JP2017161180A - エラストマーの乾燥方法、エラストマーの製造方法、エラストマーの乾燥装置およびエラストマーの製造装置 - Google Patents

エラストマーの乾燥方法、エラストマーの製造方法、エラストマーの乾燥装置およびエラストマーの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥室の壁の内面にゴム微粉の付着を防止することができるゴムの乾燥方法と乾燥装置を提供すること。【解決手段】製造過程のゴム12が投入されてゴム12を内部で乾燥させる乾燥室20と、乾燥室20を構成する壁30aの内面に結露水を発生させて壁30aの内面を水で濡らす熱交換器40と、を有するゴムの乾燥装置。【選択図】図1

Description

本発明は、エラストマーの乾燥方法、エラストマーの製造方法、エラストマーの乾燥装置およびエラストマーの製造装置に関する。
エラストマーの製造過程において、重合して凝固されたエラストマーを含むスラリーは、水分を多量に含んでいる。エラストマーを製品として出荷するためには、これを脱水して乾燥する必要がある。製造過程のエラストマーを乾燥させる装置としては、たとえば特許文献1に示す装置が知られている。
しかしながら、従来のエラストマーの乾燥装置および乾燥方法では、乾燥室の壁の内面に、エラストマーの微粉が付着して堆積するという課題を有している。乾燥室の壁の内面に付着したエラストマーの微粉の堆積物をそのままにしておくと、堆積物が剥がれて落下し、乾燥途中のエラストマー製品に混入し、異物となってしまうおそれがある。
特開平11−198137号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その第1の目的は、乾燥室の壁の内面にエラストマー微粉の付着を防止することができるエラストマーの乾燥方法と乾燥装置を提供することである。また、本発明の第2の目的は、エラストマーの乾燥工程で異物の混入が少ないエラストマーの製造方法と製造装置を提供することである。
本発明者等は、フッ素樹脂コーティングしてある壁の内面であってもエラストマーの微粉が付着して堆積物が生じてしまうことがあり、その堆積物の生成が疎水表面上の水滴にあることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記第1の目的を達成するために、本発明に係るエラストマーの乾燥方法は、製造過程のエラストマーを乾燥させる乾燥室を構成する壁の内面を水で濡らした状態で、前記エラストマーを乾燥させることを特徴とする。
上記第1の目的を達成するために、本発明のエラストマーの乾燥装置は、
製造過程のエラストマーが投入されて前記エラストマーを内部で乾燥させる乾燥室と、
前記乾燥室を構成する壁の内面に結露水を発生させて前記壁の内面を水で濡らす結露水発生手段と、を有する。
本発明のエラストマーの乾燥方法と装置によれば、乾燥室を構成する壁の内面が水で濡らされているため、エラストマーの乾燥途中において、壁の内面に付着しようとするエラストマーの微粉は、壁の内面に存在する水と共に下に落ちる。そのため、壁の内面にエラストマーの微粉が徐々に付着して堆積することが防止され、堆積物が剥がれて乾燥途中のエラストマーに混入するおそれを低減することができる。
本発明において、壁の内面を水で濡らした状態とは、フッ素樹脂コーティング表面などの疎水性表面に水滴が点在してから乾燥する状態ではなく、エラストマーの乾燥途中において、壁の内面に水が親水状態で常時存在することを意味する。
従来では、乾燥運転初期に、フッ素樹脂コーティング表面などの疎水性表面に水滴が形成され、その水滴にエラストマーの微粉が付着し、乾燥運転途中に、水滴が乾燥する際に、水滴の表面張力でエラストマーの微粉粒子が内面に引っ張られる。その後に、壁の内面に引きつけられたエラストマーの微粉粒子は熱変形して壁の内面に付着し、その上に、さらにエラストマーの微粉粒子が堆積していくと考えられる。堆積して熱変形して劣化したエラストマーの堆積物が落下して乾燥途中のエラストマーに混入すれば、エラストマー製品中の異物となってしまう。
本発明では、たとえば壁の内面を壁の外側から冷却することで、壁の内面に結露水を常時生じさせて壁の内面を濡らすことができる。もともと製造過程のエラストマーには、水分が含まれることから、製造過程のエラストマーから蒸発した水分を、壁の内面で結露水として生じさせれば、乾燥工程中に壁の内面に水分を常時供給することができる。したがって、本発明では、壁の内面に付着しようとするエラストマーの微粉は、壁の内面に存在する水と共に下に落ちる。そのため、壁の内面にエラストマーの微粉が徐々に付着して堆積することが防止され、堆積物が剥がれて乾燥途中のエラストマーに混入するおそれを低減することができる。
エラストマーの乾燥方法の一例として、前記乾燥室の内部では、100〜180°Cの温度でエラストマーのクラムが押出機から弾き出されてコンベア上に導かれて乾燥されてもよい。
好ましくは、前記壁の内面は、親水性材料で構成されているか、あるいは親水性処理されている。このように構成することで、壁の内面を水で濡らしやすくなり、壁の内面にエラストマーの微粉が付着するおそれを低減することができる。
好ましくは、結露水発生手段は、前記壁の内面を前記壁の外側から冷却する冷却手段である。製造過程のエラストマーには、水分が含まれることから、製造過程のエラストマーから蒸発した水分を、壁の内面で結露水として生じさせれば、乾燥工程中に壁の内面に水分を常時供給することができる。
本発明のエラストマーの乾燥装置は、
前記乾燥室の内部に前記エラストマーを弾き入れる押出機と、
前記押出機から弾き出されたエラストマーを搬送するコンベヤーと、をさらに有してもよい。
本発明の第2の目的を達成するために、本発明のエラストマーの製造方法は、上記のいずれかに記載のエラストマーの乾燥方法でエラストマーを乾燥させる工程を有する。
本発明の第2の目的を達成するために、本発明のエラストマーの製造装置は、上記のいずれかに記載のエラストマーの乾燥装置を有する。
本発明のエラストマーの製造方法および製造装置では、エラストマーの乾燥工程において、乾燥室の壁の内面からの堆積物の混入を防止することができ、異物の混入が少ない良質のエラストマーを製造することができる。
図1は本発明の一実施形態に係るエラストマーの乾燥装置の概略図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るエラストマーの乾燥装置2は、脱水機4と、押出機6と、乾燥室20とを有する。
脱水機4は、特に限定されないが、水分を含むエラストマースラリーをスクリュで軸方向に送り込みながら、水分をバレル外部に絞り出すタイプの脱水機などが用いられる。重合槽から供給された水分を多量に含むエラストマーは、たとえば振動スクリーンで水分が除去された後、脱水機へと供給される。スクリーンで分離された水分は、温水として戻される。
第2振動スクリーンで水分が分離される結果、脱水機4へ供給される前のエラストマーの含水率は、約50重量%程度である。脱水機4では、水分を約8〜12重量%程度まで乾燥させることができる。脱水機4で脱水されたエラストマーは、押出機6のホッパ部へと供給される。
押出機6のホッパ部には、ドレーンホールがあり、エラストマーに含まれる水の一部は、ここから排出されるが、その他の水分は、エラストマーと共にバレル7内部をスクリュ8によりダイ部9の出口まで搬送され、途中で排出されることはない。ダイ部9には、図3に示すように、ダイスとオリエンタ10とが対になって配置してある。
ダイスおよびオリエンタ10の配置数は、特に限定されないが、本実施形態では、約5対前後である。ダイ部9までスクリュ8により送り込まれたエラストマーは、ダイスの孔を通して、オリエンタ10から吐出される。バレル7の途中およびダイ部9には、ダイス以外の吐出口はないので、ダイ部9でのエラストマーの圧力は、4〜9Mpaとなる。
この押出機6では、スクリュ8の回転によるエラストマーの粘性発熱と、バレルジャケットによる加温により、エラストマーの温度を上昇させている。エラストマーの温度調節は、バレルジャケットの内部に流す加熱流体の温度制御により行う。ダイ部9での温度(出口温度)は、エラストマーの種類、分子量、ムーニー粘度などに依存するが、たとえばブタジエンゴム(BR)の場合には、一般に110〜150°Cとなるように、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)の場合には、一般に130〜170°Cとなるように制御される。すなわち、乾燥室20の内部では、100〜180°Cの温度でエラストマーのクラムがオリエンタ10から弾き出される。
なお、これらの温度は、押出機6から吐出されるエラストマーの含水率が4〜7重量%となるように決定され、得ようとするエラストマーの種類などにより異なる。このようにダイ部9では、高温高圧となっており、ダイ部9の圧力は常にエラストマー中の水の水蒸気圧より高い。ダイ部中のエラストマーと水がダイスから放出されると、水分は蒸気となり、エラストマーはポーラスな状態でダイスから弾き出される。オリエンタ10は、所定長さの方向付け用通路を有し、ダイスの吐出孔から吐出されたクラム状エラストマーの飛び出し方向を方向付けるようになっている。
押出機6の出口側に装着してあるオリエンタ10は、乾燥室20の内部にまで延びており、乾燥室20の内部では、オリエンタ10の吹き出し口の前方に、分散部材としての陣笠部材22が配置してある。陣笠部材22は、本実施形態では、円錐形状である。この陣笠部材22は、その軸線が、押出機の軸線と略平行な水平軸に対して、所定角度で傾斜して配置してある。その角度の調節は、陣笠部材22を天井から吊り下げている2本以上の調整棒の長さや取付位置を調節することにより行う。
オリエンタ10と陣笠部材22との距離(オリエンタ10から吐出されたエラストマーが陣笠部材22に衝突するまでの距離)は、500〜1500mm程度が好ましい。オリエンタ10から吐出されたクラム状エラストマー(製造過程のエラストマー)は、陣笠部材22の周面に衝突して、乾燥室20内に配置してあるコンベヤー用の多孔ベルト24へと向かい、その上に、均一に分散して堆積するようになっている。
乾燥室20は、ローラにより搬送方向Aに移動させられる多孔ベルト24を有する。多孔ベルト24は、たとえば開口率が30〜40%程度に孔が形成されたステンレス製板材で構成してある。孔の大きさは、ベルト24の上に堆積されるクラム状のエラストマー12が落下しない程度の大きさである。ベルト24の下方には、図示省略してあるノズルが配置してあり、そのノズルから乾燥用空気を、エラストマー12が堆積されたベルト24の裏面から吹き付けるようになっている。乾燥用空気の温度は、本実施形態では、50〜95°C程度である。
本実施形態では、図1に示すように、エラストマー12が堆積されたベルト24と、陣笠部材22と、オリエンタ10とを、ハウジング壁30で覆うように構成してあり、ハウジング壁30の内部の温度を一定とし、乾燥室20での乾燥効率を向上させている。
ハウジング壁30の少なくとも一部、特に、オリエンタ10に向かい合うハウジング壁30aの外側には、冷却手段としての熱交換器40が配置してある。熱交換器40は、ハウジング壁30aを外側から冷却し、壁30aの内面を冷却し、少なくとも壁30aの内面に結露水を生じさせるように構成してある。すなわち、熱交換器40は、結露水発生手段として機能する。
なお、熱交換器40は、ハウジング壁30の外側で少なくとも一部に設ければよいが、ハウジング壁30の全体を外側から覆うようにしてもよい。オリエンタ10に向かい合うハウジング壁30aの内面に少なくとも結露水を発生させるのは、この部分に最もエラストマーの微粉が付着しやすいことから、それを防止するためである。
熱交換器40には、冷媒を冷却するための冷却装置42が連結してあり、冷却された冷媒が熱交換器40を通ることで、少なくとも壁30aを外側から冷却する。そのため、乾燥室20の内部でのエラストマー12の乾燥に際して、壁30aの内面に結露水を常時発生させることができる。
なお、結露水を発生させるハウジング壁30aの内面は、親水性材料で構成されているか、あるいは親水性処理されており、水に対して濡れ性がよくなっている。たとえばハウジング壁30aは、ステンレス、鉄、ニッケル、アルミ、クロム、銅、その他各種金属合金などの金属で構成することが好ましい。このような金属で構成することで、水に対する濡れ性がよくなると共に、熱伝導特性が良好となり、ハウジング壁30aの外側から冷却することで、壁30aの内面に結露水を発生させやすい。
また、ハウジング壁30aは、金属以外、たとえばアルミナやジルコニアのようなセラミックス材料、ホウケイ酸ガラスや石英ガラスのようなガラス材料、エポキシ樹脂、ABS、PETなどの樹脂材料などで構成してもよい。また、ハウジング壁30aの内面には、シラノール処理、アルカリ処理、親水性塗料の塗布、親水性フィルムの被着、コロナ放電などの処理を行い、親水性処理を行ってもよい。また、ハウジング壁30内面の表面粗さを、水に対する濡れ性がよくなるように制御してもよく、表面粗さの制御は、前記親水性処理と併用してもよく、表面粗さ制御単独で水に対する濡れ性を向上させてもよい。なお、ハウジング壁30の全体を、結露水が発生するハウジング壁30aで構成してもよい。
ベルト24上に堆積された乾燥後のエラストマー12は、ベルト24の面から剥離され、粉砕され、計量部へと排出される。乾燥後のエラストマーは、計量部で計量された後、成形され、外観検査が成された後、包装され出荷される。あるいは、乾燥後のエラストマー(たとえばゴム)12は、圧縮されて、たとえばゴムベールに成形された後に包装されて出荷される。
前述したように、図1に示す脱水機4へ供給されるエラストマーの含水率は、約50重量%である。このエラストマーは、脱水機4で脱水され、エラストマーの含水率は、約8〜12重量%となる。このエラストマーが押出機6内に供給され、内部でスクリュ8により送り込まれることにより、水を含むエラストマーは、水蒸気圧以上に圧縮される。このため、水を含むエラストマーは、図示省略してあるダイスから大気中に放出されるときに、膨張および破裂し、水分は蒸気となり、エラストマーは、ポーラスなクラム状エラストマーとなる。
ダイスから吐出されたクラム状エラストマーは、オリエンタ10により吐出方向が調節されて、陣笠部材22に衝突する。陣笠部材22の周面に衝突したクラム状のエラストマーは、乾燥室20の多孔ベルト24の上に、均一に散らばる。多孔ベルト24が移動することにより、その上に散らばって所定厚みとなったクラム状エラストマー12は、搬送方向Aに移動し、その途中で、下から吹き上げられる乾燥用空気に曝される。乾燥用空気は、ベルトの多孔から所定厚みのクラム状エラストマー12を通過し、エラストマーを乾燥させる。
本実施形態のエラストマーの乾燥方法と乾燥装置2によれば、乾燥室20を構成するハウジング壁30aの内面が結露水で濡らされているため、エラストマー12の乾燥途中において、ハウジング壁30aの内面に付着しようとするエラストマーの微粉は、壁30aの内面に存在する結露水と共に下に落ちる。
そのため、壁30aの内面にエラストマーの微粉が徐々に付着して堆積することが防止され、堆積物(エラストマーの熱変成劣化物含む)が剥がれて乾燥途中のエラストマー12に混入するおそれを低減することができる。なお、結露水と共に落ちるエラストマーの微粉が乾燥途中のエラストマー12に混入することは問題がない。劣化する前のエラストマーの微粉は、エラストマー12に混入しても一緒に乾燥されて製品となっても異物とはならない。
本実施形態において、壁30aの内面を水で濡らした状態とは、フッ素樹脂コーティング表面などの疎水性表面に水滴が点在してから乾燥する状態ではなく、エラストマー12の乾燥途中において、壁30aの内面に水が親水状態で常時存在することを意味する。
従来では、乾燥運転初期に、フッ素樹脂コーティング表面などの疎水性表面に水滴が形成され、その水滴にエラストマーの微粉が付着し、乾燥運転途中に、水滴が乾燥する際に、水滴の表面張力でエラストマーの微粉粒子が内面に引っ張られる。その後に、壁の内面に引きつけられたエラストマーの微粉粒子は熱変形して壁の内面に付着し、その上に、さらにエラストマーの微粉粒子が堆積していくと考えられる。堆積して熱変形して劣化したエラストマーの堆積物が落下して乾燥途中のエラストマーに混入すれば、エラストマー製品中の異物となってしまう。
本実施形態では、たとえば壁30aの内面を壁30aの外側から冷却することで、壁30aの内面に結露水を常時生じさせて壁の内面を濡らすことができる。もともと製造過程のエラストマー12には、水分が含まれることから、製造過程のエラストマー12から蒸発した水分を、壁の内面で結露水として生じさせれば、乾燥工程中に壁の内面に水分を常時供給することができる。したがって、本実施形態では、壁30aの内面に付着しようとするエラストマーの微粉は、壁30aの内面に存在する水と共に下に落ちる。そのため、壁30aの内面にエラストマーの微粉が徐々に付着して堆積することが防止され、堆積物が剥がれて乾燥途中のエラストマー12に混入するおそれを低減することができる。
本実施形態の乾燥方法を用いて乾燥させるエラストマーとは、ゴム弾性を有する重合体であれば特に限定はなく、いわゆる合成ゴムや熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、これらのエラストマーに広く適用できる。具体的には、スチレン−ブタジエン・ゴム(SBR)、ニトリル−ブタジエン・ゴム(NBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、アクリルゴム、ポリエーテルゴム、ヒドリンゴムなどの合成ゴム;スチレン−イソプレン−スチレン・ブロックポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン・ブロックポリマー(SBS)、及びこれらの水素化ブロックポリマーなどの熱可塑性エラストマー;などの一般的な合成ゴムや熱可塑性エラストマーに広く適用できる。
本実施形態のエラストマーの製造方法および製造装置では、エラストマーの乾燥工程において、乾燥室20の壁30aの内面からの堆積物の混入を防止することができ、異物の混入が少ない良質のエラストマー(たとえばゴムベール)を製造することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば壁30aの内面を水で濡らすために用いる結露水発生手段としては、熱交換器40に限らず、ペルチェ素子冷却などを用いることもできる。また、壁30aの内面を水で濡らすための方法としては、結露水を生成する以外の方法として、ミストや霧を吹きかける方法、壁の上部から連続的に水を流し続ける方法などを用いる方法がある。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
実施例1のエラストマーとして、溶液重合により製造されたSBRであり、平均分子量が20.0×104 であり、そのムーニー粘度(JIS K6300)が50であるSBRを用いた。このSBRを、図1に示す装置を用いて乾燥させた。脱水機4へ供給されたゴムの含水率は、50重量%であった。
脱水機4で脱水した後のゴムの含水率は、10重量%であった。この10重量%の含水率のゴムを押出機6で乾燥した。押出機6の出口温度は130°Cに設定した。
ダイスから吐出されたゴムの含水率を調べたところ、5重量%であった。この5重量%の含水率のゴムを、図1に示す陣笠部材22に衝突させて、乾燥室20の多孔ベルト24上に均一に分散して堆積させた。
乾燥室20で乾燥された後のゴムの含水率は、0.2重量%であった。なお、ゴムの含水率の測定は、JIS−K−6383に準じ、クラムを105℃±5℃で1時間乾燥した後デシケーター中で放冷し、乾燥前後の重量差を含水量とし、(含水量)/(含水量+乾燥前後の重合体)を百分率で算出した。
このようにして乾燥されたゴムを目視により観察したところ、熱劣化が観察されず、また、粉化しないポーラスなゴムであることが確認された。また、20000kgのゴムについて、異物の混入が観察されなかった。10時間運転後の壁30aの内面には、ゴムの微粉の堆積は観察されなかった。
比較例1
熱交換器40を取り付けない以外は、実施例1と同様な条件でゴムを製造し、同様な評価を行った。ゴムには、微粉の堆積物と考えられる異物の混入が観察された。また、壁30aの内面には、ゴムの微粉の堆積が観察された。
実施例2および比較例2
エラストマーの種類をNBR(日本ゼオン製Nipol DN3350、乳化重合により製造、ムーニー粘度50)に代えて、実施例1および比較例1と同様な評価を行ったところ、同様な結果が得られた。
実施例3および比較例3
エラストマーの種類をBR(日本ゼオン製Nipol BR1220、溶液重合により製造、ムーニー粘度44)に代えて、実施例1および比較例1と同様な評価を行ったところ、同様な結果が得られた。
実施例4および比較例4
エラストマーの種類をIR(日本ゼオン製Nipol IR2200、溶液重合により製造、ムーニー粘度82)に代えて、実施例1および比較例1と同様な評価を行ったところ、同様な結果が得られた。
2… 乾燥装置
4… 脱水機
6… 押出機
10… オリエンタ
12… エラストマー
20… 乾燥室
22… 陣笠部材
24… 多孔ベルト
30,30a… 壁
40… 熱交換器(冷却手段、結露水発生手段)
押出機6のホッパ部には、ドレーンホールがあり、エラストマーに含まれる水の一部は、ここから排出されるが、その他の水分は、エラストマーと共にバレル7内部をスクリュ8によりダイ部9の出口まで搬送され、途中で排出されることはない。ダイ部9には、ダイスとオリエンタ10とが対になって配置してある。

Claims (9)

  1. 製造過程のエラストマーを乾燥させる乾燥室を構成する壁の内面を水で濡らした状態で、前記エラストマーを乾燥させることを特徴とするエラストマーの乾燥方法。
  2. 前記壁の内面を前記壁の外側から冷却することで、前記壁の内面に結露水を生じさせて前記壁の内面を濡らすことを特徴とする請求項1に記載のエラストマーの乾燥方法。
  3. 前記乾燥室の内部では、100〜180°Cの温度でエラストマーのクラムが押出機から弾き出されてコンベヤー上に導かれ、乾燥される請求項1または2に記載のエラストマーの乾燥方法。
  4. 前記壁の内面は、親水性材料で構成されているか、あるいは親水性処理されている請求項1〜3のいずれかに記載のエラストマーの乾燥方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエラストマーの乾燥方法でエラストマーを乾燥させる工程を有するエラストマーの製造方法。
  6. 製造過程のエラストマーが投入されて前記エラストマーを内部で乾燥させる乾燥室と、
    前記乾燥室を構成する壁の内面に結露水を発生させて前記壁の内面を水で濡らす結露水発生手段と、を有するエラストマーの乾燥装置。
  7. 前記結露水発生手段は、前記壁の内面を前記壁の外側から冷却する冷却手段である請求項6に記載のエラストマーの乾燥装置。
  8. 前記乾燥室の内部に前記エラストマーを弾き入れる押出機と、
    前記押出機から弾き出されたエラストマーを搬送するコンベヤーと、をさらに有する請求項6または7に記載のエラストマーの乾燥装置。
  9. 請求項6〜7のいずれかに記載のエラストマーの乾燥装置を有するエラストマーの製造装置。
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