JP2017164370A - 生体内留置用チャンバー - Google Patents

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Shinya Yato
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堀勝
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Abstract

【課題】情報の記録及び読み出しが可能なICチップを組み込んだチャンバーを提供する。【解決手段】内部に薬剤及び/又は細胞を含むことができ、且つ生体内に留置することができる容器、容器に取付けられ、容器内に含まれる薬剤及び/又は細胞に関する情報を少なくとも記録することができ、且つ情報を読み出し可能なICチップ5、を含む生体内留置用チャンバー1。【選択図】図1

Description

本発明は、生体内留置用チャンバーに関し、特に、内部に薬剤や細胞等を含んだチャンバーにICチップを組み込んだ生体内留置用チャンバーに関する。
心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓などの臓器、骨、目等の生体を構成する組織の機能が損なわれると種々の病気になり、重い場合には生命の危機にさらされる。生体組織の病気が比較的軽症の場合は、投薬・手術等により病変部分を治癒することが可能である。しかしながら、生体組織の機能が著しく低下し治癒が困難な場合は、生体組織の機能を代行するために、生体内に留置する人工臓器が用いられている。また、病気の種類によっては、生体組織の機能の代行ではなく、病気の症状に対処するための処置具を生体内に留置することもある。更に、体外からでは薬剤を投与し難い場所に継続的に薬剤を投与するために、薬剤放出装置を生体内に留置することもある。
人工臓器は、セラミック製の人工骨やインプラント、ペースメーカー等の機械要素からなる人工臓器、生きた細胞を用いた組織工学により作製した人工臓器が知られている。後者の人工臓器としては、例えば、3次元培養した膵島および/または膵島細胞塊を高分子膜によって膵内分泌細胞を被包し、患者の皮下あるいは腹膣内等に移植できるようにした拡散チャンバー型人工臓器が知られている(特許文献1参照)。
一方、生体内に留置する処置具としては、例えば、水頭症患者の脳室に溜まった脳脊髄液を排出する際に、脳脊髄液の流量を調整する水頭症治療用シャントバルブが知られている(特許文献2参照)。
また、薬剤放出装置としては、薬剤の補充時の手間を軽減すると共に、投与される薬剤の濃度及び性質を効率的に維持することが可能な生体内薬剤放出装置が知られている(特許文献3参照)。
特公平7−28730号公報 特開2011−229601号公報 特開2008−220766号公報
しかしながら、生体内に人工臓器、処置具や薬剤放出装置(以下、これらをまとめて「生体内留置用チャンバー」、又は「チャンバー」と記載することがある。)を留置した場合、外見からチャンバーの留置の有無を判断することは困難である。そのため、不慮の事故等により患者が意識の無い状態で病院に運ばれた場合、生体内に留置したチャンバーの存在に気付かずに患者の処置を行う可能性がある。また、チャンバーの存在は把握したものの、チャンバーの処置を誤って、内部に封入した薬剤や細胞等を体内に拡散させてしまうと、医療事故に繋がるおそれがある。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされた発明であり、鋭意研究を行ったところ、(1)チャンバーに、情報の記録及び読み出しが可能なICチップを組み込み、ICチップに内部に含まれる薬剤や細胞等の情報を書き込むことで、(2)患者の意識が無い状態であっても、医療関係者はICチップから読み出した情報に基づき、適切な処置ができるので医療事故を減らせること、を新たに見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の目的は、情報の記録及び読み出しが可能なICチップを組み込んだチャンバーを提供することである。
本発明は、以下に示す、チャンバーに関する。
(1)内部に薬剤及び/又は細胞を含むことができ且つ生体内に留置することができる容器、
前記容器に取付けられ、前記容器内に含まれる前記薬剤及び/又は細胞に関する情報を少なくとも記録することができ、且つ前記情報を読み出し可能なICチップ、
を含む生体内留置用チャンバー。
(2)前記ICチップが、前記容器を構成する材料中に埋め込まれている、上記(1)に記載の生体内留置用チャンバー。
(3)前記容器の内部には幹細胞が含まれ、
前記容器が基板、該基板を貫通する貫通孔、前記基板上に形成された凹部を含み、
前記貫通孔は血管が挿通できる大きさで、前記凹部は前記幹細胞を挿入・保持できる大きさである、上記(1)又は(2)に記載の生体内留置用チャンバー。
(4)前記凹部の開口部が直径1mm〜3mmの略円形状、又は対角線が1mm〜3.5mmの多角形である、上記(3)に記載の生体内留置用チャンバー。
(5)前記凹部の底部が連続した曲面形状である、上記(3)又は(4)に記載の生体内留置用チャンバー。
(6)前記基板が、台座部及び該台座部の一方の面上に形成された幹細胞収納部を含み、前記貫通孔及び前記凹部が前記幹細胞収納部に形成されている、上記(3)〜(5)の何れか一に記載の生体内留置用チャンバー。
(7)前記幹細胞収納部は、前記台座部から上方に伸びた壁面、並びに前記貫通孔及び前記凹部が形成される幹細胞収納面を含み、前記幹細胞収納面が前記壁面の頂部を結んだ面より台座側に位置することで、前記幹細胞収納面と前記壁面の頂部との間で空間を形成する、上記(6)に記載の生体内留置用チャンバー。
(8)前記台座部に、前記生体内留置用チャンバーを体内組織に固定する手段を挿通するための挿通孔が形成されている、上記(6)又は(7)に記載の生体内留置用チャンバー。
(9)前記幹細胞収納部を覆うカバー部材を含む上記(6)〜(8)の何れか一に記載の生体内留置用チャンバー。
(10)前記カバー部材に凸部が形成されている上記(9)に記載の生体内留置用チャンバー。
本発明のチャンバーは、内部に含まれる薬剤や細胞等の情報等を記録することができる。したがって、患者が無意識の状態であっても、ICチップから読み出した情報に基づき適切な処置ができるので医療事故を減少することができる。
図1(A)は、本発明のチャンバー1の概略を説明する斜視図で、図1(B)は、チャンバー1の上面図である。 図2は、チャンバー1の凹部4を細密充填構造に配置した例を示している。 図3は、本発明のチャンバー1の他の実施形態を説明するための断面図である。
以下に、本発明の生体内留置用チャンバー(以下、「チャンバー」と記載することがある。)について詳しく説明する。
先ず、本発明に用いることができるチャンバーは、生体内に留置できるものであれば特に制限は無く、例えば、骨折の治療に用いるステント、人工骨、人工関節、ペースメーカー、生体内に溜まった体液の排出用処置具等の機械的な人工臓器又は処置具、細胞工学により作製した人工臓器、薬剤放出チャンバー等が挙げられる。前記に例示したチャンバーの中でも、本発明のチャンバーは、取扱いを誤ると生体に影響を与える細胞を内部に含む人工臓器、内部に薬剤を含む薬剤放出チャンバーに特に有用である。
細胞を用いた人工臓器、薬剤放出チャンバーは、公知のものであれば特に制限はなく、例えば、特許文献1に記載されている拡散チャンバー型人工臓器、特許文献3に記載されている薬剤放出装置等が挙げられる。
ところで、近年、ES細胞やiPS細胞等の幹細胞を用いた研究が盛んにおこなわれている。幹細胞は所期の臓器に分化することができるので、人工臓器として使用することが期待されている。しかしながら、iPS細胞はがん化する可能性があることから、体内に留置したiPS細胞を含む人工臓器を治療の際に誤って傷つけてしまうと、iPS細胞が体内に流入しがんを発症する可能性がある。また、ES細胞が体内に流入すると拒絶反応を起こす恐れがある。そのため、幹細胞を用いた人工臓器を生体内に留置している場合、治療前に、医療従事者が人工臓器に関する情報を得られることが望ましい。
以下に、幹細胞を用いた人工臓器用に新規に開発したチャンバーを例に、ICチップを組み込んだチャンバーの実施形態について説明する。
図1(A)は、本発明のチャンバー1の一例を説明する斜視図で、図1(B)は、チャンバー1の上面図である。本発明のチャンバー1は、基板2、基板2を貫通する貫通孔3、基板2上に形成された凹部4、ICチップ5を少なくとも含んでいる。
図1(A)及び(B)に示す実施形態では、基板2は、台座部21、台座部21の一方の面上に形成された幹細胞収納部22を含んでいるが、段差を設けない平面状の基板であってもよい。チャンバー1が台座部21及び幹細胞収納部22を含む場合、台座部21には、チャンバー1を生体内に留置する際に体内組織に固定する手段、例えば、糸等を挿通するための挿通孔23を形成してもよい。なお、挿通孔23は必須ではなく、生体組織に固定する際に、針で台座部21(台座部21を設けない場合は基板2)を突き刺して貫通させればよい。
幹細胞収納部22は、台座部21の一方の面上に凸状に形成されており、台座部21から上方に伸びた壁面221及び幹細胞収納面222を含む、略台形状の断面をしている。幹細胞収納部22を形成する場合、貫通孔3及び凹部4は細胞収納部22に形成されることが好ましい。
基板2は、生体内に留置した際に、拒絶反応が起き難い材料であれば特に制限はなく、例えば、シリコン、ポリプロピレン等が挙げられる。基材2は、モールドを形成して射出成形又はプレス成形、或いは、切削加工等により形成すればよい。また、チャンバー1は、生体内に留置して用いることから、チャンバー1が当接する生体組織に損傷を与えないことが望ましい。そのため、基板2(台座部21及び幹細胞収納部22)の周囲は角が無い滑らかな形状にすることが望ましい。また、基板2の形状も円形、楕円形等、角が無いように形成することが望ましい。
貫通孔3は、生体内にチャンバー1を留置した際に、生体組織から血管が成長して凹部4に挿入した幹細胞に作用するための孔である。したがって、貫通孔3の大きさは、血管が形成されるサイズであれば特に制限はない。また、貫通孔3を設ける位置、個数は特に制限はないが、設ける凹部4の個数に対し貫通孔3が少なすぎると、生体組織から成長した血管が到達できない凹部4が出る可能性があり、幹細胞が生産したホルモン等の物質を体内に運ぶことができない可能性がある。したがって、貫通孔3は、凹部4の個数及び配置に応じて分散して配置すればよい。
凹部4は、幹細胞を挿入・保持できれば特に制限はない。なお、本発明のチャンバーを利用した人工臓器は生体内に留置することから生体にとっては異物となる。したがって、一つの人工臓器が生産する物質を可能な限り多くする、つまり、物質の生産量が同じであれば人工臓器は小さいほど好ましく、例えば、凹部4は細密充填構造に形成すればよい。図2は、凹部4を細密充填構造に配置した例を示している。生体組織から成長した血管が凹部4に届くように、貫通孔3も適当な間隔で凹部4の間に形成すればよい。
凹部4に挿入・保持する幹細胞は、ES細胞又はiPS細胞の何れも可能である。ES細胞、iPS細胞は、公知の方法により培養・分化した細胞を用いればよい。また、一つのチャンバー1に、同じ種類の幹細胞を挿入してもよいし、異なる種類の幹細胞を挿入してもよい。
なお、人工臓器として所期の特性を得るためには、幹細胞を分化するまで培養した細胞を用いることが好ましい。分化した幹細胞の大きさは、約1〜3mmの略球形である。したがって、凹部4の開口部41の形状としては直径1mm〜3mmの略球形の幹細胞がほぼ通過できる大きさとすることが望ましく、例えば、直径1mm〜3mm、好ましくは直径2mm〜3mmの略円形状が挙げられる。また、略円形状に代え、6角形、7角形、8角形等の多角形でもよい。多角形の場合、開口部41の大きさは、中心を通る対角線の長さが1mm〜3.5mm、好ましくは2.5mm〜3.5mm程度にすればよい。
また、凹部4の底部42は連続した曲面にすることが好ましい。幹細胞、特にiPS細胞は平らな面に置くと別の細胞に変化することがある。したがって、凹部4の底部42を連続した曲面形状とすると、平面部を含まないことから幹細胞が球形の状態を保持し易くなるので好ましい。連続した曲面形状の中でも、略半球状がより好ましい。また、必要に応じて、凹部4の内面を撥水処理してもよい。撥水処理は、公知の方法であれば特に制限はなく、例えば、プラズマ装置等を用いればよい。凹部4の内面を撥水処理することで、凹部4に挿入した幹細胞をより球形状にし易くなる。
ICチップ5は、組み込むチャンバー1に関する情報、そのチャンバー1を留置している患者の情報等、医療機関の従事者にとって必要と思われる情報を書き込むことができ、当該情報を読み出せるものであれば特に制限は無い。例えば、RFID(radio frequency identifier)等の公知のチップを用いればよい。
ICチップ5は、チャンバー1に取付けられていれば場所は特に制限は無いが、体液等に触れると故障の原因になる。したがって、チャンバー1を作製後にICチップ5を取付ける場合は、取り付けた後に体液に触れないようにするために、基材2を構成する材料に接着可能な樹脂等で封止すればよい。また、基板2を作製する際に基板2の中に埋め込んでもよい。なお、基板2の中に埋め込む場合は、遠隔通信により情報の書き込みができるICチップを用いることが好ましい。
ICチップ5に書き込む情報の内、チャンバー1に関する情報としては、例えば、チャンバー1の製造メーカー、体内に埋め込んだ日、埋め込み手術をした医療機関、チャンバー1内に含まれる幹細胞の種類、チャンバー内の培養液の種類、チャンバー1を破損した場合の対処方法等が挙げられる。また、チャンバー1が薬剤を含む場合は、薬剤の種類等が挙げられる。
患者の情報としては、氏名、血液型、連絡先、マイナンバー、アレルギーの有無、既往症等の情報が挙げられる。また、チャンバー1と当該チャンバー1を留置した患者の症状から、緊急時の処置方法等の情報が記載されていてもよい。
また、チャンバー1は、生体内に留置して使用されることから、使用を続けることで様々なアクシデントが考えられる。例えば、チャンバー1に含まれるiPS細胞のがん化、培養液の濃度変化、薬剤を入れる場合は薬剤の濃度変化等が挙げられる。チャンバー1内には、前記例示したがん化、濃度変化等を検出するセンターも埋め込み、ICタグはセンサーと通信可能としておき、測定した結果を外部から読み出せるようにしてもよい。
チャンバー1を人工臓器として用いる場合、凹部4に幹細胞を挿入・保持した状態で生体内に留置すると、幹細胞が生体内に流出する恐れがある。ES細胞が体内に流出すると拒絶反応を起こす可能性があり、また、iPS細胞が体内に流入するとがん化する恐れがある。そのため、チャンバー1の少なくとも幹細胞を入れた凹部4の上部には、幹細胞は通過しないが、生産したホルモン等の物質を通過できる又は毛細血管が入り込める半透膜を取付けることが好ましい。なお、チャンバー1に後述するカバー部材を取付ける場合は、台座部21の下側に半透膜を取り付けてもよい。
半透膜は、前記特性を満たせば特に制限はない。半透膜を取付けたチャンバー1を生体内に留置すると、留置した周りの生体組織から毛細血管が成長し、毛細血管が半透膜を通過して幹細胞と一体となり組織化することができる。また、毛細血管は半透膜を通過しなくても、半透膜付近まで成長すれば、半透膜を通過したホルモン等の物質を取り込むことができる。
人工臓器を作製する際、凹部4には幹細胞の培養液ではなく、人工髄液を充填することが好ましい。また、チャンバー1は、単独で用いてもよいが、凹部4に幹細胞を挿入後に、複数積層してもよい。
図3は、本発明のチャンバー1の他の実施形態を説明するための断面図で、図1に示す実施形態のチャンバー1にカバー部材6を取付けている。人工臓器は、頭皮の下の帽状腱膜、腹腔等、様々な場所に留置することが可能であるが、留置する場所によっては、毛細血管が成長して幹細胞と相互作用するまでに時間を要する場合がある。毛細血管が成長して相互作用するまでに、凹部4に充填した人工髄液がなくなると、幹細胞が死滅する恐れがある。図3に示す実施形態のチャンバー1は、基板2の上にカバー部材6を設けることで、体外から注射器の針を刺して基板2とカバー部材6の間に人工髄液を補充することができる。したがって、毛細血管が成長し難い場所に人工臓器を留置した場合でも、人工臓器として機能を開始するまで幹細胞を生存した状態に保つことができる。
カバー部材6は、基板2と同様、ポリプロピレン、シリコン等を用いて作製すればよい。図2に示す実施形態では、カバー部材6は台座部21と幹細胞収納部22の境界付近に形成した溝部23とカバー部材6の端部61を嵌合しているが、カバー部材6を基板2に取付けることができれば特に制限はない。また、カバー部材6は、生体内に留置した際に周りの生体組織に損傷を与えないために、角のない滑らかな形状にすることが好ましい。
また、人工臓器を生体内に留置した場合、針で人工髄液を注入するためには、生体の外から人工臓器の位置を把握する必要がある。そのため、カバー部材6の一部に凸部62を形成してもよい。皮膚の上から手で触わり凸部を確認することで、針で注射すべき位置を把握することができる。
カバー部材6を、シリコン等の柔軟性のある材料で形成すれば、注入した人工髄液はカバー部材6と幹細胞収納部22の間に充填されることから、半透膜を介して各凹部4に人工髄液を供給することができる。なお、必要に応じて、幹細胞収納部22とカバー部材6の間に積極的に空間を設け、より多くの人工髄液を注入できるようにしてもよい。具体的には、図1(A)に示すように、台座部21から上方に伸びた壁面221の頂部から貫通孔3や凹部4を設ける幹細胞収納面222を形成するのではなく、頂部から台座部21方向に段差223を設け、段差223の台座部21側の端部224を結ぶように幹細胞収納面22を形成すればよい。段差222を設けることで、幹細胞収納面222が壁面221の頂部を結んだ面より台座部21側に位置するので、幹細胞収納面222と壁面221の頂部との間で空間を形成し、より多くの人工髄液を注入することができる。
iPS細胞を用いて人工臓器を作製した場合、iPS細胞ががん化する可能性がある。人工臓器には半透膜が設けられているので、がん化したiPS細胞が生体内に入ることはないが、安全を考えると、所定期間毎に人工臓器内の溶液をサンプリングし、iPS細胞のがん化の有無を調べることが好ましい。がん化は、サンプリングした溶液に含まれるがんマーカータンパク質や遺伝子を測定する等、公知の方法で検査すればよい。がん化した人工臓器は、手術により生体内から取り出せばよい。
溶液のサンプリングは、人工髄液の注入と同様、生体外から針を突き刺してサンプリングすればよい。なお、人工臓器を生体内に留置した後所定期間が経過すると、毛細血管等が貫通孔3を通過し、凹部4の周囲並びに凹部4内に成長する。溶液をサンプリングする際に、成長した毛細血管を針で損傷すると出血し、その血が周囲のiPS細胞に炎症を起こす可能性がある。したがって、針を刺す場所にはiPS細胞が無いことが好ましく、例えば、凸部62のすぐ下の凹部4にはiPS細胞を挿入せず、空にしておけばよい。また、幹細胞収納面222の全面に半透膜を取付けると、針を刺すたびに半透膜を損傷して破片等が発生する可能性がある。そのため、半透膜を、iPS細胞を挿入しない凹部4はカバーしないような形状にしてもよい。
本発明の生体内留置用チャンバーを用いると、チャンバーを留置している患者が不慮の事故に遭遇しても、医療機関の従事者は適切な処置を施すことができる。したがって、生体内留置用チャンバーを作製する医療機器産業や医療機関における手術に有用である。

Claims (10)

  1. 内部に薬剤及び/又は細胞を含むことができ且つ生体内に留置することができる容器、
    前記容器に取付けられ、前記容器内に含まれる前記薬剤及び/又は細胞に関する情報を少なくとも記録することができ、且つ前記情報を読み出し可能なICチップ、
    を含む生体内留置用チャンバー。
  2. 前記ICチップが、前記容器を構成する材料中に埋め込まれている、請求項1に記載の生体内留置用チャンバー。
  3. 前記容器の内部には幹細胞が含まれ、
    前記容器が基板、該基板を貫通する貫通孔、前記基板上に形成された凹部を含み、
    前記貫通孔は血管が挿通できる大きさで、前記凹部は前記幹細胞を挿入・保持できる大きさである、請求項1又は2に記載の生体内留置用チャンバー。
  4. 前記凹部の開口部が直径1mm〜3mmの略円形状、又は対角線が1mm〜3.5mmの多角形である、請求項3に記載の生体内留置用チャンバー。
  5. 前記凹部の底部が連続した曲面形状である、請求項3又は4に記載の生体内留置用チャンバー。
  6. 前記基板が、台座部及び該台座部の一方の面上に形成された幹細胞収納部を含み、前記貫通孔及び前記凹部が前記幹細胞収納部に形成されている、請求項3〜5の何れか一項に記載の生体内留置用チャンバー。
  7. 前記幹細胞収納部は、前記台座部から上方に伸びた壁面、並びに前記貫通孔及び前記凹部が形成される幹細胞収納面を含み、前記幹細胞収納面が前記壁面の頂部を結んだ面より台座側に位置することで、前記幹細胞収納面と前記壁面の頂部との間で空間を形成する、請求項6に記載の生体内留置用チャンバー。
  8. 前記台座部に、前記生体内留置用チャンバーを体内組織に固定する手段を挿通するための挿通孔が形成されている、請求項6又は7に記載の生体内留置用チャンバー。
  9. 前記幹細胞収納部を覆うカバー部材を含む請求項6〜8の何れか一項に記載の生体内留置用チャンバー。
  10. 前記カバー部材に凸部が形成されている請求項9に記載の生体内留置用チャンバー。
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