JP2017164735A - 排ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化触媒及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒活性種として複数種の白金族元素を含有しながら、1,000℃以上の高温下、且つ雰囲気が大幅に変動する条件下においても触媒金属粒子の粒成長及びこれに伴う合金化が抑制され、高い活性を長期間維持し得る排ガス浄化触媒を提供すること。【解決手段】パラジウム粒子、ロジウム粒子、及び担体粒子を含む触媒層を有する排ガス浄化触媒であって、前記パラジウム粒子の粒子径が10nm以上であり、そしてX線回折分析により測定した前記パラジウムの合金化率が45%以下であることを特徴とする、前記触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。詳しくは、使用の継続による触媒性能の劣化が抑制された排ガス浄化触媒、及び該触媒を製造するための効果的且つ簡易な方法に関する。
自動車の排ガスを処理する排ガス浄化用触媒としては、無機酸化物に貴金属を担持させた三元触媒が知られている。三元触媒は、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)、及び一酸化炭素(CO)を同時に効率よく除去できる触媒として、広く用いられている。
しかしながら三元触媒に代表される排ガス浄化触媒は、自動車走行条件下の使用を継続すると、活性が継時的に低下することが知られている。この活性の低下は、高温条件において貴金属の粒子径が成長することによる触媒活性点の減少に起因すると考えられている。
そのため、従来技術においては、貴金属の粒成長を抑制する手段についての検討が種々おこなわれている。例えば、触媒担体の耐熱性を向上し、或いは貴金属と担体との相互作用を強化して、貴金属粒子の表面エネルギーを低減する技術が開示されている(非特許文献1及び2)。
これら非特許文献の技術によると、高温、且つ雰囲気が変動する条件下においては、貴金属粒子の表面エネルギーが大幅には低下しない。そのため、かかる条件下における粒成長の抑制効果は不十分である。
一方、貴金属粒子の表面エネルギーを直接的に低下させる試みとして、貴金属粒子の粒子径、及び/又は貴金属粒子間の距離をコントロールする技術が開示されている(特許文献1〜3)。
ところで、従来、上記のような排ガス浄化触媒における触媒層は、それ自体は排ガス浄化能を持たない基材、例えばコージェライト製のハニカム基材上に形成されていた。しかし近年、無機酸化物粒子から構成される基材に、貴金属が担持された排ガス浄化触媒が提案されている(特許文献4)。
特開2006−289213号公報 特開平09−262467号公報 特開平10−118455号公報 特開2015−85241号公報
J.Catal.,242,103(2006) 触媒,52,465(2010)
特許文献1〜3の技術によった場合でも、1,000℃以上の高温下、且つ燃料カット、リッチスパイク等の雰囲気が変動する過酷な条件下においては、貴金属触媒の粒子成長の効果的な抑制は困難である。更に、複数種の白金族元素が共存する三元触媒の場合には、粒子成長の過程で合金化も進行するから、触媒活性の更なる低下を招くこととなる。
本発明は、上記の従来技術の現状を改善しようとしてなされたものである。その目的は、触媒活性種として複数種の白金族元素を含有しながら、1,000℃以上の高温下、且つ雰囲気が大幅に変動する条件下においても触媒金属粒子の粒成長及びこれに伴う合金化が抑制され、高い活性を長期間維持し得る排ガス浄化触媒、並びに該触媒を製造するための効果的且つ簡易な方法を提供することである。
本発明者らは、排ガス浄化触媒に含有される貴金属粒子を、予め特定の粒子径まで成長させておくことにより、過酷な条件下において使用を継続しても、更なる粒成長及びこれに伴う合金化が高度に抑制されることを見出し、この知見に基づいて本発明に到達した。本発明は、上記の目的を達成するために、以下の触媒及び方法を提供するものである。
[1] パラジウム粒子、ロジウム粒子、及び担体粒子を含む触媒層を有する排ガス浄化触媒であって、
前記パラジウム粒子の粒子径が10nm以上であり、そして
X線回折分析により測定した前記パラジウムの合金化率が45%以下であることを特徴とする、前記触媒。
[2] 前記パラジウム粒子と前記ロジウム粒子とが、それぞれ別個の担体粒子上に担持されている、[1]に記載の触媒。
[3] 前記パラジウム粒子がアルミナから成る担体粒子に担持されており、
前記ロジウム粒子がセリア・ジルコニア複合酸化物から成る担体粒子に担持されている、[2]に記載の触媒。
[4] 前記ロジウム粒子の粒子径が0.7〜10nmである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の触媒。
[5] 前記触媒層が基体上に存在する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の触媒。
[6] 前記触媒層が基体の一部を構成する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の触媒。
[7] 第1の担体粒子にパラジウム前駆体を接触させた後に還元雰囲気下で加熱してパラジウム粒子を成長させる工程を経て、第1の材料を製造する工程、及び
基体上に、前記第1の材料と、第2の担体粒子にロジウム粒子を担持して成る第2の材料と、を含有する触媒層を形成する工程、及び
該触媒層を有する基体を焼成する工程
を含むことを特徴とする、排ガス浄化触媒を製造するための方法。
[8] 第1の担体粒子にパラジウム前駆体を接触させた後に還元雰囲気下で加熱してパラジウム粒子を成長させる工程を経て、第1の材料を製造する工程、及び
前記第1の材料と、第2の担体粒子にロジウム粒子を担持して成る第2の材料を含有する原料混合物を焼成する工程
を含むことを特徴とする、排ガス浄化触媒を製造するための方法。
[9] 前記第2の材料が、前記第2の担体粒子にロジウム前駆体を接触させた後に酸化雰囲気下で加熱してロジウム粒子を成長させる工程を経て製造されたものである、[7]又は[8]に記載の方法。
本発明によると、触媒活性種として複数種の白金族元素を含有しながら、1,000℃以上の高温下、且つ雰囲気が大幅に変動する条件下においても触媒金属粒子の粒成長及びこれに伴う合金化が抑制され、高い活性を長期間維持し得る排ガス浄化触媒、並びに該触媒を製造するための効果的且つ簡易な方法が提供される。本発明の排ガス浄化触媒は、特にHC(炭化水素)の浄化能に優れる。
図1は、Pdの粗大化率とPdの初期粒子径との関係を示したグラフである。 図2は、Pdの合金化率とPdの初期粒子径との関係を示したグラフである。 図3は、耐久後の触媒性能とPdの初期粒子径との関係を示したグラフである。 図4は、耐久後の触媒性能とRhの初期粒子径との関係を示したグラフである。 図5は、耐久後の触媒性能とPd濃度との関係を示したグラフである。 図6は、耐久後の触媒性能とRh濃度との関係を示したグラフである。
本発明の排ガス浄化触媒は、パラジウム粒子、ロジウム粒子、及び担体粒子を含む触媒層を有する。
本発明の排ガス浄化触媒は、基材を有し、該基材上に触媒層を有していてよく、又は触媒層が基材の一部を構成していてよい。
本発明の排ガス浄化触媒における基材としては、排ガス浄化用触媒の基材として一般に使用されているものを使用することができる。例えば、コージェライト、SiC、ステンレス鋼、金属酸化物粒子等によって構成されるモノリスハニカム基材を挙げることができる。該基材の容量は、例えば1L程度とすることができる。本発明の排ガス浄化触媒が基材上に触媒層を有する場合、該触媒は、モノリスハニカム基材上に触媒層を有するモノリスハニカム触媒であることが好ましい。
触媒層が基材の一部を構成する場合には、例えば、基材がパラジウム粒子、ロジウム粒子、及び担体粒子を含み、且つ、パラジウム粒子の粒子径が10nm以上であって、X線回折分析により測定したパラジウムの合金化率が45%以下であってよい。
本発明の排ガス浄化触媒における触媒層は、パラジウム(Pd)粒子、ロジウム(Rh)粒子、及び担体粒子を含む。該触媒層におけるPd粒子及びRh粒子は、それぞれ、担体粒子に担持されている。
上記Pd粒子の粒子径は10nm以上である。この値は、20nm以上、30nm以上、又は40nm以上であってもよく、90nm以下、80nm以下、70nm以下、60nm以下、又は50nm以下であってもよい。Pd粒子の粒子径をこの範囲に調整することにより、過酷な条件下で使用を継続しても、Pd粒子が粗大化せず、他の貴金属との合金を形成する程度が少なく、そして、触媒性能の劣化する程度の少ない触媒を得ることができる。
上記Pd粒子の粒子径は、X線回折分析(XRD)により決定される値である。具体的には、XRDチャートにおけるPdピークの半値幅から算出される値である。
本発明の触媒におけるPd粒子の合金化率は45%以下である。この値は、好ましくは25%以下であり、より好ましくは20%以下であり、更に好ましくは15%以下である。Pd粒子の合金化率がこの範囲であることにより、良好な触媒性能を提供することができる。
上記のPd粒子の合金化率は、XRD分析によって見積もられる値である。すなわち、XRDチャートにおいて、Pd参照及びRh参照に対するPd(111)面ピークの相対的な位置により、Pd粒子の合金化率を推定するのである。Pd粒子が全く合金化しておらず、Pd100%である場合には、Pd(111)面ピークの位置はPd参照ピークの位置と一致する。Pd粒子の合金化率が50%である場合のPd(111)面ピークの位置は、Pd参照のピーク位置とRh参照のピーク位置との中間となる。このように、本明細書におけるPd合金化率とは、Pd(111)面ピークの位置がPd参照及びRh参照のピーク位置に対して相対的にどの位置にあるかを調べ、比例計算により推定された値である。
ここで、Pd参照及びRh参照の各ピーク位置としては、ICDDデータベースに記載された値を採用することが適切である。すなわち、Pd参照につき2θ=40.12°、Rh参照につき2θ=41.17°である。
上記のとおり、本発明の触媒におけるPd粒子は、過酷な条件下で使用を継続しても、粒子径が大きくなる程度、及び合金化する程度が極めて抑制されている。従って、Pd粒子に関する上記の好ましい粒径及び合金化率の範囲は、初期(触媒使用前)のPd粒子に関するとともに、触媒の使用を開始した後、及び過酷な条件下で該触媒を継続使用した後のPd粒子にも妥当する数値範囲である。
従来知られている排ガス浄化触媒におけるPd粒子は、初期には、本発明の範囲外となる小さな粒子径を有し、合金化率も小さい。しかし使用を継続すると、粒子径が増大し、合金化も進行する。従って、使用中の公知触媒は、Pd粒子径だけについてみると、本発明の触媒の要件を満たす場合もあり得る。しかし、Pd粒子径の大きい公知触媒は該Pd粒子の合金化も進行しており、この点で本発明の触媒と区別される。
本発明のように、過酷な条件下で使用を継続してもPd粒子が合金化する程度が、極めて小さい排ガス浄化触媒は、従来知られていないのである。
本発明の排ガス浄化触媒の触媒層に含まれるRh粒子の粒子径は、0.6nm以上とすることが好ましい。Rh粒子の粒子径の範囲は、0.7nm以上であってもよく、1nm以上、2nm以上、又は3nm以上であってもよい。この値は、50nm以下とすることが好ましく、30nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、又は8nm以下であってもよい。Rh粒子の粒子径をこの範囲に調整することにより、過酷な条件下で使用を継続した場合であっても、触媒性能の劣化が効果的に抑制されることになり、好ましい。
このRh粒子の粒子径は、COパルス法によって見積もられる値である。すなわち、触媒試料に一定量のCOガスをパルス状に繰返し導入し、排出ガス量の変化からRh粒子の粒子径を推定する方法である。初期パルスでは、COがRh粒子上に化学吸着するから、ガスの排出量は導入パルス量に比べて少ない。パルスを繰り返してCO吸着が平衡すると、導入パルスのほとんどが排出されることになる。ここで、導入量と排出量との差分合計を吸着量として求め、この値と、金属種(Rh)及び該金属の濃度(担持量)とから、Rh粒子の粒子径を見積もることができる。
具体的なRh粒子径の算出手法としては、後述の実施例に記載した方法に従い、Pd粒子によるCO吸着寄与を差し引いた計算によることが好ましい。
本発明の排ガス浄化触媒におけるPd粒子及びRh粒子は、それぞれ担体粒子に担持されて触媒層に含有されている。
担体粒子としては、例えば、アルミナ(単身のアルミナ)、シリカアルミナ、ゼオライト、酸化チタン、シリカ、セリア、ジルコニア、及び希土類元素を含む複合酸化物を挙げることができる。これらの担体の好ましい粒子径およびBET比表面積は、それぞれ、以下のとおりである。
粒子径:レーザー回折散乱法によって測定したメディアン径として、好ましくは1〜10μm、より好ましくは4〜7μm
BET比表面積:吸着媒にNを用いた測定値として、好ましくは10〜300m/g、より好ましくは30〜150m/g
担体粒子として、好ましくはアルミナ及びCZから選択される1種以上を使用することである。
より好ましい態様においては、Pd粒子とRh粒子とがそれぞれ別個の担体粒子上に担持されている場合である。更に好ましくは、Pd粒子とRh粒子とがそれぞれ別種の担体粒子上に担持されている場合である。とりわけ好ましくは、Pd粒子がアルミナから成る担体粒子上に担持されており、且つRh粒子がCZから成る担体粒子上に担持されている場合である。
Pd粒子の濃度(担持量)は、Pdが担持されている担体粒子の重量を100重量%とした場合に、0.1重量%以上とすることが好ましい。この値は、0.15重量%以上又は0.2重量%以上であってもよい。このPd粒子の濃度は、Pdが担持されている担体粒子の重量を100重量%とした場合に、10重量%以下とすることが好ましい。この値は、8重量%以下、6重量%以下、又は5重量%以下であってもよい。Pd粒子濃度をこの範囲とすることにより、過酷な条件下で使用を継続した場合であっても、触媒性能が劣化する程度を最大限に抑制することができる。
一方のRh粒子の濃度(担持量)は、Rhが担持されている担体粒子の重量を100重量%とした場合に、0.05重量%以上とすることが、高度のHC浄化能を発揮する観点から好ましい。この値は、0.10重量%以上又は0.20重量%以上であってもよい。Rh粒子の濃度は高い方が触媒能は向上する。しかしながら、Rh濃度をいたずらに大きくしても、触媒能が直線的に向上するわけではないし、触媒コストが過大になる。従って、Rh濃度は、担体粒子の重量を100重量%とした場合に1.5重量%以下とすることが好ましく、1.0重量%以下とすることがより好ましい。
本発明の触媒におけるPd粒子とRh粒子との使用割合は、Rh粒子濃度に対するPd粒子濃度の比(Pd/Rh、重量比)として、0.3以上の範囲とすることが好ましい。この値は、0.4以上又は0.5以上であってもよい。Pd/Rhの重量比は、8以下とすることが好ましい。この比は、7以下、6以下、又は5以下であってもよい。両者の使用割合をこの範囲内とすることにより、過酷な条件下における使用を継続した場合でも、Pd粒子の粒子径が増大する程度が少なく、合金化の進行も抑制され、従って、触媒能が経時劣化する程度が少ないこととなる。
Pd粒子及びRh粒子の粒子数は、下記数式:
Figure 2017164735
により、算出することができる。上記数式中のunitは、粒子数算出の対象となる触媒層が形成される範囲を表す単位であり、排ガス浄化触媒が基材と該基材上の触媒層を有する場合には、例えば、基材の被コート面の面積(m)、基材の容量(L)等の単位であってよい。
モノリスハニカム触媒における単位容量あたりのPd粒子の粒子数は、耐久時の貴金属合金化の抑制効果をより向上する観点から、1.5×1011〜1.0×1013個/Lが好ましく、1.9×1011〜5.0×1012個/Lがより好ましい。モノリスハニカム触媒における単位容量あたりのRh粒子の粒子数は、耐久時の貴金属合金化の抑制効果をより向上する観点から、1.0×1015〜7.0×1016個/Lが好ましく、1.4×1015〜3.0×1016個/Lがより好ましい。
Pd粒子数とRh粒子数との比(Pd粒子数/Rh粒子数)は、継続使用による触媒能の劣化を抑制する観点から、0.2以下とすることが好ましく、0.05以下とすることがより好ましく、0.01以下とすることが更に好ましい。Pd粒子数/Rh粒子数の下限値は、所望の触媒性能に応じて適宜に設定されるべきである。Pd粒子数/Rh粒子数は、例えば1×10−6以上とすることができ、5×10−6以上又は1×10−5以上であってもよい。
本発明の排ガス浄化触媒における触媒層は、上記のようなPd粒子、Rh粒子、及び担体粒子を、好ましくは上記の割合で含有する。該触媒層は、任意的にこれら以外の成分を含有していてもよい。このような任意成分としては、例えば、バインダー、遷移金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、希土類化合物等を挙げることができる。
上記バインダーは、担体同士の間、及び担体と基材表面との間を接着して、本発明の触媒における触媒層に機械的強度を付与する機能を有する。このようなバインダーとしては、例えば、アルミナゾル、ジルコニアゾル、シリカゾル、チタニアゾル等を挙げることができる。
本発明の触媒中の触媒層におけるバインダーの使用割合は、触媒層の全重量を100重量%としたときに、20重量%以下とすることが好ましく、0.5〜10重量%とすることがより好ましい。
遷移金属としては、例えば、ニッケル、銅、マンガン、鉄、コバルト亜鉛等を挙げることができる。これらのうち、ニッケルを併用すると、硫化水素の生成を抑制する効果が得られる。アルカリ金属化合物としては、例えば、カリウム化合物、リチウム化合物等が挙げられ;アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カルシウム化合物、バリウム化合物、ストロンチウム化合物等が挙げられ;希土類化合物としては、例えば、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム等が挙げられる。これらは、得られる触媒の耐熱性を向上する効果がある。
本発明の触媒が基材と該基材上の触媒層を有する場合、該触媒における触媒層の厚さは、排ガスの流通を確保し、好適な浄化性能を発揮するために、例えば5μm〜500μmとすることができ、好ましくは10μm〜300μmである。
本発明の触媒が基材と該基材上の触媒層を有する場合、該触媒における触媒層の量(塗布量、乃至塗布目付け)は、触媒性能をより高くするとの観点から、基材1L当たりの触媒層の重量として、20〜400g/Lとすることが好ましく、50〜300g/Lとすることがより好ましい。
上記に説明したような本発明の触媒は、卓越した触媒性能を示す。例えば、過酷な条件下で継続使用をした場合であっても、特にHCの浄化性能が劣化する程度がきわめて少ない。定量的には、例えば、直径30mm及び長さ50mmのサイズに成型された触媒に対して、HCを1,000体積ppm含む排ガスを23L/分の流速で流通させたとき、前記HCの浄化率が50%となる温度(T50−HC(℃))が、」365℃以下であることができる。この値は、好ましくは360℃以下であり、より好ましくは355℃以下である。この数値範囲は、触媒の初期性能についてだけではなく、継続使用後についても同じく妥当する点が、本発明の触媒の有利な点の1つである。
上記のような本発明の触媒は、上記の要件を満たすものである限り、どのような方法によって製造されたものであってもよい。しかしながら、例えば、以下の2つの製造方法を例示できる。
(第1の製造方法)
第1の担体粒子にパラジウム前駆体を接触させた後に還元雰囲気下で加熱してパラジウム粒子を成長させる工程を経て、第1の材料を製造する工程、及び
基体上に、第1の材料と、第2の担体粒子にロジウム粒子を担持して成る第2の材料と、を含有する触媒層を形成する工程、及び
触媒層を有する基体を焼成する工程
を含む方法。
(第2の製造方法)
第1の担体粒子にパラジウム前駆体を接触させた後に還元雰囲気下で加熱してパラジウム粒子を成長させる工程を経て、第1の材料を製造する工程、及び
前記第1の材料と、第2の担体粒子にロジウム粒子を担持して成る第2の材料を含有する原料混合物を焼成する工程
を含む方法。
以下、第1の製造方法、及び第2の製造方法について、順に説明する。
(第1の製造方法)
第1の製造方法に使用する、Pd粒子を担持する第1の担体粒子、及びRh粒子を担持する第2の担体粒子としては、それぞれ、上記に説明したものから選択して用いることができる。
上記第1の材料は、第1の担体粒子を、Pd前駆体を含有する溶液に浸漬した後、加熱してPd粒子を成長させる工程により、製造することができる。
上記Pd前駆体としては、例えば、水溶性のPd塩を好適に使用することができる。具体的には例えば、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム等を挙げることができるが、担体中における分散性が高い点で、硝酸パラジウムが好ましい。Pd前駆体溶液の溶媒としては、水が好ましい。Pd前駆体溶液中のPd濃度は、得られる触媒における所望のPd担持量に応じて適宜に選択されるべきであるが、PdO換算の濃度として、例えば0.1〜20g/Lとすることができ、好ましくは0.15〜15g/Lである。
第1の担体粒子をPd前駆体溶液に浸漬するときの液温は、例えば5〜90℃とすることができ、好ましくは25〜60℃である。浸漬時間は、例えば1分〜6時間とすることができ、好ましくは10分〜1時間である。
次いで、浸漬後の担体粒子を還元雰囲気下において加熱する。この加熱工程により、Pd前駆体をPd金属に変換するとともに、Pd粒子を本発明所定の粒径まで成長させるのである。
このときの還元雰囲気は、還元性ガス、又は還元性ガスと不活性ガスとの混合ガスによって形成することができる。還元性ガスとしては、例えば、一酸化炭素(CO)、水素、硫化水素等を;不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等を、それぞれ挙げることができる。
上記加熱工程(Pd粒子成長工程)における加熱温度及び加熱時間は、所望のPd粒径に応じて適宜に選択されるべきである。この温度及び時間は、これら両者の兼ね合いによって定まる条件である。高温の場合には比較的短時間の加熱とすることが好ましく、比較的低い温度を採用する場合には長時間の加熱とすることが好ましい。
Pd粒子成長工程における加熱温度は、好ましくは800〜1,200℃であり、より好ましくは850〜1,100℃であり、更に好ましくは900〜1,050℃である。加熱時間は、好ましくは0.5〜48時間であり、より好ましくは0.75〜36時間であり、特に1〜24時間とすることが好ましい。
ここで、加熱温度が概ね1,000℃を超える場合には、10時間未満の加熱時間を採用することが、良好な触媒能を得る観点から好ましい。加熱温度が1,000℃を超える場合の加熱時間は、7.5時間以下とすることがより好ましく、5時間以下とすることが更に好ましい。これは、1,000℃を超える高温において長時間加熱すると、Pd粒子が過度に成長し、触媒活性点の数が少なくなるためではないかと推察される。
一方、加熱温度が1,000℃以下の場合には、長時間加熱してもPd粒子が過度に成長することはないから、上記のような触媒能の観点からの時間制限はない。しかしながら、長時間加熱によって触媒能及びその耐久性能が更に向上する程度は少ないから、触媒製造コストの観点から、この場合の加熱時間は24時間以下に留めることが好ましく、より好ましくは20時間以下であり、更に好ましくは15時間以下である。
上記第2の材料は、第2の担体粒子を、Rh前駆体を含有する溶液に浸漬することにより、製造することができる。浸漬後の粒子は、これを加熱してRh粒子を成長させることが好ましい。
上記Rh前駆体としては、例えば、水溶性のRh塩を好適に使用することができる。例えば、塩化ロジウム、塩化ロジウムナトリウム、塩化ロジウム五アミン、カルボニルアセチルロジウム等を挙げることができるが、担体中における分散性が高い点で、塩化ロジウムが好ましい。Rh前駆体溶液の溶媒としては、水が好ましい。Rh前駆体溶液中のRh濃度は、Rh換算の濃度として、例えば0.01〜2g/Lとすることができ、好ましくは0.025〜1.5g/Lである。
第2の担体粒子をRh前駆体溶液に浸漬するときの液温は、例えば5〜90℃とすることができ、好ましくは25〜60℃である。浸漬時間は、例えば1分〜6時間とすることができ、好ましくは10分〜1時間である。
次いで、浸漬後の担体粒子を酸化雰囲気下で加熱して、Rh粒子を本発明所定の粒径まで成長させることが好ましい。
このときの酸化雰囲気は、酸化性ガス、又は酸化性ガスと不活性ガスとの混合ガスによって形成することができる。酸化性ガスとしては、例えば、酸素(O)、オゾン、空気、二酸化窒素等を;不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等を、それぞれ挙げることができる。
上記加熱工程(Rh粒子成長工程)における加熱温度及び加熱時間は、所望のRh粒径に応じて適宜に選択されるべきである。加熱温度は、例えば800〜1,200℃とすることができ、好ましくは850〜1,100℃である。加熱時間は、例えば1〜48時間であり、好ましくは5〜24時間である。
次に、上記のようにして製造された第1の材料及び第2の材料を含有する塗工液(スラリー)を調製する。この塗工液には、第1の材料及び第2の材料を所定の割合で含む他、上記に説明した触媒層の任意成分を含有することができる。本発明における塗工液は、任意成分として特にバインダーを所定量含有することが好ましい。塗工液の溶媒は水が好ましい。
塗工液の固形分濃度は、例えば5〜60重量%とすることができ、好ましくは10〜40重量%である。
塗工液の調製は、上記の各成分を溶媒中に適宜の方法により懸濁することにより、行うことができる。この懸濁工程には、例えば、攪拌翼式又は羽根式の混合装置、ミキサー等の公知の混合装置を用いることができる。
上記で調製された塗工液を、基材の表面上に塗布し、必要に応じて溶媒を除去した後、焼成して触媒層を形成することにより、本発明の触媒を得ることができる。
塗布方法としては、例えば、ディップ法、流し込み法等の公知の方法を制限なく採用することができる。塗布量は、所望の触媒層量に応じて適宜に選択される。
塗布後の溶媒の除去は、例えば60〜200℃、好ましくは120〜150℃の温度において、例えば5〜120分、好ましくは10〜60分加熱する方法によることができる。この加熱の際の雰囲気は、空気中で足りる。
次いで行われる焼成工程における加熱温度は、例えば300〜1,000℃とすることができ、好ましくは400〜1,000℃である。加熱時間は、例えば0.5〜10時間とすることができ、好ましくは1〜5時間である。この焼成工程は、酸化性雰囲気下で行うことが好ましいが、空気中で行うことで十分である。
(第2の製造方法)
第2の製造方法における第1の材料を製造する工程は、第1の製造方法の場合と同様に行うことができる。第2の材料は、第1の製造方法の場合と同様に製造されてよい。
第2の製造方法は、第1の材料及び第2の材料を含むを使用し、例えば特許文献4に記載の方法に準じて行うことができる。具体的には例えば、所望の第1の材料及び第2の材料を含み、必要に応じてバインダーを更に含む原料混合物を焼成することにより、得ることができる。原料混合物は、混錬した後に、所定の形状に押出成形されてよく、焼成に先立って乾燥を行ってもよい。
上記第1及び第2の製造方法のうち、第1の製造方法によることが、工程が簡単容易である点、及び製造コストが低廉である点において、好適である。
以上のようにして本発明の触媒を、容易且つ安価に製造することができる。本発明の触媒は、高い排ガス浄化能を示し、特にHCの浄化能に優れる。本発明の触媒は、高温且つ雰囲気が大幅に変化する過酷な条件下で長時間使用した場合であっても、触媒活性点となる貴金属(特にPd)粒子の粗大化及び合金化が抑制され、排ガス浄化能が劣化する程度が少ないものである。
以下、実施例の形式により、本発明の触媒が有する優れた性能について、具体的な検証を行う。
以下の実施例において、担体上に金属が担持された材料を、例えばアルミナ担持パラジウムの場合には「Pd(0.5)/Al」、「Rh(0.1)/CZ」等の表記で表す。先頭の元素記号は触媒金属を表し、カッコ内の数字は当該触媒金属の濃度(担持率)を担体重量に対する百分率(重量%)で表した数値である。スラッシュ「/」に続いて担体名を、化学記号又は略称で示した。
以下の実施例及び比較例で使用した担体の特性は、それぞれ、以下のとおりである。
アルミナ:BET比表面積:100m/g、平均粒径:30μm
CZ:セリア・ジルコニア複合酸化物、BET比表面積:50m/g、平均粒径:5μm
<<実施例1〜12及び比較例1>>
以下の実施例1〜12及び比較例1では、Pd及びRhの濃度(担持量)を一定に維持したうえで、Pd及びRhの初期粒子径が、耐久後のPd粒子の粗大化率及び合金化率、並びに触媒性能に及ぼす影響を調べた。
<実施例1>
アルミナを硝酸パラジウム水溶液に浸漬させる手法によりPd(0.5)/Alを調製し、5体積%CO(Nバランス)雰囲気下、900℃において20時間加熱してPd粒子を成長させた。同様に、CZを塩酸ロジウム水溶液に浸漬させる手法によりRh(0.1)/CZを調製し、10体積%酸素(Nバランス)雰囲気下、900℃において1時間加熱してRh粒子を成長させた。
蒸留水を撹拌しながら、ここに、上記で得た耐久後のPd(0.5)/Al50重量部及び耐久後のRh(0.1)/CZ:50重量部、並びにアルミナゾル:1重量部を加えて懸濁し、触媒調製用スラリーを得た。
上記触媒調製用スラリーをモノリスハニカム基材(容量1L)に流し込み、乾燥器中で120℃において30分間水分を飛ばした後に、電気炉中500℃において2時間焼成することにより、前記基材上に、Pd1g/L、Rh0.2g/L、Al100g/L、及びCZ100g/Lの触媒層を有する触媒を調製した。
<実施例2〜13及び比較例1>
上記実施例1と同様にして調製したPd(0.5)/Al及びRh(0.1)/CZについて、Pd粒子及びRh粒子を成長させる際の加熱条件を、それぞれ、表1に示したとおりとした他は実施例1と同様にして、基材上に触媒層を有する触媒を調製した。表1における耐久条件中の「−」は、当該欄に相当する耐久を行わなかったことを示す。
上記各実施例及び比較例で調製した触媒について、Pd及びRhの各粒子径、下記の条件で耐久試験を行った後のPdの合金化率、並びに触媒性能(耐久後のT50−HC(℃))を評価した。評価結果は表1に合わせて示した。
<Pdの粒子径dPd(nm)>
各実施例及び比較例で調製した触媒の触媒層を少量掻き取り、リガク社製のX線回折測定装置を用いて得られたチャートにおけるPdピークの半値幅から、計算により求めた。
<Rhの粒子径>
各実施例及び比較例で調製した触媒の触媒層を少量掻き取り、400℃において、O(20体積%)−He(バランス)環境下の酸化処理、及びCO(20体積%)−He(バランス)環境下の還元処理を、この順で交互に15分間ずつ2サイクル行った。次いで、He100%ガスでパージして50℃まで降温した後、CO(10体積%)−He(バランス)ガスをパルス的に導入してCO吸着を行った。このときのCO吸着量Vから、上記で得られたパラジウムの粒径dPd(nm)から下記数式(1)によって算出したPdによるCO吸着分VPdを差し引き、RhによるCO吸着量VRhを得た(数式(2))。
そして、このRhによるCO吸着量VRh及び当該触媒におけるRhの含有量から、下記数式(3)及び(4)を用いてRhの粒子径を算出した。
Figure 2017164735
<粗大化率>
上記Pdの粒子径及びRhの粒子径は、それぞれ、下記の条件下における耐久試験の実施前後に測定し、耐久試験前後の粗大化率(単位=倍)を下記数式(5)により算出した。この値を、表2に合わせて示した。
粗大化率={(耐久試験後の粒子径)−(耐久試験前の粒子径)}/(耐久試験前の粒子径) (5)
<耐久試験後のパラジウムの合金化率>
(1)耐久試験
各実施例及び比較例で調製した触媒を直径30mm及び長さ50mmのサイズにくり抜き、導入ガス温度を1,000℃として、O(10体積%)、N(90体積%)、及び流量1L/分の酸化処理と、CO(5体積%)、N(95体積%)、及び流量1L/分の還元処理とを、この順で交互に5分ずつ繰り返す方法により、5時間の耐久試験を行った。
(2)合金化率
上記耐久試験後の触媒の触媒層を少量掻き取り、リガク社製のX線回折測定装置を用いてPdピークの位置を調べた。2θ=40°付近のPd(111)面のピーク位置が、Pd参照(2θ=40.12°)及びRh参照(2θ=41.07°)に対して相対的にどのような位置にあるかによって、Pdの合金化率を推定した。ここで、Pd(111)面のピーク位置がPd参照と一致した場合には合金化率=0%とし、Rh参照と一致した場合には合金化率=100%とし、これらの中間であった場合には、ピーク位置のシフト量に比例して合金化率を算出した。例えば、ピーク位置がPd参照とRh参照との中間であった場合には、合金化率50%とした。
<触媒性能>
上記各実施例及び比較例で調製した触媒をモデル的な排ガス流通試験装置に組み込んで、実使用を想定した加速試験を行った。
各触媒を直径30mm及び長さ50mmのサイズにくり抜き、模擬排ガス流通装置に組み込んだ。この触媒について、上記<耐久試験後のパラジウムの合金化率>「(1)耐久試験」と同じ条件の耐久試験を行った。該耐久試験後の触媒に対して、導入ガスの温度を550℃から35℃/分の速度で昇温させながら、下記表2に示した組成の模擬排ガスを23L/分の流速で流通させ、HCの浄化率が50%となる温度(T50−HC(℃))を調べた。表3における各ガスの含有量は、いずれも体積基準の値である。
Figure 2017164735
Figure 2017164735
上記で得られた、Pdの粗大化率とPdの初期粒子径との関係を表すグラフを図1に、Pd合金化率とPdの初期粒子径との関係を表すグラフを図2に、Rhの初期粒子径を2nmにそろえたときのPdの初期粒子径と触媒性能との関係を、比較例1(Rh粒子径=0.7nm)のデータとともに表すグラフを図3に、Pdの初期粒子径を25nmにそろえたときのRhの初期粒子径と触媒性能との関係を表すグラフを図4に、それぞれ、示した。
図1を参照すると、Pdの初期粒子径を従来技術よりも大きい値、好ましくは25nm以上に設定すると、耐久後のPd粒子粗大化率が極めて効果的に抑制できることが分かる。また、図2を参照すると、Pdの初期粒子径を従来技術よりも大きい値、好ましくは25nm以上とすると、Pdの合金化が抑制されることが理解される。これらのことは、Pdの初期粒子径を大きく設定することにより、Pd粒子の移動が抑制されたことによるものと推察される。
触媒の継続使用に伴うHC除去性能の劣化を抑制するためには、初期Pd粒子径を25〜80nmに設定することが好ましいことが図3から、初期Rh粒子径を0.7〜10nmに設定することが好ましいことが図4から、それぞれ読み取れる。
<<実施例14〜23>>
以下の実施例14〜23では、Pd及びRhの初期粒子径を一定とし、且つPd濃度(担持率)及びRh濃度(担持率)をそれぞれ変量として、各種評価結果に対する各触媒金属濃度の影響を調べた。
<実施例14〜23>
Pd/Al及びRh/CZを調製する際の浸漬条件、及び粒子成長条件を、それぞれ、表3に記載のとおりに変更した他は、実施例1と同様にして基材上に触媒層を有する触媒を調製した。
上記各実施例で調製した触媒について、実施例1と同様にして測定・評価した各種評価結果を、前記実施例7の結果とともに表3に合わせて示した。
Figure 2017164735
Rh濃度=0.02重量%〜1重量%の範囲において、Pd及びRhの初期粒子径を一定としたときのPd濃度と触媒性能との関係を図5に示した。また、Pd及びRhの初期粒子径を一定としたときのRh濃度と触媒性能との関係を表すグラフを図6に、それぞれ、示した。
図5及び図6から、耐久後の触媒性能を高く維持するためのPd担持量及びRh担持量は、それぞれ、0.1〜5重量%及び0.05〜1.0重量%に設定することが好ましいことが読み取れる。
<<実施例24及び25>>
以下の実施例24及び25では、担体の種類が触媒活性に及ぼす影響を調べた。
<実施例24>
CZを硝酸パラジウム水溶液に浸漬させる手法によりPd(0.5)/CZを調製し、CO雰囲気下、1,000℃において10時間加熱してPd粒子を成長させた。同様に、アルミナを塩酸ロジウム水溶液に浸漬させる手法によりRh(0.1)/CZを調製し、10体積%酸素(Nバランス)雰囲気下、900℃において5時間加熱してPh粒子を成長させた。これら粒子成長後の担持物を使用した他は実施例1と同様の手法により、基体上にPd0.5g/L、Rh0.1g/L、CZ100g/L、及びAl100g/Lの触媒層を有する触媒を得た。
<実施例25>
重量比1:1のアルミナ及びCZを混合し、得られた混合物を硝酸パラジウム水溶液に浸漬させる手法によってPd(0.5)/(Al+CZ)を調製し、CO雰囲気下、1,000℃において10時間加熱して、Pd粒子を成長させた。重量比1:1のアルミナ及びCZを混合し、得られた混合物を塩酸ロジウム水溶液に浸漬させる手法によってRh(0.1)/(Al+CZ)を調製し、10体積%酸素(Nバランス)雰囲気下、900℃において5時間加熱してRh粒子を成長させた。
上記粒子成長後のPd(0.5)/(Al+CZ)及びRh(0.1)/(Al+CZ)を用いた他は実施例1と同様の手法により、基体上にPd0.5g/L、Rh0.1g/L、CZ100g/L、及びAl100g/Lの触媒層を有する触媒を得た。
上記実施例24及び25でそれぞれ得られた触媒について、実施例1と同様にして測定・評価した各種評価結果を、実施例7及び10、並びに比較例1の結果とともに、表4に示した。
Figure 2017164735
表4から、パラジウム及びロジウムが、それぞれ、アルミナ及びCZのいずれに担持されていても、耐久後の触媒性能を高く維持することができるが、同種の担体上にパラジウム及びロジウムの双方が担持されている場合は、耐久後の触媒性能の観点からは好ましい態様ではないことが分かった。ただし、この場合であっても、耐久後の合金化率は低い値を示した。

Claims (9)

  1. パラジウム粒子、ロジウム粒子、及び担体粒子を含む触媒層を有する排ガス浄化触媒であって、
    前記パラジウム粒子の粒子径が10nm以上であり、そして
    X線回折分析により測定した前記パラジウムの合金化率が45%以下であることを特徴とする、前記触媒。
  2. 前記パラジウム粒子と前記ロジウム粒子とが、それぞれ別個の担体粒子上に担持されている、請求項1に記載の触媒。
  3. 前記パラジウム粒子がアルミナから成る担体粒子に担持されており、
    前記ロジウム粒子がセリア・ジルコニア複合酸化物から成る担体粒子に担持されている、請求項2に記載の触媒。
  4. 前記ロジウム粒子の粒子径が0.7〜10nmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒。
  5. 前記触媒層が基体上に存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
  6. 前記触媒層が基体の一部を構成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒。
  7. 第1の担体粒子にパラジウム前駆体を接触させた後に還元雰囲気下で加熱してパラジウム粒子を成長させる工程を経て、第1の材料を製造する工程、及び
    基体上に、前記第1の材料と、第2の担体粒子にロジウム粒子を担持して成る第2の材料と、を含有する触媒層を形成する工程、及び
    該触媒層を有する基体を焼成する工程
    を含むことを特徴とする、排ガス浄化触媒を製造するための方法。
  8. 第1の担体粒子にパラジウム前駆体を接触させた後に還元雰囲気下で加熱してパラジウム粒子を成長させる工程を経て、第1の材料を製造する工程、及び
    前記第1の材料と、第2の担体粒子にロジウム粒子を担持して成る第2の材料を含有する原料混合物を焼成する工程
    を含むことを特徴とする、排ガス浄化触媒を製造するための方法。
  9. 前記第2の材料が、前記第2の担体粒子にロジウム前駆体を接触させた後に酸化雰囲気下で加熱してロジウム粒子を成長させる工程を経て製造されたものである、請求項7又は8に記載の方法。
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