以下、図面を参照しながら実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報表示装置1の構成を示す図である。情報表示装置1は、映像投影装置2と、記憶装置3と、制御装置4と、透過性のタッチパネルディスプレイ装置10とを具備している。映像投影装置2は、プロジェクタなどの装置であり、情報を映像として投影するために使用される。タッチパネルディスプレイ装置10は、映像投影装置2から出力される映像を表示する。
図2は、第1実施形態に係る情報表示装置1のタッチパネルディスプレイ装置10の構成を示す分解斜視図である。タッチパネルディスプレイ装置10は、透過性の投影シート11と、複数の静電容量センサ12と、透過性の基材13と、低反射フィルム14とを備えている。
投影シート11の表面は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面として用いられている。投影シート11の表面には、映像投影装置2からの映像が投影される。
投影シート11は、映像投影装置2から出力される映像を表示するスクリーンである。一般的に、照明や外乱光のある環境では、スクリーン自体が白く浮き上がってくるため、必然的に映像の中の黒色が白っぽくなる現象(以下、黒浮きと称する)が生じる。そこで、黒浮きを軽減するためにスクリーンに色を付けたり、照明や外乱光のある環境下でも使えるように黒に近い色にしたスクリーンが市販されている。本実施形態では、投影シート11(スクリーン)に対して透過度を優先するため、投影シート11として半透明型のリア透過フィルムが使用される。投影シート11(リア透過フィルム)の主な材質としてはポリプロピレンが用いられる。透明な部分に映像が表示されるため、例えば、サイネージとして利用される場合は、ユーザの興味を引き付け、広告効果が得られるというメリットがある。
複数の静電容量センサ12は、投影シート11の裏面と基材13の表面との間に、座標を形成するように配置されている。
静電容量センサ12には、従来、透明かつ導電性のある酸化インジウムスズ(ITO(Indium Tin Oxide)、Tin-doped Indium Oxide)が材料として用いられてきたが、近年のタッチパネルの大型化に伴い、銅(Cu)メッシュや銀(Ag)ナノワイヤなどが製品化されている。図2に示されるように、複数の静電容量センサ12は、複数の静電容量センサ12Xと、複数の静電容量センサ12Yとを含んでいる。2枚のPET(ポリエチレンテレフタレート)シート上には、それぞれ、複数の静電容量センサ12X、12Yを形成するために電極が設けられ、2枚のPETシートは、X座標の電極(複数の静電容量センサ12X)とY座標の電極(複数の静電容量センサ12Y)とが互いに直交するように配置される。直交するX座標の電極(複数の静電容量センサ12X)とY座標の電極(複数の静電容量センサ12Y)との間に形成される相互容量の容量変化を検出することにより、ユーザの接触を検出する。また、近年では、1枚のPETシートの表面、裏面にそれぞれX座標の電極(複数の静電容量センサ12X)、Y座標の電極(複数の静電容量センサ12Y)を形成する技術も確立されている。
基材13の裏面は、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面として用いられる。
基材13は、投影シート11、複数の静電容量センサ12、低反射フィルム14をモジュール化するための板である。基材13は、透過性が必要なことから、ガラスやアクリルなどの部材で構成される。
外光の反射を軽減するために、基材13の裏面は、低反射フィルム14の表面で覆われている。実質的には、低反射フィルム14の裏面がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面として用いられる。
低反射フィルム14は、ガラスやアクリルなどに映り込む外光の反射を軽減し、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面を見易くする。すなわち、透過性を上げる役割を担っている。低反射フィルム14は、ハードコート層を形成したベースフィルム(PET:ポリエチレンテレフタレート)の表面に、反射防止膜(無機の誘電体薄膜)がコートされたものであって、2種類の反射波が干渉によって互いに打ち消しあうように形成されている。なお、無機の誘電体薄膜としては、フッ化マグネシウム(MgF2)、シリコン(Si)、二酸化ケイ素(SiO2)などが用いられる。
図3は、第1実施形態に係る情報表示装置1のタッチパネルディスプレイ装置10の構成を示す図であって、図1のA−A’断面図である。
図3に示されるように、投影シート11の表面(タッチパネルディスプレイ装置10の表面)から複数の静電容量センサ12(具体的には、複数の静電容量センサ12Xが形成されたPETシート)までの距離をD1とする。低反射フィルム14の裏面(タッチパネルディスプレイ装置10の裏面)から複数の静電容量センサ12(具体的には、複数の静電容量センサ12Yが形成されたPETシート)までの距離をD2とする。この場合、距離D1と距離D2とは異なる。具体的には、距離D2は、距離D1よりも設定距離DSだけ長い(D1<D2(D2=D1+DS)。
次に、図1〜3を用いて、複数の静電容量センサ12について詳細に説明する。複数の静電容量センサ12は、1画面毎(フレーム毎)に表示面を走査してタッチ位置の座標を検出するように構成されている。なお、タッチパネルディスプレイ装置10の両面において、静電容量センサ12で走査を行っている画面を走査面と称する。
複数の静電容量センサ12は、座標を形成するように、2つのPETシート上に電極がマトリックス状に配置されている。その静電容量センサ12は、ユーザが指示媒体(ペン先またはユーザの指先)を用いてタッチパネルディスプレイ装置10に対して入力操作を行なったときに、タッチパネルディスプレイ装置10に対するユーザの入力を検出することができる。複数の静電容量センサ12は、例えば、2つのPETシートを用いて4096×2160に配置されることにより、所定距離以下に近接した指示媒体(ペン先または記入者の指先)を検出する。なお、座標としては、タッチパネルディスプレイ装置10の表面から見て、左上の角を(0、0)とし、右下の角を(4095、2159)とし、それぞれの座標に対して静電容量が検出される。
図4は、第1実施形態に係る情報表示装置1において、タッチパネルディスプレイ装置10と映像投影装置2との配置を説明するための図である。
タッチパネルディスプレイ装置10は、台31上に設けられている。具体的には、台31上には支持部32が設けられ、支持部32は、地面に対して垂直あるいは垂直に近い状態でタッチパネルディスプレイ装置10を支持している。
映像投影装置2は、天井33に設けられている。具体的には、天井33には支持部34が設けられ、支持部34は、タッチパネルディスプレイ装置10に向けて映像が投影されるように、映像投影装置2を支持している。
次に、図1を用いて、制御装置4、記憶装置3について詳細に説明する。
制御装置4は、センサ駆動部41と、容量変化検知部42と、表裏判定部43と、表示制御部44と、メニュー表示制御部45と、これらの構成要素を制御するCPU(図示しない)とを備えている。記憶装置3にはコンピュータが実行可能なコンピュータプログラムが格納され、CPUはそのコンピュータプログラムを読み出して実行する。
センサ駆動部41は、タッチパネルディスプレイ装置10の複数の静電容量センサ12(複数の静電容量センサ12X、複数の静電容量センサ12Y)を駆動する。
容量変化検知部42は、複数の静電容量センサ12のうちの、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10に接触したときの検出静電容量センサを検知する。容量変化検知部42は、検出静電容量センサ群の検出結果として、検出静電容量センサ群の容量値、数、位置を表す情報を出力する。
表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値、数の少なくとも1つに基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する。
表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に情報が映像として投影(表示)されるように映像投影装置2を制御する。また、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザにより入力された情報を表す描画情報を生成し、描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に映像として投影(表示)されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、記憶装置3は、手書きされた情報、表示方向、グラフ情報等の描画情報を記憶する描画記憶領域と、一時的に描画情報にオーバーラップしてメニューを表示するメニュー操作処理に関する情報を記憶するメニュー記憶領域とを有している。メニュー記憶領域は描画記憶領域とは別レイヤーである。そして、表示制御部44は、自身による描画処理に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に表示する内容を記憶している記憶装置3の描画記憶領域の内容を更新し、メニュー操作処理に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に表示する内容を記憶している記憶装置3のメニュー記憶領域の内容を更新する。
メニューは、タッチパネルディスプレイ装置10の表示領域以外の表示領域(図示しない)に表示される。メニューの表示領域は、例えば、タッチパネルディスプレイ装置10の左端の領域に各種アイコンにより表示される。メニュー表示制御部45は、メニュー操作処理において、ユーザが各種アイコンのうちの選択されたアイコンを手でタッチしたときに、そのアイコンに応じた処理を行なう。本実施形態では、メニュー操作処理の説明については省略する。
次に、投影シート11の表面(タッチパネルディスプレイ装置10の表面)から複数の静電容量センサ12(複数の静電容量センサ12Xが形成されたPETシート)までの距離D1と、低反射フィルム14の裏面(タッチパネルディスプレイ装置10の裏面)から複数の静電容量センサ12(複数の静電容量センサ12Yが形成されたPETシート)までの距離D2と、に差異を設ける理由について説明する。上述のように、本実施形態では、2つの距離D1、D2は、D1<D2という関係である。
まず、図5を用いて、検出静電容量センサ群の容量値、数の求め方について説明する。
ここで、横軸を検出静電容量センサ群の位置とし、縦軸を検出静電容量センサ群の容量値Cとしたときに、検出静電容量センサ群の容量値、位置は、図5に示すような曲線Vにより表される。検出静電容量センサ群の位置は、座標(X座標、Y座標)を表している。
検出静電容量センサ群の容量値Cの求め方については、例えば、検出静電容量センサ群の容量値Cのうちの最も大きい容量値C(容量ピーク値Cp)を「検出静電容量センサ群の容量値C」としている。
検出静電容量センサ群の数の求め方については、例えば、容量閾値Cthを表す直線Lと曲線Vとの2つの交点P1、P2を求めたときに、検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する静電容量センサ12の数(検出数)を「検出静電容量センサ群の数」としている。容量閾値Cthは、容量ピーク値Cpよりも小さい。検出数は、X座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wxと、Y座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wyとを表している。
次に、図5を用いて、2つの距離D1、D2に差異を設けない場合(D1=D2)の不具合について説明する。
2つの距離D1、D2に差異を設けない場合(D1=D2)、図5に示されるように、曲線Vの形状は、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触した場合と、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触した場合とで同じになる。すなわち、検出静電容量センサ群の容量値C、数は、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触した場合と、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触した場合とで同等となる。この場合、検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状も同等となる。このように、2つの距離D1、D2に差異を設けない場合(D1=D2)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定することができない。
そこで、2つの距離D1、D2に差異を設けることで(D1<D2)、曲線Vの形状は、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触した場合と、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触した場合とで異なることになる。すなわち、検出静電容量センサ群の容量値C、数は、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触した場合と、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触した場合とで差異が生じることになる。この場合、検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状にも差異が生じる。したがって、表裏判定部43は、このような差異を検出することにより、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定することができる。
ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する条件としては、以下の(条件A)〜(条件C)の方法が考えられる。
(条件A) 検出静電容量センサ群の容量値Cの差異による判定
(条件B) 検出静電容量センサ群の数(検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状)の差異による判定
(条件C) 上記(条件A)と上記(条件B)との組み合わせによる判定
ここで、第1実施形態では、表裏判定部43は、上述の(条件A)により、すなわち、検出静電容量センサ群の容量値Cの差異により、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する。
図6、7を用いて、第1実施形態に係る情報表示装置1の動作について説明する。図6は、第1実施形態に係る情報表示装置1の表裏判定部43の動作を示すフローチャートである。図7は、第1実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。
容量変化検知部42は、複数の静電容量センサ12のうちの、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10に接触したときの検出静電容量センサ群を検知し、その検出結果として、検出静電容量センサ群の容量値C、数、位置を表す情報を出力する。表裏判定部43は、容量変化検知部42からの検出結果を受け取る(図6のステップS101)。
表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cに基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか否かを判定する。具体的には、図7に示されるように、検出静電容量センサ群の容量値C、位置を表す曲線Vに対して、容量閾値Cth11が設定されている。表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cが容量閾値Cth11以上であるか否かを判定する(図6のステップS102)。
ここで、検出静電容量センサ群のうち、容量値Cが容量閾値Cth11以上の検出静電容量センサが存在する場合(図6のステップS102−Yes)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるものと判定し、その判定結果を表示制御部44に出力する(図6のステップS103)。このとき、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果を受け取る。例えば、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面を表している場合は、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に第1の情報(第1の映像)が表示されるように映像投影装置2を制御する。
このように、2つの距離D1、D2が、D1<D2という関係である場合、タッチパネルディスプレイ装置10の表面は、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面と比べて、検出静電容量センサ群までの距離が短いため、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触すると、検出静電容量センサ群の容量値Cが大きくなる。
一方、検出静電容量センサ群のうち、容量値Cが容量閾値Cth11以上の検出静電容量センサが存在しない場合(図6のステップS102−No)、表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cに基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるか否かを判定する。具体的には、図7に示されるように、検出静電容量センサ群の容量値C、位置を表す曲線Vに対して、更に、容量閾値Cth11より小さい容量閾値Cth12が設定されている。表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cが容量閾値Cth11より小さく、容量閾値Cth12以上であるか否かを判定する(図6のステップS104)。
ここで、検出静電容量センサ群のうち、容量値Cが容量閾値Cth12以上の検出静電容量センサが存在する場合(図6のステップS102−Yes)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるものと判定し、その判定結果を表示制御部44に出力する(図6のステップS105)。このとき、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果を受け取る。例えば、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面を表している場合は、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に第2の情報(第2の映像)が表示されるように映像投影装置2を制御する。
第1実施形態では、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識できるように、第1または第2の情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。例えば、タッチパネルディスプレイ装置10の表面への接触により、問題を表す第1の情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示され、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面への接触により、問題に対する回答を表す第2の情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。
このように、2つの距離D1、D2が、D1<D2という関係である場合、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面と比べて、検出静電容量センサ群までの距離が長いため、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触すると、検出静電容量センサ群の容量値Cが小さくなる。
一方、検出静電容量センサ群の容量値Cが容量閾値Cth12以上の検出静電容量センサが存在しない場合(図6のステップS104−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がないものと判定し、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示しない。
以上の説明により、第1実施形態に係る情報表示装置1は、座標を形成するように複数配置された静電容量センサ12を備え、透過性のタッチパネルディスプレイ装置10と、複数の静電容量センサ12のうちの、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10に接触したときの検出静電容量センサ群を検知する容量変化検知部42と、検出静電容量センサ群の容量値Cに基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する表裏判定部43と、表裏判定部43の判定結果に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示する表示制御部44と、を具備している。このように、第1実施形態に係る情報表示装置1では、透過性のタッチパネルディスプレイ装置を用いた方式において、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを区別することができるため、ユーザの利便性が向上する。また、第1実施形態に係る情報表示装置1では、静電容量センサ12(検出静電容量センサ群の容量値C)により、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定するため、タッチパネルディスプレイ装置10の表面と裏面との両方にセンサを設ける必要がない。
また、第1実施形態に係る情報表示装置1は、表示制御部44の制御により情報を映像として投影するための映像投影装置2を更に具備し、タッチパネルディスプレイ装置10は、その表面がタッチパネルディスプレイ装置10の表面として用いられ、映像投影装置2からの映像が投影される透過性の投影シート11と、その表面と投影シート11の裏面との間に複数の静電容量センサ12が配置され、その裏面がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面として用いられる透過性の基材13と、を更に備えている。投影シート11の表面から複数の静電容量センサ12までの距離D1と、基材13の裏面から複数の静電容量センサ12までの距離D2とは、異なる。第1実施形態に係る情報表示装置1では、タッチパネルディスプレイ装置10の上記構成により、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを区別することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態では第1実施形態からの変更点を説明する。
第2実施形態では、表裏判定部43は、上述の(条件B)により、すなわち、検出静電容量センサ群の数(検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状)の差異により、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する。
図8、9を用いて、第2実施形態に係る情報表示装置1の動作について説明する。図8は、第2実施形態に係る情報表示装置1の表裏判定部43の動作を示すフローチャートである。図9は、第2実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。
容量変化検知部42は、複数の静電容量センサ12のうちの、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10に接触したときの検出静電容量センサ群を検知し、その検出結果として、検出静電容量センサ群の容量値C、数、位置を表す情報を出力する。表裏判定部43は、容量変化検知部42からの検出結果を受け取る(図8のステップS201)。
表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cに基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか否かを判定する。具体的には、図9に示されるように、検出静電容量センサ群の容量値C、位置を表す曲線Vに対して、容量閾値Cth20が設定されている。表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cが容量閾値Cth20以上であるか否かを判定する(図8のステップS202)。
ここで、検出静電容量センサ群の容量値Cが容量閾値Cth20より小さい場合(図8のステップS202−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がないあるものと判定し、図9のステップS204が実行される。
一方、表裏判定部43は、検出静電容量センサ群のうち、容量値Cが容量閾値Cth20以上の検出静電容量センサが存在する場合、その検出静電容量センサに対して、フラグを設定する(図8のステップS202−Yes、S203)。この処理では、容量閾値Cth20を表す直線Lと曲線Vとの最初の交点P1が求められた場合(図8のステップS204−No)、上記直線Lと曲線Vとの次の交点P2が求められるまで、ステップS201〜S204が実行される。
交点P1、P2が求められ、フラグが設定されている場合(図8のステップS204−Yes、S205−Yes)、表裏判定部43は、検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数(検出数)を、検出静電容量センサ群の数とする。検出数は、X座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wx20と、Y座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wy20とを表している。表裏判定部43は、検出数Wx20、Wy20に基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか否かを判定する。具体的には、図9に示されるように、表裏判定部43は、フラグが設定され(Cp≧Cth20であり)、検出数Wx20、Wy20がそれぞれ設定数Wthx20、Wthy20より少ないか否かを判定する(図8のステップS206)。
ここで、検出数Wx20、Wy20がそれぞれ設定数Wthx20、Wthy20より少ない場合(図8のステップS206−Yes)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるものと判定し、その判定結果を表示制御部44に出力する(図8のステップS207)。このとき、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果を受け取る。例えば、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面を表している場合は、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に第1の情報(第1の映像)が表示されるように映像投影装置2を制御する。
このように、2つの距離D1、D2が、D1<D2という関係である場合、タッチパネルディスプレイ装置10の表面は、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面と比べて、検出静電容量センサ群までの距離が短いため、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触すると、検出静電容量センサ群の容量値Cが大きくなり、検出静電容量センサ群の数が少なくなる。すなわち、検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状が小さくなる。
一方、検出数Wx20、Wy20がそれぞれ設定数Wthx20、Wthy20以上である場合(図8のステップS206−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるものと判定し、その判定結果を表示制御部44に出力する(図8のステップS208)。このとき、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果を受け取る。例えば、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面を表している場合は、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に第2の情報(第2の映像)が表示されるように映像投影装置2を制御する。
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識できるように、第1または第2の情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。
このように、2つの距離D1、D2が、D1<D2という関係である場合、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面と比べて、検出静電容量センサ群までの距離が長いため、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触すると、検出静電容量センサ群の容量値Cが小さくなり、検出静電容量センサ群の数が多くなる。すなわち、検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状が大きくなる。
一方、フラグが設定されていない場合(図8のステップS205−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がないものと判定し、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示しない。
以上の説明により、第2実施形態に係る情報表示装置1は、座標を形成するように複数配置された静電容量センサ12を備え、透過性のタッチパネルディスプレイ装置10と、複数の静電容量センサ12のうちの、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10に接触したときの検出静電容量センサ群を検知する容量変化検知部42と、検出静電容量センサ群の数(検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状)に基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する表裏判定部43と、表裏判定部43の判定結果に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示する表示制御部44と、を具備している。このように、第2実施形態に係る情報表示装置1では、透過性のタッチパネルディスプレイ装置を用いた方式において、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを区別することができるため、ユーザの利便性が向上する。また、第2実施形態に係る情報表示装置1では、静電容量センサ12(検出静電容量センサ群の数(検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状))により、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定するため、タッチパネルディスプレイ装置10の表面と裏面との両方にセンサを設ける必要がない。
[第3実施形態]
第3実施形態では第1実施形態からの変更点を説明する。
第3実施形態では、表裏判定部43は、上述の(条件C)により、すなわち、上述の(条件A)と上述の(条件B)との組み合わせにより、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する。
図10〜15を用いて、第3実施形態に係る情報表示装置1の動作について説明する。図10は、第3実施形態に係る情報表示装置1の表裏判定部43の動作を示すフローチャートである。図11〜15は、第3実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。
容量変化検知部42は、複数の静電容量センサ12のうちの、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10に接触したときの検出静電容量センサ群を検知し、その検出結果として、検出静電容量センサ群の容量値C、数、位置を表す情報を出力する。表裏判定部43は、容量変化検知部42からの検出結果を受け取る(図10のステップS301)。
表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cに基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか否かを判定する。具体的には、図11に示されるように、検出静電容量センサ群の容量値C、位置を表す曲線Vに対して、容量閾値Cth31と、容量閾値Cth31より小さい容量閾値Cth32とが設定されている。表裏判定部43は、検出静電容量センサ群の容量値Cが容量閾値Cth31以上であるか否かを判定する(図10のステップS302)。
ここで、表裏判定部43は、検出静電容量センサ群のうち、容量値Cが容量閾値Cth31以上の検出静電容量センサが存在する場合(図10のステップS302−Yes)、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるものと判定し、「フラグ1」を設定する(図10のステップS303)。この処理では、容量閾値Cth31を表す直線Lと曲線Vとの最初の交点P1が求められた場合(図10のステップS306−No)、上記直線Lと曲線Vとの次の交点P2が求められるまで、ステップS301〜S303、S306が実行される。
一方、表裏判定部43は、検出静電容量センサ群のうち、容量値Cが容量閾値Cth31以上の検出静電容量センサが存在しないが、容量値Cが容量閾値Cth32以上の検出静電容量センサが存在する場合(図10のステップS302−No、S304−Yes)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるものと判定し、「フラグ2」を設定する(図10のステップS305)。この処理では、容量閾値Cth32を表す直線Lと曲線Vとの最初の交点P1が求められた場合(図10のステップS306−No)、上記直線Lと曲線Vとの次の交点P2が求められるまで、ステップS301、S302、S304〜S306が実行される。
ここで、検出静電容量センサ群の容量値Cが容量閾値Cth32より小さい場合(図10のステップS304−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がないあるものと判定し、図11のステップS306が実行される。
交点P1、P2が求められ、フラグとして「フラグ1」が設定されている場合(図10のステップS306−Yes、S307−Yes、S308−Yes)、表裏判定部43は、検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数(検出数)を、検出静電容量センサ群の数とする。検出数は、X座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wx31と、Y座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wy31とを表している。表裏判定部43は、検出数Wx31、Wy31に基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか否かを判定する。具体的には、図10に示されるように、表裏判定部43は、「フラグ1」が設定され(Cp≧Cth31であり)、検出数Wx31、Wy31がそれぞれ設定数Wthx31、Wthy31より少ないか否かを判定する(図10のステップS309)。
ここで、検出数Wx31、Wy31がそれぞれ設定数Wthx31、Wthy31より少ない場合(図10のステップS309−Yes)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるものと判定し、その判定結果を表示制御部44に出力する(図10のステップS310)。このとき、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果を受け取る。例えば、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面を表している場合は、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に第1の情報(第1の映像)が表示されるように映像投影装置2を制御する。
このように、2つの距離D1、D2が、D1<D2という関係である場合、タッチパネルディスプレイ装置10の表面は、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面と比べて、検出静電容量センサ群までの距離が短いため、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触すると、検出静電容量センサ群の容量値Cが大きくなり、検出静電容量センサ群の数が少なくなる。すなわち、検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状が小さくなる。
図12は、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面から接触した場合の検出静電容量センサ群の位置(座標)と容量値Cとを示している。例えば、容量閾値Cth31を1500とした場合、検出静電容量センサ群のうち、容量値Cが1500以上の検出静電容量センサに対して「フラグ1」が設定され、それ以外の検出静電容量センサに対して「フラグ0」が設定される。それを模式的に表したものを図13に示している。図13に示されるように、「フラグ1」が設定された検出静電容量センサにおいて、縦方向の座標をX座標、横方向の座標をY座標とした場合、検出数Wx31、Wy31はそれぞれ「3」、「5」となる。設定数Wthx31、Wthy31がそれぞれ「4」、「6」である場合、Wx31<Wthx31、Wy31<Wthy31が成立するため、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるものと判定される。
一方、検出数Wx31、Wy31がそれぞれ設定数Wthx31、Wthy31以上である場合(図10のステップS309−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がないものと判定し、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示しない。
交点P1、P2が求められ、フラグとして「フラグ2」が設定されている場合(図10のステップS306−Yes、S307−Yes、S308−No)、表裏判定部43は、検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数(検出数)を、検出静電容量センサ群の数とする。検出数は、X座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wx32と、Y座標の検出静電容量センサ群のうち、交点P1から交点P2までに位置する検出静電容量センサの数である検出数Wy32とを表している。表裏判定部43は、検出数Wx32、Wy32に基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるか否かを判定する。具体的には、図10に示されるように、表裏判定部43は、「フラグ2」が設定され(Cp<Cth31、Cp≧Cth32であり)、検出数Wx32、Wy32がそれぞれ設定数Wthx32、Wthy32以上であるか否かを判定する(図10のステップS311)。
ここで、検出数Wx32、Wy32がそれぞれ設定数Wthx32、Wthy32以上である場合(図10のステップS311−Yes)、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるものと判定し、その判定結果を表示制御部44に出力する(図10のステップS312)。このとき、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果を受け取る。例えば、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面を表している場合は、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に第2の情報(第2の映像)が表示されるように映像投影装置2を制御する。
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識できるように、第1または第2の情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。
このように、2つの距離D1、D2が、D1<D2という関係である場合、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面と比べて、検出静電容量センサ群までの距離が長いため、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触すると、検出静電容量センサ群の容量値Cが小さくなり、検出静電容量センサ群の数が多くなる。すなわち、検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状が大きくなる。
図14は、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から接触した場合の検出静電容量センサ群の位置(座標)と容量値Cとを示している。例えば、容量閾値Cth32を155とした場合、検出静電容量センサ群ののうち、容量値Cが155以上の検出静電容量センサに対して「フラグ2」が設定され、それ以外の検出静電容量センサに対して「フラグ0」が設定される。それを模式的に表したものを図15に示している。図15に示されるように、「フラグ2」が設定された検出静電容量センサにおいて、縦方向の座標をX座標、横方向の座標をY座標とした場合、検出数Wx32、Wy32はそれぞれ「4」、「8」となる。設定数Wthx32、Wthy32がそれぞれ「4」、「8」である場合、Wx32≧Wthx32、Wy32≧Wthy32が成立するため、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるものと判定される。
一方、検出数Wx32、Wy32がそれぞれ設定数Wthx32、Wthy32より少ない場合(図10のステップS311−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がないものと判定し、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示しない。
また、フラグが設定されていない場合(図10のステップS307−No)、表裏判定部43は、ユーザの接触がないものと判定し、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示しない。
以上の説明により、第3実施形態に係る情報表示装置1は、座標を形成するように複数配置された静電容量センサ12を備え、透過性のタッチパネルディスプレイ装置10と、複数の静電容量センサ12のうちの、ユーザがタッチパネルディスプレイ装置10に接触したときの検出静電容量センサ群を検知する容量変化検知部42と、検出静電容量センサ群の容量値Cと検出静電容量センサ群の数(検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状)との両方に基づいて、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定する表裏判定部43と、表裏判定部43の判定結果に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に情報を表示する表示制御部44と、を具備している。このように、第3実施形態に係る情報表示装置1では、透過性のタッチパネルディスプレイ装置を用いた方式において、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを区別することができるため、ユーザの利便性が向上する。また、第3実施形態に係る情報表示装置1では、静電容量センサ12(検出静電容量センサ群の容量値C、検出静電容量センサ群の数(検出静電容量センサ群の数、位置により形成される接触面の形状))により、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるか裏面であるかを判定するため、タッチパネルディスプレイ装置10の表面と裏面との両方にセンサを設ける必要がない。
[第4実施形態]
第4実施形態では第1〜第3実施形態からの変更点を説明する。
第1〜第3実施形態では、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識できるように、第1の情報(第1の映像)がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。一方、第4実施形態では、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザがタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から認識できるように、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面への接触により、第1の情報(第1の映像)を左右反転させた第2の情報(第2の映像)がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。
図16〜19を用いて、第4実施形態に係る情報表示装置1の動作について説明する。図16は、第4実施形態に係る情報表示装置1の表示制御部44の動作を示すフローチャートである。図17〜19は、第4実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。
表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面への接触がない場合、あるいは、表裏判定部43の判定結果が、ユーザ21の接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面を表している場合(図16のステップS401−No)、表示処理を実行する(図16のステップS402)。表示処理では、表示制御部44は、第1の情報(第1の映像)がタッチパネルディスプレイ装置10に表示されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21は、タッチパネルディスプレイ装置10に表示された第1の情報(第1の映像)を見ている。このとき、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22は、第1の情報として、図17に示すような情報401を見ていることになる。情報401は、第1の情報が左右反転された情報である。情報401は、左右反転された文字などを表している。この場合、ユーザ22は、情報401をタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から認識しにくい。図18に示されるように、ユーザ22は、タッチパネルディスプレイ装置10に表示された情報401を認識したいので、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面をタッチする。
表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面への接触があり、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面を表している場合(図16のステップS401−Yes)、反転表示処理を実行する(図16のステップS403)。反転表示処理では、表示制御部44は、第1の情報(第1の映像)を左右反転させた第2の情報(第2の映像)が表示されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22は、第2の情報として、図19に示すような情報402を見ることができる。情報402は、情報401が左右反転された情報である。この場合、ユーザ22は、情報402をタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から認識することができる。
以上の説明により、第4実施形態に係る情報表示装置1は、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面の接触を表している場合、タッチパネルディスプレイ装置10に表示されている情報401を左右反転させた情報402をタッチパネルディスプレイ装置10に表示する。このように、第4実施形態に係る情報表示装置1では、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22は、情報(映像)をタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から認識することができる。
[第5実施形態]
第5実施形態では第4実施形態からの変更点を説明する。
第4実施形態では、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から認識できるように、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面へのユーザ22の接触により、情報401を左右反転させた情報402がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。一方、第5実施形態では、ユーザ22がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から描画情報を入力(描画)し終えると、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21がタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識できるように、描画情報を左右反転させた描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。
図20〜23を用いて、第5実施形態に係る情報表示装置1の動作について詳細に説明する。図20は、第5実施形態に係る情報表示装置1の表示制御部44の動作を示すフローチャートである。図21〜23は、第5実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。
表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面を表している(図20のステップS501−No)。このとき、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21は、タッチパネルディスプレイ装置10に描画情報を入力(描画)したいので、指示媒体(ペン先またはユーザ21の指先)を用いてタッチパネルディスプレイ装置10の表面から入力操作を行なっている(図20のステップS503−Yes)。この場合、表示制御部44は、表示処理を実行する(図20のステップS504)。表示処理では、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザ21により入力された情報を表す描画情報を生成し、描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に映像として投影(表示)されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、後述の「反転フラグ」が設定されていないため(図20のステップS505−Yes)、表示制御部44は、表裏判定部43からの次の判定結果を待つ。表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面への接触がなく、入力操作も行なわれていない場合(図20のステップS501−No、S503−No、S505−Yes)、表示制御部44は、前回の処理を継続する。例えば、表示制御部44は、上述の描画情報(映像)がタッチパネルディスプレイ装置10に表示されるように映像投影装置2を制御している。
一方、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面を表している(図20のステップS501−Yes)。このとき、表示制御部44は、「反転フラグ」を設定する。タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22は、入力操作によりタッチパネルディスプレイ装置10に第1の描画情報を入力したいので、指示媒体(ペン先またはユーザ22の指先)を用いてタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から入力操作を行なう(図20のステップS503−Yes)。この場合、表示制御部44は、表示処理を実行する(図20のステップS504)。表示処理では、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザ22により入力された情報を表す第1の描画情報を生成し、第1の描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に映像として投影(表示)されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21は、図22に示すような描画情報501を見ていることになる。描画情報501は、第1の描画情報が左右反転された描画情報である。描画情報501は、左右反転された文字などを表している。この場合、ユーザ21は、描画情報501をタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識しにくい。
そこで、「反転フラグ」が設定されているため(図20のステップS505−No)、表示制御部44は、ユーザ22の入力操作が終了してから所定時間が経過したか否かを判定する(図20のステップS506)。
ユーザ22の入力操作が終了してから所定時間が経過していない場合(図20のステップS506−No)、ユーザ22は、まだタッチパネルディスプレイ装置10に描画情報(この場合、第1の描画情報)を入力する可能性がある。そのため、ステップS503が実行される。
一方、ユーザ22の入力操作が終了してから所定時間が経過した場合(図20のステップS506−Yes)、反転表示処理を実行する(図20のステップS507)。反転表示処理では、表示制御部44は、第1の描画情報を左右反転させた第2の描画情報が表示されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21は、図23に示すような描画情報502を見ることができる。描画情報502は、描画情報501が左右反転された描画情報である。この場合、ユーザ21は、描画情報502をタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識することができる。
図24、25を用いて、反転表示処理の一例について説明する。図24に示されるように、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22は、入力操作により文字「CAR」を入力したものとする。ユーザ22の入力操作が終了してから所定時間(例えば、10秒間)が経過した場合、描画情報503「CAR」を1つのオブジェクトとして扱う。このオブジェクトは、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面からの入力であるため、「反転フラグ」付きのオブジェクトとなる。図24に示される座標(x1,y1)、(x2,y2)が、それぞれ、図25に示される座標(x1’,y1’)、(x2’,y2’)に変換される。
ここで、ディスプレイ座標系は、ディスプレイの表示画素数単位を示しており、例えば、Full−HD(フルハイビジョン)の場合は1920画素×1080画素、UHD(Ultra High Definition)の場合は3840画素×2160画素となる。左上をディスプレイ座標系の原点として、横方向がx座標、縦方向がy座標を示している。ディスプレイ座標系で横方向の座標を変換するときに、Full−HD解像度(1920×1080)を対象とした場合、座標(x1’,y1’)、(x2’,y2’)は、
x1’=1919−x1
y1’=y1
x2’=1919−x2
y2’=y2
と表すことができる。
この例では、ディスプレイの長辺側を水平に設置した横長タイプの場合であるが、短辺側を水平に設置した縦長タイプの場合であっても考え方は同じである。また、座標反転は、センサ座標系、ディスプレイ座標系の何れでもよい。
以上の説明により、第5実施形態に係る情報表示装置1は、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザ22により入力された情報を表す描画情報501を生成し、描画情報501をタッチパネルディスプレイ装置10に表示する。表裏判定部43の判定結果がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面の接触を表していて、ユーザ22による入力の終了から所定時間が経過した場合、表示制御部44は、描画情報501を左右反転させた描画情報502をタッチパネルディスプレイ装置10に表示する。このように、第5実施形態に係る情報表示装置1では、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22は、入力操作により入力した描画情報501を確認しやすく、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21は、所定時間経過後に描画情報501が左右反転された描画情報502を認識することができる。
[第6実施形態]
第6実施形態では第4実施形態からの変更点を説明する。
第5実施形態では、ユーザ22が入力操作によりタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から描画情報501を入力し終えると、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21がタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識できるように、描画情報501を左右反転させた描画情報502がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。一方、第6実施形態では、ユーザ22が入力操作によりタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から描画情報を入力しているときに、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21がタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から認識できるように、リアルタイムに、描画情報を左右反転させた描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示される。
図26〜28を用いて、第6実施形態に係る情報表示装置1の動作について詳細に説明する。図26は、第6実施形態に係る情報表示装置1の表示制御部44の動作を示すフローチャートである。図27、28は、第6実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。
表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面を表している(図26のステップS601−No)。このとき、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21は、入力操作によりタッチパネルディスプレイ装置10に描画情報を入力したいので、指示媒体(ペン先またはユーザ21の指先)を用いてタッチパネルディスプレイ装置10の表面から入力操作を行なっている(図26のステップS603−Yes)。この場合、後述の「反転フラグ」が設定されていないため(図26のステップS504−Yes)、表示制御部44は、表示処理を実行する(図26のステップS605)。表示処理では、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザ21により入力された情報を表す描画情報を生成し、描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に映像として投影(表示)されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面への接触がなく、入力操作も行なわれていない場合(図26のステップS601−No、S603−No)、表示制御部44は、前回の処理を継続する。例えば、表示制御部44は、上述の描画情報(映像)がタッチパネルディスプレイ装置10に表示されるように映像投影装置2を制御している。
一方、表裏判定部43の判定結果が、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面を表している(図26のステップS601−Yes)。このとき、表示制御部44は、「反転フラグ」を設定する。タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22は、タッチパネルディスプレイ装置10に描画情報601(図27)として文字「CAR」の「C」を書き始めたいので、指示媒体(ペン先またはユーザ22の指先)を用いてタッチパネルディスプレイ装置10の裏面から入力操作を行なう(図26のステップS603−Yes)。この場合、「反転フラグ」が設定されているため(図26のステップS504−No)、表示制御部44は、リアルタイム反転表示処理を実行する(図26のステップS606)。リアルタイム反転表示処理では、表示制御部44は、描画情報601を左右反転させた描画情報602(図28)がリアルタイムに表示されるように映像投影装置2を制御する。
図29、30を用いて、リアルタイム反転表示処理の一例について説明する。ここで、図29に示されるように、静電容量センサ12のライン数が、Y座標(静電容量センサ12Y)においては、Y0からY254までの255ラインであり、X座標(静電容量センサ12X)においては、X0からX142までの143ラインである場合について説明する。
図30に示されるように、センサ座標系は、静電容量センサ12の検知エリア(アクティブエリア)、つまり、ユーザの入力により、静電容量の変化が検出され、タッチであると認識することができる領域内に関して、センサライン単位の座標で表す。特に、本実施形態の構成では、ディスプレイ表示に対し、右上がセンサ座標系の原点(0,0)であり、Y座標(静電容量センサ12Y)が横方向を示し、X座標(静電容量センサ12X)が縦方向を示している。このとき、センサ座標系でY座標変換(反転処理)を行なう場合は、変換後のY座標をY’とすると、
Y’=254−Y
と表すことができる。
ここで、ディスプレイ座標系は、ディスプレイの表示画素数単位を示しており、例えば、Full−HD(フルハイビジョン)の場合は1920画素×1080画素、UHD(Ultra High Definition)の場合は3840画素×2160画素となる。左上をディスプレイ座標系の原点として、横方向がx座標、縦方向がy座標を示している。ディスプレイ座標系で横方向の座標を変換するときに、Full−HD解像度(1920×1080)を対象とした場合、
DISPx’=1919−DISPx
と表すことができる。DISPxは、ディスプレイ座標系のx座標を表している。
センサの構成によっては、原点となる位置が異なってくるため、構成に応じて正しく変換する必要がある。センサ座標系は、最終出力する際にディスプレイ座標系に変換するため、横方向の座標変換をどのタイミングで変換するかは、適用するシステムによって柔軟に対応することができる。いずれの場合も、ディスプレイの長辺側を水平に設置した横長タイプの場合の例であり短辺側を水平に設置した縦長タイプの場合であっても考え方は同じである。また、座標反転は、センサ座標系、ディスプレイ座標系の何れでもよい。
以上の説明により、第6実施形態に係る情報表示装置1は、表示制御部44は、表裏判定部43の判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザ22により入力された情報を表す描画情報601を生成し、描画情報601をタッチパネルディスプレイ装置10に表示する。表裏判定部43の判定結果がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面の接触を表している場合、表示制御部44は、描画情報601を左右反転させた描画情報602をリアルタイムにタッチパネルディスプレイ装置10に表示する。このように、第6実施形態に係る情報表示装置1では、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22が描画情報501を入力中であっても、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21は、リアルタイムに描画情報601が左右反転された描画情報602を認識することができる。
[第7実施形態]
第7実施形態では第1〜第6実施形態からの変更点を説明する。
第1〜第3実施形態では、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザが入力操作によりタッチパネルディスプレイ装置10の表面側から第1の情報(描画情報)を入力し、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザが入力操作によりタッチパネルディスプレイ装置10の裏面側から第2の情報(描画情報)を入力することができる。タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザと、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザと、が同時に入力操作を行なっていない場合は、第4〜第6実施形態が適用される。しかし、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザと、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザと、が同時に入力操作を行なった場合、例えば、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいる他のユーザは、タッチパネルディスプレイ装置10に表示された第1の情報(描画情報)と第2の情報(描画情報)とを区別して認識しにくい。第7実施形態では、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザと、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザと、が同時に入力操作を行なった場合に、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザにより入力された描画情報と、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザにより入力された描画情報と、を区別して、タッチパネルディスプレイ装置10に表示する。
図31〜33を用いて、第7実施形態に係る情報表示装置1の動作について説明する。図31は、第7実施形態に係る情報表示装置1の表裏判定部43の動作を示すフローチャートである。図32は、第7実施形態に係る情報表示装置1の表示制御部44の動作を示すフローチャートである。図33は、第7実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。
図33に示されるように、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21と、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22と、が同時に入力操作を行なっている。このとき、図31に示されるように、表裏判定部43は、前述したステップS301〜S309、S311、S710、S712を実行する。すなわち、表裏判定部43は、第3実施形態におけるステップS310、S312に代えて、ステップS710、S712を実行する。
ステップS710において、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面であるものと判定したときに、その判定結果に、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面である旨を表す表面側属性情報を付加し、表示制御部44に出力する。
ステップS712において、表裏判定部43は、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の裏面であるものと判定したときに、その判定結果に、ユーザの接触がタッチパネルディスプレイ装置10の表面である旨を表す裏面側属性情報を付加し、表示制御部44に出力する。
表示制御部44は、表面側属性情報が付加された判定結果と、裏面側属性情報が付加された判定結果と、を同時に受け取った場合、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21と、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22と、が同時に入力操作を行なっているものと判定する(図32のステップS701−Yes)。この場合、表示制御部44は、同時表示処理を実行する(図32のステップS702)。同時表示処理では、表示制御部44は、表面側属性情報が付加された判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザ21により入力された情報を表す第1描画情報を生成し、第1描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示されるように映像投影装置2を制御する。同時に、表示制御部44は、裏面側属性情報が付加された判定結果と、検出静電容量センサ群の位置とに基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対してユーザ22により入力された情報を表す第2描画情報を生成し、第1描画情報の属性とは異なる属性により第2描画情報がタッチパネルディスプレイ装置10に表示されるように映像投影装置2を制御する。
ここで、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいる他のユーザは、第1描画情報として、図33に示すような描画情報701を見ることができる。描画情報701は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21により入力された描画情報である。
また、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいる他のユーザは、第2描画情報として、図33に示すような描画情報702を見ることができる。描画情報702は、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22により入力された描画情報である。また、描画情報701が黒色で表記されている場合、描画情報702は、描画情報701の属性とは異なる属性として、例えば赤色で表記されている。
なお、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21と、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22と、が同時に入力操作を行なっていない場合(図32のステップS701−No)、第4〜第6実施形態が適用される。
以上の説明により、第7実施形態に係る情報表示装置1は、表裏判定部43の判定結果がタッチパネルディスプレイ装置10の表面と裏面との同時接触を表している場合、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10の表面の接触を検知した検出静電容量センサ群の位置に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対して第1ユーザ(ユーザ21)により入力された情報を表す第1描画情報(描画情報701)を生成し、第1描画情報(描画情報701)をタッチパネルディスプレイ装置10に表示する。同時に、表示制御部44は、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面の接触を検知した検出静電容量センサ群の位置に基づいて、タッチパネルディスプレイ装置10に対して第2ユーザ(ユーザ22)により入力された情報を表す第2描画情報(描画情報702)を生成し、第1描画情報(描画情報701)の属性とは異なる属性により第2描画情報(描画情報702)をタッチパネルディスプレイ装置10に表示する。このように、第7実施形態に係る情報表示装置1では、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21と、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22と、が同時に入力操作を行なった場合に、タッチパネルディスプレイ装置10の表面側にいるユーザ21により入力された描画情報701と、タッチパネルディスプレイ装置10の裏面側にいるユーザ22により入力された描画情報702と、を区別して、タッチパネルディスプレイ装置10に表示することができる。
[第8実施形態]
第8実施形態では第1〜第7実施形態からの変更点を説明する。
図34は、第8実施形態に係る情報表示装置1の動作を説明するための図である。タッチパネルディスプレイ装置10に情報801が表示されるときに、例えば、基材13において、情報801が表示されない部分に、振動スピーカ80が設けられている。振動スピーカ80を基材13に接触させ、その基材13全体を振動板の代わりに振動させることにより、360度全方位に向けて音を出すことができる。これにより、通常のスピーカを別途追加する必要が無く、基材13を振動させるだけで、新たな機能を追加することができる。
以上のように、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。