JP2017163927A - 農作業ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】移動通路上の確実な位置把握により、作業通路への円滑な進入を可能とする農作業ロボットを提供する。【解決手段】農作業ロボットは、作業通路(L)の作業走行と移動通路(F)の移動走行を行う走行装置(T)と、作物栽培条の農作業を行う作業装置(W)と、これら走行装置(T)と作業装置(W)を制御する制御装置とを備えて構成され、前記走行装置(T)が作業走行中か移動走行中かを判定する走行状態判定手段と、左右の検知幅を切替え可能に機体前方の物体の有無を検知する対物検知部材(S)とを設け、前記走行状態判定手段が作業走行の判定の場合に前記対物検知部材(S)の検知範囲を狭くし、また、移動走行の判定であれば検知範囲を広くするとともに、前記対物検知部材(S)の検知時に走行装置(T)を停止または後退可能に制御することにより、作業通路(L)への円滑な進入を可能とするものである。【選択図】図3

Description

本発明は、移動通路から各栽培棚に移動して各種の農作業制御可能な農作業ロボットに関する。
先行特許文献1に示す農作業ロボットは、栽培棚に沿う作業通路に設けた作業レールを走行するための作業走行装置と、別の栽培棚の作業通路に移動するための移動通路を走行するための移動走行装置とを備えている。
移動通路では、通路上に設置した位置指標を検知する光学センサや磁気センサを農作業ロボットの前部に設けて移動中の位置を把握し、目的の栽培棚に向かうときに機体を旋回して作業通路に進入する。
このように自律走行することにより、複数の栽培棚で無人作業を行うことができ、大幅な省力化が図られる。
特開2012−80843号公報
しかしながら、センサの検知誤差や、位置指標の設置誤差があると、旋回位置にずれが生じ、農作業ロボットが作業通路の作業レールに進入できず、作業が行えなくなる問題がある。
また、旋回位置と対応して旋回位置指標を設ける場合は、例えば埋め込み固定することによって旋回位置を安定して確保できるものの、指標を埋め込む作業に時間と労力、費用がかかる問題がある。さらに、旋回位置指標の埋設位置を変更する際にも、同様の問題が発生する。
そのほかの位置指標として、床面に金属テープ等を貼ることも考えられるが、金属テープは走行装置や作業者に踏まれて摩耗しやすく、また剥がれやすいので、特に、旋回位置で金属テープが無くなっていたり、一部が欠損して正確にセンサが検知できず、旋回走行が行われなくなる問題がある。
本発明の目的は、移動通路上の確実な位置把握により、作業通路への円滑な進入を可能とする農作業ロボットを提供することにある。
請求項1に係る発明は、作物栽培条に沿う作業通路(L)を作業走行すると共に、別の作物栽培条に沿う作業通路(L)に通じる移動通路(F)を移動走行する走行装置(T)と、作物栽培条の栽培作物について農作業を行う作業装置(W)と、これら走行装置(T)と作業装置(W)を制御する制御装置とを備える農作業ロボットにおいて、前記走行装置(T)が作業走行中か移動走行中かを判定する走行状態判定手段と、左右の検知幅を切替え可能に機体前方の物体の有無を検知する対物検知部材(S)とを設け、前記走行状態判定手段が作業走行の判定の場合に前記対物検知部材(S)の検知範囲を狭くし、また、移動走行の判定であれば検知範囲を広くするとともに、前記対物検知部材(S)の検知時に走行装置(T)を停止または後退可能に前記制御装置を構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記走行装置(T)は、前記作業通路(L)の左右のレール(R,R)上を走行するための作業走行部材(2)を備え、この作業走行部材(2)は、駆動走行体(2a)と従動走行体(2b)とで構成し、この従動走行体(2b)を作業距離センサ(2s)としてその作動量から作業走行距離を計測することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記走行装置(T)は、前記移動通路(F)を走行するための移動走行部材(3)を備え、この移動走行部材(3)を移動距離センサ(3s)としてその作動量から移動走行距離を計測し、また、前記作業通路(L)の出入口には、前記対物検知部材(S)が検出可能な出入口標識部材(M)を設け、前記制御装置は、前記対物検知部材(S)が前記出入口標識部材(M)を検知し、前記作業距離センサ(2s)が作業移動距離を検出しなくなると前記移動距離センサ(3s)により前記走行装置の移動走行距離の計測を開始し、この移動走行距離が所定値に達すると前記走行装置が次の作物栽培条に向かって移動走行するように制御することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記移動走行部材(3)は、左右一対でそれぞれが進退動作可能で移動距離を計測可能な主走行体(3a)によって構成すると共に、その前後位置を自在に遊転支持可能なキャスタ式補助輪(3b,3b)を設け、前記制御装置は、前記対物検知部材(S)が前記出入口標識部材(M)を検知してから前記左右の移動距離センサ(3a)が所定の移動走行距離を計測したときに、前記左右の主走行体(3a)を互いに逆方向に作動制御して旋回することを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項3または4に係る発明において、前記対物検知部材(S)は、前記走行装置(T)の前方の物体の有無を検知する前方領域と、前記走行装置(T)の側方の標識部材を検知する側方領域と、前記走行装置(T)の斜め前側の物体の有無を検知する前斜め領域を有しており、前記制御装置は、前記走行状態判定手段が移動走行を判定すると前斜め領域の検知を行うことを特徴とする。
請求項1に係る発明により、対物検知部材(S)が前方の物体を検知すると走行装置(T)が停止または後退する作動制御を設けたことにより、走行装置(T)や作業装置(W)が進路上にある物体と接触して破損することを防止できる。
この場合において、作業走行中は対物検知手段の前方検知範囲幅が狭くなることにより、作物栽培条や栽培用の架台等の構造物が作業通路に近接していても、対物検知部材(S)による検知を防止できるので、無用の走行停止が防止され、作業能率が向上する。
そして、移動走行中は対物検知部材(S)の検知範囲を広くすることにより、作物栽培条の外で移動通路の周辺にある物体を確実に検知して対応走行することができるので、走行装置(T)や作業装置(W)の破損が防止される。
請求項2に係る発明により、請求項1に係る発明の効果に加え、従動走行体(2b)の作動量に基づく作業距離により作業走行中であるか否かを判定することができるので、作業走行と移動走行の識別が可能になる。
請求項3に係る発明により、請求項1または2に係る発明の効果に加え、対物検知部材(S)が出入口標識部材(M)を検知し、作業距離センサ(2s)が走行距離を計測しなくなってから走行装置(T)が所定距離を移動走行すると、走行車体が次の作物栽培条に向かって移動することにより、自律的に次の作物栽培条に移動させることができるので、人手で走行装置を作動させる必要がなく、省力化が図られる。
また、作業距離センサ(2s)が作業走行距離を計測しなくなってから移動距離センサ(3s)が計測する移動走行距離に基づき次の作物栽培条に向かって移動することにより、適切な位置に移動することができる。
請求項4に係る発明により、請求項3に係る発明の効果に加え、移動走行部材(3)の左右の主走行体(3a)を互いに逆方向に作動させて旋回することにより、左右の主走行体(3a)の中間点を中心として走行装置(T)を旋回させることができるので、旋回半径が小さく抑えられ、旋回走行中に走行車体が作物栽培棚等に接触することが防止される。
また、旋回に合わせてキャスタ式補助輪(3b,3b)が自在に遊転支持することにより、走行装置(T)を円滑に旋回させることができるので、旋回軌跡が乱れて旋回半径が大きくなることが防止される。
請求項5に係る発明により、請求項3に係る発明の効果に加え、対物検知部材(S)が前方領域と側方領域と前斜め領域を検知範囲として有することにより、対物検知部材(S)を複数設ける必要がなく、部品数の削減により構成の簡潔化や軽量化が図られる。
また、走行状態判定手段が移動走行を判定すると前斜め領域の検知を行うことにより、作業走行中の誤検知が防止され、作業能率が向上する。
走行部周りの正面図 走行部周りの平面図 走行部周りの側面図 走行装置の要部斜視図(a)および平面図(b) レール終端部の斜視図 走行部の側面図(a)と正面図(b) ガード板の要部分解斜視図(a)と部分断面図(b) 作業領域内の栽培棚構成例の平面図 各センサやスイッチの制御関係を示すブロック図 対物検知部材の模式図の平面図(a)、正面図(b) (a)作業走行時を示す平面模式図、(b)移動走行時を示す平面模式図、(c)移行走行時を示す平面模式図 作業レール上での移動、及び作業レールから移動通路への移行走行時の制御を示すフローチャート 作業レールから移動通路へ移動後の旋回、及び移動通路から作業レールへの移動時の旋回制御を示すフローチャート 作業レールから移動通路へ移動後の旋回、及び移動通路から作業レールへの移動時の旋回制御を示す別制御例のフローチャート (a)対物検知部材の検知範囲内に障害物があるときの走行停止制御を示すフローチャート、(b)対物検知部材の検知範囲内に障害物があるときの走行逆転制御を示すフローチャート 作業走行中の移動制御と作業装置の作動制御を示すフローチャート 作業位置毎の位置情報の記録を示すフローチャート 位置情報の記録時に作業日時と作業内容を識別可能なファイル名を付与する制御を示すフローチャート 農作業ロボットが作業レールからオーバーランした際に自動的に作業レール上に移動させる制御を示すフローチャート
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
農作業ロボット1は、走行部周りの正面図、平面図、側面図を図1から図3に示すように、作業走行と移動走行に使用する走行装置Tに作業装置Wと
不図示の制御装置を備えて構成される。また、農作業ロボット1に設ける各種センサやスイッチの制御関係については、図9のブロック図に示すものとする。
走行装置Tは、作物栽培条に沿って設けた作業通路Lを走行するための作業走行部材2と、複数の作業通路L…に通じる移動通路Fを走行するための移動走行部材3と、これら作業走行部材2および移動走行部材3を走行駆動する伝動機構4とから構成され、また、移動通路Fおよび作業通路Lにおける走行制御のために、レーザー光等によって進行方向の状態を監視するセンサである対物検知部材Sを備える。
作業走行部材2は、各作業通路Lに設けた左右の作業レールR,R上を前後進可能に機体の前後を支持する左右の前輪2a,2aと左右の後輪2b,2bとを、移動通路Fより高い作業レールRの高さH位置で接地可能に構成する。また、走行装置Tの最前部には、作業通路Lに進入する際に走行装置Tを左右の作業レールR,Rに位置合わせするための左右のガイドローラ2c,2cを設ける。
なお、左右の前輪2a,2a、及び左右の後輪2b,2bは、各々回転自在に設ける。該左右の前輪2a,2aは、前輪車軸2f,2fに装着するものとし、左右の後輪2b,2bは、一本の後輪車軸2gに設けるものとする。
移動走行部材3は、平面状の移動通路Fに接地する左右の駆動輪3a,3aおよび、機体の前後端位置を支持する左右のキャスタ式補助輪3b,3bとによって構成する。
伝動機構4は、正逆回転制御可能な左右の走行モータ4a,4aから左右の駆動輪3a,3aを経て、左右の前輪2a,2aを伝動するチェーンによる左右の移動伝動機構4b,4bおよび左右の作業伝動機構4c,4cによって構成する。
より具体的な構成として、図1から図3に示すとおり、前記左右の走行モータ4a,4aの出力軸に出力スプロケット40を各々設け、前記左右の駆動輪3a,3aの駆動軸3c,3cに入力スプロケット41を各々設ける。そして、該左右の出力スプロケット40,40と左右の入力スプロケット41,41に前記左右の移動伝動機構4b,4bを無端状に巻回することで、前記左右の走行モータ4a,4aから左右の駆動輪3a,3aに駆動力が伝動される構成となる。
また、前記左右の駆動軸3c,3cの、前記左右の入力スプロケット41,41よりも機体外側に駆動スプロケット42を各々設け、前記左右の前輪2a,2aの回転軸2f,2fに従動スプロケット43を各々設ける。該左右の従動スプロケット43,43は、前記左右の前輪2a,2aよりも機体外側に配置する。そして、該左右の駆動スプロケット42,42と左右の従動スプロケット43,43に前記左右の作業伝動機構4c,4cを無端状に巻回することで、前記左右の走行モータ4a,4aから左右の前輪2a,2aに駆動力が伝動される構成となる。
なお、前記左右の入力スプロケット41,41と左右の駆動スプロケット42,42は、前記左右の駆動輪3a,3aよりも機体内側に配置する。
上記構成により、前輪2aと駆動輪3aを一つの走行モータ4aで駆動回転させることができるので、部品点数の削減や重量の軽減が図られる。
また、左右の入力スプロケット41,41と左右の駆動スプロケット42,42を左右の駆動輪3a,3aよりも機体内側に配置したことにより、機体の左右幅が抑えられ、コンパクトな構成になると共に、栽培棚から垂れ下がる植物に伝動機構4が接触することが防止され、植物が傷付くことや、植物が絡み付いて作業が中断されることが防止される。
そして、左右の従動スプロケット43,43を左右の前輪2a,2aよりも機体外側に配置したことにより、左右の従動スプロケット43,43や左右の作業伝動機構4c,4cが左右の作業レールR,Rに接触しない構成となり、左右の従動スプロケット43,43や左右の作業伝動機構4c,4cが左右の作業レールR,Rと接触して走行伝動に異常が生じ、走行が停止して作業が中断されることや、故障が生じることが防止される。
特に、左右の作業レールR,Rの入口側の連結部RJと干渉しない構成であるので、左右の従動スプロケット43,43、及び左右の作業伝動機構4c,4cを連結部RJに接触しない上下位置に配置する必要が無く、機体構成の複雑化が抑えられる。
上記構成の走行装置Tは、移動通路Fにおいて、左右の駆動輪3a,3aが接地駆動し、また、左右のキャスタ式補助輪3b,3bが機体の前後端位置を支持し、左右の走行モータ4a,4aから左右の移動伝動機構4b,4bを介して左右の駆動輪3a,3aを駆動する。
また、作業通路Lにおいて、左右の作業レールR,R上で左右の前輪2a,2aと左右の後輪2b,2bが機体を支持し、左右の駆動輪3a,3aから作業伝動機構4c,4cを介して左右の前輪2a,2aを駆動する。
作業通路Lにおいて、左右の作業レールR,Rの周辺は移動通路Fより低くなるように掘り下げられており、前記左右の前輪2a,2a及び後輪2b,2bが左右の作業レールR,Rに載るとき、前記左右の駆動輪3a,3aは接地できないので、左右の前輪2a,2aの駆動回転に影響を及ぼさない。
(走行装置)
走行装置Tは、その前部中央で所定範囲内の物体の有無を検知するレーザーセンサ等の対物検知部材Sを備え、図15(a)(b)に示すとおり、前方に物体があると走行車体を停止または後退制御可能に構成する。対物検知部材Sは、作業走行時の検知範囲D1を狭くし、また、移動走行時の検知範囲D2を広くすることにより、衝突破損防止とともに、不要な停止を防止して作業能率向上することができる。
上記において、作業走行時に対物検知部材Sの検知範囲を狭くするのは、栽培棚で栽培している植物の茎葉部を障害物として検知し、前進可能であるにもかかわらず走行停止、あるいは後退してしまい、作業が中断されることを防止するためである。
図11(a)(b)に示すとおり、前記作業走行時の検知範囲D1は、機体の左右方向の中央部付近であり、一例として左右方向の0〜30度に及ぶものとする。また、移動走行時の検知範囲D2は、機体左右方向の中央部から左右斜め方向に亘るものであり、一例として左右方向の45〜60度に及ぶものとする。
なお、図11(a)に示すとおり、対物検知部材Sは、作業走行時の検知範囲D1を検知する際、走行装置Tの前側の四角形(長方形)のエリアを検知可能なものとする。この検知範囲は、制御装置100によって自動的に切り替わる構成とする。
そして、図11(c)に示すとおり、前記対物検知部材Sは、左右の作業レールR,Rから後輪2b,2bが移動通路Fに移動したことを検知すると、作業レールR,Rから移動通路Fへの移行走行時の検知範囲D3に切り替わり、後述する標識カーテンMを検知することで、左右の作業レールR,Rの出入口の端部付近であることを検知する。この検知範囲D3は、少なくとも左右側方の一方であり、一例として120〜180度に及ぶものとする。このとき、壁や周囲の障害物の有無を検知する必要があるので、作業走行時の検知範囲D1も同時に検知するものとする。
なお、左右の前輪2a,2aが作業レールR,Rから移動通路Fに移動する位置では、標識カーテンMが対物検知装置Sのレーザー照射範囲から外れるものとする。
なお、前記対物検知部材Sは、図10に示すとおり、レーザー照射部S1を回動支点S2を中心として所定範囲、例えば前方180度の範囲内で回動させ、レーザーの照射距離に変動があると、物体の存在を検知するものを用いるが、複数のレーザー照射部で複数個所にレーザーを照射し、照射距離に変動がある箇所を検知するものとしてもよい。
(作業走行)
各作業通路Lの作業レールR,R上においては、左右の前輪2a,2aで駆動し、左右の後輪2b,2bの車軸2gの左右方向中央部に設けたロータリエンコーダ等の作業距離センサ2sで作業レールR,R上の作業走行距離を計測する。該作業距離センサ2sにより、作業走行と移動走行の識別が可能となり、また、作業位置情報を得ることができる。
農作業ロボット1には、植物の状態を診断する診断ユニットや、植物の管理をする管理ロボット、作物を収穫する収穫ロボット等の作業装置Wを備えているが、これらの作業装置Wは栽培棚の所定範囲内に対して作業する能力を備えており、農作業ロボット1が所定距離ずつ移動することで、均等な範囲で作業を行うことが可能になる。
前記作業距離センサ2sが農作業ロボット1の作業走行距離を検知することにより、作業装置Wの作業に適した距離を自動的に移動することが可能となり、作業能率の向上が図られると共に、作業が行われない範囲の発生が防止され、植物の安定した生育や、適切な時期の作物の収穫が可能になる。
なお、図16及び図17に示すとおり、作業装置Wは、作業距離センサ2sが所定距離を検知して農作業ロボット1の作業走行が停止した後、所定時間後(例:10〜20秒)に作動開始する制御構成とすると、農作業ロボット1の停止時に作業装置Wが慣性で揺らいでいる状態で作業を開始することを防止できるので、作業装置Wの作業が不安定になることが防止される。このとき、図17に示すとおり、後述する作業位置毎の作業記録を制御装置100が記録するものとする。
上記の所定時間の検知は、制御装置100に組み込むタイマーで行うものとする。
また、作業装置Wの作業後、所定時間をおいて農作業ロボット1の作業走行を再開させ、作業距離センサ2sで作業走行距離を計測する構成とする。
前記左右の後輪2b,2b側に作業距離センサ2sを設けるのは、前記左右の後輪2b,2bが左右の走行モータ4a,4aから駆動力を受けないものであり、作業レールR,Rに左右の後輪2b,2bが接地しなくなると作業距離センサ2sが回転を検知しなくなり、移動通路Fへの移動が開始されていると判断させるためである。逆に、作業レールR,Rに左右の後輪2b,2bが接地して回転すると、作業走行に移行したことが判断できる。
これにより、対物検知部材Sの各検知範囲D1,D2,D3を適切なタイミングで変更することができるので、障害物との接触で農作用ロボット1が破損したり、その場から移動せず作業が中断されることが防止されると共に、茎葉部等を誤検知し、走行停止または後退して作業が中断されることが防止される。
(移動走行)
図11及び図12に示すとおり、各作業通路Lの出入口には標識カーテンMを設け、対物検知部材Sが移行走行時の検知範囲D3において該標識カーテンMを検知した状態で、且つ作業距離センサ2sの回転検知が停止すると、栽培条の出口から移動通路Fに出た時から路上走行輪3a,3aによる走行装置Tの移動距離を移動距離センサ3s,3sが計測開始し、所定距離の計測時に旋回して車体が移動方向を向き、次の栽培条に向かう距離計測によって自律的に移動できるので省力化できる。
また、図12に示すとおり、栽培条同士の距離は、栽培棚及び左右の作業レールR,Rを設置した段階で決まっているので、この距離情報を制御装置100に記録することにより、前記左右の移動距離センサ3s,3sが検知する移動距離により、農作業ロボット1を決まった位置で旋回させることができる。これにより、農作業ロボット1を作業レールR,Rから移動通路Fに移動し切った段階で旋回させ、移動通路Fを次の栽培棚に向かって直進させることができると共に、移動通路Fにおいて、次の栽培棚に沿って敷設した作業レールR,Rに直進で進入が可能な位置で旋回させることができるので、作業レールR,Rへの移動ができず作業が中断されることが防止されると共に、円滑に作業レールR,Rに農作業ロボット1を移動させることができ、作業能率が向上する。
なお、農作業ロボット1の作業によっては、移動通路に沿って左右方向に複数設置された栽培棚のうち、所定の栽培棚のみで作業を行うことがあるが、図13で示すとおり、現在作業中の栽培棚の番号を「1」とし、次に作業をする栽培棚の番号からこの「1」を引くと、次に作業を行う栽培棚に到着するまでに農作業ロボットが通過する栽培棚の数を算出することができる。
一例として、次に作業をする栽培棚の番号を「5」とすると、農作業ロボット1が旋回するまでの栽培棚の数は「5−1」=4個となる。よって、対物検知部材Sが検知範囲D3で標識カーテンMを4回検知すると、制御装置100は農作業ロボット1を旋回させる。
あるいは、図14に示すとおり、栽培棚同士の左右間隔は一定であるので、現在作業中の栽培棚の番号を「1」とすると、次に作業を行う栽培棚の番号からこの「1」を引いた数に左右間隔をかけると、移動すべき距離が算出される。
一例として、栽培棚同士の左右間隔を「3メートル」とし、次に作業をする栽培棚の番号を「5」とすると、農作業ロボット1が旋回するまでの距離は「5−1」×「3」=「4」×「3」=12メートルとなる。よって、農作業ロボット1は、左右の移動距離センサ3s,3sが12メートルの移動を検知すると、制御装置100は農作業ロボット1を旋回させる。
これにより、次に作業を行う栽培棚に農作業ロボット1を移動させる制御を簡潔化することができ、旋回位置を認識させるためだけのセンサ等を別途設ける必要が無く、農作業ロボット1の構成が簡潔化される。
移動通路Fの走行用車輪は、左右独立して駆動する駆動輪3a,3aであり、走行モータ4a,4a及び移動距離センサ3s,3sを左右一対設ける。また、農作業ロボット1の走行装置Tの旋回に合わせて遊転可能なキャスタ式補助輪3b,3bを設ける。
図13及び図14に示すとおり、前記作業距離センサ2sが後輪2b,2bの回転を検知しなくなり、作業通路Lから農作業ロボット1が出たと制御装置100が判定すると、前記左右の走行モータ4a,4aのうち、旋回外側を正転、旋回内側を逆転させることにより、農作業ロボット1をその場で旋回させる構成とする。このとき、移動距離センサ3s,3sの回転数の検知により、農作業ロボット1が90度旋回したと判断されるとき、左右の走行モータ4a,4aを一旦停止させ、旋回を停止させる。その後、所定時間(例:3〜5秒)が経過すると、左右の走行モータ4a,4aを両方とも正転させて、農作業ロボット1を前進させる。
旋回時に左右の走行モータ4a,4aを異なる方向に回転させることにより、農作業ロボット1の旋回半径を小さくすることができるので、栽培棚と栽培施設の壁の間隔が狭い場所であっても、壁や栽培棚に農作業ロボット1が接触することが防止され、旋回走行が妨害されることがなく、作業能率が向上する。
また、キャスタ式補助輪3b,3bが操向可能であることにより、より旋回半径のコンパクト化が図られる。
なお、栽培棚と壁の間隔が広く、旋回半径が大きくても旋回走行に支障が無い作業環境では、旋回外側の走行モータ4aを正転させ、旋回内側の走行モータ4aを停止させて旋回走行してもよい。
(ブラシ)
走行装置Tは、要部斜視図(a)および平面図(b)を図4に示すように、左右の駆動輪2a,2aの前側にそれぞれブラシ11,11を配置することにより、作業レールR,R上の葉や土などを除去しながら走行することができるので、農作業ロボット1のスリップが防止され、作業距離センサ2sによる走行距離が実際の走行距離と異なることが防止され、安定走行が可能となる。また、農作業ロボット1の作業開始前に人手で作業レールR,Rの清掃をする必要がなく、作業に要する時間と労力が軽減される。
前記左右のブラシ11,11は走行部駆動輪2a,2aの前側にノブボルト等で固定することにより、ブラシの清掃、交換が容易となる。また、取付部を上下方向の長孔とすることにより、消耗具合に合わせて上下位置調節することで、長期間の使用が可能となる。
また、左右のブラシ11,11は、平面視で前輪2aに対して機体後側ほど機体外側に向かう傾斜姿勢で配置することにより、作業レールR,R上の茎葉等を機体外側に案内することができるので、茎葉をブラシ11,11で引きずることなく作業レールR,Rの側方に掃き出すことができ、作業レールR,Rに茎葉の破片や汁が付着することが防止される。
(レール終端部)
レール終端部は、その斜視図を図5に示すように、機体前端部に作業レールR,Rの終端検出センサ12とレバー式リミットスイッチ13を設け、地上側の終端板12aに加えて、作業レールR上に設けるストッパ13aの検知により終端を検知すると、制御装置100により左右の走行モータ4a,4aを逆転させ、農作業ロボット1を後退させる制御を行うことにより、終端板12aが傾いていたり、倒れていても農作業ロボット1が作業レールR,Rの終端で止まったままになることが防止され、作業が能率的に行われる。
また、農作業ロボット1が作業レールR,Rから脱落することを防止できるので、農作業ロボット1の破損が防止される。
なお、農作業ロボット1と作業装置Wによる作業は、栽培棚の全長に亘って行うだけでなく、栽培棚の所定範囲(例:全長の半分、全長の4分の1、等)に亘ってのみ行うことがあるので、前記ストッパ13aは磁石やボルト等で作業レールR,Rに着脱可能なものとし、ストッパ13aを所定位置に装着することで、農作業ロボット1が後退する位置を定めることが可能な構成とする。
あるいは、図12に示すとおり、作業レールR,Rの始端から終端までの長さは、敷設時にわかっている情報であるので、この長さを制御装置100に記録しておき、前記作業距離センサ2sが作業レールRの長さ分、乃至作業レールRの全長よりやや短い距離(例:−50〜−80cm)を移動すると、制御装置100が左右の走行モータ4a,4aを逆転させ、農業用ロボット1を後退させ、作業レールR,Rの始端側、即ち移動通路F側に移動させる構成としてもよい。
なお、作業通路Lの終端側が、移動通路Fと同様に作業通路Lに直交する向きの通路であれば、仮に農作業ロボット1の走行装置Tが作業レールR,Rの終端部から出てしまっても、左右の駆動輪3a,3a及びキャスタ式補助輪3b,3bが接地するので、転倒するおそれはない。農作業ロボット1が作業レールR,Rから完全に離れたときは、左右の後輪2b,2bが回転しなくなり、作業距離センサ2sの検知が停止する。
これを利用して、農作業ロボット1が作業レールR,Rからオーバーランした際に、作業レールR,R上に戻らせる方法を、図19のフローチャートで説明する。
農作業ロボット1が作業レールR,R上を移動する際、制御装置100は、作業距離センサ2sが正転(作業レールR,Rの始端側から終端側に向かう往路)、逆転(始端側に戻る復路)のどちらに回転しているかを検知し、正転が継続されている間は往路を移動していると判定し、逆転が検知されると復路に移行したと判断する。このとき、逆転を検知することなく作業距離センサ2sの検知が停止すると、制御装置100は農作業ロボット1が作業レールR,Rの終端側からオーバーランしたと判断する。
これにより、制御装置100は左右の走行モータ4a,4aを逆転に切り替えて農作業ロボット1を後退走行させ、作業レールR,R側に移動させる。そして、左右の後輪2b,2bが作業レールR,Rに接地して作業距離センサ2sが逆転を検知すると、制御装置100は、終端検出センサ12またはレバー式リミットスイッチ13が終端を検知した場合と同様に、作業レールR,Rにおける復路の移動に切り替わったと判定する。
このとき、制御装置100は、作業距離センサ2sが正転のまま検知を停止してから、逆転の検知を開始するまでに要した時間を、栽培棚の番号と共に記録し、オーバーランの発生がどの位置での作業中に生じたかを記録してもよい。
上記により、終端検出センサ12及びレバー式リミットスイッチ13が機能していなくても、オーバーランした農作業ロボット1を自動的に作業レールR,R上に復帰させることができるので、農作業ロボット1の作業装置Wによる自動作業が中断されることがなく、作業能率が向上する。
また、オーバーランした農作業ロボット1を作業レールR,R上に戻す作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。
また、レール終端の検出センサ12とレバー式リミットスイッチ13を機体前部に設け、車輪2aの手前に、レバー式リミットスイッチのストッパ13bを配置すると、レバー式リミットスイッチ13が車輪2aとレールストッパ13aに挟まれて破損することを防止できるので、部品の交換が不要になり作業コストが低減されると共に、農作業ロボット1が作業レールR,Rから脱落することが防止される。
(伝動系)
上述のとおり、走行装置Tは、レール走行輪である前輪2a,2aと路上走行輪である駆動輪3a,3aと、路上走行輪を独立駆動する走行モータ4a,4aを設けて各々正逆転可能に構成している。このように、作業走行と移動走行を別の走行部材とすることで、定められた場所ごとに適した走行が可能になるので、移動が円滑になると共に、過度の振動等が発生しにくく作業装置Wがぶれにくく、作業能率と作業精度が向上する。また、旋回動作によって自由度が向上し、レール走行輪と路上走行輪を左右の移動走行モータで駆動するので、構成が簡易化される。
(移動通路での旋回位置)
図13に示すとおり、作業通路Lの出入口検知で対物検知部材Sが標識カーテンMを検知し、且つ左右の後輪2b,2bが作業レールR,Rから離脱して作業距離センサ2sが回転を検知しなくなると、前記左右の駆動輪3a,3aの回転を左右の移動走行距離センサ3s,3sが検知して移動距離を計測し、移動距離が所定距離になると旋回外側の走行モータ4aを正転、旋回内側の走行モータ4aを逆転させて機体を旋回させることにより、出入口から所定距離位置離れた位置で機体の旋回が可能となる。
これにより、農作業ロボット1が旋回時に栽培棚に接触することなく移動通路Fに移動できるので、農作業ロボット1の破損が防止されると共に、作業レールR,Rから移動通路Fへの移動が円滑に行われるので、作業能率が向上する。
(接地高さ)
図1から図3に示すとおり、移動通路F上の駆動輪3a,3aはレール走行輪である前輪2a及び後輪2bより下位で接地するように構成し、前方に作業レールR,Rに沿わせる左右のガイドローラ2c,2cを設けることにより、前輪2a及び後輪2bの影響を受けることなく路上旋回が可能となるので、進行方向を直進に向けやすく、移動に要する時間が抑えられ、作業能率が向上する。
(レールガイド)
図2、図3に示すとおり、前記左右のガイドローラ2c,2cは、内側付勢スプリング2d,2dを介して設けることにより、農作業ロボット1が作業レールR,Rに進入する位置が、作業レールR,Rに対して左右方向に多少ずれていても、左右のガイドローラ2c,2cが作業レールR,Rの外側面に接触すると、内側付勢スプリング2d,2dが収縮して左右のガイドローラ2c,2cの左右間隔が拡がり、農作業ロボット1を作業レールR,Rに載ることが可能な位置に移動させることができるので、農作業ロボット1のレール進入が自動調節でスムーズになる。
また、農作業ロボット1が作業レールR,Rに載った後は、左右のガイドローラ2c,2cが内側付勢スプリング2d,2dによって作業レールR,Rに押し付けられるので、農作業ロボット1が前輪2a,2a、後輪2b,2bだけでなく左右のガイドローラ2c,2cによって作業レールR,Rに接地するので、走行姿勢の安定が図られ、作業装置Wの作業精度が向上する。
(作業レールに向かうときの旋回位置)
図13に示すとおり、農作業ロボット1が作業通路Lを出て旋回し、移動通路Fを所定距離移動して次に作業を行う栽培棚の作業通路LのレールR,Rに進入するときは、左右の移動距離センサ3s,3sが検知した移動通路上Fの移動距離が所定距離になると、制御装置100が旋回外側の走行モータ4aを正転、旋回内側の走行モータ4aを逆転させることにより、農作業ロボット1を作業通路L側に向かせる。そして、農作業ロボット1が90度旋回したことを左右の移動距離センサ3s,3sが検知すると、左右の走行モータ4a,4aを停止させ、停止後所定時間(例:5〜10秒)が経過すると左右の走行モータ4a,4aを正転させることで、農作業ロボット1を次の作業通路Lの作業レールR,Rに向かって移動させることができる。
なお、上記の旋回時の旋回外側は、移動通路Fに沿う直進作業中を基準として、作業通路Lから遠い側が旋回外側であり、作業通路Lから近い側が旋回内側となる。
なお、標識カーテンMは、栽培棚の移動通路F側の面にも設け、移動走行中の対物検知部材Sに移行走行中の検知範囲D3、即ち機体側方も検知させ、移動距離センサ3s,3sが所定距離の移動を検知すると共に、対物検知部材Sの機体側方に標識カーテンMの検知があると、制御装置100により旋回動作させる構成としてもよい。
本件の農作業ロボット1を用いるのは、移動通路Fに直交する方向に複数の栽培棚を設置すると共に、栽培棚の側方に作業通路Lを形成する栽培施設であることが多い。そして、これらの作業通路Lは、図8に示すとおり、移動通路Fの一側方だけでなく、他側方にも設けられることもある。これら一側方及び他側方を、左右方向と定義する。
上記の栽培施設内で作業する農作業ロボット1は、移動通路Fから作業通路Lに向かう際、移動通路Fに対して左右の両方に旋回する必要がある。作業対象の栽培棚が左右両方にあるとき、移動通路Fから左右のどちら側に旋回するかは、制御装置100に作業対象の栽培棚の番号と、その栽培棚が右側であるか左側であるかを記録しておけば、移動通路Fでの走行中に対物検知部材Sに左右方向の検知範囲D3を検知させ、標識カーテンMを設定回数検知すると、左右の走行モータ4a,4aの回転方向を制御することにより決めることができる。
移動通路Fの始端側(農作業ロボット1の作業開始位置)から終端側に向かって順番に作業を行うときは、最後の栽培棚に対応する作業レールR,Rの始端側から後輪2b,2bが離れて作業距離センサ2sが非検知状態となり、且つ対物検知部材Sが標識カーテンMを検知してからの旋回時に、移動通路Fの始端側の走行モータ4aを逆転、終端側の走行モータ4aを正転させて農作業ロボット1を旋回させ、終端側から始端側に移動させる制御を行うと、農作業ロボット1を自動的に作業開始位置に戻らせることができる。
これにより、作業者が農作業ロボット1を移動させる作業が不要となり、作業者の労力が軽減される。また、制御装置100のタイマーに農作業ロボット1が作業を開始する時間を設定しておけば、所定の時間になると始端側の作業開始位置から農作業ロボット1が自動的に動いて作業を行うので、作業の無人化が図られる。
上記の作業順番では、移動通路Fの往路において左右の作業通路Lで作業を行い、復路は作業を行わずに戻る構成であるが、制御装置100に組み込むプログラムを、往路では左右一側の作業通路Lで作業を行い、復路では左右他側の作業通路Lで作業を行うものとしてもよい。
左右一側の最後の作業通路Lで作業を行うと、制御装置100は、移動通路Fの始端側の走行モータ4aを逆転、終端側の走行モータ4aを正転させて農作業ロボット1を旋回させ、復路の移動に切り替える。そして、農作業ロボット1は所定距離走行すると左右他側の作業通路Lに向かって旋回し、最後の作業通路Lでの作業を終えると、旋回して始端側の作業開始位置に戻る構成とする。
なお、この制御は、図13のフローチャートに示す制御を用いるものとする。
これにより、往路と復路で旋回方向を統一することができるので、旋回位置の乱れが生じにくく、移動走行に要する時間が抑えられ、作業能率が向上する。また、作業通路Lに農作業ロボット1が進入できず、作業が中断されることが防止される。
(補助ガイド)
前記作業伝動機構である作業伝動チェーン4c,4cの巻回域内で、且つ前輪2aと駆動輪3の前後間、及び後輪2bと駆動輪3の前後間に、左右それぞれ2箇所ずつ補助ガイド部材2e,2eを設ける。該補助ガイド部材2e,2eは、平面視において外側端部が前輪2a,後輪2bと駆動輪3aの左右間に位置する構成とする。
補助ガイド部材2e,2eを作業伝動チェーン4c,4cの巻回域内に臨ませることにより、作業伝動チェーン4c,4cの弛みを抑えることができるので、走行モータ4a,4aの伝動が正常に伝動されず走行停止することが防止され、作業能率の低下が防止される。
また、補助ガイド部材2e,2eの外側端部は機体下方に向かって折り曲げており、左右の作業レールR,Rの外側に臨む構成とする。これにより、農作業ロボット1が振動しても姿勢が大幅に乱れることを防止できるので、作業能率及び作業精度が向上する。
(作業装置)
作業装置Wは、走行装置Tの上部にボルト等の固定部材を介して着脱自在に搭載することにより、走行機体の共用化が可能となる。作業装置Wは栽培棚で栽培する植物に対して作業するものであるので、走行装置Tは共通のものを用いることができる。これにより、作業毎に走行装置Tと作業装置Wが一体不可分である農作業ロボット1を用意する必要がなく、作業コストの削減が図られる。
(作業記録)
作業装置Wを作動させる位置を決める作業動作プログラムを制御装置100に組込み、作業距離センサ2sが計測している作業走行距離と、移動距離センサ3s,3sが計測している移動走行距離を機体の位置情報として取得し、この位置情報を作業装置Wの作業情報と関連付けて記録することにより、作業場所における個々の作業位置別の実施作業の結果を容易に確認することができる。
例えば、作業通路Lのうち、第1列Aの作業位置が十ヶ所に分けられている場合は、位置情報をA1〜A10と設定し、A1で行われた作業内容、A2で行われた作業内容…を別々に記録する。この個別の位置情報は、作業距離センサ2sが測定を開始してから測定終了するまでの作業位置情報に、作業装置Wが実行した作業内容情報を組み合わせて、制御装置100が作成する。
作業装置Wが、作物の収穫装置である場合は、「A1:収量10.5kg、作物平均サイズL」「A2:収量8.7kg、作物平均サイズM」「A3:収量8.8kg、作物平均サイズM」…と記録する。これにより、所定範囲ごとに作物の生育状態や収穫結果を判断しやすくなるので、植物の栽培方法の改善点が把握しやすくなり、次回以降の栽培作業の能率化や、栽培作物の品質、収量の増加が図られる。
なお、農作業ロボット1にGPS受信装置(図示省略)を設け、GPS座標に作業情報を結び付けて、制御装置100が位置情報を記録する構成とすると、より細かい植物の栽培に関する情報の取得が可能になる。
(記録情報)
上記に加えて、図18に示すとおり、走行装置Tに位置情報と作業情報を関連付けた記録の情報保存装置を設け、記録に識別名を付与する識別名付与プログラムで位置情報に基づく識別名を記録に付与することにより、作業位置と作業内容とその結果の分析が可能となる。
例えば、作業領域内の栽培棚構成例の平面図を図8に示すように、複数の棚区画を有する栽培棚の間に設けた作業通路L…と、これらに接続する移動通路Fを作業ロボットが走行して作業を実施する場合に、光合成、受粉、害虫、防除等の作業について、栽培棚のレーン番号(例:1〜10)と棚区画番号別(例:A〜K)に、作業内容、作業の日時を関連付けて識別名を記録に付与する。
また、日時プログラムの組み込みにより、保存する記録に時間情報関連付けて、記録の識別名に、ハウス番号等の作業場所と、作業場所内における位置の情報と日時を用いることにより、具体的な作業場所と作業日時を容易に把握でき、詳細分析によって作業の能率、精度の向上が可能となる。
一例として、記録に付されるファイル名には、作業を行った日時(例:2016年4月1日0時34分56秒=20160401123456)と、作業内容を示すコード(例:診断作業=01、収穫作業=02、防除作業=03)と、栽培棚レーン番号(例:1〜10)と、棚区画番号別(例:A〜K)を付与し、位置情報と作業情報を関連付けた記録が、いつ、どんな作業を、どの場所で行ったかをファイル名から認識できるものとする。
上記の日時は制御装置100に内蔵する時計機能から取得し、作業内容コードは走行装置Tに装着する作業装置Wから取得する。作業装置Wが複数の機能を備えるときは、実行された作業に合わせて別途コードを付与する構成としてもよい。
さらに、作業が正常に行われたものであるか、あるいは途中で異常が生じたものであるかを識別するコード(例:正常=N、異常:E)等を付与する構成としてもよい。
なお、ファイル名に付与する情報の順番は、制御装置100の操作パネル(図示省略)や、通信可能なタブレット端末等で、作業者が把握しやすい順番に自由に設定できるものとする。
(ガード板)
走行装置Tの左右側面部には、走行部の側面図(a)と正面図(b)を図6に示すように、作物保護用のガード板21,21を取付けることにより、栽培棚から垂れ下がった茎等を傷めずに作業走行が可能となる。
取付部は、要部分解斜視図(a)と部分断面図(b)を図7に示すように、ガード板21,21の内側部に段付ピン22,22を取付け、走行装置側の差込孔23,23に着脱可能に取付けることにより、必要に応じて取外し、洗浄等のメンテナンスが容易となる。
(技術的意義)
上述の構成の農作業ロボットの技術的意義をまとめると、次のとおりである。
農作業ロボットは、走行装置Tが作業走行中か移動走行中かを判定する走行状態判定手段と、左右の検知幅を切替え可能に機体前方の物体の有無を検知する対物検知部材Sとを設け、走行状態判定手段が作業走行の判定の場合に対物検知部材Sの検知範囲を狭くし、また、移動走行の判定であれば検知範囲を広くするとともに、対物検知部材Sの検知時に走行装置Tを停止または後退可能に制御装置を構成することにより、対物検知部材Sが前方の物体を検知すると走行装置Tが停止または後退する作動制御を設けたことにより、走行装置Tや作業装置Wが進路上にある物体と接触して破損することを防止できる。
この場合において、作業走行中は対物検知手段の前方検知範囲幅が狭くなることにより、作物栽培条や栽培用の架台等の構造物が作業通路に近接していても、対物検知部材Sによる検知を防止できるので、無用の走行停止が防止され、作業能率が向上する。
そして、移動走行中は対物検知部材Sの検知範囲を広くすることにより、作物栽培条の外で移動通路の周辺にある物体を確実に検知して対応走行することができるので、走行装置Tや作業装置Wの破損が防止される。
また、走行装置Tは、作業通路Lの左右の作業レールR,R上を走行するための作業走行部材2を備え、この作業走行部材2は、駆動走行体である前輪2aと従動走行体である後輪2bとで構成し、この後輪2bの回転を作業距離センサ2sで検知し、この検知量から作業走行距離を計測することにより、作業走行中であるか否かを判定することができるので、作業走行と移動走行の識別が可能になる。
また、走行装置Tは、移動通路Fを走行するための移動走行部材3である駆動輪3a,3aを備え、この駆動輪3a,3aの駆動を移動距離センサ3sで検知し、この検知量から移動走行距離を計測する。また、作業通路Lの出入口には、対物検知部材Sが検出可能な出入口標識部材である標識カーテンMを設け、制御装置100は、対物検知部材Sが標識カーテンMを検知し、作業距離センサ2sが作業移動距離を検出しなくなると移動距離センサ3s,3sにより走行装置Tの移動走行距離の計測を開始し、この移動走行距離が所定値に達すると走行装置Tが次の作物栽培条に向かって移動走行するように制御することにより、対物検知部材Sが標識カーテンMを検知し、作業距離センサ2sが走行距離を計測しなくなってから走行装置Tが所定距離を移動走行すると、農作業ロボット1が次の作物栽培条に向かって移動することから、自律的に次の作物栽培条に移動させることができるので、人手で農作業ロボット1を移動させる必要がなく、省力化が図られる。
また、作業距離センサ2sが作業走行距離を計測しなくなると、移動距離センサ3s,3sが計測する移動走行距離に基づき、次の作物栽培条に向かって移動することにより、適切な位置に移動することができる。
また、駆動輪3a,3a3は、左右一対でそれぞれが進退動作可能で移動距離を計測可能に構成すると共に、その前後位置を自在に遊転支持可能なキャスタ式補助輪3b,3bを設ける。制御装置100は、対物検知部材Sが標識カーテンMを検知してから左右の移動距離センサ3s,3sが所定の移動走行距離を計測したときに、左右の駆動輪3a,3aを互いに逆方向させるべく、左右の走行モータ4a,4aを互いに異なる方向に作動制御して旋回することにより、左右の駆動輪3a,3aの中間点を中心として走行装置Tを旋回させることができるので、農作業ロボット1の旋回半径が小さく抑えられ、旋回走行中に農作業ロボット1が作物栽培棚等に接触することが防止される。
また、旋回に合わせてキャスタ式補助輪3b,3bが自在に遊転支持することにより、走行装置Tを円滑に旋回させることができるので、旋回軌跡が乱れて旋回半径が大きくなることが防止される。
また、対物検知部材Sは、走行装置Tの前方の物体の有無を検知する前方領域と、走行装置Tの側方の標識部材を検知する側方領域と、走行装置Tの斜め前側の物体の有無を検知する前斜め領域を有しており、制御装置は、走行状態判定手段が移動走行を判定すると前斜め領域の検知を行うように構成することで、対物検知部材Sが前方領域と側方領域と前斜め領域を検知範囲として有することにより、対物検知部材Sを複数設ける必要がなく、部品数の削減により構成の簡潔化や軽量化が図られる。
また、走行状態判定手段が移動走行を判定すると前斜め領域の検知を行うことにより、作業走行中の誤検知が防止され、作業能率が向上する。
さらに加えて、以下の技術的意義を有する
走行装置Tは、作業走行用の作業走行部材2と、移動走行用の移動走行部材3と、正逆転制御可能な走行モータ4a,4aと、この走行モータ4a,4aから移動走行部材3である駆動輪3a,3aを介して作業走行部材2に伝動する移動伝動機構4b,4b及び作業伝動機構4c,4cとを左右独立に正逆転制御可能に構成することにより、作業走行と移動走行を異なる前輪2a、後輪2b及び駆動輪3aで行うことにより、走行する場所に適した走行ができるので、走行姿勢が安定し、作業能率や作業の精度が向上する。
左右の走行モータ4a,4aは、前輪2a、後輪2b及び駆動輪3aを左右に分けて互いに逆転動作可能に駆動させることにより、走行装置Tを旋回させることができるので、走行の自由度が向上する。
また、左右に分けて移動伝動機構4b,4bを介して走行モータ4a,4aから駆動輪3a,3aに伝動し、これら左右の駆動輪3a,3aからそれぞれ作業伝動機構4c,4cを介して対応する側の前輪2a,2aに伝動することにより、左右の前輪2a、後輪2b及び駆動輪3aを左右の走行モータ4a,4aで駆動することができるので、部品点数の削減が図られる。
また、左右の駆動輪3a,3aの接地高さ位置を左右の前輪2a及び後輪2bの接地高さ位置よりも低位置に構成すると共に、左右の前輪2a,2aの機体前側に走行装置Tを作業レールR,Rに案内可能な左右のガイドローラ2c,2cを設けたことから、移動通路Fでは、左右の前輪2a及び後輪2bよりも下方の左右の駆動輪3a,3aが接地することにより、左右の前輪2a及び後輪2bと左右の駆動輪3a,3aが同時に接地しないので、左右の駆動輪3a,3aで旋回走行する際に前輪2a及び後輪2bが接地して旋回軌跡を乱すことが防止される。
また、左右のガイドローラ2c,2cを内側方向に付勢する内側付勢スプリング2d,2dを設けたことにより、作業レールR,Rに接触したガイドローラ2c,2cが機体外側に移動することができるので、作業レールR,Rに対する走行装置Tの進入位置が自動的に合わせられ、農作業ロボット1が作業レールR,Rに載れず、作業が中断されることが防止される。
また、左右の後輪2b,2bの作動による作業走行距離を計測する作業距離センサ2sを後輪車軸2gに設け、駆動輪3a,3aの作動による移動走行距離を計測する移動距離センサ3s,3sを前輪車軸2f,2fに設け、作業距離センサ2sが作業走行距離を計測しなくなったときからの移動距離センサ3s,3sによる移動走行距離が所定距離に到達すると左右の走行モータ4a,4aにより走行装置Tを旋回制御することにより、走行装置Tが作業レールR,Rに沿って作業走行しているか否かを判断することができるので、移動距離センサ3s,3sの計測する距離に基づく走行装置の旋回が可能になる。
また、作業距離センサ2sは、作業走行量に応じて回転する左右の後輪2b,2bを走行装置Tに設けて構成し、作業距離センサ2sが後輪車軸2gの回転を検知して作業走行距離を計測することにより、作業走行が終了すると同時に作業走行距離の計測を終了させることができるので、移動距離センサ3s,3sが移動走行距離を計測し始めるタイミングが乱れることが防止され、走行装置Tの旋回位置の適正化が測られる。
また、作物栽培条の出入口を検知する対物検知部材Sを左右の前輪2a及び後輪2bよりも機体前側に設け、左右の駆動輪3a,3aの作動から移動走行距離を計測する左右の移動距離センサ3s,3sを各々設け、対物検知部材Sが作物栽培条の出入口を検知すると左右の移動距離センサ3s,3sに移動走行距離を計測させ、所定距離に到達すると左右の走行モータ4a,4aにより走行装置を旋回制御することにより、作物栽培条の出入口を検知してから所定距離を移動走行した後に走行装置を旋回させることにより、適切な位置で旋回することができる。
また、左右の作業伝動機構4c,4cをチェーン巻回部材で構成し、これら左右のチェーン巻回域内に作業レールR,Rに接触して走行装置Tの姿勢を安定させる補助ガイド部材2e,2eを設けたことにより、走行装置Tの振動等によって作業装置Wの作業姿勢が乱れることを防止できるので、作業装置Wの作業能率や作業精度が向上する。
また、補助ガイド部材2e,2eを作業伝動機構4c,4cのチェーン巻回域内に設けたことにより、補助ガイド部材2eがチェーンの弛みを抑えることができるので、作業走行中に不必要な走行停止が生じることが防止される。
また、作業装置Wは、走行装置Tに着脱自在に設けることにより、異なる作業であっても同じ走行装置Tを用いることができるので、作業装置Wごとに走行装置Tを用意する必要がなくなり、作業コストの低減が図られる。
また、選択された作物栽培条で作業を行わせる選択作業プログラムを制御装置に組み込み、移動距離センサ3s,3sが計測した移動走行距離に基づき選択された作物栽培条に走行装置Tを移動制御することにより、選択された作物栽培条にのみ走行装置Tを移動制御して作業を行わせることができ、作業装置Wが不必要な作業を行うことを防止できるので、作業能率が向上する。
また、作業装置Wを作動させる位置を決める作業動作プログラムを制御装置に組み込み、作業距離センサ2sが計測している作業走行距離と、移動距離センサ3sが計測している移動走行距離から走行装置Wの位置情報として取得し、この位置情報を作業装置Wの作業情報と関連付けて記録することにより、作業場所のどの位置でどのような作業が行われたかを容易に確認することができる。
また、位置情報と作業情報を関連付けた記録を保存する情報保存装置を設け、保存する記録に識別名を付与する識別名付与プログラムを制御装置に組み込み、記録が保存されるとき、位置情報に基づく識別名を記録に付与することにより、どの位置でどのような作業を行い、どのような結果が得られたかを分析することができるので、他の作業装置Wを用いた作業の最適化が図られ、作業能率や精度の向上を図ることができ、また、現在の作物の栽培の問題点を作業位置毎に判断することにより、現在または次回以降の栽培方法の改善を図ることができるので、栽培作物の品質が向上する。
また、制御装置に日時プログラムを組み込み、保存する記録に日時情報を関連付ける構成とし、制御装置は、記録の識別名に「作業領域の識別名」と「作業領域における位置情報」と「日時」を用いることにより、具体的な作業場所と作業が行われた日時を容易に把握することができるので、作業内容の分析をより詳細に行うことができ、作業能率や精度の向上を図ることができる。
1 農作業ロボット
2 作業走行部材
2a 駆動走行体
2b 従動走行体
2s 作業距離センサ
3 移動走行部材
3a 主走行体
3b キャスター式補助輪
3s 移動距離センサ
F 移動通路
L 作業通路
M 出入口標識部材
R レール
S 対物検知部材
T 走行装置
W 作業装置

Claims (5)

  1. 作物栽培条に沿う作業通路(L)を作業走行すると共に、別の作物栽培条に沿う作業通路(L)に通じる移動通路(F)を移動走行する走行装置(T)と、作物栽培条の栽培作物について農作業を行う作業装置(W)と、これら走行装置(T)と作業装置(W)を制御する制御装置とを備える農作業ロボットにおいて、
    前記走行装置(T)が作業走行中か移動走行中かを判定する走行状態判定手段と、左右の検知幅を切替え可能に機体前方の物体の有無を検知する対物検知部材(S)とを設け、前記走行状態判定手段が作業走行の判定の場合に前記対物検知部材(S)の検知範囲を狭くし、また、移動走行の判定であれば検知範囲を広くするとともに、前記対物検知部材(S)の検知時に走行装置(T)を停止または後退可能に前記制御装置を構成したことを特徴とする農作業ロボット。
  2. 前記走行装置(T)は、前記作業通路(L)の左右のレール(R,R)上を走行するための作業走行部材(2)を備え、この作業走行部材(2)は、駆動走行体(2a)と従動走行体(2b)とで構成し、この従動走行体(2b)を作業距離センサ(2s)としてその作動量から作業走行距離を計測することを特徴とする請求項1に記載の農作業ロボット。
  3. 前記走行装置(T)は、前記移動通路(F)を走行するための移動走行部材(3)を備え、この移動走行部材(3)を移動距離センサ(3s)としてその作動量から移動走行距離を計測し、また、前記作業通路(L)の出入口には、前記対物検知部材(S)が検出可能な出入口標識部材(M)を設け、前記制御装置は、前記対物検知部材(S)が前記出入口標識部材(M)を検知し、前記作業距離センサ(2s)が作業移動距離を検出しなくなると前記移動距離センサ(3s)により前記走行装置の移動走行距離の計測を開始し、この移動走行距離が所定値に達すると前記走行装置が次の作物栽培条に向かって移動走行するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の農作業ロボット。
  4. 前記移動走行部材(3)は、左右一対でそれぞれが進退動作可能で移動距離を計測可能な主走行体(3a)によって構成すると共に、その前後位置を自在に遊転支持可能なキャスター式補助輪(3b,3b)を設け、前記制御装置は、前記対物検知部材(S)が前記出入口標識部材(M)を検知してから前記左右の移動距離センサ(3s)が所定の移動走行距離を計測したときに、前記左右の主走行体(3a)を互いに逆方向に作動制御して旋回することを特徴とする請求項3に記載の農作業ロボット。
  5. 前記対物検知部材(S)は、前記走行装置(T)の前方の物体の有無を検知する前方領域と、前記走行装置(T)の側方の標識部材を検知する側方領域と、前記走行装置(T)の斜め前側の物体の有無を検知する前斜め領域を有しており、前記制御装置は、前記走行状態判定手段が移動走行を判定すると前斜め領域の検知を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の農作業ロボット。

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