JP2017164645A - 遊技機 - Google Patents

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勝博 牟田
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Abstract

【課題】遊技の興趣を向上可能な演出ボタンを備えた遊技機を実現可能とする。
【解決手段】遊技者が押下可能な押下面を有する押下部材を備えておき、押下面が押下されると、それを契機として押下契機演出を実行する。ここで、押下面は遊技者が視認可能な表面領域に設けられているが、遊技の進行にともなって、この視認可能な表面領域に隣接する表面領域(隣接領域)を、遊技者が視認不能な状態から視認可能な状態に切り替える。こうすると、遊技者には元々見えていた領域(押下面が設けられた領域)に加えてその領域に隣接する領域も見えるようになることから、あたかも押下面が大きくなったかのような印象を与えることが可能となる。これにより遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
【選択図】図9

Description

本発明は、遊技ホールに設置して遊技者に遊技を行わせるパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する。
遊技ホールに設置される遊技機では、遊技の進行にともなって各種の演出画像を表示画面に表示したり、演出音楽をスピーカから出力することにより、遊技の興趣を盛り上げる演出が行われる。例えばパチンコ遊技機では、遊技球が入球口に入球すると抽選が行われるが、遊技球が入球口に入球してから抽選結果を通知するまでの間に各種の演出画像や音楽を出力することにより、抽選の興趣を盛り上げている。また、抽選結果を通知する際にも演出画像や音楽を出力するが、抽選に当選した場合には、当選しなかった場合とは異なる演出画像や音楽を出力することにより、抽選に当選した際の遊技の興趣を大きく盛り上げている(例えば、特許文献1)。
また、演出画像の表示や音楽の出力などを遊技機が自動的に行うのではなく、遊技機に設けられたいわゆる演出ボタンを遊技者が操作することにより、演出画像の表示や音楽の出力を開始したり演出画像や音楽を切り替える遊技機も考案されている。こうすると、遊技者は演出ボタンを押すと当選時の演出画像や音楽が出力されて抽選に当選したことが通知されるのではないかとの期待を抱きながら演出ボタンを操作するので、遊技者の期待感を高揚させて遊技の興趣をいっそう盛り上げることが可能である。
特開2004−81853号公報
しかし、今日ではこうした演出ボタンは在り来りなものになってきたため、遊技の興趣を十分に高めることが困難になりつつある。すなわち、演出ボタンを操作することが当たり前になってくると、演出ボタンを操作する際に遊技者は大きな期待を抱かなくなってしまい、その結果、遊技の興趣を十分に高めることができなくなる。
この発明は、従来の遊技機が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、演出ボタンが在り来りになった場合でも、遊技の興趣を向上可能な演出ボタンを備えた遊技機を実現することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技の進行にともなって種々の演出を行う遊技機であって、
前記遊技を行う遊技者が視認可能な表面領域の少なくとも一部に該遊技者が押下可能な押下面が設けられた押下部材と、
前記押下面の押下を検出する押下検出手段と、
前記押下面の押下を契機として前記種々の演出の一の演出たる押下契機演出を実行する押下契機演出実行手段と、
前記遊技の進行にともなって、前記押下部材の、前記押下面が設けられた表面領域に隣接する表面領域たる隣接領域を、前記遊技者が視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えることにより、前記遊技者から見た該押下部材の面積たる視認面積を拡大させる視認面積拡大手段と
を備え、
前記隣接領域の少なくとも一部を覆う状態で前記押下部材の押下の方向と交差する方向に広がる板形状に形成されたパネル部材と、
前記パネル部材に対して前記隣接領域の側に設けられ、該隣接領域に光を照射する光源とを備え、
前記パネル部材は、該パネル部材の前記隣接領域の側から入射する光の過半以上を透過させるとともに、該隣接領域と反対側から入射する光の過半以上を透過阻止する半透光性の部材により形成され、
前記視認面積拡大手段は、前記光源を用いて前記隣接領域に光を照射することにより、該隣接領域からの光を前記パネル部材を透過させて前記視認面積を拡大させる手段であることを要旨とする。
なお、隣接領域を視認不能な状態から視認可能な状態に切り替える際には、種々の方法を用いることが可能である。例えば、隣接領域を別の部材を用いて目隠ししておき、その部材を移動させることによって、視認可能な状態に切り替えることが可能である。あるいは、電気信号に応じて光の透過率が変化する装置(例えば液晶パネル)を隣接領域と遊技者との間に設けておき、透過率を変化させて光を透過可能とすることによって、視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えるものとしてもよい。
また、視認可能な状態に切り替えるのはどのような場合であってもよい。例えば、遊技者にとって有利な遊技状態が発生する場合(有利な遊技状態が発生することが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を上回った場合)に切り替えるものとしてもよい。こうすると、遊技者は押下面が広がったように見えることに起因して、自己に有利な状態が発生することを連想する傾向があるので、大きな期待を抱きながら押下部材を押下することになる。これにより、遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
もちろんこれとは逆に、遊技者にとって有利な遊技状態が発生しない場合(有利な遊技状態が発生しないことが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を下回った場合)に切り替えるものとしてもよい。更には、遊技者にとって有利な遊技状態が発生するか否かにかかわらず切り替えたり、あるいは切り替えるか否かをランダムに決定するものとしてもよい。どのような場合に切り替えても、押下部材の視認面積を拡大させることにより遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることができるので、遊技の興趣を向上させることが可能である。
なお、押下部材は部材全体が一体に成形された部材である必要は必ずしもなく、別個に形成された複数の部材が組み合わさって押下部材を形成していてもよい。例えば、押下面が設けられた領域と隣接領域とが別個の部材上に形成され、それらの部材が結合して押下部材が形成されていてもよい。こうした場合であっても、隣接領域を視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えれば、押下部材の視認面積を増加させることが可能であることには変わりがないので、遊技者の興味を引き付けて遊技の興趣を向上させることが可能である。
また、遊技者に対して押下面が広がったかのように見せる点に鑑みると、押下部材の隣接領域は、押下面が設けられた表面領域に対して、遊技者から見た状態で隣接していればよく、物理的に隣接している必要は必ずしもない。例えば、押下面が設けられた表面領域との間に窪みや段差や継ぎ目があったとしても、遊技者から見て隣接して見える領域であれば、その領域を視認可能にすることにより、押下面が広がったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。したがって、こうした領域も本発明の「隣接領域」に該当する。
遊技の興趣を向上可能な演出ボタンを備えた遊技機を実現可能とする。
本実施例の弾球遊技機10の正面図である。 本実施例の弾球遊技機10に備えられた遊技盤20の構成を示した説明図である。 第2作動口の近傍に設けられた電動役物41を駆動することにより遊技球が第2作動口に入球し易い状態と入球し難い状態とを切り替える様子を示した説明図である。 本実施例の弾球遊技機10に備えられたセグメント式表示装置70の詳細な構成を示した説明図である。 上述した遊技盤20上で行われる遊技を制御するための装置が備えられた弾球遊技機10の背面側の構成を示した説明図である。 演出表示装置30において演出画像が表示されている様子を例示した説明図である。 弾球遊技機10の制御装置の構成を示したブロック図である。 第1実施例の演出ボタン600の構造を示した斜視図である。 演出ボタン600を横方向からみた断面図である。 第1実施例の演出ボタン600がボタン部材602の視認形状を変化させる様子を示した説明図である。 球面形状のボタン部材1602を備えた第1変形例の演出ボタン1600を示した説明図である。 遮蔽板620を閉じた状態においても上面パネル610の内側が視認可能な領域を設けた第2変形例の演出ボタン700を例示した説明図である。 露出部602sの形状を円形にし、遮蔽板820が取り囲む領域を四角形に形成した様子を示した説明図である。 星形状の遮蔽板を設けた第4変形例の演出ボタン2600を示した説明図である。 第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bと第2遮蔽板620bの下方に配置した遮蔽板622aおよび遮蔽板622bを組み合わせて使用する様子を例示した説明図である。 8枚の遮蔽板3622を重ね合わせながら露出部602sを取り囲む8角形形状に配置した様子を示した説明図である。 第2実施例の演出ボタン5600の構成を示した斜視図である。 第2実施例の演出ボタン5600を用いてボタン部材5602の視認サイズを変化させる様子を示した説明図である。 ボタン部材6602に透明な部材を用いた第1変形例の演出ボタン6600を示した説明図である。 半透光部7610hの内側に透明部7610tを設けた第2変形例の演出ボタン7600を示した説明図である。 遮蔽板8620とLEDアレイ6640とを併用してボタン部材6602の視認サイズや視認形状を変化させる第3変形例の演出ボタン8600を示した説明図である。 遮蔽板8620とLEDアレイ6640とを併用してボタン部材6602の視認サイズや視認形状を変化させる第3変形例の演出ボタン8600を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.弾球遊技機の装置構成:
A−1.正面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.背面側の構成:
B.遊技の概要:
C.制御装置の構成:
C−1.メイン制御装置の構成:
C−2.周辺装置の構成:
D.第1実施例の演出ボタン:
E.第1実施例の変形例:
E−1.第1変形例:
E−2.第2変形例:
E−3.第3変形例:
E−4.第4変形例:
E−5.第5変形例:
F.第2実施例の演出ボタン:
G.第2実施例の変形例:
G−1.第1変形例:
G−2.第2変形例:
G−3.第3変形例:
A.弾球遊技機の装置構成 :
A−1.正面側の構成 :
図1は、本実施例の弾球遊技機10の正面図である。図示されている様に、本実施例の弾球遊技機10の正面側は、弾球遊技機10の前面を構成する樹脂製の正面パネル15や、正面パネル15の中央に設けられた盤面部12や、正面パネル15上のやや下方に設けられた上皿13などから構成されている。盤面部12には正面パネル15の背面側からガラス板がはめ込まれており、ガラス板を通して正面パネル15の背面側に設置された遊技盤を視認することが可能である。なお、図1では、遊技盤の詳細な構成については図示を省略している。
上皿13は、皿状に形成された凹部と、凹部を囲む壁面とから構成されており、上皿13の内側に遊技球を保持することが可能となっている。また、上皿13は弾球遊技機10の内部に設けられた発射ユニットに接続されており、上皿13に遊技球を投入することによって発射ユニットに遊技球を供給することが可能である。上皿13の下方には下皿16が設けられており、上皿13の近傍に設けられたレバーを操作することにより、上皿13と下皿16とを連通させることが可能となっている。後述するように、上皿13には遊技に伴って遊技球が払い出されることがあることから、上皿13に遊技球が収まりきらなくなる場合が生じ得るが、このように下皿16を設けて上皿13と下皿16とを連通させることにより、上皿13に収まりきらなくなった遊技球を下皿16に排出することが可能である。
弾球遊技機10に向かって上皿13の右側には、遊技者からみてほぼ正面の位置(弾球遊技機10の正面ほぼ中央の位置)に演出ボタン600が設けられている。この演出ボタン600は遊技機の下方に向かって押下可能に構成されており、遊技者が演出ボタン600を押すことにより各種の演出が実行されるようになっている。この演出ボタン600については後で詳しく説明する。
上皿13の右下には、遊技球を遊技盤に発射するための発射ハンドル11が備えられている。この発射ハンドル11は上述した発射ユニットに接続されており、上皿13から発射ユニットに遊技球を供給した状態で発射ハンドル11を操作することにより、遊技球を遊技盤に発射することが可能である。また、この発射ハンドル11には、図示しないセンサ11sが備えられており、遊技者が発射ハンドル11に触れているか否かをセンサ11sによって検出することが可能である。そして、センサ11sの検出結果に応じて発射ユニットからの発射を制御することにより、遊技者が発射ハンドル11に触れていない状態で遊技球が発射されてしまうのを防ぐことが可能となっている。
正面パネル15の上方には、左右に2つのスピーカ14が備えられており、弾球遊技機10で行われる遊技にともなって効果音やメロディーなどの演出音を出力することが可能である。これらのスピーカ14は、正面パネル15の背面側から正面側に向けて取り付けられており、正面パネル15に向かって遊技を行う遊技者に演出音を効率よく届けることが可能となっている。
また、正面パネル15の端(図1の右側の端)には、シリンダ錠を用いて施錠や開錠が可能な鍵部17が設けられており、この鍵部17を施錠することにより、正面パネル15を弾球遊技機10の本体に固定することが可能である。また、鍵部17を開錠すれば、正面パネル15を弾球遊技機10の本体から離間することが可能であり、こうすることで、正面パネル15の裏面に設けられた各種の装置や、本体側の装置にアクセスすることが可能となる。なお、正面パネル15は弾球遊技機10の本体に軸支されており、正面パネル15を弾球遊技機10の本体に対して回動させることにより、正面パネル15を本体から離間することが可能である。
弾球遊技機10の横には、貸し玉機4が備えられており、弾球遊技機10の遊技者は遊技を行う際に貸し玉機4に紙幣やプリペイドカードを挿入することで、貸し玉機4から遊技球を借り受けることができる。この貸し玉機4と上皿13との間にはノズル52が設けられており、貸し玉機4から貸し出された遊技球をノズル52を介して上皿13へと投入することができる。上述したように、上皿13に遊技球を投入すると遊技球が発射ユニットに供給されるので、遊技者は、貸し玉機4から遊技球を借り受けて発射ハンドル11を操作することにより、遊技盤20に遊技球を発射して遊技を行うことが可能となる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、本実施例の弾球遊技機10に備えられた遊技盤20の構成を示した説明図である。前述したように、こうした遊技盤20は、正面パネル15の盤面部12(図1を参照)にガラス板の背面側から取り付けられる。図2に示されている様に、遊技盤20には、土台となるベース板29の外縁付近にベース板29に対して略垂直に設けられたレール21が備えられており、このレール21の内側に、釘22や風車23などが取り付けられた遊技領域28が形成されている。発射ユニットによって発射された遊技球は、レール21によって遊技領域28へと導かれ、遊技領域28内を、釘22や風車23などによって進行方向を変えられながら流下していく。遊技領域28にはスルー作動口24や作動口25や小入賞口26などの遊技球が入球可能な口(入球口)が設けられており、流下する遊技球がこれらの作動口や小入賞口に入球すると、賞球が払い出されたり、後述する大当たり抽選などが行われる。
これらの入球口のうち、スルー作動口24は、入球した遊技球が通過可能なゲート形状の作動口であり、スルー作動口24に入球した遊技球は遊技領域28から排出されることなくそのままスルー作動口24を通過して遊技盤20上を流下し続ける。また、スルー作動口24には入球を検知するセンサ24sが設けられており、弾球遊技機10の制御装置は、センサ24sの検知状態を読み出すことにより、スルー作動口24へ入球があったことを把握することが可能である。スルー作動口24への入球があった場合、弾球遊技機10の制御装置は、スルー作動口24への入球に対する賞球を上皿13に払い出したり、スルー作動口24への入球を契機として抽選を行うなどの各種の処理を実行する。
一方、小入賞口26は、遊技球が入球すると入球した遊技球を取り込んで遊技盤20の背面側へと排出するタイプの入賞口である。この小入賞口26も上述したスルー作動口24と同様にセンサ26sが備えられており、制御装置はセンサ26sの検知状態を読み出すことにより、小入賞口26への入球を検出して、小入賞口26への入球に対する賞球を払い出すことが可能となっている。
また、本実施例の弾球遊技機10の作動口25(第1作動口25aおよび第2作動口25b)は、小入賞口26と同様に、入球した遊技球を遊技盤20の背面側に排出するタイプの作動口である。これらの作動口25もセンサ(25as,25bs)を備えており、センサの検知状態を読み出すことにより、第1作動口25aおよび第2作動口25bへの入球をそれぞれ検出することが可能である。なお、第2作動口25bの近傍には、電動役物41が備えられており、この電動役物41を駆動することにより、第2作動口25bに遊技球が入球しやすい状態と、入球し難い状態とを切り替えることが可能である。この点について、図3を参照しながら説明する。
図3は、第2作動口の近傍に設けられた電動役物41を駆動することにより、遊技球が第2作動口に入球し易い状態と入球し難い状態とを切り替える様子を示した説明図である。図3(a)に示されているように、電動役物41は、上部に第1作動口25aが設けられた作動口ユニット40に組み付けられており、2つの電動役物41の間に第2作動口25bが設けられている。この電動役物41は作動口ユニット40の内部に設けられた駆動機構に接続されており、駆動機構によって電動役物41を駆動することが可能である。
図3(b)には、電動役物41を駆動して電動役物41と電動役物41との間隔を広げた状態が示されている。図示されているように、電動役物41を駆動すると、左右の電動役物41の間が大きく広がる。この状態では、電動役物41の上面が第2作動口25bに向かって傾斜しており、このため、図中に矢印で示されているように、電動役物41の上面で受けた遊技球を第2作動口25bの方向に導くことができる。こうすることで、左右の電動役物41の間を大きく開いていない状態(図3(a)を参照)に比べて、第2作動口25bに遊技球が入球しやすい状態を実現することができる。また、電動役物41を駆動して左右の電動役物41を元の位置(図3(a)を参照)に戻せば、ふたたび遊技球が入球し難い状態にすることができる。このように、電動役物41を駆動することで、第2作動口25bに遊技球が入球しやすい状態と入球し難い状態とを、容易に切り替えることが可能となっている。
なお、本実施例では、電動役物41の間隔が広がって遊技球が入球し易い状態(図3(b)を参照)を電動役物41の開放状態と呼び、電動役物41の間隔が狭まって遊技球が入球し難い状態(図3(a)を参照)を電動役物41の閉鎖状態と呼ぶものとする。ここで、電動役物41を駆動することによって第2作動口25bへの入球し易さを変化させる観点からは、電動役物41の閉鎖状態は、遊技球の入球が完全に不可能な程度に第2作動口25bが閉鎖されている必要は必ずしもなく、電動役物41の開放状態よりも入球が困難であればよい。
また、第1作動口25aおよび第2作動口25bに遊技球が入球した場合、本実施例の弾球遊技機10では、賞球を払い出したり、「大当たり抽選」を行って抽選の結果に応じた各種の動作を行う。これらの点については後で説明する。
遊技盤20上の作動口ユニット40の下方には、図2に示されている様に、大型の入球口である大入球口60が設けられている。大入球口60には駆動機構が備えられており、開口部の前面に設けられた板部材を遊技盤20の前方に傾斜させることによって、開口部が閉じて入球が不可能な閉鎖状態から、開口部が開口して入球可能な開放状態に切り替えることが可能である。大入球口60の開放状態では、開口部が広いことから多数の遊技球が容易に入球することが可能なので、大入球口60を開放状態にすることによって、遊技者に対して大変に有利な遊技状態を作り出すことが可能である。なお、本実施例の弾球遊技機10では、大入球口60への入球に対して「15個」の賞球を払い出す。
遊技領域28の最下部には、小入賞口26や作動口25や大入球口60などのいずれにも入球しなかった遊技球を回収するアウト口50が設けられている。アウト口に入球した遊技球は遊技盤20から排出されて、弾球遊技機10内に設けられた球回収装置に回収される。また、アウト口50に達した遊技球に対しては、賞球は払い出されない。アウト口50は他の作動口や賞球口よりも下方に設けられているので、遊技者は、遊技球がアウト口50に達するまでにいずれかの作動口や入賞口に入球することを望みながら遊技を行う。これにより、遊技者の意識を遊技に引きつけることが可能となっている。
遊技盤20の右側の右端には、所定の図柄を表示可能なセグメント式表示装置70が設けられている。セグメント式表示装置70の内部には複数の発光ダイオード(LED)が設けられており、LEDを発光させることによって図柄を表示することが可能である。また、これら複数のLEDはそれぞれ個別に発光させることが可能であり、このため、次の図4に示すように、発光させるLEDを適切に組み合わせることで、各種の文字や数字を表示することも可能である。
図4は、本実施例の弾球遊技機10に備えられたセグメント式表示装置70の詳細な構成を示した説明図である。図4(a)に示されている様に、本実施例の弾球遊技機10のセグメント式表示装置70は、左表示部72、中央表示部74、および右表示部76の3つの表示部を備えており、それぞれの表示部は、数字の「8」の字状に配置された7つのLED(左表示部72ではLED72a〜LED72g)および右下に配置されたドット形状のLED(左表示部ではLED72p)から構成されている。上述したように、これらのLEDはそれぞれ個別に点灯あるいは消灯することが可能であり、点灯あるいは消灯するLEDを組み合わせることで、文字や数字を表現することが可能である。例えば、図4(b)に示されている例では、左表示部72のハッチングを付したLEDを点灯させることにより、左表示部に数字の「2」を表示している。
また、数字だけでなく、文字を表示することも可能である。例えば、図4(b)の例では、中央表示部74にアルファベットの「H」の文字を表示しており、右表示部76には「L」の文字を表示している。このように点灯あるいは消灯させるLEDを組み合わせることで、文字や数字を表示することが可能である。もちろん、表示可能な文字や数字は図4(b)の例に限られず、各種の文字や数字、更には「−」などの記号を表示することが可能である。また、図4(b)の例では、左表示部72に数字を表示し、中央表示部74および右表示部76には文字を表示しているが、この例とは逆に、中央表示部74や右表示部76に数字を表示することも可能であるし、左表示部72にアルファベットを表示することも可能である。
なお、セグメント式表示装置70の各LEDを、文字や数字を形成しない組み合わせで点灯させることも可能である。例えば、LED72aとLED72eとを点灯させれば、数字とも文字とも呼べない態様の表示を行うことが可能である。このような文字とも数字とも呼べない態様の表示を行えば、遊技者は表示の意味を直ちに理解することが困難になる。このため、後述する「大当たり遊技状態」や「確変状態」などの遊技者にとって有利な遊技状態が発生したのではとの期待を遊技者に抱かせたり、あるいは、有利な遊技状態が発生していることを遊技者に容易に察知されることを回避して、有利な遊技状態の発生を遊技者に報知した際の遊技者の高揚感を高めて、遊技の興趣を向上させることが可能である。
セグメント式表示装置70の各LEDは、後述するメイン制御装置100に接続されており、メイン制御装置100はセグメント式表示装置70の各LEDを点灯あるいは消灯させることによって、各種の文字や数字や記号などを表示することが可能である。また、点灯させるLEDを次々と切り替えることで、セグメント式表示装置70上で文字や数字を次々と変動させながら表示すること(図柄の変動表示)も可能である。本実施例の弾球遊技機10では、こうした図柄の変動表示が、作動口25への入球を契機として開始される。
また、図2に示されている様に、セグメント式表示装置70の下方には、スルー用セグメント式表示装置80が備えられている。このスルー用セグメント式表示装置80も、セグメント式表示装置70と同様に、複数のLEDが備えられており、各LEDを個別に点灯あるいは消灯することが可能である。また、点灯させるLEDを次々と切り替えることで、図柄の変動表示を行うことも可能である。本実施例の弾球遊技機10では、こうしたスルー用セグメント式表示装置80での図柄の変動表示が、スルー作動口24への入球を契機として行われる。
図2に示されている様に、遊技領域28の中央には、液晶ディスプレイ装置を備えた演出表示装置30が設けられており、遊技の進行に応じて演出表示装置30に各種の演出画像を表示することによって、弾球遊技機10の遊技の興趣をより高めることを可能としている。演出表示装置30は弾球遊技機10の背面側に設けられた表示制御装置300によって制御されており、弾球遊技機10は遊技の進行状況に応じて表示制御装置300へ所定のコマンドを送信することにより、遊技の進行状況に応じた各種の演出画像を表示することが可能である。
演出表示装置30の上方には、演出役物35が備えられている。演出役物35は、内部に光源が設けられて発光することが可能であり、更に、遊技盤20の背面側に設けられた駆動装置によって回転することが可能である。そして、演出表示装置30に表示される演出画像に連動して回転しながら発光したり、あるいは演出画像とは無関係に唐突に発光したり回転したりすることで、遊技の興趣をより高めることを可能としている。また、詳細な図示は省略するが、演出役物35の他にも各種のランプが遊技盤20や正面パネル15に設けられており、遊技の進行に合わせて各ランプが点灯することで遊技を盛り上げることが可能である。こうした演出表示装置30や演出役物35や各種ランプなどについても、弾球遊技機10の背面側に設けられた装置群によって制御される。
A−3.背面側の構成 :
図5は、上述した遊技盤20上で行われる遊技を制御するための装置が備えられた弾球遊技機10の背面側の構成を示した説明図である。図示されている様に、弾球遊技機10の背面側には、遊技を制御するメイン制御装置100や、遊技に伴う各種の演出を制御するサブ制御装置200や、サブ制御装置200からの命令に従って演出表示装置30の液晶ディスプレイ装置に種々の画像を表示する表示制御装置300などが設けられている。メイン制御装置100には、RAM140やROM110などを備えたMPU102が搭載されており、こうしたMPU102やRAM140やROM110などが協働することによって遊技を制御する。サブ制御装置200もメイン制御装置100と同様にMPUを備えており、MPUやMPU内のRAMやROMなどが協働しながら遊技に伴う演出を制御する。なお、メイン制御装置100やサブ制御装置200や表示制御装置300の構成については、後で詳しく説明する。
これらメイン制御装置100やサブ制御装置200は、透明なプラスチック製のケースに収められた状態で弾球遊技機10の背面側に搭載されている。このプラスチック製のケースは、2つのケース部材がメイン制御装置100の電子回路を両側から囲った状態でケース部材同士が互いに結合された構造となっており、プラスチックケースを取り外して電子回路にアクセスするためには、ケース部材の結合部分やケース部材自体を破壊する必要がある。一般に、遊技ホールに設置される遊技機は、遊技機に細工をすることで遊技機を操作して賞球を払い出させたり、あるいは遊技機を誤動作させることで賞球を不正に獲得するなどの不正行為を受ける虞があるが、このようにプラスチックケースでメイン制御装置を覆っておけば、メイン制御装置100に細工をされた場合には、ケース部材の結合部分が破壊されていたり、ケース部材自体が破壊されていることによって細工がされたことを発見できる。これにより、たとえ不正行為を受けたとしても、被害の発生を未然に回避することが可能となる。
弾球遊技機10の背面側には、演出役物35を駆動するための演出役物駆動装置350や、メイン制御装置100やサブ制御装置200などの各装置に電力を供給するための電源装置240なども備えられている。また、背面側の上部には、遊技ホールに備えられた島設備から遊技球の供給を受ける遊技球タンク400が備えられている。この遊技球タンク400には、賞球の払い出しを行う払出装置(図示は省略)が接続されており、払出装置を払出制御装置410(図示は省略)によって駆動することにより、遊技球タンク400内の遊技球を弾球遊技機10の上皿13に払い出すことが可能である。
また、本実施例の弾球遊技機10の背面側には、ケーブルを接続可能な外部出力端子910が備えられている。一般に遊技ホールには、ホール内に設置した各遊技機の情報を集めるためのコンピュータ(ホールコンピュータ)が設置されており、本実施例の弾球遊技機10では、こうしたホールコンピュータからのケーブルを外部出力端子910に接続することにより、弾球遊技機10で行われている遊技に関連する各種の情報をホールコンピュータに対して送信することが可能となっている。例えば、発射ユニットから遊技球が発射されたことを示す信号や、アウト口50から遊技球が排出されたことを示す信号や、賞球を払い出したことを示す信号や、あるいは、払い出した賞球の数を示す情報などを送信することが可能である。ホールコンピュータでは、これらの情報を集めることで、遊技者が本実施例の弾球遊技機10に投入した遊技球の数と、遊技者が獲得した遊技球の数とを把握することが可能であり、延いては、本実施例の弾球遊技機10の収益状況を把握することが可能となる。
また、外部出力端子910は、上述したスルー作動口24や作動口25に遊技球が入球したことを示す信号を出力したり、あるいは、上述したセグメント式表示装置70(図4を参照)で図柄の変動表示を開始したことを示す信号や、変動表示を行っている最中であることを示す信号や、変動表示が終了したことを示す信号を出力することも可能である。
なお、図5に示されている様に、弾球遊技機10にはヒンジ部904を介して枠板902が取り付けられており、この枠板902を遊技ホールの島設備に固定することによって、弾球遊技機10を遊技ホールに設置することが可能である。また、弾球遊技機10を遊技ホールに設置した状態においても、ヒンジ部904を軸にして弾球遊技機10を前面方向に回転させることにより、こうした背面側の各装置にアクセスすることが可能である。
B.遊技の概要 :
本実施例の弾球遊技機10では、上述した各構成を用いて遊技の進行を制御するが、こうした制御の詳細を説明する前に、弾球遊技機10で行われる遊技の概要を説明しておく。
まず、遊技者が上皿13に遊技球を投入して発射ハンドル11を操作すると、上皿13から発射ユニットに供給された遊技球が、遊技盤20の遊技領域28に一球ずつ発射される。発射ユニットは、遊技球を発射する速度が発射ハンドル11の回転角に応じて変化するようになっており、このため、遊技者は発射ハンドル11の回転角を調整することで、遊技球が発射される位置の狙いをつけることが可能である。
遊技領域28に発射された遊技球は、釘22や風車23などによって進行方向を変えられながら、遊技盤20の盤面上を流下していく。このとき、遊技球は釘22や風車23などに阻まれながら時間をかけて流下していくので、遊技者は遊技球の動きを目で追うことにより、遊技球の動きを楽しんだり、あるいは、作動口25や小入賞口26などに遊技球が入球することを期待しながら遊技球を見守るなどして、遊技の興趣を楽しむことが可能である。
遊技盤20の盤面上を流下する遊技球がスルー作動口24に入球すると、前述したスルー用セグメント式表示装置80(図2を参照)において、図柄の変動表示が開始される。こうした図柄の変動表示は、変動表示を開始してから所定の時間(変動表示時間)が経過するまで継続され、変動表示時間が経過すると、今度は図柄が停止した状態で表示される。この図柄の停止表示の際に、予め定められた当たり図柄が表示されると、スルー図柄の当たりとなる。
本実施例の弾球遊技機10では、スルー図柄の当たりが発生すると、前述した作動口ユニット40の電動役物41が所定時間(例えば0.5秒)の間だけ開放状態となる(図3(b)を参照)。前述したように、電動役物41の開放状態では第2作動口25bに遊技球が入球し易いので、この所定時間の間は、遊技者にとっては第2作動口25bに遊技球を入球させ易い有利な状態となる。このようにスルー作動口24への入球に起因して遊技者に有利な状態を付与すれば、遊技者はスルー作動口24に遊技球が入球することを狙って遊技球の発射位置を調整したり、発射した遊技球がスルー作動口24に入球することを期待しながら遊技球の動きを追うことになるので、遊技の興趣を高めることが可能となる。なお、本実施例では、スルー図柄の当たりが発生すると、このように第2作動口25bへの入球が電動役物41によってサポートされることから、スルー図柄の当たりを「サポート当選」と呼ぶものとする。
前述したように、スルー用セグメント式表示装置80では、図柄の変動表示が所定の時間に渡って継続する。このため、図柄の変動表示を行っている間に、別の遊技球がスルー作動口24に入球する場合もある。この場合、本実施例の弾球遊技機10では、遊技球の入球を保留(スルー作動口の保留)として蓄えておき、図柄の変動表示が終了した後に、保留しておいた分の変動表示を行う。また、蓄えることが可能な保留は一つに限らず、複数の保留を蓄えておくことが可能である。なお、本実施例の弾球遊技機10では、最大で4つの保留を蓄えることができるものとして説明する。
本実施例の弾球遊技機10では、スルー作動口の保留の数を、遊技盤20に設けられた表示ランプ82(図2を参照)によって確認することが可能である。図2に示されている様に、表示ランプ82は演出表示装置30の下方に4つ設けられており、4つの表示ランプ82のうちの点灯している表示ランプ82の個数が、スルー作動口の保留数に対応している。例えば、保留が一つも無い場合には、いずれの表示ランプ82も点灯していない状態となる。そして、保留が1つ蓄えられている状態では、表示ランプ82の1つが点灯した状態となり、保留が2つ蓄えられた状態では、2つの表示ランプ82が点灯した状態となる。同様に、保留が3つ蓄えられた状態では3つの表示ランプ82が点灯し、保留が4つ蓄えられた状態では4つの表示ランプ82が点灯する。また、本実施例の弾球遊技機10では、保留数が増加するのにしたがって、表示ランプ82が左端の表示ランプ82から順に点灯していき、保留が消化されるのにしたがって、表示ランプ82が右側から順に消灯していく。これにより、保留が増減する様子を遊技者に直感的に把握させることが可能となり、遊技者が遊技の状況を把握する労力を軽減して遊技者が遊技をより楽しめるようになっている。
遊技盤20を流下する遊技球が作動口25(第1作動口25aあるいは第2作動口25b)に入球した場合は、セグメント式表示装置70(図4を参照)において、図柄の変動表示が開始される。このセグメント式表示装置70での図柄の変動表示も、上述したスルー用セグメント式表示装置80での図柄の変動表示と同様に、図柄の変動表示が所定の時間だけ継続し、その後、図柄が停止表示される。このとき、図柄が所定の当たり図柄で停止表示されると、「大当たり」となって弾球遊技機10は「大当たり遊技状態」に移行する。「大当たり遊技状態」では、遊技盤20に設けられた大入球口60が開放状態となり、遊技者は発射した遊技球を大入球口60に容易に入球させて多数の賞球を獲得することが可能となる。このように、大当たり遊技状態は遊技者にとって大変に有利な状態なので、遊技者は大当たり遊技状態が発生することを狙って遊技を行うことが通常である。
なお、セグメント式表示装置70の図柄が当たり図柄で停止するか否か(大当たり遊技状態が発生するか否か)は、弾球遊技機10のメイン制御装置100で行われる大当たり抽選によって決定される。こうした大当たり抽選については、後で説明する。また、作動口25に遊技球が入球すると、図柄の変動表示から停止表示までの一連の遊技が行われることから、この一連の遊技を、遊技の一単位と捉えることが可能である。このことから、本実施例では、作動口への入球から図柄の停止表示までの一連の遊技を「1遊技回」と呼ぶものとする。
大当たり遊技状態が開始されて大入球口60が開放状態になると、所定の時間が経過するか、あるいは所定の数の遊技球が大入球口60に入球するまで、大入球口60は開放状態を維持する。そして、所定の時間が経過するか、あるいは所定の数の遊技球が大入球口60に入球すると、大入球口60は閉鎖状態に戻る。大入球口60が開いてから閉じるまでの遊技は「ラウンド遊技」あるいは単に「ラウンド」と呼ばれる。大当たり遊技状態では、こうしたラウンドが所定の回数だけ繰り返し行われ、その後、大当たり遊技状態が終了する。
なお、大入球口60にはセンサ60sが設けられており、遊技球の入球を1球ずつ検出することができるので、検出した遊技球の数をカウントすることによって所定の数の遊技球が大入球口60に入球したことを検出可能である。ここで、センサ60sの位置や検出タイミングによっては、所定数の入球を検出したタイミングで大入球口60を閉じても、そのタイミングでは既に所定数よりも多くの遊技球が入球している場合がある。こうした場合には、遊技者は通常よりも多くの賞球を獲得することが可能となる。そこで、このように所定数よりも多くの遊技球が入球する場合が時折生じるように、センサ60sの検出タイミングやセンサ60sの位置を調整しておけば(例えば、センサ60sの位置を遊技盤20の表面よりも遊技球数個分だけ奥側に配置しておく)、遊技者は、できるだけ多くの遊技球が入球することを願いながら、大入球口60が閉まる瞬間まで大入球口60の動向に注目することになる。これにより、遊技者の興味をラウンド遊技により強く引きつけることが可能となる。また、このように所定の個数の遊技球が入球したことをセンサ60sで検出してから大入球口60を閉じる場合、所定数の遊技球が入球する前に大入球口60が閉じてしまうことがないので、少しの数の遊技球しか入球していないのに大入球口60が閉じたという不満を遊技者が抱く虞がなく、好適である。
一方、所定の時間が経過したら大入球口60を閉じる場合、遊技者は、大入球口60が閉じる前により多くの遊技球を大入球口60に入球させようとすることから、遊技球が大入球口60に向かうように発射ハンドル11を操作して狙いを付けようとする。これにより、遊技球を狙った場所に発射するという遊技の興趣を高めることが可能である。また、本実施例の弾球遊技機10では、大入球口60は風車23よりも遊技盤20の内側に設けられており(図2を参照)、このため、遊技球の進路が風車23によって内側に向けられると、大入球口60に入球しやすくなる。したがって、遊技者は風車23によって遊技球の進路が内側に向けられることを期待しながら遊技を行うことになり、その結果、遊技者の注意を風車23に引きつけて風車23の興趣を向上させることができる。
また、本実施例の弾球遊技機10では、ラウンド数などが異なる複数の種別の「大当たり遊技状態」が発生可能であり、大当たりが発生した場合には、これら複数の種別のいずれかの大当たり遊技状態に移行する。ここで、以降の説明の理解を容易にするために、こうした各種別の大当たり遊技状態について説明しておく。
「2R大当たり遊技状態(あるいは単に2R大当たり)」は、上述したラウンドが2回繰り返し行われる大当たり遊技状態である。この大当たり遊技状態では、ラウンドが2回繰り返されると大当たり遊技状態が終了するので、大当たり遊技状態を迅速に終了することができる。弾球遊技機10では、遊技状態を次々と変化させることで遊技の興趣を向上させることが可能であるが、こうすると、遊技状態が迅速に変化することから、遊技の興趣を効果的に高めることが可能である。加えて、遊技がテンポ良く進む印象を遊技者に与えて、遊技の爽快感を向上させることが可能となる。
なお、本実施例の弾球遊技機10では、後述するように、大当たり遊技状態が発生した後に、大当たりの発生確率を変更することが可能である。本実施例では、大当たりの発生確率が高確率に変更された状態(大当たりに当選しやすい状態)を「確率変動状態」あるいは「確変状態」と呼び、高確率に変更されていない状態を「非確率変動状態」あるいは「非確変状態」と呼ぶものとする。また、確変状態への移行を伴う大当たりを「確変大当たり」と呼び、それ以外の大当たりを「通常大当たり」と呼ぶものとする。
ここで、本実施例の弾球遊技機10では、「明示確変2R大当たり遊技状態(あるいは単に明示確変2R大当たり)」と「非明示確変2R大当たり遊技状態(あるいは単に非明示確変2R大当たり)」の2種類の2R大当たり遊技状態が実行可能である。これらの大当たり遊技状態は、いずれもラウンドが2回繰り返されるとともに、確変状態への移行を伴う大当たりであるが、確変状態に移行したことを遊技者が容易に認識できるか否かが異なる。詳しくは後述するが、例えば、「明示確変2R大当たり遊技状態」が発生した場合には、電動役物41(図3を参照)が、それまでは低頻度で開閉していたのに途端に頻繁に開閉し始めることによって、遊技者は確変状態が発生したことを認識できる。これに対して「非明示確変2R大当たり遊技状態」では、電動役物41の動作にそのような変化が起こらず、したがって、遊技者は確変状態が発生したことを容易に認識することは困難となっている。このため、「非明示確変2R大当たり遊技状態」では、遊技者に気付かせずに確変状態を発生させることが可能であり、延いては、いつのまにか確変状態が発生していたという驚きを遊技者に与えたり、あるいは、もしかしたら確変状態が発生しているかもしれないという期待感を遊技者に与えて、遊技の興趣を高めることが可能である。
「15R大当たり遊技状態(あるいは単に15R大当たり)」は、上述したラウンドが15回繰り返し行われる大当たり遊技状態である。この状態では、遊技者は多くのラウンド遊技を行うことができるので、多数の賞球を得ることができる。このため、遊技者は15R大当たり遊技状態が発生することを望む傾向があり、したがって、弾球遊技機10において15R大当たり遊技状態を発生可能としておくことにより、15R大当たりへの期待を遊技者に抱かせて遊技者の興味を弾球遊技機10に引きつけることが可能となる。
また、15R大当たり遊技状態についても、2R大当たり遊技状態と同様に、複数の態様の15R大当たり遊技状態があるものとしてもよい。本実施例の弾球遊技機10では、こうした15R大当たりとして、「通常15R大当たり遊技状態(あるいは単に通常15R大当たり)」と「確変15R大当たり遊技状態(あるいは単に確変15R大当たり)」の2種類の大当たり遊技状態が実行可能となっている。このうち、「確変15R大当たり」では、大当たり遊技状態が発生した後の所定のタイミングに(例えば、大当たり遊技状態が終了した際に)、大当たりの発生確率を高確率に変更する。こうすると、「確変15R大当たり」が発生した場合、大当たり遊技の後は大当たりに当選し易い状態となるため、遊技者にとってたいへんに有利な状態となる。また、大当たりの発生確率が高いことから、通常よりも少ない回数の大当たり抽選によって大当たりに当選することが可能となる。したがって、確変15R大当たりを発生可能としておくことにより、遊技者に、複数の大当たり遊技状態が短期間に発生して多数の遊技球を短時間で獲得できるのではとの期待感を抱かせて、遊技者を遊技に強く引きつけることが可能である。加えて、確変15R大当たりが実際に発生した際には、遊技者の達成感が大きく高揚されるので、遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
一方、「通常15R大当たり遊技状態」では、大当たり遊技状態の終了後に確変状態への移行は行わない。また、通常15R大当たり遊技状態が発生した際に確変状態であった場合には、確変状態から非確変状態に移行する。こうすれば、確変状態から非確変状態に変更することによって遊技者に有利な確変状態が終了したとしても、大当たり遊技状態が発生したことにより、遊技者が大きく失望してしまうのを防ぐことができる。これにより、遊技者の興味を大きく損なうことなく、確変状態から非確変状態に移行することが可能となる。
なお、前述したように、これらの大当たり遊技状態が発生すると大入球口60が開いて遊技球が入球可能となるが、このときの大入球口60の開閉の態様を、上述した各大当たりの種別に応じて異ならせてもよい。例えば、非明示確変2R大当たりの場合には、大入球口60を短時間(例えば0.2秒)だけ開けるものとしてもよい。こうすれば、大入球口60を開閉させても、遊技者は大入球口60が開閉したことに気付き難いので、大入球口60の開閉に起因して遊技者が大当たりの発生を認識してしまう虞を低減することができる。したがって、前述したように非明示確変2R大当たりの発生後に確変状態に変更してやれば、いつのまにか確変状態になっていたという驚きを遊技者により確実に与えることが可能となる。あるいは、1つの大当たり種別に対して複数の開閉態様を実行可能とすることも可能である。例えば、通常15R大当たりの場合に、開放時間が短いラウンドを15回繰り返す態様と、それよりも開放時間が長いラウンドを15回繰り返す態様とのいずれの態様で実行するかを抽選により決定するものとしてもよい。こうした場合、遊技者は大入球口60がいずれの態様で開閉を開始するか注目しながら大当たり遊技状態の開始を待つことになるので、大当たりに当選したことで遊技者が安心して遊技に対する興味が低下してしまう虞を回避することが可能である。
また、明示確変2R大当たりの場合も非明示確変2R大当たりと同様に、大入球口60を短時間だけ開くものとしてもよい。そして、明示確変2R大当たりの場合には、大入球口60が開閉動作を行った後に、電動役物41が開閉動作を頻繁に行う遊技状態に移行するものとしてもよい。こうすると、確変状態の発生を、大入球口60の開閉によって気付かせるのではなく、電動役物41の動作によって遊技者に気付かせることができる。前述したように、電動役物41はスルー作動口24への入球に起因して開閉することがあるので、遊技者は、スルー作動口24への入球に起因して電動役物41が開閉したのか、それとも大当たりの発生に起因して電動役物41が開閉したのかを、即座に識別することは困難である。したがって、明示確変2R大当たりが発生したのではとの期待を遊技者に抱かせるとともに、遊技者の興味を電動役物41に引きつけることが可能となり、その結果、遊技の興趣を高めることが可能となる。
一方、通常15R大当たりや、確変15R大当たりの場合には、2R大当たりの場合よりも長い時間に渡って(例えば30秒間程度)、大入球口60を開けるものとしてもよい。こうすれば、遊技者は大入球口60が開いたことを十分に認識できるとともに、大入球口60に遊技球が入球する様子を視認することで、大当たりが発生したことによる高揚感をいっそう楽しむことが可能となる。また、遊技球が大入球口60に入球する様子を視認できることから、遊技球が大入球口60に入球するように発射ハンドル11を操作して狙いを付ける遊技をいっそう楽しむことが可能となる。
なお、本実施例では、大入球口60が開閉を繰り返し行う動作状態(遊技状態)を「開閉モード」と呼ぶ。また、大入球口60が短時間だけ開く上述した態様は、遊技球が入球し難いことから「低頻度入球モード」と呼び、大入球口60が低頻度入球モードよりも長い時間に渡って開く上述した態様は、低頻度入球モードよりも遊技球が入球し易いことから「高頻度入球モード」と呼ぶものとする。
また、電動役物41が開閉を繰り返し行う動作状態(遊技状態)は、第2作動口25bへの入球を促している状態であることから、「サポートモード」と呼ぶものとする。更に、電動役物41についても大入球口60と同様に、電動役物41が開いている時間を短くすれば遊技球が入球し難くなり、逆に電動役物41が開いている時間を長くすれば遊技球が入球し易くなる。したがって、電動役物41が開く時間を変化させることで、第2作動口25bへの入球のし易さを変化させることが可能である。本実施例の弾球遊技機10では、電動役物41が開く時間が異なる2つの種別のサポートモードが実行可能となっており、2つの種別のサポートモードのうち、電動役物41が開放状態を維持する時間(開放時間)が他方のサポートモードよりも短いサポートモードを「低サポートモード」と呼び、電動役物41の開放時間が他方のサポートモードよりも長いサポートモードを「高サポートモード」と呼ぶものとする。
なお、こうしたサポートモードでは、電動役物41の単位時間あたりの開放回数を変化させれば、第2作動口25bへの入球のし易さを変えることが可能である。このことから、複数の種別のサポートモードを備えた場合には、単位時間あたりの電動役物41の開閉回数を各サポートモードの間で異ならせてもよい。本実施例の弾球遊技機10では、高サポートモードの方が低サポートモードよりも電動役物41の単位時間あたりの開閉回数が多くなっており、こうすることで、高サポートモードでは第2作動口25bへの入球を低サポートモードよりも容易としている。
また、大当たり遊技状態の終了後にサポートモードを開始する場合、開始するサポートモードの種別を大当たりの種別に応じて異ならせてもよい。あるいは、大当たりの種別によっては、サポートモードを開始しないものとしてもよい。また、サポートモードの実行中に大当たりに当選する場合もあるが、こうした場合には、大当たり遊技状態の終了後に、サポートモードの種別を変更するものとしてもよい。こうすれば、大当たり遊技状態の発生に起因して電動役物41の動作態様に変化を生じさせることができる。本実施例の弾球遊技機10では、「通常15R大当たり」の場合や「確変15R大当たり」の場合や「明示確変2R大当たり」の場合には、高サポートモードを開始する(低サポートモード中にこれらの大当たりに当選した場合には、サポートモードを高サポートモードに切り替える)ものとし、「非明示確変2R大当たり」の場合には、高サポートモードを開始しない(低サポートモード中に非明示確変2R大当たりに当選した場合には、サポートモードを高サポートモードに切り替えずに低サポートモードを継続する)ものとしている。
上述したように、本実施例の弾球遊技機10では、作動口25に遊技球が入球するとセグメント式表示装置70で図柄の変動表示と停止表示とが行われ、図柄が所定の当たり図柄で停止表示されると、大当たり遊技状態へと移行する。この図柄の変動表示および停止表示の際には、セグメント式表示装置70だけでなく、演出表示装置30の液晶ディスプレイ装置においても種々の画像や図柄が表示されて演出が行われる。
図6は、演出表示装置30において演出画像が表示されている様子を例示した説明図である。図6(a)に示されている様に、本実施例の弾球遊技機10では、数字が付されたキャラクタ図柄32が演出表示装置30に表示される。キャラクタ図柄32は、演出表示装置30の縦方向に3つの段(図中に「上段」「中段」「下段」と示した各段を参照)に分かれて各段で横一列に並んでいる。また、各段のキャラクタ図柄32とキャラクタ図柄32との間には、副図柄34が描かれている。そして、セグメント式表示装置70で図柄の変動表示が行われる際には、各段のキャラクタ図柄32および副図柄34が、横一列に並んだ状態を保ちながら演出表示装置30の横方向に移動する様子が表示される。
前述したように、セグメント式表示装置70では、図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間が経過すると、図柄が停止表示される。このとき、演出表示装置30においても、横方向に移動していたキャラクタ図柄32および副図柄34が停止して、キャラクタ図柄32および副図柄34が停止表示される。ここで、本実施例の弾球遊技機10では、キャラクタ図柄32および副図柄34の停止表示の態様を、セグメント式表示装置70での図柄の停止表示の態様に対応させることが可能となっている。例えば、セグメント式表示装置70において大当たりに対応する図柄が停止表示された場合には、これに対応させて、演出表示装置30では、同一の数字が付されたキャラクタ図柄32が一列に並んだ状態で停止表示される。
図6(b)には、同一の数字が付されたキャラクタ図柄32が縦方向に一列に並んだ状態で停止表示されている様子が例示されている。図示されている様に、図中に「L1」と示されたライン上に、数字の「3」が付されたキャラクタ図柄32が並んで表示されている。このように同じ数字が付されたキャラクタ図柄32を並べて表示すれば、大当たりが発生したことを遊技者に容易に認識させることが可能である。
また、キャラクタ図柄32を停止表示させる際には、上段、中段、下段の各段を同時に停止させてもよいが、それぞれの段を異なるタイミングで停止させてもよい。例えば、まず上段および下段を停止表示し、最後に中段を停止表示する。このとき、上段と下段とで同じキャラクタ図柄32を一列に並べた状態で停止させれば、中段でも同じキャラクタ図柄32が停止して大当たり状態が発生するのではとの期待を遊技者に抱かせることができるので、遊技の興趣を高めることが可能となる。なお、本実施例では、このように2つの段の図柄を揃えて停止表示させる表示態様をリーチ表示とよび、リーチ表示を用いた演出をリーチ演出と呼ぶものとする。
また、図6(b)では、「L1」と示したライン上に同じキャラクタ図柄32が並んだ態様を例示したが、キャラクタ図柄32が一列に並ぶ態様はこの態様に限らず、種々の態様が可能である。すなわち、本実施例の弾球遊技機10の演出表示装置30では、図6(b)に示されている「L1」から「L5」までの5つのラインのいずれかのライン上に同じキャラクタ図柄32を並べて停止表示することが可能となっている。このように複数のラインのいずれに並んだ場合も、大当たり遊技状態の発生に対応するものとしておけば、多数のラインのいずれかのライン上には同じ図柄が並ぶのではとの期待を遊技者に抱せることができるので、遊技者の期待感をいっそう向上させて遊技の興趣を高めることが可能である。
また、キャラクタ図柄32を停止表示させる際には、大当たりの種別に応じて、異なる態様で停止表示させるものとしてもよい。例えば、確変15R大当たりなどの確変状態に移行する大当たり(確変大当たり)では、「1」や「3」などの奇数が付されたキャラクタ図柄32を一列に揃えて停止表示させ、通常15R大当たりなどの非確変状態に移行する大当たりでは、「2」や「4」などの偶数が付されたキャラクタ図柄32を一列に揃えて停止表示するものとしてもよい。こうすれば、確変状態へ移行する大当たりであることや、非確変状態へ以降する大当たりであることを、演出表示装置30によって遊技者に認識させることも可能となる。
これとは逆に、非明示確変2R大当たりの場合には、キャラクタ図柄32を一列に揃えないものとしてもよい。こうすれば、大当たりが発生したことを遊技者が演出表示装置30によって知ってしまう虞を回避して、いつのまにか大当たり遊技状態が発生していたという驚きや、いつのまにか確変状態に移行していたという驚きをより確実に与えることが可能となる。
演出表示装置30は、遊技盤20の中央付近に設けられ、サイズも大きいので、遊技者の目にとまりやすい。このため、遊技者は演出表示装置30を見ながら遊技を行うことが通常である。したがって、演出表示装置30を用いることで演出を効果的に行うことが可能である。また、演出表示装置30は面積が大きい上に液晶ディスプレイ装置の画素数を多くするなどして精細な画像を表示することが可能なので、高品質な映像を表示することができる。こうした高品質な画像を表示すれば、演出の効果をいっそう高めることが可能である。
また、作動口25に遊技球が入球した場合、演出表示装置30での演出や、セグメント式表示装置70での図柄の変動表示を行うだけでなく、賞球を払い出すものとしてもよい。こうすると、作動口25に遊技球が入球すると図柄の変動表示が始まって大当たり状態に移行する可能性が生じるだけでなく、賞球を得ることもできるので、遊技者は作動口25に入球することをより強く望みながら遊技を行うことになる。このため、作動口25に遊技球が入球するか否かに遊技者をいっそう注目させることができ、遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。更には、払い出した賞球の分だけ遊技者は遊技を長く行うことができるので、遊技者を遊技により長く引きつけておくことが可能となる。本実施例の弾球遊技機10では、第1作動口25aへの入球に対しては「3個」の賞球を払い出し、第2作動口25bへの入球に対しては「4個」の賞球を払い出すものとしている。
演出表示装置30やセグメント式表示装置70で図柄の変動表示を行っている間に遊技球が作動口25に入球した場合には、スルー作動口24の場合と同様に、遊技球の入球を保留(作動口の保留)として蓄えておき、図柄の変動表示が終了した後に、保留していた分の変動表示を行う。本実施例の弾球遊技機10では、遊技盤20に設けられた表示ランプ83a(図2を参照)によって第1作動口25aの保留数を確認可能であり、同様に、表示ランプ83bによって第2作動口25bの保留数を確認可能である。図2に示されている様に、表示ランプ83aおよび表示ランプ83bはそれぞれ4つずつ設けられており、これらのうちの点灯している表示ランプの個数が、それぞれの作動口の保留数に対応している。すなわち、保留が1つも無い場合には、いずれの表示ランプも消灯した状態となり、保留が1つ存在する状態では、表示ランプの1つが点灯した状態となる。同様に、保留が2つ存在する状態では、2つの表示ランプが点灯した状態となり、保留が3つ存在する状態では3つの表示ランプが、保留が4つ存在する状態では4つの表示ランプが、それぞれ点灯状態となる。
また、本実施例の弾球遊技機10では、保留数が増加するのにしたがって、左端の表示ランプから順に表示ランプが点灯していき、保留が消化されるのにしたがって、右側から順に表示ランプが消灯していく。これにより、保留が増減する様子を遊技者に容易に把握させることが可能である。保留数が多いほど大当たり抽選を行う回数が多いことから、遊技者は保留数が多い状態を望む傾向があるので、このように保留数が増減する様子をわかりやすく表示することで、保留数の増減に伴う遊技の興趣を遊技者にいっそう楽しませることが可能となる。
なお、本実施例の弾球遊技機10では、こうした保留数の表示を演出表示装置30で行うことも可能である。すなわち、図6(a)に示されているように、演出表示装置30の一部の領域(第1作動口保留表示エリアおよび第2作動口保留表示エリア)に意匠図柄を表示することにより、演出表示装置30を用いて保留数を表示することが可能である。ここで、図中の「第1作動口保留表示エリア」は、第1作動口25aの保留数を表示するための領域であり、図示されているように、第1エリアa1、第2エリアa2、第3エリアa3、第4エリアa4の4つの表示エリアから構成されている。そして、第1作動口25aの保留数と同数の意匠図柄を表示エリアの左から順に表示することにより、第1作動口25aの保留数を表示することが可能である。
例えば第1作動口25aの保留数が「2」であれば、これに対応して、第1作動口保留表示エリアの左から2つのエリア(第1エリアa1及び第2エリアa2)に意匠図柄を表示することで、第1作動口25aの保留数が「2」であることを表示可能である。第2作動口保留表示エリアについても同様に、第1エリアb1、第2エリアb2、第3エリアb3、第4エリアb4の4つの表示エリアから構成されており、第2作動口の保留数に対応する数の意匠図柄を表示エリアに表示することにより、第2作動口25bの保留数を表示することが可能である。
図2に示されているように、遊技盤20には、小入賞口26も設けられている。遊技球が小入賞口26に入球した場合、本実施例の弾球遊技機10では、所定の数の遊技球を賞球として上皿13に払い出す。このように小入賞口26への入球に伴って賞球を払いだせば、たとえ小入賞口26への入球時に大当たり抽選が行われなくても、遊技者は小入賞口26へ遊技球が入球することを期待しながら遊技を行う傾向がある。したがって、小入賞口26を設けることにより、大当たり抽選の回数を増やすことなく、遊技者の興味を遊技に引きつけて遊技の興趣を高めることが可能である。
また、小入賞口26を、作動口25よりも遊技盤20の下方に設けておけば、作動口25に遊技球が入球しなくても、小入賞口26に入球する可能性があるので、遊技球が作動口25に入球しなかったことにより遊技者の興味がそがれてしまうのを回避することができる。これにより、遊技者を遊技により強く引きつけておくことが可能となる。
一方、スルー作動口24や作動口25などの入球口のいずれにも遊技球が入球しなかった場合には、遊技球は遊技盤20の下部に設けられたアウト口50に回収されて遊技盤20の外に排出される。この場合、遊技者は賞球を獲得することができない。このように弾球遊技機10では、遊技者が遊技球を発射して遊技盤20上の作動口25や小入賞口26に入球させる遊技が行われ、こうした遊技の進行に伴って賞球が払い出されたり、各種の演出が行われながら遊技が進行する。以下では、かかる遊技を制御する制御装置の詳細な構成について説明する。
C.制御装置の構成 :
図7は、弾球遊技機10の制御装置の構成を示したブロック図である。図示されているように、遊技機の制御装置は、メイン制御装置100や、サブ制御装置200や、表示制御装置300などから構成されている。メイン制御装置100は、上述した大当たり抽選を行ったり、大当たり抽選の結果に応じて大当たり遊技状態への移行を行うなど、主として遊技の進行を制御する役割を果たす。また、サブ制御装置200や払出制御装置410に各種の動作を指令するコマンドを送信することにより、これらの装置に各種の動作を実行させる。なお、図7では、データや信号を入出力する方向を黒色の矢印で示している。
C−1.メイン制御装置の構成 :
メイン制御装置100には、演算装置104やROM110やRAM140などが搭載されたワンチップタイプのMPU102が備えられている。MPU102のチップの内部では演算装置104やROM110やRAM140が互いにバス接続されており、これらの間でデータを相互に送受信可能である。MPU102は、こうしたバス接続を用いてROM110からプログラムを読み出すとともに、読み出したプログラムに記述された各種の命令を演算装置104において実行することが可能である。加えて、加算や減算などの算術計算を演算装置104を用いて実行することも可能である。また、MPU102には、読み込んだプログラムを一時的に格納するプログラムレジスタや、演算装置104において実行中の命令のアドレス(プログラム内でのアドレス)を記憶するプログラムカウンタや、演算装置104での演算に用いる各種のデータを格納するワーキングレジスタなども備えられており、これらの構成を用いてプログラムを適切に実行することが可能となっている。
また、MPU102は、実行中のプログラムに対して一定の時間間隔で割り込みを発生させるタイマ割り込み機能を有している。MPU102は、タイマ割り込み機能による割り込みが発生すると、プログラムの実行を中断するとともに、プログラムカウンタの値をMPU102内のスタックメモリに格納する。また、ワーキングレジスタ等の各レジスタの値についても、MPU102内のメモリに格納する。そして、割り込んで実行するプログラムの先頭アドレスをMPU102のプログラムレジスタから取得してそのプログラムを実行する。また、割り込んで実行したプログラムが終了すると、MPU102内のスタックメモリに格納しておいたプログラムレジスタの値を読み出すとともに、MPU102内のメモリに格納しておいた各レジスタの値をそれぞれのレジスタに戻す。そして、元のプログラムを、プログラムレジスタに格納されたアドレスから実行開始することにより、元のプログラムを続きから再開することが可能である。本実施例の弾球遊技機10では、かかるタイマ割り込み機能を用いて、スルー作動口24への入球を検出する処理や作動口25への入球を検出する処理などを実行する。
ROM110には、各種のデータを記憶可能な記憶エリアが複数備えられており、このうち、プログラムエリア111には、MPU102が実行するプログラムが記憶されている。また、プログラムの先頭アドレスなどのプログラム実行時に必要な種々のデータもプログラムエリア111に記憶されている。MPU102は、ROM110のプログラムエリア111からこれらのプログラムやデータを読み出してプログラムを実行することにより、弾球遊技機10の制御を行う。
ROM110の抽選テーブルエリア112には、メイン制御装置100によって大当たり抽選が行われる際に参照される「大当たり抽選テーブル」が記憶されている。本実施例の弾球遊技機10の大当たり抽選テーブルには、「0」から「599」までの各数値と、各数値に対する大当たり抽選の当否結果が対応付けられており、「0」から「599」までのいずれかの数値を大当たり乱数カウンタから取得して大当たり抽選テーブルを参照することにより、取得した数値に対する大当たり抽選の当否を判定することが可能である。
振り分けテーブルエリア113には、大当たりが発生した際に参照される「振り分けテーブル」が記憶されている。前述したように、本実施例の弾球遊技機10では、非明示確変2R大当たりや通常15R大当たりなどの複数の種別の大当たり遊技状態を発生可能である。このため、大当たりが発生した際には、振り分けテーブルを参照することにより、これらの大当たり遊技状態のうちのいずれの大当たり遊技状態を実行するかを決定する。
停止態様テーブルエリア114には、セグメント式表示装置70において図柄を停止表示させる際に参照する「停止態様テーブル」が記憶されている。停止態様テーブルには、セグメント式表示装置70の各LEDを点灯させるか否かがLEDごとに定められており、停止態様テーブルにしたがって各LEDを点灯あるいは消灯させることで、セグメント式表示装置70に所定の停止図柄を表示することが可能である。
変動表示時間テーブルエリア115には、セグメント式表示装置70において図柄の変動表示を行う時間(変動表示時間)が設定された「変動表示時間テーブル」が記憶されている。この変動表示時間テーブルには、長さが異なる複数の変動表示時間が、それぞれの変動時間を識別する番号が付された状態で設定されている。図柄の変動表示を行う際には、変動表示時間の番号を決定した後に、変動表示時間テーブルを参照してその番号に対応する変動表示時間を読み出すことにより、図柄の変動表示時間が決定される。
コマンド情報記憶エリア116には、メイン制御装置100がサブ制御装置200や払出制御装置410などに送信する各種のコマンドが記憶されている。本実施例の弾球遊技機10では、これらのコマンドは所定のデータ長(バイト数)からなるバイナリデータであり、このため、ROM110上に記憶しておくことが可能である。このようにROM110上にコマンドを記憶しておけば、メイン制御装置100がサブ制御装置200や払出制御装置410などにコマンドを送信する際には、記憶しておいたコマンドを読み出してサブ制御装置200や払出制御装置410に送信すればよい。こうすれば、コマンドを送信する度にコマンドを新たに生成する必要がないので、コマンドを迅速に送信することが可能である。
なお、上述したROM110の各記憶エリアの分類は、記憶する内容に着目して分類したものであり、これらの記憶エリアがROM110上で実際に分けられて構成されている必要は必ずしもない。もちろん、ROM110上で実際に分けて構成することも可能である。例えば、ROM110のアドレス空間において、各記憶エリアごとにアドレスを分けて構成してもよいし、あるいは、いわゆるバンク構造を用いて、各記憶エリアをそれぞれ異なるバンクに割り当てるものとしてもよい。このように各記憶エリアをROM110上で実際に分けて構成すれば、各々の記憶エリアのデータがまとめられた状態でROM110に記憶されるので、各記憶エリアからデータをより迅速に読み出すことが可能となる。
メイン制御装置100のRAM140は、遊技の進行に用いられる各種のデータを一時的に記憶しておくことが可能なランダムアクセスメモリーである。RAM140もROM110と同様に、演算装置104とバス接続されており、MPU102は演算装置104のデータをRAM140に格納したり、RAM140のデータを読み出して演算装置104に転送することが可能である。また、ROM110からデータを読み出してRAM140にデータを書き込むことにより、ROM110のデータをRAM140に格納することも可能である。更に、RAM140とROM110とがバス接続されていることから、ROM110のデータをRAM140に格納する際には、ROM110のデータを演算装置104を介さずにRAM140に直接書き込むことも可能である。こうすれば、ROM110のデータをより迅速にRAM140に書き込むことが可能であり、また、ROM110のデータをRAM140に書き込む際の演算装置104の処理負担を軽減することが可能である。
なお、図7では図示を省略しているが、メイン制御装置100には、バックアップ装置も備えられている。このバックアップ装置は、電源装置240からメイン制御装置100に供給される電圧を監視するとともに、電圧が所定の電圧を下回ると、停電が発生したものと判断してメイン制御装置100に停電通知信号を送信する。メイン制御装置100は停電通知信号を受信すると、大入球口60を閉じる等の停電時処理を行うとともに、MPU102の動作を停止する。このとき、RAM140にはバックアップ用のコンデンサからバックアップ電圧が供給されるようになっており、こうすることで、RAM140に記憶されたデータを停電中もそのまま保持することが可能となっている。バックアップ用のコンデンサは静電容量が大きく、また、RAM140は記憶状態を維持するだけであればそれほど大きな電力を必要としないので、このようにバックアップ用のコンデンサから電圧を供給することにより、RAM140の記憶状態を長い時間に渡って保つことが可能である。その結果、停電から回復した際には、RAM140の記憶状態が元の状態に復元された状態で動作を再開することが可能となる。
RAM140は、記憶するデータの内容や、記憶したデータにより実現される機能に着目すると、図7に示されているように、複数の記憶エリア(カウンタエリア141、保留記憶エリア142、フラグエリア143、電動役物保留エリア144、コマンドバッファ145、汎用エリア146)を備えていると捉えることが可能である。これらの記憶領域を使用する処理の詳細については後述するが、理解を容易にするために、各記憶エリアについて簡単に説明しておく。
「カウンタエリア141」には、大当たり抽選の当否判定に用いる大当たり乱数カウンタや、大当たりの種別を決定する際に用いる大当たり種別カウンタなどが備えられている。本実施例の弾球遊技機10では、大当たり乱数カウンタの値を取得するとともに、ROM110の抽選テーブルエリア112に記憶された大当たり抽選テーブルを参照することにより、大当たり抽選の当否判定を行うことが可能である。また、大当たり種別カウンタの値を取得するとともに、ROM110の振り分けテーブルエリア113に記憶された振り分けテーブルを参照することにより、大当たり種別を決定することが可能となっている。
「保留記憶エリア142」は、作動口25への入球を保留として記憶するための記憶エリアである。すなわち、本実施例の弾球遊技機10では、セグメント式表示装置70で図柄の変動表示を行っている最中に、別の遊技球が作動口25に入球した際には、入球を保留として記憶すべく、大当たり乱数カウンタや大当たり種別カウンタから値を取得して保留記憶エリア142に記憶する。また、本実施例では、第1作動口25aと第2作動口25bの2つの作動口を備えていることに対応して、保留記憶エリア142には、「第1作動口保留記憶エリア」と「第2作動口保留記憶エリア」の2つの保留記憶エリアが設けられており、それぞれの作動口に対する保留を個別に記憶することが可能となっている。
「フラグエリア143」は、遊技の進行に伴う遊技状態の変化や、大当たりの発生などを契機としてONあるいはOFFに設定される各種のフラグを保持するためのエリアである。例えば、前述したように本実施例の弾球遊技機10では、通常15R大当たりや確変15R大当たりなどの複数の種別の大当たり遊技状態に移行可能であるが、こうした各種別の大当たりに対応して、「通常15R大当たりフラグ」や「確変15R大当たりフラグ」がフラグエリア143に設けられている。そして、大当たりが発生した場合には、その大当たりの種別に対応する大当たりフラグがセットされる(ONに設定される)。また、大当たり遊技状態が終了すると、対応する大当たりフラグがリセットされる(OFFに設定される)。このため、各大当たりフラグを参照することにより、大当たり遊技状態か否かを判断したり、大当たり遊技状態がどの種別の大当たり遊技状態なのかを判断することが可能である。
「電動役物保留エリア144」は、スルー作動口24への入球を保留として記憶するためのエリアである。すなわち、前述したようにスルー作動口24に遊技球が入球した際にはスルー用セグメント式表示装置80で図柄の変動表示が行われるが、図柄の変動表示を行っている間に遊技球がスルー作動口24に入球した場合には、入球を保留として記憶する。電動役物保留エリア144は、こうした保留を記憶するための記憶エリアである。電動役物開放カウンタ141fから読み出された数値は、電動役物保留エリア144にいったん格納され、図柄の変動表示が終了すると、電動役物保留エリア144から数値が読み出されて図柄の変動表示が行われることによって保留が消化される。
「コマンドバッファ145」は、メイン制御装置100に接続された周辺の各装置(サブ制御装置200や電動役物駆動部42や大入球口駆動部62など)に送信するコマンドを一時的に記憶しておくバッファ領域である。弾球遊技機10のメイン制御装置100は、遊技の進行に応じて各種のコマンドをコマンドバッファ145に格納し、所定のタイミングでサブ制御装置200や電動役物駆動部42などにコマンドを出力することにより、これらの各装置の動作を制御することが可能である。
「汎用エリア146」は、メイン制御装置100が遊技を制御する際に各種のデータを一時的に記憶したり、演算装置104の演算結果を一時的に格納することが可能な汎用的な記憶領域である。メイン制御装置100のMPU102は、遊技を制御する各種のプログラムを実行する際に、この汎用エリア146を適宜使用することにより、処理を的確に実行することが可能となっている。
前述したように、メイン制御装置100はこれらの各構成を用いて遊技の進行を制御する。このとき、メイン制御装置100に接続された各種のセンサ(11sなど)や払出制御装置410からの信号に応じて、各種の処理を行う。また、メイン制御装置100に接続されたサブ制御装置200や電動役物駆動部42などの各装置に向けて、メイン制御装置100から各種のコマンドを送信することにより、これらの各装置の動作を制御する。以下では、メイン制御装置100に接続されたこれらの周辺装置の構成について説明する。
C−2.周辺装置の構成:
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から送信されてくるコマンドを受信してコマンドに応じた各種の制御を行う制御装置であり、主として、遊技に伴う各種の演出を制御する役割を果たす。詳細な説明は省略するが、サブ制御装置200もメイン制御装置100と同様に、MPUやROMやRAMを備えており、これらの各装置を用いて各種の処理を実行可能である。また、サブ制御装置200には表示制御装置300が接続されており、サブ制御装置200からの命令に従って表示制御装置300が各種の演出画像や演出図柄を演出表示装置30に表示することにより、演出表示装置30を用いた演出を実行することが可能である。
サブ制御装置200は、メイン制御装置100からコマンドを受け取ると、コマンドを解析してコマンドに含まれる各種の情報を取得し、取得した情報に応じて各種の演出処理を行う。例えば、セグメント式表示装置70の図柄の変動表示時間や図柄の変動パターンに関する情報を含むコマンド(変動開始コマンド)を受信すると、表示制御装置300に指示を送ることにより、表示制御装置300に接続された演出表示装置30に演出図柄を変動表示させる。このとき、メイン制御装置100から送られてくるコマンドには、セグメント式表示装置70での図柄の変動表示時間に関する情報が含まれていることから、サブ制御装置200は、演出表示装置30での演出図柄の変動表示を、セグメント式表示装置70での図柄の変動表示に合わせて実行させることが可能である。また、セグメント式表示装置70での図柄の停止表示にあわせて、演出表示装置30での演出図柄の変動表示を停止させる(確定表示させる)ことも可能である。
また、前述したように、本実施例の弾球遊技機10ではリーチ演出が可能であるが、こうしたリーチ演出についても、メイン制御装置100からのコマンドに応じてサブ制御装置200が所定の処理を行うことにより実現される。すなわち、サブ制御装置200はメイン制御装置100から変動開始コマンドを受信すると、変動開始コマンドに含まれる変動表示時間に関する情報に基づいて、リーチ演出を行うのに必要な時間があるか否かを判断する。そして、リーチ演出を実行可能であると判断した場合には、実際にリーチ演出を行うか否かを決定し、リーチ演出を行う場合には、表示制御装置300に所定のコマンドを送信することによって演出表示装置30でリーチ演出を実行する。こうしたリーチ演出だけでなく、その他の種々の演出についても、メイン制御装置100からサブ制御装置200にコマンドが送信されることによって実現される。
加えて、サブ制御装置200には前述した演出ボタン600も接続されている。演出ボタン600には押しボタンタイプの電気スイッチが組み込まれており、遊技者が演出ボタン600を押すと電気スイッチの接続状態が変化することによって、演出ボタン600が押されたことをサブ制御装置200で検出可能である。こうした演出ボタン600を用いることにより、本実施例の弾球遊技機10では、演出ボタン600の押下を契機として特別な演出を開始したり、演出の内容を変化させることが可能である。
例えば、大当たり乱数カウンタから取得した値が所定の値であった場合、メイン制御装置100はその旨をサブ制御装置200にコマンドを介して通知する。これを受けてサブ制御装置200では、演出ボタン600を押すように遊技者を促す画像を演出表示装置30に表示する。そして、遊技者により演出ボタン600が押されたことを検出すると、演出表示装置30に表示する演出画像やスピーカ14に出力する効果音を切り替える。例えば、抽選の結果が大当たりであれば、演出表示装置30に表示する画像(動画や静止画)を、それまで表示していた画像から大当たりの当選を通知する演出画像(動画や静止画)に切り替える。あるいは、抽選の結果が外れであれば、外れに対応する演出画像(動画や静止画)に切り替える。こうすると、遊技者は大当たりが発生するかもしれないとの期待感を持ちながら演出ボタン600を押すことになり、また、遊技者自身が演出ボタン600を押すことによって抽選の結果が明かされることから、抽選結果を通知する際の興趣を盛り上げることが可能である。
また、本実施例の弾球遊技機10では、こうした演出ボタン600に対してサブ制御装置200から制御信号を送信することも可能となっている。本実施例の弾球遊技機10の演出ボタン600はこの制御信号を受けて駆動する機構を備えており、これにより、演出ボタン600を用いた演出の興趣をいっそう向上可能としている。この点については後で詳しく説明する。
表示制御装置300は、メイン制御装置100やサブ制御装置200と同様に、MPUやROMやRAMなどを搭載した制御回路を備えており、これらの各構成を用いて種々の処理を実行可能である。また、演出表示装置30に表示する種々の画像の画像データを予め記憶している。これらの画像データは各種のエンコード処理が施された状態で記憶されており、こうすることで、画像データを記憶しておく記憶領域が過大になってしまう事態を回避している。表示制御装置300は、エンコード処理された画像データをMPUやデコード用LSIなどを用いてデコード処理し、デコード処理した画像データを演出表示装置30に出力する。こうすることにより、エンコード処理された画像データであっても、演出表示装置30に迅速に表示することが可能となっている。
図7に示されている様に、メイン制御装置100には、サブ制御装置200だけでなく、スルー作動口24や作動口25などに設けられた各センサも接続されている。こうした入球口に設けられた各センサは、遊技球の入球を検出するとメイン制御装置100に信号を送り、これを受けて、メイン制御装置100に設けられたラッチ回路(図示は省略)がラッチ状態になることにより、遊技球の入球を記憶する。メイン制御装置100のMPU102は、このラッチ回路の状態を読み出すことにより、スルー作動口24や作動口25への入球を検出することが可能である。
電動役物駆動部42は、電動役物41を開閉するアクチュエータや、アクチュエータを駆動する駆動回路などから構成されている。メイン制御装置100は、電動役物駆動部42に信号を送信して電動役物駆動部42を動作させることにより、電動役物41を開閉することが可能である。また、大入球口駆動部62も電動役物駆動部42と同様に、大入球口60を開閉するアクチュエータや、アクチュエータを駆動する制御回路などから構成されており、大入球口駆動部62に信号を送信することで大入球口60を開閉することが可能である。
メイン制御装置100には、前述したセグメント式表示装置70も接続されている。このため、メイン制御装置100はセグメント式表示装置70に信号を出力してセグメント式表示装置70での図柄の変動表示や停止表示を行うことが可能である。
払出制御装置410は、前述したように遊技球タンク400(図5を参照)に接続された払出装置を制御する装置であり、払出制御装置410を介して払出装置を動作させることによって、遊技球タンク400内の遊技球を弾球遊技機10の上皿13(図1を参照)に払い出すことが可能である。メイン制御装置100は、この払出制御装置410を介して払出装置を動作させることにより、スルー作動口24や作動口25などの作動口への入球に対する賞球や、小入賞口26や大入球口60などの入賞口への入球に対する賞球を払い出す。また、払出装置には、払い出した遊技球の数を計数するカウンタが備えられており、メイン制御装置100は払出制御装置410を介してこのカウンタを参照することによって、入球口ごとに定められた所定数の遊技球が払い出されたことを確認することが可能である。更に、払出装置には、遊技球タンク400内が空の場合や、遊技球を払い出す通路が詰まるなどして遊技球の払い出しが正常に行えない場合などの異常を検出する異常センサが設けられている。メイン制御装置100は異常センサの出力信号を調べることにより、賞球の払い出し状況に異常が生じているか否かを検知することも可能である。
図7に示されているように、メイン制御装置100には、外部出力端子910も接続されている。前述したように、外部出力端子910は弾球遊技機10の背面側に設けられており、遊技ホールに設置されたホールコンピュータからのケーブルを外部出力端子910に接続することが可能である(図5を参照)。ホールコンピュータからのケーブルを外部出力端子910に接続した状態でメイン制御装置100から外部出力端子910に向けて信号を出力してやれば、外部出力端子910を介してホールコンピュータに各種の信号を送信することが可能となる。
外部出力端子910には各種の信号を出力することが可能であるが、本実施例の弾球遊技機10では、大当たりが発生したことを示す「大当たり信号」を送信することが可能となっている。また、大当たり信号を出力する際の態様としては種々の態様を採用することが可能であるが、簡単には、大当たり抽選の結果が大当たりとなったらパルスを出力すればよい。こうすれば、ホールコンピュータはパルスを検出することにより、大当たりが発生したことを容易に検出することができる。あるいは、大当たりが発生した際に一時的に信号を出力するのではなく、大当たりが発生して大当たり遊技状態が継続している間に信号を出力し続けるものとしてもよい。例えば、大当たり遊技状態でない間は電圧レベルを低レベル(「Low」の状態)に保ち、一方、大当たり遊技状態の継続中は電圧レベルを高レベル(「High」の状態)に保つ。こうすれば、ホールコンピュータは電圧レベルの変化を検出することにより、大当たりが発生したことを検出可能である。加えて、電圧レベルが現在の遊技状態(この場合は大当たり遊技状態か否か)に対応していることから、電圧レベルを調べることで、大当たり遊技状態が現在も継続中か否かを容易に検出することが可能である。
また、本実施例の弾球遊技機10では、遊技球タンク400の遊技球が不足した場合にも所定の信号を出力することが可能である。こうすれば、遊技ホールは遊技球の不足をホールコンピュータで検出することが可能となり、その結果、遊技球を補給するなどの対処を施すことで弾球遊技機10を正常に稼動させることが可能となる。
更に、遊技球が払い出されたことを示す信号や、遊技球がアウト口50から排出されたことを示す信号も出力可能になっている。これらの信号を出力する態様についても種々の態様を採用することが可能であるが、例えば、遊技球が払い出されたりアウト口50から排出される度にパルスを出力すればよい。こうした場合、遊技球の1球ごとにパルスを出力してもよいし、所定の数の遊技球ごと(たとえば10球ごと)にパルスを出力するものとしてもよい。いずれの場合も、ホールコンピュータはパルスを計数することにより、払い出された遊技球の数や、アウト口50から排出した遊技球の数を把握することが可能である。また、遊技球が発射されるごとにパルスを出力するなどして、発射された遊技球の数をホールコンピュータで把握可能としてもよい。こうすれば、アウト口50から排出された遊技球の数(いわゆるアウト数)だけでなく、発射された遊技球の数とアウト数との差(いわゆるセーフ数)を把握することも可能となる。
加えて、正面パネル15(図1を参照)が開いたことを示す信号を出力することも可能である。こうした信号を出力するには、正面パネル15と本体との間にセンサやスイッチを設けておき、センサやスイッチで正面パネル15の開閉状態を検出すればよい。あるいは、正面パネル15の開閉状態を直接検出するのではなく、鍵部17の状態に基づいて間接的に検出してもよい。例えば、鍵部17にセンサを設けておき、センサで鍵部17の施錠状態を検出する。通常、弾球遊技機10が遊技ホールに設置された状態では、鍵部17は施錠されているので、鍵部17が開錠された場合には、正面パネル15が開けられたものと推測することができる。したがって、鍵部17に設けたセンサ状態を示す信号を出力してやれば、ホールコンピュータで正面パネル15の開閉状態を検出することが可能となる。加えて、このように鍵部17の状態を検出してやれば、正面パネル15を閉じた後に鍵部17を施錠するのを忘れた場合でも、施錠がされていないことをホールコンピュータで検出可能である。これにより、鍵部17の施錠の不備を原因として不正行為を受けてしまう虞を回避可能である。
なお、こうした各種の信号は、それぞれの信号ごとに異なる信号線や端子を用いて出力するものとしてもよいし、あるいは、信号線や端子を複数の信号の間で共用させて出力するものとしてもよい。例えば、いわゆるシリアル通信を行ったり、複数の信号をまとめて1つの信号にエンコードするなどすれば、複数の信号の間で信号線や端子を共用することが可能である。こうすれば、信号線の数や端子の数に限りがある場合でも、多数の種類の信号を出力することが可能である。
発射制御装置500は遊技球を発射する発射ユニットに接続されており、発射制御装置500が発射ユニットを制御することによって、遊技球が適切に発射される。また、発射制御装置500にはメイン制御装置100から所定の周期のパルス信号が送信されるようになっており、このパルス信号に基づいて発射ユニットに遊技球を発射させることにより、遊技球を適切な時間間隔をおきながら発射することが可能となっている。また、メイン制御装置100には発射ハンドル11に設けられたタッチセンサー11sが接続されており、遊技者が発射ハンドル11に触れているか否かをメイン制御装置100で把握することが可能である。このため、遊技者が発射ハンドル11に触れていない状態では、メイン制御装置100が発射制御装置500に送信するパルス信号を停止することにより、遊技者が発射ハンドル11に触れていない状態で遊技球が発射されてしまう事態を回避することが可能となっている。
更に、発射制御装置500には、発射ハンドル11に設けられた可変抵抗器も接続されている。この可変抵抗器は発射ハンドル11の回転角に応じて抵抗値が変化するようになっており、このため、発射制御装置500は遊技球を発射する強さを可変抵抗器の抵抗値に基づいて制御することにより、発射ハンドル11の回転角に応じた強さで遊技球を発射することが可能である。
本実施例の弾球遊技機10では、上述した各構成を用いて遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行にともなって各種の演出画像を演出表示装置30に表示したりスピーカ14から効果音や音楽を出力する。このとき、前述したように演出ボタン600が押されたことを契機として演出態様を切り替えることも可能である。本実施例の弾球遊技機10では、こうした演出ボタン600に次の構成を採用することにより、演出ボタン600を用いた演出の興趣をいっそう向上可能としている。
D.第1実施例の演出ボタン :
図8は、第1実施例の演出ボタン600の構造を示した斜視図である。図8(a)に示されているように、第1実施例の演出ボタン600では、円盤形状のボタン部材602が設けられている。このボタン部材602は中央部分が突起して上面パネル610から露出しており、遊技者はこの露出部602sを押し下げることにより演出ボタン600を操作することが可能である(図中の白抜きの矢印を参照)。
ボタン部材602の下方には、ボタン部材602の上下移動に連動して接続状態と切断状態とが切り替わる電気スイッチ604が下面パネル612上に設けられている。前述したように、この電気スイッチ604はサブ制御装置200に接続されており、このため、サブ制御装置200では演出ボタン600が押されたことを検出して演出表示装置30に表示する演出画像を切り替えたり、スピーカ14から出力する音楽や効果音を変化させることが可能である。なお、図示は省略するが、ボタン部材602の下方にはバネ部材が組み込まれており、ボタン部材602を上向き(上面パネル610に向かう向き)に付勢する役割を担っている。
上面パネル610は弾球遊技機10の表面の一部分を構成しており(図1を参照)、遊技者から見ると、この上面パネル610によって上面パネル610の内側が隠された状態となっている。ここで、上面パネル610のうち、ボタン部材602が設けられた範囲(図8(a)に荒いハッチングを付して「610t」と示した範囲)については、透明なプラスチック素材で形成されている。このため、上面パネル610の上方(遊技者の側)から見ると、この範囲(透明部610t)については上面パネル610の内側を視認することが可能である。
ここで、第1実施例の演出ボタン600では、図8(b)に示されているように、上面パネル610の下側とボタン部材602との間に、ボタン部材602の突起部分を取り囲んだ状態で一対の遮蔽板620(第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620b)が設けられている。第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bはそれぞれアクチュエータ(図示は省略)に接続されており、それぞれを上面パネル610に沿う方向(図の左右方向)に移動させることが可能である。
これらのアクチュエータはサブ制御装置200に接続されており、サブ制御装置200はアクチュエータに制御信号を送信することによって、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bをそれぞれ図の左右方向に移動させることが可能である。第1実施例の演出ボタン600では、こうした構成を用いることにより、遊技者からみたボタン部材602の形状(視認形状)を、次のように変化させる。
図9および図10は、第1実施例の演出ボタン600がボタン部材602の視認形状を変化させる様子を示した説明図である。図9には、演出ボタン600を横方向からみた断面図が示されている。なお、電気スイッチ604や下面パネル612については図が煩雑になるのを避けるために図示を省略している。図9(a)には、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bを閉じた状態(図8(b)の状態)が示されている。図示されているように、この状態では第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bが上面パネル610とボタン部材602との間に位置している。このため、上面パネル610の上側(遊技者の側)から見ると、透明部610tを介して上面パネル610の内側が見えるものの、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bに遮られてボタン部材602の内側部分は見えない。したがって、ボタン部材602は中央の露出部602sのみが見えた状態となる。
ここで、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bを移動させると、図9(b)に示されているように、上面パネル610とボタン部材602との間から遮蔽板が引き抜かれていき、やがて上面パネル610とボタン部材602との間から完全に引き抜かれた状態となる(図9(c)を参照)。このようにして第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bをボタン部材602と上面パネル610との間から移動させると、遊技者からみたボタン部材602の形状を次のように変化させることが可能である。
図10には、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bが移動する際の演出ボタン600の様子を遊技者の側(上面パネル610の上側)から見た様子が示されている。なお、図10では図示が煩雑になるのを避けるために、上面パネル610を省略している。図10(a)には、図9(a)に示された状態を遊技者側から見た様子が示されている(図10(a)にA−A’と示した破線で切断した断面が図9(a)に対応している)。前述したように、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bが移動していない状態(図8および図9(a)の状態)では、ボタン部材602の露出部602sを遮蔽板が取り囲んで遊技者とボタン部材602とを遮っているため、遊技者には露出部602sのみが見えた状態となる。
ここで、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bを移動させていくと、図10(b)に示されている様に、ボタン部材602の遮蔽板620に隠れていた部分が次第に見えるようになる(図中に荒いハッチングを付した部分を参照)。そして、遮蔽板620が上面パネル610とボタン部材602との間から完全に移動した状態(図9(c)の状態)になると、図10(c)に示されている様に、ボタン部材602全体が見えた状態となる。
こうすると、遊技者にとっては、初めは小さなサイズに見えていたボタン部材602(図10(a)を参照)が、拡大して大きなサイズになったかのように見える(図10(c)を参照)。これにより、遊技者に驚きを与えて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
このように本実施例の弾球遊技機10では、遊技者から見たボタン部材602のサイズ(視認サイズ)を変化させることを可能としている。通常、ボタン部材602のサイズが変化することは遊技者にとっては想像し難いことなので、こうすることで遊技者に大きな驚きを与えることが可能である。また、ボタン部材602が大きくなることから、大当たり遊技状態などの遊技者にとって有利な遊技状態が発生することを遊技者に想起させることも可能である。これにより、遊技の興趣を大きく向上させることが可能となる。
また、第1実施例の演出ボタン600では、ボタン部材602の一部分を遮蔽板620で隠しておき、その遮蔽板を取り除くことによって、遊技者から見たボタン部材602のサイズ(視認サイズ)を拡大させている。こうすれば、ボタン部材602に複雑な機構を備えてサイズを実際に変化させたり、サイズの異なる2つのボタン部材602を備えてそれらを切り替えるなどの複雑な機構を備えなくても、遮蔽板を移動させるだけの簡素な機構を用いてボタン部材602が大きくなったかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。このため、遊技の興趣を向上可能としながらも、弾球遊技機10の構成を簡素に保つことが可能である。
また、ボタン部材602の視認形状を変化させる際には、例えばボタン部材602を複数のセグメントに分けて各セグメントに光源を仕込んでおき、発光させる光源を制御することによって視認形状を変化させることも考えられる。とはいえ、こうした場合には、ボタン部材がセグメント分けされている様子から、遊技者は演出ボタンがセグメントごとに点灯することが予測できてしまうため、遊技者に驚きを与えることが難しい場合がある。これに対して本実施例の演出ボタン600では、遊技者は演出ボタン600を見てもボタン部材602の視認形状が変化すると予測することは困難である。これにより、遊技者により確実に驚きを与えることを可能としている。
なお、ボタン部材602の視認サイズを変化させる上述の動作は、様々な場合に実行可能であり、どのような場合に行ってもよい。いずれの場合も、ボタン部材602の視認サイズが変化することから、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を向上させることが可能である。例えば、次の場合にボタン部材602の視認サイズを変化させると好適である。
前述したように弾球遊技機10では、演出ボタンを押すように遊技者を促す演出(例えば演出表示装置30に促す画像を表示したり効果音をスピーカ14から出力する演出)を、セグメント式表示装置70での変動表示中に実行することが可能である。こうした場合、その変動表示に伴う抽選で実際に大当たり(通常15R大当たり、確変15R大当たりなど)に当選した場合と、そうでない場合との両方の場合に、演出ボタン600を押すように遊技者を促す演出を行うことも可能である。こうすると、遊技者は演出ボタン600を押せば大当たりが発生するのではないかとの期待を持ちながら演出ボタン600を押すので、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることが可能である。また、大当たりが発生しない場合であっても、遊技者に期待を抱かせて遊技が単調になるのを回避することが可能となる。
もっとも、大当たりの場合だけでなく外れの場合もあるため、演出ボタン600を押すように促す演出を行なっても遊技者は期待を抱かなくなってしまう場合も生じ得る。特に、大当たりは発生する確率が限られているため、遊技が単調にならないようにこうした演出の実行頻度を高めようとすると、どうしても大当たりでない場合が増えてしまい、その結果、遊技者が期待を抱かなくなる傾向が強まってしまう。
そこで、このようにボタン部材602の視認サイズを大きくしてやれば、遊技者に驚きを与えることができるので、たとえ遊技者が期待を抱かなくなっていても、遊技者の興味をひいて大当たりが発生するのかもしれないとの期待を抱かせることが可能となる。これにより、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、第1実施例の演出ボタン600では、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bが開閉動作するものの、上面パネル610の内側で開閉するため、遊技者が遮蔽板620に指を挟むなど遮蔽板620の開閉動作に伴って怪我をしてしまう虞を回避することが可能となっている。このように、ボタン部材602を隠す部材(遮蔽板620)を設けて開閉動作を行うとしても、それを上面パネル610の内側で行えば、遊技者が怪我をしてしまう虞を回避することが可能である。また、このとき上面パネル610の一部に透明部610tを設けて上面パネル610の内側が見えるようにしておけば、上面パネル610の内側で遮蔽板620が開閉するとしても、ボタン部材602の視認サイズを遮蔽板620の開閉にともなって変化させることが可能となる。これにより、遮蔽板の開閉を用いてボタン部材602の視認サイズを変更させる機能と、安全性とを両立させることを可能としている。
加えて、第1実施例の演出ボタン600では、遮蔽板620を元の位置に移動させてやれば、ボタン部材602の視認サイズを元のサイズに戻すことが可能である。このため、遊技の進行に応じて、視認サイズを大きくしたり小さくしたりすることが容易に可能である。これにより、遊技者の興味をより強く引き付けることが可能であり、延いては遊技の興趣をいっそう高めることを可能としている。
E.第1実施例の変形例 :
以下では、上述した第1実施例の演出ボタン600の変形例について説明する。なお、上述した実施例と同様の構成については同様の符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
E−1.第1変形例 :
前述した実施例では、円盤形状のボタン部材602の一部が突起して上面パネル610から露出しているものとして説明した。しかし、ボタン部材を球面形状に形成しておき、球面形状の一部を上面パネル610から露出させるものとしてもよい。
図11は、球面形状のボタン部材1602を備えた第1変形例の演出ボタン1600を示した説明図である。図11(a)に示されているように、第1変形例の演出ボタン600ではボタン部材1602が半球面形状に形成されている。この球面形状の一部が上面パネル610から露出しており、露出部1602sを遊技者は押すことが可能である(図中の白抜きの矢印を参照)。
また、第1変形例の演出ボタン1600においても、一対の遮蔽板620(第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620b)が備えられており、ボタン部材1602の露出部1602sの周辺部分を遮蔽板620によって隠して、ボタン部材1602の露出部1602sの周辺部が遊技者に見えない状態にすることが可能である。
図9(b)および図9(c)に示されているように、この状態から遮蔽板620を移動させると、上面パネル610の透明部610tを介して、露出部1602sの周辺部分が遊技者に見えるようになる。その結果、前述した実施例と同様に、あたかもボタン部材1602が変形して大きくなったかのような驚きを遊技者に与えて、遊技者の興味を引き付けることが可能となる。
また、第1変形例の演出ボタン1600では、ボタン部材1602の露出部1602sと露出部1602sの周囲部分とが球面形状で繋がっていることから、遮蔽板620を移動させた際に、露出部1602sの周囲部と露出部1602sとの境目を目立たなくすることが可能である。遊技者から見ると、この境目は遮蔽板620を移動させる前の状態ではボタン部材602の輪郭になっているので、この境目を目立たなくしてやれば、あたかもボタン部材602が変形して大きくなったかのような印象をより確実に与えることが可能となる。加えて、このような形状のボタン部材1602であれば、部材を球面形状に形成すればよく複雑な形状に形成する必要がないので、遊技機の製造工程を簡素に保つことも可能となって好適である。
E−2.第2変形例 :
前述した第1実施例の演出ボタン600では、遮蔽板620を閉じた状態では上面パネル610の内側が視認できないものとして説明した。しかし、遮蔽板620が閉じた状態においても上面パネル610の内側が視認可能な領域を設けてもよい。
図12は、遮蔽板620を閉じた状態においても上面パネル610の内側が視認可能な領域を設けた第2変形例の演出ボタン700を例示した説明図である。図12(a)に示されているように、第2変形例の演出ボタン700では、第1遮蔽板720aと第2遮蔽板720bとが取り囲む範囲がボタン部材602の露出部602sよりも大きく構成されている(図12(a)に矢印で示された部分を参照)。このため、図12(b)に示されているように、遮蔽板720が隠す部分(露出部602sの周囲の部分)と露出部602sとの間に、遮蔽板720を閉じた状態においても上面パネル610の内側を視認することが可能な領域(図12(b)に細かなハッチングを付した部分を参照)が設けられている。
こうすると、遮蔽板720を移動させた後の状態(ボタン部材602の視認サイズを拡大させた状態)では、元の状態(ボタン部材602の視認サイズを拡大させる前の状態)でボタン部材602の輪郭がどこにあったのかが、遊技者にはほとんど分からなくなる。このため、あたかもボタン部材602自身が大きくなったかのような印象を遊技者により確実に与えることが可能となる。
なお、図12に示した例では、ボタン部材602の露出部602sの形状と、遮蔽板720が取り囲む形状とが同じ形状(図12の例では円形形状)であるものとして説明したが、異なる形状としてもよい。例えば、図13に示されているように、露出部602sの形状を円形にし、その一方で遮蔽板820が取り囲む領域を四角形にしてもよい。このように異なる形状とした場合、形状が異なる部分は遮蔽板820が閉じた状態においても遮蔽板820に隠されないので、この部分は上面パネル610の内側を視認可能となる(図中に「B」と示した部分を参照)。こうすれば、遮蔽板820が取り囲む領域の形状と露出部602sの形状とを異なる形状に形成するだけで、遮蔽板820を移動させる前のボタン部材602の輪郭位置を分からなくしてボタン部材602が拡大した印象を与えることが容易に可能となるので、好適である。
E−3.第3変形例 :
前述した実施例では、ボタン部材602が完全に見える状態になるまで遮蔽板620を移動させるものとして説明した。もっとも、遮蔽板620を移動させればボタン部材602の視認サイズを変化させることが可能なことから、遮蔽板620は必ずしもボタン部材602全体が見える位置まで移動させる必要はなく、途中まで移動させるものとしてもよい。
例えば、図10(b)に示されているように、遮蔽板620がボタン部材602を半分ほど隠した状態まで遮蔽板620を移動させるものとしてもよい。図10(b)の状態では、ボタン部材602が変形して図の上下方向に広がったかのような印象を遊技者に与えることができるので、上述した実施例と同様に、遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることが可能である。
また、ボタン部材602の露出部602sを遮蔽板620が取り囲んだ状態(図10(a)を参照)と、遮蔽板620がボタン部材602を半分ほど隠した状態(図10(b)を参照)と、遮蔽板620が十分に移動してボタン部材602全体が見える状態(図10(c)を参照)との3つの状態を、弾球遊技機10での遊技の進行状況に応じて変化させるものとしてもよい。例えば、ボタン部材602全体が見える状態は、3つの状態の中でボタン部材602が最も大きく見えることから、遊技者の興味をもっとも強く引き付けると考えられる。そこで、大当たり抽選に当選している可能性(大当たり期待値)が高い場合には、演出ボタン600をこの状態に変化させる。また、大当たり期待値がそれよりも低いものの、通常よりも高い場合には、遮蔽板620がボタン部材602を半分ほど隠した状態に演出ボタン600を変化させる。こうすれば、大当たり期待値をボタン部材602の視認サイズに反映させることができるので、ボタン部材602の視認サイズが変化することによって遊技者に驚きを与えるとともに、遊技者の興味をいっそう強く引き付けることも可能となる。
なお、大当たり期待値に応じてボタン部材602の視認形状を変化させる際には、次のように行えばよい。まず、メイン制御装置100から送られてくるコマンドに基づいて、サブ制御装置200で大当たり抽選の当否判定結果を把握する。当否判定結果が当選の場合にはボタン部材602の視認サイズを拡大させる。ここで、当否判定結果が当選でない場合であっても所定の条件を満たせばボタン部材602の視認サイズを拡大させる。例えば、メイン制御装置100において大当たり乱数カウンタの値を取得した際に、その値が予め定めた所定の値であれば、ボタン部材602の視認サイズを拡大させる。
こうすると、ボタン部材602の視認サイズが拡大された際に実際に大当たりに当選している確率(大当たり期待値)は、実際に大当たりが発生したことに起因してボタン部材602の視認サイズを拡大させる確率と、否判定結果が当選でなくても視認サイズを拡大させる確率との比によって定まる。例えば、大当たり乱数カウンタの値が「0」から「599」までの値をとり、このうちの「7」が大当たりに対応しているものとする。また、「0」を取得した場合には大当たりでなくてもボタン部材602の視認サイズを拡大させるものとする。このとき、実際に大当たりが発生したことに起因してボタン部材602の視認サイズを拡大させる確率と、そうでない確率との比は1対1となるので、大当たり期待値は「2分の1」(「1+1」分の「1」)となる。こうした場合に遮蔽板620を完全に移動させてボタン部材602全体を視認可能な状態(図10(c)を参照)にするものとすれば、ボタン部材602がこの状態になった際の大当たり期待値は2分の1となる。
また、大当たりに当選していなくてもボタン部材602の視認サイズを拡大させる確率を上げてやれば、大当たり期待値を下げることが可能である。例えば上述した例では、大当たり乱数カウンタの値が「0」から「3」の場合には、大当たりでなくてもボタン部材602の視認サイズを拡大するものとする。こうすると、大当たりではないのにボタン部材602の視認サイズが拡大される確率と、実際に大当たりが発生してボタン部材602の視認サイズが拡大される確率との比は4対1となる。その結果、大当たり期待値は「5分の1」(「4+1」分の「1」)となる。こうした場合に、ボタン部材602が半分ほど見える状態(図10(b)を参照)まで遮蔽板620を移動させてやれば、ボタン部材602のこの状態を、大当たり期待値が5分の1の状態に対応させることが可能となる。
E−4.第4変形例 :
前述した実施例では、遊技者から見たボタン部材602の大きさ(視認サイズ)を変化させるものとして説明した。もっとも、遊技者に驚きを与える観点からは、遊技者からみたボタン部材602の形状(視認形状)を変化させるものとしてもよい。
図14は、前述した実施例の遮蔽板620に加えて、星形状の遮蔽板を設けた第4変形例の演出ボタン2600を示した説明図である。図14(a)に示されているように、第4変形例の演出ボタン2600では、遮蔽板620の下側に、第1遮蔽板620a及び第2遮蔽板620bとは別の一対の遮蔽板(第1遮蔽板2620a及び第2遮蔽板2620b)が設けられている。これら第1遮蔽板2620aおよび第2遮蔽板2620bについても遮蔽板620と同様にアクチュエータに接続されており、上面パネル610に沿う方向に移動させることが可能である。
図14(b)および図14(c)には、第4変形例の演出ボタン2600を上面パネル610の上側(遊技者の側)から見た様子が示されている。図14(b)には、遮蔽板620が移動してボタン部材602全体が見えている状態(図14(a)に対応する状態)で、第1遮蔽板2620aおよび第2遮蔽板2620bをボタン部材602の方向に移動させる様子が示されている。この第1遮蔽板2620aおよび第2遮蔽板2620bの内側(ボタン部材602の露出部602sの側)の輪郭は星形の形状をしており、このため、第1遮蔽板2620aおよび第2遮蔽板2620bがボタン部材602の露出部602sを取り囲んだ状態では、遊技者からみるとボタン部材602が星形状に見える。このように、遮蔽板の形状(ボタン部材602の露出部602sを取り囲む形状)を所望の形状に成形しておくことにより、遊技者から見たボタン部材602の形状(視認形状)を、遮蔽板を用いて所望の形状に変化せることが可能となる。
また、第4変形例の演出ボタン2600では、前述した実施例と同様の遮蔽板620を備えていることから、遮蔽板620を用いてボタン部材602の露出部602sを取り囲めば、前述した実施例と同様にボタン部材602の視認形状を円形にすることが可能である(図10(a)を参照)。このように複数の遮蔽板を備える必要は必ずしもないが、露出部602sを取り囲む形状が異なる複数の遮蔽板を備えておけば、いずれの遮蔽板を用いるかによってボタン部材602の視認形状を様々に切り替えることが可能となる。こうすれば、遊技者に対してより大きな驚きを与えることが可能となって好適である。また、ボタン部材602の視認形状のバリエーションを増やすことができるので、ボタン部材602の視認形状の変化に遊技者が慣れてしまう虞を低減させて遊技の興趣をより確実に高めることが可能となる。
E−5.第5変形例 :
また、複数の遮蔽板を備えた場合、複数の遮蔽板のいずれかを使用するだけでなく、それら複数の遮蔽板を組み合わせて使用するものとしてもよい。
図15は、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bと、第2遮蔽板620bの下方に配置した遮蔽板622aおよび遮蔽板622bを組み合わせて使用する様子を例示した説明図である。図15(a)に示されている例では、第2遮蔽板620bの下方に遮蔽板622aおよび遮蔽板622bが設けられており、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bがボタン部材602を半分ほど覆った状態で、この遮蔽板622aおよび遮蔽板622bを移動させている。こうすると、図15(b)に示されているように、第1遮蔽板620aおよび第2遮蔽板620bと、この2つの遮蔽板622aおよび第2遮蔽板622bを用いてボタン部材602を覆うことができる。図15の例では、遮蔽板622aおよび遮蔽板622bはボタン部材602の両端部分(図中の上側と下側)を覆うので、結果としてボタン部材602が横方向に伸びた形状にボタン部材602の視認形状を変化させることが可能となる。
このように複数の遮蔽板を組み合わせて使用すれば、遮蔽板の組み合わせに応じてボタン部材602の視認形状を様々に切り替えることができるので、ボタン部材602の視認形状のバリエーションを増やして遊技者が飽きてしまう虞を回避することが可能となる。また、複数の遮蔽板を、ボタン部材602と上面パネル610との間に重ねて配置しておけば、複数の遮蔽板を供えても演出ボタン600の構成をコンパクトに保つことが可能となり好適である。
また、複数の遮蔽板を重ね合わせて、ボタン部材602の露出部602sを多角形形状に取り囲むように配置してもよい。例えば、図16に示されている例では、8枚の遮蔽板3622を重ね合わせながら露出部602sを取り囲む8角形形状に配置している。このように遮蔽板を配置すると、遮蔽板を移動させる際にもその多角形の形状を保ったまま遮蔽板を移動させることが可能である。例えば図16の例では、各遮蔽板3622を移動させる際に、図16(b)に示されているように、8角形の形状を保ったまま移動させることが可能である。
こうすれば、ボタン部材602の視認形状を大きく変化させることなくボタン部材602のサイズのみを変化させることが可能となる。これにより、ボタン部材602自身が変形して大きくなったかのような印象を遊技者により確実に与えることが可能となる。また、露出部602sを取り囲む多角形の大きさは遮蔽板を動かす量を調節することによって制御可能なので、ボタン部材602のサイズを所望のサイズに容易に変化させることができる。したがって、遊技の進行状況に応じて所望のサイズに変更することが可能であり、その結果、演出ボタン600を用いた演出をより多様化して遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
F.第2実施例の演出ボタン :
前述した第1実施例の演出ボタン600では、ボタン部材602の一部を覆った遮蔽板620を移動させることによりボタン部材602の視認サイズや視認形状を変化させていた。もっとも、これとは異なる方法を用いてボタン部材の視認形状や視認サイズを変化させることも可能である。以下では、上面パネルの内側からの透過光を用いてボタン部材の視認形状や視認サイズを変化させる第2実施例の演出ボタンについて説明する。
図17は、第2実施例の演出ボタン5600の構成を示した斜視図である。図示されているように、第2実施例の演出ボタン5600においてもボタン部材5602が設けられている。ボタン部材5602の一部は上面パネル5610の穴から表面に露出しており、遊技者はこの露出部5602sを押し下げることが可能である。ボタン部材5602の下方には電気スイッチ5604が設けられており、ボタン部材5602の上下に連動して電気スイッチ5604の接続状態が変化する。電気スイッチ5604はサブ制御装置200に接続されているため、サブ制御装置200では電気スイッチ5604が押されたことを検出することが可能である。
上面パネル5610は前述した第1実施例の演出ボタンと同様に、弾球遊技機10の表面の一部を構成するプラスチック製のパネルである。前述したように、ボタン部材5602の露出部5602sは上面パネル5610に設けられた穴から露出した状態となっている。ここで、第2実施例の演出ボタン5600では、上面パネル5610のうち、ボタン部材5602の露出部5602sを取り囲む部分(図中にハッチングを付して5610hと示した部分を参照)が半透光性の部材で形成されている。この半透光部5610hは、上面パネル5610の外側(遊技者の側)からの光の大半を遮るとともに、上面パネル5610の内側(ボタン部材5602が設けられた側)からの光を透光させる性質を有している。半透光部5610hにはこうした性質を有する各種の部材を用いることが可能であるが、本実施例ではアクリル製のハーフミラー(マジックミラー)パネルを用いるものとして説明する。
上面パネル5610の内側(ボタン部材5602が設けられた側)には、複数の発光ダイオード(LED)が並べられたLEDアレイ5640(5640aおよび5640b)が設けられている。このLEDアレイ5640はサブ制御装置200に接続されており、サブ制御装置200からの制御信号を受けて点灯あるいは消灯することが可能である。こうした構成を用いて、第2実施例の演出ボタン5600では、ボタン部材5602の視認サイズを次のように変化させる。
図18は、第2実施例の演出ボタン5600を用いてボタン部材5602の視認サイズを変化させる様子を示した説明図である。図18(a)には、LEDアレイ5640を消灯した状態が示されている。この状態を遊技者の側から見ると、前述したように半透光部5610hはハーフミラーの性質を有していることから、上面パネル5610の上方からの光が半透光部5610hで反射され、その結果、上面パネル5610の内側のボタン部材5602を視認することができない(図中の実線の矢印を参照)。したがって、遊技者には、ボタン部材5602の露出部5602sのみが見えた状態となる。
一方、図18(b)には、LEDアレイ5640を点灯させた状態が示されている。図示されているように、LEDアレイ5640を点灯させると、上面パネル5610の内側に設けられたボタン部材5602に光が照射されてボタン部材5602が照らされる。すると、ボタン部材5602の表面で光が散乱するとともに、散乱した光の一部は半透光部5610hに向かう。このとき、半透光部5610hは上面パネル5610の内側(遊技者の反対側)からの光を透過させる性質を有することから、ボタン部材5602からの光は半透光部5610hを透過して遊技者まで届くことになる。その結果、遊技者からは上面パネル5610の内側のボタン部材5602が視認可能となる。これにより、露出部5602sの部分しか視認できなかったボタン部材5602が、露出部5602sの周辺部分まで視認できるようになり、結果として、ボタン部材5602が大きくなったかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。
このように、第2実施例の演出ボタン5600では、半透光性の部材(半透光部5610h)を用いてボタン部材5602の一部を隠しておくとともに、ボタン部材5602を光で照らしてその光を半透光性の部材(半透光部5610h)を透過させることにより、ボタン部材5602の視認形状(視認サイズ)を変化させている。その結果、遊技者に驚きを与えて、遊技者の興味を遊技に引き付けることが可能となっている。加えて、ボタン部材5602の表面で散乱された光を視認することから、ボタン部材5602自体が発光しているかのような印象を与えることも可能である。これにより、遊技者の興味をより強く引き付けることが可能となっている。
なお、ボタン部材5602の側から上面パネル5610の上側に向かって光を放出する観点からは、ボタン部材5602自体に光源を組み込んでおくことも考えられる。もっとも、ボタン部材5602は上下に動くので、ボタン部材5602に光源を設ける場合には光源が脱落しないように強固に固定する必要がある。また、ボタン部材5602は遊技者によって手荒に扱われることもあることから、耐久性を持たせておく必要がある。こうした理由から、ボタン部材5602自体に光源を設けようとすると、どうしても強固な構造が必要になってしまう。
この点、第2実施例の演出ボタン5600では、光源(LEDアレイ5640)をボタン部材5602とは別の場所(上面パネル5610)に設けておき、光源からの光をボタン部材5602の表面で散乱させることによって、上面パネル5610の上方に光を発している。こうすれば、光源をボタン部材5602に設けなくてよいので、強固な構造が必要なく、ボタン部材5602やLEDアレイ5640などの構成を簡素に保つことが可能となる。また、光源をボタン部材5602とは別の箇所に設けていることから、例えボタン部材5602が手荒に扱われても、光源に大きなダメージが及ぶ事態を回避できる。これにより、演出ボタン5600の耐久性を向上させることも可能となる。
G.第2実施例の変形例 :
以下では、上述した第2実施例の演出ボタン5600の変形例について説明する。なお、第2実施例と同様の構成については同様の符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
G−1.第1変形例 :
ボタン部材に透明な部材を用いるとともに、ボタン部材を透過させた光を上面パネル5610の半透光部5610hを介して放出するものとしてもよい。
図19は、ボタン部材6602に透明な部材を用いた第1変形例の演出ボタン6600を示した説明図である。図示されているように、第1変形例の演出ボタン6600では、LEDアレイ6640(6640a及び6640b)がボタン部材6602の下方に設けられている。このボタン部材6602は色味を持った透明なアクリル材で形成されており、このため、LEDアレイ6640からの光がボタン部材6602を透過して上面パネル5610に向かって放出される。
こうした場合も、上面パネル5610の半透光部5610hを光が透過することから、遊技者は上面パネル5610の内側にあるボタン部材6602からの光を視認することが可能となる。その結果、ボタン部材6602の露出部6602sのみが見えていた状態から、露出部6602sの周囲も見える状態へと変化させて、ボタン部材6602の形状が変化したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。
また、このように光をボタン部材6602の内部を透過させると、ボタン部材6602の内部に進入した光は、ボタン部材6602を透過するだけでなく、ボタン部材6602の表面で散乱して広い角度に広がるとともに、ボタン部材6602の表面で反射や散乱をしながらボタン部材内全体に広がっていく。このため、ボタン部材6602の場所ごとの光量のバラつきを抑えて6602全体を均一に光らせることが可能となり、結果として、ボタン部材6602をよりはっきりと浮かび上がらせることが可能となる。これにより、ボタン部材6602の形状が変化した感覚を遊技者により確実に与えて、遊技の興趣をより確実に向上させることが可能となる。
G−2.第2変形例 :
前述した第2実施例の演出ボタン5600では、ボタン部材5602の露出部5602sの周囲に半透光性の半透光部5610hが設けられているものとして説明した。ここで、半透光部5610hに加えて、半透光部5610hと露出部5602sとの間に透明な部材からなる透明部を設けるものとしてもよい。
図20は、半透光部7610hの内側に透明部7610tを設けた第2変形例の演出ボタン7600を示した説明図である。図20(a)には、演出ボタン7600を上面パネル7610の上側(遊技者の側)から見た様子が示されている。図示されている様に、ボタン部材5602の露出部5602sの周囲(図中に実線の矢印で示したリング状の部分)に透明部7610tが設けられている。
図20(b)には、第2変形例の演出ボタン7600を横方向から見た様子が示されている。図示されている様に、透明部7610tは半透光部7610hとボタン部材5602の露出部5602sとの間に設けられている。透明部7610tは光を透過するので、上面パネル7610の上側(遊技者の側)から見ると、透明部7610tの部分については透明部7610tを介して上面パネル7610の内側を視認することが可能である。このため、図20(a)に示されているように、遊技者から見ると、ボタン部材5602のうち露出部5602sとその周りの部分が見えた状態となる。
この状態でLEDアレイ5640を点灯させると、前述した第2実施例の演出ボタン5600と同様に、今度は半透光部7610hを介してボタン部材5602全体が見えるようになる。これにより、第2変形例の演出ボタン7600においても、ボタン部材5602の視認形状を変化させることが可能となる。
ここで、第2変形例の演出ボタン7600では、透明部7610tを設けていることから、ボタン部材5602の視認形状を変化させた際に、ボタン部材5602があたかも変形して大きくなったかのような印象を遊技者により確実に抱かせることが可能である。すなわち、視認形状を変化させる前の状態においても、視認形状を変化させた後の状態においても、遊技者がボタン部材5602を見た際にボタン部材5602の輪郭を構成する部分は、上面パネル7610の内側(遊技者に対して反対側)にある。したがって、視認形状を変化させる前の状態と、視認形状を変化させた後の状態とで、ボタン部材5602の輪郭の見え方が大きく異なってしまう虞を回避することが可能である。これにより、ボタン部材5602の視認形状をより自然な印象を持たせながら変化させることが可能となり、その結果、ボタン部材5602があたかも変形して大きくなったかのような感覚を遊技者により確実に抱かせることが可能となる。
G−3.第3変形例 :
また、前述した第1実施例の演出ボタン600と同様に、ボタン部材と上面パネルとの間に遮蔽板を設けておき、遮蔽板と光源とを併用してボタン部材の視認形状や視認サイズを変化させるものとしてもよい。
図21および図22は、遮蔽板8620とLEDアレイ6640とを併用してボタン部材6602の視認サイズや視認形状を変化させる第3変形例の演出ボタン8600を示した説明図である。図21に示されているように、第3変形例の演出ボタン8600では、上面パネル5610の内側に一対の遮蔽板8620(8620a及び8620b)が設けられている。また、LEDアレイ6640(6640a及び6640b)が備えられており、LEDアレイ6640を発光させてボタン部材6602を照らし出すことが可能である。なお、図21に示した例では、前述した第2変形例と同様に、LEDアレイ6640からの光を透明なボタン部材6602を透過させるものとしているが、光をボタン部材6602を透過させるのではなく、前述した第2実施例と同様にボタン部材6602の表面で光を散乱させるものとしてもよい(図18を参照)。
図21(b)には、LEDアレイ6640を点灯させた状態で、遮蔽板8620a及び遮蔽板8620bをボタン部材6602の露出部6602sの方向に移動させる様子が示されている。遮蔽板8620a及び遮蔽板8620bは光を遮る材質で形成されているので、このように遮蔽板8620a及び遮蔽板8620bを移動させると、ボタン部材6602からの光が遮蔽板8620a及び遮蔽板8620bによって遮られることになる。
図22は、第2変形例の演出ボタン8600を上面パネル5610の上側(遊技者の側)から見た様子を示した説明図である。図22(a)には、LEDアレイ6640を消灯した状態が示されている。前述した第2実施例において説明したように、この状態では、ボタン部材5602のうち上面パネル5610の内側にある部分は見えない状態となっており、露出部5602sのみが見える状態となっている。また、LEDアレイ6640を点灯させると、ボタン部材6602からの光が半透光部5610hを透過して遊技者に届くので、図22(b)に示されているように、ボタン部材6602全体が遊技者に見える状態になる。
ここで、遮蔽板8620a及び遮蔽板8620bを露出部6602sの方向に移動させると(図22(b)に示された実線の矢印を参照)、前述したように遮蔽板8620aや遮蔽板8620bに覆われた部分は光が遮られて遊技者に光が届かなくなる。その結果、図22(c)に示されているように、遊技者には遮蔽板8620a及び8620bに覆われていない部分のみが見えることになる。これにより、ボタン部材6602の視認形状を、遮蔽板8620a及び遮蔽板8620bが取り囲む形状(図22の例では星形状)に変化させることが可能となる。
このように、ボタン部材6602からの光を遮蔽板で遮ってやれば、ボタン部材6602の視認形状を遮蔽板に応じた形状に変化させることが可能である。これにより、ボタン部材6602が変形したかのような印象を遊技者に与えて、遊技者の興味を引き付けることが可能となる。また、光源(図21の例ではLEDアレイ6640)によってボタン部材6602が照らし出された状態になるので、ボタン部材6602の形状をよりはっきりと浮かび上がらせることが可能である。したがって、遮蔽板の形状をより複雑にしてボタン部材6602の視認形状を複雑な形状にする場合であっても、その形状に確実に変化させることが可能である。例えば、遮蔽板の形状を切り絵のような複雑な形状にしておき、ボタン部材8602の視認形状をそうした複雑な形状に変化させることも可能である。こうすれば、遊技者の興味を演出ボタン8600により強く引き付けることが可能となる。
以上、本実施例および変形例の演出ボタンについて説明したが、本発明は、上述した各実施例および変形例に限らず、その趣旨を逸脱しないかぎり、種々の態様で実施することが可能である。
[上述の実施例および変形例に具現された発明] :
一般に、遊技ホールに設置される遊技機では、遊技の進行にともなって各種の演出画像を表示画面に表示したり、演出音楽をスピーカから出力することにより、遊技の興趣を盛り上げる演出が行われる。例えばパチンコ遊技機では、遊技球が入球口に入球すると抽選が行われるが、遊技球が入球口に入球してから抽選結果を通知するまでの間に各種の演出画像や音楽を出力することにより、抽選の興趣を盛り上げている。また、抽選結果を通知する際にも演出画像や音楽を出力するが、抽選に当選した場合には、当選しなかった場合とは異なる演出画像や音楽を出力することにより、抽選に当選した際の遊技の興趣を大きく盛り上げている。
また、演出画像の表示や音楽の出力などを遊技機が自動的に行うのではなく、遊技機に設けられたいわゆる演出ボタンを遊技者が操作することにより、演出画像の表示や音楽の出力を開始したり演出画像や音楽を切り替える遊技機も考案されている。こうすると、遊技者は演出ボタンを押すと当選時の演出画像や音楽が出力されて抽選に当選したことが通知されるのではないかとの期待を抱きながら演出ボタンを操作するので、遊技者の期待感を高揚させて遊技の興趣をいっそう盛り上げることが可能である。
しかし、今日ではこうした演出ボタンは在り来りなものになってきたため、遊技の興趣を十分に高めることが困難になりつつある。すなわち、演出ボタンを操作することが当たり前になってくると、演出ボタンを操作する際に遊技者は大きな期待を抱かなくなってしまい、その結果、遊技の興趣を十分に高めることができなくなる。
そこで、こうした課題の少なくとも一部を解決するために、遊技機A1は次の構成を採用した。すなわち、
遊技機A1 :
遊技の進行にともなって種々の演出を行う遊技機であって、
前記遊技を行う遊技者が視認可能な表面領域の少なくとも一部に該遊技者が押下可能な押下面が設けられた押下部材と、
前記押下面の押下を検出する押下検出手段と、
前記押下面の押下を契機として前記種々の演出の一の演出たる押下契機演出を実行する押下契機演出実行手段と、
前記遊技の進行にともなって、前記押下部材の、前記押下面が設けられた表面領域に隣接する表面領域たる隣接領域を、前記遊技者が視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えることにより、前記遊技者から見た該押下部材の面積たる視認面積を拡大させる視認面積拡大手段と
を備える遊技機A1。
かかる遊技機A1では、遊技者が押下可能な押下面を有する押下部材が備えられており、押下面が押下されると、それを契機として押下契機演出を実行する。ここで、押下面は遊技者が視認可能な表面領域に設けられているが、遊技機A1では、遊技の進行にともなって、この視認可能な表面領域に隣接する表面領域(隣接領域)を、遊技者が視認不能な状態から視認可能な状態に切り替える。
こうすると、遊技者にとっては元々見えていた領域(押下面が設けられた領域)に加えてその領域に隣接する領域も見えるようになることから、遊技者に対してあたかも押下面が広がったかのような印象を与えることが可能となる。これにより遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることが可能となり、その結果、遊技者の興味を引き付けた状態で押下部を押下させることが可能となって、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、隣接領域を視認不能な状態から視認可能な状態に切り替える際には、種々の方法を用いることが可能である。例えば、隣接領域を別の部材を用いて目隠ししておき、その部材を移動させることによって、視認可能な状態に切り替えることが可能である。あるいは、電気信号に応じて光の透過率が変化する装置(例えば液晶パネル)を隣接領域と遊技者との間に設けておき、透過率を変化させて光を透過可能とすることによって、視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えるものとしてもよい。
また、視認可能な状態に切り替えるのはどのような場合であってもよい。例えば、遊技者にとって有利な遊技状態が発生する場合(有利な遊技状態が発生することが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を上回った場合)に切り替えるものとしてもよい。こうすると、遊技者は押下面が広がったように見えることに起因して、自己に有利な状態が発生することを連想する傾向があるので、大きな期待を抱きながら押下部材を押下することになる。これにより、遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
もちろんこれとは逆に、遊技者にとって有利な遊技状態が発生しない場合(有利な遊技状態が発生しないことが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を下回った場合)に切り替えるものとしてもよい。更には、遊技者にとって有利な遊技状態が発生するか否かにかかわらず切り替えたり、あるいは切り替えるか否かをランダムに決定するものとしてもよい。どのような場合に切り替えても、押下部材の視認面積を拡大させることにより遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることができるので、遊技の興趣を向上させることが可能である。
なお、押下部材は部材全体が一体に成形された部材である必要は必ずしもなく、別個に形成された複数の部材が組み合わさって押下部材を形成していてもよい。例えば、押下面が設けられた領域と隣接領域とが別個の部材上に形成され、それらの部材が結合して押下部材が形成されていてもよい。こうした場合であっても、隣接領域を視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えれば、押下部材の視認面積を増加させることが可能であることには変わりがないので、遊技者の興味を引き付けて遊技の興趣を向上させることが可能である。
また、遊技者に対して押下面が広がったかのように見せる点に鑑みると、押下部材の隣接領域は、押下面が設けられた表面領域に対して、遊技者から見た状態で隣接していればよく、物理的に隣接している必要は必ずしもない。例えば、押下面が設けられた表面領域との間に窪みや段差や継ぎ目があったとしても、遊技者から見て隣接して見える領域であれば、その領域を視認可能にすることにより、押下面が広がったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。したがって、こうした領域も遊技機A1の「隣接領域」に該当する。
遊技機A2 :
遊技機A1であって、
前記視認可能な状態に切り替えた前記隣接領域の少なくとも一部を、遊技の進行にともなって、該視認可能な状態から視認不能な状態に切り替えることにより、前記視認面積を縮小させる視認面積縮小手段
を備える遊技機A2。
かかる遊技機A2では、視認可能な状態に切り替えた隣接領域の少なくとも一部を、視認不能な状態に切り替える。
こうすれば、それまで見えていた隣接領域が見えなくなることから、あたかも押下面が小さくなったかのうような印象を遊技者に与えることが可能となる。こうした場合も、遊技者に驚きを与えて遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、隣接領域を視認可能な状態から視認不能な状態に切り替える際には、視認不能な状態から視認可能な状態に切り替える際と同様に、種々の方法を用いることが可能である。例えば、部材を用いて隣接領域を目隠ししてもよいし、あるいは、電気信号に応じて光の透過率が変化する装置(例えば液晶パネル)を隣接領域と遊技者との間に設けておき、透過率を変化させて光の透過を阻むことにより、視認可能な状態から視認不能な状態に切り替えるものとしてもよい。
遊技機A3 :
遊技機A1または遊技機A2であって、
前記視認面積拡大手段は、前記遊技者と前記隣接領域との間に設けられた遮蔽部材を移動させることにより、前記視認不能な状態から前記視認可能な状態に切り替える手段である遊技機A3。
かかる遊技機A3では、遮蔽部材を遊技者と隣接領域との間に設けておく。隣接領域は遮蔽部材に隠れて視認不能な状態となるが、遮蔽部材を移動させれば、隣接領域が視認可能な状態となる。
こうすれば、遮蔽部材を移動させるだけの簡素な構成によって視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えることができるので、遊技機の装置構成を簡素に保つことが可能となる。延いては遊技機の製造工程を簡素に保つことも可能となって好適である。
遊技機A4 :
遊技機A2であって、
前記視認面積拡大手段は、前記遊技者と前記隣接領域との間に設けられた遮蔽部材を移動させることにより、前記視認不能な状態から前記視認可能な状態に切り替える手段であり、
前記視認面積縮小手段は、前記遮蔽部材を前記遊技者と前記隣接領域との間に移動させることにより、前記視認可能な状態から前記視認不能な状態に切り替える手段である遊技機A4。
かかる遊技機A4では、遮蔽部材を遊技者と隣接領域との間に設けておく。隣接領域は遮蔽部材に隠れて視認不能な状態となるが、遮蔽部材を移動させれば、隣接領域が視認可能な状態となる。また、この遮蔽部材を遊技者と隣接領域との間に再び移動させることにより、遮蔽領域を視認可能な状態から視認不能な状態に切り替える。
こうすれば、遮蔽部材を移動させるだけの簡素な構成によって、隣接領域が視認可能な状態と視認不能な状態とを容易に切り替えることが可能となる。その結果、遊技機の装置構成や遊技機の製造工程を簡素に保つことが可能となり、好適である。
遊技機A5 :
遊技機A3または遊技機A4であって、
前記隣接領域の少なくとも一部を覆う状態で前記押下面の押下方向と交差する方向に広がる板形状に形成された透光性のパネル部材を備え、
前記遮蔽部材は、前記パネル部材と前記隣接領域との間から該パネル部材に沿う方向に移動する部材である遊技機A5。
かかる遊技機A5では、透光性のパネル部材が隣接領域の少なくとも一部を覆っており、この板状部材と隣接領域との間に遮蔽部材が設けられている。遮蔽部材を移動させる際には、このパネル部材に沿う方向に移動させる。
こうすれば、遊技者から見てパネル部材の内側で遮蔽部材が移動することから、遮蔽部材が移動する際に遊技者が遮蔽部材に触れるなどして怪我をしてしまう虞を回避することが可能となる。また、パネル部材を透光性の部材で形成しておけば、押下部材の隣接領域をパネル部材で覆っても、遮蔽部材を移動させた状態では隣接領域が視認可能になるので、押下部材の視認面積を拡大させることが可能である。一方、遮蔽部材がパネル部材と隣接領域との間に位置する状態では、隣接領域が遮蔽部材に隠れた状態になるので、視認面積を減少させることが可能である。これにより、遊技者が遮蔽部材によって怪我をしてしまう虞を回避可能としながらも、遮蔽部材によって押下部材の視認面積を変化させることが可能となる。加えて、パネル部材に沿う方向に遮蔽部材を移動させれば、遮蔽部材を移動させるために過大なスペースを確保しなくてよいので、遊技機の装置構成をコンパクトに保つことも可能となる。
遊技機A6 :
遊技機A1であって、
前記隣接領域の少なくとも一部を覆う状態で前記押下部材の押下の方向と交差する方向に広がる板形状に形成されたパネル部材と、
前記パネル部材に対して前記隣接領域の側に設けられ、該隣接領域に光を照射する光源と
を備え、
前記パネル部材は、該パネル部材の前記隣接領域の側から入射する光の過半以上を透過させるとともに、該隣接領域と反対側から入射する光の過半以上を透過阻止する半透光性の部材により形成され、
前記視認面積拡大手段は、前記光源を用いて前記隣接領域に光を照射することにより、該隣接領域からの光を前記パネル部材を透過させて前記視認面積を拡大させる手段である遊技機A6。
かかる遊技機A6では、隣接領域が半透光性のパネル部材によって覆われている。このパネル部材は、隣接領域の側から入射した光の過半以上を透過させるものの、隣接領域と反対側(遊技者の側)から入射した光は過半以上を透過阻止する。したがって、遊技者の側から入射した光の過半以上はパネル部材に透過阻止されて隣接領域まで到達できないので、遊技者の側からは隣接領域が視認不能な状態となる。ここで、隣接領域に光を照射すると、隣接領域から発せられた光はパネル部材を透過できるので、隣接領域からの光を遊技者まで届けることが可能である。これにより、遊技者から隣接領域が視認可能となり、その結果、押下部材の視認面積を拡大させることが可能となる。
こうすれば、隣接領域に光を照射するだけの簡素な構成によって押下部材の視認面積を拡大させることが可能となる。その結果、遊技機の装置構成を簡素に保ちながらも、遊技者の興味を強く引き付けて遊技の興趣を向上可能な遊技機が実現可能となる。加えて、光の照射を停止するだけで、視認面積を元に戻すことができるので、遊技の進行に応じて視認面積を増加させたり減少させることが容易に可能となって好適である。
なお、上述した各遊技機では、隣接領域が視認可能な状態で遊技者が視認する押下部材の形状(遊技機A1の「視認可能な表面領域」と「隣接領域」とを含めた領域の形状)と、隣接領域が視認不能な状態で遊技者が視認する押下部材の形状(遊技機A1の「視認可能な領域」の形状)とを、互いに略相似な形状にしてもよい。こうすると、この2つの状態では遊技者が視認する押下部材の形状が略相似形状であることから、2つの状態を切り替えることにより、押下部材が変形して大きくなったかのような印象をより強く与えることが可能である。これにより、遊技者により確実に驚きを与えて遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
遊技機B1 :
遊技の進行にともなって種々の演出を行う遊技機であって、
遊技者が押下可能な押下面が表面の少なくとも一部に設けられた押下部材と、
前記押下面が露出する露出部を有する透光性の部材からなり、該押下面を該露出部から露出させた状態で前記押下部材と遊技者との間に設けられたパネル部材と、
前記押下部材の前記押下面に隣接する表面領域たる隣接領域の少なくとも一部と、前記パネル部材との間に設けられ、遮光性の部材からなる遮蔽部材と、
前記遊技の進行にともなって、前記パネル部材と前記隣接領域との間から前記遮蔽部材を移動させる遮蔽部材移動手段と、
前記押下面の押下を検出する押下検出手段と、
前記押下面の押下を契機として前記種々の演出の一の演出たる押下契機演出を実行する押下契機演出実行手段と、
を備える遊技機B1。
かかる遊技機B1では、押下部材の一部(押下面)が透光性のパネル部材から露出しており、この部分を遊技者は押下することが可能である。また、押下部材のうち、押下面に隣接する表面領域(隣接領域)とパネル部材との間には、遮光性の部材からなる遮蔽部材が設けられている。遊技機B1では、遊技の進行にともなって、この遮蔽部材を隣接領域とパネル部材との間から移動させる。
パネル部材は透光性の部材で形成されているものの、パネル部材と隣接領域との間に遮蔽部材が位置する状態では、遊技者からは隣接領域が視認不能となる。この状態から遮蔽部材を移動させると、遊技者には、それまで見えていた押下面に加えて、押下面に隣接する領域が見えるようになる。このため、あたかも押下面が広がったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。こうすれば、遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることができるので、押下部材を押すことが遊技者にとって在り来りになってしまった場合であっても、遊技者の興味を引き付けた状態で押下部を押させることが可能となる。その結果、押下部の押下を契機とする演出の効果を高めて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、遊技者に対して押下面が広がったかのように見せる点に鑑みると、押下部材の隣接領域は、押下面が設けられた表面領域に対して、遊技者から見た状態で隣接していればよく、物理的に隣接している必要は必ずしもない。例えば、押下面との間に窪みや段差や継ぎ目があったとしても、遊技者から見て隣接して見える領域であれば、その領域を視認可能にすることにより、押下面が広がったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。したがって、こうした領域も遊技機B1の「隣接領域」に該当する。
遊技機B2 :
遊技機B1であって、
前記パネル部材と前記隣接領域との間から移動させた前記遮蔽部材を、前記遊技の進行にともなって、該パネル部材と該隣接領域との間に挿入する遮蔽部材挿入手段を備える遊技機B2。
遮蔽部材を該パネル部材と隣接領域との間に再び挿入すれば、押下面が広がったかのように見えた状態から、隣接領域が隠れた元の状態に戻すことが可能となる。こうすれば、遊技の進行に応じて押下面が広がったり狭まったりするように見せることが可能となるので、遊技者の興味をより強く引き付けて遊技の興趣をいっそう向上させることが可能となる。
なお、遮蔽部材を移動させるのはどのような場合であってもよいが、遊技者にとって有利な遊技状態が発生する場合(有利な遊技状態が発生することが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を上回った場合)に移動させるとより好適である。遊技者は押下面が広がったように見えることに起因して、自己に有利な状態が発生することを想起する傾向があるので、大きな期待を抱きながら押下部材を押下することになる。これにより、押下契機演出の効果を向上させて遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
もちろんこれとは逆に、遊技者にとって有利な遊技状態が発生しない場合(有利な遊技状態が発生しないことが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を下回った場合)に遮蔽部材を移動させるものとしてもよい。あるいは、遊技者にとって有利な遊技状態が発生するか否かに関わらず移動させたり、あるいは移動させるか否かをランダムに決定するものとしてもよい。どのような場合に遮蔽部材を移動させても、押下面が広がる(あるいは狭まる)ように見えることによって遊技者に驚きを与えることができるので、遊技の興趣を向上させることが可能である。
なお、押下部材は部材全体が一体に成形されている必要は必ずしもなく、個別に形成された部材が組み合わさって押下部材を形成していてもよい。例えば、押下面が設けられた領域と隣接領域とが別個の部材上に形成され、それらの部材が結合して押下部材が形成されていてもよい。こうした場合であっても、隣接領域が見えるようになれば押下面が広がったように見えることには変わりがないので、遊技者の興味を引き付けて遊技の興趣を向上させることが可能である。
また、パネル部材と隣接領域との間から遮蔽部材を移動させた状態で遊技者が視認する押下部材の形状(遊技機B1の「隣接領域」の形状)と、前記パネル部材と前記隣接領域との間に遮蔽部材を位置させた状態で遊技者が視認する押下部材の形状(遊技機B1の「押下面」の形状)とを、互いに略相似な形状にしてもよい。こうすると、この2つの状態では遊技者が視認する押下部材の形状が略相似形状であることから、2つの状態を切り替えることにより、押下部材が変形して大きくなったかのような印象をより強く与えることが可能である。これにより、遊技者により確実に驚きを与えて遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
遊技機C1 :
遊技の進行にともなって種々の演出を行う遊技機であって、
遊技者が押下可能な押下面が表面の少なくとも一部に設けられた押下部材と、
前記押下面を露出部から露出させた状態で前記押下部材と前記遊技者との間に設けられ、該押下部材の側から入射する光の過半以上を透過させるとともに、該遊技者の側から入射する光の過半以上を透過阻止する半透光性の部材により形成されたパネル部材と、
前記パネル部材に対して前記押下部材の側に設けられ、該押下部材の、前記押下面に隣接する表面領域たる隣接領域に光を照射する光源と、
遊技の進行にともなって前記光源を点灯あるいは消灯する光源制御手段と、
前記押下面の押下を検出する押下検出手段と、
前記押下面の押下を契機として前記種々の演出の一の演出たる押下契機演出を実行する押下契機演出実行手段と
を備える遊技機C1。
かかる遊技機C1では、押下部材の隣接領域が半透光性のパネル部材によってカバーされている。このパネル部材は、隣接領域の側から入射した光の過半以上を透過させるものの、隣接領域と反対側(遊技者の側)から入射した光は過半以上を透過阻止する。したがって、遊技者の側から入射した光の過半以上はパネル部材に透過阻止されて隣接領域まで到達できず、結果として遊技者の側からは隣接領域が視認不能となる。ここで、隣接領域に光を照射すると、隣接領域からの光はパネル部材を透過できるので、隣接領域からの光を遊技者まで届けて遊技者に隣接領域を視認させることが可能となる。
こうすれば、遊技者にはそれまで見えていた押下面に加えて押下面に隣接する領域も見えるようになることから、遊技者に対して、あたかも押下面が広がったかのような印象を与えることが可能となる。これにより、遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることができるので、押下部材を押す遊技機が遊技者にとって在り来りになってしまった場合であっても、遊技者の興味を引き付けた状態で、遊技者に押下部を操作させることが可能となる。その結果、押下部の押下を契機とする演出の効果を高めて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、光の照射を停止すれば、隣接領域が見えない状態に戻すことができるので、光源を点灯させたり消灯させることにより、遊技の進行に応じて押下面が広がったり狭まったりするように見える遊技機を実現することも可能となる。その結果、遊技者の興味をより強く引き付けて遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。加えて、隣接領域に光を照射するだけの簡素な構成でよいので、遊技機の装置構成を簡素に保つことも可能となって好適である。
なお、光源を点灯して押下面が広がったように見せる動作は、どのような場合に行ってもよいが、遊技者にとって有利な遊技状態が発生する場合(有利な遊技状態が発生することが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を上回った場合)に行うとより好適である。すなわち、遊技者は押下面が広がったように見えることに起因して、自己に有利な状態が発生することを連想する傾向があるので、大きな期待を抱きながら押下部材を押下することになる。これにより、押下契機演出の効果を向上させて遊技の興趣をいっそう高めることが可能となる。
もちろんこれとは逆に、遊技者にとって有利な遊技状態が発生しない場合(有利な遊技状態が発生しないことが確定した場合や、発生する確率が所定の確率を下回った場合)に光源を点灯してもよい。あるいは、遊技者にとって有利な遊技状態が発生するか否かに関わらず点灯したり、あるいは点灯するか否かをランダムに決定するものとしてもよい。どのような場合に光源を点灯させても、押下面が広がったように見えることによって遊技者に驚きを与えることができるので、遊技の興趣を向上させることが可能である。
なお、押下部材は部材全体が一体に成形されている必要は必ずしもなく、個別に形成された部材が組み合わさって押下部材を形成していてもよい。例えば、押下面が設けられた領域と隣接領域とが別個の部材上に形成され、それらの部材が結合して押下部材が形成されていてもよい。こうした場合であっても、隣接領域が見えるようになれば押下面が広がったように見えることには変わりがないので、遊技者の興味を引き付けて遊技の興趣を向上させることが可能である。
なお、遊技者に対して押下面が広がったかのように見せる点に鑑みると、押下部材の隣接領域は、押下面が設けられた表面領域に対して、遊技者から見た状態で隣接していればよく、物理的に隣接している必要は必ずしもない。例えば、押下面との間に窪みや段差や継ぎ目があったとしても、遊技者から見て隣接して見える領域であれば、その領域を視認可能にすることにより、押下面が広がったかのような印象を遊技者に与えることが可能である。したがって、こうした領域も遊技機C1の「隣接領域」に該当する。
また、上述の実施例で説明したように、遊技者から見た押下部材の面積を拡大させるだけでなく、遊技者から見た押下部材の形状を変化させることによっても、遊技者に驚きを与えることが可能である。したがって、上述の実施例に具現された発明は、以下の態様の遊技機として捉えることも可能である。
遊技機D1 :
遊技の進行にともなって種々の演出を行う遊技機であって、
遊技者が押下可能な押下面が表面の少なくとも一部に設けられた押下部材と、
前記押下面が露出する露出部を有する透光性の部材からなり、該押下面を該露出部から露出させた状態で前記押下部材と遊技者との間に設けられたパネル部材と、
前記押下部材の前記押下面に隣接する表面領域たる隣接領域の少なくとも一部と、前記パネル部材との間で、該押下面の押下方向に交差する方向に変位可能に設けられ、遮光性の部材からなる遮蔽部材と、
前記遊技の進行にともなって前記遮蔽部材の位置を制御する遮蔽部材位置制御手段と、
前記押下面の押下を検出する押下検出手段と、
前記押下面の押下を契機として前記種々の演出の一の演出たる押下契機演出を実行する押下契機演出実行手段と、
を備える遊技機D1。
かかる遊技機D1では、押下部材の一部(押下面)が透光性のパネル部材から露出しており、この部分を遊技者は押下することが可能である。また、押下部材のうち、押下面に隣接する表面領域(隣接領域)とパネル部材との間には、遮光性の遮蔽部材が位置を変位可能に設けられている。遊技機D1では、遊技の進行にともなって、この遮蔽部材の位置を制御する。
パネル部材は透光性の部材で形成されているものの、パネル部材と隣接領域との間に遮蔽部材が位置すると、隣接領域のうちの遮蔽部材に隠れた部分は遊技者から視認不能となる。したがって、遮蔽部材を移動させることによって、遊技者が視認可能な領域の形状を変化させることが可能となる。こうすると、遊技者にはあたかも押下面の形状が変化したかのうように見えるので、遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることが可能となる。これにより、押下部材を押すことが遊技者にとって在り来りになってしまった場合であっても、遊技者の興味を引き付けた状態で押下部を押させることが可能となる。その結果、押下部の押下を契機とする演出の効果を高めて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、遊技者に対して押下面の形状が変化したかのように見せる点に鑑みると、押下部材の隣接領域は、押下面が設けられた表面領域に対して、遊技者から見た状態で隣接していればよく、物理的に隣接している必要は必ずしもない。例えば、押下面との間に窪みや段差や継ぎ目があったとしても、遊技者から見て隣接して見える領域であれば、その領域を遮蔽部材で隠してやれば、押下面の形状が変化したかのような印象を遊技者に与えることが可能である。したがって、こうした領域も遊技機D1の「隣接領域」に該当する。
遊技機E1 :
遊技の進行にともなって種々の演出を行う遊技機であって、
遊技者が押下可能な押下面が表面の少なくとも一部に設けられた押下部材と、
前記押下面が露出する露出部を有する透光性の部材からなり、該押下面を該露出部から露出させた状態で前記押下部材と遊技者との間に設けられたパネル部材と、
前記押下部材の、前記押下面に隣接する表面領域たる隣接領域と、前記パネル部材との間に挿入可能に設けられ、該挿入した状態での押下面の側の輪郭形状が互いに異なる複数の板状部材と、
遊技の進行にともなって、前記複数の板状部材の中から、前記隣接領域と前記パネル部材との間に挿入する板状部材を決定するとともに、該決定した板状部材を挿入する板状部材挿入手段と、
前記押下面の押下を検出する押下検出手段と、
前記押下面の押下を契機として前記種々の演出の一の演出たる押下契機演出を実行する押下契機演出実行手段と、
を備える遊技機E1。
かかる遊技機E1では、押下部材の一部(押下面)が透光性のパネル部材から露出しており、この部分を遊技者は押下することが可能である。また、複数の板状部材が、押下面に隣接する表面領域(隣接領域)とパネル部材との間に挿入可能に設けられている。この複数の板状部材は、隣接領域とパネル部材との間に挿入した際に押下面に向かう側の輪郭形状が、互いに異なっている。遊技機E1では、遊技の進行にともなって、これらの板状部材の中から、隣接領域とパネル部材の間に挿入する板状部材を決定する。
パネル部材は透光性の部材で形成されているものの、パネル部材と隣接領域との間に板状部材が位置すると、隣接領域が板状部材に隠れた状態となる。したがって、遊技者から見たると、あたかも押下面の形状が変化したように見えることになる。このとき、遊技者から見える形状は、板状部材の押下面側の輪郭形状に応じた形状になるので、押下面側の形状が異なる複数の板状部材を備えておき、用いる板状部材を選択することにより、遊技者から見た形状を制御することが可能となる。また、用いる板状部材を切り替えることにより、遊技者から見た形状を切り替えることも容易に可能となる。こうすれば、遊技者に驚きを与えて遊技者の興味を引き付けることが可能となり、その結果、押下部材を押すことが遊技者にとって在り来りになってしまった場合であっても、遊技者の興味を引き付けた状態で押下部を押させることが可能となる。これにより、押下部の押下を契機とする演出の効果を高めて、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、遊技者に対して押下面の形状が変化したかのように見せる点に鑑みると、押下部材の隣接領域は、押下面が設けられた表面領域に対して、遊技者から見た状態で隣接していればよく、物理的に隣接している必要は必ずしもない。例えば、押下面との間に窪みや段差や継ぎ目があったとしても、遊技者から見て隣接して見える領域であれば、その領域を板状部材で覆えば、押下面の形状が変化したかのような印象を遊技者に与えることが可能である。したがって、こうした領域も遊技機E1の「隣接領域」に該当する。
また、板状部材は完全に遮光可能な部材である必要は必ずしもなく、例えば半透明な部材や、色味をもった透明な部材であってもよい。こうした場合であっても、板状部材に覆われた部分は遊技者から見ると色味が変わるなどの変化が生じることから、輪郭の形状が変化したかのような印象を与えることが可能である。もちろん、遮光性の部材を用いれば、輪郭の形状をよりはっきりと変化させることが可能となって好適である。
また、上述した実施例には、次の発明も具現されている。
遊技機F1 :
遊技機A1〜A6,遊技機B1〜B2,遊技機C1,遊技機D1,遊技機E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機である遊技機F1。
ここで、パチンコ遊技機としては、例えば次の構成のパチンコ遊技機を採用することが可能である。すなわち、遊技者が操作する操作手段(例えば操作ハンドル)と、操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
遊技機F2 :
遊技機A1〜A6,遊技機B1〜B2,遊技機C,遊技機D1,遊技機E1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンである遊技機F2。
ここで、スロットマシンとしては、例えば次の構成のスロットマシンを採用することが可能である。すなわち、複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に該識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバーや操作ハンドル)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間が経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備える遊技機。なお、かかる遊技機の遊技媒体としては、コインやメダルなどが代表例として挙げられる。
遊技機F3 :
遊技機A1〜A6,遊技機B1〜B2,遊技機C1,遊技機D1,遊技機E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものである遊技機C3。
ここで、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させた遊技機としては、例えば次の構成の遊技機を採用することが可能である。すなわち、複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に該識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバーや操作ハンドル)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間が経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるよう構成された遊技機を採用可能である。
10…弾球遊技機、 11…発射ハンドル、 12…盤面部、
13…上皿、 14…スピーカ、 15…正面パネル、
16…下皿、 17…鍵部、 20…遊技盤、
21…レール、 22…釘、 23…風車、
24…スルー作動口、 25a…第1作動口、 25b…第2作動口、
26…小入賞口、 28…遊技領域、 30…演出表示装置、
35…演出役物、 41…電動役物、 50…アウト口、
60…大入球口、 70…セグメント式表示装置、
72…左表示部、 74…中央表示部、 76…右表示部、
80…スルー用セグメント式表示装置、 100…メイン制御装置、
102…MPU102、 110…ROM、 140…RAM、
160…直近保留記憶エリア、 200…サブ制御装置、 240…電源装置、
300…表示制御装置、 350…演出役物駆動装置、
400…遊技球タンク、 410…払出制御装置、 500…発射制御装置、
600…演出ボタン、 602…ボタン部材、 602s…露出部、
604…電気スイッチ、 610…上面パネル、 610t…透明部、
612…下面パネル、 620…遮蔽板、 700…演出ボタン、
720…遮蔽板、 820…遮蔽板、 1600…演出ボタン、
1602…ボタン部材、 1602s…露出部、 2600…演出ボタン、
3622…遮蔽板、 5600…演出ボタン、 5602…ボタン部材、
5602s…露出部、 5604…電気スイッチ、 5610…上面パネル
5610h…半透光部、 LEDアレイ5640、 6600…演出ボタン、
6602…ボタン部材、 6602s…露出部、 LEDアレイ6640、
7600…演出ボタン、 7610…上面パネル、 7610h…半透光部、
7610t…透明部、 8600…演出ボタン、 8602…ボタン部材、
8620…遮蔽板

Claims (1)

  1. 遊技の進行にともなって種々の演出を行う遊技機であって、
    前記遊技を行う遊技者が視認可能な表面領域の少なくとも一部に該遊技者が押下可能な押下面が設けられた押下部材と、
    前記押下面の押下を検出する押下検出手段と、
    前記押下面の押下を契機として前記種々の演出の一の演出たる押下契機演出を実行する押下契機演出実行手段と、
    前記遊技の進行にともなって、前記押下部材の、前記押下面が設けられた表面領域に隣接する表面領域たる隣接領域を、前記遊技者が視認不能な状態から視認可能な状態に切り替えることにより、前記遊技者から見た該押下部材の面積たる視認面積を拡大させる視認面積拡大手段と、
    前記隣接領域の少なくとも一部を覆う状態で前記押下部材の押下の方向と交差する方向に広がる板形状に形成されたパネル部材と、
    前記パネル部材に対して前記隣接領域の側に設けられ、該隣接領域に光を照射する光源とを備え、
    前記パネル部材は、該パネル部材の前記隣接領域の側から入射する光の過半以上を透過させるとともに、該隣接領域と反対側から入射する光の過半以上を透過阻止する半透光性の部材により形成され、
    前記視認面積拡大手段は、前記光源を用いて前記隣接領域に光を照射することにより、該隣接領域からの光を前記パネル部材を透過させて前記視認面積を拡大させる手段である遊技機。
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