JP2017165083A - 天然木木目導管蓄光 - Google Patents
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Abstract
【課題】 木材の木目や導管に蓄光顔料を注入しても僅かしか入らない為、暗がりで実用上充分な発光を得られなかった。それ故、木材そのものの木目や導管の意匠を生かしつつ充分な発光量を得られるだけの蓄光顔料を注入出来る様にする何らかの対策が必要であった。【解決手段】導管や木目の意匠を守りながらも人為的にこれらを拡大加工し蓄光顔料の入るスペースを生み出す加工をし、それら加工品に作り上げられたスペースを利用して蓄光顔料を入れる事で導管や木目の意匠を維持したまま、暗がりにおける十分な自発光性能を持つ製品が出来上がる。【選択図】図1
Description
本発明は、天然木の木目及び導管周辺、若しくは木目調部位への蓄光顔料注入スペースの増加若しくは新規作成を図った加工部位を利用し蓄光顔料を注入した製品。
従来の天然木突板の木目及び導管部への蓄光顔料注入には、天然木突板表面へそのまま蓄光顔料注入を行い木目及び導管を暗視時に自発光させるものがある。
「株式会社 伊藤化粧ベニヤ製作所 ホームページLUMICON PLYWOOD」、株式会社 伊藤化粧ベニヤ製作所
従来の木材加工面の導管部及び木目への蓄光顔料注入のみでは、導管の表面開口部の幅、長さ、奥行と導管内部の容積不足により、注入出来る蓄光顔料の容量は不充分で木目部分に至っては極僅かなものでしかなかった。
更に注入目的部以外に付着した余分な蓄光顔料を除去する為のサンドペーパー加工時に僅かに残った蓄光顔料の大部分が擦れ落ちてしまい、残留を目的とする木目及び導管部へ僅かに入り込んでいた蓄光顔料すら殆ど擦れ落ち、残留させる事が出来なかった。
それ故に暗闇若しくは光源の弱い場所「以下、暗がり、と書く」にあっても自発光部位は極部的で自発光量は僅かで弱々しく、発光時間も極めて短時間で減衰し、この技術のみによっての製品実用化は不可能であった。
さらに僅かであっても注入できる導管を持つ樹種は全木材種の中でも僅かに限られており、暗がりで実用に近い発光量が得られた樹種は1種類のみであった。
しかしこの樹種は大量の無秩序な伐採により大規模災害等を引き起こしてしまった樹種で原産国の意向により原木入手は極めて困難となっており、又、建具など和風建築に使われる色彩的に地味な樹種であり、木目導管自発光加工品には不向きな樹種であった。
これらの理由により導管部の少ない又は無い樹種が大多数を占める現状においてもこれらを加工し多くの樹種で暗がりにおいて個々の天然木が持つ杢柄の個性を光により表現するに充分な蓄光顔料の注入を可能とし、それにより実用可能な自発光を得る為の何らかの解決策が必要であった。
更に注入目的部以外に付着した余分な蓄光顔料を除去する為のサンドペーパー加工時に僅かに残った蓄光顔料の大部分が擦れ落ちてしまい、残留を目的とする木目及び導管部へ僅かに入り込んでいた蓄光顔料すら殆ど擦れ落ち、残留させる事が出来なかった。
それ故に暗闇若しくは光源の弱い場所「以下、暗がり、と書く」にあっても自発光部位は極部的で自発光量は僅かで弱々しく、発光時間も極めて短時間で減衰し、この技術のみによっての製品実用化は不可能であった。
さらに僅かであっても注入できる導管を持つ樹種は全木材種の中でも僅かに限られており、暗がりで実用に近い発光量が得られた樹種は1種類のみであった。
しかしこの樹種は大量の無秩序な伐採により大規模災害等を引き起こしてしまった樹種で原産国の意向により原木入手は極めて困難となっており、又、建具など和風建築に使われる色彩的に地味な樹種であり、木目導管自発光加工品には不向きな樹種であった。
これらの理由により導管部の少ない又は無い樹種が大多数を占める現状においてもこれらを加工し多くの樹種で暗がりにおいて個々の天然木が持つ杢柄の個性を光により表現するに充分な蓄光顔料の注入を可能とし、それにより実用可能な自発光を得る為の何らかの解決策が必要であった。
前途の課題を解決する為、導管部の少ない又は無い樹種においても、僅かにある導管や、木材の組織の強度の違いや繊維の流れ具合を利用し、蓄光顔料注入前に天然木の加工面を木目の意匠が際立つ様に特殊加工を施し、蓄光顔料を注入する。
具体的には、天然木加工面へブラシ状の物等、又は、粒状の浸食(風食)体「以下、(風食)、は省略する」を使い導管の開口部とその内容積を拡大し、木材加工面の強度や硬度の低い部分を強度や硬度高い部分よりも多く浸食加工、掘削加工、切削加工、研磨加工等、それぞれ、個別、若しくは組み合わせて行うことにより、浸食加工、掘削加工、切削加工、研磨加工された導管及び木目部分により多くの蓄光顔料注入の為のスペースが作り上げられ、そのスペースを利用して注入する。
又は、天然木板、天然木加工板、天然木不燃化粧板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シートに対し木目柄の突起のある版により木目型成型加工し、天然木板、天然木加工板、天然木不燃化粧板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シートに充分な量の蓄光顔料が入るだけの窪みを成型した物の窪み部分に注入する。
具体的には、天然木加工面へブラシ状の物等、又は、粒状の浸食(風食)体「以下、(風食)、は省略する」を使い導管の開口部とその内容積を拡大し、木材加工面の強度や硬度の低い部分を強度や硬度高い部分よりも多く浸食加工、掘削加工、切削加工、研磨加工等、それぞれ、個別、若しくは組み合わせて行うことにより、浸食加工、掘削加工、切削加工、研磨加工された導管及び木目部分により多くの蓄光顔料注入の為のスペースが作り上げられ、そのスペースを利用して注入する。
又は、天然木板、天然木加工板、天然木不燃化粧板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シートに対し木目柄の突起のある版により木目型成型加工し、天然木板、天然木加工板、天然木不燃化粧板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シートに充分な量の蓄光顔料が入るだけの窪みを成型した物の窪み部分に注入する。
1は噴射されている粒子状の浸食体
2は蓄光顔料
3は蓄光顔料飛散防止の為の定着液
4の斜線部分は加工によって出来上がった蓄光顔料の注入スペース
5はブラシ状の掘削体及び切削体及び研磨体
6は導管
7は蓄光顔料注入スペース成型加工のための凸版。
2は蓄光顔料
3は蓄光顔料飛散防止の為の定着液
4の斜線部分は加工によって出来上がった蓄光顔料の注入スペース
5はブラシ状の掘削体及び切削体及び研磨体
6は導管
7は蓄光顔料注入スペース成型加工のための凸版。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は天然木加工面に対し粒子状の浸食体を噴射し衝突させている加工図と、それによって出来たスペースに蓄光顔料満たし液体噴射している加工図と、両加工後の木口断面図である。
▲1▼は天然木加工面に対して粒子状の浸食体を噴射し衝突させる事により、木材の導管部の開口部や内部空間に対し侵食作用を及ぼし開口部及び内部空間を拡大させる。
更に、天然木の材質は一様に均一ではなく気候によって成長速度が変わるため強度や硬度の高い部分もあれば低く柔らかい部分もあるため、強度や硬度の低い木質部位は浸食体による浸食作用を受けて無くなり、高い部分はそれほど浸食を受けずに残ってゆく。
これらの浸食作用により無くなった部分を利用し蓄光顔料の入るスペースとする。
▲2▼は▲1▼の加工で出来たスペースに蓄光顔料注入加工と、蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図である。
▲3▼は▲1▼▲2▼の加工後、蓄光顔料が充分に注入された状態の木口断面図を表した図である。
▲1▼は天然木加工面に対して粒子状の浸食体を噴射し衝突させる事により、木材の導管部の開口部や内部空間に対し侵食作用を及ぼし開口部及び内部空間を拡大させる。
更に、天然木の材質は一様に均一ではなく気候によって成長速度が変わるため強度や硬度の高い部分もあれば低く柔らかい部分もあるため、強度や硬度の低い木質部位は浸食体による浸食作用を受けて無くなり、高い部分はそれほど浸食を受けずに残ってゆく。
これらの浸食作用により無くなった部分を利用し蓄光顔料の入るスペースとする。
▲2▼は▲1▼の加工で出来たスペースに蓄光顔料注入加工と、蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図である。
▲3▼は▲1▼▲2▼の加工後、蓄光顔料が充分に注入された状態の木口断面図を表した図である。
図2は天然木加工面に対し、ブラシ状の掘削体及び切削体及び研磨体での加工図と、それによって出来たスペースに蓄光顔料満たし蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図と、両加工後の木口断面図である。
▲4▼は天然木加工面に対しブラシ状の掘削体及び切削体及び研磨体により、天然木表面の導管とその周辺部及び、硬度、強度の低い木質部位が掘削及び切削及び研磨され、天然木加工面の木目、木質及び導管に沿った窪みを形成し、この窪みを利用し蓄光顔料注入の為のスペースとする。
▲5▼は▲4▼の加工で出来たスペースに蓄光顔料注入加工と、蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図である。
▲6▼は▲4▼▲5▼の加工後、蓄光顔料が充分に注入された状態の木口断面図を表した図である。
▲4▼は天然木加工面に対しブラシ状の掘削体及び切削体及び研磨体により、天然木表面の導管とその周辺部及び、硬度、強度の低い木質部位が掘削及び切削及び研磨され、天然木加工面の木目、木質及び導管に沿った窪みを形成し、この窪みを利用し蓄光顔料注入の為のスペースとする。
▲5▼は▲4▼の加工で出来たスペースに蓄光顔料注入加工と、蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図である。
▲6▼は▲4▼▲5▼の加工後、蓄光顔料が充分に注入された状態の木口断面図を表した図である。
図3は天然木板、天然木加工板、天然木不燃化粧板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シート等に対し、型による成型加工とそれによって出来たスペースに蓄光顔料注入加工と、蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図である。
▲7▼は加工面に対し型による成型加工する事で窪みを形成し、この窪みを利用し蓄光顔料注入の為のスペースとする。
▲8▼は▲7▼の加工で出来たスペースに蓄光顔料注入加工と、蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図である。
▲7▼は加工面に対し型による成型加工する事で窪みを形成し、この窪みを利用し蓄光顔料注入の為のスペースとする。
▲8▼は▲7▼の加工で出来たスペースに蓄光顔料注入加工と、蓄光顔料飛散防止の定着液を噴霧する図である。
近年、蓄光顔料は暗がりにおいて自身の蓄えたエネルギーにて暫くの間自発光するという機能により様々な用途に利用され利便性を発揮してきたが、木材及び木目調製品に塗布するとそれらの独自の木目の意匠が塗り消され、かといって木材の持つ小さなミクロザイズの導管のみに注入し、木目の意匠との両立を試みた結果、発光と言うには程遠い極小さな弱々しい束の間のものであり、発案より長きにわたる試行錯誤においても従来の加工手法の延長線上の改良では加工品として世に出せる物では無かった。今回の発明によって天然木は木材断面ごとに徐々に変化する天然の創作意匠をそのままに、木目調製品は人間の意図するままに、大量に注入される蓄光顔料によって此れまでとは比較にならない強力で視認性の高い長時間の自発光が可能となり、史上初の木目の意匠と暗がりにおける蓄光顔料の光による木目の意匠という2面性の意匠を持つ製品の実用化が可能となる。
木質系基材又は無機質系基材又は板に定着させたシートにコーティング剤を塗布・乾燥後、酢酸ビニール系接着剤又はSBR系接着剤を塗布・半乾燥後、天然木突板、若しくは木目調シートを貼り付けホットプレスにて摂氏約110度にて約2分間圧締し、その後天然木突板及び天然木シートへは蓚酸を塗布し中和して乾燥後、目的に応じて浸食加工、掘削加工、切削加工、研磨加工を選択若しくは組み合わせて行い加工後できあがったスペースに蓄光顔料を注入し、蓄光顔料飛散防止の液体を噴霧して固着乾燥させる。その後、サンドペーパによる研磨加工にてはみ出た余分な蓄光顔料を削り飛ばしつつ加工面全体を平滑にし、塗料を吹き付け塗膜を作る事で蓄光顔料を目的とするスペースに完全に固定し完成する。
住宅等、ホテル、病院、地下街等公共施設の内装材としては柱、壁面、扉、枠、床、廊下、エレベーター、手摺、階段の踏み板などに利用する事で通常時は木目の内装材でありながら突然の停電などによる暗がりにおいては自発光を行い、障害物や足場の視覚的認知を可能とし、激突、転倒、転落などからの回避予防効果がある。又、店舗、ホール、競技場などの柱、壁、天井、手摺、テーブルなどに利用する事によりライトアップ状態からの一斉消灯による暗がりで建物各部からの木目の自発光効果による光の演出が可能となる。
家具、建具、ディスプレー棚、パーテーション、スピーカー、ピアノやギター等の楽器、お盆や箸、コップ、刃物のグリップ部等の日用品や列車、航空機、船舶の内装等。
シート状の製品を使えば扇子、傘、バッグ、財布、カタログ等の表紙、カーテン、ブラインドシャッター、照明器具の傘等。
シート状の製品と真空ラッピング加工を組み合わせれば、皿、家電製品の外装、自動車のインパネ、ステアリング、シフトノブ、外装等。
Claims (2)
- 天然木の加工表面に浸食、掘削、切削、研磨等により作り出した窪みや空間、又は同様の加工により拡大した導管、若しくはそれら全てを持つに至った加工品にて、その加工品が持つ窪みや空間、及び拡大した導管のそれぞれ、若しくは組み合わせ、若しくはそれら全てに蓄光顔料を入れた加工技法により制作された天然木板、天然木加工板、天然木不燃化粧板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シート。
- 天然木板、天然木加工板、天然木不燃板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シート等加工面に対し、型による成型加工を行う事で出来た蓄光顔料注入可能なスペースを持つに至った加工品にて、その加工品が持つ窪みや空間、若しくは導管のそれぞれ、若しくは組み合わせ、若しくはそれら全てに蓄光顔料を入れた加工技法により制作された天然木板、天然木加工板、天然木不燃化粧板、天然木化粧合板、天然木シート、木目調加工板、木目調シート。
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-
2016
- 2016-03-15 JP JP2016074709A patent/JP2017165083A/ja active Pending
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