JP2017166354A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターボ過給機を備えるエンジンの制御装置において、触媒早期暖機制御によるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置を早期に暖機する。【解決手段】エンジンの制御装置としてのPCM60は、車両走行時において触媒装置35が未活性状態にある場合に、触媒早期暖機制御(AWS制御)を行わない場合よりも吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、触媒早期暖機制御を行わない場合に設定される基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行って、触媒装置35を早期に暖機するようにする。また、PCM60は、ターボ過給機4による過給度合いが大きい場合には、ターボ過給機4による過給度合いが小さい場合よりも、点火制御によって点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくする。【選択図】図8
Description
本発明は、エンジンの制御装置に係わり、特に、排気通路上に設けられた触媒装置を早期に暖機する制御を行うエンジンの制御装置に関する。
従来から、火花点火式エンジンにおいて、排気通路上に設けられた触媒装置の早期活性化を図るために、AWS(Accelerated Warm-up System)と称される技術が実施されている。このAWSは、例えばエンジンの冷間始動直後等で、触媒装置が未活性状態のときは、同じ運転状態(例えばアイドル運転)で活性状態のときよりも、吸入空気量を増量し、かつ点火時期を圧縮上死点を超えて遅角させることにより、混合気を膨張行程中に後燃えさせ、これにより排気ガス温度ひいては排気熱量を増大させて、触媒装置の暖機を促進する技術である(例えば特許文献1参照)。特に、特許文献1には、上記のようなAWSの実行での点火時期の遅角に伴う燃焼悪化を抑制するべく、燃料を2つに分割して噴射して(分割噴射)、燃焼室内に弱成層状態を形成して燃焼(弱成層燃焼)を行わせることが開示されている。ここで、弱成層状態とは、燃焼室内の混合気が点火プラグ周り(詳しくは点火プラグの電極周り)において相対的にリッチとなり、その周囲において相対的にリーンとなる状態をいう(筒内混合気の弱成層化)。
上述した特許文献1に記載された技術では、触媒装置を早期に暖機するための触媒早期暖機制御(以下では適宜「AWS制御」と呼ぶ。)を、アイドル運転時(換言すると車両停止時)にのみ実行している。そのため、車両走行時(換言すると有車速時)には、触媒装置が未活性状態にあっても、AWS制御が実行されないこととなる。したがって、特許文献1に記載された技術では、触媒装置の暖機が遅れてしまう傾向にある。このことから、車両走行時にもAWS制御を実行することが望ましいと言える。
ところで、ターボ過給機を備えるエンジンにAWS制御を適用した場合、以下のような問題が生じ得る。AWS制御においては、点火時期を遅角させたことによるトルク低下分を、充填量(吸入空気量)を増量することで補っているが、ターボ過給機を備えるエンジンにおいては、目標過給圧に基づいた過給圧制御の追従性から、そのようなAWS制御時におけるトルク調整が困難となる。また、ターボ過給機による過給が行われる過給域(基本的には高負荷域)では、ターボ過給機による過給が行われない非過給域よりも、点火時期の遅角量の変化に対するトルク変化量が大きい(気筒ごとでのトルク段差も生じる傾向にある)。以上のことから、ターボ過給機を備えるエンジンにAWS制御を適用した場合、トルク変動が生じて乗員に不快感を与える可能性がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ターボ過給機を備えるエンジンの制御装置において、触媒早期暖機制御によるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置を早期に暖機することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、ターボ過給機を備えるエンジンに適用され、排気通路上に設けられた触媒装置を早期に暖機するための触媒早期暖機制御を行うエンジンの制御装置において、車両走行時において触媒装置が未活性状態にある場合に、触媒早期暖機制御を行わない場合よりも吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、触媒早期暖機制御を行わない場合に設定される基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行って、触媒装置を早期に暖機する触媒早期暖機制御手段を有し、この触媒早期暖機制御手段は、ターボ過給機による過給度合いが大きい場合には、ターボ過給機による過給度合いが小さい場合よりも、点火制御によって点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくする、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、触媒装置が未活性状態にある場合には、車両走行時においても触媒早期暖機制御(AWS制御)を行うので、つまり車両停止時だけでなく車両走行時にも触媒早期暖機制御を行うので、車両停止時にのみ触媒早期暖機制御を行う場合と比較して、触媒装置を速やかに昇温でき、触媒装置の暖機を効果的に促進することができる。
また、本発明によれば、ターボ過給機による過給度合いが大きい場合には、ターボ過給機による過給度合いが小さい場合よりも、触媒早期暖機制御において点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくするので、過給度合いが大きいときに点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置を適切に暖機できるようになる。
このように構成された本発明によれば、触媒装置が未活性状態にある場合には、車両走行時においても触媒早期暖機制御(AWS制御)を行うので、つまり車両停止時だけでなく車両走行時にも触媒早期暖機制御を行うので、車両停止時にのみ触媒早期暖機制御を行う場合と比較して、触媒装置を速やかに昇温でき、触媒装置の暖機を効果的に促進することができる。
また、本発明によれば、ターボ過給機による過給度合いが大きい場合には、ターボ過給機による過給度合いが小さい場合よりも、触媒早期暖機制御において点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくするので、過給度合いが大きいときに点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置を適切に暖機できるようになる。
本発明において、好ましくは、触媒早期暖機制御手段は、過給度合いをエンジン負荷に基づき判断し、このエンジン負荷が、充填効率が1に対応する所定負荷以上である領域では、エンジン負荷が所定負荷未満である領域よりも点火時期遅角量を小さくする。
このように構成された本発明によれば、充填効率に応じた所定負荷を用いることで、エンジン負荷に基づき過給度合いを適切に判断して点火時期遅角量を設定することができる。
このように構成された本発明によれば、充填効率に応じた所定負荷を用いることで、エンジン負荷に基づき過給度合いを適切に判断して点火時期遅角量を設定することができる。
他の観点では、の目的を達成するために、本発明は、ターボ過給機を備えるエンジンに適用され、排気通路上に設けられた触媒装置を早期に暖機するための触媒早期暖機制御を行うエンジンの制御装置において、車両走行時において触媒装置が未活性状態にある場合に、触媒早期暖機制御を行わない場合よりも吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、触媒早期暖機制御を行わない場合に設定される基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行って、触媒装置を早期に暖機する触媒早期暖機制御手段を有し、この触媒早期暖機制御手段は、ターボ過給機による過給が行われる過給域では、ターボ過給機による過給が行われない非過給域よりも、点火制御によって点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくする、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によっても、触媒装置が未活性状態にある場合には、車両走行時においても触媒早期暖機制御を行うので、つまり車両停止時だけでなく車両走行時にも触媒早期暖機制御を行うので、車両停止時にのみ触媒早期暖機制御を行う場合と比較して、触媒装置を速やかに昇温でき、触媒装置の暖機を効果的に促進することができる。
また、本発明によれば、ターボ過給機による過給が行われる過給域では、ターボ過給機による過給が行われない非過給域よりも、触媒早期暖機制御において点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくするので、過給域において点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置を適切に暖機できるようになる。
このように構成された本発明によっても、触媒装置が未活性状態にある場合には、車両走行時においても触媒早期暖機制御を行うので、つまり車両停止時だけでなく車両走行時にも触媒早期暖機制御を行うので、車両停止時にのみ触媒早期暖機制御を行う場合と比較して、触媒装置を速やかに昇温でき、触媒装置の暖機を効果的に促進することができる。
また、本発明によれば、ターボ過給機による過給が行われる過給域では、ターボ過給機による過給が行われない非過給域よりも、触媒早期暖機制御において点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくするので、過給域において点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置を適切に暖機できるようになる。
本発明において、好ましくは、触媒早期暖機制御手段は、過給域では、点火制御による基準点火時期からの点火時期の遅角を禁止する。
このように構成された本発明によれば、過給域でのトルク変動を効果的に抑制することができる。この場合、過給域では投入熱量が大きいので、点火時期を遅角させなくても、触媒装置を十分に昇温することができる。
このように構成された本発明によれば、過給域でのトルク変動を効果的に抑制することができる。この場合、過給域では投入熱量が大きいので、点火時期を遅角させなくても、触媒装置を十分に昇温することができる。
本発明において、好ましくは、触媒早期暖機制御手段は、車両走行時において触媒装置が未活性状態にある場合には、エンジンの燃焼室内に均質な混合気を形成して均質燃焼させるように燃料を噴射する燃料噴射制御を行いつつ、吸入空気量制御及び点火制御を行い、車両停止時において触媒装置が未活性状態にある場合には、エンジンの燃焼室内において点火プラグ近傍に点火プラグ周辺よりも濃い混合気の層を形成して成層燃焼させるように燃料を噴射する燃料噴射制御を行いつつ、吸入空気量制御及び点火制御を行う。
このように構成された本発明によれば、車両走行時には均質燃焼させながら触媒早期暖機制御を行い、車両停止時には成層燃焼させながら触媒早期暖機制御を行うので、つまり車両運転状態に応じて均質燃焼と成層燃焼とを切り替えて触媒早期暖機制御を行うので、運転状態に適した触媒早期暖機制御を実行して、失火などのドライバビリティの悪化を適切に抑制しつつ、触媒装置を速やかに昇温することができる。
このように構成された本発明によれば、車両走行時には均質燃焼させながら触媒早期暖機制御を行い、車両停止時には成層燃焼させながら触媒早期暖機制御を行うので、つまり車両運転状態に応じて均質燃焼と成層燃焼とを切り替えて触媒早期暖機制御を行うので、運転状態に適した触媒早期暖機制御を実行して、失火などのドライバビリティの悪化を適切に抑制しつつ、触媒装置を速やかに昇温することができる。
本発明において、好ましくは、基準点火時期は、エンジンから出力させるべき目標トルクに基づいて設定され、触媒早期暖機制御手段は、点火制御によって点火時期を基準点火時期から点火時期遅角量だけ遅角させる場合に、当該点火時期遅角量に応じて吸入空気量を増加させて、エンジンから目標トルクを出力させるようにする。
このように構成された本発明によれば、触媒早期暖機制御によって点火時期を遅角させる場合に、点火時期遅角量に応じて吸入空気量を増加させるので、触媒早期暖機制御時にも目標トルクを適切に実現することができる。
このように構成された本発明によれば、触媒早期暖機制御によって点火時期を遅角させる場合に、点火時期遅角量に応じて吸入空気量を増加させるので、触媒早期暖機制御時にも目標トルクを適切に実現することができる。
本発明によれば、ターボ過給機を備えるエンジンの制御装置において、触媒早期暖機制御によるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置を早期に暖機することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置について説明する。
<システム構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図であり、図2は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図であり、図2は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
図1及び図2に示すように、エンジンシステム100は、主に、外部から導入された吸気(空気)が通過する吸気通路1と、この吸気通路1から供給された吸気と、後述する燃料噴射弁13から供給された燃料との混合気を燃焼させて車両の動力を発生するエンジン10(具体的にはガソリンエンジン)と、このエンジン10内の燃焼により発生した排気ガスを排出する排気通路25と、エンジンシステム100に関する各種の状態を検出するセンサ40〜53と、エンジンシステム100全体を制御するPCM60(エンジンの制御装置)と、を有する。
吸気通路1には、上流側から順に、外部から導入された吸気を浄化するエアクリーナ3と、通過する吸気を昇圧させる、ターボ過給機4のコンプレッサ4aと、外気や冷却水により吸気を冷却するインタークーラ5と、通過する吸気の量(吸入空気量)を調整するスロットルバルブ6と、エンジン10に供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク7と、が設けられている。
また、吸気通路1には、コンプレッサ4aによって過給された吸気の一部を、コンプレッサ4aの上流側に還流するためのエアバイパス通路8が設けられている。具体的には、エアバイパス通路8の一端は、コンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ6の上流側の吸気通路1に接続され、エアバイパス通路8の他端は、エアクリーナ3の下流側で且つコンプレッサ4aの上流側の吸気通路1に接続されている。
このエアバイパス通路8には、エアバイパス通路8を流れる吸気の流量を開閉動作により調節するエアバイパスバルブ9が設けられている。エアバイパスバルブ9は、エアバイパス通路8を完全に閉じる閉状態と完全に開く開状態とに切り換え可能な、いわゆるオンオフバルブである。
エンジン10は、主に、吸気通路1から供給された吸気を燃焼室11内に導入する吸気バルブ12と、燃焼室11に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁13と、燃焼室11内に供給された吸気と燃料との混合気に点火する点火プラグ14と、燃焼室11内での混合気の燃焼により往復運動するピストン15と、ピストン15の往復運動により回転されるクランクシャフト16と、燃焼室11内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路25へ排出する排気バルブ17と、を有する。なお、燃料噴射弁13は、噴射面に複数の噴口を備え(つまりマルチホール型に構成される)、これらの噴口から複数の方向に向かって燃料を噴射させるのがよい。
また、エンジン10は、吸気バルブ12及び排気バルブ17のそれぞれの動作タイミング(つまり開閉時期)を、可変バルブタイミング機構(Variable Valve Timing Mechanism)としての可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19によって可変に構成されている。可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19としては、公知の種々の形式を適用可能であるが、例えば電磁式又は油圧式に構成された機構を用いて、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを変化させることができる。
排気通路25には、上流側から順に、通過する排気ガスによって回転され、この回転によってコンプレッサ4aを駆動するターボ過給機4のタービン4bと、例えばNOx触媒や三元触媒や酸化触媒などの、排気ガスの浄化機能を有する触媒装置35a、35bが設けられている。以下では、これらの触媒装置35a、35bを区別しないで用いる場合には単に「触媒装置35」と表記する。
また、排気通路25上には、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路1に還流させるEGR装置26が設けられている。EGR装置26は、一端がタービン4bの上流側の排気通路25に接続され、他端がコンプレッサ4aの下流側で且つスロットルバルブ11の下流側の吸気通路1に接続されたEGR通路27と、EGRガスを冷却するEGRクーラ28と、EGR通路27を流れるEGRガス量(流量)を制御するEGRバルブ29と、を有する。このEGR装置26は、いわゆる高圧EGR装置(HPL(High Pressure Loop)EGR装置)に相当する。
また、排気通路25には、排気ガスをターボ過給機4のタービン4bに通過させずに迂回させるタービンバイパス通路30が設けられている。このタービンバイパス通路30には、タービンバイパス通路30を流れる排気ガスの流量を制御するウェイストゲートバルブ(以下「WGバルブ」と称する)31が設けられている。
また、排気通路25においては、EGR通路27の上流側の接続部分とタービンバイパス通路30の上流側の接続部分との間の通路が、第1通路25aと第2通路25bとに分岐されている。第1通路25aは第2通路25bよりも径が大きく、換言すると第2通路25bは第1通路25aよりも径が小さく、第1通路25aには開閉バルブ25cが設けられている。開閉バルブ25cが開いている場合には、排気ガスは基本的には第1通路25aに流れ、開閉バルブ25cが閉じている場合には、排気ガスは第2通路25bにのみ流れる。そのため、開閉バルブ25cが閉じている場合には、開閉バルブ25cが開いている場合よりも、排気ガスの流速が大きくなる。開閉バルブ25cは低回転数領域において閉じられ、流速が上昇された排気ガスをターボ過給機4のタービン4bに供給して、低回転域でもターボ過給機4による過給が行えるようになっている。
エンジンシステム100には、当該エンジンシステム100に関する各種の状態を検出するセンサ40〜53が設けられている。これらセンサ40〜53は、具体的には以下の通りである。アクセル開度センサ40は、アクセルペダルの開度(ドライバがアクセルペダルを踏み込んだ量に相当する)であるアクセル開度を検出する。エアフローセンサ41は、エアクリーナ3とコンプレッサ4aとの間の吸気通路1を通過する吸気の流量に相当する吸入空気量を検出する。温度センサ42は、エアクリーナ3とコンプレッサ4aとの間の吸気通路1を通過する吸気の温度を検出する。圧力センサ43は、過給圧を検出する。スロットル開度センサ44は、スロットルバルブ6の開度であるスロットル開度を検出する。圧力センサ45は、エンジン10に供給される吸気の圧力であるインマニ圧力を検出する。クランク角センサ46は、クランクシャフト16におけるクランク角を検出する。吸気側カム角センサ47は、吸気カムシャフトのカム角を検出する。排気側カム角センサ48は、排気カムシャフトのカム角を検出する。温度センサ49は、エンジン10の冷却水の温度(水温)を検出する。WG開度センサ50は、WGバルブ31の開度を検出する。O2センサ51は、触媒装置35aの上流側の排気ガス中の酸素濃度を検出し、O2センサ52は、触媒装置35aと触媒装置35bとの間の排気ガス中の酸素濃度を検出する。車速センサ53は、車両の速度(車速)を検出する。これら各種センサ40〜53は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S140〜S153をPCM60に出力する。
PCM60は、上述した各種センサ40〜53から入力された検出信号S140〜S153に基づいて、エンジンシステム100内の構成要素に対する制御を行う。具体的には、図2に示すように、PCM60は、スロットルバルブ6に制御信号S106を供給して、スロットルバルブ6の開閉時期やスロットル開度を制御し、エアバイパスバルブ9に制御信号S109を供給して、エアバイパスバルブ9の開閉を制御し、WGバルブ31に制御信号S131を供給して、WGバルブ31の開度を制御し、燃料噴射弁13に制御信号S113を供給して、燃料噴射量や燃料噴射タイミングを制御し、点火プラグ14に制御信号S114を供給して、点火時期を制御し、可変吸気バルブ機構18及び可変排気バルブ機構19のそれぞれに制御信号S118、S119を供給して、吸気バルブ12及び排気バルブ17の動作タイミングを制御し、EGRバルブ29に制御信号S129を供給して、EGRバルブ29の開度を制御する。
特に、本実施形態では、PCM60は、例えばエンジン10の冷間始動時などにおいて、触媒装置35が未活性状態にある場合に、触媒装置35を早期に暖機するための触媒早期暖機制御(AWS制御)を行う。基本的には、PCM60は、AWS制御を行わない場合よりも吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、AWS制御を行わない場合に設定される基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行うことで、混合気を膨張行程中に後燃えさせ、これにより排気ガス温度(排気熱量)を上昇させて、触媒装置35の暖機を促進するようにする。PCM60は、本発明における「エンジンの制御装置」に相当し、本発明における「触媒早期暖機制御手段」として機能する。
これらのPCM60の各構成要素は、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを記憶するためのROMやRAMの如き内部メモリを備えるコンピュータにより構成される。
<エンジン制御処理>
次に、図3を参照して、本発明の実施形態において行われるエンジン10の基本制御について説明する。図3は、本発明の実施形態によるエンジン制御処理を示すフローチャートである。このフローは、車両のイグニッションがオンにされ、PCM60に電源が投入された場合に起動され、所定の周期で繰り返し実行される。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態において行われるエンジン10の基本制御について説明する。図3は、本発明の実施形態によるエンジン制御処理を示すフローチャートである。このフローは、車両のイグニッションがオンにされ、PCM60に電源が投入された場合に起動され、所定の周期で繰り返し実行される。
エンジン制御処理が開始されると、ステップS101において、PCM60は、車両における各種情報を取得する。具体的には、PCM60は、アクセル開度センサ40によって検出されたアクセル開度や、車速センサ53によって検出された車速や、クランク角センサ46によって検出されたクランク角に対応するエンジン回転数や、車両の変速機に現在設定されているギヤ段などを取得する。
次いで、ステップS102では、PCM60は、ステップS101において取得された車両の運転状態に基づき、目標加速度を設定する。具体的には、PCM60は、種々の車速及び種々のギヤ段について規定された加速度特性マップ(予め作成されてメモリなどに記憶されている)の中から、現在の車速及びギヤ段に対応する加速度特性マップを選択し、選択した加速度特性マップを参照して、アクセル開度センサ40によって検出されたアクセル開度に対応する目標加速度を決定する。
次いで、ステップS103では、PCM60は、ステップS102で決定した目標加速度を実現するためのエンジン10の目標トルクを決定する。この場合、PCM60は、現在の車速、ギヤ段、路面勾配、路面μなどに基づき、エンジン10が出力可能なトルクの範囲内で目標トルクを決定する。
次いで、ステップS104では、PCM60は、ステップS101で取得した現在のエンジン回転数及びステップS103で決定した目標トルクを含むエンジン10の運転状態に応じて、点火プラグ14による目標点火時期を設定する。具体的には、PCM60は、目標トルクにフリクションロスやポンピングロスによる損失トルクを加味した目標図示トルクを算出し、種々の充填効率及び種々のエンジン回転数について点火時期と図示トルクとの関係を規定した点火時期マップ(点火進角マップ)の中から、現在のエンジン回転数に対応し且つMBT近傍で目標図示トルクが得られる点火時期マップを選択し、選択した点火時期マップを参照して、目標図示トルクに対応する目標点火時期を設定する。なお、PCM60は、ノッキングが生じている場合には、このように設定した目標点火時期を遅角側に補正するのがよい。
特に、本実施形態では、PCM60は、触媒装置35を早期に暖機するためのAWS制御を行う場合には、上記のような点火時期マップから決定される目標点火時期(AWS制御を行わない場合に適用される基準点火時期に相当する)を、所定の点火時期遅角量だけ遅角させた点火時期を、目標点火時期として設定する。具体的には、AWS制御を行う場合にエンジン10の運転状態に応じて設定すべき点火時期遅角量が事前にマップ(以下では「点火時期遅角マップ」と呼ぶ。)として規定されており、PCM60は、AWS制御を行う場合には、そのようなマップを参照して現在のエンジン10の運転状態に対応する点火時期遅角量を決定し、当該点火時期遅角量から目標点火時期を設定する。なお、点火時期遅角マップの詳細は後述する。
次いで、ステップS105では、PCM60は、ステップS103で決定した目標トルクをエンジン10に出力させるための目標充填効率を設定する。具体的には、PCM60は、上記した目標図示トルクを出力するために必要な要求平均有効圧力を求めると共に、この要求平均有効圧力に相当する熱量(要求熱量)を求め、上記した目標点火時期に設定された条件での熱効率(基準熱効率)と、エンジン10の実際の運転条件による熱効率(実熱効率)との大小関係に応じて、基準熱効率及び実熱効率のいずれかと要求熱量とに基づき目標充填効率を求める。なお、PCM60は、要求平均有効圧力などに応じて、こうして求めた目標充填効率を適宜制限してもよい。また、PCM60は、上記のようにAWS制御を行うために点火時期を点火時期遅角量だけ遅角させる場合には、この点火時期遅角量に応じた量だけ充填量(吸入空気量)を増量させるように目標充填効率を補正して、ステップS103で決定された目標トルクがエンジン10から適切に出力されるようにする。
次いで、ステップS106では、PCM60は、ステップS105で設定した目標充填効率に相当する空気がエンジン10に導入されるように、エアフローセンサ41が検出した空気量を考慮して、スロットルバルブ6の開度と、可変吸気バルブ機構18を介した吸気バルブ12の開閉時期とを決定する。
次に、ステップS107では、PCM60は、ステップS106で決定したスロットル開度及び吸気バルブ12の開閉時期に基づき、スロットルバルブ6及び可変吸気バルブ機構18を制御するとともに、エンジン10の運転状態等に応じて決定された目標当量比と、エアフローセンサ41により検出された空気量等に基づき推定した実空気量とに基づき、燃料噴射弁13を制御する。
また、ステップS106〜S107の処理と並行して、ステップS108において、PCM60は、ターボ過給機4による目標過給圧を取得する。例えば、エンジン回転数やエンジン負荷や目標トルクなどに対して設定すべき目標過給圧が対応付けられたマップが予めメモリ等に記憶されており、PCM60は、そのマップを参照して、現時点でのエンジン回転数やエンジン負荷や目標トルクなどに対応する目標過給圧を取得する。このような目標過給圧のマップでは、少なくともエンジン10の高負荷域において、ターボ過給機4による過給が実施されるように目標過給圧が規定されている。
次いで、ステップS109において、PCM60は、ステップS108において取得した目標過給圧を実現するための、WGバルブ31の開度を決定する。
次いで、ステップS110において、PCM60は、ステップS109において設定した開度に基づき、WGバルブ31のアクチュエータを制御する。この場合、PCM10は、ステップS109において設定した開度に応じてWGバルブ31のアクチュエータを制御すると共に、圧力センサ43により検出される過給圧を、ステップS108において取得した目標過給圧に近づけるようにアクチュエータをフィードバック制御する。
また、ステップS106〜S107及びステップS108〜S110の処理と並行して、ステップS111において、PCM60は、ステップS104において設定した目標点火時期にて点火が行われるように、点火プラグ14を制御する。
<AWS制御処理>
次に、図4を参照して、本発明の実施形態において行われるAWS制御の基本処理について説明する。図4は、本発明の実施形態によるAWS制御処理を示すフローチャートである。このAWS制御処理は、PCM60によって所定の周期で繰り返し実行され、また、図3に示したエンジン制御処理と並行して実行される。
次に、図4を参照して、本発明の実施形態において行われるAWS制御の基本処理について説明する。図4は、本発明の実施形態によるAWS制御処理を示すフローチャートである。このAWS制御処理は、PCM60によって所定の周期で繰り返し実行され、また、図3に示したエンジン制御処理と並行して実行される。
まず、ステップS201では、PCM60は、車両における各種情報を取得する。具体的には、PCM60は、アクセル開度センサ40によって検出されたアクセル開度や、車速センサ53によって検出された車速や、クランク角センサ46によって検出されたクランク角に対応するエンジン回転数や、エアフローセンサ41によって検出された吸入空気量に対応するエンジン負荷や、温度センサ49によって検出された水温などを取得する。加えて、PCM60は、触媒装置35の温度(触媒温度)も取得する。基本的には、触媒温度は、車両運転時に排気ガス温度などに基づいて推定され、車両始動直後には、車両運転終了時に推定された触媒温度とソーク時間(エンジン停止から始動するまでの時間)とに基づき推定される。
次いで、ステップS202では、PCM60は、冷間始動時であるか否かを判定する。具体的には、PCM60は、ステップS201で取得した水温が所定温度(例えば40度)以下で、且つステップS201で取得した触媒温度が所定温度(例えば350度)以下であるか否かを判定する。この場合、PCM60は、水温が所定温度以下で且つ触媒温度が所定温度以下である場合に、冷間始動時であると判定する。このようなステップS202の判定を行うことで、PCM60は、触媒装置35が未活性状態であるか否かを判定する。
ステップS202の判定の結果、冷間始動時であると判定された場合(ステップS202:Yes)、処理はステップS203に進む。このステップS203以降では、触媒装置35が未活性状態にあるので、PCM60は、触媒装置35を早期に暖機するためのAWS制御を実行する。一方で、冷間始動時であると判定されなかった場合(ステップS202:No)、処理は終了する。この場合には、触媒装置35が活性状態にあるので、PCM60は、AWS制御を実行しない。
ステップS203では、PCM60は、アイドル運転時であるか否かを判定する。換言すると、車両停止時であるか否かを判定する。具体的には、PCM60は、ステップS201で取得したアクセル開度が0で、且つステップS201で取得した車速が0であるか否かを判定する。この場合、PCM60は、アクセル開度が0で且つ車速が0である場合に、アイドル運転時であると判定する。
ステップS203の判定の結果、アイドル運転時であると判定された場合(ステップS203:Yes)、つまり車両停止時である場合、ステップS204に進む。ステップS204では、PCM60は、AWS制御として、燃焼室11内において点火プラグ14近傍に点火プラグ14周辺よりも濃い混合気の層を形成して弱成層燃焼させるように燃料噴射制御を行いつつ、吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行う。以下では、このような車両停止時に行うAWS制御を「弱成層AWS制御」と呼ぶ。この弱成層AWS制御は、第1暖機制御に相当する。
具体的には、PCM60は、弱成層AWS制御を行う場合には、弱成層燃焼を実現するように燃料噴射制御(特に燃料噴射時期の制御)を行いつつ、エンジン10の運転状態(例えば、エアコンやオルタネータやオイルポンプの駆動の度合いやオン・オフ等のエンジン10の外部負荷)に応じた点火時期遅角量だけ点火時期を基準点火時期から遅角させる点火制御を行うと共に、この点火時期遅角量に基づき吸入空気量を増加させる吸入空気量制御を行う。
一方で、アイドル運転時であると判定されなかった場合(ステップS203:No)、つまり車両走行時である場合、ステップS205に進む。ステップS205では、PCM60は、AWS制御として、燃焼室11内に均質な混合気を形成して均質燃焼させるように燃料を噴射する燃料噴射制御を行いつつ、吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行う。以下では、このような車両走行時に行うAWS制御を「均質燃焼AWS制御」と呼ぶ。この均質燃焼AWS制御は、第2暖機制御に相当する。
具体的には、PCM60は、均質燃焼AWS制御を行う場合には、均質燃焼を実現するように燃料噴射制御(特に燃料噴射時期の制御)を行いつつ、エンジン10の運転状態(エンジン回転数及びエンジン負荷)に応じた点火時期遅角量だけ基準点火時期から点火時期を遅角させる点火制御を行うと共に、この点火時期遅角量に基づき吸入空気量を増加させる吸入空気量制御を行う。この均質燃焼AWS制御を行う場合には、PCM60は、後述する点火時期遅角マップ(図8及び図9参照)に基づき点火時期遅角量を設定する。基本的には、均質燃焼AWS制御において適用される点火時期遅角量は、同じエンジン10の運転状態で見たときに、弱成層AWS制御において適用される点火時期遅角量よりも小さい。
次いで、ステップS204の弱成層AWS制御又はステップS205の均質燃焼AWS制御を行った後、処理はステップS206に進む。ステップS206では、PCM60は、弱成層AWS制御の実行時間が第1所定時間(例えば30秒)以上であるか否かを判定する。ここで用いる弱成層AWS制御の実行時間には、弱成層AWS制御を実行した時間を累計した時間が適用される。例えば、弱成層AWS制御後に均質燃焼AWS制御を行い、その後に弱成層AWS制御を再度行った場合には、1回目の弱成層AWS制御の実行時間と2回目の弱成層AWS制御の実行時間とを累計した時間を実行時間として用いて、ステップS206の判定を行う。また、ステップS206で用いる第1所定時間は、触媒装置35を十分に暖機するのに必要な弱成層AWS制御の実行時間に基づき定められる。この第1所定時間を定めるに当たって、弱成層AWS制御の実行による燃費やドライバビリティの悪化も考慮してもよい。
ステップS206の判定の結果、弱成層AWS制御の実行時間が第1所定時間以上であると判定された場合(ステップS206:Yes)、ステップS208に進み、PCM60は、AWS制御の実行を終了する。具体的には、PCM60は、弱成層AWS制御を実行している場合には当該弱成層AWS制御を終了し、均質燃焼AWS制御を実行している場合には当該均質燃焼AWS制御を終了する。
一方で、弱成層AWS制御の実行時間が第1所定時間以上であると判定されなかった場合(ステップS206:No)、つまり弱成層AWS制御の実行時間が第1所定時間未満である場合、ステップS207に進む。ステップS207では、PCM60は、エンジン始動後の経過時間が第2所定時間(例えば80秒)以上であるか否かを判定する。この第2所定時間は、上記した第1所定時間よりも長い時間が適用され、触媒装置35を十分に暖機するのに必要なAWS制御の実行時間(例えば均質燃焼AWS制御のみを実行したときの時間)に加えて、AWS制御が長時間実行されることによる燃費やドライバビリティの悪化に基づき定められる。
なお、冷間始動時(触媒装置35の未活性状態時)に、車両停止(アイドル運転)と車両走行との間で運転状態が変化することで、弱成層AWS制御と均質燃焼AWS制御とが切り替わりながら実行される。そのため、ステップS207で用いるエンジン始動後の経過時間は、基本的には、弱成層AWS制御の実行時間と均質燃焼AWS制御の実行時間とを加算した時間に一致することとなる。
なお、冷間始動時(触媒装置35の未活性状態時)に、車両停止(アイドル運転)と車両走行との間で運転状態が変化することで、弱成層AWS制御と均質燃焼AWS制御とが切り替わりながら実行される。そのため、ステップS207で用いるエンジン始動後の経過時間は、基本的には、弱成層AWS制御の実行時間と均質燃焼AWS制御の実行時間とを加算した時間に一致することとなる。
ステップS207の判定の結果、エンジン始動後の経過時間が第2所定時間以上であると判定された場合(ステップS207:Yes)、ステップS208に進み、PCM60は、弱成層AWS制御及び均質燃焼AWS制御の両方の実行を終了する。一方で、エンジン始動後の経過時間が第2所定時間以上であると判定されなかった場合(ステップS207:No)、つまりエンジン始動後の経過時間が第2所定時間未満である場合、ステップS203に戻る。この場合には、PCM60は、AWS制御を継続すべく、上記したステップS203以降の処理を再度行う。
なお、上記したAWS制御処理は、時間(具体的には弱成層AWS制御の実行時間及びエンジン始動後の経過時間)に基づいてAWS制御を終了したが、この時間に加えて、燃料の積算噴射量(触媒装置35への投入熱量に相当する)や、上記のように推定した触媒温度に基づいて、AWS制御を終了してもよい。具体的には、弱成層AWS制御の実行時間が第1所定時間以上という条件、エンジン始動後の経過時間が第2所定時間以上という条件、燃料の積算噴射量が所定量以上という条件、及び、推定した触媒温度が所定温度以上という条件、のうちのいずれかが成立した場合にAWS制御を終了すればよい。
<弱成層燃焼及び均質燃焼>
次に、図5乃至図7を参照して、弱成層燃焼及び均質燃焼について具体的に説明する。
次に、図5乃至図7を参照して、弱成層燃焼及び均質燃焼について具体的に説明する。
図5は、弱成層燃焼及び均質燃焼が生じる前(直前)のエンジン10の燃焼室11内に形成される混合気の分布状態(濃度分布)を模式的に示す図である。弱成層燃焼が生じる直前には、図5(a)に示すように、燃焼室11内の混合気が点火プラグ14周り(詳しくは点火プラグ14の電極周り)において相対的にリッチとなり、その周囲において相対的にリーンとなる弱成層状態が形成される。他方で、均質燃焼が生じる直前においては、図5(b)に示すように、燃焼室11内に均質な混合気が形成される、つまり燃焼室11全体に燃料が行き渡った状態が形成される。
弱成層燃焼は均質燃焼と比べて燃焼状態が良好であるため、本実施形態では、車両停車時には弱成層燃焼を行いつつAWS制御(つまり弱成層AWS制御)を実行する。一方で、車両走行時にAWS制御を実行する場合に弱成層燃焼を適用すると、エンジン10の運転状態が変化したときに所望の弱成層状態を形成できずに失火などが発生してしまう場合があるので、本実施形態では、車両走行時には、弱成層燃焼の代わりに均質燃焼を行いつつAWS制御(つまり均質燃焼AWS制御)を実行する。但し、均質燃焼は弱成層燃焼と比べて燃焼状態が悪いので、上述したように、均質燃焼AWS制御を実行する場合には、弱成層AWS制御を実行する場合よりも、同じエンジン10の運転状態で見たときの点火時期遅角量を小さくする。
ここで、エンジン10の燃焼室11内における混合気の成層化の程度は「成層度合い」で表される。例えば、この成層度合いは、燃焼室11全体のガスに含まれる燃料の濃度に対する点火プラグ14近傍のガスに含まれる燃料の濃度の割合に相当し、この割合が大きいほど、成層度合いが高くなる(点火プラグ14近傍のガスに含まれる燃料の濃度の割合と、当該領域の周囲の領域のガスに含まれる燃料の濃度との差を用いてもよい)。上記した弱成層燃焼を行う場合の燃焼室11の状態(弱成層状態)は、均質燃焼を行う場合の燃焼室11の状態よりも成層度合いが高い。PCM60は、燃料噴射弁13に対する制御を行うことで、具体的には燃料噴射弁13の燃料噴射時期を制御することで、燃焼室11内の成層度合いを変化させる。特に、PCM60は、燃料噴射弁13の燃料噴射時期を制御することで、AWS制御時に弱成層燃焼及び均質燃焼のいずれかを実現する。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態において弱成層AWS制御及び均質燃焼AWS制御を行う場合に適用する燃料噴射時期について具体的に説明する。図6(a)は、弱成層AWS制御を行う場合に適用する燃料噴射時期及び点火時期を示し、図6(b)は、均質燃焼AWS制御を行う場合に適用する燃料噴射時期及び点火時期を示している。図6(a)及び(b)では、横軸にクランク角度を示している。
図6(a)に示すように、PCM60は、弱成層AWS制御を行う場合、1サイクル当り、吸気行程において1回及び圧縮行程において1回の計2回、燃料を2つに分割して噴射するように燃料噴射弁13を制御する。具体的には、PCM60は、吸気行程後期の所定時期T11に1回目の燃料噴射を開始し、圧縮行程中期の所定時期T12に2回目の燃料噴射を開始するように燃料噴射弁13を制御する。このように燃料を適切な時期で2分割して噴射することにより、燃焼室11内に弱成層状態が形成される。具体的には、吸気行程での1回目の燃料噴射によって燃料が早期に燃焼室11内で気化霧化し、その後、圧縮行程での2回目の燃料噴射によって点火プラグ14周りに燃料濃度の濃いリッチな混合気の層が形成される。また、図6(a)に示すように、PCM60は、弱成層AWS制御を行う場合、基準点火時期に比較的大きな点火時期遅角量を適用した点火時期T13で点火するように点火プラグ14を制御する。図6(a)に示す例では、この点火時期T13は、圧縮上死点(TDC)を大幅に超えたタイミングになっている。
一方、図6(b)に示すように、PCM60は、均質AWS制御を行う場合、吸気行程において1回のみ、燃料を噴射するように燃料噴射弁13を制御する。具体的には、PCM60は、吸気行程初期の所定時期T21に燃料噴射を開始するように燃料噴射弁13を制御する。また、図6(b)に示すように、PCM60は、均質AWS制御を行う場合、基準点火時期に比較的小さな点火時期遅角量(具体的には弱成層AWS制御を行う場合よりも小さな点火時期遅角量)を適用した点火時期T22で点火するように点火プラグ14を制御する。図6(b)に示す例では、この点火時期T22は、圧縮上死点(TDC)を超えないタイミングになっている。なお、均質AWS制御を行う場合に、1回のみ燃料噴射を行うことに限定はされず、分割噴射を行ってもよい。
次に、図7を参照して、エンジン10の燃焼室11内に弱成層状態が形成される様子について説明する。図7(a)に示すように、マルチホール型に構成された燃料噴射弁13の1つの噴口からの燃料噴霧Gaは、ピストン15の冠面に形成された凹状キャビティ15aの略半球面状の内周面15bに向かう。そのため、図7(b)に示すように、燃料噴霧Gaはこの内周面15bの円弧状傾斜面15dに案内されて円滑良好に上方に方向転換し、点火プラグ14に向かう。
一方、図7(a)に示すように、燃料噴射弁13の他の噴口(上記した燃料噴霧Gaの噴口とは異なる噴口)からの燃料噴霧Gbは受け面15cに向かう。そのため、燃料噴霧Gbは受け面15cに衝突して勢いが弱まり、受け面15cの上方を漂う。ここで、燃料噴霧Gaが通過した後に凹状キャビティ15a内に引き込む負圧が発生しているため、図7(b)に示すように、燃料噴霧Gbはこの負圧によって凹状キャビティ15a内に引き込まれる。
このように、燃料噴霧Gaに加えて燃料噴霧Gbが凹状キャビティ15a内に引き込まれることにより、より多くの燃料が点火プラグ14周りに位置し、結果として、燃料濃度の濃いリッチな混合気が点火プラグ14周りに多く存在することになる。つまり、燃焼室11内に弱成層状態が形成されることとなる。
<点火時期遅角マップ>
次に、本発明の実施形態による点火時期遅角マップについて説明する。上述したように、この点火時期遅角マップは、図4のAWS制御処理のステップS203において、均質燃焼AWS制御を行う場合に適用する点火時期遅角量を決定するために使用される。点火時期遅角マップでは、エンジン負荷及びエンジン回転数のそれぞれに対して、均質燃焼AWS制御を行う場合に設定すべき点火時期遅角量が事前に対応付けられている。具体的には、点火時期遅角マップに規定された点火時期遅角量は、ドライバビリティを確保しつつ、また、燃費をそれほど悪化させることなく、均質燃焼AWS制御によって触媒装置35を適切に暖機できるような遅角量に設定されている。ここでいうドライバビリティの確保には、失火の抑制だけでなく、点火時期の遅角に応じて吸入空気量を増量させたことに起因する燃焼音の抑制も含むものとする。
次に、本発明の実施形態による点火時期遅角マップについて説明する。上述したように、この点火時期遅角マップは、図4のAWS制御処理のステップS203において、均質燃焼AWS制御を行う場合に適用する点火時期遅角量を決定するために使用される。点火時期遅角マップでは、エンジン負荷及びエンジン回転数のそれぞれに対して、均質燃焼AWS制御を行う場合に設定すべき点火時期遅角量が事前に対応付けられている。具体的には、点火時期遅角マップに規定された点火時期遅角量は、ドライバビリティを確保しつつ、また、燃費をそれほど悪化させることなく、均質燃焼AWS制御によって触媒装置35を適切に暖機できるような遅角量に設定されている。ここでいうドライバビリティの確保には、失火の抑制だけでなく、点火時期の遅角に応じて吸入空気量を増量させたことに起因する燃焼音の抑制も含むものとする。
まず、図8を参照して、本発明の実施形態による点火時期遅角マップに規定された、エンジン負荷と点火時期遅角量との関係について説明する。図8は、点火時期遅角量マップに関して、同一のエンジン回転数で見たときのエンジン負荷(横軸)と点火時期遅角量(縦軸)との関係を示すグラフである。
図8に示すように、本実施形態においては、符号R11で示すエンジン負荷域では、同一のエンジン回転数で見たときに、低負荷側のエンジン負荷域では高負荷側のエンジン負荷域よりも点火時期遅角量が小さくなるように点火時期遅角マップが規定されている。基本的には、エンジン負荷域R11では、エンジン負荷が低くなるほど点火時期遅角量が徐々に小さくなっていく。低負荷域では燃焼室11内のガスの流動が小さいため火炎伝播しにくく、高負荷域よりも燃焼安定性が低いので、低負荷域において点火時期を大きく遅角させるとドライバビリティが悪化する傾向にある。したがって、本実施形態では、このようなドライバビリティの悪化を抑制するために、エンジン負荷が低くなるほど点火時期遅角量を小さくしている。
また、図8に示すように、本実施形態においては、符号R12で示す高負荷側のエンジン負荷域では、上記したエンジン負荷域R11よりも、点火時期遅角量が小さくなるように点火時期遅角マップが規定されている。具体的には、エンジン負荷域R12はターボ過給機4による過給が行われる過給域に相当し、エンジン負荷域R11はターボ過給機4による過給が行われない非過給域に相当し、そのような過給域であるエンジン負荷域R12において点火時期遅角量がほぼ0になっている、つまり基準点火時期からの点火時期の遅角が禁止されるようになっている。過給域では非過給域よりも点火時期遅角量の変化に対するトルク変化量が大きく、また、過給域では目標過給圧に基づいた過給圧制御の追従性から、AWS制御時におけるトルク調整が困難である。一方で、過給域では投入熱量が大きいので、点火時期を遅角させなくても、触媒装置35を十分に昇温することができる。したがって、本実施形態では、過給域において点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制すべく、過給域では基準点火時期からの点火時期の遅角を禁止している。この場合、過給域ではAWS制御の実行自体を禁止してもよい。
なお、過給域と非過給域とを規定するエンジン負荷L1は、充填効率がほぼ1に対応するエンジン負荷である。つまり、充填効率が1以上の負荷域においてターボ過給機4による過給が実施される。
なお、過給域と非過給域とを規定するエンジン負荷L1は、充填効率がほぼ1に対応するエンジン負荷である。つまり、充填効率が1以上の負荷域においてターボ過給機4による過給が実施される。
次に、図9を参照して、本発明の実施形態による点火時期遅角マップに規定された、エンジン回転数と点火時期遅角量との関係について説明する。図9は、点火時期遅角量マップに関して、同一のエンジン負荷で見たときのエンジン回転数(横軸)と点火時期遅角量(縦軸)との関係を示すグラフである。
図9に示すように、本実施形態では、同一のエンジン負荷で見たときに、高回転域では低回転域よりも点火時期遅角量が大きくなるように点火時期遅角マップが規定されている。基本的には、エンジン回転数が大きくなるほど点火時期遅角量が大きくなっていく。エンジン回転数が大きくなるほど、燃焼室11内のガスの流動が大きくなり、燃焼安定性が高くなっていくので、点火時期を比較的大きく遅角させても燃焼が不安定になりにくい。そのため、本実施形態では、エンジン回転数が大きくなるほど、触媒装置35をより速やかに昇温させるように、点火時期遅角量を大きくしている。
<タイムチャート>
次に、図10を参照して、上記した本発明の実施形態によるAWS制御処理(図4参照)を実行した場合の結果について説明する。図10は、本発明の実施形態によるAWS制御処理を実行した場合のタイムチャートの一例を示す。具体的には、図10では、上から順に、車速、エンジン回転数、充填効率、点火時期、点火時期遅角量、触媒上流側温度(触媒装置35の直上流側の温度)、触媒下流側温度(触媒装置35の直下流側の温度)を示している。また、図10において、実線のグラフは、本実施形態によるAWS制御処理を実行した場合の結果を示し、破線のグラフは、比較例によるAWS制御を実行した場合の結果を示している。この比較例では、車両停止時にのみAWS制御(具体的には弱成層AWS制御)を実行し、車両走行時にはAWS制御を実行しないものとする。
次に、図10を参照して、上記した本発明の実施形態によるAWS制御処理(図4参照)を実行した場合の結果について説明する。図10は、本発明の実施形態によるAWS制御処理を実行した場合のタイムチャートの一例を示す。具体的には、図10では、上から順に、車速、エンジン回転数、充填効率、点火時期、点火時期遅角量、触媒上流側温度(触媒装置35の直上流側の温度)、触媒下流側温度(触媒装置35の直下流側の温度)を示している。また、図10において、実線のグラフは、本実施形態によるAWS制御処理を実行した場合の結果を示し、破線のグラフは、比較例によるAWS制御を実行した場合の結果を示している。この比較例では、車両停止時にのみAWS制御(具体的には弱成層AWS制御)を実行し、車両走行時にはAWS制御を実行しないものとする。
まず、エンジン始動直後の時刻t11において、冷間始動時且つアイドル運転時であるため、具体的には水温が所定温度以下で、触媒温度が所定温度以下で、アクセル開度が0で、且つ車速が0であるため、本実施形態及び比較例の両方とも、弱成層燃焼させつつ点火時期を遅角させる弱成層AWS制御が実行される。この後、時刻t12において、車速が0を超えて車両走行状態になるため、本実施形態では、弱成層AWS制御が終了して、均質燃焼させつつ点火時期を遅角させる均質燃焼AWS制御が開始される。つまり、弱成層AWS制御から均質燃焼AWS制御へと切り替えられる。一方、比較例では、時刻t12において弱成層AWS制御が終了する。この場合、点火時期の遅角が終了し、点火時期が基準点火時期に設定される。
次に、時刻t13において、車速が0になりアイドル運転状態(車両停止状態)になるため、本実施形態では、均質燃焼AWS制御が終了して、弱成層AWS制御が開始される。つまり、均質燃焼AWS制御から弱成層AWS制御へと切り替えられる。一方、比較例では、時刻t13において弱成層AWS制御が再度開始される。この後、時刻t14において、車速が0を超えて車両走行状態になるため、本実施形態では、弱成層AWS制御が終了して均質燃焼AWS制御が開始され、比較例では、弱成層AWS制御が終了する。そして、時刻t15において、エンジン始動後の経過時間が第2所定時間になるため、本実施形態では、弱成層AWS制御及び均質燃焼AWS制御の両方が終了する。
このような本実施形態と比較例とを比較すると、図10の触媒上流側温度及び触媒下流側温度に示すように、本実施形態によれば、比較例よりも、触媒温度が速やかに昇温していることがわかる。
<作用効果>
次に、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の作用効果について説明する。
次に、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、触媒装置35が未活性状態にある場合には、車両走行時においてもAWS制御を行うので、つまり車両停止時だけでなく車両走行時にもAWS制御を行うので、車両停止時にのみAWS制御を行う場合と比較して、触媒装置35を速やかに昇温でき、触媒装置35の暖機を効果的に促進することができる。
また、本実施形態によれば、ターボ過給機4による過給が行われる過給域では、ターボ過給機4による過給が行われない非過給域よりも、AWS制御において点火時期を基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくするので、過給域において点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置35を適切に暖機できるようになる。特に、本実施形態によれば、過給域では基準点火時期からの点火時期の遅角を禁止するので、過給域でのトルク変動を効果的に抑制することができる。この場合、過給域では投入熱量が大きいので、点火時期を遅角させなくても、触媒装置35を十分に昇温することができる。
また、本実施形態によれば、車両走行時には均質燃焼させながらAWS制御を行い、車両停止時には弱成層燃焼させながらAWS制御を行うので、つまり車両運転状態に応じて均質燃焼AWS制御と弱成層AWS制御とを切り替えるので、運転状態に適したAWS制御を実行して、失火などのドライバビリティの悪化を適切に抑制しつつ、触媒装置35を速やかに昇温することができる。
また、本実施形態によれば、AWS制御によって点火時期を遅角させる場合に、点火時期遅角量に応じて吸入空気量を増加させるので、AWS制御時にも目標トルクを適切に実現することができる。
<変形例>
上記した実施形態では、均質燃焼AWS制御を行う場合に、過給域において点火時期の遅角を禁止していたが(図8参照)、過給域において点火時期の遅角を禁止することに限定はされない、つまり過給域において点火時期を遅角させてもよい。その場合、ターボ過給機4による過給度合いに応じて点火時期遅角量を設定すればよい。具体的には、過給度合いが大きい場合には過給度合いが小さい場合よりも点火時期遅角量を小さくすればよい。これによっても、点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置35を適切に暖機できる。
上記した実施形態では、均質燃焼AWS制御を行う場合に、過給域において点火時期の遅角を禁止していたが(図8参照)、過給域において点火時期の遅角を禁止することに限定はされない、つまり過給域において点火時期を遅角させてもよい。その場合、ターボ過給機4による過給度合いに応じて点火時期遅角量を設定すればよい。具体的には、過給度合いが大きい場合には過給度合いが小さい場合よりも点火時期遅角量を小さくすればよい。これによっても、点火時期を遅角させることによるトルク変動を抑制しつつ、触媒装置35を適切に暖機できる。
1 吸気通路
4 ターボ過給機
4a コンプレッサ
4b タービン
6 スロットルバルブ
10 エンジン
11 燃焼室
12 吸気バルブ
13 燃料噴射弁
14 点火プラグ
15 ピストン
17 排気バルブ
25 排気通路
26 EGR装置
35a、35b 触媒装置
60 PCM
100 エンジンシステム
4 ターボ過給機
4a コンプレッサ
4b タービン
6 スロットルバルブ
10 エンジン
11 燃焼室
12 吸気バルブ
13 燃料噴射弁
14 点火プラグ
15 ピストン
17 排気バルブ
25 排気通路
26 EGR装置
35a、35b 触媒装置
60 PCM
100 エンジンシステム
Claims (6)
- ターボ過給機を備えるエンジンに適用され、排気通路上に設けられた触媒装置を早期に暖機するための触媒早期暖機制御を行うエンジンの制御装置において、
車両走行時において触媒装置が未活性状態にある場合に、上記触媒早期暖機制御を行わない場合よりも吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、上記触媒早期暖機制御を行わない場合に設定される基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行って、触媒装置を早期に暖機する触媒早期暖機制御手段を有し、
この触媒早期暖機制御手段は、上記ターボ過給機による過給度合いが大きい場合には、上記ターボ過給機による過給度合いが小さい場合よりも、上記点火制御によって点火時期を上記基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくする、ことを特徴とするエンジンの制御装置。 - 上記触媒早期暖機制御手段は、上記過給度合いをエンジン負荷に基づき判断し、このエンジン負荷が、充填効率が1に対応する所定負荷以上である領域では、エンジン負荷が上記所定負荷未満である領域よりも上記点火時期遅角量を小さくする、請求項1に記載のエンジンの制御装置。
- ターボ過給機を備えるエンジンに適用され、排気通路上に設けられた触媒装置を早期に暖機するための触媒早期暖機制御を行うエンジンの制御装置において、
車両走行時において触媒装置が未活性状態にある場合に、上記触媒早期暖機制御を行わない場合よりも吸入空気量を増加させる吸入空気量制御と、上記触媒早期暖機制御を行わない場合に設定される基準点火時期よりも点火時期を遅角させる点火制御とを行って、触媒装置を早期に暖機する触媒早期暖機制御手段を有し、
この触媒早期暖機制御手段は、上記ターボ過給機による過給が行われる過給域では、上記ターボ過給機による過給が行われない非過給域よりも、上記点火制御によって点火時期を上記基準点火時期から遅角させる点火時期遅角量を小さくする、ことを特徴とするエンジンの制御装置。 - 上記触媒早期暖機制御手段は、上記過給域では、上記点火制御による上記基準点火時期からの点火時期の遅角を禁止する、請求項3に記載のエンジンの制御装置。
- 上記触媒早期暖機制御手段は、
車両走行時において触媒装置が未活性状態にある場合には、エンジンの燃焼室内に均質な混合気を形成して均質燃焼させるように燃料を噴射する燃料噴射制御を行いつつ、上記吸入空気量制御及び上記点火制御を行い、
車両停止時において触媒装置が未活性状態にある場合には、エンジンの燃焼室内において点火プラグ近傍に点火プラグ周辺よりも濃い混合気の層を形成して成層燃焼させるように燃料を噴射する燃料噴射制御を行いつつ、上記吸入空気量制御及び上記点火制御を行う、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。 - 上記基準点火時期は、エンジンから出力させるべき目標トルクに基づいて設定され、
上記触媒早期暖機制御手段は、上記点火制御によって点火時期を上記基準点火時期から上記点火時期遅角量だけ遅角させる場合に、当該点火時期遅角量に応じて吸入空気量を増加させて、エンジンから上記目標トルクを出力させるようにする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
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