JP2011048822A - 支払請求分析エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、支払請求を処理する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】支払請求(例えば、医療保険支払請求)を処理する方法およびシステムについて記載される。例えば、未払いの支払請求を支払う前に、その支払請求に記入される属性が正しい否かについて予測が行われる。予測の結果に従って、支払請求には監査のためにフラグを立てることができる。予測モデルの精度を高めるために、監査からのフィードバックを使用してこのモデルを更新することができる。
【選択図】図2

Description

この出願は、支払請求を処理する方法およびシステムに関する。
医療保険請求の支払者によって用いられる手続きは、手作業中心であり安易に実行されることで、誤り、不正および乱用が生じやすい。その結果、医療保険管理者は、支払請求の誤りを特定して防止することの難しさを感じている。現在、支払請求管理の費用の約30%は、後処理(back−end)業務およびサポート、特に、支払請求の「再処理(reworking)」に関連する作業に関連している。
換言すれば、費用の大部分は、支払請求を監査して支払いの誤りを特定すること、支払いが不足する場合に医療提供者および患者の訴えに対処すること、および医療提供者および患者に連絡を取って過払いを回収することに関連している。このようなコストは、最終的に顧客(医療提供者と患者との両方)によって負担され、支払請求処理の間違いは、顧客の不満を増大させることになる可能性もある。
本発明による実施形態は、例えば、医療産業で利用することができるが、医療産業以外で適用することもできる分析ツールに関連する。例として医療保険を用いると、この分析ツールを使用して、これに限定されないが、支払い問題(例えば、支払請求の過払いまたは支給不足)などの支払請求の再処理に関わる問題に対応する。重要なことには、この分析ツールは、問題のある確率の高い支払請求を特定し、このような支払請求を未然に調整することによって誤りのある支払請求を再処理するコストおよび労力を回避または低減することができるようにすることを意図する。
分析ツールは、一般に、予測、学習およびリアルタイムシステムのモデルを特徴とする。このツールを発展させるために、数多くの異なるソースから情報が収集されて便利なフォーマットに変換される。この情報は、様々なソースから収集される相対的に構造化されていないテキストおよび意味データと、標準化された支払請求様式から読み出される構造化(例えば、数値、統計)データとを含むことができる。この情報は、セグメンテーション、分類などの方法を用いて分析され、継続的に学習する能力を有する予測モデルを作成する。すなわち、このモデルは、新しい情報が収集され、さらに多くの支払請求が評価されるに従って改善を続けることができる。
実際に、例として、本発明の分析ツールを使用して、支払い間違いとなったことが分かっている支払請求を分析することができ、このような支払請求の属性を他の支払請求の属性と比較して同じく支払い間違いとなる可能性のある追加の支払請求を特定することができる。このような追加の支払請求を(自動または人の)監査ツールのために特定することができるので、支払いの前に支払請求のどんな誤りも訂正することができる。すなわち、支払いが実行された場合に、誤りを未然に訂正することができる。監査ツールからのフィードバックは分析ツールに組み込まれるようにして、今後の支払請求に適用するためにツールの精度を向上させる。
前もって再処理(訂正または調整)が必要となる可能性のある支払請求を自動的に検出することによって、顧客関係を向上させることができるとともに、管理の労力およびコストを低減することができる。
当業者であれば、本発明のこのようなおよび他の目的および利点は、様々な図面に示される以下の詳細な説明を読めば認識されるであろう。
この明細書に組み込まれその一部を形成する添付の図面は、本発明の実施形態を示しており、説明と合わせて本発明の原理を説明するのに役立つ。図面および説明の全体を通じて類似の数字は類似の要素を示している。
本発明の実施形態を実施することができるコンピュータシステムの例を示すブロック図である。 本発明による分析ツールによって実施することができる学習プロセスの実施形態を示す図である。 本発明による分析ツールによって実施することができる展開プロセスの実施形態を示す図である。 本発明によるコンピュータにより実施される分析ツールの実施形態を示すブロック図である。 本発明の実施形態による、コンピュータにより実施される支払請求処理方法のステップを示すフローチャートである。 本発明の実施形態による、コンピュータにより実施される支払請求処理方法のステップを示すフローチャートである。
本発明による実施形態についての以下の詳細説明では、これらの実施形態を完全に理解するために数多くの具体的詳細が述べられている。しかしながら、本発明がこれらの具体的詳細なしであるいはその等価なもので実践されてもよいことは、当業者であれば認識されるであろう。場合によっては、本発明の態様を不必要に不明瞭にしないように、周知の方法、手順、コンポーネントおよび回路については詳細に説明されていない。
以下の詳細説明の一部は、コンピュータメモリ内のデータビット上の動作の手順、論理ブロック、処理および他の記号表現の観点から提示される。これらの説明および表現は、他の当業者にその作業の実体を最も効果的に伝達するために、データ処理技術分野の当業者によって使用される手段である。本出願では、手順、論理ブロック、プロセスなどは、所望の結果につながるステップまたは命令の首尾一貫したシーケンスであると考えられる。これらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。通常、必ずしもそうとは限らないが、これらの量は、コンピュータシステム内で格納、転送、結合、比較、あるいは他の操作が可能な電気または磁気信号の形態をとる。
しかしながら、これらの用語および類似する用語は、すべて適切な物理量に関連するものであり、これらの量に付けられる単に便宜上のラベルであることを念頭に置くべきである。以下の説明から明らかなように特に明記されない限り、当然のことながら、本出願全体を通して、「アクセスする(accessing)」、「組み合わせる(combining)」、「組み込む(incorporating)」、「特定する(identifying)」、「抽出する(extracting)」、「予測する(predicting)」、「導く(deriving)」、「フラグを立てる(flagging)」、「評価する(evaluating)」、「更新する(updating)」、「比較する(comparing)」、「適用する(applying)」、「数値化する(quantifying)」、「関連付ける(associating)」、「選択する(selecting)」などの用語を使用する説明は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電気)量として表されるデータを操作して、コンピュータシステムメモリまたはレジスタあるいは他のこのような情報記憶、送信または表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステムまたは類似の電子計算装置の動作およびプロセスを示してもよい。
本明細書に記載される実施形態は、1つ以上のコンピュータまたは他の装置によって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ使用可能媒体の何らかの形態上に存在するコンピュータ実行可能命令との一般的な関連で説明されてもよい。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実施するあるいは特定の抽象データ型を実施するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。様々な実施形態で要求されるように、プログラムモジュールの機能は組み合わされてもあるいは分配されてもよい。
図1は、本明細書に記載される実施形態が実施されてもよいコンピュータシステム100の例のブロック図を示す。その最も基本的な構成では、システム100は、少なくとも1つの処理ユニット102およびメモリ104を含む。この最も基本的な構成は、図1で破線106によって示される。システム100は、追加の特徴/機能をさらに有してもよい。例えば、システム100は、これに限定されないが磁気ディスクまたは光ディスクまたはテープを含む追加の記憶装置(着脱式および/または固定式)をさらに含んでもよい。このような追加の記憶装置は、図1で着脱式記憶装置108および固定式記憶装置120によって示される。システム100は、この装置が他の装置と通信することができる通信接続(単数または複数)122をさらに含んでもよい。
一般的に言って、システム100は、少なくともコンピュータ使用可能媒体の何らかの形態を含む。コンピュータ使用可能媒体は、システム100によってアクセスすることができる任意の使用可能媒体とすることができる。限定ではなく例として、コンピュータ使用可能媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含んでもよい。
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を格納するための任意の方法または技術で実施される揮発性および不揮発性で、着脱式および固定式媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM:electrically erasable programmable ROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD−ROM:compact disk ROM)、デジタル多用途ディスク(DVDs:digital versatile disks)または他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、あるいは所望の情報を格納するために使用することができシステム100によってアクセスすることができる他の何らかの媒体を含むが、これらに限定されない。このようなコンピュータ記憶媒体はいずれもシステム100の一部であってもよい。メモリ104、着脱式記憶装置108および固定式記憶装置120は、すべてコンピュータ記憶媒体の例である。
通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータを搬送波などの変調されたデータ信号または他の輸送機構などに具体化することが可能であり、任意の情報配信媒体を含む。「変調されたデータ信号」という用語は、情報をその信号の中に符号化する形でその特性の1つ以上が設定または変更される信号を意味する。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続などの有線媒体、ならびに音響、高周波(RF:radio frequency)、赤外線などの無線媒体および他の無線媒体を含む。前述のどのような組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めることができる。通信接続(単数または複数)122は、通信媒体の例である。
システム100は、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置などの入力装置(単数または複数)124をさらに有してもよい。ディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力装置(単数または複数)126がさらに含まれてもよい。
システム100は、1つ以上のリモートコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化された環境で動作してもよい。ネットワーク化された環境で使用される場合、システム100は、通信接続(単数または複数)122を介してネットワークに接続することができる。
図1の例では、メモリ104は、分析エンジン150に関連するコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールなどを含む。しかしそうしないで、分析エンジン150は、システム100によって使用されるコンピュータ記憶媒体のいずれか1つに存在しても、あるいはコンピュータ記憶媒体の何らかの組み合わせにわたって分配されても、あるいはネットワークコンピュータの何らかの組み合わせにわたって分配されてもよい。
分析エンジン150は、一般に、予測、学習およびリアルタイムシステムのモデルを特徴とする。概して、分析エンジン(または分析ツール)150は、例えば、これらに限定されないが、健康保険支払請求の支払者、病院および医師グループを含む医療産業で使用することができる。しかしながら、本発明による実施形態は、医療分野への適用に限定されない。一般的に言って、本発明の実施形態は、支払請求、および他の種類の記録、ファイルおよび(支払請求様式以外の)様式を定期的に使用するビジネス、産業などで使用することができる。医療保険の他に、本発明による実施形態は、例えば、労働者の補償、損害保険および傷害保険に使用される支払請求、記録、ファイルなどを評価するために使用することができる。
例えば、支払請求を処理する場合、分析エンジン150を使用して問題のある確率の高い支払請求を特定し、このような支払請求を未然に調整することによって誤りのある支払請求を再処理するコストおよび労力を回避あるいは少なくとも低減することができる。実際には、分析エンジン150を使用して、誤りを含むことが分かっている、あるいは間違いを起こしたことが分かっている支払請求を分析することができ、このような支払請求の属性を他の支払請求の属性と比較して、同様な誤りと関連する可能性のある他のどのような支払請求も特定することができる。例として、支払い間違いを起こしたことが分かっている支払請求を分析エンジン150を使用して分析することができ、このような支払請求の属性を同様な支払い間違いを起こす可能性のある他のあらゆる支払請求を特定するための基準として使用することができる。問題のある可能性があると見なされる支払請求は、(自動または人の)監査ツールに提出することができるので、その支払請求の処理が完了する前(例えば、支払いの前)にどのような誤りも訂正することができる。その支払請求が決済または終了された(例えば、支払いが実行された)場合には、誤りを未然に訂正することができる。監査ツールからのフィードバックは分析ツール150に組み込まれるようにして、他の支払請求に今後適用するためにツールの精度を向上させる。
分析エンジン150に関連する要素および機能が以下に詳細に提示される。分析エンジン150は、学習プロセス(図2参照)および/または展開プロセス(図3参照)で使用することができる。
図2は、本発明による分析エンジン150を使用して実施することができる学習プロセス200の実施形態を示す。プロセス200は、コンピュータ使用可能媒体に格納されるコンピュータ可読命令として実施することができる。
図2では、実施形態としての分析エンジン150は、支払請求データベース202にアクセスする。支払請求データベース202は、支払済みおよび/または未払いの支払請求、監査された支払請求、まだ監査されていない支払請求、終了/決済された支払請求、ならびに保留中の支払請求を含むことができる。学習プロセスでは、監査を受けた支払請求について検討することが重要となり得る。その理由はこのような支払請求から学んだ教訓を以下で説明される予測モデル214に組み込むことができるためである。
医療保険の実施では、支払請求は、一般に、医療保険財政庁(HCFA:Health Care Financing Administration)様式1500または統一請求書(UB:Uniform Billing)様式92に基づくフォーマットなどの標準化されたコンピュータ使用可能(コンピュータ可読)フォーマットで格納される。支払請求書データベース202の中の情報は、本明細書では「第1の履歴情報」と称される場合がある。
分析エンジン150は、構造化されていないテキストデータ204および外部データ206などの情報にアクセスすることもできる。一般的に言って、構造化されていないテキストデータ204および外部データ206は、支払請求データベース202に含まれない情報を含有している。以下の説明から分かるように、学習プロセス200の目的は、支払請求が正確な情報を含むか否かを予測するのに使用可能なモデルを作り上げることであり、一般に、分析エンジン150の目的は、問題のある可能性のある支払請求を特定して、このような支払請求を支払いの前に捕らえることである(前述のように、このツールを使用して問題のある可能性のある支払請求を支払い後に特定することもできる)。予測は、正しいことが分かっている情報および/または正しくないことが分かっている情報と支払請求の情報とを関連付けることによって実施され、誤りの予測因子または指標としてのその情報の価値に基づいて興味深いと見なされる、他の種類の情報によって重み付けすることができる。一般に、構造化されていないテキストデータ204および外部データ206は、このような「他の種類の情報」を構成し、したがってこれらは幅広い様々な種類の情報を含む。
構造化されていないテキストデータ204および外部データ206は、例えば、論争情報、医療提供者通話情報、回収情報、および監査結果情報に基づくことができる。構造化されていないテキストデータ204は、医師の診断書、監査ツールの記録、顧客サービス通話からの記録などの情報をさらに含んでもよいが、これらに限定されない。外部データ206は、一般に、支払請求に含まれず構造化されていないテキストデータ204にまだ含まれていない他の情報を含む。外部データ206は、インターネット上の情報または最新の他のソースからの情報などの情報を含んでもよいが、これらに限定されない。例えば、国または世界の特定地域でインフルエンザの大流行が発生しているという情報が外部データに含まれてもよい。外部データ206は、自由に利用可能なあるいは市販されている様々な公共または私的データベースからの情報をさらに含んでもよい。
構造化されていないテキストデータ204および外部データ206に含まれる情報の種類およびその情報自体は動的であってもよい。例えば、前述のインフルエンザの大流行についての情報は、一時的に意味があると見なされても次第に意味がなくなってくることもあり、その結果、軽く重み付けされたり破棄されたりすることもある。構造化されていないテキストデータ204および外部データ206、ならびに支払請求データベース202に含まれないか支払請求データベースの情報から導かれない他の何らかの情報は、本明細書ではまとめて「第2の履歴情報」と称される場合がある。
データソース、すなわち、支払請求データベース202、構造化されていないテキストデータ204および外部データ206の情報は、問題となる支払請求を特定する際に役立つと見込まれる特徴(feature)を特定するための基準として使用される。一般的に言って、「特徴」とは、名前付きパラメータまたは変数であり、特徴の値は、支払請求1件毎に前述のデータソースから得られるか導かれる(ただし、特徴は、支払請求のグループについて同じ値を有してもよい)。
特徴は、データソースに含まれる登録(entry)の種類に基づいてもよい。例えば、患者の年齢、医師の氏名、連絡先番号、保険コード、金額および住所は、データソースから直接読み取ることができる。特徴は、さらにデータソースに含まれる情報の種類から導かれてもよい。例えば、医療処置が実施された時から支払請求が提出される時までの日数、支払請求の受付からデータ処理までの日数、支払請求で最も高い請求金額であった処置コード、特定の処置に支払われた金額から過去6ヶ月間にその処置に支払われた平均金額を引いて同じ6ヶ月間にその処置に支払われた金額の標準偏差で割った値、あるいはある期間にわたって医師のグループまたは特定の地理的地域に関して平均された特定の種類の医薬品のコストなどは、データソースに含まれる情報を使用して決定することができる有用な特徴と見なすこともできる。
変換データ208は、選択された特徴の値を含む。変換データ208は、支払請求自体(支払済みおよび未払い、監査後および未監査、決済後および保留中のもの)、前述のデータソースから解析される実際のデータ、および実際のデータを操作、変換またはマイニングすることによって決定される派生データを含んでもよい。
変換データ208を生成するために、様々な分析技術を個別におよび一緒に使用することができる。このような技術は機械学習法を含むが、それに限定されない。
機械学習法は、テキストマイニング、データマイニング、ニューラルネットワークおよび自然言語処理を含む。機械学習法の例としては、線形知覚、サポートベクタマシン、デシジョンツリーおよびナイーブベイズ(Naive Bayes)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの技術はそれぞれ、構造化されていないデータをより高速に評価し、そのデータの関心のあるセグメンテーション、グルーピングおよびパターンを特定して描写し、大きなデータセットを人がより理解および解釈しやすくするために使用することができる。機械学習法は、線形および非線形回帰法のような先進統計法、およびデシジョンツリー、セグメンテーション、分類およびニューラルネットワークのような非統計法に基づくことができる。機械学習法を使用して、構造化されていないデータ204および外部データ206を検索して、例えば、規定のテキストストリングと合致あるいは充分に合致するデータを見つけ出すことができる。
本質的に、ここまで説明してきたプロセス200の一部は、ETL(抽出、変換、ロード:extract、transform、load)プロセスの態様を構成する。したがって、様々な異なるソースからの様々な異なるフォーマットの異種データは、便利で比較的標準化されたフォーマットに変換することができる。
図2の例では、変換データ208が、学習データ210と検証データ212とに分けられる。学習データ210は、モデル214を作成するのに使用することができる。モデル214は、本質的に、支払請求が誤りを含む確率、場合によって関連するその信頼度を計算するために機械学習法を実施して変換データ208を評価する、認定または回帰モデルである。モデル214は、作成されると検証データ212を使用して検証することができる。
さらに具体的には、学習データ210を使用して、変換データ208に含まれる特徴と特定の支払請求が正しいか正しくないかの可能性との間の相関を作成する。本発明による実施形態を使用して、支払い/還付に関連する誤りだけでなく様々な種類の誤りを検出することができる。例えば、支払請求の属性の1つ以上における誤りを特定することができる。例えば、支払請求に記入される連絡先番号、処置コードなど、さらに支払請求に含まれるすべての金額についての誤りを検出して特定することもできる。
しかしながら、支払請求の特定の特性だけに関心がある場合もある。例えば、必要となる目標が医療提供者または患者へのお金の正確な還付である場合には、支払請求に含まれる金額が正しくない場合、または適切な還付に影響する他の何らかの支払請求の属性が正しくない場合、または還付に誤りがある可能性についての正確な予測因子である何らかの支払請求の属性が、特定の値を有するかそれ自体が誤りである場合のみ、その支払請求を正しくないと分類することもできる。したがって、1つの実施では、特定の種類の誤り(例えば、支払い/還付の誤り)に着目するために、特定される様々な種類の誤りをフィルタにかけることができる。
学習データ210に含まれる各特徴は、1つ以上のモデル214が生成されるまで、前述の様々な分析法を使用して適切に検討しかつ評価することができる。実際には、多くの異なるモデルが生成される。モデル214は、特定の特徴に関連する値、または特徴の特定の組み合わせに関連する値を使用して、特定の支払請求に問題がある(例えば、支払請求が誤りを含むか、誤りとなる情報を含む可能性がある)確率を計算する。モデル214を使用して、計算された確率に関連する信頼度も計算することができる。モデル214を使用して、学習データ210を充分に予測することができると、すなわち、問題のある支払請求を満足できる信頼度まで特定できると、検証データ212を使用して、そのモデルの精度を個別にテストまたは検証することができる。モデルの作成は、検証データ212が満足のいくように予測されるまで進む、学習と検証との間で相互に作用するプロセスである。
ここで図3を参照すると、本発明による分析エンジン150を使用して実施することができる展開プロセス300の実施形態が示される。プロセス300は、コンピュータ使用可能媒体に格納されるコンピュータ可読命令として実施することができる。
図3では、実施形態としての分析エンジン150は、支払請求データベース302にアクセスする。支払請求データベース302の内容の種類は、支払請求データベース202(図2)のものと同様であるが、展開プロセス300の支払請求は、学習プロセス200に使用されるものと異なるかあるいはこれに追加される。
医療保険支払請求の支払者の例では、支払請求データベース302は、支払われた支払請求、およびまだ支払われていない支払請求を含むことができる。一般に、支払請求データベース302は、処理/終了された支払請求、およびまだ処理されていないか処理中の支払請求を含むことができる。さらに一般的には、分析エンジン150を使用して、どのような具体化された(instantiated)支払請求も評価することができる。
分析エンジン150は、図3の構造化されていないテキストデータ304および外部データ306などの情報にアクセスすることもできる。構造化されていないテキストデータ304および外部データ306は、一般に、内容の種類に関して図2とともに前述された各要素と同様であるが、展開プロセス300で使用される構造化されていないテキストデータ304および外部データ306は、学習プロセス200で使用される情報と異なっていてもこれに追加されてもよい。
図3のデータソース302、304および306からのデータは、図2の学習プロセス200の間に特定された特徴に基づいて変換データ308に変換される。換言すれば、変換データ308は、支払請求自体、図3のデータソースから解析された実際のデータ、およびその実際のデータを操作、変換またはマイニングすることによって決定された派生データを含んでもよい。したがって、一般的に言って、相対的に大きくて(内容とソースとの両方の観点で)多様なデータセットが収容され、かつ管理される。
引き続き図3を参照すると、支払請求データベース302から選択される各支払請求について、モデル214が対応する変換データ308に適用され、その支払請求が正しくない(あるいは逆に正しい)確率を計算する。本質的に、評価後の各支払請求は採点される。単一のスコアがまとめてその支払請求に割り当てられてもよく、あるいはその支払請求に関連する複数のスコアが存在してもよい。後者の場合には、例えば、支払請求の1つ以上の属性が別々に採点されてもよい。一実施形態では、支払請求のスコアは、規定のしきい値などの条件値と比較することができる。そのスコアが条件値を満足する(例えば、しきい値を超える)場合には、その支払請求は監査ツール312に送られてさらに評価される(例えば、監査される)ことができる。監査は、予め決められた監査ルールに従って自動的な方法で(例えば、ソフトウェアで)実施することができる。あるいは、人の監査ツールが監査を実施することができる。
本明細書で前述されたように、多くの異なる種類のモデル214が存在することができる。例えば、モデル214は、ニューラルネットワーク、回帰ロジック(例えば、線形回帰、ロジスティック回帰、多項回帰および/またはカーネル回帰に基づく)、およびデシジョンツリーに基づいてもよい。モデル214のうちの1つ以上を使用して支払請求を評価することもできる。モデル自体は、様々な支払請求の属性を重み付けして結果を計算してもよく、各モデルからの結果をさらに重み付けすることもできる。
監査では、問題のある可能性のある支払請求を再調査してその支払請求が実際に間違っているかどうかについて判断を下すことができる。監査ツール312からのフィードバックは、これらのモデルの精度を高めるためにモデル214に組み込むことができる。例えば、支払請求が実際に間違っている場合には、監査ツールのフィードバックを使用してモデル214の精度を高めることができる。支払請求が(誤りがあると予測されたにもかかわらず)実際には間違っていない場合には、監査ツールのフィードバックを使用して今後の支払請求の評価中に間違った予測が発生する可能性が低くなるようにモデル214を改善することができる。図3に示されるように、監査ツール312からのフィードバックを使用して学習プロセス200を繰り返すことで、現行のモデル214を改善したり(更新したり)、あるいは新しい追加のモデルを作成したり(生成したり)することができる。一般的に言って、分析エンジン150は更新し続けることができる。展開プロセス300から新しい結果が生成されると、学習プロセス200を繰り返してモデル214を更新することができる。このようにして、監査プロセスは、正しい決定を強化するとともに正しくない決定を特定することによって、分析エンジン150の学習に役立つ。
分析エンジン150は、一時的な変更のために更新することもできる。例えば、支払い者の作業または手続きが何らかの理由で変更されることもある。例えば、契約の条件が変更されることもあり、これに伴い分析エンジン150を更新することができる。さらに、展開プロセス300を通して経験を得ると、関心のある新しい支払請求の属性または特徴を特定してモデル214に追加してもよく、新しいモデルを作成することもできる。
一実施形態では、関心のある支払請求のスコアを発生させるほかに、分析エンジン150は、支払請求に付随しかつその支払請求に固有のコメントまたは説明も生成する。コメントは、以下に記載される形態のような様々な形態をとってもよい。
一実施例では、人の監査ツールには、オンライン(電子、表示)版の支払請求様式が提示され、支払請求の問題となる可能性のある項目が何らかの方法でハイライトされる。例えば、支払請求で誤りとなる可能性のある部分は、支払請求の他の項目に対して異なる色で示されたり、異なる背景色を有したりすることができる。色合いは、誤りとなる可能性の程度を反映して変化させることができる。例えば、正しくない可能性がより高い項目は、正しくない可能性がより低い項目に対して、より暗いまたは明るい色を使用して表示することができる。例えば、分析エンジン150が、支払請求の金額に誤りがある可能性を示す場合には、その金額をハイライトするだけでなく、その誤りを特定する原因となった支払請求の属性(単数または複数)を、様々な度合いにハイライトすることもできる。
別の実施例では、監査ツールには、支払請求または支払請求の属性が正しくない可能性のある理由についての、テキストベースの説明が与えられる。分析エンジン150によって評価される支払請求の数が増えるに従って、再発する問題/誤りを特定し、かつもれなく説明することができる。換言すれば、一実施例では、一連の標準コメントが生成される。これらの標準コメントは、適切なテキストベースの説明と関連することになる各数値コードまたはキーに、それぞれ関連してもよい。これらの標準コメントは、支払請求に問題のある可能性もしくはその中に誤りのある可能性についての、分かりやすい説明を提供する。誤りが特定されると、一連の標準コメントが自動的に再検討されて、もしあればどのコメントがおそらく最も適切かを判断し、選択されたコメントを、問題のある可能性がある支払請求とともに監査ツールに提供することができる。支払請求を監査する間に、監査ツールは、選択されたコメントの妥当性についても監査し、その点について分析エンジン150にフィードバックすることができる。コメントについてのフィードバックを使用して、分析エンジン150のコメントを選択する部分を改善することができるので、その後の支払請求評価では、適切なコメントが一層正確に選択されるようになる。
監査ツールに提供される追加の情報は、支払請求の1つ以上の属性をハイライトする説明に必ずしも限定されない。説明は、このような属性から導かれる情報(例えば、単数または複数の特徴)にも関連することができる。支払請求を大まかに特徴付けるために、一般に、説明は支払請求にも関連することができる。例えば、説明は、支払請求を過少支払いまたは過払いと名付けてもよい。
したがって、一般的に言って、監査ツールには、支払請求にフラグが立てられた理由(単数または複数)、および支払請求のどんな態様(単数または複数)がおそらく監査の焦点となるはずかを特定するのに役立つ情報を提示することができる。このような情報は、支払請求に関する情報、支払請求の属性に関する情報、または支払請求の属性から導かれる特徴に関する情報とすることができる。
一実施形態では、問題のある可能性のある支払請求を監査ツールにすべて提供するのではなく、特定の支払請求のみが送られる。さらに具体的にいうと、より重要または最も重要と見なされる支払請求のみが、監査ツールに提供されてもよい。どの支払請求が最も重要かを特定するために、異なる基準を適用することができる。一実施例では、分析エンジン150を最も改善することになる支払請求が、最も重要な支払請求であると見なされる。例えば、予測精度を最も大きく改善することになる支払請求が、最も重要であると見なされる。最も重要な支払請求は、例えば、数多くの同様なもしくは類似の支払請求を代表する支払請求、または誤りのある確率が前述のしきい値に非常に近いために分析エンジンを混乱させる可能性がある支払請求とすることができる。問題があると正しく特定される場合に直接的または間接的に大幅なコスト削減となり得る支払請求についても、重要と見なされてよい。例えば、サービスセンタへ電話することになる可能性の高い誤りのある支払請求を、支払いが郵送される前に止めて訂正すれば、大幅なコスト削減となり得る。このような支払請求の数を減らすことによって、場合によってはコールセンタのサイズを縮小してコストを削減することができる。
一実施形態では、最も重要な問題のある支払請求を特定するために、このような支払請求が正しく予測されたとして、分析エンジン150の精度改善の尺度が数値化される。例えば、そのような特定された問題のある可能性のある支払請求について、問題の支払請求が正しい/正しくないと適切に特徴付けられたという仮定に基づいたシミュレーションを用いて、バックグラウンドで(例えば、展開プロセス300と平行して学習プロセス200を実行することによって)、分析エンジン150の効果をシミュレートすることができる。システムの精度に最も大きく影響を及ぼす支払請求が、監査ツールに送られる。例えば、前述のように、改善の尺度は支払請求毎に計算することができる。この実施例では、その尺度がしきい値よりも大きい支払請求のみが、監査ツールに送られる。
別の実施形態では、適切に予測される支払請求、すなわち、正しいあるいはおそらく関心が大きいと適切に予測される支払請求、問題があると適切に予測される支払請求が特定されると、監査ツールは、その支払請求と類似する追加の支払請求を要求することができる。類似の支払請求は、少なくともある程度その適切に予測される支払請求と一致する属性を含んでもよい。例えば、適切に予測される問題のある支払請求の特定の属性または特徴が、誤りの原因であると特定される場合には、監査ツールは、その属性または特徴について同じ値を有する他の支払請求を要求することができる。あるいは、監査ツールは、例えば、処理される支払請求と同じスコアもしくは同じようなスコアを取った他の支払請求を要求することができる。本明細書でこれまで述べたように、支払請求の属性は別々に採点することができるので、監査ツールは、処理される支払請求の属性(単数または複数)と同じスコアまたは同じようなスコアを取った属性(単数または複数)を有する他の支払請求を要求することができる。さらに、本明細書でこれまで述べたように、追加の情報(例えば、場合によってテキストベースのまたは数値コードによって特定される、標準コメント)を、処理される支払請求と関連付けることができる。したがって、監査ツールは、処理される支払請求に関連するものと同じ追加の情報または同じような追加の情報と関連する、他の支払請求を要求することができる。一般に、監査ツールは、関心のある任意の支払請求の1つ以上の属性、および/または処理される支払請求と関連する結果を使用して、検索基準を定義することができ、当該検索基準は、監査ツールにとって関心がありそうな他の支払請求を特定しかつ選択するのに使用することができる。さらにもっと一般的には、関心のあるあらゆる支払請求に関連するあらゆる情報を使用して、支払請求データベース202または302から、別の支払請求を検索、特定および選択することができる。
図4は、本発明による分析エンジン150の実施形態の要素を示すブロック図である。一実施形態では、分析エンジン150は、コンピュータ使用可能媒体上に存在するコンピュータ可読コンポーネントとして実施される。
図4の例では、分析エンジン150は、データ抽出モジュール404、および1つ以上の予測モデル214を含む。データ抽出モジュール404は、変換データ308にアクセスして、評価される各支払請求に関連する情報を抽出することができる。
評価のために選択される支払請求は、支払済みあるいは未払い、監査後あるいは未監査、保留中あるいは決済後であってもよい。一般に、支払請求の状態に関係なく支払請求のあらゆる事例を評価することができる。評価するために様々な方法で支払請求を選択することができる。一実施例では、すべての支払請求を評価する。他の実施例では、選択される支払請求のみを評価する。後者の実施例では、支払請求をランダムに選択することができ、あるいはクエリ(query)、ルールまたは他の特定の選択(検索)基準に応じて選択することができる。例えば、支払請求が問題がある可能性があると特定されると、あるいはこの支払請求が監査されて問題があると確認されると、同様に問題がありそうな他の支払請求を特定するために、その支払請求に基づくパラメータを定義して変換データ308(または支払請求データベース302)の検索を実行することができる。処理を行う支払請求を選択する他の機構の例は、前述されている。このような検索の結果として選択された支払請求は、モデル214を飛び越えて直接監査段階(例えば、監査ツール312)に進んでもよい。
前述のように、モデル214を使用して、支払請求が正しいか正しくないかを予測することができる。例えば、モデル214は、各支払請求に記入される金額値が正しいかどうかを予測することができる。さらに、本明細書でこれまで説明されたように、モデル214は、支払請求が正しくないと予測される場合に監査のために支払請求にフラグを立て、各支払請求に関連するコメントを生成し、監査ツールにとって特に関心のありそうな支払請求の態様をハイライトすることができる。
一実施形態では、本明細書でこれまで説明されたように、分析エンジン150は、データソース202、204および206にアクセスして変換データ208を生成するために学習プロセス200で使用することができるとともに、データソース302、304および306にアクセスして変換データ308を生成するために展開プロセス300で使用することができる、データ変換モジュール402をさらに含む。データ変換モジュール402は、例えば、機械学習法を使用することができる。
本明細書でこれまで説明されたように、監査は人によって実施されてもよい。しかしながら、一実施形態では、分析エンジン150は、予め決められた監査ルールを使用してフラグの立てられた支払請求を自動的に監査することができる監査ツール312も含む。このような一実施形態では、本明細書でこれまで説明されたように、監査ツール312を使用して、他の支払請求よりも重要になるかもしれないフラグ付き支払請求を特定する。すなわち、監査ツール312は、事実上、選択される支払請求のみが人の監査ツールに送られるように、フラグ付き支払請求をフィルタにかけることができる。監査ツール312からのあるいは一般に監査プロセスからの結果を使用して、評価のために他の支払請求を特定することができる。本明細書でこれまで説明したように、監査ツール312からのあるいは一般に監査プロセスからの結果も、学習プロセス200にフィードバックされ、モデル214を更新する。
分析エンジン150は、先ほど説明した機能に加えて他の機能も提供することができる。例えば、分析エンジン150には、回収または調整される必要がある未払いの支払請求あるいは支払済みの支払請求の状態を追跡することができる機能を組み込むことができる。例えば、分析エンジン150は、誤りのある支払請求が特定されると患者および医療提供者に自動的に連絡することができる機能を組み込むことができる。換言すれば、分析エンジンは、標準化された定型レターを生成し、場合によっては送付することができる。さらに、例えば、分析エンジン150は、経営財務報告機能を提供することができる。
さらに、誤りの種類および頻度に関する情報は、根本原因の分析を実施するかあるいは新しい傾向を見つけるためにこの情報を後で使用できるように、分析エンジン150によって記録することができる。
図5および図6は、コンピュータにより実施される支払請求処理方法を示すフローチャートである。フローチャートには具体的なステップが開示されているが、当該ステップは例示に過ぎない。すなわち、様々な他のステップ、あるいはフローチャートに列挙されるステップの変形を実施することができる。フローチャート中のステップは、示されているものと異なる順序で実施されてもよい。さらに、フローチャートによって説明される様々な実施形態の特徴は、単独で使用することも、互いに組み合わせて使用することもできる。一実施形態では、フローチャートは、コンピュータ使用可能媒体に格納されるコンピュータ可読命令として実施される。
まず図5を参照すると、ブロック502では、一連の支払請求に関連する第1の履歴情報がアクセスされる。第1の履歴情報は、支払請求の属性および支払請求の属性から導かれる情報を含む。具体的には、学習プロセスの間に、第1の履歴情報は、図2の支払請求データベース202の中の情報を含む。
ブロック504では、第2の履歴情報がアクセスされる。第2の履歴情報は、前述の第1の履歴情報のほかに情報を含む。具体的には、学習プロセスの間に、第2の履歴情報は、図2の構造化されていないテキストデータ204および外部データ206を含む。
ブロック506では、前述のような学習プロセス200(図2)を使用して、第1および第2の履歴情報を組み合わせて、支払請求が正しいかどうかを予測するのに役立つモデル214を作成することができる。
ブロック508では、支払請求の監査からのフィードバックがモデル214に組み込まれる。
ここで図6を参照すると、ブロック602では、支払請求の属性がアクセスされる。
ブロック604では、モデル214(図3)を使用して支払請求の属性が評価され、その支払請求に誤りがある確率を決定する。例えば、評価される支払請求に対してスコアが計算される。
ブロック606では、確率(スコア)がしきい値を満足する場合には、支払請求に実際に誤りがあるかどうかを判断するためのさらなる評価(例えば、監査)をするために、その支払請求にフラグが立てられる。
ブロック608では、一実施形態では、支払請求が監査のためにフラグが立てられる場合に、監査を容易にするために、追加の情報(例えば、コメントまたは説明)がその支払請求に関連付けられる。追加の情報は、一般的に言って、監査を招いたと考えられる支払請求の属性(単数または複数)を何らかの方法でハイライトするために使用される。追加の情報は、例えば、テキストベースのコメントまたはテキスト以外の視覚的指示であってもよい(例えば、属性をハイライトするために異なる色または明るさが使用されてもよい)。
ブロック610では、一実施形態では、監査のために支払請求にフラグが立てられる場合に、監査の実施よりも前に、モデル214を改善する尺度が決定される。監査は、その尺度がしきい値を満足する場合に初めて実施されてもよい。換言すれば、重要な支払請求を特定するために労力を費やすことができるが、あらゆる方法で重要度を定義してもよく、より重要な支払請求のみを監査してもよい。
まとめると、本発明による実施形態は、支払請求データと、ウェブベースのソースおよびデータベースを含む様々なソースからの構造化されていないテキストデータ/意味データを含む他のデータセットとのシームレスな統合を可能にする、自動化システム/自動化ツールを提供する。この情報を使用して、支払請求の自動分析が実施されて、支払請求が決済される前に問題を特定したり、あるいは支払請求の決済後に特定された誤りを調整したりすることができる。さらに、このシステム/ツールは、支払請求の分析結果から継続的に学習することができる。長期的に見ると、再処理の必要が少なくなってコストが削減される。さらに、精度が向上して顧客(患者および医療提供者)の満足度が高まる。誤りには、故意でない場合と、故意(例えば、不正)の場合があり得るが、誤りを正確に特定する能力を系統的に向上させることによって、不正な支払請求をより簡単に特定することができる。
医療産業の保険支払請求との関連で説明をしてきたが、本発明による実施形態は、それに限定されない。例えば、本発明の態様は、他の産業の保険支払請求に適用することができる。さらに、本発明の態様は、様々な種類の産業で定期的に使用され得る記録、ファイルおよび他の種類の(支払請求様式以外の)様式にも適用することができる。
本発明による特定の実施形態についての上記の説明は、例示および説明を目的として提示された。これらは網羅的であること、あるいは本発明を開示された厳密な形態に限定することを意図したものではなく、上記教示を踏まえて多くの変更態様および変形態様が可能である。実施形態は、当業者が意図する特定の用途に適するように様々な変更態様で本発明および様々な実施形態を最も良く利用することができるように、本発明の原理および本発明の実際の応用を最も良く説明するために選択され説明された。本発明の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲およびその等価物によって定義されることを意図する。

Claims (15)

  1. 支払請求を処理するコンピュータ可読コンポーネントを有するコンピュータ使用可能媒体であって、前記コンポーネントが、
    支払請求データベースにアクセスし、前記支払請求データベースに関連する情報であって前記支払請求の属性を含む情報を抽出するように動作するデータ抽出モジュールと、
    前記支払請求データベースから選択される支払請求を評価するのに役立つ複数の予測モデルであって、支払請求の属性が正しいかどうかを予測し、前記支払請求に関連する属性が正しくないと予測される場合に監査のために前記支払請求にフラグが立てられるように動作し、以前に評価された支払請求の監査からのフィードバックに基づいて更新される、予測モデルと、
    を含むコンピュータ使用可能媒体。
  2. 前記予測モデルが、前記支払請求の前記属性を使用して、さらに前記属性から導かれるデータも使用して前記支払請求を評価する、請求項1に記載のコンピュータ使用可能媒体。
  3. 前記予測モデルが、前記支払請求のスコアを決定し、前記スコアがしきい値を満足する場合に、前記監査のために前記支払請求にフラグが立てられる、請求項1に記載のコンピュータ使用可能媒体。
  4. 前記監査のために前記支払請求にフラグが立てられる場合に、前記予測モデルを改善する尺度が前記監査を実施する前に決定され、前記尺度がしきい値を満足する場合に前期支払請求の前記監査が実施される、請求項1に記載のコンピュータ使用可能媒体。
  5. 前記支払請求に関連する情報を使用して、前記支払請求データベースから別の支払請求を選択する、請求項1に記載のコンピュータ使用可能媒体。
  6. コンピュータで実施される支払請求を処理する方法であって、
    複数の支払請求の第1の履歴情報であって、前記支払請求の属性および前記属性から導かれる情報を含む第1の履歴情報にアクセスするステップと、
    前記複数の支払請求の属性ではない情報あるいは前記複数の支払請求から導かれない情報を含む第2の履歴情報にアクセスするステップと、
    支払請求に関連する属性が正しいかどうかを予測するのに役立つモデルを作成するために、前記第1の履歴情報と前記第2の履歴情報とを組み合わせるステップと、
    前記支払請求の監査からのフィードバックを前記モデルに組み込むステップと、
    を含む方法。
  7. 前記第2の履歴情報が、構造化されていないテキストベースデータと、前記支払請求に含まれない情報を含む外部データとを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 前記予測することが、
    前記支払請求のスコアを決定するステップと、
    前記スコアがしきい値を満足する場合に、前記監査のために前記支払請求にフラグを立てるステップと、
    を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記第1の履歴情報および前記第2の履歴情報が、前記モデルを作成するのに役立つ学習データと、前記モデルをテストするのに役立つ検証データとに分けられる、請求項6に記載の方法。
  10. 別の支払請求を選択するのに役立つ検索パラメータを定義するために、前記支払請求に関連する情報を使用するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
  11. コンピュータシステムに支払請求を処理する方法を実施させるために、内部で具体化されるコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ使用可能媒体であって、前記方法が、
    金額の支払い要求を含む支払請求の属性にアクセスするステップと、
    前記支払請求に関連する属性に誤りがある確率を判断するために前記属性を使用するステップと、
    前記確率がしきい値を満足する場合に、前記属性に誤りがあるかどうかを判断する追加の評価のために、前記支払請求にフラグを立てるステップと、
    前記追加の評価のために前記支払請求にフラグが立てられる場合に、属性の誤りの原因である可能性がある前記支払請求の前記属性を特定するのに役立つ追加の情報を、前記支払請求と関連付けるステップと、
    を含む、コンピュータ使用可能媒体。
  12. 前記方法が、前記属性からデータを導くステップと、前記確率を決定するために前記属性から導かれる前記データを使用するステップと、をさらに含む、請求項11に記載のコンピュータ使用可能媒体。
  13. 前記追加の情報が、テキストベースのコメントおよびテキストでない視覚的指示から成るグループから選択される、請求項11に記載のコンピュータ使用可能媒体。
  14. 前記方法が、前記追加の評価のために前記支払請求にフラグが立てられる場合に、前記追加の評価を実施する前にモデルの改善の尺度を決定するステップをさらに含み、前記追加の評価が、前記尺度がしきい値を満足する場合に実施される、請求項11に記載のコンピュータ使用可能媒体。
  15. 前記追加の評価からのフィードバックに基づいて前記モデルを更新することをさらに含む、請求項11に記載のコンピュータ使用可能媒体。
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