何れか一項に記載のレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記8)
前記特定する処理は、
前記診療行為情報が入力された電子カルテの保存指示又は前記診療行為情報が入力された会計処理の確定指示と共に、前記診療行為情報の入力を受ける、付記1乃至7の何れか一項に記載のレセプト電算ファイル作成プログラム。
(付記9)
診療行為を特定する診療行為情報と、コメント内容を特定するコメント特定情報とを対応付けたレセプト電算ファイルを記憶する記憶部を参照し、前記診療行為の種別毎に診療行為情報の総数と、コメントが対応づけられて記憶された診療行為情報の数を集計する集計部と、
前記診療行為情報の総数に対するコメントが対応づけられて記憶された診療行為情報の数が所定の割合を超える診療行為の種別を特定する特定部と、
特定した前記診療行為の種別が指定又は入力された場合に、コメントの入力を促す表示を行う、又は、コメントの入力を必須の入力事項に設定する出力部と、を有するレセプト電算ファイル作成装置。
(付記10)
コンピュータによるレセプト電算ファイル作成方法であって、該コンピュータが、
診療行為を特定する診療行為情報と、コメント内容を特定するコメント特定情報とを対応付けたレセプト電算ファイルを記憶する記憶部を参照し、前記診療行為の種別毎に診療行為情報の総数と、コメントが対応づけられて記憶された診療行為情報の数を集計し、
前記診療行為情報の総数に対するコメントが対応づけられて記憶された診療行為情報の数が所定の割合を超える診療行為の種別を特定し、
特定した前記診療行為の種別が指定又は入力された場合に、コメントの入力を促す表示を行う、又は、コメントの入力を必須の入力事項に設定する、
レセプト電算ファイル作成方法。
本発明は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。