JP2017162669A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL表示装置の紫外線による劣化を抑制しつつ、屋外使用時に色味が生じることのない有機EL表示装置を提供する。【解決手段】有機EL素子の光出射面上に光学フィルムA1を有する有機EL表示装置であって、前記光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルムと、前記ポリエステル系フィルムの前記有機EL素子とは反対側の面上に形成されてなる紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1とを有してなり、前記光学フィルムA1の前記樹脂層a1側の最表面上に、中心波長365nmのブラックライトを照射した際に、前記光学フィルムA1が特定の条件を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL表示装置に関する。
有機EL表示装置は、液晶表示装置に比べて、消費電力が低いことなどから、携帯情報端末等を中心に利用が広がりつつある。
有機EL表示装置は、発光層及び基板等を備えた有機EL素子上に、表面板を有する基本構成を有し、表面板としては主としてガラスが用いられている。
有機EL表示装置には、有機EL素子の発光層に含まれる蛍光体等が紫外線によって劣化されやすいという問題がある。
特に、発光層上にカラーフィルターを有さない有機EL素子を備えた有機EL表示装置や、フレキシブル化のために有機EL素子の透明基板をプラスチックフィルムとした有機EL表示装置は、カラーフィルターや、ガラス製の透明基板によって短波長を吸収できないため、有機EL素子を構成する蛍光体や燐光体等の紫外線による劣化が懸念される。
有機EL素子の紫外線による劣化を抑制するために、特許文献1では、発光層と基板との間に紫外線吸収層を形成した有機EL素子を提案している。
特許文献1の手段では、有機EL素子の紫外線による劣化を抑制することはできる。
しかし、特許文献1の手段では、有機EL素子の製造工程が複雑化するという問題がある。
特開2007−103028号公報
一方、有機EL素子の光出射面上には、各種の光学フィルムが配置される場合がある。かかる光学フィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステル系フィルムを基材とした光学フィルムが用いられる場合がある。
ポリエステル系フィルムの中でもポリエチレンナフタレートフィルムは、薄膜でも高いリタデーション値を付与できることから、有機EL表示装置全体の厚みを薄くしながらリタデーション値に起因する干渉ムラを抑制できるものである。しかも、ポリエチレンナフタレートフィルムは紫外線吸収性に優れるため、特許文献1のように表示素子内に紫外線吸収層を形成しなくても、有機EL素子の紫外線による劣化を抑制することが可能である。
しかし、ポリエチレンナフタレートフィルムを基材とした光学フィルムを用いた場合、屋外での使用時に画面が青白く感じられ、色味が損なわれる場合があった。
上述したように、有機EL表示装置は携帯情報端末として用いられることが多く、屋外で頻繁に用いられるため、屋外使用時の色味は重大な問題であった。
本発明は、有機EL表示装置の紫外線による劣化を抑制しつつ、屋外使用時に色味が生じることのない有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究した。その結果、ポリエチレンナフタレートフィルムが紫外線の波長領域の光を吸収し、可視光の短波長領域の光を蛍光発光することを見出した。そして、紫外線吸収性能に優れるポリエチレンナフタレートフィルムに対して、あえて紫外線吸収剤を含有する樹脂層を形成することにより、上記課題を解決するに至った。
本発明は、以下の有機EL表示装置を提供する。
[1]有機EL素子の光出射面上に光学フィルムA1を有する有機EL表示装置であって、前記光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルムと、前記ポリエステル系フィルムの前記有機EL素子とは反対側の面上に形成されてなる紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1とを有してなり、前記光学フィルムA1が下記条件1を満たす、有機EL表示装置。
<条件1>
前記光学フィルムA1の前記樹脂層a1側の最表面上に、中心波長365nmのブラックライトをブラックライトの光出射面と前記光学フィルムA1とが平行になるように配置する。前記光学フィルムA1を挟んで前記ブラックライトと正対する位置に分光放射輝度計を配置する。前記ブラックライトを発光させ、前記分光放射輝度計により、前記光学フィルムA1の前記ブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。さらに、前記分光放射輝度計により、前記ブラックライト自体の法線方向における光の分光放射輝度y1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。
波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度x1の累積値をT、波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度y1の累積値をLとした際に、T/L≦1.00の関係を満たす。
[2]有機EL素子の光出射面上に光学積層体A2を有する有機EL表示装置であって、前記光学積層体A2は、ポリエステル系フィルムと、前記ポリエステル系フィルムの前記有機EL素子とは反対側に配置された紫外線吸収剤を含有する樹脂層a2とを有してなり、前記光学積層体A2は偏光子を含まず、前記光学積層体A2が下記条件2を満たす、有機EL表示装置。
<条件2>
前記光学積層体A2の前記ポリエステル系フィルムよりも前記樹脂層a2側の最表面上に、中心波長365nmのブラックライトをブラックライトの光出射面と前記光学フィルムとが平行になるように配置する。前記光学積層体A2を挟んで前記ブラックライトと正対する位置に分光放射輝度計を配置する。前記ブラックライトを発光させ、前記分光放射輝度計により、前記光学積層体A2の前記ブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x2を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。さらに、前記分光放射輝度計により、前記ブラックライト自体の法線方向の光の分光放射輝度y2を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。
波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度x2の累積値をT、波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度y2の累積値をLとした際に、T/L≦1.00関係を満たす。
本発明の有機EL表示装置は、有機EL表示装置の紫外線による劣化を抑制しつつ、屋外使用時に色味が生じることを防止できる。
本発明の有機EL表示装置の一実施形態を示す断面図である。 本発明の有機EL表示装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機EL表示装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機EL表示装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機EL表示装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明の有機EL表示装置の他の実施形態を示す断面図である。 ブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度の波長分布、及び、PENフィルムにブラックライトを照射した際の照射面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度の波長分布を示す一例である。 ブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度の波長分布、及び、PETフィルムにブラックライトを照射した際の照射面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度の波長分布を示す一例である。 ブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度の波長分布、並びに、光学フィルムA1の樹脂層a1側の面にブラックライトを照射した際の照射面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度の波長分布を示す一例である。
以下、本発明の有機EL表示装置の実施形態を説明する。
なお、本明細書において、ポリエチレンナフタレートフィルムのことを「PENフィルム」、ポリエチレンテレフタレートフィルムのことを「PETフィルム」と称する場合がある。
[第一の実施形態]
本発明の有機EL表示装置の第一の実施形態は、有機EL素子の光出射面上に光学フィルムA1を有する有機EL表示装置であって、前記光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルムと、前記ポリエステル系フィルムの前記有機EL素子とは反対側の面上に形成されてなる紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1とを有してなり、前記光学フィルムA1が下記条件1を満たすものである。
<条件1>
前記光学フィルムA1の前記樹脂層a1側の最表面上に、中心波長365nmのブラックライトをブラックライトの光出射面と前記光学フィルムA1とが平行になるように配置する。前記光学フィルムA1を挟んで前記ブラックライトと正対する位置に分光放射輝度計を配置する。前記ブラックライトを発光させ、前記分光放射輝度計により、前記光学フィルムA1の前記ブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。さらに、前記分光放射輝度計により、前記ブラックライト自体の法線方向における光の分光放射輝度y1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。
波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度x1の累積値をT、波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度y1の累積値をLとした際に、T/L≦1.00の関係を満たす。
図1〜図3は、本発明の有機EL表示装置の第一の実施形態の一例を示す断面図である。
図1〜図3の有機EL表示装置(100)は、有機EL素子(10)の光出射面上に、光学フィルムA1(20)を有し、該光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルム(21)の有機EL素子とは反対側の面上に紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1(22)を有している。また、図1の有機EL表示装置(100)は、光学フィルムA1(20)上に表面板(30)が配置され、図2及び図3の有機EL表示装置(100)は、光学フィルムA1(20)を表面板(30)として配置している。また、図1〜図3の有機EL表示装置(100)は、有機EL素子(10)と光学フィルムA1(20)との間に、その他の光学フィルム(40)として偏光子(50)を有している。また、図3の有機EL表示装置(100)は、タッチパネル(70)を有するタッチパネル付きの有機EL表示装置(100A)である。
また、図1〜図3の有機EL表示装置(100)の有機EL素子(10)は、金属電極(14)、発光層(13)、透明電極(12)及び透明基板(11)から構成されている。さらに、図1〜図3の発光層(13)は、赤発光層(13a)、緑発光層(13b)及び青発光層(13c)を有している。図1〜図3の有機EL表示装置(100)の有機EL素子(10)は、三色独立方式の有機EL素子の一実施形態を示している。
また、図1〜図3の有機EL表示装置(100)は、各部材を単に重ね合わせただけで、各部材の間に空気層が介在する状態を示している。図1〜図3では、空気層が介在することを分かりやすくするために、各部材間の距離を誇張表現している。
なお、第一の実施形態の有機EL表示装置は、図1〜図3の形態に限定されない。例えば、有機EL表示装置(100)を構成する各部材は接着剤層を介するなどして一体化されたものであってもよい。
<条件1>
条件1は、紫外線(ブラックライト)の照射を照射した際に、光学フィルムA1を構成するポリエステル系フィルムから蛍光発光が生じることを防止していることを示している。
条件1を満たさない場合、屋外での使用の際に画面が青白く感じられてしまう。
以下、図面を用いて条件1をさらに説明する。
図7及び図8の実線は、中心波長365nmのブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度の波長分布の一例である。図7の一点鎖線は、該ブラックライトをPENフィルムに照射した際の、PENフィルムのブラックライト照射面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度の波長分布の一例である。図8の破線は、該ブラックライトをPETフィルムに照射した際の、PETフィルムのブラックライト照射面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度の波長分布の一例である。
図7及び図8より、PENフィルム、PETフィルム等のポリエステル系フィルムは、紫外線を照射した際に、可視光の短波長領域の光を蛍光発光することが確認できる。また、PENフィルムの蛍光発光のピーク値は、PETフィルムの蛍光発光のピーク値の約20倍であることが確認できる。
なお、図7及び図8において、縦軸の「E−05」は10のマイナス5乗、「E−04」は10のマイナス4乗、「E−03」は10のマイナス3乗を示している。
次に、図9の実線は、中心波長365nmのブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度の波長分布の一例である。図9の破線は、PENフィルム上に紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1を有してなる光学フィルムA1の樹脂層a1側の最表面に該ブラックライトを照射した際の、光学フィルムA1のブラックライト照射面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度の波長分布の一例である。
図7と図9との対比により、紫外線吸収性に優れるPENフィルムに対して、あえて紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1を形成することにより、紫外線を照射した際に、PENフィルムから蛍光発光が生じることを防止できることが確認できる。
なお、図9において、縦軸の「E−05」は10のマイナス5乗を示している。
以上のように、条件1を満たすことは、光学フィルムA1が紫外線を受光した際に、光学フィルムA1を構成するポリエステル系フィルムから可視光の短波長領域の蛍光発光が生じることを防止することを示している。つまり、条件1を満たすことにより、有機EL表示装置を屋外で使用した際に、画面が青白く感じられることを防止できる。
なお、条件1では、光学フィルムA1の前記ブラックライトが照射された面とは反対側の面(光学フィルムA1の視認者側とは反対側の面)の法線方向の光の分光放射輝度x1を測定しているが、蛍光発光は全方位に均等に散乱するため、分光放射輝度x1は、光学フィルムA1の視認者側の面の法線方向の光の分光放射輝度と実質的に等しいと言える。後述する第二の実施形態の条件2についても同様のことが言える。
条件1において、「400〜470nm」は、図7のPENフィルムにブラックライトを照射した際のPENフィルムの法線方向の光の分光放射輝度の波長分布(図7の一点鎖線)において、発光のピーク値[約9.2×10−4(W/sr/m/nm)]の1/2の値[約4.6×10−4(W/sr/m/nm)]を示す波長の上下限を基準としたものである。つまり、400〜470nmは、PENフィルムの蛍光発光が強い波長範囲を示している。後述する第二の実施形態の条件2についても同様のことが言える。
条件1では、T/L≦0.70の関係を満たすことが好ましく、T/L≦0.50の関係を満たすことがより好ましく、T/L≦0.45の関係を満たすことがさらに好ましい。
条件1では、照射距離40cmでの紫外線照度が6000μW/cmのブラックライトを用いて、ブラックライトと光学フィルムA1との距離を40cmとして、ブラックライトを照射することが好ましい。ここで、紫外線照度とは、UV−A(波長315〜400nm)の波長域の照度を1nmごとに測定し、波長315〜400nmの各波長の照度を積算した値である。
太陽光の紫外線照度は約6000μW/cmである。したがって、照射距離40cmでの紫外線照度が6000μW/cmのブラックライトを用いて、かつブラックライトと光学フィルムA1との距離を40cmとする条件(以下、「屋外紫外線条件」と称する。)とすることにより、屋外環境に合致した測定条件とすることができる。つまり、前記屋外紫外線条件において、条件1を満たすことが好ましい。後述する第二の実施形態の条件2についても同様のことが言える。
なお、後述する実施例では、照射距離40cmでの紫外線照度が6000μW/cm以上のブラックライトを用いて、ブラックライトと光学フィルムA1との距離を1cmとしている。つまり、後述する実施例では、前記屋外紫外線条件よりも紫外線照度が強い環境としている。前記屋外紫外線条件よりも紫外線照度が強い環境において条件1を満たす場合、前記屋外紫外線条件でも当然条件1を満たすといえる。
通常、ブラックライトから発光される光のうち、波長400nm以上の光は、人間が殆ど識別できない程度の強さである。条件1で用いるブラックライトは、上記L(波長400〜470nmの各波長のブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度y1の累積値)が0.0020W/sr/m/nm以下であることが好ましく、0.0015W/sr/m/nm以下であることがより好ましい。
条件1において、分光放射輝度計は汎用のものを用いることができる。
なお、本明細書において、法線方向の光の分光放射輝度の測定は、測定角を0.2度として測定するものとする。
<光学フィルムA1>
光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルムと、ポリエステル系フィルムの有機EL素子とは反対側の面上に形成されてなる紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1とを有してなり、上記条件1を満たすものである。
<ポリエステル系フィルム>
光学フィルムA1を構成するポリエステル系フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、ポリエチレンナフタレートフィルム(PENフィルム)及びポリブチレンテレフタレートフィルム(PBTフィルム)等が挙げられる。これらポリエステル系フィルムは、機械的強度を高めるとともに、リタデーション値を大きくする観点から、延伸ポリエステル系フィルムであることが好ましい。延伸は、縦一軸延伸、テンター延伸、逐次二軸延伸及び同時二軸延伸等が挙げられる。
また、ポリエステル系フィルムの中でも、PENフィルムが好ましい。PENフィルムは、薄膜で高いリタデーション値を得ることができ、有機EL表示装置全体の厚みを薄くしながらリタデーション値に起因する干渉ムラを抑制できる点で優れている。また、PENフィルムは紫外線吸収性にも優れている。なお、「干渉ムラ」とは、偏光サングラスをかけて画面を観察した際に視認される虹状のムラのことをいう。
ポリエステル系フィルムは、干渉ムラの防止と薄膜化のバランスの観点から、リタデーション値が3,000〜30,000nmのものが好ましく、5,000〜20,000nmのものがより好ましく、6,000〜15,000nmのものがさらに好ましく、8,000〜14,000nmのものがよりさらに好ましい。なお、ここでいうリタデーション値は波長550nmにおけるリタデーション値である。
ポリエステル系フィルムのリタデーション値は、ポリエステル系フィルムの面内において屈折率が最も大きい方向である遅相軸方向の屈折率nと、ポリエステル系フィルムの面内において前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率nと、ポリエステル系フィルムの厚みdとにより、下記式によって表わされるものである。
リタデーション値(Re)=(n−n)×d
上記リタデーション値は、例えば、王子計測機器社製の商品名「KOBRA−WR」、「PAM−UHR100」により測定できる。
また、以下のステップによりリタデーション値を計算することもできる。
(1)二以上の偏光子を用いて、ポリエステル系フィルムの配向軸方向(主軸の方向)を求めた後、二つの軸(配向軸の屈折率、及び配向軸に直交する軸)の屈折率(n、n)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製 NAR−4T)によって求める。ここで、より大きい屈折率を示す軸を遅相軸と定義する。
(2)光学フィルムの厚みdを、マイクロメーター(商品名:Digimatic Micrometer、ミツトヨ社製)等により測定し、単位をnmに換算する。
(3)複屈折率(n−n)と、フィルムの厚みd(nm)との積より、リタデーションを計算する。
ポリエステル系フィルムの厚みは、取り扱い性及び薄膜化の観点から、5〜300μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましく、15〜100μmであることがさらに好ましい。
<樹脂層a1>
樹脂層a1は紫外線吸収剤を含有する層であり、ポリエステル系フィルムの有機EL素子とは反対側の面上に形成されてなるものである。
ポリエステル系フィルムがPENフィルムである場合、PENフィルムは紫外線吸収性に優れることから、PENフィルム上に紫外線吸収剤を含有する層を形成しなくても、有機EL素子を構成する蛍光体や燐光体等が紫外線により劣化することを防止できる。第一の実施形態では、ポリエステル系フィルムが紫外線吸収性に優れるPENフィルムである場合であっても、あえて紫外線吸収層を形成することにより、PENフィルムからの蛍光発光の発生を防止することを可能としている。
樹脂層a1は、紫外線吸収剤とバインダー樹脂とを含むことが好ましい。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤は、UV−A(波長315〜400nm)の領域に吸収ピークを有するものが好ましく、波長350〜390nmの領域に吸収ピークを有するものがより好ましく、波長360〜380nmの領域に吸収ピークを有するものがさらに好ましい。
波長350〜390nmの領域に吸収ピークを有する紫外線吸収剤としては、サセモール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。波長360〜380nmの領域に吸収ピークを有する紫外線吸収剤としては、サセモール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。
サセモール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にサセモールを結合させた化合物(サセモール型ベンゾトリアゾール系単量体)を含む組成物の重合体が挙げられる。サセモール型ベンゾトリアゾール系単量体としては、下記一般式(I)に示す化合物が挙げられる。

[式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基または炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のオキシアルキレン基を表す。)]
レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール環の2位の窒素原子にレゾルシノールを結合させた化合物(レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体)を含む組成物の重合体が挙げられる。レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体としては、下記一般式(II)に示す化合物が挙げられる。

[式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Rは炭素数1〜6の直鎖状または枝分かれ鎖状のアルキレン基を表す。Rは水素原子または炭素数1〜18の炭化水素基を表す。)]
サセモール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物、及びレゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物には、その他の単量体を含んでもよい。
その他の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和単量体;等が挙げられる。
レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物、またはサセモール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物を共重合反応させる際の重合方法は従来公知の溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法等を採用することができ、特に限定されるものではない。
紫外線吸収剤の含有量は、条件1を満たしやすくする観点、及び樹脂層a1から紫外線吸収剤がブリードすることを抑制する観点から、樹脂層a1の全固形分の10〜95質量%であることが好ましく、30〜93質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることがさらに好ましく、70〜85質量%であることがよりさらに好ましい。上記サセモール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物の重合体、あるいは上記レゾルシノール型ベンゾトリアゾール系単量体を含む組成物の重合体は、分子量が大きく、ブリードしにくいため、含有量を比較的多くしやすい点で好適である。
バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、及び電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。これらの中でも、耐久性及び傷抑制の観点から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物及び電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物がより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられ、その中でもエチレン性不飽和結合基が好ましい。また、エチレン性不飽和結合基の中でも(メタ)アクリレート基が好ましい。以下、(メタ)アクリロイル基を有する電離放射線硬化性化合物を(メタ)アクリレート系化合物と称する。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。また、本明細書において、「電離放射線」は、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
電離放射線硬化性化合物は、上記官能基を2つ以上有する多官能の電離放射線硬化性化合物、あるいは、多官能の電離放射線硬化性化合物と、上記官能基を1つのみ有する単官能の電離放射線硬化性化合物との混合物であることが好ましい。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
なお、樹脂層a1のバインダー樹脂を、接着剤組成物、あるいは接着剤組成物の硬化物としてもよい。バインダー樹脂をかかる構成とすることにより、樹脂層a1を接着剤層として機能させ、光学フィルムA1と表面板等の他の部材とを一体化することができる。
接着剤組成物としては、汎用の感圧接着剤組成物、感熱接着剤組成物、電離放射線硬化性接着剤組成物等が挙げられる。
樹脂層a1は粒子を含有してもよい。樹脂層中に粒子を含有することにより、防眩性等を付与することができる。
粒子としては、光透過性を有するものであれば特に限定されず、有機粒子及び無機粒子の何れも用いることができる。また、粒子の形状は特に限定されず、球形、円盤状、ラグビーボール状、不定形等の形状が挙げられる。また、粒子は中空粒子、多孔質粒子及び中実粒子の何れであってもよい。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる粒子が挙げられる。
無機粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子が挙げられる。
粒子の含有量は、樹脂層a1のバインダー樹脂100質量部に対して0.2〜15.0質量%であることが好ましく、0.5〜10.0質量%であることがより好ましく、1.0〜6.0質量%であることがさらに好ましい。
樹脂層a1の厚みは、条件1を満たしやすくする観点、及び薄型化のバランスの観点から、1〜800μmであることが好ましく、2〜250μmであることがより好ましく、3〜100μmであることがさらに好ましく、5〜20μmであることがよりさらに好ましい。
樹脂層a1は、ポリエステル系フィルム上に直接形成されていなくてもよい。例えば、光学フィルムA1は、樹脂層a1とポリエステル系フィルムとの間に、易接着層などの他の層を有していてもよい。また、光学フィルムA1における樹脂層a1の位置は、有機EL素子とは反対側の最表面となる位置とすることが好ましい。
また、光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルムの有機EL素側の面上に、機能層を有していてもよい。該機能層としては、密着防止層、干渉防止層、紫外線吸収層等が挙げられる。また、有機EL素側の紫外線吸収層は、樹脂層a1と同一の構成であってもよいし、樹脂層a1と異なる構成であってもよい。
光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルムの蛍光発光を抑制し、条件1を満たしやすくする観点から、360〜380nmの分光透過率の平均が0.15%以下であることが好ましく、0.10%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることがさらに好ましく、0.02%以下であることがよりさらに好ましい。
同様の観点から、光学フィルムA1は、370〜380nmの分光透過率の平均が0.15%以下であることが好ましく、0.10%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることがさらに好ましく、0.02%以下であることがよりさらに好ましい。
360〜380nmの波長、その中でも370〜380nmの波長は、PENの蛍光発光に大きく影響していると考えられる。このため、これら波長域の分光透過率が上記範囲であることが好ましい。
本明細書において、360〜380nmの分光透過率の平均、及び370〜380nmの分光透過率の平均は、測定波長を0.5nm間隔とした際の各波長の透過率の平均値を意味する。分光透過率の測定条件は、2度視野として、光源はD65を用いることが好ましい。
第一の実施形態の有機EL表示装置内における光学フィルムA1を配置する場所は、有機EL素子の光出射面上であれば特に限定されない。
なお、図1〜3のように、有機EL表示装置内に、その他の光学フィルム(40)として偏光子50を有する場合、光学フィルムA1(20)は偏光子(50)よりも視認者側に設置することが好ましい。言い換えると、光学フィルムA1と有機EL素子との間に偏光子を設置することが好ましい。偏光子と光学フィルムA1とを前記のような配置関係として、光学フィルムA1のリタデーション値を上述した好適な範囲とすることにより、リタデーション値に特有の干渉ムラを抑制しやすくできる。
光学フィルムA1は、例えば、偏光子の保護フィルム、表面板(30)、タッチパネル(70)の構成部材等の用途として、有機EL表示装置内で用いることができる。また、光学フィルムA1は、前記用途を有さなくても、干渉ムラ抑制用の部材として、有機EL表示装置内で用いることができる。
<その他の光学フィルム>
第一の実施形態の有機EL表示装置は、光学フィルムA1とは別のその他の光学フィルムを有していてもよい。
その他の光学フィルムとしては、偏光子、1/4λ板、位相差フィルム等が挙げられる。
偏光子は、光学フィルムA1と有機EL素子との間に設置することが好ましい。
偏光子としては、ポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム及びエチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等をヨウ素等により染色して延伸してなるシート型偏光子;平行に並べられた多数の金属ワイヤからなるワイヤーグリッド型偏光子;リオトロピック液晶や二色性ゲスト−ホスト材料を塗布した塗布型偏光子;多層薄膜型偏光子;等が挙げられる。なお、これらの偏光子は、透過しない偏光成分を反射する機能を備えた反射型偏光子であってもよい。
偏光子の両面は、プラスチックフィルム等の透明保護板で覆うことが好ましい。透明保護板として、光学フィルムA1を用いることも可能である。
有機EL表示装置において、偏光子は、例えば、1/4λ板との組み合わせにより反射防止性を付与するために使用される。
1/4λ板及び位相差フィルムは、汎用のものを用いることができる。1/4λ板は偏光子よりも有機EL素子側に配置することが好ましい。位相差フィルムは偏光子の有機EL素子側に配置することが好ましい。
<表面板>
有機EL表示装置の有機EL素子とは反対側の最表面には、表面板が設置されることが好ましい。
該表面板は樹脂製の表面板であることが好ましい。表面板がガラス製である場合、ガラスの紫外線吸収特性により、ポリエステル系フィルムの蛍光発光は生じにくい。このため、表面板が樹脂製の表面板である場合に、第一の実施形態の効果が顕著に発現される。
樹脂製の表面板は、単層のプラスチックフィルムであってもよいし、複数のプラスチックフィルムを接着剤層を介して貼り合わせたものであってもよい。また、樹脂製の表面板として、上記光学フィルムA1を用いてもよい。
樹脂製の表面板を構成するプラスチックフィルムとしては、耐屈曲性の観点から、ポリイミドフィルム又はアラミドフィルムであることが好ましい。
樹脂製の表面板の厚みは、薄膜化と有機EL素子の保護の観点から、10〜1000μmであることが好ましく、300〜800μmであることがより好ましい。
<有機EL素子>
有機EL素子としては、主として、色変換方式、カラーフィルター方式、三色独立方式の3つのタイプに分類される。
色変換方式は、金属電極、青発光層、蛍光層(赤蛍光層、緑蛍光層)、カラーフィルター(青カラーフィルター)、透明電極及び透明基板という基本構成からなる。色変換方式では、青発光層からの光を、赤蛍光層及び緑蛍光層で赤、緑に変換し、青はカラーフィルターを 通して高彩度化している。
カラーフィルター方式は、金属電極、白色発光層、カラーフィルター(赤、緑、青の三色のカラーフィルター)、透明電極及び透明基板という基本構成からなる。カラーフィルター方式では、白色発光層からの光をカラーフィルターで赤、緑、青に変換している。
三色独立方式は、図1〜3に示すように、金属電極、発光層(赤発光層、緑発光層、青発光層がそれぞれ独立して存在)、透明電極及び透明基板という基本構成からなる。三色独立方式では、カラーフィルターを用いることなく、赤、緑、青の3原色を作り出している。
第一の実施形態では、有機EL素子は三色独立方式の有機EL素子であることが好ましい。
三色独立方式の有機EL素子は、赤、緑、青の分光スペクトルがそれぞれシャープである。赤、緑、青の分光スペクトルがそれぞれシャープであると、CIE−xy色度図において、赤の頂点座標はxの値が大きくyの値が小さくなり、緑の頂点座標はxの値が小さくyの値が大きくなり、青の頂点座標はxの値が小さくyの値が小さくなる。つまり、赤、緑、青の分光スペクトルがそれぞれシャープであると、CIE−xy色度図において赤、緑、青の各色の頂点座標を結んだ三角形の面積が大きくなり、再現できる色域の幅が広くなる。一方、再現できる色域の幅が広いことは、外部要因(例えば紫外線によるPENフィルムの蛍光発光)により、色域が影響を受けやすいことを意味している。このため、三色独立方式の有機EL素子は、第一の実施形態の効果が有効に発揮されやすいという点で好適である。
また、有機EL素子は光取り出し効率が課題となっており、光取り出し効率を向上させるために、三色独立方式の有機EL素子には、マイクロキャビティ構造が備えられていることが多い。マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL素子は、光取り出し効率を向上させればさせるほど赤、緑、青の分光スペクトルがシャープとなる。このため、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式の有機EL素子は、第一の実施形態の効果が特に有効に発揮されやすいという点で好適である。
色域を表す規格としては、「ITU−R勧告 BT.2020(以下、「BT.2020」と称する。)」等が挙げられる。ITU−Rは、「International Telecommunication Union - Radiocommunication Sector(国際電気通信連合 無線通信部門)」の略称であり、ITU−R勧告 BT.2020は、スーパーハイビジョンの色域の国際規格である。有機EL素子は、下記式で表されるCIE−xy色度図に基づくBT.2020のカバー率が60%以上のものが好ましく、65%以上のものがより好ましく、70%以上のものがさらに好ましい。
<BT.2020のカバー率を表す式>
[有機EL素子のCIE−xy色度図の面積のうち、BT.2020のCIE−xy色度図の面積と重複する面積/BT.2020のCIE−xy色度図の面積]×100(%)
BT.2020のカバー率を算出する際に必要となる「有機EL素子のCIE−xy色度図の面積」は、赤表示、緑表示、及び青表示の際のCIE−Yxy表色系のx値及びy値をそれぞれ測定し、該測定結果から得られた「赤の頂点座標」、「緑の頂点座標」及び「青の頂点座標」から算出できる。CIE−Yxy表色系のx値及びy値は、例えば、コニカミノルタ社製の分光放射輝度計CS−2000で測定できる。
第一の実施形態では、有機EL素子を構成する透明基板はガラス板でもよいが、樹脂板であることが好ましい。
有機EL素子を構成する透明基板がガラス板の場合、ガラスの紫外線吸収特性により、ポリエステル系フィルムの蛍光発光は生じにくい。このため、有機EL素子を構成する透明板が樹脂板である場合に、第一の実施形態の効果が顕著に発現される。また、有機EL素子を構成する透明基板を樹脂板とすることにより、有機EL表示装置にフレキシブル性を付与できる。後述する第二の実施形態でも同様のことが言える。
第一の実施形態の有機EL表示装置は、有機EL素子の発光層より光出射面側にガラス板を有さないことが好ましい。
有機EL素子の発光層より光出射面側にガラス板を有する場合、ガラスの紫外線吸収特性により、ポリエステル系フィルムの蛍光発光は生じにくい。このため、有機EL素子の発光層より光出射面側にガラス板を有さない場合に、第一の実施形態の効果が顕著に発現される。また、有機EL素子の発光層より光出射面側にガラス板を有さない構成とすることにより、有機EL表示装置にフレキシブル性を付与できる。後述する第二の実施形態でも同様のことが言える。
<タッチパネル>
第一の実施形態の有機EL表示装置は、有機EL素子の光出射面上にタッチパネルを備えたタッチパネル付きの有機EL表示装置であってもよい。
タッチパネルと光学フィルムA1との位置関係は特に限定されない。例えば、図3に示すように、有機EL素子(10)と光学フィルムA1(20)との間にタッチパネル(70)を有してもよいし、光学フィルムA1(20)上にタッチパネル(70)を有してもよい。また、タッチパネル(70)の構成部材として光学フィルムA1(20)を用いてもよい。
タッチパネルとしては、抵抗膜式タッチパネル、静電容量式タッチパネル、電磁誘導式タッチパネル、光学式タッチパネル及び超音波式タッチパネル等が挙げられる。
静電容量式タッチパネルは、表面型及び投影型等が挙げられ、投影型が多く用いられている。投影型の静電容量式タッチパネルは、X軸電極と、該X軸電極と直交するY軸電極とを絶縁体を介して配置した基本構成に、回路が接続されてなるものである。該基本構成をより具体的に説明すると、(1)1枚の透明基板上の別々の面にX軸電極及びY軸電極を形成する態様、(2)透明基板上にX軸電極、絶縁体層、Y軸電極をこの順で形成する態様、(3)透明基板上にX軸電極を形成し、別の透明基板上にY軸電極を形成し、接着剤層等を介して積層する態様等が挙げられる。また、これら基本態様に、さらに別の透明基板を積層する態様が挙げられる。
抵抗膜式タッチパネルは、導電膜を有する上下一対の透明基板の導電膜同士が対向するようにスペーサーを介して配置されてなる構成を基本構成として、該基本構成に回路が接続されてなるものである。
タッチパネルの構成部材として光学フィルムA1(20)を用いる具体例としては、上記静電容量式タッチパネルの透明基板として光学フィルムA1(20)を用いる構成、上記抵抗膜式タッチパネルの透明基板として光学フィルムA1(20)を用いる構成が挙げられる。
[第二の実施形態]
本発明の有機EL表示装置の第二の実施形態は、有機EL素子の光出射面上に光学積層体A2を有する有機EL表示装置であって、前記光学積層体A2は、ポリエステル系フィルムと、前記ポリエステル系フィルムの前記有機EL素子とは反対側に配置された紫外線吸収剤を含有する樹脂層a2とを有してなり、前記光学積層体A2は偏光子を含まず、前記光学積層体A2が下記条件2を満たすものである。
<条件2>
前記光学積層体A2の前記ポリエステル系フィルムよりも前記樹脂層a2側の最表面上に、中心波長365nmのブラックライトをブラックライトの光出射面と前記光学フィルムとが平行になるように配置する。前記光学積層体A2を挟んで前記ブラックライトと正対する位置に分光放射輝度計を配置する。前記ブラックライトを発光させ、前記分光放射輝度計により、前記光学積層体A2の前記ブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x2を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。さらに、前記分光放射輝度計により、前記ブラックライト自体の法線方向の光の分光放射輝度y2を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。
波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度x2の累積値をT、波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度y2の累積値をLとした際に、T/L≦1.00関係を満たす。
図4〜図6は、本発明の有機EL表示装置の第二の実施形態の一例を示す断面図である。
図4〜図6の有機EL表示装置(100)は、有機EL素子(10)の光出射面上に、光学積層体A2(60)を有している。また、図4〜図6において、光学積層体A2(60)は、ポリエステル系フィルム(61)と、ポリエステル系フィルムの有機EL素子とは反対側に配置された紫外線吸収剤を含有する樹脂層a2(62)とを有している。また、図4〜図6において、光学積層体A2(60)は偏光子を含んでいない。
また、図4〜図6の有機EL表示装置(100)は、有機EL素子(10)と光学積層体A2(60)との間に偏光子(50)を有している。また、図5及び図6の有機EL表示装置(100)は、表示素子(10)上にタッチパネル(70)を有するタッチパネル付きの有機EL表示装置(100A)である。さらに、図6の有機EL表示装置(100)は、偏光子(10)の有機EL素子側に1/4λ板(64)を有している。
また、図4及び図5では、光学積層体A2(60)内で各部材が接着剤層(80)を介して一体化して積層されている。一方、図6では全ての部材は一体化されておらず、タッチパネル(70)とハードコート層(63)との間に空気層が介在している。なお、図6の空気層は、空気層が介在することを分かりやすくするために、タッチパネル(70)とハードコート層(63)との間の距離を誇張表現している。また、図4及び図6では、樹脂層a2(62)が接着剤層(80)を兼ねている。
また、図4〜図6の有機EL表示装置(100)の有機EL素子(10)は、三色独立方式の有機EL素子の一実施形態を示している。
<条件2>
条件2は、紫外線(ブラックライト)の照射を照射した際に、光学積層体A2を構成するポリエステル系フィルムから蛍光発光が生じることを防止していることを示している。
条件2を満たさない場合、屋外での使用の際に画面が青白く感じられてしまう。
第一の実施形態で述べたように、PENフィルム、PETフィルム等のポリエステル系フィルムは、紫外線を照射した際に、可視光の短波長領域の光を蛍光発光する(図7及び図8)。したがって、ポリエステル系フィルムを含む光学積層体A2も、紫外線を照射した際には同様の現象が発生する。
第二の実施形態では、光学積層体A2のポリエステル系フィルムの有機EL素子とは反対側に紫外線吸収剤を含有する樹脂層a2を形成することにより、紫外線を照射した際に、ポリエステル系フィルムから蛍光が生じることを防止し、条件2を満たすことができる。
条件2では、T/L≦0.70の関係を満たすことが好ましく、T/L≦0.50の関係を満たすことがより好ましく、T/L≦0.45の関係を満たすことがさらに好ましい。
条件2で用いるブラックライトは、上記L(波長400〜470nmの各波長のブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度y2の累積値)が0.0020W/sr/m/nm以下であることが好ましく、0.0015W/sr/m/nm以下であることがより好ましい。
<光学積層体A2>
光学積層体A2は、ポリエステル系フィルムと、ポリエステル系フィルムの有機EL素子とは反対側に配置された紫外線吸収剤を含有する樹脂層a2とを有してなり、偏光子を含まず、上記条件2を満たすものである。
なお、光学積層体A2は、図4及び図5のように、各部材が接着剤層80を介するなどして一体化するように積層されたもの、及び、図6のように、各部材の一部又は全部が接着剤層等を介することなく重ね合わせたもの、の何れであってもよい。
界面反射を抑制する観点からは、光学積層体A2の各部材は空気層を有することなく、接着剤層を介するなどして一体化されていることが好ましい。
<ポリエステル系フィルム>
光学積層体A2を構成するポリエステル系フィルムの実施形態は、上述した第一の実施形態のポリエステル系フィルムと同様の実施形態を採用することができる。
<樹脂層a2>
樹脂層a2は紫外線吸収剤を含有する層であり、有機EL表示装置内において、ポリエステル系フィルムの有機EL素子とは反対側に配置される。
光学積層体A2の中における樹脂層a2の位置は、ポリエステル系フィルムを基準として有機EL素子とは反対側であれば特に制限されない。樹脂層a2(62)の位置としては、図4に示すように、ポリエステル系フィルム(61)と表面板(30)との間、図5に示すように、ポリエステル系フィルム(61)とタッチパネル(70)との間、図6に示すように、タッチパネル(70)の上、などが挙げられる。
また、図4及び図6のように、樹脂層a2(62)は接着剤層(80)を兼ねていてもよい。
樹脂層a2の実施形態は、上述した第一の実施形態の樹脂層a1と同様の実施形態を採用することができる。樹脂層a2を該構成とすることで、条件2を満たしやすくできる。
光学積層体A2は、ポリエステル系フィルム、樹脂層A2以外の部材を有していてもよい。かかる部材としては、表面板、タッチパネル、1/4λ板、接着剤層等が挙げられる。
光学積層体A2を構成する表面板の実施形態は、上述した第一の実施形態の表面板と同様の実施形態を採用することができる。例えば、光学積層体A2を構成する表面板は、樹脂製の表面板であることが好ましい。
表面板は、光学積層体A2の構成部材として光学積層体A2に組み込まれていてもよいし、光学積層体A2とは別の構成部材としてもよい。
光学積層体A2を構成するタッチパネルの実施形態は、上述した第一の実施形態のタッチパネルと同様の実施形態を採用することができる。
タッチパネルは、光学積層体A2の構成部材として光学積層体A2に組み込まれていてもよいし、光学積層体A2とは別の構成部材としてもよい。
なお、光学積層体A2の構成部材にはガラス板を含まないことが好ましい。光学積層体A2の構成部材にガラス板を含む場合、ガラスの紫外線吸収特性により、ポリエステル系フィルムの蛍光発光は生じにくくなる。このため、光学積層体A2の構成部材にガラス板を含まない場合に、第二の実施形態の効果が顕著に発現される。
光学積層体A2は、ポリエステル系フィルムの蛍光発光を抑制し、条件2を満たしやすくする観点から、360〜380nmの分光透過率の平均が0.15%以下であることが好ましく、0.10%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることがさらに好ましく、0.02%以下であることがよりさらに好ましい。
同様の観点から、光学積層体A2は、370〜380nmの分光透過率の平均が0.15%以下であることが好ましく、0.10%以下であることがより好ましく、0.05%以下であることがさらに好ましく、0.02%以下であることがよりさらに好ましい。
<その他の光学フィルム>
第二の実施形態の有機EL表示装置は、その他の光学フィルムとして、偏光子、位相差フィルム等を有していてもよい。
偏光子、位相差フィルムの実施形態は、上述した第一の実施形態の偏光子、位相差フィルムと同様の実施形態を採用することができる。
<偏光子>
偏光子は、光学フィルム積層体A2と有機EL素子との間に設置することが好ましい。
第二実施形態の有機EL表示装置における偏光子の実施形態は、上述した第一の実施形態の偏光子と同様の実施形態を採用することができる。偏光子は、接着剤層を介して光学フィルム積層体A2と一体化されていてもよい。
<有機EL素子>
第二の実施形態の有機EL素子の実施形態は、上述した第一の実施形態の有機EL素子と同様の実施形態を採用することができる。例えば、第二の実施形態では、有機EL素子を構成する透明基板はガラス板でもよいが、樹脂板であることが好ましい。
第二の実施形態の有機EL表示装置は、有機EL素子の発光層より光出射面側にガラス板を有さないことが好ましい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
1.ポリエステル系フィルムの作製
<PENフィルムの作製>
ポリエチレンナフタレートを290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃で4.0倍固定端一軸延伸して、面内に複屈折性を有する光学フィルムを作製した。この光学フィルムの波長550nmにおける屈折率n=1.875、n=1.635であり、Δn=0.240であった。
この光学フィルムの膜厚を調整し、リタデーション値12,000nmのPENフィルムを得た。
<PETフィルムの作製>
ポリエチレンテレフタレートを290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃で4.0倍固定端一軸延伸して、面内に複屈折性を有する光学フィルムを作製した。この光学フィルムの波長550nmにおける屈折率n=1.701、n=1.6015であり、Δn=0.0995であった。
この光学フィルムの膜厚を調整し、リタデーション値10,000nmのPETフィルムを得た。
2.サセモール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の合成
四つ口フラスコにジムロート冷却器、水銀温時計、窒素ガス吹き込み管、攪拌装置を取り付け、セサモール型ベンゾトリアゾール系単量体としての2−[2−(6−ヒドロキシベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−イル]エチルメタクリレートを20部、その他の単量体としてのメチルメタクリレートを20部、溶媒としてのトルエンを20部,メチルエチルケトンを20部、および、重合開始剤としての1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を0.6部入れて、攪拌しながら窒素ガス流量10ml/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に、反応液温度90〜96℃で10時間還流状態にて重合反応を行った。重合反応終了後、溶剤(トルエン及びメチルエチルケトン)を追加し、サセモール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含む溶液(固形分40質量%)を得た。
3.光学フィルムA1−1〜A1−4の作製又は準備
上記「1」で作製したPENフィルムの一方の面に、下記処方の樹脂層a1用塗布液1を塗布、乾燥、紫外線照射して、厚み10μmの樹脂層a1を形成し、光学フィルムA1−1(実施例1の光学フィルム)を得た。
<樹脂層a1用塗布液1>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート/10質量部
・上記「2」で合成したサセモール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(吸収ピーク波長370nm)を含む溶液(固形分40質量%)/90質量部
・光重合開始剤/4質量部
・フッ素系レベリング剤/0.2質量部
・希釈溶剤(メチルエチルケトン)/100質量部
樹脂層a1用塗布液1を下記の樹脂層用塗布液2に変更した以外は、光学フィルムA1−1と同様にして、光学フィルムA1−2(比較例1の光学フィルム)を得た。
<樹脂層用塗布液2>
・ペンタエリスリトールトリアクリレート/50質量部
・上記「2」で合成したサセモール型ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(吸収ピーク波長370nm)を含む溶液(固形分40質量%)/50質量部
・光重合開始剤/4部
・フッ素系レベリング剤/0.2質量部
・希釈溶剤(メチルエチルケトン)/100質量部
光学フィルムA1−3(比較例2の光学フィルム)として、上記「1」で作製したPENフィルムを準備した。
光学フィルムA1−4(比較例3の光学フィルム)として、上記「1」で作製したPETフィルムを準備した。
4.法線方向の光の分光放射輝度の測定
(ブラックライトの法線方向の光の分光放射輝度y1)
中心波長365nmのブラックライト(栄進化学社製、商品名:UV−LED LIGHT PB−365、照射距離40cmでの紫外線照度が6000μW/cm以上)を準備した。分光放射輝度計(コニカミノルタ社製、商品名:CS−2000)により、ブラックライト自体の法線方向における光の分光放射輝度y1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定した(測定角は0.2度)。波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度y1の累積値Lを算出した。
(光学フィルムA1−1〜A1−4のブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x1)
光学フィルムA1−1〜A1−4と、ブラックライトの光出射面とが平行になるように配置した。この際、光学フィルムA1−1及び光学フィルムA1−2については、光学フィルムの樹脂層側の面が、ブラックライトの光出射面側を向くように配置した。また、光学フィルムA1−1〜A1−4と、ブラックライトの光出射面との距離は1cm(ブラックライトの外縁の高さ)とした。
次いで、ブラックライトを発光させ、上記分光放射輝度計により、光学フィルムA1−1〜A1−4のブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定した(測定角は0.2度)。波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度x1の累積値Tを算出した。
5.分光透過率の測定
分光光度計(島津製作所製、商品名:UV−2450)を用いて、光学フィルムA1−1〜A1−4の360〜380nmの分光透過率を0.5nm間隔で測定し、360〜380nmの分光透過率の平均、及び370〜380nmの分光透過率を算出した。分光透過率の測定条件は、2度視野として、光源はD65を用いた。
6.評価
市販の有機EL表示装置(有機EL素子は、マイクロキャビティ構造を備えた三色独立方式。BT.2020のカバー率は77%)を準備した。該有機EL表示装置の最表面に、アクリル系接着剤を介して光学フィルムA1−1〜A1−4を貼り合わせた。光学フィルムA1−1及びA1−2は、樹脂層側が表面側(有機EL素子とは反対側)を向くように配置した。
光学フィルムA1−1〜A1−4を貼り合わせた有機EL表示装置を晴天の屋外に持ち出し、画像の状態を目視で評価した。青白く感じられないものを「A」、青白さが若干感じられるものを「C」、青白さが強く感じられるものを「D」とした。
表1の結果から、T/Lが1.00以下であり、条件1を満たす実施例1の有機EL表示装置は、屋外使用時の色味(青白さ)の問題が生じないことが確認できる。なお、表中には記載していないが、実施例1の有機EL表示装置は、偏光サングラスをかけて画像を観察した際に、リタデーション値に特有の干渉ムラが確認されないものであった。
10:有機EL素子
20:光学フィルムA1
21:ポリエステル系フィルム
22:樹脂層a1
30:表面板
40:その他の光学フィルム
50:偏光子
60:光学積層体A2
61:ポリエステル系フィルム
62:樹脂層a2
63:ハードコート層
70:タッチパネル
80:接着剤層
100:有機EL表示装置
100A:タッチパネル付き有機EL表示装置

Claims (11)

  1. 有機EL素子の光出射面上に光学フィルムA1を有する有機EL表示装置であって、前記光学フィルムA1は、ポリエステル系フィルムと、前記ポリエステル系フィルムの前記有機EL素子とは反対側の面上に形成されてなる紫外線吸収剤を含有する樹脂層a1とを有してなり、前記光学フィルムA1が下記条件1を満たす、有機EL表示装置。
    <条件1>
    前記光学フィルムA1の前記樹脂層a1側の最表面上に、中心波長365nmのブラックライトをブラックライトの光出射面と前記光学フィルムA1とが平行になるように配置する。前記光学フィルムA1を挟んで前記ブラックライトと正対する位置に分光放射輝度計を配置する。前記ブラックライトを発光させ、前記分光放射輝度計により、前記光学フィルムA1の前記ブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。さらに、前記分光放射輝度計により、前記ブラックライト自体の法線方向における光の分光放射輝度y1を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。
    波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度x1の累積値をT、波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度y1の累積値をLとした際に、T/L≦1.00の関係を満たす。
  2. 前記光学フィルムA1の360〜380nmの分光透過率の平均が0.15%以下である、請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記ポリエステル系フィルムがポリエチレンナフタレートフィルムである、請求項1又は2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記有機EL表示装置は、前記有機EL素子の発光層より光出射面側にガラス板を有さない、請求項1〜3の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記光学フィルムA1と、前記有機EL素子との間に偏光子を有する、請求項1〜4の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  6. 前記有機EL素子が三色独立方式の有機EL素子である、請求項1〜5の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  7. 有機EL素子の光出射面上に光学積層体A2を有する有機EL表示装置であって、前記光学積層体A2は、ポリエステル系フィルムと、前記ポリエステル系フィルムの前記有機EL素子とは反対側に配置された紫外線吸収剤を含有する樹脂層a2とを有してなり、前記光学積層体A2は偏光子を含まず、前記光学積層体A2が下記条件2を満たす、有機EL表示装置。
    <条件2>
    前記光学積層体A2の前記ポリエステル系フィルムよりも前記樹脂層a2側の最表面上に、中心波長365nmのブラックライトをブラックライトの光出射面と前記光学フィルムとが平行になるように配置する。前記光学積層体A2を挟んで前記ブラックライトと正対する位置に分光放射輝度計を配置する。前記ブラックライトを発光させ、前記分光放射輝度計により、前記光学積層体A2の前記ブラックライトが照射された面とは反対側の面の法線方向の光の分光放射輝度x2を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。さらに、前記分光放射輝度計により、前記ブラックライト自体の法線方向の光の分光放射輝度y2を波長400〜470nmの領域で1nmごとに測定する。
    波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度x2の累積値をT、波長400〜470nmの各波長の分光放射輝度y2の累積値をLとした際に、T/L≦1.00関係を満たす。
  8. 前記ポリエステル系フィルムがポリエチレンナフタレートフィルムである、請求項7に記載の有機EL表示装置。
  9. 前記有機EL表示装置は、前記有機EL素子の発光層より光出射面側にガラス板を有さない、請求項7又は8に記載の有機EL表示装置。
  10. 前記光学積層体A2と、前記有機EL素子との間に偏光子を有する、請求項7〜9の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
  11. 前記有機EL素子が三色独立方式の有機EL素子である、請求項7〜10の何れか1項に記載の有機EL表示装置。
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