JP2017167114A - スラグのサンプリング方法およびスラグ製品の製造方法 - Google Patents

スラグのサンプリング方法およびスラグ製品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017167114A
JP2017167114A JP2016203387A JP2016203387A JP2017167114A JP 2017167114 A JP2017167114 A JP 2017167114A JP 2016203387 A JP2016203387 A JP 2016203387A JP 2016203387 A JP2016203387 A JP 2016203387A JP 2017167114 A JP2017167114 A JP 2017167114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
lot
sampling
standard deviation
average value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016203387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6394673B2 (ja
Inventor
恵太 田
Keita Den
恵太 田
八尾 泰子
Yasuko Yao
泰子 八尾
津田 和呂
Kazutomo Tsuda
和呂 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Publication of JP2017167114A publication Critical patent/JP2017167114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6394673B2 publication Critical patent/JP6394673B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

【課題】環境安全に理論的に配慮しつつ、スラグ分析のサンプリング数を減らすことができるスラグのサンプリング方法を提供する。【解決手段】スラグのサンプリング方法であって、一のロットのスラグから複数のサンプリングを実施して、環境安全品質基準で規定された項目を分析して複数の分析値を取得し、複数の分析値から、一のロットのスラグの平均値および標準偏差を算出するとともに、複数の分析値をランダムに抽出して仮説検定を実施することによって一のロットを代表する数を定め、一のロットと異なる他のロットのスラグのサンプリング数を、複数よりも少ない数であって一のロットを代表する数以上の数に定めることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、製品環境安全品質を管理するための鉄鋼スラグのサンプリング方法および鉄鋼スラグを用いたスラグ製品の製造方法に関する。
鉄鋼スラグには、鉄鉱石を還元するプロセスで発生する高炉スラグと銑鉄を鋼へと精錬するプロセスで発生する製鋼スラグがある。高炉スラグの出荷量は、2,600万t/年、製鋼スラグは1,500万t/年にもなり、省資源および省エネルギーの観点から、環境への負荷を低減させるリサイクル材として広く用いられてきた。しかしながら、それぞれのスラグは、安価な原料を用いて鉄を製造するプロセスで副生されるものなので、環境安全に配慮する必要がある化学物質を含む可能性がある。そのため、鉄鋼各社は、鐵鋼スラグ協会から発行されている鉄鋼スラグ製品の管理に関するガイドライン(非特許文献1)を遵守しており、当該ガイドラインの環境安全品質を満足する鉄鋼スラグのみを鉄鋼スラグ製品として販売している。
鉄鋼スラグ製品の管理に関するガイドライン、鐵鋼スラグ協会、2015年1月14日
非特許文献1には、「法律、法律に基づく命令、条例、規則及びこれらに基づく通知、JIS、国・自治体の各種仕様書や学会・協会等の最新の要綱・指針で定められているものがある場合は、各会員はこれを遵守しなければならない」ことが規定されている。例えば、コンクリート用スラグ骨材向けの高炉スラグの環境安全品質基準は、JIS A5011−1に規格化されており、8項目の物質(カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、水銀、セレン、ふっ素、ほう素)の溶出量の規格を満足するものでなければ出荷できない。一方、これらの物質の溶出量の測定方法は、JIS K0058−1に規定されている。また、試料の採取はJIS K0058−1の5.3.1に規定される通り、JIS M8100に準じることが定められている。JIS M8100では、ロットから採取するインクリメントの最小必要個数は、代表特性などの各特性又は総合特性についての所要の総合精度およびロットの品位変動の区分ごとに規定すると定められている。また、JIS K0060産業廃棄物のサンプリング方法の表2に、1ロットの大きさが、1,000t以上5,000t未満の場合には、1ロットから採取するインクリメントの最小必要個数は、50個と定められている。しかしながら、JIS K0060の表2の備考には、生成または処理される工程が十分に管理されている場合には、表2に関係なく3〜5インクリメントを採取すればよいことが記載されている。このように、インクリメントの最小個数は、実質的に定められていないのが現状である。
鉄鋼各社のスラグの1ロットの大きさは1000t/月以上で管理されている場合が多い。1ロットの分析値は、月1個がほとんどであり、統計学的手法を取り入れられずに管理されている。そのため、1ロット内の平均値や標準偏差を把握、管理できていない。スラグ製品の販売量は、数1000t規模であるため、仮に出荷したスラグ製品が環境基準を超過してしまった場合、出荷したスラグ製品を全量回収しなければならず多大なコストがかかるだけでなく、お客様へ多大な迷惑をかけ、スラグ製品を出荷した会社は社会的な信用を失ってしまう。したがって、環境基準を超過する可能性が万が一でもあるスラグの品質を管理するには、統計学的手法を用いてリスク管理をする必要がある。統計学的にスラグを管理するためには、1ロットから複数個サンプリングを実施して、ロット内の平均値および標準偏差を把握することが重要である。しかし、1ロットからのサンプリング個数が増えると、その個数の分析を行うことになり、分析費用が増加する。スラグ製品の売価は非常に安価なので、分析費用の増加は、スラグ製品の利益を大きく減少させる。そのため、サンプリング個数は極力少なくしたいが、理論的な裏付けなく、サンプリング個数を少なくすることは、環境安全に対して配慮しているとはいい難い。このため、環境安全に理論的に配慮した上で、サンプリング数を減らすサンプリング方法が求められていた。
本発明は、従来技術が抱える上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、環境安全に理論的に配慮しつつ、スラグ分析のサンプリング数を減らすことができるスラグのサンプリング方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
[1]一のロットのスラグから複数のサンプリングを実施して、環境安全品質基準で規定された項目を分析して複数の分析値を取得し、前記複数の分析値から、前記一のロットのスラグの平均値および標準偏差を算出するとともに、前記複数の分析値をランダムに抽出して仮説検定を実施することによって前記一のロットを代表する数を定め、前記一のロットと異なる他のロットのスラグのサンプリング数を、前記複数よりも少ない数であって前記一のロットを代表する数以上の数に定めることを特徴とするスラグのサンプリング方法。
[2]前記仮説検定は、前記分析値をランダムに抽出して、その平均値を算出することで実施されるt検定であることを特徴とする[1]に記載のスラグのサンプリング方法。
[3]前記仮説検定は、前記分析値をランダムに抽出して、その標準偏差を算出することで実施されるF検定であることを特徴とする[1]に記載のスラグのサンプリング方法。
[4][2]に記載のt検定によって定められたサンプリング数を他のロットのスラグからサンプリングして平均値を算出し、[3]に記載のF検定によって定められたサンプリング数を他のロットのスラグからサンプリングして標準偏差を算出し、
前記平均値および前記標準偏差が下記(1)式を満足する他のロットのスラグからスラグ製品を製造することを特徴とするスラグ製品の製造方法。

但し、上記(1)式において、Xは、環境基準であり、μは、前記平均値であり、σは、前記標準偏差であり、aは、環境安全のリスクを判断して定められる正の数であり、nは、スラグからサンプリングするに際し、前記他のロットのスラグの異なる位置から取り出した試料数である。
本発明のスラグ製品のサンプリング方法を実施することで、統計学的な手法により環境安全に理論的に配慮しつつ、スラグ製品のサンプリング数を減らすことができ、これにより、スラグ製品の利益の減少を抑制できる。
高炉スラグのふっ素の溶出量の傾向を示すグラフである。 一のロットにおける高炉スラグのふっ素の溶出量のヒストグラムを示す。 ふっ素の溶出量のロット内分布曲線を示す。 平均値をt検定した結果を示すグラフである。 標準偏差をF検定した結果を示すグラフである。 一のロットとは異なる他のロットにおける高炉スラグのふっ素の溶出量のヒストグラムを示す。 あるロットにおける高炉スラグのセレンの溶出量のヒストグラムを示す。
以下、本発明の実施形態を、スラグの例としてコンクリート用スラグ骨材向けに出荷されている高炉スラグを例に説明する。なお、一のロットおよび他のロットとは、同じ種類のスラグであって、管理されているロット番号の異なるスラグをいう。また、コンクリート用スラグ骨材は、スラグ製品の一例である。
コンクリート用スラグ骨材向けに出荷されている高炉スラグは、1ロット1,000t程度で管理されている。また、上述したように、コンクリート用スラグ骨材向けの高炉スラグの環境安全品質基準は、JIS A5011−1に規格化されており、8項目の物質(カドミウム、鉛、六価クロム、ひ素、水銀、セレン、ふっ素、ほう素)の溶出量の規格を満足するものでなければ出荷できないことが規定されている。上記8項目の物質の1つであるふっ素の溶出量の分析を例に、本発明の実施形態を説明する。
図1は、高炉スラグのふっ素の溶出量の傾向を示すグラフである。図1において、横軸は、期間(月)であり、縦軸は、ふっ素の溶出量(mg/L)である。また、コンクリート用スラグ骨材向けの高炉スラグのふっ素の溶出量の環境基準は、0.80mg/L以下である。図1に示すように、高炉スラグのふっ素の溶出量は、環境基準である0.80mg/L以下を満足する。なお、ふっ素の溶出量は、環境省告示18号に定められるJIS K0102 2013の34.1に定められる方法により測定した。
図2は、一のロットにおける高炉スラグのふっ素の溶出量のヒストグラムを示す。図2において、横軸は、ふっ素の溶出量(mg/L)であり、縦軸は、頻度(個)である。図2に示すヒストグラムは、ある一のロットの高炉スラグから50回のサンプリングを実施し、当該サンプリングにより取得された50個のサンプルのそれぞれにおいて、ふっ素の溶出量を分析することで取得した分析値によって作成した。なお、50回のサンプリングは、複数のサンプリングの一例であり、複数のサンプリングの数は、環境基準に準拠した根拠ある数が好ましい。本実施形態においては、1ロットの管理量が、1,000t以上5,000t未満の場合には、インクリメントの最小必要個数は50個であるという、JIS K0060の表2を根拠に、複数のサンプリングの数を定めた。
50個のサンプルを用いて測定したふっ素の溶出量の分析値から、ふっ素の溶出量の平均値および標準偏差を算出した所、ふっ素の溶出量の平均値は0.36mg/Lであり、標準偏差は0.057であった。ふっ素の溶出量のヒストグラムは、ほぼ正規分布していると判断できる。ふっ素の溶出量のヒストグラムが正規分布する場合、ある一のロットのふっ素の溶出量の分布は、下記数式(2)を用いて表すことができる。

但し、上記数式(2)において、μはふっ素の溶出量の平均値を表し、σはふっ素の溶出量の標準偏差を表す。
図3は、ふっ素の溶出量のロット内分布曲線を示す。図3は、上記数式(2)に、ふっ素の溶出量の平均値と標準偏差を代入することで算出されるふっ素の溶出量の分布を示すプロファイルである。図3に示すように、高炉スラグのふっ素の溶出量の標準偏差は小さく、安定したスラグであることがわかる。
次に、高炉スラグのふっ素の溶出量の平均値および標準偏差を代表できるサンプリング個数の決定方法を説明する。平均値および標準偏差を代表できるサンプリング個数は、統計学的な手法である仮説検定を行なうことによって決定する。
ふっ素の溶出量の平均値を代表できるサンプリング個数は、仮説検定におけるt検定を行なうことによって決定する。以下にt検定の具体的方法を説明する。
まず、図2に示した50個の分析値から2個をランダムに100回選び、その平均値をそれぞれ算出する。次に、算出された平均値が、50個の分析値から算出された平均値の分布の両側5%の内側となった場合に有意差無しと判定する。また、算出された平均値が、50個の分析値から算出された平均値の分布の両側5%の外側となった場合に有意差有りと判定する。これをサンプリング個数2個から9個まで繰り返し実施し、予め定められた閾値以上の割合が有意差無し、と判定されたサンプリング個数が、50個の分析値から算出される平均値を代表できるサンプリング個数であると決定する。なお、本実施形態においてt検定の予め定められた閾値は、95%である。
図4は、平均値をt検定した結果を示すグラフである。図4において、横軸は、サンプル個数(個)であり、縦軸は、横軸の個数の分析値から算出された平均値が有意差なしと判定された有意差なしの割合(%)である。図4に示すように、サンプリング個数を2個以上にすることで、その平均値が有意差なしと判定された割合が95%以上になることがわかる。この結果から、高炉スラグのふっ素の溶出量における50個の分析値から算出される平均値は、2個の分析値によって代表できると決定した。
また、ふっ素の溶出量の標準偏差を代表できるサンプリング個数は、仮説検定におけるF検定を行なうことで決定できる。以下にF検定の具体的方法を説明する。
まず、図2に示した50個の分析値から2個をランダムに100回選び、その標準偏差をそれぞれ算出する。次に、算出された標準偏差が、50個の分析値から算出された標準偏差の分布の両側5%の内側となった場合に有意差無しと判定する。また、算出された平均値が、50個の分析値から算出された標準偏差の分布の両側5%の外側となった場合に有意差有りと判定する。これをサンプリング個数2個から9個まで繰り返し実施し、予め定められた閾値以上の割合が有意差無し、と判定されたサンプリング個数が、50個の分析値から算出される標準偏差を代表できるサンプリング個数であると決定される。なお、本実施形態においてF検定の予め定められた閾値は、90%である。
図5は、標準偏差をF検定した結果を示すグラフである。図5において、横軸は、サンプル個数(個)であり、縦軸は、横軸の個数の分析値から算出された標準偏差が有意差なしと判定された有意差なしの割合(%)である。図5に示すように、サンプリング個数を6個以上にすることで、その標準偏差が有意差なしと判定された割合が90%以上になることがわかる。この結果から、高炉スラグのふっ素の溶出量における50個の分析値から算出される標準偏差は、6個の分析値によって代表できると決定した。
図6は、一のロットとは異なる他のロットにおける高炉スラグのふっ素の溶出量のヒストグラムを示す。図6において、横軸は、ふっ素の溶出量(mg/L)であり、縦軸は、頻度(個)である。図6に示すように、他のロットにおける高炉スラグのふっ素の溶出量の標準偏差は0.040であり、図2に示したロットの標準偏差よりも小さい。このため、図2に示したある一のロットの分析値を用いて決定された平均値および標準偏差を代表できるサンプリング個数は、一のロットとは異なる他のロットにも適用できることがわかる。そして、他のロットにおいては、サンプリング個数を、JIS K0060の表2の規定に基づいた50個よりも少ない数であって、平均値および標準偏差を代表できるサンプリング個数以上の数に定めてサンプリングを実施する。これにより、他のロットにおいて、一のロットにおいて算出された平均値および標準偏差に対して、統計学的な手法によって代表できるとされたサンプリング数以上にするので、環境安全に理論的に配慮した上で、サンプリング数を減らすことができ、当該スラグを用いて製造されるスラグ製品の利益の減少を抑制できる。
そして、t検定によって定められたサンプリング数を他のロットのスラグからサンプリングしてふっ素の溶出量の平均値を算出し、また、F検定によって定められたサンプリング数を他のロットのスラグからサンプリングしてふっ素の溶出量の標準偏差を算出する。これらの平均値および標準偏差が下記(3)式を満足する場合に、他のロットのスラグのふっ素の溶出量は環境基準を満足するとして、当該スラグからコンクリート用スラグ骨材を製造する。

但し、上記(3)式において、Xは、ふっ素の溶出量の環境基準(mg/L)であり、μは、ふっ素の溶出量の平均値であり、σは、ふっ素の溶出量の標準偏差であり、aは、環境安全のリスクを判断して定められる正の数である。
なお、他のロットのスラグからサンプリングするに際し、当該スラグの異なる位置からn個の試料を取り出し、これらの試料を混合・縮分してサンプリングする場合には、1つのサンプルの分析値がn個の試料におけるふっ素の溶出量の平均値であるといえる。この場合には、平均値および標準偏差が下記(1)式を満足する場合に、他のロットのスラグのふっ素の溶出量は、環境基準を満足するとして、当該スラグからコンクリート用スラグ骨材を製造する。

但し、上記(1)式において、Xは、ふっ素の溶出量の環境基準(mg/L)であり、μは、ふっ素の溶出量の平均値(mg/L)であり、σは、ふっ素の溶出量の標準偏差であり、aは、環境安全のリスクを判断して定められる正の数であり、nは、サンプリングするに際し、他のロットのスラグの異なる位置から取り出した試料数である。
なお、本実施形態においては、ふっ素の溶出量の分析を例に説明し、上記(1)式および(3)式もふっ素の溶出量に対応して説明した。しかしながら、上記(1)式および(3)式は、ふっ素の溶出量に限るものではなく、管理される対象に合わせて、環境基準および平均値および単位は変わり得る。また、「a」は、環境安全に対するリスクを判断して定められる値であって、例えば、「2」としてよい。
なお、本実施形態において、有意水準を外側5%とし、ランダムに分析値を抽出する回数を100回とした例を示したが、これに限られない。有意水準およびランダムに分析値を抽出する回数は、環境安全に対するリスクを判断して、適宜変更してもよい。
また、平均値を代表できるサンプリング個数であると決定する場合においては、有意差なしの割合の閾値を95%以上とし、標準偏差を代表できるサンプリング個数であると決定する場合においては、有意差なしの割合の閾値を90%以上とした例を示した。しかしながら、当該割合は、あくまで好ましい閾値を示したのであって、これに限られない。これらの予め定められた閾値についても、環境安全に対するリスクを判断して、適宜変更してもよい。なお、平均値については、決定したサンプリング個数全ての分析を行うことに代えて、これらのサンプルを均一に混合・縮分を行って1つのサンプルとし、当該サンプルの分析を行うとしてもよい。
また、F検定によって定められたサンプリング数を他のロットのスラグからサンプリングする際に、工程が安定している場合には、過去に分析されたスラグの分析値を一部用いてもよい。工程が安定している場合には、スラグの性状は大きく変化しないので、例えば、標準偏差を代表できるサンプリング数が6個と決定された場合、そのうちの1つを過去に分析された別のロットのスラグの分析値を用いて、さらに、サンプリング数を減らしてもよい。
図7は、あるロットにおける高炉スラグのセレンの溶出量のヒストグラムを示す。図7において、横軸は、セレンの溶出量(mg/L)であり、縦軸は、頻度(個)である。60個のサンプルを用いて測定したセレン溶出量の分析値から、セレンの溶出量の平均値および標準偏差を算出した所、セレン溶出量の平均値は0.0045mg/Lであり、標準偏差は0.0008であった。図7からセレンの溶出量のヒストグラムは、ほぼ正規分布していると判断できる。このことから、JIS A5011−1に規格化された8項目の物質において、ふっ素とは別の物質であるセレンにおいても、本実施形態に係るサンプリング方法を用いて、統計学的な手法により環境安全に理論的に配慮した上で、サンプリング数を減らすことができ、スラグ製品の利益の減少を抑制できることがわかる。
本実施形態において、スラグとして高炉スラグに、本実施形態に係るスラグのサンプリング方法を適用した例を示した。しかしながら、高炉スラグに限られず、電気炉スラグおよび転炉スラグを含む製鋼スラグ、または、一般廃棄物を1200℃以上の高温で溶融させた後に冷却したごみ溶融スラグに対しても、本実施形態に係るスラグのサンプリング方法を適用できる。

Claims (4)

  1. 一のロットのスラグから複数のサンプリングを実施して、環境安全品質基準で規定された項目を分析して複数の分析値を取得し、前記複数の分析値から、前記一のロットのスラグの平均値および標準偏差を算出するとともに、前記複数の分析値をランダムに抽出して仮説検定を実施することによって前記一のロットを代表する数を定め、前記一のロットと異なる他のロットのスラグのサンプリング数を、前記複数よりも少ない数であって前記一のロットを代表する数以上の数に定めることを特徴とするスラグのサンプリング方法。
  2. 前記仮説検定は、前記分析値をランダムに抽出して、その平均値を算出することで実施されるt検定であることを特徴とする請求項1に記載のスラグのサンプリング方法。
  3. 前記仮説検定は、前記分析値をランダムに抽出して、その標準偏差を算出することで実施されるF検定であることを特徴とする請求項1に記載のスラグのサンプリング方法。
  4. 請求項2に記載のt検定によって定められたサンプリング数を他のロットのスラグからサンプリングして平均値を算出し、
    請求項3に記載のF検定によって定められたサンプリング数を他のロットのスラグからサンプリングして標準偏差を算出し、
    前記平均値および前記標準偏差が下記(1)式を満足する他のロットのスラグからスラグ製品を製造することを特徴とするスラグ製品の製造方法。

    但し、上記(1)式において、Xは、環境基準であり、μは、前記平均値であり、σは、前記標準偏差であり、aは、環境安全のリスクを判断して定められる正の数であり、nは、スラグからサンプリングするに際し、前記他のロットのスラグの異なる位置から取り出した試料数である。
JP2016203387A 2016-03-15 2016-10-17 スラグのサンプリング方法およびスラグ製品の製造方法 Active JP6394673B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016050754 2016-03-15
JP2016050754 2016-03-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017167114A true JP2017167114A (ja) 2017-09-21
JP6394673B2 JP6394673B2 (ja) 2018-09-26

Family

ID=59908824

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016203387A Active JP6394673B2 (ja) 2016-03-15 2016-10-17 スラグのサンプリング方法およびスラグ製品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6394673B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112018004889T5 (de) 2017-08-31 2020-06-10 Denso Corporation Zündsystem
CN112579976A (zh) * 2020-12-09 2021-03-30 金川集团股份有限公司 一种确定批铜阳极泥物料取样点数的统计分析方法
WO2024045429A1 (zh) * 2022-08-31 2024-03-07 西安热工研究院有限公司 一种全自动制样系统的性能检验方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111077A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Central Res Inst Of Electric Power Ind 石炭ガス化炉運転制御方法、石炭ガス化炉運転制御装置および石炭ガス化炉運転制御プログラム
JP2010121937A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Jfe Steel Corp 溶融物のサンプリング方法および装置
JP2013181215A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Jfe Steel Corp 溶銑吹錬処理の制御方法および制御装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008111077A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Central Res Inst Of Electric Power Ind 石炭ガス化炉運転制御方法、石炭ガス化炉運転制御装置および石炭ガス化炉運転制御プログラム
JP2010121937A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Jfe Steel Corp 溶融物のサンプリング方法および装置
JP2013181215A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Jfe Steel Corp 溶銑吹錬処理の制御方法および制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112018004889T5 (de) 2017-08-31 2020-06-10 Denso Corporation Zündsystem
CN112579976A (zh) * 2020-12-09 2021-03-30 金川集团股份有限公司 一种确定批铜阳极泥物料取样点数的统计分析方法
WO2024045429A1 (zh) * 2022-08-31 2024-03-07 西安热工研究院有限公司 一种全自动制样系统的性能检验方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6394673B2 (ja) 2018-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Forging the anthropogenic iron cycle
JP6394673B2 (ja) スラグのサンプリング方法およびスラグ製品の製造方法
Gregory et al. Evaluating the economic viability of a material recovery system: the case of cathode ray tube glass
Sujauddin et al. Ship breaking and the steel industry in Bangladesh: a material flow perspective
Vienna et al. Impacts of glass composition, pH, and temperature on glass forward dissolution rate
Puvanasvaran et al. Consideration of demand rate in Overall Equipment Effectiveness (OEE) on equipment with constant process time
Nyarubeli et al. Variability and determinants of occupational noise exposure among iron and steel factory workers in Tanzania
Wojtak et al. Radial velocity moments of dark matter haloes
Al-Eshaikh et al. Elemental analysis of steel products using X-ray fluorescence (XRF) technique
CN102539208A (zh) 2d70铝合金光谱与化学标准样品的制备方法
Scott et al. Quantitative chemical analysis of archaeological slag material using handheld X-ray fluorescence spectrometry
Guo et al. Material flow analysis of zinc during the manufacturing process in integrated steel mills in China
Koh et al. The risk of hospitalisation for infectious pneumonia in mineral dust exposed industries
Zhou et al. Occupational health risk assessment methods in China: a scoping review
Stechert et al. Predicted mechanism for enhanced durability of zinc containing silicate glasses
Stoia et al. Reliability of a decision‐tree model in predicting occupational lead poisoning in a group of highly exposed workers
Krook et al. Swedish recovered wood waste: Linking regulation and contamination
D'arcy et al. Characterization of process air emissions in automotive production plants
Wang et al. Numerical model of scrap blending in BOF with simultaneous consideration of steel quality, production cost, and energy use
Esezobor et al. Evaluation of cost effectiveness of Onibode Fire-Clay for production of high quality Refractory bricks
Gan et al. Non-Arrhenius Viscosity Models for Molten Silicate Slags with Constant Pre-Exponential Parameter: A Comparison to Arrhenius Model
Mitchell et al. Antimicrobial Fe2O3-CuO-P2O5 glasses
Mouslim et al. A fuzzy goal programming formulation with multiple target levels
Hrma et al. Database and interim glass property models for Hanford HLW glasses
Bückner et al. Extended analyses of iron ore sinter by image processing

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171024

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180502

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180731

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6394673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250